JP2021150117A - 表示パネルおよびその製造方法 - Google Patents

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哲郎 近藤
泰治 篠川
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Abstract

【課題】多面取りによる製造が可能であって、良好な封止性を有する表示パネルを提供する。【解決手段】カラーフィルタ基板110の外周部の直下に、保護構造体114を形成する。保護構造体114の頂部はカラーフィルタ基板110に接触しない高さに設定されているので、多面取りパネルから表示パネルを切り出す際に、カラーフィルタ基板110を切断位置S2で切断するのが容易であると共に、反応性イオンエッチング法により、配線層112上の封止層108を除去する際に、不要な部分までが除去されるのを阻止して、封止性が劣化するのを防止する。【選択図】図7

Description

本開示は、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子など自発光素子を複数含む表示パネルおよびその製造方法に関し、特に、外部環境に存在する水分の表示パネル内部への浸入を抑制する技術に関する。
従来、自発光表示パネルとして有機EL素子を複数含む有機EL表示パネルが知られている。有機EL素子は、各種材料の薄膜を積層した多層構造を有し、層間絶縁層に覆われたTFT(薄膜トランジスタ:Thin Film Transistor)基板上に、少なくとも、画素電極と、共通電極と、これらに挟まれた有機発光層とを備える。画素電極と有機発光層の間、または、共通電極と有機発光層の間には、必要に応じて、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層などが設けられる。
これらの層は、水分と反応すると発光特性が劣化する材料を含むことがある。そこで、有機EL表示パネルの表示品質の経時的な劣化を抑制するために、外部環境に存在する水分の浸入を抑制するための封止技術が重要となる。そのため、複数の発光素子群と樹脂絶縁を封止層で共通に覆うと共にさらに封止層の上方に接着層を介してガラスなどの上部基板を貼着する構成を供えた有機EL表示パネルが従来から考案されている(例えば、特許文献1)。
特開2019−3720号公報
ところで、小型もしくは中型の有機EL表示パネルについては、大版の基板に複数の表示パネル分の構成要素を形成した後、上部基板を貼着して、多面取りパネルを形成し、その後、当該多面取りパネルを所定の切断位置で切断して、複数の有機EL表示パネルを切り出す製造方法(以下、「多面取り製法」という。)が採用される場合が多い。このような多面取り製法は生産性が高く、大幅なコストダウンが図れる。
切り出された有機EL表示パネルは、ドライエッチングによりパネル周辺部の一部の封止層を除去して、外部の駆動回路と接続するための接続端子を露出させるようにするが、この際、必要以上に封止層が除去されて封止性を劣化させるおそれがあった。
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであって、多面取り製法を実行しても表示パネルの封止性が損なわれず、長寿命化が可能な表示パネルの製造方法並びに表示パネルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示の一態様に係る表示パネルの製造方法は、平面視において、発光素子アレイが配された画像表示領域を含む中央の領域とその周辺であって接続端子が配された周辺領域とを有する表示パネルの製造方法であって、第1基板の上方に、複数の層間絶縁層を島状に形成する工程と、前記各層間絶縁層の上方に前記発光素子アレイを形成する工程と、前記各発光素子アレイより広い範囲を覆う封止層を形成し、前記各封止層上の一部の範囲に形成された接着層を介して各封止層に共通の第2基板を貼着する工程と、前記第1基板と前記第2基板をそれぞれ切断して、前記発光素子アレイを含む複数の表示パネル中間品を切り出す工程と、前記各表示パネル中間品において、前記切断された第2基板をマスクにして、ドライエッチングにより前記発光素子アレイよりも外方に存する前記封止層の一部を除去して前記接続端子を露出させる工程とを含み、平面視において、前記接着層の外周部が、前記切断された第2基板の縁部より内方に位置し、前記第2基板を貼着する工程より前に、前記各封止層上に、前記接着層を囲繞し、かつ、その頂部が、前記第2基板を貼着する工程の後に前記第2基板に接触しない構造体を形成する工程を含むことを特徴とする。
また、本開示の別の態様に係る表示パネルは、平面視において、画像表示領域を含む中央領域とその周辺であって接続端子が配された周辺領域とを有する表示パネルであって、第1基板と、前記第1基板の上方の前記中央領域内に配された層間絶縁層と、前記層間絶縁層の上方の画像表示領域内に配された発光素子アレイと、前記発光素子アレイの上方であって前記画像表示領域内に配され、前記層間絶縁層の外周端面を覆う封止層と、前記封止層の上方に、接着層を介して貼着された第2基板と、を備え、平面視において、前記接着層の外周部が、前記第2基板の縁部より内方に位置し、前記封止層上の、前記接着層の外周部と前記第2基板の縁部との間の領域に、前記接着層を囲繞し、かつ、その頂部が、前記第2基板に接触していない構造体が配されていることを特徴とする。
本開示の態様に係る表示パネルの製造方法によれば、多面取りの製法を用いてコストダウンに図りつつ、封止性が損なわれずに長寿命化が可能な表示パネルを提供できる。
本開示の一態様に係る有機EL表示パネルの平面レイアウト図である。 1枚の大判の多面取りパネルに、4枚分の有機EL表示パネルが形成されている例を示す平面図である。 図1の領域A内のB−B線における有機EL表示パネルの積層構造を示す概略断面図である。 本開示の一態様に係る有機EL表示パネルの製造工程を示すフローチャートである。 (a)、(b)は、上記有機EL表示パネルの製造工程を説明するための概略断面図である。 (a)、(b)は、図5の続きの有機EL表示パネルの製造工程を説明するための概略断面図である。 (a)、(b)は、図6の続きの有機EL表示パネルの製造工程を説明するための概略断面図である。 (a)〜(g)は、カラーフィルタ基板の製造工程の一例を説明するための概略断面図である。 本開示の一態様に係る有機EL表示パネルを搭載した有機EL表示装置の構成例を示す概略図である。 本開示の別の態様に係る有機EL表示パネルの周辺部の概略断面図である。 背景技術となる有機EL表示パネルの多面取りパネルから切り出された状態を示す概略断面図である。 図11の有機EL表示パネルの外周部における封止層を反応性イオンエッチングで除去する様子を示す概略断面図である。 図12のエッチング処理を行った後の有機EL表示パネルの状態を示す概略断面図である。
≪本開示の一態様に至った経緯≫
図11から図13は、本発明の背景となる有機EL表示パネル500の製造過程の一例を示す概略断面図である。
図11は、有機EL表示パネル500が、多面取りパネルの下部基板の基材501aと上部基板510を切断位置S1、S2で切断して切り離される様子を示す概略断面図である。
基板の切り離しは、切断線に沿ってダイヤモンド工具の刃先やレーザーなどにより切り込みを入れる工程(スクライブ工程)の後、ブレイク刃等で押し込んで完全に切り離す工程(ブレイク工程)を含むのが一般的である(なお、材質や膜厚によっては、スクライブ工程のみで切り離し可能な場合もあるので、以下では、単に「切断する」という。)。
図11に示すように、有機EL表示パネル500は、下部基板501、層間絶縁層502、画素電極503、隔壁504、有機発光層505、電子輸送層506、対向電極507、封止層508、パッシベーション膜511、配線層512および上部基板510を備える。
下部基板501は、基材501a上にTFT層501bを形成してなる。封止層508は、窒化シリコン(SiN)からなる。封止層508の上に接着剤層509とダム構造体513を介して上部基板510を貼着することにより、さらに優れた耐久性と防水性を得ることができる。
なお、層間絶縁層502には、その外縁近くに層間絶縁層502の外周縁に沿って周溝5022が形成されて、層間絶縁層502が内側絶縁層5023と外側絶縁層5021に分離されている。
上部基板510は、ダム構造体513と接着剤層509を介して封止層508上に貼着される。製造段階において、まずダム構造体513の樹脂材料が塗布され、その内側に接着剤層509となる樹脂材を塗布した後、上部基板510を圧着して貼り付ける。
ダム構造体513の外側の端部は、上部基板510の切断位置S2での切り離しが容易なように、距離D(40μm程度)だけ後退した位置にある。もし、ダム構造体513の端部が、切断位置S2と同位置に来るように設計すると、ダム構造体513の樹脂材料と塗布した段階では、それほど粘度が高くないので位置がずれて、図11でいえば切断位置S2より右側の上部基板510にも接着したり、また、ブレイク刃で切断位置を十分押入できなくなって、切り離し作業が困難になる場合があるからである。
図11の段階では、配線層512の外周部上にも封止層508が積層された状態なので、有機EL表示パネル500を多面取りパネルから切り離した後、図12に示すように上部基板510をマスクにして反応性イオンエッチング処理を施して封止層508を除去し、配線層512の接続端子1121を露出させる。
しかし、この際、ダム構造体513が内方に後退した位置にあるので、プラズマ化されたエッチングガスのうち、上部基板510下部の空間まで回り込んで進むものがあり、その結果、図13に示すように外側絶縁層5021の端部側面と頂部を覆っていた封止層まで除去されるとおそれがあった。
樹脂材料は、一般に比較的水分を吸収しやすく、大気中の水分が、樹脂である外側絶縁層5021の露出した部分から吸収され封止層508に存在し得るピンホールを介して、接着剤層509内に浸入し、再度封止層508のピンホールなど介して、有機EL素子内に浸入し、対向電極(陰極)507や有機発光層505などを劣化せしめ、発光効率が早期に低下するおそれがある。
これを解決するためには、ダム構造体513の形成位置を図の右方向にずらして外側絶縁層5021の側端部の上方に形成すると共に、上部基板510の切断位置S2をさらに右方向にずらすことが考えられるが、そうすると画像表示領域の外側の領域(額縁領域)が、広くならざるを得ない。それでは、最近の狭額縁化の要請に応えることが困難となる。
上記と同様な課題は、自発光素子として有機EL素子を用いた有機EL表示パネル以外にも、量子ドット発光素子(QLED:quantum dot-LED)を用いた量子ドット表示パネルなど、およそ外部の水分や酸素と反応して劣化するおそれがある機能層を備えた表示パネルにおいて共通に生じる課題である。
そこで、本願発明者は、自発光型の表示パネルにおいて切断処理の容易性や狭額縁化を損なうことなく、十分な封止性を確保すべく、鋭意研究の結果、本開示の態様に至ったものである。
≪開示の態様≫
本開示の一態様に係る表示パネルの製造方法は、平面視において、発光素子アレイが配された画像表示領域を含む中央の領域とその周辺であって接続端子が配された周辺領域とを有する表示パネルの製造方法であって、第1基板の上方に、複数の層間絶縁層を島状に形成する工程と、前記各層間絶縁層の上方に前記発光素子アレイを形成する工程と、前記各発光素子アレイより広い範囲を覆う封止層を形成し、前記各封止層上の一部の範囲に形成された接着層を介して各封止層に共通の第2基板を貼着する工程と、前記第1基板と前記第2基板をそれぞれ切断して、前記発光素子アレイを含む複数の表示パネル中間品を切り出す工程と、前記各表示パネル中間品において、前記切断された第2基板をマスクにして、ドライエッチングにより前記発光素子アレイよりも外方に存する前記封止層の一部を除去して前記接続端子を露出させる工程とを含み、平面視において、前記接着層の外周部が、前記切断された第2基板の縁部より内方に位置し、前記第2基板を貼着する工程より前に、前記各封止層上に、前記接着層を囲繞し、かつ、その頂部が、前記第2基板を貼着する工程の後に前記第2基板に接触しない構造体を形成する工程を含む。
係る態様により、多面取りの製法を用いてコストダウンに図りつつ、封止性が損なわれずに長寿命化が可能な表示パネルを提供できる。
また、本開示の別の態様では、前記ドライエッチングは、反応性イオンエッチングである。
係る態様によれば、適切なエッチングガスを使用することにより封止層のみを選択的に除去することができる。
また、本開示の別の態様では、前記構造体は、接着層と同じ材料を、前記封止層上に塗布して形成される。
係る態様によれば、接着剤を塗布する工程において構造体も形成できるので、製造工程が簡易になり、製造コストの低減化に資する。
また、本開示の別の態様では、前記第2基板は、複数色のカラーフィルタを配列してなるカラーフィルタ基板であり、前記構造体の頂部に対向する位置に前記複数色のカラーフィルタを積層してなるフィルタ積層体が配されてなる。
係る態様によれば、第2基板がカラーフィルタ基板である場合に、カラーフィルタを形成する工程においてフィルタ積層体の形成が行えるので、製造コストの低減化に資する。
また、本開示の別の態様では、前記発光素子アレイは、複数の発光素子を行列状に配してなり、少なくとも行方向に隣接する発光素子が列方向に伸びる複数の隔壁により仕切られており、前記構造体は、前記層間絶縁層上方に形成された隔壁を含む。
係る態様によれば、隔壁の形成工程において構造体も同時に形成できるので、やはり、製造コストの低減化に資する。
また、本開示の別の態様は、平面視において、画像表示領域を含む中央領域とその周辺であって接続端子が配された周辺領域とを有する表示パネルであって、第1基板と、前記第1基板の上方の前記中央領域内に配された層間絶縁層と、前記層間絶縁層の上方の画像表示領域内に配された発光素子アレイと、前記発光素子アレイの上方であって前記画像表示領域内に配され、前記層間絶縁層の外周端面を覆う封止層と、前記封止層の上方に、接着層を介して貼着された第2基板と、を備え、平面視において、前記接着層の外周部が、前記第2基板の縁部より内方に位置し、前記封止層上の、前記接着層の外周部と前記第2基板の縁部との間の領域に、前記接着層を囲繞し、かつ、その頂部が、前記第2基板に接触していない構造体が配されている。
また、本開示の別の態様では、前記構造体は、接着層と同じ材料からなる前記第2基板は、複数色のカラーフィルタを配列してなるカラーフィルタ基板であり、前記構造体の頂部に対向する位置に前記複数色のカラーフィルタを積層してなるフィルタ積層体が配されてなる。
また、本開示の別の態様では、前記発光素子アレイは、複数の発光素子を行列状に配してなり、少なくとも行方向に隣接する発光素子が列方向に伸びる複数の隔壁により仕切られており、前記構造体は、前記層間絶縁層上方に形成された隔壁を含む。
これらの態様に係る表示パネルは、封止性を確保しつつ、多面取りによる製造を容易にできる。
なお、上記各開示の態様において「上」とは、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)を指すものではなく、表示パネルの積層構造における積層順を基に、相対的な位置関係により規定されるものである。具体的には、表示パネルにおいて、基板の主面に垂直な方向であって、基板から積層物側に向かう側を上方向とする。また、例えば「基板上」と表現した場合は、基板に直接接する領域のみを指すのではなく、積層物を介した基板の上方の領域も含めるものとする。また、例えば「基板の上方」と表現した場合、基板と間隔を空けた上方領域のみを指すのではなく、基板上の領域も含めるものとする。
≪第1の実施の形態≫
以下、本開示に係る自発光型の表示パネルの実施の形態の一態様として、トップエミッション型の有機EL表示パネルを例にして説明する。
1.有機EL表示パネルの構成
1.1 構成概要
図1は、第1の実施の形態に係る有機EL表示パネル100の平面レイアウト図である。
本実施の形態では、有機EL表示パネル100は、例えば、図2に模式的に示すように4枚取りの多面取りパネル1000から切断線CL1、CL2に沿って切断されて形成されたものとする。
図1に示すように有機EL表示パネル100は、平面視したとき、中央の画像表示領域30を内包する中央領域(第1領域)10と、中央領域10を囲繞する周辺領域(第2領域)20とに区分される。
画像表示領域30には、複数の画素がマトリクス状に配列されている。それぞれの画素は色の異なる複数の副画素からなり、本実施の形態では、画素が赤色副画素、緑色副画素、および青色副画素を含んでいる。1つの副画素が1つの有機EL素子から構成されており、これらの複数の有機EL素子がマトリクス状に配列されたものを有機EL素子アレイという。
周辺領域20には、外部の駆動回路に電気的に接続するための複数の端子(不図示)が配設される。
1.2 有機EL表示パネル100の積層構造
図3は、有機EL表示パネル100の概略構成を示す部分断面図であり、図1の領域AにおけるB−B線での断面を図示している。
同図に示すように、有機EL表示パネル100は、基板101、層間絶縁層(平坦化絶縁層)102、画素電極103、隔壁104、有機発光層105、電子輸送層106、対向電極107、封止層108、封止補強層120、並びにパッシベーション膜111、配線層112を備える。このうち、画素電極103、隔壁104、有機発光層105は、画素ごとに形成されている。
<基板>
基板101は、絶縁材料である基材101a(第1基板)と、TFT(Thin Film Transistor)層(駆動回路層)101bとを含む。TFT層101bには、TFTからなる公知の駆動回路が画素ごとに形成されてなる。
基材101aは、ガラスシートのほか、樹脂シートであっても構わない。当該樹脂材料として、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂いずれの樹脂を用いてもよい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうち1種、または2種以上を積層した積層体を用いることができる。
<配線層>
配線層112は、TFT層101bから引き出された複数の配線を含む。各配線は、互いに間隔を置いて形成され、例えば、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)などの金属や、合金(例えば、MoW、MoCr、NiCr)等の導電材料からなる。
<パッシベーション膜>
パッシベーション膜111は、TFT層101bと、配線層112とを覆う絶縁性の保護膜であり、窒化シリコン(SiN)、酸化シリコン(SiO)、酸窒化シリコン(SiON)等で形成される。周辺領域20において配線層112から引き出された接続端子1121がパッシベーション膜111から露出しており、外部のドライブ回路(不図示)に接続される。
<層間絶縁層>
層間絶縁層102は、基板101の上方に形成されている。層間絶縁層102は、絶縁性の樹脂材料からなり、TFT層101b上に形成されるパッシベーション膜111の上面の段差を平坦化するものである。樹脂材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、シロキサン系樹脂、フェノール系樹脂が挙げられる。
なお、層間絶縁層102の周辺領域20には、当該層間絶縁層102の外周縁に沿うようにして溝(以下、「周溝」という。)1022が形成され(図1参照)、これにより層間絶縁層102が内側絶縁層1023と外側絶縁層1021に完全に分離されており、周溝1022の底部にはパッシベーション膜111が露出している。
層間絶縁層102が除去された周溝1022の間隙幅は、50μm以上800μm以下であることが好ましく、400μm以上600μm以下であることがより好ましい。
上述のとおり、層間絶縁層102は、ポリイミド系樹脂またはアクリル系樹脂等の絶縁材料からなり、水分を吸着しやすい性質を有する。しかしながら、周溝1022を設けることにより、仮に、周溝1022の外側の外側絶縁層1021に基板の外縁方向から水分が浸入した場合でも、画像表示領域30への水分の浸入を抑制できる。
<画素電極>
画素電極103は、光反射性の金属材料からなる金属層を含み、層間絶縁層102上に形成されている。画素電極103は、画素ごとに設けられ、コンタクトホールを介してTFT層101bと電気的に接続されている。
本実施の形態においては、画素電極103は、陽極として機能する。
光反射性を具備する金属材料の具体例としては、Ag(銀)、Al(アルミニウム)、アルミニウム合金、Mo(モリブデン)、APC(銀、パラジウム、銅の合金)、ARA(銀、ルビジウム、金の合金)、MoCr(モリブデンとクロムの合金)、MoW(モリブデンとタングステンの合金)、NiCr(ニッケルとクロムの合金)などが挙げられる。
画素電極103は、金属層単独で構成してもよいが、金属層の上に、ITO(酸化インジウム錫)やIZO(酸化インジウム亜鉛)のような金属酸化物からなる層を積層した積層構造としてもよい。
<隔壁>
隔壁104は、画素電極103の上面の一部を露出させ、その周辺の領域を被覆した状態で形成されている。
画素電極103上面において隔壁104で被覆されていない領域(以下、「開口部」という)は、副画素に対応している。
隔壁104は、例えば、絶縁性の有機材料(例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック樹脂、フェノール樹脂等)からなる。隔壁104は、有機発光層105を塗布法で形成する場合には塗布されたインクがあふれ出ないようにするための構造物として機能し、有機発光層105を蒸着法で形成する場合には蒸着マスクを載置するための構造物として機能する。
<有機発光層>
有機発光層105は、隔壁104の開口部内に形成されており、正孔と電子の再結合により、個別にR、G、Bの各色の光を出射する。
有機発光層105の材料としては、例えば、オキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキシン金属錯体、希土類錯体などの蛍光物質で形成されることが好ましい。
<電子輸送層>
電子輸送層106は、対向電極107からの電子を有機発光層105へ輸送する機能を有する。電子輸送層106は、例えば、電子輸送性が高い有機材料からなり、具体的には、オキサジアゾール誘導体(OXD)、トリアゾール誘導体(TAZ)、フェナンスロリン誘導体(BCP、Bphen)などのπ電子系低分子有機材料からなる。電子輸送層106は、アルカリ金属、または、アルカリ土類金属から選択されるドープ金属がドープされていてもよい。または、例えば、電子輸送層106は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属から選択される金属の単体またはフッ化物から形成されてもよい。
<対向電極>
対向電極107は、透光性の導電性材料からなり、電子輸送層106上に形成されている。対向電極107は、陰極として機能する。
対向電極107の材料としては、例えば、ITOやIZOなどを用いることができる。あるいは、対向電極107の材料として、銀、銀合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属の薄膜を用いてもよい。
<封止層>
封止層108は、有機発光層105、電子輸送層106などの有機層が水分に晒されたり、空気に晒されたりすることを抑制する機能を有する。
封止層108は、窒化シリコン(SiN)の薄膜であって、対向電極107の上面、および平面視において樹脂材料からなる外側絶縁層1021の外周縁の位置(P1)より外方であって、接続端子1121の位置(P3)まで至らない位置P2まで延在する。なお、位置P2は、後述のカラーフィルタ基板110(第2基板)の端部(エッジ)の位置とほぼ一致する。
これにより、基板外方から層間絶縁層102へ水分が直接浸入するのを防ぐことができ、封止層108の封止性を高めることができる。
<封止補強層>
封止補強層120は、上記封止層108の封止性を補強するものであり、本実施の形態では、カラーフィルタ基板110と、カラーフィルタ基板110を封止層108上に貼着するための接着層109とからなる。
カラーフィルタ基板110は、透明なシート基材1111の下面にR,G,Bの各色のフィルタ1113R、1113G、1113Bを含むカラーフィルタ層1112を設けてなり、各発光色の有機EL素子2から出射された光の色純度を増す役割を果たすと共に、外部からの水分等の不純物の浸入を遮断する。
また、接着層109は、ダム構造体113と充填剤層115とからなる。充填剤層115の材料として、例えば、光透過性を有し、紫外線硬化性を有するアクリル系樹脂もしくはエポキシ樹脂が使用される。ダム構造体113も、同じく紫外線硬化樹脂により形成されるが、透明である必要はない。充填剤層115は、ダム構造体113によって囲まれた領域に形成され、ダム構造体113と充填剤層115とによりカラーフィルタ基板110を封止層108上に接着させる機能を有する。
もっとも、充填剤層115の材料(例えば、粘度が高く、形の崩れにくい材料)によっては、必ずしもダム構造体113はなくてもよい場合がある。
この封止補強層120により、外部の水分や空気などが有機EL表示パネル100内部に侵入するのをさらに防止することができる。
<保護構造体>
保護構造体114は、平面視において中央領域10の外縁部内側の位置に、接着層109の一部であるダム構造体113の周囲を囲繞するようにして形成されており、その頂部は、カラーフィルタ基板110に接触しない高さに設定されている。
保護構造体114の材料は、製造プロセスの簡易化の観点から接着層109(充填剤層115もしくはダム構造体113)と同じ樹脂材料であることが望ましいが、必ずしも同一である必要はない。
後述のように、この保護構造体114は、有機EL表示パネル100の製造工程において、封止層108に対するエッチングの範囲を規制して、封止性を確保するため重要な役割を果たす。
2.有機EL表示パネルの製造方法
次に、有機EL表示パネル100の製造方法について、図面を用いて説明する。
図4は、有機EL表示パネル100の製造工程を示すフローチャートである。
(1)基板101の形成
まず、基材101a上に、TFT層101bおよび配線層112(両者を合せて「駆動回路層」ともいう。)を形成して基板101を形成する(図4のステップS1)。TFT層101bおよび配線層112は、公知のTFTの製造方法により成膜することができる。
さらに、駆動回路層上にパッシベーション膜111を形成する。このパッシベーション膜111は、窒化シリコン(SiN)、酸化シリコン(SiO)、酸窒化シリコン(SiON)等で形成されており、層間絶縁層102や隔壁104に含まれる不純物によりTFT層101bや配線層112を保護する。パッシベーション膜111は、たとえばプラズマCVD法もしくはスパッタリング法などにより形成される。
このパッシベーション膜111は、配線層112の外周端面も覆うように形成されており、これにより当該端面から水分などの不純物が配線層112内に浸入しないようにしっかりと封止している。
上記パッシベーション膜111上に層間絶縁層102を形成する。層間絶縁層102は、例えば、塗布法などを用いて形成することができる。
次に、フォトリソグラフィ法を用いて、層間絶縁層102およびパッシベーション膜111におけるTFT層101bのソース電極上の個所に、コンタクトホールを形成する。コンタクトホールは、その底部に例えばTFTのソース電極の表面が露出するように形成される。
また、同様にフォトリソグラフィ法により層間絶縁層102の周縁部に周溝1022を形成して、層間絶縁層102を外側絶縁層1021と内側絶縁層1023に分離する。周溝1022の底には層間絶縁層102はなく、パッシベーション膜111の上面が露出するまでエッチングされる。
次に、コンタクトホールの内壁に沿って接続電極103aを形成する。接続電極の上部は、その一部が層間絶縁層102、パッシベーション膜111上に配される。接続電極の形成は、例えば、スパッタリング法を用いることができ、金属膜を成膜した後、フォトリソグラフィ法およびウェットエッチング法を用いパターニングすることでなされる。
接続端子1121も、上記と同様な方法により形成されてもよい。すなわち、パッシベーション膜111の周辺領域20における所定箇所にドライエッチングにより開口を形成し、スパッタリング等により金属膜を成膜した後、フォトリソグラフィ法およびウェットエッチング法を用いパターニングすることで、下層の配線層112における配線と接続された接続端子1121をパッシベーション膜111表面に形成することができる。
なお、層間絶縁層102は、公知のフォトレジスト法により形成しても構わない。
(2)画素電極103の形成
次に、層間絶縁層102上に画素電極材料層を形成する。画素電極材料層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法を用いて形成することができる。
次に、画素電極材料層をエッチングによりパターニングして、副画素ごとに区画された複数の画素電極103を形成する(図4のステップS2)。
(3)隔壁(バンク)104の形成
次に、画素電極103および層間絶縁層102上に、隔壁104の材料である隔壁用樹脂を塗布し、隔壁材料層を形成する。
隔壁材料層は、隔壁用樹脂であるフェノール樹脂を溶媒(例えば、乳酸エチルとGBLの混合溶媒)に溶解させた溶液を画素電極103上および層間絶縁層102上にスピンコート法などを用いて一様に塗布することにより形成される。そして、隔壁材料層にパターン露光と現像を行うことで隔壁(バンク)104を形成し(図4のステップS3)、隔壁104を焼成する(図4のステップS4)。これにより、有機発光層105の形成領域となる開口部が規定される。隔壁104の焼成は、例えば、150℃以上270℃以下の温度で60分間行う。
また、隔壁104の形成工程においては、さらに、隔壁104の表面を所定のアルカリ性溶液や水、有機溶媒等によって表面処理するか、プラズマ処理を施すこととしてもよい。これは、開口部に塗布するインク(溶液)に対する隔壁104の接触角を調節する目的で、もしくは、表面に撥水性を付与する目的で行われる。
(4)有機発光層105の形成
次に、隔壁104が規定する開口部に対し、有機発光層105の構成材料を含むインクを、インクジェット装置を用いて塗布し、乾燥(焼成)を行って有機発光層105を形成する(図4のステップS5)。その他の塗布方法として、ディスペンス法、スクリーン印刷法などがある。
(5)電子輸送層106の形成
次に、有機発光層105および隔壁104上に、電子輸送層106を成膜する(図4のステップS6)。電子輸送層106は、例えば、蒸着法により各副画素に共通して成膜することにより形成される。
(6)対向電極107の形成
次に、電子輸送層106上に、対向電極107を成膜する(図4のステップS7)。対向電極107は、例えば、ITO、IZO、銀、アルミニウム等を、スパッタリング法、真空蒸着法により成膜することにより形成される。
(7)封止層108の形成
対向電極107上に、封止層108を形成する(図4のステップS8)。
封止層108は、SiN膜を例えばプラズマCVD法により成膜することにより形成する(図5(a))。原料ガスとしては、例えば、シラン(SiH4)とアンモニア(NH3)が用いられ、さらに、窒素(N2)を用いてもよい。
封止層108の外縁は、周辺領域20における外側絶縁層1021の端縁よりも外方の位置まで伸びる。このとき、封止層108は、周溝1022の底の部分および外側絶縁層1021の外方部分において、パッシベーション膜111に直接接触している。
(8)ダム構造体、保護構造体の形成、充填剤の塗布
次に、ダム構造体113、保護構造体114を形成すると共に、ダム構造体113より内側に充填剤119を塗布する(図4のステップS9:図5(b))。
ダム構造体113は、中央領域10の外周近くに紫外線硬化樹脂を塗布装置(不図示)のヘッド300のノズル301から吐出して、画像表示領域30を囲むように形成する。
次に充填剤119をダム構造体113に囲まれた領域に塗布する。この充填剤も紫外線硬化樹脂であるが、広い面積に均一な厚みに塗布するためダム構造体113に使用する紫外線硬化樹脂よりも粘度が低く流動性を有するものが望ましい。充填剤の塗布には、例えば、インクジェット装置が使用できる。
また、ダム構造体113の外側に、ダム構造体113を囲繞するように保護構造体114を形成する。保護構造体114の材料は充填剤と同じ紫外線硬化樹脂が、インクジェット装置により塗布されることにより形成される。もっとも、ダム構造体113と同じ材料を、ダム構造体113の形成に続いて、塗布装置から塗布して保護構造体114を形成してもよい。
なお、保護構造体114は、次に述べるカラーフィルタ基板110の貼着時にカラーフィルタ基板110のシート基材1111との間に一定の隙間G1が介在するようにその材料の塗布量が予め計算されて制御されている。
このように保護構造体114は、充填剤もしくはダム構造体の材料の塗布と同じ工程で形成され得るので、製造工程を別途必要とせず製造上の負担が増すことはない。
その後、紫外線ランプにより紫外線を照射して、各紫外線硬化樹脂を半硬化の状態にして、特に、ダム構造体113、保護構造体114の形が大きく崩れないようにする。
なお、保護構造体114は、画像表示領域30外に位置するため透光性は要求されないが、反応性イオンエッチングに対して耐性を有する樹脂材料、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂などであって、できれば充填剤119に使用した材料よりも吸水性が少ない材料が選択されるのが望ましい。
このような構成を有することにより、接着層109の端縁からの水分の浸入をより効果的に防止して封止性をさらに向上し、有機EL素子の劣化を防止することができる。
(9)カラーフィルタ基板110の貼着(封止補強層120の形成)
次に、カラーフィルタ基板110を封止層108上に貼着する(図4のステップS10)。 なお、カラーフィルタ基板110は、図4に示す有機EL表示パネル100の製造工程とは別工程で予め製造されている。
(9−1)カラーフィルタ基板110の製造
まず、図8に基づき、カラーフィルタ基板110の製造工程の一例について説明する。
透明なシート基材1111を準備し、紫外線硬化樹脂(例えば紫外線硬化アクリル樹脂)材料を主成分とし、これに黒色顔料を添加してなる遮光層1114の材料をシート基材1111の一方の面に塗布して遮光材料層1114aを形成する(図8(a))。
遮光材料層1114aの上面に所定の開口部が施されたパターンマスクPM1を重ね、その上から紫外線照射を行う(図8(b))。
その後、パターンマスクPM1及び未硬化の遮光層1114を除去して現像し、キュアすると、例えば、概矩形状の断面形状の遮光層1114が完成する(図8(c))。
次に、遮光層1114を形成したシート基材1111表面に、紫外線硬化樹脂成分を主成分とするカラーフィルタ1113(例えば、G)のペースト1113Gを塗布し(図8(d))、所定のパターンマスクPM2を載置し、紫外線照射を行う(図8(e))。
その後はキュアを行い、パターンマスクPM2及び未硬化のペースト1113Gを除去して現像すると、カラーフィルタ1113Gが形成される(図8(f))。
この図8(d)、(e)、(f)の工程を赤色と青色のカラーフィルタ材料について同様に繰り返すことで、カラーフィルタ1113R、1113Bを形成する(図8(g))。
なお、各色のペーストを用いる代わりに市販されているカラーフィルタ製品を利用してもよい。以上でカラーフィルタ基板110が形成される。
(9−2)カラーフィルタ基板110の貼着工程
次に、基板101から封止層108までの各層からなる有機EL表示パネルの主要部(以下、「パネル本体」という。)に、上記カラーフィルタ基板110をそのカラーフィルタ層1112が、封止層108に対向するようにして貼り合わせる(図4のステップS10)。
まず、表示パネル本体上にカラーフィルタ基板110を位置合わせして載置し、カラーフィルタ基板110を上記塗布された充填剤119、およびダム構造体113に押しつけるようにして圧着することにより、塗布状態の充填剤119が成形されて充填剤層115となり、ダム構造体113と共に接着層109を構成する(図6(a))。
この際、パネル本体とカラーフィルタ基板110との相対的位置関係を合せた状態で、真空チャンバー内に搬入し、真空チャンバー内の空気を抜いて真空圧着させることにより、充填剤層115やダム構造体113とカラーフィルタ基板110間に気泡などが残留しないようにすることが望ましい。
その後、加熱チャンバーに収納して、所定の温度で加熱して焼成して多面取りパネルが完成する(図6(b))。
(10)多面取りパネル切断工程
次に、多面取りパネルを加熱チャンバーから取り出して、図7(a)に示すように、専用の切断装置(不図示)により、基板101の基材101a(第1基板)を切断位置S1で切断し、カラーフィルタ基板110のシート基材1111(第2基板)を切断位置S2で切断することにより、有機EL表示パネル100(正確には有機EL表示パネル100の中間品)を多面取りパネルから切り出す(図4のステップS11)。
カラーフィルタ基板110の切断位置S1にはダム構造体113が存在しないのでダム構造体113が接着するおそれがなく、保護構造体114もカラーフィルタ基板110に接触していないので、カラーフィルタ基板110の切断処理が容易に行える。
(11)封止層の周縁部除去工程
最後に、基板101の周辺領域20上にある封止層108をカラーフィルタ基板110をエッチングマスクとして反応性イオンエッチング処理(RIE)を行い周辺領域20における配線層112層上の封止層108を除去して接続端子1121を露出させる(図7(b)、図4のステップS12)。
反応性イオンエッチングの反応ガスとして、本実施の形態では、SF6(6フッ化硫黄)とO2を使用することにより、窒化シリコンからなる封止層108を選択的にエッチングすることができる。
この際、カラーフィルタ基板110、保護構造体114がエッチングマスクの役割を果たすので、反応ガスがカラーフィルタ基板110の下側に回り込んで外側絶縁層1021を覆う封止層108を除去することがないので、封止性を確保することができる。
また、別途エッチングマスクを形成する必要がないばかりか、反応後の物質は主に気体(SiF4:4フッ化シリコン)となるので、処理後の洗浄が不要となり、製造コストが削減できる。他の反応ガスとして、CF4やArでも使用可能である。
なお、接続端子1121が空気中の酸素に触れると酸化して導電性が劣化するので、接続端子1121の表面にIZOやITOなどの導電性薄膜を形成するようにしても構わない。
以上の工程を経て、図3に示す積層構造を有する有機EL表示パネル100が完成する。
上記の工程が実行される順序は、本発明を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記工程の一部が、他の工程と同時(並列)に実行されてもよい。
3.有機EL表示装置
図9は、上記有機EL表示パネル100を組み込んだ有機EL表示装置1の全体構成を示すブロック図である。有機EL表示装置1は、例えば、テレビ、パーソナルコンピュータ、携帯端末、業務用ディスプレイ(電子看板、商業施設用大型スクリーン)などにおける表示部として用いられる。
有機EL表示装置1は、有機EL表示パネル100と、これに電気的に接続された駆動制御部200とを備える。
駆動制御部200は、有機EL表示パネル100に接続された駆動回路210〜240と、計算機などの外部装置又はアンテナを有する受信装置に接続された制御回路250とを有する。
駆動回路210〜240は、有機EL表示パネル100における各有機EL素子に電力を供給する電源回路、各有機EL素子への供給電力を制御する電圧信号を印加する信号回路、一定の間隔ごとに電圧信号を印加する箇所を切り替える走査回路などを有する。
制御回路250は、外部装置や受信装置から入力された画像情報を含むデータに応じて、駆動回路210〜240の動作を制御する。
なお、図1では、一例として、駆動回路210〜240が有機EL表示パネル100の周囲に4つ配置されているが、駆動制御部200の構成はこれに限定されるものではなく、駆動回路の数や位置は適宜変更可能である。
≪第2の実施の形態≫
第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態と、有機EL表示パネル100のうち、保護構造体の構成が異なるだけであり、それ以外は第1の実施の形態と同じなので、以下では、第2の実施の形態特有の構成を中心に説明する。
図10は、本実施の形態に係る有機EL表示パネル100の積層構造を示す概略断面図である。
同図に示すように本実施の形態では、外側絶縁層1021の外周部に、周溝1025を挟んでさらに別の外側絶縁層1024が形成されている。両者を区別するため、以下では、外側絶縁層1021を第1外側絶縁層1021、その外側の外側絶縁層1024を第2外側絶縁層1024と言い換えて呼称する。
上記第1外側絶縁層1021と第2外側絶縁層1024上および周溝1025には、隔壁104と同じ材料からなる積層体(以下、「疑似隔壁」という。)1041、1042が形成される。図4のステップS4で隔壁104を形成する際に、所定膜厚の隔壁の材料層を形成した後、フォトマスクを介して露光することにより隔壁104のみを残すパターニングを実行したが、本実施の形態では、周溝1025を挟んだ第1外側絶縁層1021、第2外側絶縁層1024の上にも隔壁材料層を残すことにより、疑似隔壁1041、1042が形成されるようにフォトマスクのパターンが決定されている。
そして、封止層108を疑似隔壁1041、1042および周溝1025の上にも形成することにより、保護構造体1141を形成するようにしている。
一方、カラーフィルタ基板110は、そのシート基材1111の疑似隔壁1041、1042の頂部に対向する位置に遮光層1114と、3色のカラーフィルタ1113R、G、Bの積層体(積層順は、カラーフィルタ層におけるカラーフィルタの形成順と同じ。)を積層した部分(以下、「フィルタ積層体」という。)1115を含む。
カラーフィルタ基板110の一部を形成するフィルタ積層体1115の下面と、保護構造体1141の頂部との隙間はわずかであるため、反応性イオンエッチングの反応ガスが、内部に入り込むことはほとんどなく、第1外側絶縁層1021の上面および外側端部を疑似隔壁1041を介して覆う封止層108の浸食が発生しないので、本実施の形態によっても、良好な封止性を維持でき、有機EL表示パネル100の長寿命化が望める。
なお、フィルタ積層体1115は、図8で説明したカラーフィルタ基板110の製造工程において、遮光層1114およびカラーフィルタ1113R、G、Bの形成時に使用する各パターンマスク(フォトマスク)において、フィルタ積層体1115の形成予定領域は遮光するようにパターンを形成することにより、容易に達成できる。また、遮光層1114については必ずしもなくてもよい。
遮光層1114や各カラーフィルタ1113R、G、Bは、上述の通りフォトマスクを使用して形成されており、樹脂材料を単に塗布して形成する保護構造体114に比べて格段に位置精度が高いので、これらが切断位置S2を覆うことはなく、仮に切断位置S2の位置まで延びて形成されたとしてもフィルタ積層体1115全体の厚みは4μm程度であり、多面取りパネルからの切り出し時の切断に支障は生じないと考えられる。
また、上述のように疑似隔壁1041、1042もフォトマスクのパターンを変更するだけで隔壁104の形成工程において同時に形成されるので、本実施の形態によれば、特別な工程を設けることなく反応性イオンエッチングによる封止層108の不必要な部分の除去を阻止して封止層108による封止効果を維持することができる。
≪変形例≫
以上で説明した実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程、工程の順序などは一例であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
以下、有機EL表示パネルの変形例について説明する。
(1)上記実施の形態では、有機発光層の形成方法としては、スクリーン印刷法、スピンコート法、インクジェット法などの湿式成膜プロセスを用いる構成であったが、本発明はこれに限られない。例えば、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法、気相成長法等の乾式成膜プロセスを用いることもできる。さらに、各構成部位の材料には、公知の材料を適宜採用することができる。
(2)封止層108の材料として、上述の窒化シリコン(SiN)のほかに、他の適当な無機材料(例えば、酸窒化シリコン(SiON)、炭化シリコン(SiC)等)を使用してもよい。
(3)上記実施の形態では、封止補強層120として封止層108の上にカラーフィルタ基板110を貼着するようにしたが、カラーフィルタ基板110の代わりに公知の偏光板フィルムを用いてもよい(例えば、特開平7−142170号公報、特開2001−4837号公報など参照)。上記偏光板フィルムは、外部から入射して有機EL表示パネル100内部(特に、画素電極103)で反射した光を外部に透過させにくくするので、屋外などにおける有機EL表示パネル100の視認性を増すことができる。
さらには、封止補強のみを目的として、単なる透明なシート基材(ガラスシートまたは樹脂シート)を接着層109を介して封止層上に貼着しても構わない。
(4)上記実施の形態では、有機発光層105としてR、G、Bの個別の発光色を有する有機材料を用いたが、白色のみ発光する有機材料を使用し、カラーフィルタ基板110のR、G、Bのフィルタのみで各色の発光を実現することにより、カラー表示させるようにしても構わない。
(5)上記実施の形態では、説明の簡略化のため各有機EL素子が、画素電極、有機発光層、電子輸送層、対向電極からなる構成であるとしたが、例えば、画素電極と発光層との間に正孔注入層や正孔輸送層を含む構成であってもよいし、電子輸送層と対向電極との間に電子注入層を含む構成であってもよい。
また、上記実施の形態では、画素電極が反射型電極、対向電極が透過型電極であるトップエミッション型であるとしたが、画素電極が透過型電極、対向電極が反射型電極であるボトムエミッション型であるとしてもよい。
(6)第1実施の形態において、保護構造体114によって、中央領域10内であってダム構造体113より外側に存する封止層108を全て覆うように構成すれば、より封止性が高まる。
(7)上記実施の形態では、自発光素子として有機EL素子を使用した有機EL表示パネルについて説明したが、その他、発光層に量子ドットを使用した量子ドットパネル(例えば、特開2010−199067号公報参照)などの表示パネルについても、発光層の種類が異なるだけで、画素電極と対向電極との間に発光層やその他の機能層を介在させるという構成において有機EL表示パネルと同じであり、上記実施の形態と同様な構造にすることにより、封止性を向上しつつ、狭額縁で多面取りによる製造が可能な表示パネルを得ることができる。
≪補足≫
以上、本開示に係る表示パネルおよびその製造方法について、実施の形態および変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態および変形例に限定されるものではない。上記実施の形態および変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態および変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
本開示に係る表示パネルは、多面取り製造が容易であり、額縁部が狭くても良好な封止性を有する表示パネルとして好適である。
10 中央領域(第1領域)
20 周辺領域(第2領域)
30 画像表示領域
100 有機EL表示パネル
101 基板
101a 基材(第1基板)
101b TFT層
102 層間絶縁層
1021 外側絶縁層
1022、1025 周溝
1023 内側絶縁層
103 画素電極
104 隔壁
1041、1042 疑似隔壁
105 有機発光層
106 電子輸送層
107 対向電極
108 封止層
109 接着層
110 カラーフィルタ基板
1112 カラーフィルタ層
1113R、G、B カラーフィルタ
1114 遮光層
1115 フィルタ積層体
111 パッシベーション膜
112 配線層
1121 接続端子
113 ダム構造体
114 保護構造体
115 充填剤層
119 充填剤
120 封止補強層

Claims (9)

  1. 平面視において、発光素子アレイが配された画像表示領域を含む中央の領域とその周辺であって接続端子が配された周辺領域とを有する表示パネルの製造方法であって、
    第1基板の上方に、複数の層間絶縁層を島状に形成する工程と、
    前記各層間絶縁層の上方に前記発光素子アレイを形成する工程と、
    前記各発光素子アレイより広い範囲を覆う封止層を形成し、前記各封止層上の一部の範囲に形成された接着層を介して各封止層に共通の第2基板を貼着する工程と、
    前記第1基板と前記第2基板をそれぞれ切断して、前記発光素子アレイを含む複数の表示パネル中間品を切り出す工程と、
    前記各表示パネル中間品において、前記切断された第2基板をマスクにして、ドライエッチングにより前記発光素子アレイよりも外方に存する前記封止層の一部を除去して前記接続端子を露出させる工程と
    を含み、
    平面視において、前記接着層の外周部が、前記切断された第2基板の縁部より内方に位置し、前記第2基板を貼着する工程より前に、前記各封止層上に、前記接着層を囲繞し、かつ、その頂部が、前記第2基板を貼着する工程の後に前記第2基板に接触しない構造体を形成する工程を含む
    ことを特徴とする表示パネルの製造方法。
  2. 前記ドライエッチングは、反応性イオンエッチングである
    ことを特徴とする請求項1に記載の表示パネルの製造方法。
  3. 前記構造体は、接着層と同じ材料を、前記封止層上に塗布して形成される
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の表示パネルの製造方法。
  4. 前記第2基板は、複数色のカラーフィルタを配列してなるカラーフィルタ基板であり、前記構造体の頂部に対向する位置に前記複数色のカラーフィルタを積層してなるフィルタ積層体が配されてなる
    ことを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の表示パネルの製造方法。
  5. 前記発光素子アレイは、複数の発光素子を行列状に配してなり、少なくとも行方向に隣接する発光素子が列方向に伸びる複数の隔壁により仕切られており、
    前記構造体は、前記層間絶縁層上方に形成された隔壁を含む
    ことを特徴とする請求項4に記載の表示パネルの製造方法。
  6. 平面視において、画像表示領域を含む中央領域とその周辺であって接続端子が配された周辺領域とを有する表示パネルであって、
    第1基板と、
    前記第1基板の上方の前記中央領域内に配された層間絶縁層と、
    前記層間絶縁層の上方の画像表示領域内に配された発光素子アレイと、
    前記発光素子アレイの上方であって前記画像表示領域内に配され、前記層間絶縁層の外周端面を覆う封止層と、
    前記封止層の上方に、接着層を介して貼着された第2基板と、
    を備え、
    平面視において、前記接着層の外周部が、前記第2基板の縁部より内方に位置し、前記封止層上の、前記接着層の外周部と前記第2基板の縁部との間の領域に、前記接着層を囲繞し、かつ、その頂部が、前記第2基板に接触していない構造体が配されている
    ことを特徴とする表示パネル。
  7. 前記構造体は、接着層と同じ材料からなる
    ことを特徴とする請求項6に記載の表示パネル。
  8. 前記第2基板は、複数色のカラーフィルタを配列してなるカラーフィルタ基板であり、前記構造体の頂部に対向する位置に前記複数色のカラーフィルタを積層してなるフィルタ積層体が配されてなる
    ことを特徴とする請求項6に記載の表示パネル。
  9. 前記発光素子アレイは、複数の発光素子を行列状に配してなり、少なくとも行方向に隣接する発光素子が列方向に伸びる複数の隔壁により仕切られており、
    前記構造体は、前記層間絶縁層上方に形成された隔壁を含む
    ことを特徴とする請求項8に記載の表示パネル。
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