JP2022149566A - 自発光表示パネル、及び自発光表示パネルの製造方法 - Google Patents

自発光表示パネル、及び自発光表示パネルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】補助配線を設けたことに伴う表示パネルの面積に対する自発光領域の占める比率である開口率の低下を抑制するとともに、発光素子への給電経路を低抵抗化する。【解決手段】基板100xと、基板100xに配された補助配線13と、基板100xの上方に所定の隙間を挟んで行列状に配された複数の画素電極10と、複数の画素電極19の上方に配された複数の発光層23と、複数の発光層23上方に跨って連続して配された機能層24と、機能層24上方に連続して配された共通電極25とを備え、補助配線13は、画素電極19の下方において基板100xの平面方向に延在し、基板100xの上方には、共通電極25と補助配線13とが領域内で電気的に接続される、画素電極19が存在していない接続用領域CAが存在し、平面視において、接続用領域CAの外縁と対峙する画素電極19の外縁の部分は、当該画素電極の内方向に凹陥している。【選択図】図3

Description

本開示は、自発光表示パネル、及び自発光表示パネルの製造方法に関する。
従来、有機EL素子を複数含む有機EL表示パネルが知られている。有機EL素子は、各種材料の薄膜を積層した多層構造を有し、平坦化絶縁層に覆われたTFT(薄膜トランジスタ:Thin Film Transistor)基板上に、少なくとも、画素電極と、共通電極と、これらに挟まれた有機発光層とを備える。
有機EL素子は、画素電極と共通電極との間に電圧を印加し、発光層に注入されるホールと電子との再結合に伴って発光する。トップエミッション型の有機EL素子は、発光層からの光は、光反射性材料からなる画素電極にて反射されるとともに、光透光性材料からなる共通電極から上方に出射される。共通電極は、基板全面にわたって成膜することが多く、画像表示領域以外の周辺領域に設けられた電極板を介して有機EL素子に電流を供給するための給電部と電気的に接続されている。
近年、表示パネルの大型化による給電経路の増加に伴って共通電極の電気抵抗が増加し、給電部から遠い部分では電流が十分に供給されず発光効率が低下し、輝度ムラが発生するという問題があった。
これに対し、例えば、特許文献1、2では、基板上の画素電極と画素電極との隙間に補助配線を長尺状に延伸させて配し、補助配線の上方に位置する機能層の一部を除去したのちに画素電極と対向して共通電極を製膜することにより、長尺状の補助配線と共通電極とのコンタクトを確保して電気的な接続を図ることにより、共通電極の電気抵抗を低減して輝度ムラを抑制する技術が開示されている。
特開2007-103098号公報 特開2020-9676号公報
ところが、表示パネルの大型化に伴い必要な補助配線の断面積も増加するため、特許文献1、2に記載された従来の表示パネルの構成では、補助配線の設置に伴って表示パネルの開口率が低下するという課題があった。
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、自発光表示パネルにおいて、表示パネルの面積に対する自発光領域の占める比率である開口率の、補助配線を設けたことに伴う低下を抑制するとともに、発光素子への給電経路の低抵抗化を図り、電圧降下に起因する面内の輝度ばらつきを改善する自発光表示パネル及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示の一態様に係る自発光パネルは、基板と、前記基板に配された補助配線と、前記基板の上方に所定の隙間を挟んで行列状に配された複数の画素電極と、複数の前記画素電極の上方に配された複数の発光層と、複数の前記発光層上方に跨って連続して配された機能層と、前記機能層上方に連続して配された共通電極と、を備え、前記補助配線は、前記画素電極の下方において前記基板の平面方向に延在し、前記基板の上方には、前記共通電極と前記補助配線とが領域内で電気的に接続される、前記画素電極が存在していない接続用領域が存在し、平面視において、前記接続用領域の外縁と対峙する前記画素電極の外縁の部分は、当該画素電極の内方向に凹陥していることを特徴とする。
本開示の一態様に係る自発光パネルは、表示パネルの面積に対する自発光領域の占める比率である開口率の、補助配線を設けたことに伴う低下を抑制するとともに、発光素子への給電経路の低抵抗化を図り、電圧降下に起因する面内の輝度ばらつきを改善する有機EL表示パネル及びその製造方法を提供することができる。
実施の形態に係る表示パネル10の平面図である。 表示パネル10の画像表示面のA部を拡大した模式平面図である。 表示パネル10の複数の画素を拡大した模式平面図である。 表示パネル10を、図3におけるB-Bで切断した模式断面図である。 表示パネル10の製造工程のフローチャートである。 (a)~(d)は、表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図1におけるA-Aと同じ位置で切断した模式断面図である。 (a)~(c)は、表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図1におけるA-Aと同じ位置で切断した模式断面図である。 (a)~(c)は、表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図1におけるA-Aと同じ位置で切断した模式断面図である。 (a)~(c)は、表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図1におけるA-Aと同じ位置で切断した模式断面図である。 (a)~(g)は、表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図1におけるA-Aと同じ位置で切断した模式断面図である。 (a)~(b)は、表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図1におけるA-Aと同じ位置で切断した模式断面図である。 実施の形態に係る有機EL表示装置1の回路構成を示す模式ブロック図である。 有機EL表示装置1に用いる表示パネル10の各副画素100seにおける回路構成を示す模式回路図である。 (a)(b)は、変形例1、2に係る有機EL表示パネルの複数の画素を拡大した模式平面図である。 (a)は変形例3、(b)は比較例に係る有機EL表示パネルの複数の画素を拡大した模式平面図である。 変形例4に係る有機EL表示パネルの複数の画素を拡大した模式平面図である。 (a)は変形例5、(b)は比較例に係る有機EL表示パネルの複数の画素を拡大した模式平面図である。
≪本発明を実施するための形態の概要≫
本開示の態様に係る有機EL表示パネルであって、基板と、前記基板に配された補助配線と、前記基板の上方に所定の隙間を挟んで行列状に配された複数の画素電極と、複数の前記画素電極の上方に配された複数の発光層と、複数の前記発光層上方に跨って連続して配された機能層と、前記機能層上方に連続して配された共通電極と、を備え、前記補助配線は、前記画素電極の下方において前記基板の平面方向に延在し、前記基板の上方には、前記共通電極と前記補助配線とが領域内で電気的に接続される、前記画素電極が存在していない接続用領域が存在し、平面視において、前記接続用領域の外縁と対峙する前記画素電極の外縁の部分は、当該画素電極の内方向に凹陥していることを特徴とする。
係る構成により、表示パネルでは、補助配線は、画素電極の下方において基板の平面方向に延在する構成としたことにより、従来の表示パネルのように、補助配線の面積の増加がそのまま画像表示領域における自己発光領域の面積の減少につながる関係になく、補助配線13の面積が増加しても自己発光領域の面積の減少を抑制できる。
また、平面視において、接続用領域の外縁と対峙する画素電極の外縁の部分は、その画素電極の内方向に凹陥している構成を採る。すなわち、接続用領域の周囲の画素電極は、平面視において、接続用領域から所定の距離だけ離間するように凹陥することによって、接続用領域を避けて形成されている構成を採る。これによって、接続用領域によって光らない暗部が発光領域間の境界に分散して配されるために目立ちにくくなる。従来の表示パネルのように、接続用領域を行又は列方向に直線状に配列した場合には、接続用領域が光らない連続した線状の暗部として認識されていた。これに対し、本実施の態様によれば接続用領域によって減少する自己発光領域の面積の割合が減少するとともに、接続用領域によって光らない暗部が発光領域の間に点在するように分散するため、実質的に看者に視認される表示面積の減少の程度も少なくなる。
以上により、表示パネルは、表示パネルの面積に対する自発光領域の占める比率である開口率の、補助配線を設けたことに伴う低下を抑制するとともに、発光素子への給電経路の低抵抗化を図り、電圧降下に起因する面内の輝度ばらつきを改善する有機EL表示パネルを実現することができる。
また、前記機能層は、前記接続用領域の上方に位置する一部分が欠落して開口しており、前記共通電極は、前記機能層の前記開口から露出している前記補助配線又は前記補助配線と電気的に接続された電極若しくは層と接触している構成としてもよい。
係る構成により、機能層の一部を除去して、共通電極と補助配線の一部、又は補助配線と電気的接続された電極若しくは層の一部とを接触させて、共通電極と補助配線との電気的な接続が可能となり、補助配線を設けたことに伴う開口率の低下を抑制するとともに、発光素子への給電経路の低抵抗化が可能な有機EL表示パネルの構成を実現できる。
また、別の態様では、上記何れかの構成において、さらに、前記基板の複数の前記画素電極と前記画素電極との隙間の上方において、列方向に延伸して並設された複数の列バンクを備え、前記補助配線は、前記基板の平面視において行及び/又は列方向に延伸し、前記発光層は、一対の前記バンクの間隙において、当該間隙内にある複数の前記画素電極の上方に連続して配されており、前記列バンクには、平面視において前記接続用領域を含む拡幅部が形成されており、前記拡幅部には、平面視において前記機能層の前記開口を内包し、高さ方向に貫通する開口が開設された形状を有している構成としてもよい。
また、別の態様では、上記何れかの構成において、さらに、前記基板の複数の前記画素電極と前記画素電極との隙間の上方において、行方向に延伸して並設され、前記列バンクに接続される複数の行バンクを備え、前記行バンクは、前記列バンクの前記拡幅部に接続されている構成としてもよい。
係る構成により、接続用領域を避けるために、接続用領域の外縁と対峙する画素電極の外縁の部分における、画素電極の内方向への凹陥量を浅くすることができる。その結果、副画素における自発光領域の面積を広く採ることができる。
また、別の態様では、上記何れかの構成において、さらに、前記基板の複数の前記画素電極と前記画素電極との隙間の上方において、行方向に延伸して並設され、前記列バンクに接続される複数の行バンクを備え、前記行バンクは、前記拡幅部との近傍において前記列バンクに接続され、前記行バンクと前記拡幅部とは列方向に接触している構成としてもよい。
係る構成により、接続用領域が存在することによって行バンクの長さが短縮されることを防止でき、発光層の形成工程において、副画素列における副画素の形成において行バンクと接触するインクの行方向の長さを増加して、副画素における発光層の膜厚をより均一化できる。その結果、副画素内の輝度ばらつきを改善することができる。
また、別の態様では、上記何れかの構成において、前記列バンクの前記拡幅部は、列方向に前記画素電極のピッチよりも大きなピッチで配されている構成としてもよい。
係る構成により、副画素列において、接続用領域が存在することによって行バンクの長さが短縮される副画素の数を減少することができ、発光層の形成工程において、副画素列CBにおける副画素間の発光層の膜厚の均一性を相対的に向上できる。
また、係る構成において、行方向に隣り合った2つの列バンクにおいて、前記拡幅部の列方向の位置は異なる構成としてもよい。さらに、行方向に1つの列バンクを挟む2つの列バンクにおいて、前記拡幅部の列方向の位置は同じである構成としてもよい。
係る構成により、接続用領域が存在する列方向の位置が行方向の位置によって交互に異なる千鳥配置となるために、画像表示領域における接続用領域による輝度低下が分散してスジとして認識されるにくくなる。
また、別の態様では、上記何れかの構成において、さらに、前記基板の複数の前記画素電極と前記画素電極との隙間の上方において、行方向に延伸して並設され、前記列バンクに接続される複数の行バンクを備え、前記基板の接続用領域は、平面視において、前記行バンクと重なり、行方向に隣り合った一対の前記列バンクの何れからも所定距離以上、離間している構成としてもよい。
係る構成により、発光層の形成工程において、副画素列CBにおける副画素の形成においてインクが接続用領域の両側で行バンクと接触させることにより、副画素列における列方向へのインクの流動性を向上し、副画素列における副画素間の発光層の膜厚の均一性を相対的に向上できる。これにより、副画素列における副画素間の輝度ばらつきを改善することができる。
また、別の態様では、上記何れかの構成において、さらに、複数の前記画素電極と前記画素電極との隙間の上方に、前記隙間を覆う遮光膜を備え、前記遮光膜は、前記接続用領域を覆う拡幅膜部を有している構成としてもよい。
係る構成により、遮光層に設けられた拡幅部によって接続用領域が覆われているので、接続電極による外交反射が上方に出射されることを抑止でき、表示パネルにおける外交反射によるギラツキを改善することができる。
また、別の態様では、上記何れかの構成において、平面視において、前記接続用領域の周囲の前記画素電極の外縁は、前記接続用領域の外縁と行方向及び列方向に対峙している構成としてもよい。
また、本開示の態様に係る有機EL表示パネルの製造方法であって、平面方向に延伸する補助配線が配された基板を準備する工程と、前記基板の上方に所定の隙間を挟んで行列状に複数の画素電極を、前記画素電極の一部が前記補助配線の上方に位置し、かつ、前記補助配線の上方に前記画素電極が存在しない所定の領域が残るように形成する工程と、複数の前記画素電極の上方に複数の発光層を形成する工程と、複数の前記発光層上方に跨って連続して機能層を形成する工程と、前記機能層に、前記所定の領域の上方の前記機能層の一部を除去して、前記補助配線、又は前記補助配線と電気的に接続された電極若しくは層の一部を露出させる工程と、前記機能層上方に共通電極を連続して形成して、前記共通電極と前記補助配線の一部、又は前記電極若しくは層の一部とを接触させる工程とを有し、前記画素電極を形成する工程では、前記画素電極は、平面視において、前記所定の領域の外縁と対峙する前記画素電極の外縁の部分は、当該画素電極の内方向に凹陥するように形成される構成としてもよい。
係る構成により、機能層の一部を除去して、共通電極と補助配線の一部、又は補助配線と電気的に接続された電極若しくは層の一部とを接触させて、共通電極と補助配線との電気的な接続が可能となり、補助配線を設けたことに伴う開口率の低下を抑制するとともに、発光素子への給電経路の低抵抗化を図り、電圧降下に起因する面内の輝度ばらつきを改善する有機EL表示パネルの製造方法を実現することができる。
また、別の態様では、上記何れかの構成において、さらに、前記基板の複数の前記画素電極と前記画素電極との隙間の上方において、列方向に延伸して複数の列バンクを並設する工程を有し、前記発光層を形成する工程では、一対の前記バンクの間隙において、当該間隙内にある複数の前記画素電極の上方に連続して前記発光層を形成し、複数の前記列バンクを並設する工程では、前記列バンクには、平面視において、前記基板の前記所定の領域が開口した拡幅部が形成され、前記機能層の一部を除去する工程では、前記開口内において前記機能層の一部が除去される構成としてもよい。
≪実施の形態≫
以下、本開示の一態様に係る自発光パネル、及びその製造方法として、実施の形態に係る有機EL表示パネル、その製造方法について、図面を参照しながら説明する。なお、図面は、模式的なものを含んでおり、各部材の縮尺や縦横の比率などが実際とは異なる場合がある。
<表示パネル10の全体構成>
有機EL表示パネル10(以後、「表示パネル10」とする場合がある)は、本実施の形態では、トップエミッション型の表示パネルであり、画像表示面に沿って複数の有機EL素子2が配列され、各有機EL素子の発光を組み合わせて画像を表示する。
(A)平面構成
図1は、実施の形態1に係る表示パネル10の平面図である。図2は、表示パネル10の画像表示面のA部を拡大した模式平面図である。ここで、本明細書では、図1におけるX方向、Y方向、Z方向を、それぞれ表示パネル10における、行方向、列方向、厚み方向とする。
有機材料の電界発光現象を利用した有機EL表示パネルであって、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)が形成された基板100x(TFT基板)上に配された平坦化層16の上面に、複数の画素100が、例えば、マトリクス状に配列され構成されている。同図に示すように表示パネル10は、平面視したとき、基板100x面の中央Oを含む所定の範囲に相当し画像表示領域10aと、基板100x面内の画像表示領域10aの面外方に位置する周辺領域10bとに区分される。
表示パネル10では、一例として、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)(以下、単にR、G、Bともいう)にそれぞれ発光する副画素100R、100G、100B(まとめて「副画素100se」と記す場合がある)が行列状に配列されている。副画素100R、100G、100Bは、X方向に交互に並び、X方向に並ぶ一組の副画素100R、100G、100Bが、一つの画素100を構成している。画素100では、階調制御された副画素100R、100G、100Bの発光輝度を組み合わせることにより、フルカラーを表現することが可能である。
また、Y方向においては、副画素100R、副画素100G、副画素100Bのいずれかのみが並ぶことでそれぞれ副画素列CR、副画素列CG、副画素列CBが構成されている。これにより、表示パネル10全体として画素Pが、X方向及びY方向に沿った行列状に並び、この行列状に並ぶ画素100の発色を組み合わせることにより、画像表示面に画像が表示される。
また、本実施の形態に係る表示パネル10では、いわゆるラインバンク方式を採用している。すなわち、副画素列CR、CG、CBを1列ごとに仕切る列バンク22YがX方向に間隔をおいて複数配置され、各副画素列CR、CG、CBでは、副画素100R、100G、100Bが、有機発光層を共有している。
ただし、各副画素列CR、CG、CBでは、副画素100R、100G、100B同士を絶縁する行バンク2XがY方向に間隔をおいて複数配置され、各副画素100R、100G、100Bは、独立して発光することができるようになっている。
図3は、表示パネル10の複数の画素100を拡大した模式平面図であって、後述する列バンク22Yより下方を視した透視図である。
図3は、表示パネル10の複数の画素100を拡大した模式平面図である。図3に示すように、表示パネル10の画素100はカラー表示における単位画素であって、列バンク22Yと行バンク22Xによってマトリックス状に区画された領域に、赤色、緑色、青色に発光する自己発光領域100aR、100aG、100aB(以後、まとめて「100a」と記す場合がある)を有する有機EL素子2(R)、2(G)、2(B)(図2参照、まとめて「有機EL素子2」と表記する場合がある)に対応する副画素100R、100G、100Bをひとまとまりとして構成されている。
隣り合う一対の列バンク22Y間を間隙22zと定義し、自己発光領域100aR、100aG、100aBに対応する間隙を間隙22zR、22zG、22zBとすると、間隙22zR、22zG、22zBには、自己発光領域100aR、100aG、100aBにおいてそれぞれRGB色に発光する発光層23R、23G、23Bが列方向に連続して形成されている。
表示パネル10には、副画素100R、100G、100Bの自己発光領域100aR、100aG、100aBに対応して、光反射材料からなる画素電極19が基板100x上に行及び列方向にそれぞれ所定の距離だけ離れた状態で行列状に配されている。
画素電極19の形状は、平面視において、矩形形状、又は外縁の一部が内方に凹陥した略矩形形状であり、本例では、副画素100R、100G、100Bのうち、副画素100Bに対応する画素電極19の行方向の幅が、副画素100R、100Gに対応する画素電極19の行方向の幅よりも大きく、自己発光領域100Bが、自己発光領域100aR、100aGよりも広く構成されている。
また、画素電極19の行バンク22Xに覆われた部分には、平坦化層16のコンタクトホール16aに画素電極19とTFTのソースS1とを電気的に接続する接続電極凹部14が設けられている。
また、図3に示すように、表示パネル10には、複数の補助配線13が基板100xにおけるTFT層12に列方向に基板100xの画像表示領域10aを横断するように連続して延在している。
基板100xの上方(本例では平坦化層12の上面)には、補助配線13の上方に、共通電極25と補助配線13とを電気的に接続するための画素電極19が存在しない接続用領域CAが存在し、接続用領域CAには、補助配線13と共通電極25との電気的接続を確保するための接続電極17(以後、単に「電極」と記す場合がある)が配されている。そして、接続電極17には、平坦化層16のコンタクトホール16bに接続電極17と補助配線13とを電気的に接続する接続電極凹部15が設けられている。接続電極17のサイズは、例えば、直径20μmの円を含む範囲であって、副画素100seに応じて定めてもよい。
本実施の形態では、図3に示すように、列方向に隣り合った副画素100Gと副画素100Gとの境界であって、間隙22zBの両側の一対の列バンク22Yの一方(本例では間隙22zBと間隙22zRを区分けする列バンク22Y)の近傍に、接続用領域CAが形成されている。自己発光領域100aBが他の副画素よりも相対的に大きい副画素100Bに接続用領域CAを設けることにより、他の副画素100R、100Gと比べて接続用領域CAを設けたことによる自己発光領域100aの面積減少率を少なくできる。
接続用領域CAの周囲の画素電極19は、平面視において、接続用領域CAから所定の距離だけ離間するように接続用領域CAを避けて形成されており、平面視において、接続用領域CAの外縁と対峙する画素電極19の外縁の部分は、その画素電極19の内方向に凹陥している。あるいは、接続用領域CAの周囲の画素電極19の外縁は、接続用領域CAの外縁と行方向及び列方向に対峙するように配されている。
列バンク22Yには、基板100xの上方に平面視において接続用領域CAを含む拡幅部22aが形成されており、拡幅部22aには、高さ方向に貫通する開口22bが開設された形状を有しており、接続電極17は開口22b内とは平面方向に重なっている。
本例では、上述のとおり、列方向に隣り合った副画素100R、100G、100B同士を絶縁する行バンク2XがY方向に間隔をおいて複数配置されているので、行バンク22Xは、副画素列CBにおいて、列バンク22Yの拡幅部22aに接続される。係る構成により、接続用領域CAを避けるために、接続用領域CAの外縁と対峙する画素電極19の外縁の部分における、画素電極19の内方向への凹陥量を浅くすることができ、副画素100Bにおける自発光領域の100aBの面積を広く採ることができる。
後述するように、列バンク22Yの開口22b内には、塗布法によって選択的に形成されるホール輸送層21、発光層23は形成されず、開口22b内の接続電極17の上面には、ホール輸送層21、電子注入輸送層24と共通電極25とが当該順に積層された層構成となっている。
そして、電子注入輸送層24には、列バンク22Yの開口22b内において、電子注入輸送層24の一部が欠落している開口が形成されている。本明細書では、電子注入輸送層24の欠落している部分を開口24aとしている。言い換えると、列バンク22Yは拡幅部22aに、電子注入輸送層24の開口24aを平面方向に内包し、高さ方向に貫通する開口22bが開設された形状を有している。また、同様に、ホール注入層20には、列バンク22Yの開口22b内において、ホール注入層20の一部が欠落している開口を形成してもよい。開口24aのサイズは、例えば、直径6μm以上としてもよい。また、開口24aは、1つの開口22b内にそれぞれ複数設けてもよい。
かかる構成により、共通電極25は、電子注入輸送層24の一部が欠落している開口24aから露出している接続電極17又はホール注入層20の表面と接触し、接続電極17と共通電極25との電気的な接続が可能となる。そして、接続用領域をCAに設けられた接続電極17及びホール注入層20を介して共通電極25と補助配線13とが電気的に接続される。
(B)断面構成
図3は、図2のB-B線に沿った表示パネル10の模式断面図である。表示パネル10において、一つの画素は、R、G、Bをそれぞれ発光する3つの副画素からなり、各副画素は、対応する色を発光する有機EL素子2(R)、2(G)、2(B)で構成される。
図3に示すように、有機EL素子2は、基板100x、平坦化層16、画素電極(陽極)19、接続電極17、行バンク22X、列バンク22Y、ホール注入層20、17、ホール輸送層21、発光層23、電子注入輸送層24、共通電極(陰極)25、および、封止層26とからなる。このうち、相対する一対の画素電極19及び共通電極25に挟まれた、発光層23以外の層、すなわち、ホール注入層20、ホール輸送層21、電子注入輸送層24が、有機EL素子2の機能層を構成するものとする。
また、画素電極19は、副画素100R、100G、100B毎に、ホール注入層20、ホール輸送層21は、間隙22z内に連続して延伸して配され、電子注入輸送層24、共通電極25、および、封止層26は、画素100を跨ぎ、画像表示領域10aを覆って連続して配されている。
(基板)
基板100xは、絶縁材料である基材11と、TFT(Thin Film Transistor)層12とを含む。TFT層12には、副画素ごとに駆動回路が形成されている。基材11は、表示パネル10の支持部材であり、平板状である。基材の材料としては、電気絶縁性を有する材料、例えば、ガラス材料、樹脂材料、半導体材料、絶縁層をコーティングした金属材料などを用いることができる。
フレキシブルな有機EL表示パネルを製造するためには、基板はプラスチック材料であることが望ましい。
TFT層12は、基材上面に形成された複数のTFT及び配線(TFTのソースS1と、対応する画素電極19を接続する)を含む複数の配線を含む。TFTは、表示パネル10の外部回路からの駆動信号に応じ、対応する画素電極19と外部電源とを電気的に接続するものであり、電極、半導体層、絶縁層などの多層構造からなる。配線は、TFT、画素電極19、外部電源、外部回路などを電気的に接続し、TFT層12の上面には画素電極19の下方にパッド12aが形成されている。
また、基板100xの上方(本例では平坦化層12の上面)には、平面視において行及び/又は列方向に延伸する補助配線13が配されている。補助配線13は、例えば、TFT層12の上面に配されていてもよい。補助配線13は、電子注入輸送層24に設けられた開口24aを通して共通電極25との電気的な接続を図ることにより、共通電極25の電気抵抗を低減するための補助的な電極層である。
補助配線13は、基板100xの画像表示領域10aを横断するように延伸して配されていてもよい。また、厚み方向においては、補助配線13は、例えば、図4に示すように、TFT層12の上面に配設されていてもよい。あるいは、補助配線13がTFT層12中に内装され、TFT層12の上面の接続電極17の下方にパッドが形成されている構成であってもよい。
補助配線13は、シート抵抗が小さい材料として、例えば、アルミニウム(Al)を主成分として含む金属層、合金層から構成することができる。例えば、アルミニウム(Al)合金では、電気抵抗率が、2.82×10-8(10nΩm)と小さく、さらに、コスト面から補助配線13の材料として好適である。TFT層12中の配線と同一の材料で構成してもよい。
(平坦化層)
平坦化層16は、基板100x上に形成されている。平坦化層16は、樹脂材料からなり、TFT層12の上面の段差を平坦化するためのものである。樹脂材料としては、例えば、ポジ型の感光性材料が挙げられる。また、このような感光性材料として、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂などが挙げられる。また、平坦化層16には、画素電極19ごとにコンタクトホール16a(図6(b)参照)が、平坦化層16を貫通するように開設され、画素電極19下方のコンタクトホール16aの中には接続電極凹部14が形成されている。さらに、平坦化層16には、接続電極17ごとにコンタクトホール16b(図6(b)参照)が、平坦化層16を貫通するように開設され、接続電極17下方のコンタクトホール16bの中には接続電極凹部15が形成されている。
コンタクトホール16bは、平面視において、列バンク22Yの拡幅部22aに開設された開口22b内、または、列バンク22Yの下方における開口22bの内壁よりも外側に存在していてもよく、あるいは、開口22bの内外に跨って配されていてもよい。また、コンタクトホール16bは、平面視において、行バンク22Xの下方に存在していてもよい。
(画素電極)
基板100xにおける平坦化層16上には、図4に示すように、副画素単位で画素電極19が設けられている。画素電極19は、光反射性の金属材料からなる金属層を含み、平坦化層16上に形成されている。画素電極19は、副画素ごとに設けられ、コンタクトホールの内部に形成された接続電極凹部14を通してTFT層12と電気的に接続されている。本実施の形態においては、画素電極19は、陽極として機能する。
光反射性を具備する金属材料の具体例としては、Ag(銀)、Al(アルミニウム)、アルミニウム合金、Mo(モリブデン)、APC(銀、パラジウム、銅の合金)、ARA(銀、ルビジウム、金の合金)などが挙げられる。画素電極19は、金属層単独で構成してもよいが、金属層の上に、ITO(酸化インジウム錫)やIZO(酸化インジウム亜鉛)のような金属酸化物からなる層を積層した積層構造としてもよい。
(接続電極)
接続電極17は、金属材料からなる金属層を含み、平坦化層16上に形成されている。接続電極17は、共通電極25と補助配線13との電気的に接続するための中継手段である。接続電極17又は接続電極17に上設されたホール注入層20は、列バンク22Yの開口22b内おいて、電子注入輸送層24に設けられた開口24aを通して共通電極25に接触するとともに、平坦化層16に開設されたコンタクトホールの内部に形成された接続電極凹部15を通して補助配線13と電気的に接続されている。接続電極17は画素電極19と同じ材料を用いてもよい。
(ホール注入層)
画素電極19及上には、図4に示すように、ホール注入層20(以後、単に「層」と記す場合がある)が積層されている。ホール注入層20は、画素電極19から発光層23へのホールの注入を促進させる目的で、画素電極19上に設けられている。
また、列バンク22Yの開口22b内において、接続電極17上にもホール注入層20が形成されている。
ホール注入層20は、例えば、Ag(銀)、Mo(モリブデン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ni(ニッケル)、Ir(イリジウム)などの酸化物、あるいは、低分子量の有機化合物や、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)などの高分子材料が挙げられる。
また、ホール注入層20は、金属酸化物又は低分子量の有機化合物から構成されるために、主に有機化合物からなる後述するホール輸送層21、電子注入輸送層24よりも電気抵抗が低く、また、電子注入輸送層24に比べて薄層であるため、接続電極17に上設されたホール注入層20を介して、接続電極17と共通電極25とを低い電気抵抗よって電気的に接続することができ、補助配線13と共通電極25との電気的な接続が可能となる。
なお、ホール注入層20には、列バンク22Yの開口22b内において、ホール注入層20の一部がトリミングされ、ホール注入層20に開口(不図示)が開設されていてもよい。この開口(不図示)を通して共通電極25と補助配線13との電気的な接続を図ることができる。
また、本実施の形態では、列バンク22Yの開口22b内には、ホール注入層20は接続電極17上に形成されている構成としたが、接続電極17上にホール注入層20が載設されていない構成としてもよい。
(バンク)
図4に示すように、画素電極19、ホール注入層20の端縁を被覆するように絶縁物からなる列バンク22Y、行バンク22Xが形成されている。
列バンク22Yは、基板100xの上方に副画素ごとに配置された複数の画素電極19を、X方向(図3、4参照)において列毎に仕切るものであって、X方向に並ぶ副画素列CR、CG、CBの間においてY方向に延伸するラインバンク形状である。列バンク22Yには、電気絶縁性材料が用いられる。電気絶縁性材料の具体例として、例えば、絶縁性の有機材料(例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック樹脂、フェノール樹脂等)が用いられる。
列バンク22Yは、発光層23を塗布法で形成する場合に塗布された各色のインクが溢れて混色しないようにするための構造物として機能する。なお、樹脂材料を用いる際は、加工性の観点から感光性を有することが好ましい。列バンク22Yは、有機溶媒や熱に対する耐性を有することが好ましい。また、インクの流出を抑制するために、列バンク22Yの表面は所定の撥液性を有することが好ましい。
また、平坦化層16上には、補助配線13の上方に、共通電極25と補助配線13とを電気的に接続するための画素電極19が存在しない接続用領域CAが存在し、接続用領域CAには、補助配線13と共通電極25との電気的接続を確保するための中継手段として接続電極17が配されている。
行バンク22Xは、電気絶縁性材料からなり、各副画素列においてY方向(図2)に隣接する画素電極19の端部を覆い、当該Y方向に隣接する画素電極19同士を仕切っており、各副画素列CR、CG、CBにおける発光層23の段切れ抑制、画素電極19と共通電極25との間の電気絶縁性の向上などの役割を有する。
行バンク22Xの膜厚は、インク状態の発光層23の上面までの厚みよりは小さいが、乾燥後の発光層23の上面の厚みよりは大きく設定される。これにより、各副画素列CR、CG、CBにおける発光層23は、行バンク22Xによっては仕切られず、発光層23を形成する際のインクの流動が妨げられない。そのため、各副画素列における発光層23の厚みを均一に揃えることを容易にする。行バンク22Xには、列バンク22Yよりも撥液性が低い電気絶縁性材料を用いてもよい。
(ホール輸送層)
図4に示すように、間隙22zR、22zG、22zB内におけるホール注入層20上には、ホール輸送層21が積層されている。ホール輸送層21は、ホール注入層20から注入されたホールを発光層23へ輸送する機能を有する。また、ホール輸送層21は、後述する発光層23に対する下地層として機能し、有機化合物を含む構成を採る。ホール輸送層21は、有機化合物誘導体、金属錯体などが挙げられ、重合体などの高分子化合物であっても、単量体などの低分子化合物であってもよく、高分子化合物および/または低分子化合物を溶媒に溶解したインクを用いて塗布法などのウェットプロセスにより形成される。
列バンク22Yの開口22b内には、塗布法によって選択的に形成されるホール輸送層21は形成されていない。
(発光層)
図4に示すように、ホール輸送層21上には、発光層23が積層されている。発光層23(R)、23(G)、23(B)(まとめて「発光層23」と記す場合がある)は、間隙22z内に形成されており、ホールと電子の再結合により、R、G、Bの各色の光を発光する機能を有する。発光層23は、下地層に有機発光材料と所定の溶媒とを含むインクを塗布した後に乾燥させて成膜される塗布膜からなる構成を採る。発光層23に用いられる有機発光材料としては、例えば、有機化合物、有機化合物誘導体、有機化合物の金属鎖体、希土類鎖体等の蛍光物質や、燐光を発光する金属錯体等の燐光物質を用いることができる。
また、誘導体等の高分子化合物等、もしくは低分子化合物と高分子化合物の混合物を用いて形成されてもよい。
列バンク22Yの開口22b内には、塗布法によって選択的に形成される発光層23は形成されず、開口22b内の接続電極17の上面には、ホール輸送層21、電子注入輸送層24と共通電極25とが当該順に積層された層構成となっている。
(電子注入輸送層)
図4に示すように、間隙22z内の発光層23及び列バンク22Yの表面22Ybを被覆するように電子注入輸送層24が積層して形成されている。電子注入輸送層24は、表示パネル10の少なくとも画像表示領域10a全体に連続した状態で形成されている。電子注入輸送層24は、共通電極25からの電子を発光層23へ輸送する機能を有する。
電子注入輸送層24は、電子輸送性が高い有機材料、例えば、オキサジアゾール誘導体(OXD)、トリアゾール誘導体(TAZ)、フェナンスロリン誘導体(BCP、Bphen)などのπ電子系低分子有機材料が挙げられる。
電子注入輸送層24は、例えば、電子輸送性が高い有機材料に、アルカリ金属やアルカリ土類金属から選択された金属がドープされた層を含んで形成されていてもよい。
電子注入輸送層24には、列バンク22Yの開口22b内おいて、電子注入輸送層24の一部がトリミングされ、電子注入輸送層24に開口24aが開設されている。この開口24aを通して共通電極25と補助配線13との電気的な接続が図られている。
(共通電極)
図4に示すように、電子注入輸送層24上に、共通電極25が形成されている。共通電極25は、各発光層23に共通の電極となっており、表示パネル10の少なくとも画像表示領域10a全体に連続した状態で形成されている。共通電極25は、透光性の導電性材料からなり、電子注入輸送層24上に形成されている。共通電極25は、陰極として機能する。
共通電極25は、画素電極19と対になって発光層23を挟むことで通電経路を作り、発光層23へキャリアを供給するものであり、例えば陰極として機能した場合は、発光層23へ電子を供給する。
共通電極25には、金属層、金属酸化物層、あるいはそれらの積層体を用いてもよい。金属層としては、例えば、金属薄膜を用いることができる。
光共振器構造をより効果的に得るためには、共通電極25の材料として、アルミニウム、マグネシウム、銀、アルミニウム-リチウム合金、マグネシウム-銀合金等のうち少なくとも1つの材料からなる金属薄膜を形成するのが望ましい。この場合において、金属薄膜の膜厚は、20nm以上50nm以下とすることが望ましい。これにより、共通電極25が半透光性となり、画素電極19と共通電極25の各反射面との間で光共振器構造を構築することができるため、発光効率をさらに向上できる。
また、金属酸化物層としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)若しくは酸化インジウム亜鉛(IZO)などの透明導電膜を用いてもよい。
なお、光共振器構造の光路長を確保するために、電子注入輸送層24と共通電極25の間にITOやIZOなどの透明導電膜を所望の膜厚で形成して、発光層23と共通電極25間の光学的距離を適切な大きさに調整してもよい。
共通電極25は、列バンク22Yの開口22b内おいて、電子注入輸送層24に設けられた開口24aを通して接続電極17又は接続電極17に上設されたホール注入層20と接触し、接続電極17は接続電極凹部15によって補助配線13と接続されている。これにより、共通電極25と補助配線13との電気的な接続が図られている。
(封止層)
共通電極25を被覆するように、封止層26が積層形成されている。封止層26は、ホール輸送層21、発光層23、電子注入輸送層24などの有機層が外部の水分に晒されたり、空気に晒されたりして劣化するのを防止するために設けられるものである。
封止層26は、例えば、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)などの透光性材料を用いて形成される。
(接合層)
封止層26のZ軸方向上方には、上部基板30のZ軸方向下側の主面にカラーフィルタ層32が形成されたカラーフィルタ基板31が配されており、接合層27により接合されている。接合層27は、基板100xから封止層26までの層からなる背面パネルとカラーフィルタ基板31とを貼り合わせるとともに、各層が水分や空気に晒されることを防止する機能を有する。接合層27の材料は、例えば、透光性樹脂接着剤等からなる。
(上部基板)
接合層27の上に、上部基板30にカラーフィルタ層32が形成されたカラーフィルタ基板31が設置・接合されている。上部基板30には、表示パネル10がトップエミッション型であるため、例えば、ガラス基板、石英基板からなるカバーガラス、プラスチック基板、透明樹脂フィルムなどの光透過性材料が用いられる。上部基板30により、剛性向上、ホール輸送層21、発光層23、電子注入輸送層24などを外部の水分や空気などの侵入から保護することができる。上部基板30に、防眩用の偏光板を貼り合せてもよい。
(カラーフィルタ層)
上部基板30には画素の各色自己発光領域100aに対応する位置にカラーフィルタ層32が形成されている。カラーフィルタ層32は、R、G、Bに対応する波長の可視光を透過させるために設けられる透明層であり、各色画素から出射された光を透過させて、発光される光の色度を補正する機能を有する。例えば、本例では、間隙22zR、間隙22zG、間隙22zBの上方に、赤色、緑色、青色のカラーフィルタ層32R、32G、32Bが各々形成されている。カラーフィルタ層32としては、公知の樹脂材料を採用することができる。
(遮光層33)
上部基板30には、各副画素の発光領域100a間の境界に対応する位置に遮光層33が形成されている。遮光層33は、R、G、Bに対応する波長の可視光を透過させないために設けられる黒色樹脂層であって、例えば光吸収性及び遮光性に優れる黒色顔料を含む樹脂材料からなる。遮光層33としては、紫外線硬化樹脂材料を主成分とし、これに、例えば、カーボンブラック顔料、チタンブラック顔料、金属酸化顔料、有機顔料など遮光性材料からなる黒色顔料を添加してなる樹脂材料からなる。
<表示パネル10の製造方法>
表示パネル10の製造方法について、図5~10を用いて説明する。図5は、実施の形態に係る表示パネル10の製造工程のフローチャートである。図6~10における各図は、表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図2におけるB-Bと同じ位置で切断した模式断面図である。
[背面パネルの形成]
複数のTFTや配線が形成された基板100xを準備する。基板100xは、公知のTFTの製造方法により製造することができる(図5におけるステップS1、図6(a))。基板100xには、平面方向に延伸する補助配線13が配されており、基板100xの上面には、TFT素子の例えばソース電極上のパッド12a、補助配線13が設けられている。
基板100xを被覆するように、上述の平坦化層16の構成材料(感光性の樹脂材料)をフォトレジストとして塗布し、表面を平坦化することにより平坦化層16を形成する(図5におけるステップS2、図6(b))。
平坦化層16における、パッド12a、補助配線13の個所にドライエッチング法を行い、コンタクトホール16a、16bを形成し、その後、コンタクトホールの内壁に沿って接続電極凹部14、15を形成する。接続電極凹部14、15の形成は、例えば、スパッタリング法を用いて金属膜を成膜した後、フォトリソグラフィ法およびウエットエッチング法を用いてパターニングすればよい。
次に、画素電極19、接続電極17、ホール注入層20の形成を行う(図5:ステップS3)。画素電極19を、画素電極19の一部が補助配線13の上方に位置し、かつ、補助配線13の上方に画素電極が存在しない接続用領域CAが残るように形成し、接続電極17を接続用領域CAに形成する。画素電極19を形成する工程では画素電極19は、平面視において、接続用領域CAの外縁と対峙する画素電極19の外縁の部分は、画素電極19の内方向に凹陥するように形成される。
本工程では、先ず、画素電極19、接続電極17を形成するための電極用の金属膜19xをスパッタリング法、真空蒸着法などの気相成長法を用い金属膜を積層して形成した後、フォトリソグラフィ法及びエッチング法を用いパターニングすることでなされる(図6(c))。
具体的には、平坦化層16の表面に製膜前洗浄を行った後、画素電極19、接続電極17を形成するための画素電極用の金属膜19x気相成長法により平坦化層16の表面に製膜する(図4(c))。本例では、アルミニウム又はアルミニウムを主成分とする合金からなる膜をスパッタリング法により製膜する。
さらに、金属膜19xの表面に製膜前洗浄を行った後、ホール注入層20を形成するためのホール注入層20用の金属層20A’を気相成長法により金属膜19xの表面に製膜する(図6(c))。本例では、タングステンをスパッタリング法により製膜する。
その後、感光性樹脂等からなるフォトレジスト層FRを塗布したのち、所定の開口部が施されたフォトマスクPMを載置し、その上から光照射を行いフォトレジストを露光し、そのフォトレジストにフォトマスクが有するパターンを転写する(図6(d))。次に、フォトレジスト層FRを現像によってパターニングする。
その後、パターニングされたフォトレジスト層FRを介して、金属層20A’にドライエッチング処理を施してパターニングを行い、ホール注入層20を形成する。
続けて、パターニングされたフォトレジスト層FR及びホール注入層20を介して、金属膜19xにウエットエッチング処理を施してパターニングを行い、画素電極19、接続電極17、を形成する。
最後に、フォトレジスト層FRを剥離して、外形が同一形状にパターニングされた画素電極19及びホール注入層20の積層体と、接続電極17及びホール注入層20の積層体、を形成する(図7(a))。
ホール注入層20を形成した後、ホール注入層20を覆うようにバンク22を形成する。バンク22の形成では、先ず行バンク22Xを形成し、その後、間隙22z、開口22bを形成するように列バンク22Yを形成する(図5:ステップS4、図7(b))。
行バンク22Xの形成は、先ず、ホール注入層20上に、スピンコート法などを用い、行バンク22Xの構成材料(例えば、感光性樹脂材料)からなる膜を積層形成する。そして、樹脂膜をパターニングして行バンク22Xを形成する。
行バンク22Xのパターニングは、樹脂膜の上方にフォトマスクを利用し露光を行い、現像工程、焼成工程(約230℃、約60分)をすることによりなされる。
次に、列バンク22Yの形成工程では、ホール注入層20上及び行バンク22X上に、スピンコート法などを用い、列バンク22Yの構成材料(例えば、感光性樹脂材料)からなる膜を積層形成する。そして、間隙22z、開口22bの形成は、樹脂膜の上方にマスクを配して露光し、その後で現像することにより、樹脂膜をパターニングして間隙22z、開口22bを開設して列バンク22Yを形成する。
具体的には、列バンク22Yの形成工程では、先ず、有機系の感光性樹脂材料からなる感光性樹脂膜を形成した後、乾燥し、溶媒をある程度揮発させてから、所定の開口部が施されたフォトマスクを重ね、その上から紫外線照射を行い感光性樹脂等からなるフォトレジストを露光し、そのフォトレジストにフォトマスクが有するパターンを転写する。
次に、感光性樹脂を現像によって列バンク22Yをパターニングした絶縁層を、焼成(約230℃、約60分)することにより形成する。
列バンク22Yの形成工程では、列バンク22Yには、平面視において、基板100xの接続用領域CA上方に位置する部分が開口した拡幅部22aが形成される。
次に、行バンク22X上を含む列バンク22Yにより規定される間隙22z内に形成されたホール注入層20上に対して、ホール輸送層21、発光層23を順に積層形成する(図5:ステップS5、6、図7(c)、図8(a))。
ホール輸送層21は、インクジェット法やグラビア印刷法によるウェットプロセスを用い、構成材料を含むインクを列バンク22Yにより規定される間隙22z内に塗布した後、溶媒を揮発除去させる。あるいは、焼成することによりなされる(図7(c))。開口22bには、ホール輸送層21は設けられていない。
発光層23の形成は、インクジェット法を用い、構成材料を含むインクを列バンク22Yにより規定される間隙22z内に塗布した後、焼成することによりなされる(図8(a))。具体的には、基板100xは、列バンク22YがY方向に沿った状態で液滴吐出装置の動作テーブル上に載置され、Y方向に沿って複数のノズル孔がライン状に配置されたインクジェットヘッド301をX方向に基板100xに対し相対的に移動しながら、各ノズル孔から列バンク22Y同士の間隙22z内に設定された着弾目標を狙ってインクの液滴18を着弾させることによって行う。ここでも、開口22bには、発光層23は形成されない。
また、この工程では、副画素形成領域となる間隙22zに、インクジェット法によりR、G、Bいずれかの有機発光層の材料を含むインク23Iをそれぞれ充填し、充填したインクを減圧下で乾燥させ、ベーク処理することによって、発光層23R、23G、23Bを形成する。このとき、発光層23のインク23Iの塗布では、先ず、液滴吐出装置を用いて発光層23の形成するための溶液の塗布を行う。
なお、ホール輸送層21、発光層23の形成方法は上記の方法には限定されず、インクジェット法やグラビア印刷法以外の方法、例えばディスペンサー法、ノズルコート法、スピンコート法、凹版印刷、凸版印刷等の公知の方法によりインクを滴下・塗布してもよい。
発光層23を形成した後、表示パネル10の発光エリア(表示領域)全面にわたって、真空蒸着法などにより電子注入輸送層24を形成する(図5:ステップS7、図8(b))。真空蒸着法を用いる理由は有機膜である発光層23に損傷を与えないためと、高真空化で行う真空蒸着法は成膜対象の分子が基板に向かって垂直方向に直進的に成膜される。電子注入輸送層24は、発光層23の上に、有機材料と金属材料との共蒸着法により、例えば、20nm以上50nm以下の膜厚で製膜する。なお、電子注入輸送層24の膜厚は、一例であり、上記数値に限られるものではなく、光学的な光取り出しとして最も有利となる適切な膜厚とする。
次に、開口22b内にある電子注入輸送層24の一部にレーザー光LDを照射して、列バンク22Yの拡幅部22Yaにおける開口22b内において、電子注入輸送層24の一部を除去する(図5:ステップS8、図8(c))。レーザー加工は、被削材料のレーザー光の照射を受けた部分の温度が上昇して、その部分が固相から液相さらには気相に変化することにより除去される加工である。これにより、少なくとも開口22b内において電子注入輸送層24の一部をトリミングして開口24aを開設し、開口24aを通して接続電極17の一部を露出させる(図9(a))。
具体的には、レーザー加工装置は、レーザーヘッド部(不図示)を、加工対象となる薄膜のみを選択的に除去できるようなレーザー出力と走査速度で、内部の記憶メモリ等に予め記憶されたプログラムに基づいて、薄膜付基板上にレーザー光を照射してトリミングを実行する。
このとき、レーザー加工機には公知の固体式レーザー加工機などを用いることができる。レーザー光には、例えば、波長200nm以上380nm以下の範囲から選択される半導体レーザーとして、YAGレーザー、UVレーザーなどを用いることができる。
また、電子注入輸送層24へのレーザー光の照射は、発光素子を構成する各種の有機材料が、大気中の酸素や水分の影響により特性が劣化することを抑制するために、真空ポンプにより基板を挿入したチャンバー内を減圧して真空雰囲気中で行うことが好ましい。
また、接続電極17は、電子注入輸送層24のレーザートリミング際に下地層となるため、レーザー照射により損傷を受けることは好ましくない。接続電極17の材料に、照射されるレーザー光の波長に対して電子注入輸送層24よりも光吸収率が低い材料を選択することにより、接続電極17にレーザー照射に対する高い耐加工性を持たせ、電子注入輸送層24のレーザートリミングの際に下地層である接続電極17がレーザー照射により損傷を受けることを防止できる。
また、接続電極17にはホール注入層20が上設されており、ホール注入層20は照射されるレーザー光の波長に対して比較的光吸収率が低い材料から構成されている。
電子注入輸送層24を形成した後、電子注入輸送層24を被覆するように、共通電極25を形成する(図5:ステップS9、図9(b))。共通電極25は、金属を主成分とする層と、金属酸化物からなる層とを含んでもよい。
このうち、先ず、共通電極25は、電子注入輸送層24を被覆するように、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、スパッタリング法、又は真空蒸着法により形成する図9(b))。例えば、共通電極25を真空蒸着法により銀を堆積することにより形成する構成としている。あるいは、共通電極25は、スパッタリング法を用いてITO又はIZOなどの透明導電層を形成する構成としてもよい。
共通電極25を形成することにより、列バンク22Yの拡幅部22Yaにおける開口22b内において列方向に延伸する電子注入輸送層24の一部がトリミングされてできた開口24aを通して、補助配線13に接続された接続電極17の一部と共通電極25とを確実にコンタクトさせることができ、補助配線13と共通電極25とを電気的な接続を確保することができる。
共通電極25を被覆するように、封止層26を形成する(図5:ステップS10、図9(c))。封止層26は、CVD法、スパッタリング法などを用い形成できる。
[カラーフィルタ基板31の形成]
次に、カラーフィルタ基板31の製造工程を例示する。
透明な上部基板30を準備し、紫外線硬化樹脂(例えば紫外線硬化アクリル樹脂)材料を主成分とし、これに黒色顔料を添加してなる遮光層の材料を透明な上部基板30の一方の面に塗布する(図10(a))。
塗布した遮光層の材料の膜33´の上面に所定の開口部が施されたパターンマスクPMを重ね、その上から紫外線照射を行う(図10(b))。
その後、パターンマスクPM及び未硬化の遮光層33を除去して現像し、キュアすると、例えば、概矩形状の断面形状の遮光層33が完成する(図10(c))。
次に、遮光層33を形成した上部基板30表面に、紫外線硬化樹脂成分を主成分とするカラーフィルタ層32(例えば、G)の材料32Gを塗布し(図10(d))、所定のパターンマスクPMを載置し、紫外線照射を行う(図10(e))。
その後はキュアを行い、パターンマスクPM及び未硬化のペースト32Gを除去して現像すると、カラーフィルタ層32Gが形成される(図10(f))。
この工程を各色のカラーフィルタ材料について同様に繰り返すことで、カラーフィルタ層32R、32Bを形成する(図10(g))。以上でカラーフィルタ基板31が形成される。
[カラーフィルタ基板31と背面パネルの貼り合わせ]
次に、基板100xから封止層26までの各層からなる背面パネルに、アクリル樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂などの紫外線硬化型樹脂を主成分とする接合層27の材料を塗布する(図11(a))。
続いて、塗布した材料に紫外線照射を行い、背面パネルとカラーフィルタ基板31との相対的位置関係を合せた状態で両基板を貼り合わせる。このとき、両者の間にガスが入らないように注意する。その後、両基板を焼成して封止工程を完了すると、表示パネル10が完成する(図11(b))。
<効 果>
(1)補助配線を設けたことに伴う表示パネルの開口率の低下を抑制する効果
以上、説明したように、実施の形態に係る表示パネル10は、基板100xと、基板100xに配された補助配線13と、基板100xの上方に所定の隙間を挟んで行列状に配された複数の画素電極19と、複数の画素電極19の上方に配された複数の発光層23と、複数の発光層23上方に跨って連続して配された機能層24と、機能層24上方に連続して配された共通電極25とを備え、補助配線13は、画素電極19の下方において、少なくとも平坦化層16の厚み方向の一部を挟んだ状態で、基板100xの平面方向に延在し、基板100xの上方、例えば、平坦化層12の上面には、共通電極25と補助配線13とが領域内で電気的に接続される、画素電極19が存在していない接続用領域CAが存在し、平面視において、接続用領域CAの外縁と対峙する画素電極19の外縁の部分は、当該画素電極の内方向に凹陥していることを特徴とする。
また、機能層24は、接続用領CA域の上方に位置する一部分が欠落して開口24aしており、共通電極25は、機能層24の開口24aから露出している補助配線13、又は補助配線13と接続された接続電極17若しくは接続電極17に上設されたホール注入層20と接触している構成としてもよい。
以上のとおり、表示パネル10では、補助配線13は、画素電極19の下方において基板100xの平面方向に延在する構成としたことにより、従来の表示パネルのように、補助配線13の面積の増加がそのまま画像表示領域10aにおける自己発光領域100aの面積の減少につながる関係になく、補助配線13の面積が増加しても自己発光領域100aの面積の減少を抑制できる。
また、平面視において、接続用領域CAの外縁と対峙する画素電極19の外縁の部分は、その画素電極19の内方向に凹陥している構成を採る。すなわち、接続用領域CAの周囲の画素電極19は、平面視において、接続用領域CAから所定の距離だけ離間するように凹陥させることによって、接続用領域CAを避けて形成されている構成を採ることによって、接続用領域CAによって光らない暗部が自己発光領域100a間の境界に分散して配されるため目立ちにくくなる。従来の表示パネルのように、接続用領域CAを行又は列方向に直線状に配列した場合には、接続用領域CAが光らない連続した線状の暗部として認識されていた。この場合に比べて、本実施の態様によれば接続用領域CAによって減少する自己発光領域100aの面積の割合が減少するとともに、接続用領域CAによって光らない暗部が自己発光領域100aの間に点在するように分散するため、実質的に看者に視認される表示面積の減少の程度も少なくなる。
係る構成により、表示パネル10は、表示パネルの面積に対する自発光領域100aの占める比率である開口率の、補助配線を設けたことに伴う低下を抑制するとともに、発光素子への給電経路の低抵抗化を図り、電圧降下に起因する面内の輝度ばらつきを改善する有機EL表示パネルを実現することができる。
また、実施の形態に係る表示パネル10の製造方法は、平面方向に延伸する補助配線13が配された基板100xを準備する工程と、基板100xの上方に所定の隙間を挟んで行列状に複数の画素電極19を、画素電極19の一部が補助配線13の上方に位置し、かつ、補助配線13の上方に画素電極19が存在しない接続用領域CAが残るように形成する工程と、複数の画素電極19の上方に複数の発光層23を形成する工程と、複数の発光層23上方に跨って連続して機能層24を形成する工程と、機能層24に、接続用領域CAの上方の機能層の一部を除去して、補助配線、又は補助配線と電気的に接続された接続電極17又は接続電極17に上設されたホール注入層20の一部を露出させる工程と、機能層24上方に共通電極25を連続して形成して、共通電極25と補助配線13の一部、又は補助配線13と電気的に接続された接続電極17若しくは接続電極17に上設されたホール注入層20の一部とを接触させる工程とを有し、画素電極19を形成する工程では、画素電極19は、平面視において、接続用領域CAの外縁と対峙する画素電極19の外縁の部分は、当該画素電極19の内方向に凹陥するように形成されることを特徴とする。
かかる構成により、機能層の一部を除去して、共通電極25と補助配線13の一部、又は補助配線13と接続された接続電極17若しくは接続電極17に上設されたホール注入層20の一部とを接触させて、共通電極25と補助配線13との電気的な接続が可能となり、補助配線を設けたことに伴う開口率の低下を抑制するとともに、発光素子への給電経路の低抵抗化を図り、電圧降下に起因する面内の輝度ばらつきを改善する有機EL表示パネルの製造方法を実現することができる。
(2)接続用領域CAに設けられた接続電極17が列バンク22Yの拡幅部22aによって囲まれていることの効果
表示パネル10の製造方法では、発光層23の形成においては、印刷法を用いて画素電極19にのみ発光層23を選択的に形成し、接続電極17の上方には発光層23は形成されない構成としている。
表示パネル10の製造方法では、各色の発光層23R、G、Bは印刷法によりそれぞれの副画素に対応する間隙22zR、G、Bのみに選択的に形成される構成を採る。
さらに、間隙22zB内の接続用領域CAに設けられた接続電極17は列バンク22Yの拡幅部22aによって周囲を囲まれているので、間隙22zB内に塗布された発光層23のインク23Iが拡幅部22aの開口22b内に流れ込むことはなく、接続電極17の上方には発光層23は形成されない。
発光層23以外に機能層であるホール輸送層21についても、同様にる間隙22zR、G、Bのみに選択的に形成されるとともに、拡幅部22aの開口22b内に位置する接続電極17上には形成されない構成となる。
したがって、接続電極17が存在する開口22bには発光層23が形成されない構成を採ることに対し、マスキング等特段の製造設備や工程を要しない。そのため、表示パネル10の製造方法では、特段の製造コスト等を要することなくホール輸送層21、発光層23を接続電極17の上方には形成しない構成を実現できる。
これにより、表示パネル10の製造方法では、レーザートリミングにおいて除去すべき有機機能層の層厚を減少することができるので、レーザー照射に伴い発生するデブリの量を低減でき、デブリによって後工程での封止に欠陥が生じることを抑止できる。
<表示装置1の回路構成>
以下では、実施の形態1に係る有機EL表示装置1(以後、「表示装置1」と称する)の回路構成について、図12を用い説明する。
図12に示すように、表示装置1は、表示パネル10(以後、「表示パネル10」と称する)と、これに接続された駆動制御回路部20とを有して構成されている。
表示パネル10は、有機材料の電界発光現象を利用した有機EL(Electro Luminescence)パネルであって、複数の有機EL素子が、例えば、マトリクス状に配列され構成されている。駆動制御回路部40は、4つの駆動回路41~44と制御回路45とにより構成されている。
<表示パネル10の回路構成>
表示パネル10においては、複数の単位画素100eが行列状に配されて表示領域を構成している。各単位画素100eは、3個の有機EL素子、つまり、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色に発行する3個の副画素100seから構成される。各副画素100seの回路構成について、図13を用い説明する。
図13は、表示装置1に用いる表示パネル10の各副画素100seに対応する有機EL素子100における回路構成を示す回路図である。
図13に示すように、本実施の形態に係る表示パネル10では、各副画素100seが2つのトランジスタTr1、Tr2と一つのキャパシタC、及び発光部としての有機EL素子部ELとを有し構成されている。トランジスタTr1は、駆動トランジスタであり、トランジスタTr2は、スイッチングトランジスタである。
スイッチングトランジスタTr2のゲートG2は、走査ラインVscnに接続され、ソースS2は、データラインVdatに接続されている。スイッチングトランジスタTr2のドレインD2は、駆動トランジスタTr1のゲートG1に接続されている。
駆動トランジスタTr1のドレインD1は、電源ラインVaに接続されており、ソースS1は、有機EL素子部ELの画素電極(アノード)に接続されている。有機EL素子部ELにおける共通電極(カソード)は、接地ラインVcatに接続されている。
なお、キャパシタCの第1端は、スイッチングトランジスタTr2のドレインD2及び駆動トランジスタTr1のゲートG1と接続され、キャパシタCの第2端は、電源ラインVaと接続されている。
表示パネル10においては、隣接する複数の副画素100se(例えば、赤色(R)と緑色(G)と青色(B)の発光色の3つの副画素100se)を組み合せて1つの単位画素100eを構成し、各単位画素100eが分布するように配されて画素領域を構成している。そして、各副画素100seのゲートG2からゲートラインが各々引き出され、表示パネル10の外部から接続される走査ラインVscnに接続されている。同様に、各副画素100seのソースS2からソースラインが各々引き出され表示パネル10の外部か
ら接続されるデータラインVdatに接続されている。
また、各副画素100seの電源ラインVa及び各副画素100seの接地ラインVcatは集約されて、表示装置1の電源ライン及び接地ラインに接続されている。
<変形例>
実施の形態に係る表示パネル10を説明したが、本開示は、その本質的な特徴的構成要素を除き、以上の実施の形態に何ら限定を受けるものではない。例えば、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。以下では、そのような形態の一例として、表示パネル10の変形例を説明する。
(1)変形例1
変形例1に係る表示パネルについて説明する。実施の形態に係る表示パネル10では、図3に示すように、行バンク22Xは、副画素列CBにおいて列バンク22Yの拡幅部22aに接続される構成とした。しかしながら、行バンク22Xが列バンク22Yに接続される位置は上記に限られず、適宜変更してもよい。
図14(a)は、変形例1に係る表示パネルの複数の画素を拡大した模式平面図である。変形例1に係る表示パネルでは、行バンク22Xは、図14(a)に示すように、副画素列CBにおいて、列バンク22Yの拡幅部22aとの近傍において列バンク22Yに接続され、行バンク22Xと列バンク22Yとは列方向に接触している構成とする点で実施の形態と相違する。
係る構成により、接続用領域CAが存在することによって行バンク22Xの長さが短縮されることを防止でき、発光層の形成工程において、副画素列CBにおける副画素100Bの形成において行バンク22Xと接触するインク23Iの行方向の長さを増加して、副画素100Bにおける発光層23Bの膜厚をより均一化できる。これにより、副画素100B内の輝度ばらつきを改善することができる。
(2)変形例2、3
変形例2に係る表示パネルについて説明する。実施の形態に係る表示パネル10では、図3に示すように、副画素列CBにおいて、すべての行バンク22Xは、列バンク22Yの拡幅部22aに接続される構成とした。しかしながら、行バンク22Xが列バンク22Yに接続される位置は上記に限られず、適宜変更してもよい。
図14(b)は、変形例2に係る表示パネルの複数の画素を拡大した模式平面図である。変形例2に係る表示パネルでは、副画素列CBにおいて、行バンク22Xは複数画素に1回の割合で、列バンク22Yの拡幅部22aに接続される構成とする点で実施の形態と相違する。すなわち、列バンク22Yの拡幅部22aは、列方向に画素電極19のピッチよりも大きなピッチで配されている。ここで、ピッチとは、隣り合った画素電極19上の同一位置間の距離をさす。本例では、図14(b)に示すように、行バンク22Xは2画素に1回の頻度で列バンク22Yに接続される構成とした。
係る構成により、副画素列CBにおいて、接続用領域CAが存在することによって行バンク22Xの長さが短縮される副画素100Bの数を減少することができ、発光層の形成工程において、副画素列CBにおける副画素100B間の発光層23Bの膜厚の均一性を相対的に向上できる。これにより、副画素列CBにおける副画素100B間の輝度ばらつきを改善することができる。
図15(a)は変形例3、(b)は比較例に係る有機EL表示パネルの複数の画素を拡大した模式平面図である。
変形例3に係る表示パネルでは、変形例2に係る表示パネルの構成に加え、さらに、接続用領域CAが存在する列方向の位置を、副画素100Bの行方向の位置によって異ならせた点で変形例2と相違する。具体的には、図15(a)に示すように、行方向に隣り合った2つの列バンク22Yにおいて、拡幅部22aの列方向の位置が異なる構成としもよく、さらに、行方向に1つの列バンク22Yを挟む2つの列バンク22Yにおいて、拡幅部22aの列方向の位置は同じである構成としてもよい。
係る構成により、図15(b)に示した副画素100Bの行方向の位置にかかわらず、列方向の同じ位置に接続用領域CAが存在する比較例の態様と比較すると、変形例3に係る表示パネルでは、接続用領域CAが存在する列方向の位置が行方向の位置によって交互に異なる千鳥配置となるために、画像表示領域10aにおける接続用領域CAによる輝度低下が分散してスジとして認識されるにくくなる。
(3)変形例4
変形例4に係る表示パネルについて説明する。実施の形態に係る表示パネル10では、図3に示すように、間隙22zBの両側の一対の列バンク22Yの一方の近傍に、接続用領域CAが形成されている構成とした。しかしながら、間隙22zBにおいて、接続用領域CAが配される行方向の位置は上記に限られず、適宜変更してもよい。
図16は、変形例4に係る表示パネルの複数の画素を拡大した模式平面図である。変形例4に係る表示パネルでは、図16に示すように、変形例4に係る表示パネルでは、接続用領域CAは、平面視において、行バンク22Xと重なり、行方向に隣り合った一対の列バンク22Yの何れからも所定距離以上、離間している構成とする点で実施の形態と相違する。本例では、図16に示すように、接続用領域CAは、平面視において、行バンク22Xと重なり、行方向に隣り合った一対の列バンク22Yの中央に位置し、列バンク22YからδXだけ離間している構成とした。δXは、例えば、5μm以上としてもよい。
係る構成により、発光層の形成工程において、副画素列CBにおける副画素100Bの形成においてインク23Iが接続用領域CAの両側で行バンク22Xと接触させることにより、副画素列CBにおける列方向へのインク23Iの流動性を向上し、副画素列CBにおける副画素100B間の発光層23Bの膜厚の均一性を相対的に向上できる。これにより、副画素列CBにおける副画素100B間の輝度ばらつきを改善することができる。
(4)変形例5
図17(a)は変形例5、(b)は比較例に係る有機EL表示パネルの複数の画素を拡大した模式平面図である。
変形例5に係る表示パネルでは、実施の形態に係る表示パネル10の構成に加え、さらに、副画素の自発光領域100a間の境界に対応する位置に遮光層33のうち、平面視において、接続用領域CAの上方に位置する部分に、接続用領域CAを覆う拡幅膜部33aを設けた点で実施の形態と相違する。すなわち、複数の画素電極19と画素電極19との隙間の上方に、隙間を覆う遮光膜33を備え、遮光膜33は、接続用領域CAの上方に拡幅部33aが設けられており、拡幅部33aによって接続用領域CAを覆っている構成としてもよい。接続用領域CAに設けられた接続電極17は、画素電極19と同様に、光反射性の金属材料からなる金属層からなるために、外光反射によって表示パネルのギラツキの要因となる。
変形例5に係る表示パネルでは、上記した構成により、図17(b)に示した接続用領域CAにおける接続電極17の一部分が平面視において遮光層33からはみ出している比較例の態様と比較すると、変形例5に係る表示パネルでは、遮光層33に設けられた拡幅部33aによって接続電極17が覆われているので、接続用領域CAを拡大した場合でも接続電極17による外交反射が上方に出射されることを抑止でき、表示パネル10における外交反射によるギラツキを改善することができる。なお、接続用領域CAからは自発光は出射されないために、接続用領域CAの上方における遮光層33の拡幅に伴う輝度の低下は生じない。
<その他の変形例>
(1)実施の形態に係る表示パネル10では、副画素100R、100G、100Bのうち、副画素100Bに対応する画素電極19の行方向の幅が、副画素100R、100Gに対応する画素電極19の行方向の幅よりも大きく、自己発光領域100aBが、自己発光領域100aR、100aGよりも広く構成されている構成としたが、複数の副画素100における画素電極19の行方向の相対幅、自己発光領域100aの相対面積はこれに限定されない。
(2)また、表示パネル10では、自己発光領域100aBが大きい副画素100Bに接続用領域CAを設ける構成としたが、他の副画素100aに接続用領域CAを設ける構成としてもよい。
(3)実施の形態に係る表示パネル10では、共通電極25は、電子注入輸送層24の一部が欠落している開口24aから露出している接続電極17又はホール注入層20の表面と接触し、さらに、接続電極17が平坦化層16のコンタクトホールの内部に形成された接続電極凹部15を通して補助配線13と電気的に接続される構成としたが、共通電極25と補助配線13とを電気的に接続するための構成はこれに限定されない。
例えば、共通電極25が列バンク22Yの開口22b内に解説された平坦化層16のコンタクトホールを介して直接補助配線13の上面に接触する構成としてもよい。これにより、接続電極17を介さず製造工程における工程数を削減できる。
あるいは、接続電極17にホール注入層20を上設しない構成としてもよい。具体的には、共通電極25が、電子注入輸送層24の一部が欠落している開口24aから露出している接続電極17の表面と接触し、さらに、接続電極17が平坦化層16のコンタクトホールの内部に形成された接続電極凹部15を通して補助配線13と電気的に接続される構成としてもよい。
(4)実施の形態に係る表示パネル10では、補助配線13は、基板100xにおいて、TFT層12の上面に位置する構成としたが、補助配線13が配される位置はこれに限定されない。例えば、補助配線13は、TFT層12の層中に内装されてもよい。あるいは、補助配線13と画素電極19との間に、少なくとも平坦化層16の厚み方向の一部分が介在していれば、平坦化層16の層中に内装されてもよい。
(5)実施の形態に係る表示パネル10では、行方向に隣接する列バンク22Y間の間隙22zに配された副画素100seの発光層23が発する光の色は互いに異なる構成とし、列方向に隣接する行バンク22X間の間隙に配された副画素100seの発光層23が発する光の色は同じである構成とした。しかしながら、上記構成において、行方向に隣接する副画素100seの発光層23が発する光の色は同じであり、列方向に隣接する副画素100seの発光層23が発する光の色が互いに異なる構成としてもよい。
表示パネル10では、画素100には、赤色画素、緑色画素、青色画素の3種類があったが、本発明はこれに限らない。例えば、発光層が1種類であってもよいし、発光層が赤、緑、青、白色などに発光する4種類であってもよい。
(6)上記実施の形態では、単位画素100eが、マトリクス状に並んだ構成であったが、本発明はこれに限らない。例えば、画素領域の間隔を1ピッチとするとき、隣り合う間隙同士で画素領域が列方向に半ピッチずれている構成に対しても効果を有する。高精細化が進む表示パネルにおいて、多少の列方向のずれは視認上判別が難しく、ある程度の幅を持った直線上(あるいは千鳥状)に膜厚むらが並んでも、視認上は帯状となる。したがって、このような場合も輝度むらが上記千鳥状に並ぶことを抑制することで、表示パネルの表示品質を向上できる。
(7)上記実施の形態では、画素電極19と共通電極25の間に、ホール注入層20、ホール輸送層21、発光層23及び電子注入輸送層24が存在する構成であったが、本発明はこれに限らない。例えば、ホール注入層20、ホール輸送層21及び電子注入輸送層24を用いずに、画素電極19と共通電極25との間に発光層23のみが存在する構成としてもよい。また、例えば、ホール注入層、ホール輸送層、電子注入輸送層、電子注入層などを備える構成や、これらの複数又は全部を同時に備える構成であってもよい。また、これらの層はすべて有機化合物からなる必要はなく、無機物などで構成されていてもよい。
また、上記実施の形態では、発光層23の形成方法としては、印刷法、スピンコート法、インクジェット法などの湿式成膜プロセスを用いる構成であったが、本発明はこれに限らない。例えば、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法、気相成長法等の乾式成膜プロセスを用いることもできる。さらに、各構成部位の材料には、公知の材料を適宜採用することができる。
(8)上記の形態では、有機EL素子部の下部にアノードである画素電極19が配され、TFTのソース電極に接続された配線に画素電極19を接続する構成を採用したが、有機EL素子部の下部に共通電極、上部にアノードが配された構成を採用することもできる。この場合には、TFTにおけるドレインに対して、下部に配されたカソードを接続することになる。
(9)上記実施の形態では、トップエミッション型のEL表示パネルを一例としたが、本発明はこれに限定を受けるものではない。例えば、ボトムエミッション型の表示パネルなどに適用することもできる。その場合には、各構成について、適宜の変更が可能である。
(10)上記実施の形態では、自発光素子として有機EL素子を使用した有機EL表示パネルについて説明したが、その他、量子ドット発光素子(QLED:Quantum dot Light Emitting Diode)を使用した量子ドット表示パネル(例えば、特開2010-199067号公報参照)などの表示パネルについても、発光層の構造や種類が異なるだけで、画素電極と共通電極との間に発光層やその他の機能層を介在させるという構成において有機EL表示パネルと同じであり、本発明を適用することができる。
≪補足≫
以上で説明した実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程、工程の順序などは一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない工程については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
また、上記の工程が実行される順序は、本発明を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記工程の一部が、他の工程と同時(並列)に実行されてもよい。
また、発明の理解の容易のため、上記各実施の形態で挙げた各図の構成要素の縮尺は実際のものと異なる場合がある。また本発明は上記各実施の形態の記載によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
また、各実施の形態及びその変形例の機能のうち少なくとも一部を組み合わせてもよい。
さらに、本実施の形態に対して当業者が思いつく範囲内の変更を施した各種変形例も本発明に含まれる。
本発明に係る有機EL表示パネル、及び有機EL表示装置は、テレビジョンセット、パーソナルコンピュータ、携帯電話などの装置、又はその他表示パネルを有する様々な電子機器に広く利用することができる。
1 有機EL表示装置
2 有機EL素子
10 有機EL表示パネル
100 画素
100R、100G、100B 副画素
100a 自己発光領域
100b 非自己発光領域
100x 基板(TFT基板)
11 基材
12 TFT層
13 補助配線
14 接続電極凹部
15 接続電極凹部
16 平坦化層
17 接続電極(電極)
19 画素電極
20 ホール注入層(層)
21 ホール輸送層
22 バンク
22a 拡幅部
22b 開口
22X 行バンク
22Y 列バンク
22z(22zR、22zG、22zB) 間隙
23(23R、23G、23B) 発光層
24 電子注入輸送層
25 共通電極
26 封止層
27 接合層
30 上部基板
31 カラーフィルタ基板
32 カラーフィルタ層
33 遮光層
40 駆動回路部
41~44 駆動回路
45 制御回路
CA 接続用領域

Claims (13)

  1. 基板と、
    前記基板に配された補助配線と、
    前記基板の上方に所定の隙間を挟んで行列状に配された複数の画素電極と、
    複数の前記画素電極の上方に配された複数の発光層と、
    複数の前記発光層上方に跨って連続して配された機能層と、
    前記機能層上方に連続して配された共通電極と、を備え、
    前記補助配線は、前記画素電極の下方において前記基板の平面方向に延在し、
    前記基板の上方には、前記共通電極と前記補助配線とが領域内で電気的に接続される、前記画素電極が存在していない接続用領域が存在し、
    平面視において、前記接続用領域の外縁と対峙する前記画素電極の外縁の部分は、当該画素電極の内方向に凹陥している
    自発光パネル。
  2. 前記機能層は、前記接続用領域の上方に位置する一部分が欠落して開口しており、
    前記共通電極は、前記機能層の前記開口から露出している前記補助配線又は前記補助配線と電気的に接続された電極若しくは層と接触している
    請求項1又は2に記載の自発光パネル。
  3. さらに、前記基板の複数の前記画素電極と前記画素電極との隙間の上方において、列方向に延伸して並設された複数の列バンクを備え、
    前記補助配線は、前記基板の平面視において行及び/又は列方向に延伸し、
    前記発光層は、一対の前記列バンクの間隙において、当該間隙内にある複数の前記画素電極の上方に連続して配されており、
    前記列バンクには、平面視において前記接続用領域を含む拡幅部が形成されており、
    前記拡幅部には、平面視において前記機能層の前記開口を内包し、高さ方向に貫通する開口が開設された形状を有している
    請求項1又は2に記載の自発光パネル。
  4. さらに、前記基板の複数の前記画素電極と前記画素電極との隙間の上方において、行方向に延伸して並設され、前記列バンクに接続される複数の行バンクを備え、
    前記行バンクは、前記列バンクの前記拡幅部に接続されている
    請求項3に記載の自発光パネル。
  5. さらに、前記基板の複数の前記画素電極と前記画素電極との隙間の上方において、行方向に延伸して並設され、前記列バンクに接続される複数の行バンクを備え、
    前記行バンクは、前記拡幅部との近傍において前記列バンクに接続され、前記行バンクと前記拡幅部とは列方向に接触している
    請求項3に記載の自発光パネル。
  6. 前記列バンクの前記拡幅部は、列方向に前記画素電極のピッチよりも大きなピッチで配されている
    請求項3に記載の自発光パネル。
  7. 行方向に隣り合った2つの列バンクにおいて、前記拡幅部の列方向の位置は異なる
    請求項6に記載の自発光パネル。
  8. 行方向に1つの列バンクを挟む2つの列バンクにおいて、前記拡幅部の列方向の位置は同じである
    請求項7に記載の自発光パネル。
  9. さらに、前記基板の複数の前記画素電極と前記画素電極との隙間の上方において、行方向に延伸して並設され、前記列バンクに接続される複数の行バンクを備え、
    前記基板の接続用領域は、平面視において、前記行バンクと重なり、行方向に隣り合った一対の前記列バンクの何れからも所定距離以上、離間している
    請求項3に記載の自発光パネル。
  10. さらに、複数の前記画素電極と前記画素電極との隙間の上方に、前記隙間を覆う遮光膜を備え、
    前記遮光膜は、前記接続用領域を覆う拡幅膜部を有している
    請求項1~9の何れか1項に記載の自発光パネル。
  11. 平面視において、前記接続用領域の周囲の前記画素電極の外縁は、前記接続用領域の外縁と行方向及び列方向に対峙している
    請求項1~10の何れか1項に記載の自発光パネル。
  12. 平面方向に延伸する補助配線が配された基板を準備する工程と、
    前記基板の上方に所定の隙間を挟んで行列状に複数の画素電極を、前記画素電極の一部が前記補助配線の上方に位置し、かつ、前記補助配線の上方に前記画素電極が存在しない所定の領域が残るように形成する工程と、
    複数の前記画素電極の上方に複数の発光層を形成する工程と、
    複数の前記発光層上方に跨って連続して機能層を形成する工程と、
    前記機能層に、前記所定の領域の上方の前記機能層の一部を除去して、前記補助配線、又は前記補助配線と電気的に接続された電極若しくは層の一部を露出させる工程と、
    前記機能層上方に共通電極を連続して形成して、前記共通電極と前記補助配線の一部、又は前記電極若しくは層の一部とを接触させる工程と、を有し、
    前記画素電極を形成する工程では、前記画素電極は、平面視において、前記所定の領域の外縁と対峙する前記画素電極の外縁の部分は、当該画素電極の内方向に凹陥するように形成される
    自発光パネルの製造方法。
  13. さらに、前記基板の複数の前記画素電極と前記画素電極との隙間の上方において、列方向に延伸して複数の列バンクを並設する工程を有し、
    前記発光層を形成する工程では、一対の前記列バンクの間隙において、当該間隙内にある複数の前記画素電極の上方に連続して前記発光層を形成し、
    複数の前記列バンクを並設する工程では、前記列バンクには、平面視において、前記基板の前記所定の領域が開口した拡幅部が形成され、
    前記機能層の一部を除去する工程では、前記開口内において前記機能層の一部が除去される
    請求項12に記載の自発光パネルの製造方法。
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