JP2022148235A - 燃料電池セパレータ及び燃料電池セパレータのシール構造 - Google Patents

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JP2022148235A JP2021049838A JP2021049838A JP2022148235A JP 2022148235 A JP2022148235 A JP 2022148235A JP 2021049838 A JP2021049838 A JP 2021049838A JP 2021049838 A JP2021049838 A JP 2021049838A JP 2022148235 A JP2022148235 A JP 2022148235A
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Abstract

【課題】ビード部が座屈した際にもその反力の低下が抑制される燃料電池セパレータを提供する。【解決手段】積層された複数の単位セルを備える燃料電池スタックにおける単位セルを構成する金属製の燃料電池セパレータ100であって、隣り合う単位セルと接する凸状のビード部20と、このビード部20の頂点部分に、隣り合う単位セルと接するように配置された複数層のシール材30と、を有し、このシール材30は、最表面に配置された軟質シール層31と、当該軟質シール層31よりも下層に位置して軟質シール層31よりも硬いシール部を有する硬質シール層33と、を有する、燃料電池セパレータ100。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池セパレータ及び燃料電池セパレータのシール構造に関する。更に詳しくは、燃料電池を構成する燃料電池セパレータ及び燃料電池セパレータのシール構造に関する。
近年、燃料電池自動車など向けに燃料電池(即ち、燃料電池スタック)が開発されている。この燃料電池スタックは、単位セルが複数積層されてなる積層構造体と、この積層構造体を収納する収納体と、を備えている。そして、単位セルは、主な構成部品として、電解質膜、電極、ガス流路、及び燃料電池セパレータなどを有し、アノード側より水素などの燃料ガスを、カソード側より空気などの酸化ガスを供給して発電する仕組みとなっている。
また、隣り合う単位セルの間は、それぞれの燃料電池セパレータによってシールされている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、燃料電池セパレータのシール技術の手法の一つとしてメタルビードを用いる方法がある。この方法では、メタルビード上に、シール材を塗布することで面粗さへの追従性を向上させ、燃料電池セパレータ間をシールすることなどが行われている。
なお、シール材としては、例えば、シリコーンゴム(VMQ)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、フッ素ゴム(FKM)などの材料を用いることが一般的である。そして、燃料電池セパレータとしては、例えば、金属製のガスケット(メタルガスケット)が使用されている(例えば、特許文献2,3参照)。このメタルガスケットにメタルビードが形成されている。
特開2015-191802号公報 特開2003-262273号公報 特開2000-199565号公報
例えば特許文献1に記載の燃料電池スタックは、シール性の低下を防止するものであるが、この燃料電池スタックは、未だ改良の余地があった。
また、従来の燃料電池スタックには、特許文献1に記載の燃料電池スタックのように凹形状の空隙部を有していないものもある。このような燃料電池スタックの場合、メタルビードは、圧縮によりその頂点部分が座屈してしまう傾向がある。そして、メタルビードの頂点部分が座屈してしまうと、このメタルビードによって生じている反力が低下し、つまりメタルビードからの面圧が低下し、燃料電池セパレータ間のシール性が低下する傾向がある。また、メタルビードに座屈が発生した状態で、いわゆる積層ずれ(隣り合う単位セルが互いにずれた状態)が発生すると、更に上記面圧が低下し、シール性が十分に得られなくなる傾向もある。
本発明は、このような従来技術に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、金属製のガスケットからなる燃料電池セパレータに形成されたビード(メタルビード)が座屈した際にもその反力の低下が抑制される燃料電池セパレータ及び燃料電池セパレータのシール構造の開発を行うことにある。
本発明によれば、以下に示す、燃料電池セパレータ及び燃料電池セパレータのシール構造が提供される。
[1] 積層された複数の単位セルを備える燃料電池スタックにおける前記単位セルを構成する金属製の燃料電池セパレータであって、
隣り合う前記単位セルと接する凸状のビード部と、
前記ビード部の頂点部分に、前記隣り合う前記単位セルと接するように配置された複数層のシール材と、を有し、
前記シール材は、最表面に配置された軟質シール層と、当該軟質シール層よりも下層に位置して前記軟質シール層よりも硬いシール部を有する硬質シール層と、を有する、燃料電池セパレータ。
[2] 前記ビード部は、その前記頂点部分である天面部と当該天面部に連なる一対の側面部とを有しており、
前記天面部が、平面または外側に突出して湾曲する湾曲面であって、前記一対の側面部が、前記天面部に向かうに従って互いの間隔が狭くなるように傾斜しているか、
或いは、前記天面部が、外側に突出して湾曲する湾曲面であって、前記一対の側面部が高さ方向に平行である、前記[1]に記載の燃料電池セパレータ。
[3] 前記シール材の前記硬質シール層は、前記ビード部の幅方向の中央部が厚く、前記中央部以外の外側部が前記中央部よりも薄くなっている、前記[1]または[2]に記載の燃料電池セパレータ。
[4] 前記シール材の前記軟質シール層は、前記硬質シール層の表面全体を覆うように形成されている、前記[1]~[3]のいずれかに記載の燃料電池セパレータ。
[5] 前記シール材は、前記ビード部と接着されており、前記シール材における前記軟質シール層と前記硬質シール層とは接着されている、前記[1]~[4]のいずれかに記載の燃料電池セパレータ。
[6] 前記軟質シール層の硬度が、A30~A70であり、前記硬質シール層における前記軟質シール層よりも硬いシール部の硬度が、D30以上の硬度である、前記[1]~[5]のいずれかに記載の燃料電池セパレータ。
[7] 前記[1]~[6]のいずれかに記載の燃料電池セパレータを備える単位セルが複数積層された積層構造体を有し、
前記積層構造体における隣り合う前記単位セル同士は、前記燃料電池セパレータの前記ビード部上に形成された前記シール材が互いに向かい合って接した状態で配置され、
前記積層構造体における隣り合う前記単位セルの間のシール性が確保される、燃料電池セパレータのシール構造。
本発明の燃料電池セパレータは、そのビード部が座屈した際にもその反力の低下が抑制されるという効果を奏する。
本発明の燃料電池セパレータのシール構造は、燃料電池セパレータのビード部が座屈した際にもその反力の低下が抑制され、シール性が維持されるという効果を奏する。
本発明の燃料電池セパレータの一の実施形態を模式的に示す平面図である。 本発明の燃料電池セパレータの一の実施形態を有する単位セルを備えた燃料電池スタックについて、単位セルの積層方向に沿って切断した断面の一部を模式的に示す部分断面図である。 本発明の燃料電池セパレータの一の実施形態の厚さ方向の断面の一部を模式的に示す部分断面図である。 図2に示す燃料電池セパレータの使用状態における図3に対応する部分を模式的に示す説明図である。 図2に示す燃料電池セパレータの使用状態における図3に対応する部分を模式的に示す説明図である。 従来の燃料電池セパレータの厚さ方向の断面の一部を模式的に示す部分断面図である。 従来の燃料電池セパレータの使用状態における図3に対応する部分を模式的に示す説明図である。 従来の燃料電池セパレータの使用状態における図3に対応する部分を模式的に示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
(1)燃料電池セパレータ:
本発明の燃料電池セパレータの一の実施形態は、図1、図2に示す燃料電池セパレータ100である。この燃料電池セパレータ100は、積層された複数の単位セル10を備える燃料電池スタックにおける単位セル10を構成する金属製の板状のものである。この燃料電池セパレータ100は、隣り合う単位セル10と接する凸状のビード部20と、このビード部20の頂点部分21に、隣り合う単位セル10と接するように配置された複数層のシール材30と、を有している。そして、このシール材30は、図1に示すように、最表面に配置された軟質シール層31と、当該軟質シール層31よりも下層に位置して軟質シール層31よりも硬いシール部を有する硬質シール層33と、を有している。
このような燃料電池セパレータ100は、そのビード部20が座屈した際にもその反力の低下が抑制されるものである。
本明細書において「座屈」とは、ビード部20の頂点部分が陥没して、少なくともビード部20の頂点部分21に窪み(即ち、凹み)が形成されることを言い、ビード部20に座屈が生じるとは、ビード部20の頂点部分21に窪みが生じていることを言う。
燃料電池スタックは、複数の単位セル10を積層させた後、これらの単位セル10がずれないようにその積層方向に外力が加えられて締結した状態とされている。このように外力が加わると、隣り合う単位セル同士は互いに近接する。このとき、ビード部20には、その高さ方向に外力が加わるが、一方で反力を生じさせる。そして、この反力が高まることで、燃料電池セパレータ100間のシール性が良好に発揮されることになる。ここで、ビード部20に大きな外力をかけるほど、その外力に比例して大きな反力が生じ、より確かなシール性が得られるが、加えられる外力が大き過ぎると、ビード部20の頂点部分21が、ビード部20の全体に亘ってまたは一部において座屈してしまうことがある。このようにビード部20に座屈が生じると、その部分における面圧が低下し、シール性が低下する傾向がある。
特に、座屈が生じて面圧が低下すると、いわゆる積層ずれが生じ易く、面圧が更に低下する傾向にある。その結果、シール性が十分に確保できないという場合がある。
本発明では、硬質シール層33が、座屈により生じる窪みを埋めるように位置することになり、この硬質シール層33が、軟質シール層31の硬い足場となり、シール材30からの面圧の低下を抑制することができる。
次に、燃料電池セパレータ100は、その材質について、金属である限り特に制限はなく、従来公知の金属製のセパレータと同様の材質を採用することができる。燃料電池セパレータ100の材質としては、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板などを挙げることができる。
燃料電池セパレータ100は、燃料電池スタックにおける単位セル10を構成する一部材である。具体的には、この燃料電池セパレータ100は、1つの単位セル10の一方の表面側及び他方の表面側にそれぞれ設けられるものである。
なお、単位セル10は、例えば、固体高分子形燃料電池などを構成する金属製のものである。単位セル10は、一対の燃料電池セパレータ100以外に、一対の燃料電池セパレータ100に挟持される膜電極接合体11、この膜電極接合体11と各燃料電池セパレータ100との間に設けられたガス流路13などを有している。膜電極接合体11は、固体高分子膜等からなる電解質膜15と、この電解質膜15を挟持する一対の電極触媒層17と、を有している。
(1-1)ビード部:
ビード部20は、図2に示すように、隣り合う単位セル10と接する凸状の部分であり、燃料電池セパレータ100平面上における形状は特に制限はない。例えば燃料電池セパレータ100平面上において環状をなしているもの(図1参照)が挙げられるが、環状でなくてもよい。そして、このビード部20の、燃料電池セパレータ100平面上における形状は、隣り合う単位セル10で鏡像的な形状をなしていることがよく、ビード部20同士(シール材30同士)で接触することがよいが、所望の反力が生じる限りビード部20(即ち、シール材30)が隣り合う単位セル10の燃料電池セパレータ100と接触する部分に制限はない。なお、図2は、本発明の燃料電池セパレータの一の実施形態を有する単位セルを備えた燃料電池スタックについて、単位セルの積層方向に沿って切断した断面の一部を模式的に示す部分断面図である。この図2は、図1のA-A断面を示している。
ビード部20は、図3に示すように、板状の燃料電池セパレータ100の厚さ方向の断面(即ち、ビード部20の高さ方向に平行な断面)において、頂点部分21を有する凸状をなす部分である。そして、ビード部20の高さ方向に平行な断面における形状は、特に制限はなく、ビード部20がその高さ方向に外力が加えられたときに、頂点部分21が座屈する形状(即ち、頂点部分21に窪みが生じる形状)とすることができる。
高さ方向に外力が加えられたときに、頂点部分21が座屈する形状としては、例えば、以下の形状を挙げることができる。即ち、ビード部20が、その頂点部分21である天面部23と当該天面部23に連なる一対の側面部25とを有しており、天面部23が、平面または外側に突出して湾曲する湾曲面であって、一対の側面部25が、天面部23に向かうに従って互いの間隔が狭くなるように傾斜しているものである。また、ビード部20が、その頂点部分21である天面部23と当該天面部23に連なる一対の側面部25とを有しており、天面部23が、外側に突出して湾曲する湾曲面であって、一対の側面部25がビード部20の高さ方向に平行であるものである。
このような形状としては、具体的には、U字状、V字状、頂点部分が曲面状に面取りされたV字状(即ち、天面部23が、外側に突出して湾曲する湾曲面であるV字状)、頂点部分21が平面状であるV字状などとすることができる。これらの中でも、頂点部分21が湾曲面であるものが好ましく、より具体的には、頂点部分21が曲面状に面取りされたV字状とすることができる。このような形状であると、外力によってビード部20が変形して頂点部分21に窪みが形成され、この窪みを、予め形成しておいたシール材30の硬質シール層33が良好に埋めた状態となる。その結果、面圧の低下をより良好に抑制することができる。
ビード部20は、その延びる方向の全体に座屈が生じることもあるが、一部に座屈が生じることもある。このように、ビード部20に生じる座屈は、ビード部20の一部に形成されてもよいし、ビード部20の延びる方向の全体に形成されてもよく、いずれの場合にも面圧の低下が抑制される。
(1-2)シール材:
シール材30は、ビード部20の頂点部分21に、隣り合う単位セル10と接するように配置されたものであり、図3に示すように、複数層からなるものである。そして、このシール材30は、最表面に配置された軟質シール層31と、当該軟質シール層31よりも下層に位置して軟質シール層31よりも硬いシール部を有する硬質シール層33と、を有している。
従来の燃料電池セパレータ101におけるビード部20上のシール材130は、図6に示すように、単層のものである。このような単層のシール材130は、ビード部20に座屈が生じて反力が低下した際に、当該反力の低下を抑制するような作用効果は発揮されないものであった。
具体的には、図7に示すように、ビード部20に座屈が生じると、ビード部20の頂点部分21と、隣り合う単位セル10との間の距離が広くなり、ビード部20からの面圧が低下する。ここで、図7では、破線Lの上方に、ビード部20から生じる面圧の大きさを視覚的に示している。即ち、破線Lからの高さが高いほど、大きな面圧が生じていることを示す。ビード部20の頂点部分21が座屈したことにより、この部分における面圧が大きく低下する。特に、図8に示すように、隣り合う単位セル10がその積層方向にずれてしまった場合(いわゆる積層ずれが発生した場合)、ビード部20から生じる面圧は大きく低下し、その幅も狭くなる。そのため、シール性が十分に得られない傾向がある。
一方、本発明のようにシール材30を所定の構成とすることによって、ビード部20に座屈が生じて反力が低下した際にも、当該反力の低下を抑制するような作用効果が発揮されることになる。
具体的には、図4に示すように、ビード部20に座屈が生じると、ビード部20の頂点部分21に生じた窪みにシール材30の硬質シール層33が位置することになる。そして、この硬質シール層33が位置することで、座屈による面圧の低下を防止することができる。ここで、図4では、破線Lの上方に、ビード部20から生じる面圧の大きさを視覚的に示している。特に、図5に示すように、隣り合う単位セル10がその積層方向にずれてしまった場合(いわゆる積層ずれが発生した場合)、面圧が生じている部分の幅は狭くなるものの、面圧の低下が抑制され、大きな面圧が維持される。そのため、十分なシール性が維持される。
なお、シール材30は、接着剤などによってビード部20と接着されていることがよい。ビード部20に座屈が生じて変形した際にシール材30がビード部20から剥がれたりしてしまうことを防止するためである。
(1-2a)軟質シール層:
軟質シール層31は、最表面に配置されたシール層である。この軟質シール層31が、隣り合う単位セル10における燃料電池セパレータ100に形成されたシール材30の軟質シール層31と接することで、隣り合う単位セル10間におけるシール性が確保されることになる。
軟質シール層31は、その材料について特に制限はなく、従来公知の燃料電池セパレータに形成されるシール材の材料を適宜選択して採用することができる。
軟質シール層31の材料としては、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などを挙げることができる。
軟質シール層31の厚さは、特に制限はなく、シール材30全体の厚さ等を考慮して適宜設定することができる。
軟質シール層31は、硬質シール層33の表面全体を覆うように形成されることができる。このようにすると、ビード部20が座屈により変形したとしても、隣り合う単位セル10間におけるシール性が確保され易くなる。
軟質シール層31の硬度は、A30~A70程度とすることができる。この硬度は、デュロメータAにより測定される値である。より具体的には、軟質シール層31と同じ材料からなる試験シールを作製し、その試験シールにおける上記硬度をデュロメータAで測定した値である。
なお、軟質シール層31は、接着剤などによって硬質シール層33と接着されていることがよい。ビード部20に座屈が生じて変形した際に軟質シール層31が硬質シール層33から剥がれたりしてしまうことを防止するためである。
(1-2b)硬質シール層:
硬質シール層33は、軟質シール層31よりも下層に位置して軟質シール層31よりも硬いシール部を有するものである。即ち、硬質シール層33は、軟質シール層31よりも下層に位置する層であり、単層であってもよいし、複数層であってもよいが、単層であることがよい。但し、硬質シール層33は、軟質シール層31よりも硬いシール部を有していることが必要である。つまり、硬質シール層33が単層である場合、シール材30は、硬質シール層33と、この硬質シール層33上に形成された軟質シール層31と、からなる。
この硬質シール層33を備えることにより、ビード部20が座屈により変形したとしても、座屈により生じたビード部20の窪みを埋めように位置することになる。その結果、座屈が生じてもビード部20からの面圧の低下が抑制され、シール性が確保され易くなる。
硬質シール層33における軟質シール層31よりも硬いシール部は、軟質シール層31よりも硬い材料である限りその材料について特に制限はないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)などの樹脂を挙げることができる。
硬質シール層33は、耐酸性を有するものとすることがよい。
なお、硬質シール層33において軟質シール層31よりも硬いシール部以外の層の材料は、特に制限はなく従来公知の樹脂やゴムなどを適宜選択して採用することができる。ゴムとしては、例えば、A10以上のゴムとすることができる。
硬質シール層33において軟質シール層31よりも硬いシール部の硬度は、D30以上の硬度とすることができる。即ち、デュロメータDで測定した値が30以上の硬度とすることができる。より具体的には、上記硬いシール部と同じ材料からなる試験シールを作製し、その試験シールにおける上記硬度をデュロメータDで測定した値である。なお、軟質シール層31よりも硬いシール部の硬度の上限値は、D90程度とすることができる。
硬質シール層33の形成位置は、ビード部20の頂点部分(例えば、天面部)である限り特に制限はないが、この頂点部分の全面を覆うように配置されることがよい。このようにすると、ビード部20に座屈が生じた際にもより良好に面圧の低下が抑制される。
硬質シール層33は、ビード部20の頂点部分の全面を覆うように配置されている場合、ビード部20の幅方向の中央部が厚く、中央部以外の外側部が中央部よりも薄くなっていることがよい。このようにすると、ビード部20に座屈が生じてもこのビード部20からの面圧の低下が抑制される。具体的には、ビード部20の座屈によって生じる窪みは、ビード部20の幅方向の中央部が深く、この中央部に比べて外側部の方が浅くなる傾向がある。そこで、窪みの深さに合わせて、上記のように硬質シール層33の厚さを設定することで、より良好に面圧の低下が抑制されることになる。
硬質シール層33の厚さは、特に制限はなく、シール材30全体の厚さ等を考慮して、中央部や外側部の厚さを適宜設定することができる。
(2)燃料電池セパレータの製造方法:
本発明の燃料電池セパレータの製造方法は、特に制限はないが、例えば、金属製の平板をプレス加工してビード部20を形成し、その後、このビード部20の頂点部分(例えば、天面部23)の表面に、シール材30を形成する方法を採用することができる。このとき、シール材30は、所定の樹脂等を、ディスペンサ等を用いて層状に塗布することで形成することができ、ビード部20とシール材30の間、シール材30を構成する各シール層の間は、接着剤等で互いに接着させることができる。
(3)燃料電池セパレータのシール構造:
本発明の燃料電池セパレータのシール構造の一の実施形態は、図1、図2に示す燃料電池セパレータによるシール構造300である。この燃料電池セパレータのシール構造300は、燃料電池セパレータ100を備える単位セル10が複数積層された積層構造体150を有し、この積層構造体150における隣り合う単位セル10同士は、燃料電池セパレータ100のビード部20上に形成されたシール材30が互いに向かい合って接した状態で配置される。本発明のシール構造では、このようにして積層構造体150において隣り合う単位セル10の間のシール性が確保される。
この燃料電池セパレータのシール構造300は、上述した本発明の燃料電池セパレータを採用することにより、燃料電池セパレータ100におけるビード部20が座屈した際にもその反力の低下が抑制され、シール性が維持されるというものである。
隣り合う単位セル10の間のシール性は、隣り合う単位セル10におけるシール材30が密着して接することにより確保される。即ち、密着するシール材30に生じる反力が大きいほど、シール性は高まる傾向がある。一方で、大きな反力を得るために、シール材30を密着させ過ぎると、その力によってビード部20が破損、即ち、座屈してしまう傾向にある。そして、ビード部20が座屈すると、シール材30に生じる反力が低下し、シール性が十分に確保できない傾向にある。本発明においては、上述した本発明の燃料電池セパレータを用いることにより、このようなシール材30に生じる反力の低下を抑制し、シール性を維持、確保するものである。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(比較例1)
図6に示すような従来の燃料電池セパレータ(シール材が1層であるもの)を用いて、単位セルを複数作製した。作製した複数の単位セルを積層させて積層構造体を作製した。この積層構造体を筐体に収納して燃料電池スタックを作製した。そして、積層構造体を筐体に収納する前には、各単位セルがずれないように積層方向の外力を加えて締結した。
このようにして作製した燃料電池スタックについて、その単位セルの1つを引き抜く操作(即ち、いわゆる積層ずれを生じるような操作)を行った。
(比較例2)
ビード部上に、ビード部側から順に、軟質シール層、硬質シール層を配置した燃料電池セパレータ(シール材が2層構造をなし、これらの層の配置順が実施例1と異なるもの)を作製し、これを用いて、単位セルを複数作製した。作製した複数の単位セルを積層させて積層構造体を作製した。この積層構造体を筐体に収納して燃料電池スタックを作製した。そして、積層構造体を筐体に収納する前には、各単位セルがずれないように積層方向の外力を加えて締結した。
このようにして作製した燃料電池スタックについて、比較例1と同様にしてその単位セルの1つを引き抜く操作を行った。
(実施例1)
図1に示すような燃料電池セパレータを作製し(シール材が、硬質シール層と、この層の上に配置された軟質シール層と、を有する2層構造をなすもの)、これを用いて、単位セルを複数作製した。作製した複数の単位セルを積層させて積層構造体を作製した。この積層構造体を筐体に収納して燃料電池スタックを作製した。そして、積層構造体を筐体に収納する前には、各単位セルがずれないように積層方向の外力を加えて締結した。
このようにして作製した燃料電池スタックについて、比較例1と同様にしてその単位セルの1つを引き抜く操作を行った。
本実施例1では、各単位セルを締結した後にも、各単位セル間に生じている面圧の低下が抑制され、いわゆる積層ずれが生じ難いものであった。
具体的には、作製した燃料電池スタックから、単位セルの1つを引き抜く操作を行っても、比較例1(従来の燃料電池スタック)及び比較例2のものと比べて、積層ずれが生じ難いものであった。
実施例1、比較例1、2から分かるように、実施例1の燃料電池セパレータによれば、比較例1、2の燃料電池セパレータに比べて、積層ずれが生じ難く、締結等によってビード部が座屈した際にもその反力の低下が抑制されることが分かる。
本発明の燃料電池セパレータは、車両などに用いられる車載用燃料電池スタックに用いられる燃料電池セパレータとして利用することができる。
10:単位セル
11:膜電極接合体
13:ガス流路
15:電解質膜
17:電極触媒層
20:ビード部
21:頂点部分
23:天面部
25:側面部
30,130:シール材
31:軟質シール層
33:硬質シール層
100,101:燃料電池セパレータ
150:積層構造体
300:シール構造

Claims (7)

  1. 積層された複数の単位セルを備える燃料電池スタックにおける前記単位セルを構成する金属製の燃料電池セパレータであって、
    隣り合う前記単位セルと接する凸状のビード部と、
    前記ビード部の頂点部分に、前記隣り合う前記単位セルと接するように配置された複数層のシール材と、を有し、
    前記シール材は、最表面に配置された軟質シール層と、当該軟質シール層よりも下層に位置して前記軟質シール層よりも硬いシール部を有する硬質シール層と、を有する、燃料電池セパレータ。
  2. 前記ビード部は、その前記頂点部分である天面部と当該天面部に連なる一対の側面部とを有しており、
    前記天面部が、平面または外側に突出して湾曲する湾曲面であって、前記一対の側面部が、前記天面部に向かうに従って互いの間隔が狭くなるように傾斜しているか、
    或いは、前記天面部が、外側に突出して湾曲する湾曲面であって、前記一対の側面部が高さ方向に平行である、請求項1に記載の燃料電池セパレータ。
  3. 前記シール材の前記硬質シール層は、前記ビード部の幅方向の中央部が厚く、前記中央部以外の外側部が前記中央部よりも薄くなっている、請求項1または2に記載の燃料電池セパレータ。
  4. 前記シール材の前記軟質シール層は、前記硬質シール層の表面全体を覆うように形成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の燃料電池セパレータ。
  5. 前記シール材は、前記ビード部と接着されており、前記シール材における前記軟質シール層と前記硬質シール層とは接着されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の燃料電池セパレータ。
  6. 前記軟質シール層の硬度が、A30~A70であり、前記硬質シール層における前記軟質シール層よりも硬いシール部の硬度が、D30以上の硬度である、請求項1~5のいずれか一項に記載の燃料電池セパレータ。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の燃料電池セパレータを備える単位セルが複数積層された積層構造体を有し、
    前記積層構造体における隣り合う前記単位セル同士は、前記燃料電池セパレータの前記ビード部上に形成された前記シール材が互いに向かい合って接した状態で配置され、
    前記積層構造体における隣り合う前記単位セルの間のシール性が確保される、燃料電池セパレータのシール構造。
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