JP2022147873A - 横坑掘削工法と管敷設工法 - Google Patents
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Abstract
【課題】横坑掘削工法や管敷設工法などについて、これを安全・安定・迅速におこなうことのできる工法を提供する。【解決手段】掘削機61を介した地盤掘削により、発進立坑12と到達立坑13との間の地盤を地中横方向に掘削して発進立坑12側から到達立坑13側にわたる地中横方向の横坑14を貫通形成する。横坑14内に推進管21を押し込み介入し、この押し込み介入により推進管21を横坑14内の全長にわたって敷設する。横坑14内に敷設された推進管21を横坑14外に撤去する。【選択図】図1
Description
本発明の一つは、土木工事分野(農業用の土木分野工事も含む)をはじめとする各種の地盤工事分野で有効に活用することのできる横坑掘削工法に関する。
本発明の他の一つは、ドレイン管と保護管とによる複合管を横坑内に経済的かつ合理的に敷設することのできる管敷設工法に関する。
本発明のさらに他の一つは、ドレイン管を横坑内に安全・安定・迅速に敷設することのできる管敷設工法に関する。
周知のとおり、土木の技術分野に属する地下水位低下工法についてはつぎのようにいわれている。その一つは住宅地や道路部分の地下水位の高さを強制的に低下させて液状化による被害を軽減させるほか、地表面下の数メートルを非液状化層とすることで液状化の発生する可能性を軽減し液状化の被害を抑制するというものである。他の一つは道路・宅地の区別なく及ぶことから、公共施設と宅地との一体的な液状化対策の枠組みになじみやすいというものである。
地下水位低下工法のうちの排水管方式についていうと、この方式の場合、透水性を有するポーラスなドレイン管が工事対象地盤の地中所定区間に略水平状態や緩傾斜状態で埋設されるものである。このとき地中に埋設されるドレイン管(ドレーン管ともいう)は、地中の雨水や湧水を集水かつ排水して対象地盤の地下水位を所要レベルに低下させる。ゆえに、当該工法による工事後の地盤は液状化しがたいものになる。
上述のドレイン管やその敷設に関する技術文献としては、下記の特許文献1~8が知られている。これらのうちで特許文献1~6の文献技術には課題があり、それを解消したのが特許文献7の技術であるという。一方で、特許文献7の技術にも課題のあることが特許文献8で指摘され、それが特許文献8の技術によって解消できたという。よって、特許文献1~8に開示された各技術のうちでは、特許文献8に開示されているものがより先進的な技術といえる。
特許文献8に開示されたドレイン管敷設工法について、その文献内容を参照すると、工事の安全性・工事の正確性・施工の容易性・敷設工期の短縮・敷設労力の軽減・敷設工事費の削減・敷設工事費の削減と工期短縮・ドレイン管の確実な横坑内残置・横坑内への複合管敷設性の向上・敷設工事費の削減と工期短縮などの効果があるという趣旨の記載が認められる。
とはいえ特許文献8も、高精度の横坑を経済的かつ合理的に掘削形成するときに要求される技術的な課題についてこれに応えるような技術開示をしていない。もちろん、かかる工事の場合、掘削機を用いて単に横坑を掘削するだけでは、高精度で良好な横坑を作り上げることができない。それゆえ、このような課題を解決して所期の目的を達成することのできる横坑掘削技術が希求されている。
もっとも、横坑の高精度化のみに着眼するのであれば、先行の荒削り掘削・中間の中仕上げ掘削・後行の高精度掘削など、複数の掘削工程を組み合わせるのがよいかのごとくである。しかしながら、このように多くの工程を費やす掘削工法の場合、その工程数の増加にともなう工期の大幅遅延や工事費の巨額化を回避することができない。
本発明は上述の課題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、発進立坑と到達立坑との間にわたる横坑の掘削、横坑内への複合管敷設、横坑内へのドレイン管敷設などについて、所要の工事をより安全・正確・容易・高精度・経済的・合理的に実施したり、その工期をより短縮したりするなど、これらを満足させることのできる有用で有益な工法を提供しようとするものである。
本発明に係る横坑掘削工法は、所期の目的を達成するための課題解決手段として、下記の第1項~第9項に記載された技術内容を特徴とする。
<第1項>
掘削機を介した地盤掘削により、発進立坑と到達立坑との間の地盤を地中横方向に掘削して前記発進立坑側から前記到達立坑側にわたる地中横方向の横坑を貫通形成すること、および、
前記横坑内に推進管を押し込み介入し、この押し込み介入により前記推進管を前記横坑内の全長にわたって敷設すること、および、
前記横坑内に敷設された前記推進管を前記横坑外に撤去すること
を特徴とする横坑掘削工法。
<第2項>
前記横坑内の全長にわたって前記推進管を1回だけ敷設する前記第1項に記載された横坑掘削工法。
<第3項>
前記横坑内の全長にわたって前記推進管を複数回敷設する前記第1項に記載された横坑掘削工法。
<第4項>
前記横坑を掘削しているときに、前記横坑内に前記推進管を敷設する前記第1項~第3項のいずれかに記載された横坑掘削工法。
<第5項>
前記横坑内に敷設される前記推進管が管状の連結接続具を介して軸方向に連結接続されるものである前記第1項~第4項のいずれかに記載された横坑掘削工法。
<第6項>
前記連結接続具が前記推進管に対して脱着自在なものである前記第5項に記載された横坑掘削工法。
<第7項>
前記発進立坑と前記到達立坑との間の地盤を前記発進立坑側から前記到達立坑側に向けて地中横方向に掘削する前記第1項~第6項のいずれかに記載された横坑掘削工法。
<第8項>
前記推進管を前記横坑内に押し込み介入するときと前記推進管を前記横坑内から撤去するときのうちのいずれか一方または両方において、前記推進管の外周面と前記横坑の内周面との間に滑材を介在させる前記第1項~第7項のいずれかに記載された横坑掘削工法。<第9項>
前記横坑内に敷設された前記推進管を前記横坑の一端部から前記到達立坑側へ押し出しまたは引き抜くことにより当該推進管を前記横坑外に撤去する前記第1項~第8項のいずれかに記載された横坑掘削工法。
<第1項>
掘削機を介した地盤掘削により、発進立坑と到達立坑との間の地盤を地中横方向に掘削して前記発進立坑側から前記到達立坑側にわたる地中横方向の横坑を貫通形成すること、および、
前記横坑内に推進管を押し込み介入し、この押し込み介入により前記推進管を前記横坑内の全長にわたって敷設すること、および、
前記横坑内に敷設された前記推進管を前記横坑外に撤去すること
を特徴とする横坑掘削工法。
<第2項>
前記横坑内の全長にわたって前記推進管を1回だけ敷設する前記第1項に記載された横坑掘削工法。
<第3項>
前記横坑内の全長にわたって前記推進管を複数回敷設する前記第1項に記載された横坑掘削工法。
<第4項>
前記横坑を掘削しているときに、前記横坑内に前記推進管を敷設する前記第1項~第3項のいずれかに記載された横坑掘削工法。
<第5項>
前記横坑内に敷設される前記推進管が管状の連結接続具を介して軸方向に連結接続されるものである前記第1項~第4項のいずれかに記載された横坑掘削工法。
<第6項>
前記連結接続具が前記推進管に対して脱着自在なものである前記第5項に記載された横坑掘削工法。
<第7項>
前記発進立坑と前記到達立坑との間の地盤を前記発進立坑側から前記到達立坑側に向けて地中横方向に掘削する前記第1項~第6項のいずれかに記載された横坑掘削工法。
<第8項>
前記推進管を前記横坑内に押し込み介入するときと前記推進管を前記横坑内から撤去するときのうちのいずれか一方または両方において、前記推進管の外周面と前記横坑の内周面との間に滑材を介在させる前記第1項~第7項のいずれかに記載された横坑掘削工法。<第9項>
前記横坑内に敷設された前記推進管を前記横坑の一端部から前記到達立坑側へ押し出しまたは引き抜くことにより当該推進管を前記横坑外に撤去する前記第1項~第8項のいずれかに記載された横坑掘削工法。
本発明に係る管敷設工法は、所期の目的を達成するための課題解決手段として、下記の第10項~第17項に記載された技術内容を特徴とする。
<第10項>
掘削機を介した地盤掘削により、発進立坑と到達立坑との間の地盤を地中横方向に掘削して前記発進立坑側から前記到達立坑側にわたる地中横方向の横坑を貫通形成すること、および、
前記横坑内に推進管を押し込み介入し、この押し込み介入により前記推進管を前記横坑内の全長にわたって敷設すること、および、
前記横坑内に敷設された前記推進管を前記横坑外に撤去すること、および、
相対的に内側に位置するドレイン管と相対的に外側に位置する保護管とを備えた複合管を前記横坑内の全長にわたって敷設すること
を特徴とする管敷設工法。
<第11項>
掘削機を介した地盤掘削により、発進立坑と到達立坑との間の地盤を地中横方向に掘削して前記発進立坑側から前記到達立坑側にわたる地中横方向の横坑を貫通形成すること、および、
前記横坑を掘削しているときに前記横坑内に推進管を押し込み介入し、この押し込み介入により前記推進管を前記横坑内の全長にわたって敷設すること、および、
前記横坑内に敷設された前記推進管を前記横坑外に撤去すること、および、
相対的に内側に位置するドレイン管と相対的に外側に位置する保護管とを備えた複合管を前記横坑内の全長にわたって敷設すること、および、
前記横坑内に敷設された前記複合管のうちから前記保護管を前記横坑外に撤去することにより、前記ドレイン管を前記横坑内に残留させて当該ドレイン管を前記横坑内の全長にわたって敷設すること
を特徴とする管敷設工法。
<第12項>
前記横坑内の全長にわたって前記推進管を1回だけ敷設する前記第10項または第11項に記載された管敷設工法。
<第13項>
前記横坑内の全長にわたって前記推進管を複数回敷設する前記第10項または第11項に記載された管敷設工法。
<第14項>
前記横坑を掘削しているときにその横坑内に前記推進管を敷設する前記第8項ないし前記第11項のいずれかに記載された管敷設工法。
<第15項>
前記横坑内に敷設された前記推進管を前記横坑の一端部から前記到達立坑側へ押し出しまたは引き抜くことにより当該推進管を前記横坑外に撤去する前記第10項~第14項のいずれかに記載された管敷設工法。
<第16項>
前記推進管を前記横坑内に押し込み介入するときと前記推進管を前記横坑内から撤去するときのいずれか一方において、前記推進管の外周面と前記横坑の内周面との間に滑材を介在させる前記第10項~第15項のいずれかに記載された管敷設工法。
<第17項>
前記推進管を前記横坑内に押し込み介入するときと前記推進管を前記横坑内から撤去するときの両方において、前記推進管の外周面と前記横坑の内周面との間に滑材を介在させる前記第10項~第15項のいずれかに記載された管敷設工法。
<第10項>
掘削機を介した地盤掘削により、発進立坑と到達立坑との間の地盤を地中横方向に掘削して前記発進立坑側から前記到達立坑側にわたる地中横方向の横坑を貫通形成すること、および、
前記横坑内に推進管を押し込み介入し、この押し込み介入により前記推進管を前記横坑内の全長にわたって敷設すること、および、
前記横坑内に敷設された前記推進管を前記横坑外に撤去すること、および、
相対的に内側に位置するドレイン管と相対的に外側に位置する保護管とを備えた複合管を前記横坑内の全長にわたって敷設すること
を特徴とする管敷設工法。
<第11項>
掘削機を介した地盤掘削により、発進立坑と到達立坑との間の地盤を地中横方向に掘削して前記発進立坑側から前記到達立坑側にわたる地中横方向の横坑を貫通形成すること、および、
前記横坑を掘削しているときに前記横坑内に推進管を押し込み介入し、この押し込み介入により前記推進管を前記横坑内の全長にわたって敷設すること、および、
前記横坑内に敷設された前記推進管を前記横坑外に撤去すること、および、
相対的に内側に位置するドレイン管と相対的に外側に位置する保護管とを備えた複合管を前記横坑内の全長にわたって敷設すること、および、
前記横坑内に敷設された前記複合管のうちから前記保護管を前記横坑外に撤去することにより、前記ドレイン管を前記横坑内に残留させて当該ドレイン管を前記横坑内の全長にわたって敷設すること
を特徴とする管敷設工法。
<第12項>
前記横坑内の全長にわたって前記推進管を1回だけ敷設する前記第10項または第11項に記載された管敷設工法。
<第13項>
前記横坑内の全長にわたって前記推進管を複数回敷設する前記第10項または第11項に記載された管敷設工法。
<第14項>
前記横坑を掘削しているときにその横坑内に前記推進管を敷設する前記第8項ないし前記第11項のいずれかに記載された管敷設工法。
<第15項>
前記横坑内に敷設された前記推進管を前記横坑の一端部から前記到達立坑側へ押し出しまたは引き抜くことにより当該推進管を前記横坑外に撤去する前記第10項~第14項のいずれかに記載された管敷設工法。
<第16項>
前記推進管を前記横坑内に押し込み介入するときと前記推進管を前記横坑内から撤去するときのいずれか一方において、前記推進管の外周面と前記横坑の内周面との間に滑材を介在させる前記第10項~第15項のいずれかに記載された管敷設工法。
<第17項>
前記推進管を前記横坑内に押し込み介入するときと前記推進管を前記横坑内から撤去するときの両方において、前記推進管の外周面と前記横坑の内周面との間に滑材を介在させる前記第10項~第15項のいずれかに記載された管敷設工法。
[横坑掘削工法の効果]
本発明に係る横坑掘削工法は下記(01)~(09)のような効果を有する。
(01) 従来の横坑掘削工法は、掘削機で地層の所定部を削り取るだけのもである。このような従来工法では、横坑内周面(地肌面)の仕上がり状態がきわめて粗い(荒い)ものになる。それに対して、横坑を掘削しつつ推進管を横坑内に押し込んでいく本発明工法の場合、推進管が横坑作りの理想的な原型として機能するのであるから、横坑も推進管の外形に倣った理想形に仕上がる。とくに本発明工法の場合、単に地層の一部を削り取って横坑を形成するのみでなく、掘削と同期して横坑の内周面を推進管の外周面で摺擦するから、横坑の内周面はあたかも円滑な推進管の外周面で鏝仕上げしたかのように仕上がる。かかる仕上がり状態になる横坑は、その内径や内周面に好ましくない粗荒・凹凸・段差などのない高精度のものとなる。
(02) 一般に推進管については、これを横坑内の全長にわたりに押し込み介在させた後、横坑外へと押し出し撤去する。このように推進管を押す力で横坑外に撤去するとき、推進管には管軸方向の圧縮力が終始推進管に作用することになり、圧縮力を受け続ける。これが原因で推進管が壊れるようなことはないとしても、特定の荷重(圧縮荷重)を定常的に受け続ける推進管にはストレスの残留傾向が生じるので望ましくない。これに対し本発明に係る横坑掘削工法では、たとえば、推進管を横坑内の全長にわたりに押し込み介在させた後、推進管を横坑外に引き抜き撤去する。こうして取り扱われる推進管は、押し込みと引き抜きとで双方のストレスがキャンセルされるので、ストレスが推進管に残留蓄積するような不具合が起こりがたい。このように良好な取り扱いを受ける推進管であれば、反復使用にも十分耐えることとなり推進管の長期使用も実現する。
(03) 本発明に係る横坑掘削工法で、推進管を横坑内から引き抜き撤去する工法例のときは、押し出し撤去の際に用いられる中押装置のような中間(中継)装置が不要である。この中間装置の省略により、この横坑掘削工法を実施する上での手数や経費が大幅に削減できるようになる。
(04) 本発明に係る横坑掘削工法の場合、横坑の掘削作業と横坑内への推進管敷設作業とを同期させるというように、この両作業を時差なく一纏めにして工程遂行に要する時間を短縮するので、高効率かつ経済的で合理的な横坑作りが可能になる。
(05) 本発明に係る横坑掘削工法の場合、上述したとおり、横坑がその内周面も含めてきわめて高精度に形成される。この横坑形成後に行われる管敷設や管撤去などは、横坑内に単純に管を押し込むとか管を引き出すとかだけで過度の作業負荷がかからない。したがって敷設対象物の管は、精度の高い横坑に依拠してその横坑内に安全・安定・軽負荷で管敷設できるようになる。
(06) 本発明に係る横坑掘削工法の場合、横坑内から撤去された後の推進管は、前述でも明らかなように以降のリユース(再使用・再利用)に供することができる。このようなリユースが可能となるときは、横坑掘削のための用具類ないし道具類に要する経費が抑制され、ひいては、それが経済的で合理的な横坑づくりに貢献できることとなる。
(07) 本発明に係る横坑掘削工法において横坑内への管の押し入れ作業(推進作業)や横坑内からの管の引き出し作業(撤去作業)をたとえば発進立坑など一方の立坑内で行うときは、油圧ジャッキのような機械装置類(作業用設備)をこの双方の作業(管の押し入れと管の引き出し)に共用することができる。よって管の敷設や撤去に要する設備負担が軽減される。
(08) 本発明に係る横坑掘削工法において推進管相互を連結接続するときは、一列状をなす推進管の安定性がより高まり、連結接続状態にある推進管の押し出しや引き抜きがより確実に行える。
(09) 上述した推進管相互の連結(接続)作業について、管状の連結具(小型軽量物)を介して推進管相互を軸方向に接続するという間接接続の場合は、推進管相互の直接連結に比して負荷の少ない簡易な軽作業になる。それは推進管と比べて格段に小さい連結具を主体にして当該作業が行える一方、連結具よりも重量のある推進管を動かす作業が大幅に減少するからである。
本発明に係る横坑掘削工法は下記(01)~(09)のような効果を有する。
(01) 従来の横坑掘削工法は、掘削機で地層の所定部を削り取るだけのもである。このような従来工法では、横坑内周面(地肌面)の仕上がり状態がきわめて粗い(荒い)ものになる。それに対して、横坑を掘削しつつ推進管を横坑内に押し込んでいく本発明工法の場合、推進管が横坑作りの理想的な原型として機能するのであるから、横坑も推進管の外形に倣った理想形に仕上がる。とくに本発明工法の場合、単に地層の一部を削り取って横坑を形成するのみでなく、掘削と同期して横坑の内周面を推進管の外周面で摺擦するから、横坑の内周面はあたかも円滑な推進管の外周面で鏝仕上げしたかのように仕上がる。かかる仕上がり状態になる横坑は、その内径や内周面に好ましくない粗荒・凹凸・段差などのない高精度のものとなる。
(02) 一般に推進管については、これを横坑内の全長にわたりに押し込み介在させた後、横坑外へと押し出し撤去する。このように推進管を押す力で横坑外に撤去するとき、推進管には管軸方向の圧縮力が終始推進管に作用することになり、圧縮力を受け続ける。これが原因で推進管が壊れるようなことはないとしても、特定の荷重(圧縮荷重)を定常的に受け続ける推進管にはストレスの残留傾向が生じるので望ましくない。これに対し本発明に係る横坑掘削工法では、たとえば、推進管を横坑内の全長にわたりに押し込み介在させた後、推進管を横坑外に引き抜き撤去する。こうして取り扱われる推進管は、押し込みと引き抜きとで双方のストレスがキャンセルされるので、ストレスが推進管に残留蓄積するような不具合が起こりがたい。このように良好な取り扱いを受ける推進管であれば、反復使用にも十分耐えることとなり推進管の長期使用も実現する。
(03) 本発明に係る横坑掘削工法で、推進管を横坑内から引き抜き撤去する工法例のときは、押し出し撤去の際に用いられる中押装置のような中間(中継)装置が不要である。この中間装置の省略により、この横坑掘削工法を実施する上での手数や経費が大幅に削減できるようになる。
(04) 本発明に係る横坑掘削工法の場合、横坑の掘削作業と横坑内への推進管敷設作業とを同期させるというように、この両作業を時差なく一纏めにして工程遂行に要する時間を短縮するので、高効率かつ経済的で合理的な横坑作りが可能になる。
(05) 本発明に係る横坑掘削工法の場合、上述したとおり、横坑がその内周面も含めてきわめて高精度に形成される。この横坑形成後に行われる管敷設や管撤去などは、横坑内に単純に管を押し込むとか管を引き出すとかだけで過度の作業負荷がかからない。したがって敷設対象物の管は、精度の高い横坑に依拠してその横坑内に安全・安定・軽負荷で管敷設できるようになる。
(06) 本発明に係る横坑掘削工法の場合、横坑内から撤去された後の推進管は、前述でも明らかなように以降のリユース(再使用・再利用)に供することができる。このようなリユースが可能となるときは、横坑掘削のための用具類ないし道具類に要する経費が抑制され、ひいては、それが経済的で合理的な横坑づくりに貢献できることとなる。
(07) 本発明に係る横坑掘削工法において横坑内への管の押し入れ作業(推進作業)や横坑内からの管の引き出し作業(撤去作業)をたとえば発進立坑など一方の立坑内で行うときは、油圧ジャッキのような機械装置類(作業用設備)をこの双方の作業(管の押し入れと管の引き出し)に共用することができる。よって管の敷設や撤去に要する設備負担が軽減される。
(08) 本発明に係る横坑掘削工法において推進管相互を連結接続するときは、一列状をなす推進管の安定性がより高まり、連結接続状態にある推進管の押し出しや引き抜きがより確実に行える。
(09) 上述した推進管相互の連結(接続)作業について、管状の連結具(小型軽量物)を介して推進管相互を軸方向に接続するという間接接続の場合は、推進管相互の直接連結に比して負荷の少ない簡易な軽作業になる。それは推進管と比べて格段に小さい連結具を主体にして当該作業が行える一方、連結具よりも重量のある推進管を動かす作業が大幅に減少するからである。
[複合管敷設工法の効果]
本発明に係る複合管敷設工法は、前述の効果(01)~(09)を有するほか下記(10)~(11)のような効果を奏するものである。
(10) 本発明に係る複合管敷設工法の場合、前述の効果(01)~(09)を有するので、それに基づき複合管を安全・安定・円滑・容易・軽負荷で横坑内に敷設することができる。
(11) 本発明に係る複合管敷設工法において取り扱われる複合管は、保護管内にドレイン管が内装されたものである。この場合のドレイン管は、透水性のあるポーラスな管構造からなるので、それが強度上のウイークポイントになる。けれどもドレイン管の脆弱性(強度不足)については、ドレイン管に外装された保護管がこれを強度保障する。つまり複合管の場合、ドレイン管と保護管との合成強度によって単体の管を上回る高強度を発揮したり、外側にある保護管が内側のドレイン管を外力などから防護したりする。したがって複合管においては、枢要なドレイン管が事故やその他によって破損・損傷・損壊してしまうような事態が皆目といってよいほど生じないこととなる。
本発明に係る複合管敷設工法は、前述の効果(01)~(09)を有するほか下記(10)~(11)のような効果を奏するものである。
(10) 本発明に係る複合管敷設工法の場合、前述の効果(01)~(09)を有するので、それに基づき複合管を安全・安定・円滑・容易・軽負荷で横坑内に敷設することができる。
(11) 本発明に係る複合管敷設工法において取り扱われる複合管は、保護管内にドレイン管が内装されたものである。この場合のドレイン管は、透水性のあるポーラスな管構造からなるので、それが強度上のウイークポイントになる。けれどもドレイン管の脆弱性(強度不足)については、ドレイン管に外装された保護管がこれを強度保障する。つまり複合管の場合、ドレイン管と保護管との合成強度によって単体の管を上回る高強度を発揮したり、外側にある保護管が内側のドレイン管を外力などから防護したりする。したがって複合管においては、枢要なドレイン管が事故やその他によって破損・損傷・損壊してしまうような事態が皆目といってよいほど生じないこととなる。
[ドレイン管敷設工法の効果]
本発明に係るドレイン管敷設工法は下記(12)~(13)のような効果を有する。
(12) 本発明に係るドレイン管敷設工法の場合も、前述した複合管敷設工法の工程をすべて含むものであるから、前述の効果(01)~(11)と同様の効果をすべて有する。
(13) 本発明に係るドレイン管敷設工法は、また、前述の効果(01)~(11)を有するのであるから、それに基づきドレイン管を安全・安定・容易・円滑・迅速・軽負荷・軽負担で横坑内に敷設することができる。
本発明に係るドレイン管敷設工法は下記(12)~(13)のような効果を有する。
(12) 本発明に係るドレイン管敷設工法の場合も、前述した複合管敷設工法の工程をすべて含むものであるから、前述の効果(01)~(11)と同様の効果をすべて有する。
(13) 本発明に係るドレイン管敷設工法は、また、前述の効果(01)~(11)を有するのであるから、それに基づきドレイン管を安全・安定・容易・円滑・迅速・軽負荷・軽負担で横坑内に敷設することができる。
はじめに、本発明に係る横坑掘削工法の一実施形態について、添付の図1・図2を参照して詳細に説明する。
図1の各図を参照して明らかなように、地盤11には、地表(地上)側から地中に向けて縦方向に掘削された発進立坑12と到達立坑13とが所定の距離おいて存在する。この場合の地盤11については地山とか地層とかいわれたりもする。発進立坑12や到達立坑13はいわゆる縦孔状のもので、これらについてはピットと称されたりもする。発進立坑12や到達立坑13のような立坑は、多くの場合、バックホウやオーガなどを用いる周知の機械的掘削手段(縦掘り手段)で形成されるのが通例である。図1の実施形態における発進立坑12や到達立坑13も、その種の通例にしたがい形成される。発進立坑12や到達立坑13の一例にすぎない具体例はつぎのとおりである。発進立坑12は直径が2~3mの範囲内にあり、地面からの深さが約5.5mである。到達立坑13は直径が1.5~2mの範囲内にあり、地面からの深さが約5.5mである。発進立坑12と到達立坑13との間の距離は、両立坑12・13の各垂直中心線を基準にするとき、その二つの立坑中心線にわたる距離が約20mに設定される。代表的な一例での横坑14は後述のとおり、発進立坑12側(始点側)から到達立坑13側(終点側)に向けて地中をトンネル状に水平直線掘削することで形成される。
本発明に係る横坑掘削工法については、上述のような直線ルート(直線経路)に沿って横坑14を推進する直線推進工法のほか、つぎのような工法にも適用することができる。そのうちの一つは、曲線ルート(曲線経路)に沿って推進する曲線推進工法である。他の一つは、直線ルートと曲線ルートとが混在した曲直混在ルート沿いに推進する曲直混在推進工法である。
図1の各図に例示された横坑掘削工法では、発進立坑12側から到達立坑13側に向けて目的の横孔14が地中に掘削形成される。この作業に要する機械類やそれに付帯する道具類・器具類などとして、発進立坑12内には、掘削機(掘進機ともいう)61・油圧機構62・油圧ジャッキ63・その他が設置されたり配置されたりする。到達立坑13内にも必要に応じて装置・機械・器具・道具など(図示せず)が備えられることがある。
本発明に係る横坑掘削工法によって掘削形成される既述の横坑14、すなわち、所要の管を敷設するための横坑14は、すでに述べているように、発進立坑12側から到達立坑13側にわたって地中に形成されるものである。より具体的には、横坑掘削に必要な掘削手段が発進立坑12内などの所定場所に備え付けられて後述の作業ステップ(工程)が実施されるのである。これを実施するときの具体的な工法としては、泥水加圧推進工法・泥土圧推進工法・泥濃式推進工法のような周知の工法が採用される。
従来の横坑掘削工法や管敷設工法において、たとえば、小口径の管などを長距離(長区間)推進するというとき、中押装置が横坑14に設置されることがある。これは本発明に係る横坑掘削工法や管敷設工法などで管を長距離推進するときにも共通する技術的事項である。しかしながら、本発明に係る横坑掘削工法や管敷設工法で横坑14内に小口径管を敷設するというとき、その種の中押装置を用いることはほとんどない。さらに、本発明に係る横坑掘削工法や管敷設工法で横坑14内に小口径の管を推進するときなどは、押輪・元押ジャッキ・押角が推進台と一体となった推進装置が標準装備になることもある。本発明に係る横坑掘削工法の具体的一例は下記のとおりである。
図1において、発進立坑12内には、所要の作業ステップを実施するための手段、たとえば泥水加圧工法を実施するための手段として、まず、周知の掘削機61が準備される。この場合の掘削機61には掘削カッタ・滞水ヘッド・スクリューコンベアなど周知の機械類ないし機械部品が付帯したり付属したりする。発進立坑12内には、また、掘削機61や推進管21を横坑14内に押し込むための周知の油圧機構62が配置される。油圧機構62は往復動自在な推進ジャッキ63を備えている。
ここで推進管21について図2を参照して先行説明する。自明の管状構造を有する推進管21には、図2(A)から明らかなようにその先端外周面にネジ(雄ネジ)22が形成されていたりその後端内周面にネジ(雌ネジ)23が形成されていたりする。図2(A)の二つのネジ22・23は雌雄一対をなすものであり、互いにねじ込むことで推進管相互を連結することができる。これに対して図2(B)の推進管21の場合、推進管21の両端部に差し込み部21aと受け入れ部21bとがあるとともに、差し込み部21aの外周面に環状の突起21cが形成されていたり受け入れ部21bの内周面に環状の凹所21dが形成されていたりするものである。一方で推進管21の管壁には、排水・配泥・配土などのうちのいずれか一つ以上を行うために、孔状や口状のごとき開口部24がその推進管21の管壁に形成されたりもする。推進管21のうちには、開口部24を設けないタイプのものもある。
図2の推進管21について、推進管相互を連結(接続)するための手段について詳述すると、推進管21の両端部にある差し込み部21aと受け入れ部21bとは嵌め外し自在に対応するものである。その連結接続手段が図2(A)のようなネジ式の場合は、雌雄一対のネジを締め込んだり緩めたりすることで管の接続や分離(接続解除)を行うことができるものである。これに対して、図2(B)のような非ネジ式の連結接続手段では、管接続のための嵌め込みや管分離のための嵌め外しの際に、突起21cと凹所21dとが互いに嵌まり合い、または、互いに外れるものである。図示しない推進管相互の連結(接続)手段として、推進管21の一端部にはネジ式の連結(接続)構造が採用されたり、推進管21の他端部には嵌め込み式など非ネジ式の連結(接続)構造が採用されたりする実施形態もある。ゆえに推進管21をはじめとするこの技術分野での管などは、図2のような連結手段とか、図示しない上記連結手段とかなどで多数本のものを軸方向に連結接続して長尺化することができる。
上述した推進管相互を連結接続については連結接続具を介して行うこともできる。その連結接続具の代表的な一例が図3に示されている。図3に例示された連結接続具25は推進管21などと同様、筒管状をなすものである。図3を参照して明らかなように、連結接続具25の一端部には推進管21の一端部内に差し込み連結するための連結用部26aが形成されているとともに、連結接続具25の他端部には推進管21の他端部を受け入れ連結するための連結用部26bがそれぞれ形成されている。この連結接続具25についてさらに詳述すると、相対的に外径のやや小さい連結用部26aの外周面には推進管21の一端部内周面にあるような受け入れ部、すなわち図2(B)に例示されたような受け入れ部21bと相対係合することのできる周方向に環状の突起27aが形成されており、かつ、相対的にやや外径の大きい連結用部26bの内周面には図2(A)に例示されたようなネジ、すなわち推進管21の他端部外周面にあるネジ(雄ネジ)23と相対係合することのできるネジ(雌ネジ)27bが形成されている。連結接続具25の他の実施形態として、当該連結接続具25の一端部内周面や他端部内周面に推進管21との連結を行うためのネジ(雄ネジ・雌ネジ)が形成されているものもある。また、推進管両端部との連結について当該連結接続具25は、推進管一端部に対してネジ連結としたり推進管他端部に対して突起(凸起)と凹部(凹所)とによる嵌め合い連結としたりすることがある。当然のことながら、こうした場合の推進管21の両端部は、連結接続具25とも着脱自在に連結できるような構成となっている。したがって推進管21については、推進管相互を直接連結接続するという実施態様だけでなく、管状ないし筒状の連結接続具(連結具とか接続具とかもいう)を介して間接的に接続するという実施形態もある。さらにこの種の管連結ないし管接続については、一方の管端部内に他方の管端部を圧入するというような圧入連結手段も採用することができるほか、内外に嵌め合わされる管相互の内周面および/または外周面に抜け止め用の圧接型突起を設けたり、双方の管端に相対係合可能な凸起と凹所とを設けるたりするなどの連結接続状態の保持手段も講じることができる。このうちの圧入連結では、管の材質に依拠した弾性変形などを利用して管相互の連結を行ったりする。これらの場合の「管の連結接続」については、既述の内容も含めて単に「連結」と称したり単に「接続」と称したり、単に「接続」と称したりするほか、連結接続具を連結接続用の「アダプター」と称したりすることもある。
管相互の連結で長尺化された場合の長尺推進管21は、典型例においてその連結部の内外周面に段差のない一連(1本)の管状をなす。推進管21は、また、その先端側のネジ22を介して掘削機61の後端部(ネジ部)とも連結することが可能である。推進管21を構成するための材料としては、所定の推進荷重に耐えることのできる機械的強度を有する材質のものであればよい。そのような材質の材料は、たとえば金属製(一例:鋼製)・プラスチック製(一例:塩化ビニル)・強化プラスチック製・コンクリート製・レジンコンクリート製・セラミック製・陶土製などのうちから選択されるいずれかであることが多い。推進管21については、ここに掲げた各材料のうちから選択された1種または2種あるいは3種以上の材料からなることもある。複数の材料からなる推進管21の場合は、複合材製ということができる。典型的な一例でいうと、推進管21は鋼製である。
図1に例示された油圧機構62の往復動自在な推進ジャッキ63は、発進立坑12の前部周面に向けて往動(前進)したり、元の位置まで復動(後退)したりするものである。周知のとおり、油圧機構62には小型・中型・大型など各種サイズのものがあり、大型の油圧機構62ほど能力(出力)が大きくて推進ジャッキ63のストロークも大きい。もちろん油圧機構62は工事規模や掘削条件に応じた適切なサイズのものが採用される。さらにいうと、油圧機構62としては、発進立坑12の直径などを考慮に入れてこれに適合するようなサイズのものが選択採用される。一方、掘削形成されるトンネル状横坑14との関係でいうと、先頭となる掘削機61の後端部には推進管21が連結され、横坑14の掘進長さが増すにしたがい掘削機61の後端部には推進管21が適時追加的に継ぎ足し連結される。この場合において、油圧機構62が大型のものとか高出力のものとかになればなるほど、掘削機61の後端部に連結する「1回当たりの推進管連結数」は多くなる傾向がある。逆に、最も小型の油圧機構62が採用されるときの推進ジャッキ63のストロークは、一つ(1本)の推進管21または(単体の)掘削機61を横坑14内に押し込むことができる程度のものになることが多い。推進管相互や、推進管21と掘削機61については、これらの各端部内外周面に形成されている既述のネジ22・23を介して前後に連結することができる。
図1の横坑掘削工事において、掘削形成すべき横坑14のサイズ(口径や長さなど)が小規模のものであるとき、発進立坑12や到達立坑13は、原則、そのようなサイズに応じた小さいものになることが多く、また、機械類である掘削機61や油圧機構62なども必然的に小型とか中型とかのタイプが採用される。さらに推進管21も、一つずつとか、または、二つ程度連結されたものが横坑14内に押し込まれるようになる。
図1に例示された工事において横坑14を掘削形成するときは、一例として[ステップ数=6]程度の作業ステップが実施される。はじめの作業ステップでは、発進立坑12内の掘削機61とその後部に一直線状に連結された推進管(第一次推進管)21とが、掘削機61側を先頭にして油圧機構62の推進ジャッキ63に装着された後、運転状態の掘削機61が発進立坑12の前壁面に宛がわれる。この後も推進ジャッキ63の推力を受ける掘削機61は、つぎなる作業ステップで発進立坑12の前壁面側から到達立坑13側へと押し込まれていき、それによって両立坑12・13間の地層が発進立坑12側から到達立坑13側へと掘削される。こうして両立坑12・13間の地層を発進立坑12側から到達立坑13側へと水平掘削する掘削機61は、第一次推進管21をともないながらこの区間の地層内を水平方向へと進入かつ進行していく。
上述のようなステップで作業が進行する図1の実施形態において、掘削機61の最後尾にある第一次推進管21が地層内に押し込まれたときは、掘削機61や油圧機構62などが一時停止状態となり、掘削機61側にある推進管21の最後尾と推進ジャッキ63とが切り離される。この切り離し後、油圧機構62の推進ジャッキ63は後退して旧位に復帰する。かかる状態のとき、第一次推進管21の最後尾と推進ジャッキ63との間には、つぎなる第二次推進管21を継ぎ足すことのできる空間が生じる。これにより、第一次推進管21の最後尾と推進ジャッキ63との間の空間部に第二次推進管21が介在されたり、第二次推進管21の先端部が第一次推進管21の後端部に連結されたり、さらには、第二次推進管21の後端部が推進ジャッキ63の先端部に連結されたりする。かくて第二次推進管21をもともなった後の掘削機61は、上述の各作業ステップが所定の順序で行われることにより地中を水平方向へと進入していく。
図1の各作業ステップで述べた各作業が所定の順序で所定回数繰り返されたとき、横坑14は発進立坑12と到達立坑13との間をトンネル状に貫通するまでに増長(成長)する。これによって所定長さの横坑14が完成する。この完成した横坑14内には、その全長にわたり、一連の推進管21が敷設介在することとなる。この段階において、横坑14を突き抜けて到達立坑13内へと突出している掘削機61は、先頭の推進管21から取り外し分離されて到達立坑13内に引き取られた後、到達立坑13内から地上へと運び出される。
図1の各作業ステップで横坑14内に敷設された一連の推進管21は、その後、図1のつぎなる作業ステップで横坑14外に撤去される。この撤去に際しては、横坑14内にある一連の推進管21が、たとえば1本ずつというように連結を解かれながら横坑14内から立坑へと取り出され、その取り出された推進管21が地上側へと搬出される。この際に取り出し側となる立坑は、発進立坑12・到達立坑13のいずれであってもよい。図1においては、推進管撤去作業を介して横坑14内の推進管21が到達立坑13側へ取り出される例が示されている。
上述した推進管撤去の一例は図1を参照してつぎのようなものである。はじめは図1において前進状態にある油圧機構62の推進ジャッキ63が、発進立坑12側へ露出もしくは突出している推進管21の一端部に・がれる。つぎは推進管21と連結状態にある推進ジャッキ63が後退することで推進管21が横坑14外へと引き出される。この後の作業ステップでは、横坑14から発進立坑12へと引き出された推進管21が、横坑14内にある推進管21との連結を解かれて該管と分離される。この推進管引き出しや推進管分離については、横坑21内から全ての推進管21が撤去されるまで行われる。このようにして横坑14から発進立坑12へと引き出されたり連結解除(分離)されたりする各推進管21は、1本あてとか、または、複数本まとめるなどして、発進立坑12から地上へと搬出される。推進管撤去の他の一例においては、横坑14から到達立坑13へと引き出された推進管21が、横坑14内にある推進管21との連結を解かれてそこから分離される。この場合の推進管引き出しや推進管分離も、横坑21内から全ての推進管21が撤去されるまで行われる。これで横坑14から到達立坑13へと引き出されたり連結解除(分離)されたりする各推進管21も、1本あて、あるいは、複数本まとめるなどして、到達立坑13から地上へと搬出される。
横坑14内の全長にわたって推進管21を介在させる上述の作業ステップは、最も少ないとき1回だけの実施となる。しかし実施態様いかんでは、横坑14内の全長にわたって推進管21を介在させるための当該作業ステップを複数回たとえば2回以上実施することもある。かかる作業ステップを複数回実施するときには、横坑14内の全長にわたって推進管21を介在させるごとに推進管21を横坑14内から撤去する作業もともなう。より具体的にいうと、横坑14内へ推進管21を3回介在させるときなどは、[横坑内への推進管介在]→[横坑内からの推進管撤去]→[横坑内への推進管介在]→[横坑内からの推進管撤去]→[横坑内への推進管介在]→[横坑内からの推進管撤去]のような繰り返し作業を行うこととなる。
上述のように推進管21を横坑14内に複数回介在させるときは、その介在回数に比例して横坑内周面の不良状態が改善されたり横坑内周面の仕上がり状態が良好になったりする。かかる推進管21の横坑内介在回数については、工事規模・工期日程・作業進捗度・工事予算など工事に関する諸般の事情を考量して決定する。
上述のような各作業ステップを介して実施される横坑掘削工法の場合、つぎのような点が望ましいといえる。それは横坑14の内径や内周面が推進管21の外径や外周面に依存して高精度に仕上がることである。とくに横坑21の内周面などは、推進管21の円滑な外周面による鏝の作用で撫で擦られたようになる。したがって、横坑21のとくに内周面などは、きわめて良好な仕上がり状態を呈するものとなる。
本発明に係る管敷設工法のつぎなる実施形態にとして、複合管を敷設対象とする管敷設工法を図4~図6の図示例で説明する。
図4での管敷設工法で取り扱われる複合管31は図5(A)や図6にも示されているように、保護管51内にドレイン管41が内装されたものである。ゆえに複合管31は、ドレイン管内装保護管ともいえるものである。そして図4の管敷設工法においては、このような複合管31が横坑14内に敷設されるのである。それで本発明に係る管敷設工法においては、その敷設工程に先行して複合管31の構成要素である保護管51とかドレイン管41とかを説明することとする。
複合管31の一構成要素である保護管51は、図4の代表的一例において断面円形をなす円管状のものである。これはたとえば、図5(A)や図6などからも理解できるものである。保護管51はその管内にドレイン管41をスライド自在に内装することのできる口径を有する。保護管51については、また、少なくとも油圧機構62の推進ジャッキ63による管推進力(横坑14内への管挿入力)に耐えること要する。ゆえに保護管51は、そのような管推進力に耐えることのできる機械的特性(機械的強度)を備えている。一方で保護管51の管壁には図9(A)(B)に例示するとおり、排水・配泥・配土などのうちのいずれか一つ以上を行うための孔状や口状のごとき開口部54が必要に応じて形成されたりする。材料材質面における具体的な保護管51としては、推進管21において説明したと同様、金属製(例:鋼製)のもの・プラスチック製(例:塩化ビニル)のもの・強化プラスチック製のもの・コンクリート製のもの・レジンコンクリート製のもの・陶土製のもの・複合材製(例:金属と合成樹脂との複合材製)のものなど、これらのうちのいずれか一つ以上の材質を備えた材料からなる。典型的な保護管51は鋼製である。
上記保護管51についてさらに詳述すると、図9のうちで同図(A)に例示された保護管51の場合は、保護管51の一端部外周面に雄ネジたるネジ52aが形成されているとともに、保護管51の他端部内周面には雌ネジたるネジ53aが形成されているものである。この場合の両ネジ52a・53aは、互いにねじ込むことができるように対をなす。これは2本の保護管相互において、一方の保護管51のネジ52aと他方の保護管51のネジ53aとを互いにねじ込むことにより、その2本の保護管51が一連の管状に連結されるものである。これに対し、図9(B)に例示された保護管51は、保護管51の一端部外周面に環状凸起52bが形成されているとともに保護管51の他端部内周面に環状凹所53bが形成されているものである。これらの環状凸起52b・環状凹所53bは、互いに嵌め合わせたりそれを外したりすることができるように対をなす。これは一方の保護管51の管端と他方の保護管51の管端とを嵌め合わせたときに、環状凸起52bと環状凹所53bとが互いに掛かり合って双方の保護管51の連結接続状態が保持されるものである。したがって保護管51の場合、このような連結で2本以上のものを軸方向に連結することができ、それによって所要長さの連結保護管をつくることができる。さらに、多数本の保護管51を軸方向に長く連結することで、より長尺化された連結保護管をつくることができる。
つぎにドレイン管41について詳述すると、図8に例示されたドレイン管41も断面円形をなす円管状のものである。このドレイン管41には透水性がある。それはドレイン管41の管壁がその構造に由来する透水性を有しているからである。ドレイン管41の代表的一例をあげると、それはポリプロピレンのような熱可塑性樹脂で形成された網状構造管あるいは網状構造筒からなる。網状構造管(網状構造筒)は一例としてストランド(紐状材)が絡まってできたものであり、そのストランド相互の接点が接合されている。具体的な寸法について、網状構造管の長さは1m、網状構造管の管壁厚さは約180mm、ストランドの直径は約2mmである。ちなみにこのような網状構造管からなるドレイン管41の場合、土被り厚さ7m程度の圧力に耐えることのできる耐圧強度を有している。
図8の実施形態におけるドレイン管41の場合、その外周面が透水性のフィルタ材42で被覆されていたり、透水性フィルタ材42の外周面が網体43で被覆されていたりするものである。フィルタ材42には、地中埋設状態のドレイン管41が砂などの侵入で早期目詰まりするのを防止する機能があり、網体43には、フィルタ材42の先端部が他の管内面との摩擦でめくれ上がり押し縮められるのを防止する機能がある。フィルタ材42は一例として不織布からなり、網体43は一例として硬質樹脂からなる。ドレイン管41に関しては、網体43が省略されるものや、フィルタ材42と網体43との両方が省略されるものもある。
ドレイン管41は後述でも明らかなとおり、多数本のものを長手方向に接続(連結)することで所要長さの長尺管になる。ドレイン管41の管壁両端部には、その接続に供するものとして複数(二つまたは二つ以上)の環状凹溝44が形成されている。このほかドレイン管41内には、たとえば、硬質合成樹脂からなるインナパイプが内装されることがある。このうちで環状凹溝44は、後述する接続外管45の環状凸起46と嵌め込み自在に対応するものである。ドレイン管41内に内装されるインナパイプの場合も、後述するドレイン管相互の接続に利用されたりする。
ドレイン管41は長尺化のために接続される。図12・図13に例示された部品ないし部材はドレイン管相互の接続に供するものである。具体的にいうと、接続外管45や接続内管48と、これらに付帯・付随する部品(部材)などである。以下、これらについて、図12・図13のほか図14なども参照しながら説明する。
ドレイン管相互を接続するときの二つのドレイン管41は、図14を参照して明らかなように、その接続端面相互が一直線状に突き合わされて当該両ドレイン管41が真直に保持される。この場合におけるドレイン管接続部の外周面に装着されるのが接続外管45である。接続外管45は一例として変形しがたい硬質合成樹脂からなり、形状構造面では、図12に明示されたような二つ割り型の半割り円管からなる。接続外管45は二つの割り型部材を合体したときに円管となり、それを分解したときに二つの半割り円管となるものである。接続外管45の管壁両端部には、ドレイン管41の環状凹溝44と嵌め合い自在に対応する環状凸起46が形成されている。
接続端面相互が突き合わされた2本のドレイン管41を接続外管45で堅固に接続するとき、たとえば図12に例示されているような分解状態にある二つの半割り円管(割り型部材)が、突き合わせ状態にある両ドレイン管41の接続部外周面に装着される。この装着によって二つの半割り円管(割り型部材)が両ドレイン管41の外周面上で円管状の合体状態になる。このときには、また、ドレイン管41の環状凹溝44と接続外管45の環状凸起46とが互いに嵌まり合う。かかる装着状態にある接続外管45の環状凸起46には、その外周面の凹んだ部分に金属製等の締着バンド47が施されてこれが締め付けられる。この締着バンド47を介した締着力により、両ドレイン管41の外周面上における接続外管45の合体装着状態が保持されるとともに両ドレイン管41の接続状態が保持されにる。こうした接続作業は、一例として地上で行われ、他の一例として発進立坑12などの立坑内で行われる。
図13に例示されたドレイン管用の接続内管48については、これもたとえば、変形しがたい硬質合成樹脂または金属からなる。接続内管48の両端部外周面には、図13で明らかなとおり、周方向に分布する複数(四つ程度)の係止爪49がある。ちなみに、接続内管48の管壁の一部を外向きに突出させることで形成されている図示例の係止爪49には、所定方向に傾斜した勾配が付されている。この各係止爪49の場合、接続内管48をドレイン管41の端部内に挿入したときに、その端部内周面に食い込むものである。
接続内管48は、ドレイン管41の後端部内に約1/2長ほど嵌め込み挿入しておくものである。したがって接続内管48は、その約1/2長程度がドレイン管41の後端部側からその外部に露出することとなる。接続内管48によるドレイン管41の接続作業は、一例として地上で行われたり、他の一例として発進立坑12内で行われたりする。接続内管48によるドレイン管相互の接続についてより具体的にいうと、係止爪49を介してドレイン管41の内周面に食い込み定着することのできる接続内管48が、ドレイン管41の後端部内にあらかじめ嵌め込み挿入される。ドレイン管41の接続例として、一方のドレイン管41と他方のドレイン管41とを接続するというドレイン管相互の接続に際しては、一方のドレイン管41の後端部からその外部に露出している接続内管48の約1/2長ほどを他方のドレイン管41の先端部内からその内部に嵌め込み挿入することとなる。接続内管48によるドレイン管相互の接続は、接続外管45によるドレイン管相互の接続に先行して行われる。
ドレイン管相互の接続態様には数種のパターンある。その一つは、接続外管45や締着バンド47を用いるという接続態様である。この場合、接続内管48による接続は行わない。他の一つは、接続内管48を用いるという接続態様である。この場合、接続外管45や締着バンド47による接続は行わない。さらに他の一つは、接続外管45や締着バンド47を用いるとともに接続内管48も用いるという接続態様である。いずれの接続パターンを採用するかについては、工事に関する諸般の事情を考慮して決定される。
上述の接続外管45については、これを接続外筒、連結外管、連結外筒のようにいうことができ、上述の接続内管48についても、これを接続内筒、連結内管、連結内筒のようにいうことができる。この場合における「連結」や「接続」の語はすでに述べているとおりほぼ同義であり、語意上の差異はない
本発明に係る管敷設工法で取り扱われる複合管31は、図5・図6を参照して明らかなように、相対的に小口径のドレイン管41と相対的に大口径の保護管51とが、これらの相対的な嵌め合いにより組み合わされたものである。もちろん両管41・51の場合、内管たるドレイン管41の外径が、外管たる保護管51の内径よりも小さいのであるが、その内外径差はわずかである。その内外径差はさらに、ドレイン管外周面と保護管内周面との間に微間隙が生じる程度のものである。複合管31を構成する両管41・51の間にこのような微間隙が存在することにより、ドレイン管41と保護管51とは軸方向に沿う相対的なスライドが可能になる。ゆえに複合管31の場合、内管たるドレイン管41と外管たる保護管51とが軸方向にスライド自在(摺動自在)なるよう内外に組み合わされたものといえる。複合管相互の接続については、ドレイン管41の接続端部である後端部(または先端部)が保護管51の後端部(または先端部)より外部へ突出している状態で行われる(行える)ものである。この場合の複合管相互の接続とは、複合管31の構成要素であるドレイン管相互や保護管相互を接続することであり、この二様の管接続が行われることを意味する。
上述のような複合管31の接続は一例としてつぎのような手順で行われる。これについて、図14(イ)~(ハ)を参照して説明する。はじめは図14(イ)のように、一方のドレイン管41の後端部(接続端部)と他方のドレイン管41の先端部(接続端部)とが相互に突き合わされる。すなわち、前後二つのドレイン管41が一直線状態(直列状態)で軸方向に並ぶように、これらが突き合わされる。両ドレイン管41の突き合わせ部分には、図14(ロ)のように、その外周部にわたって割型の接続外管45が宛がわれる。この接続外管45の環状凸部47に締着バンド47が施され、これが締め付け状態で固定される。突き合わせ状態で軸方向に並んだ前後二つのドレイン管41は、この締着バンド47の締着力によって安定な接続状態となる。この後は、図14(ハ)のように、後方側のドレイン管41の外周部に保護管51が被されるとともに、後方側保護管51と前方側保護管51とが、これらの雄ネジたるネジ52aと雌ネジたるネジ53aとを介して相互にねじ込み結合(接続)される。かくて、前後二つのドレイン管相互や前後二つの保護管相互が接続されたものは、前後二つの複合管相互が連結されたものに相当する。したがって、図14(ハ)のような異種管の複合接続物は前後二つの複合管31が接続されたものといえる。
本発明に係る管敷設工法の一つたる複合管31の敷設工法について、図4などを参照して説明する。
複合管敷設工法によるときは自明のとおり、複合管31が横坑14内に敷設されるものである。かかる複合管敷設工法は大別して二通りある。その一つは、横坑14内の全長にわたって推進管21が介在しているときに、その推進管21を複合管31(とくに保護管51の端面)で横坑21外に押し出しながらそれと交代して当該複合管31を横坑21内に敷設するというものである。他の一つは、推進管21が撤去された後の横坑21内に敷設するというものである。このような実施態様でそれぞれ取り扱われる複合管31は、後述の詳細説明を参照することでより明らかになる。
複合管敷設工法については、また、前述の横坑掘削工法で説明した横坑形成用の各作業ステップを含んでいて、これに複合管敷設用の作業ステップが付加されたものである。したがってこの複合管敷設工法の場合、前述の説明済み作業ステップを参照することでそれらの工程説明を省略することとし、かつ、その説明済み作業ステップでの最終作業ステップのあとに行われる複合管敷設用の作業ステップを以下主体的に説明する。
図4(A)(B)における発進立坑12と到達立坑13との間の地中には、既述の各作業ステップを実施したことで水平な横坑14が形成されている。この横坑形成後に行われるのが複合管31を敷設するための作業ステップである。複合管敷設のための作業ステップはつぎのとおりである。
図4(A)(B)における複合管敷設作業の場合、複合管31を軸方向に継ぎ足しながらそれを横坑14内へと押し込んで推進していくものである。この推進に用いられるのが前記の油圧機構62である。前述したとおり、油圧機構62の推進ジャッキ63は推進台64や、その推進台64の後端部に設けられた反力壁(支圧壁)65などを具備するものである。推進ジャッキ63は、推進台64の上面部が複合管31の下半部と対応する形状構造を有していたりするので、その推進台64の上面部側で複合管31の下半部を受け支えることができる。推進ジャッキ63は、また、押圧輪や押圧板が取り付けられたりしている反力壁65の前面部が、複合管31の後端面(ドレイン管41の後端面や保護管41の後端面)と対応する。この推進ジャッキ63も、もちろん、反力壁65の前面部側で複合管31をその後端面側から押し込むことができる。ゆえに推進ジャッキ63で横坑14内に押し込まれるときの複合管31も、その下半部が推進台64で受け支えられたりその後端面が反力壁65の前面部に宛がわれたりする。この状態であれば、推進ジャッキ63による押し込み力はドレイン管41や保護管51に対して所定どおりに作用する。さらにいうと、圧縮強度に勝る保護管51が反力壁前面部からの推進ジャッキ押し込み力を大きく受けとるようになるので、ドレイン管41には横坑14内に進入できる程度の軽い押し込み力しか作用しない。よって複合管敷設のとき、推進ジャッキ63の押し込み力でドレイン管41が変形などしたりすることはない。
上述の作業において推進ジャッキ63を介して押し込み加圧される複合管31の場合、その構成要素であるドレイン管41や保護管51を保護する目的で、また、推進ジャッキ63による保持状態を安定させる目的で、複合管31の後端面と反力壁65の前面とを繋ぐためのアタッチメントが取り付けられたりする。それは図5(B)に例示されているような支圧管67が複合管31と反力壁65との間に介在されるのである。支圧管67は、円形をなす基板68と円筒状の短管69とが一体に形成された部材であって、基板68の前面側から短管69が突出しているものである。この場合における支圧管67の基板68は、複合管31におけるドレイン管41の後端面を押し込むことができる。支圧管67の一部である短管69も、その口径が保護管51の口径とほぼ等しいことから、短管69の先端面で保護管51の後端面を押し込むことができる。複合管31と反力壁65(押当部66)との双方にわたって支圧管67を取り付けるための手段としては、前述したようなネジ(雄ネジ・雌ネジ)とか周知の止具(ボルト)など適当な手段が採用される。このほか接続管(後述の接続管22と同様のもの)や前記押圧輪・押圧板のようなアタッチメントも、必要に応じて上記両者31・65間に介在固定されることがある。この種のアタッチメントは、堅牢な材質のもの・弾力性やクッション性(緩衝性)のある材質のもの・半硬質のものなど状況に応じて適当な材質のものが採用される。それらは、軟質ないし半硬質のプラスチックとか、または、プラスチックと他の材料(例:金属)との複合材からなるものである。
図4(A)(B)の作業ステップにおいては、複合管31がつぎつぎと継ぎ足されながら一列状態(直状)で横坑14内に押し込み挿入されていく。この際の複合管接続では、内管たるドレイン管相互や外管たる保護管相互がそれぞれ連結される。かかる複合管接続で先頭に位置する複合管31には、図5に例示されているとおり、軟質ないし半硬質で弾性変形可能な材料(ゴムまたは合成樹脂)からなる先細りテーパ管状のカバー32が、ドレイン管41の先端部外周面から保護管51の先端部外周面にわたって被される。カバー32の先端部内周面はドレイン管41の外周面に密接状態でフィットし、その後端部については、たとえば、金属製の締着バンド33やビス34などで保護管51に止め付けられる。カバー32は機能的にはパッキンである。パッキンとしてのカバー32は、主に複合管31の隙間(ドレイン管先端部外周面と保護管先端部内周面との間)に土砂などの異物が入り込むのを防止するものである。このほか横坑14内で一列状態となる各複合管31については、図3に略示されているとおり、これらの境界部に接続管22が必要に応じて介在されることがある。接続管22は推進管21を約めたような短管状のものであることが多い。接続管22の両端部には管接続用のネジ(雄ネジ・雌ネジ)があったりする。
図4(A)(B)の作業ステップに関する以下の説明においては、説明の便宜上、1番目に横坑14内に押し込み挿入されるカバー32付きの複合管31を第1複合管31というとともに、2番目・3番目・4番目………の順で横坑14内に押し込み挿入される各複合管31をそれぞれ第2複合管31・第3複合管31・第4複合管31……などという。第1複合管31・第2複合管31・第3複合管31・第4複合管31等の構成要素である各ドレイン管41や各保護管51などについても、説明の便宜上、それぞれ第1ドレイン管41・第2ドレイン管41・第3ドレイン管41・第4ドレイン管41………と称したり、第1保護管51・第2保護管51・第3保護管51・第4保護管51………と称したりする。
図4(A)(B)に示す作業ステップの場合、はじめに第1複合管31が横坑14内に押し込まれる。すなわち、発進立坑12内で横坑14外に突出している最後尾推進管21の後端面に第1複合管31の先端面が宛がわれ、それが油圧機構62の推進ジャッキ63を介して横坑14内に押し込まれるのである。より具体的にいうと、第1複合管後端面と推進ジャッキ前面側との間に支圧管67が介在固定された後、推進ジャッキ63による同期(同時)的な押し込み作業として、第1保護管51や第1ドレイン管41が押し込まれたりするので、第1複合管31が横坑14内に進入していく。
図4(A)(B)の作業ステップにおいて第1複合管31が上述のごとく発進立坑12側から横坑14内に押し込み挿入されたとき、油圧機構62の推進ジャッキ63は一時停止し、それから復動して旧位に復帰する。こうなることでつぎの複合管押し込み作業が可能となる。
横坑14内に押し込み挿入された上記第1複合管31の場合、第1ドレイン管41の後端部外周面(接続端部外周面)が発進立坑12内に露呈されていたり、第1保護管51の後端部(接続端部)が横坑14の一端部(発進立坑12側の端部)に近接していたりするものである。よって、第1複合管31の後端部に第2複合管31の先端部を接続するときは、第1ドレイン管41の後端部と第2ドレイン管41の先端部、ならびに、第1保護管51の後端部と第2保護管51の後端部とがそれぞれ相互に接続される。かかる場合の具体的な接続は、つぎのとおりである。まず、第1ドレイン管41と第2ドレイン管41の場合、第1ドレイン管41の後端部に第2ドレイン管41の先端部が突き合わせ状態で宛がわれ、両管の突き合わせ部外周面に割型の接続外管45が被され、かつ、その割型接続外管45が締着バンド47で締着されることにより接続される。すなわち第1ドレイン管41と第2ドレイン管41とが図5を参照して説明した既述の接続手段を介して相互に接続されるのである。つぎに、第1保護管51の後端部と第2保護管51の場合、これらにはそれぞれの端部に前述した雌雄一対のネジ52a・53aがあるので、第1保護管51の後端部が第2保護管51の先端部にねじ込まれる。すなわち、第1保護管51と第2保護管51とが相互にネジ接続されるのである。こうした接続によるときは、内外に重なり合った第2ドレイン管41と第2保護管51とが第2複合管31を構成することになる。よってこれは、複合管31の作製をともなう接続ともいえる。かくて各管相互が接続されたとき、第1複合管31に対する第2複合管31の接続が完了するので、ここでも第2複合管31と推進ジャッキ63とを支圧管67で繋ぐ。
図4(A)(B)の作業ステップで第2複合管31を横坑14内に押し込み挿入するときは、前述と同様、油圧機構62の推進ジャッキ63によってそれを行う。より具体的には、推進ジャッキ63で第2保護管51を押し込むと同時に第2ドレイン管41を押し込むのである。第2複合管31は、この押し込みによって第1複合管31を前進させながら自身も横坑14内に進入していく。横坑14内で一列状態にある各推進管21すなわち推進管アレイは、このときも横坑内進入する第2保護管51によって到達立坑13側へと押し込まれる。それゆえこのときも、推進管アレイの先頭にある推進管21が横坑14内から脱して到達立坑13内へと突入するのである。到達立坑13内に突入したこの推進管21も、推進管アレイとの接続を外されて到達立坑13内に取り込まれた後、そこから地上側へと運び出される。この間、油圧機構62の推進ジャッキ63は既述のように復動して旧位に復帰し、つぎなる複合管押し込み作業が可能な態勢を維持する。
横坑14内に押し込み挿入された前記第2複合管31も、第2ドレイン管41の後端部外周面が発進立坑12内に露呈されていたり、第2保護管51の後端部が横坑14の一端部に近接していたりするものである。この第2複合管31の後端部につぎなる第3複合管31の先端部を接続するときも、既述の要領によって、第2ドレイン管41の後端部と第3ドレイン管41の先端部とが相互に連結接続されたり、第2保護管51の後端部と第3保護管51の後端部とが相互に連結接続されたりする。かかる管接続によるときも、内外に重なり合った第3ドレイン管41と第3保護管51とが第3複合管31を構成することとなる。さらに、支圧管67を介して第3複合管31と推進ジャッキ63とが繋がれる点も前述と同様である。
上述の第3複合管31について、これを横坑14内に押し込み挿入するときも前述と同様である。それは推進ジャッキ63で第3保護管51を押し込むと同時に、推進ジャッキ63の押当部66で第3ドレイン管41を押し込むというものであり、かくて第3複合管31は、第1複合管31や第2複合管31を前進させながら自身も横坑14内へと進入していくのである。このときも、横坑14内に進入する第2保護管51が横坑14内の推進管アレイを到達立坑13側へと押し込むので、その推進管アレイの先頭にある推進管21が横坑14内から脱して到達立坑13内に突入する。この坑内突入状態の推進管21も、推進管アレイとの接続を外されて到達立坑13内に取り込みされた後、地上側へと運び出される。この間、油圧機構62の推進ジャッキ63は、既述のように復動して旧位に復帰し、つぎなる複合管押し込み作業が可能な態勢を維持する。
第4複合管31やこれ以降の複合管31を横坑14内に押し込み挿入するときも、主要な全ての作業は前述の内容と実質同一かそれに準じた内容で行われる。すなわち、発進立坑12側において先後関係にある先行複合管31と後続両複合管31について、先行複合管31の後端部に後続複合管31の先端部が接続されたり、所定の部間に支圧管67が介在固定されたりした後、その後続複合管31が、油圧機構62の推進ジャッキ63を介して横坑14内に押し込み挿入されるのである。一方では、横坑14内に残存する推進管アレイについても、複合管31を横坑14内に押し込み挿入するごとに、横坑14内から脱して到達立坑13内に突入するので、それが既述のように取り外されて地上側へと運び出される。よって図4(B)に例示された作業ステップの場合、横坑14内への複合管押し込み挿入が所定回数実施されたことによって、発進立坑12側から到達立坑13側にわたる一連の複合管31が敷設された段階、すなわち、横坑14内を貫通する一連の複合管敷設が完了した段階を示すものといえる。
上述のようにして横坑14内に複合管31を接続状態で敷設した後は、その接続複合管31の構成要素である各保護管51を横坑14内から発進立坑12側または到達立坑13側に引き抜き出し、それを撤去する。これについて図7を参照して以下説明する。
上述の接続(連結)状態で保護管51と共に横坑14内に敷設された各ドレイン管(接続ドレイン管)41の場合、一時的な停留措置として横坑14内から脱出することのないように保持される。すなわち各ドレイン管41は、横坑14内にあってそこから動くことのない停留状態に保持されるのである。接続ドレイン管(41・41・41……)を横坑内停留状態に保持するための手段として図7(A)(B)に例示されているのは、抗張力性のある停留用ないし繋留用の保持索条71、円板状または輪板状の保持板72・73、繋留具76などである。保持索条71は代表的一例としてワイヤロープからなり、保持板72・73や繋留具76は一例として金属製からなり、他の一例として合成樹脂製からなる。円板状または輪板状をなす両保持板72・73の外径は、ドレイン管41の外径に等しいかそれよりもわずかに小さいものである。図7(C)に示すように、両保持板72・73には、保持索条71を引き通すための孔74・75が中心部に形成されている。両保持板72・73には、さらに、保持索条71を保持板72・73に縛り付け固定するための単数または複数の孔(図示せず)がその板面に形成されていたり、および/または、保持索条71を保持板72・73に止め着けるための単数または複数の止具(図示せず)がその板面に取り付けられていたりすることがある。
図7の(A)(B)を参照して明らかなように、二つの保持板72・73は接続ドレイン管(41・41・41……)の後端面(発進立坑12側)や先端面(到達立坑13側)に対して同心状に宛がわれる。すなわち、両保持板72・73が接続ドレイン管(41・41・41……)の両端面に対し同心円状に重ね合わされる。したがってこの場合、両保持板72・73の外周部が保護管51の端面領域にまで食み出るようなことはない。接続ドレイン管(41・41・41……)の後端面に宛がわれた保持板72と接続ドレイン管(41・41・41……)の先端面に宛がわれた保持板73には、これらにわたり保持索条71が引き通される。具体的な一例としては、到達立坑13側から一方の保持板73の孔75を貫通した保持索条71の先端部が、接続ドレイン管(41・41・41……)の内部を経由して他方の保持板72の孔74を貫通するという態様で引き通される。保持索条71について、保持板72側にある端部は、固縛や金具止めなど適当な手段でその保持板72に固定される。保持索条71について、保持板73側にある端部は、ジャッキ式・ウインチ式・その他の型式など周知の適当な緊締機器(図示せず)を介して引き締め可能な状態にある。この場合に、たとえば保持板73に孔75と対応させて戻り止め金具を取り付けておき、保持索条71の保持板73側にある端部を緊締機器で引き締め、その引き締め状態をクランプする。このようにしたときはわずかではあるが両保持板72・73間の距離が約められるので、接続ドレイン管(41・41・41……)は軸方向の両端から圧縮方向の圧力を受ける。これで接続ドレイン管(41・41・41……)は、各ドレイン管相互が軸方向に集結することとなり、両保持板72・73で挟み付け保持される。保持索条71の保持板73側にある端部は、さらに、到達立坑13の後部周面に取り付けられたアンカー状の繋留具76に対し、周知の適当な繋留手段(固縛や金具止め)で堅固に繋ぎ止められる。このようにして保持索条71の他端部が到達立坑13の後部周面に固定されたことにより、接続ドレイン管(41・41・41……)は横坑14内に停留保持される。換言すると、接続ドレイン管(41・41・41……)に対してこれを横坑14内から発進立坑12側へと引き出すような力(引き抜くような力)が作用したとしても、保持索条71などを介して横坑内停留状態に保持されている接続ドレイン管(41・41・41……)は、この引き出し力(引き抜き力)に抗して横坑14内に留まる。
図7(A)(B)のごとく接続状態の各ドレイン管41を上述の横坑内停留状態に保持した後、横坑14内で接続状態を呈している一連の各保護管51(保護管アレイ)を横坑14内から完全に撤去するときは、発進立坑12側にある最後尾保護管51の後端部と油圧機構62の推進ジャッキ63とを支圧管67で繋いでから、油圧機構62の力で保護管アレイを横坑14内から引く抜くようにする。具体的一例はつぎのとおりである。1番目の作業においては、推進ジャッキ63が所定のストロークで横坑14の一端部側へ往動する。2番目の作業においては、たとえば前記ステップで用いられた支圧管67を介して、最後尾保護管51と推進ジャッキ63とが連結される。3番目の作業では、油圧機構62の推進ジャッキ63が復動(復帰)する。この復動する推進ジャッキ63には上記のごとく保護管アレイが繋がれている。したがって保護管アレイは、推進ジャッキ63の復動ストローク分だけ、横坑14内から発進立坑12側へと引き抜かれる。横坑14内から発進立坑12側へと引き抜かれて発進立坑12内に露呈する保護管51の数は、工事の規模・発進立坑12の直径・作業工程計画などを考慮することで決められるものである。図示の実施形態では説明の便宜上、推進ジャッキ63の復動ストローク1回につき保護管一つ分の長さだけ、保護管アレイが横坑14内から引き抜かれる。このようにして保護管アレイが横坑14内から引き抜かれたときの発進立坑12内では、保護管相互の接続部も露呈するので、発進立坑12内に引き出された一つの保護管を保護管アレイから切り離すのが容易に行える。それで4番目の作業としては、最後尾保護管51と支圧管67との連結が解除されたり、保護管アレイから最後尾保護管51が切り離されたりする。もちろん横坑14内で既述のように停留状態に保持されているドレイン管アレイ(一連の接続状態にあるドレイン管41)は、その横坑内停留状態にあるがゆえ、かかる引き抜きの影響を受けることなく、そのまま横坑14内に停留する。5番目の作業としては、保護管アレイから切り離された保護管51が地上側へ運び出される。
図7(A)(B)の作業においては、上記の1番目から5番目の各作業が繰り返されることで、保護管アレイが横坑14内から引き抜かれたり、それで発進立坑12内に露呈した保護管51が保護管アレイから切り離されたり、切り離された保護管51が地上へと運び出されたりするのである。そして、最後の保護管51が横坑14内から抜き取られてそれが地上へと運び出されたとき、ドレイン管敷設工法の主要作業は些末な作業を除きほぼ完了することとなる。
上述した接続保護管51の横坑14内からの撤去については、たとえば、到達立坑13側に引き抜き手段が装備されていたり、発進立坑12側に接続ドレイン管(41・41・41……)の横坑内停留手段が装備されていたりするときなどの場合、到達立坑13側からも実施することができる。
本発明に係る横坑掘削工法によるときは、地中水平方向に沿うトンネル状の横坑について、推進管を介在させながら当該横坑を掘削形成するものであるから、推進管利用という特殊性に依拠して精度の高い良好な横坑を形成することができる。これは横坑をつくるための工事部門で資するところが大きものであるから、産業上の利用可能性が高い。
本発明に係る管敷設工法のうちの複合管敷設でによるときは、良好な横坑を形成してからその良好な横坑内に複合管を敷設するというものである。これは複合管の敷設を難度の高い横坑形成から切り離して行うものであるから、
複合管との
安全かつ正確で施工の容易なドレイン管敷、敷設工期の短縮、敷設工事費の低減などをはかることができるものである。よって、ドレイン管の敷設工法として、産業上の利用可能性が高い。
複合管との
安全かつ正確で施工の容易なドレイン管敷、敷設工期の短縮、敷設工事費の低減などをはかることができるものである。よって、ドレイン管の敷設工法として、産業上の利用可能性が高い。
本発明に係る管敷設工法によるときは、良好なドレイン管と保護管とからる複合管を主体にした工法により、安全かつ正確で施工の容易なドレイン管敷、敷設工期の短縮、敷設工事費の低減などをはかることができるものである。よって、ドレイン管の敷設工法として、産業上の利用可能性が高い。
11 地盤(地山)
12 発進立坑
13 到達立坑
14 横抗
21 推進管
21a 差し込み部
21b 受け入れ部
21c 突起
21d 凹所
22 ネジ(雄ネジ)
23 ネジ(雌ネジ)
24 開口部
25 連結接続具
26a 連結用部
26b 連結用部
27a 突起
27b ネジ
31 複合管
32 カバー
33 締着バンド
34 ビス
41 ドレイン管
42 フィルタ材
43 網体
44 環状凹溝
45 接続外管
46 環状凸起
47 締着バンド
48 接続内管
49 係止爪
51 保護管
52a 雄ネジ
52b 環状凸起
53a 雌ネジ
53b 環状凹所
54 開口部
61 掘削機(掘進機)
62 油圧機構
63 推進ジャッキ
64 推進台押当部
65 反力壁
66 押当部
67 支圧管
68 基板
69 短管
71 保持索条
72 保持板
73 保持板
74 孔
75 孔
76 繋留具
12 発進立坑
13 到達立坑
14 横抗
21 推進管
21a 差し込み部
21b 受け入れ部
21c 突起
21d 凹所
22 ネジ(雄ネジ)
23 ネジ(雌ネジ)
24 開口部
25 連結接続具
26a 連結用部
26b 連結用部
27a 突起
27b ネジ
31 複合管
32 カバー
33 締着バンド
34 ビス
41 ドレイン管
42 フィルタ材
43 網体
44 環状凹溝
45 接続外管
46 環状凸起
47 締着バンド
48 接続内管
49 係止爪
51 保護管
52a 雄ネジ
52b 環状凸起
53a 雌ネジ
53b 環状凹所
54 開口部
61 掘削機(掘進機)
62 油圧機構
63 推進ジャッキ
64 推進台押当部
65 反力壁
66 押当部
67 支圧管
68 基板
69 短管
71 保持索条
72 保持板
73 保持板
74 孔
75 孔
76 繋留具
Claims (17)
- 掘削機を介した地盤掘削により、発進立坑と到達立坑との間の地盤を地中横方向に掘削して前記発進立坑側から前記到達立坑側にわたる地中横方向の横坑を貫通形成すること、および、
前記横坑内に推進管を押し込み介入し、この押し込み介入により前記推進管を前記横坑内の全長にわたって敷設すること、および、
前記横坑内に敷設された前記推進管を前記横坑外に撤去すること
を特徴とする横坑掘削工法。 - 前記横坑内の全長にわたって前記推進管を1回だけ敷設する請求項1に記載された横坑掘削工法。
- 前記横坑内の全長にわたって前記推進管を複数回敷設する請求項1に記載された横坑掘削工法。
- 前記横坑を掘削しているときに、前記横坑内に前記推進管を敷設する請求項1~3のいずれかに記載された横坑掘削工法。
- 前記横坑内に敷設される前記推進管が管状の連結接続具を介して軸方向に連結接続されるものである請求項1~4のいずれかに記載された横坑掘削工法。
- 前記連結接続具が前記推進管に対して脱着自在なものである請求項5に記載された横坑掘削工法。
- 前記発進立坑と前記到達立坑との間の地盤を前記発進立坑側から前記到達立坑側に向けて地中横方向に掘削する請求項1~6のいずれかに記載された横坑掘削工法。
- 前記推進管を前記横坑内に押し込み介入するときと前記推進管を前記横坑内から撤去するときのうちのいずれか一方または両方において、前記推進管の外周面と前記横坑の内周面との間に滑材を介在させる請求項1項~7のいずれかに記載された横坑掘削工法。
- 前記横坑内に敷設された前記推進管を前記横坑の一端部から前記到達立坑側へ押し出しまたは引き抜くことにより当該推進管を前記横坑外に撤去する請求項1項~8のいずれかに記載された横坑掘削工法。
- 掘削機を介した地盤掘削により、発進立坑と到達立坑との間の地盤を地中横方向に掘削して前記発進立坑側から前記到達立坑側にわたる地中横方向の横坑を貫通形成すること、および、
前記横坑内に推進管を押し込み介入し、この押し込み介入により前記推進管を前記横坑内の全長にわたって敷設すること、および、
前記横坑内に敷設された前記推進管を前記横坑外に撤去すること、および、
相対的に内側に位置するドレイン管と相対的に外側に位置する保護管とを備えた複合管を前記横坑内の全長にわたって敷設すること
を特徴とする管敷設工法。 - 掘削機を介した地盤掘削により、発進立坑と到達立坑との間の地盤を地中横方向に掘削して前記発進立坑側から前記到達立坑側にわたる地中横方向の横坑を貫通形成すること、および、
前記横坑を掘削しているときに前記横坑内に推進管を押し込み介入し、この押し込み介入により前記推進管を前記横坑内の全長にわたって敷設すること、および、
前記横坑内に敷設された前記推進管を前記横坑外に撤去すること、および、
相対的に内側に位置するドレイン管と相対的に外側に位置する保護管とを備えた複合管を前記横坑内の全長にわたって敷設すること、および、
前記横坑内に敷設された前記複合管のうちから前記保護管を前記横坑外に撤去することにより、前記ドレイン管を前記横坑内に残留させて当該ドレイン管を前記横坑内の全長にわたって敷設すること
を特徴とする管敷設工法。 - 前記横坑内の全長にわたって前記推進管を1回だけ敷設する請求項10または11に記載された管敷設工法。
- 前記横坑内の全長にわたって前記推進管を複数回敷設する請求項10または11に記載された管敷設工法。
- 前記横坑を掘削しているときにその横坑内に前記推進管を敷設する請求項8項ないし請求項11項のいずれかに記載された管敷設工法。
- 前記横坑内に敷設された前記推進管を前記横坑の一端部から前記到達立坑側へ押し出しまたは引き抜くことにより当該推進管を前記横坑外に撤去する請求項10~14のいずれかに記載された管敷設工法。
- 前記推進管を前記横坑内に押し込み介入するときと前記推進管を前記横坑内から撤去するときのいずれか一方において、前記推進管の外周面と前記横坑の内周面との間に滑材を介在させる請求項10~15のいずれかに記載された管敷設工法。
- 前記推進管を前記横坑内に押し込み介入するときと前記推進管を前記横坑内から撤去するときの両方において、前記推進管の外周面と前記横坑の内周面との間に滑材を介在させる請求項10~15のいずれかに記載された管敷設工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021049321A JP2022147873A (ja) | 2021-03-23 | 2021-03-23 | 横坑掘削工法と管敷設工法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2022147873A true JP2022147873A (ja) | 2022-10-06 |
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Family Applications (1)
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JP2021049321A Pending JP2022147873A (ja) | 2021-03-23 | 2021-03-23 | 横坑掘削工法と管敷設工法 |
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- 2021-03-23 JP JP2021049321A patent/JP2022147873A/ja active Pending
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