JP2022144173A - 構造体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022144173000001
【課題】歩留まりに優れる構造体の製造方法の提供。
【解決手段】基板と、当該基板上に設けられた樹脂組成物層の硬化物とを含む構造体の製造方法であって、(A)支持フィルムと該支持フィルム上に設けられた樹脂組成物層とを含む樹脂シートを、その樹脂組成物層が接合するように、基板と接合させる工程、(B)基板と接合している樹脂組成物層を、支持フィルムを介して露光する工程、(C)露光された樹脂組成物層を加熱する工程、(D)露光工程及び続く加熱工程を実施することで得られた樹脂組成物層から支持フィルムを剥離して、樹脂組成物層を露出させる工程、及び、(E)露出した樹脂組成物層を現像する工程を含む、構造体の製造方法。
【選択図】図5

Description

本発明は、構造体の製造方法に関する。
近年、スマートフォン、タブレットPCといった小型の高機能電子機器の需要が増大している。それに伴い、こうした小型の高機能電子機器に用いられる基板を含む構造体のさらなる高機能化、小型化が求められている。
構造体には、基板上に電子部品が実装される場合がある。そして、近年では、電子部品の周囲を覆うために基板及び基板上の電子部品上に樹脂組成物の硬化物が設けられるようになってきた(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2017-083851号公報 特開2020-166125号公報
しかしながら、基板上に樹脂組成物の硬化物を設けるために、支持フィルムと樹脂組成物層とを含む樹脂シートを用いる場合、基板と樹脂組成物層とを接合した後に、支持フィルムを剥離すると、樹脂組成物層の硬化物にクラックが生じる場合があり、構造体の歩留まりが悪い。また、電子部品の周囲に中空領域が画成されるように樹脂組成物層を基板と接合させた場合、樹脂組成物層にたわみが生じる場合があり、構造体の歩留まりが悪い。
そこで、本発明は、歩留まりに優れる構造体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題につき鋭意検討した結果、構造体の製造方法が含む複数の工程を特定の手順で実施することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
[1] 基板と、当該基板上に設けられた樹脂組成物層の硬化物とを含む構造体の製造方法であって、下記の工程:
(A)支持フィルムと該支持フィルム上に設けられた樹脂組成物層とを含む樹脂シートを、その樹脂組成物層が接合するように、基板と接合させる工程、
(B)基板と接合している樹脂組成物層を、支持フィルムを介して露光する工程、
(C)露光された樹脂組成物層を加熱する工程、
(D)露光工程及び続く加熱工程を実施することで得られた樹脂組成物層から支持フィルムを剥離して、樹脂組成物層を露出させる工程、及び、
(E)露出した樹脂組成物層を現像する工程
を含む、構造体の製造方法。
[2] (F)現像された樹脂組成物層をさらに露光する工程をさらに含む、[1]に記載の構造体の製造方法。
[3] (G)現像された樹脂組成物層を加熱する工程をさらに含む、[1]又は[2]に記載の構造体の製造方法。
[4] 基板は、平板部と突条部とを含み、(A)工程において、基板の平板部と樹脂組成物層との間に中空領域が画成されるように、樹脂組成物層と基板の突条部とを接合させる、[1]~[3]のいずれかに記載の構造体の製造方法。
[5] 構造体は、中空領域に配置された電子部品を含む、[4]に記載の構造体の製造方法。
[6] 樹脂シートが、樹脂組成物層上に設けられた保護フィルムをさらに含み、(A)工程は、さらに、樹脂シートから保護フィルムを剥離して、樹脂組成物層を露出させる工程を含む、[1]~[5]のいずれかに記載の構造体の製造方法。
[7] 支持フィルムが、離型処理された支持フィルムである、[1]~[6]のいずれかに記載の構造体の製造方法。
[8] 樹脂組成物層が、分子中にフェノール性水酸基を有する化合物を含む、[1]~[7]のいずれかに記載の構造体の製造方法。
[9] 樹脂組成物層が、分子中に少なくとも2つのアルコキシメチル基を含有する化合物を含む、[1]~[8]のいずれかに記載の構造体の製造方法。
[10] 支持フィルムのヘーズ値が10%以下である、[1]~[9]のいずれかに載の構造体の製造方法。
本発明によれば、歩留まりに優れる構造体の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の構造体の製造方法において用いる基板の構成の一例を示す部分拡大断面図である。 図2は、本発明の構造体の製造方法において用いる基板の構成の別の例を示す部分拡大断面図である。 図3は、本発明の構造体の製造方法において用いる樹脂シートの第1の例の構成を示す断面図である。 図4は、本発明の構造体の製造方法において用いる樹脂シートの第2の例の構成を示す断面図である。 図5は、図1に示す基板と、図3に示す樹脂シートとが接合された場合に得られる積層体の構造を示す部分拡大断面図である。 図6は、本発明の一実施形態において製造される構造体(中空構造体)の構造を示す部分拡大断面図である。 図7は、本発明の実施例において用いた第1のフォトマスクの外観を示す部分拡大平面図である。 図8は、本発明の実施例において用いた第2のフォトマスクの外観を示す部分拡大平面図である。
以下、本発明の構造体の製造方法について、その実施形態及び例示物を示して詳細に説明する。ただし、本発明は、下記実施形態及び例示物に限定されるものではなく、特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
本発明の構造体の製造方法(以下、「本発明の方法」ともいう。)によって製造される構造体は、基板と、当該基板上に設けられた樹脂組成物層の硬化物とを含む。そこで、まず、基板と、樹脂組成物層と、基板上に樹脂組成物層を設けるために用いられる樹脂シートとについて説明する。
[基板]
基板は、露光及び加熱に耐えうるものであれば特に限定されるものではないが、一実施形態では、基板は半導体ウェハである。半導体ウェハとしては、シリコン(Si)系ウェハが好適に挙げられるが、それに限定されるものではなく、例えば、ガリウムヒ素(GaAs)系、インジウムリン(InP)系、ガリウムリン(GaP)系、ガリウムナイトライド(GaN)系、ガリウムテルル(GaTe)系、亜鉛セレン(ZnSe)系、シリコンカーバイド(SiC)系などのウェハを用いてもよい。基板として、半導体ウェハに代えて、ガラス基板、セラミック圧電基板、銅張積層板を用いてもよい。基板の上面視形状は特に限定されず、円形、角形等であってよい。基板の上面視寸法は特に限定されず、円形基板である場合には例えば直径50mm~500mmの範囲であってよく、角形基板である場合には例えば50mm角~500mm角の範囲であってよい。基板は、好ましくは平板部を含む。
好適な実施形態では、基板は、平板部と突条部とを含む。図1は、本発明の方法において用いる基板の構成の一例を示す部分拡大断面図である。図1に示す基板100aは、平板部110と、突条部120とを含む。図1に示すように、突条部120は、通常、平板部110上に設けられている。突条部120の材質は限定されるものではないが、好適な一実施形態では、突条部120は、樹脂組成物の硬化物を含んで形成されており、好ましくは樹脂組成物の硬化物からなる。突条部120を形成する樹脂組成物としては、後述する樹脂組成物層を構成する樹脂組成物と同様又は同一の組成を有する樹脂組成物が好ましい。
突条部は、平板部と後述する屋根部と共に中空領域を形成し得る中空構造体の一部(以下、「枠体」ともいう。)であることが好ましく、該枠体の上面視形状としては、例えば、三角形、四角形、五角形等の多角形、真円、楕円等の円形などが挙げられる。また、突条部(枠体)は、上面視において、その一部が欠けた形状、例えば、C字状、U字状、V字状であってもよい。突条部の寸法は、後述する電子部品を格納し得る限り特に限定されず、電子部品の寸法に応じて適宜決定してよい。本発明の方法によれば、電子部品を格納するための中空領域の上面視面積が大きい場合であっても、樹脂シートを用いて屋根部を設けた後に該樹脂シート由来の指示フィルムを屋根部から剥離する際に屋根部のクラックや破れを抑制することができる。例えば、突条部(枠体)の上面視寸法(中空領域の上面視寸法)は、突条部の上面視形状が四角形である場合、1辺50μm~20000μmの範囲としてよく、突条部の上面視形状が円形である場合、直径50μm~20000μmの範囲としてよい。突条部の上面視形状が他の形状である場合、上面視面積が同等の範囲にて各上面視寸法を適宜決定してよい。突条部の高さは、例えば、5μm~200μmの範囲としてよい。
基板は、さらに、電子部品を含んでいてもよい。図2は、本発明の方法において用いる基板の構成の別の例を示す部分拡大断面図である。図2に示す基板100bは、平板部110と、平板部110上に設けられた突条部120と、平板部110上に設けられた電子部品130とを含む。図2における平板部110と突条部120は、それぞれ、図1に示す平板部110及び突条部120と同一である。図2に示すように、電子部品130は、突条部120に囲まれた領域内に設けられることが好ましい。電子部品としては任意のものを用いることができ、一実施形態では、電子部品130は、スマートフォン、タブレットPCといった情報通信機器等の高機能電子機器に用いられる各種電子部品であってよい。電子部品については、構造体との関係において後述する。図2に示す例では、突条部120に囲まれた領域内において電子部品130は封止されていないが、封止されていてもよい。電子部品130の封止のために、突条部120に囲まれた領域内に樹脂組成物が充填されていてもよい。好適な一実施形態では、電子部品130は封止されずに、突条部120に囲まれた領域内は中空領域が維持される。
[樹脂組成物層]
樹脂組成物層は、露光及び加熱によって硬化可能な樹脂組成物を含んで形成された層であれば限定されるものではなく、ガラスクロス等の基材を含んでいてもよい。一実施形態において、樹脂組成物層は、樹脂組成物からなる層である。
樹脂組成物層は、(a)樹脂を含むほか、さらに任意の成分を含んでいてもよい。任意の成分としては、例えば、(b)開始剤、(c)任意の添加剤(ただし(b)成分を除く。)及び(d)溶剤が挙げられる。これらの成分について以下に説明する。
-(a)成分-
(a)成分は、光・熱に基づく硬化反応に寄与する樹脂である限り特に限定されず、例えば、フェノール樹脂、アミノ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂を挙げることができる。これらの樹脂は重合性モノマーであってもよい。樹脂組成物層は、(a)成分を1種類含んでいてもよいし、複数種類含んでいてもよい。樹脂組成物層は、露光・加熱の硬化処理の後に現像し得るように、後述する現像液(好ましくはアルカリ溶液)に対して可溶性を示すことが好ましい。したがって一実施形態において、(a)成分は、アルカリ可溶性樹脂を含む。
-アルカリ可溶性樹脂-
アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ溶液に対して可溶性を示す樹脂である。このため、アルカリ可溶性樹脂は、分子中に、カルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基及びチオール基から選択される官能基を有する化合物を含むことが好ましい。好適な一実施形態において、樹脂組成物層は、アルカリ可溶性樹脂として、(a1)分子中にフェノール性水酸基を有する化合物を含む。(a1)成分を、1種類含んでいてもよいし、複数種類含んでいてもよい。
--(a1)分子中にフェノール性水酸基を有する化合物--
(a1)成分の例としては、下記式(A-1)で表される構造を含む化合物、下記式(A-2)で表される構造を含む化合物、及び下記式(A-3)で表される構造を有する化合物が挙げられる。一実施形態では、樹脂組成物層は、下記式(A-1)で表される構造を含む化合物、下記式(A-2)で表される構造を含む化合物、及び下記式(A-3)で表される構造を有する化合物を含む。
Figure 2022144173000002
式(A-1)中、Rは、それぞれ独立に、下記式(a)で表される2価の基を表し、Xはそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい1価の複素環基を表す。n1は、0~4の整数を表し、m1は1~200の整数を表す。*は結合手を表す。
式(A-2)中、Rは、それぞれ独立に、下記式(b)で表される2価の基、下記式(c)で表される2価の基、下記式(b)で表される2価の基と下記式(c)で表される2価の基の組み合わせからなる2価の基、下記式(a)で表される2価の基と下記式(b)で表される2価の基との組み合わせからなる2価の基、又は下記式(a)で表される2価の基と下記式(c)で表される2価の基との組み合わせからなる2価の基を表し、Xはそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい1価の複素環基を表す。n2は、0~4の整数を表し、m2は1~200の整数を表す。*は結合手を表す。
式(A-3)中、Rは、下記式(a)で表される2価の基、下記式(b)で表される2価の基、下記式(c)で表される2価の基、又はこれらの組み合わせからなる2価の基を表し、X及びXは、それぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい1価の複素環基を表す。n3及びn4は、それぞれ独立に0~4の整数を表す。
Figure 2022144173000003
式(a)中、R11及びR12は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、又はこれらの組み合わせからなる基を表し、R11及びR12は互いに結合して環を形成していてもよい。*は結合手を表す。
式(b)中、X11はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基を表す。p1は、0~4の整数を表す。*は結合手を表す。
式(c)中、X12及びX13はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基を表す。p2及びp3は、それぞれ独立に0~4の整数を表す。*は結合手を表す。
---式(A-1)で表される構造を含む化合物---
(a1)成分は、下記式(A-1)で表される構造を含む化合物を含有していてもよい。式(A-1)で表される構造を含む化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
Figure 2022144173000004
式(A-1)中、Rは、それぞれ独立に、下記式(a)で表される2価の基を表し、Xはそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい1価の複素環基を表す。n1は、0~4の整数を表し、m1は1~200の整数を表す。*は結合手を表す。
Figure 2022144173000005
式(a)中、R11及びR12は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、又はこれらの組み合わせからなる基を表し、R11及びR12は互いに結合して環を形成していてもよい。*は結合手を表す。
は、それぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい1価の複素環基を表す。 中でも、本発明の効果を顕著に得る観点から、Xとしては、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、ハロゲン原子が好ましく、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基がより好ましく、置換基を有していてもよいアルキル基がさらに好ましい。
アルキル基は、直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基であってもよく、環状のアルキル基は、単環、多環のいずれであってもよい。アルキル基としては、炭素原子数1~10のアルキル基が好ましく、炭素原子数1~6のアルキル基がより好ましく、炭素原子数1~3のアルキル基がさらに好ましい。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、イソプロピル基、s-ブチル基、t-ブチル基、2-メチルプロピル基、3-ヘプチル基等が挙げられる。中でも、本発明の効果を顕著に得る観点から、メチル基が特に好ましい。
アリール基としては、炭素原子数6~30のアリール基が好ましく、炭素原子数6~20のアリール基がより好ましく、炭素原子数6~10のアリール基がさらに好ましい。アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
1価の複素環基としては、炭素原子数3~21の1価の複素環基が好ましく、3~15の1価の複素環基がより好ましく、3~9の1価の複素環基がさらに好ましい。1価の複素環基には、1価の芳香族複素環基(ヘテロアリール基)も含まれる。1価の複素環基としては、例えば、チエニル基、ピロリル基、フラニル基、フリル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジル基、ピラジニル基、トリアジニル基、ピロリジル基、ピペリジル基、キノリル基、及びイソキノリル基が挙げられる。中でも、ピロリジル基が好ましい。1価の複素環基とは、複素環式化合物の複素環から水素原子1個を除いた基をいう。
は、それぞれ独立に、式(a)で表される2価の基を表す。式(a)中の結合手は、式(A-1)中のフェノール部位のOH基に対して、オルト位、メタ位、及びパラ位のいずれかに結合していることが好ましく、メタ位及びパラ位のいずれかに結合していることがより好ましく、メタ位及びパラ位に結合しているものが混在していることがさらに好ましい。式(a)中の結合手は、式(A-1)中のフェノール部位のOH基に対して、メタ位及びパラ位に結合しているものが混在している場合、式(a)中の結合手がメタ位に結合しているものをmとし、式(a)中の結合手がパラ位に結合しているものをpとしたとき、その混合比率(m:p)は1:0.1~10が好ましく、1:0.1~5がより好ましく、1:0.1~1がさらに好ましく、1:0.5~2が特に好ましい。
式(a)中、R11及びR12は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、又はこれらの組み合わせからなる基を表し、R11及びR12は互いに結合して環を形成していてもよい。中でも、本発明の効果を顕著に得る観点から、水素原子、アルキル基が好ましい。
11及びR12が表すアルキル基、アリール基、及び1価の複素環基としては、式(A-1)中のXが表すアルキル基、アリール基、及び1価の複素環基と同様である。
これらの組み合わせからなる基としては、アルキル基とカルボニル基との組み合わせからなる基、アリール基とカルボニル基との組み合わせからなる基、アルキル基とアミノ基とカルボニル基との組み合わせからなる基、アリール基とアミノ基とカルボニル基との組み合わせからなる基等が挙げられる。
11及びR12は、互いに結合して環を形成していてもよく、環構造は、スピロ環や縮合環も含む。この場合、R11及びR12は、シクロペンタン環を形成する基、シクロヘキサン環を形成する基、2,2-ジメチル-4-メチルシクロヘキサン環を形成する基、フルオレン環を形成する基、ピロリジン環を形成する基、γ-ラクタム環等であることが好ましい。
式(a)で表される2価の基の具体例としては、以下の基を挙げることができる。式中、「*」は結合手を表す。
Figure 2022144173000006
Figure 2022144173000007
が表すアルキル基、並びにR11及びR12が表すアルキル基及びアリール基は置換基を有していてもよい。本発明において、各基が置換基を有する場合の置換基としては、ハロゲン原子、-OH、-O-C1-6アルキル基、-N(C1-6アルキル基)、C1-6アルキル基、C6-10アリール基、-NH、-NH(C1-6アルキル基)、-CN、-C(O)O-C1-6アルキル基、-C(O)H、-NO等が挙げられる。
本明細書において、「置換基を有していてもよい」という表現は、特に断らない限り、無置換、若しくは置換基を1~5個(好ましくは1、2若しくは3個)有していることを意味する。なお、複数個の置換基を有する場合、それらの置換基は同一であっても、互いに異なっていてもよい。また、本明細書において、「C~C」(p及びqは正の整数であり、p<qを満たす。)という用語は、この用語の直後に記載された有機基の炭素原子数がp~qであることを表す。例えば、「C~Cアルキル基」という表現は、炭素原子数1~6のアルキル基を示す。
n1は0~4の整数を表し、0~3の整数を表すことが好ましく、0又は1を表すことがより好ましく、1が特に好ましい。
m1は1~200の整数を表し、1~150の整数を表すことが好ましく、1~100の整数を表すことがより好ましく、1~50の整数を表すことがさらに好ましい。
式(A-1)で表される構造を含む化合物の具体例としては、以下の樹脂を挙げることができる。下記式(1)中、nは1~200の整数を表す。
Figure 2022144173000008
式(A-1)で表される構造を含む化合物は、市販品を用いることができ、2種以上を併用してもよい。用いられ得る市販品の具体例としては、旭有機材社製「TR-4020G」(式(1)で表される樹脂、繰り返し単位中のフェノール部位のOH基に対して、例えば、メチレン基のメタ位への結合が60%、パラ位への結合が40%の割合で混在);旭有機材社製「TR-4050G」、「TR-4080G」、「TR-5020G」、「TR-5050G」、「TR-6020G」、「TR-6050G」、「TR-6080G」等のAVライトシリーズ;住友ベークライト社製フォトレジスト用樹脂シリーズ;群栄化学工業社製レヂトップシリーズ;DIC社製「PR-30-40P」、「PR-100L」、「PR-100H」、「PR-50」、「PR-55」、「PR-56-1」、「PR-56-2」、「WR-101」、「WR-102」、「WR-103」、「WR-104」等のフェノライトシリーズ;リグナイト社製「LF-100」、「LF-110」、「LF-120」、「LF-200」、「LF-400」、「LF-500」;明和化成社製フォトレジスト用ベース樹脂シリーズ等が挙げられる。
式(A-1)で表される構造を含む化合物は、通常、フェノール又はその誘導体とアルデヒド及び/又はケトンとの重縮合により得られうる。重縮合は、酸又は塩基等の触媒存在下で行われる。このため、式(A-1)で表される構造を含む化合物の末端は置換基を有していてもよいヒドロキシフェニル基又はアルデヒド基であり、両末端が置換基を有していてもよいヒドロキシフェニル基であることが好ましい。
式(A-1)で表される構造を含む化合物の重量平均分子量としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、好ましくは500以上、より好ましくは700以上、さらに好ましくは1000以上であり、好ましくは150000以下、より好ましくは100000以下、さらに好ましくは50000以下である。
樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、ポリスチレン換算の値として測定できる。
式(A-1)で表される構造を含む化合物の含有量としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、(a)成分全体を100質量%としたとき、好ましくは、4質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、好ましくは85質量%以下、より好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下である。
また、式(A-1)で表される構造を含む化合物の含有量としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物層の不揮発成分を100質量%としたとき、好ましくは、4質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上であり、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは75質量%以下である。
また、式(A-1)で表される構造を含む化合物の含有量としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物層中の樹脂成分を100質量%としたとき、好ましくは、4質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上であり、好ましくは60質量%以下、より好ましくは55質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下である。ここで樹脂成分とは、樹脂組成物層が含み得るその他の添加剤における無機充填材を除いた成分をいう。
---式(A-2)で表される構造を含む化合物---
(a1)成分は、下記式(A-2)で表される構造を含む化合物を含有していてもよい。式(A-2)で表される構造を含む化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
Figure 2022144173000009
式(A-2)中、Rは、それぞれ独立に、下記式(b)で表される2価の基、下記式(c)で表される2価の基、下記式(b)で表される2価の基と下記式(c)で表される2価の基の組み合わせからなる2価の基、下記式(a)で表される2価の基と下記式(b)で表される2価の基との組み合わせからなる2価の基、又は下記式(a)で表される2価の基と下記式(c)で表される2価の基との組み合わせからなる2価の基を表し、Xはそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい1価の複素環基を表す。n2は、0~4の整数を表し、m2は1~200の整数を表す。*は結合手を表す。
Figure 2022144173000010
式(a)中、R11及びR12は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、又はこれらの組み合わせからなる基を表し、R11及びR12は互いに結合して環を形成していてもよい。*は結合手を表す。
式(b)中、X11はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基を表す。p1は、0~4の整数を表す。*は結合手を表す。
式(c)中、X12及びX13はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基を表す。p2及びp3は、それぞれ独立に0~4の整数を表す。*は結合手を表す。
は、それぞれ独立に、式(b)で表される2価の基、式(c)で表される2価の基、式(b)で表される2価の基と式(c)で表される2価の基の組み合わせからなる2価の基、式(a)で表される2価の基と式(b)で表される2価の基との組み合わせからなる2価の基、又は式(a)で表される2価の基と式(c)で表される2価の基との組み合わせからなる2価の基を表す。式(a)で表される2価の基については上述したとおりである。式(a)~(c)中の結合手は、式(A-2)中のフェノール部位のOH基に対して、オルト位、メタ位、及びパラ位のいずれかに結合していることが好ましく、メタ位及びパラ位のいずれかに結合していることがより好ましく、メタ位及びパラ位に結合しているものが混在していることがさらに好ましい。式(a)~(c)中の結合手は、式(A-2)中のフェノール部位のOH基に対して、メタ位及びパラ位に結合しているものが混在している場合の混合比率は、式(a)で表される基の場合と同様である。
式(b)~(c)中のX11、X12、及びX13は、それぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基を表す。X11~X13は、式(A-1)中のXと同様である。
式(b)~(c)中のp1、p2、及びp3は、それぞれ独立に0~4の整数を表し、0~3の整数を表すことが好ましく、0又は1を表すことがより好ましい。
式(b)で表される2価の基の具体例としては、以下の基を挙げることができる。式中、「*」は結合手を表す。
Figure 2022144173000011
式(c)で表される2価の基の具体例としては、以下の基を挙げることができる。式中、「*」は結合手を表す。
Figure 2022144173000012
式(b)で表される2価の基と式(c)で表される2価の基との組み合わせからなる2価の基、式(a)で表される2価の基と式(b)で表される2価の基との組み合わせからなる2価の基、及び式(a)で表される2価の基と式(c)で表される2価の基との組み合わせからなる2価の基の具体例としては、以下の基を上げることができる。式中、「*」は結合手を表す。
Figure 2022144173000013
は、それぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい1価の複素環基を表し、式(A-1)中のXと同様である。
n2は0~4の整数を表し、式(A-1)中のn1と同様である。また、m2は1~200の整数を表し、式(A-1)中のm1と同様である。
式(A-2)で表される構造を含む化合物の具体例としては、以下の化合物を挙げることができる。下記式(2)及び(3)中、nは1~200の整数を表す。
Figure 2022144173000014
式(A-2)で表される構造を含む化合物は、市販品を用いることができ、2種以上を併用してもよい。用いられ得る市販品の具体例としては、明和化成社製「MEHC-7851SS」(式2で表される樹脂、繰り返し単位中のフェノール部位のOH基に対して、例えば、メチレン基のメタ位への結合が60%、パラ位への結合が40%の割合で混在)、「MEHC-78004S」(式3で表される樹脂、繰り返し単位中のフェノール部位のOH基に対して、例えば、メチレン基のメタ位への結合が60%、パラ位への結合が40%の割合で混在)、明和化成社製「MEHC-7851-SS」「MEHC-7851-S」、「MEHC-7851-M」「MEHC-7851-H」、「MEHC-7800―4S」「MEHC-7800-SS」、「MEHC-7800-S」、「MEHC-7800-M」、「MEHC-7800-H」、日本化薬社製「GPH-65」「GPH-103」、「MEHC-7841-4S」等が挙げられる。
式(A-2)で表される構造を含む化合物は、通常、フェノール又はその誘導体とフェノール以外の化合物との重縮合により得られうる。重縮合は、酸又は塩基等の触媒存在下で行われる。このため、式(A-2)で表される構造を含む化合物の末端は置換基を有していてもよいヒドロキシフェニル基であることが好ましく、両末端が置換基を有していてもよいヒドロキシフェニル基であることがより好ましい。
式(A-2)で表される構造を含む化合物の重量平均分子量としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、好ましくは100以上、より好ましくは300以上、さらに好ましくは500以上であり、好ましくは50000以下、より好ましくは10000以下、さらに好ましくは5000以下である。
式(A-2)で表される構造を含む化合物の含有量としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、(a)成分全体を100質量%としたとき、好ましくは、5質量%以上、より好ましくは8質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上であり、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下である。
また、式(A-2)で表される構造を含む化合物の含有量としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物の不揮発成分を100質量%としたとき、好ましくは、0.5質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上であり、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下である。
また、式(A-2)で表される構造を含む化合物の含有量としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂成分を100質量%としたとき、好ましくは、0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上であり、好ましくは70質量%以下、より好ましくは65質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下である。
---式(A-3)で表される構造を有する化合物---
(a1)成分は、下記式(A-3)で表される構造を有する化合物を含有していてもよい。式(A-3)で表される構造を有する化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
Figure 2022144173000015
式(A-3)中、Rは、下記式(a)で表される2価の基、下記式(b)で表される2価の基、下記式(c)で表される2価の基、又はこれらの組み合わせからなる2価の基を表し、X及びXは、それぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい1価の複素環基を表す。n3及びn4は、それぞれ独立に0~4の整数を表す。
Figure 2022144173000016
式(a)中、R11及びR12は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、又はこれらの組み合わせからなる基を表し、R11及びR12は互いに結合して環を形成していてもよい。*は結合手を表す。
式(b)中、X11はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基を表す。p1は、0~4の整数を表す。*は結合手を表す。
式(c)中、X12及びX13はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基を表す。p2及びp3は、それぞれ独立に0~4の整数を表す。*は結合手を表す。
は、式(a)で表される2価の基、式(b)で表される2価の基、式(c)で表される2価の基、又はこれらの組み合わせからなる2価の基を表す。式(a)~(c)で表される2価の基については上述したとおりである。
式(a)~(c)中の結合手は、式(A-3)中のフェノール部位のOH基に対して、オルト位、メタ位、及びパラ位のいずれかに結合していることが好ましく、メタ位及びパラ位のいずれかに結合していることがより好ましく、パラ位に結合していることがさらに好ましい。
及びXは、それぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい1価の複素環基を表し、式(A-1)中のXと同様である。
n3及びn4は、それぞれ独立に0~4の整数を表し、式(A-1)中のn1と同様である。
式(A-3)で表される構造を有する化合物の具体例としては、以下の化合物を挙げることができる。
Figure 2022144173000017
Figure 2022144173000018
Figure 2022144173000019
Figure 2022144173000020
Figure 2022144173000021
Figure 2022144173000022
Figure 2022144173000023
Figure 2022144173000024
Figure 2022144173000025
Figure 2022144173000026
式(A-3)で表される構造を有する化合物は、市販品を用いることができ、2種以上を併用してもよい。用いられ得る市販品の具体例としては、本州化学社製「BisE」、「BisP-TMC」;三井化学ファイン社製「BisA」、「BisF」、「BisP-M」;本州化学社製「BisP-AP」、「BisP-MIBK」、「BisP-B」、「Bis-Z」、「BisP-CP」、「o,o’-BPF」、「BisP-IOTD」、「BisP-IBTD」、「BisP-DED」、「BisP-BA」;本州化学社製「Bis-C」、「Bis26X-A」、「BisOPP-A」、「BisOTBP-A」、「BisOCHP―A」、「BisOFP-A」、「BisOC-Z」、「BisOC-FL」、「BisOC-CP」、「BisOCHP-Z」、「メチレンビスP-CR」、「TM-BPF」、「BisOC-F」、「Bis3M6B-IBTD」、「BisOC-IST」、「BisP-IST」、「BisP-PRM」、「BisP-LV」等が挙げられる。
式(A-3)で表される構造を有する化合物の分子量としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、好ましくは150以上、より好ましくは160以上、さらに好ましくは170以上であり、好ましくは1000以下、より好ましくは800以下、さらに好ましくは500以下である。
式(A-3)で表される構造を有する化合物の含有量としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、(a)成分全体を100質量%としたとき、好ましくは、5質量%以上、より好ましくは8質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上であり、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下である。
また、式(A-3)で表される構造を有する化合物の含有量としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物層の不揮発成分を100質量%としたとき、好ましくは、0.5質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上であり、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下である。
また、式(A-3)で表される構造を有する化合物の含有量としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物層中の樹脂成分を100質量%としたとき、好ましくは、0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上であり、好ましくは60質量%以下、より好ましくは55質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下である。
(a)成分全体を100質量%としたときの式(A-1)で表される構造を有する化合物の含有量をa1とし、(a)成分全体を100質量%としたときの式(A-2)で表される構造を有する化合物の含有量をa2としたとき、a2/a1としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上であり、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、さらに好ましくは1以下である。
(a)成分全体を100質量%としたときの式(A-3)で表される構造を有する化合物の含有量をa3としたとき、a3/a1としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上であり、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、さらに好ましくは1以下である。
また、a2/a3としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.25以上、より好ましくは0.3以上であり、好ましくは5以下、より好ましくは3以下、さらに好ましくは1.5以下である。
また、(a1)成分の例としては、特許文献2に開示されるポリイミド樹脂又はその改変物を挙げることができる。
--(a2)分子中に少なくとも2つのアルコキシメチル基を含有する化合物--
(a)成分は、(a2)分子中に少なくとも2つのアルコキシメチル基を含有する化合物を含有していてもよい。本発明の所期の効果をより顕著に得る観点から、(a)成分は、(a1)成分と(a2)成分を含むことが好ましい。
アルコキシメチル基は、下記式(B-1)で表される基である。式中、「*」は結合手を表す。
Figure 2022144173000027
式(B-1)中、R21は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
21は、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。アルキル基は、直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基であってもよく、環状のアルキル基は、単環、多環のいずれであってもよい。アルキル基としては、炭素原子数1~10のアルキル基が好ましく、炭素原子数1~6のアルキル基がより好ましく、炭素原子数1~4のアルキル基がさらに好ましい。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、イソプロピル基、s-ブチル基、t-ブチル基等が挙げられる。中でも、本発明の効果を顕著に得る観点から、メチル基、ブチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
21が表すアルキル基は置換基を有していてもよい。
アルコキシメチル基は、下記式(B-1’)で表されるアルコキシメチルアミノ基であることが好ましい。式中、「*」は結合手を表す。
Figure 2022144173000028
式(B-1’)中、R22は式(B-1)中のR21と同じである。Rは、水素原子、又はアルコキシメチル基を表す。
(a2)成分としては、分子中に少なくとも2つのアルコキシメチル基(好ましくはアルコキシメチルアミノ基)を含有する限り特に限定されず、例えば、アミノ樹脂、フェノール樹脂であってよい。アミノ樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。よって一実施形態では、(a2)成分は、分子中に少なくとも2つのアルコキシメチル基を含有する、メラミン樹脂、尿素樹脂又はフェノール樹脂であり、より好適には、(a2)成分は、分子中に少なくとも2つのアルコキシメチル基を含有するメラミン樹脂である。
(a2)成分として好適なメラミン樹脂としては、例えば、下記式(B-2)で表される構造単位を有するメラミン樹脂が挙げられる。
Figure 2022144173000029
式(B-2)中、X21、X22、X23、及びX24、X25及びX26は、それぞれ独立に、水素原子、又はアルコキシメチル基を表す。R50は、水素原子、アミノ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は式(B-1’)で表されるアルコキシメチルアミノ基を表す。但し、R50が水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を表す場合は、X21、X22、X23、及びX24の少なくとも2つは、アルコキシメチル基である。
21~X24が表すアルコキシメチル基は、式(B-1)と同様である。R50が水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を表す場合、X21~X24の少なくとも2つはアルコキシメチル基であり、X21~X24の少なくとも3つがアルコキシメチル基であることが好ましく、X21~X24の少なくとも4つがアルコキシメチル基であることがより好ましい。
50は、水素原子、アミノ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は式(B-1’)で表されるアルコキシメチルアミノ基を表し、置換基を有していてもよいアリール基、式(B-1’)で表されるアルコキシメチルアミノ基が好ましく、式(B-1’)で表されるアルコキシメチルアミノ基がより好ましい。置換基を有していてもよいアルキル基は、式(a)中のR11が表すアルキル基と同様であり、置換基を有していてもよいアリール基は、式(a)中のR11が表すアリール基と同様である。
式(B-2)で表される構造単位を有するメラミン樹脂は、式(B-2’)で表される構造単位を有するメラミン樹脂であることが好ましい。
Figure 2022144173000030
式(B-2’)中、X25、X26、X27、X28、X29及びX30は、それぞれ独立に、水素原子、又はアルコキシメチル基を表す。但し、X25、X26、X27、X28、X29及びX30の少なくとも2つは、アルコキシメチル基である。
25~X30が表すアルコキシメチル基は、式(B-1)と同様である。X25~X30の少なくとも2つは、アルコキシメチル基であり、X25~X30の少なくとも3つがアルコキシメチル基であることが好ましく、X25~X30の少なくとも4つがアルコキシメチル基であることがより好ましく、X25~X30のすべてがアルコキシメチル基であることがさらに好ましい。
(a2)成分として好適なメラミン樹脂の具体例としては、以下を挙げることができる。
Figure 2022144173000031
メラミン樹脂は、市販品を使用してよい。市販品としては、例えば、三和ケミカル社製の「MW-390」、「MW-100LM」、「MX-750LM」;オルネクスジャパン社製のサイメルシリーズ等が挙げられる。
メラミン樹脂は、例えば、メラミンとホルムアルデヒドとの重縮合により調製することができる。
(a2)成分として好適な尿素樹脂としては、例えば、下記式(B-3)で表される構造単位及び下記式(B-4)で表される構造単位のいずれかを有する尿素樹脂が挙げられる。
Figure 2022144173000032
式(B-3)中、X31、X32、X33及びX34は、それぞれ独立に水素原子、又はアルコキシメチル基を表す。但し、X31、X32、X33及びX34の少なくとも2つは、アルコキシメチル基である。
式(B-4)中、X35、及びX36は、アルコキシメチル基を表す。
31~X38が表すアルコキシメチル基は、式(B-1)と同様である。X31~X34の少なくとも2つは、アルコキシメチル基であり、X31~X34の少なくとも3つがアルコキシメチル基であることが好ましく、X31~X34の少なくとも4つがアルコキシメチル基であることがより好ましい。
尿素樹脂は、市販品を使用してよい。市販品としては、例えば、三和ケミカル社製の「MX-270」、「MX-279」、「MX-280」;オルネクスジャパン社製のサイメルシリーズ等が挙げられる。
尿素樹脂は、例えば、尿素とホルムアルデヒドとの重縮合により調製することができる。
分子中に少なくとも2つ以上のアルコキシメチル基を含有するフェノール樹脂としては、例えば、下記式(B-5)で表される構造単位を有するフェノール樹脂であることが好ましい。
Figure 2022144173000033
式(B-5)中、X39はアルコキシメチル基を表し、R23及びR24はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基を表し、R25は、単結合又は2価の有機基を表す。s及びtはそれぞれ独立に1~3の整数を表し、u及びvはそれぞれ独立に0~4の整数を表す。
39が表すアルコキシメチル基は、式(B-1)と同様である。R23及びR24が表す置換基を有していてもよいアルキル基は、式(A-1)中のXが表す置換基を有していてもよいアルキル基と同様である。
25は、単結合又は2価の有機基を表す。2価の有機基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等の炭素原子数が1~10のアルキレン基、エチリデン基等の炭素原子数が2~10のアルキリデン基、フェニレン基等の炭素原子数が6~30のアリーレン基、これら炭化水素基の水素原子の一部または全部をフッ素原子等のハロゲン原子で置換した基、スルホニル基、カルボニル基、エーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合等が挙げられる。
(a2)成分の含有量としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物層の不揮発成分を100質量%としたとき、好ましくは、0.5質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上であり、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。
(a2)成分の含有量としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物層の樹脂成分を100質量%としたとき、好ましくは、0.5質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上であり、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。
(a)成分の含有量としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物層の不揮発成分を100質量%としたとき、好ましくは、14質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは35質量%以上であり、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下である。
(a)成分の含有量としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物層の樹脂成分を100質量%としたとき、好ましくは、44質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上であり、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは85質量%以下である。
-(b)開始剤-
樹脂組成物は、(b)成分として開始剤を含有する。(b)成分としては、(b1)光酸発生剤、(b2)光重合開始剤が挙げられる。光酸発生剤は、光照射により酸を発生する。光重合開始剤は、光照射によりラジカルを生成する。(b)成分は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(b1)成分としては、例えば、ハロゲン含有化合物、オニウム塩化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物、スルホンイミド化合物、ジアゾメタン化合物、オキシムエステル化合物等が挙げられる。中でも、本発明の効果を顕著に得る観点から、ハロゲン含有化合物が好ましい。
光酸発生剤として好適に使用し得るハロゲン含有化合物としては、例えば、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有複素環式化合物等が挙げられる。ハロゲン含有化合物の好適な具体例としては、2-[2-(フラン-2-イル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(5-メチルフラン-2-イル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(4-メトキシフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、1,10-ジブロモ-n-デカン、1,1-ビス(4-クロロフェニル)-2,2,2-トリクロロエタン、フェニル-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-メトキシフェニル-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、スチリル-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、ナフチル-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン等のs-トリアジン誘導体等を挙げることができる。
ハロゲン含有化合物は市販品を用いることができ、市販品としては、三和ケミカル社製「TFE-トリアジン」、「TME-トリアジン」、「MP-トリアジン」、「MOP-トリアジン」、「ジメトキシトリアジン」(トリアジン骨格を有するハロゲン含有化合物系光酸発生剤)等が挙げられる。
光酸発生剤として好適に使用し得るオニウム塩化合物としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられる。オニウム塩化合物の好適な具体例としては、トリス(4-メチルフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリス(4-メチルフェニル)スルホニウムヘキサフルオロフォスホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp-トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムトリフリオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp-トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4-tert-ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4-tert-ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウムp-トルエンスルホネート、4,7-ジ-n-ブトキシナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフリオロメタンスルホネート等が挙げられる。
オニウム塩化合物は市販品を用いることができ、市販品としては、例えば、三和ケミカル社製「TS-01」、「TS-91」;サンアプロ社製「CPI-110A」、「CPI-210S」、「HS-1」、「LW-S1」、「IK-1」、「CPI-310B」;三新化学工業社製「SI-110L」、「SI-180L」、「SI-100L」等が挙げられる。
光酸発生剤として好適に使用し得るジアゾケトン化合物としては、例えば、1,3-ジケト-2-ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物等が挙げられる。ジアゾケトン化合物の好適な具体例としては、フェノール類の1,2-ナフトキノンジアジド-4-スルホン酸エステル化合物等が挙げられる。
光酸発生剤として好適に使用し得るスルホン化合物としては、例えば、β-ケトスルホン化合物、β-スルホニルスルホン化合物、及びこれらの化合物のα-ジアゾ化合物等が挙げられる。スルホン化合物の好適な具体例としては、4-トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェナシルスルホニル)メタン等が挙げられる。
光酸発生剤として好適に使用し得るスルホン酸化合物としては、例えば、アルキルスルホン酸エステル類、ハロアルキルスルホン酸エステル類、アリールスルホン酸エステル類、イミノスルホネート類等が挙げられる。スルホン酸化合物の好適な具体例としては、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリストリフルオロメタンスルホネート、o-ニトロベンジルトリフルオロメタンスルホネート、o-ニトロベンジルp-トルエンスルホネート等が挙げられる。
光酸発生剤として好適に使用し得るスルホンイミド化合物の具体例としては、N-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド等が挙げられる。
光酸発生剤として好適に使用し得るジアゾメタン化合物の具体例としては、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。ジアゾメタン化合物は市販品を用いることができる。
光酸発生剤として好適に使用し得るオキシムエステル化合物の具体例としては、ベンゼンアセトニトリル,2-メチル-α-[2-[[(プロピルスルホニル)オキシ]イミノ]-3(2H)-チエニリデン])、ベンゼンアセトニトリル,2-メチル-α-[2-[[[(4-メチルフェニル)スルホニル]オキシ]イミノ]-3(2H)-チエニリデン等が挙げられる。市販品としては、例えばBASF社製のIrgacureシリーズの「PAG103」、「PAG121」、「PAG169」、「PAG203」等が挙げられる。
(b2)成分としては、特許文献2に開示される光重合開始剤を挙げることができる。
(b)の含有量は、樹脂組成物層中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下である。
<(c)その他の添加剤>
樹脂組成物層は、本発明の目的を阻害しない程度に、(c)その他の添加剤を更に含有してもよい。(c)その他の添加剤としては、例えば、(c-1)ビニルシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、スチリルシラン系カップリング剤、メタクリルシラン系カップリング剤、アクリルシラン系カップリング剤、アミノシラン系カップリング剤、イソシアヌレートシラン系カップリング剤、ウレイドシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、イソシアネートシラン系カップリング剤、酸無水物シラン系カップリング剤等のシランカップリング剤等の密着助剤;(c-2)特許文献2に開示されるような重合禁止剤;シリカ、アルミナ等の無機充填材;ウレタン微粒子、ゴム粒子、ポリアミド微粒子、シリコーン粒子等の有機充填材;熱可塑性樹脂;トリアジンチオール類(例:2,4,6-トリメルカプト-s-トリアジン、2-ジブチルアミノ-4,6-ジメルカプト-s-トリアジン、N’-tert-ブチル-N-シクロプロピル-6-(メチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン)、ピペリジン類、ピラゾール類(例:3,5-ジメチルピラゾール、3-メチル-5-ピラゾロン)、トリアゾール類(例:1,2,4-トリアゾール、3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール)、ベンゾトリアゾール類(例:1,2,3-ベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール)等の窒素原子及び/又は硫黄原子含有化合物;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アイオディン・グリーン、ジアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラック等の着色剤;ハイドロキノン、フェノチアジン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、ピロガロール等の重合禁止剤;ベントン、モンモリロナイト等の増粘剤;シリコーン系、フッ素系、ビニル樹脂系の消泡剤;エポキシ樹脂、アンチモン化合物、リン系化合物、芳香族縮合リン酸エステル、含ハロゲン縮合リン酸エステル等の難燃剤;フェノール系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤等の熱硬化樹脂等の各種添加剤を添加することができる。(c)その他の添加剤としてのシランカップリング剤は、好ましくは、無機充填材に対する表面処理剤とは別に用いられる。(c)成分の含有量は当業者であれば適宜設定できる。
<(d)溶剤>
樹脂組成物層は、任意の成分として、更に(d)溶剤を含有していてもよい。(d)溶剤としては、有機溶剤が挙げられる。樹脂組成物層における(d)成分の含有量は、通常、当該樹脂組成物層を構成するために調製された樹脂ワニスの(d)成分の含有量よりも少ない。
(d)溶剤としては、例えば、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、エチルジグリコールアセテート等のエステル類;オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。溶剤を用いる場合の含有量は、樹脂ワニスの塗布性の観点から適宜調整することができる。
<樹脂組成物層を構成する樹脂組成物の製造方法>
樹脂組成物層を構成する樹脂組成物は、上記の(a)~(d)成分から選択された成分を混合し、必要に応じて三本ロール、ボールミル、ビーズミル、サンドミル等の混練手段、あるいはスーパーミキサー、プラネタリーミキサー等の撹拌手段により混練または撹拌することにより製造することができる。
[樹脂シート]
樹脂シートは、基板上に樹脂組成物層を設けるために用いられる。そのため、樹脂シートは、樹脂組成物層を含み、該樹脂組成物層を支持して基板上に設けることを可能とする支持フィルムを含む。
図3は、本発明の方法において用いられる樹脂シートの第1の例の構成を示す断面図である。図3に示す樹脂シート200aは、支持フィルム210と、樹脂組成物層220とを含む。図3に示すように、樹脂組成物層220は、支持フィルム210の上に設けられている。
支持フィルム210としては、プラスチック材料からなるフィルムが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、トリアセチルアセテートフィルム等が挙げられ、特にPETフィルムが好ましい。フィルムは、プラスチック材料以外の材料を含んでいてもよい。
その搬送性や取り扱い性を高め、ひいては樹脂シート製造時の生産性を高める観点から、支持フィルム210は、滑材を含むことが好ましい。滑剤としては、所期の効果を奏する限りその種類は特に限定されないが、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、クレイ等が挙げられる。支持フィルム210が滑剤を含んでいることにより、搬送装置を用いて支持フィルム210を搬送するときに支持フィルム210に皺が発生する可能性を低減して、樹脂シート製造時の歩留まりを高めることができる。
支持フィルム210は、透光性を有する。これにより、支持フィルム210を介した露光工程の実施が可能となる。支持フィルム210の透光性はヘーズ値で評価することができる。支持フィルムのヘーズ値が低いほど、支持フィルムを介して露光工程を実施する場合の樹脂組成物層220のパターニング解像度(解像性)を高めることができる傾向にあり、例えば、感光性ポリイミド(先述のポリイミド樹脂)を用いる場合など、良好な解像性を達成するにあたっては支持フィルムのヘーズ値を1%以下に抑えることが好適・必要となる場合がある。支持フィルムにおいて、滑材の含有量を低下させるとヘーズ値も低くなる傾向にある。よって、低ヘーズ値を達成すべく支持フィルム中の滑材の含有量を低下させることが考えられるが、この場合、支持フィルムの搬送性や取り扱い性が低下し、樹脂シート製造時の歩留まりが低下するという問題が生じる場合があった。これに対し、上記の好適な(a)成分を含む樹脂組成物層を用いる本発明の技術にあっては、良好な解像性を実現することが可能であり、支持フィルムのヘーズ値はより高い値であってよい。例えば、支持フィルム210のヘーズ値の上限は、9%以下であってよく、9.5%以下であってよく、また、10%以下であってもよい。このように、本発明では、支持フィルムのヘーズ値の上限として10%を許容することができ、樹脂シートの歩留まりとパターニング時の解像性とを極めて高いレベルにて両立することができ有利である。支持フィルム210のヘーズ値の下限は、その搬送性や取り扱い性が良好である限り特に限定されず、例えば、0.1%以上、0.5%以上、0.7%超、1%超、1.1%以上、1.3%超、又は1.4%以上とし得る。本発明の方法を実施するに際しては、好ましくは、後述する実施例において評価される解像性の数値(μm)に応じて、支持フィルムのプラスチック材料の変更、含まれる滑材の含有量が異なる支持フィルムの選択等の調整が行われる。
本明細書において、ヘーズ値は、物質を通過する全光線に対する拡散光の割合(百分率)を指す。ヘーズ値は、ヘーズメーター(例えば、スガ試験機製のヘーズメーター「HZ-V3」)を用いて測定することができる。
市販の支持フィルムとしては、例えば、リンテック社製「AL-5」、王子製紙社製の製品名「アルファンMA-410」、「E-200C」、信越フィルム社製等のポリプロピレンフィルム、帝人社製の製品名「PS-25」等のPSシリーズなどのポリエチレンテレフタレートフィルム等が挙げられるが、これらに限られたものではない。これらの支持フィルムの剥離を容易にするため、離型処理が施されていることが好ましい。離型処理として、アルキッド系離型剤、シリコーンコート剤のような剥離剤を表面に塗布することが好ましく、好適な一実施形態では、支持フィルムは、アルキッド系離型剤により離型処理がなされている。支持フィルムの厚さは、5μm~50μmの範囲であることが好ましく、10μm~40μmの範囲であることがより好ましい。厚さを5μm以上とすることで、現像前に行う支持フィルム剥離の際に支持フィルムが破れることを抑制することができ、厚さを50μm以下とすることで、支持フィルムを介して露光する際の解像度を向上させることができる。
樹脂シートは、樹脂組成物層上に設けられた保護フィルムをさらに含んでもよい。図4は、本発明の方法において用いられる樹脂シートの第2の例の構成を示す断面図である。図4に示す樹脂シート200bは、支持フィルム210と、樹脂組成物層220と、保護フィルム230とを含む。図4に示すように、樹脂組成物層220は、支持フィルム210の上に設けられており、保護フィルム230は、樹脂組成物層220の上に設けられている。樹脂組成物層上にさらに保護フィルムを設けることにより、樹脂組成物層表面へのゴミ等の付着やキズを防止することができる。
保護フィルムとしては上記の支持フィルムと同様のフィルムにより構成されたフィルムを用いることができるが、ヘーズ値や滑材の含有量に制限を設けなくてもよい。保護フィルムの厚さは特に限定されないが、1μm~50μmの範囲であることが好ましく、5μm~40μmの範囲であることがより好ましい。厚さを1μm以上とすることで、保護フィルムの取り扱い性を向上させることができ、50μm以下とすることで廉価性がよくなる傾向にある。なお、保護フィルムは、樹脂組成物層と支持フィルムとの接着力(又は必要な剥離力)に対して、樹脂組成物層と保護フィルムとの接着力(剥離力)の方が小さいものが好ましい。
樹脂シートは、当業者に公知の方法に従って、例えば、樹脂組成物層を構成するために用いる樹脂組成物を支持フィルム上に塗布し、加熱又は熱風吹きつけ等による乾燥によって樹脂組成物層に含まれる溶剤を適宜除去することにより製造することができる。樹脂組成物は、例えば、樹脂組成物の不揮発成分と過剰量の溶剤とを含む樹脂ワニスを用いて製造してもよい。具体的には、まず、真空脱泡法等で樹脂ワニス中の泡を完全に除去した後、樹脂ワニスを支持フィルム上に塗布し、熱風炉あるいは遠赤外線炉での乾燥によって、溶剤の量を調整して樹脂組成物で形成された樹脂組成物層を含む樹脂シートを製造することができる。
乾燥温度は、樹脂組成物の硬化性や樹脂ワニス中の溶剤の量によっても異なるが、50℃~120℃で行うことができる。乾燥時間は、樹脂組成物の硬化性や樹脂ワニス中の溶剤の量によっても異なるが、好ましくは6分間以上であり、好ましくは30分以下、より好ましくは20分以下である。
樹脂組成物層中の溶剤の残存量は、樹脂組成物層の総量に対して10質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましく、2質量%以下とすることがさらに好ましい。当業者は、簡単な実験により適宜、好適な乾燥条件を設定することができる。
樹脂組成物層の厚さは、取り扱い性を向上させ、かつ樹脂組成物層内部の感度及び解像度が低下するのを抑制するという観点から、1μm以上150μm以下の範囲で目的によって設定されうる。樹脂組成物層の厚さは、例えば、好ましくは10μm以上、より好ましくは12μm以上、さらに好ましくは15μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは70μm以下、さらに好ましくは50μm以下又は30μm以下である。
[構造体の製造方法]
本発明は、基板と、当該基板上に設けられた樹脂組成物層の硬化物とを含む構造体の製造方法を提供する。本発明の方法は、少なくとも、以下の工程を含む。
(A)支持フィルムと該支持フィルム上に設けられた樹脂組成物層とを含む樹脂シートを、その樹脂組成物層が接合するように、基板と接合させる工程、
(B)基板と接合している樹脂組成物層を、支持フィルムを介して露光する工程、
(C)露光された樹脂組成物層を加熱する工程、
(D)露光及びそれに続く加熱が施された樹脂組成物層から支持フィルムを剥離して、樹脂組成物層を露出させる工程、及び、
(E)露出した樹脂組成物層を現像する工程
上記の(A)乃至(E)の工程を含む本発明の方法によれば、構造体を歩留まりよく製造することができる。
本発明の方法は、上述した工程を含む限り限定されるものではなく、上述した工程以外に、以下の(F)工程、(G)工程のいずれか一方又は両方を含んでいてもよい。
(F)現像された樹脂組成物層をさらに露光する工程
(G)現像された樹脂組成物層を加熱する工程
また、本発明の方法は、(B)工程の実施後、かつ、(C)工程の実施前に、基板と接合している樹脂組成物層を加熱する工程(Post Applied Bake;以下、「PAB工程」ともいう)を含んでいてもよい。
以下、本発明の方法における各工程について説明する。
<(A)工程:接合>
(A)工程において、支持フィルムと該支持フィルム上に設けられた樹脂組成物層とを含む樹脂シートを、その樹脂組成物層が接合するように、基板と接合させる。これにより、基板に樹脂組成物層及び支持フィルムがこの順に積層された積層体が得られる。
基板や樹脂シートの構成、好適な態様に関しては、図1~図4を参照しつつ先に説明したとおりである。例えば、平板部と突条部とを含む基板(図1参照)を用いる場合、(A)工程において、樹脂シートを、その樹脂組成物層が基板の突条部と接合するように、基板と接合させることにより、基板の突条部の上面を覆うように樹脂組成物層を設けることができ、基板の平板部と樹脂組成物層との間に中空領域を画成することができる。図5は、図1に示す平板部と突条部とを含む基板と、図3に示す樹脂シートとが接合された場合に得られる積層体の構造を示す部分拡大断面図である。図5に示す積層体300では、基板100aの突条部120の上面を覆うように樹脂組成物層220が設けられており、基板100aの平板部110と樹脂組成物層220との間に中空領域310が画成される。したがって一実施形態において、基板は、平板部と突条部を含み、(A)工程において、基板の平板部と樹脂組成物層との間に中空領域が画成されるように、樹脂組成物層と基板の突条部とを接合させる。
なお、樹脂シートとして、樹脂組成物層上に設けられた保護フィルムを含む樹脂シート(図2参照)を用いる場合、該保護フィルムを剥離して樹脂組成物層を露出させた後、基板と接合させればよい。したがって一実施形態において、(A)工程は、保護フィルムを剥離して、樹脂組成物層を露出させる工程を含む。
樹脂シートと基板の接合は、樹脂シートの樹脂組成物層を基板と接合させることが可能である限り任意の方法により行ってよく、例えば、プレス法、ラミネート法等により支持フィルム側から樹脂シートを基板に加熱圧着することにより行うことができる。一実施形態では、ラミネート法を用いて接合工程を実施する。ラミネート法としては、バッチ式であっても、ロールを用いる連続式であってもよく、生産性の観点からは連続式が好ましい。
ラミネート法において、条件は特に限定されるものではないが、例えば、加熱圧着温度は、好ましくは40℃~90℃、より好ましくは40℃~70℃の範囲であり、加熱圧着圧力は、好ましくは0.01~0.2MPa、より好ましくは0.05~0.1MPaの範囲である。ロールを用いる連続式ラミネート法を採用する場合、ステージ温度やロール温度は上記加熱圧着温度の好適範囲にて調整することが好ましく、ステージ温度はロール温度より高いことがより好ましい。また、ロール接合時の接合速度(貼付速度)は、構造体の生産性の観点から、好ましくは2mm/秒以上、より好ましくは4mm/秒以上、さらに好ましくは5mm/秒以上、10mm/秒以上又は15mm/秒以上であり、該貼付速度の上限は、構造体の歩留まりを高める観点から、通常50mm/秒以下であり、好ましくは40mm/秒以下、より好ましくは30mm/秒以下、さらに好ましくは25mm/秒以下である。樹脂シートと基板の接合は、大気圧下で行ってもよく、減圧下で行ってもよい。
(A)工程は、積層体を冷却、例えば放冷する工程を含んでいてもよい。
<PAB工程>
本発明の方法は、(A)工程の実施後、かつ、(B)工程の実施前に、基板と接合している樹脂組成物層を加熱する工程(PAB(Post Applied Bake)工程)を含んでいてもよい。PAB工程を実施する場合、その条件は使用した樹脂シートの構成(例えば、樹脂組成物層中の残留溶媒量等)に応じて適宜決定してよい。
<(B)工程:露光>
(B)工程において、基板と接合している樹脂組成物層を、支持フィルムを介して露光する。これにより、樹脂組成物層の露光部において感光反応を開始・進行させることができる。
樹脂組成物層の露光に用いる活性光線としては、樹脂組成物層の感光反応を開始・進行させ得る限り特に限定されず、例えば、紫外線、可視光線、電子線、X線等が挙げられ、一実施形態では紫外線が用いられる。活性光線の強度や照射量は、用いる樹脂組成物層の構成等に応じて適宜決定してよく、例えば、活性光線として紫外線を用いる場合、その強度は好ましくは1mW/cm~100mW/cmの範囲としてよく、照射量は好ましくは10mJ/cm~1000mJ/cmの範囲としてよい。
支持フィルムを介して露光する際に、活性光線の光源と支持フィルムとの間に所定のパターンを有するフォトマスクを配置してよい。これにより、樹脂組成物層を所定のパターンにて露光することができ、ひいては所定のパターンにて樹脂組成物層を硬化させることができる。フォトマスクのパターンは、露光・硬化すべき樹脂組成物層のパターンに応じて適宜決定してよい。例えば、上面視で中実の四角形のパターンにて樹脂組成物層を露光する場合には該四角形に対応した透光部パターンを有するフォトマスクを用いてよい。このとき、透光部パターンが四角形のベタパターン(中実パターン)であれば、四角形のベタパターンにて樹脂組成物層を露光することができ、他方、透光部パターンが四角形の枠状パターンであれば、四角形の枠状パターンにて樹脂組成物層を露光することができる。例えば、平板部と突条部とを含む基板の該突条部の上面を覆うように樹脂組成物層の硬化物(後述の「屋根部」)を設ける場合、上面視で突条部の外形線に沿う透光部パターンを有するフォトマスクを用いればよい。フォトマスクの透光部パターンは、樹脂組成物層がポジ型であるかネガ型であるかに応じて適宜決定してよい。
<(C)工程:加熱(PEB工程)>
(C)工程において、露光された樹脂組成物層を加熱する。斯かる(C)工程を、PEB(Post Exprosure Bake)工程ともいう。(C)工程により、樹脂組成物層の露光部において感光反応を進行・完結させることができる。
(C)工程において、加熱条件は、樹脂組成物層の組成等に応じて適宜決定してよいが、例えば、加熱温度は、通常50~120℃の範囲内、好ましくは60~110℃の範囲内であり、加熱時間は、通常30秒~30分の範囲内、好ましくは1分~15分の範囲内である。
加熱の方法は、樹脂組成物層の加熱が可能である限り限定されるものではなく、例えばオーブン、ホットプレート等を用いて加熱してよい。一実施形態では、ホットプレートを用いた加熱工程を実施する。
支持フィルムが付いたまま(C)工程(実施する場合はPAB工程も)を実施する本発明の方法によれば、平板部と突条部とを含む基板の該突条部の上面を覆うように樹脂組成物層の硬化物(「屋根部」)を設ける場合に、加熱による樹脂組成物層の軟化による屋根部のたわみを抑制することが可能であり、突条部と屋根部による中空領域を所期の形状とし易い。また、斯かる所期の形状を達成するにあたり、加熱条件の自由度が高く、ひいては樹脂組成物層の組成の自由度も増し、有利である。
<(D)工程:支持フィルム剥離>
(D)工程において、露光工程及び続く加熱工程を実施することにより得られた樹脂組成物層から支持フィルムを剥離する。これにより、樹脂組成物層が露出し、後述する(E)工程において現像することが可能となる。
(A)乃至(C)工程の後に(D)工程を実施する本発明の方法によれば、支持体を剥離する際に樹脂組成物層にクラックや破れが発生することを抑制することができる。
支持フィルムの剥離は、手動で実施してもよく、自動剥離装置等を使用して機械的に実施してもよい。
<(E)工程:現像>
(E)工程において、露出した樹脂組成物層を現像する。これにより、樹脂組成物層の未硬化部(ネガ型にあっては未露光部、ポジ型にあっては露光部)を除去することができ、樹脂組成物層の硬化物からなる所期のパターンを形成することができる。
現像の方法は、樹脂組成物層の現像が実現できる限り特に限定されず、ウェット現像、ドライ現像のいずれであってもよい。一実施形態では、現像液を用いるウェット現像で現像工程を実施する。
ウェット現像において、現像液としては、アルカリ性水溶液が好ましく、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム等の炭酸塩又は重炭酸塩、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のアルカリ金属リン酸塩、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩の水溶液や、水酸化テトラアルキルアンモニウム等の金属イオンを含有しない有機塩基の水溶液が挙げられ、金属イオンを含有せず、電子部品に影響を与えないという点で水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)の水溶液が好ましい。
これらのアルカリ性水溶液には、現像効果の向上のため、界面活性剤、消泡剤等を添加してもよい。アルカリ性水溶液のpHは、例えば8~12の範囲、好ましくは9~11の範囲である。アルカリ性水溶液の温度は、樹脂組成物層の組成等に応じて所期の現像性が達成されるように適宜決定してよいが、好ましくは20℃~50℃の範囲である。
現像の方式としては、例えば、ディップ方式、パドル方式、スプレー方式、シャワー方式、ブラッシング、スラッピング等があり、解像度向上の観点から、スプレー方式又はシャワー方式が好ましい。スプレー方式を採用する場合、スプレー圧は、樹脂組成物層の組成等に応じて適宜決定してよいが、例えば、0.05MPa~0.3MPaの範囲とし得る。
<(F)工程:さらなる露光(ポストUV工程)>
(F)工程において、現像された樹脂組成物層をさらに露光する(ポストUV工程)。(F)工程を実施する場合、現像された樹脂組成物層をさらに硬化させることができ、密着性や耐薬品性等の諸特性を向上させることができる。樹脂組成物層の硬化が十分である場合には、本工程を省略してもよい。(F)工程における露光方法及び露光条件は、(B)工程と同様としてよいが、露光量を増やしてもよく、例えば0.05J/cm~10J/cmの範囲としてよい。
<(G)工程:さらなる加熱(ポストベーク工程)>
(G)工程において、現像された樹脂組成物層をさらに加熱する(ポストベーク工程)。(G)工程を実施する場合、現像された樹脂組成物層をさらに硬化させることができ、密着性や耐薬品性等の諸特性を向上させることができる。樹脂組成物層の硬化が十分である場合には、本工程を省略してもよい。(G)工程における加熱方法及び加熱条件は、所期の効果が得られる限り特に限定されないが、例えば、150℃~220℃で20分間~180分間の範囲、好ましくは160℃~200℃で30分間~120分間の範囲としてよい。
本発明の方法によれば、上述したような工程を経ることにより、基板と、当該基板上に設けられた樹脂組成物層の硬化物とを含む構造体が得られることとなる。
<中空構造体の製造方法>
以下、中空領域が画成された構造体(「中空構造体」ともいう。)を製造する本発明の一実施形態についてさらに説明する。斯かる実施形態では、先述のとおり、平板部と突条部とを含む基板(図1参照)を用いる。
平板部を構成する材料は、当該平板部上に突条部を設けて本発明の方法に用いてよい。平板部を構成する材料(例えば半導体ウェハ等)は先述したとおりである。突条部は、平板部を構成する材料と同じ材料を用いて設けてよく、あるいはまた、硬化性樹脂組成物を用いて設けてよい。硬化性樹脂組成物を用いて突条部を設ける場合、該硬化性樹脂組成物としては、平板部上に突条部を設けることが可能である限り特に限定されず、例えば、先述の樹脂シートが含む樹脂組成物層と同様の又は同一の組成を有する樹脂組成物を用いてよい。例えば、先述の樹脂シートを用いて、平板部上に樹脂組成物層を積層し、該樹脂組成物層を硬化・パターニングすることにより突条部を設けてよい。
例えば、先述の樹脂シートを用いて、先述の(A)乃至(E)工程と同様の工程を経て突条部(枠体)を設けてよい。突条部は、その上面を覆って設けられる樹脂組成物層の硬化物(屋根部)と共に中空領域を形成し得る構造体(中空構造体)の一部として設けられ、(B)工程においては、形成すべき該枠体の形状と対応する透光部パターン(枠状パターン)を有するフォトマスクを用いればよい。必要に応じて、(A)工程と(B)工程の間にPAB工程を実施してもよく、また、(F)工程、(G)工程のいずれか一方又は両方を実施してもよい。これにより、樹脂組成物層の硬化物で形成された突条部を基板上に設けることができる(図1参照)。
このような平板部と突条部とを含む基板を用いて、先述の(A)乃至(E)工程を実施する。(B)工程においては、フォトマスクとして、上面視で突条部の外形に対応する透光部パターン(ベタパターン)を有するマスクを用いる。これにより、(E)工程の後、突条部の上面を覆うように樹脂組成物層の硬化物からなる屋根部が設けられており、基板の平板部と該屋根部との間に中空領域が画成された構造体(中空構造体)が得られることとなる(図6参照)。図6は、斯かる実施形態において製造される中空構造体の構造を示す断面図である。図6に示す中空構造体400において、突条部120の上面を覆う樹脂組成物層の硬化物は、基板100aの平板部110と突条部120で囲まれる中空領域410を覆う屋根部420を形成することとなる。突条部を先述の樹脂シートが含む樹脂組成物層と同様の又は同一の組成を有する樹脂組成物を用いて形成する場合、突条部と屋根部とは互いに同様の又は同一の組成を有するため、通常、突条部と屋根部との間の結合力は高い。また、中空領域に電子部品が配設されていてもよい。電子部品を配設するためには、基板として、図2に示したような基板を用意すればよい。必要に応じて、(A)工程と(B)工程の間にPAB工程を実施してもよく、また、(F)工程、(G)工程のいずれか一方又は両方を実施してよいことは先述のとおりである。
<本発明の構造体の製造方法による効果・用途>
本発明の構造体の製造方法によれば、上述した工程を経ることにより、構造体の歩留まりを高めることができる。例えば、中空構造体を製造する場合など、屋根部を形成した場合においても、支持フィルムを剥離する際の樹脂組成物層のクラックや破れを生じにくくすることができる(実施例参照)。本発明の方法によれば、屋根部を形成しない場合にあっても同様に樹脂組成物層のクラックや破れを生じにくくすることができる。また、中空構造体を製造する場合、画成される中空領域を覆うように屋根部が形成されるが、屋根部のたわみ量を小さくすることができる傾向にあり(実施例参照)、この観点からも構造体の歩留まりを高めることができる。
また、本発明の構造体の製造方法によれば、解像性に優れる傾向にある。そのため、微小な突条部を複数有する基板を用いるなどして、1枚の基板から構造体の多面取りを行うことも可能となる。
また、本発明の構造体の製造方法によれば、解像性に優れる傾向にあるので、ヘーズ率が比較的高い支持フィルムを含む樹脂シートを用いることが可能となる。さらに、ヘーズ率が高い支持フィルムを含む樹脂シートを用いることができるので、支持フィルムにおける滑材の含有量を高めることができ、支持フィルムを搬送する際の搬送速度を高めて、樹脂シートの生産性を高めることも可能となる。
解像性に優れる構造体を得る観点からは、(a)成分は、フェノール樹脂を含むことが好ましい。また、(a)成分がフェノール樹脂を含むことにより、露光工程及び続く加熱工程の実施により樹脂組成物層の硬化物と支持フィルムの間の密着力が高まっていても、支持フィルムを剥離する際の離型性を高めることができ、ひいては支持フィルム剥離時の樹脂組成物層のクラックや破れをよりいっそう抑制することができる。
[構造体]
構造体は、上述した本発明の方法によって製造できる。斯かる構造体は、例えば、スマートフォン、タブレットPCといった情報通信機器等の高機能電子機器の部品(電子部品パッケージ)として用いることができる。例えば、好適な一実施形態本発明の方法により製造される中空構造体は、弾性波フィルタ(SAWフィルタ)パッケージ、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)パッケージ、イメージセンサパッケージ等の電子部品パッケージへと用いることができる。中空領域に配置する電子部品は、製造すべき電子部品パッケージの種類に応じて適宜決定してよく、例えば、櫛形電極、圧電素子(水晶振動子、セラミックス振動子等)、センサ素子(CMOS素子、CCD素子)等が挙げられる。なお、構造体にさらなる加工を施してもよく、例えば、平板部、突条部及び屋根部の1種以上に、1つ以上の貫通孔を設けてもよい。先述のとおり解像性に優れるので、構造体の屋根部形成時に微細加工が可能である。また、突条部を屋根部と同様に樹脂組成物層から形成可能であるので、構造体の低背化が可能である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の記載において、量を表す「部」及び「%」は、別途明示のない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
本発明の実施例及び比較例に係る構造体を製造するにあたり、樹脂組成物A、B、樹脂シートC、並びに、突条部が形成された基板Gを以下のようにして用意した。
[樹脂組成物Aの調製]
以下のようにして、樹脂組成物Aを調製した。
(a1)成分としての旭有機材社製のフェノール樹脂「TR-4020G」(分子内にフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂)10質量部と、(a1)成分としての明和化成社製のフェノール樹脂「MEHC-7851SS」5質量部と、(a1)成分としての本州化学社製のビスフェノール「BisE」5質量部と、(a2)成分としての三和ケミカル社製のメラミン樹脂「MW-390」5質量部と、(b1)成分としての三和ケミカル社製のハロゲン含有化合物「MP-トリアジン」(2-(メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン)0.05質量部と、(c-1)成分として、信越化学工業社製のシランカップリング剤「KBM-403」(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)0.5部と、溶剤としての純正化学社製のメチルエチルケトン(以下「MEK」)15部とを混合した。このようにして、樹脂組成物Aを得た。
[樹脂組成物Bの調製]
以下のようにして、樹脂組成物Bを調製した。
<バインダーポリマーの合成>
乾燥窒素気流下、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン36.62g(0.100モル)と、1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン1.98g(0.008モル)とを、N-メチル-2-ピロリドン(以下「NMP」)100gに溶解させた。この溶液に、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物46.53g(0.150モル)をNMP30gとともに加えて、20℃で1時間撹拌し、次いで50℃で4時間撹拌した。この攪拌後の溶液に、3-アミノフェノール1.09g(0.010モル)を加え、50℃で2時間撹拌した後、180℃で5時間撹拌した。これにより、樹脂溶液を得た。次に、この樹脂溶液を水3Lに投入して、白色沈殿を生成させた。この白色沈殿を、濾過で集めて水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で5時間乾燥した。これにより、アルカリ可溶性樹脂(以下、「バインダーポリマー」ともいう)を得た。
<調合>
(a1)成分としての上記バインダーポリマー100gと、(a)成分としての共栄社化学社製のアクリル化合物「BP-6EM」60gと、(b2)成分としてのADEKA社製の光重合開始剤「NCI-930」9gと、(a2)成分としての本州化学社製の熱架橋剤「HMOM」100g(固形分:20g)と、(c-2)成分としての東京化成社製の重合禁止剤「フェノチアジン」0.01gと、(c-1)成分としての信越化学工業社製のシランカップリング剤「KBM-403」2gとを、溶剤としての乳酸エチル150g及びγ-ブチロラクトン20gに添加し、45℃にて180分間攪拌した。
このようにして、樹脂組成物Bを得た。
[実施例1]
1.中空領域が画成された構造体H(中空構造体H)の製造
実施例1では、下記の工程を経ることにより、基板と樹脂組成物層の間に中空領域が画成された構造体(中空構造体)を製造した。
(工程1)接合工程
支持フィルムと該支持フィルム上に設けられた樹脂組成物層とを含む樹脂シートを、その樹脂組成物層が接合するように、基板と接合させた(接合工程)。接合させるために、ラミネート装置(タカトリ社製「VTM-300」)を用いた。すなわちラミネート法を採用した。ラミネート法としては、ロールを用いる連続式とした。ラミネート条件は、ステージ温度:60℃、ロール温度:50℃、大気圧下、貼付速度:20mm/秒、貼付圧力:0.05MPaとした。これにより、基板に樹脂組成物層及び支持フィルムがこの順に積層された積層体を得た。
樹脂シートとして、樹脂組成物層上に設けられた保護フィルムを含む樹脂シート(図4参照)を用いた。そのため、本工程では、該保護フィルムを剥離して樹脂組成物層を露出させた後、基板と接合させた。保護フィルムを含む樹脂シートは、以下の<樹脂シートCの作製工程>に記載するとおりに作製した。
基板として、平板部と突条部とを含む基板を用いた、そのため、本工程では、樹脂シートを、その樹脂組成物層が基板の突条部と接合するように、基板と接合させた。これにより、基板の突条部の上面を覆うように樹脂組成物層を設けることができた。その結果、基板の平板部と樹脂組成物層との間に中空領域が画成された。基板は、以下の<基板Dの作製工程>に記載するとおりに作製した。すなわち、後述の樹脂シートCを用いて、本工程1及び後述する工程2乃至工程5と同様の工程を含む工程を経て突条部(枠体)を設けた。
<樹脂シートCの作製工程>
樹脂組成物層を支持して基板上に設けることを可能とする支持フィルムとして、透光性を有する支持フィルムを用いた。具体的には、プラスチック材料と滑材と離型層とからなるフィルムを用いた。具体的には、リンテック社製のPETフィルム「AL-5」(離型層つき、厚み:38μm、ヘーズ値:8%)を用いた。離型層は、アルキッド系離型剤により形成されたものであった。ヘーズ値は先述の方法により測定した。滑材としては、シリカが用いられていた。
次に、先述のとおり調製した樹脂組成物Aを、支持フィルムの離型層上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚みが20μmになるよう、ダイコーターにて均一に塗布した。続いて、支持フィルム上に設けられた樹脂組成物層を80℃~110℃の範囲内の温度で6分間乾燥させた。
また、保護フィルムとして、リンテック社製のPETフィルム「X」(アルキッド系離型層あり、厚み:25μm)を用いた。
そして、支持フィルム上に設けられた樹脂組成物層の上に、保護フィルムを接合させた。
このようにして、樹脂シートCを作製した。なお、樹脂シートC製造時は、支持フィルムが搬送ローラに当接するように搬送した。この際、支持フィルムに皺が発生することはなく、樹脂シートの歩留まりが損なわれることはなかった。保護フィルムの剥離力は、支持フィルムの剥離力よりも小さかった。
<基板Dの作製工程>
平板部を構成する材料として半導体ウェハを用いた。半導体ウェハとして、シリコン(Si)系ウェハを用いた。シリコン(Si)系ウェハとして、シリコンウェハを用いた。シリコンウェハの上面視形状は円形であった。斯かる円形の直径は、4インチであった。シリコンウェハの上に、以下のようにして、シリコンウェハからの高さが20μmの突条部(枠体)を設けることにより基板を作製した。突条部(枠体)は、硬化性樹脂組成物を用いて設けた。硬化性樹脂組成物のために、樹脂シートCを用いた。
まず、樹脂シートCから保護フィルムを剥離して、樹脂組成物層を露出させた。続いて、樹脂組成物層が露出した樹脂シートCを、その樹脂組成物層が接合するように、シリコンウェハと接合させた(接合工程)。接合させるために、ラミネート装置(タカトリ社製「VTM-300」)を用いた。すなわちラミネート法を採用した。ラミネート法としては、ロールを用いる連続式とした。ラミネート条件は、ステージ温度:65℃、ロール温度:50℃、真空度:150Pa、貼付速度:5mm/秒、貼付圧力:0.1MPaとした。これにより、シリコンウェハに樹脂組成物層及び支持フィルムがこの順に積層された積層体を得た。該積層体を室温下30分以上静置した。このようにして得られた積層体は、その一部を以下の工程に供したほか、他の一部を後述する解像性の評価にも用いた。
次に、活性光線の光源と支持フィルムとの間に所定のパターンを有するフォトマスクを配置した。具体的には、積層体の支持フィルム上に、第1のフォトマスクを載置した。第1のフォトマスクとして、図7に示すような、透光部パターンが上面視で四角形の枠状パターンを有するフォトマスクを用いた。第1のフォトマスクにおいて、四角形の外形の1辺が800μmであった。枠状パターンは、100μm間隔で、縦30個及び横30個配列されていた。そして、パターン形成装置を用いて、シリコンウェハと接合している樹脂組成物層を、支持フィルムを介して露光した(露光工程)。樹脂組成物層の露光に用いる活性光線としては、紫外線(波長:365nm、強度:40mW/cm)を用いた。また、露光量(照射量)は400mJ/cmとした。すなわち、支持フィルムが付いたまま露光工程を実施した。
次に、露光された樹脂組成物層を加熱した(PEB工程)。PEB工程における加熱実施条件は、80℃、3分間とした。PEB工程では、ホットプレートを用いた。ホットプレートとしては、リソテックジャパン社製「Mini-Lab Bake 150」を用いた。ホットプレートの加熱面にシリコンウェハを載置した。PEB工程により、樹脂組成物層の露光部において感光反応を進行させた。
その後、露光工程及び続く加熱工程を実施することにより得られた樹脂組成物層から支持フィルムを剥離した(支持フィルム剥離工程)。支持フィルムの剥離は、自動剥離装置を使用して機械的に実施した。自動剥離装置としては、ティー・エス・イー社製の万能材料試験機を用いた。剥離速度は、0.3m/分、剥離確度は90度であった。剥離強度は、0.02kgf/cmであった。これにより、樹脂組成物層が露出し、後述する現像工程において現像することが可能となった。
さらに、露出した樹脂組成物層を現像した(現像工程)。これにより、樹脂組成物層の未硬化部(未露光部)を除去することができ、樹脂組成物層の硬化物からなる所期のパターンを相応に形成することができた。
現像の方法は、現像液を用いるウェット現像とした。ウェット現像において、現像液として、アルカリ性水溶液を用いた。アルカリ性水溶液として、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH水溶液)を用いた。アルカリ性水溶液には、界面活性剤、消泡剤等を添加しなかった。アルカリ性水溶液のpHは、13以上であった。アルカリ性水溶液の温度は、樹脂組成物層の組成等に応じて所期の現像性が達成されるよう、23℃に決定した。現像の方式としては、スプレー方式を採用した。スプレー圧を、0.1MPaとした。スプレー時間を、60秒間とした。スプレー現像の対象は、樹脂組成物層の露出面全面とした。現像の結果、未露光部の樹脂組成物層は、アルカリ可溶性の樹脂組成物で構成されているため、現像液に溶出し、他方で、露光部の樹脂組成物層は、平板状のシリコンウェハ上に残存し、突条部(枠体)を形成した。各突条部は、第1のフォトマスクの透光部パターンが反映されており、上面視で中空の四角形であり、側面視で中実の四角形であった。各突条部の上面視での外形の1辺は1000μmであった。各突条部の上面における幅は、100μmであった。したがって、各突条部の上面視での中空部に沿う内周面の1辺は800μmであった。各突条部の高さは、シリコンウェハ表面から20μmであった。
その後、現像された樹脂組成物層をさらに露光した(ポストUV工程)。ポストUV工程の実施には、紫外線(波長:365nm、強度:40mW/cm)を用いた。また、露光量(照射量)は1J/cmとした。これにより、現像された樹脂組成物層をさらに硬化させることができた。
さらに、現像工程及びポストUV工程を実施して得られた樹脂組成物層をさらに加熱した(ポストベーク工程)。ポストベーク工程での加熱実施条件は、190℃で60分間とした。これにより、現像された樹脂組成物層をさらに硬化させることができた。
上述したような工程を経ることにより、樹脂組成物層は硬化した。こうして、樹脂組成物層の硬化物で形成された突条部を、平板部を構成する材料上に設けることができた(図1参照)。このようにして、平板状のシリコンウェハと、当該シリコンウェハの上に設けられた、樹脂組成物層の硬化物で形成された高さ20μmの突条部とを含む基板Dを得た。
(工程2)露光工程
工程1(接合工程)を実施することによって得られた積層体の樹脂組成物層(すなわち基板Dと接合している樹脂組成物層)を、支持フィルムを介して露光した(露光工程)。露光に先立ち、活性光線の光源と支持フィルムとの間に所定のパターンを有するフォトマスクを配置した。具体的には、積層体の支持フィルム上に、第2のフォトマスクを載置した。第2のフォトマスクとして、図8に示すような、透光部パターンが上面視で四角形のベタパターンを有するフォトマスクを用いた。第2のフォトマスクにおいて、四角形の外形の1辺が1000μmであった。ベタパターンは、100μm間隔で、縦30個及び横30個配列されていた。第2のフォトマスクは、上面視で、第2のフォトマスクの四角形のベタパターンの輪郭が、基板Dの突条部上面の輪郭と一致するように、載置した。そして、パターン形成装置を用いて、シリコンウェハの突条部上面と接合している樹脂組成物層を、支持フィルムを介して露光した(露光工程)。樹脂組成物層の露光に用いる活性光線としては、紫外線(波長:365nm、強度:40mW/cm)を用いた。また、露光量(照射量)は400mJ/cmとした。すなわち、支持フィルムが付いたまま露光工程を実施した。
(工程3)加熱工程(PEB工程)
次に、露光された樹脂組成物層を加熱した(PEB工程)。PEB工程における加熱実施条件は、80℃、3分間とした。PEB工程では、ホットプレートを用いた。ホットプレートとしては、リソテックジャパン社製「Mini-Lab Bake-150」を用いた。ホットプレートの加熱面にシリコンウェハを載置した。PEB工程により、樹脂組成物層の露光部において感光反応を進行させた。
(工程4)支持フィルム剥離工程
その後、露光工程及び続く加熱工程を実施することにより得られた樹脂組成物層から支持フィルムを剥離した(支持フィルム剥離工程)。支持フィルムの剥離は、自動剥離装置を使用して機械的に実施した。自動剥離装置としては、ティー・エス・イー社製の万能材料試験機を用いた。剥離強度は、0.3m/分、剥離確度は90度であった。剥離速度は、0.02kgf/cmであった。これにより、樹脂組成物層が露出し、後述する現像工程において現像することが可能となった。
(工程5)現像工程
さらに、露出した樹脂組成物層を現像した(現像工程)。これにより、樹脂組成物層の未硬化部(未露光部)を除去することができ、樹脂組成物層の硬化物からなる所期のパターンをほぼ形成することができた。
現像の方法は、現像液を用いるウェット現像とした。ウェット現像において、現像液として、アルカリ性水溶液を用いた。アルカリ性水溶液として、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH水溶液)を用いた。アルカリ性水溶液には、界面活性剤、消泡剤等を添加しなかった。アルカリ性水溶液のpHは、13以上であった。アルカリ性水溶液の温度は、樹脂組成物層の組成等に応じて所期の現像性が達成されるよう、23℃に決定した。現像の方式としては、スプレー方式を採用した。スプレー圧を、0.1MPaとした。スプレー時間を、60秒間とした。スプレー現像の対象は、樹脂組成物層の露出面全面とした。現像の結果、未露光部の樹脂組成物層は、アルカリ可溶性の樹脂組成物で構成されているため、現像液に溶出し、他方で、露光部の樹脂組成物層は、基板Dの突条部上で残存して、基板Dのシリコンウェハと露光部の樹脂組成物層との間には中空領域が画成された。露光部の樹脂組成物層は、第2のフォトマスクの透光部パターンが反映されており、上面視で中実の四角形であり、側面視で中実の四角形であった。上面視で中実の四角形の1辺は1000μmであった。上面視で中実の四角形同士の間隔は、100μmであった。露光部の樹脂組成物層の厚み(突条部上面からの寸法)は、20μmであった。露光部の樹脂組成物層は、基板Dの突条部上面と一体的に結合しており、中空領域及び基板Dの突条部上面を覆う屋根部を形成していた。
(工程6)さらなる露光(ポストUV工程)
その後、現像された樹脂組成物層をさらに露光した(ポストUV工程)。ポストUV工程の実施には、紫外線(波長:365nm、強度:40mW/cm)を用いた。また、露光量(照射量)は1J/cmとした。これにより、現像された樹脂組成物層をさらに硬化させることができた。
(工程7)さらなる加熱(ポストベーク工程)
さらに、現像工程及びポストUV工程を実施して得られた樹脂組成物層をさらに加熱した(ポストベーク工程)。ポストベーク工程での加熱実施条件は、190℃で60分間とした。これにより、現像された樹脂組成物層をさらに硬化させることができた。
上述したような工程を経ることにより、樹脂組成物層は硬化した。こうして、樹脂組成物層の硬化物で形成された屋根部を、突条部上に設けることができた(図6参照)。このようにして、平板状のシリコンウェハと、当該シリコンウェハの上に設けられた、樹脂組成物層の硬化物で形成された高さ20μmの突条部と、突条部上に形成された厚み20μmの屋根部とを含む構造体を得た。このようにして得られる構造体を「中空構造体E」ともいう。
2.評価
中空構造体Eを得る途中の段階の積層体、及び、得られた中空構造体Eを用いて、歩留まりを評価した。歩留まりの評価方法については後述する。また、歩留まりのよい実施例について、工程1の接合工程の実施において説明した基板Dを得る途中の段階で得られた積層体を用いて、解像性を評価した。解像性の評価については後述する。これらの評価結果を表1に示す。
[実施例2]
<樹脂シートCの作製工程>において、樹脂組成物Aに代えて樹脂組成物Bを使用した以外は、実施例1と同様にして、樹脂シートCを作製した。
また、<基板Dの作製工程>において、(1)樹脂組成物Bを使用した樹脂シートCを用いた点、(2)露光工程における露光量(照射量)を800mJ/cmに変更した点、(3)PEB工程における加熱実施条件を70℃、10分間に変更した点、(4)ウェット現像において、現像の方式としてシャワー方式を採用した点、(5)ポストベーク工程における加熱実施条件を200℃で60分間に変更した点以外は、実施例1と同様にして、基板Dを作製した。
そして、工程2の露光工程における露光量(照射量)を800mJ/cmに変更し、工程3のPEB工程における加熱実施条件を70℃、10分間に変更し、工程5の現像工程における現像の方式としてシャワー方式を採用し、かつ、工程7のポストベーク工程における加熱実施条件を200℃で60分間に変更した以外は、実施例1と同様にして、中空構造体Eを製造して、歩留まりを評価した。また、工程1の接合工程の実施において説明した基板Dと同様の基板を得る途中の段階で得られた積層体を用いて、実施例1と同様に解像性を評価した。
[比較例1]
実施例1において、工程1(接合工程)の実施後、工程2(露光工程)の実施前に、支持フィルムを剥離し、工程4を実施しなかった。上記の事項以外は、実施例1と同様にして、基板Dと同様の基板及び中空構造体Eを製造して、歩留まりを評価した。
[比較例2]
実施例1において、工程2(露光工程)の実施後、工程3(PEB工程)の実施前に、支持フィルムを剥離し、工程4を実施しなかった。上記の事項以外は、実施例1と同様にして、基板Dと同様の基板及び中空構造体Hを製造して、歩留まりを評価した。
[比較例3]
実施例2において、工程1(接合工程)の実施後、工程2(露光工程)の実施前に、支持フィルムを剥離し、工程4を実施しなかった。上記の事項以外は、実施例2と同様にして、基板Dと同様の基板及び中空構造体Eを製造して、歩留まりを評価した。
[比較例4]
実施例2において、工程2(露光工程)の実施後、工程3(PEB工程)の実施前に、支持フィルムを剥離し、工程4を実施しなかった。上記の事項以外は、実施例2と同様にして、基板Dと同様の基板及び中空構造体Eを製造して、歩留まりを評価した。
続いて、各種測定方法・評価方法について説明する。
<歩留まりの評価>
[剥離時のクラックの確認]
各実施例及び比較例において、支持フィルム剥離工程(実施例1では工程4)を実施した後、後続の工程(実施例1では工程5(現像工程))を実施する前の積層体について、樹脂組成物層にクラックが生じたかどうかを目視により確認した。また、クラックが生じた場合にはその個数を数えた。破れが生じた場合、クラック10個として計上した。
そして、クラック及び破れの確認結果を下記の基準にしたがって評価した。評価結果を表1に示す。
◎:クラックが0個
〇:クラックが1個以上10個未満
×:クラックが10個以上
[屋根部の形状の確認]
各実施例及び比較例において、得られた中空構造体Eを切断し、屋根部中央を通る縦断面を露出させた。そして、屋根部にたわみが生じているかどうかをたわみ量(μm)で計測した。たわみ量(μm)として、シリコンウェハ上面から40μm離れた平行線を基準としたときに、斯かる平行線から屋根部上面までの距離が最大となる距離を計測した。
そして、たわみ量の計測結果を下記の基準にしたがって評価した。評価結果を表1に示す。
〇:たわみ量が1μm以下
△:たわみ量が1μm超5μm未満
×:たわみ量が5μm以上
<解像性の評価>
実施例及び比較例の各々において、以下のようにして、試験片を作製し、解像性を評価した。
(試験片の作製)
まず、工程1の接合工程の実施において説明した基板D又は同様の基板を得る途中の段階で得られた積層体の支持フィルム上に、第3のフォトマスクを載置した。第3のフォトマスクとして、透光部パターンが上面視で四角形のライン状パターンを5種類有するフォトマスクを用いた。5種類のライン状パターンは、ライン状の遮光部パターンを介して並んでいた。すなわち、第3のフォトマスクとして、一対のライン(遮光部)とスペース(透光部)(以下、「L/S」とも表記する)を5種類有するフォトマスクを用いた。5種類のL/Sは、それぞれ、50(遮光部)/50(透光部)、40(遮光部)/40(透光部)、30(遮光部)/30(透光部)、20(遮光部)/20(透光部)であった(幅方向の寸法、単位:μm)。そして、パターン形成装置を用いて、シリコンウェハと接合している樹脂組成物層を、支持フィルムを介して露光した(露光工程)。樹脂組成物層の露光に用いる活性光線としては、紫外線(波長:365nm、強度:40mW/cm)を用いた。また、露光量(照射量)は、実施例1、比較例1及び2では400mJ/cm、実施例2、比較例3及び4では800mJ/cmとした。実施例1、2、比較例2及び4では、支持フィルムが付いたまま露光工程を実施した。他方で、比較例1及び3では、支持フィルムを剥離してから上記の露光工程を実施した。
次に、露光された樹脂組成物層を加熱した(PEB工程)。PEB工程での加熱実施条件は、実施例1、比較例1及び2では80℃、3分間、実施例2、比較例3及び4では70℃、10分間とした。実施例1、2では、支持フィルムが付いたままPEB工程を実施した。
その後、実施例1及び2では、露光工程及び続く加熱工程を実施することで得られた樹脂組成物層から支持フィルムを剥離した(支持フィルム剥離工程)。支持フィルムの剥離は、自動剥離装置を使用して機械的に実施した。自動剥離装置としては、ティー・エス・イー社製の万能材料試験機を用いた。剥離強度は、0.3m/分、剥離確度は90度であった。剥離速度は、0.02kgf/cmであった。これにより、樹脂組成物層が露出した。
さらに、露出した樹脂組成物層をウェット現像した(現像工程)。ウェット現像において、現像液として、アルカリ性水溶液である23℃の2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いた。実施例1、比較例1及び2では、現像の方式としては、スプレー方式を採用した。スプレー圧を、0.1MPaとした。スプレー時間を、60秒間とした。スプレー現像の対象は、樹脂組成物層の露出面全面とした。実施例2、比較例3及び4では、現像の方式としては、シャワー方式を採用してシャワー時間を60秒間とした。現像の結果、未露光部の樹脂組成物層は、基本的には現像液に溶出し、他方で、露光部の樹脂組成物層は、平板状のシリコンウェハ上に残存することとなった。
その後、現像された樹脂組成物層をさらに露光した(ポストUV工程)。ポストUV工程の実施には、紫外線(波長:365nm、強度:40mW/cm)を用いた。また、露光量(照射量)は1J/cmとした。
さらに、現像工程及びポストUV工程を実施して得られた樹脂組成物層をさらに加熱した(ポストベーク工程)。ポストベーク工程の加熱実施条件は、実施例1、比較例1及び2では190℃で60分間、実施例2、比較例3及び4では200℃で60分間とした。
上述したような工程を経ることにより、樹脂組成物層は硬化した。このようにして、試験片を得た。
(解像性の評価)
そして、試験片をその樹脂組成物層の硬化物の上方からSEMを用いて倍率1000倍で観察した。観察の結果、シリコンウェハの露出面が確認されるかどうか、また、確認された場合には、対応する第3のフォトマスクの5種類のスペース(透光部)のうち、最小のスペース(μm)を特定した。特定された最小のスペースを、最小の解像度(μm)とした。評価の結果特定された最小の解像度(μm)を表1に示す。
Figure 2022144173000034
100a,100b 基板
110 平板部
120 突条部
200a,200b 樹脂シート
210 支持フィルム
220 樹脂組成物層
230 保護フィルム
300 積層体
310 中空領域
400 中空構造体
410 中空領域
420 屋根部

Claims (10)

  1. 基板と、当該基板上に設けられた樹脂組成物層の硬化物とを含む構造体の製造方法であって、下記の工程:
    (A)支持フィルムと該支持フィルム上に設けられた樹脂組成物層とを含む樹脂シートを、その樹脂組成物層が接合するように、基板と接合させる工程、
    (B)基板と接合している樹脂組成物層を、支持フィルムを介して露光する工程、
    (C)露光された樹脂組成物層を加熱する工程、
    (D)露光工程及び続く加熱工程を実施することで得られた樹脂組成物層から支持フィルムを剥離して、樹脂組成物層を露出させる工程、及び、
    (E)露出した樹脂組成物層を現像する工程
    を含む、構造体の製造方法。
  2. (F)現像された樹脂組成物層をさらに露光する工程
    をさらに含む、請求項1に記載の構造体の製造方法。
  3. (G)現像された樹脂組成物層を加熱する工程
    をさらに含む、請求項1又は2に記載の構造体の製造方法。
  4. 基板は、平板部と突条部とを含み、
    (A)工程において、基板の平板部と樹脂組成物層との間に中空領域が画成されるように、樹脂組成物層と基板の突条部とを接合させる、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の構造体の製造方法。
  5. 構造体は、中空領域に配置された電子部品を含む、
    請求項4に記載の構造体の製造方法。
  6. 樹脂シートが、樹脂組成物層上に設けられた保護フィルムをさらに含み、
    (A)工程は、さらに、樹脂シートから保護フィルムを剥離して、樹脂組成物層を露出させる工程を含む、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の構造体の製造方法。
  7. 支持フィルムが、離型処理された支持フィルムである、
    請求項1~6のいずれか1項に記載の構造体の製造方法。
  8. 樹脂組成物層が、分子中にフェノール性水酸基を有する化合物を含む、
    請求項1~7のいずれか1項に記載の構造体の製造方法。
  9. 樹脂組成物層が、分子中に少なくとも2つのアルコキシメチル基を含有する化合物を含む、
    請求項1~8のいずれか1項に記載の構造体の製造方法。
  10. 支持フィルムのヘーズ値が10%以下である、
    請求項1~9のいずれか1項に記載の構造体の製造方法。
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