JP2007024723A - 電子部品取付用ゴムパッチ及びゴムパッチ付タイヤ - Google Patents

電子部品取付用ゴムパッチ及びゴムパッチ付タイヤ Download PDF

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Masaru Masaoka
賢 正岡
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Abstract

【課題】タイヤのインナーライナー7と電子部品取付用ゴムパッチ9との接着性を十分に確保する。
【解決手段】第1ゴム層25は、加硫促進剤を含まないゴム材料からなり、一側に、インナーライナー7に直接的に取付可能な第1取付面29を有し、他側に、第1接合面31を有し、第1ゴム層25には第2ゴム層27が重合される。第2ゴム層27は、加硫促進剤を含むゴム材料からなり、一側に、第1ゴム層25の第1接合面31に接着した第2接合面33を有し、他側に、電子部品11を直接的又は間接的に取付可能な第2取付面35を有し、第1接合面31と第2接合面33を貼り合わせた状態の下で、第2ゴム層27全体が加硫される。これにより、第2ゴム層27に含まれる加硫促進剤が第2接合面33に染み出て、第1接合面31に架橋反応を起こすので、第1ゴム層25と第2ゴム層27は加硫接着される。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、トランスポンダ、タイヤ内圧監視装置等の電子部品をタイヤに取付けるための電子部品取付用ゴムパッチ、及びゴムパッチ付タイヤに関する。
従来の一般的な電子部品取付用ゴムパッチ、及びこの電子部品取付用ゴムパッチを用いたトランスポンダの取付について図3を参照して簡単に説明する。
ここで、図3(a)は、インナーライナーに取付ける前の状態の一般的な電子部品取付用ゴムパッチを示す図であって、図3(b)は、インナーライナーに取付けた後の状態の一般的な電子部品取付用ゴムパッチを示す図であって、図3(c)は、トランスポンダを取付けた状態の一般的な電子部品取付用ゴムパッチを示す図である。
即ち、図3(a)(b)(c)に示すように、従来の一般的な電子部品取付用ゴムパッチ101は、一側(図3において下側)に、タイヤ103におけるインナーライナー105に直接的に取付可能な第1取付面107を有してあって、他側(図3において上側)に、トランスポンダ109を直接的に取付可能な第2取付面111を有してある。また、走行中のタイヤ103から外力が入力された際等に、電子部品取付用ゴムパッチ101の変形を小さくするため、電子部品取付用ゴムパッチ101は、加硫促進剤を含むゴム材料からなっており、インナーライナー105に取付ける前に予め加硫されている。
トランスポンダ109の取付については、まず、図3(b)に示すように、電子部品取付用ゴムパッチ101をタイヤ103におけるインナーライナー105に接着剤によって接着する。或いは、生タイヤ103’におけるインナーライナー105に電子部品取付用ゴムパッチ101を貼り付けた状態で、生タイヤ103’を加硫することにより、生タイヤ103’から製品形状のタイヤ103を成型しつつ、電子部品取付用ゴムパッチ101をタイヤ103におけるインナーライナー105に加硫接着する(換言すれば、タイヤ103の製造工程中に、電子部品取付用ゴムパッチ101をタイヤ103におけるインナーライナー105に加硫接着する)。そして、図3(c)に示すように、電子部品取付用ゴムパッチ101の第2取付面111にトランスポンダ109を接着剤によって接着する。これによって、トランスポンダ109をタイヤ103に取付けることができる。
なお、本発明に関連する先行技術として、特許文献1及び特許文献2に示すものがある。
特開2000−168321号公報 特開平9−136517号公報
ところで、電子部品取付用ゴムパッチ101をタイヤ103におけるインナーライナー105に接着剤によって接着する場合にあっては、インナーライナー105と電子部品取付用ゴムパッチ101との接着性を十分に確保することができず、タイヤ103の走行距離又は走行時間が長くなると、電子部品取付用ゴムパッチ101の接着剥離が生じ易いという問題がある。
一方、電子部品取付用ゴムパッチ101をタイヤ103におけるインナーライナー105に加硫接着する場合にあっては、インナーライナー105と電子部品取付用ゴムパッチ101との接着性を十分に確保することができるものの、タイヤ103の製造工程と切り離して、製品形状に成型したタイヤ103におけるインナーライナー105に電子部品取付用ゴムパッチ101を強固に接着することはできない。
そこで、本発明は、タイヤにおけるインナーライナーに取付ける前において、1つのゴム層の大部分を未加硫の状態又は架橋反応が十分に起こってない半加硫の状態に保つことができる、新規な構成の電子部品取付用ゴムパッチ、及びこの電子部品取付用ゴムパッチを具備した新規な構成のゴムパッチ付タイヤを提供することを目的とする。
本発明の第1の特徴は、電子部品をタイヤに取付けるための電子部品取付用ゴムパッチにおいて、一側に前記タイヤにおけるインナーライナーに直接的に取付可能な第1取付面を有し、他側に第1接合面を有してあって、加硫促進剤を含まないゴム材料からなる第1ゴム層と、前記第1ゴム層に重合され、一側に前記第1ゴム層の前記第1接合面に接着した第2接合面を有し、他側に前記電子部品を直接的又は間接的に取付可能な第2取付面を有してあって、加硫促進剤を含むゴム材料からなって、加硫された第2ゴム層と、を具備してあって、前記第1ゴム層の前記第1接合面と前記第2ゴム層の前記第2接合面を貼り合わせた状態の下で、前記第2ゴム層全体が加硫されることより、前記第2ゴム層に含まれる加硫促進剤が前記第2ゴム層の前記第2接合面に染み出て、前記第1ゴム層の前記第1接合面に架橋反応を起こすことによって、前記第1ゴム層と前記第2ゴム層が加硫接着されるようになっていることである。
ここで、前記電子部品ゴムパッチは、前記第1ゴム層と前記第2ゴム層以外に、前記第2ゴム層に重合した別のゴム層等を具備してあってもよい。また、前記電子部品を直接的又は間接的に取付可能とは、前記電子部品を前記第2取付面に直接的に取付可能な場合の他に、前記電子部品を前記別のゴム層等を介して間接的に取付可能な場合を含む意である。なお、電子部品とは、例えば、トランスポンダ、タイヤ内圧監視装置等のことをいう。
第1の特徴によると、前記第2ゴム層は加硫促進剤を含むゴム材料からなって、加硫されているため、前記電子部品取付用ゴムパッチ全体としての剛性を高めることができ、走行中の前記タイヤから外力が入力される際等に、電子部品取付用ゴムパッチの変形を小さくすることができる。
また、前記第1ゴム層は加硫促進剤を含まないゴム材料からなるため、前記電子部品取付用ゴムパッチを前記タイヤにおけるインナーライナーに取付ける前において、前記第1ゴム層の大部分を未加硫の状態又は架橋反応が十分に起こってない半加硫の状態に保つことができる。
更に、前記第1ゴム層の前記第1接合面と前記第2ゴム層の前記第2接合面を貼り合わせた状態の下で、前記第2ゴム層全体が加硫されることより、前記第2ゴム層に含まれる加硫促進剤が前記第2ゴム層の前記第2接合面に染み出て、前記第1ゴム層の前記第1接合面に架橋反応を起こすことによって、前記第1ゴム層と前記第2ゴム層が加硫接着されるようになっているため、加硫促進剤入りの接着剤を用いることなく、1回の加硫処理によって前記第1ゴム層と前記第2ゴム層を強固に接合(結合)させることができる。
本発明の第2の特徴は、第1の特徴に加えて、前記第1ゴム層が前記インナーライナーに加硫接着されるようになっていることである。
本発明の第3の特徴は、第2の特徴に加えて、前記インナーライナーの表面、前記第2ゴム層の前記第2取付面のうちの少なくとも一方に、加硫促進剤を入りの接着剤を塗布して、前記第1ゴム層が前記インナーライナーの表面に配置されることにより、前記第1ゴム層が前記インナーライナーに加硫接着されるようになっていることである。
本発明の第4の特徴は、第2の特徴に加えて、生タイヤを加硫して所定の製品形状のタイヤを成型するときに、前記第1ゴム層が前記インナーライナーに加硫接着されるようになっていることである。
本発明の第5の特徴は、第1の特徴から第4の特徴のうちのいずれかの特徴に加えて、前記第1ゴム層の厚さが0.1mm以上であって2mm未満になっていることである。
ここで、前記第1ゴム層の厚さを0.1mm以上としたのは、前記第1ゴム層の厚さが0.1mm未満であると、前記電子部品取付用ゴムパッチの製造工程で前記第1ゴム層に欠陥(ゴム材料がない部分)が生じるからである。また、前記第1ゴム層の厚さを2mm未満としたのは、前記第1ゴム層の厚さが2mm以上になると、前記タイヤの走行中において前記第1ゴム層の内部から剥離が生じ易くなるからである。
第5の特徴によると、前記第1ゴム層の厚さが0.1mm以上であって2mm未満になっているため、前記電子部品取付用ゴムパッチの製造工程で前記第1ゴム層に欠陥が生じることを抑えて、前記タイヤの走行中において前記第1ゴム層の内部から剥離を生じ難くする。
本発明の第6の特徴は、第1の特徴から第5の特徴のうちのいずれかの特徴に加えて、前記第2ゴム層の100%モジュラスが0.1MPa以上であって5MPa未満になっていることである。
ここで、前記第2ゴム層の100%モジュラスが0.1MPa以上としたのは、前記第2ゴム層の100%モジュラスが0.1MPa未満であると、繰り返し変形に対する前記第2ゴム層の耐久性が不十分になるからである。また、前記第2ゴム層の100%モジュラスが5MPa未満としたのは、前記第2ゴム層の100%モジュラスが5MPa以上になると、前記第2ゴム層の100%モジュラスと前記第1ゴム層の100%モジュラスとの差が大きくなって、前記タイヤの走行中において前記第1ゴム層と前記第2ゴム層との間の接着剥離が生じ易くなるからである。
第6の特徴によると、前記第2ゴム層の100%モジュラスが0.1MPa以上であって5MPa未満になっているため、繰り返し変形に対する前記第2ゴム層の耐久性を十分に確保しつつ、前記タイヤの走行中において前記第1ゴム層と前記第2ゴム層との間の接着剥離を生じ難くする。
本発明の第7の特徴は、作動気体を充填可能なタイヤと、前記タイヤにおけるインナーライナーに取付けられた第2の特徴から第6の特徴のうちのいずれかの特徴からなる電子部品取付用ゴムパッチと、を具備したことである。
ここで、作動気体とは、主として空気のことであるが、窒素ガス等も含まれる。
請求項1から請求項7のうちのいずれかの請求項に記載の発明によれば、前記電子部品取付用ゴムパッチを前記タイヤにおけるインナーライナーに取付ける前にあっては、前記第1ゴム層の大部分を未加硫の状態又は架橋反応が十分に起こってない半加硫の状態に保つことができるため、前記タイヤの製造工程の中で、前記タイヤにおける前記インナーライナーに前記電子部品取付用ゴムパッチを加硫接着する他に、前記タイヤの製造工程と切り離して、製品形状に成型した前記タイヤにおける前記インナーライナーに加硫促進剤を入りの接着剤によって前記電子部品取付用ゴムパッチを加硫接着することができる。よって、種々のタイヤ(生タイヤ、製品形状に成型した前記タイヤを含む)における前記インナーライナーと前記電子部品取付用ゴムパッチとの接着性を十分に確保することができる。
また、加硫促進剤入りの接着剤を用いることなく、1回の加硫処理によって前記第1ゴム層と前記第2ゴム層を強固に接合(結合)させることができるため、前記電子部品取付用ゴムパッチの製造の簡略化を図ることができる。
請求項5から請求項7のうちのいずれか請求項に記載の発明によれば、前記電子部品取付用ゴムパッチの製造工程で前記第1ゴム層に欠陥が生じることを抑えて、前記タイヤの走行中において前記第1ゴム層の内部から剥離を生じ難くすることができるため、前記電子部品取付用ゴムパッチの品質を高めることができる。
請求項6又は請求項7に記載の発明によれば、繰り返し変形に対する前記第2ゴム層の耐久性を十分に確保しつつ、前記タイヤの走行中において前記第1ゴム層と前記第2ゴム層との間の接着剥離を生じ難くすることができるため、前記電子部品取付用ゴムパッチの品質をより一層高めることができる。
本発明の実施形態について図1及び図2を参照して説明する。
ここで、図1(a)は、インナーライナーに取付ける前の状態の実施形態に係わる電子部品取付用ゴムパッチを示す図であって、図1(b)は、インナーライナーに取付けた後の状態の実施形態に係わる電子部品取付用ゴムパッチを示す図であって、図2は、実施形態に係わるゴムパッチ付タイヤの部分断面図である。
図2に示すように、実施形態に係わるゴムパッチ付タイヤ1は、リム3に組付けられかつ作動気体としての空気を充填可能なタイヤ5と、このタイヤ5におけるインナーライナー7に取付けられた電子部品取付用ゴムパッチ9と、この電子部品取付用ゴムパッチ9に取付けられたトランスポンダ11とを具備している。
ゴムパッチ付タイヤ1におけるタイヤ5の具体的な構成は、次のようになる。
即ち、タイヤ5は、骨格部材であるカーカス13を備えており、このカーカス13の断面形状は、トロイド状を呈している。また、カーカス13の両縁部(一縁部と他縁部)には、リム3に嵌合可能なビードフィラ(ビード部)15がそれぞれ一体に設けられており、各ビードフィラ15には、ビードコア17がそれぞれ内蔵されている。また、カーカス13の外周面には、接地可能なトレッド19が一体に設けられており、このトレッド19とカーカス13との間には、カーカス13を補強するベルト21が介在されている。
カーカス13の内側面(内周面も含む)には、タイヤ5の内部に充填された空気の漏れを防ぐ前述のインナーライナー7が一体に設けられている。また、カーカス13の外側面における一方のビードフィラ15とカーカス13の一端部との間、及び他方のビードフィラ15とカーカス13の他端部との間には、カーカス13を保護するサイドトレッド23がそれぞれ一体に設けられている。
ゴムパッチ付タイヤ1における電子部品取付用ゴムパッチ9の具体的な構成は、次のようになる。
即ち、図1(a)(b)に示すように、電子部品取付用ゴムパッチ9は、トランスポンダ11をタイヤ5に取付けるためのものであって、第1ゴム層25と、この第1ゴム層25に重合された第2ゴム層27とを具備している。
第1ゴム層25は、一側(図1において下側)に、タイヤ5におけるインナーライナー7に直接的に取付可能な第1取付面29を有してあって、他側(図1において上側)に第1接合面31を有している。また、第1ゴム層25は、加硫促進剤を含まないゴム材料からなるものである。
更に、第1ゴム層25の厚さは、0.1mm以上であって2mm未満である。ここで、第1ゴム層25の厚さを0.1mm以上としたのは、第1ゴム層25の厚さが0.1mm未満であると、電子部品取付用ゴムパッチ9の製造工程で第1ゴム層25に欠陥(ゴム材料がない部分)が生じるからである。また、第1ゴム層25の厚さを2mm未満としたのは、第1ゴム層25の厚さが2mm以上になると、タイヤ5(ゴムパッチ付タイヤ1)の走行中において第1ゴム層25の内部から剥離が生じ易くなるからである。
第2ゴム層27は、一側に、第1ゴム層25の第1接合面31に接着した第2接合面33を有してあって、他側に、トランスポンダ11を直接的に取付可能な第2取付面35を有している。なお、第2ゴム層27の第2取付面35は、第2ゴム層27に重合された別のゴム層等を介してトランスポンダ11を間接的に取付可能であっても差し支えない。また、第2ゴム層27は、加硫促進剤を含むゴム材料からなって、電子部品取付用ゴムパッチ9をインナーライナー7に取付ける前に予め加硫されている。
更に、第2ゴム層27の100%モジュラスが0.1MPa以上であって5MPa未満になっている。ここで、第2ゴム層27の100%モジュラスが0.1MPa以上としたのは、第2ゴム層の100%モジュラスが0.1MPa未満であると、繰り返し変形に対する第2ゴム層27の耐久性が不十分になるからである。また、第2ゴム層27の100%モジュラスが5MPa未満としたのは、第2ゴム層27の100%モジュラスが5MPa以上になると、第2ゴム層27の100%モジュラスと第1ゴム層25の100%モジュラスとの差が大きくなって、タイヤ5の走行中において第1ゴム層25と第2ゴム層27との間の接着剥離が生じ易くなるからである。
そして、第1ゴム層25と第2ゴム層27は、第1ゴム層25の第1接合面31と第2ゴム層27の第2接合面33を貼り合わせた状態の下で、第2ゴム層27全体が加硫されることより、第2ゴム層27に含まれる加硫促進剤が第2ゴム層27の第2接合面33に染み出て、第1ゴム層25の第1接合面31に架橋反応を起こすことによって、加硫接着されるようになっている。また、第1ゴム層25は、インナーライナー7の表面、第1ゴム層25の第1取付面29のうちの少なくとも一方に、加硫促進剤を入りの接着剤を塗布して、インナーライナー7の表面に配置されることにより、インナーライナー7に加硫接着されるようになっている。或いは、第1ゴム層25は、生タイヤ5’を加硫して所定の製品形状のタイヤ5を成型するときに、インナーライナー7に加硫接着されるようになっている。
ゴムパッチ付タイヤ1におけるトランスポンダ11の補足説明は、次のようになる。
即ち、トランスポンダ11は、タイヤ5の内圧、内部温度を監視するために用いられる電子部品であって、例えばシアノアクリレート等の接着剤による接着によって第2ゴム層27の第2取付面35に取付けられている。なお、第2ゴム層27の第2取付面35にトランスポンダ11以外の電子部品が取付られても差し支えない。
次に、本発明の実施形態の作用及び効果について説明する。
第2ゴム層27は加硫促進剤を含むゴム材料からなって、電子部品取付用ゴムパッチ9をインナーライナー7に取付ける前に予め加硫されているため、電子部品取付用ゴムパッチ9全体としての剛性を高めることができ、走行中のタイヤ5(ゴムパッチ付タイヤ1)から外力が入力される際等に、電子部品取付用ゴムパッチ9の変形を小さくすることができる。
また、第1ゴム層25は加硫促進剤を含まないゴム材料からなるため、電子部品取付用ゴムパッチ9をタイヤ5におけるインナーライナー7に取付ける前において、第1ゴム層25の大部分を未加硫の状態又は架橋反応が十分に起こってない半加硫の状態に保つことができる。
更に、第1ゴム層25の厚さが0.1mm以上であって2mm未満になっているため、電子部品取付用ゴムパッチ9の製造工程で第1ゴム層25に欠陥が生じることを抑えて、タイヤ5の走行中において第1ゴム層25の内部から剥離を生じ難くする。また、第2ゴム層27の100%モジュラスが0.1MPa以上であって5MPa未満になっているため、繰り返し変形に対する第2ゴム層27の耐久性を十分に確保しつつ、タイヤ5の走行中において第1ゴム層25と第2ゴム層27との間の接着剥離を生じ難くする。
更に、第1ゴム層25の第1接合面31と第2ゴム層27の第2接合面33を貼り合わせた状態の下で、第2ゴム層27全体が加硫されることより、第2ゴム層27に含まれる加硫促進剤が第2ゴム層27の第2接合面33に染み出て、第1ゴム層25の第1接合面31に架橋反応を起こすことによって、第1ゴム層25の第1接合面31と第2ゴム層27の第2接合面33は加硫接着されるようになっているため、加硫促進剤入りの接着剤を用いることなく、1回の加硫処理によって第1ゴム層25と第2ゴム層27を強固に接合(結合)させることができる。
以上の如き、本発明の実施形態によれば、電子部品取付用ゴムパッチ9をタイヤ5におけるインナーライナー7に取付ける前にあっては、第1ゴム層25の大部分を未加硫の状態又は架橋反応が十分に起こってない半加硫の状態に保つことができるため、タイヤ5(ゴムパッチ付タイヤ1)の製造工程の中で、タイヤ5におけるインナーライナー7に電子部品取付用ゴムパッチ9を加硫接着する他に、タイヤ5の製造工程と切り離して、製品形状に成型したタイヤ5におけるインナーライナー7に加硫促進剤を入りの接着剤によって電子部品取付用ゴムパッチを加硫接着することができる。よって、種々のタイヤ(生タイヤ5’、製品形状に成型したタイヤ5を含む)におけるインナーライナー7と電子部品取付用ゴムパッチ9との接着性を十分に確保することができる。
また、繰り返し変形に対する第2ゴム層27の耐久性を十分に確保しつつ、タイヤ5の走行中において第1ゴム層25と第2ゴム層27との間の接着剥離を生じ難くすることができると共に、電子部品取付用ゴムパッチ9の製造工程で第1ゴム層25に欠陥が生じることを抑えて、タイヤ5の走行中において第1ゴム層25の内部から剥離を生じ難くすることができるため、電子部品取付用ゴムパッチ9の品質を高めることができる。
また、加硫促進剤入りの接着剤を用いることなく、1回の加硫処理によって第1ゴム層25と第2ゴム層27を強固に接合(結合)させることができるため、電子部品取付用ゴムパッチ9の製造の簡略化を図ることができる。
なお、本発明は、前述の実施形態の他に、種々の態様で実施可能である。また、本発明に包含される権利範囲は、これらの実施形態に限定されないものである。
(実施例)
本発明の実施例に係わるドラム試験について簡単に説明する。
サイズ13R22.5のトラック・バス用タイヤにおけるインナーライナーに加硫促進剤を含む接着剤によって電子部品取付用ゴムパッチを接着して、電子部品取付用ゴムパッチにトランスポンダを接着剤によって接着する(換言すれば、前記トラック・バス用タイヤと、前記電子部品取付用ゴムパッチと、前記トランスポンダとを具備したゴムパッチ付タイヤを用意する)。次に、前記トラック・バス用タイヤ9.75−22.5のリムに組み付けて、前記トラック・バス用タイヤの内部に850KPaの空気を充填する。更に、直径1.7mのドラムを用い、前記トラック・バス用タイヤを前記ドラムの外周面に4125kgfの力で押し付けつつ、前記ドラムを時速60km/hの速度で回転させることにより、前記ゴムパッチ付タイヤを30000km走行分だけ回転させる。そして、10個の前記ゴムパッチ付タイヤ当たりの前記電子部品取付用ゴムパッチの接着剥離個数を調べると、表1のような結果になる。
Figure 2007024723
即ち、実施例1から実施例4及び比較例に示すように、前記インナーライナーに取付ける間の第1ゴム層の状態が未加硫又は半加硫であれば、10個の前記ゴムパッチ付タイヤ当たりの前記電子部品取付用ゴムパッチの接着剥離個数を減らすことができる。特に、実施例1から実施例3に示すように、前記第1ゴム層の厚さが0.1mm以上であって2mm未満であれば、又は実施例1、実施例2、及び実施例4に示すように、第2ゴム層27の100%モジュラスが0.1MPa以上であって5MPa未満であれば、10個の前記ゴムパッチ付タイヤ当たりの前記電子部品取付用ゴムパッチの接着剥離個数を更に減らすことができる。
図1(a)は、インナーライナーに取付ける前の状態の実施形態に係わる電子部品取付用ゴムパッチを示す図であって、図1(b)は、インナーライナーに取付けた後の状態の実施形態に係わる電子部品取付用ゴムパッチを示す図である。 実施形態に係わるゴムパッチ付タイヤの部分断面図である。 図3(a)は、インナーライナーに取付ける前の状態の一般的な電子部品取付用ゴムパッチを示す図であって、図3(b)は、インナーライナーに取付けた後の状態の一般的な電子部品取付用ゴムパッチを示す図であって、図3(c)は、トランスポンダを取付けた状態の一般的な電子部品取付用ゴムパッチを示す図である。
符号の説明
1 ゴムパッチ付タイヤ
5 タイヤ
7 インナーライナー
9 電子部品取付用ゴムパッチ
11 トランスポンダ
25 第1ゴム層
27 第2ゴム層
29 第1取付面
31 第1接合面
33 第2接合面
35 第2取付面

Claims (7)

  1. 電子部品をタイヤに取付けるための電子部品取付用ゴムパッチにおいて、
    一側に前記タイヤにおけるインナーライナーに直接的に取付可能な第1取付面を有し、他側に第1接合面を有してあって、加硫促進剤を含まないゴム材料からなる第1ゴム層と、
    前記第1ゴム層に重合され、一側に前記第1ゴム層の前記第1接合面に接着した第2接合面を有し、他側に前記電子部品を直接的又は間接的に取付可能な第2取付面を有してあって、加硫促進剤を含むゴム材料からなって、加硫された第2ゴム層と、を具備してあって、
    前記第1ゴム層の前記第1接合面と前記第2ゴム層の前記第2接合面を貼り合わせた状態の下で、前記第2ゴム層全体が加硫されることより、前記第2ゴム層に含まれる加硫促進剤が前記第2ゴム層の前記第2接合面に染み出て、前記第1ゴム層の前記第1接合面に架橋反応を起こすことによって、前記第1ゴム層と前記第2ゴム層は加硫接着されるようになっていることを特徴とする電子部品取付用ゴムパッチ。
  2. 前記第1ゴム層が前記インナーライナーに加硫接着されるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の電子部品取付用ゴムパッチ。
  3. 前記インナーライナーの表面、前記第1ゴム層の前記第1取付面のうちの少なくとも一方に、加硫促進剤を入りの接着剤を塗布して、前記第1ゴム層が前記インナーライナーの表面に配置されることにより、前記第1ゴム層が前記インナーライナーに加硫接着されるようになっていることを特徴とする請求項2に記載の電子部品取付用ゴムパッチ。
  4. 生タイヤを加硫して所定の製品形状のタイヤを成型するときに、前記第1ゴム層が前記インナーライナーに加硫接着されるようになっていることを特徴とする請求項2に記載の電子部品取付用ゴムパッチ。
  5. 前記第1ゴム層の厚さが0.1mm以上であって2mm未満になっていることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれかの請求項に記載の電子部品取付用ゴムパッチ。
  6. 前記第2ゴム層の100%モジュラスが0.1MPa以上であって5MPa未満になっていることを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれかの請求項に記載の電子部品取付用ゴムパッチ。
  7. 作動気体を充填可能なタイヤと、
    前記タイヤにおけるインナーライナーに取付けられた請求項2から請求項6のうちのいずれかの請求項に記載の電子部品取付用ゴムパッチと、
    を具備したことを特徴とするゴムパッチ付タイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009298327A (ja) * 2008-06-13 2009-12-24 Bridgestone Corp パッチ設計方法

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