JP2022149149A - 香りの優れた醤油及び醤油様調味料 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、醤油本来の風味がありつつも、従前の醤油ではほとんど感じられず、火入れの後であってもフルーティーな香りが感じられ得る調味料を提供することにある。【解決手段】上記目的は、少なくとも1種のγ-ラクトン類の含有量が100ppb~60,000ppbである、醤油又は醤油様調味料;醤油麹を醤油乳酸菌による乳酸発酵に供して得られる醤油諸味を、固液分離処理に供して、醤油諸味液汁を得る工程と、醤油諸味液汁を、密閉系での醤油酵母による酵母発酵に供して、γ-ノナラクトン含有醤油を得る工程とを含む、γ-ノナラクトン含有醤油の製造方法などにより解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、香りの優れた醤油及び醤油様調味料に関する。
近年、フルーティーな香りなどの華やかな香りの飲食品が好まれている。醤油は、4-ヒドロキシ-2(又は5)-エチル-5(又は2)-メチル-3(2H)-フラノン(ホモフラネオール;HEMF)などを含有することによって、醤油らしい風味はするが、香りの華やかさには欠ける。
フルーティーな香りがすると謳った醤油がすでに製造販売されている。しかし、このような醤油は、果実やワインなどを混ぜて製造されており、その風味は醤油とは全く異なるものである。それに対して、香料を醤油に添加して得られる調味料が知られている。例えば、エチル-2-メチルブタノエートなどのメチル脂肪酸エチルを醤油に外部添加することにより、フルーティーな香りの醤油様調味料が得られるという報告がある(例えば、特許文献1を参照)。
また、加工段階で味覚的に劣化した醤油に製造直後の醤油本来の香味を取戻すために、γ-ラクトンを醤油に0.1ppt~10ppbの濃度範囲で添加することを特徴とする醤油の醤油香味改善方法についての報告がある(例えば、特許文献2を参照)。
一方、これまでに、本発明者らにより、オクタン酸エチル、デカン酸エチルといった脂肪酸アルキルエステルを含む醤油又は醤油様調味料が発明されている(例えば、特許文献3を参照)。
特開2016-140321号公報 特開2014-83028号公報 特許第6343710号
しかし、特許文献1に記載のように、醤油にメチル脂肪酸エチルを添加したとしても、醤油中の2-エチル-6-メチルピラジンなどのマスキング成分によって、メチル脂肪酸エチルによるフルーティーな香りは減弱し、安定的にフルーティーな香りを有する醤油を得ることが難しいという問題がある。
また、本発明者らが調べたところによれば、特許文献2に記載のように、γ-ラクトンを醤油に0.1ppt~10ppbの濃度範囲で添加する場合、加工段階で味覚的に劣化した醤油本来の香味を取戻すことができるとしても、醤油にフルーティーな香りを付与することができない。
特許文献3に記載の醤油又は醤油様調味料に含まれる香気成分である脂肪酸アルキルエステルは、沸点が低く、本醸造方式の醤油の製造方法に採用される火入れにより揮散するおそれがある。
そこで、本発明は、醤油本来の風味がありつつも、従前の醤油ではほとんど感じられず、火入れの後であってもフルーティーな香りが感じられ得る調味料を提供することを、発明が解決しようとする課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、醤油の成分や製造方法などを見直し、さらに1,000種以上あるとされている香気成分について鋭意検討し、フルーティーな香りがする醤油及び醤油様調味料を得るべく試行錯誤を繰り返した。そして、その中で、γ-ノナラクトンなどのγ-ラクトン類に着眼するに至った。
そして、遂に、本発明者らは、所定量のγ-ラクトン類を用いることにより、マンゴー、桃、梅といった南国フルーツ様の甘いフルーティーな香りがする醤油及び醤油様調味料を得ることに成功した。
一方、本発明者らは、特許文献3に記載されている、醤油麹を醤油乳酸菌による乳酸発酵に供して得られる醤油諸味を固液分離処理に供して醤油諸味液汁を得て、次いで得られた醤油諸味液汁を醤油酵母による酵母発酵に供する方式(以下、液体発酵方式ともよぶ。)によって得られる液体発酵調味料はγ-ノナラクトンを含むことを見出した。しかし、γ-ノナラクトンは火入れにより一定量が分解することから、得られた液体発酵調味料は、火入れ後にフルーティーな香りがする程度のγ-ノナラクトンを含むものではなかった。
そこで、本発明者らは、火入れ後にフルーティーな香りがする程度の量のγ-ノナラクトンを含む醤油及び醤油様調味料を製造するための方法について試行錯誤を繰り返した。その結果、驚くべきことに、通常の本醸造方式の醤油の製造方法では酵母発酵を開放系で実施しているところ、液体発酵方式における酵母発酵を密閉系で実施することにより、得られる液体発酵調味料におけるγ-ノナラクトンの量を顕著に高めることができることを見出した。そして、驚くべきことに、このようにして得られた液体発酵調味料は、火入れに供したとしても、フルーティーな香りがするものであった。
このようにして、本発明者らは、本発明の課題を解決するものとして、所定量のγ-ラクトン類を含む醤油及び醤油様調味料を創作することに成功した。本発明はこのような成功例や知見に基づいて完成するに至った発明である。
したがって、本発明の各一態様によれば、以下のものが提供される:
[1]下記一般式(I)
Figure 2022149149000001
(I)
(式中、nは2~6の整数を表わす。)
で示されるγ-ラクトン類からなる群から選ばれる少なくとも1種のγ-ラクトン類の含有量が100ppb~60,000ppbである、醤油又は醤油様調味料。
[2]醤油麹を醤油乳酸菌による乳酸発酵に供して得られる醤油諸味を、固液分離処理に供して、醤油諸味液汁を得る工程と、
醤油諸味液汁を、密閉系での醤油酵母による酵母発酵に供して、γ-ノナラクトン含有醤油を得る工程と
を含む、γ-ノナラクトン含有醤油の製造方法。
[3]前記酵母発酵は、密閉系かつ無撹拌条件での醤油酵母による酵母発酵である、請求項2に記載の方法。
[4]前記酵母発酵は、発酵液の炭酸ガスボリュームが1GV~10GVであるように実施される酵母発酵である、[2]~[3]のいずれか1項に記載の方法。
[5]前記γ-ノナラクトン含有醤油は、γ-ノナラクトンの含有量が100ppb~20,000ppbであるγ-ノナラクトン含有醤油である、[2]~[4]のいずれか1項に記載の方法。
本発明の一態様である醤油及び醤油様調味料によれば、醤油本来の風味がありつつも、従前の醤油ではほとんど感じられない、南国フルーツ様の甘いフルーティーな香りがする調味料を提供することができる。しかも、本発明の一態様である醤油及び醤油様調味料は、火入れ後であってもフルーティーな香りがするものであることから、火入れの有無に関係なく、家庭的規模及び工業的規模のいずれの規模でも製造することが可能である。
以下、本発明の各態様の詳細について説明するが、本発明は、本項目の事項によってのみに限定されず、本発明の目的を達成する限りにおいて種々の態様をとり得る。
本明細書における各用語は、別段の定めがない限り、食品分野の当業者により通常用いられている意味で使用され、不当に限定的な意味を有するものとして解釈されるべきではない。また、本明細書においてなされている推測及び理論は、本発明者らのこれまでの知見及び経験によってなされたものであることから、本発明はこのような推測及び理論のみによって拘泥されるものではない。
「含有量」は、濃度と同義であり、調味料の全体量に対する成分の量の割合を意味する。ただし、成分の含有量の総量は、100%を超えることはない。
「ppb」は、通常知られている意味のとおりの単位であり、具体的には1ppbは1/10であり、グラム換算では1ng/gであり、概ね1μg/lと換算できる。
「ppm」は、通常知られている意味のとおりの単位であり、具体的には1ppmは1/10であり、質量換算では1μg/gであり、質量体積換算では概ね1mg/lである。
数値範囲の「~」は、その前後の数値を含む範囲であり、例えば、「100ppb~60,000ppb」は、100ppb以上であり、かつ、60,000ppb以下である範囲を意味する。
「含む」は、含まれるものとして明示されている要素以外の要素を付加できることを意味する(「少なくとも含む」と同義である)が、「からなる」及び「から本質的になる」を包含する。すなわち、「含む」は、明示されている要素及び任意の1種若しくは2種以上の要素を含み、明示されている要素からなり、又は明示されている要素から本質的になることを意味し得る。要素としては、成分、工程、条件、パラメーターなどの制限事項などが挙げられる。
「及び/又は」との用語は、列記した複数の関連項目のいずれか1つ、又は2つ以上の任意の組み合わせ若しくは全ての組み合わせを意味する。
整数値の桁数と有効数字の桁数とは一致する。例えば、1の有効数字は1桁であり、10の有効数字は2桁である。また、小数値は小数点以降の桁数と有効数字の桁数とは一致する。例えば、0.1の有効数字は1桁であり、0.10の有効数字は2桁である。
「フルーティーな香り」は、飲食せずに鼻だけで感じる、マンゴー、桃、梅といった南国フルーツ様の甘い香りを意味する。なお、南国フルーツ様の甘い香りは、ブドウを原料とする白ワイン様の甘い香りと違って、南国フルーツ(トロピカルフルーツ)を想起させる香りである。
「醤油本来の風味」は、飲食時の口腔内から鼻へぬける、大豆及び小麦を原料とする通常の本醸造方式によって製造された生醤油の香りを意味し、醤油感ともいう。
「発酵」及び「熟成」は、厳密に区別されるものではなく、これらを合わせて発酵という場合がある。
[液体調味料]
本発明の一態様の醤油及び醤油様調味料(これらの総称として、液体調味料ともよぶ。)は、
下記一般式(I)
Figure 2022149149000002
(I)
(式中、nは2~6の整数を表わす。)
で示されるγ-ラクトン類からなる群から選ばれる少なくとも1種のγ-ラクトン類を含む。すなわち、本発明の一態様の液体調味料は、一般式(I)においてnが2であることにより総炭素数が7であるγ-ヘプタラクトン、上記一般式(I)においてnが3であることにより総炭素数が8であるγ-オクタラクトン、一般式(I)においてnが4であることにより総炭素数が9であるγ-ノナラクトン、一般式(I)においてnが5であることにより総炭素数が10であるγ-デカノラクトン及び一般式(I)においてnが6であることにより総炭素数が11であるγ-ウンデカノラクトンのいずれか1種、2種、3種、4種又は5種を含む。
本発明の一態様の液体調味料は、醤油本来の風味がありつつも、上記一般式(I)のγ-ラクトン類を含むことにより、従前の醤油ではほとんど感じられない、優れたフルーティーな香りがする醤油及び醤油様調味料として、飲食品の味を調える用に供され得る。その結果として、本発明の一態様の液体調味料を用いれば、醤油の風味と、フルーティーな香りとを併せもった調味料及び飲食品が得られ得る。
本発明の一態様の液体調味料は、醤油及び醤油様調味料のいずれかの調味料であり、食材を加工する際に味を調える目的で使用されるものであれば特に限定されない。
醤油(しょうゆ、しょう油ともよぶ。)は、例えば、農林水産省告示「しょうゆ品質表示基準」及び「しょうゆの日本農林規格」に記載されているようなものなどが挙げられ、具体的には濃口醤油、淡口醤油、白醤油、たまり醤油、再仕込醤油がある。その他にも生醤油、ダシ醤油、照り醤油、生揚げ醤油、速醸醤油、アミノ酸混合醤油、減塩醤油及び低食塩醤油などが挙げられる。醤油は、上記のとおりに挙げられたものの1種の単独であってもよく、2種以上を組み合わせたものであってもよい。
醤油様調味料は、日本農林規格に規定される「しょうゆ」と同様の用途で用いられる調味料をいい、醤油、醤油加工品及び発酵調味料を含む調味料である。醤油様調味料は、醤油本来の風味を有し、かつ「しょうゆ」と同様の用途で用いられる限り、醤油麹に由来する原料(例えば、大豆や小麦)を用いて得られるものでなくともよい。
液体調味料におけるγ-ラクトン類の含有量は、液体調味料がフルーティーな香りがする程度の量である。具体的には、γ-ラクトン類の含有量は、100ppb~60,000ppbの範囲内にあればよい。ただし、γ-ラクトン類の含有量は、γ-ラクトン類の種類に応じて好ましい範囲に設定される。
γ-ヘプタラクトンの含有量は100ppb~40,000ppbであり、よりフルーティーな香りがするという観点から、100ppb~25,000ppbであることが好ましく、100ppb~10,000ppbであることがより好ましい。γ-ヘプタラクトンの含有量が50,000ppb以上である場合、不快臭を感じ、液体調味料全体の香りが不快なものになるおそれがある。
γ-オクタラクトンの含有量は100ppb~40,000ppbであり、よりフルーティーな香りがするという観点から、100ppb~25,000ppbであることが好ましく、100ppb~10,000ppbであることがより好ましい。γ-オクタラクトンの含有量が50,000ppb以上である場合、不快臭を感じ、液体調味料全体の香りが不快なものになるおそれがある。
γ-ノナラクトンの含有量は100ppb~60,000ppbであり、よりフルーティーな香りがするという観点から、100ppb~50,000ppbであることが好ましく、100ppb~25,000ppbであることがより好ましい。γ-ノナラクトンの含有量が100,000ppb以上である場合、不快臭を感じ、液体調味料全体の香りが不快なものになるおそれがある。
γ-デカノラクトンの含有量は100ppb~15,000ppbであり、よりフルーティーな香りがするという観点から、200ppb~10,000ppbであることが好ましく、250ppb~10,000ppbであることがより好ましい。γ-デカノラクトンの含有量が50,000ppb以上である場合、不快臭を感じ、液体調味料全体の香りが不快なものになるおそれがある。
γ-ウンデカノラクトンの含有量は100ppb~15,000ppbであり、よりフルーティーな香りがするという観点から、200ppb~10,000ppbであることが好ましく、250ppb~10,000ppbであることがより好ましい。γ-ウンデカノラクトンの含有量が50,000ppb以上である場合、不快臭を感じ、液体調味料全体の香りが不快なものになるおそれがある。
γ-ヘプタラクトン、γ-オクタラクトン、γ-ノナラクトン、γ-デカノラクトン及びγ-ウンデカノラクトンの全てを、それぞれの好ましい範囲の量で含有する液体調味料は、フルーティーな香りがする好ましいものであり、不快臭を感じるものではないが、本発明の一態様の液体調味料において、γ-ラクトン類の含有量の総量は100ppb~60,000ppbの範囲内にあればよい。
上記のγ-ラクトン類の含有量のうち、広い範囲にわたって液体調味料にフルーティーな香りを付与し得るのはγ-ノナラクトンである。実際、本発明者らが見出したところによれば、γ-ノナラクトンを含む液体調味料は、より好ましい南国フルーツ様の甘いフルーティーな香りがする。したがって、本発明の好ましい態様はγ-ノナラクトンの含有量が100ppb~60,000ppbである液体調味料である。
液体調味料における一般式(I)で示されるγ-ラクトン類の含有量が上記した所定の下限量よりも少ない量である場合には、液体調味料に一般式(I)で示されるγ-ラクトン類又は一般式(I)で示されるγ-ラクトン類含有物を添加して所定の量に調整できる。一般式(I)で示されるγ-ラクトン類含有物は、後述する実施例に記載の測定方法によって一般式(I)で示されるγ-ラクトン類が含まれることが確認できるγ-ラクトン類含有物であれば特に限定されない。
本発明者らが調べたところによれば、市販の生醤油及び濃口醤油には、γ-ノナラクトンが0ppb~15.6ppbの範囲で含まれ得る。したがって、例えば、γ-ノナラクトンの含有量が15.6ppbである市販の生醤油に、γ-ノナラクトンを84.4ppbを加えれば、γ-ノナラクトンの含有量が100ppbである醤油が得られる。
液体調味料は、一般式(I)で示されるγ-ラクトン類の含有量が上記した量であることにより、従前の醤油ではほとんど感じられない、フルーティーな香りがする。一方で、一般式(I)で示されるγ-ラクトン類によるフルーティーな香りは、従前の醤油が本来的に含有する2-エチル-6-メチルピラジンによってマスキングされ得る。そこで、液体調味料における2-エチル-6-メチルピラジンの含有量は、例えば、一般式(I)で示されるγ-ラクトン類によるフルーティーな香りが抑制されない程度の量であることが好ましい。
実際に、2-エチル-6-メチルピラジンの含有量が2ppb程度である醤油にγ-ヘプタラクトン、γ-オクタラクトン、γ-ノナラクトン、γ-デカノラクトン又はγ-ウンデカノラクトンを1,000ppbで添加して得られる液体調味料は、2-エチル-6-メチルピラジンの含有量が10ppb程度である醤油に上記γ-ラクトン類を添加して得られる液体調味料と比べて、より好ましいフルーティーな香りがする。
液体調味料は、フルーティーな香りがしつつも、醤油成分を含有することにより、HEMFなどによって醤油本来の風味がすることに特徴がある。そこで、液体調味料におけるHEMFの含有量は、20ppm以上であることが好ましく、30ppm以上であることがより好ましく、40ppm以上であることがさらに好ましい。HEMFの含有量の上限は、所望の醤油本来の風味に応じて適宜設定すればよく、典型的には400ppm程度である。
液体調味料における一般式(I)で示されるγ-ラクトン類の含有量は、後述する実施例に記載の方法によって測定できる。また、この方法に準じて、2-エチル-6-メチルピラジン及びHEMFを測定できる。したがって、上記した一般式(I)で示されるγ-ラクトン類、2-エチル-6-メチルピラジン及びHEMFの含有量は、後述する実施例に記載又は準じた方法によって測定して得られる値である。なお、2-エチル-6-メチルピラジン及びHEMFは、以下のm/zを用いて、ピーク面積を求めればよい。
2-エチル-6-メチルピラジン:m/z 121
HEMF:m/z 142
本発明の一態様の液体調味料は、γ-ラクトン類を含むものであればよく、本発明の課題解決を妨げない限りは、様々なその他の成分を含有することができる。その他の成分は特に限定されないが、例えば、調味料成分や食材であり、具体的には野菜成分(大根、ニンジン、玉ネギ、にんにくなど)、酵母エキス、肉エキス(チキンエキス、ポークエキス、ビーフエキス、魚肉エキスなど)、果汁(りんご果汁など)、香辛料(生姜、唐辛子、こしょう、バジル、オレガノなど)、化学調味料(グルタミン酸ソーダ、イノシン酸ソーダなど)、フレーバーなどが挙げられ、これらの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。その他の成分の含有量は、本発明の課題を解決し得る限り、適宜設定することができる。
本発明の一態様の液体調味料は、容器に詰めて密封した容器詰液体調味料、すなわち、容器詰醤油又は容器詰醤油様調味料とすることができる。容器は特に限定されないが、例えば、アルミなどの金属、紙、PETなどのプラスチック、ガラスなどを素材とする、1層又は積層(ラミネート)のフィルム袋、レトルトパウチ、真空パック、アルミ容器、プラスチック容器、瓶、缶などの包装容器が挙げられる。容器詰醤油及び容器詰醤油様調味料は、それ自体で独立して、流通におかれて市販され得るものである。
本発明の一態様の液体調味料は、通常の液体調味料と同様に使用することができる。すなわち、本発明の一態様の液体調味料は、単独で、又は上記した野菜成分、酵母エキス、肉エキス、果汁、香辛料、化学調味料、フレーバーに加えて、だし、酸味料、アミノ酸、核酸、有機酸、タンパク質加水分解物、糖、酒、みりん、アルコール、増粘剤、乳化剤、無機塩類などのその他の調味成分を混合して、若しくは組み合わせて、様々な食材の調理や加工法に用いることができる。例えば、本発明の一態様の液体調味料は、日本食、欧米食、中華食などの各種の料理に使用することができ、具体的には揚げ物、焼肉、うどん、そば、ラーメン、ハンバーグ、ミートボール、筑前煮、照り焼き、カレー、シチュー、ハヤシなどに用いることができるが、これらに限定されない。
本発明の一態様の液体調味料の非限定的な具体的態様として、例えば、一般式(I)で示されるγ-ラクトン類の含有量(ただし、γ-ラクトン類の含有量の総量は100ppb~60,000ppbである)が以下のとおりである液体調味料が挙げられる:
γ-ヘプタラクトンの含有量:100ppb~25,000ppb
γ-オクタラクトンの含有量:100ppb~25,000ppb
γ-ノナラクトンの含有量:100ppb~50,000ppb
γ-デカノラクトンの含有量:200ppb~10,000ppb、及び/又は
γ-ウンデカノラクトンの含有量:200ppb~10,000ppb
本発明の一態様の液体調味料の非限定的な別の具体的態様として、例えば、一般式(I)で示されるγ-ラクトン類の含有量(ただし、γ-ラクトン類の含有量の総量は100ppb~60,000ppbである)が以下のとおりである液体調味料が挙げられる:
γ-ヘプタラクトンの含有量:100ppb~10,000ppb
γ-オクタラクトンの含有量:100ppb~10,000ppb
γ-ノナラクトンの含有量:100ppb~25,000ppb
γ-デカノラクトンの含有量:250ppb~10,000ppb、及び/又は
γ-ウンデカノラクトンの含有量:250ppb~10,000ppb
本発明の一態様の液体調味料は、一般式(I)で示されるγ-ラクトン類又は該γ-ラクトン類含有物を醤油及び醤油用調味料に添加して製造することができる。例えば、市販の醤油と一般式(I)で示されるγ-ラクトン類とを混合することにより本発明の一態様の液体調味料を製造することができる。
また、本発明の一態様の液体調味料は、一般式(I)で示されるγ-ラクトン類の含有量が所定の量である液体調味料が得られる方法により製造してもよい。このような製造方法としては、後述するγ-ノナラクトンを含むγ-ノナラクトン含有醤油の製造方法などが挙げられる。
[γ-ノナラクトン含有醤油の製造方法]
本発明の別の側面によれば、γ-ノナラクトンを含む醤油である、γ-ノナラクトン含有醤油の製造方法が提供される。本発明の一態様の方法は、醤油麹を醤油乳酸菌による乳酸発酵に供して得られる醤油諸味を、固液分離処理に供して、醤油諸味液汁を得る工程と、醤油諸味液汁を、密閉系での醤油酵母による酵母発酵に供して、γ-ノナラクトン含有醤油を得る工程とを含む。
本発明の一態様の方法の概略として、通常の醤油の製造方法によって乳酸発酵を行った後に得られる醤油諸味を固液分離して醤油諸味液汁を得て、次いで該醤油諸味液汁を醤油酵母により所定の条件にて酵母発酵に供することを含む方法である。本発明の一態様の方法では、通常の醤油の製造方法と違って、乳酸発酵後の醤油諸味を連続的に酵母発酵に供するのではなく、酵母発酵に供する前に醤油諸味を不溶性固形部分(醤油諸味濃縮物)と液体部分(醤油諸味液汁)とに分けて、次いで醤油諸味液汁について所定の条件にて酵母発酵を実施する。したがって、該方法では、醤油諸味から醤油諸味液汁を得る工程と、酵母発酵を実施する工程とを含む。該方法は、前段として、醤油諸味を得る工程を含むことが好ましい。このようにして得られる液体調味料は、例えば、γ-ノナラクトンの含有量が100ppb~20,000ppbである醤油であり得る。
醤油諸味を得る工程は、通常知られているとおりの醤油の製造方法のうち醤油諸味を得るまでの工程であれば特に限定されない。なお、醤油は、本醸造方式の場合、加熱変性した大豆などのタンパク質原料及び加熱によりα化した小麦などのデンプン質原料の混合物に、麹菌を含む種麹を接種及び培養して製麹して醤油麹を得て、次いで得られた醤油麹を食塩水に仕込んで乳酸発酵及び熟成することにより醤油諸味を得て、次いで得られた醤油諸味を酵母発酵及び熟成することにより熟成諸味を得て、次いで得られた熟成諸味を圧搾処理やろ過処理に供することにより生醤油を得て、次いで得られた生醤油を火入れすることなどによって製造される。
醤油諸味を得る工程の一態様としては、例えば、蒸煮変性した大豆、炒熬割砕した麦などの混合物である醤油原料に種麹を接種し、10℃~40℃で、1日間~4日間程度で通風製麹して醤油麹を得て、次いで醤油麹を食塩濃度が15%(w/v)~35%(w/v)である食塩水に仕込み、さらに任意に醤油乳酸菌を加えたものを、10℃~40℃で適宜撹拌しながら10日間~200日間、好ましくは15日間~40日間、乳酸発酵及び熟成することにより醤油諸味を得る工程などが挙げられる。
醤油原料は特に限定されないが、例えば、丸大豆や脱脂加工大豆などの大豆、小麦、大麦、裸麦、はと麦などの麦、麦グルテン、米、トウモロコシなどが挙げられる。
種麹は、通常醤油の製造の際に利用される麹菌であれば特に限定されないが、例えば、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・ソーヤ(A.sojae)などのアスペルギルス属微生物などが挙げられる。醤油乳酸菌は、通常醤油の製造の際に利用される醤油乳酸菌であれば特に限定されないが、例えば、テトラジェノコッカス・ハロフィルス(Tetragenococcus halophilus)などの耐塩性乳酸菌などが挙げられる。
醤油諸味を得る工程において、醤油原料のうち、小麦や米等のデンプン質原料の量が少ないと、還元糖の含有量が少なくなり、酵母発酵を適切に実施し得る醤油諸味を得ることができない可能性がある。そこで、醤油原料のうち、小麦や米等のデンプン質原料の量は、還元糖の含有量が多い醤油諸味を得ることができる程度の量であることが好ましい。ただし、醤油諸味に還元糖成分、例えば、グルコース、フルクトース、マルトースなどを添加することにより還元糖の含有量が多い醤油諸味を得る場合は、この限りではない。
醤油諸味液汁を得る工程では、大豆や小麦などの醤油原料由来の不溶性固形分を含む醤油諸味(乳酸発酵物)から不溶性固形分を除いて醤油諸味の液汁を得る。醤油諸味から不溶性固形分を除いて醤油諸味液汁を得る方法は特に限定されないが、例えば、通常知られている固液分離方法などが挙げられ、具体的には醤油の製造方法で通常使用される圧搾処理やろ過処理などが挙げられ、より具体的には珪藻土、ろ布などのろ材を用いたろ過処理、ろ過処理をプレス機を用いて行う圧搾ろ過処理、UF膜やMF膜などの各種透過膜を用いた膜ろ過処理などが挙げられる。固液分離方法は、これらの1種の単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよいが、ろ材を用いたろ過処理及び透過膜を用いた膜ろ過処理の組み合わせであることが好ましい。
醤油諸味液汁に醤油乳酸菌が多く残っていると、後段の酵母発酵が適切に行われない可能性がある。そこで、醤油諸味液汁を得る際には、不溶性固形分とともに、醤油乳酸菌の大部分を除去できるような方法を採用することが好ましい。醤油諸味の液汁における乳酸菌の含有量は特に限定されないが、例えば、1.0×10個/ml以下であることが好ましく、1.0×10個/ml以下であることがより好ましく、1.0×10個/ml以下であることがさらに好ましい。
酵母発酵を実施する工程は、醤油諸味液汁について、通常知られているとおりの醤油を製造する際に使用する醤油酵母を用いて、醤油酵母の種類や菌数などに応じた条件によって酵母発酵を実施する。醤油酵母は、通常醤油の製造の際に用いられる酵母であれば特に限定されないが、例えば、ジゴサッカロミセス・ルキシー(Zygosaccharomyces rouxii)、ジゴサッカロミセス・バイリー(Z.bailli)、カンディダ・エトケルシー(Candida etchellsii)、カンディダ・ヴェルスティリス(C.versatilis)などの耐塩性酵母などが挙げられる。
通常の本醸造方式の醤油製造において、酵母発酵は開放系、すなわち、発酵用容器(瓶、樽、タンクなど)に蓋又は栓をすることなく、通気環境下で行われる。また、酵母発酵中は、二酸化炭素ガスが発生することにより、諸味や諸味中の発酵液が流動し、撹拌状態になる。したがって、通常の醤油製造における酵母発酵は、開放系かつ自然撹拌条件下で行われる。
本発明者らは、上記のように醤油諸味液汁を、通常の醤油製造で採用される条件、すなわち、開放系かつ自然撹拌条件下にて酵母発酵に供したところ、γ-ノナラクトンが生産される場合もあるが、生産されたとしても僅かな量であることを見出した。特に製造規模が大きくなると二酸化炭素ガスの発生による液対流が顕著になることから、γ-ノナラクトンの生産量が顕著に低下するという課題にも直面した。そこで、本発明者らは、γ-ノナラクトンが生産される条件について鋭意検討し、各工程を見直す中で、酵母発酵の種々の条件について試行錯誤したところ、驚くべきことに、密閉系により酵母発酵を実施することにより、γ-ノナラクトンを顕著に高めることができることを見出した。
なお、通常の本醸造方式による醤油製造では、酵母発酵後の酵母発酵物を圧搾処理に供して、固形分を除去する。この際、酵母発酵により生じたγ-ノナラクトンは固形分に吸着して、固形分とともに系外に除去される。その結果として、通常の本醸造方式による醤油製造で得られる醤油にはγ-ノナラクトンはほとんど含まれないようになる。
上記のような事情を鑑みて、液体調味料の製造方法では、醤油諸味液汁を、密閉系での醤油酵母による酵母発酵に供することが好ましい。酵母発酵での密閉系は、例えば、蓋及び栓をすること、通気弁を閉じてベンチレーションが起きないようにすることなどにより行えばよい。ただし、完全に密閉すると、発生した二酸化炭素ガスにより発酵用容器が破損するおそれがある。そこで、酵母発酵での密閉の程度は、発酵液中のγ-ノナラクトンの量が所定の量になる程度、好ましくは100ppb以上になる程度であればよい。
酵母発酵において、発酵液中の流動を抑えることにより、γ-ノナラクトンの生成量を高めることができる。そこで、酵母発酵は、密閉系に加えて、無撹拌条件下で実施することが好ましい。
γ-ノナラクトンの沸点は約243℃であることから、酵母発酵を開放系かつ撹拌条件下で実施したとしても、気中に揮散する可能性は低い。したがって、酵母発酵を密閉系又は密閉系かつ無撹拌条件下で実施することにより、γ-ノナラクトンの生産量が高まる理由は定かではない。その一方で、本発明者らは、発酵液の炭酸ガスボリュームとγ-ノナラクトンの生産量とが正の相関関係にあることを見出した。そこで、酵母発酵は、発酵液中の炭酸ガスボリューム(Gas Volume;GV)を指標とすることができ、例えば、発酵液の炭酸ガスボリュームが1GV以上である酵母発酵が好ましく、1GV~10GVである酵母発酵がより好ましい。
酵母発酵の期間は、発酵液中にγ-ノナラクトンが生成する期間、より好ましくはγ-ノナラクトンの含有量が所定の量になる期間、さらに好ましくはγ-ノナラクトンの含有量が100ppb以上の量になる期間であれば特に限定されないが、例えば、醤油酵母としてZygosaccharomyces rouxiiを用いる場合は、15℃~30℃で、10日間~100日間程度、好ましくは14日間~60日間程度、より好ましくは45日間程度である。さらに、酵母発酵の期間は、エタノールの生成量が最大になる期間であることが好ましい。
なお、酵母発酵を実施する工程は、例えば、酵母発酵に適しており、さらに酵母発酵後に直ちに発酵液を使用し得るような醤油瓶、ねじ口式のガラス瓶又は密栓が可能なコンテナ様のタンクに、醤油諸味液汁及び醤油酵母を入れて、室温で静置して密閉系で酵母発酵することなどにより簡便に実施できる。例えば、ねじ口式のガラス瓶としては、DWK Life Sciences Inc.製のDURAN(登録商標)ねじ口びんなどが使用できる。また、密栓が可能なコンテナ様のタンクとしては、株式会社日本物流機器製の1000L容円筒型コンテナなどが使用できる。
酵母発酵を実施する工程では、予め不溶性固形分が除かれた醤油諸味液汁を用いていることから、酵母発酵後に得られるものは固形分が少ない酵母発酵液であり、それ自体を液体調味料としてもよい。また、該酵母発酵液中にある酵母や残渣を除くなどの目的のために、該酵母発酵液について、圧搾、ろ過、火入れなどの通常の醤油の製造方法で用いられる酵母発酵の後段の処理などに供して得られる液体部分を液体調味料としてもよい。
本発明の一態様の方法によって得られる液体調味料におけるγ-ノナラクトンの含有量は、他のγ-ラクトン類又はγ-ラクトン類含有物を加えない場合は、100ppb以上であることが好ましく、100ppb~20,000ppbであることがより好ましく、100ppb~10,000ppbであることがさらに好ましい。
本発明の一態様の方法の具体的態様としては、以下の方法が挙げられるが、これに限定されない。
蒸煮した大豆と割砕した焙煎小麦とを混合した混合物に、アスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus sojae)の種麹を接種し、10℃~40℃で、1日間~4日間程度で通風製麹して醤油麹を得て、次いで醤油麹 100質量部を食塩濃度が15%(w/v)~35%(w/v)である食塩水 50質量部~200質量部に仕込み、さらに醤油乳酸菌(Tetragenococcus halophilus)を加えたものを、10℃~40℃で適宜撹拌しながら10日間~200日間、乳酸発酵及び熟成することにより醤油諸味を得る。
次いで、得られた醤油諸味を圧搾後、珪藻土によるろ過処理に供し、得られたろ液をUF膜による膜ろ過処理に供することにより、醤油諸味液汁を得る。
次いで、得られた醤油諸味液汁に耐塩性酵母(Zygosaccharomyces rouxii)を添加したものを酵母発酵に供する。酵母発酵は、発酵用容器に栓をして、通気手段を遮断して、発酵液の炭酸ガスボリュームが1GV~10GVになるようにして、15℃~30℃で、10日間~200日間程度にて実施する。
次いで、酵母発酵後の酵母発酵物を固液分離に供し、次いで火入れすることにより、液体調味料製品を得る。このようにして得られる液体調味料製品は、甘いフルーティーな香りが感じられるものであり、さらに醤油感及び濃厚さが感じられる、非常に優れた調味料である。
[本発明のその他の態様]
所定の含有量のγ-ラクトン類が醤油及び醤油様調味料に対してフルーティーな香りを付与することに着眼すれば、本発明の別の側面として、例えば、以下の態様が提供される:
醤油又は醤油様調味料に、含有量が100ppb~60,000ppbになるように上記一般式(I)で示されるγ-ラクトン類を添加することを含む、醤油又は醤油様調味料の香り改善方法;
醤油又は醤油様調味料に、含有量が100ppb~60,000ppbになるように上記一般式(I)で示されるγ-ラクトン類を添加することを含む、香りの改善された醤油又は醤油様調味料の製造方法;
上記一般式(I)で示されるγ-ラクトン類を有効成分として含み、かつ該γ-ラクトン類は醤油又は醤油様調味料に対して含有量が100ppb~60,000ppbになるように使用される、醤油又は醤油様調味料の香り改善用組成物;及び
上記一般式(I)で示されるγ-ラクトン類の含有量が100ppb~60,000ppbである醤油又は醤油様調味料と食材とを用いて調理することにより、香りが良好な食品を得る工程を含む、香りが良好な食品の製造方法。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の課題を解決し得る限り、本発明は種々の態様をとることができる。
[例1.外部添加したγ-ラクトン類の香り向上作用の評価(1):γ-ラクトン類の種類]
市販の生醤油(「しぼりたて生しょうゆ」;γ-ノナラクトン含有量 15.6ppb;キッコーマン社製)に、γ-バレロラクトン(C5)、γ-ヘキサラクトン(C6)、γ-ヘプタラクトン(C7)、γ-オクタラクトン(C8)、γ-ノナラクトン(C9)、γ-デカノラクトン(C10)、γ-ウンデカノラクトン(C11)及びγ-ドデカノラクトン(C12)から選ばれるγ-ラクトン類を、最終濃度がそれぞれ1,000ppbとなるように添加することにより、液体調味料1-1~1-8を調製した。
官能評価は、香りの識別能力を有するパネル6名により、常温とした液体調味液を匙にとり、喫食せずに鼻だけで感じる香りから、市販の生醤油(γ-ラクトン類を添加していないもの、以下同様)を指標として、以下の基準により、「甘いフルーティーな香りの好ましさ」について3段階で評価した。結果を表1に示す。
×:香りの変化がない、又は不快臭が付与されており香りが好ましくない
○:甘いフルーティーな軽い香りが付与されており、香りの好ましさが向上している
◎:甘いフルーティーな香りが付与されており、香りの好ましさが大きく向上している
Figure 2022149149000003
表1に示すとおり、γ-ラクトン類のうち、C7~C11のγ-ラクトン類を醤油に添加することにより、好ましいフルーティーな香りがする液体調味料が得られることがわかった。
[例2.外部添加したγ-ラクトン類の香り向上作用の評価(2):γ-ラクトン類の添加量]
2-1.下限の評価
市販の生醤油に、γ-ヘプタラクトン(C7)、γ-オクタラクトン(C8)、γ-ノナラクトン(C9)、γ-デカノラクトン(C10)及びγ-ウンデカノラクトン(C11)から選ばれるγ-ラクトン類を、最終濃度がそれぞれ10ppb、25ppb、50ppb、100ppb及び250ppbとなるように添加することにより、液体調味料2-1-1~2-1-22を調製した。
官能評価は、香りの識別能力を有するパネル6名により、常温とした液体調味液を匙にとり、喫食せずに鼻だけで感じる香りから、市販の生醤油を指標として、以下の基準により、甘いフルーティーな香りの有無を2段階で評価した。また、「○」と答えたパネルの割合(%)を算出した。結果を表2に示す。
×:香りの変化がない
○:甘いフルーティーな香りが付与されている
Figure 2022149149000004
表2に示すとおり、パネルの50%以上(6名中3名以上)が、γ-ラクトン類の添加濃度が50ppb以上である液体調味料について、甘いフルーティーな香りが付与されていると評価した。また、パネル全員が、C7~C9のγ-ラクトン類の添加濃度が100ppbである液体調味料及びC10~C11のγ-ラクトン類の添加濃度が250ppbである液体調味料について、甘いフルーティーな香りが付与されていると評価した。
2-2.上限の評価
市販の生醤油に、γ-ヘプタラクトン(C7)、γ-オクタラクトン(C8)、γ-ノナラクトン(C9)、γ-デカノラクトン(C10)及びγ-ウンデカノラクトン(C11)から選ばれるγ-ラクトン類を、最終濃度がそれぞれ10,000ppb、25,000ppb、50,000ppb及び100,000ppbとなるように添加することにより、液体調味料2-2-1~2-2-20を調製した。
また、官能評価の指標用調味料として、γ-ヘプタラクトン(C7)、γ-オクタラクトン(C8)、γ-ノナラクトン(C9)、γ-デカノラクトン(C10)及びγ-ウンデカノラクトン(C11)から選ばれるγ-ラクトン類を、最終濃度がそれぞれ1ppm(=1,000ppb)となるように添加することにより、液体調味料2-2-21~2-2-25を調製した。
官能評価は、香りの識別能力を有するパネル6名により、常温とした液体調味液を匙にとり、喫食せずに鼻だけで感じる香りから、「フルーティーな香りの好ましさ」について、市販の生醤油を3点とし、添加したγ-ラクトン類が同一である指標用調味料(液体調味料2-2-21~2-2-25)を5点として、以下の基準にて5段階で評価し、その平均値及び標準誤差を算出した。
1点:不快臭が付与されており、香りが非常に好ましくない
2点:不快臭が僅かに付与されており、香りが好ましくない
3点:市販の生醤油と同程度の香りであり、香りの変化がない
4点:フルーティーな軽い香りが付与されており、香りの好ましさが向上している
5点:1,000ppbのγ-ラクトン類を含有する液体調味料(液体調味料2-2-21~2-2-25)と同程度にフルーティーな香りが付与されており、香りの好ましさが大きく向上している
液体調味料2-2-1~2-2-20の官能評価結果を表3に示す。なお、表3中の「**」は市販の生醤油と比較して1%、「*」は市販の生醤油と比較して5%の危険率で有意差があり、かつ、平均点が市販の生醤油より高いことを示す。また、表3中の「++」は市販の生醤油と比較して1%、「+」は無添加品と比較して5%の危険率で有意差があり、かつ、平均点が無添加品より低いことを示す。
Figure 2022149149000005
表3に示すとおり、C7~C8のγ-ラクトン類の添加濃度が25,000ppbである液体調味料、C9のγ-ラクトン類の濃度が50,000ppbである液体調味料及びC10~C11のγ-ラクトン類の添加濃度が10,000ppbである液体調味料について、統計的に有意に好ましいフルーティーな香りがする液体調味料であることがわかった。
また、C7のγ-ラクトン類の添加濃度が25,000ppbであり、C8のγ-ラクトン類の添加濃度が25,000ppbであり、C9のγ-ラクトン類の濃度が50,000ppbであり、C10のγ-ラクトン類の添加濃度が10,000ppbであり、かつ、C10のγ-ラクトン類の添加濃度が10,000ppbである液体調味料2-2-26は、不快臭などがせずに、好ましいフルーティーな香りがする液体調味料であった。
[例3.γ-ラクトン類を含有する液体発酵調味料の製造方法及びその香り向上作用の評価]
γ-ノナラクトンの測定方法
液体調味料中のγ-ノナラクトン及び内部標準物質として用いた2-オクタノンの含有量は、下記の酢酸エチルを用いた抽出処理に供して得た抽出液について、GC-MSにより測定した。
<酢酸エチルを用いた抽出処理>
食塩 2.0g及び2-オクタノン溶液(20ppm) 100μLを添加した試験液体発酵調味料 5.0gに対し、酢酸エチル1.0mLを添加し、5分間激しく撹拌した後、有機溶媒層を抽出した。この操作を3回繰り返し、得られた有機溶媒層を無水硫酸ナトリウムで脱水後、500μLまで濃縮し、測定サンプルを得た。得られた測定サンプルは下記の条件でGC-MSにて分析を行った。
<GC-MS条件>
測定装置:7890B-5977 MSD(AgilentTechnologies社製)
測定モード:SCAN
カラム:DB-WAX(長さ60m、口径0.25mm、膜厚0.25μm)(AgilentTechnologies社製)
注入口温度:250℃
温度条件:40℃(3min)保持 → 250℃まで6℃/min昇温 → 15min保持
キャリア:高純度ヘリウム、圧力一定モード229kPa
スキャン質量範囲:m/z 30.0~250.0
イオン化方式:EI
上記のとおりにGC-MSにて、液体発酵調味料中のγ-ノナラクトンのピーク面積及び内部標準物質のピーク面積を測定した。ピーク面積は、γ-ノナラクトン及び内部標準物質である2-オクタノンについて、以下のm/zを用いて求めた。
γ-ノナラクトン:m/z 85
2-オクタノン:m/z 58
3-1.液体発酵調味料の調製(開放・撹拌系;n=2)
蒸煮した大豆と割砕した焙煎小麦とを6:4の割合で混合した混合物に、アスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus sojae)の種麹を接種し、常法により43時間製麹して醤油麹を得た。
得られた醤油麹100質量部を、94質量部の食塩水(食塩濃度24%(w/v))に仕込み、さらに醤油乳酸菌(Tetragenococcus halophilus)を加えたものを、15℃~25℃で、適宜撹拌しながら20日間常法に従って乳酸発酵を行った。乳酸発酵終了後の醤油諸味を圧搾し、珪藻土ろ過機を用いたろ過処理に供し、ろ液をUF膜で処理して、透過液(乳酸発酵液汁)を得た。
1L容のDURANねじ口瓶において、得られた乳酸発酵液汁 1,000 mLに耐塩性酵母(Zygosaccharomyces rouxii) 10CFU/mLを添加し、栓をせずに、撹拌して(100rpm)、25℃で28日間、酵母発酵を行った。酵母発酵後に得られた酵母発酵物における炭酸ガスボリュームは0.88GVであった。なお、炭酸ガスボリュームは以下のとおりに測定した。
酵母発酵物を発酵容器中で4℃以下まで冷却し、穿孔圧力計が使用できる容器へ静かに移した。冷却した状態のまま容器を密栓し、株式会社ルーツ機械研究所製の穿孔圧力計「温度計つきピアーシングデバイス 6001」に取り付け、針を突き刺し、よく振とうして容器内圧力及び温度を測定した。炭酸ガス吸収係数表(国税庁、別冊「国税庁所定分析法」、項目「8 ビール」、第3表)を用いて、得られた容器内圧力及び温度から炭酸ガスボリューム(Gas Volume;GV)を算出した。
得られた酵母発酵物を、3,000rpmで15分間遠心分離し、上清として液体発酵調味料3-1を回収した。
3-2.液体発酵調味料の調製(開放・無撹拌系;n=2)
酵母発酵において、撹拌をしなかったこと以外は上記3-1と同様にして、液体発酵調味料3-2を得た。なお、酵母発酵後に得られた酵母発酵物における炭酸ガスボリュームは3.54GVであった。
3-3.液体発酵調味料の調製(密閉・撹拌系;n=1)
酵母発酵において、栓をしたこと以外は上記3-1と同様にして、液体発酵調味料3-3を得た。なお、酵母発酵後に得られた酵母発酵物における炭酸ガスボリュームは3.0GVであった。
3-4.液体発酵調味料の調製(密閉・無撹拌系;n=2)
酵母発酵において、栓をしたこと及び撹拌をしなかったこと以外は上記3-1と同様にして、液体発酵調味料3-4を得た。なお、酵母発酵後に得られた酵母発酵物における炭酸ガスボリュームは4.73GVであった。
3-5.γ-ノナラクトンの評価結果
液体調味料3-1~3-4、市販の生醤油である「しぼりたて生しょうゆ」及び市販の濃口醤油である「キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ」(いずれもキッコーマン食品社製)について、γ-ノナラクトンの含有量を測定した。測定結果を表4に示す。
Figure 2022149149000006
通常、本醸造方式による醤油製造においては、製麹から乳酸発酵及び酵母発酵までを連続して実施する。また、酵母発酵においては、開放系で実施され、さらに発酵中のガスの発生により対流が生じ、結果として発酵液が撹拌される。また、通常の醤油の製造では、酵母発酵後に圧搾して得た圧搾液を生醤油とし、酵母発酵後に圧搾して得た圧搾液を火入れしたものを濃口醤油とする。
表4が示すとおり、通常の本醸造方式による醤油製造においては、火入れの有無によって多少の増減があったものの、いずれもしょうゆにおけるγ-ノナラクトンの含有量は約15ppb以下であった。
一方、酸発酵終了後に醤油諸味を除いて得られた乳酸発酵液汁を酵母発酵に供することにより、γ-ノナラクトンを多量に含有する醤油を得ることができた。また、液体発酵調味料3-1と液体発酵調味料3-2又は3-3との比較より、撹拌の有無よりも、開放環境下にあるか、又は密閉環境下にあるかで、γ-ノナラクトンの量が大きく変動することがわかった。さらに、液体発酵調味料3-4の結果から、密閉かつ無撹拌の系において、γ-ノナラクトンの含有量が著量になることがわかった。
液体調味料3-1~3-4について、香りの識別能力を有するパネル6名により、常温とした液体調味液を匙にとり、喫食せずに鼻だけで感じる香りから、フルーティーな香りの好ましさについて、液体調味料間で4段階の順位付けをした。また、同様に、常温とした液体調味料を匙にとって喫食させて、喫食時に口腔内から鼻へぬける醤油感(醤油本来の風味)及び濃厚さ(コク、味の厚み)について、液体調味料間で4段階の順位付けをした。結果を表5A~5Cに示す。
Figure 2022149149000007
Figure 2022149149000008
Figure 2022149149000009
表5Aが示すとおり、液体発酵調味料3-2~3-4は、γ-ノナラクトンの含有量が52.1ppbよりも多いことにより、フルーティーな香りが感じられるものであった。また、表5B及び表5Cが示すとおり、液体発酵調味料の醤油感及び濃厚さは、γ-ノナラクトンの含有量に加えて、酵母発酵を密閉系で実施した場合に好ましいものとなることがわかった。
液体発酵調味料3-2~3-4は、市販の生醤油及び濃口醤油では感じることができなかった、甘いフルーティーな香りが感じられた。また、この甘いフルーティーな香りは、液体発酵調味料3-2~3-4を50℃、72時間の条件の火入れに供した後でも感じることができた。
以上のとおり、醤油諸味から固形分を除いて得られた乳酸発酵液汁を、密閉系又は密閉かつ無撹拌系の酵母発酵に供することにより、含有するγ-ノナラクトンにより、甘いフルーティーな香りが感じられる醤油を得ることができた。
本発明の一態様の醤油及び醤油様調味料は、種々の飲食品や調味料に供することにより、醤油本来の風味に加えて、南国フルーツ様の甘いフルーティーな香りを付与するために利用することが期待される。

Claims (5)

  1. 下記一般式(I)
    Figure 2022149149000010
    (I)
    (式中、nは2~6の整数を表わす。)
    で示されるγ-ラクトン類からなる群から選ばれる少なくとも1種のγ-ラクトン類の含有量が100ppb~60,000ppbである、醤油又は醤油様調味料。
  2. 醤油麹を醤油乳酸菌による乳酸発酵に供して得られる醤油諸味を、固液分離処理に供して、醤油諸味液汁を得る工程と、
    醤油諸味液汁を、密閉系での醤油酵母による酵母発酵に供して、γ-ノナラクトン含有醤油を得る工程と
    を含む、γ-ノナラクトン含有醤油の製造方法。
  3. 前記酵母発酵は、密閉系かつ無撹拌条件での醤油酵母による酵母発酵である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記酵母発酵は、発酵液の炭酸ガスボリュームが1GV~10GVであるように実施される酵母発酵である、請求項2~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記γ-ノナラクトン含有醤油は、γ-ノナラクトンの含有量が100ppb~20,000ppbであるγ-ノナラクトン含有醤油である、請求項2~4のいずれか1項に記載の方法。
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