JP2022140250A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温高湿環境下でのトナーすり抜け及びトナー融着の抑制を両立した電子写真感光体の提供。【解決手段】外表面に皺を有する感光体の外表面に軸方向に20等分する19本の線分と周方向に4等分する4本の線分との交点76か所を中心点とする一辺300μmの正方形の観察領域を置き、中心点を通り周方向に平行な線を第1基準線L1、該L1を0.1°毎に回転させて得られる基準線をL2~L1800とした時、皺の凸部には、L1~L150及びL1651~L1800のいずれかと平行かつ長さが50μm以上の直線形状部が存在し、L1~L1800の夫々は凸部と複数個所で交差し、該個所の少なくとも2つは異なる交差角を有し、皺の高さ情報を周波数解析し二次元パワースペクトルを得た時、一次元の動径方向分布関数が少なくとも一つの極大値を有し、該極大値の周波数での該スペクトルから角度分布を計算した時、パワー値が特定な関係を有する。【選択図】図1
Description
本発明は電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
プロセスカートリッジ及び電子写真装置に搭載される電子写真感光体として、有機光導電性物質(電荷発生物質)を含有する電子写真感光体が用いられている。近年、より長寿命な電子写真装置が求められており、そのため、画質、耐摩耗性(機械的耐久性)を向上させた電子写真感光体の提供が望まれている。
電子写真感光体(以下、単に「感光体」とも称する。)の耐摩耗性を向上させる方法として、感光体の表面にラジカル重合性の樹脂を用い、感光体の表面層を硬化層とすることにより、表面層の機械的強度を高めるという技術が提案されている。
電子写真感光体は、一般的には、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程からなる電子写真画像形成プロセスに用いられる。その中で転写工程後の電子写真感光体上の残存トナーを除去するクリーニング工程は、鮮明な画像を得る上で重要な工程である。このクリーニングの方法としては、ゴム状のクリーニングブレードを電子写真感光体に圧接し、トナーを掻き取る方法が一般的である。
しかしながら、上記のクリーニング方法では、クリーニングブレードと電子写真感光体との摩擦力が大きいため、クリーニングブレードのビビリが発生し、クリーニングに起因する画像不良が起こりやすい。このクリーニングブレードの問題は、電子写真感光体の表面層の機械的強度が高くなるほど、つまりは、電子写真感光体の周面が摩耗しにくいほど顕著になる。すなわち、この問題は、上記のように電子写真感光体の表面層を硬化層とし、表面層の機械的強度を高めることで生じるのである。また、有機電子写真感光体の表面層は一般的に浸漬塗布法により形成されることが多いが、浸漬塗布法により形成された表面層の表面(すなわち電子写真感光体の周面)は非常に平滑になる。よって、クリーニングブレードと電子写真感光体の周面との接触面積が大きくなり、クリーニングブレードと電子写真感光体の周面との摩擦抵抗が増大し、上記問題が顕著になる。
上述した問題点を克服する方法として、感光体表面に凹凸形状を設け、電子写真感光体の外表面とクリーニングブレードとの接触面積を減少させて摩擦力を低減させ、クリーニング性を向上させる方法が提案されている。
特許文献1には、感光体の外周面の周方向に沿った溝形状を有する感光体の技術が記載されている。又、特許文献2には、型部材の円形の凹凸形状を感光体表面に転写する技術が記載されている。
近年、高精細、高画質の画像への要求の高まりから、小粒子径の球形トナーが主流になっている。小粒子径の球形トナーは感光体表面への付着力が大きく、表面に付着した転写残トナーなどの残留トナーの除去が不十分となりやすい。この問題を解消させるために感光体表面に凹凸形状を設けて摩擦力を低減させると、クリーニングブレードの当接圧を高めることができ、小粒径トナーに対するクリーニング性能を向上させることができる。
しかしながら、高温高湿の環境下においては、クリーニングブレードの変形や材料特性により感光体との摩擦力が高くなりやすい。また、感光体表面上の凹部でトナーが繰り返し圧縮されてしまうと、トナーが凝集して感光体表面でのトナー融着を起こし、融着したトナーを起点とする画像弊害(例えば、べた画像の白ポチ)を発生しやすい。
特許文献1に開示された技術では高温高湿の環境下においては、クリーニングブレードと感光体の摩擦力が高くなり、感光体の溝形状部をトナーが部分的にすり抜けるクリーニング不良が発生する場合があった。また、特許文献2に開示された技術では、高温高湿の環境下においては、感光体表面上の円形の凹部でトナー融着を起こし、白ポチ画像を発生する場合があった。
したがって、本発明の目的は、高温高湿の環境下においても、トナーすり抜けの抑制と、トナー融着の抑制とを両立する電子写真感光体を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明にかかる電子写真感光体は、
支持体および感光層を有する電子写真感光体であって、
該電子写真感光体の外表面は皺を有し、
該外表面に、電子写真感光体を軸方向に20等分する19本の線分と、周方向に4等分する4本の線分との交点76か所をそれぞれ中心点とする一辺が300μmの正方形の観察領域を置き、該観察領域の向きは、観察領域を形成する該正方形の一辺が電子写真感光体の周方向と平行になる向きとし、
該観察領域の中心点を通り、該電子写真感光体の周方向に平行な線を第1基準線L1とし、該中心点を中心として、該第1基準線を0.1°毎に回転させて得られる1799本の基準線を各々L2~L1800としたとき、
該皴の凸部には、直線形状部が存在し、該直線形状部は、基準線L1~L150および基準線L1651~L1800のいずれかと平行かつ長さが50μm以上の直線形状部であり、
基準線L1~L1800のそれぞれは、該皺の凸部と複数個所において交差し、該複数個所から選ばれる少なくとも2つは互いに異なる交差角を有し、
前記観察領域において、前記皺の高さ情報を周波数解析し、周波数成分をr、角度成分をθとして二次元パワースペクトルF(r、θ)を得たとき、該二次元パワースペクトルF(r、θ)をθ方向に積算して得られた一次元の動径方向分布関数p(r)が少なくとも一つの極大値を有し、
該一次元の動径方向分布関数p(r)が該極大値をとるときの周波数rpについて、該二次元パワースペクトルF(r、θ)から角度分布q(θ)を計算したとき、θ=0°~15°の範囲および165°~180°の範囲におけるパワー値の最大値が、θ=16°~164°におけるパワー値の平均値に対して1.15倍以上のパワー値であることを特徴とする。
支持体および感光層を有する電子写真感光体であって、
該電子写真感光体の外表面は皺を有し、
該外表面に、電子写真感光体を軸方向に20等分する19本の線分と、周方向に4等分する4本の線分との交点76か所をそれぞれ中心点とする一辺が300μmの正方形の観察領域を置き、該観察領域の向きは、観察領域を形成する該正方形の一辺が電子写真感光体の周方向と平行になる向きとし、
該観察領域の中心点を通り、該電子写真感光体の周方向に平行な線を第1基準線L1とし、該中心点を中心として、該第1基準線を0.1°毎に回転させて得られる1799本の基準線を各々L2~L1800としたとき、
該皴の凸部には、直線形状部が存在し、該直線形状部は、基準線L1~L150および基準線L1651~L1800のいずれかと平行かつ長さが50μm以上の直線形状部であり、
基準線L1~L1800のそれぞれは、該皺の凸部と複数個所において交差し、該複数個所から選ばれる少なくとも2つは互いに異なる交差角を有し、
前記観察領域において、前記皺の高さ情報を周波数解析し、周波数成分をr、角度成分をθとして二次元パワースペクトルF(r、θ)を得たとき、該二次元パワースペクトルF(r、θ)をθ方向に積算して得られた一次元の動径方向分布関数p(r)が少なくとも一つの極大値を有し、
該一次元の動径方向分布関数p(r)が該極大値をとるときの周波数rpについて、該二次元パワースペクトルF(r、θ)から角度分布q(θ)を計算したとき、θ=0°~15°の範囲および165°~180°の範囲におけるパワー値の最大値が、θ=16°~164°におけるパワー値の平均値に対して1.15倍以上のパワー値であることを特徴とする。
本発明によれば、高温高湿の環境下においても、トナーすり抜けの抑制とトナー融着の抑制とを両立する電子写真感光体を提供することができる。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
本発明者らが検討した結果、高温高湿の環境下でクリーニングブレードの当接圧を高めてクリーニングを実施した場合、感光体の周方向と平行な溝形状が連なって設けられた感光体では、溝形状とクリーニングブレードとの当接部をトナーがすり抜けてしまうことが分かった。また、感光体の周方向と直交する溝形状を設けた感光体では、クリーニング時に溝形状でトナーが繰り返し圧縮され、凝集してトナー融着を起こしやすく、融着したトナーを起点とする画像弊害を発生しやすいことがわかった。
本発明者らが検討した結果、高温高湿の環境下でクリーニングブレードの当接圧を高めてクリーニングを実施した場合、感光体の周方向と平行な溝形状が連なって設けられた感光体では、溝形状とクリーニングブレードとの当接部をトナーがすり抜けてしまうことが分かった。また、感光体の周方向と直交する溝形状を設けた感光体では、クリーニング時に溝形状でトナーが繰り返し圧縮され、凝集してトナー融着を起こしやすく、融着したトナーを起点とする画像弊害を発生しやすいことがわかった。
鋭意検討の結果、電子写真感光体の外表面に、以下に述べる所定の皺形状を設けることで、トナーすり抜けとトナー融着の抑制とを高度に両立できることがわかった。
具体的には、本発明に係る電子写真感光体の外表面は皺を有し、該外表面に、電子写真感光体を軸方向に20等分する19本の線分と、周方向に4等分する4本の線分との交点76か所をそれぞれ中心点とする一辺が300μmの正方形の観察領域を置き、該観察領域の向きは、観察領域を形成する該正方形の一辺が電子写真感光体の周方向と平行になる向きとし、該観察領域の中心点を通り、該電子写真感光体の周方向に平行な線を第1基準線L1とし、該中心点を中心として、該第1基準線を0.1°毎に回転させて得られる1799本の基準線を各々L2~L1800としたとき、該皴の凸部には、直線形状部が存在し、該直線形状部は、基準線L1~L150および基準線L1651~L1800のいずれかと平行かつ長さが50μm以上の直線形状部であり、基準線L1~L1800のそれぞれは、該皺の凸部と複数個所において交差し、該複数個所から選ばれる少なくとも2つは互いに異なる交差角を有し、前記観察領域において、前記皺の高さ情報を周波数解析し、周波数成分をr、角度成分をθとして二次元パワースペクトルF(r、θ)を得たとき、該二次元パワースペクトルF(r、θ)をθ方向に積算して得られた一次元の動径方向分布関数p(r)が少なくとも一つの極大値を有し、該一次元の動径方向分布関数p(r)が該極大値をとるときの周波数rpについて、該二次元パワースペクトルF(r、θ)から角度分布q(θ)を計算したとき、θ=0°~15°の範囲および165°~180°の範囲におけるパワー値の最大値が、θ=16°~164°におけるパワー値の平均値に対して1.15倍以上のパワー値であることを特徴とする。
具体的には、本発明に係る電子写真感光体の外表面は皺を有し、該外表面に、電子写真感光体を軸方向に20等分する19本の線分と、周方向に4等分する4本の線分との交点76か所をそれぞれ中心点とする一辺が300μmの正方形の観察領域を置き、該観察領域の向きは、観察領域を形成する該正方形の一辺が電子写真感光体の周方向と平行になる向きとし、該観察領域の中心点を通り、該電子写真感光体の周方向に平行な線を第1基準線L1とし、該中心点を中心として、該第1基準線を0.1°毎に回転させて得られる1799本の基準線を各々L2~L1800としたとき、該皴の凸部には、直線形状部が存在し、該直線形状部は、基準線L1~L150および基準線L1651~L1800のいずれかと平行かつ長さが50μm以上の直線形状部であり、基準線L1~L1800のそれぞれは、該皺の凸部と複数個所において交差し、該複数個所から選ばれる少なくとも2つは互いに異なる交差角を有し、前記観察領域において、前記皺の高さ情報を周波数解析し、周波数成分をr、角度成分をθとして二次元パワースペクトルF(r、θ)を得たとき、該二次元パワースペクトルF(r、θ)をθ方向に積算して得られた一次元の動径方向分布関数p(r)が少なくとも一つの極大値を有し、該一次元の動径方向分布関数p(r)が該極大値をとるときの周波数rpについて、該二次元パワースペクトルF(r、θ)から角度分布q(θ)を計算したとき、θ=0°~15°の範囲および165°~180°の範囲におけるパワー値の最大値が、θ=16°~164°におけるパワー値の平均値に対して1.15倍以上のパワー値であることを特徴とする。
本発明に係る電子写真感光体の外表面にある皺の形状について具体的に説明する。本発明の皺は一定以上の細かさを有し、一定の範囲において所定の数以上の凸部を有する。具体的には、まず、感光体の外周面に電子写真感光体を軸方向に20等分する19本の線分と、周方向に4等分する4本の線分との交点76か所をそれぞれ中心点とする一辺が300μmの正方形の観察領域を一辺が感光体の周方向と平行になる向きに置く。続いて、観察領域の中心点を通り、感光体の周方向に平行な線を第1基準線L1とする。また、中心点を中心として、第1基準線を0.1°毎に回転させて得られる1799本の基準線を各々L2~L1800とする。このとき、電子写真感光体の外表面にある皺は、基準線L1~L1800のそれぞれと複数個所において交差するのに十分な数の凸部を有する。
また、本発明に係る電子写真感光体の外表面にある皺は複雑な形状を有し、凸部の稜線が様々な方向を向いている。具体的には、基準線L1~L1800のそれぞれについて、皺の凸部と交差する複数個所から選ばれる少なくとも2つは互いに異なる交差角を有する。
さらに、該皺の凸部の稜線に、基準線L1~L150および基準線L1651~L1800のいずれかと平行な長さが50μm以上の直線形状部を有した箇所が存在する。さらに100μm以上の直線形状部を有した箇所が存在することがより好ましい。
図1は、本発明に係る電子写真感光体が有する皺の凹凸形状の一例を示す図であり、図1(A)は電子写真感光体の外表面の上面図、図1(B)は電子写真感光体の外表面における表面観察から得た高さ情報を示すグラフである。
本発明に係る電子写真感光体の外表面にある皺は、図1(A)に示すように、電子写真感光体の外表面において観察可能なストライプ状の凹凸形状である。そのストライプ形状は単一方向に分布するのではなく、曲線部分、直線部分、途切れた部分、分岐した部分などで構成されており、一辺が300μmの正方形の観察領域に複数存在する。
また、皺の稜線とは、図1(A)中の1a、1bに示すように、電子写真感光体の外表面を観察したとき、ストライプ状の凹凸形状における凸部を結んでできる直線または曲線を指す。
電子写真感光体の外表面における表面観察によって凸部を特定し、稜線を得る方法としては、特に限定されないが、例えば、共焦点レーザー顕微鏡を用いて測定して得た高さ情報を、画像解析することで特定することができる。このようにして得られた高さ情報を、電子写真感光体の外表面上に置いた直線上における位置に対してプロットした例を図1(B)に示す。図1(B)中の1cで示された凸形状の頂点を特定することで、図1(A)中の1aに示すような曲線の皺の稜線や、1bに示すような直線の皺の稜線を得ることができる。
皺に長さ50μm以上の直線形状部を有するかの判定方法について図8(A)から図8(C)を用いて説明する。図8(A)のように、上記の観察領域である正方形の辺において、周方向と直行する2辺の内のどちらか1辺を辺Aとし反対側を辺Bとする。次に辺Aと皺の稜線との交点を求める。図8(C)のように、前記交点を始点Aとし、始点Aから辺Bの方向に向かって稜線を伝っていき、直線距離で50μmの距離にある終点Bを検出する。始点Aと終点Bとを結んだ幾何学的な直線Aと、その直線Aと平行に2μm離れた位置に2本の線分a、bを設ける。始点Aと終点Bとを結ぶ稜線が線分a、bの範囲内に入っている場合、その稜線は、幾何学的な直線Aで表される50μmの直線形状部を有するとみなす。続けて直線形状部を探索する場合、図8(B)のように、辺Aと平行に5μm離れた位置に直線を設け、その直線と皺との交点を始点Aとして、上記と同様にして50μmの直線形状部を探索する。以降5μmずつ直線をずらしていき、繰り返して辺Bまで直線形状部を探索する。100μm以上の直線形状部を探索する場合も、始点Aから終点Bまでの直線距離を50μmから100μmに変更する以外は上記と同様にする。
次に前記直線形状部が基準線L1~L150および基準線L1651~L1800と平行であるかの判定方法について説明する。直線形状部と基準線との角度のずれが0.05°以内であれば、直線形状部と基準線は平行であるとみなす。具体例を図9(A)から図9(D)に示す。図9(A)は、直線形状部の角度が第1基準線L1に対して0.03°であるので基準線L1と平行である。図9(B)は直線形状部の角度が第1基準線L1に対して0.05°であるので基準線L1およびL2と平行である。図9(C)は直線形状部の角度が第1基準線L1に対して14.95°であるので基準線L150と平行である。図9(D)は直線形状部の角度が第1基準線L1に対して164.95°であるので基準線L1651と平行である。このように直線形状部が50μm以上であり、直線形状部と基準線L1~L150および基準線L1651~L1800との角度のずれが0.05°以内であれば平行とみなせ、本発明の要件を満たしている。
また、本発明において、皺の稜線は、その稜線内に複数の曲率を有する。曲率とは、曲線の曲がり具合を表す量であり、曲率χは、曲線上の任意の点近傍を円で近似したとき、数式(I)で示されるように、その円の半径Rの逆数として得られる。
(ただし、sは曲線の円弧に対応する部分の長さを表し、rは曲線上の任意の点の位置ベクトルである。)
さらに、本発明に係る電子写真感光体は、以下の条件を満たす。
すなわち、上記観察領域において、皺の高さ情報を周波数解析し、周波数成分をr、角度成分をθとして二次元パワースペクトルF(r,θ)を得たとき、該二次元パワースペクトルF(r,θ)をθ方向に積算して得られた一次元の動径方向分布関数p(r)が少なくとも一つの極大値を有し、該一次元の動径方向分布関数p(r)が該極大値をとるときの周波数rpについて、該二次元パワースペクトルF(r、θ)から角度分布q(θ)を計算したとき、θ=0°~15°の範囲および165°~180°の範囲におけるパワー値の最大値が、θ=16°~164°におけるパワー値の平均値に対して1.15倍以上のパワー値である。
すなわち、上記観察領域において、皺の高さ情報を周波数解析し、周波数成分をr、角度成分をθとして二次元パワースペクトルF(r,θ)を得たとき、該二次元パワースペクトルF(r,θ)をθ方向に積算して得られた一次元の動径方向分布関数p(r)が少なくとも一つの極大値を有し、該一次元の動径方向分布関数p(r)が該極大値をとるときの周波数rpについて、該二次元パワースペクトルF(r、θ)から角度分布q(θ)を計算したとき、θ=0°~15°の範囲および165°~180°の範囲におけるパワー値の最大値が、θ=16°~164°におけるパワー値の平均値に対して1.15倍以上のパワー値である。
本発明者らが検討した結果、図1(A)に示したように、電子写真感光体の外表面が皺を有し、その皺の凹凸形状が所定の周期性を有する場合に、本発明の効果を高く得られることがわかった。
皺の凹凸形状の周期性を求める方法としては、特に限定されないが、例えば、電子写真感光体の外表面における表面観察から高さ情報を得た後、得られた結果を2次元フーリエ変換を用いて解析する方法が挙げられる。
具体的には、データ数N1×N2で皺の高さ情報を得たとき、面内の任意の点(n,m)における高さをhn,mとすると、離散的なフーリエ変換によって得られる二次元パワースペクトルP(k,l)は以下の数式(II)で与えられる。
ここでfk,lは以下の数式(III)で与えられる。
(ただし、k、lはそれぞれ水平方向の周波数、垂直方向の周波数である。)
さらに、数式(II)で得られた二次元パワースペクトルP(k,l)を直交座標系(k,l)から極座標系(r,θ)に変換したものを二次元パワースペクトルF(r,θ)で表す。ここで、r、θはそれぞれ、以下の数式(IV)、数式(V)を満たす。
なお、本発明においては、一辺が300μmの正方形の観察領域において、正方形のそれぞれの辺に平行な2つの各方向に対して0.25μm以下の一定の間隔で測定して得た高さ情報を解析に用いる。
図2は、本発明に係る電子写真感光体について数値解析して得られた結果の一例を示す図であり、図2(A)は、電子写真感光体が有する外表面の皺について、周波数解析して得られた二次元パワースペクトルF(r,θ)を示す図である。また、図2(B)は、得られた二次元パワースペクトルF(r,θ)を、θ方向に積算して得られた一次元の動径方向分布関数を示す図である。また、図2(C)は、一次元の動径方向分布関数p(r)が極大値をとるときの周波数rpについて、二次元パワースペクトルF(r,θ)から角度分布q(θ)を計算したときの、全θ範囲におけるパワー値のばらつきを示す図である。
図2(B)に示すように、本発明に係る電子写真感光体は、二次元パワースペクトルF(r,θ)を動径方向に一次元化して得られた動径方向分布関数p(r)が、少なくとも一つの極大値を有する。これは、電子写真感光体の外表面が有する複数の皺の凹凸が、一定の間隔で分布していることを意味する。
また、図2(C)に示すように、動径方向分布関数p(r)が極大となる周波数rpについて、F(rp,θ)の角度分布q(θ)を計算したとき、θ=0°~15°の範囲および165°~180°の範囲におけるパワー値の最大値が、θ=16°~164°におけるパワー値の平均値に対して1.15倍以上である。これは、電子写真感光体の外表面が有する複数の皺の稜線が、上記観察領域において、周方向に伸びた成分が他の向きの成分に対して多く存在することを意味する。パワー値の比は、好ましくは1.15倍以上1.35倍以下である。パワー値の比が1.35倍を超えると周方向成分が多くなりすぎて、複数の皺の凸部の稜線が様々な方向を向いていることで得られるクリーニング性の効果が得られにくくなる。
本発明がその効果を奏する詳細な作用機序については、以下のように推定している。
まず、皺が、一定の範囲において所定の数以上の凸部を有することで、クリーニングブレードが電子写真感光体に当接する時の接触面積を減らし、摩擦力を低減させていると推測される。さらに、皺の凸部の稜線が様々な方向を向いているため、電子写真感光体の回転に際して、凹部を通じたトナーのすり抜けが抑制されると推測される。さらに、様々な方向を向いた稜線が存在する中でも、周方向に伸びた皺が一定以上存在するため、クリーニングブレードによってトナーにかかる圧力が周方向の皺に逃げて分散される。そのため、トナーへの圧力が連続して過度にかかることが少なくなり、トナー融着の発生が抑制されると推測される。
まず、皺が、一定の範囲において所定の数以上の凸部を有することで、クリーニングブレードが電子写真感光体に当接する時の接触面積を減らし、摩擦力を低減させていると推測される。さらに、皺の凸部の稜線が様々な方向を向いているため、電子写真感光体の回転に際して、凹部を通じたトナーのすり抜けが抑制されると推測される。さらに、様々な方向を向いた稜線が存在する中でも、周方向に伸びた皺が一定以上存在するため、クリーニングブレードによってトナーにかかる圧力が周方向の皺に逃げて分散される。そのため、トナーへの圧力が連続して過度にかかることが少なくなり、トナー融着の発生が抑制されると推測される。
上記の動径方向分布関数p(r)が極大値をとるときの周波数rpは、0.04μm-1以上0.25μm-1以下の範囲内であるとトナーすり抜けが抑制しやすくて好ましい。さらには動径方向分布関数p(r)が極大値をとるときの周波数rpは、0.10μm-1以上0.25μm-1以下であるとより好ましい。
前記観察領域の前記皺の、算術平均粗さRaが0.03μm以上0.25μm以下であるとトナーすり抜けが抑制しやすくて好ましい。さらには前記皺の算術平均粗さRaが0.03μm以上0.12μm以下であるとより好ましい。
[電子写真感光体]
本発明の電子写真感光体を製造する方法としては、後述する各層の塗布液を調製し、所望の層の順番に塗布して、乾燥させる方法が挙げられる。このとき、塗布液の塗布方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、インクジェット塗布、ロール塗布、ダイ塗布、ブレード塗布、カーテン塗布、ワイヤーバー塗布、リング塗布などが挙げられる。これらの中でも、効率性及び生産性の観点から、浸漬塗布が好ましい。
以下、支持体、各層について説明する。
本発明の電子写真感光体を製造する方法としては、後述する各層の塗布液を調製し、所望の層の順番に塗布して、乾燥させる方法が挙げられる。このとき、塗布液の塗布方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、インクジェット塗布、ロール塗布、ダイ塗布、ブレード塗布、カーテン塗布、ワイヤーバー塗布、リング塗布などが挙げられる。これらの中でも、効率性及び生産性の観点から、浸漬塗布が好ましい。
以下、支持体、各層について説明する。
<支持体>
本発明において、電子写真感光体は、支持体を有する。本発明において、支持体は導電性を有する導電性支持体であることが好ましい。また、支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状などが挙げられる。中でも、円筒状支持体であることが好ましい。また、支持体の表面に、陽極酸化などの電気化学的な処理や、ブラスト処理、切削処理などを施してもよい。
支持体の材質としては、金属、樹脂、ガラスなどが好ましい。
金属としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、金、ステンレスや、これらの合金などが挙げられる。中でも、アルミニウムを用いたアルミニウム製支持体であることが好ましい。
また、樹脂やガラスには、導電性材料を混合又は被覆するなどの処理によって、導電性を付与してもよい。
本発明において、電子写真感光体は、支持体を有する。本発明において、支持体は導電性を有する導電性支持体であることが好ましい。また、支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状などが挙げられる。中でも、円筒状支持体であることが好ましい。また、支持体の表面に、陽極酸化などの電気化学的な処理や、ブラスト処理、切削処理などを施してもよい。
支持体の材質としては、金属、樹脂、ガラスなどが好ましい。
金属としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、金、ステンレスや、これらの合金などが挙げられる。中でも、アルミニウムを用いたアルミニウム製支持体であることが好ましい。
また、樹脂やガラスには、導電性材料を混合又は被覆するなどの処理によって、導電性を付与してもよい。
<導電層>
本発明において、支持体の上に、導電層を設けてもよい。導電層を設けることで、支持体表面の傷や凹凸を隠蔽することや、支持体表面における光の反射を制御することができる。
導電層は、導電性粒子と、樹脂と、を含有することが好ましい。
本発明において、支持体の上に、導電層を設けてもよい。導電層を設けることで、支持体表面の傷や凹凸を隠蔽することや、支持体表面における光の反射を制御することができる。
導電層は、導電性粒子と、樹脂と、を含有することが好ましい。
導電性粒子の材質としては、金属酸化物、金属、カーボンブラックなどが挙げられる。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ビスマスなどが挙げられる。金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などが挙げられる。
これらの中でも、導電性粒子として、金属酸化物を用いることが好ましく、特に、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛を用いることがより好ましい。
導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、金属酸化物の表面をシランカップリング剤などで処理したり、金属酸化物にリンやアルミニウムなど元素やその酸化物をドーピングしたりしてもよい。
また、導電性粒子は、芯材粒子と、その粒子を被覆する被覆層とを有する積層構成としてもよい。芯材粒子としては、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛などが挙げられる。被覆層としては、酸化スズなどの金属酸化物が挙げられる。
また、導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、その体積平均粒子径が、1nm以上500nm以下であることが好ましく、3nm以上400nm以下であることがより好ましい。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ビスマスなどが挙げられる。金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などが挙げられる。
これらの中でも、導電性粒子として、金属酸化物を用いることが好ましく、特に、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛を用いることがより好ましい。
導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、金属酸化物の表面をシランカップリング剤などで処理したり、金属酸化物にリンやアルミニウムなど元素やその酸化物をドーピングしたりしてもよい。
また、導電性粒子は、芯材粒子と、その粒子を被覆する被覆層とを有する積層構成としてもよい。芯材粒子としては、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛などが挙げられる。被覆層としては、酸化スズなどの金属酸化物が挙げられる。
また、導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、その体積平均粒子径が、1nm以上500nm以下であることが好ましく、3nm以上400nm以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
また、導電層は、シリコーンオイル、樹脂粒子、酸化チタンなどの隠蔽剤などを更に含有してもよい。
また、導電層は、シリコーンオイル、樹脂粒子、酸化チタンなどの隠蔽剤などを更に含有してもよい。
導電層の平均膜厚は、1μm以上50μm以下であることが好ましく、3μm以上40μm以下であることが特に好ましい。
導電層は、上述の各材料及び溶剤を含有する導電層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。導電層用塗布液中で導電性粒子を分散させるための分散方法としては、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
導電層は、上述の各材料及び溶剤を含有する導電層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。導電層用塗布液中で導電性粒子を分散させるための分散方法としては、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
<下引き層>
本発明において、支持体又は導電層の上に、下引き層を設けてもよい。下引き層を設けることで、層間の接着機能が高まり、電荷注入阻止機能を付与することができる。
下引き層は、樹脂を含有することが好ましい。また、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合することで硬化膜として下引き層を形成してもよい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、ポリプロピレンオキシド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。
重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基としては、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、メチロール基、アルキル化メチロール基、エポキシ基、金属アルコキシド基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、カルボン酸無水物基、炭素-炭素二重結合基などが挙げられる。
本発明において、支持体又は導電層の上に、下引き層を設けてもよい。下引き層を設けることで、層間の接着機能が高まり、電荷注入阻止機能を付与することができる。
下引き層は、樹脂を含有することが好ましい。また、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合することで硬化膜として下引き層を形成してもよい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、ポリプロピレンオキシド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。
重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基としては、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、メチロール基、アルキル化メチロール基、エポキシ基、金属アルコキシド基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、カルボン酸無水物基、炭素-炭素二重結合基などが挙げられる。
また、下引き層は、電気特性を高める目的で、電子輸送物質、金属酸化物、金属、導電性高分子などを更に含有してもよい。これらの中でも、電子輸送物質、金属酸化物を用いることが好ましい。
電子輸送物質としては、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物、フルオレノン化合物、キサントン化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノビニル化合物、ハロゲン化アリール化合物、シロール化合物、含ホウ素化合物などが挙げられる。電子輸送物質として、重合性官能基を有する電子輸送物質を用い、上述の重合性官能基を有するモノマーと共重合させることで、硬化膜として下引き層を形成してもよい。
金属酸化物としては、酸化インジウムスズ、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素などが挙げられる。金属としては、金、銀、アルミなどが挙げられる。
また、下引き層は、添加剤を更に含有してもよい。
電子輸送物質としては、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物、フルオレノン化合物、キサントン化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノビニル化合物、ハロゲン化アリール化合物、シロール化合物、含ホウ素化合物などが挙げられる。電子輸送物質として、重合性官能基を有する電子輸送物質を用い、上述の重合性官能基を有するモノマーと共重合させることで、硬化膜として下引き層を形成してもよい。
金属酸化物としては、酸化インジウムスズ、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素などが挙げられる。金属としては、金、銀、アルミなどが挙げられる。
また、下引き層は、添加剤を更に含有してもよい。
下引き層の平均膜厚は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、0.2μm以上40μm以下であることがより好ましく、0.3μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
下引き層は、上述の各材料及び溶剤を含有する下引き層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥及び/又は硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
下引き層は、上述の各材料及び溶剤を含有する下引き層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥及び/又は硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
<感光層>
電子写真感光体の感光層は、主に、(1)積層型感光層と、(2)単層型感光層とに分類される。(1)積層型感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と、を有する。(2)単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を共に含有する感光層を有する。本発明は、積層型感光層を有する感光体の製造に好ましく用いられる。
電子写真感光体の感光層は、主に、(1)積層型感光層と、(2)単層型感光層とに分類される。(1)積層型感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と、を有する。(2)単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を共に含有する感光層を有する。本発明は、積層型感光層を有する感光体の製造に好ましく用いられる。
(1)積層型感光層
積層型感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層と、を有する。
積層型感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層と、を有する。
(1-1)電荷発生層
電荷発生層は、電荷発生物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷発生物質としては、アゾ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、フタロシアニン顔料が好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、オキシチタニウムフタロシアニン顔料、クロロガリウムフタロシアニン顔料、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有量は、電荷発生層の全質量に対して、40質量%以上85質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリビニルブチラール樹脂がより好ましい。
電荷発生層は、電荷発生物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷発生物質としては、アゾ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、フタロシアニン顔料が好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、オキシチタニウムフタロシアニン顔料、クロロガリウムフタロシアニン顔料、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有量は、電荷発生層の全質量に対して、40質量%以上85質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリビニルブチラール樹脂がより好ましい。
また、電荷発生層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤を更に含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、などが挙げられる。
電荷発生層の平均膜厚は、0.1μm以上1μm以下であることが好ましく、0.15μm以上0.4μm以下であることがより好ましい。
電荷発生層は、上述の各材料及び溶剤を含有する電荷発生層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
電荷発生層の平均膜厚は、0.1μm以上1μm以下であることが好ましく、0.15μm以上0.4μm以下であることがより好ましい。
電荷発生層は、上述の各材料及び溶剤を含有する電荷発生層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
(1-2)電荷輸送層
電荷輸送層は、電荷輸送物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷輸送物質としては、例えば、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましく、式(1)で示される化合物が好適に用いられる。
(式(1)中、R1~R10は、それぞれ独立して、水素原子、又はメチル基を表す。)
電荷輸送層は、電荷輸送物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷輸送物質としては、例えば、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましく、式(1)で示される化合物が好適に用いられる。
樹脂としては、熱可塑性樹脂が用いられ、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂としては、特にポリアリレート樹脂が好ましい。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して、25質量%以上70質量%以下であることが好ましく、30質量%以上55質量%以下であることがより好ましい。
電荷輸送物質と樹脂との含有量比(質量比)は、4:10~20:10が好ましく、5:10~12:10がより好ましい。
電荷輸送物質と樹脂との含有量比(質量比)は、4:10~20:10が好ましく、5:10~12:10がより好ましい。
また、電荷輸送層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤などの添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子などが挙げられる。
電荷輸送層の平均膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、8μm以上40μm以下であることがより好ましく、10μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
(2)単層型感光層
単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂および溶剤を含有する感光層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂としては、上記「(1)積層型感光層」における材料の例示と同様である。
単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂および溶剤を含有する感光層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂としては、上記「(1)積層型感光層」における材料の例示と同様である。
<保護層>
本発明において、感光層の上に保護層を設ける。保護層は、重合性官能基を有する化合物を含有する組成物を重合することで硬化膜として形成する。
保護層は、導電性粒子及び/又は電荷輸送物質と、樹脂とを、更に含有することが好ましい。
導電性粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物の粒子が挙げられる。
電荷輸送物質としては、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
本発明において、感光層の上に保護層を設ける。保護層は、重合性官能基を有する化合物を含有する組成物を重合することで硬化膜として形成する。
保護層は、導電性粒子及び/又は電荷輸送物質と、樹脂とを、更に含有することが好ましい。
導電性粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物の粒子が挙げられる。
電荷輸送物質としては、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
また、保護層は、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合することで硬化膜として形成してもよい。重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基としては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基などが挙げられる。重合性官能基を有するモノマーとして、電荷輸送能を有する材料を用いてもよい。電荷輸送性構造としてはトリアリールアミン構造が電荷輸送の点で好ましい。電荷輸送能を有する材料が有する重合性官能基としては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が好ましい。重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基の数は一つまたは複数であって良い。中でも、複数の重合性官能基を有する化合物と、一つの重合性官能基を有する化合物とをともに含有する組成物を重合して硬化膜を形成することが、複数の官能基同士の重合で生じるひずみが解消されやすいことから、特に好ましい。
保護層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤、などの添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子などが挙げられる。
保護層の平均膜厚は、0.2μm以上1.5μm以下であることが皺形状を細かく均一に形成させるために好ましく、0.2μm以上0.8μm以下であることがより好ましい。
保護層は、上述の各材料及び溶剤を含有する保護層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥及び/又は硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、スルホキシド系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。
保護層は、上述の各材料及び溶剤を含有する保護層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥及び/又は硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、スルホキシド系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。
<電子写真感光体の外表面に皺を形成する方法>
本発明の電子写真感光体の外表面に皺を形成する方法について以下説明する。
積層型の感光層の場合は熱可塑性樹脂を主成分とした電荷輸送層の上に、または単層型の感光層の場合は熱可塑性樹脂を主成分とした単層型感光層の上に、架橋性の硬化膜である保護層を形成する。その際、保護層形成前の電荷輸送層または単層型感光層の表面を研磨紙、ウエス、不織布を当てて感光体周方向の向きに摺擦する処理を施す。次に摺擦処理を施した電荷輸送層上または単層型感光層上に保護層を形成した後に加熱処理を施すことで微細な皺形状が生成される。
そのため、本方法で皺形状を形成する場合、電子写真感光体の外表面は、必ず感光層の直上に設けられた保護層の表面となる。
本発明の電子写真感光体の外表面に皺を形成する方法について以下説明する。
積層型の感光層の場合は熱可塑性樹脂を主成分とした電荷輸送層の上に、または単層型の感光層の場合は熱可塑性樹脂を主成分とした単層型感光層の上に、架橋性の硬化膜である保護層を形成する。その際、保護層形成前の電荷輸送層または単層型感光層の表面を研磨紙、ウエス、不織布を当てて感光体周方向の向きに摺擦する処理を施す。次に摺擦処理を施した電荷輸送層上または単層型感光層上に保護層を形成した後に加熱処理を施すことで微細な皺形状が生成される。
そのため、本方法で皺形状を形成する場合、電子写真感光体の外表面は、必ず感光層の直上に設けられた保護層の表面となる。
皺形状が形成されるメカニズムとしては、加熱処理の際、保護層と電荷輸送層または単層型感光層との変形量の違いにより、表面方向に圧縮応力がかかり、保護層が座屈することで感光体の外表面に皺形状が形成されると考えられる。
摺擦処理を行わずに加熱処理をして皺形状を形成すると、感光体全面が均一に座屈しようとするため、図3の例に示すように、皺の稜線がランダムで等方的に形成される。それに対し、保護層形成前の単層型感光層または電荷輸送層の表面を周方向に向かって摺擦し、細かい傷が周方向に付いた状態で加熱処理を行うと、周方向に保護層が座屈しやすくなり、皺の稜線が周方向に伸びた形状で皺が形成されると考えられる。
摺擦処理を行わずに加熱処理をして皺形状を形成すると、感光体全面が均一に座屈しようとするため、図3の例に示すように、皺の稜線がランダムで等方的に形成される。それに対し、保護層形成前の単層型感光層または電荷輸送層の表面を周方向に向かって摺擦し、細かい傷が周方向に付いた状態で加熱処理を行うと、周方向に保護層が座屈しやすくなり、皺の稜線が周方向に伸びた形状で皺が形成されると考えられる。
単層型感光層または電荷輸送層の表面を摺擦する場合は、保護層形成時の表面がフラットになるように、傷を浅く形成することが好ましい。摺擦用の部材は表面層の硬度に応じて適宜選択すればよい。例えば、単層型感光層または電荷輸送層を摺擦する場合は、柔らかい不織布などで摺擦することが好ましい。不織布の押し付け圧や摺擦時間や回数を上げると、皺の形状が周方向に沿って形成されやすく、基準線L1~L150および基準線L1651~L1800のいずれかと平行な100μm以上の直線形状部を有した皺の稜線が形成されやすい。
単層型感光層または電荷輸送層の表面に付けた傷が深すぎると、皺形成前の保護層形成の時点で保護層表面が凹み、皺の凹凸形状が大きく変化し周期性が均一にならない。
単層型感光層または電荷輸送層の表面に付けた傷が深すぎると、皺形成前の保護層形成の時点で保護層表面が凹み、皺の凹凸形状が大きく変化し周期性が均一にならない。
保護層を形成する前に単層型感光層または電荷輸送層に摺擦処理を施す例を説明したが、電荷輸送層上または単層型感光層上に保護層を形成した後に摺擦処理を施しても微細な皺形状を生成できる。保護層表面を摺擦して傷を付ける場合も、傷が浅くなるように、適宜、摺擦部材や摺擦条件を設定すればよい。
皺を発生させるための加熱温度は、感光層中に含まれる残留溶剤の沸点を超える温度とすることが好ましい。さらには、使用する溶剤の沸点に拠るが、140℃以上230℃以下がより好ましい。加熱温度を残留溶剤の沸点を超える温度にすると、感光層中の残留溶媒が急速に蒸発し、その部分が圧縮応力による座屈の起点となりやすく、皺形状が微細で均一に形成されやすい。
感光層は、この感光層用塗布液を塗布して感光層用塗布膜を形成し、その膜を加熱し、乾燥することで形成される。感光層塗布液の溶剤としてはアルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。具体的には、トルエン、キシレン(o-キシレン、m-キシレン及びp-キシレンの群から選ばれる少なくとも一種を含む)、安息香酸メチル、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、テトラヒドロフラン、ジメトキシメタンが、挙げられる。皺形成用の加熱前に感光層中に適度に残留溶媒を残しやすいため、溶剤の沸点が140℃以上の溶剤とそれ以下の溶剤を組み合わせることが好ましい。
残留溶剤量の測定は、公知の方法が使用でき、例えばガスクロマトグラフィーが使用できる。
残留溶剤量の測定は、公知の方法が使用でき、例えばガスクロマトグラフィーが使用できる。
保護層用塗布液は、連鎖重合性官能基を有した化合物を含有する。
保護層は、この保護層用塗布液を感光層上に塗布して、連鎖重合性官能基を有した化合物を重合することで硬化した膜として形成される。
保護層は、この保護層用塗布液を感光層上に塗布して、連鎖重合性官能基を有した化合物を重合することで硬化した膜として形成される。
重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合する反応としては熱、光(紫外線など)、または、放射線(電子線など)を用いて重合させる方法が挙げられる。これらの中でも、放射線が好ましく、放射線の中でも電子線がより好ましい。電子線の照射は重合性官能基のラジカル化の失活を防ぐために、低酸素雰囲気下で行うことが好ましい。また、短時間で十分に重合を進め硬化した膜を形成するためにはある程度高温にすることが必要である。ラジカル化の失活を防ぎ速やかに重合させるために、低酸素雰囲気下で加熱を行うことが好ましい。加熱温度は、感光層中の残留溶媒を超えない温度で実施するとよく、具体的には90℃以上130℃以下が好ましい。
[プロセスカートリッジ、電子写真装置]
本発明のプロセスカートリッジは、これまで述べてきた電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とする。
また、本発明の電子写真装置は、これまで述べてきた電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを有することを特徴とする。
本発明のプロセスカートリッジは、これまで述べてきた電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とする。
また、本発明の電子写真装置は、これまで述べてきた電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを有することを特徴とする。
図4に、電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の一例を示す。
円筒状の電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1の表面は、帯電手段3により、正又は負の所定電位に帯電される。なお、図4においては、ローラ型帯電部材によるローラ帯電方式を示しているが、コロナ帯電方式、近接帯電方式、注入帯電方式などの帯電方式を採用してもよい。帯電された電子写真感光体1の表面には、露光手段(不図示)から露光光4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5内に収容されたトナーで現像され、電子写真感光体1の表面にはトナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により、転写材7に転写される。トナー像が転写された転写材7は、定着手段8へ搬送され、トナー像の定着処理を受け、電子写真装置の外へプリントアウトされる。電子写真装置は、転写後の電子写真感光体1の表面に残ったトナーなどの付着物を除去するための、クリーニング手段9を有していてもよい。また、クリーニング手段を別途設けず、上記付着物を現像手段などで除去する、所謂、クリーナーレスシステムを用いてもよい。電子写真装置は、電子写真感光体1の表面を、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理する除電機構を有していてもよい。また、本発明のプロセスカートリッジ11を電子写真装置本体に着脱するために、レールなどの案内手段12を設けてもよい。
円筒状の電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1の表面は、帯電手段3により、正又は負の所定電位に帯電される。なお、図4においては、ローラ型帯電部材によるローラ帯電方式を示しているが、コロナ帯電方式、近接帯電方式、注入帯電方式などの帯電方式を採用してもよい。帯電された電子写真感光体1の表面には、露光手段(不図示)から露光光4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5内に収容されたトナーで現像され、電子写真感光体1の表面にはトナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により、転写材7に転写される。トナー像が転写された転写材7は、定着手段8へ搬送され、トナー像の定着処理を受け、電子写真装置の外へプリントアウトされる。電子写真装置は、転写後の電子写真感光体1の表面に残ったトナーなどの付着物を除去するための、クリーニング手段9を有していてもよい。また、クリーニング手段を別途設けず、上記付着物を現像手段などで除去する、所謂、クリーナーレスシステムを用いてもよい。電子写真装置は、電子写真感光体1の表面を、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理する除電機構を有していてもよい。また、本発明のプロセスカートリッジ11を電子写真装置本体に着脱するために、レールなどの案内手段12を設けてもよい。
本発明の電子写真感光体は、レーザービームプリンター、LEDプリンター、複写機、ファクシミリ、及び、これらの複合機などに用いることができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
<電子写真感光体の製造>
〔実施例1〕
直径24mm、長さ257.5mmのアルミニウムシリンダー(JIS-A3003、アルミニウム合金)を支持体(導電性支持体)とした。
〔実施例1〕
直径24mm、長さ257.5mmのアルミニウムシリンダー(JIS-A3003、アルミニウム合金)を支持体(導電性支持体)とした。
次に、以下の材料を用意した。
・金属酸化物粒子としての酸素欠損型酸化スズ(SnO2)で被覆されている酸化チタン(TiO2)粒子(平均一次粒子径230nm)214部
・結着材料としてのフェノール樹脂(フェノール樹脂のモノマー/オリゴマー)(商品名:プライオーフェンJ-325、DIC(株)製、樹脂固形分:60質量%)132部
・溶剤としての1-メトキシ-2-プロパノール98部
これらを、直径0.8mmのガラスビーズ450部を用いたサンドミルに入れ、回転数:2000rpm、分散処理時間:4.5時間、冷却水の設定温度:18℃の条件で分散処理を行い、分散液を得た。この分散液からメッシュ(目開き:150μm)でガラスビーズを取り除いた。得られた分散液に、表面粗し付与材としてのシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ(株)製、平均粒径2μm)を添加した。シリコーン樹脂粒子の添加量は、ガラスビーズを取り除いた後の分散液中の金属酸化物粒子と結着材料の合計質量に対して10質量%となるようにした。また、分散液中の金属酸化物粒子と結着材料の合計質量に対して0.01質量%になるように、レベリング剤としてのシリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング(株)製)を分散液に添加した。次に、分散液中の金属酸化物粒子と結着材料と表面粗し付与材の合計質量(すなわち、固形分の質量)が分散液の質量に対して67質量%になるように、メタノールと1-メトキシ-2-プロパノールの混合溶剤(質量比1:1)を分散液に添加した。その後、攪拌することによって、導電層用塗布液を調製した。この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを140℃で1時間加熱することによって、膜厚が30μmの導電層を形成した。
・金属酸化物粒子としての酸素欠損型酸化スズ(SnO2)で被覆されている酸化チタン(TiO2)粒子(平均一次粒子径230nm)214部
・結着材料としてのフェノール樹脂(フェノール樹脂のモノマー/オリゴマー)(商品名:プライオーフェンJ-325、DIC(株)製、樹脂固形分:60質量%)132部
・溶剤としての1-メトキシ-2-プロパノール98部
これらを、直径0.8mmのガラスビーズ450部を用いたサンドミルに入れ、回転数:2000rpm、分散処理時間:4.5時間、冷却水の設定温度:18℃の条件で分散処理を行い、分散液を得た。この分散液からメッシュ(目開き:150μm)でガラスビーズを取り除いた。得られた分散液に、表面粗し付与材としてのシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ(株)製、平均粒径2μm)を添加した。シリコーン樹脂粒子の添加量は、ガラスビーズを取り除いた後の分散液中の金属酸化物粒子と結着材料の合計質量に対して10質量%となるようにした。また、分散液中の金属酸化物粒子と結着材料の合計質量に対して0.01質量%になるように、レベリング剤としてのシリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング(株)製)を分散液に添加した。次に、分散液中の金属酸化物粒子と結着材料と表面粗し付与材の合計質量(すなわち、固形分の質量)が分散液の質量に対して67質量%になるように、メタノールと1-メトキシ-2-プロパノールの混合溶剤(質量比1:1)を分散液に添加した。その後、攪拌することによって、導電層用塗布液を調製した。この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを140℃で1時間加熱することによって、膜厚が30μmの導電層を形成した。
次に、以下の材料を用意した。
・電子輸送物質(式E-1)4部
・ブロックイソシアネート(商品名:デュラネートSBN-70D、旭化成ケミカルズ(株)製)5.5部
・ポリビニルブチラール樹脂(エスレックKS-5Z、積水化学工業(株)製)0.3部
・触媒としてのヘキサン酸亜鉛(II)(三津和化学薬品(株)製)0.05部
これらを、テトラヒドロフラン50部と1-メトキシ-2-プロパノール50部の混合溶剤に溶解して下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを170℃で30分間加熱することによって、膜厚が0.7μmの下引き層を形成した。
・電子輸送物質(式E-1)4部
・ブロックイソシアネート(商品名:デュラネートSBN-70D、旭化成ケミカルズ(株)製)5.5部
・ポリビニルブチラール樹脂(エスレックKS-5Z、積水化学工業(株)製)0.3部
・触媒としてのヘキサン酸亜鉛(II)(三津和化学薬品(株)製)0.05部
これらを、テトラヒドロフラン50部と1-メトキシ-2-プロパノール50部の混合溶剤に溶解して下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを170℃で30分間加熱することによって、膜厚が0.7μmの下引き層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折より得られるチャートにおいて、7.5°及び28.4°の位置にピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン10部とポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX-1、積水化学工業社製)5部を用意した。これらをシクロヘキサノン200部に添加し、直径0.9mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で6時間分散した。これにシクロヘキサノン150部と酢酸エチル350部を更に加えて希釈して電荷発生層用塗布液を得た。得られた塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、95℃で10分間乾燥することにより、膜厚が0.20μmの電荷発生層を形成した。
なお、X線回折の測定は、次の条件で行ったものである。
[粉末X線回折測定]
使用測定機:理学電気(株)製、X線回折装置RINT-TTRII
X線管球:Cu
管電圧:50KV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:4.0°/min
サンプリング間隔:0.02°
スタート角度(2θ):5.0°
ストップ角度(2θ):40.0°
アタッチメント:標準試料ホルダー
フィルター:不使用
インシデントモノクロ:使用
カウンターモノクロメーター:不使用
発散スリット:開放
発散縦制限スリット:10.00mm
散乱スリット:開放
受光スリット:開放
平板モノクロメーター:使用
カウンター:シンチレーションカウンター
[粉末X線回折測定]
使用測定機:理学電気(株)製、X線回折装置RINT-TTRII
X線管球:Cu
管電圧:50KV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:4.0°/min
サンプリング間隔:0.02°
スタート角度(2θ):5.0°
ストップ角度(2θ):40.0°
アタッチメント:標準試料ホルダー
フィルター:不使用
インシデントモノクロ:使用
カウンターモノクロメーター:不使用
発散スリット:開放
発散縦制限スリット:10.00mm
散乱スリット:開放
受光スリット:開放
平板モノクロメーター:使用
カウンター:シンチレーションカウンター
次に、以下の材料を用意した。
・上記構造式(1-2)で示される電荷輸送物質(正孔輸送性物質)5部
・上記構造式(1-3)で示される電荷輸送物質(正孔輸送性物質)5部
・ポリカーボネート(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)10部
・下記構造式(C-4)と下記構造式(C-5)の共重合ユニットを有するポリカーボネート樹脂0.02部(x/y=0.95/0.05:粘度平均分子量=20000)
これらを、トルエン60部/安息香酸メチル20部/ジメトキシメタン20部の混合溶剤に溶解させることによって電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布して電荷輸送層用塗布膜を形成し、この塗膜を120℃で30分間乾燥させることによって、膜厚が16μmの電荷輸送層を形成した。
・上記構造式(1-2)で示される電荷輸送物質(正孔輸送性物質)5部
・上記構造式(1-3)で示される電荷輸送物質(正孔輸送性物質)5部
・ポリカーボネート(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)10部
・下記構造式(C-4)と下記構造式(C-5)の共重合ユニットを有するポリカーボネート樹脂0.02部(x/y=0.95/0.05:粘度平均分子量=20000)
これらを、トルエン60部/安息香酸メチル20部/ジメトキシメタン20部の混合溶剤に溶解させることによって電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布して電荷輸送層用塗布膜を形成し、この塗膜を120℃で30分間乾燥させることによって、膜厚が16μmの電荷輸送層を形成した。
<摺擦処理方法1>
次に、摺擦用の不織布としてトレシーMKシート(東レ(株)製)を用いた。不織布がよれないように張った状態にし、電荷輸送層まで形成した支持体の表面をちょうど接触させた位置から3mm押し込んで、支持体を60rpmで1秒回し、周方向に摺擦した。
次に、以下の材料を用意した。
・上記構造式(2-2)で示される化合物8部
・上記構造式(3-1)で示される化合物16部
・シロキサン変性アクリル化合物0.1部(サイマックUS270、東亜合成(株)製)
これらを、シクロヘキサン58部と1-プロパノール25部に混合し、撹拌した。このようにして、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を摺擦処理した電荷輸送層上に浸漬塗布して保護層用塗布膜を形成し、得られた塗膜を5分間40℃で乾燥させた。その後、窒素雰囲気下にて、加速電圧70kV、ビーム電流5.0mAの条件で支持体(被照射体)を300rpmの速度で回転させながら、1.6秒間電子線を塗膜に照射した。最表面層位置の線量は15kGyであった。その後、窒素雰囲気下にて、25℃から100℃まで20秒かけて昇温させて第一の加熱を行い、膜厚0.8μmの硬化膜を形成した。電子線照射から、その後の第一の加熱処理までの酸素濃度は10ppm以下であった。次に、大気中で、塗膜の温度が25℃になるまで自然冷却し、大気中で160℃で15分間の第二の加熱を行い、表面上に皺形状を有する保護層を形成した。このようにして、実施例1の保護層を有する円筒状(ドラム状)の電子写真感光体を作製した。
次に、摺擦用の不織布としてトレシーMKシート(東レ(株)製)を用いた。不織布がよれないように張った状態にし、電荷輸送層まで形成した支持体の表面をちょうど接触させた位置から3mm押し込んで、支持体を60rpmで1秒回し、周方向に摺擦した。
次に、以下の材料を用意した。
・上記構造式(2-2)で示される化合物8部
・上記構造式(3-1)で示される化合物16部
・シロキサン変性アクリル化合物0.1部(サイマックUS270、東亜合成(株)製)
これらを、シクロヘキサン58部と1-プロパノール25部に混合し、撹拌した。このようにして、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を摺擦処理した電荷輸送層上に浸漬塗布して保護層用塗布膜を形成し、得られた塗膜を5分間40℃で乾燥させた。その後、窒素雰囲気下にて、加速電圧70kV、ビーム電流5.0mAの条件で支持体(被照射体)を300rpmの速度で回転させながら、1.6秒間電子線を塗膜に照射した。最表面層位置の線量は15kGyであった。その後、窒素雰囲気下にて、25℃から100℃まで20秒かけて昇温させて第一の加熱を行い、膜厚0.8μmの硬化膜を形成した。電子線照射から、その後の第一の加熱処理までの酸素濃度は10ppm以下であった。次に、大気中で、塗膜の温度が25℃になるまで自然冷却し、大気中で160℃で15分間の第二の加熱を行い、表面上に皺形状を有する保護層を形成した。このようにして、実施例1の保護層を有する円筒状(ドラム状)の電子写真感光体を作製した。
〔実施例2~4、7~13〕
電荷輸送層の形成における各化合物の種類、保護層の形成における各化合物の種類、感光層の摺擦条件を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして実施例2~4、7~13の電子写真感光体を作製した。摺擦条件2~7は下記に示す。
電荷輸送層の形成における各化合物の種類、保護層の形成における各化合物の種類、感光層の摺擦条件を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして実施例2~4、7~13の電子写真感光体を作製した。摺擦条件2~7は下記に示す。
<摺擦条件2>
支持体を母線方向に20mm/sで移動させながら摺擦条件1と同様にし、周方向に対して15°傾いた方向に摺擦した。
支持体を母線方向に20mm/sで移動させながら摺擦条件1と同様にし、周方向に対して15°傾いた方向に摺擦した。
<摺擦条件3>
摺擦条件2とは逆方向に20mm/sで支持体を移動させながら摺擦条件2と同様にし、周方向に対して摺擦条件2とは逆に15°傾いた方向に摺擦した。
摺擦条件2とは逆方向に20mm/sで支持体を移動させながら摺擦条件2と同様にし、周方向に対して摺擦条件2とは逆に15°傾いた方向に摺擦した。
<摺擦条件4>
押込み量を6mmに変更した以外は、摺擦条件1と同様に周方向に摺擦した。
押込み量を6mmに変更した以外は、摺擦条件1と同様に周方向に摺擦した。
<摺擦条件5>
支持体を母線方向に20mm/sで移動させながら摺擦条件4と同様にし、周方向に対して15°傾いた方向に摺擦した。
支持体を母線方向に20mm/sで移動させながら摺擦条件4と同様にし、周方向に対して15°傾いた方向に摺擦した。
<摺擦条件6>
摺擦条件5とは逆方向に20mm/sで支持体を移動させながら摺擦条件5と同様にし、周方向に対して摺擦条件5とは逆に15°傾いた方向に摺擦した。
摺擦条件5とは逆方向に20mm/sで支持体を移動させながら摺擦条件5と同様にし、周方向に対して摺擦条件5とは逆に15°傾いた方向に摺擦した。
<摺擦条件7>
押込み量を6mm、回転時間を3秒に変更した以外は摺擦条件1と同様に周方向に摺擦した。
押込み量を6mm、回転時間を3秒に変更した以外は摺擦条件1と同様に周方向に摺擦した。
〔実施例5〕
電荷輸送層の形成における各化合物の種類、保護層の形成における各化合物の種類を表1に示すように変更した。また、電荷輸送層用塗布液の溶剤をトルエン60部/シクロヘキサノン30部/テトラヒドロフラン10部に、塗膜を110℃で30分での乾燥に変更した以外は実施例1と同様にして実施例5の電子写真感光体を作製した。
電荷輸送層の形成における各化合物の種類、保護層の形成における各化合物の種類を表1に示すように変更した。また、電荷輸送層用塗布液の溶剤をトルエン60部/シクロヘキサノン30部/テトラヒドロフラン10部に、塗膜を110℃で30分での乾燥に変更した以外は実施例1と同様にして実施例5の電子写真感光体を作製した。
〔実施例6〕
感光層表面での摺擦を実施せずに、保護層形成のための第一の加熱処理までを実施例1と同様にして摺擦処理前の電子写真感光体を作製した。その後、下記に示す摺擦条件8で摺擦を実施し、続いて大気中で160℃で15分間の第二の加熱を行い、表面上に皺形状を有する保護層を形成し、実施例6の電子写真感光体を作製した。
感光層表面での摺擦を実施せずに、保護層形成のための第一の加熱処理までを実施例1と同様にして摺擦処理前の電子写真感光体を作製した。その後、下記に示す摺擦条件8で摺擦を実施し、続いて大気中で160℃で15分間の第二の加熱を行い、表面上に皺形状を有する保護層を形成し、実施例6の電子写真感光体を作製した。
<摺擦条件8>
摺擦用の研磨シートとしてラッピングフィルムシート(番手:10000、砥粒:WA、三共理化学(株)製)を用いた。シートがよれないように張った状態にし、保護層まで形成した支持体の表面をちょうど接触させた位置から2mm押しつけて、支持体を60rpmで1秒回し、周方向に摺擦した。
摺擦用の研磨シートとしてラッピングフィルムシート(番手:10000、砥粒:WA、三共理化学(株)製)を用いた。シートがよれないように張った状態にし、保護層まで形成した支持体の表面をちょうど接触させた位置から2mm押しつけて、支持体を60rpmで1秒回し、周方向に摺擦した。
〔比較例1〕
電荷輸送層の形成における各化合物の種類、保護層の形成における各化合物の種類、感光層の摺擦条件を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして比較例1の電子写真感光体を作製した。比較例1で実施した摺擦条件9を下記に示す。
電荷輸送層の形成における各化合物の種類、保護層の形成における各化合物の種類、感光層の摺擦条件を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして比較例1の電子写真感光体を作製した。比較例1で実施した摺擦条件9を下記に示す。
<摺擦条件9>
支持体を母線方向に72mm/sで移動させながら、摺擦条件1と同様にし、周方向に対して45°傾いた方向に摺擦した。
支持体を母線方向に72mm/sで移動させながら、摺擦条件1と同様にし、周方向に対して45°傾いた方向に摺擦した。
〔比較例2〕
電荷輸送層の形成における各化合物の種類、保護層の形成における各化合物の種類を表1に示すように変更し、摺擦処理を実施しなかった以外は実施例1と同様にして比較例2の電子写真感光体を作製した。
電荷輸送層の形成における各化合物の種類、保護層の形成における各化合物の種類を表1に示すように変更し、摺擦処理を実施しなかった以外は実施例1と同様にして比較例2の電子写真感光体を作製した。
〔比較例3〕
電荷輸送層の形成における各化合物の種類、保護層の形成における各化合物の種類を表1に示すように変更し、保護層の形成において、第二の加熱処理を実施せずに、皺がない電子写真感光体を用意した。この電子写真感光体を図5に示す研磨機を用いて、下記条件で電子写真感光体の外表面の研磨を行った。
研磨シートの送りスピード:400mm/min
電子写真感光体の回転数:240rpm
研磨砥粒:炭化珪素
研磨砥粒の平均粒径:3μm
研磨時間:20秒
研磨シートは、シート状の基材2-3の上に、結着樹脂中に研磨砥粒が分散された層2-2を設けてなるものを用いた。この研磨シートを、研磨シートの面と平行に送りつつ、電子写真感光体2-1を回転させながら、上下機構2-4により、研磨シートの面に垂直に20秒間押付けることで、電子写真感光体の外表面の粗面化処理をした。これにより、図6に示すような、電子写真感光体の周方向に延びる、互いに平行な複数の溝形状を外表面に有する、比較例3に係る電子写真感光体を作製した。
電荷輸送層の形成における各化合物の種類、保護層の形成における各化合物の種類を表1に示すように変更し、保護層の形成において、第二の加熱処理を実施せずに、皺がない電子写真感光体を用意した。この電子写真感光体を図5に示す研磨機を用いて、下記条件で電子写真感光体の外表面の研磨を行った。
研磨シートの送りスピード:400mm/min
電子写真感光体の回転数:240rpm
研磨砥粒:炭化珪素
研磨砥粒の平均粒径:3μm
研磨時間:20秒
研磨シートは、シート状の基材2-3の上に、結着樹脂中に研磨砥粒が分散された層2-2を設けてなるものを用いた。この研磨シートを、研磨シートの面と平行に送りつつ、電子写真感光体2-1を回転させながら、上下機構2-4により、研磨シートの面に垂直に20秒間押付けることで、電子写真感光体の外表面の粗面化処理をした。これにより、図6に示すような、電子写真感光体の周方向に延びる、互いに平行な複数の溝形状を外表面に有する、比較例3に係る電子写真感光体を作製した。
〔比較例4〕
電荷輸送層の形成における各化合物の種類、保護層の形成における各化合物の種類を表1に示すように変更し、保護層の形成において、第二の加熱処理を実施せずに、皺がない電子写真感光体を用意した。その後、比較例3と同様の粗面化処理を行った。次に、電子写真感光体2-1を固定し、研磨シートを電子写真感光体2-1の軸方向に平行に送り、電子写真感光体2-1の外表面の粗面化処理をした。この粗面化処理を、電子写真感光体2-1の回転方向の角度を変えて繰り返した。これにより、図7に示すような、電子写真感光体の外表面に格子状に形成された溝形状を有する、比較例4に係る電子写真感光体を作製した。
電荷輸送層の形成における各化合物の種類、保護層の形成における各化合物の種類を表1に示すように変更し、保護層の形成において、第二の加熱処理を実施せずに、皺がない電子写真感光体を用意した。その後、比較例3と同様の粗面化処理を行った。次に、電子写真感光体2-1を固定し、研磨シートを電子写真感光体2-1の軸方向に平行に送り、電子写真感光体2-1の外表面の粗面化処理をした。この粗面化処理を、電子写真感光体2-1の回転方向の角度を変えて繰り返した。これにより、図7に示すような、電子写真感光体の外表面に格子状に形成された溝形状を有する、比較例4に係る電子写真感光体を作製した。
<評価>
実施例1~13で作製した電子写真感光体と比較例1~4で作製した電子写真感光体を使用して、以下の条件で電子写真感光体の外表面の皺の表面形状を評価した。
実施例1~13で作製した電子写真感光体と比較例1~4で作製した電子写真感光体を使用して、以下の条件で電子写真感光体の外表面の皺の表面形状を評価した。
[表面形状解析1]
電子写真感光体の外表面における電子写真感光体を軸方向に20等分する19本の線分と、周方向に4等分する4本の線分との交点76か所をそれぞれ中心点とする一辺が300μmの正方形の観察領域について、表面形状をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK-X200)で拡大観察した。続いて、観察により得られた皺の凹凸形状を含む画像に対し、観察領域の中心点を通り、電子写真感光体の周方向に平行な第1基準線L1を設けた。さらに、観察領域の中心点を中心として、第1基準線を0.1°毎に回転させて得られる基準線L1~L1800を設けた。
その後、以下の条件1、条件2および条件3について検証し、すべての観察領域が条件を満たす場合をA、すべての観察領域においていずれか一つでも条件を満たさない場合をBと判定した。
条件1:基準線L1~L1800のそれぞれは、皺の凸部と複数個所において交差し、交差する複数個所から選ばれる少なくとも2つは互いに異なる交差角を有する。
条件2:皺の凸部が基準線L1~L150および基準線L1651~L1800のいずれかと平行な50μmの直線形状部を有した箇所が存在する。
条件3:皺の凸部が基準線L1~L150および基準線L1651~L1800のいずれかと平行な100μmの直線形状部を有した箇所が存在する。
結果を表2に示す。
電子写真感光体の外表面における電子写真感光体を軸方向に20等分する19本の線分と、周方向に4等分する4本の線分との交点76か所をそれぞれ中心点とする一辺が300μmの正方形の観察領域について、表面形状をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK-X200)で拡大観察した。続いて、観察により得られた皺の凹凸形状を含む画像に対し、観察領域の中心点を通り、電子写真感光体の周方向に平行な第1基準線L1を設けた。さらに、観察領域の中心点を中心として、第1基準線を0.1°毎に回転させて得られる基準線L1~L1800を設けた。
その後、以下の条件1、条件2および条件3について検証し、すべての観察領域が条件を満たす場合をA、すべての観察領域においていずれか一つでも条件を満たさない場合をBと判定した。
条件1:基準線L1~L1800のそれぞれは、皺の凸部と複数個所において交差し、交差する複数個所から選ばれる少なくとも2つは互いに異なる交差角を有する。
条件2:皺の凸部が基準線L1~L150および基準線L1651~L1800のいずれかと平行な50μmの直線形状部を有した箇所が存在する。
条件3:皺の凸部が基準線L1~L150および基準線L1651~L1800のいずれかと平行な100μmの直線形状部を有した箇所が存在する。
結果を表2に示す。
[表面形状解析2]
上記表面形状解析1で得た一辺が300μmの正方形の観察領域における皺の算術平均粗さRaを求めた。Raは基準線L900におけるRaとした。すべての観察領域で求めたRaの平均値の結果を表2に示す。
上記表面形状解析1で得た一辺が300μmの正方形の観察領域における皺の算術平均粗さRaを求めた。Raは基準線L900におけるRaとした。すべての観察領域で求めたRaの平均値の結果を表2に示す。
[表面形状解析3]
上記表面形状解析2で得た皺の高さ情報を周波数解析して、二次元パワースペクトルF(r,θ)を得た。次に、二次元パワースペクトルF(r,θ)を動径方向に一次元化した動径方向分布関数p(r)を計算し、p(r)が極大となる周波数rpを求めた。
さらに、p(r)が極大となる周波数rpについて、F(rp,θ)の角度分布q(θ)を求め、θ=16°~164°におけるパワー値の平均値に対するθ=0°~15°の範囲および165°~180°の範囲におけるパワー値の最大値の比を求めた。
すべての観察領域で求めた平均値の結果を表2に示す。
各実施例のパワー値のピークの位置は、実施例1~6、8、10、11は0°と180°にパワー値のピークを有していた。実施例9、13は15°にパワー値のピークを有していた。実施例7、12は165°にピークを有していた。比較例1は45°にパワー値のピークを有していた。比較例2は明確なパワー値のピークは無かった。
上記表面形状解析2で得た皺の高さ情報を周波数解析して、二次元パワースペクトルF(r,θ)を得た。次に、二次元パワースペクトルF(r,θ)を動径方向に一次元化した動径方向分布関数p(r)を計算し、p(r)が極大となる周波数rpを求めた。
さらに、p(r)が極大となる周波数rpについて、F(rp,θ)の角度分布q(θ)を求め、θ=16°~164°におけるパワー値の平均値に対するθ=0°~15°の範囲および165°~180°の範囲におけるパワー値の最大値の比を求めた。
すべての観察領域で求めた平均値の結果を表2に示す。
各実施例のパワー値のピークの位置は、実施例1~6、8、10、11は0°と180°にパワー値のピークを有していた。実施例9、13は15°にパワー値のピークを有していた。実施例7、12は165°にピークを有していた。比較例1は45°にパワー値のピークを有していた。比較例2は明確なパワー値のピークは無かった。
[クリーニング性評価]
電子写真装置としてヒューレットパッカード社製のレーザービームプリンター、商品名HP LaserJet Enterprise Color M553dnの改造機を使用した。改造点としては、まず、クリーニングブレードの電子写真感光体に対する当接圧を、商品条件の120%に変更した。また、帯電ローラへの印加電圧の調節および測定、像露光光量の調節および測定ができるように改造した。
実施例1~13及び比較例1~4の感光体を画像形成装置のシアン色のカートリッジに装着した。
続いて、30℃80%RHの高温高湿環境下において、A4サイズの普通紙に対し、印字比率5%の画像出力を100枚出力した。帯電条件としては、暗部電位が-500V、露光条件としては、像露光光量を0.25μJ/cm2に調整した。続いて、ベタ白画像を連続で10枚プリントアウトし、さらにその後ベタ黒画像を10枚出力した直後のハーフトーン画像を用いて評価を行った。具体的には、クリーニング不良によるトナーのすり抜けにより生じたハーフトーン画像中のスジを目視でカウントし、以下の基準により評価した。
A:画質上のスジはなく画質が良好である。
B:極軽微なスジが発生する。
C:軽微なスジが発生する。
D:画像の一部にスジが発生する。
E:画像全体にスジが発生する。
結果を表2に示す。
電子写真装置としてヒューレットパッカード社製のレーザービームプリンター、商品名HP LaserJet Enterprise Color M553dnの改造機を使用した。改造点としては、まず、クリーニングブレードの電子写真感光体に対する当接圧を、商品条件の120%に変更した。また、帯電ローラへの印加電圧の調節および測定、像露光光量の調節および測定ができるように改造した。
実施例1~13及び比較例1~4の感光体を画像形成装置のシアン色のカートリッジに装着した。
続いて、30℃80%RHの高温高湿環境下において、A4サイズの普通紙に対し、印字比率5%の画像出力を100枚出力した。帯電条件としては、暗部電位が-500V、露光条件としては、像露光光量を0.25μJ/cm2に調整した。続いて、ベタ白画像を連続で10枚プリントアウトし、さらにその後ベタ黒画像を10枚出力した直後のハーフトーン画像を用いて評価を行った。具体的には、クリーニング不良によるトナーのすり抜けにより生じたハーフトーン画像中のスジを目視でカウントし、以下の基準により評価した。
A:画質上のスジはなく画質が良好である。
B:極軽微なスジが発生する。
C:軽微なスジが発生する。
D:画像の一部にスジが発生する。
E:画像全体にスジが発生する。
結果を表2に示す。
[トナー融着評価]
上記のクリーニング性評価に続いて、30℃80%RHの高温高湿環境下において、A4用紙を用い、2ドットライン/200ドットスペース横線画像の、1万枚連続出力試験を行った。連続出力試験に引き続き、ベタ黒画像を出力する。出力した画像を目視し、電子写真感光体1周長の距離内にある白ポチの個数を確認した。
トナー融着による白ポチの評価基準は、以下のとおりである。
A:白ポチなし。
B:白ポチが1個。
C:白ポチが2個~4個
D:白ポチが5個以上
結果を表2に示す。
上記のクリーニング性評価に続いて、30℃80%RHの高温高湿環境下において、A4用紙を用い、2ドットライン/200ドットスペース横線画像の、1万枚連続出力試験を行った。連続出力試験に引き続き、ベタ黒画像を出力する。出力した画像を目視し、電子写真感光体1周長の距離内にある白ポチの個数を確認した。
トナー融着による白ポチの評価基準は、以下のとおりである。
A:白ポチなし。
B:白ポチが1個。
C:白ポチが2個~4個
D:白ポチが5個以上
結果を表2に示す。
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段
Claims (6)
- 支持体および感光層を有する電子写真感光体であって、
該電子写真感光体の外表面は皺を有し、
該外表面に、電子写真感光体を軸方向に20等分する19本の線分と、周方向に4等分する4本の線分との交点76か所をそれぞれ中心点とする一辺が300μmの正方形の観察領域を置き、該観察領域の向きは、観察領域を形成する該正方形の一辺が電子写真感光体の周方向と平行になる向きとし、
該観察領域の中心点を通り、該電子写真感光体の周方向に平行な線を第1基準線L1とし、
該中心点を中心として、該第1基準線を0.1°毎に回転させて得られる1799本の基準線を各々L2~L1800としたとき、該皴の凸部には、直線形状部が存在し、
該直線形状部は、基準線L1~L150および基準線L1651~L1800のいずれかと平行かつ長さが50μm以上の直線形状部であり、
基準線L1~L1800のそれぞれは、該皺の凸部と複数個所において交差し、該複数個所から選ばれる少なくとも2つは互いに異なる交差角を有し、
前記観察領域において、前記皺の高さ情報を周波数解析し、周波数成分をr、角度成分をθとして二次元パワースペクトルF(r、θ)を得たとき、該二次元パワースペクトルF(r、θ)をθ方向に積算して得られた一次元の動径方向分布関数p(r)が少なくとも一つの極大値を有し、
該一次元の動径方向分布関数p(r)が該極大値をとるときの周波数rpについて、該二次元パワースペクトルF(r、θ)から角度分布q(θ)を計算したとき、θ=0°~15°の範囲および165°~180°の範囲におけるパワー値の最大値が、θ=16°~164°におけるパワー値の平均値に対して1.15倍以上のパワー値
であることを特徴とする電子写真感光体。 - 前記周波数rpが0.04μm-1以上0.25μm-1以下の範囲内である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記観察領域の前記皺の算術平均粗さRaが0.03μm以上0.25μm以下である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
- 前記観察領域において、前記皺の凸部が前記基準線L1~L150および前記基準線L1651~L1800のいずれかに平行な100μm以上の直線形状部を有する請求項1~3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを有する電子写真装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US17/687,460 US20220291600A1 (en) | 2021-03-10 | 2022-03-04 | Electrophotographic photosensitive member, process cartridge and electrophotographic apparatus |
CN202210220229.0A CN115079525A (zh) | 2021-03-10 | 2022-03-08 | 电子照相感光构件、处理盒和电子照相设备 |
EP22160990.2A EP4057073B1 (en) | 2021-03-10 | 2022-03-09 | Electrophotographic photosensitive member, process cartridge and electrophotographic apparatus |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021038771 | 2021-03-10 | ||
JP2021038771 | 2021-03-10 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2021161917A Pending JP2022140250A (ja) | 2021-03-10 | 2021-09-30 | 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2022140250A (ja) |
-
2021
- 2021-09-30 JP JP2021161917A patent/JP2022140250A/ja active Pending
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