JP2022143328A - 粘着シート及びその製造方法、並びに積層体の製造方法 - Google Patents

粘着シート及びその製造方法、並びに積層体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】凹凸追従性、耐溶剤性及び高温接着性に優れた粘着シートを提供すること。【解決手段】粘着剤層を備える粘着シートにおいて、粘着剤層は、アクリル系粘着性ポリマー(A)と光重合開始剤とを含み、反応性不飽和結合を有する化合物を含まず、アクリル系粘着性ポリマー(A)は、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルに由来する構造単位を有し、粘着剤層のアクリル系粘着性ポリマー(A)に基づくゲル分率が20%未満である粘着シートとする。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着シート及びその製造方法、並びに積層体の製造方法に関する。
粘着剤は、架橋することによって室温及び高温下での凝集力が向上したり、耐溶剤性や耐油性が向上したりすることが知られている。粘着剤において一般には、イソシアネート系硬化剤等の架橋剤を粘着剤層に含有させて熱によって架橋したり、多官能モノマーを紫外線によって重合したりすることによって架橋したりすることが行われている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特許文献1には、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルに由来する構造単位を全モノマー単位に対して40~99質量%有するポリマーと架橋剤とを含有するアクリル樹脂組成物を用いて粘着シートを製造することが開示されている。また、特許文献2には、30万未満の重量平均分子量を有する熱架橋型粘着剤と熱架橋剤とを含む組成物を用いて粘着剤層を形成することが開示されている。
国際公開第2018/235217号 特開2017-197604号公報
粘着シートを繊維生地に貼り付ける場合や、物品に加飾シートを貼り付ける場合、被着体の表面凹凸が大きいことがある。しかしながら、特許文献1及び特許文献2のように、架橋された粘着剤層を備える粘着シートは、表面凹凸が大きい被着体の凹凸形状に追従できず、また高温下のような厳しい環境下において剥がれやすく、接着性(特に、凹凸追従性、高温接着性)に劣ることが懸念される。また、粘着剤層の特性の1つとして耐溶剤性が高いことが要求される。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、凹凸追従性、耐溶剤性及び高温接着性に優れた粘着シートを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討し、架橋剤の量をできるだけ少なくするか又は架橋剤を使用しなくても架橋が形成されるようにすることに着目した。そして、この着目点に基づき、粘着剤層に特定の成分を含有させることにより、粘着シートの凹凸追従性、耐溶剤性及び高温接着性を良好にできることを見出し、本発明を完成した。具体的には、本発明によれば以下の手段が提供される。
〔1〕 粘着剤層を備える粘着シートであって、前記粘着剤層は、アクリル系粘着性ポリマー(A)と光重合開始剤とを含み、反応性不飽和結合を有する化合物を含まず、前記アクリル系粘着性ポリマー(A)は、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルに由来する構造単位を有し、前記粘着剤層の前記アクリル系粘着性ポリマー(A)に基づくゲル分率が20%未満である、粘着シート。
〔2〕 前記アクリル系粘着性ポリマー(A)における(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルに由来する構造単位の含有量が、前記アクリル系粘着性ポリマー(A)を構成する単量体に由来する全構造単位に対し20質量%以上である、上記〔1〕の粘着シート。
〔3〕 前記アクリル系粘着性ポリマー(A)のガラス転移温度が-80℃~10℃である、上記〔1〕又は〔2〕の粘着シート。
〔4〕 前記アクリル系粘着性ポリマー(A)は、重合体ブロックMとアクリル系重合体ブロックNとを有するブロック共重合体であり、前記アクリル系重合体ブロックNのガラス転移温度が-80℃~10℃である、上記〔1〕又は〔2〕の粘着シート。
〔5〕 活性エネルギー線を照射することにより前記粘着剤層を硬化した後における前記粘着剤層の前記アクリル系粘着性ポリマー(A)に基づくゲル分率が20%以上である、上記〔1〕~〔4〕のいずれか1の粘着シート。
〔6〕 前記光重合開始剤が、水素引き抜き型光重合開始剤である、上記〔1〕~〔5〕のいずれか1の粘着シート。
〔7〕 粘着剤層を備える粘着シートの製造方法であって、アクリル系粘着性ポリマー(A)と光重合開始剤と溶剤とを含有する粘着剤組成物を用いて前記粘着剤層を形成する工程を含み、前記アクリル系粘着性ポリマー(A)は、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルに由来する構造単位を有し、前記粘着剤組成物は、反応性不飽和結合を有する化合物を含まず、前記粘着剤層の前記アクリル系粘着性ポリマー(A)に基づくゲル分率が20質量%未満である、粘着シートの製造方法。
〔8〕 上記〔1〕~〔6〕のいずれか1の粘着シートと被着体とを貼り合わせた後に活性エネルギー線を照射して前記粘着剤層を硬化させる工程を含む、積層体の製造方法。
本発明によれば、凹凸追従性、耐溶剤性及び高温接着性に優れた粘着シートを得ることができる。
以下、本発明について詳しく説明する。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及び/又はメタクリルを意味する。「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味する。
≪粘着シート≫
本発明の粘着シート(以下、「本粘着シート」ともいう。)は、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルに由来する構造単位を有するアクリル系粘着性ポリマー(A)と、光重合開始剤とを含む粘着剤層を備えるシートである。本粘着シートは、粘着剤層と被着体とを貼り合わせた後にその積層体に活性エネルギー線を照射し、粘着剤層を硬化させて使用される光反応型の粘着シートである。
ここで、本粘着シートにおいては、粘着剤層と被着体とを貼り合わせた後に活性エネルギー線を照射することによって架橋反応が進行する。これにより架橋構造が形成され、優れた接着性能及び耐溶剤性が発現される。そのメカニズムは以下のように推測される。粘着剤層と被着体とを貼り合わせた後に活性エネルギー線を照射することによって、粘着剤層中の光重合開始剤によりラジカルが生成されると、アクリル系粘着性ポリマー(A)を構成するアクリル酸アルコキシアルキルエステルの側鎖部分の水素が引き抜かれて、酸素との結合によりパーオキシラジカルが生成される(下記スキームを参照)。その後、再び水素引抜き反応が起こり、発生したラジカルどうしがカップリングし、架橋構造が形成されると考えられる。したがって、本粘着シートによれば、粘着剤層中に架橋剤や反応性不飽和結合を有する化合物(具体的には、単量体や多官能(メタ)アクリル系化合物)が含まれていなくても、粘着剤層と被着体とを貼り合わせた後に活性エネルギー線を照射する処理を行うことによって架橋構造を形成させることができる。また、本粘着シートの粘着剤層を被着体に貼り合わせる際は、架橋構造が未だ形成されていないため、粘着剤層には柔軟性があり、表面凹凸が大きい被着体に対しても、その表面の凹凸に沿って粘着剤層を貼り合わせることができる。これにより、凹凸追従性が良好な粘着シートが得られるものと推測される。
Figure 2022143328000001
次に、本粘着シートの粘着剤層に含まれるアクリル系粘着性ポリマー(A)及び光重合開始剤について説明する。
<アクリル系粘着性ポリマー(A)>
アクリル系粘着性ポリマー(A)は、(メタ)アクリル系単量体に由来する構造単位を主体とする重合体であり、粘着性を有する。なお、本明細書において、アクリル系粘着性ポリマー(A)が(メタ)アクリル系単量体を「主体」とするとは、アクリル系粘着性ポリマー(A)を構成する単量体に由来する全ての構造単位(以下、「全単量体単位」ともいう。)に対し、(メタ)アクリル系単量体に由来する構造単位の割合が、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上であり、より更に好ましくは80質量%以上である。
アクリル系粘着性ポリマー(A)は、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルに由来する構造単位を有する。アクリル系粘着性ポリマー(A)を構成する(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルは、炭素数2~12のアルコキシアルキル基を有していることが好ましい。これらの具体例としては、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸n-プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸n-ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸エトキシプロピル、(メタ)アクリル酸n-プロポキシプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブトキシプロピル、(メタ)アクリル酸メトキシブチル、(メタ)アクリル酸エトキシブチル、(メタ)アクリル酸n-プロポキシブチル、(メタ)アクリル酸n-ブトキシブチル等が挙げられる。
アクリル系粘着性ポリマー(A)を構成する(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルは、汎用性の観点から、上記の中でも、炭素数2~8のアルコキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルが好ましく、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル及び(メタ)アクリル酸エトキシエチルよりなる群から選択される少なくとも1種がより好ましい。なお、アクリル系粘着性ポリマー(A)を構成する(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルは1種でもよく、2種以上でもよい。
アクリル系粘着性ポリマー(A)において、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルに由来する構造単位の割合は、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルと酸素ラジカルとの共存により生じる反応を利用して架橋構造を形成させ、粘着シートの接着性、耐溶剤性及び凹凸追従性を高める観点から、アクリル系粘着性ポリマー(A)の全単量体単位に対して、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上が更に好ましく、40質量%以上がより更に好ましい。アクリル系粘着性ポリマー(A)において、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルに由来する構造単位の割合の上限は特に限定されないが、粘着性能を向上させる観点から、アクリル系粘着性ポリマー(A)の全単量体単位に対して、99質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましい。
アクリル系粘着性ポリマー(A)を構成する単量体は、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルのみであってもよいが、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルとは異なる単量体(以下、「他の単量体」ともいう。)を含んでいてもよい。
粘着性能を優れたものとする観点から、アクリル系粘着性ポリマー(A)は、他の単量体として、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルよりなる群から選択される少なくとも1種に由来する構造単位を有することが好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n-ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、及び(メタ)アクリル酸ドデシル等が挙げられる。
アクリル系粘着性ポリマー(A)の弾性率を高め、耐熱性の向上を図る観点から、これらのうち、(メタ)アクリル酸アルキルエステルにおけるアルキル部分の炭素数が1~8である(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、当該アルキル部分の炭素数が1~4である(メタ)アクリル酸アルキルエステルがより好ましい。
(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシブチル、及び(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル等が挙げられる。
アクリル系粘着性ポリマー(A)において、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位の割合は、粘着性能を高める観点から、アクリル系粘着性ポリマー(A)の全単量体単位に対して、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましい。アクリル系粘着性ポリマー(A)において、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位の割合の上限は特に限定されないが、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルによる架橋形成を十分に行わせる観点から、アクリル系粘着性ポリマー(A)の全単量体単位に対して、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましい。
アクリル系粘着性ポリマー(A)において、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルに由来する構造単位の割合は、粘着剤層の凝集力を向上させ、粘着性能を高める観点から、アクリル系粘着性ポリマー(A)の全単量体単位に対して、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上が更に好ましい。アクリル系粘着性ポリマー(A)中の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルに由来する構造単位の割合の上限については、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルによる架橋形成を十分に行わせる観点から、アクリル系粘着性ポリマー(A)の全単量体単位に対して、10質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましい。
アクリル系粘着性ポリマー(A)は、上記以外にも、粘着性能を損なわない範囲において、上記の単量体と共重合可能な単量体を使用してもよい。こうした他の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸の脂環式エステル化合物、(メタ)アクリル酸の芳香族エステル化合物、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート化合物、芳香族ビニル化合物、イミド基含有ビニル化合物、アミノ基含有不飽和化合物、アミド基含有不飽和化合物、ニトリル基含有不飽和化合物等が挙げられる。
これらの具体例としては、(メタ)アクリル酸の脂環式エステル化合物として、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸tert-ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロドデシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、及び(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸の芳香族エステル化合物としては、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェノキシメチル、(メタ)アクリル酸2-フェノキシエチル、及び(メタ)アクリル酸3-フェノキシプロピル等が挙げられる。
ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート化合物としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール-ポリテトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、及びノニルフェノキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α-メチルスチレン、β-メチルスチレン、ビニルキシレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、o-エチルスチレン、m-エチルスチレン、p-エチルスチレン、p-n-ブチルスチレン、p-イソブチルスチレン、p-t-ブチルスチレン、o-メトキシスチレン、m-メトキシスチレン、p-メトキシスチレン、o-クロロスチレン、m-クロロスチレン、p-クロロスチレン、p-ヒドロキシスチレン、m-ヒドロキシスチレン、o-ヒドロキシスチレン、p-イソプロペニルフェノール、m-イソプロペニルフェノール、o-イソプロペニルフェノール、o-ビニル安息香酸、m-ビニル安息香酸、p-ビニル安息香酸、及びジビニルベンゼン等のスチレン系化合物;ビニルナフタレン等が挙げられる。
イミド基含有ビニル化合物としては、マレイミド、N-置換マレイミド化合物等のマレイミド化合物;N-メチルイタコンイミド、N-エチルイタコンイミド、N-ブチルイタコンイミド、N-オクチルイタコンイミド、N-2-エチルヘキシルイタコンイミド、N-シクロヘキシルイタコンイミド、N-ラウリルイタコンイミド等のイタコンイミド化合物;N-メチルシトラコンイミド、N-エチルシトラコンイミド、N-ブチルシトラコンイミド、N-オクチルシトラコンイミド、N-2-エチルヘキシルシトラコンイミド、N-シクロヘキシルシトラコンイミド、N-ラウリルシトラコンイミド等のシトラコンイミド化合物;N-(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)コハク酸イミド、N-(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)マレイミド、N-(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)フタル酸イミド、N-(4-(メタ)アクリロイルオキシブチル)コハク酸イミド、N-(4-(メタ)アクリロイルオキシブチル)マレイミド、N-(4-(メタ)アクリロイルオキシブチル)フタル酸イミド等の(メタ)アクリルイミド化合物等が挙げられる。イミド基含有ビニル化合物としては、これらのうちマレイミド化合物を好ましく使用できる。
アミノ基含有不飽和化合物としては、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸2-ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸2-ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸2-(ジ-n-プロピルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸2-ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸2-ジエチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸2-(ジ-n-プロピルアミノ)プロピル、(メタ)アクリル酸3-ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸3-ジエチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸3-(ジ-n-プロピルアミノ)プロピル等が挙げられる。
アミド基含有不飽和化合物としては、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド誘導体、及びN-ビニルアミド系単量体等が挙げられる。これらのうち、(メタ)アクリルアミド誘導体の具体例としては、tert-ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。N-ビニルアミド系単量体の具体例としては、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルホルムアミド及びN-ビニルイソブチルアミド等が挙げられる。
ニトリル基含有不飽和化合物としては、(メタ)アクリル酸シアノメチル、(メタ)アクリル酸1-シアノエチル、(メタ)アクリル酸2-シアノエチル、(メタ)アクリル酸1-シアノプロピル、(メタ)アクリル酸2-シアノプロピル、(メタ)アクリル酸3-シアノプロピル、(メタ)アクリル酸4-シアノブチル、(メタ)アクリル酸6-シアノヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチル-6-シアノヘキシル、(メタ)アクリル酸8-シアノオクチル、(メタ)アクリロニトリル、α-エチルアクリロニトリル、α-イソプロピルアクリロニトリル、α-クロロアクリロニトリル、α-フルオロアクリロニトリル等が挙げられる。
なお、アクリル系粘着性ポリマー(A)を構成する他の単量体の割合は、本発明の効果を損なわない範囲内で適宜選択することができる。他の単量体としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(アクリル系粘着性ポリマー(A)の製造方法)
アクリル系粘着性ポリマー(A)は、製造方法に特段の制限を受けるものではなく、公知の製造方法により得ることができる。例えば、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法、塊状重合等の公知のラジカル重合方法を採用して、上記単量体を重合することによりアクリル系粘着性ポリマー(A)を得ることができる。
溶液重合法による場合の製造方法としては、有機溶剤及び単量体を反応器に仕込み、重合開始剤を添加して、50~300℃に加熱して重合する方法が挙げられる。
単量体を含む各原料の仕込み方法は、全ての原料を一括して仕込むバッチ式の初期一括仕込みでもよく、少なくとも一部の原料を連続的に反応器中に供給するセミ連続仕込みでもよく、全原料を連続供給し、同時に反応器から連続的に生成樹脂を抜き出す連続重合方式でもよい。
溶液重合法に使用する有機溶剤としては、テトラヒドロフラン及びジオキサン等の環状エーテル類、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素化合物、酢酸エチル及び酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン類等、オルトギ酸メチル、オルト酢酸メチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類を例示することができる。有機溶剤としては、これらの1種又は2種以上を用いることができる。有機溶剤の使用量は、重合に使用する単量体の合計量が、有機溶剤と単量体との合計量に対して、例えば1~50質量%となる量である。
重合開始剤としては、アゾ系化合物、有機過酸化物、無機過酸化物等の公知のラジカル重合開始剤を用いることができ、特に限定されるものではない。これらのうち、安全上取り扱い易く、ラジカル重合時の副反応が起こりにくい点において、アゾ系化合物が好ましい。アゾ系化合物が好ましい。また、重合開始剤としては、公知の酸化剤及び還元剤からなるレドックス型重合開始剤を用いてもよい。また更に、重合開始剤と共に、公知の連鎖移動剤を併用することもできる。
重合開始剤の具体例としては、アゾ系化合物として、例えば、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、2-(tert-ブチルアゾ)-2-シアノプロパン、2,2’-アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタン)、2,2’-アゾビス(2-メチルプロパン)、ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)等が挙げられる。
有機過酸化物としては、例えば、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、1,1-ビス(tert-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン等が挙げられる。
無機過酸化物としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等が挙げられる。レドックス型重合開始剤として、例えば、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、アスコルビン酸、硫酸第一鉄等を還元剤とし、ペルオキソ二硫酸カリウム、過酸化水素、tert-ブチルハイドロパーオキサイド等を酸化剤としたもの等が挙げられる。アクリル系粘着性ポリマー(A)の製造に際し、重合開始剤の使用量は、重合に使用する全単量体100質量部に対して、例えば0.01~20質量部である。
アクリル系粘着性ポリマー(A)のガラス転移温度(Tg)は、-80℃以上10℃以下の範囲内にあることが好ましい。アクリル系粘着性ポリマー(A)のTgが-80℃以上であると、粘着剤層の凝集力を十分に高くでき、接着性を十分に確保できる点で好ましい。こうした観点から、アクリル系粘着性ポリマー(A)のTgは、より好ましくは-60℃以上であり、更に好ましくは-50℃以上であり、より更に好ましくは-45℃以上である。
一方、アクリル系粘着性ポリマー(A)のTgが10℃以下であると、低温条件下での接着性を十分に確保することができるとともに、本粘着シートの被着体への追従性が良好となり、高温下又は高温高湿下における耐久性が高い粘着シートを得ることができる点で好ましい。アクリル系粘着性ポリマー(A)のTgの上限については、より好ましくは5℃以下であり、更に好ましくは0℃以下であり、より更に好ましくは-5℃以下であり、特に好ましくは-10℃以下である。アクリル系粘着性ポリマー(A)のTgの範囲は、より好ましくは-60℃以上5℃以下の範囲であり、更に好ましくは-50℃以上0℃以下の範囲である。
なお、本明細書において重合体のTgは、示差走査熱量測定計(DSC)を用いて得られる熱流束曲線のベースラインと変曲点での接点との交点から決定される値である。測定条件の詳細は、後述する実施例の記載に従う。重合体のTgは、構成単量体の種類や組成等を変えることにより任意に選択することができる。
(ブロック共重合体)
アクリル系粘着性ポリマー(A)は、2個以上の重合体ブロックを有するブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体BL」ともいう。)であってもよい。ブロック共重合体BLは、重合体ブロックMとアクリル系重合体ブロックNとを有することが好ましい。
ブロック共重合体BLが有する重合体ブロックMは、アクリル系重合体ブロックNよりもガラス転移温度(Tg)が高いセグメントであることが好ましく、具体的には、重合体ブロックMのTg(以下、「TgM」ともいう。)が50℃以上であることが好ましい。TgMが50℃以上であると、ブロック共重合体BLに良好な耐熱性を付与できる点で好ましい。また、ブロック共重合体BLがミクロ相分離構造を形成する等により疑似架橋を形成し得るため好ましい。粘着剤層を構成する重合体が疑似架橋構造を形成すると凝集力が向上する傾向があり、接着強度が高まる傾向がある。
なお、本明細書において、重合体ブロックM及びアクリル系重合体ブロックNのTgは、重合体ブロックMからなる重合体及びアクリル系重合体ブロックNからなる重合体をそれぞれ製造し、各重合体につきDSCを用いて求めた値である。測定方法の詳細は、後述する実施例に記載の操作に従う。
アクリル系粘着性ポリマー(A)がブロック共重合体BLである場合、アクリル系重合体ブロックNのガラス転移温度(以下、「TgN」ともいう。)は、-80℃以上10℃以下の範囲内にあることが好ましい。TgNが-80℃以上であると、粘着剤層の凝集力を十分に高くでき、接着性を十分に確保できる傾向がある。TgNが10℃以下であると、低温条件下での接着性を十分に確保することができる傾向がある。また、本粘着シートの被着体への追従性が良好となり、高温下又は高温高湿下における耐久性が高い粘着シートを得ることができる。TgNは、より好ましくは-60℃以上であり、更に好ましくは-50℃以上であり、より更に好ましくは-45℃以上である。また、TgNは、より好ましくは5℃以下であり、更に好ましくは0℃以下であり、より更に好ましくは-5℃以下であり、特に好ましくは-10℃以下である。TgNの範囲は、より好ましくは-60℃以上5℃以下の範囲であり、更に好ましくは-50℃以上0℃以下の範囲である。
なお、アクリル系重合体ブロックNを構成する単量体の種類及び各単量体の含有量については、アクリル系粘着性ポリマー(A)を構成する単量体として例示した化合物及びその含有量と同様である。
重合体ブロックMは、イミド基含有ビニル化合物、スチレン系化合物、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及びアミド基含有ビニル化合物よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物に由来する構造単位(以下「構造単位U1」ともいう。)を有していることが好ましい。重合体ブロックMが構造単位U1を有することにより、耐熱性及び接着性により優れたブロック共重合体BLを得ることができる。重合体ブロックMは、中でも、イミド基含有ビニル化合物及びスチレン系化合物よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物に由来する構造単位を有していることが好ましい。
重合体ブロックMの製造に使用するイミド基含有ビニル化合物は、スチレン系化合物との共重合性の観点から、マレイミド化合物が好ましい。マレイミド化合物は、上記のうち、ブロック共重合体BLの耐熱性及び接着性をより優れたものとすることができる点で、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2022143328000002
(式(1)中、Rは水素原子、炭素数1~3のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基、又は、フェニル基の任意の位置にヒドロキシ基、炭素数1~2のアルコキシ基、アセチル基又はハロゲン原子が結合した置換フェニル基を表す。)
重合体ブロックMを構成する単量体としてイミド基含有ビニル化合物を使用する場合、イミド基含有ビニル化合物の割合は、重合体ブロックMの全単量体単位に対し、好ましくは10~95質量%、より好ましくは25~80質量%である。イミド基含有ビニル化合物に由来する構造単位を含むブロック共重合体BLは耐熱性及び接着性に優れる点で好ましい。
スチレン系化合物は、マレイミド化合物の重合性を向上させる性質を有すると考えられる。したがって、重合体ブロックMを構成する単量体としてマレイミド化合物を用いた場合、スチレン系化合物を併用することによって、マレイミド化合物の重合性を向上させることが好ましい。重合体ブロックMの製造に際しマレイミド化合物とスチレン系化合物とを併用する場合、マレイミド化合物に由来する構造単位1質量部に対する、スチレン系化合物に由来する構造単位の割合は、好ましくは0.01~100質量部であり、より好ましくは0.1~10質量部であり、更に好ましくは0.2~5質量部であり、特に好ましくは0.5~1.5質量部である。
重合体ブロックMを構成する単量体としてスチレン系化合物を使用する場合、スチレン系化合物の割合は、重合体ブロックMの全単量体単位に対し、好ましくは5~90質量%、より好ましくは20~75質量%である。また、重合体ブロックMにおける構造単位U1の割合は、重合体ブロックMが有する全構成単量体単位に対して、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
ブロック共重合体BLに良好な耐熱性を付与できる点で、重合体ブロックMのTg(TgM)は、好ましくは50℃以上であり、より好ましくは60℃以上であり、更に好ましくは80℃以上であり、特に好ましくは90℃以上である。また、TgMは、アクリル系粘着性ポリマー(A)を構成する単量体として使用可能な単量体の自由度が高い点、及び貼り合わせ時の温度を低くできる点で、350℃以下であることが好ましく、280℃以下であることがより好ましく、270℃以下であることが更に好ましく、260℃以下であることが特に好ましい。
ブロック共重合体BLが有する重合体ブロックの数や構造は特に限定されない。ブロック共重合体BLの具体例としては、重合体ブロックMとアクリル系重合体ブロックNとからなるM-N型構造のジブロック共重合体、重合体ブロックM/アクリル系重合体ブロックN/重合体ブロックMからなるM-N-M型構造のトリブロック共重合体、及びアクリル系重合体ブロックN/重合体ブロックM/アクリル系重合体ブロックNからなるN-M-N型構造のトリブロック共重合体等が挙げられる。また、ブロック共重合体BLは、重合体ブロックM及びアクリル系重合体ブロックN以外の重合体ブロックを更に有するものであってもよい。これらのうち、ブロック共重合体BLは、M-N-M型構造を有するトリブロック共重合体であることが好ましい。かかる構造であると、重合体ブロックM及びアクリル系重合体ブロックNが疑似架橋構造を形成しやすく、粘着剤物性を向上させることができる。
ブロック共重合体BLにおける重合体ブロックMとアクリル系重合体ブロックNとの比率は、モル比(重合体ブロックM/アクリル系重合体ブロックN)で1/99~25/75であることが好ましい。モル比が上記範囲内であると、ハードセグメントを構成し架橋点となり得る重合体ブロックMと、ソフトセグメントとなるアクリル系重合体ブロックNとを有する重合体により優れた接着性を示す粘着剤が得られやすく、また、接合箇所の柔軟性を十分に保持できるため好ましい。重合体ブロックMとアクリル系重合体ブロックNとのモル比は、より好ましくは1/99~23/77であり、更に好ましくは1/99~20/80であり、また更に好ましくは1/99~15/85であり、特に好ましくは1/99~10/90である。
・ブロック共重合体BLの製造方法
ブロック共重合体BLは製造方法に特段の制限を受けるものではなく、公知の製造方法により得ることができる。ブロック共重合体BLの製造方法としては、例えば、リビングラジカル重合及びリビングアニオン重合等の各種制御重合法を利用する方法や、官能基を有する重合体同士をカップリングする方法等を挙げることができる。これらの中でも、操作が簡便であり、広い範囲の単量体に対して適用することができる観点から、リビングラジカル重合法が好ましい。
リビングラジカル重合は、バッチプロセス、セミバッチプロセス、乾式連続重合プロセス、連続攪拌槽型プロセス(CSTR)等のいずれのプロセスを採用してもよい。また、重合形式は、溶剤を用いないバルク重合、溶剤系の溶液重合、水系の乳化重合、ミニエマルション重合又は懸濁重合等の各種態様に適用することができる。
リビングラジカル重合法の種類についても特段の制限はなく、可逆的付加-開裂連鎖移動重合法(RAFT法)、ニトロキシラジカル法(NMP法)、原子移動ラジカル重合法(ATRP法)、有機テルル化合物を用いる重合法(TERP法)、有機アンチモン化合物を用いる重合法(SBRP法)、有機ビスマス化合物を用いる重合法(BIRP法)及びヨウ素移動重合法等の各種重合方法を採用することができる。これらのなかでも、重合の制御性と実施の簡便さの観点から、RAFT法、NMP法及びATRP法が好ましい。
RAFT法では、特定の重合制御剤(RAFT剤)及び一般的なフリーラジカル重合開始剤の存在下、可逆的な連鎖移動反応を介して制御された重合が進行する。RAFT剤としては、ジチオエステル化合物、ザンテート化合物、トリチオカーボネート化合物及びジチオカーバメート化合物等、公知の各種RAFT剤を使用することができる。RAFT剤は活性点を1箇所のみ有する一官能のものを用いてもよいし、二官能以上のものを用いてもよい。M-N-M型構造のブロック共重合体を効率的に得やすい点では、二官能型のRAFT剤を用いることが好ましい。また、RAFT剤の使用量は、用いる単量体及びRAFT剤の種類等により適宜調整される。
RAFT法による重合の際に用いる重合開始剤としては、アゾ系化合物、有機過酸化物及び過硫酸塩等の公知のラジカル重合開始剤を使用することができる。中でも、安全上取り扱い易く、ラジカル重合時の副反応が起こりにくい点からアゾ系化合物が好ましい。アゾ系化合物の具体例としては、アクリル系粘着性ポリマー(A)の説明で例示したアゾ系化合物等が挙げられる。ラジカル重合開始剤は、1種類のみ使用してもよく、2種以上を併用してもよい。ラジカル重合開始剤の使用割合は特に制限されないが、重合反応を安定的に行うとともに分子量分布がより小さい重合体を得る点から、RAFT剤1モルに対し、ラジカル重合開始剤の使用量を0.01モル以上0.5モル以下とすることが好ましく、0.01モル以上0.2モル以下とすることがより好ましい。
RAFT法による重合反応の際の反応温度は、好ましくは40℃以上100℃以下であり、より好ましくは45℃以上90℃以下であり、更に好ましくは50℃以上80℃以下である。反応温度が40℃以上であると、重合反応を円滑に進めることができる点で好ましい。また、反応温度が100℃以下であると、副反応を抑制できるとともに、使用できる開始剤や溶剤に関する制限が緩和される点で好ましい。
NMP法では、ニトロキシドを有する特定のアルコキシアミン化合物等をリビングラジカル重合開始剤として用い、リビングラジカル重合開始剤に由来するニトロキシドラジカルを介して重合を進行させる。ブロック共重合体BLの製造において、用いるニトロキシドラジカルの種類に特に制限はなく、商業的に入手可能のニトロキシド系重合開始剤を用いることができる。アクリレートを含む単量体を重合する際の重合制御性の観点から、ニトロキシド化合物として下記式(2)で表される化合物を用いることが好ましい。
Figure 2022143328000003
(式(2)中、Rは炭素数1~2のアルキル基又は水素原子であり、Rは炭素数1~2のアルキル基又はニトリル基であり、Rは-(CH)m-、mは0~2の整数であり、R及びRは、それぞれ独立に炭素数1~4のアルキル基である。式中の複数のRは、互いに同一でも異なっていてもよい。)
上記式(2)で表されるニトロキシド化合物は、70~80℃程度の加熱により一次解離し、ビニル系単量体と付加反応を起こす。この際、2以上のビニル基を有するビニル系単量体にニトロキシド化合物を付加することにより多官能性の重合前駆体を得ることが可能である。次いで、上記重合前駆体を加熱下で二次解離することにより、ビニル系単量体をリビング重合することができる。この場合、重合前駆体は分子内に2以上の活性点を有するため、より分子量分布の狭い重合体を得ることができる。M-N-M型構造のブロック共重合体を効率的に得やすい観点から、分子内に活性点を2つ有する二官能型の重合前駆体を用いることが好ましい。ニトロキシド化合物の使用量は、用いる単量体及びニトロキシド化合物の種類等により適宜調整される。
ブロック共重合体BLをNMP法により製造する場合、上記式(2)で表されるニトロキシド化合物1モルに対し、下記式(3)で表されるニトロキシドラジカルを0.001~0.2モルの範囲で添加して重合を行ってもよい。
Figure 2022143328000004
(式(3)中、R及びRは、それぞれ独立に炭素数1~4のアルキル基である。式中の複数のRは互いに同一でも異なっていてもよく、式中の複数のRは互いに同一でも異なっていてもよい。)
上記式(3)で表されるニトロキシドラジカルを0.001モル以上添加することにより、ニトロキシドラジカルの濃度が定常状態に達する時間を短縮することができる。これにより、重合をより高度に制御することが可能となり、より分子量分布の狭い重合体を得ることができる点で好ましい。一方、ニトロキシドラジカルの添加量が多すぎると重合が進行しない場合がある。ニトロキシド化合物1モルに対するニトロキシドラジカルのより好ましい添加量は、0.01~0.5モルの範囲であり、更に好ましい添加量は0.05~0.2モルの範囲である。
NMP法における反応温度は、好ましくは50℃以上140℃以下であり、より好ましくは60℃以上130℃以下であり、さらに好ましくは70℃以上120℃以下であり、特に好ましくは80℃以上120℃以下である。反応温度が50℃以上であれば、重合反応を円滑に進めることができる。一方、反応温度が140℃以下であれば、ラジカル連鎖移動等の副反応が抑制される傾向がある。
ATRP法では、一般に有機ハロゲン化物を開始剤とし、触媒に遷移金属錯体を用いて重合反応が行われる。開始剤である有機ハロゲン化物は、一官能性のものを用いてもよいし、二官能以上のものを用いてもよい。M-N-M型構造のブロック共重合体を効率的に得やすい点では、二官能性の化合物を用いることが好ましい。ハロゲンの種類としては臭化物及び塩化物が好ましい。ATRP法における反応温度は、好ましくは20℃以上200℃以下であり、より好ましくは50℃以上150℃以下である。反応温度を20℃以上とすると、重合反応を円滑に進めることができる点で好ましい。
リビングラジカル重合法により、重合体ブロックM/アクリル系重合体ブロックN/重合体ブロックMからなるトリブロック共重合体を得る場合、例えば、各ブロックを順次重合することにより目的とするブロック共重合体を得てもよい。この場合、まず、第1重合工程として、重合体ブロックMの構成単量体を用いて重合体ブロックMを得る。次いで、第2重合工程として、アクリル系重合体ブロックNの構成単量体を用いてアクリル系重合体ブロックNを得る。さらに、第3重合工程として、重合体ブロックMの構成単量体を用いて重合することによりM-N-M型構造のトリブロック共重合体を得ることができる。重合開始剤としては、上記した一官能性の重合開始剤又は重合前駆体を用いることが好ましい。
以下に示す二段階の重合工程を含む方法により製造した場合は、より効率的に目的物が得られる点で好ましい。すなわち、第1重合工程として、重合体ブロックMの構成単量体を用いて重合体ブロックMを得た後、第2重合工程として、アクリル系重合体ブロックNの構成単量体を重合してアクリル系重合体ブロックNを得る。これにより、重合体ブロックM-アクリル系重合体ブロックN-重合体ブロックMからなる、M-N-M型構造のトリブロック共重合体を得ることができる。この場合、重合開始剤として、二官能性の重合開始剤又は重合前駆体を用いることが好ましい。この方法によれば、各ブロックを順次重合して製造する場合に比較して工程を簡略化することができる。
ブロック共重合体BLの重合は、必要に応じて連鎖移動剤の存在下で実施してもよい。連鎖移動剤は公知のものを使用することができ、具体的には、エタンチオール、1-プロパンチオール、2-プロパンチオール、1-ブタンチオール、2-ブタンチオール、1-ヘキサンチオール、2-ヘキサンチオール、2-ブチルブタン-1-チオール、1,1-ジメチル-1-ペンタンチオール、1-ドデカンチオール、tert-テトラデカンチオール、1-ヘキサデカンチオール及び1-オクタデカンチオール等の炭素数2~20のアルキル基を有するアルキルチオール化合物の他、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、2-メルカプトエタノール等が挙げられる。連鎖移動剤としては、これらのうちの1種又は2種以上を用いることができる。
ブロック共重合体BLの製造に際しては、リビングラジカル重合において公知の重合溶媒を用いることができる。具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン及びアニソール等の芳香族化合物;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル及び酢酸ブチル等のエステル化合物;アセトン及びメチルエチルケトン等のケトン化合物;ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、アルコール、水等が挙げられる。また、重合溶媒を使用せず、塊状重合等の態様で行ってもよい。
(アクリル系粘着性ポリマー(A)の分子量特性)
アクリル系粘着性ポリマー(A)のMwは、十分な凝集力と良好な接着性とを発揮するようにする観点から、100,000以上であることが好ましい。アクリル系粘着性ポリマー(A)のMwが100,000以上であると、十分な接着性及び耐溶剤性を確保することができる。アクリル系粘着性ポリマー(A)のMwは、より好ましくは120,000以上であり、更に好ましくは150,000以上であり、より更に好ましくは200,000以上である。
アクリル系粘着性ポリマー(A)のMwの上限は特に限定されないが、粘着シートの形成時に良好な塗工性及び取扱い性を確保し、更に製造容易性を確保する観点から、3,000,000以下であることが好ましく、2,000,000以下であることがより好ましく、1,500,000以下であることが更に好ましい。アクリル系粘着性ポリマー(A)のMwの範囲は、好ましくは100,000以上3,000,000以下であり、より好ましくは150,000以上2,000,000以下であり、更に好ましくは200,000以上1,500,000以下である。なお、本明細書において、重合体の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算値である。
アクリル系粘着性ポリマー(A)につき、MwとMnとの比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、良好な接着性が得られやすい点、及び粘着剤組成物の高粘度化を抑制する点から、10.0以下が好ましく、9.0以下がより好ましい。アクリル系粘着性ポリマー(A)のMw/Mnの下限は特に限定されず、1.0以上とすることができる。
<光重合開始剤>
本粘着シートの粘着剤層には光重合開始剤が含まれる。光重合開始剤は、活性エネルギー線の照射によりラジカルを発生する化合物である。活性エネルギー線としては、紫外線、可視光線、及び電子線等を挙げることができ、好ましくは紫外線又は電子線である。
光重合開始剤としては、公知の光開始型ラジカル重合開始剤を用いることができる。光重合開始剤としては、分子の分解によりラジカルを生成する分子内開裂型のラジカル重合開始剤、他の分子から水素を引き抜いてラジカルを生成する水素引き抜き型のラジカル重合開始剤が挙げられる。
分子内開裂型のラジカル重合開始剤の具体例としては、ジエトキシアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、ベンジルジメチルケタール、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、2-メチル-2-モルホリノ(4-メチルチオフェニル)プロパン-1-オン、及び2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン等のアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、及びベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類;2,4,6-トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド類;等が挙げられる。
水素引き抜き型のラジカル重合開始剤としては、ベンゾフェノン、2-メチルベンゾフェノン、3-メチルベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、4-フェニルベンゾフェノン、4-(メチルフェニルチオ)フェニルフェニルメタン、メチル-2-ベンゾフェノン、1-[4-(4-ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル]-2-メチル-2-(4-メチルフェニルスルフォニル)プロパン-1-オン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、及び4-メトキシ-4’-ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;チオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1-クロロ-4-プロピルチオキサントン、3-[3,4-ジメチル-9-オキソ-9H-チオキサントン-2-イル-オキシ]-2-ヒドロキシプロピル-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロライド、及びフルオロチオキサントン等のチオキサントン類;のほか、ベンジルケタール、アントラキノン、エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、キサントン、及びヒドロキシアセトフェノン等が挙げられる。
本粘着シートの粘着剤層に含有させる光重合開始剤としては、活性エネルギー線の照射によって(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルを利用した架橋反応をより促進させることができる点で、これらのうち、水素引き抜き型のラジカル重合開始剤を好ましく使用することができる。なお、本粘着シートに照射する活性エネルギー線による感度を向上させるために、必要に応じて、安息香酸系やアミン系の光増感剤を併用してもよい。なお、光重合開始剤としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
粘着剤層における光重合開始剤の含有量は、アクリル系粘着性ポリマー(A)100質量部に対して、0.01質量部以上が好ましい。光重合開始剤の含有量が0.01質量部以上であると、活性エネルギー線の照射によって粘着剤層中に発生したラジカルにより、アクリル酸アルコキシアルキルエステルを利用した架橋構造の形成を行わせることができる点で好適である。こうした観点から、粘着剤層に含まれる光重合開始剤の量は、アクリル系粘着性ポリマー(A)100質量部に対して、0.05質量部以上がより好ましく、0.1質量部以上が更に好ましい。また、活性エネルギー照射後に架橋構造が過剰に形成されることによって粘着特性が低下することを抑制する観点から、粘着剤層に含まれる光重合開始剤の量は、アクリル系粘着性ポリマー(A)100質量部に対して、15質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましく、5質量部以下が更に好ましい。なお、ここでいう光重合開始剤の含有量は、本粘着シートに対して活性エネルギー線を照射する前の粘着剤層中の光重合開始剤の量である。
(反応性不飽和化合物)
本粘着シートは、粘着剤層中に反応性不飽和結合を有する化合物(以下、「反応性不飽和化合物」ともいう。)を含まず、この点において、活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物を用いて粘着剤層が形成される粘着シートとは異なる。ここで、活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物とは、紫外線等の活性エネルギー線によって硬化する、いわゆるシロップ型の硬化型粘着剤組成物である。活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物に含有されるアクリル系粘着性ポリマーシロップは、活性エネルギー線が照射されることによって、粘着剤層を構成するアクリル系粘着性ポリマーを生成する。このアクリル系粘着性ポリマーシロップは、粘着剤層に含まれるアクリル系粘着性ポリマーのうち一部を構成することとなるポリマー成分と、その残余を構成することとなる単量体成分とを含有する。なお、この単量体成分は、本発明の反応性不飽和化合物に相当する。反応性不飽和化合物の具体例としては、アクリル系粘着性ポリマー(A)を構成する単量体として例示した化合物、多官能(メタ)アクリル系化合物が挙げられる。
ただし、本明細書において「反応性不飽和結合を有する化合物を含まず」とは、本粘着シートの粘着剤層中に反応性不飽和化合物が本発明の効果を損なわない程度に微量に含まれることは許容する意味である。具体的には、本粘着シートの粘着剤層において、反応性不飽和化合物の含有量は、粘着剤層の全量に対し0.5質量%以下であり、好ましくは0.2質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下である。また、本粘着シートの粘着剤層は、反応性不飽和結合を1分子内に2個以上有する化合物(例えば、多官能(メタ)アクリル系単量体)を含まない。具体的には、本粘着シートの粘着剤層において、反応性不飽和結合を1分子内に2個以上有する化合物の含有量は、粘着剤層の全量に対し、好ましくは0.2質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下、更に好ましくは0.05質量%以下である。
≪粘着シートの製造≫
本粘着シートは、アクリル系粘着性ポリマー(A)と光重合開始剤とを含有する粘着剤組成物(以下、「本粘着剤組成物」ともいう。)を用いて粘着剤層を形成する工程を含む方法により製造することができる。本粘着剤組成物は、上述したアクリル系粘着性ポリマー(A)と光重合開始剤とを含む限り特段の制約はないが、更に溶剤を含む溶剤型の粘着剤組成物であることが好ましい。
<粘着剤組成物>
本粘着剤組成物に含まれる溶剤は、アクリル系粘着性ポリマー(A)を溶解可能な有機溶媒であることが好ましい。有機溶媒の具体例としては、例えば、非プロトン性極性溶媒、フェノール系溶媒、アルコール系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、及び炭化水素系溶媒等が挙げられる。有機溶媒は、これらの1種でもよく、2種以上の混合溶媒であってもよい。本粘着剤組成物に含まれる溶剤は、好ましくは、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルメチルケトン及びトルエンよりなる群から選択される少なくとも1種である。
本粘着剤組成物における光重合開始剤の含有量は、アクリル系粘着性ポリマー(A)100質量部に対して、0.01質量部以上が好ましい。光重合開始剤の含有量が0.01質量部以上であると、活性エネルギー線の照射により、粘着剤層中に十分な量のラジカルを発生でき、アクリル酸アルコキシアルキルエステルを利用した架橋構造の形成を十分に行わせることができる点で好適である。本粘着剤組成物に含まれる光重合開始剤の量は、アクリル系粘着性ポリマー(A)100質量部に対して、0.05質量部以上がより好ましく、0.1質量部以上が更に好ましい。また、過剰な架橋により粘着性能が低下することを抑制する観点から、本粘着剤組成物における光重合開始剤の含有量は、アクリル系粘着性ポリマー(A)100質量部に対して、15質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましく、5質量部以下が更に好ましい。
本粘着剤組成物は、本発明の効果を妨げない範囲において、アクリル系粘着性ポリマー(A)、光重合開始剤及び溶剤とは異なる成分(以下、「その他の成分」ともいう。)を更に含有してもよい。その他の成分としては、架橋剤、粘着付与剤、可塑剤等が挙げられる。
(架橋剤)
アクリル系粘着性ポリマー(A)が架橋性官能基を有する場合、架橋性官能基と反応可能な架橋剤を粘着剤組成物に配合することにより、本粘着シートの粘着剤層のゲル分率を調整してもよい。
架橋剤(硬化剤)としては、グリシジル基を2つ以上有するグリシジル化合物、イソシアネート基を2つ以上有するイソシアネート化合物、アジリジニル基を2つ以上有するアジリジン化合物、オキサゾリン基を有するオキサゾリン化合物、金属キレート化合物、ブチル化メラミン化合物等が挙げられる。これらの中でも、高温条件下における粘着物性に優れる点でイソシアネート化合物が好ましい。
架橋剤の具体例として、グリシジル化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、テトラグリシジルキシレンジアミン、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等の多官能グリシジル化合物が挙げられる。
イソシアネート化合物としては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、p-フェニレンジイソシアネート(PPDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、及びトリジンジイソシアネート(TODI)等の芳香族イソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、及びリシンジイソシアネート(LDI)等の脂肪族イソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、水添化XDI(H6XDI)、及び水添化MDI(H12MDI)等の脂環族イソシアネート化合物;ウレタン変性体、2量体、3量体、カルボジイミド変性体、ウレア変性体、イソシアヌレート変性体、オキサゾリドン変性体、及びイソシアネート基末端プレポリマー等の変性イソシアネート化合物等が挙げられる。
アジリジン化合物としては、1,6-ビス(1-アジリジニルカルボニルアミノ)ヘキサン、1,1’-(メチレン-ジ-p-フェニレン)ビス-3,3-アジリジル尿素、エチレンビス-(2-アジリジニルプロピオネート)、2,4,6-トリアジリジニル-1,3,5-トリアジン、トリメチロールプロパン-トリス(2-アジリジニルプロピオネート)等が挙げられる。
本粘着剤組成物における架橋剤の含有量は、本粘着シートの凹凸追従性を良好にする観点から、アクリル系粘着性ポリマー(A)の含有量100質量部に対して、好ましくは0~0.3質量部、より好ましくは0~0.2質量部である。
(粘着付与剤)
本粘着剤組成物は、更に粘着付与剤を含有していてもよい。粘着付与剤としては、例えば、ロジンエステル、ガムロジン、トール油ロジン、水添ロジンエステル、マレイン化ロジン、及び不均化ロジンエステル等のロジン誘導体;テルペンフェノール樹脂、α-ピネン、β-ピネン、又はリモネン等を主体とするテルペン系樹脂;クマロン-インデン系樹脂、水素化芳香族コポリマー、フェノール系樹脂等が挙げられる。粘着付与剤は、1種単独で使用されてもよく、2種以上が併用されてもよい。粘着付与剤の含有量は、アクリル系粘着性ポリマー(A)100質量部に対して、好ましくは0~20質量部であり、より好ましくは0~10質量部であり、更に好ましくは0~5質量部である。
(可塑剤)
本粘着剤組成物には、可塑剤が配合されていてもよい。可塑剤としては、ジn-ブチルフタレート、ジn-オクチルフタレート、ビス(2-エチルヘキシル)フタレート、ジn-デシルフタレート等のフタル酸エステル類;ビス(2-エチルヘキシル)アジペート、ジn-オクチルアジペート等のアジピン酸エステル類;セバシン酸エステル類;アゼライン酸エステル類;塩素化パラフィン等のパラフィン類;ポリプロピレングリコール等のグリコール類;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等のエポキシ変性植物油類;トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;トリフェニルホスファイト等の亜リン酸エステル類;アジピン酸と1,3-ブチレングリコールとのエステル化物等のエステルオリゴマー類;低分子量ポリブテン、低分子量ポリイソブチレン、低分子量ポリイソプレン等の低分子量重合体;プロセスオイル、ナフテン系オイル等のオイル類等が挙げられる。可塑剤の含有量は、アクリル系粘着性ポリマー(A)100質量部に対して、好ましくは0~20質量部であり、より好ましくは0~10質量部であり、更に好ましくは0~5質量部である。
その他、本粘着剤組成物に配合される添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、難燃剤、防かび剤、シランカップリング剤、充填剤、着色剤等が挙げられる。添加剤の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲において、各種化合物に応じて適宜設定することができる。
本粘着剤組成物が溶剤型である場合、粘着剤組成物における固形分濃度(すなわち、粘着剤組成物の全体質量に対する、粘着剤組成物中の溶剤以外の成分の質量の割合)は、特に限定されないが、好ましくは1~70質量%である。固形分濃度が1質量%以上であると、十分な厚みを有する粘着剤層を形成することができる。また、固形分濃度が70質量%以下であると、良好な塗工性を確保でき、また均一な厚みの粘着剤層を形成しやすい。粘着剤組成物における固形分濃度は、より好ましくは5~50質量%であり、更に好ましくは10~45質量%である。
本粘着剤組成物の粘度は、500~10,000mPa・sであることが好ましい。粘度が10,000mPa・s以下であると、良好な塗工性を確保することができる。また、塗工する際に塗工に適した粘度まで希釈せずにそのまま用いることができ、取扱い性が良好である。こうした観点から、本粘着剤組成物の粘度は、より好ましくは8,000mPa・s以下であり、更に好ましくは6,000mPa・s以下である。また、本粘着剤組成物の粘度の下限について、膜厚が薄くなりすぎることを抑制する観点から、より好ましくは1,000mPa・s以上であり、更に好ましくは1,500mPa・s以上である。なお、粘着剤組成物の粘度は、B型粘度計を使用して、固形分濃度25%の粘着剤組成物を25℃で測定した値である。
<粘着剤層の形成>
本粘着シートにおける粘着剤層は、本粘着剤組成物をセパレーター等に塗工し、必要に応じて乾燥処理を行うことにより形成することができる。セパレーターとしては、各種樹脂材料からなる樹脂フィルムを用いることができる。樹脂フィルムを構成する樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、アセテート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。
溶剤型の粘着剤組成物を用いて粘着剤層を形成する場合、まず、本粘着剤組成物を公知の塗工方法によりセパレーターに塗工し、好ましくは加熱等の乾燥処理を行うことによって溶剤を除去することにより行う。なお、粘着剤層を形成する際の加熱温度及び加熱時間は溶剤を除去可能であればよく、本粘着剤組成物に含まれる溶剤の種類や固形分濃度等に応じて適宜設定され得る。粘着剤層の厚さは、例えば2~200μmである。また、粘着剤層を所望の厚さにするために、複数の薄膜を積層することによって粘着剤層を形成してもよい。
こうして得られる本粘着シートの一態様は、剥離強度の異なる2種のセパレーターにより粘着剤層が挟持された、いわゆる基材レスの態様である。また、本粘着シートは、粘着剤層の一方の面に基材が配置され他方にセパレーターが配置された構成を有していてもよい。粘着シートの形状についても特段の制限はなく、使用態様に応じて適宜設定され得る。粘着シートは、例えば枚葉状であってもよく、ロール状であってもよく、短冊状に裁断されていてもよい。また、接着箇所に応じた任意の形状を有していてもよい。
<ゲル分率(硬化前)>
本粘着シートの粘着剤層は、アクリル系粘着性ポリマー(A)に基づくゲル分率が20%未満である。粘着剤層のゲル分率を20%未満とすることにより、良好な凹凸追従性を示す粘着シートを得ることができる。なお、ここでいうゲル分率は、本粘着シートに活性エネルギー線を照射して粘着剤層を硬化する前のゲル分率である。本粘着シートの凹凸追従性を優れたものとする観点から、粘着剤層のゲル分率は15%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、7%以下が更に好ましく、5%以下がより更に好ましく、2%以下が一層好ましい。なお、本明細書において、粘着剤層のゲル分率は、粘着剤層の初期質量W1に対する、溶剤浸漬後に残った粘着剤層残分の質量W2の比率である。詳細は、後述する実施例の測定方法に従う。
<積層体の製造方法>
本粘着シートは、被着体に貼り合わされた後に活性エネルギー線が照射されることにより粘着剤層が硬化し、これにより被着体との接着性が向上する。例えば、本粘着シートにより第1被着体と第2被着体とを接着するには、まず、粘着剤層を挟持するように第1被着体及び第2被着体を配置して、第1被着体/粘着剤層/第2被着体からなる積層体とする。続いて、この積層体に活性エネルギー線を照射し、粘着剤層を硬化させる(硬化工程)。これにより、第1被着体と第2被着体とが接着剤層を介して高い接着力により接着された積層体を得ることができる。
粘着剤層に照射する活性エネルギー線としては、紫外線、可視光線、及び電子線等を挙げることができる。これらのうち、好ましくは紫外線又は電子線である。活性エネルギー線の照射は、本粘着剤組成物を塗工した基材における一方の面のみに対して行ってもよく、両方の面に対して行ってもよい。照射エネルギーは、活性エネルギー線の種類や粘着剤層の配合組成等に応じて適宜設定することができる。
例えば、活性エネルギー線として紫外線を用いる場合、その波長は、例えば250~400nmである。紫外線照射装置としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、紫外線無電極ランプ、紫外線発光ダイオード(UV-LED)等が挙げられる。積算光量は、500mJ/cm以上が好ましく、1,000mJ/cm以上がより好ましく、1,500mJ/cm以上が更に好ましい。また、積算光量の上限については、粘着剤層中の各成分に与える影響をできるだけ抑える観点及びエネルギー低減の観点から、100,000mJ/cm以下が好ましく、50,000mJ/cm以下がより好ましい。
また、紫外線の照度及び照射時間は、積算光量が所望の量になるように適宜設定することができる。例えば照度は、1.0mW/cm以上が好ましく、2.0mW/cm以上がより好ましく、3.0mW/cm以上が更に好ましい。また、照度の上限については、150mW/cm以下が好ましく、120mW/cm以下がより好ましく、100mW/cm以下が更に好ましい。
活性エネルギー線として電子線を用いる場合、電子線照射装置としては特に限定されないが、例えばコッククロフト・ワルトン型、バンデグラーフ型及び共振変圧器型の装置等が挙げられる。電子線の吸収線量としては、1~200kGyが好ましく、10~100kGyがより好ましい。電子線の加速電圧は、基材の膜厚に応じて80~300kVの範囲で適宜設定すればよい。電子線照射雰囲気の酸素濃度は、500ppm以下が好ましく、300ppm以下がより好ましい。
<ゲル分率(硬化後)>
本粘着シートの粘着剤層は、活性エネルギー線の照射により硬化し、これにより凝集力が向上し、また耐溶剤性及び耐油性が向上する。活性エネルギー線の照射により粘着剤層を硬化させた後において、粘着剤層のアクリル系粘着性ポリマー(A)に基づくゲル分率は20%以上であることが好ましい。凝集力を向上させて接着性能の向上を図るとともに、耐溶剤性を向上させる観点から、硬化後における粘着剤層のゲル分率は、30%以上がより好ましく、50%以上が更に好ましく、60%以上がより更に好ましく、65%以上が一層好ましい。なお、ここでいう硬化後における粘着剤層のゲル分率は、光重合開始剤が分解する照射条件で活性エネルギー線を照射したときのゲル分率であり、具体的な照射条件は、例えば後述する実施例に記載の照射条件とすることができる。硬化後における粘着剤層のゲル分率は、アクリル系粘着性ポリマー(A)における(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルに由来する構造単位の含有量等によって調整することができる。
こうして得られる本粘着シートは、幅広い用途における粘着剤として適用することができる。具体的には、例えば衣料品(服飾雑貨を含む。)、スポーツ用品(例えば、スポーツウェアやスポーツ靴、スポーツ手袋、バットやラケットのグリップ等)、医療用品(例えば、サポーターやコルセット等)、自動車用内装品又は外装品、アウトドア用品、手芸用品、玩具類、生活雑貨、家庭用品、家具類等の種々の用途における粘着剤として利用することができる。
例えば、本粘着シートを、繊維生地どうしを貼り付けるための粘着剤としての用途に使用する場合、適用される繊維生地は特に制限されず、例えば、ポリエステル、ポリアミド及びアクリル繊維等の合成繊維;レーヨン、キュプラ等の再生繊維;アセテート等の半合成繊維;木綿、麻、羊毛等の天然繊維等が挙げられる。また、本粘着シートを用いて製造される繊維製品についても特に限定されず、例えば、日常着用している洋服や和服、民族服、下着(例えば、無縫製でのランジェリー製品やインナー製品等)、上着、トップス、ボトムス、アウトドア用品、作業着、制服、礼服、水着、スポーツウェア、靴下、帽子、靴等といった幅広い用途の衣料品の製造時や手芸用途等に、粘着剤として利用することができる。
また、本粘着シートを、加飾フィルムを成形体に貼り付けるための粘着剤としての用途に使用する場合、加飾フィルムが接着される成形体は特に限定されるものではなく、例えば樹脂製品、金属製品、セラミック製品、ガラス製品等といった、加飾フィルムを接着することが可能な物品であればよい。具体的には、例えば、生活家電、キッチン家電、健康家電、季節家電等の各種家電製品;トイレ、浴室、扉、壁等の住宅設備の内装・外装部材;バンパー、ダッシュボード、ドア、ルーフ、ボンネット等の自動車内装品及び自動車外装品;生活雑貨、日用雑貨等の各種雑貨品;電子部品;介護・医療用品;船舶や航空機の内外装品等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下において「部」及び「%」は、特に断らない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。実施例及び比較例で使用した重合体の分析方法は以下のとおりである。
<分子量測定>
ゲル浸透クロマトグラフ装置(型式名「HLC-8320」、東ソー社製)を用いて、下記の条件よりポリスチレン換算による数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を得た。また、得られた値から分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
○測定条件
カラム:東ソー社製TSKgel SuperMultiporeHZ-M×4本
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
検出器:RI
流速:600μL/min
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
重合体のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計を用いて得られた熱流束曲線のベースラインと、変曲点での接線との交点から決定した。熱流束曲線は、試料約10mgを-50℃まで冷却し、5分間保持した後、10℃/minで300℃まで昇温し、引き続き-50℃まで冷却し、5分間保持した後、10℃/minで350℃まで昇温する条件で得た。
測定機器:エスアイアイ・ナノテクノロジー社製DSC6220
測定雰囲気:窒素雰囲気下
なお、重合体ブロックM及びアクリル系重合体ブロックNのガラス転移温度は、重合体ブロックMからなる重合体及びアクリル系重合体ブロックNからなる重合体をそれぞれ製造し、上記の測定方法に従い示差走査熱量(DSC)測定を行うことにより求めた。
<重合体のモノマー組成の計算>
得られた重合体のモノマー組成は、仕込み量とガスクロマトグラフ(GC)測定によるモノマー消費量とから計算した。
1.アクリル系粘着性ポリマー(A)の合成
[合成例1]実施例1~6及び比較例2、3に用いた重合体A-1
内容積3リットルの4つ口フラスコに、アクリル酸2-メトキシエチル(以下、「MEA」ともいう。)(421質量部)、アクリル酸2-ヒドロキシエチル(以下、「HEA」ともいう。)(21質量部)、アクリル酸n-ブチル(以下、「BA」ともいう。)(78質量部)、及び酢酸エチル(770質量部)を仕込んだ。この混合液を窒素ガスのバブリングにより十分に脱気し、混合液の内温を75℃に上昇し、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(和光純薬社製、以下、「V-65」ともいう。)(0.35質量部)を仕込み重合を開始した。5時間後、固形分が30質量%になるように酢酸エチルを追加して、重合体A-1の酢酸エチル溶液を得た。得られた重合体A-1は、MEA80質量%、BA15質量%、及びHEA5質量%からなり、Mw80万、Mw/Mn8.7、Tg=-35℃であった。
[合成例2]実施例7~9に用いた重合体A-2
攪拌機、温度計を装着した1Lフラスコに、RAFT剤としてジベンジルトリチオカーボネート(以下、「DBTTC」ともいう。)(3.18質量部)、重合開始剤として2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)(以下、「ABN-E」ともいう。)(0.51質量部)、単量体としてスチレン(以下、「St」ともいう。)(75質量部)、及びN-フェニルマレイミド(以下、「PhMI」ともいう。)(125質量部)、溶媒としてアセトニトリル(466質量部)を仕込み、窒素バブリングで十分脱気し、70℃の恒温槽で重合を開始した。3時間後、室温まで冷却して反応を停止した。得られた重合溶液をメタノールから再沈殿精製、真空乾燥することで重合体ブロックMを得た。得られた重合体ブロックMは、Mn10,900、Tg=206℃であった。
次に、攪拌機、温度計を装着した1Lフラスコに、得られた重合体ブロックM(21.1質量部)、重合開始剤としてABN-E(0.08質量部)、単量体としてMEA(234質量部)、BA(51質量部)、及びHEA(15質量部)、溶媒としてアセトニトリル(107質量部)を仕込み、窒素バブリングで十分脱気し、70℃の恒温槽で重合を開始した。6時間後、室温まで冷却し、アセトニトリルを追加することで固形分濃度が30質量%になるように調整し、重合体ブロックMとアクリル系重合体ブロックNとを有するM-N-Mトリブロック共重合体(これを重合体A-2とする。)のアセトニトリル溶液を得た。得られた重合体A-2は、Mw28万、Mw/Mn1.8であった。アクリル系重合体ブロックNのTgは-34℃であった。
[合成例3]実施例10に用いた重合体A-3
内容積2リットルの4つ口フラスコに、MEA(255質量部)、BA(30質量部)、HEA(15質量部)、酢酸エチル(520質量部)を仕込んだ。この混合液を窒素ガスのバブリングにより十分に脱気し、混合液の内温を40℃に上昇し、V-65(11.4質量部)を仕込み重合を開始した。4時間後、固形分が30質量%になるように酢酸エチルを追加して、重合体A-3の酢酸エチル溶液を得た。得られた重合体A-3は、MEA80質量%、BA15質量%、及びHEA5質量%からなり、Mw52万、Mw/Mn6.5、Tg=-35℃であった。
[合成例4]実施例11に用いた重合体A-4
内容積3リットルの4つ口フラスコに、MEA(312質量部)、HEA(21質量部)、BA(182質量部)、及び酢酸エチル(770質量部)を仕込んだ。この混合液を窒素ガスのバブリングにより十分に脱気し、混合液の内温を75℃に上昇し、V-65(0.35質量部)を仕込み重合を開始した。5時間後、固形分が30質量%になるように酢酸エチルを追加して、重合体A-4の酢酸エチル溶液を得た。得られた重合体A-4は、MEA60質量%、BA35質量%、及びHEA5質量%からなり、Mw80万、Mw/Mn8.7、Tg=-37℃であった。
[合成例5]実施例12に用いた重合体A-5
内容積3リットルの4つ口フラスコに、MEA(208質量部)、HEA(21質量部)、BA(286質量部)、及び酢酸エチル(770質量部)を仕込んだ。この混合液を窒素ガスのバブリングにより十分に脱気し、混合液の内温を75℃に上昇し、V-65(0.35質量部)を仕込み重合を開始した。5時間後、固形分が30質量%になるように酢酸エチルを追加して、重合体A-5の酢酸エチル溶液を得た。得られた重合体A-5は、MEA40質量%、BA55質量%、及びHEA5質量%からなり、Mw73万、Mw/Mn8.0、Tg=-39℃であった。
[合成例6]実施例13に用いた重合体A-6
内容積3リットルの4つ口フラスコに、MEA(104質量部)、HEA(21質量部)、BA(309質量部)、及び酢酸エチル(770質量部)を仕込んだ。この混合液を窒素ガスのバブリングにより十分に脱気し、混合液の内温を75℃に上昇し、V-65(0.35質量部)を仕込み重合を開始した。5時間後、固形分が30質量%になるように酢酸エチルを追加して、重合体A-6の酢酸エチル溶液を得た。得られた重合体A-6は、MEA20質量%、BA75質量%、及びHEA5質量%からなり、Mw75万、Mw/Mn8.1、Tg=-40℃であった。
[合成例7]実施例14に用いた重合体A-7
内容積3リットルの4つ口フラスコに、アクリル酸2-エトキシエチル(以下、「EEA」ともいう。)(420質量部)、HEA(21質量部)、BA(78質量部)、及び酢酸エチル(770質量部)を仕込んだ。この混合液を窒素ガスのバブリングにより十分に脱気し、混合液の内温を75℃に上昇し、V-65(0.35質量部)を仕込み重合を開始した。5時間後、固形分が30質量%になるように酢酸エチルを追加して、重合体A-7の酢酸エチル溶液を得た。得られた重合体A-7は、EEA80質量%、BA15質量%、及びHEA5質量%からなり、Mw78万、Mw/Mn8.7、Tg=-56℃であった。
[合成例8]実施例15に用いた重合体A-8
内容積3リットルの4つ口フラスコに、MEA(182質量部)、HEA(21質量部)、アクリル酸メチル(以下、「MA」ともいう。)(312質量部)、及び酢酸エチル(770質量部)を仕込んだ。この混合液を窒素ガスのバブリングにより十分に脱気し、混合液の内温を75℃に上昇し、V-65(0.35質量部)を仕込み重合を開始した。5時間後、固形分が30質量%になるように酢酸エチルを追加して、重合体A-8の酢酸エチル溶液を得た。得られた重合体A-8は、MA60質量%、MEA35質量%、及びHEA5質量%からなり、Mw76万、Mw/Mn8.4、Tg=-10℃であった。
[合成例9]比較例1に用いた重合体A-9
内容積3リットルの4つ口フラスコに、HEA(24質量部)、BA(506質量部)、及び酢酸エチル(974質量部)を仕込んだ。この混合液を窒素ガスのバブリングにより十分に脱気し、混合液の内温を75℃に上昇し、V-65(0.25質量部)を仕込み重合を開始した。5時間後、固形分が30質量%になるように酢酸エチルを追加して、重合体A-9の酢酸エチル溶液を得た。得られた重合体A-9は、BA95質量%、及びHEA5質量%からなり、Mw47万、Mw/Mn5.4、Tg=-41℃であった。
2.粘着剤組成物の調製及び粘着シートの製造
[実施例1]
合成例1で得られた重合体A-1の酢酸エチル溶液に、分子内開裂型である光重合開始剤「ESACURE ONE」(DKSHジャパン株式会社より購入)を、重合体A-1(固形分換算で100質量部)に対して0.1質量部添加して粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)製セパレーター上に、乾燥後の粘着剤層の厚みが100μmとなるように塗布した。粘着剤組成物を100℃で6分間乾燥することにより酢酸エチルを除去した。乾燥後、上記セパレーターとは剥離力の異なる厚さ38μmのPET製セパレーターを貼り合わせて、両面セパレーター付き粘着シート試料を得た。得られた粘着シート試料を用いて、以下に示す方法により各種評価を行った。評価結果を表1に示す。
<評価方法>
・ゲル分率測定(UV照射前)
粘着シート試料の粘着剤層から粘着剤を0.2g採取し、粘着剤の初期質量を秤量した。その粘着剤を50gの酢酸エチルに浸漬し、室温で16時間静置した。その後、200メッシュ金網でろ過し、メッシュに残った残分を80℃で3時間乾燥し、秤量した。初期の質量と残分の質量とから、下式によりアクリル系粘着性ポリマー(A)に基づくゲル分率を算出した。
ゲル分率(%)=(残分の質量)/[(初期の質量)×(アクリル系粘着性ポリマー(A)の固形分)/(粘着剤組成物全体の固形分)]×100
・ゲル分率測定(UV照射後)
粘着シートの上にポリエステル生地を置いた状態で、ポリエステル生地越しに、以下のUV照射条件によりUV照射処理し、UV照射処理後の粘着シート試料について、上記と同様の方法によりゲル分率測定を実施した。
(UV照射条件)
圧着後の積層体にシーシーエス(株)製UV-LED面照射装置(型式:HLDL-470X370U65PSCSP)を用いて、波長365nm、照度50mW/cmで10分間照射した。なお、照度及び積算光量の測定には、ウシオ電機社製 紫外線積算光量計「UIT-250」(受光部の中心波長:365nm)を使用した。
・凹凸追従性評価
10mm幅にカットした粘着シート試料によりポリエステル生地2枚を貼り合わせ、ポリエステル生地/粘着シート試料/ポリエステル生地の順に積層されてなる積層体を得た。得られた積層体を熱プレス処理(条件:130℃、3kg/cm、10秒間)により圧着し、圧着した後の積層体を手で剥がした際に、粘着剤内部で破壊しながら剥がれるものは生地への凹凸追従性が良好として「○」、生地界面で剥がれるものは凹凸追従性が不十分として「×」と判断した。
・耐溶剤性評価
上記凹凸追従性評価と同様の操作により製造し、その後UV照射した積層体を250mLのガラス瓶に入れ、そこにパークロロエチレンを200mL加えてMIXローターで1時間攪拌した後に、試験片を130℃で5分間乾燥して、粘着剤部分の剥がれの有無を評価した。剥がれが確認されなかったものを「○」、剥がれが確認されたものを「×」と判断した。
・高温剥離試験
上記凹凸追従性評価と同様の操作により製造し、その後UV照射した積層体を試験片とし、引張り試験機INSTRON 5566A(インストロンジャパン社製)を用いて、測定温度80℃、試験片幅10mm、剥離速度300mm/分の条件でT型剥離強度を測定し、高温剥離強度とした。
[実施例2]
光重合開始剤「ESACURE ONE」の添加量を0.25質量部とした以外は実施例1と同様の操作を行うことにより粘着剤組成物を製造し、実施例1と同様にして各種評価を行った。
[実施例3]
光重合開始剤「ESACURE ONE」の添加量を0.5質量部とした以外は実施例1と同様の操作を行うことにより粘着剤組成物を製造し、実施例1と同様にして各種評価を行った。
[実施例4]
光重合開始剤「ESACURE ONE」の添加量を0.5質量部、イソシアネート系硬化剤である三井化学製「タケネートD-110N」(固形分75%の酢酸エチル溶液)を固形分換算で0.1質量部添加した以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物を製造した。また、得られた粘着剤組成物を用いて、実施例1と同様にして両面セパレーター付き粘着シート試料を得た。粘着シート試料を40℃雰囲気下で5日間養生して、イソシアネート系硬化剤の反応を促進し、得られた粘着シート試料を用いて実施例1と同様に各種評価を行った。
[実施例5]
光重合開始剤として、水素引抜き型である「SPEEDCURE PBZ」(DKSHジャパンより購入)を0.1質量部添加した以外は実施例1と同様の操作を行うことにより粘着剤組成物を製造し、実施例1と同様に各種評価を行った。
[実施例6]
光重合開始剤「SPEEDCURE PBZ」を0.3質量部添加した以外は実施例1と同様の操作を行うことにより粘着剤組成物を製造し、実施例1と同様に各種評価を行った。
[実施例7]
重合体A-1に代えて合成例2で得られた重合体A-2を使用し、光重合開始剤として「ESACURE ONE」を1.0質量部添加した以外は実施例1と同様の操作を行うことにより粘着剤組成物を製造し、実施例と同様に各種評価を行った。
[実施例8]
重合体A-1に代えて合成例2で得られた重合体A-2を使用し、光重合開始剤として「ESACURE ONE」を3.0質量部添加した以外は実施例1と同様の操作を行うことにより粘着剤組成物を製造し、実施例1と同様に各種評価を行った。
[実施例9]
重合体A-1に代えて合成例2で得られた重合体A-2を使用し、光重合開始剤として「ESACURE ONE」を3.0質量部添加し、イソシアネート系硬化剤である三井化学製「タケネートD-110N」を0.1質量部添加した以外は実施例1と同様の操作を行うことにより粘着剤組成物を製造した。また、得られた粘着剤組成物を用いて、実施例1と同様にして両面セパレーター付き粘着シート試料を得た。粘着シート試料を40℃雰囲気下で5日間養生してイソシアネート系硬化剤の反応を促進し、得られた粘着シート試料を用いて実施例1と同様に各種評価を行った。
[実施例10]
重合体A-1に代えて合成例3で得られた重合体A-3を使用し、光重合開始剤として「ESACURE ONE」を0.25質量部添加した以外は実施例1と同様の操作を行うことにより粘着剤組成物を製造し、実施例1と同様に各種評価を行った。
[実施例11]
重合体A-1に代えて合成例4で得られた重合体A-4を使用し、光重合開始剤として「ESACURE ONE」を0.25質量部添加した以外は実施例1と同様の操作を行うことにより粘着剤組成物を製造し、実施例1と同様に各種評価を行った。
[実施例12]
重合体A-1に代えて合成例5で得られた重合体A-5を使用し、光重合開始剤として「ESACURE ONE」を0.25質量部添加した以外は実施例1と同様の操作を行うことにより粘着剤組成物を製造し、実施例1と同様に各種評価を行った。
[実施例13]
重合体A-1に代えて合成例6で得られた重合体A-6を使用し、光重合開始剤として「ESACURE ONE」を0.25質量部添加した以外は実施例1と同様の操作を行うことにより粘着剤組成物を製造し、実施例1と同様に各種評価を行った。
[実施例14]
重合体A-1に代えて合成例7で得られた重合体A-7を使用し、光重合開始剤として「ESACURE ONE」を0.25質量部添加した以外は実施例1と同様の操作を行うことにより粘着剤組成物を製造し、実施例1と同様に各種評価を行った。
[実施例15]
重合体A-1に代えて合成例8で得られた重合体A-8を使用し、光重合開始剤として「ESACURE ONE」を0.25質量部添加した以外は実施例1と同様の操作を行うことにより粘着剤組成物を製造し、実施例1と同様に各種評価を行った。
[比較例1]
重合体A-1に代えて合成例9で得られた重合体A-9を使用し、光重合開始剤として「ESACURE ONE」を0.25質量部添加した以外は実施例1と同様の操作を行うことにより粘着剤組成物を製造し、実施例1と同様に各種評価を行った。
[比較例2]
実施例1において、光重合開始剤「ESACURE ONE」を添加しなかった以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物を製造し、実施例1と同様に各種評価を行った。
[比較例3]
重合体A-1において、光重合開始剤として「ESACURE ONE」を添加しなかったこと、及びイソシアネート系硬化剤である三井化学製「タケネートD-110N」を0.5質量部添加した以外は実施例1と同様の操作を行うことにより粘着剤組成物を製造した。また、得られた粘着剤組成物を用いて、実施例1と同様にして両面セパレーター付き粘着シート試料を得て、この粘着シート試料を用いて、実施例1と同様に各種評価を行った。
[比較例4]
重合体A-1に代えて合成例2で得られた重合体A-2を使用し、光重合開始剤「ESACURE ONE」を添加しなかった以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物を製造し、実施例1と同様に各種評価を行った。
実施例1~15、比較例1~4の粘着剤組成物の組成及び評価結果を表1及び表2に示す。なお、合成例2で得られたトリブロック共重合体(重合体A-2)については、表1及び表2中、組成*1の欄においてアクリル系重合体ブロックNのモノマー組成を表し、組成*2の欄において重合体ブロックMのモノマー組成を表す。
Figure 2022143328000005
Figure 2022143328000006
表1及び表2中の略称は以下の名称を表す。
MEA:アクリル酸2-メトキシエチル
EEA:アクリル酸2-エトキシエチル
BA:アクリル酸n-ブチル
MA:アクリル酸メチル
HEA:アクリル酸2-ヒドロキシエチル
St:スチレン
PhMI:N-フェニルマレイミド
D-110:イソシアネート系硬化剤、商品名「タケネートD-110N」、三井化学社製
ESACURE ONE:分子内開裂型光重合開始剤、商品名「ESACURE ONE」、DKSHジャパン株式会社より購入
PBZ:水素引抜き型光重合開始剤、商品名「SPEEDCURE PBZ」、DKSHジャパンより購入
なお、架橋剤及び光重合開始剤の配合量は、アクリル系粘着性ポリマー(A)100質量部に対する配合量である。
表1及び表2に示すように、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル単位を有するアクリル系粘着性ポリマー(A)及び光重合開始剤を含む粘着剤組成物を用いて製造した実施例1~15の粘着シートはいずれも、凹凸追従性、耐溶剤性及び高温接着性が良好であった。特に、被着体(ポリエステル生地)と粘着シートとの貼り合わせ後におけるUV照射前後のゲル分率の差が大きい実施例1~12、14は、凹凸追従性及び耐溶剤性のいずれも「○」の評価であり、また高温剥離強度も1.4N/10mmと高い値を示した。
これに対し、アクリル系粘着性ポリマーとして(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル単位を有しない重合体を用いた比較例1、及び粘着剤組成物に光重合開始剤を配合しなかった比較例2~4は、耐溶剤性が「×」の評価であり、高温剥離強度も低い値であった。粘着剤組成物における架橋剤の配合量を多くした比較例3については、被着体に貼り付ける前の粘着シートのゲル分率が72.3%と高く、この場合、凹凸追従性が「×」の評価であった。

Claims (8)

  1. 粘着剤層を備える粘着シートであって、
    前記粘着剤層は、アクリル系粘着性ポリマー(A)と光重合開始剤とを含み、反応性不飽和結合を有する化合物を含まず、
    前記アクリル系粘着性ポリマー(A)は、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルに由来する構造単位を有し、
    前記粘着剤層の前記アクリル系粘着性ポリマー(A)に基づくゲル分率が20%未満である、粘着シート。
  2. 前記アクリル系粘着性ポリマー(A)における(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルに由来する構造単位の含有量が、前記アクリル系粘着性ポリマー(A)を構成する単量体に由来する全構造単位に対し20質量%以上である、請求項1に記載の粘着シート。
  3. 前記アクリル系粘着性ポリマー(A)のガラス転移温度が-80℃~10℃である、請求項1又は2に記載の粘着シート。
  4. 前記アクリル系粘着性ポリマー(A)は、重合体ブロックMとアクリル系重合体ブロックNとを有するブロック共重合体であり、
    前記アクリル系重合体ブロックNのガラス転移温度が-80℃~10℃である、請求項1又は2に記載の粘着シート。
  5. 活性エネルギー線を照射することにより前記粘着剤層を硬化した後における前記粘着剤層の前記アクリル系粘着性ポリマー(A)に基づくゲル分率が20%以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載の粘着シート。
  6. 前記光重合開始剤が、水素引き抜き型光重合開始剤である、請求項1~5のいずれか1項に記載の粘着シート。
  7. 粘着剤層を備える粘着シートの製造方法であって、
    アクリル系粘着性ポリマー(A)と光重合開始剤と溶剤とを含有する粘着剤組成物を用いて前記粘着剤層を形成する工程を含み、
    前記アクリル系粘着性ポリマー(A)は、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルに由来する構造単位を有し、
    前記粘着剤組成物は、反応性不飽和結合を有する化合物を含まず、
    前記粘着剤層の前記アクリル系粘着性ポリマー(A)に基づくゲル分率が20質量%未満である、粘着シートの製造方法。
  8. 請求項1~6のいずれか1項に記載の粘着シートと被着体とを貼り合わせた後に活性エネルギー線を照射して前記粘着剤層を硬化させる工程を含む、積層体の製造方法。
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