JP2022145394A - 積層体の製造方法、シートの製造方法、およびシート - Google Patents

積層体の製造方法、シートの製造方法、およびシート Download PDF

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Abstract

【課題】熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーと無機フィラーを含み、熱伝導率の高いシートの製造方法を提供すること。【解決手段】基材の表面に熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子を含むテトラフルオロエチレン系ポリマーの粉体とアスペクト比が1超の無機フィラーとを含む層を形成し、前記粉体の焼成物と前記無機フィラーとを含む層を形成する、いずれかの過程で、層と前記基材とを押圧する、基材と前記基材の表面に形成された前記焼成物および前記無機フィラーを含む層とを有する積層体の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、所定のテトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の焼成物とアスペクト比が1超の無機フィラーを含む層を有する積層体の製造方法、前記焼成物と前記無機フィラーを含むシートの製造方法および前記焼成物と前記無機フィラーを含むシートに関する。
テトラフルオロエチレン系ポリマーは、電気絶縁性、撥水撥油性、耐薬品性、耐熱性等の物性に優れており、電子機器用部品、自動車用部品等に広く利用されている。特にテトラフルオロエチレン系ポリマーは、その低誘電性や低誘電正接性を生かして、塗膜、積層体、シートまたはフィルム等の形態で、各種電子部材として使われている。
一方、電子部品は高密化、高集積化および高出力化の傾向にあり、これら電子部品からの発熱対策が重要となっている。特に、LEDなどのパワー半導体は、発熱量が多いことから、放熱性能の向上が特に重要である。
特許文献1および2には、テトラフルオロエチレン系ポリマーと窒化ホウ素フィラーを含む粉体組成物を射出成形したシートが開示され、シートの熱伝導性を向上させる試みが提案されている。
国際公開第2020/045260号 国際公開第2021/010320号
しかしながら電気機器の高機能化により、その消費電力が増大し、電子部品に求められる放熱性の要求はますます高くなっている。特許文献1および2に開示されているシートも、その放熱性は未だ充分とは言えない。
本発明者らは熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーと無機フィラーを含み、熱伝導率の高いシートの開発を目的に、無機フィラーが高度に配向する製造方法について検討し本発明の完成に至った。
本発明は、熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーと無機フィラーを含む層の無機フィラーの配向を改良し、熱伝導率の高い層を有する積層体および該層からなるシートを与える製造方法と熱伝導率の高いシートを提供する。
[1]
基材の表面に熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子を含むテトラフルオロエチレン系ポリマーの粉体とアスペクト比が1超の無機フィラーとを含む層を形成し、前記粉体の焼成物と前記無機フィラーとを含む層を形成する、いずれかの過程で、層と前記基材とを押圧する、基材と前記基材の表面に形成された前記焼成物および前記無機フィラーを含む層とを有する積層体の製造方法。
[2]
前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粉体が、熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と非熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子とを含む前記[1]に記載の製造方法。
[3]
前記熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーが、カルボニル基含有基または水酸基含有基を有する、溶融温度が200℃以上320℃以下のテトラフルオロエチレン系ポリマーである前記[1]または[2]に記載の製造方法。
[4]
前記層中の前記熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーと前記無機フィラーとの含有質量比が、前記熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの含有質量を1として前記無機フィラーの含有質量が0.2から2である前記[1]から[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]
前記熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の平均粒子径が、前記無機フィラーの平均粒子径より小さい前記[1]から[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]
前記熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と無機フィラーを含む層中の前記無機フィラーの含有量が60質量%以下である前記[1]から[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]
前記無機フィラーが窒化ホウ素または酸化ケイ素の少なくとも1種を含む前記[1]から[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8]
前記粉体と無機フィラーを含む層が、さらにシランカップリング剤を含む前記[1]から[7]のいずれかに記載の製造方法。
[9]
前記粉体と無機フィラーを含む層と前記基材とを押圧する前記[1]から[8]のいずれかに記載の製造方法。
[10]
前記押圧の圧力が0.2MPa以上10MPa以下である前記[1]から[9]のいずれかに記載の製造方法。
[11]
前記押圧の温度が前記熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの溶融温度以下である前記[1]から[10]のいずれかに記載の製造方法。
[12]
基材の表面に前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粉体と前記無機フィラーと液状分散媒を含む液状組成物をコーティングし、少なくとも一部の液状分散媒を除去して、前記粉体と前記無機フィラーを含む層を形成する前記[1]から[11]のいずれかに記載の製造方法。
[13]
前記液状組成物がさらにシランカップリング剤を含む前記[12]に記載の製造方法。
[14]
基材の表面に熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子を含むテトラフルオロエチレン系ポリマーの粉体とアスペクト比が1超の無機フィラーを含む層を形成し、前記粉体の焼成物と前記無機フィラーを含む層を形成する、いずれかの過程で、層と前記基材とを押圧して、基材と前記基材の表面に形成された前記焼成物および前記無機フィラーを含む層とを有する積層体を得、前記基材を除去する、前記焼成物と前記無機フィラーとを含むシートの製造方法。
[15]
熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子を含むテトラフルオロエチレン系ポリマーの粉体の焼成物とアスペクト比が1超の無機フィラーとを含む、厚さが50μm以上であり、熱伝導率が5W/m・K超であるシート。
本発明によれば、テトラフルオロエチレン系ポリマーと無機フィラーを含む層の無機フィラーの配向を改良し、熱伝導率の高い層を有する積層体および該層からなるシートが製造できる。さらに本発明によればテトラフルオロエチレン系ポリマーと無機フィラーを含む熱伝導率の高いシートが提供される。
以下の用語は、以下の意味を有する。
「熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマー」とは、テトラフルオロエチレン(以下、TFEとも記す)に基づく単位(以下、TFE単位とも記す)を含むポリマーであり、荷重49Nの条件下、ポリマーの溶融温度よりも20℃以上高い温度において、溶融流れ速度が1から1000g/10分となる温度が存在する溶融流動性のポリマーを意味する。
「非熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマー」とは、TFE単位を含むポリマーであり、荷重49Nの条件下、溶融流れ速度が1g/10分を超える温度が存在しない非溶融流動性のポリマーを意味する。
「ポリマーのガラス転移点(Tg)」は、動的粘弾性測定(DMA)法でポリマーを分析して測定される値である。
「ポリマーの溶融温度(融点)」は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定した融解ピークの最大値に対応する温度である。
「D50」は、粒子または無機フィラーの平均粒子径であり、レーザー回折・散乱法によって求められる粒子または無機フィラーの体積基準累積50%径である。すなわち、レーザー回折・散乱法によって粒子または無機フィラーの粒度分布を測定し、粒子またはフィラーの集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で累積体積が50%となる点の粒子径である。
「D90」は、粒子または無機フィラーの累積体積粒径であり、「D50」と同様にして求められる粒子の体積基準累積90%径である。
「粘度」は、B型粘度計を用いて、室温下(25℃)で回転数が30rpmの条件下で液状組成物について測定される値である。測定を3回繰り返し、3回分の測定値の平均値とする。
「チキソ比」とは、液状組成物を回転数が30rpmの条件で測定して求められる粘度を回転数が60rpmの条件で測定して求められる粘度で除して算出される値である。
「モノマーに基づく単位」とは、モノマーの重合により形成された前記モノマーに基づく原子団を意味する。単位は、重合反応によって直接形成された単位であってもよく、ポリマーを処理することによって前記単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。以下、モノマーaに基づく単位を、単に「モノマーa単位」とも記す。
本発明の製造方法(以下、本法とも記す。)は基材の表面に熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマー(以下、「溶融Fポリマー」とも記す。)の粒子(以下、溶融粒子とも記す。)を含むテトラフルオロエチレン系ポリマー(以下、「Fポリマー」とも記す。)の粉体(以下、本粉体とも記す。)とアスペクト比が1超の無機フィラー(以下、本無機フィラーとも記す。)を含む層を形成し、本粉体の焼成物と前記無機フィラーを含む層を形成する、いずれかの過程で、層と前記基材とを押圧する、基材と前記基材の表面に形成された前記焼成物および前記無機フィラーを含む層とを有する積層体(以下、本積層体とも記す。)を得る方法である。
本粉体は、溶融粒子を含む、粒子の集合体であり、溶融粒子のみからなってもよく、溶融粒子と他の粒子を含んでもよい、他の粒子としては非熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマー(以下、「非溶融Fポリマー」とも記す。)の粒子(以下、「非溶融粒子」とも記す。)が好ましく、溶融粒子と非溶融粒子とを含むのが好ましい。
後者の場合、層と基材の押圧における非熱溶融性Fポリマーのフィブリル化の進行により無機フィラーが層中に担持されやすくなり、層の強度がさらに向上しやすい。
この場合の本粉体の総量に占める非溶融粒子の含有量は、50質量%以上が好ましい。
非溶融Fポリマーは、非熱溶融性ポリテトラフルオロエチレンが好ましい。
非溶融粒子のD50は、0.1から1μmが好ましい。
本粉体が溶融粒子と非溶融粒子の集合体の場合、本粉体中の溶融粒子と非溶融粒子の含有量は、本粉体の質量を100質量%として、溶融粒子と非溶融粒子の含有量の合計質量は100質量%が好ましい。
本粉体が溶融粒子と非溶融粒子の集合体の場合、本粉体中の溶融粒子の含有量は、溶融粒子と非溶融粒子の含有量の合計質量を100質量%として、5から80質量%が好ましく、10から60質量%がより好ましい。
溶融Fポリマーの溶融温度は200℃以上が好ましく、溶融Fポリマーの溶融温度は250℃以上がより好ましく、280℃以上がさらに好ましい。成形性の観点から320℃以下が好ましい。
溶融Fポリマーのガラス転移点は、30から150℃が好ましく、75から125℃がより好ましい。
溶融Fポリマーとしては、TFE単位とペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)(以下、PAVEとも記す)に基づく単位(以下、PAVE単位とも記す)を含むポリマー(以下、PFAとも記す)またはTFE単位とヘキサフルオロプロピレンに基づく単位を含むコポリマー(以下、FEPとも記す)が好ましく、PFAが特に好ましい。これらのポリマーには、さらに他のコモノマーに基づく単位が含まれていてもよい。
PAVEとしては、CF2=CFOCF3、CF2=CFOCF2CF3またはCF2=CFOCF2CF2CF3(以下、PPVEとも記す)が好ましく、PPVEがより好ましい。
溶融Fポリマーは、極性官能基を有するのが好ましい。極性官能基を有する溶融Fポリマーは後述する基板との接着性や、積層体の剥離強度や耐水性等の信頼性を一層向上させやすい。
極性官能基は、溶融Fポリマー中のモノマー単位に含まれていてもよく、溶融Fポリマーの主鎖の末端基に含まれていてもよい。後者の態様としては、重合開始剤、連鎖移動剤等に由来する末端基として極性官能基を有する溶融Fポリマー、溶融Fポリマーをプラズマ処理や電離線処理して得られる極性官能基を有する溶融Fポリマーが挙げられる。
極性官能基は、水酸基含有基またはカルボニル基含有基が好ましく、カルボニル基含有基が特に好ましい。
水酸基含有基は、アルコール性水酸基を含有する基が好ましく、-CF2CH2OHまたは-C(CF3)2OHがより好ましい。
カルボニル基含有基は、カルボニル基(>C(O))を含む基であり、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アミド基、イソシアネート基、カルバメート基(-OC(O)NH2)、酸無水物残基(-C(O)OC(O)-)、イミド残基(-C(O)NHC(O)-等)またはカーボネート基(-OC(O)O-)が好ましく、酸無水物残基が特に好ましい。
溶融Fポリマーの好適な態様としては、TFE単位およびPAVE単位を含み、極性官能基を有するポリマー(1)、または、TFE単位およびPAVE単位を含み、全モノマー単位に対してPAVE単位を2.0から5.0モル%含み、極性官能基を有さないポリマー(2)が挙げられ、ポリマー(1)が好ましい。これらのポリマーは、製品中において微小球晶を形成するため、得られる製品の特性が向上しやすい。
ポリマー(1)は、TFE単位と、PAVE単位と、水酸基含有基またはカルボニル基含有基を有するモノマーとを含むポリマーが好ましい。ポリマー(1)は、全単位に対して、TFE単位を90から99モル%、PAVE単位を0.5から9.97モル%、および前記モノマーに基づく単位を0.01から3モル%、それぞれ含むのが好ましい。
また、前記モノマーは、無水イタコン酸、無水シトラコン酸または5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物(別称:無水ハイミック酸;以下、「NAH」とも記す。)が好ましい。
ポリマー(1)の具体例としては、国際公開第2018/16644号に記載されるポリマーが挙げられる。
ポリマー(2)は、TFE単位およびPAVE単位のみからなり、全モノマー単位に対して、TFE単位を95.0から98.0モル%、PAVE単位を2.0から5.0モル%含有するのが好ましい。
ポリマー(2)におけるPAVE単位の含有量は、全モノマー単位に対して、2.1モル%以上が好ましく、2.2モル%以上がより好ましい。
なお、ポリマー(2)が極性官能基を有さないとは、ポリマー主鎖を構成する炭素原子数の1×106個あたりに対して、ポリマーが有する極性官能基の数が、500個未満であることを意味する。極性官能基の数は、100個以下が好ましく、50個未満がより好ましい。極性官能基の数の下限は、通常、0個である。
ポリマー(2)は、ポリマー鎖の末端基として極性官能基を生じない、重合開始剤や連鎖移動剤等を使用して製造してもよく、極性官能基を有する溶融Fポリマーをフッ素化処理して製造してもよい。フッ素化処理の方法としては、フッ素ガスを使用する方法(特開2019-194314号公報等を参照)が挙げられる。
溶融Fポリマーがカルボニル基含有基または水酸基含有基を有する場合、溶融Fポリマーにおけるカルボニル基含有基または水酸基含有基の数は、主鎖炭素数1×106個あたり、10個以上5000個以下が好ましく、50個以上4000個以下がより好ましく、100個以上2000個以下がさらに好ましい。この場合、溶融Fポリマーが本無機フィラーと相互作用しやすく、得られる層中での本無機フィラーの分散性が優れやすい。なお、溶融Fポリマーにおけるカルボニル基含有基または水酸基含有基の数は、ポリマーの組成から定量できる。またカルボニル基含有基は国際公開2020/145133号に記載の方法によって定量できる。
溶融粒子は、溶融Fポリマーを含有する粒子であり、溶融粒子中の溶融Fポリマーの量は、80質量%以上であることが好ましく、100質量%であることがより好ましい。
溶融粒子の平均粒径であるD50は、50μm以下であるのが好ましく、20μm以下であるのがより好ましく、8μm以下であるのがさらに好ましい。溶融粒子のD50は、0.1μm以上が好ましく、0.3μm以上がより好ましく、1μm以上がさらに好ましい。また、溶融粒子のD90は、100μm未満であるのが好ましく、90μm以下であるのがより好ましい。溶融粒子のD50およびD90が、かかる範囲にあれば、その表面積が大きくなり、溶融粒子の分散性が一層改良されやすい。
溶融粒子は、溶融Fポリマーと異なる他の樹脂または無機物を含有してもよい。
他の樹脂の具体例としては、芳香族ポリイミド、芳香族マレイミド、スチレンエラストマー、芳香族ポリアミック酸等の芳香族ポリマーが挙げられる。
無機物の具体例としては、シリカが挙げられる。
本無機フィラーはアスペクト比が1超の無機フィラーであり、その形状は、粒状、針状または繊維状、板状のいずれであってもよい。本無機フィラーの具体的な形状としては、球状、鱗片状、層状、葉片状、杏仁状、柱状、鶏冠状、等軸状、葉状、雲母状、ブロック状、平板状、楔状、ロゼット状、網目状、角柱状が挙げられる。
また上記形状に加えて本無機フィラーは板状、中空状、ハニカム状等の種々の形状を有してもよい。
本無機フィラーのアスペクト比は5以上が好ましく、10以上がより好ましい。また本無機フィラーのアスペクト比は1000以下が好ましい。
本無機フィラーは、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化珪素、酸化珪素、炭化ケイ素が挙げられる。これらの中でも、熱伝導性の観点から、アルミナ、窒化ホウ素、酸化ケイ素が好ましく、窒化ホウ素および酸化ケイ素がより好ましく、窒化ホウ素、特に六方晶窒化ホウ素がさらに好ましい。
本無機フィラーは、シランカップリング剤で表面処理されているのが好ましい。この場合、本無機フィラーと溶融粒子が良好に作用しやすく、得られる層中での本無機フィラーの分散性が優れやすい。また、本粉体と本無機フィラーの結着力が向上し、粉体層における本粉体または本無機粒子の剥落が抑制されやすい。
シランカップリング剤は、加水分解性シリル基と有機基とを有する化合物である。
シランカップリング剤は、部分的に反応していてもよく、ポリシロキサン骨格を形成していてもよい。
加水分解性シリル基としては、モノアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、トリアルコキシシリル基が好ましく、トリアルコキシシリル基がより好ましい。加水分解性シリル基は加水分解されていてもよい。
有機基としては、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アミノ基、イソシアネート基、メルカプト基、ベンゾトリアゾール基、酸無水物基が挙げられ、エポキシ基、ベンゾトリアゾール基、フェニル基又はウレイド基が好ましく、エポキシ基がより好ましい。シランカップリング剤は、異なる種類の有機基を複数有していてもよく、同じ種類の有機基を複数有していてもよい。
シランカップリング剤は、トリアルコキシシリル基と、ベンゾトリアゾール基又はエポキシ基とを有する化合物であるのが好ましく、トリアルコキシシリル基と、エポキシ基とを有する化合物であるのがより好ましい。
シランカップリング剤としては、ベンゾトリアゾール基とトリメトキシシリル基とをそれぞれ主鎖の両末端に有する化合物、主鎖に3つのエポキシ基を有し側鎖に複数のトリエトキシシリル基を有する化合物、主鎖にシロキサン構造を有し主鎖の両末端にアミノ基を有する化合物、主鎖にブタジエン構造を有し側鎖に酸無水物基とトリメトキシシリル基とを1つずつ有する化合物、主鎖にアルコキシシロキサン構造を有し側鎖に複数のエポキシ基を有する化合物が挙げられる。
シランカップリング剤としては、具体的には、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、N-2-(アミノメチル)-8-アミノオクチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが挙げられる。
シランカップリング剤の具体的な製品としては、「KBM-573」、「KBM-403」、「KBM-903」、「KBE-903」、「KBM-1403」、「X-12-967C」、「X-12-1214A」、「X-12-984S」、「X-12-1271A」、「KBP-90」、「KBM-6803」、「X-12-1287A」、「KBM-402」、「KBE-402」、「KBE-403」、「KR-516」「KBM-303」、「KBM-4803」、「KBM-3063」、「KBM-13」(以上、信越化学工業株式会社製)が挙げられる。
本無機フィラーをシランカップリング剤で表面処理する方法としては、シランカップリング剤を含む溶液と、無機フィラーとを混合処理し、乾燥する方法が挙げられる。混合処理においては、前記溶液と前記無機フィラーの混合物を加熱又は加水して、シランカップリング剤の反応を促してもよい。また、反応触媒によって、シランカップリング剤の反応を加速させてもよい。さらに、乾燥後、シランカップリング剤で表面処理された無機フィラーを解砕してもよく、分級してもよい。
本無機フィラーのD50は、0.1から50μmが好ましく、D50が異なる無機フィラーを用いるのがより好ましい。D50が異なる無機フィラーを用いる場合、D50が10から50μmである粗粉と、D50が0.5から4μmである微粉との混合物が好ましい。本無機フィラーとして粗粉と微粉の混合物を用いることで、粗粉間に微粉を充填することができ、これにより得られる層における本無機フィラーの充填率を上げることができる。本無機フィラーを粗粉と微粉で形成する場合、粗粉の配合比率は70%以上が好ましく、さらに好ましくは75%以上である。粗粉比率がこの範囲であれば得られる層の本無機フィラーが緻密に充填される傾向にある。
溶融粒子の平均粒径であるD50は、前記本無機フィラーのD50より小さいことが好ましく、溶融粒子のD50は本無機フィラーのD50の0.1以上0.6以下が好ましい。
なお異なるD50の本無機フィラーを用いる場合、具体的には前記粗紛と前記微粉を用いる場合においても、溶融粒子のD50は前記微粉のD50より小さいことが好ましい。
本法は、基材の表面に本粉体と本無機フィラーとを含む層を形成する。
基材としては、金属基材または樹脂基材が挙げられる。
金属基材は、金属箔が好ましい。金属箔を構成する金属としては、銅、銅合金、ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル合金、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金が挙げられる。
金属箔としては、銅箔が好ましく、表裏の区別のない圧延銅箔または表裏の区別のある電解銅箔がより好ましく、圧延銅箔がさらに好ましい。
樹脂基材としては、ポリイミドフィルムがより好ましい。
基材の表面は、シランカップリング剤等により表面処理されていてもよい。
基材の表面の十点平均粗さは、0.01~0.05μmが好ましい。
前記基材の表面に、本粉体と本無機フィラーを含む層(以下、「粉体層」とも記す。)を形成する方法は、例えば前記基材の上に本粉体と本無機フィラーとを含む粉体組成物を押出する方法、前記基材と、本粉体と本無機フィラーとを含む粉体組成物とを共押出する方法、本粉体と本無機フィラーとを含むシートを作成し、前記基材と得られたシートを接着または圧着等により合着する方法、本粉体、本無機フィラーおよび液状分散媒を含む液状組成物を基材の表面にコーティングし液状分散媒の少なくとも一部を加熱により除去する方法、等が挙げられる。
本粉体と本無機フィラーとを含む粉体組成物を押出成形する場合、粉体組成物は熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、半硬化性の熱可塑性樹脂をさらに含んでいてもよい。粉体組成物は、本粉体、本無機フィラーおよびこれら樹脂を含んだペレットでもよい。
かかる樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、変性ポリオレフィン等のポリオレフィン類、テトラフルオロエチレン系ポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステルエラストマー等のポリエステル類、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン12、芳香族系アモルファスナイロン、メトキシメチル化ポリアミド樹脂、ポリアミドエラストマー等のポリアミド類、ポリカーボネイト、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリサルフォン等のエンジニアリングプラスチック類、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマーあるいはこれらのポリマーブレンド、ポリマーアロイ等が挙げられる。
本粉体と本無機フィラーと、液状分散媒を含む液状組成物を基材の表面にコーティングし、液状分散媒の少なくとも一部を加熱により除去し粉体層を形成する場合、液状分散媒は、水であってもよく、非水系分散媒であってもよい。また液状分散媒は非プロトン性分散媒であってもよく、プロトン性分散媒であってもよい。なお、液状とは25℃で粘度が10mPa・s以下である状態を意味する。
液状分散媒は、水、アミド、ケトン、エステル、グリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。具体的な液状分散媒としては、水、N-メチル-2-ピロリドン、γ-ブチロラクトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコールが挙げられる。
液状分散媒は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。2種以上の場合、異種の液状分散媒は相溶するのが好ましい。
本分散液のコーティングに際しては、スプレー法、ロールコート法、スピンコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、グラビアオフセット法、ナイフコート法、キスコート法、バーコート法、ダイコート法、ファウンテンメイヤーバー法、スロットダイコート法のコーティング方法を使用できる。
また前記液状分散媒を用いる場合、液状組成物の分散安定性とハンドリング性とをより向上する観点から、さらにノニオン性界面活性剤を含有してもよい。
界面活性剤は、アセチレン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤が好ましく、シリコーン系界面活性剤がより好ましい。
かかる界面活性剤の具体例としては、「フタージェント」シリーズ(株式会社ネオス社製 フタージェントは登録商標)、「サーフロン」シリーズ(AGCセイミケミカル社製 サーフロンは登録商標)、「メガファック」シリーズ(DIC株式会社製 メガファックは登録商標)、「ユニダイン」シリーズ(ダイキン工業株式会社製 ユニダインは登録商標)、「BYK-347」、「BYK-349」、「BYK-378」、「BYK-3450」、「BYK-3451」、「BYK-3455」、「BYK-3456」(ビックケミー・ジャパン株式会社社製)、「KF-6011」、「KF-6043」(信越化学工業株式会社製)が挙げられる。
界面活性剤を含有する場合、液状組成物中の界面活性剤の含有量は、1質量%以上15質量%以下が好ましい。この場合、成分間の親和性が増し、液状組成物の分散安定性とハンドリング性がより向上しやすい。
前記液状組成物は芳香族ポリマーを含んでもよい。
芳香族ポリマーとしては、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミドイミド、芳香族ポリアミドイミドの前駆体、芳香族マレイミド、芳香族エラストマー(スチレンエラストマー等)、芳香族ポリアミック酸またはポリフェニレンエーテルが好ましく、芳香族ポリイミド芳香族ポリアミドイミド、芳香族ポリアミドイミドの前駆体または芳香族ポリアミック酸がより好ましい。芳香族ポリイミドは、熱可塑性であってもよく、熱硬化性であってもよい。熱可塑性のポリイミドとは、イミド化が完了した、イミド化反応がさらに生じないポリイミドを意味する。
芳香族ポリイミドの具体例としては、「ネオプリム(登録商標)」シリーズ(三菱ガス化学社製)、「スピクセリア(登録商標)」シリーズ(ソマール社製)、「Q-PILON(登録商標)」シリーズ(ピーアイ技術研究所製)、「WINGO」シリーズ(ウィンゴーテクノロジー社製)、「トーマイド(登録商標)」シリーズ(T&K TOKA社製)、「KPI-MX」シリーズ(河村産業社製)、「ユピア(登録商標)-AT」シリーズ(宇部興産社製)、「HPC-1000」、「HPC-2100D」(いずれも昭和電工マテリアルズ社製)が挙げられる。
前記液状組成物はシランカップリング剤を含むのが好ましい。この場合、本粉体と本無機フィラーの結着力が向上し、粉体層における本粉体または本無機粒子の剥落が抑制されやすい。シランカップリング剤は、液状組成物に混合され液状組成物中に含まれてもよく、本無機フィラーの表面処理剤として液状組成物中に含まれていてもよい。
液状組成物に含まれるシランカップリング剤としては、トリアルコキシシリル基と、フェニル基、ビニル基、エポキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基又はイソシアネート基とを有する化合物が好ましく、トリアルコキシシリル基と、アミノ基とを有する化合物がより好ましい。
液状組成物に含まれるシランカップリング剤の熱分解温度は、200℃以上が好ましく、300℃以上がより好ましい。熱分解温度の上限は、400℃が好ましい。この場合、得られる積層体の耐熱性がより向上しやすい。なお、シランカップリング剤の熱分解温度とは、窒素雰囲気下でシランカップリング剤を50℃から400℃まで5℃/分で昇温した際に質量が昇温開始時の50%となる温度である。
液状組成物に含まれるシランカップリング剤の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリルオキシキシプロピルトリメトキシシラン、n-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
本無機フィラーの表面処理剤として用いてもよい、上述のシランカップリング剤を、液状組成物に混合して用いてもよい。
シランカップリング剤を含む液状組成物を、シランカップリング剤を混合して得る場合、液状組成物は、本無機フィラーにシランカップリング剤を添加し、さらに本粉体を添加し、混合処理して得るのが好ましい。シランカップリング剤を添加する際、本無機フィラーは液状分散媒に分散されていてもよく、シランカップリング剤は液状分散媒で希釈されていてもよい。また、混合処理においては、シランカップリング剤、本無機フィラー及び本粉体を含む液状組成物を加熱又は加水して、シランカップリング剤の反応を促してもよい。また、反応触媒によって、シランカップリング剤の反応を加速させてもよい。
前記液状組成物が、界面活性剤、芳香族ポリイミドまたはシランカップリング剤を含む場合、その含有量は、それぞれ独立に、本粉体の含有量に対して、1から10質量%であるのが好ましい。
液状組成物中の液状分散媒の含有量は、30質量%以上が好ましい。液状分散媒の含有量は、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましい。
液状組成物中の固形分量は、液状組成物の全質量を100%として、固形分濃度は20質量%以上が好ましく30質量%以上がより好ましい。また液状組成物の分散性の観点から、固形分質量は60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。
また液状分散媒は、粉体層の成分分布の均一性の低下や空隙の抑制の観点から、脱気されているのが好ましい。
液状組成物の粘度は、10mPa・s以上が好ましく、100mPa・s以上がより好ましい。液状組成物の粘度は、10000mPa・s以下が好ましく、1000mPa・s以下がより好ましい。この場合、液状組成物は塗工性に優れる。
液状組成物のチキソ比は、1以上が好ましい。液状組成物のチキソ比は、3以下が好ましく、2以下がより好ましい。この場合、液状組成物は塗工性に優れるだけでなく、その均質性にも優れる。
液状組成物を基材にコーティングした後、液状分散媒の少なくとも一部を加熱により除去し、粉体層を形成する。加熱は液状分散媒の少なくとも一部が除去されるまで行えばよく、液状分散媒の除去により本粉体と前記無機フィラーが層状の形状を保つ程度まで液状分散媒を除去すればよい。液状組成物に含まれる液状分散媒の80質量%以上が除去されるのが好ましい。液状分散媒を完全に除去してもよい。
液状分散媒の除去の温度は、溶融Fポリマーの溶融温度以下かつ前記液状分散媒の沸点以下の温度が好ましく、溶融Fポリマーの溶融温度より100℃低い温度以下かつ液状分散媒の沸点より10℃から100℃低い温度がより好ましい。例えば、溶融温度が300℃の溶融Fポリマーと沸点が約200℃のN-メチル-2-ピロリドンを用いた場合の液状分散媒の除去の温度は、好ましくは150℃以下であり、より好ましくは100から120℃である。平滑性に優れた粉体層を形成する観点から、液状分散媒の除去に際して、形成される粉体層の表面に空気を吹き付けるのが好ましい。
前記方法にて得られた粉体層中の溶融Fポリマーと本無機フィラーの含有質量比は、溶融Fポリマーの含有質量を1として、本無機フィラーの含有質量は0.2以上が好ましく、0.5以上がより好ましい。また本無機フィラーの含有質量は2以下が好ましく、1.5以下がより好ましい。
また粉体層中の本無機フィラーの含有量は粉体層の全質量を100質量%として、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。前記液状組成物を用いて粉体層を形成した場合、粉体層の全質量は前記液状分散媒の80質量%以上が除去された時の質量である。
粉体層中の溶融Fポリマーと本無機フィラーの含有質量比および本無機フィラーの含有量は、前記組成物または前記液状組成物中の本粉体および本無機フィラーの質量比および含有量を適宜設定することで前記範囲とすることができる。
得られた粉体層は、本粉体および本無機フィラー以外に第三成分を含んでもよい。第三成分の例としては、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、テトラフルオロエチレン系ポリマーとは異なる他の樹脂が挙げられる。粉体層は、シランカップリング剤またはテトラフルオロエチレン系ポリマーとは異なる他の樹脂を含むのが好ましく、シランカップリング剤とテトラフルオロエチレン系ポリマーとは異なる他の樹脂を含むのがより好ましい。この場合、本粉体と本無機フィラーの結着力が向上し、粉体層における本粉体または本無機粒子の剥落が抑制されやすい。
シランカップリング剤は、本無機フィラーの表面処理剤として粉体層に含まれていてもよい。前記液状組成物を用いて粉体層を形成する場合、シランカップリング剤を含む粉体層は、シランカップリング剤を混合した前記液状組成物から粉体層を形成して得てもよい。
紫外線吸収剤としては、フェノール性水酸基と含窒素複素環構造を有する紫外線吸収剤が好ましく、ヒドロキシベンゾフェノン構造を有する紫外線吸収剤か、フェノール性水酸基とトリアジン構造またはベンゾトリアゾール構造とを有する紫外線吸収剤がより好ましい。後者の紫外線吸収剤はヒドロキシフェニルトリアジン構造または、ヒドロキシフェニル構造に種々の置換基が置換した構造を有するのが好ましい。
Fポリマーとは異なる他の樹脂としては前記の芳香族ポリマーが挙げられる。
また粉体層は、前記第三成分以外にも、チキソ性付与剤、粘度調節剤、消泡剤、脱水剤、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、離型剤、表面処理剤、難燃剤、各種フィラー等の添加剤をさらに含有してもよい。
得られた粉体層はさらに焼成し、本粉体の焼成物(以下、「本焼成物」とも記す。)と本無機フィラーを含む層(以下、「焼成物層」とも記す。)を形成する。本粉体は、完全に焼成されていてもよく、部分的に焼成されていてもよい。
焼成の温度は、溶融Fポリマーの融点以上であればよく、例えば300から400℃の範囲である。
前記溶融押出する方法、前記共押出する方法、または前記基材と合着する方法により前記粉体層を基材の表面に作成した場合、基材と粉体層とを前記焼成の温度範囲で焼成することで、焼成層を形成することができる。
前記粉体層を、前記液状組成物を基材にコーティングし前記液状分散媒の少なくとも一部を加熱により除去する方法により基材の表面に作成した場合、引続き前記焼成の温度範囲で焼成することで、焼成層を形成することができる。焼成する前に前記液状分散媒を完全に除去してもよい。
焼成層中には、例えば前記界面活性剤、前記第三成分、前記添加剤およびその残渣が含まれていてもよい。
また焼成層中の溶融Fポリマーと本無機フィラーの含有質量比は、前記粉体層と同様、溶融Fポリマーの含有質量を1として、本無機フィラーの含有質量は0.2以上が好ましく、0.5以上がより好ましい。また本無機フィラーの含有質量は2以下が好ましく、1.5以下がより好ましい。
また焼成層中の本無機フィラーの含有量は焼成層の全質量を100質量%として、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。
本法において、前記粉体層の形成および前記焼成層の形成のいずれかの過程で層と基材とを押圧する。
前記溶融押出する方法、前記共押出する方法、または前記基材と合着する方法により前記粉体層を基材の表面に作成した場合、押圧は、(1)粉体層を基材の表面に形成する段階、(2)粉体層形成後、焼成する前の段階、(3)焼成の段階、および、(4)焼成層形成後、焼成層が冷却されるまでの段階のいずれかの段階で行うのが好ましい。上記(2)の段階では粉体層を一旦、冷却してもよいし、冷却せずにそのまま焼成してもよい。
押圧は前記(1)または(2)の段階で行うのが好ましく、(2)の段階で行うのがより好ましい。押圧は複数の前記段階で行ってもよい。
前記液状組成物を基材の表面にコーティングし液状分散媒の少なくとも一部を加熱により除去する方法により、前記粉体層を基材の表面に作成した場合、押圧は、(11)前記液状分散媒を加熱により一部除去し、粉体層が形成された直後の段階、(21)粉体層が形成されてから、粉体層をさらに加熱して焼成層を形成する前の段階、(31)粉体層を焼成し焼成層が形成している段階、および(41)焼成後、焼成層が冷却されるまでの段階、のいずれかの段階で行うのが好ましい。上記(11)では、液状組成物に含まれる液状分散媒の80質量%以上が除去されているのが好ましい。また上記(21)の段階では粉体層を形成後、一旦粉体層を冷却してもよいし、粉体層を形成後、冷却せずに焼成してもよい。押圧は、上記(11)または(21)の段階で行うのがより好ましく、(21)の段階で行うのがさらに好ましい。押圧は複数の前記段階で行ってもよい。
押圧は、大気圧から減圧の雰囲気で行うのが好ましく、大気圧の雰囲気で行うのがより好ましい。
押圧の圧力は、0.2MPa以上が好ましく、0.5MPa以上がより好ましい。圧力は、10MPa以下が好ましく、5MPa以下がより好ましい。
押圧の温度は、溶融Fポリマーのガラス転移温度より高い温度が好ましく、ガラス転移温度より30℃以上高い温度がより好ましい。また押圧の温度は、溶融Fポリマーの溶融温度より低い温度が好ましく、溶融温度より100℃以上低い温度がより好ましい。押圧の温度は溶融Fポリマーのガラス転移温度より高い温度、かつ、溶融Fポリマーの溶融温度より100℃以上低い温度が好ましい。
前記押圧の方法は、粉体層の形成から焼成層の形成のいずれかの過程で、粉体層または焼成層と基材を加熱された一対のロール間に通過させる方法、粉体層または焼成層と基材を一対のロール間に通過させながら熱風を吹き付ける方法、粉体層または焼成層と基材を熱板によりプレスする方法、が挙げられる。
上記押圧により、押圧前の粉体層または焼成層の厚さに対する、押圧後の粉体層または焼成層の厚さの比が、0.5から0.9となるのが好ましい。例えば、押圧前の粉体層の厚さに対する、押圧後の粉体層の厚さの比は0.5から0.9が、または押圧前の焼成層の厚さに対する押圧後の焼成層の厚さの比は0.5から0.9が好ましい。
押圧における、粉体層または焼成層のロールや熱板への付着を抑制する観点から、粉体層または焼成層の表面とロールや熱板との間に離型フィルムを配置してもよく、ロールや熱板の表面を離型剤によって表面処理してもよい。
一対のロール間に通過させて押圧する場合、離型フィルムは、ロールの加圧面でのみ粉体層または焼成層と接触し、粉体層または焼成層がロールから離れる際は剥離されているのが好ましい。
離型フィルムの厚さは50から150μmであるのが好ましい。
離型フィルムとしてはポリイミドフィルムが挙げられ、具体例としては、「アピカルNPI」(カネカ社製)、「カプトンEN」(東レ・デュポン社)、「ユーピレックスS(宇部興産社)」が挙げられる。
本発明において、粉体層を形成し、焼成層が形成するまでの過程では、溶融Fポリマー中に本無機フィラーが流動分散した状態にあるとも捉えられる。この状態における層の押圧が、本無機フィラーの長軸方向を基材面の水平方向へ配向させる効果が発現させていると考えられる。特に、粉体層は、本粉体のパッキングにより構成された空隙中に本無機フィラーが分散した状態にあるともみなせる。かかる状態にある粉体層を押圧すれば、空隙が圧潰されるとともに、本無機フィラーの長軸方向が基材の水平方向へ一層配向しやすくなると考えられる。その結果、本法によれば、溶融Fポリマー中に長軸方向が基材の水平方向に配向分散した本無機フィラーを含む、緻密な積層体が得られたと考えられる。
本法により本無機フィラーが高度に配向した焼成層と基材を含む本積層体が得られる。
焼成層の厚さは、50μm以上が好ましく、75μm以上がより好ましい。厚さの上限は、500μmが好ましく、250μmがより好ましい。
前記本法により得られた本積層体から前記基材を除去することで本焼成物と本無機フィラーを含むシートを製造することができる。除去の方法としては、剥離またはエッチングが挙げられる。
このようにして得られたシートは、本焼成物間の空隙が圧潰され、層中の空隙が減少するとともに、前記本無機フィラーが面内に配向しており熱伝導率に優れる。
本発明のシート(以下、「本シート」とも記す。)は熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子を含むテトラフルオロエチレン系ポリマーの粉体の焼成物とアスペクト比が1超の無機フィラーとを含む、厚さが50μm以上であり、熱伝導率が5W/m・K超である。
熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマー、それを含む粉体、テトラフルオロエチレン系ポリマー、それを含む粉体および焼成物については、溶融Fポリマー、溶融粒子、Fポリマー、本粉体および前記焼成物と同じである。
またアスペクト比が1超の無機フィラーは前記本無機フィラーと同じである。
本シートの厚さは、50μm以上が好ましく、75μm以上がより好ましい。厚さの上限は、500μmが好ましく、250μmがより好ましい。
後述の方法で測定された本シートの熱伝導率は5W/m・K超が好ましく、8W/m・K以上がより好ましい。本シートの熱伝導率の上限は、特に限定されず、100W/m・Kである。
本積層体および本シートは熱伝導性に優れることから、電子部品の放熱用に使用される熱伝導性絶縁シート、熱伝導性絶縁層を備えた金属ベース基板および回路基板として好適に用いることができる。
特に本積層体および本シートは本無機フィラーが高度に配向していることから、放熱方向を制御できる。
例えば本シートを複数枚積層した後、この積層物を厚さ方向にスライスして切断端面を平面とした絶縁シートは、絶縁シートの厚さ方向に本無機フィラーが配向したシートとなる。このようなシートは厚さ方向への熱伝導が高いので、厚さ方向へ放熱する必要がある場合に有用である。
本積層体および本シートはフレキシブルプリント配線基板、リジッドプリント配線基板等の電子基板材料、保護フィルムや放熱基板、特に自動車向けの放熱基板として有用である。
具体的には、本積層体および本シートは、無線通信デバイスの放熱部材としても好適に使用できる。例えば、樹脂等からなる基材と、基材に形成されたアンテナパターンと、アンテナパターンに接続された給電回路であるRFICパッケージとを有する無線通信デバイスにおいて、RFICパッケージの周囲に本積層体や本シートを配置すれば、RFICパッケージの放熱を促し、その昇温を効果的に抑制できる。この場合、本積層体や本シートは、アンテナの放射を妨げない観点から、RFICパッケージの、アンテナパターンが設けられた面とは反対側の表面に配置するのが好ましい。かかる無線通信デバイスとしては、国際公開第2020/008691号や国際公開第2020/031419号に記載の無線通信デバイスが挙げられる。
また、本積層体および本シートは、パワーデバイス用実装放熱基板としても好適に使用できる。
これらの部材として本積層体や本シートを使用するに際しては、本積層体や本シートを対象とする基板に直接貼合してもよく、シリコーン系粘着層等の粘着層を介して本積層体や本シートを対象とする基板に貼合してもよい。
以上、本法、本法により得られた積層体から基材を除去するシートの製造方法、および本シートについて説明したが、本発明は、上述した実施形態の構成に限定されない。
例えば、本法および本法により得られた積層体から基材を除去するシートの製造方法は、上記実施形態の構成において、他の任意の工程を追加で有してもよいし、同様の作用を生じる任意の工程と置換されていてもよい。また本シートは上記実施形態の構成において、他の任意の構成を追加してもよいし、同様の機能を発揮する任意の構成と置換されていてもよい。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
1.各成分の準備
[パウダー]
パウダー1:TFE単位、NAH単位およびPPVE単位を、この順に97.9モル%、0.1モル%、2.0モル%含み、カルボニル基含有基を主鎖炭素数1×106個あたり1000個有し、溶融温度が300℃であるポリマーからなる溶融粒子(D50:2.1μm)
パウダー2:非熱溶融性のポリテトラフルオロエチレンからなる非溶融粒子(D50:0.3μm)
[無機フィラー]
フィラー1:鱗片状の窒化ホウ素フィラー(アスペクト比:1超、D50:14.6μm)
[液状化合物]
NMP:N-メチル-2-ピロリドン
2.分散液の製造例
[例1]
ポットに、熱可塑性芳香族ポリイミド(PI1)のワニスとNMPとアミノシランカップリング剤とを投入し混合した。さらに、ポットに、パウダー1とフィラー1の粉体混合物を投入して混合し、組成物を調製した。この組成物をプラネタリーミキサー中にて混練してから取り出し、50質量部のパウダー1、40質量部のフィラー1および6質量部のPI1、1質量部のアミノシランカップリング剤および30質量部のNMPを含む練粉1を得た。練粉1は、塊状かつ粘土状であった。
練粉1に、NMPを複数回に分けて添加しつつ、プラネタリーミキサーにて2000rpmで脱泡しながら撹拌した。さらに、NMPを、複数回に分けて撹拌し、全体として80質量部のNMPを練粉1に添加して分散液を調製し、分散液1を得た。分散液1の粘度は、300mPa・sであった。
[例2]
例1の組成物の調製において、さらにパウダー2を使用して、25質量部のパウダー1、25質量分のパウダー2、40質量部のフィラー1および6質量部のPI1、1質量部のアミノシランカップリング剤および30質量部のNMPを含む練粉2を得た。練粉2に、NMPを複数回に分けて添加しつつ、プラネタリーミキサーにて2000rpmで脱泡しながら撹拌した。さらに、NMPを、複数回に分けて撹拌し、全体として80質量部のNMPを練粉2に添加して分散液を調製して、分散液2を得た。
3.積層体の製造例
[積層体1]
厚さが18μmの長尺の銅箔の表面に、バーコーターを用いて、分散液1を塗布して、ウェット膜を形成した。次いで、このウェット膜が形成された銅箔を、110℃にて5分間、乾燥炉に通して乾燥させ、ドライ膜である、パウダー1とフィラー1を含む粉体層1を基材表面に形成した。
この基材を、0.5MPaで粉体層1を押圧するように調整された、120℃に加熱された一対のロール間に通過させて、粉体層1を押圧した。
その後、さらに基材を、窒素オーブン中で、380℃にて3分間、加熱した。これにより、銅箔と、その表面にパウダー1の溶融焼成物、フィラー1およびPI1を含む、成形物としての厚さが200μmのポリマー層とを有する積層体1を製造した。
[積層体2]
粉体層1が形成された基材を一対のロール間に通過させることなく、そのまま380℃にて加熱して、銅箔と、その表面にパウダー1の溶融焼成物、フィラー1およびPI1を含む、成形物としての厚さが200μmのポリマー層とを有する積層体2を得た。
[積層体3]
分散液1を分散液2に変更する以外は積層体1の製造と同様にして、積層体3を製造した。
4.評価
4-1.シートの線膨張係数の評価
それぞれの積層体について、積層体の銅箔を塩化第二鉄水溶液でエッチングにより除去して単独のポリマー層であるシートを作製した。作成したシートから180mm角の四角い試験片を切り出し、JIS C 6471:1995に規定される測定方法にしたがって、25℃以上260℃以下の範囲における、試験片の線膨張係数を測定した結果、積層体1および積層体3から得たシートの線膨張係数はそれぞれ50ppm/℃以下であり、積層体2から得たシートの線膨張係数は75ppm/℃超であった。
4-2.シートの熱伝導率の評価
それぞれの積層体について、積層体の銅箔を塩化第二鉄水溶液でエッチングにより除去して単独のポリマー層であるシートを作製した。作成したシートの中心部から10mm×10mm角の試験片を切り出し、その面内方向における熱伝導率(W/m・K)を測定した結果、積層体1および積層体3から得たシートの熱伝導率はそれぞれ10W/m・Kであり、積層体2から得たシートの熱伝導率は5W/m・K以下であった。
さらに、積層体3から得たシートは積層体1から得たシートに比較して折曲性に優れており、シート強度に優れていた。
上記結果から明らかなように、本法で作成したシートのシート断面には空隙がなく緻密であり、無機フィラーが高度に配向しているため、本法により得られたシートは熱伝導率に優れていた。

Claims (15)

  1. 基材の表面に熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子を含むテトラフルオロエチレン系ポリマーの粉体とアスペクト比が1超の無機フィラーとを含む層を形成し、前記粉体の焼成物と前記無機フィラーとを含む層を形成する、いずれかの過程で、層と前記基材とを押圧する、基材と前記基材の表面に形成された前記焼成物および前記無機フィラーを含む層とを有する積層体の製造方法。
  2. 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粉体が、熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と非熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子とを含む請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーが、カルボニル基含有基または水酸基含有基を有する、溶融温度が200℃以上320℃以下のテトラフルオロエチレン系ポリマーである請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記層中の前記熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーと前記無機フィラーとの含有質量比が、前記熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの含有質量を1として前記無機フィラーの含有質量が0.2から2である請求項1から3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の平均粒子径が、前記無機フィラーの平均粒子径より小さい請求項1から4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と無機フィラーを含む層中の前記無機フィラーの含有量が60質量%以下である請求項1から5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記無機フィラーが窒化ホウ素または酸化ケイ素の少なくとも1種を含む請求項1から6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記粉体と無機フィラーを含む層が、さらにシランカップリング剤を含む請求項1から7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 前記粉体と無機フィラーを含む層と前記基材とを押圧する請求項1から8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 前記押圧の圧力が0.2MPa以上10MPa以下である請求項1から9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 前記押圧の温度が前記熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの溶融温度以下である請求項1から10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 基材の表面に前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粉体と前記無機フィラーと液状分散媒を含む液状組成物をコーティングし、少なくとも一部の液状分散媒を除去して、前記粉体と前記無機フィラーを含む層を形成する請求項1から11のいずれか1項に記載の製造方法。
  13. 前記液状組成物がさらにシランカップリング剤を含む請求項12に記載の製造方法。
  14. 基材の表面に熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子を含むテトラフルオロエチレン系ポリマーの粉体とアスペクト比が1超の無機フィラーを含む層を形成し、前記粉体の焼成物と前記無機フィラーを含む層を形成する、いずれかの過程で、層と前記基材とを押圧して、基材と前記基材の表面に形成された前記焼成物および前記無機フィラーを含む層とを有する積層体を得、前記基材を除去する、前記焼成物と前記無機フィラーとを含むシートの製造方法。
  15. 熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子を含むテトラフルオロエチレン系ポリマーの粉体の焼成物とアスペクト比が1超の無機フィラーとを含む、厚さが50μm以上であり、熱伝導率が5W/m・K超であるシート。
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