JP2022147653A - 流動状油脂組成物および該流動状油脂組成物を用いた食品、並びに油脂組成物の製造方法および流動状油脂組成物を用いた食品の製造方法 - Google Patents

流動状油脂組成物および該流動状油脂組成物を用いた食品、並びに油脂組成物の製造方法および流動状油脂組成物を用いた食品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低温環境下においても流動性を有するハンドリング性と、固形油脂を使用した場合と同等の油染み抑制効果を有しつつ、包装容器等に付着した場合に油脂が固まり白く曇ることを防止すること、を両立し得る油脂組成物を提供すること。【解決手段】本技術では、飽和脂肪酸の含有量が30質量%以下の油脂:85~96.9質量%と、パルミチン酸、ステアリン酸、およびベヘン酸から選択される1以上の飽和脂肪酸の含有量が75質量%以上、上昇融点が50℃以上65℃以下、かつ、HLBが1.2以上5以下の乳化剤:3~10質量%と、極度硬化油:0.1~5質量%と、を含有し、前記乳化剤の含有量≧前記極度硬化油の含有量であり、5℃のSFCが2.0~13.5%、25℃のSFCが2.0~12.5%である、流動状油脂組成物を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、流動状油脂組成物および該流動状油脂組成物を用いた食品、並びに油脂組成物の製造方法および流動状油脂組成物を用いた食品の製造方法に関する。
食品分野において、ハンドリングが良いことから、低温下でも固化せず、流動性のある油脂組成物の開発が望まれている。例えば、特許文献1では、0℃で液状の油脂を10~90質量%、融点5~30℃の油脂を9.9~89.9質量%、炭素数20~24の飽和脂肪酸が全構成脂肪酸の10~75質量%である油脂を0.1~5質量%含有し、25℃において流動性を有することにより、ハンドリング性に優れていて、フライに用いるとサクサクとしたクリスピーな食感と良好な風味のフライ食品を得ることができるフライ用油脂組成物が開示されている。
また、油脂組成物を用いた食品を包装容器等に入れて保管、販売する場合、食品から油が染み出し、包装容器等に油が付着することを抑制する技術の開発も望まれている。例えば、特許文献2では、液状油脂に極度硬化油及び融点が50~70℃であるポリグリセリ脂肪酸エステルが合計量で5~10重量%配合され、固体脂含量が10~25℃の範囲において5~11重量%であり、且つ油脂の固化速度が30℃において10~30分であることにより、液状油脂の欠点である油染みが抑制できるよう適度な固化速度を有しており、かつ、固形状の油脂の欠点である口溶けが良好である、すべての揚げ物を調理するのに適したフライ用油脂が開示されている。
また、特許文献3では、油脂全量に対して、極度硬化油を5.1~35.0重量%の割合で配合することにより、フライ用油脂として使用した場合、フライ後の揚げ物の油乾きが速く、食べた時に油っぽくなく、さらに包装袋に油の付着がなく、商品価値の高いフライ製品が得られる優れたフライ用油脂組成物が開示されている。
このように、食品分野では、低温下でも固化せず、ハンドリングの良好な流動性のある油脂組成物の開発と、油染みを抑制する技術の開発が、それぞれ進められており、近年では、さらに、ハンドリングの向上と油染みの抑制を両立し得る技術の開発も進められている。
例えば、特許文献4では、液状油脂と融点50℃以上の高融点油脂と乳化剤の合計量に対し、高融点油脂を0.5~8重量%、乳化剤を0.05~5重量%含有させることにより、低温でも流動状を有するため取扱性に優れるとともに、経時安定性、加熱安定性に優れた流動状油脂組成物であって、花咲性、食感に優れ、しかも油の滲み出しによる食感低下が少なく、一定期間優れた食感が保持されるフライ、天ぷら等の揚げ物を得ることのできる油脂組成物が提案されている。
特開2005-160453号公報 特開2007-267603号公報 特開2001-69913号公報 特開2002-3883号公報
固形油脂を使用した場合、油染みの抑制効果は高いが流動性を有さない、また包装容器等に油脂が付着した場合、付着した油脂が固まり白く曇るという問題がある。前述の通り、ハンドリングの向上と油染み抑制効果とを両立させるべく技術も開発されつつあるが、更なる技術開発が望まれているのが実情である。
そこで、本技術では、低温環境下においても流動性を有するハンドリング性と、固形油脂を使用した場合と同等の油染み抑制効果を有しつつ、包装容器等に油脂が付着した場合に油脂が固まり白く曇ることを防止すること、を両立し得る油脂組成物を提供することを主目的とする。
本願発明者らは、低温環境下におけるハンドリング性と、油染み抑制効果を有しつつ、包装容器等に油脂が付着した場合に油脂が固まり白く曇ることを防止すること、を両立し得る油脂組成物について鋭意研究を行った結果、特定の油脂と特定の乳化剤とを特定の量用いて、かつ、固体脂含量と粘度を制御することで、低温環境下におけるハンドリング性と油染み抑制効果とを両立させることに成功し、本技術を完成させるに至った。
即ち、本技術では、まず、飽和脂肪酸の含有量が30質量%以下の油脂:85~96.9質量%と、
パルミチン酸、ステアリン酸、およびベヘン酸から選択される1以上の飽和脂肪酸の含有量が75質量%以上、上昇融点が50℃以上65℃以下、かつ、HLBが1.2以上5以下の乳化剤:3~10質量%と、
極度硬化油:0.1~5質量%と、を含有し、
前記乳化剤の含有量≧前記極度硬化油の含有量であり、
5℃のSFCが2.0~13.5%、25℃のSFCが2.0~12.5%であり、
5℃における粘度が180~450mPa・sである、流動状油脂組成物を提供する。
本技術では、次に、本技術に係る流動状油脂組成物が用いられた、食品を提供する。
本発明では、さらに、飽和脂肪酸の含有量が30質量%以下の油脂:85~96.9質量%と、
パルミチン酸、ステアリン酸、およびベヘン酸から選択される1以上の飽和脂肪酸の含有量が75質量%以上、上昇融点が50℃以上65℃以下、かつ、HLBが1.2以上5以下の乳化剤:3~10質量%と、
極度硬化油:0.1~5質量%と、を
前記乳化剤の含有量≧前記極度硬化油の含有量で混合する混合工程を有し、
5℃のSFCが2.0~13.5%、25℃のSFCが2.0~12.5%であり、
5℃における粘度が180~450mPa・sである、流動状油脂組成物を製造する油脂組成物の製造方法を提供する。
本技術に係る油脂組成物の製造方法では、前記混合工程後に、混合物を捏和する捏和工程を行うことができる。
本技術に係る油脂組成物の製造方法における前記捏和工程では、組成物の温度を、10~35℃とすることができる。
本技術では、加えて、飽和脂肪酸の含有量が30質量%以下の油脂:85~96.9質量%と、
パルミチン酸、ステアリン酸、およびベヘン酸から選択される1以上の飽和脂肪酸の含有量が75質量%以上、上昇融点が50℃以上65℃以下、かつ、HLBが1.2以上5以下の乳化剤:3~10質量%と、
極度硬化油:0.1~5質量%と、を含有し、
前記乳化剤の含有量≧前記極度硬化油の含有量であり、
5℃のSFCが2.0~13.5%、25℃のSFCが2.0~12.5%であり、
5℃における粘度が180~450mPa・sである、流動状油脂組成物を用いて、調理する工程を含む、食品の製造方法を提供する。
本技術によれば、低温環境下においても流動性を有するハンドリング性と、固形油脂を使用した場合と同等の油染み抑制効果を有しつつ、包装容器等に油脂が付着した場合に油脂が固まり白く曇ることを防止すること、を両立し得る油脂組成物を提供することができる。
以下、本技術を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。
<流動状油脂組成物>
本技術に係る流動状油脂組成物は、特定の(1)油脂と、特定の(2)乳化剤と、(3)極度硬化油と、を特定の量用いる。また、本技術に係る流動状油脂組成物は、5℃におけるSFC(Solid fat content,固体脂含量)が2.0~13.5%であることを特徴とする。本技術に係る流動状油脂組成物の5℃におけるSFCは、2.0~13.5%であれば本技術の効果を奏することができるが、好ましくは3.0~10.0%、より好ましくは4.5~9.5%である。
また、本技術に係る流動状油脂組成物は、25℃のSFCが2.0~12.5%であることを特徴とする。本技術に係る流動状油脂組成物の25℃におけるSFCは、2.0~12.5%であれば本技術の効果を奏することができるが、好ましくは2.5~10.0%、より好ましくは4.0~9.0%である。
さらに、本技術に係る流動状油脂組成物のその他の温度におけるSFCとしては、0℃のSFCが2.5~14.0%であることが好ましく、3.0~11.0%であることがより好ましく、4.0~10.0%であることがさらに好ましい。また、35℃のSFCが0.1~11.0%であることが好ましく、0.3~9.0%であることがより好ましく、1.5~7.0%であることがさらに好ましい。
なお、本技術において、流動状油脂組成物のSFCは、基準油脂分析法2.2.9-2013 固体脂含量(NMR法)に準じて測定し、分析した値である。
本技術に係る流動状油脂組成物は、5℃における粘度が180~450mPa・sであることを特徴とする。本技術に係る流動状油脂組成物の5℃における粘度は、180~450mPa・sの範囲内であれば、本技術の効果を奏することができるが、好ましくは190~400mPa・s、より好ましくは200~300mPa・sである。
また、本技術に係る流動状油脂組成物のその他の温度における粘度としては、25℃における粘度が60~190mPa・sであることが好ましく、65~100mPa・sであることがより好ましく、70~80mPa・sであることがさらに好ましい。また、35℃における粘度が30~140mPa・sであることが好ましく、40~80mPa・sであることがより好ましく、40~50mPa・sであることがさらに好ましい。以下、各成分について、詳細に説明する。
なお、本技術において、流動状油脂組成物の粘度は、後述する実施例に記載した方法で測定した値である。以下、各成分について、詳細に説明する。
(1)油脂
本技術に係る流動状油脂組成物に用いる油脂は、飽和脂肪酸の含有量が30質量%以下であることを特徴とする。本技術に係る流動状油脂組成物では、飽和脂肪酸の含有量が30質量%以下であれば、流動状油脂組成物に使用可能な油脂を1種または2種以上自由に選択して用いることができる。例えば、菜種油、高オレイン酸菜種油、大豆油、高オレイン酸大豆油、コーン油、ゴマ油、シソ油、亜麻仁油、落花生油、紅花油、高オレイン酸紅花油、綿実油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、アーモンド油、カシューナッツ油、カボチャ種子油、クルミ油、あんず油、椿油、茶実油、エゴマ油、オリーブ油、カラシ油、米油、小麦胚芽油、ボラージ油、アボカド油、カヤ油、ヒマワリ油、高オレイン酸ヒマワリ油、キリ油、カポック油、ヘンプ油、エキウム油、パーム油、魚油、藻類油、トリエチルヘキサノイン、ネオペンタン酸イソデシル、中鎖脂肪酸トリグリセリドなどの合成油脂等を挙げることができる。
なお、本技術において、油脂の飽和脂肪酸の含有量は、基準油脂分析試験法2.4.2.3-2013 脂肪酸組成に準じて、試料をキャピラリーガスクロマトグラフ法で測定し、分析した値である。
また、本技術に係る流動状油脂組成物では、飽和脂肪酸の含有量が30質量%以下の油脂を85~96.9質量%含有することを特徴とする。流動状油脂組成物中の前記油脂の含有量が、85質量%未満の場合、低温環境下において保存した場合のハンドリング性が低下する。一方、流動状油脂組成物中の前記油脂の含有量が、96.9質量%を超える場合、ハンドリング性は向上するが、固形油脂と同等の油染み抑制効果が見られなくなる。
本技術に係る流動状油脂組成物において、飽和脂肪酸の含有量が30質量%以下の油脂の量は、85~96.9質量%の範囲であれば、本技術の効果を奏することができるが、好ましくは87~96.5質量%、より好ましくは90~96質量%、さらに好ましくは91~96質量%である。
本技術に流動状油脂組成物に用いる油脂は、飽和脂肪酸の含有量が30質量%以下であれば、その状態は特に限定されず、常温において液状の油脂と固形の油脂を併用してもよいが、本技術では、常温で液状である油脂を選択することが好ましい。
昨今、環境破壊や不当労働等の問題を抱えるパーム油に対してネガティブなイメージがあり、パーム油を含む加工油脂の使用を控えるなどの影響も出てきている。一方、本技術に係る流動状油脂組成物は、パーム油を用いても良いが、パーム油を用いなくても、前記の効果を得ることが可能である。
(2)乳化剤
本技術に係る流動状油脂組成物に用いる乳化剤は、パルミチン酸、ステアリン酸、およびベヘン酸から選択される1以上の飽和脂肪酸の含有量が75質量%以上、上昇融点が50℃以上65℃以下、かつ、HLB(Hydrophile- Lipophile Balance,親水性親油性バランス)が1.2以上5以下であることを特徴とする。
また、本技術に係る流動状油脂組成物では、パルミチン酸、ステアリン酸、およびベヘン酸から選択される1以上の飽和脂肪酸の含有量が75質量%以上、上昇融点が50℃以上65℃以下、かつ、HLBが1.2以上5以下の乳化剤を、3~10質量%含有することを特徴とする。流動状油脂組成物中の前記乳化剤の含有量が、3質量%未満の場合、固形油脂と同等の油染み抑制効果が得られない。一方、流動状油脂組成物中の前記乳化剤の含有量が、10質量%を超える場合、低温環境下において保存した場合のハンドリング性が低下する。
本技術に係る流動状油脂組成物において、パルミチン酸、ステアリン酸、およびベヘン酸から選択される1以上の飽和脂肪酸の含有量が75質量%以上、上昇融点が50℃以上65℃以下、かつ、HLBが1.2以上5以下の乳化剤の量は、3~10質量%の範囲であれば、本技術の効果を奏することができるが、好ましくは3~8質量%、より好ましくは3~7質量%、さらに好ましくは4~6質量%である。
本技術に係る流動状油脂組成物に用いる乳化剤の上昇融点は、50℃以上65℃以下の範囲であれば、本技術の効果を奏することができるが、好ましくは53℃以上60℃以下である。
本技術に係る流動状油脂組成物に用いる乳化剤のHLBは、1.2以上5以下の範囲であれば、本技術の効果を奏することができるが、好ましくは1.5以上4以下、より好ましくは1.5以上3以下である。
本技術に用いる乳化剤には、パルミチン酸、ステアリン酸、およびベヘン酸から選択される1以上の飽和脂肪酸を合計で75質量%以上が含まれることを特徴とするが、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。また、この中でもパルミチン酸および/またはステアリン酸を乳化剤に含むことが好ましい。ベヘン酸に比べて、パルミチン酸やステアリン酸は融点が低いため、パルミチン酸および/またはステアリン酸を含む乳化剤を用いることで、流動状油脂組成物の流動性を、より向上させることができる。
乳化剤にベヘン酸を含有する場合、乳化剤におけるベヘン酸の含有量は、85質量%以下であることが好ましい。
本技術に用いる乳化剤には、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸以外の飽和脂肪酸を含有することも可能である。乳化剤における全ての飽和脂肪酸の合計含有量は、本技術の効果を損なわない限り特に限定されないが、本技術では、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。
本技術に係る流動状油脂組成物に用いる乳化剤の種類は、パルミチン酸、ステアリン酸、およびベヘン酸から選択される1以上の飽和脂肪酸の含有量が75質量%以上、上昇融点が50℃以上65℃以下、かつ、HLBが1.2以上5以下の乳化剤であれば、特に限定されないが、本技術では、特に、グリセリン脂肪酸エステルを用いることが好ましい。
(3)極度硬化油
本技術に係る流動状油脂組成物には、極度硬化油を含有させることができる。極度硬化油を含有させることで、食品に用いた場合に、食感(サクミ)やコクを付与することができる。極度硬化油は、米油、菜種油、ハイエルシン菜種油、大豆油、コーン油、サフラワー油、ヒマワリ油、綿実油、パーム油、牛脂、豚脂、ヒマシ油等の1種又は2種以上を組み合わせの油脂を水素添加して、固体脂含量が20℃において50%以上にした硬化油である。
また、本技術に係る流動状油脂組成物では、極度硬化油を0.1~5質量%含有することを特徴とする。流動状油脂組成物中の極度硬化油の含有量が、0.1質量%未満の場合、油染み抑制効果やコク付与効果が低下する。一方、流動状油脂組成物中の前記極度硬化油の含有量が5質量%を超える場合、ハンドリング性が低下し、包装容器等に油脂が付着した場合に油脂が固まり、白く曇る問題が発生する。
本技術に係る流動状油脂組成物において、極度硬化油の量は、0.1~5質量%の範囲であれば、本技術の効果を奏することができるが、好ましくは0.5~6質量%、より好ましくは1~5質量%、さらに好ましくは2~4.5質量%である。
本技術に係る流動状油脂組成物において、前記乳化剤と前記極度硬化油は、前記乳化剤の含有量≧前記極度硬化油の含有量となるように配合することを特徴とする。前記乳化剤を前記極度硬化油より多く配合することで、油の染み出しを防止することができる。一方、前記極度硬化油を前記乳化剤より多く配合すると、油染み抑制効果が得難くなる。この原因として、油脂を包括する乳化剤の増粘効果と、油脂とのネットワーク構造バランスが崩れることが推測される。
(4)その他
本技術に係る流動状油脂組成物は、前述した(1)油脂、(2)乳化剤、および(3)極度硬化油脂の他に、一般的な油脂組成物に用いられている材料や各種添加剤を1種又は2種以上、自由に組み合わせて用いることができる。例えば、保存安定性向上、酸化安定性向上、熱安定性向上、低温化での結晶抑制などを目的とした添加剤を配合することもできる。具体的には、例えば、トコフェロール、アスコルビン酸脂肪酸エステル、リグナン、茶抽出物、コエンザイムQ、オリザノール等の抗酸化剤、β-カロテン等の色素、香料、シリコーン、乳化剤(前記(2)乳化剤を除く)等の添加剤が挙げられる。
(5)用途
本技術に係る流動状油脂組成物は、食品分野、スキンケア、メイクアップ、ヘアケア、フレグランスなどの化粧品分野、およびグリスなどの工業用分野等で用いることができる。本技術に係る流動状油脂組成物は、低温環境下においても流動性を有しているため、全ての分野において、優れたハンドリング性を発揮することができる。
また、食品分野で本技術に係る流動状油脂組成物を用いる場合、練り込み用やフライ用の流動状油脂組成物として好適に用いることができる。本技術に係る流動状油脂組成物をフライ用の流動状油脂組成物として用いる場合、油の染み出しを防止し、包装容器等に油脂が付着した場合に油脂が固まり白く曇ることも防止するのに加えて、フライの食感(サクミ)を向上させることができる。また、本技術に係る流動状油脂組成物を製菓の練り込み用油脂として利用した場合、油の染み出し防止に加え、しっとり感を向上させることができる。さらに、ネギトロなどに練り込み用油脂として使用した場合、油の染み出し防止に加え、コクを向上させることができる。
(6)流動状油脂組成物の製造方法
本技術に係る流動状油脂組成物は、前述した流動状油脂組成物に用いる原料を撹拌して混合することによって製造することができる。混合および撹拌は、油脂を加温した状態で実施することが望ましい。また、混合および撹拌は、加圧、減圧、常圧下で実施することが可能であり、ある態様では、常圧下で混合を行うこともできる。
本発明に係る流動状油脂組成物を製造する装置は、特に限定されないが、例えば、撹拌機、加熱用や冷却用のジャケットなどを備えた加温や冷却が可能な撹拌槽、邪魔板等を備えた通常の撹拌・混合装置を用いることができる。回転数、撹拌時間などの撹拌条件は、原材料が均一に混合されれば、特に制限されない。撹拌機における撹拌翼の形状は特に制限されないが、例えば、プロペラ型、かい十字型、ファンタービン型、ディスクタービン型またはいかり型などとすることができる。
練り込み用油脂として利用する場合、マーガリンやショートニング等を製造する急冷捏和装置(パーフェクターやコンビネーター等)にて急冷・練り合わせを行う捏和工程を行い、油脂の結晶を微細にして組織を均一化することが望ましい。この捏和工程により一定の粘度が付与されるため、低温~室温に油脂組成物を保管しても粘度変化が少なく、良好な作業性が付与される。また、ネギトロ等に利用する場合、食品のボディ感やコクが増強される。この場合、本技術では、捏和工程において、例えば、急冷捏和を行うことにより、捏和工程中の組成物の温度を、10~35℃にすることが好ましく、10~20℃とすることがより好ましい。
<食品、食品の製造方法>
本技術に係る食品は、前述した本技術に係る流動状油脂組成物を用いることを特徴とする。本技術に係る食品の製造方法は、前述した本技術に係る流動状油脂組成物を用いて調理する工程を含む方法である。本技術に係る食品は、食品からの油染みが抑制されることを特徴とする。また、フライ食品の場合、良好な食感(サクミ)を備えることを特徴とする。さらに、本技術に係る流動状油脂組成物を練り込み用油脂として利用した製菓の場合、良好なしっとり感を備えた製菓となる。加えて、本技術に係る流動状油脂組成物を練り込み用油脂として利用したネギトロなどの食品の場合、良好なコクを備えた食品となる。
本技術に係る食品としては、本技術の効果を損なわない限り、あらゆる種類の食品に適用することができる。例えば、本技術に係る流動状油脂組成物をそのまま用い、必要に応じて他の材料と混ぜた食品(ドレッシング、飲料、調味料など)、本技術に係る流動状油脂組成物を炒め油として用いた食品(野菜類、きのこ類、獣肉類、魚介類、麺類、米飯類等を炒めたもの)、本技術に係る流動状油脂組成物を練り込み用油として用いた食品(野菜類、きのこ類、獣肉類、魚介類等を用いた加工食品、パン類、菓子類、麺類、アイスクリーム類、クリーム類、揚げ物類等)、本技術に係る流動状油脂組成物をフライ用油として用いた食品(野菜類、きのこ類、獣肉類、魚介類、麺類、米飯類等に衣などをつけて油ちょうしたもの)、炊飯油として用いた米飯等を挙げることができる。
<食品の油染みを抑制する方法>
本技術に係る方法は、前述した本技術に係る流動状油脂組成物を用いて、調理することにより、食品からの油の染み出しを抑制する方法である。本技術において、調理の方法は特に限定されず、例えば、混ぜる、炒める、練り込む、揚げる、塗布する、練り込んだり塗布したりした状態で加熱する等、様々な調理方法を採用することができる。
以下、実施例に基づいて本技術を更に詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本技術の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。
<実験例1>
実験例1では、フライ用油脂としてコロッケを製造した場合に、フライ用油脂に用いる乳化剤の種類、油脂、乳化剤、および極度硬化油の量、並びにSFC、粘度が、各種効果に影響するかについて検証した。
(1)流動状油脂組成物の製造
下記の表2および表3に示す配合で、乳化剤および油をそれぞれ混合・撹拌し、油脂組成物を製造した。なお、本実験例では、固形油脂(「プレミックスオイルS」昭和産業株式会社:常温で固形)を用いた例を、参考例1とした。また、油脂の一例として菜種油(飽和脂肪酸の含有量:6.4質量%)を、各乳化剤は、下記の表1に記載の市販品を使用した。なお、乳化剤中の飽和脂肪酸含有量および飽和脂肪酸の分析は、以下の方法で分析した。
[乳化剤の飽和脂肪酸含有量および飽和脂肪酸の分析方法]
基準油脂分析試験法2.4.2.3-2013 に準じて、試料をキャピラリーガスクロマトグラフ法で測定した。
Figure 2022147653000001
(2)測定
油脂組成物のSFCについて、前述した方法で測定を行った。
また、油脂組成物の粘度について、下記の方法に従って測定した。
[粘度(動的粘弾性)]
動的粘弾性測定には、AntonPaar社製 Modular Compact Rheometer MCR102を用いた。治具は40mm平行板治具、回転数60rpm、試料の温度を45℃から5℃まで1分間に3℃ずつ冷却させて、試料のせん断粘度(mPa・s)を測定した。
(3)コロッケの製造
製造した油脂組成物をフライ用油脂として用いて、市販の冷凍コロッケ(「北海道の味男爵コロッケ野菜」サンマルコ食品株式会社)を180℃で5分間油ちょうし、コロッケを製造した。
(4)評価
製造した各コロッケの油染み、および5℃にて1週間静置させた後の油脂組成物の流動性について、下記の評価基準に基づき、評価を行った。
[油染み]
油ちょう後30分経過したコロッケの重さを測定した後、ろ紙の上にコロッケを静置(25℃、24時間)し、24時間後のコロッケの重さを測定し、ろ紙への油染み量を求めた。下記の数式に基づいて、油染みを評価した。
試験例のサンプルの油染み量/参考例のサンプルの油染み量
3点:1.0以上1.5未満(良好)
2点:1.5以上2.0未満(やや良好)
1点:2.0以上(悪い)
[流動性(5℃、1週間後)]
縦140mm、横100mm、厚さ0.08mmのチャック付ポリ袋(ユニパック:E-8)にサンプル100gを入れ、5℃に1週間静置させた。1週間経過したサンプルを常温に1分間出した後の流動性について、以下の基準に基づいて、3名の専門パネルの合議で決定した点数を評価点とした。
3点:緩やか~液体油と同様の流動性
2点:やや緩やかな流動性
1点:固化
(5)結果
結果を下記表2および表3に示す。
Figure 2022147653000002
Figure 2022147653000003
(6)考察
表2に示す通り、飽和脂肪酸の含有量が30質量%以下の油脂:85~96.9質量%と、パルミチン酸、ステアリン酸、およびベヘン酸から選択される1以上の飽和脂肪酸の含有量が75質量%以上、上昇融点が50℃以上65℃以下、かつ、HLBが1.2以上5以下の乳化剤:3~10質量%と、極度硬化油:0.1~5質量%と、を含有し、5℃のSFCが2.0~13.5%、25℃のSFCが2.0~12.5%であり、5℃における粘度が180~450mPa・sである、流動状油脂組成物を用いた実施例1~19は、油染み、および5℃にて1週間静置させた後の油脂組成物の流動性の両方において、良好な結果であった。また、油ちょう後30分経過したコロッケを24時間保存した後のポリ袋は、付着した油脂により内側が白く曇ることもなかった。
一方、極度硬化油の含有量が5質量%を超える比較例1、乳化剤の含有量が3質量%より少なく、乳化剤の含有量より極度硬化油の含有量が多い比較例2、HLBが1.2未満の乳化剤Dを用いた比較例5、および上昇融点が65℃を超える乳化剤Eを用いた比較例6は、油染みの結果が不良であった。極度硬化油を用いず乳化剤の含有量が10質量%を超える比較例3、5℃のSFCが13.5%を超え、25℃のSFCが12.5%を超える比較例4、5℃における粘度が450mPa・sを超える比較例7および8、極度硬化油を用いず、5℃における粘度が450mPa・sを超える比較例9および10は、5℃にて1週間静置させた後の油脂組成物の流動性の結果が不良であった。
実施例の中で比較すると、5℃におけるSFCが3.0%未満の実施例1、14、および15に比べて、3.9%の実施例2の方が、油染みの結果が良好であった。また、5℃におけるSFCが10%を超える実施例12および13に比べて、9.1%の実施例10の方が、5℃にて1週間静置させた後の油脂組成物の流動性の結果が良好であった。これらの結果から、5℃におけるSFCは、2.0~13.5%であれば本技術の効果を奏することができるが、好ましくは3.0~10.0%であることが分かった。
乳化剤の量が比較的に多い実施例3~5に比べて、乳化剤の量が4質量%の実施例2の方が、5℃にて1週間静置させた後の油脂組成物の流動性の結果が良好であった。
乳化剤の含有量と極度硬化油の含有量が同一の実施例11に比べて、極度硬化油の含有量より乳化剤の含有量の方が多い実施例6~10および12~13の方が、油染みの結果が良好であった。
乳化剤Bまたは乳化剤Cを用いた実施例14および15に比べて、パルミチン酸、ステアリン酸、およびベヘン酸から選択される1以上の飽和脂肪酸の含有量および乳化剤における全ての飽和脂肪酸の含有量の多い乳化剤Aを用いた実施例1の方が、5℃にて1週間静置させた後の油脂組成物の流動性の結果が良好であった。
<実験例2>
実験例2では、練り込み用油脂としてマフィンを製造した場合の各種効果への影響について検証した。
(1)マフィンの製造
下記表4に示す材料を用いて、マフィンを製造した。具体的には、ミキサーを用い、原料のうちAを1分半ミキシングし、B(油脂は45℃に調温)を投入後、3分ミキシングして生地を調製した。生地の捏上温度は23±2℃で調整した。調製した生地80gを型に分注し、オーブンを用いて180℃で28分焼成して、マフィンを製造した。なお、本実験例では、油脂としてサラダ油(昭和産業株式会社)を用いた例を参考例2、油脂として市販のショートニング(流動性油脂)(「パスキーG」月島食品工業株式会社)を用いた例を参考例3とした。また、試験例1~3で用いた油脂は、表5に示す通りである。
Figure 2022147653000004
(2)評価
原料Aと原料Bを混合する際の作業性、製造したマフィンの食感(しっとり感、ざらつき、ねちゃつき)について、下記の評価基準に基づき、評価を行った。なお、作業性については、5名の専門パネルの合議で決定した点数を評価点とし、各食感については、10名の専門パネルで評価した平均値を評価点とした。
[作業性]
5点:原料のAとBを混合する際、参考例2より原料Bの分散性が非常に良く、作業性が良好
4点:原料のAとBを混合する際、参考例2より原料Bの分散性が良く、作業性がやや良好
3点:原料のAとBを混合する際の作業性が、参考例2と同等
2点:原料のAとBを混合する際、参考例2より原料Bの分散性がやや悪く、作業性がやや悪い
1点:原料のAとBを混合する際、参考例2より原料Bの分散性が悪く、作業性が悪い
[しっとり感]
5点:参考例2より非常にしっとりしており、非常に良好
4点:参考例2よりしっとり感があり、良好
3点:参考例2と同等
2点:参考例2より、ややしっとり感が劣り、悪い
1点:参考例2より、ぱさつき、非常に悪い
[ざらつき]
5点:参考例2より、ざらつきがない
4点:参考例2より、ややざらつきを感じ難い
3点:参考例2と同等
2点:参考例2より、ややざらつきを感じる
1点:参考例2より、ざらつきがある
[ねちゃつき]
5点:参考例2より、ねちゃつきがない
4点:参考例2より、ややねちゃつきを感じ難い
3点:参考例2と同等
2点:参考例2より、ややねちゃつきを感じる
1点:参考例2より、ねちゃつきがある
(3)結果
結果を下記表5に示す。
Figure 2022147653000005
(4)考察
表5に示す通り、実施例2、8、および16の油脂を用いた試験例1~3は、サラダ油を用いた参考例2より作業性が良好で、ショートニングを用いた参考例3と同等の作業性であった。実施例2、8、および16の油脂を用いた試験例1~3のしっとり感、およびねちゃつきに関しては、サラダ油を用いた参考例2、およびショートニングを用いた参考例3より、良好であった。実施例2、8、および16の油脂を用いた試験例1~3のざらつきに関しては、ショートニングを用いた参考例3より良好であり、サラダ油を用いた参考例2と同等であった。
<実験例3>
実験例3では、練り込み用油脂としてネギトロを製造した場合の各種効果への影響について検証した。
(1)流動状油脂組成物の製造
前記実験例1の実施例8、または10の割合で、それぞれの油脂と乳化剤を調合し、70℃で完全に融解させた後、急冷捏和装置で急冷捏和した。急冷捏和装置として、プライミクス株式会社製のAGI HOMOMIXER 2M-1を使用し、冷媒温度-5℃、パドルミキサー150rpm、ホモミキサー7000rpmの条件で、60℃から15℃まで冷却して、流動性油脂組成物を製造した。
(2)ネギトロの製造
冷凍メバチマグロをブロック状に切断し、スジが多い部分は切り捨て、半解凍させた。フードプロセッサーに、半解凍したマグロ70質量%、水15質量%を加えて20秒間撹拌した。各油脂15質量%を加え、手混ぜして、ネギトロを製造した。なお、本実験例では、油脂としてサラダ油(昭和産業株式会社)を用いた例を参考例4、油脂として市販の半固形油脂(「コートオイルP」丸和油脂株式会社)を用いた例を参考例5とした。
(3)評価
製造したネギトロの保形性、食感、および味について、10名の専門パネルが下記の評価基準に基づき評価を行い、平均値を評価点とした。
[保形性]
製造したネギトロを絞り袋から約15g絞りだし、25℃で1時間静置させたネギトロの保形性について評価した。
3点:ダレがなく、ほとんど形が崩れていない
2点:やや形が崩れ、少しダレている
1点:形が崩れ、かなりダレている
[食感]
3点:適度な硬さがあり、ボディ感を感じ、好ましい
2点:やや硬さがあり、やや好ましい
1点:軟らかく、ボディ感がなく、悪い
[味]
3点:コクがあり、好ましい
2点:ややコクが感じられ、やや好ましい
1点:すっきりしており、物足りない
(4)結果
結果を下記表6に示す。
Figure 2022147653000006
(4)考察
表6に示す通り、実施例8、および10の油脂を用いた試験例4、および5は、サラダ油を用いた参考例4より保形性、食感、および味全てにおいて良好で、半固形油脂を用いた参考例5より保形性は優れており、食感、および味は同等またはそれ以上の評価であった。また、試験例4および5は、参考例4および5に比べて、室温でネギトロを静置させてもダレにくいことから、作業性もよかった。この結果から、本技術に係る流動状油脂組成物は、温度変化に対して、物性(粘度)変化が起こりにくいことが確認できた。

Claims (6)

  1. 飽和脂肪酸の含有量が30質量%以下の油脂:85~96.9質量%と、
    パルミチン酸、ステアリン酸、およびベヘン酸から選択される1以上の飽和脂肪酸の含有量が75質量%以上、上昇融点が50℃以上65℃以下、かつ、HLBが1.2以上5以下の乳化剤:3~10質量%と、
    極度硬化油:0.1~5質量%と、を含有し、
    前記乳化剤の含有量≧前記極度硬化油の含有量であり、
    5℃のSFCが2.0~13.5%、25℃のSFCが2.0~12.5%であり、
    5℃における粘度が180~450mPa・sである、流動状油脂組成物。
  2. 請求項1に記載の流動状油脂組成物が用いられた、食品。
  3. 飽和脂肪酸の含有量が30質量%以下の油脂:85~96.9質量%と、
    パルミチン酸、ステアリン酸、およびベヘン酸から選択される1以上の飽和脂肪酸の含有量が75質量%以上、上昇融点が50℃以上65℃以下、かつ、HLBが1.2以上5以下の乳化剤:3~10質量%と、
    極度硬化油:0.1~5質量%と、を
    前記乳化剤の含有量≧前記極度硬化油の含有量で混合する混合工程を有し、
    5℃のSFCが2.0~13.5%、25℃のSFCが2.0~12.5%であり、
    5℃における粘度が180~450mPa・sである、流動状油脂組成物を製造する油脂組成物の製造方法。
  4. 前記混合工程後に、混合物を捏和する捏和工程を行う、請求項3に記載の油脂組成物の製造方法。
  5. 前記捏和工程における組成物の温度を、10~35℃とする、請求項4に記載の油脂組成物の製造方法。
  6. 飽和脂肪酸の含有量が30質量%以下の油脂:85~96.9質量%と、
    パルミチン酸、ステアリン酸、およびベヘン酸から選択される1以上の飽和脂肪酸の含有量が75質量%以上、上昇融点が50℃以上65℃以下、かつ、HLBが1.2以上5以下の乳化剤:3~10質量%と、
    極度硬化油:0.1~5質量%と、を含有し、
    前記乳化剤の含有量≧前記極度硬化油の含有量であり、
    5℃のSFCが2.0~13.5%、25℃のSFCが2.0~12.5%であり、
    5℃における粘度が180~450mPa・sである、流動状油脂組成物を用いて、調理する工程を含む、食品の製造方法。
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