JP2022142002A - ブドウ種子果皮分離方法 - Google Patents

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Hirotaka Tajima
朋之 佐藤
Tomoyuki Sato
公宏 嶌村
Kimihiro Shimamura
景一郎 松嶋
Keiichiro Matsushima
樹志 鎌田
Tatsushi Kamata
誠一郎 吉田
Seiichiro Yoshida
永樹 近藤
Hisaki Kondo
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Abstract

【課題】ブドウの搾汁残渣から果皮と種子とがより確実に、効率よく分離されるブドウ種子果皮分離方法を提供する。【解決手段】ブドウ種子果皮分離方法は、粉砕工程S4と、分離工程S5とを有する。粉砕工程S4を行う攪拌装置は、種子16と果皮17とを有する乾燥残渣18を攪拌し、これにより果皮17を粉砕する。乾燥残渣18は、ブドウ11の搾汁残渣13を乾燥したものである。分離工程S5を行う分離装置は、種子16と粉砕工程S4により粉砕された果皮17とを分離する。【選択図】図1

Description

本発明は、ブドウ種子果皮分離方法に関する。
ワインをつくるために果汁を絞られたブドウの搾汁残渣は、大半が廃棄されており、有効利用する試みが種々なされている。しかし、搾汁残渣は、そのままでは間もなく微生物による変敗(変性及び/または腐敗)を起こすなど長期の保存に向かない。また、搾汁残渣は、果皮と種子とが混在しており、これらが分離される方が、それぞれの用途展開を図ることができるので好ましい。
搾汁残渣を有効利用するための搾汁残渣の処理手法として、例えば特許文献1には、ワインの絞り粕(搾汁残渣)をミキサーにかけてペースト状にした後、種のみが通過する網によりペースト状の搾汁残渣を押しつぶしてのり状にして、そののり状物を乾燥することにより微粉末にする食品添加物の製造方法が開示されている。特許文献2には、絞り粕を一度冷凍保存したり、利用に応じて天日乾燥又は機械的乾燥して保管しておき、必要に応じて取り出して多少の水分を加えて軽くミキサーにかけた後に、種子を通過しない程度の網目があるふるいで種子を取り除き、残ったペースト状の部分だけを乾燥させて微粉末にする方法が開示されている。
また、特許文献3には、搾汁残渣に対してほぼ等量を加水し、水分を保持するよう加水しながら約30分~1時間程度煮沸する食品添加素材の製造方法が開示されている。この製造方法では、上記の煮沸を行ったのちに、煮沸後の残渣および煮沸水をともども回転刃付きの撹拌器(例えばフードプロセッサ類)を用いてミキシングした後、網目が約2mmのメッシュを用いて裏漉し、種子を除去する。また、特許文献4には、山葡萄果肉皮の乾燥粉末の製造方法が記載されている。この製造方法は、予備乾燥で水分率を調整し、水分率が3%~10%のときは果実を手で揉むことで、また、水分率が30%~55%のときは、球形の果実の両側面を押すことで、種を取り出す。
特開2010-193873号公報 特開2013-183734号公報 特開2009-165427号公報 特開2015-167548号公報
しかしながら、特許文献1の方法は、種子と一緒に網を通過してしまうペーストがあり、特許文献2の方法は、網上に種子とともに残る果皮が多く、種子と果皮との分離方法としては改善が望まれる。また、特許文献1,2の方法は、絞り粕をミキサーにかけてペースト状の搾汁残渣を網により押しつぶす作業は効率が悪い。
特許文献3の方法は、上述の攪拌機として例示されているフードプロセッサを用いた場合に、種も粉砕されてしまう場合もあり、果皮と種との分離の手法としては改善が望まれる。また、特許文献4の方法は、手で揉んだり果実の両側面を押すので、効率が悪い。
そこで、本発明は、ブドウの搾汁残渣の果皮と種子とを効率よく分離することができるブドウ種子果皮分離方法を提供することを目的とする。
本発明のブドウ種子果皮分離方法は、粉砕工程と、分離工程とを有する。粉砕工程は、ブドウの搾汁残渣を乾燥した、種子と果皮とを有する乾燥残渣を攪拌することにより果皮を粉砕する。分離工程は、粉砕工程後に、果皮と種子とを分離する。
粉砕工程は、高くても30℃の温度の乾燥残渣を攪拌することが好ましい。
粉砕工程は、含水率が14%以下である乾燥残渣を攪拌することが好ましい。
搾汁残渣を乾燥する乾燥工程をさらに有することが好ましい。
乾燥工程は搾汁残渣を加熱しながら乾燥し、乾燥工程により得られた乾燥残渣を降温させる降温工程をさらに有する。
粉砕工程は、乾燥残渣を間欠的に冷却してもよい。
粉砕工程は、乾燥残渣を間欠的に攪拌してもよい。
粉砕工程は、乾燥残渣を収容する収容部と、収容部に配された攪拌板とを備える攪拌装置の攪拌板の回転により乾燥残渣を攪拌することが好ましい。
本発明によれば、ブドウの搾汁残渣から果皮と種子とがより確実に効率的に分離される。
実施形態であるブドウ種子果皮分離方法のフロー図である。 乾燥装置の概略図である。 攪拌工程のフロー図である。 攪拌装置の一部断面概略図である。 攪拌翼の概略説明図である。 分離装置の概略図である。 別の攪拌装置の一部断面概略図である。
本発明の一実施形態であるブドウ種子果皮分離方法は、図1に示すように、搾汁工程S1によりブドウ11の果汁12が絞られた残渣(以下、搾汁残渣と称する)13を、種子16と果皮17とに分離する。搾汁残渣13は、種子16と果皮17と水分とを含んでいる。搾汁残渣13の果皮17の中には種子16が含まれていることがあり、種子16が果皮17に覆われた状態となっているものもある。
種子16と果皮17とを分離する搾汁残渣処理工程RSは、乾燥工程S2と、降温工程S3と、粉砕工程S4と、分離工程S5とを有する。乾燥工程S2は、搾汁残渣13を乾燥する。乾燥工程S2によって乾燥された搾汁残渣13を、以下、乾燥残渣と称し、符号18を付す。降温工程S3は、乾燥工程S2により得られた乾燥残渣18の温度を低下させる。すなわち、降温工程S3は乾燥残渣18を降温させる。乾燥残渣18においては、多くの果皮17の内部に種子16がある。粉砕工程S4は、乾燥残渣18を攪拌することにより果皮17を粉砕する。粉砕工程S4は、果皮17のみを選択的に粉砕し、種子16を粉砕しないようにする。これにより、種子16を内部に含まない果皮17と種子16を被覆した状態の果皮17とはいずれも粉砕されて細かになる。粉砕工程S4を経た乾燥残渣18を、以下の説明においては粉砕残渣と称し、符号19を付す。分離工程S5は、粉砕工程S4後に、種子16と果皮17とを分離する。搾汁残渣処理工程RSにより分離された果皮17は、細粒状であり、不定形であるものの大きさは概ね均等である。
この例では、搾汁残渣13から種子16と果皮17とを分離して得ているが、乾燥残渣18を入手することができる場合には、乾燥残渣18から種子16と果皮17とを分離して得る方法でよい。その場合には、乾燥工程S2はなくてもよい。また、本例のブドウ種子果皮分離方法は降温工程S3を有するが、降温工程S3はなくてもよい。
以下、搾汁残渣処理工程RSの各工程について、説明する。図2に示す乾燥装置21は、乾燥工程S2を行う装置の一例である。乾燥装置21は、減圧機構23と、温調機構24と、攪拌機構25とを備え、搾汁残渣13を収容する容器本体28を備える。乾燥工程S2を行う乾燥装置はこの例に限られず、搾汁残渣13を乾燥することができるものであれば、減圧機構、温調機構、攪拌機構の少なくともいずれかひとつを備えないものであってもよい。ただし、収容した搾汁残渣13の全量を均等にかつ効率よく乾燥する観点では、乾燥装置は、本例のように、減圧機構、温調機構、攪拌機構の少なくともいずれかひとつを備えることが好ましく、すべてを備えることがさらに好ましい。乾燥装置は市販の乾燥装置であってもよい。
容器本体28は、円筒形状の第1壁板28aと、円板状に形成され、第1壁板28aの各端に設けられる一対の第2壁板28bとを有するが、容器本体28の形状はこの例に限られず、例えば立方体形状であってもよい。なお、一対の第2壁板28bのうちの一方、または第1壁板28aには、搾汁残渣13と乾燥により得られた乾燥残渣18の出し入れを行うための出入口が開閉自在に形成されているが、図2においては、図の煩雑化を避けるために図示を略してある。
容器本体28の容積は特に限定されず、また、容器本体28に入れる搾汁残渣13の収容量は特に限定されない。本例での容積は500kgサイズであり、概ね350kgの質量の搾汁残渣13を乾燥することができる。このように、乾燥工程S2は大型の乾燥装置でも実施することができるから効率がよい。
減圧機構23は、容器本体28の内部の気体を吸引することにより、容器本体28の内部を減圧する。これにより、より低い温度で、より効率よく、乾燥を進めることができる。温調機構24は、容器本体28に収容された搾汁残渣13を、容器本体28を介して加熱するためのものである。温調機構24は、容器本体28の外表面に配されたヒータ31と、ヒータ31の加熱のオンとオフとの切り替え、及び加熱をオンにした場合における温度を調節する温度コントローラ32とを備える。温度コントローラ32により、容器本体28を介して、容器本体28に収容された搾汁残渣13の温度が目的とする温度に調節される。なお、温調機構24の有無に関わらず、容器本体28の内部の温度を検出する温度センサ(図示無し)を設けてもよく、この温度センサで検出される温度を搾汁残渣13の温度とみなしてもよい。
容器本体28に温度を検出する温度センサ(図示無し)を設け、温度センサにより検出された温度に基づき、温度コントローラ32によりフィードバック制御をしてもよい。その場合には、温度コントローラ32により設定した温度を乾燥工程S2における搾汁残渣13の温度とみなしてよい。フィードバック制御を行わない場合には、搾汁残渣13は、乾燥が進むにつれて、すなわち含水率の低下に伴い、温度が表1に示すように漸増するが、減圧下で100℃を超えても、種子16と果皮17とを確実に分離する観点では特に問題は無い。表1には、フィードバック制御をおこなわない場合のデータを示す。ナイヤガラ(ナイアガラ,Niagara)(収穫年は2018年)を120kg、減圧乾燥した場合の、搾汁残渣13の含水率と温度との関係を示す。表1の「乾燥時間」(単位はmin)は、乾燥開始時点である減圧の開始時点からサンプリングした時点までの時間である。実施日は2019年11月22日である。温度調整は行わなかった。搾汁残渣13の温度はいずれも50℃以上となっており、含水率が低下するに従い、搾汁残渣13の温度は上昇している。なお、本明細書において、含水率(%)とは、被測定物の乾燥前質量をxとし、被測定物の乾燥後質量をyとするときに、{(x-y)/x}×100で求める百分率であり、株式会社エー・アンド・デイ製の加熱乾燥式水分計ML-50により求めている。
Figure 2022142002000002
攪拌機構25は、搾汁残渣13を攪拌するためのものであり、攪拌ユニット35と、モータ36と、駆動コントローラ37等を備える。攪拌ユニット35は攪拌翼41と回転軸42と支持部材43を有する。回転軸42は概ね水平に配され、第2壁板28bに対して回転自在に設けられている。攪拌翼41は、棒状の支持部材43により回転軸42に固定され、モータ36によって、回転軸42と一体に第1壁板28aの内壁に沿って回転する。駆動コントローラ37は、モータ36を制御することにより、攪拌翼41の回転のオンとオフとの切り替え、攪拌翼41の回転方向の切り替え、及び攪拌翼41の回転速度の調整を行う。
攪拌翼41は、矩形の板状に形成されており、長辺が一対の第2壁板28bの一方から他方へ向かう方向に沿って配されている。これにより、攪拌翼41は、第1壁板28aの内壁に沿った姿勢で、搾汁残渣13を掻きとるように回転する。ただし、攪拌翼41の形状はこの例に限定されない。攪拌翼41の個数はこの例の3個に限られない。
図2においては、図の煩雑化を避けるために、温度コントローラ32、モータ36、駆動コントローラ37を図2の(A)にのみ描いてある。乾燥装置21は容器本体28の第2壁材28bが鉛直方向に起立した姿勢のいわゆる横型乾燥装置であるが、第1壁板28aが起立した姿勢とされるいわゆる縦型乾燥装置であってもよい。
乾燥工程S2に供する搾汁残渣13は、搾汁を終えた状態のいわゆる生の状態であってもよいし、冷凍した状態であってもよい。このように搾汁残渣13の乾燥手法は限定されず、通風乾燥、冷風乾燥、フリーズドライ、減圧乾燥、加熱乾燥、減圧加熱乾燥、天日干しなどを用いることができる。
乾燥工程S2において搾汁残渣13を乾燥させる程度は特に限定されないが、粉砕工程S4で果皮17をより確実に、かつ、より細かく粉砕する観点では、含水率が14%以下になるまで、搾汁残渣13を乾燥することが好ましい。本例では搾汁残渣13を、含水率が0.2%以上14%以下の範囲内になるように乾燥し、これにより、粉砕工程S4は、この含水率の乾燥残渣18を粉砕するようにしてある。なお、果皮17等の成分の変化を抑えるためには、高温短時間よりも低温長時間の条件で乾燥する方が好ましい傾向がある。
降温工程S3は、乾燥装置21で行ってもよいし、乾燥装置21から出した状態で放冷(放置冷却)してもよいし、冷却装置(図示無し)により行ってもよい。例えば温度コントローラ32を備える乾燥装置21で行う場合には、容器本体28を介して乾燥残渣18を冷却して降温させることができる。放冷及び冷却装置により降温する場合には、例えば袋,箱,缶,コンテナなどの容器に乾燥残渣18を収容して行うことができる。これらの容器の材質は、紙、プラスチック、金属、木など特に限定されない。
降温工程S3は、乾燥工程S2での搾汁残渣13の温度よりも低い温度になるように乾燥残渣18を降温させる。これにより、粉砕工程S4において、含水率が同じ乾燥残渣18であっても、果皮17のみの粉砕がより確実になされ、果皮17がより細かに、かつ均一な大きさに粉砕される。乾燥工程S2での搾汁残渣13の温度よりも低い温度とは、乾燥工程S2の終了時における搾汁残渣13の温度よりも低い温度の意味である。
粉砕工程S4は、高くても30℃の温度の乾燥残渣18を粉砕することが好ましく、そのため降温工程S3は、乾燥残渣18を、高くても30℃、すなわち30℃以下になるように冷却することが好ましい。乾燥工程S2において30℃よりも高い温度に搾汁残渣13が昇温した場合には、降温工程S3では、このように30℃以下になるように冷却することが好ましい。これにより、粉砕工程S4には、乾燥残渣18を低い温度の状態で供することができる。粉砕工程S4は、含水率が14%以下の乾燥残渣18を粉砕することが好ましく、これにより、果皮17がより効果的に粉砕される。
粉砕工程S4は、粉砕装置に収容する乾燥残渣18の量が大きいほど、また粉砕処理時間が長いほど、攪拌により乾燥残渣18の温度が上がる(昇温する)。粉砕処理時間とは、粉砕装置に連続もしくは間欠的に乾燥残渣18を供給するいわゆる連続式処理の場合には、特定の乾燥残渣18に着目した粉砕装置内での滞留時間である。粉砕工程S4において乾燥残渣18の温度が高いほど、果皮17の粉砕が抑制される傾向がある。そこで、粉砕工程S4は、乾燥残渣18の温度を低く抑えて攪拌することが好ましく、乾燥工程S2の終了時における搾汁残渣13の温度よりも低い温度で、乾燥残渣18を攪拌することがより好ましい。
粉砕工程S4は、乾燥残渣18の温度を高くても30℃、すなわち30℃以下に抑えることが好ましい。ただし、粉砕工程S4の間、30℃以下に保持する必要はなく、例えば粉砕工程S4の開始時点において乾燥残渣18の温度が30℃以下になっていれば果皮17の粉砕は、十分に向上する。このように、30℃以下という乾燥残渣18の温度は、粉砕工程S4の中のごく一部の時間であってよい。本例では粉砕工程S4の開始時点における乾燥残渣18の温度を-12.8℃以上30℃以下の範囲内としているが、この下限値-12.8℃とは、用いた冷却装置の性能に依存するものであり、-12.8℃より低い温度でも-12.8℃以上30℃以下の範囲内の場合と同様の効果が得られると考えている。ただし、極度に低い温度の場合には、結露が生じる可能性があり、結露の発生とのバランスを考慮して温度を設定することが好ましい。なお、粉砕工程S4では、乾燥残渣18の温度が漸増するため、降温工程S3において乾燥残渣18が凍結状態であっても粉砕工程S4においては解凍状態になる場合がある。
粉砕工程S4においては、乾燥残渣18を、間欠的に冷却してもよい。間欠的な冷却は、連続的な冷却と比べて、省エネ効果があるにも関わらず、果皮17の粉砕効率は同程度であるからである。
粉砕工程S4は、連続的に攪拌してもよいし、乾燥残渣18を間欠的に攪拌してもよい。間欠的に攪拌する場合の粉砕工程S4は、図3に示すように、乾燥残渣18を連続(継続)して攪拌する連続攪拌工程S4aと、この連続攪拌工程S4aを停止する攪拌停止工程S4bとを含む。連続攪拌工程S4aは、果皮17を粉砕するための工程であり、粉砕を連続している間に、粉砕された果皮17は、収容されている乾燥残渣18の下部に偏在するようになり、未粉砕及び粉砕が進んでいない果皮17ほど上部に位置するようになる。攪拌停止工程S4bは、このような偏在を解消するためのものである。攪拌停止工程S4bにより、乾燥残渣18のうち、上部に偏在する大きな果皮17が乾燥残渣18の下部に沈む。これにより、再び連続攪拌工程S4aを行うことにより、その連続攪拌工程S4aによる果皮17の粉砕がより効果的に進む。なお、後述の攪拌装置91(図7参照)を用いて粉砕を行う場合には、攪拌は連続的に行えばよく、間欠的に行う必要はない。
図3において粉砕工程S4は連続攪拌工程S4aの後に、判定工程S4cを有する。判定工程S4cは、果皮17が目的とする粉砕レベルになっているかどうかを判定する。判定工程S4cで肯定判定である場合には分離工程S5に進み、否定判定である場合には、攪拌停止工程S4bに戻る。なお、判定工程S4cにおいて否定判定され、かつ、判定工程S4cの間に未粉砕及び粉砕が進んでいない果皮17が下方に沈んだ場合には、判定工程S4cの後、攪拌停止工程S4bを経ることなく連続攪拌工程S4aに進んでもよい。
粉砕工程S4は、例えば、図4に示す攪拌装置51により行うことができる。攪拌装置51は、乾燥残渣18を攪拌することにより果皮17のみを粉砕する装置の一例である。乾燥残渣18を収容する収容部である容器52と、攪拌機構53と、温調機構56とを備える。ただし、温調機構56は無くてもよい。容器52は、乾燥残渣18を収容する円筒状の容器本体52aと、蓋52bとを備え、蓋52bには、排気口52cが形成されている。排気口52cは、容器52の内部の圧力が過度に高まることを抑えるためのものである。排気口52cには、粉砕された果皮17の通過を防止するフィルタを設けることが好ましい。
攪拌機構53は、乾燥残渣18を攪拌するためのものであり、攪拌ユニット57と、モータ58と、駆動コントローラ61等を備える。攪拌ユニット57は、容器52に配され、回転軸62と支持部材63と攪拌翼66,67とを有する。支持部材63は容器本体52aの内面底部に固定され、棒状の回転軸62は、鉛直方向に起立した姿勢で支持部材63に回転自在に設けられている。攪拌翼66,67は、攪拌板の一例であり、回転軸62に固定されている。これにより、攪拌翼66,67は、モータ58によって、回転軸62と一体に回転する。駆動コントローラ61は、モータ58を制御することにより、攪拌翼6,67の回転のオンとオフとの切り替え、及び攪拌翼66,67の回転速度を調整する。攪拌翼66,67の回転により、乾燥残渣18は攪拌され、これにより果皮17が粉砕される。なお、6kgという大量の乾燥残渣18が容器52に入れられた状態で果皮17を粉砕することができることが確認されている。しかも果皮17よりも硬い種子16の粉砕は抑えられる。
攪拌翼66,67は、図4及び図5に示すように、矩形の板状に形成されており、板面SA,SBが上下の各方向を向くように配されている。これにより、攪拌翼66,67は、板面SA,SBの各々が鉛直方向に対して交差した平面に沿った表面となっている。なお、上を向いた板面に符号SAを付し、下を向いた板面に符号SBを付す。このように板状の攪拌翼66,67が配されていることにより、乾燥残渣18はせん断による攪拌が行われる。このように、攪拌装置51は、遠心力や乾燥残渣18への重力よりも大きな破砕応力として、積極的なせん断を乾燥残渣18に板状の攪拌翼66,67により付与するものとなっている。板面SA,SBが上下の各方向を向くとは、向く方向が鉛直方向の成分をもっていればよく、鉛直方向に対して傾いていてもよい。なお、図5においては、支持部材63の図示を略してある。
攪拌翼66と攪拌翼67とは矩形の長手方向における中央から両端に向かうに従い幅が狭まった形状となっており、図5に示すように上方から見たときに、互いに90°の角度をもって長手方向における中央で交差している。この中央が、回転軸62に固定されている。攪拌翼66,67には、厚みが漸減した刃66a,67aが長手方向に沿って形成されており、刃66a,67aが向いた方向に攪拌翼66,67を一体に回転させることにより、せん断力がより大きく生じやすい。なお、攪拌翼66,67は、長手方向における中央で互いに交差している態様に限定されず、同じ方向に向いた態様でもよい。
攪拌装置51には、攪拌翼66と攪拌翼67とを対として、2対備えられており、鉛直方向において間隔をあけて配されている。これにより、1対の場合と比べて、果皮17に対してより効率的に粉砕力が付与される。攪拌翼66と攪拌翼67との対の数は2対に限定されず、3対以上でもよい。なお、攪拌翼66と攪拌翼67とは互いに同じサイズでなくてもよいし、同じ形状でなくてもよい。また、攪拌翼66と攪拌翼67とは対として概念しなくてもよく、その場合には攪拌翼66と攪拌翼67の数は互いに同じであってもよいし異なっていてもよい。攪拌翼66と攪拌翼67との少なくとも一方が複数設けられている場合には、最も下方に配されている攪拌翼66または攪拌翼67は、乾燥残渣18を掻き上げるような形状であってもよい。掻き上げるような形状としては、例えば、板面SAの少なくとも一部が水平に対して傾いている形状がある。
攪拌翼66,67の回転速度は、本例では200rpm以上800rpm以下の範囲内としている。ただし攪拌翼66,67の回転速度は、果皮17の粉砕の進み方などに応じて適宜設定してよい。
粉砕工程S4(図1参照)により粉砕されて得られた粉砕残渣19は、種子16と細粒状の果皮17との混合物となっている。粉砕残渣19は、分離工程S5(図1参照)に供され、種子16と果皮17とに分離される。
図6に示す分離装置71は、分離工程S5を行う装置の一例である。分離装置71は、粉砕残渣19が供給される供給部72と、網73と、受け部76と、振動機構77とを備えるふるい装置である。網73は、供給部72の開放された下部に配され、振動機構77により振動する。網73の網目(図示無し)は、種子16の径よりも小さいサイズとしており、これにより、種子16が網73の上にとどまり、攪拌装置51により種子16よりも小さいサイズに粉砕された果皮17は、網73の網目を通過して、網73の下方に設けられた受け部76に案内される。このようにして、果皮17と種子16とは分離される。本例では例えば種子区分を2.36mm以上とし、果皮区分を2.36mm未満としているが、サイズの分級区分の境界はこれに限定されず、種子16のサイズ等に応じて設定することができる。
受け部76の側壁の下部には、果皮17が出るための出口76aが形成されており、底板76bは、出口76aに向けて低くなるように傾斜している。これにより、受け部76に案内された果皮17は、円滑に出口76aから外部へ出て、果皮回収容器78に捕集される。また、網73上の種子16は、種子回収容器(図示無し)に回収される。このようにして、細粒状の果皮17と未粉砕の種子16とはそれぞれ別個に回収される。
以上の構成によると、得られる果皮17が種子16と確実に分離された状態で、かつ、微細な粒状に効率よく得られる。その結果、乾燥残渣18のかさ密度が0.14g/cmであるのに対し、得られた果皮17のかさ密度は0.50g/cmと、3倍以上になり、保管場所が確保しやすく、また運搬も容易である。なお、搾汁残渣13をペースト状にしてから乾燥する方法では、ペースト状物を乾燥したときに微粉末が固い塊状になってしまうことがあるが、本例の方法によるとそのような硬い塊状になることがない。
上記の搾汁残渣処理工程RSにおいて、粉砕工程S4を行う攪拌装置は上述の攪拌装置51(図4参照)に限られず、容器に収容された乾燥残渣18の果皮17を選択的に粉砕することができるものであればよく、市販品でもよい。例えば図7に示す攪拌装置91は、乾燥残渣18が収容される円筒状の容器92と攪拌機構93とを備える。容器92の天面には、ホッパ92aが設けられており、このホッパ92aを介して容器92内に乾燥残渣18が供給される。容器92の側壁には種子16と粉砕された果皮17との混合物である粉砕残渣19の出口92bが形成されている。
攪拌機構93は、攪拌ユニット96とモータ97と駆動コントローラ98とを備える。攪拌ユニット96は、容器92の内部に配される。攪拌ユニット96は、円板状に形成された回転板101が、各板面を上下方向に向けるように、概ね水平な姿勢で設けられる。回転板101は、乾燥残渣18を攪拌する攪拌板の一例である。回転軸102は、鉛直方向に起立した姿勢で容器92の内部底面に、周方向に回転自在に設けられている。回転板101は、円形中心が回転軸102に固定され、上面101aが鉛直方向に対して垂直に交差している。上面101aには、微細な凹凸が形成されている。回転板101が周方向に回転することにより、回転板101上の乾燥残渣18が遠心力により容器92の側壁内面に衝突し、回転板101からの応力(衝撃)で果皮が粉砕される。また、果皮17は、例えば、果皮17同士のぶつかり合い、上面101aの凹凸等により、粉砕される場合もある。ただし、種子16は粉砕が抑えられる。このようにして粉砕残渣19が得られる。回転板101を回転させながら出口92bを開状態とすることで、粉砕残渣19が外部へ案内される。
なお、降温工程S3における温度を低めにし、粉砕工程S4における攪拌翼66,67(図4参照)及び回転板101の回転速度をより大きくするほど、粉砕工程S4に供する乾燥残渣18の含水率をより低くするほど、果皮17がより小さなサイズに粉砕される傾向がある。したがって、これらの少なくともひとつを調整することにより、目的とするサイズに果皮17が粉砕される。ただし、攪拌翼66,67(図4参照)及び回転板101の回転速度が過度に大きい場合には、種子16も粉砕される場合もあることから、種子16が粉砕されない範囲で回転速度を大きく設定することが好ましい。
ブドウの品種は特に限定されず、Vitis labrusca種、Vitis vinifera種、Vitis amurensis種、Vitis coignetiae種、これら以外の種またはこれらの全ての交雑種も含んで本例は有効である。例えば、ナイヤガラ、デラウェア、ポートランド、ニューナイヤガラ、ネオマスカット、シャインマスカット、巨峰、コンコード、ピオーネ、スチューベン、マスカット・オブ・アレキサンドリア、甲斐路、ルビーロマン、オーロラブラック、キャンベル・アーリ、バッファロー、安芸クイーン、サンヴェルデ、秋鈴、クイーンニーナ、サニードルチェ、ブラックビード、藤稔、キングデラウェア、オリエンタルスター、ゴルビー、翠峰、陽峰、瀬戸ジャイアンツ、サニールージュ、紅南陽、レッドナイヤガラ、旅路、ロザリオ・ビアンコ、ピッテロ・ビアンコ、紫玉、サマーブラック、伊豆錦、ブラックオリンピア、ミルズ、ノースレッド、ノースブラック、ヒムロッド・シードレス、紅伊豆、高墨、竜宝、リザマート、セイベル-9110、セイベル-5279、セイベル13053、ロンド、レゲント、アコロン、甲斐ノワール、甲斐ブラン、ヤマソーヴィニヨン、ビジュノワール、アルモノワール、モンドブリエ、コリーヌヴェルト、ブラッククィーン、竜眼、清見、清舞、山幸、北醇、アジロンダック、甲州、マスカットベリーA、サンセミヨン、信濃リースリング、小公子、ニューヨークマスカット、ベリーアリカントA、ヤマブドウ、ブラックペガール、ホワイトペガール、シャルドネ、ピノブラン、ソーヴィニヨンブラン、シュナンブラン、セミヨン、リースリング、ケルナー、シルヴァーナ、バッカス、ミュスカ、モリオマスカット、マスカットオットネル、アルバリーニョ、ゲヴェルツトラミネール、ピノグリ、ヴィオニエ、マカベオ、パレリャーダ、チャレロ、ユニブラン、トロンテス、パロミノ、プティマンサン、グレラ、ペドロ・ヒメネス、ベルデホ、マルサンヌ、ミュスカデ、モスカートビアンコ、ミュラートゥルガウ、ザラジェンジェ、フルミント、オルテガ、ペルレ、ジーガレーベ、フクセルレーベ、ショイレーベ、ムスカテラー、ソラリス、グートエーデル、ノブリング、ムスカリス、グリュナー・フェルトリナー、グロ・マンサン、サヴァニャン、シェーンベルガー、アイレン、ウェルシュリースリング、ガルガネーガ、カベルネソーヴィニヨン、カベルネフラン、サンジョベーゼ、ピノノワール、シラー、タナ、ツヴァイゲルト、ドルンフェルダー、トロリンガー、バルベーラ、プティヴェルド、メルロ、レンベルガー、ピノムニエ、ロートベルガー、サンソー、ジンファンデル、ネッビオーロ、マルベック、ムールヴェードル、ポルトギーザ、テンプラリーニョ、ヘルフェンシュタイナー、サペラヴィ、フリューブルグンダー、カベルネミトス、カベルネドルサ、カベルネクビン、アリアニコ、ガメイ、カリニャン、グルナッシュ、カルメネール、ピノタージュ、ロンディネッラなど多品種にわたって本例の方法は有効である。また、ブドウの産地、収穫年、搾汁残渣13の保存容器、乾燥残渣18での保管容器は、特に限定されず、本例の方法は有効である。
[実施例1]~[実施例5]
乾燥装置、冷却装置(図示無し)、攪拌装置、分離装置71を用いて、搾汁残渣13から種子16と果皮17とを得て実施例1~実施例5とした。乾燥装置は、温調機構24をもたない以外は乾燥装置21と同様である。攪拌装置は、攪拌装置51と同様の構成であるが、温調機構56を備えず、攪拌翼66と攪拌翼67との合計数は4枚である。乾燥装置に供した搾汁残渣13は、いずれも同じであり、以下である。実施例1~5は、含水率が異なる乾燥残渣18を得て、それぞれを攪拌装置に供して果皮17を粉砕したものである。条件は表2に示す。なお、表2以降の各表での「粉砕工程時間」欄において、「合計○○」とは、粉砕工程中に回転数,温度などを変化させた場合であり、攪拌した合計の時間を示している。また、表2以降の各表における「処理質量」は当該処理を行う工程に供した質量である。各工程では当該工程の装置に付着する等によりロス分が発生することから、当該工程により得られた質量はこの処理質量よりも少なくなる場合があったが、これらの差分はごくわずかであり、無視してよい程度であった。
<搾汁残渣>
乾燥日 ;2020年7月21日
ブドウ品種 ;ナイヤガラ
収穫年 ;2018年
産地 ;北海道
搾汁残渣の質量(kg);111.5
含水率(%) ;64.9
保管容器 ;500kg容器
保管温度(℃) ;-17
Figure 2022142002000003
実施例1~5で得られた果皮17の粉砕状態を、実施例1を基準にして目視で評価した。評価基準は以下であり、評価結果は「粉砕評価」として表2に示す。
基準及び0;果皮の大きさにむらがあるが粉砕された
+1 ;基準よりも果皮が細かく、より均一な大きさであり、良い
+2 ;基準よりも果皮が細かく、より均一な大きさであり、非常に良い
実施例2~5についての分離装置71での処理速度(粉砕残渣19の供給速度)は表3の「分離工程」の「処理速度」欄に示す。粉砕工程の後に、1回縮分を行い、半分を分離装置71を用いて分級し、各区分の割合を確認した。なお、2.36mm over(「over」は「より大きい」の意)の区分を種子区分とした。また、縮分を行い2.36mm~4.75mmの間の種子16の割合を算出し(手動タッピング試験)、種子16がしっかりと分離できているかを確認した。これらの各結果は表3に示す。なお、各表の「~」で示す数値範囲は、「~」の前後に記載する端点の数値を含む。表3と、後述の表9、表10における「種子純度」は、(種子質量(単位;g)/種子区分質量(単位;g))×100で求めた百分率の値(単位;%)である。「種子区分質量」は、縮分後の「2.36mm over」の質量であり、「種子質量」は、「種子区分質量」分のものから目視で種子と認められたものを取り出し、取り出した分を測定した質量である。
Figure 2022142002000004
[実施例6]~[実施例12]
粉砕工程の開始時における乾燥残渣18の温度と粉砕工程における攪拌翼66,67の回転数との条件が互いに異なる実施例6~実施例12を実施した。各条件は表4に示し、その他の条件は実施例1と同様である。乾燥装置に供した搾汁残渣13は、いずれも同じであり、以下である。
<搾汁残渣>
乾燥日 ;2019年7月31日
ブドウ品種 ;ナイヤガラ
収穫年 ;2018年
産地 ;北海道
搾汁残渣の質量(kg);151.3
含水率(%) ;67.8
保管容器 ;500kg容器
保管温度(℃) ;-17
実施例1と同様の方法及び評価基準で評価を行った。結果は表4に示す。
Figure 2022142002000005
[実施例13]~[実施例14]
粉砕工程の開始時における乾燥残渣18の温度が互いに異なる実施例13~実施例14を実施した。実施例13は降温工程を実施しなかった。各条件は表5に示しており、その他の条件は実施例1と同様である。乾燥装置に供した搾汁残渣13は、いずれも同じであり、以下である。
<搾汁残渣>
乾燥日 ;2019年11月6日
ブドウ品種 ;ナイヤガラ
収穫年 ;2019年
産地 ;北海道
搾汁残渣の質量(kg);156.1
含水率(%) ;67.6
保管容器 ;500kg容器
保管温度(℃) ;-17
実施例1と同様の方法及び評価基準で評価を行った。ただし手動タッピング試験は行わなかった。結果は表5に示す。
Figure 2022142002000006
[実施例15]~[実施例18]
以下の搾汁残渣13から表6に示す条件で種子16と果皮17とを得て、実施例15~実施例18とした。その他の条件は実施例1と同様とした。なお、実施例15,16,18は同じ搾汁残渣13を用いて同じ条件で3度実施し、表における実施例番号にはそれぞれ「-1」~「-3」の枝番を付してある。
<実施例15の搾汁残渣>
乾燥日 ;2019年5月22日
ブドウ品種 ;ナイヤガラ
産地 ;北海道
搾汁残渣の質量(kg) ;140.1
搾汁残渣の含水率(%);61.4
収穫年 ;2018年
保管容器 ;500kg容器
保管温度(℃) ;-17
<実施例16,実施例17の搾汁残渣>
乾燥日 ;2019年9月25日
ブドウ品種 ;ナイヤガラ
産地 ;北海道
搾汁残渣の質量(kg) ;120.6
搾汁残渣の含水率(%);67.1
収穫年 ;2018年
保管容器 ;500kg容器
保管温度(℃) ;-17
<実施例18の搾汁残渣>
乾燥日 ;2019年9月27日
ブドウ品種 ;ナイヤガラ
産地 ;北海道
搾汁残渣の質量(kg) ;132.2
搾汁残渣の含水率(%);64.8
収穫年 ;2017年
保管容器 ;20kgコンテナ
保管温度(℃) ;-17
実施例1と同様の方法及び評価基準で評価を行った。粉砕評価及び分級の結果は表6に、手動タッピング試験結果は表7に示す。なお、表6の「分離工程」の「処理質量」欄において括弧書きとした数値は、処理質量を測定していないために分離工程で得られた回収質量を記載したものである。表7の「合計質量」(単位;g)は、「4.75mm over」と「2.36mm over種子」と「2.36mm over残り」との和であり、表7の「種子純度」は、表3での種子純度を算出する前述の算出式における種子区分質量(単位;g)を、「2.36mm over」の質量から「4.75mm over」の質量を減算した値に置き換えて算出した。
Figure 2022142002000007
Figure 2022142002000008
[実施例19]~[実施例20]
以下の搾汁残渣13から表8に示す条件で種子16と果皮17とを得て、実施例19~実施例20とした。その他の条件は実施例1と同様とした。
<搾汁残渣>
乾燥日 ;2020年9月24日
ブドウ品種 ;ナイヤガラ
産地 ;山形県
搾汁残渣の質量(kg) ;94.3
搾汁残渣の含水率(%);68.3
収穫年 ;2020年
保管容器 ;20kgコンテナ
保管温度(℃) ;-17
手動タッピング試験を実施しなった以外は、実施例1と同様の方法及び評価基準で評価を行った。評価結果は表8に示す。
Figure 2022142002000009
[実施例21]~[実施例24]
以下の搾汁残渣13から表9に示す条件で種子16と果皮17とを得て、実施例21~実施例24とした。これらの実施例の粉砕工程は、間欠的に攪拌を行い、2回の連続攪拌工程を行った。その他の条件は実施例1と同様とした。
<搾汁残渣>
乾燥日 ;2018年10月4日
ブドウ品種 ;ツヴァイゲルト
産地 ;北海道
搾汁残渣の質量(kg) ;187.2
搾汁残渣の含水率(%);74.1
収穫年 ;2015年
保管容器 ;500kg容器
保管温度(℃) ;-17
実施例1と同様の方法及び評価基準で評価を行った。なお、手動タッピング試験は、実施例21のみ行った。評価結果は表9に示す。
Figure 2022142002000010
[実施例25]~[実施例28]
以下の搾汁残渣13から表10に示す条件で種子16と果皮17とを得て、実施例25~実施例28とした。これらの実施例の粉砕工程は、間欠的に攪拌を行い、3回の連続攪拌工程を行った。その他の条件は実施例1と同様とした。
<搾汁残渣>
乾燥日 ;2020年8月19日
ブドウ品種 ;キャンベル・アーリ
産地 ;宮崎県
収穫年 ;2020年
搾汁残渣の質量(kg) ;101.9
搾汁残渣の含水率(%);71.8
保管容器 ;20kgコンテナ
保管温度(℃) ;-17
実施例1と同様の方法及び評価基準で評価を行った。評価結果は表10に示す。
Figure 2022142002000011
[実施例29]~[実施例31]
以下の搾汁残渣13から表11に示す条件で種子16と果皮17とを得て、実施例29~実施例31とした。これらの実施例の粉砕工程は、間欠的に攪拌を行い、2回の連続攪拌工程を行った。その他の条件は実施例1と同様とした。
<搾汁残渣>
乾燥日 ;2020年9月15日
ブドウ品種 ;バッファロー
産地 ;北海道
収穫年 ;2020年
搾汁残渣の質量(kg) ;88.0
搾汁残渣の含水率(%);74.9
保管容器 ;20kgコンテナ
保管温度(℃) ;-17
手動タッピング試験を実施しなかった以外は、実施例1と同様の方法及び評価基準で評価を行った。評価結果は表11に示す。
Figure 2022142002000012
[実施例32]
以下の搾汁残渣13から表12に示す条件で種子16と果皮17とを得て、実施例32とした。これらの実施例の粉砕工程は、間欠的に攪拌を行い、2回の連続攪拌工程を行った。その他の条件は実施例1と同様とした。
<搾汁残渣>
乾燥日 ;2020年10月3日
ブドウ品種 ;ミュラートゥルガウ
産地 ;北海道
収穫年 ;2020年
搾汁残渣の質量(kg) ;116.5
搾汁残渣の含水率(%);77.6
保管容器 ;20kgコンテナ
保管温度(℃) ;2
手動タッピング試験を実施しなかった以外は、実施例1と同様の方法及び評価基準で評価を行った。評価結果は表12に示す。
Figure 2022142002000013
[実施例33]
以下の搾汁残渣13から表12に示す条件で種子16と果皮17とを得て、実施例33とした。粉砕工程を攪拌装置91を用いて行い、回転板101の回転速度は表13に示している。その他の条件は、実施例1と同様とした。
<搾汁残渣>
乾燥日 ;2019年11月29日
ブドウ品種 ;ナイヤガラ
産地 ;北海道
収穫年 ;2019年
搾汁残渣の質量(kg) ;120.0
搾汁残渣の含水率(%);67.6
保管容器 ;500kg容器
保管温度(℃) ;-17
実施例1と同様の方法及び評価基準で評価を行った。評価結果は表13に示す。表13の「種子純度」は、表3での種子純度を算出する前述の算出式における「種子区分質量」(単位;g)を、「2.36mm~4.75mm」の質量に置き換えて算出した。
Figure 2022142002000014
11 ブドウ
12 果汁
13 搾汁残渣
16 種子
17 果皮
18 乾燥残渣
19 粉砕残渣
21 乾燥装置
24 温調機構
51,91 攪拌装置
52 容器
53,93 攪拌機構
62,102 回転軸
66,67 攪拌翼
71 分離装置
101 回転板
RS 搾汁残渣処理工程
S1 搾汁工程
S2 乾燥工程
S3 降温工程
S4 粉砕工程
S5 分離工程

Claims (8)

  1. ブドウの搾汁残渣を乾燥した、種子と果皮とを有する乾燥残渣を攪拌することにより前記果皮を粉砕する粉砕工程と、
    前記粉砕工程後に、前記果皮と前記種子とを分離する分離工程と
    を有するブドウ種子果皮分離方法。
  2. 前記粉砕工程は、高くても30℃の温度の前記乾燥残渣を攪拌する請求項1に記載のブドウ種子果皮分離方法。
  3. 前記粉砕工程は、含水率が14%以下である前記乾燥残渣を攪拌する請求項1または2に記載のブドウ種子果皮分離方法。
  4. 前記搾汁残渣を乾燥する乾燥工程をさらに有する請求項1ないし3のいずれか1項に記載のブドウ種子果皮分離方法。
  5. 前記乾燥工程は前記搾汁残渣を加熱しながら乾燥し、
    前記乾燥工程により得られた前記乾燥残渣を降温させる降温工程をさらに有する請求項4に記載のブドウ種子果皮分離方法。
  6. 前記粉砕工程は、前記乾燥残渣を間欠的に冷却する請求項1ないし5のいずれか1項に記載のブドウ種子果皮分離方法。
  7. 前記粉砕工程は、前記乾燥残渣を間欠的に攪拌する請求項1ないし6のいずれか1項に記載のブドウ種子果皮分離方法。
  8. 前記粉砕工程は、
    前記乾燥残渣を収容する収容部と、前記収容部に配された攪拌板とを備える攪拌装置の前記攪拌板の回転により前記乾燥残渣を攪拌する請求項1ないし7のいずれか1項に記載のブドウ種子果皮分離方法。
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