JP2022144766A - 温度測定装置及び温度測定方法 - Google Patents

温度測定装置及び温度測定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022144766A
JP2022144766A JP2021045921A JP2021045921A JP2022144766A JP 2022144766 A JP2022144766 A JP 2022144766A JP 2021045921 A JP2021045921 A JP 2021045921A JP 2021045921 A JP2021045921 A JP 2021045921A JP 2022144766 A JP2022144766 A JP 2022144766A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
photodetector
luminance
detected
wavelength
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021045921A
Other languages
English (en)
Inventor
雅人 杉浦
Masahito Sugiura
昇平 橋口
Shohei Hashiguchi
寛弘 枝野
Tomohiro Edano
一平 寺川
Ippei Terakawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2021045921A priority Critical patent/JP2022144766A/ja
Publication of JP2022144766A publication Critical patent/JP2022144766A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Radiation Pyrometers (AREA)
  • Coke Industry (AREA)

Abstract

Figure 2022144766000001
【課題】測温対象の温度を効率的に測定し、高精度に求める。
【解決手段】温度測定装置は、測温対象の放射光の輝度を第1の波長で検出する第1の光検出素子と、測温対象の放射光の輝度を第2の波長で検出する第2の光検出素子と、第1の光検出素子及び第2の光検出素子で検出した輝度を対応させて記憶する記憶部と、第1の光検出素子で検出した輝度とこれに対応する第2の光検出素子で検出した輝度との比に基づいて、測温対象の温度を求める演算処理部と、を有する。演算処理部は、記憶部に記憶された輝度のうち、第1の波長及び第2の波長の少なくともいずれか一方で検出された輝度が、最大輝度の所定の割合以上であるか否かを判定し、最大輝度の所定の割合以上である輝度について、第1の光検出素子で検出した輝度と、当該第1の光検出素子で検出した輝度に対応する第2の光検出素子で検出した輝度との比に基づいて、測温対象の温度を求める。
【選択図】図4

Description

本発明は、温度測定装置及び温度測定方法に関する。
コークス炉では、燃焼室の温度に基づいて燃料ガスの供給量を調整しながら操業が行われている。燃焼室の温度は、一般に、コークス炉の燃焼室の上方に設けられたフリューポートと呼ばれる観察孔から放射温度計を用いて測定される。放射温度計を用いた燃焼室の温度の測定作業は、測定者が、観察孔を封鎖するフリューポートの蓋(以下、「フリュー蓋」とも称する。)を取り外し、ハンディタイプの放射温度計により燃焼室内部を覗いて測温し、測定値が得られるとフリュー蓋を元に戻す、という手順で実施される。また、燃焼室の温度を測定するための手法として、例えば特許文献1、2には、燃焼室内部に熱電対を挿入し、燃焼室の温度を測定する技術が開示されている。
特開昭55-129484号公報 特開2006-70079号公報 特開2006-226783号公報 特開平11-179426号公報
しかし、放射温度計を用いて燃焼室の温度を測定する場合には、放射温度計で大気開放された燃焼室を直視することになるため、測定者が燃焼室からの炎や高温の熱風に晒される危険があるという問題があった。また、1つのコークス炉には約100室の燃焼室があり、さらに各燃焼室には30程度のフリューポートがあるため、燃焼室ごとに特定された数か所のフリューポートにおいて測温するだけでも多大な作業量となるという問題があった。また、測定される温度が正確であることも求められていた。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、コークス炉の燃焼室等のような測温対象の温度を効率的に測定することができ、高精度な測定温度を得ることができる、温度測定装置及び温度測定方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、測温対象の温度を測定する温度測定装置であって、測温対象の放射光の輝度を、第1の波長で検出する第1の光検出素子と、測温対象の放射光の輝度を、第1の波長とは異なる第2の波長で検出する第2の光検出素子と、第1の光検出素子及び第2の光検出素子で検出した輝度を対応させて記憶する記憶部と、記憶部に記憶された輝度のうち、第1の光検出素子で検出した輝度と、当該第1の光検出素子で検出した輝度に対応する第2の光検出素子で検出した輝度との比に基づいて、測温対象の温度を求める演算処理部と、を有し、演算処理部は、第1の光検出素子及び第2の光検出素子で検出された輝度のうち最大となる輝度を最大輝度Lmaxとした場合に、記憶部に記憶された輝度のうち、第1の波長及び第2の波長の少なくともいずれか一方で検出された輝度が、最大輝度Lmaxの所定の割合以上であるか否かを判定し、第1の波長及び第2の波長で検出して得られた輝度のうち、最大輝度Lmaxの所定の割合以上であると判定された輝度について、第1の光検出素子で検出した輝度と、当該第1の光検出素子で検出した輝度に対応する第2の光検出素子で検出した輝度との比に基づいて、測温対象の温度を求める、温度測定装置が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、測温対象の温度を測定する温度測定方法であって、測温対象の放射光の輝度を、第1の波長で検出する第1の光検出素子と、測温対象の放射光の輝度を、第1の波長とは異なる第2の波長で検出する第2の光検出素子と、第1の光検出素子及び第2の光検出素子で検出した輝度を対応させて記憶する記憶部と、記憶部に記憶された輝度のうち、第1の光検出素子で検出した輝度と、当該第1の光検出素子で検出した輝度に対応する第2の光検出素子で検出した輝度との比に基づいて、測温対象の温度を求める演算処理部と、を有する温度測定装置を用いて測温対象の温度を測定し、演算処理部は、第1の光検出素子及び第2の光検出素子で検出された輝度のうち最大となる輝度を最大輝度Lmaxとした場合に、記憶部に記憶された輝度のうち、第1の波長及び第2の波長の少なくともいずれか一方で測定された輝度が、最大輝度Lmaxの所定の割合以上であるか否かを判定し、第1の波長及び第2の波長で測定して得られた輝度のうち、最大輝度Lmaxの所定の割合以上であると判定した輝度について、第1の光検出素子で検出した輝度と、当該第1の光検出素子で検出した輝度に対応する第2の光検出素子で検出した輝度との比に基づいて、測温対象の温度を求める、温度測定方法が提供される。
以上説明したように本発明によれば、測温対象の温度を効率的で、高精度に求めることができる。
本発明の一実施形態に係るコークス炉の概略構成を示す概略図である。 波長と黒体放射理論の分光放射輝度との関係を示すグラフである。 黒体温度と2色比との一関係例を示すグラフである。 同実施形態に係る2色放射温度計を用いた、コークス炉の燃焼室の温度測定を示す説明図である。 フリュー蓋が設置された燃焼室上部の部分拡大図である。 同実施形態に係る2色放射温度計の一構成例を示す模式図である。 2色放射温度計における測定視野のずれを説明する説明図である。 測温対象に対する単色放射温度計の測定視野の位置の推移と、各位置における単色放射温度計の測定温度とを示す説明図である。 視野中心は同一だが視野径が異なるケースにおける、測温対象に対する2色放射温度計の測定視野の位置の推移と、各位置における2色放射温度計の測定温度とを示す説明図である。 視野中心がずれているケースにおける、測温対象に対する2色放射温度計の測定視野の位置の推移と、各位置における2色放射温度計の測定温度とを示す説明図である。 具体例として、2色放射温度計により10回の測定を行ったときの各測定における輝度に基づく温度と、第1の波長λの放射輝度とを示すグラフである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[1.コークス炉の構成]
本発明の一実施形態に係る温度測定方法について、測温対象として、コークス炉の燃焼室を例として説明を行う。このため、まず、図1を参照して、コークス炉1の概略構成について説明する。なお、本発明における測温対象はコークス炉の燃焼室に限定されるものではなく、放射温度計に拠る測温の対象になるものであればよい。図1は、本実施形態に係るコークス炉1の概略構成を示す概略図である。
コークス炉1は、コークスを生成するための窯炉である。コークス炉1の炉体の上部には炭化室10と燃焼室20とが炉幅方向(Y方向)に交互に配列され、下部には蓄熱室60が設けられる。コークス炉1は、蓄熱室60でそれぞれ予熱された燃焼ガスと燃焼用空気とを燃焼室20で燃焼させ、発生した熱によって炭化室10に装入された石炭を乾留することによってコークスを生成する。石炭を乾留して生成されたコークス(図4のコークス5)は、押出機(図示せず。)により押出機側から反対側のコークス排出側へ押し出され、炭化室10から排出される。
各燃焼室20上方の炉頂部30には、燃焼室20内の燃焼状態を確認するための燃焼室観察孔(フリューポートともいう。以下、「観察孔」と称する。)35が、炉長方向(X方向)に沿って複数配列されている。本実施形態に係るコークス炉1の観察孔35には、光学窓を有するフリュー蓋(図4等のフリュー蓋40)が設置されている。光学窓は、測温対象の放射光を透過させる透明な部材で構成されており、フリュー蓋に光学窓が設けられていることにより、フリュー蓋を取り外すことなく燃焼室の温度を測定することができる。
[2.温度測定方法]
本実施形態に係る温度測定方法では、コークス炉の燃焼室を、測定対象の例として説明を行うが、本実施形態に係る温度測定方法は、コークス炉の燃焼室を測定対象とする場合に限定されるものではない。本実施形態に係る温度測定方法では、測温時の作業量の低減を目的として、フリュー蓋に光学窓を設け、光学窓を介して、温度測定装置として2色放射温度計を用いて、燃焼室20の内部の温度を測定する。2色放射温度計は、2つの波長で熱放射の分光放射輝度を検出し、それらの分光放射輝度の比(2色比)が温度に応じて変化することを測定原理とする。このため、光学窓に粉塵が付着して観測する放射輝度が低下した場合や、2色放射温度計の視野の一部が光学窓から外れている場合であっても、正確に測温することができる。以下、本実施形態に係る温度測定方法について、詳細に説明する。
[2-1.2色放射測温法]
はじめに、図2及び図3に基づいて、本実施形態に係る温度測定方法において利用する2色放射測温法について説明する。図2は、波長と黒体放射理論の分光放射輝度との関係を示すグラフである。図3は、黒体温度と2色比との一関係例を示すグラフである。
放射測温法は、物体の温度が高くなると熱放射輝度が増大する現象を利用して、測温対象に接触することなく温度を測定する手法であり、科学分野及び工業分野において広く利用されている。光のある単一の波長において熱放射輝度(放射光の強度)を検出する一般的な放射温度計は、厳密には「単色放射温度計」と呼ばれる。
これに対して、2色放射測温法は、測温対象の温度が高くなると熱放射の波長分布が変化することを利用して、測温対象に接触することなく温度を測定する手法である。2色放射測温法に基づき測温する2色放射温度計では、2つの波長、すなわち、第1の波長λと、第1の波長とは異なる第2の波長λで検出された分光放射輝度L(λ,T)、L(λ,T)の比から、測温対象の温度Tを特定する。測定対象の事実上同じ位置について観測される2つの波長λ、λの分光放射輝度L(λ,T)、L(λ,T)(すなわち、第1の波長λで得られた輝度と、当該第1の波長λ1で得られた輝度に対応する、第2の波長λで得られた輝度)は、黒体放射のWienの近似式により、下記式(1)、式(2)で表される。
Figure 2022144766000002
ここで、ε(λ,T)は波長λ、温度Tにおける分光放射率であり、c、cは定数である。2つの波長λ、λで分光放射率が等しい(すなわち、ε(λ,T)=ε(λ,T)=ε)とすると、式(1)と式(2)との比をとった2色比Rは、下記式(3)のように整理される。
Figure 2022144766000003
式(3)において、Rλ及びΛは検出波長で決まる定数であることから、2色比Rは温度Tのみの関数になる。したがって、2色比Rを取得できれば、測温対象の温度Tを求めることができる。
ここで、図2に、複数の温度における波長と黒体放射理論の分光放射輝度との関係を示す。図2に示すように、各温度において2つの波長λ、λ(>λ)の分光放射輝度の値は変化することから、その比率(2色比)も変化する。測温対象から2色放射温度計までの光路で2つの波長λ、λの観測光が同じように減衰すれば、各温度における2色比は不変である。このため、2色比を取得できれば、測温対象の温度Tを特定することができる。
図3は、λ=1350nm、λ=1550nmとして上記式(3)により計算された温度Tと2色比Rとの関係を示している。図3に示すように、2色比Rは、温度Tに対して単調に増加する。
このように、2色放射温度計では、熱放射輝度の強度(絶対量)を測定する必要はなく、2色比Rさえ取得できれば測温対象の温度Tを知ることができる。すなわち、単色放射温度計の場合には、検出した熱放射輝度に基づき測温対象の温度を特定するため、粉塵等の影響により観測光(の絶対量)が小さくなると、見掛け上測温値も低下してしまう。これに対して、2色放射温度計の場合には、検出される光(の絶対量)が小さくなっても2波長それぞれにおける減衰が相殺されることで相対量である2色比Rはあまり変化しない。このため、2色放射温度計では、減光の影響を受けることなく温度を求めることができる。
[2-2.コークス炉の燃焼室の温度測定]
次に、図4及び図5に基づいて、本実施形態に係る温度測定装置である2色放射温度計50を用いたコークス炉1の燃焼室20の温度測定について、詳細に説明する。図4は、本実施形態に係る2色放射温度計50を用いた、コークス炉1の燃焼室20の温度測定を示す説明図である。図5は、フリュー蓋40が設置された燃焼室20上部の部分拡大図である。
コークス炉1の燃焼室20の温度は、2色放射温度計50を用いて測定される。具体的には、図4に示すように、作業者9が小型で軽量なハンディタイプの2色放射温度計50を手に持ち、炉頂部30の観察孔35に設置されたフリュー蓋40の光学窓を介して、燃焼室20の放射光(より具体的には、光学窓直下の燃焼室20の床部の自発光と、燃焼室20の床部で反射した迷光とが合わさった光)を検出し、燃焼室20の温度を測定する。2色放射温度計50とフリュー蓋40との距離は、特に限定されるものではないが、例えば1m程度の距離を設けてもよい。
フリュー蓋40は、観察孔35上部の開口部を覆うように設置されている。フリュー蓋40は、観察孔35の開口部に対して着脱可能に設けられる。フリュー蓋40は、例えば図5に示すように、蓋部41と、光学窓43とにより構成される。
蓋部41は、例えば金属製の部材であって、フリュー蓋40の外縁部分を構成する。図5に示す蓋部41は、フランジ部41aと、光学窓収容部41bと、突出部41cとを有する。
フランジ部41aは、平面視して観察孔35の開口部よりも外部側へ突出した部分であり、フリュー蓋40を観察孔35に取り付けた際に炉頂部30に載置される。光学窓収容部41bは、光学窓43を収容する部分であり、フリュー蓋40の中央部分に形成される。光学窓収容部41bは、フリュー蓋40を観察孔35に取り付けた際に上下方向(Z方向)に貫通するように形成されている。光学窓収容部41bは、収容した光学窓43との間に大きな隙間が生じないように、光学窓43の形状に対応した形状を有する。突出部41cは、光学窓収容部41bの下方において中央に向かって突出する部分である。光学窓収容部41bの上部から挿入された光学窓43は、突出部41cによって光学窓43の下端が支持される。
光学窓43は、測温対象の自発光を透過させ、フリュー蓋40を取り外すことなく燃焼室20から放出される光を2色放射温度計50により検出可能とするための光学部材である。燃焼室20の内部は高温であることから、光学窓43は耐熱性を有する材質から形成される。光学窓43は、例えば、石英ガラス、人工サファイア等から形成される。
光学窓43が破損したり脱落したりすると、燃焼室20の高温ガスが外部に噴き出す恐れがある。このため、安全性の観点から、光学窓43は、板状よりも、両端が光学研磨され、形状の長手方向が鉛直方向を向いた、ロッド形状(棒状)とする方が望ましい。光学窓43の厚さ(フリュー蓋40取り付け時のZ方向における長さ)は、例えば、50~100mm程度あればよい。また、平面視したときの光学窓43の大きさは、2色放射温度計50の視野よりも大きい。例えば、2色放射温度計50の視野が直径10mmであり、光学窓43が円柱のロッド形状である場合、光学窓43の直径は20~30mm程度とすればよい。なお、光学窓43の平面形状は円形に限定されず、多角形状であってもよい。
光学窓43は、蓋部41の中央部分に形成された光学窓収容部41bにて保持され、着脱可能に設けられる。これにより、光学窓43が破損したり端面の汚れ付着が著しくなったりした場合に、容易に交換することができる。
このように光学窓43を有するフリュー蓋40を観察孔35に取り付けることにより、フリュー蓋40を取り外すことなく、2色放射温度計50を用いて燃焼室20の温度を測定することが可能となる。これにより、作業者9の測温時の作業量が低減され、燃焼室20の温度を効率的に測定することができる。
[2-3.2色放射温度計の視野ずれに対する対応]
上述したように、作業者9は、手に持った2色放射温度計50のファインダーを覗きながら視野を光学窓43に向けて測温するが、手振れ等により測定視野を安定して光学窓43(すなわち、光学窓43を介して見える測温対象)に合わせることは難しい。そこで、本願発明者は、2色放射温度計50の測定視野を光学窓43に向けながら複数回の測温を行い、各測定値を2色放射温度計50内部の記憶部に記録することにした。そして、記憶部に記録された測定値を検証したところ、複数回の温度測定値には、実際の燃焼室20の温度より明らかに高い異常な温度測定値が含まれる現象が生じることが判明した。
こうした現象は、従来使用されている単色放射温度計では、放射輝度の大きさを正確に検出していれば、測定温度が実際の温度から測定誤差の範囲を超えて上振れすることはないため、起こりえないはずである。そこで、こうした現象の原因を調査したところ、2色放射温度計50の視野の一部が光学窓43から外れる「視野欠け」が生じた場合に、温度測定値が実際の温度より大きく上振れまたは下振れすることが判明した。すなわち、2色放射温度計50において測定する2つの波長の視野にずれがあり、測温対象との関係が異なっていることが影響していることが明らかになった。
(1)2色放射温度計において生じる視野ずれ
まず、2色放射温度計50において生じる視野ずれについて、2色放射温度計50の構成とともに説明する。図6は、本実施形態に係る2色放射温度計50の一構成例を示す模式図である。
2色放射温度計50は、図6に示すように、光学窓43を透過した測温対象の自発光の輝度(放射輝度)を、第1の波長λで検出する第1の光検出素子51と、光学窓43を透過した測温対象の自発光の輝度を、第1の波長λとは異なる第2の波長λで検出する第2の光検出素子52と、を有する。レンズ58を介して2色放射温度計50に入射した光は、ビームスプリッタ57により、第1の光検出素子51の設置方向に向かう光と、第2の光検出素子52の設置方向に向かう光とに分割される。
ビームスプリッタ57から第1の光検出素子51の設置方向に向かう光は、集光レンズ55にて集光され、第1の光検出素子51に受光される。ここで、集光レンズ55と第1の光検出素子51との間には、第1の波長λの光のみを透過させる第1の透過フィルタ53が設けられている。したがって、第1の光検出素子51は第1の波長λの光のみを受光する。
同様に、ビームスプリッタ57から第2の光検出素子52の設置方向に向かう光は、集光レンズ56にて集光され、第2の光検出素子52に受光される。ここで、集光レンズ56と第2の光検出素子52との間には、第2の波長λの光のみを透過させる第2の透過フィルタ54が設けられている。したがって、第2の光検出素子52は第2の波長λの光のみを受光する。
このような構成の2色放射温度計50では、測定対象の輝度が、2つの波長λ、λの光ごとに、それぞれ異なる光検出素子51、52によって検出される。このため、2つの波長λ、λの測定視野S1、S2を完全に一致させることは困難であり、図6に示すように、2つの測定視野S1、S2には、多かれ少なかれずれが生じる。2つの波長λ、λの測定視野S1、S2の不一致には、図7の(a)に示すように視野中心は同一だが視野径が異なるケース、図7の(b)に示すように視野中心がずれているケースがあり、(a)及び(b)が混在しているケースもあり得る。
(2)温度測定値への視野欠けの影響
次に、視野欠けが温度測定値にどのように影響するかについて、単色放射温度計による測温時と、2色放射温度計50による測温時とについて調べた。ここでは、高温の測温対象を測定視野が一方向に横切る場合について説明する。
まず、図8に基づいて、単色放射温度計の視野欠けが温度測定値に及ぼす影響を説明する。図8は、測温対象Q(具体的には、光学窓43を介して見える測温対象)に対する単色放射温度計の測定視野S0の位置の推移と、各位置における単色放射温度計の測定温度とを示す説明図である。測温対象Qは、図5に示したコークス炉1の燃焼室20の温度測定の例では、光学窓43の平面形状に対応する。
図8において、単色放射温度計の測定視野S0は、左側から右側へ、測温対象Qを横切るように一方向に移動する。測定視野S0が測定対象から外れているときには、検出される放射輝度が極めて小さいため測定エラーとなり温度は測定されない。測定対象Qが測定視野S0に含まれるようになると、検出される放射輝度が十分ではないため、測温対象Qの真の温度よりは小さい値ではあるものの、徐々に温度が検出されるようになる。そして、測温対象Qが測定視野S0に完全に含まれるようになると、測定される温度が、測温対象Qの真の温度に対応した最高値をとるようになる。測定視野S0に測温対象Qが完全に含まれているときには視野欠けは生じていないが、例えば左側の位置での測定視野S0のように測定視野S0の一部が測温対象Q外にある場合には視野欠けが生じている。
単色放射温度計の場合、測定視野S0が高温の測温対象Qを通過する過程において、視野欠けが生じる領域では、観測する放射輝度が低下する。このため、図8に示すように、観測する放射輝度が低下した分だけ、測定温度(見かけの温度)が低下する。なお、このような現象を回避するため、例えば、単色放射温度計にピークホールド機能を持たせて、測定温度のうち最高温度を確からしい温度として採用することが一般的に行われている(例えば、特許文献3、4)。
次に、図9及び図10に基づいて、2色放射温度計の視野欠けが温度測定値に及ぼす影響を説明する。図9及び図10は、測温対象Qに対する2色放射温度計の測定視野S1、S2の位置の推移と、各位置における2色放射温度計の測定温度とを示す説明図である。図9では、図7の(a)に示した視野中心は同一だが視野径が異なるケースを示す。図10では、図7の(b)に示した視野中心がずれているケースを示す。
図9に示す視野中心は同一だが視野径が異なるケースでは、2色放射温度計50の測定視野S1、S2は、左側から右側へ、測温対象Qを横切るように一方向に移動する。測定視野S1、S2が高温の測温対象Qを通過する過程において、2色放射温度計50により測定される温度は以下の(a-i)~(a-iv)のように変化する。
(a-i)測定視野S1、S2の少なくともいずれか一方が測温対象Qから外れているときには、第1の波長λと第2の波長λの少なくともいずれか一方で検出される放射輝度が極めて小さいため、測定エラーとなり温度は検出されない。
(a-ii)その後、測温対象Qが測定視野S1に入り、測温対象Qが測定視野S2に入った瞬間の視野欠け時には、第1の波長λと第2の波長λの両方で放射輝度が検出されることから測定エラーにはならない。しかし、2色比Rを算出する際の一方の波長で検出される輝度が大きく(但し、測温対象の放射光の輝度に応じた大きさ)、他方の波長で検出される輝度が極めて小さくなる。このため、これらの輝度から算出される2色比Rの値が極めて大きく変動してしまう。その結果、温度が上振れする等、異常な値で測定されることになる。すなわち、検出される輝度は通常か小さいにも関わらず、真の温度を求めるための比が異常に大きい値となり、求まる温度がそれに影響される。
(a-iii)さらに、その後、測定対象Qが、測定視野S1、S2に十分に入った場合には、第1の波長λと第2の波長λの両方で、測温対象Qの放射輝度が検出できる。このため、本来あるべき2色比の演算が可能となり、異常な値をとることなく、測定対象Qの真の温度を測定することができるようになる。
(a-iv)さらに、その後、測温対象Qが測定視野S1に入り、測温対象Qが測定視野S2から外れる瞬間の視野欠け時には、(a-ii)の視野欠け時と同様に、2色比Rの値が極めて大きく変動してしまう。このため、温度が上振れする等、異常な値で測定されることになる。
また、図10に示す視野中心がずれているケースでは、2色放射温度計50の測定視野S1、S2は、左側から右側へ、測温対象Qを横切るように一方向に移動する。測定視野S1、S2が高温の測温対象Qを通過する過程において、2色放射温度計50により測定される温度は以下の(b-i)~(b-iv)のように変化する。
(b-i)測定視野S1、S2の少なくともいずれか一方が測温対象Qから外れているときには、第1の波長λと第2の波長λの少なくともいずれか一方で検出される放射輝度が極めて小さいため、測定エラーとなり温度は検出されない。
(b-ii)その後、測温対象Qが測定視野S1に入り、測温対象Qが測定視野S2に入った瞬間の視野欠け時には、第1の波長λと第2の波長λの両方で放射輝度が検出されることから測定エラーにはならない。しかし、2色比Rを算出する際の一方の波長で検出される輝度が大きく(但し、測温対象の放射光の輝度に応じた大きさ)、他方の波長で検出される輝度が極めて小さくなるため、これらの輝度から算出される2色比Rの値が極めて大きく変動してしまう。このため、温度が上振れする等、異常な値で測定されることになる。すなわち、検出される輝度は通常か小さいにも関わらず、真の温度を求めるための比が異常に大きい値となり、求まる温度がそれに影響される。
(b-iii)さらに、その後、測定対象Qが、測定視野S1、S2に十分に入った場合には、第1の波長λと第2の波長λの両方で、測温対象Qの放射輝度が検出できる。このため、本来あるべき2色比の演算が可能となり、異常な値をとることなく、測定対象Qの真の温度を測定することができるようになる。
(b-iv)さらに、その後、測温対象Qが測定視野S1から外れる瞬間で、測温対象Qが測定視野S2に入った状態の視野欠け時には、(b-ii)の視野欠け時とは逆方向に、2色比Rの値が極めて大きく変動してしまう。このため、温度が下振れする等、異常な値で測定されることになる。
このように、2色放射温度計50による測温では、測定視野S1、S2にずれがあることにより波長λの受光面積と波長λの受光面積との比が変化するため、測定温度が上振れしたり下振れしたりする。2色放射温度計50では、最大温度が異常値となることもあるため、単色放射温度計の場合のようにピークホールド機能を設けたとしても、最大温度を確からしい温度として採用することができない。
そこで、本願発明者は、上述のような原因で視野欠けにより生じる不確かな測定温度を除外するため、2色放射温度計50により検出される輝度信号に着目した。すなわち、図9及び図10の下段に示した2色放射温度計50による放射輝度のグラフより、測定視野S1、S2のずれの状態によらず、視野欠けの領域では、測温対象Q上に測定視野S1、S2が収まっているときの放射輝度(すなわち、第1の光検出素子51及び第2の光検出素子52で検出された輝度のうち最大となる輝度。最大輝度Lmax)より放射輝度が低くなる。これより、最大輝度Lmaxに近い放射輝度が検出されているときには視野欠けの影響が軽微であり、確からしい温度が測定されていると判定することができる。言い換えると、2つの波長のうち少なくとも一方の波長において、検出された放射輝度が最大輝度Lmaxの所定の割合未満(例えば10%未満)であるときには、視野欠けにより確からしい温度は測定されていない、と判定することができる。
したがって、2色放射温度計50において、検出された放射輝度のうち、最大輝度Lmaxに近い放射輝度が検出されたときの測定を特定し、特定された測定における温度に基づいて測温対象の測定温度を求めることにより、より確からしい温度を測定温度として提示することができる。
なお、図9及び図10の最大輝度Lmaxは、測温対象Qの温度、あるいは、光学窓43の端面の汚れ等により変化するが、例えば測定位置をずらしながら多点測定して得られた十分な数の輝度測定データから特定される最大輝度を用いてもよい。
(3)2色放射温度計における表示温度の算出方法
本実施形態に係る2色放射温度計50は、上述した光学部材に加え、例えば図6に示すように、測温対象の測定温度を求める演算処理部59aと、記憶部59bと、を有する。
記憶部59bには、第1の光検出素子51で検出された放射輝度と、当該第1の光検出素子51で検出した輝度に対応する第2の光検出素子52で検出された放射輝度が記録されている。これらの放射輝度は、2色放射温度計50による測定毎に関連付けて記録される。
演算処理部59aは、記憶部59bに記憶された輝度のうち、第1の光検出素子51で検出した輝度と、当該第1の光検出素子51で検出した輝度に対応する第2の光検出素子52で検出した輝度との比に基づいて、測温対象の温度を求める。より具体的には、演算処理部59aは、第1の光検出素子51及び第2の光検出素子52で検出された輝度のうち最大となる輝度を最大輝度Lmaxとした場合に、記憶部59bに記憶された輝度のうち、第1の波長λ及び第2の波長λの少なくともいずれか一方で測定された輝度が、最大輝度Lmaxの所定の割合以上であるか否かを判定し、第1の波長λ及び第2の波長λで測定して得られた輝度のうち、最大輝度Lmaxの所定の割合以上であると判定された輝度について、第1の光検出素子51で検出した輝度と、第1の光検出素子51で検出した輝度に対応する第2の光検出素子52で検出した輝度との比に基づいて、測温対象の温度を求める。
すなわち、演算処理部59aは、少なくともいずれか一方の波長について、記憶部59bに記録されている複数回の検出により取得された放射輝度に基づき、確からしい温度が得られている測定を1または複数抽出する。これにより、視野欠けの影響が軽微であって確からしい温度が得られている測定を特定し、異常な測定温度が得られている測定を除外する。そして、演算処理部59aは、抽出された測定における温度に基づいて、測温対象の測定温度を求める。
なお補足すると、原理的に言えば、第1の波長λ及び第2の波長λで検出された輝度が、両方とも最大輝度Lmaxの所定の割合以上であることが、視野欠けではないことに相当するが、視野欠けとなるタイミングは一瞬でしかないため、片方の波長だけが、最大輝度Lmaxの所定の割合以上であることを、視野欠けの条件であるとしても、実質的に大きな問題を生じさせることはない。そのため、片方の波長だけで判断するようにすることで、温度測定作業を簡便にすることができる。
このように、本実施形態に係る2色放射温度計50では、当該2色放射温度計50で測定される温度の確からしさを、温度の値を基準とするのではなく、輝度を基準として判断する。このため、本実施形態に係る2色放射温度計50では、視野外れが生じ、2色比から算出される温度が上振れしたとしても、それに影響されることなく、正しい温度を測定することができる。
図11に基づき、本発明の一実施形態に係る温度測定装置である2色放射温度計50における表示温度の算出例を説明する。図11は、本実施形態に係る2色放射温度計50により10回の測定を行ったときの各測定における放射輝度に基づく温度と、第1の波長λの放射輝度とを示すグラフである。放射輝度については、最大輝度を基準とした相対値を示している。
図11に示す測定結果は、図4に示したようにコークス炉1の燃焼室20内を測温する状況において、作業者9が、手動で2色放射温度計50の観測視野をフリュー蓋40に設置した光学窓43に合わせるようにしながら、10回測定することにより得たものである。図11より、各測定において得られた温度は、1190℃付近から1225℃付近までの範囲でばらついている。4回目の測定及び9回目の測定では、完全な視野外れにより測定エラーとなり測温不能であったため、表示温度は示していない。
放射輝度については、7回目の測定での値が最大であった。したがって、7回目の測定では、2色放射温度計50の測定視野が光学窓43の範囲に対して最も視野が欠けることなく入っていたと考えられるため、7回目の測定における測定温度から最大輝度Lmaxを求める。
最大輝度Lmaxから所定の割合以上の輝度である輝度が検出されているのは、2回目、7回目及び10回目の測定である。したがって、2回目、7回目及び10回目の測定温度が確からしい温度と判定される。そして、これらの温度の平均値を求め、2色放射温度計50による測温対象の測定温度としてもよい。このように多点平均を取ることにより、2色放射温度計50の測定においてランダムに誤差が生じている場合(例えば、光学窓43の端面が著しく汚れて観測する放射光の絶対値が小さい場合、等)には、より確からしい測定温度を得ることができる。
なお、図11に示した例では、10回の測定結果から本実施形態に係る2色放射温度計50による測温対象の測定温度を求めたが、本発明は係る例に限定されない。2色放射温度計50による測定回数は、少なくとも1つの測定は視野欠けのない状態で測定値が得られているとみなせる十分な回数を適宜設定すればよい。
また、図11に示した例では、本実施形態に係る2色放射温度計50により検出される2つの波長の放射輝度のうち、第1の波長λの放射輝度に基づき、確からしい温度が得られている測定を特定したが、本発明は係る例に限定されない。例えば、第2の波長λの放射輝度に基づき、確からしい温度が得られている測定を特定してもよい。あるいは、第1の波長λの輝度、第2の波長λの放射輝度それぞれについて、確からしい温度が得られている測定を特定し、いずれの波長においても特定されている測定温度に基づき、2色放射温度計50による測温対象の測定温度を求めてもよい。
[3.まとめ]
以上、本発明の一実施形態に係る温度測定装置及び温度測定方法について説明した。本実施形態によれば、2色放射温度計を用いて、炉上の燃焼室観察孔に設けられた光学窓を介して、異なる2つの波長の放射輝度を複数回測定し、少なくともいずれか一方の波長について、測定された複数の放射輝度に基づき、確からしい温度が得られている測定を1または複数抽出し、抽出された測定における温度に基づいて、燃焼室の測定温度を求める。
これにより、フリュー蓋を観察孔から取り外すことなく燃焼室の測温が可能となり、人手による測温作業を効率的に行うことができる。この結果、より多くの測温箇所あるいは頻度の高い測温が可能になり、コークス炉の操業の安定化を図ることができる。
また、2色放射温度計を用いることで、視野欠けが生じたり、光学窓に汚れにより燃焼室から出射される放射光が低下したりしても、正確な温度測定を実現することができる。さらに、2色放射温度計において、複数回の測定において得られた放射輝度から確からしい温度が得られている測定を1または複数抽出し、当該測定における温度から燃焼室の測定温度を求めることで、より正確な測定温度を得ることができる。
なお、上記実施形態では、2色放射温度計を用いて、コークス炉の燃焼室の温度を測定する方法について説明したが、本発明は係る例に限定されない。本発明は、高温の測温対象からの熱放射を観測して温度を測定する放射測温法に関するものである。特に、上記実施形態にて説明したコークス炉の燃焼室の温度測定へ適用することにより、測温を迅速かつ簡便に行うことができる。2色放射温度計は、例えば、測温対象が高温であり、粉塵あるいは蒸気等によって安定した測温が難しい環境下での使用に適している。したがって、例えば、熱処理工程等において高温の物体あるいは雰囲気の温度測定において、本発明を適用することも可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 コークス炉
5 コークス
9 作業者
10 炭化室
20 燃焼室
30 炉頂部
35 観察孔
40 フリュー蓋
41 蓋部
41a フランジ部
41b 光学窓収容部
41c 突出部
43 光学窓
50 色放射温度計
51 第1の光検出素子
52 第2の光検出素子
53 第1の透過フィルタ
54 第2の透過フィルタ
55、56 集光レンズ
57 ビームスプリッタ
58 レンズ
59a 演算処理部
59b 記憶部
60 蓄熱室

Claims (5)

  1. 測温対象の温度を測定する温度測定装置であって、
    前記測温対象の放射光の輝度を、第1の波長で検出する第1の光検出素子と、
    前記測温対象の放射光の輝度を、前記第1の波長とは異なる第2の波長で検出する第2の光検出素子と、
    前記第1の光検出素子及び前記第2の光検出素子で検出した輝度を対応させて記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された輝度のうち、前記第1の光検出素子で検出した輝度と、当該第1の光検出素子で検出した輝度に対応する前記第2の光検出素子で検出した輝度との比に基づいて、前記測温対象の温度を求める演算処理部と、
    を有し、
    前記演算処理部は、前記第1の光検出素子及び前記第2の光検出素子で検出された輝度のうち最大となる輝度を最大輝度Lmaxとした場合に、
    前記記憶部に記憶された輝度のうち、前記第1の波長及び前記第2の波長の少なくともいずれか一方で検出された輝度が、前記最大輝度Lmaxの所定の割合以上であるか否かを判定し、
    前記第1の波長及び前記第2の波長で検出して得られた輝度のうち、前記最大輝度Lmaxの所定の割合以上であると判定された輝度について、前記第1の光検出素子で検出した輝度と、当該第1の光検出素子で検出した輝度に対応する前記第2の光検出素子で検出した輝度との比に基づいて、前記測温対象の温度を求める、温度測定装置。
  2. 前記演算処理部は、
    前記第1の波長及び前記第2の波長で測定して得られた輝度のうち、前記最大輝度Lmaxの所定の割合以上であると判定された複数の輝度について、前記第1の光検出素子で検出した輝度と、当該第1の光検出素子で検出した輝度に対応する前記第2の光検出素子で検出した輝度との比に基づいて温度を算出し、
    算出した複数の温度の平均値から、前記測温対象の温度を求める、請求項1に記載の温度測定装置。
  3. 前記測温対象は、コークス炉の燃焼室であり、
    前記第1の光検出素子及び前記第2の光検出素子は、前記コークス炉の燃焼室の上方の観察孔に設けられた光学窓を介して、前記コークス炉の燃焼室の輝度を検出する、請求項1または2に記載の温度測定装置。
  4. 測温対象の温度を測定する温度測定方法であって、
    前記測温対象の放射光の輝度を、第1の波長で検出する第1の光検出素子と、
    前記測温対象の放射光の輝度を、前記第1の波長とは異なる第2の波長で検出する第2の光検出素子と、
    前記第1の光検出素子及び前記第2の光検出素子で検出した輝度を対応させて記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された輝度のうち、前記第1の光検出素子で検出した輝度と、当該第1の光検出素子で検出した輝度に対応する前記第2の光検出素子で検出した輝度との比に基づいて、前記測温対象の温度を求める演算処理部と、
    を有する温度測定装置を用いて前記測温対象の温度を測定し、
    前記演算処理部は、前記第1の光検出素子及び前記第2の光検出素子で検出された輝度のうち最大となる輝度を最大輝度Lmaxとした場合に、
    前記記憶部に記憶された輝度のうち、前記第1の波長及び前記第2の波長の少なくともいずれか一方で測定された輝度が、前記最大輝度Lmaxの所定の割合以上であるか否かを判定し、
    前記第1の波長及び前記第2の波長で測定して得られた輝度のうち、前記最大輝度Lmaxの所定の割合以上であると判定した輝度について、前記第1の光検出素子で検出した輝度と、当該第1の光検出素子で検出した輝度に対応する前記第2の光検出素子で検出した輝度との比に基づいて、前記測温対象の温度を求める、温度測定方法。
  5. 前記測温対象は、コークス炉の燃焼室であり、
    前記第1の光検出素子及び前記第2の光検出素子は、前記コークス炉の燃焼室の上方の観察孔に設けられた光学窓を介して、前記コークス炉の燃焼室の輝度を検出する、請求項4に記載の温度測定方法。
JP2021045921A 2021-03-19 2021-03-19 温度測定装置及び温度測定方法 Pending JP2022144766A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021045921A JP2022144766A (ja) 2021-03-19 2021-03-19 温度測定装置及び温度測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021045921A JP2022144766A (ja) 2021-03-19 2021-03-19 温度測定装置及び温度測定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022144766A true JP2022144766A (ja) 2022-10-03

Family

ID=83454244

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021045921A Pending JP2022144766A (ja) 2021-03-19 2021-03-19 温度測定装置及び温度測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022144766A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002527769A (ja) 燃焼室に直接配置された前面レンズを備える光学系の監視方法及び装置
Crosland et al. Analysis of uncertainties in instantaneous soot volume fraction measurements using two-dimensional, auto-compensating, laser-induced incandescence (2D-AC-LII)
US7938576B1 (en) Sensing system for obtaining images and surface temperatures
RU2005105310A (ru) Аналитическая система и способ для измерения и управления процессом изготовления стекла
WO2012177649A1 (en) Compensation of stray light interference in substrate temperature measurement
JP2022144766A (ja) 温度測定装置及び温度測定方法
WO2011004396A1 (en) Temperature determination of a visible heat source using digital camera
JP2008268106A (ja) 温度情報計測方法
Lowe et al. Correction of temperature errors due to the unknown effect of window transmission on ratio pyrometers using an in situ calibration standard
Keyvan et al. Blackbody-based calibration for temperature calculations in the visible and near-IR spectral ranges using a spectrometer
JP2002303553A (ja) 温度分布測定方法および装置
Bonefačić et al. Two-color temperature measurement method using BPW34 PIN photodiodes
JP2022144765A (ja) コークス炉及びコークス炉の温度測定方法
KR20040010172A (ko) 방사율 분포 측정 장치 및 방법
JP6570059B2 (ja) 非接触温度測定方法および測定システム
JP3820259B2 (ja) 溶融スラグの温度計測方法
JP2004045268A (ja) 温度分布測定方法および装置
US11703391B2 (en) Continuous spectra transmission pyrometry
KR100985341B1 (ko) 반도체 레이저를 이용한 강재의 온도 측정장치
US20230204505A1 (en) Device for detecting a gas or a multicomponent gas mixture
JP2001249049A (ja) 溶融スラグの温度計測方法
JP2022529222A (ja) 非接触型温度センサ
JPH02306130A (ja) 焼成炉温度測定方法及びその装置
Virgo et al. low-Cost, High-Performance Alternatives for Target Temperature Monitoring Using the Near-Infrared Spectrum
JP2003121262A (ja) 温度測定方法および装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231120