JP2022143384A - アウトリガ用敷板設置装置、アウトリガ - Google Patents

アウトリガ用敷板設置装置、アウトリガ Download PDF

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Abstract

【課題】敷板部を自動で設置及び格納する動作を行う際に、アーム及び敷板部の姿勢を安定させることが可能なアウトリガ用敷板設置装置とアウトリガを提供する。【解決手段】アウトリガを搭載する車両の前後方向から見て、敷板部31の姿勢が敷板設置準備姿勢であるときにおける敷板部31の重心CGが、敷板部31の姿勢が敷板格納姿勢から敷板設置姿勢へ変化する際に敷板部31がアーム20を介してフロート85の上に配置されている状態でアーム20及び敷板部31の質量を支持する二つの支点である第一の支点と第二の支点との間に配置され、第一の支点であるカム52と第二の支点であるパイプ54は、アウトリガを搭載する車両の前後方向から見て、敷板格納姿勢における敷板部31の厚さ方向に沿って間隔を開けて配置されている。【選択図】図12

Description

本発明は、トラック等のクレーン搭載車両が備えるアウトリガに適用可能なアウトリガ用敷板設置装置と、アウトリガに関するものである。
トラック等のクレーン搭載車両には、クレーンを用いる作業等において、クレーン搭載車両の転倒を防止するため、アウトリガが備えられている。
アウトリガは、筒状のアウタボックスと、アウタボックスに対して変位するインナボックスとにより伸縮可能に形成された縦アウトリガボックスを備えており、アウトリガの使用時には、縦アウトリガボックスを伸長させる。また、アウトリガの使用時には、荷重を受けるために、例えば、特許文献1に開示されているように、アウトリガを支持する敷板部が用いられる。
特許文献1に開示されている構成では、クレーン搭載車両に敷板部が格納されており、アウトリガの使用時には、人力により敷板部を設置する。
特開2018-122959号公報
特許文献1に開示されている構成では、アウトリガを使用する度に、人力により敷板部の設置や格納を行う必要があるため、作業効率が低下するという問題がある。
この問題に対応するため、縦アウトリガボックスを伸縮させる動作に連動させて、敷板部を自動で設置及び格納することが可能な構成を採用する対策が考えられる。
敷板部を自動で設置及び格納することが可能な構成では、例えば、一端が敷板部に接続されており、縦アウトリガボックスに対して回転可能なアームを備える構成となる。このため、敷板部を自動で設置及び格納する動作を行う際には、縦アウトリガボックスに設定された支点によって、回転するアーム及び敷板部の質量が支持される。
しかしながら、敷板部とアームとの接続状態によっては、アームの回転に伴って変位する敷板部の重心が、縦アウトリガボックスに設定された支点から離れた位置へ移動する場合がある。敷板部の重心が支点から離れた位置へ移動すると、敷板部を自動で設置及び格納する動作を行う際に、アーム及び敷板部の姿勢が不安定となる可能性がある。
本発明は、上述した問題点を鑑み、敷板部を自動で設置及び格納する動作を行う際に、アーム及び敷板部の姿勢を安定させることが可能な、アウトリガ用敷板設置装置とアウトリガを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るアウトリガ用敷板設置装置は、縦アウトリガボックスと、敷板部と、敷板設置機構部と、敷板格納機構部と、フロートと、アームを備えるアウトリガに適用可能なアウトリガ用敷板設置装置である。縦アウトリガボックスは、筒状のアウタボックスと、一端からアウタボックスの内部に挿入され、且つアウタボックスに対して変位するインナボックスにより形成される。敷板部は、縦アウトリガボックスの伸縮に応じて姿勢が変化する。敷板設置機構部は、縦アウトリガボックスが伸長する動作に連動して、敷板部の姿勢が、敷板部の地面と接地する面と反対側の面がアウタボックスの側面と対向する敷板格納姿勢からインナボックスと地面との間に敷板部が配置された敷板設置姿勢へと変化するように、敷板部を変位させる。なお、敷板格納姿勢では、反対側の面がアウタボックスの側面とアウトリガを搭載する車両の幅方向で対向する。敷板格納機構部は、縦アウトリガボックスが縮小する動作に連動して、敷板部の姿勢を敷板設置姿勢から敷板格納姿勢へと変化させる。フロートは、インナボックスの他端に取り付けられている。アームは、一端が敷板部のうち敷板設置姿勢においてフロートと対向する面へ回転可能に取り付けられている。そして、敷板部の姿勢が敷板設置準備姿勢であるときにおける敷板部の重心が、アウトリガを搭載する車両の前後方向から見て、敷板部の姿勢が敷板格納姿勢から敷板設置姿勢へ変化する際に敷板部がアームを介してフロートの上に配置されている状態でアーム及び敷板部の質量を支持する二つの支点である第一の支点と第二の支点との間に配置される。敷板設置準備姿勢は、敷板部の姿勢が敷板格納姿勢から敷板設置姿勢へ変化するまでにインナボックスが伸長する途中の姿勢である。また、第一の支点と第二の支点は、前後方向から見て、敷板格納姿勢における敷板部の厚さ方向に沿って間隔を開けて配置されている。
また、本発明の一態様に係るアウトリガは、アウトリガ用敷板設置装置を備える。
本発明に係るアウトリガ用敷板設置装置とアウトリガによれば、敷板部を自動で設置及び格納する動作を行う際に、アーム及び敷板部の姿勢を安定させることが可能となる。
実施形態のアウトリガ用敷板設置装置を備えた車両搭載型クレーンの側面図である。 車両から取り外した状態のクレーンの正面図である。 車両から取り外した状態のクレーンの斜視図である。 アウトリガ用敷板設置装置を前方から見た図である。 アウトリガ用敷板設置装置を外側から見た図である。 敷板部及びアームの側面図である。 敷板格納姿勢の状態における、アームプレートとボス及びカムとの接触状態を示す図である。 敷板設置動作において敷板ユニットが変位する流れを説明するための図である。 敷板設置動作において敷板ユニットが変位する流れを説明するための図である。 カムの固定位置を変更する構造を説明するための図である。 敷板ユニットをロック状態にしたときの、縦アウトリガボックスを張り出す動作を説明するための図である。 予め設定した角度の範囲を説明する図である。 予め設定した角度の範囲を説明する図である。 予め設定した角度の範囲を説明する図である。 実施形態とは異なる構成のアウトリガ用敷板設置装置を説明する図である。 実施形態とは異なる構成のアウトリガ用敷板設置装置を説明する図である。 実施形態とは異なる構成のアウトリガ用敷板設置装置を説明する図である。 実施形態とは異なる構成のアウトリガ用敷板設置装置を説明する図である。 変形例の構成を示す図である。
以下、本発明に係るアウトリガ用敷板設置装置、アウトリガ用敷板設置装置を備えるアウトリガ、アウトリガを備える作業車両の一実施形態であるクレーン搭載車両について、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、図面は模式的なものである。そのため、厚さと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なる場合があることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
(実施形態)
<構成>
アウトリガ用敷板設置装置を使用する対象であるアウトリガ用敷板設置装置1(以降の説明では、「敷板設置装置1」と記載する場合がある)を備えたクレーン搭載車両100は、図1に示すように、車両本体101と、クレーン105を備える。
実施形態では、図1に示すように、車両本体101を、トラックとした場合について説明する。なお、以降の説明及び図面では、クレーン搭載車両100が前進する方向(シフトがDレンジ等に選択されている状態で走行する方向)を、「前方」と記載する場合がある。同様に、以降の説明及び図面では、クレーン搭載車両100が後退する方向(シフトがRレンジに選択されている状態で走行する方向)を、「後方」と記載する場合がある。また、以降の説明及び図面では、「左側」を、クレーン搭載車両100を運転する運転者における左側とし、「右側」を、クレーン搭載車両100を運転する運転者における右側とする。したがって、以降の説明及び図面では、「左側面視」を、クレーン搭載車両100を運転する運転者を左側から見た視点とし、「右側面視」を、クレーン搭載車両100を運転する運転者を右側から見た視点とする。また、以降の説明では、「左側面視」と「右側面視」とをまとめて、「側面視」と記載する場合がある。
車両本体101は、荷台102と、運転室103と、シャーシフレーム104を備える。
荷台102には、例えば、クレーン105によって吊り下げる荷物(建材等)を載せる。
運転室103には、クレーン搭載車両100の操縦手等が座る。
シャーシフレーム104は、車両本体101の骨格を構成する。
クレーン105は、シャーシフレーム104の上に搭載されている。
また、クレーン105は、ベース91と、コラム92と、ブーム93と、フック94と、各種のアクチュエータ(図示略)を備える。
ベース91は、角筒状に形成されており、アウトリガ80を備える。
コラム92は、ベース91の上へ旋回自在に設けられている。
ブーム93は、伸縮式のブームであり、コラム92の上端部へ起伏自在に取り付けられている。
フック94には、ワイヤロープ106の先端側が固定されている。ワイヤロープ106は、基端側からコラム92に設けられたウインチ(図示略)に巻かれている。また、ワイヤロープ106の先端側は、ウインチから繰り出されてブーム93の先端部へ配置され、さらに、フック94に固定されている。これにより、フック94は、ブーム93の先端部から吊り下げられている。
各種のアクチュエータは、コラム92(ブーム93)の旋回、ブーム93の起伏と伸縮、ウインチによるフック94の巻上げ、巻下げ、アウトリガ80の伸縮を行うためのアクチュエータを含む。また、各種のアクチュエータは、車両本体101が備える油圧供給源(図示略)から、切換制御弁装置を介して個別に圧油が供給されることにより作動する。
(アウトリガ)
アウトリガ80は、クレーン搭載車両100に搭載され、図2及び図3に示すように、左右一対の横アウトリガボックス81と、左右一対の縦アウトリガボックス82と、敷板設置装置1とを備える。なお、図2では、アウトリガ80の構成を省略して図示している。また、図中及び以降の説明では、左右一対の縦アウトリガボックス82のうち、左側に配置した縦アウトリガボックス82を、「左縦アウトリガボックス82L」と記載する場合がある。同様に、図中及び以降の説明では、左右一対の縦アウトリガボックス82のうち、右側に配置した縦アウトリガボックス82を、「右縦アウトリガボックス82R」と記載する場合がある。
横アウトリガボックス81は、角筒状に形成されている。
横アウトリガボックス81の基端側は、ベース91の内部へ挿入されている。これにより、横アウトリガボックス81は、ベース91に対して、左右方向へのスライド移動が可能である。
また、横アウトリガボックス81は、張出位置H又は格納位置Kにスライド移動が可能である。
張出位置Hは、横アウトリガボックス81が、ベース91から車両本体101よりも右側及び左側に張り出した位置である。格納位置Kは、横アウトリガボックス81が、ベース91の内部に格納された位置である。
なお、実施形態では、オペレータが、アウトリガ80に設けられた把持部(図示略)を手で掴んで引く動作や押す動作を行うことで、横アウトリガボックス81をスライド移動させる場合について説明する。
縦アウトリガボックス82は、横アウトリガボックス81の先端側に配置されている。
また、縦アウトリガボックス82は、アウタボックス83と、インナボックス84と、油圧シリンダ(図示略)と、フロート85とを備える。
アウタボックス83は、筒状(角筒状)に形成されており、横アウトリガボックス81の先端部に固定されている。アウタボックス83の長さ方向は、前方又は後方から見て、横アウトリガボックス81の長さ方向と直交している。アウタボックス83が有する四つの外周面は、車両本体101の走行方向及び左右方向と平行である。したがって、アウタボックス83の長さ方向は、クレーン搭載車両100の高さ方向と平行に向けられている。
インナボックス84は、アウタボックス83よりも外径が小さい角筒状に形成されており、アウタボックス83と共に縦アウトリガボックス82を形成する。
インナボックス84の一端は、アウタボックス83の内部に挿入されている。これにより、インナボックス84は、アウタボックス83に対して、上下方向へのスライド移動が可能である。
油圧シリンダは、インナボックス84をアウタボックス83の内部に挿入した状態で、アウタボックス83及びインナボックス84の内部に配置されている。
油圧シリンダの一端は、アウタボックス83の内部において、アウタボックス83の上部に固定されている。油圧シリンダの他端は、インナボックス84の内部において、インナボックス84の下部に固定されている。したがって、油圧シリンダを伸縮させると、インナボックス84が上下方向にスライド移動する。すなわち、アウタボックス83に対してインナボックス84を変位させることで、縦アウトリガボックス82が伸縮する。
すなわち、縦アウトリガボックス82が備える油圧シリンダは、クレーン105が備える各種のアクチュエータのうち、アウタボックス83に対してインナボックス84を変位させることで、縦アウトリガボックス82を伸縮させるアクチェーターを形成する。
フロート85は、例えば、四辺形に形成された板状の部材である。また、フロート85は、厚さ方向をインナボックス84の長さ方向と平行に向けた状態で、インナボックス84の他端に取り付けられている。
(敷板設置装置)
敷板設置装置1は、左右一対の縦アウトリガボックス82に、それぞれ設けられている。すなわち、クレーン搭載車両100は、左右一対の敷板設置装置1を備える。
また、敷板設置装置1は、図4及び図5に示すように、敷板ユニット2と、アウタ側案内機構4と、接地側案内機構5と、ロック機構6と、第一クッション7と、一対の第二クッション8とを備える。
(敷板ユニット)
敷板ユニット2は、図4及び図5に示すように、アーム20と、敷板30とを備える。
<アーム>
アーム20は、例えば、「HT590」等の高張力鋼材を用いて形成されている。これは、アーム20が、他の構成部材と比較してサイズが大きく、また、アウトリガ80を作動させる際に発生する推力や、アウトリガ80の使用時においてクレーン搭載車両100の重量を受けるため、軽量であり、高い強度を有することが望ましいためである。
また、アーム20は、一対のアームプレート21を備える。
一対のアームプレート21は、円柱状に形成された接続ロッド28によって接続されており、敷板部31の姿勢が敷板格納姿勢のときに、アウタボックス83に対して、前方又は後方に沿って対向する。
なお、敷板格納姿勢は、図2において格納位置Kにある敷板設置装置1の状態で示される、敷板30を格納した姿勢である。具体的に、敷板格納姿勢は、敷板部31の姿勢が、敷板部31の地面と接地する面と反対側の面がアウタボックス83の側面と対向する姿勢である。また、敷板格納姿勢では、敷板部31の地面と接地する面と反対側の面が、アウタボックス83の側面と、クレーン搭載車両100の幅方向で対向する。
また、一対のアームプレート21は、敷板部31の姿勢が敷板格納姿勢のときに、車両本体101の内側から外側へ向かうにつれて、上方に延びる形状に形成されている。
各アームプレート21は、図4及び図6に示すように、先端部21Dと、基端部21Pと、突起部22と、折曲部23と、切り込み部24と、フック部25と、カム接触面26と、軸孔27を有する。
先端部21Dは、アームプレート21のうち、敷板部31の姿勢が敷板格納姿勢のときに、下方に位置する端部を形成している。
基端部21Pは、アームプレート21のうち、敷板部31の姿勢が敷板格納姿勢のときに、上方に位置する端部を形成している。
突起部22は、敷板部31の姿勢が敷板格納姿勢のときに、アームプレート21の中央部から車両本体101の外側(車両本体101から離れる側)に突出する位置に配置されている。また、突起部22は、前方又は後方から見て、台形状に形成されている。
折曲部23は、突起部22から基端部21Pに向かう側の部分を構成しており、車両本体101の内側に向かって折れ曲がった部分によって形成されている。
切り込み部24は、折曲部23と突起部22との境界に配置されており、V字形に切り込まれた形状に形成されている。
なお、切り込み部24の位置は、敷板部31の姿勢が敷板格納姿勢から敷板設置姿勢へと変化する際に、切り込み部24の内周面によってパイプ54の外周面を挟み込む位置に設定されている。
敷板設置姿勢は、図2において張出位置Hにある敷板設置装置1の状態で示される、敷板30を設置した姿勢である。具体的に、敷板設置姿勢は、インナボックスと地面との間に敷板部が配置された姿勢である。
フック部25は、折曲部23から先端部21Dに向かう側の部分を構成しており、切り込み部24とは反対側に開口する鉤フック形状に形成されている。
また、フック部25は、懐部25aを有する。
懐部25aは、フック部25の開口部を形成するV字形に切り欠かれて形成されている。
カム接触面26は、図4に示すように、アームプレート21のうち、カム52と接触する面を形成している。なお、カム52に関する説明は、後述する。
また、カム接触面26は、突起部22のうち先端部21Dに近い側の位置(図6において上側に示す破線位置)と、先端部21Dへ到達するまでの途中の位置(図6において下側に示す破線位置)とを連続する面によって形成されている。
カム接触面26の形状は、図6に示すように、凸部26aと凹部26bを設けた形状とする。
凸部26aは、図6に示すように、敷板格納姿勢において、敷板部31へ向けて突出する形状に形成されている。また、凸部26aは、カム接触面26のうち、アームプレート21の厚さ方向から見て、先端部21Dを含むと共に、カム接触面26の中間点付近まで連続する部分に設けられている。
凸部26aを形成する具体的な位置は、敷板部31の姿勢が予め設定した中間姿勢と敷板格納姿勢との間で変化する際に、カム接触面26がカム52と接触する位置に設定する。すなわち、カム52は、敷板部31の姿勢が敷板格納姿勢から敷板設置姿勢へと変化する際に、アーム20と接触する。
中間姿勢は、例えば、敷板格納姿勢と敷板設置姿勢との間において、前方又は後方から見て、敷板部31の角度が45[°]となる姿勢に設定する。
また、凸部26aの傾斜角度は、例えば、敷板部31の姿勢を敷板設置姿勢から敷板格納姿勢へと変化させるときに、カム52とアーム20の接触点においてカム52から作用する力の方向が、死点とならない角度に設定する。この場合、凸部26aの傾斜角度は、縦アウトリガボックス82が最も縮小した状態において設定する。
カム52とアーム20の接触点においてカム52から作用する力の方向が死点とならない角度とは、例えば、図7(b)に示すように、モーメントの中心であるボス42の中心BCを通らない角度である。なお、図7(b)には、カム52とアーム20の接触点においてカム52から作用する力の方向を、符号「FC」で示す。
さらに、凸部26aの傾斜角度は、例えば、敷板部31の姿勢を敷板設置姿勢から敷板格納姿勢へと変化させるときに、縦アウトリガボックス82が最も縮小した状態において敷板30の自重を支えるために必要な作用力に応じた角度に設定する。具体的に、凸部26aの傾斜角度は、上述した作用力が、縦アウトリガボックス82の格納時に発生する最大縮推力のベクトルを、例えば、図7(b)に示すように、カム接触面26の垂直方向に分解した力以下となる角度に設定する。なお、図7(b)には、縦アウトリガボックス82の格納時に発生する最大縮推力のベクトルを、カム接触面26の接線方向に分解した力の方向を、符号「B1」と「B2」で示す。
凹部26bは、図6に示すように、敷板格納姿勢において、敷板部31と対向する面が窪んだ形状に形成されている。また、凹部26bは、アームプレート21の厚さ方向から見て、凸部26aよりも先端部21Dから遠い部分に設けられている。
凹部26bを形成する具体的な位置は、敷板部31の姿勢が中間姿勢と敷板設置姿勢との間で変化する際に、カム接触面26がカム52と接触する位置に設定する。
軸孔27は、先端部21Dに形成されており、円状に形成されている。また、軸孔27には、接続ロッド28の両端部が固定されている。
接続ロッド28は、敷板格納姿勢において、縦アウトリガボックス82よりも内側に配置される。
<敷板>
敷板30は、敷板部31と、ブラケット部32と、受け金具部35を備える。
(敷板部)
敷板部31は、アーム20と同様、例えば、「HT590」等の高張力鋼材を用いて形成されている。これは、敷板部31が、他の構成部材と比較してサイズが大きく、また、アウトリガ80を作動させる際に発生する推力や、アウトリガ80の使用時においてクレーン搭載車両100の重量を受けるため、軽量であり、高い強度を有することが望ましいためである。
また、敷板部31は、例えば、高張力鋼材等の金属材料を用いて形成されている。なお、金属材料に限らず、木材、廃プラスチック材等、他の材料から敷板部31を形成してもよい。
敷板部31の形状は、図5に示すように、敷板格納姿勢における側面視で、台形の板状である。
具体的に、敷板部31の形状は、敷板部31の上側を形成する敷板上部31uと、敷板部31の下側を形成する敷板下部31dとを組み合わせた形状である。
敷板上部31uの形状は、敷板格納姿勢のときに敷板部31の厚さ方向から見て、上辺の長さよりも底辺の長さが長い台形である。
敷板下部31dの形状は、敷板格納姿勢のときに敷板部31の厚さ方向から見て、四辺形(長方形)の形状である。
敷板上部31uの下端(敷板下部31d側の端部)と、敷板下部31dの上端(敷板上部31u側の端部)とは、同じ長さであり連続している。
したがって、敷板部31の形状は、敷板格納姿勢のときに敷板部31の厚さ方向から見て、上側が上辺の長さよりも底辺の長さが長い台形であるとともに下側が四辺形の形状である。
また、敷板部31のうち、敷板設置姿勢で地面と対向する面である接地面31Gには、接着等の手段を用いて、接地クッション37が取り付けられている。
接地クッション37は、例えば、ゴム等の弾性材料を用いて形成されており、板状に形成されている。
敷板部31の面積は、フロート85の面積よりも大きい。なお、敷板部31は、敷板設置姿勢において、フロート85と重なる。
(ブラケット部)
ブラケット部32は、溶接等を用いて、敷板部31のうち、敷板設置姿勢においてフロート85と接触する面(敷板部31の内面)に固定されている。また、ブラケット部32は、敷板部31の内面のうち、敷板部31の中心に近い位置に配置されている。
また、ブラケット部32には、ブラケット側切り欠き部32hが設けられている。
ブラケット側切り欠き部32hは、ブラケット部32のうち、敷板格納姿勢のときに上方に配置される辺の中心部を含む一部を切り欠いた形状に形成されている。
また、ブラケット側切り欠き部32hは、敷板格納姿勢のときに、第一クッション7と接触しない大きさに形成されている。
また、ブラケット部32には、一対のアーム取付用ベース部33が設けられている。
一対のアーム取付用ベース部33は、一対のアームプレート21を挟む位置に形成されている。
また、一対のアーム取付用ベース部33には、それぞれ、アーム取り付けピン34を挿通するための貫通孔(図示略)が形成されている。
なお、アーム取付用ベース部33は、ブラケット部32と一体に形成されている構成としてもよい。
一対のアーム取り付けピン34は、それぞれ、一対のアーム取付用ベース部33に形成されている貫通孔と、折曲部23に形成された貫通孔(図示略)に挿入されている。アーム取り付けピン34の両端部には、一対のアーム取付用ベース部33に形成されている貫通孔と、軸孔27の外側において、抜け止め加工が施されている。
以上により、ブラケット部32には、アーム取り付けピン34によって、アーム20が回転自在に取り付けられている。
また、一対のアーム取り付けピン34には、図5に示すように、それぞれ、ねじりバネ36が取り付けられている。
ねじりバネ36は、ダブルトーション型のバネである。ねじりバネ36の中心軸は、アーム取り付けピン34の中心軸と重なっている。
また、ねじりバネ36は、二つのコイル部36aを有する。
コイル部36aは、螺旋状に形成されている。コイル部36aの両端部には、それぞれ、接線方向に延びる腕部36bが形成されている。二つの腕部は、敷板部31を押す状態で配置されている。
また、二つのコイル部36aは、コイル部36aの接線方向に延びる連結部36cによって連結されている。
ねじりバネ36が敷板部31を押す力は、アーム取り付けピン34を軸に、敷板部31を、常に、敷板下部31dがアウタボックス83へ近づくように回転させる方向に作用する。すなわち、敷板部31は、二つのねじりバネ36が敷板部31を押す力を超えるトルクが付加されない限り、敷板下部31dがアウタボックス83から離れるように回転することはない。
このため、敷板部31の下端は、敷板格納姿勢において、内側へ回転することで、縦アウトリガボックス82へ常に近づく。また、敷板設置姿勢では、敷板部31の先端が、上向きに跳ね上がった方向へと押されるため、敷板30の自重とバランスを取ることで、敷板部31の姿勢が水平になる。
以上により、ねじりバネ36は、クレーン搭載車両100の前後方向から見て、敷板部31のうち敷板格納姿勢において下方に配置される端部(下端)がアーム20の他端へ近づく方向へ回転させるトルクを、常に敷板部31へ付与するトルク付与部材を形成する。
また、トルク付与部材は、敷板部31に対し、敷板部31のうち敷板格納姿勢において下方に配置される端部(下端)が、クレーン搭載車両100の前後方向から見て、アーム20の他端(先端部21D)へ近づく方向へ回転させるトルクを加える。
さらに、トルク付与部材が敷板部31に対して加えるトルクの値は、敷板設置姿勢において敷板部31の自重によって発生するトルクと均衡する値である。
(受け金具部)
受け金具部35は、二つの補強板部35aと、一つのロッド部35bを備える。
補強板部35aは、敷板部31の厚さ方向から見て、U字形の板状に形成されている。
また、二つの補強板部35aは、それぞれ、敷板部31の厚さ方向から見て、敷板側切り欠き部31cの周囲に配置されるとともに、溶接等を用いて、敷板部31の内面に固定されている。
以上により、補強板部35aは、敷板部31のうち、敷板側切り欠き部31cを形成した部分を補強する部材として機能する。
ロッド部35bは、例えば、直径が8[mm]程度の円柱状に形成されている。
また、ロッド部35bは、二つの補強板部35aに対し、溶接等を用いて固定されている。具体的に、一つのロッド部35bは、U字形に形成された二つの補強板部35aに対し、合計四つの平行な辺を連続する位置に固定されている。
二つの補強板部35aに対してロッド部35bを固定する位置は、敷板側切り欠き部31cの空隙部を確保する位置である。
(アウタ側案内機構)
アウタ側案内機構4は、図4、図5及び図8-2(e)に示すように、アウタ側ブラケット41と、一対のボス42と、一対の摺動板43とを備える。なお、図8では、敷板設置装置1を前方側から見た状態を示す。
アウタ側ブラケット41は、一対の摺動板取り付け部41aと、接続板部41bを備える。
摺動板取り付け部41aは、前方又は後方から見て、台形の板状に形成されている。また、一対の摺動板取り付け部41aは、アウタボックス83の前方から見た面と、アウタボックス83の後方から見た面に対し、それぞれ、アウタボックス83の下端側において、内側に配置されている。さらに、摺動板取り付け部41aは、例えば、溶接によって、アウタボックス83に固定されている。
接続板部41bは、板状に形成されており、アウタボックス83のうち外側の面と対向して配置されている。また、接続板部41bは、一対の摺動板取り付け部41aを接続する。さらに、接続板部41bは、例えば、溶接によって、アウタボックス83に固定されている。
一対のボス42は、円柱状に形成されている。
また、一対のボス42は、それぞれ、一対の摺動板取り付け部41aに対し、接続板部41bによって接続されている部分よりも下側の位置で、前方及び後方に突出している。
摺動板43は、例えば、「CN-NB」等、合成樹脂素材を用いて形成されている。
一対の摺動板43は、それぞれ、一対の摺動板取り付け部41aに対し、ボス42よりも上側に配置されている。
また、一対の摺動板43は、前方又は後方から見て長方形の板状に形成されており、前方又は後方から見て、長手方向が外側から内側へ向けて下方へ向く姿勢で、例えば、ネジ止め等によって、摺動板取り付け部41aに固定されている。
さらに、一対の摺動板43は、それぞれ、図7及び図9(b)に示すように、アーム接触面43aと、傾斜面43sを有する。
アーム接触面43aは、一対のアームプレート21が互いに対向する面と接触している。
傾斜面43sは、アーム接触面43aよりも下方に形成されており、アームプレート21から離れるにつれて下方へ向けて傾斜している。
(接地側案内機構)
接地側案内機構5は、図4、図5及び図10(a)に示すように、接地側ブラケット51と、一対のカム52と、一対のボルト53と、パイプ54とを備える。なお、図10(a)は、敷板設置姿勢の状態における縦アウトリガボックス82の一部と、敷板設置装置1の全体を前方側から見た状態を示す。
接地側ブラケット51は、敷板部31の姿勢が敷板格納姿勢のときに、アウタボックス83と対向する位置に配置されている。
また、接地側ブラケット51は、取付用板部51aと、一対の凸板51bとを備える。
取付用板部51aは、平面視でC字状に形成されている。
取付用板部51aは、開口部を外側へ向けると共に、開口側にインナボックス84の一部を挟んだ状態で、フロート85の上に、溶接等によって固定されている。したがって、接地側ブラケット51は、フロート85のうち、敷板部31の姿勢が記敷板格納姿勢のときに、アウタボックス83と対向する位置に配置されている。
一対の凸板51bは、それぞれ、取付用板部51aの前方及び後方の端部から上方へ突出する形状に形成されている。凸板51bは、例えば、折り曲げ加工や溶接によって形成されている。また、凸板51bには、ボルト53を挿入するための貫通孔(図示略)が形成されている。
また、凸板51bのうち、アーム20と対向する部分には、アーム20が一対の凸板51bから外れることを抑制するために、アーム20へ向けて突出する突起(図示略)が形成されている。
一対のカム52は、図9(a)及び図9(b)に示すように、それぞれ、円柱状に形成されている。なお、図9(a)は、敷板格納姿勢の状態における縦アウトリガボックス82と、敷板設置装置1の一部を前方側から見た状態を示す。また、図9(b)は、図9(a)の一部に対する側面視である。
また、一対のカム52には、それぞれ、ボルト孔(図示略)が形成されている。
ボルト孔は、カム52を接地側ブラケット51に固定するために、ボルト53を挿入するための孔である。
また、一対のカム52は、それぞれ、凸板51bの内側において、ボルト孔を凸板51bの貫通孔と重ねた状態で、凸板51bの外側から、貫通孔とボルト孔にボルト53を挿入することで、凸板51bに固定されている。
ボルト53は、例えば、頭部に六角穴が形成され、外径面に雄ねじが形成されたボルトである。
ボルト53の雄ねじとしては、敷板格納姿勢で、クレーン搭載車両100の前後方向から見て、カム52とアーム20とが接触する面が、カム52の中心軸よりも左側に位置する場合は、右ねじの雄ねじを形成する。この場合、右ねじの雄ねじを形成したボルト53を挿入するボルト孔の内径面には、右ねじの雌ねじを形成する。
一方、敷板格納姿勢で、クレーン搭載車両100の前後方向から見て、カム52とアーム20とが接触する面が、カム52の中心軸よりも右側に位置する場合は、ボルト53の雄ねじとして、左ねじの雄ねじを形成する。この場合、左ねじの雄ねじを形成したボルト53を挿入するボルト孔の内径面には、左ねじの雌ねじを形成する。
パイプ54は、長手方向を前後方向に向けた姿勢で、一対の凸板51bへ溶接等によって固定されている。
ここで、敷板ユニット2を、安定した状態で、フロート85に保持することが可能な構成とするため、アーム取り付けピン34は、敷板部31がアーム20に対して回転可能な可動範囲が、例えば、図10(b)に「α」で示す角度となるように形成されている。なお、図10(b)は、敷板ユニット2が、カム52及び第二クッション8の上に載せられた状態において、敷板部31がフロート85に対して水平となっている状態を示す図である。
したがって、角度αは、クレーン搭載車両100の前後方向から見て、敷板部31がアーム20に対して回転可能な可動範囲である。
角度αは、側面視で、図10(b)に示す状態、すなわち、フロート85に対して水平となっている状態の敷板部31と、図10(c)に示す状態、すなわち、敷板部31がフロート85に対して傾斜している状態における敷板部31との角度の差である。
なお、図10(c)は、敷板ユニット2が、カム52及び第二クッション8の上に載せられた状態において、敷板部31が回転してフロート85に対して傾斜している状態を示す図である。
実施形態では、一例として、角度αを、11[°]程度に設定した場合について説明する。これは、敷板部31がアーム20に対して回転可能な可動範囲は、敷板部31がアーム20を介してフロート85の上に配置されている状態で、アーム20が回転する際の支点となるカム52とパイプ54との間に、敷板部31の重心CGが配置される角度であることに起因する。
具体的に、角度αは、クレーン搭載車両100の前後方向から見て、カム52の中心を通過する垂直な線とパイプ54の中心を通過する垂直な線との間に、敷板部31の重心CGが配置される角度である。
なお、カム52は、接地側ブラケット51に固定されている。そして、カム52の外周面には、敷板部31の姿勢が敷板格納姿勢から敷板設置姿勢へと変化する際にアーム20と接触する、第一の支点が存在する。
また、パイプ54は、カム52とは異なる位置で接地側ブラケット51に固定されている。そして、パイプ54の外周面には、敷板部31の姿勢が敷板設置準備姿勢になるとアーム20と接触する第二の支点が存在する。
ここで、「敷板設置準備姿勢」とは、クレーン搭載車両100の前後方向から見て、敷板部31の姿勢が敷板格納姿勢から敷板設置姿勢へ変化するまでにインナボックス84が伸長する途中の姿勢である。これに加え、「敷板設置準備姿勢」とは、敷板部31が、地面に接地する前にフロート85の下側に位置する姿勢である。
さらに、第一の支点と第二の支点は、敷板部31の姿勢が敷板格納姿勢から敷板設置姿勢へ変化する際に、敷板部31がアーム20を介してフロート85の上に配置されている状態で、アーム20及び敷板部31の質量を支持する二つの支点である。
したがって、第一の支点であるカム52と第二の支点であるパイプ54は、クレーン搭載車両100の前後方向から見て、敷板格納姿勢における敷板部31の厚さ方向に沿って間隔を開けて配置されている。
また、クレーン搭載車両100の前後方向から見て、敷板部31の姿勢が敷板設置準備姿勢であるときにおける敷板部31の重心CGは、第一の支点であるカム52と第二の支点であるパイプ54との間に配置される。
また、敷板部31は、例えば、図11に示すように、クレーン搭載車両100の前後方向から見て、第一仮想直線VL1と第二仮想直線VL2との間の角度θが、以下の式(1)及び式(2)を満足するように形成する。
なお、第一仮想直線VL1は、アーム20の予め設定した一点と敷板部31の予め設定した一点とを結ぶ仮想的な直線である。すなわち、第一仮想直線VL1は、クレーン搭載車両100の前後方向から見て、アーム20の予め設定した一点を通る直線である。
また、第二仮想直線VL2は、敷板部31の厚さ方向と直交する仮想的な直線である。
実施形態では、一例として、アーム20の予め設定した一点を、図11に示すように、切り込み部24とした場合について説明する。また、実施形態では、一例として、敷板部31の予め設定した一点を、図11に示すように、敷板部31と基端部21Pとを連結する箇所のうち、敷板部31のうち敷板格納姿勢において下方に配置される端部(下端)に最も近い部分とした場合について説明する。
θmin≦θ≦θmax … (1)
θmax=θmin+α … (2)
θminは、角度θの最小値(最小角度)である。
最小角度θminは、例えば、図11に示すように、クレーン搭載車両100の前後方向から見て、敷板格納姿勢において、敷板部31の接地面31Gと反対側の面がアウタボックス83の側面と対向した状態で、第一仮想直線VL1に対する第二仮想直線VL2の角度である。
また、最小角度θminは、例えば、図12に示すように、敷板設置準備姿勢において、敷板部31の接地面31Gが水平となる角度である。なお、図12に示す敷板部31の姿勢は、ねじりバネ36が付与したトルクが敷板部31に作用している場合の姿勢である。
すなわち、最小角度θminは、敷板格納姿勢において、クレーン搭載車両100の前後方向から見て、敷板部31の接地面31Gと反対側の面がアウタボックス83の側面と対向した状態で、第一仮想直線VL1に対する第二仮想直線VL2の角度、及び敷板設置準備姿勢において、敷板部31の接地面31Gが水平となる角度のうち少なくとも一方の角度である。
θmaxは、角度θの最大値(最大角度)である。なお、実施形態では、一例として、θmaxを、90[°]程度に設定した場合について説明する。
最大角度θmaxは、敷板設置準備姿勢において、クレーン搭載車両100の前後方向から見て、敷板部31がアーム20を介してフロート85の上に配置されている状態で、カム52とパイプ54との間に、敷板部31の重心CGが配置されるための限界角度である。
敷板設置準備姿勢は、例えば、図13に示すように、懐部25aが上方を向くと共に、一対のボス42から分離した状態のときの、敷板ユニット2の姿勢である。なお、図13に示す敷板部31の姿勢は、ねじりバネ36が付与するトルクが敷板部31に作用していない場合の姿勢である。
すなわち、最大角度θmaxは、敷板設置準備姿勢において、クレーン搭載車両100の前後方向から見て、敷板部31がアーム20を介してフロート85の上に配置されている状態で、第一の支点(カム52)と第二の支点(パイプ54)との間に、敷板部31の重心CGが配置されるための角度である。
以上説明したように、角度θは、敷板部31の姿勢が敷板設置準備姿勢であるときに、敷板部31がアーム20に対して回転可能な角度の範囲であり、上述した式(1)及び式(2)を用いて予め設定した角度の範囲である。
また、角度θは、クレーン搭載車両100の前後方向から見て、アーム20に対して敷板部31が相対的に回転する角度の範囲である。
(ロック機構)
ロック機構6は、敷板格納姿勢のときに、受け金具部35をアウタボックス83に固定することで、敷板部31をアウタボックス83に固定するための機構である。すなわち、ロック機構6は、敷板部31の姿勢が敷板格納姿勢のときに、敷板部31をアウタボックス83に固定可能な機構である。
また、ロック機構6は、メインの機構と、サブの機構を有する。これにより、ロック機構6は、二重の機構(メインの機構、サブの機構)によって冗長性を備えることで、クレーン搭載車両100の走行中において、敷板30の落下を防止する構成となっている。
ロック機構6が有するメインの機構は、図3及び図4に示すように、スナッチロック60を備える。
スナッチロック60は、二つのレバー61を備える。
二つのレバー61は、それぞれ、引っ張りばね(図示略)によって、常時、スナッチロック60が閉じる方向への力を受けている。引っ張りばねがレバー61に加える力は、例えば、2[kgf]程度に設定する。引っ張りばねによって、レバー61にスナッチロック60が閉じる方向への力を加えることで、作業者等の意図に反して、スナッチロック60が解除されない構成とするためである。また、引っ張りばねは、一端がレバー61に取り付けられ、他端がスナッチロック60を固定するボルト(図示略)に取り付けられている。そして、引っ張りばねの他端を取り付けているボルトを中心として、レバー61にモーメント力が発生しない構成とするために、引っ張りばねが発生させる力のベクトルが、ボルトの中心付近を通るように、ボルトへの取り付け位置を設定している。
また、二つのレバー61には、それぞれ、爪部(図示略)が形成されている。また、二つのレバー61は、同時に操作する。
爪部は、ロッド部35bの外径面を掴むことが可能な形状(例えば、鉤型の形状)に形成されている。
図3に示すように、敷板格納姿勢においてレバー61を閉じた状態では、レバー61が有する爪部がロッド部35bに接触してロッド部35bを固定し、敷板部31の姿勢が敷板設置姿勢へと変化する方向への変位を規制する。
スナッチロック60による敷板部31の固定を解除(ロック解除)する際には、レバー61を開くことで、爪部がロッド部35bから離れてロッド部35bを解放し、敷板部31の姿勢が敷板設置姿勢へと変化する方向への変位を許容する。
すなわち、敷板部31の姿勢が敷板格納姿勢のときに、ロック機構6が備えるスナッチロック60を操作して、爪部によりロッド部35bを固定することで、敷板部31をアウタボックス83に固定することが可能となっている。以降の説明では、敷板部31をアウタボックス83に固定した状態を、「ロック状態」と記載する場合がある。
以上により、ロッド部35bを備える受け金具部35は、敷板格納姿勢において、アウトリガ80の側面に敷板部31をロックするための構成として機能する。
なお、スナッチロック60の構成を、二つのレバー61を備える構成とすることで、爪部の損傷等が発生して一方のレバー61が故障した場合であっても、他方のレバー61によって敷板部31を固定することが可能な構成となる。これにより、メインの機構であるスナッチロック60は、冗長性を備えることとなる。
ロック機構6が有するサブの機構は、例えば、図4、図5、図8に示すように、サブロックスプリング63と、解除グリップ64と、ロック部材65を備える。
サブロックスプリング63は、例えば、コイルスプリングを用いて形成されている。サブロックスプリング63の一端は、アウタボックス83に固定されたストライカブラケット(図示略)に取り付けられている。
解除グリップ64は、板材を用いて形成されており、サブロックスプリング63の他端が取り付けられている。
ロック部材65は、サブロックスプリング63の伸縮に伴って、スライドさせることが可能である。また、ロック部材65をスライドさせることが可能な距離は、例えば、ロッド部35bの直径(8[mm])に余裕分(5[mm])を加えた距離(13[mm])に設定する。
また、上述した構成により、ロック機構6が有するサブの機構は、敷板部31とロッド部35bとの間へロック部材65の一部を差し込むことで、敷板部31をアウタボックス83に固定することが可能である。また、サブの機構は、ロック部材65を上側へスライドさせて、敷板部31とロッド部35bとの間から、敷板部31とロッド部35bとの間へ差し込んだ部分を抜き出すことで、ロック状態を解除することが可能である。
したがって、ロック機構6は、メインの機構に加えてサブの機構を備える構成とすることで、メインの機構であるスナッチロック60が故障した場合であっても、サブの機構によって、敷板部31をアウタボックス83に固定することが可能となる。
以上説明したように、ロック機構6によって敷板部31を固定している状態では、縦アウトリガボックス82が伸長する動作をしても、敷板部31が敷板格納姿勢を維持する。
(第一クッション)
第一クッション7は、ゴム等の弾性材料を用いて、立方体に形成されている。
また、第一クッション7は、アウタボックス83のうち、敷板格納姿勢のときに敷板下部31dと接触する位置に取り付けられている。
したがって、第一クッション7は、敷板部31の姿勢が敷板格納姿勢のときに、アウタボックス83のうち敷板部31と対向する面において、敷板部31と接触する位置に配置された緩衝部材を形成する。
また、第一クッション7は、敷板30を格納する際に、敷板部31がアウタボックス83と接触することで発生する衝突音を低減する機能を有する。
(第二クッション)
一対の第二クッション8は、ゴム等の弾性材料を用いて、立方体に形成されている。また、第二クッション8の高さは、カム52とパイプ54よりも低い。
一対の第二クッション8の一方である前方第二クッション8fは、取付用板部51aのうち、前方に位置する凸板51bに近い位置において、カム52とパイプ54との間に取り付けられている。
一対の第二クッション8の他方である後方第二クッション8rは、取付用板部51aのうち、後方に位置する凸板51bに近い位置において、カム52とパイプ54との間に取り付けられている。
また、一対の第二クッション8は、敷板30を設置する際に、敷板部31がアーム20と接触することで発生する衝突音を低減する機能を有する。具体的に、一対の第二クッション8は、敷板30を設置する際に、切り込み部24がパイプ54と接触する前に敷板部31と接触する位置に配置する。これに加え、一対の第二クッション8は、敷板30を設置する際に、切り込み部24がパイプ54と接触する前に敷板部31と接触する形状に形成する。
また、カム52の調整によって、敷板部31に対し、敷板格納姿勢に達する前の予め設定した姿勢を設定する。
敷板格納姿勢に達する前の予め設定した姿勢とは、例えば、前方又は後方から見て、アウタボックス83と敷板部31との角度が30[°]となる姿勢に設定する。
<敷板格納姿勢に達する前の、予め設定した姿勢の調整>
敷板格納姿勢に達する前の、予め設定した姿勢は、アーム20とカム52との接触状態に応じた姿勢である。したがって、敷板格納姿勢に達する前の、予め設定した姿勢の調整は、敷板格納姿勢(ロック状態)におけるカム接触面26とカム52との距離(隙間)を、適正な値とすることで行う。
ここで、「適正な値」とは、例えば、敷板格納姿勢に達する前の予め設定した姿勢を、作業者が敷板30の傾斜を容易に認識することが可能な角度に設定した場合に、設定した敷板30の角度を実現する値である。また、敷板格納姿勢におけるカム接触面26とカム52との隙間は、例えば、敷板格納姿勢において、適切な厚さを持つシム(図示略)を、カム接触面26とカム52との隙間に挟む。そして、カム52をシムに接触させた状態で固定して調整することが可能である。
すなわち、アーム20とカム52との接触状態は、敷板格納姿勢において、アーム20とカム52との間にシムを配置した状態で、アーム20とカム52によってシムを挟むことで調整する。
また、一対のボス42及び一対のカム52と、一対のボス42と一対のカム52との間に挟まれた、一対のアームプレート21がそれぞれ有する先端部21Dとが、一対のアームプレート21の回転によって摩耗する。これにより、カム接触面26とカム52との隙間が変化する。このため、カム接触面26とカム52との隙間の変化により、敷板格納姿勢に達する前の、予め設定した姿勢が、正常な姿勢ではなくなる場合がある。
この場合、実施形態の接地側案内機構5は、図9(b)に示すように、偏心した位置でボルト53によって固定されたカム52を回転させて、カム52を固定する位置を変えることで、カム接触面26とカム52との隙間を増減させることが可能となっている。すなわち、各ボルト53を緩めた状態で一対のカム52の固定位置を変更した後に、各ボルト53を締めて固定することで、カム接触面26とカム52との隙間を適正な距離へと調整することが可能である。なお、製造時の組立誤差による調整も、摩耗によって変化したカム接触面26とカム52との隙間を調整する際と同様に、行うことが可能である。
<動作>
A:敷板格納状態
敷板設置装置1の敷板設置動作を説明する前に、まず、敷板格納状態について説明する。
敷板格納状態では、図3、図4及び図8-1(a)に示すように、敷板部31の姿勢が敷板格納姿勢であるとともに、敷板部31がロック機構6によりロック状態となっている。さらに、インナボックス84が最も縮小した状態になっている。すなわち、敷板格納状態では、敷板部31が、アウタボックス83の外側に配置された姿勢で、敷板部31がロック機構6によってアウタボックス83へと固定された状態となっている。
敷板格納状態において、敷板ユニット2は、懐部25aにボス42が接触した状態となる。これに加え、敷板ユニット2は、一対のアームプレート21のうち一方が摺動板43と接触することで、前後方向に正しく位置決めされて格納されている。さらに、敷板ユニット2は、カム接触面26にカム52が非接触の状態となる。
また、敷板格納姿勢において、接続ロッド28は、縦アウトリガボックス82よりも内側に配置されている。これに加え、敷板格納姿勢において、敷板部31は、縦アウトリガボックス82よりも外側に配置されている。このため、敷板格納姿勢においては、縦アウトリガボックス82が、接続ロッド28と敷板部31により挟まれた状態となっており、フロート85をインナボックス84から取り外した状態でのみ、敷板ユニット2を取り外すことが可能である。
したがって、部品の損傷等により、走行中等に敷板ユニット2が落下する状況が発生した場合であっても、アーム20がフロート85や接地側ブラケット51と接触するため、敷板ユニット2が脱落する可能性を低減させることが可能である。
B:敷板設置前の準備
次に、敷板設置前の準備(以降の説明では、「設置前準備」と記載する場合がある)について説明する。
まず、敷板部31をフロート85と地面との間に配置する動作を行うスペースを確保するために、アウトリガ80を外側に張り出す。
ここで、ロック状態では、敷板部31がアウタボックス83に固定されているため、インナボックス84を伸長させても、敷板部31が設置されない状態となる。そのため、設置前準備として、ロック状態を解除する必要がある。
したがって、ロック部材65を上側へスライドさせ、さらに、レバー61を開くことで、図8-1(b)に示すように、ロッド部35bを解放して、ロック機構6によるロック状態を解除する。ロック状態を解除することで、敷板ユニット2がアウタボックス83から分離可能な状態となる。これにより、設置前準備が完了する。
敷板部31は、カム52の調整によって、敷板格納姿勢に達する前の予め設定した姿勢が設定されている。
このため、敷板部31の姿勢を敷板格納姿勢から敷板設置姿勢へと変化させるときは、図7(b)や図8-1(b)に示すように、縦アウトリガボックス82が最も縮小した状態における敷板部31の姿勢は、敷板格納姿勢に達する前の、予め設定した姿勢となる。
なお、設置前準備において、アウトリガ80を外側に張り出す動作は必須ではない。すなわち、例えば、クレーン搭載車両100を用いた作業を行う場所が狭い場合には、アウトリガ80を外側に張り出す動作を行わずに、敷板30を設置する。したがって、敷板設置装置1は、アウトリガ80を外側に張り出すことが困難な状況においても、使用することが可能である。
C:敷板設置動作
次に、敷板設置動作について説明する。なお、図7及び図8は、前方から見た動作を示しているが、後方から見た動作も同様である。
設置前準備を完了させた後に、インナボックス84を少し伸長させると、図7(c)及び図8-1(c)に示すように、一対のカム52が下方に移動する。これにより、一対のボス42と一対のカム52で狭まれて固定されていた一対のアームプレート21は、先端部21Dが解放される。このとき、敷板部31は、自重によって、アーム20が一対のカム52に載せられた状態で、縦アウトリガボックス82の伸長と共に降下する。ただし、懐部25aの内周面には、ボス42が接触した状態となっており、アーム20は、一対のカム52の降下に応じて、一対のボス42を回転軸として回転する。すなわち、質量の大きい敷板部31が降下する一方、一対のアームプレート21は、先端部21Dから、カム52が支点となって上方に持ち上げられるように、ボス42に押された状態となる。
すなわち、一対のカム52が降下するにつれて、一対のボス42が回転の中心となり、一対のカム52が一対のアームプレート21を下側から支えつつ、敷板部31の自重で一対のアームプレート21が回転する。そして、敷板部31が徐々にフロート85の下側へ移動を始める。このとき、一対のアームプレート21は、先端部21Dから、カム接触面26をカム52に接触させた状態で降下する。
引き続き、インナボックス84が伸長して、図7(d)及び図8-2(d)に示すように、一対のアームプレート21が、基端部21Pがフロート85よりも下側に来るまで回転すると、突起部22が、一対のカム52とパイプ54との間に入り込んだ状態となる。このとき、懐部25aが上方を向くと共に、一対のボス42から分離した状態となり、敷板ユニット2の姿勢が敷板設置準備姿勢となる。
敷板ユニット2の姿勢が敷板設置準備姿勢になると、一対のアームプレート21がそれぞれ有する切り込み部24の内周面が、パイプ54の外周面に上側から接触した状態となる。すなわち、一対のアームプレート21が、基端部21Pから、パイプ54に載せられた状態となる。実施形態では、一対のアームプレート21が、基端部21Pから、パイプ54に載せられた状態となるときに、切り込み部24の内周面がパイプ54の外周面と接触するよりも先に、突起部22の底面が第二クッション8の上面と接触する。すなわち、第二クッション8によって、切り込み部24の内周面がパイプ54の外周面と接触する際の衝撃が緩和される。これにより、切り込み部24の内周面にパイプ54が接触する際に発生する金属音を、低減させることが可能である。また、切り込み部24の位置が、敷板部31の姿勢が敷板格納姿勢から敷板設置姿勢へと変化する際に、切り込み部24の内周面によってパイプ54の外周面を挟み込む位置に設定されている。このため、アーム20と敷板部31が、接地側ブラケット51に載った状態で移動する際に、接地側ブラケット51から落下することを抑制することが可能となる。
実施形態では、クレーン搭載車両100の前後方向から見て、敷板部31の姿勢が敷板設置準備姿勢であるときにおける敷板部31の重心CGが、第一の支点と第二の支点との間に配置される。
このため、敷板設置準備姿勢において、敷板ユニット2が自重によるモーメントによって回転や移動することを抑制して、敷板ユニット2を接地側案内機構5の上に安定して保持することが可能となる。
また、実施形態では、ねじりバネ36が敷板部31に対して加えるトルクによって、敷板設置準備姿勢において、敷板部31の姿勢が、地面と、地面に対して平行なフロート85と同様に水平となる。
このため、地面に対して、敷板部31(具体的には、敷板部31の下端)の位置が固定されることとなり、地面に設置した後の敷板部31がフロート85に対して大きく移動することを、防止することが可能となる。
また、上述したように、敷板ユニット2の質量は、最終的に、一対のカム52(第一の支点)とパイプ54(第二の支点)との2箇所で支えられる。これに加え、敷板ユニット2の姿勢が敷板設置準備姿勢のときは、敷板部31の重心CGが、第一の支点であるカム52と第二の支点であるパイプ54との間において、真下に位置するように設計してある。このため、敷板ユニット2は、敷板部31の自重によって、フロート85の真下に安定した状態で載せられる。なお、敷板ユニット2は、第二クッション8の上面と接触するため、第二クッション8の材料を充分に硬い材料として、第二クッション8のアームプレート21への反力を加えた3箇所で、敷板ユニット2の質量を支える構成としてもよい。
また、敷板部31は、二つのねじりバネ36が敷板部31を押す力によって、敷板設置準備姿勢において、地面と、地面に対して平行なフロート85と同様に水平となる。
引き続き、インナボックス84が伸長すると、図8-2(e)に示すように、敷板ユニット2は、カム52及び第二クッション8の上に載せられた状態(敷板設置準備姿勢の状態)を維持しながら降下していく。このとき、突起部22が一対のカム52とパイプ54との間に入り込んだ状態となっているため、設置動作の途中で敷板ユニット2が左右にずれて落下することを、防止することが可能である。
上述したように、カム接触面26のうち、敷板部31の姿勢が中間姿勢と敷板格納姿勢との間で変化する際にカム52と接触する位置には、凸部26aが設けられている。これに加え、カム接触面26のうち、敷板部31の姿勢が中間姿勢と敷板設置姿勢との間で変化する際にカム52と接触する位置には、凹部26bが設けられている。
引き続き、敷板設置準備姿勢の状態で敷板ユニット2が降下していくことで、敷板部31が地面と水平な姿勢で接地する。その後、図8-2(f)に示すように、インナボックス84が伸長する動作に連動して、フロート85が敷板部31の上に配置される。すなわち、敷板部31の姿勢が、敷板設置姿勢となる。敷板設置姿勢では、突起部22が、一対の第二クッション8から分離すると共に、一対のカム52とパイプ54との間から上方へと離脱した状態となる。また、敷板部31は、敷板設置姿勢において、地面に接地する。
なお、図8-2(f)に示すように、敷板設置姿勢では、切り込み部24がパイプ54の真上に配置されている。
敷板ユニット2が降下していく際、アームプレート21は、パイプ54で支えられており、さらに、敷板部31の重心CGが、パイプ54よりも車幅方向で内側にある。このため、アームプレート21は、例えば、敷板ユニット2の自重によって、内側へと倒れて落下するようなことはない。
上述したように、突起部22と一対の凸板51bとが、前後方向に沿って重なった状態となる。すなわち、突起部22は、一対の凸板51bに外側から挟まれた状態となるため、アーム20がインナボックス84に接触する程、前後方向へ大きくずれることはない。
また、上述したように、敷板部31を接地させた後は、左右一対の縦アウトリガボックス82がそれぞれ備えるインナボックス84を同時に伸長させて、車両本体101をジャッキアップさせることが可能である。これにより、クレーン105の作業時における安定性を確保する。
以上説明したように、アウタ側案内機構4及び接地側案内機構5は、縦アウトリガボックス82が伸長する動作に連動して、敷板部31の姿勢が敷板格納姿勢から敷板設置姿勢へと変化するように、敷板部31を変位させる敷板設置機構部に対応する。
また、アーム20は、一端(基端部21P側の端部)が、敷板部31のうち敷板設置姿勢においてフロート85と対向する面へ、回転可能に取り付けられている。
D:敷板格納動作
次に、敷板格納動作について説明する。
敷板格納動作は、基本的に、図8に示す敷板設置動作とは逆の動作となる。
すなわち、図8-2(f)に示す敷板設置姿勢からインナボックス84を縮小させると、フロート85が接地側ブラケット51と共に上昇する。フロート85が上昇していくと、パイプ54が、切り込み部24の内周面に対して下方から接触する。その後、パイプ54を軸として、敷板部31は地面と水平な姿勢で浮き上がり始めつつ、アームプレート21は先端部21Dから降下するため、突起部22の底面が第二クッション8の上面に接触する。次に、一対のカム52にアームプレート21が載せられる。その後、敷板ユニット2は、パイプ54及び一対のカム52、又はそれらに一対の第二クッション8を加えたものを載せた状態で上方へと移動し、図8-2(e)に示すように、敷板部31が地面から浮き上がった状態となる。すなわち、敷板ユニット2の姿勢が、敷板設置準備姿勢の状態となる。
引き続き、図7(d)及び図8-2(d)に示すように、インナボックス84を縮小させる動作に連動して、フロート85の位置が、縦アウトリガボックス82が最も縮小した位置へ近づくと、懐部25aの内周面が、一対のボス42に対して外周面に接触する。ここで、切り込み部24の開口面積は、ボス42の直径よりも十分に広いため、左右方向にずれが生じていても、余裕を持って懐部25aの内側へとボス42を収容することが可能である。
さらに、インナボックス84を縮小させる動作に連動して、フロート85の位置が、縦アウトリガボックス82が最も縮小した位置になると、インナボックス84を縮小させる時の推力が、一対のカム52から一対のアームプレート21に伝達される。これにより、一対のボス42を回転の支点として、一対のアームプレート21が基端部21Pから持ち上げられ、図7(c)及び図8-1(c)に示すように、敷板部31が格納位置に向かって移動する。このとき、一対のアームプレート21は、フック部25と突起部22との間の面を、摺動板43に接触させながら回転する。
また、インナボックス84を縮小させる動作において、縦アウトリガボックス82が最も縮小した位置に達して、敷板部31の姿勢が予め設定した姿勢となる間には、カム52とアーム20(カム接触面26)が互いに接触した状態で、アーム20が回転する。
そして、作業者等が人力で行う動作により、敷板部31の姿勢を、敷板部31の厚さ方向がクレーン搭載車両100の左右方向と平行になる姿勢とすることで、敷板部31をアウタボックス83の外側に配置する。このとき、敷板部31のうち、アウタボックス83と対向する面が第一クッション7と接触し、ロッド部35bがスナッチロック60の開口部へ押し込まれることで、スナッチロック60は自動でロック状態となる。これにより、敷板部31の姿勢が敷板格納姿勢となる。さらに、図8-1(a)に示すように、ロック部材65を下側へスライドさせて、敷板部31とロッド部35bとの間へロック部材65の一部を差し込むことで、敷板ユニット2はロック状態となる。
ここで、第一クッション7のアウタボックス83から突出する突出量は、敷板格納姿勢のときに、敷板部31がパイプ54と接触しない突出量に設定されている。このため、共に金属を用いて形成されている敷板部31とパイプ54とが接触して発生する騒音を、抑制することが可能となっている。
また、実施形態では、フック部25の一部が、敷板部31の姿勢が敷板格納姿勢のときに、一対の凸板51bの間に収まった状態となるように構成されている。加えて、一対の凸板51bとフック部25との間には、一対の凸板51bの間へ、フック部25の一部を確実に収容するために、前後方向に設けたクリアランスが設定されている。そのため、敷板ユニット2は、前後方向に動くことが可能である。すなわち、前後方向に設けたクリアランスによって、敷板格納動作を実施する度に、一対のアームプレート21には、前後方向へのずれが発生してしまうため、例えば、ロック機構6による固定が困難となる等、不具合が発生する恐れがある。
このため、実施形態においては、傾斜面43sによって、一対のアームプレート21が前後方向にずれていた場合に、フック部25と突起部22との間に形成された面は、アウタボックス83よりも先に、傾斜面43sと接触する。なお、フック部25と突起部22との間に形成された面が、傾斜面43sによって、アウタボックス83よりも先に傾斜面43sと接触する状態は、例えば、図7(d)に示す状態のときに発生する。これにより、一対のアームプレート21は、傾斜面43sに沿って自動的に位置決めされるため、敷板格納動作時において、一対のアームプレート21に発生する前後方向のずれが修正される。
また、一対の摺動板43は、一対のアームプレート21がアウタボックス83と直接接触することを防ぐため、敷板格納動作時において、アームプレート21の接触による塗装の剥がれを防止することが可能である。
ここで、敷板設置準備姿勢の状態から敷板格納姿勢の状態に変化する際に、敷板部31の下端は、二つのねじりバネ36が敷板部31を押す力によって、外側へ傾くことなく、一定の姿勢が保持されている。
本来、敷板部31の下部は、敷板格納姿勢へ移行する途中で、自重と遠心力により外側へ振られる。その後、振り子の復元力が作用した速度と、アーム20の回転に伴い、敷板部31に作用する回転速度とを合成した速度で、敷板部31がフロート85に接触するという現象が生じてしまうおそれがある。
しかし、敷板部31に発生する振り子の復元力は、二つのねじりバネ36が敷板部31を押す力によって発生しない。したがって、敷板部31は、敷板部31に作用する回転速度のみにより、フロート85に接触することとなる。
以上説明したように、敷板部31は、縦アウトリガボックス82の伸縮に応じて姿勢が変化する。
また、アウタ側案内機構4及び接地側案内機構5は、縦アウトリガボックス82が縮小する動作に連動して、敷板部31の姿勢を敷板設置姿勢から敷板格納姿勢へと変化させる敷板格納機構部に対応する。また、アウタ側案内機構4及び接地側案内機構5が対応する敷板格納機構部は、縦アウトリガボックス82が最も縮小した状態で、敷板部31の姿勢を敷板格納姿勢に達する前の予め設定した姿勢とする。
E:敷板部31を接地させない場合の張り出し動作
次に、敷板部31を接地させない場合における、縦アウトリガボックス82の張り出し動作を説明する。
敷板部31を接地させずに、縦アウトリガボックス82を張り出す場合には、敷板ユニット2をロック状態として、インナボックス84を伸長させる。このとき、図10(a)に示すように、ロック状態のままインナボックス84を伸長させても、ロック機構6によって敷板部31がアウタボックス83に固定されているため、敷板部31は移動せずに、インナボックス84のみが下方にスライド移動する。すなわち、一対のカム52が下方に移動して、一対のボス42及び一対のカム52によりフック部25が狭まれている状態が解除されても、敷板部31がアウタボックス83にぶら下がった状態で、敷板ユニット2が保持される。そのため、図10(b)に示すように、一対のアームプレート21が一対のボス42に沿って回転しない。その結果、敷板設置動作が行われず、通常通りに、縦アウトリガボックス82の張り出し動作が行われる。
以上説明したように、敷板設置装置1は、インナボックス84を、格納位置から下方向に伸長させることによって、アウタボックス83の側面と対向する位置に格納された敷板部31を、フロート85の下へ自動で配置する装置である。加えて、敷板部31がフロート85の下に配置された状態で、インナボックス84を縮小させることによって、敷板部31を格納位置に達する前の予め設定した位置へと自動で格納する装置である。
<実施形態とは異なる構成と、実施形態との対比>
以下、図1から図13を参照しつつ、図14から図17を用いて、実施形態とは異なる構成と、実施形態との対比について説明する。
なお、敷板ユニット2の姿勢が敷板格納姿勢と敷板設置準備姿勢の間で変位するとき、一対のボス42と一対のカム52との相対位置によってアーム20の姿勢が決まる。また、敷板ユニット2の姿勢が敷板格納姿勢と敷板設置準備姿勢の間で変位するとき、敷板部31の姿勢は、アーム20が敷板部31へ固定される条件によって変化する。
まず、例えば、図14(a)に示すように、敷板部31がアーム20に固定されており、敷板部31がアーム20に対して回転することが不可能な構成について説明する。
敷板部31がアーム20に固定されている構成では、敷板ユニット2の姿勢が敷板格納姿勢と敷板設置準備姿勢の間で変位するとき、図14(b)に示すように、敷板下部31dは、パイプ54又はフロート85の端面と接触する。
このとき、敷板下部31dはフロート85から離れる方向へ変位しようとするが、敷板部31に固定されて敷板部31と一体化したアーム20は、一対のボス42と一対のカム52によって姿勢が決まるため、敷板下部31dの変位に追従することが不可能である。
したがって、敷板ユニット2の姿勢が敷板格納姿勢と敷板設置準備姿勢の間で変位するとき、アーム20と一体化した敷板部31は、フロート85の下側へ移動することが不可能であり、動作不能となる。
これに対し、実施形態の構成であれば、敷板部31がアーム20に対して回転可能であるため、敷板ユニット2の姿勢が敷板格納姿勢と敷板設置準備姿勢の間で変位する際に、敷板部31をフロート85の下側へ移動させることが可能となる。
次に、実施形態の構成と比較して、アーム20に対して敷板部31が回転することが可能な範囲が広い構成について説明する。
実施形態のように、アーム20に対して敷板部31が回転することが可能である場合、敷板部31はアーム20から独立して変位して、姿勢を自由に変化させることが可能である。したがって、敷板下部31dの接触による姿勢の変化が、アーム20の姿勢に拠らない姿勢の変化となり、アーム20に対する敷板部31の動作を、アーム20の姿勢に関わらない動作とすることが可能である。
そして、実施形態の構成と比較して、アーム20に対して敷板部31が回転することが可能な範囲が広い場合、敷板部31に作用する重力によって、例えば、図15(a)に示すように、敷板部31の重心CGが、常に、敷板部31の回転中心であるアーム取り付けピン34の真下に位置する方向へと移動する。このため、実施形態の構成と比較して、敷板設置準備姿勢における敷板部31の姿勢が変化する。
したがって、実施形態の構成と比較して、アーム20に対して敷板部31が回転することが可能な範囲が広い場合、例えば、図15(b)に示すように、敷板設置準備姿勢において、敷板部31の接地面31Gは、水平な地面に対して垂直に近づく。このため、接地面31Gを水平に向けて、敷板部31を地面に平行に設置することが困難となる。
また、実施形態の構成と比較して、アーム20に対して敷板部31が回転することが可能な範囲が広い場合、例えば、図15(a)及び図15(b)に示すように、敷板設置準備姿勢において、敷板部31の重心CGが、第一の支点及び第二の支点よりも外側に位置する状態となる。このため、敷板ユニット2が、自重によるモーメントで第一の支点及び第二の支点のうち一方(図15では、第二の支点であるパイプ54)のみを支点として回転及び移動する。これにより、敷板設置準備姿勢において、敷板ユニット2を接地側案内機構5の上に安定して保持することが困難となる。
これに対し、実施形態の構成であれば、アーム20に対して敷板部31が回転することが可能な範囲を、上述した式(1)及び式(2)を満足する範囲に設定しているため、敷板設置準備姿勢において、敷板部31の重心CGが、第一の支点及び第二の支点よりも内側に位置する状態となる。このため、敷板設置準備姿勢において、敷板ユニット2を接地側案内機構5の上に安定して保持することが可能となる。
次に、実施形態の構成と異なり、ねじりバネ36が敷板部31に対して加えるトルクの値が、敷板設置姿勢において敷板部31の自重によって発生するトルクと均衡する値ではない構成について説明する。
敷板格納動作において、アーム20がボス42を中心として回転動作を行っている状態では、アーム20の一端に取り付けられた敷板部31に、例えば、図16に示すように、遠心力が発生する。
このとき、敷板部31に発生した遠心力によって、アーム取り付けピン34を中心として敷板部31に作用するトルクが、敷板部31に作用する重力によって重心CGを移動させるトルクを上回ると、重心CGに近い敷板下部31dが、アウトリガ80から離れる方向に変位(回転)する。
一方、アーム取り付けピン34を挟んで敷板下部31dとは反対側に位置する受け金具部35は、アウトリガ80に近づく方向へと変位する。そして、敷板部31の姿勢が、敷板部31に発生した遠心力によって変化した姿勢のままで、インナボックス84が最も縮小した状態となった場合、図16に示すように、受け金具部35とロック機構6が衝突する。受け金具部35とロック機構6との衝突は、インナボックス84が最も縮小した状態では、受け金具部35とロック機構6が衝突しない適切な位置関係が、敷板格納姿勢に達する前の予め設定した姿勢、すなわち、変位せずに静止した状態の敷板ユニット2が前提であることに起因する。なお、図16では、敷板部31に発生した遠心力によって姿勢が変化した敷板部31を、二点鎖線により示している。
これに対し、実施形態の構成であれば、ねじりバネ36が敷板部31に対して加えるトルクの値が、敷板設置姿勢において敷板部31の自重によって発生するトルクと均衡する値である。
このため、敷板設置準備姿勢において、敷板下部31dがアウトリガ80から離れる方向に変位(回転)することを抑制することが可能となり、受け金具部35とロック機構6とが衝突する可能性を低減させることが可能となる。
次に、例えば、図17に示すように、敷板部31がアーム20に固定されており、アーム20の形状が、敷板格納姿勢において敷板部31が第一クッション7と接触しない形状に形成されている構成について説明する
敷板格納姿勢において敷板部31が第一クッション7と接触しない構成では、敷板設置準備姿勢において、敷板下部31dがパイプ54やフロート85と接触せずに、敷板部31及びアーム20を動作させることが可能である。
しかしながら、敷板格納姿勢において敷板部31が第一クッション7と接触しない構成では、敷板設置装置1の大きさ、特に、幅(図17に示す「装置幅」)が大きくなり、縦アウトリガボックス82から突出するという問題が発生する。なお、図17では、敷板下部31dとフロート85とが最も近接する姿勢の敷板ユニット2を、二点鎖線で示している。
これに対し、実施形態の構成であれば、敷板部31がアーム20に対して回転可能であり、さらに、敷板下部31dがパイプ54やフロート85と接触している状態において、アーム20及び敷板部31を動作させることが可能な構成としている。
このため、敷板設置装置1が縦アウトリガボックス82から突出する大きさを低減させるとともに、アーム20及び敷板部31を動作させることが可能となる。
<実施形態の作用及び効果>
実施形態のアウトリガ用敷板設置装置であれば、以下の作用及び効果を奏することが可能である。
(1)クレーン搭載車両100の前後方向から見て、敷板設置準備姿勢であるときにおける敷板部31の重心CGが、敷板部31の姿勢が敷板格納姿勢から敷板設置姿勢へ変化する際に、第一の支点と第二の支点との間に配置される。これに加え、第一の支点と第二の支点は、クレーン搭載車両100の前後方向から見て、敷板格納姿勢における敷板部31の厚さ方向に沿って、間隔を開けて配置されている。
このため、敷板設置準備姿勢において、敷板部31の重心CGが、敷板部31がアーム20を介してフロート85の上に配置されている状態で、アーム20及び敷板部31の質量を支持する二つの支点である第一の支点と第二の支点との間に配置される。
その結果、敷板設置準備姿勢において、敷板ユニット2が自重によるモーメントによって回転や移動することを抑制して、敷板ユニット2を接地側案内機構5の上に安定して保持することが可能となる。
これにより、敷板部31を自動で設置及び格納する動作を行う際に、アーム20及び敷板部31の姿勢を安定させることが可能な、アウトリガ用敷板設置装置を提供することが可能となる。
(2)クレーン搭載車両100の前後方向から見て、アーム20の予め設定した一点を通る直線に対して敷板部31の厚さ方向と直交する直線とが相対的に変化する角度の範囲をθとする。また、敷板格納姿勢において、クレーン搭載車両100の前後方向から見て、敷板部31の接地面31Gと反対側の面がアウタボックス83の側面と対向した状態で、第一仮想直線VL1に対する第二仮想直線VL2の角度、及び敷板設置準備姿勢において、敷板部31の接地面31Gが水平となる角度のうち少なくとも一方の角度をθminとする。さらに、敷板設置準備姿勢において、クレーン搭載車両100の前後方向から見て、敷板部31がアーム20を介してフロート85の上に配置されている状態で、第一の支点と第二の支点との間に重心が配置されるための角度をθmaxとする。そして、「θmin≦θ≦θmax」の式が成立している。
このため、敷板設置準備姿勢において、敷板部31の姿勢が予め設定した角度の範囲である角度θである状態で、敷板部31の重心CGが第一の支点と第二の支点との間に配置される。
その結果、敷板設置準備姿勢において、敷板ユニット2が自重によるモーメントによって回転や移動することを抑制することが可能となる。
さらに、敷板設置準備姿勢における敷板部31の接地面31Gが、敷板部31が角度θである状態において、概ね地面と平行になる。これにより、例えば、敷板部31が地面に対して大きく傾斜した状態で設置が行われる場合に、敷板部31のうち、敷板部31の下端が最初に地面に食い込むことで、敷板部31の下端の位置が固定され、敷板部31を設置した後の敷板部31が、フロート85に対して大きく移動することを防止する。
すなわち、アーム20と接地側案内機構5との相対位置がずれることを抑制して、敷板部31を設置した後に行う敷板格納動作において、敷板ユニット2の回収が正常に行えない状態となることを防止することが可能となる。
また、敷板部31の下端が固定されず、地面の上で滑るように移動することが可能な場合であっても、接地面31Gが地面と平行に近いほど、地面の上における移動量が少ない。
その結果、水平に近い姿勢で設置する敷板部31に対し、敷板部31の下端及び接地面31Gの損傷や摩耗を抑制することが可能である。
(3)第一の支点がカム52の外周面に存在し、第二の支点がパイプ54の外周面に存在する。
その結果、敷板部31の姿勢が変化する際にアーム20と接触してアーム20の変位を誘導するカム52とパイプ54により、敷板部31を自動で設置及び格納する構成に含まれない構成を追加せずに、第一の支点と第二の支点を形成することが可能となる。
(4)敷板部31に対し、敷板部31のうち敷板格納姿勢において下方に配置される端部(下端)が、クレーン搭載車両100の前後方向から見て、アーム20の他端へ近づく方向へ回転させるトルクを加えるトルク付与部材を備える。そして、トルク付与部材が敷板部31に対して加えるトルクの値は、敷板設置姿勢において敷板部31の自重によって発生するトルクと均衡する値である。
このため、トルク付与部材が敷板部31に対して加えるトルクにより、敷板設置準備姿勢における敷板部31の接地面31Gを、水平に保持することが可能となる。
その結果、敷板部31の姿勢が、敷板ユニット2を接地側案内機構5の上に安定して保持する目的で設定した角度であるθmaxのときの姿勢である状態と比較して、敷板部31の姿勢を、接地面31Gが地面と平行な状態の姿勢に近づけることが可能となる。
また、トルク付与部材が敷板部31に対して加えるトルクにより、敷板下部31dがアウタボックス83へ近づくように作用するトルクが発生する。これにより、アーム20がボス42を中心として回転しているときに発生する遠心力によって、敷板下部31dがアウタボックス83から離れる方向に変位(回転)することを抑制することが可能となる。
その結果、敷板部31の姿勢が敷板設置姿勢から敷板格納姿勢へ変化する際に、受け金具部35とロック機構6との接触を回避することが可能な位置関係を、アーム20が回転する動作を行う間に保持することが可能となる。
(5)トルク付与部材は、クレーン搭載車両100の前後方向から見て、下方に配置される端部がアーム20の他端へ近づく方向へ回転させるトルクを常に敷板部31へ付与するねじりバネ36である。
その結果、一般的な部材であるねじりバネ36が敷板部31に対して加えるトルクにより、敷板設置準備姿勢における敷板部31の接地面31Gを、水平に保持することが可能となる。
また、一般的な部材であるねじりバネ36が敷板部31に対して加えるトルクにより、敷板下部31dがアウタボックス83へ近づくように作用するトルクが発生する。これにより、アーム20がボス42を中心として回転しているときに発生する遠心力によって、敷板下部31dがアウタボックス83から離れる方向に変位(回転)することを抑制することが可能となる。
実施形態のアウトリガ80であれば、以下の作用及び効果を奏することが可能である。
(6)縦アウトリガボックス82と、敷板設置装置1とを備える。
このため、敷板設置準備姿勢において、敷板部31の重心CGが、敷板部31がアーム20を介してフロート85の上に配置されている状態で、アーム20及び敷板部31の質量を支持する二つの支点である第一の支点と第二の支点との間に配置される。
その結果、敷板設置準備姿勢において、敷板ユニット2が自重によるモーメントによって回転や移動することを抑制して、敷板ユニット2を接地側案内機構5の上に安定して保持することが可能となる。
これにより、敷板部31を自動で設置及び格納する動作を行う際に、アーム20及び敷板部31の姿勢を安定させることが可能な、アウトリガ80を提供することが可能となる。
<変形例>
(1)実施形態では、敷板設置姿勢において、切り込み部24がパイプ54の真上に配置される構成としたが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、図18に示すように、敷板設置姿勢において、切り込み部24がパイプ54よりもインナボックス84から離れた位置に配置される構成としてもよい。つまり、敷板設置姿勢において、突起部22とパイプ54が接触しない構成であればよい。
(2)実施形態では、敷板部31の構成を、敷板格納状態ではアウタボックス83の外側に配置される構成としたが、これに限定するものではない。すなわち、敷板部31の構成を、敷板格納状態ではアウタボックス83の内側に配置される構成としてもよい。
(3)実施形態では、敷板設置装置1を車両搭載型クレーンに適用したが、これに限定するものではなく、同様の構成を有するアウトリガを備えたものであれば、敷板設置装置1を例えば、他のクレーンや、高所作業車等の他の作業車両に適用してもよい。
(4)実施形態では、アウタボックス83と、インナボックス84と、アクチェーターを備える構成とすることで、縦アウトリガボックス82を伸縮させる構成としたが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、インナボックス84を備えていない構成とし、縦アウトリガボックス82を伸縮させるアクチュエータのうち、伸縮する部材をインナボックス84の代替とする構成としてもよい。実施形態のように、縦アウトリガボックス82を伸縮させるアクチュエータが、縦アウトリガボックス82が備える油圧シリンダである場合は、油圧シリンダのロッドが、インナボックス84の代替となる、伸縮する部材に相当する。この場合、さらに、ロッドの回り止めを備える構成とすることが好適である。
1 アウトリガ用敷板設置装置
2 敷板ユニット
4 アウタ側案内機構
5 接地側案内機構
6 ロック機構
7 第一クッション
8 第二クッション
20 アーム
21 アームプレート
22 突起部
23 折曲部
24 切り込み部
25 フック部
25a 懐部
26 カム接触面
26a 凸部
26b 凹部
27 軸孔
28 接続ロッド
30 敷板
31 敷板部
31u 敷板上部
31d 敷板下部
31c 敷板側切り欠き部
31R 折り曲げ部
31G 接地面
32 ブラケット部
32h ブラケット側切り欠き部
33 アーム取付用ベース部
34 アーム取り付けピン
35 受け金具部
35a 補強板部
35b ロッド部
36 ねじりバネ
36a コイル部
36b 腕部
36c 連結部
37 接地クッション
41 アウタ側ブラケット
42 ボス
43 摺動板
43a アーム接触面
43s 傾斜面
51 接地側ブラケット
51a 取付用板部
51b 凸板
52 カム
53 ボルト
54 パイプ
60 スナッチロック
61 レバー
62 ガイドフレーム
63 サブロックスプリング
64 解除グリップ
65 ロック部材
66 固定ブラケット
67 ストライカブラケット
70 敷板保護部材
80 アウトリガ
81 横アウトリガボックス
82 縦アウトリガボックス
83 アウタボックス
84 インナボックス
85 フロート
91 ベース
92 コラム
93 ブーム
94 フック
100 クレーン搭載車両
101 車両本体
102 荷台
103 運転室
104 シャーシフレーム
105 クレーン
106 ワイヤロープ
CG 敷板部の重心

Claims (6)

  1. 筒状のアウタボックスと、
    一端から前記アウタボックスの内部に挿入されて前記アウタボックスと共に縦アウトリガボックスを形成し、且つ前記アウタボックスに対して変位するインナボックスと、
    前記縦アウトリガボックスの伸縮に応じて姿勢が変化する敷板部と、
    前記縦アウトリガボックスが伸長する動作に連動して、前記敷板部の姿勢が、前記敷板部の地面と接地する面と反対側の面が前記アウタボックスの側面と対向する敷板格納姿勢から前記インナボックスと前記地面との間に敷板部が配置された敷板設置姿勢へと変化するように、前記敷板部を変位させる敷板設置機構部と、
    前記縦アウトリガボックスが縮小する動作に連動して、前記敷板部の姿勢を前記敷板設置姿勢から前記敷板格納姿勢へと変化させる敷板格納機構部と、
    前記インナボックスの他端に取り付けられたフロートと、
    一端が前記敷板部のうち前記敷板設置姿勢において前記フロートと対向する面へ回転可能に取り付けられたアームと、を備えるアウトリガに適用可能なアウトリガ用敷板設置装置であって、
    前記敷板格納姿勢では、前記反対側の面が前記アウタボックスの側面と前記アウトリガを搭載する車両の幅方向で対向し、
    前記敷板部の姿勢が前記敷板格納姿勢から前記敷板設置姿勢へ変化するまでに前記インナボックスが伸長する途中の姿勢であり、且つ前記敷板部が前記地面に接地する前に前記フロートの下側に位置する敷板設置準備姿勢であるときにおける敷板部の重心が、前記車両の前後方向から見て、前記敷板部の姿勢が前記敷板格納姿勢から前記敷板設置姿勢へ変化する際に敷板部が前記アームを介して前記フロートの上に配置されている状態でアーム及び敷板部の質量を支持する二つの支点である第一の支点と第二の支点との間に配置され、
    前記第一の支点と前記第二の支点は、前記前後方向から見て、前記敷板格納姿勢における前記敷板部の厚さ方向に沿って間隔を開けて配置されているアウトリガ用敷板設置装置。
  2. 前記前後方向から見て、前記アームの予め設定した一点を通る直線に対して前記敷板部の厚さ方向と直交する直線とが相対的に変化する角度の範囲をθとし、
    前記敷板格納姿勢において、前記前後方向から見て、前記反対側の面が前記アウタボックスの側面と対向した状態で前記予め設定した一点を通る直線に対する前記敷板部の厚さ方向と直交する直線の角度、及び前記敷板設置準備姿勢において前記敷板部の前記地面と接地する面が水平となる角度のうち少なくとも一方の角度をθminとし、
    前記敷板設置準備姿勢において、前記前後方向から見て、前記敷板部が前記アームを介して前記フロートの上に配置されている状態で前記第一の支点と前記第二の支点との間に前記重心が配置されるための角度をθmaxとすると、
    θmin≦θ≦θmaxの式が成立する請求項1に記載したアウトリガ用敷板設置装置。
  3. 前記第一の支点は、前記フロートのうち前記敷板部の姿勢が前記敷板格納姿勢のときに前記アウタボックスと対向する位置に配置された接地側ブラケットに固定され、且つ前記敷板部の姿勢が前記敷板格納姿勢から前記敷板設置姿勢へと変化する際に前記アームと接触する円柱状のカムの外周面に存在し、
    前記第二の支点は、前記カムとは異なる位置で前記接地側ブラケットに固定され、且つ前記敷板部の姿勢が前記敷板設置準備姿勢になると前記アームと接触する円柱状のパイプの外周面に存在する請求項1又は請求項2に記載したアウトリガ用敷板設置装置。
  4. 前記敷板部に対し、前記敷板部のうち前記敷板格納姿勢において下方に配置される端部が、前記前後方向から見て、前記アームの他端へ近づく方向へ回転させるトルクを加えるトルク付与部材を備え、
    前記トルク付与部材が前記敷板部に対して加えるトルクの値は、前記敷板設置姿勢において前記敷板部の自重によって発生するトルクと均衡する値である請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載したアウトリガ用敷板設置装置。
  5. 前記トルク付与部材は、前記前後方向から見て、前記下方に配置される端部が前記アームの他端へ近づく方向へ回転させるトルクを常に前記敷板部へ付与するねじりバネである請求項4に記載したアウトリガ用敷板設置装置。
  6. 車両に搭載されるアウトリガであって、
    筒状のアウタボックスと、一端から前記アウタボックスの内部に挿入され、且つ前記アウタボックスに対して変位するインナボックスと、を有し、前記アウタボックスに対して前記インナボックスを変位させることで伸縮する縦アウトリガボックスと、
    請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載したアウトリガ用敷板設置装置と、を備えるアウトリガ。
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