JP2022141408A - 加硫済みタイヤ及びタイヤの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】内腔面からの機能部材の剥離を抑制できる加硫済みタイヤを提供する。【解決手段】加硫済みタイヤの内腔面10には、離型剤11が付着している。離型剤11は、内腔面10とは識別可能な着色成分を含んでいる。前記内向面は、研磨により前記離型剤11が除去された第1部分12を有し、前記第1部分12には、前記加硫済みタイヤに機能を付加するための機能部材13が固着されているため、前記内腔面10からの前記機能部材13の剥離を抑制することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、内腔面に離型剤が付着した加硫済みタイヤ及びタイヤの製造方法に関する。
従来から、タイヤ内面に離型剤が付着した状態でシーラント層を貼り付ける技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
WO2019/050029号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されている技術を持ってしても、タイヤ内面からシーラント層が剥離するおそれがあった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、内腔面からの機能部材の剥離を容易に抑制できる加硫済みタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明の第1発明は、内腔面に離型剤が付着した加硫済みタイヤであって、前記離型剤は、前記内腔面とは識別可能な着色成分を含む。
本発明に係る前記加硫済みタイヤにおいて、前記着色成分は、可視光の照射で視認できる物質を含む、ことが望ましい。
本発明に係る前記加硫済みタイヤにおいて、前記着色成分は、蛍光物質を含む、ことが望ましい。
本発明に係る前記加硫済みタイヤにおいて、前記蛍光物質は、波長が315~400nmの紫外線の照射により発光する、ことが望ましい。
本発明に係る前記加硫済みタイヤにおいて、前記内向面は、前記離型剤が除去された第1部分を有し、前記第1部分には、前記加硫済みタイヤに機能を付加するための機能部材が固着されている、ことが望ましい。
本発明に係る前記加硫済みタイヤにおいて、前記機能部材は、パンク防止用のシーラント層を含む、ことが望ましい。
本発明に係る前記加硫済みタイヤにおいて、前記機能部材は、多孔質状の制音体を含む、ことが望ましい。
本発明の第2発明は、タイヤの製造方法であって、生タイヤの内腔面に、前記内腔面とは識別可能な着色成分を含む離型剤を付着させる第1工程と、前記生タイヤを加硫する第2工程と、前記着色成分が視認されなくなるまで、加硫済みタイヤの前記内腔面の少なくとも一部を研磨する第3工程とを含む。
本発明に係る前記タイヤ製造方法において、前記第1工程は、前記生タイヤの内腔に配されるブラダーの外表面に前記離型剤を塗布する工程と、前記ブラダーを膨張させて、前記離型剤を前記生タイヤの前記内腔面に接触させる工程とを含む、ことが望ましい。
本発明に係る前記タイヤ製造方法において、前記第1工程は、前記生タイヤの前記内腔面に前記離型剤を塗布する工程を含む、ことが望ましい。
本発明に係る前記タイヤ製造方法において、前記第3工程は、前記内腔面に紫外線を照射する工程を含む、ことが望ましい。
本発明に係る前記タイヤ製造方法において、前記第3工程後の研磨された前記内腔面に、前記加硫済みタイヤに機能を付加するための機能部材を固着する第4工程を含む、ことが望ましい。
本発明の前記加硫済みタイヤは、前記内腔面に付着した前記離型剤が、前記内腔面とは識別可能な前記着色成分を含んでいる。これにより、前記機能部材の固着の妨げとなる前記離型剤が容易かつ確実に除去可能となり、前記内腔面からの前記機能部材の剥離が抑制される。
本発明の前記タイヤ製造方法は、前記第1工程で前記内腔面とは識別可能な前記着色成分を含む前記離型剤が付着されるので、前記第3工程での研磨によって前記機能部材の固着の妨げとなる前記離型剤が容易かつ確実に除去可能となり、前記内腔面からの前記機能部材の剥離が抑制される。
本第1発明の加硫済みタイヤの一実施形態を示す断面図である。 本第1発明の加硫済みタイヤの別の実施形態を示す断面図である。 本第1発明の加硫済みタイヤのさらに別の実施形態を示す断面図である。 本第2発明のタイヤ製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。 図4における第1工程の一部を示す断面図である。 図4における第3工程の一部を示す断面図である。 図6に続く第3工程の一部を示す断面図である。 図7における第3工程の一部を示す断面図である。 本第2発明のタイヤ製造方法の別の実施形態を示すフローチャートである。 図9における第4工程の一部を示す断面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態の加硫済みタイヤ1の断面図である。加硫済みタイヤ1は、成形された生タイヤが金型内で加硫されることにより製造される。加硫済みタイヤ1は、トレッド部2と、一対のサイドウォール部3と、一対のビード部4とを含んでいる。
トレッド部2は、円環状に形成されている。サイドウォール部3は、トレッド部2のタイヤ軸方向の両端部からタイヤ半径方向内側にのびて形成されている。ビード部4は、サイドウォール部3のタイヤ半径方向内側に形成されている。加硫済みタイヤ1の内部には、ビードコア、カーカス、ベルト等の補強部材(図示せず)が適宜埋め込まれている。
加硫済みタイヤ1は、その大部分がゴム材料によって構成されている。ゴム材料は、例えば、天然ゴム及び/または合成ゴムに、カーボンブラック等の成分が添加されている。このため、加硫済みタイヤ1は、黒色系の色彩を呈している。
加硫済みタイヤ1は、内腔面10を有している。内腔面10は、加硫済みタイヤ1の空気が充填される内腔に面した内表面である。
加硫済みタイヤ1の内腔面10には、離型剤11が付着している。図1において、離型剤11は、ドットパターンのハッチングによって描かれている。離型剤11は、加硫工程で用いられたブラダーからの内腔面10の型離れを補助するために内腔面10に付着されている。
ところで、高性能化が進む近年のタイヤでは、内腔面10に機能部材(図2において後述する)が固着されたものも存在する。「機能部材」とは、例えば、タイヤに静音性または耐パンク性等の各種機能を付加するために、内腔面10に固着された部材である。付加される機能は上記のものに限られず、操縦安定性に関する機能であってもよい。
内腔面10には、離型剤11が付着している加硫済みタイヤ1では、離型剤11によって内腔面10と機能部材との固着が妨げられるおそれがある。このため、内腔面10からの機能部材の剥離が懸念される。
そこで、内腔面10に離型剤11が付着している加硫済みタイヤ1に機能部材を適用する場合、内腔面10に機能部材を固着する前に、内腔面10から離型剤11を除去する工程が実施されている。離型剤11の除去は、例えば、内腔面10をバフがけ等により研磨することによってなされる。
離型剤11は、通常、透明または加硫済みタイヤ1に類似する黒色系の色彩を呈している。このため、加硫済みタイヤ1の内腔面10を一見する程度では、内腔面10に離型剤11が付着しているか否かを判別できない。このため、離型剤11の残留を回避するためには、必要以上、念入りに内腔面10を研磨する必要があり、タイヤの製造工程で過度な負担を強いていた。
本加硫済みタイヤ1において、離型剤11は、内腔面10とは識別可能な着色成分を含んでいる。従って、機能部材の固着の妨げとなる離型剤11が容易かつ確実に除去可能となり、内腔面10からの機能部材の剥離が抑制される。
上記着色成分は、可視光の照射で視認できる物質を含む、のが望ましい。このような着色成分が含まれる離型剤11を用いることにより、紫外線の照射することなく、離型剤11の残留の発見が容易となる。
上記着色成分は、蛍光物質を含んでいてもよい。「蛍光物質」は、紫外線の照射により発光する。このような着色成分が含まれる離型剤11を用いることにより、紫外線を照射して離型剤11の残留の発見が容易となる。
上記蛍光物質は、波長が315~400nmの紫外線の照射により発光する、ものが望ましい。このような紫外線は、ブラックライトとも称される。上記蛍光物質は、ブラックライトが照射されたとき可視光の光を発し、離型剤11と内腔面10とが識別可能となるが、可視光が照射されたとき反応せず、離型剤11と内腔面10との識別はできない。従って、機能部品が付加されなかった加硫済みタイヤ1が、離型剤11が付着した状態で市場に流通する場合であっても、従来の加硫済みタイヤと同等の外観を呈し、違和感を生じさせない。
図1に示される加硫済みタイヤ1は、離型剤11の除去により、機能部材が付加された加硫済みタイヤの製造に供される。
図2は、本発明の別の実施形態に係る加硫済みタイヤ1Aを示している。加硫済みタイヤ1Aのうち、以下で説明されてない部分については、上述した加硫済みタイヤ1の構成が採用されうる。
加硫済みタイヤ1Aは、内腔面10に機能部材13が付加されている点で、上記加硫済みタイヤ1とは異なっている。
加硫済みタイヤ1Aにおいて、内腔面10は、離型剤11が除去された第1部分12を有している。離型剤11が除去された第1部分12は、内腔面10のゴム成分がむき出しであり、優れた接着性を有する。そして、加硫済みタイヤ1Aでは、この第1部分12に機能部材13が固着されている。従って、内腔面10からの機能部材13の剥離が抑制される。なお、第1部分12は、機能部材13が固着される領域を含み、当該領域よりも適宜広く設定される。
加硫済みタイヤ1Aでは、機能部材13の一例としてパンク防止用のシーラント層14が適用されている。シーラント層14は、粘性シール剤を含んでいる。
粘性シール剤は、粘着性を有するものであれば特に限定されず、例えば、タイヤのパンクシールに用いられる通常のゴム組成物を使用することができる。ゴム組成物の主成分を構成するゴム成分として、例えば、ブチル系ゴムが用いられる。ブチル系ゴムとしては、ブチルゴム(I I R ) の他、臭素化ブチルゴム( B r - I I R ) 、塩素化ブチルゴム( C l - I I R )などのハロゲン化ブチルゴム( X - I I R ) 等も挙げられる。なかでも、流動性等の観点から、ブチルゴム、若しくはハロゲン化ブチルゴムのどちらか一方、又は両方を好適に使用できる。
粘性シール剤中の液状ポリマーとして、液状ポリブテン、液状ポリイソブテン、液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエン、液状ポリα - オレフィン、液状イソブチレン、液状エチレンα - オレフィン共重合体、液状エチレンプロピレン共重合体、液状エチレンブチレン共重合体等が挙げられる。なかでも、粘着性付与等の観点から、液状ポリブテンが好ましい。液状ポリブテンとしては、イソブテンを主体とし、更にノルマルブテンを反応させて得られる長鎖状炭化水素の分子構造を持った共重合体等が挙げられ、水素添加型液状ポリブテンも使用可能である。
硬化剤(架橋剤)としては特に限定されず、従来公知の化合物を使用できるが、有機過酸化物が好ましい。有機過酸化物架橋系において、ブチル系ゴムや液状ポリマーを用いることで、粘着性、シール性、流動性、加工性が改善される。
上記原料を連続混練機(特に、二軸混練押出機)に順次供給することにより粘性シール剤が順次調製され、排出口に接続されたノズルから連続的に吐出され、粘性シール剤が順次タイヤの内周面に直接塗布される。図2では、クラウン部の内腔面10にシーラント層14が形成されている。ショルダー部またはバットレス部の内腔面10までシーラント層14が形成されていてもよい。
図3は、本発明のさらに別の実施形態に係る加硫済みタイヤ1Bを示している。加硫済みタイヤ1Bのうち、以下で説明されてない部分については、上述した加硫済みタイヤ1または1Aの構成が採用されうる。
加硫済みタイヤ1Bでは、機能部材13の別の例として制音体15が適用されている。制音体15は、例えば、多孔質状のスポンジ材により構成される。
スポンジ材は、海綿状の多孔構造体であり、例えばゴムや合成樹脂を発泡させた連続気泡を有するいわゆるスポンジそのものの他、動物繊維、植物繊維又は合成繊維等を絡み合わせて一体に連結したウエブ状のものを含むものとする。また「多孔構造体」には、連続気泡のみならず独立気泡を有するものを含む。本例の制音体15には、ポリウレタンからなる連続気泡のスポンジ材が用いられる。
上述のようなスポンジ材は、表面乃至内部の多孔部が振動する空気の振動エネルギーを熱エネルギーに変換して消費させることにより、音(空洞共鳴エネルギー)を小さくし、加硫済みタイヤ1の走行ノイズを低減する。
スポンジ材として、好ましくはエーテル系ポリウレタンスポンジ、エステル系ポリウレタンスポンジ、ポリエチレンスポンジなどの合成樹脂スポンジ、クロロプレンゴムスポンジ(CRスポンジ)、エチレンプロピレンゴムスポンジ(EDPMスポンジ)、ニトリルゴムスポンジ(NBRスポンジ)などのゴムスポンジを好適に用いることができ、とりわけエーテル系ポリウレタンスポンジを含むポリウレタン系又はポリエチレン系等のスポンジが、制音性、軽量性、発泡の調節可能性、耐久性などの観点から好ましい。
機能部材13として、シーラント層14と制音体15の両者が適用されていてもよい。この場合、シーラント層14の内周面に制音体15が形成される。
図4は、加硫済みタイヤを製造するためのタイヤ製造方法100の手順を示している。タイヤ製造方法100は、生タイヤの内腔面に離型剤11を付着させる第1工程S1と、生タイヤを加硫する第2工程S2と、加硫済みタイヤの内腔面を研磨する第3工程とを含んでいる。なお、第1工程S1に先だって、生タイヤを成形する成形工程(図示せず)が実施される。
第1工程S1では、内腔面とは識別可能な着色成分を含む離型剤11が、生タイヤの内腔面に付着される。なお、生タイヤの内腔面の色彩は、加硫済みタイヤ1の内腔面10の色彩と同等であるため、加硫済みタイヤ1の内腔面10とは識別可能な着色成分を含む離型剤11が付着される。加硫の前後において離型剤11の色彩が変化する場合、加硫後の色彩が加硫済みタイヤ1の内腔面10とは識別可能な着色成分を含む、離型剤11が付着される。
第2工程S2では、生タイヤが加硫される。これにより、加硫済みタイヤ1が製造される。
第3工程S3では、離型剤11の着色成分が視認されなくなるまで、すなわち、離型剤11を付着させる前の内腔面10のゴム成分がむき出しとなるまで、加硫済みタイヤ1の内腔面10が研磨される。研磨する領域は、機能部材13を固着する領域であり、内腔面10の一部であってもよい。
本タイヤ製造方法100によれば、離型剤11の残留が容易かつ確実に確認できるため、内腔面10の研磨作業が最小となり、タイヤの製造工程での負担を低減できる。
本タイヤ製造方法100において、離型剤11は、内腔面10とは識別可能な着色成分を含んでいる。従って、機能部材の固着の妨げとなる離型剤11が容易かつ確実に除去可能となり、内腔面10からの機能部材の剥離が抑制される。
第1工程S1では、離型剤11が、ブラダーを介して生タイヤの内腔面に付着されてもよく、離型剤11が、直接的に生タイヤの内腔面に付着されてもよい。
図5は、前者における第1工程S1の一部を示している。すなわち、第1工程S1は、ブラダー50の外表面51に離型剤11を塗布する工程S11と、ブラダー50を膨張させて、離型剤11を生タイヤの内腔面に接触させる工程(図示せず)とを含む。
工程S11では、円筒状のブラダー50を軸廻りに回転させながら、スプレーガン60を用いて、外表面51に離型剤11が塗布される。離型剤11は、刷毛等を用いて塗布されてもよい。ブラダー50への離型剤11の塗布は、1本の生タイヤを加硫するたびに行う必要はなく、生タイヤの加硫後においても外表面51に離型剤11が残留している場合、離型剤11の塗布は、複数本の生タイヤを加硫するたびに実施されてもよい。例えば、20本の生タイヤを加硫するたびに、ブラダー50に離型剤11が塗布されるのが望ましい。
工程S11の後、ブラダー50は、生タイヤの内腔に配され、内圧が充填される。これにより、ブラダー50が膨張し生タイヤの内腔面に接触する。これにより、外表面51に塗布されていた離型剤11の少なくとも一部が生タイヤの内腔面に接触し、付着する。なお、ブラダー50を膨張させて離型剤11を生タイヤの内腔面に接触させる工程は、第2工程S2の初期に実行されてもよい。
すでに述べたように、第1工程S1では、離型剤11が、直接的に生タイヤの内腔面に塗布されてもよい。すなわち、第1工程S1は、生タイヤの内腔面に離型剤11を塗布する工程(図示せず)を含む。
第3工程S3は、内腔面10に紫外線を照射する工程S31を含んでいてもよい。工程S31は、可視光の照射によって内腔面10と識別できないが、紫外線の照射によって内腔面10と識別できる着色成分が適用される場合に有効である。
図6ないし8は、工程S31を示している。同図においては、紫外線UVの照射によって識別可能となった離型剤11の領域が、ドットパターンのハッチングによって描かれている。図6ないし8に示されるように、紫外線UVは、加硫済みタイヤ1をタイヤ軸廻りに回転させながら、照射されるのが望ましい。
図6は、研磨を開始する前の内腔面10に紫外線UVを照射した状態を示している。紫外線UVは、紫外線照射装置から照射される。紫外線照射装置は、既存の装置を適用でき、例えば、作業者によって操作される。紫外線照射装置は、紫外線UVを走査できるように固定されていてもよい。
研磨前の内腔面10は、全域に亘って離型剤11が付着している。従って、紫外線UVが照射された領域の全てに離型剤11が残留していることが確認される。この後、第1部分12の全ての領域が研磨される。
図7は、研磨中の内腔面10に紫外線を照射した状態を示している。同図では、離型剤11が部分的に研磨されているが、第1部分12の紫外線UVが照射された領域で少なくとも一部において離型剤11が残留していることが確認される。この後、離型剤11の残留が確認された領域のみが研磨される。
なお、第1工程S1では、ブラダー50に塗布された離型剤11の一部が生タイヤの内腔面に付着する場合もある。この場合、研磨前の内腔面10であっても、図8に示されるように、紫外線UVが照射された領域の一部において離型剤11が残留していることが確認される。研磨前において、第1部分12に相当する領域に離型剤11が残留していない場合(図8に示される状態が確認できる場合)は、内腔面10の研磨は不要である。
図8は、研磨後の内腔面10に紫外線を照射した状態を示している。同図では、第1部分12の全ての領域で離型剤11が除去されたことが確認される。
図9は、タイヤ製造方法100の別の実施形態であるタイヤ製造方法101の手順を示している。タイヤ製造方法101のうち、以下で説明されてない部分については、上述したタイヤ製造方法100の構成が採用されうる。
タイヤ製造方法101では、第3工程S3の後、内腔面10に機能部材13を固着する第4工程S4が実行される。
図10は、第4工程S4を示している。機能部材13は、第3工程S3において研磨された内腔面10の少なくとも一部(すなわち第1部分12)に固着される。第1部分12は、第3工程S3で離型剤11が除去されているので、機能部材13が良好に固着される。
機能部材13としてシーラント層14が適用される場合、ブチル系ゴム等の上記原料を連続混練機(特に、二軸混練押出機)に順次供給することにより粘性シール剤が順次調製され、排出口に接続されたノズルから連続的に吐出される。これにより、粘性シール剤が順次加硫済みタイヤ1の内腔面10の第1部分12に直接塗布されて、シーラント層14が形成される。
機能部材13として制音体15が適用される場合、制音体15は、長尺の帯状に形成され、粘着剤等を用いて、加硫済みタイヤ1の内腔面10の第1部分12に固着される。
図5に示されるように、ブラダー50を介して離型剤11を生タイヤの内腔面に付着させる場合、離型剤11を塗布した後、最初の数本(例えば、4本)の生タイヤでは内腔面に離型剤11が付着し、その後の生タイヤでは内腔面に離型剤11が付着しないことが本願発明者によって確認されている。
しかしながら、着色成分が含まれない従来の離型剤を用いた場合、離型剤の付着を実際に確認できないため、念のために半数近く(例えば、7本)の加硫済みタイヤで内腔面の研磨が実施されていた。内腔面の研磨には、1本あたり数分(より具体的には7分程度)の時間を要するため、7本の加硫済みタイヤを研磨する場合、49分の時間が必要とされる。
一方、本願発明によれば、加硫済みタイヤで内腔面を目視することにより、離型剤11の付着が確認できる。そして、その視認に要する時間は、1本あたり15秒程度であり、20本のタイヤ1の全てに対して実施した場合であっても、5分程度である。なお、可視光を用いる場合と、ブラックライトを用いる場合とでは、離型剤11の付着の視認に要する時間に有意差は認められなかった。
そして、すでに述べたように、20本の加硫済みタイヤ1を目視することにより最初の4本で研磨が必要と確認された場合、それらの研磨に要する時間は28分程度であり、上記視認に要する時間を加えると33分となる。
以上の検証を踏まえて、表1には、発明者が試算した離型剤をブラダーに塗布した直後に加硫されたタイヤ20本の研磨に要する時間が示される。結果は、従来の離型剤を用いた比較例を100とする指数で表され、数値が小さいほど作業時間が短く、生産性が良好である。
なお、本願発明によれば、図7に示されるように、研磨作業中においても、さらなる研磨が必要な領域と研磨が不要な領域とが容易に識別できる。従って、不要な研磨を避けることにより、研磨に要する時間はさらに短縮可能である。
Figure 2022141408000002
表1から明らかなように、実施例の加硫済みタイヤは、比較例に比べて生産性が有意に向上していることが確認できた。
以上、本発明の加硫済みタイヤ1等が詳細に説明されたが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されることなく種々の態様に変更して実施される。
1 タイヤ
10 内腔面
11 離型剤
12 第1部分
13 機能部材
14 シーラント層
15 制音体
50 ブラダー
51 外表面
100 タイヤ製造方法
S1 第1工程
S2 第2工程
S3 第3工程
S4 第4工程
UV 紫外線

Claims (12)

  1. 内腔面に離型剤が付着した加硫済みタイヤであって、
    前記離型剤は、前記内腔面とは識別可能な着色成分を含む、
    加硫済みタイヤ。
  2. 前記着色成分は、可視光の照射で視認できる物質を含む、請求項1に記載の加硫済みタイヤ。
  3. 前記着色成分は、蛍光物質を含む、請求項1に記載の加硫済みタイヤ。
  4. 前記蛍光物質は、波長が315~400nmの紫外線の照射により発光する、請求項3に記載の加硫済みタイヤ。
  5. 前記内向面は、前記離型剤が除去された第1部分を有し、
    前記第1部分には、前記加硫済みタイヤに機能を付加するための機能部材が固着されている、請求項1ないし4のいずれかに記載の加硫済みタイヤ。
  6. 前記機能部材は、パンク防止用のシーラント層を含む、請求項5に記載の加硫済みタイヤ。
  7. 前記機能部材は、多孔質状の制音体を含む、請求項5に記載の加硫済みタイヤ。
  8. タイヤの製造方法であって、
    生タイヤの内腔面に、前記内腔面とは識別可能な着色成分を含む離型剤を付着させる第1工程と、
    前記生タイヤを加硫する第2工程と、
    前記着色成分が視認されなくなるまで、加硫済みタイヤの前記内腔面の少なくとも一部を研磨する第3工程とを含む、
    タイヤ製造方法。
  9. 前記第1工程は、前記生タイヤの内腔に配されるブラダーの外表面に前記離型剤を塗布する工程と、前記ブラダーを膨張させて、前記離型剤を前記生タイヤの前記内腔面に接触させる工程とを含む、請求項8に記載のタイヤ製造方法。
  10. 前記第1工程は、前記生タイヤの前記内腔面に前記離型剤を塗布する工程を含む、請求項8に記載のタイヤ製造方法。
  11. 前記第3工程は、前記内腔面に紫外線を照射する工程を含む、請求項8ないし10のいずれかに記載のタイヤ製造方法。
  12. 前記第3工程後の研磨された前記内腔面に、前記加硫済みタイヤに機能を付加するための機能部材を固着する第4工程を含む、請求項8ないし11のいずれかに記載のタイヤ製造方法。
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