JP2022139056A - ネガ型レジスト樹脂組成物およびネガ型フォトレジスト樹脂組成物 - Google Patents

ネガ型レジスト樹脂組成物およびネガ型フォトレジスト樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】カチオン重合開始剤として光反応性及び熱安定性に優れた酸発生剤を含み、硬化性および熱安定性に優れた硬化性組成物を含んでなるネガ型レジスト樹脂組成物;並びに該酸発生剤を含み、パターン形成性に優れるネガ型フォトレジスト樹脂組成物を提供する。【解決手段】本発明は、下記一般式(1)で表されるオニウム塩を含有する酸発生剤とカチオン重合性化合物とを含む硬化性組成物を含んでなるネガ型レジスト樹脂組成物;並びに一般式(1)で表されるオニウム塩を含有する酸発生剤とプロトン性極性基を有するアルカリ可溶性樹脂と、架橋剤成分とを含んでなるネガ型フォトレジスト樹脂組成物である。【化1】TIFF2022139056000012.tif38153【選択図】 なし

Description

本発明は、特定の構造を有する酸発生剤とカチオン重合性化合物とを含有する硬化性組成物を含んでなる、硬化性および熱安定性に優れるネガ型レジスト樹脂組成物と、該酸発生剤とプロトン性極性基を有するアルカリ可溶性樹脂および架橋剤成分を含んでなる、パターン形成性および熱安定性に優れるネガ型フォトレジスト樹脂組成物とそれらの硬化膜に関するものである。
硬化性組成物は、カチオン重合性樹脂組成物、ラジカル重合性樹脂組成物およびカチオン重合性組成物とラジカル重合性組成物を併用した樹脂組成物など種々の組成物が従来から提案されている。
そのうち、カチオン重合性樹脂組成物では、系内に存在するカチオン重合開始剤が熱、光(紫外線、可視光線、電子線あるいは活性エネルギー線など)を作用させることによりカチオン種(H)を生成し、それが連鎖的にエポキシ化合物などのカチオン重合性有機化合物に関与してカチオン重合性有機化合物が開環して反応が進む。Hを生成するカチオン重合開始剤は酸発生剤とも呼ばれる。カチオン重合性有機化合物の重合反応は、一般にラジカル重合性有機化合物の重合反応に比べて遅く、したがって硬化性に優れたカチオン重合性樹脂組成物が望まれている。光照射を用いる場合、光反応性を高める目的で種々の光酸発生剤が提案されている(特許文献1~4)。また、電子部品を配線基板に実装する場合等、光照射できない場合も数多く存在する。このため、特定のスルホニウム塩を適用し、熱を作用させて硬化することが開示されている(特許文献5)。さらに、電子機器に搭載される光学素子には、製造の効率化を図る目的から、リフロー方式による半田付けにより実装可能な耐熱性及び耐熱黄変性を有することが求められる。つまり、硬化物に対する高い耐熱性及び耐熱黄変性が求められるようになってきた。
カチオン重合性化合物の硬化性能や酸触媒による架橋反応性能はアニオンの種類で異なり、一般的にはBF <PF <SbF の順に良くなる。しかし、重合や架橋性能の良いSbF を含有するカチオン重合開始剤(酸発生剤)は、Sbの毒性の問題から使用用途が限定されるため、毒性金属を含まず、SbF のような高いカチオン重合開始能を有するカチオン重合開始剤が求められている。
毒性金属を含まず、SbF 塩のような高いカチオン重合性能や架橋反応性能を有するカチオン重合開始剤(酸発生剤)として、アルミニウムを中心元素とする、特定の構造を有するアニオンからなる酸発生剤が提案されている(特許文献6および特許文献7)。しかしながら硬化性に優れるものの、硬化物の耐熱試験後には透明性が低下する問題があり、高い耐熱性及び耐熱黄変性が必要な部材への適用が進んでいなかった。
さらに電子機器の半導体素子に用いられる表面保護膜、層間絶縁膜等にはフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂とトリアジン系の光酸発生剤を用いた感光性樹脂組成物が提案されている(特許文献8、9)。これは露光により光酸発生剤から酸が発生し、架橋剤とアルカリ可溶性樹脂との反応を促進して現像液に不溶となるもので、ネガ型フォトレジストと呼ばれる。このトリアジン系の光酸発生剤は、発生する酸が塩酸や臭酸であり、酸としては弱く反応性に課題があり、また揮発しやすいため設備を汚染する問題がある。
特公昭52-14277号公報 特公昭52-14278号公報 特開平10-287643号公報 特許5313873号公報 特許5444702号公報 特開2018-532866号公報 特開2019-85358号公報 特開2008-77057号公報 WO2008-117619号公報
上記の背景において、本発明の目的は、カチオン重合開始剤として光反応性及び熱安定性に優れた酸発生剤を含み、硬化性および熱安定性に優れた硬化性組成物を含んでなるネガ型レジスト樹脂組成物を提供して、絶縁信頼性および耐熱性に優れた硬化膜を提供することである。
本発明の第2の目的は、上記酸発生剤、プロトン性極性基を有するアルカリ可溶性樹脂および架橋剤成分を含み、パターン形成性に優れるネガ型フォトレジスト樹脂組成物を提供し、絶縁信頼性および耐熱性に優れた硬化膜を提供することである。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく種々研究を重ねた結果、酸発生剤として下記一般式(1)で表されるオニウム塩を用いることで優れた硬化性と熱安定性を有する硬化性組成物が得られることを見出し、絶縁信頼性および耐熱性に優れたネガ型レジスト樹脂組成物として有用であることを見出した。すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表されるオニウム塩を含有する酸発生剤とカチオン重合性化合物とを含む硬化性組成物を含んでなるネガ型レジスト樹脂組成物である。
Figure 2022139056000001
[式中、R~Rは、互いに独立して、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基または置換基を有していてもよいフェニル基であり、R~Rのうち少なくとも一つの基に結合する水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されており、かつR~Rの基に結合する全水素原子のうち30%~70%がフッ素原子で置換されており;EはS、I、NまたはPから選ばれる原子価nの元素を表し、nは1~3の整数であり、RはEに結合している有機基であり、Rの個数はn+1であり、(n+1)個のRはそれぞれ互いに同一であっても異なっても良く、2個以上のRが互いに直接または-O-、-S-、-SO-、-SO-、-NH-、-CO-、-COO-、-CONH-、アルキレン基もしくはフェニレン基を介して元素Eを含む環構造を形成しても良い。]
また本発明は、前記に記載のネガ型レジスト樹脂組成物を硬化させて得られる硬化膜である。
また本発明は、上記一般式(1)で表されるオニウム塩を含有する酸発生剤とプロトン性極性基を有するアルカリ可溶性樹脂と、架橋剤成分とを含んでなるネガ型フォトレジスト樹脂組成物である。
また本発明は、前記に記載のネガ型フォトレジスト樹脂組成物を硬化させて得られる硬化膜である。
本発明のネガ型レジスト樹脂組成物は硬化性及び熱安定性に優れ、その硬化物は絶縁信頼性および耐熱性に優れ、また本発明のネガ型フォトレジスト樹脂組成物は熱安定性及びパターニング性に優れ、その硬化物は耐マイグレーション性等の電気信頼性に優れるため、半導体素子等の表面保護膜(パッシベーション膜、オーバーコート膜)、層間絶縁膜、平坦化膜等に好適に用いることが出来る。さらに、耐熱変色性や透明性に優れるため、顔料や色素を配合したカラーフィルターレジスト、ディスプレイ用の層間絶縁膜等に好適に用いることができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明において、酸発生剤は下記一般式(1)で表されるオニウム塩を含有する。
Figure 2022139056000002
[式中、R~Rは、互いに独立して、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基または置換基を有していてもよいフェニル基であり、R~Rのうち少なくとも一つの基に結合する水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されており、かつR~Rの基に結合する全水素原子のうち30%~70%がフッ素原子で置換されており;EはS、I、NまたはPから選ばれる原子価nの元素を表し、nは1~3の整数であり、RはEに結合している有機基であり、Rの個数はn+1であり、(n+1)個のRはそれぞれ互いに同一であっても異なっても良く、2個以上のRが互いに直接または-O-、-S-、-SO-、-SO-、-NH-、-CO-、-COO-、-CONH-、アルキレン基もしくはフェニレン基を介して元素Eを含む環構造を形成しても良い。]
一般式(1)中、R~Rにおける、炭素数1~8のアルキル基としては、直鎖アルキル基(メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル及びn-オクチル等)、分岐アルキル基(イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、イソヘキシル、2-エチルヘキシル及び1,1,3,3-テトラメチルブチル等)及びシクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルが挙げられる。
一般式(1)中、R~Rにおける、炭素数2~8のアルケニル基としては、直鎖又は分岐のアルケニル基(ビニル、アリル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-1-プロペニル、1-メチル-2-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル及び2-メチル-2-プロペニル等)、及びシクロアルケニル基(2-シクロヘキセニル及び3-シクロヘキセニル等)が挙げられる。
一般式(1)中、R~Rにおける、置換基を有していてもよいフェニル基とは、フェニル基のほか、フェニル基中の水素原子の一部が炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、ニトロ基、-ORで表されるアルコキシ基、-SRで表されるアルキルチオ基、塩素原子、又は臭素原子で置換されているものを表す。
上記置換基において炭素数1~8のアルキル基および炭素数2~8のアルケニル基としては上記一般式(1)のR~Rで説明したものと同じものが挙げられる。
上記置換基において、-ORで表されるアルコキシ基、-SRで表されるアルキルチオ基の、R~Rとしては炭素数1~8のアルキル基が挙げられ、具体的には上記のアルキル基のうち炭素数1~8のアルキル基が挙げられる。
-ORで表されるアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、iso-プロポキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、n-ペントキシ、iso-ペントキシ、neo-ペントキシ及び2-メチルブトキシ等が挙げられる。
-SRで表されるアルキルチオ基としては、メチルチオ、エチルチオ、ブチルチオ、ヘキシルチオ及びシクロヘキシルチオ等が挙げられる。
これら置換基において、原料の入手しやすさの観点から、好ましくは炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、-ORで表されるアルコキシ基、塩素原子、又は臭素原子であり、さらに好ましくは炭素数1~4のアルキル基、炭素数2~4のアルケニル基又は塩素原子である。
一般式(1)中R~Rにおける基の中で、原料の入手しやすさの観点から、好ましくは炭素数1~4のアルキル基、炭素数2~4のアルケニル基、フェニル基、及び炭素数1~4のアルキル基、炭素数2~4のアルケニル基又は塩素原子が置換したフェニル基である。また、R~Rにおける合計炭素数が4~9であるものがより好ましい。
さらに一般式(1)中R~Rにおける基は、同一でも異なっていてもよく、少なくとも一つの基に結合する水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されており、かつR~Rの基に結合する全水素原子のうち30%~70%がフッ素原子で置換されているものである。これをフッ素置換率という。
硬化物の耐熱性および耐熱黄変性、特に耐熱黄変性の観点から、フッ素置換率が30%~70%である必要がある。フッ素置換率が30%未満の場合、形成するアニオンが不安定となり酸発生剤としての使用が困難となり不適である。
一般式(1)で表される酸発生剤のアニオン構造としては、たとえば、以下化学式(A-1)~(A-14)で表されるものが好ましく例示できる。
Figure 2022139056000003
一般式(1)中のRはEに結合している有機基を表し、同一であっても異なってもよい。Rとしては、炭素数1~18のアルキル基、炭素数2~18のアルケニル基、および炭素数6~14のアリール基が挙げられ、アリール基はさらに炭素数1~18のアルキル基、炭素数2~18のアルケニル基、炭素数6~14のアリール基、ニトロ基、水酸基、シアノ基、-ORで表されるアルコキシ基若しくはアリールオキシ基、-SRで表されるアルキルチオ基若しくはアリールチオ基、RCO-で表されるアシル基、RCOO-で表されるアシロキシ基、-NR10で表されるアミノ基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
上記Rにおける炭素数1~18のアルキル基としては、直鎖アルキル基(メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-オクチル、n-デシル、n-ドデシル、n-テトラデシル、n-ヘキサデシル及びn-オクタデシル等)、分岐アルキル基(イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、イソヘキシル、2-エチルヘキシル及び1,1,3,3-テトラメチルブチル等)、シクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等)、架橋環式アルキル基(ノルボルニル、アダマンチル及びピナニル等)及びアリールアルキル基(ベンジル、ナフチルメチル、フェネチル、ベンズヒドリル及びフェナシル等)が挙げられる。
上記Rにおける炭素数2~18のアルケニル基としては、直鎖又は分岐のアルケニル基(ビニル、アリル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-1-プロペニル、1-メチル-2-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル及び2-メチル-2-プロぺニル等)、シクロアルケニル基(2-シクロヘキセニル及び3-シクロヘキセニル等)及びアリールアルケニル基(スチリル及びシンナミル等)が挙げられる。
上記Rにおける炭素数6~14(以下の置換基の炭素数は含まない)のアリール基としては、単環式アリール基(フェニル等)、縮合多環式アリール基(ナフチル、アントラセニル、フェナンスレニル、アントラキノリル、フルオレニル及びナフトキノリル等)及び芳香族複素環炭化水素基(チエニル、フラニル、ピラニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル等単環式複素環;及びインドリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチエニル、イソベンゾチエニル、キノリル、イソキノリル、キノキサリニル、キナゾリニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、キサンテニル、チアントレニル、フェノキサジニル、フェノキサチイニル、クロマニル、イソクロマニル、クマリニル、ジベンゾチエニル、キサントニル、チオキサントニル、ジベンゾフラニル等縮合多環式複素環)が挙げられる。
アリール基としては、以上の他に、アリール基中の水素原子の一部が炭素数1~18のアルキル基、炭素数2~18のアルケニル基、炭素数6~14のアリール基、ニトロ基、水酸基、シアノ基、-ORで表されるアルコキシ基若しくはアリールオキシ基、-SRで表されるアルキルチオ基若しくはアリールチオ基、RCO-で表されるアシル基、RCOO-で表されるアシロキシ基、-NR10で表されるアミノ基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
上記置換基において、-ORで表されるアルコキシ基、-SRで表されるアルキルチオ基、RCO-で表されるアシル基、RCOO-で表されるアシロキシ基、-NR10で表されるアミノ基の、R~R10としては炭素数1~8のアルキル基が挙げられ、具体的には上記のアルキル基のうち炭素数1~8のアルキル基が挙げられる。
上記置換基において、-ORで表されるアリールオキシ基、-SRで表されるアリールチオ基、RCO-で表されるアシル基、RCOO-で表されるアシロキシ基、-NR10で表されるアミノ基の、R~R10としては炭素数6~14のアリール基が挙げられ、具体的には上記の炭素数6~14のアリール基が挙げられる。
-ORで表されるアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、iso-プロポキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、n-ペントキシ、iso-ペントキシ、neo-ペントキシ及び2-メチルブトキシ等が挙げられる。
-ORで表されるアリールオキシ基としては、フェノキシ、ナフトキシ等が挙げられる。
-SRで表されるアルキルチオ基としては、メチルチオ、エチルチオ、ブチルチオ、ヘキシルチオ及びシクロヘキシルチオ等が挙げられる。
-SRで表されるアリールチオ基としては、フェニルチオ、ナフチルチオ、ビフェニルチオ、2-チオキサントニルチオ等が挙げられる。
CO-で表されるアシル基としては、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、ピバロイル及びベンゾイル等が挙げられる。
COO-で表されるアシロキシ基としては、アセトキシ、ブタノイルオキシ及びベンゾイルオキシ等が挙げられる。
-NR10で表されるアミノ基としては、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジプロピルアミノ及びピペリジノ等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
上記Rのうち、カチオン重合開始能の観点で好ましいのは炭素数1~18のアルキル基、炭素数6~14のアリール基及びニトロ基、水酸基、炭素数1~18のアルキル基、-ORで表されるアルコキシ基、-SRで表されるアリールチオ基、RCO-で表されるアシル基、RCOO-で表されるアシロキシ基又は塩素原子で置換された炭素数6~14のアリール基である。
さらに好ましいのは、炭素数1~18のアルキル基、フェニル基及び水酸基、炭素数1~18のアルキル基、-ORで表されるアルコキシ基、-SRで表されるアリールチオ基、アセチル基、ベンゾイル基、アセトキシ基で置換されたフェニル基である。
また2個以上のRが互いに直接または-O-、-S-、-SO-、-SO-、-NH-、-CO-、-COO-、-CONH-、アルキレン基もしくはフェニレン基を介して元素Eを含む環構造を形成しても良い。
一般式(1)中のEは、S(硫黄)、I(ヨウ素)、N(窒素)またはP(リン)から選ばれる、原子価nの元素を表し、有機基Rと結合してオニウムイオン[E]を形成する。nは元素Eの原子価を表し、1~3の整数である。
対応するオニウムイオンとしてはアンモニウム、ホスホニウム、スルホニウム、ヨードニウムである。中でも、安定で取り扱いが容易な、アンモニウム、ホスホニウム、スルホニウム、ヨードニウムが好ましく、カチオン重合性能や架橋反応性能に優れるスルホニウム、ヨードニウムがさらに好ましい。
アンモニウムイオンの具体例としては、テトラメチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウムなどのテトラアルキルアンモニウム;N,N-ジメチルピロリジニウム、N-エチル-N-メチルピロリジニウム、N,N-ジエチルピロリジニウムなどのピロリジニウム;N,N'-ジメチルイミダゾリニウム、N,N'-ジエチルイミダゾリニウム、N-エチル-N'-メチルイミダゾリニウム、1,3,4-トリメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4-テトラメチルイミダゾリニウムなどのイミダゾリニウム;N,N'-ジメチルテトラヒドロピリミジニウムなどのテトラヒドロピリミジニウム;N,N'-ジメチルモルホリニウムなどのモルホリニウム;N,N'-ジエチルピペリジニウムなどのピペリジニウム;N-メチルピリジニウム、N-ベンジルピリジニウム、N-フェナシルピリジウムなどのピリジニウム;N,N'-ジメチルイミダゾリウム、などのイミダゾリウム;N-メチルキノリウム、N-ベンジルキノリウム、N-フェナシルキノリウムなどのキノリウム;N-メチルイソキノリウムなどのイソキノリウム;ベンジルベンゾチアゾニウム、フェナシルベンゾチアゾニウムなどのチアゾニウム;ベンジルアクリジウム、フェナシルアクリジウムなどのアクリジウムが挙げられる。
ホスホニウムイオンの具体例としては、テトラフェニルホスホニウム、テトラ-p-トリルホスホニウム、テトラキス(2-メトキシフェニル)ホスホニウム、テトラキス(3-メトキシフェニル)ホスホニウム、テトラキス(4-メトキシフェニル)ホスホニウムなどのテトラアリールホスホニウム;トリフェニルベンジルホスホニウム、トリフェニルフェナシルホスホニウム、トリフェニルメチルホスホニウム、トリフェニルブチルホスホニウムなどのトリアリールホスホニウム;トリエチルベンジルホスホニウム、トリブチルベンジルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、テトラヘキシルホスホニウム、トリエチルフェナシルホスホニウム、トリブチルフェナシルホスホニウムなどのテトラアルキルホスホニウムなどが挙げられる。
スルホニウムイオンの具体例としては、トリフェニルスルホニウム、トリ-p-トリルスルホニウム、トリ-o-トリルスルホニウム、トリス(4-メトキシフェニル)スルホニウム、1-ナフチルジフェニルスルホニウム、2-ナフチルジフェニルスルホニウム、トリス(4-フルオロフェニル)スルホニウム、トリ-1-ナフチルスルホニウム、トリ-2-ナフチルスルホニウム、トリス(4-ヒドロキシフェニル)スルホニウム、4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム、4-(p-トリルチオ)フェニルジ-p-トリルスルホニウム、4-(4-メトキシフェニルチオ)フェニルビス(4-メトキシフェニル)スルホニウム、4-(フェニルチオ)フェニルビス(4-フルオロフェニル)スルホニウム、4-(フェニルチオ)フェニルビス(4-メトキシフェニル)スルホニウム、4-(フェニルチオ)フェニルジ-p-トリルスルホニウム、[4-(4-ビフェニリルチオ)フェニル]-4-ビフェニリルフェニルスルホニウム、[4-(9,9-ジフェニルフルオレニル-2-チオ)フェニル]-2-(9,9-ジフェニル)フルオレニルフェニルスルホニウム、[4-(9,9-ジメチルフルオレニル-2-チオ)フェニル]-2-(9,9-ジメチル)フルオレニルフェニルスルホニウム、[4-(2-チオキサントニルチオ)フェニル]ジフェニルスルホニウム、ビス[4-(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド、ビス〔4-{ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホニオ}フェニル〕スルフィド、ビス{4-[ビス(4-フルオロフェニル)スルホニオ]フェニル}スルフィド、ビス{4-[ビス(4-メチルフェニル)スルホニオ]フェニル}スルフィド、ビス{4-[ビス(4-メトキシフェニル)スルホニオ]フェニル}スルフィド、4-(4-ベンゾイル-2-クロロフェニルチオ)フェニルビス(4-フルオロフェニル)スルホニウム、4-(4-ベンゾイル-2-クロロフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム、4-(4-ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4-フルオロフェニル)スルホニウム、4-(4-ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム、7-イソプロピル-9-オキソ-10-チア-9,10-ジヒドロアントラセン-2-イルジ-p-トリルスルホニウム、7-イソプロピル-9-オキソ-10-チア-9,10-ジヒドロアントラセン-2-イルジフェニルスルホニウム、2-[(ジ-p-トリル)スルホニオ]チオキサントン、2-[(ジフェニル)スルホニオ]チオキサントン、4-(9-オキソ-9H-チオキサンテン-2-イル)チオフェニル-9-オキソ-9H-チオキサンテン-2-イルフェニルスルホニウム、2-[(ジフェニル)スルホニオ]チオキサントン、[4-(9-オキソ-9H-チオキサンテン-2-イル)チオ-2-tert-ブチル-5-メチルフェニル]-9-オキソ-9H-チオキサンテン-2-イル-(3-ブチル-5-メチルフェニル)スルホニウム、4-[4-(4-tert-ブチルベンゾイル)フェニルチオ]フェニルジ-p-トリルスルホニウム、4-[4-(4-tert-ブチルベンゾイル)フェニルチオ]フェニルジフェニルスルホニウム、4-[4-(ベンゾイルフェニルチオ)]フェニルジ-p-トリルスルホニウム、4-[4-(ベンゾイルフェニルチオ)]フェニルジフェニルスルホニウム、5-(4-メトキシフェニル)チアントレニウム、5-フェニルチアントレニウム、5-トリルチアントレニウム、5-(4-エトキシフェニル) チアントレニウム、5-(2,4,6-トリメチルフェニル) チアントレニウムなどのトリアリールスルホニウム;ジフェニルフェナシルスルホニウム、ジフェニル4-ニトロフェナシルスルホニウム、ジフェニルベンジルスルホニウム、ジフェニルメチルスルホニウムなどのジアリールスルホニウム;フェニルメチルベンジルスルホニウム、4-ヒドロキシフェニルメチルベンジルスルホニウム、4-メトキシフェニルメチルベンジルスルホニウム、4-アセトキシフェニルメチルベンジルスルホニウム、4-アセトキシフェニルジメチルスルホニウム、4-ヒドロキシフェニル(1-ナフチルメチル)メチルスルホニウム、2-ナフチルメチルベンジルスルホニウム、4-ヒドロキシフェニル(4-ニトロベンジル)メチルスルホニウム、2-ナフチルメチル(1-エトキシカルボニル)エチルスルホニウム、フェニルメチルフェナシルスルホニウム、4-ヒドロキシフェニルメチルフェナシルスルホニウム、4-メトキシフェニルメチルフェナシルスルホニウム、4-アセトキシフェニルメチルフェナシルスルホニウム、2-ナフチルメチルフェナシルスルホニウム、2-ナフチルオクタデシルフェナシルスルホニウム、9-アントラセニルメチルフェナシルスルホニウムなどのモノアリールスルホニウム;ジメチルフェナシルスルホニウム、フェナシルテトラヒドロチオフェニウム、ジメチルベンジルスルホニウム、ベンジルテトラヒドロチオフェニウム、オクタデシルメチルフェナシルスルホニウムなどのトリアルキルスルホニウムなどが挙げられる。
ヨードニウムイオンの具体例としては、ジフェニルヨードニウム、ジ-p-トリルヨードニウム、ジ(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウム、ジ(4-ドデシルフェニル)ヨードニウム、ジ(4-メトキシフェニル)ヨードニウム、(4-オクチルオキシフェニル)フェニルヨードニウム、ジ(4-デシルオキシフェニル)ヨードニウム、4-(2-ヒドロキシテトラデシルオキシ)フェニルフェニルヨードニウム、4-イソプロピルフェニル(p-トリル)ヨードニウム、フェニル(2,4,6-トリメトキシフェニル)ヨードニウムおよび4-イソブチルフェニル(p-トリル)ヨードニウムなどのヨードニウムイオンが挙げられる。
本発明の一般式(1)で表されるオニウム塩は、複分解法によって製造できる。複分解法は例えば、新実験化学講座14-I巻(1978年、丸善)p-448;Advance in Polymer Science、62、1-48(1984);新実験化学講座14-III巻(1978年、丸善)pp1838-1846;有機硫黄化学(合成反応編、1982年、化学同人)、第8章、pp237-280;日本化学雑誌、87、(5)、74(1966);特開昭64-45357号、特開昭61-212554号、特開昭61-100557号、特開平5-4996号、特開平7-82244号、特開平7-82245号、特開昭58-210904号、特開平6-184170号などに記載されているが、まずオニウムカチオンのF、Cl、Br、Iなどのハロゲンイオン塩;OH塩;ClO 塩;FSO 、ClSO 、CHSO 、CSO 、CFSO などのスルホン酸イオン類との塩;HSO 、SO 2-などの硫酸イオン類との塩;HCO 、CO 2-、などの炭酸イオン類との塩;HPO 、HPO 2-、PO 3-などのリン酸イオン類との塩などを製造し、これを一般式(1)で表されるオニウム塩を構成するアニオンのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩または4級アンモニウム塩と、必要により、KPF、KBF、LiB(Cなどの他のアニオン成分とを理論量以上含む溶媒および水溶液中に加えて複分解させる。溶媒としては、水や有機溶剤を使用できる。有機溶剤としては、炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等)、環状エーテル(テトラヒドロフラン及びジオキサン等)、塩素系溶剤(クロロホルム及びジクロロメタン等)、アルコール(メタノール、エタノール及びイソプロピルアルコール等)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等)、ニトリル(アセトニトリル等)及び極性有機溶剤(ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド及びN-メチルピロリドン等)が含まれる。これらの溶剤は、単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
これにより生成した目的のオニウム塩は、結晶または油状で分離してくる。油状物の場合、析出した油状物を有機溶剤溶液から分離し、さらに油状物に含有する有機溶剤を留去することにより得られる。結晶の場合、析出した固体を有機溶剤溶液から分離し、さらに、固体に含有する有機溶剤を留去することにより得られる。このようにして得られた目的のオニウムの塩を必要により再結晶または水や溶媒による洗浄等の方法で精製することができる。
再結晶による精製は、目的のオニウム塩を少量の有機溶剤で溶解し、その有機溶剤からの分離は、目的のオニウム塩を含む有機溶剤溶液に対して直接(又は濃縮した後)、貧溶剤を加えて目的のオニウム塩を析出させることにより行うことができる。ここで用いる貧溶剤としては、鎖状エーテル(ジエチルエーテル及びジプロピルエーテル等)、エステル(酢酸エチル及び酢酸ブチル等)、脂肪族炭化水素(へキサン及びシクロヘキサン等)及び芳香族炭化水素(トルエン及びキシレン等)が含まれる。また、温度による溶解度差を利用して、精製を行うこともできる。精製は、再結晶(冷却による溶解度の差を利用する方法、貧溶剤を加えて析出させる方法及びこれらの併用)によって精製することができる。また、目的物が油状物である場合(結晶化しない場合)、油状物を水又は貧溶媒で洗浄する方法により精製できる。
このようにして得られたオニウム塩の構造は、一般的な分析手法、例えば、H、13C、19F、などの各核磁気共鳴スペクトル、赤外吸収スペクトル、質量分析あるいは元素分析などによって同定することができる。
酸発生剤として一般式(1)で表されるオニウム塩を含有することを特徴とするが、酸発生剤は単独で使用してもよいし、2種以上併用して使用してもよい。また、これ以外にも従来公知の他の酸発生剤を含有させて使用してもよい。
他の酸発生剤としては、オニウム塩(スルホニウム、ヨードニウム、セレニウム、アンモニウム及びホスホニウム等)並びに遷移金属錯体イオンと、アニオンとの塩等の従来公知のものが含まれる。
他の酸発生剤を含有する場合、他の酸発生剤の含有量(モル%)は、一般式(1)で表されるオニウム塩の総モル数に対して、0.1~100が好ましく、さらに好ましくは0.5~50である。
一般式(1)で表されるオニウム塩(酸発生剤)は、カチオン重合性化合物への溶解を容易にするため、あらかじめ重合や架橋反応を阻害しない溶剤に溶かしておいてもよい。
溶剤としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2-ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート及びジエチルカーボネートなどのカーボネート類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2-ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール及びジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体;ジオキサンのような環式エーテル類;蟻酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシプロピオン酸メチル、2-ヒドロキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸メチル、3-メトキシブチルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、β-プロピオラクトン、β―ブチロラクトン、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン及びε-カプロラクトンなどのエステル類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類等が挙げられる。
溶剤を使用する場合、溶剤の使用割合は、一般式(1)で表されるオニウム塩(酸発生剤)100重量部に対して、15~1000重量部が好ましく、さらに好ましくは30~500重量部である。使用する溶媒は、単独で使用してもよく、または2種以上を併用してもよい。
<ネガ型レジスト樹脂組成物>
本発明の硬化性組成物を含んでなるネガ型レジスト樹脂組成物において、硬化性組成物は、上記酸発生剤とカチオン重合性化合物とを含んでなる。なお、本発明のネガ型レジスト樹脂組成物においては、酸発生剤は光酸発生剤又は熱酸発生剤として機能する。
(硬化性組成物)
硬化性組成物の構成成分であるカチオン重合性化合物としては、環状エーテル(エポキシド及びオキセタン等)、エチレン性不飽和化合物(ビニルエーテル及びスチレン等)、ビシクロオルトエステル、スピロオルトカーボネート及びスピロオルトエステル等が挙げられる{(たとえば、活性エネルギー線硬化性組成物中のカチオン重合性化合物成分として、特開平11-060996号、特開平09-302269号、特開2003-026993号、特開2002-206017号、特開平11-349895号、特開平10-212343号、特開2000-119306号、特開平10-67812号、特開2000-186071号、特開平08-85775号、特開平08-134405号、特開2008-20838、特開2008-20839、特開2008-20841、特開2008-26660、特開2008-26644、特開2007-277327、フォトポリマー懇話会編「フォトポリマーハンドブック」(1989年、工業調査会)、総合技術センター編「UV・EB硬化技術」(1982年、総合技術センター)、ラドテック研究会編「UV・EB硬化材料」(1992年、シーエムシー)、技術情報協会編「UV硬化における硬化不良・阻害原因とその対策」(2003年、技術情報協会)、色材、68、(5)、286-293(1995)、ファインケミカル、29、(19)、5-14(2000)等が挙げられる。これらは熱硬化性組成物中のカチオン重合性化合物成分として使用しても差し支えない。}。
エポキシドとしては、公知のもの等が使用でき、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド及び脂肪族エポキシド等が含まれる。
芳香族エポキシドとしては、多価フェノールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、ポリグリシジルエステルなどを挙げることができ、具体的には、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールE、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、ビスフェノールZまたはこれらに更にエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加した化合物のグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、tert-ブチルフェニルグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、テレフタル酸のジグリシジルエステル、イソフタル酸のジグリシジルエステル、o-フタル酸のジグリシジルエステル、テトラフェノールエタンのテトラグリシジルエーテル、トリフェノールメタンのトリグリシジルエーテルなどを挙げることができる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個の脂肪族環を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテル、或いはシクロヘキセン環含有化合物またはシクロペンテン環含有化合物を過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化して得られるシクロヘキセンオキサイド構造含有化合物またはシクロペンテンオキサイド構造含有化合物などを挙げることができる。
より具体的には、脂環式エポキシ化合物として、例えば、脂環式ジグリシジルエーテル化合物としては、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールADジグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールZジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリシクロデカンジメタノールジグリシジルエーテル)を挙げることができる。
また、シクロヘキセンオキサイド構造含有化合物またはシクロペンテンオキサイド構造含有化合物としては、例えば3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキシ-1-メチルシクロヘキシル-3’,4’-エポキシ-1-メチルシクロヘキサンカルボキシレート、6-メチル-3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-6-メチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキシ-3-メチルシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシ-3-メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキシ-5-メチルシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシ-5-メチルシクロヘキサンカルボキシレート、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル-5,5-スピロ-3’,4’-エポキシ)シクロヘキサン-メタジオキサン、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルカルボキシレート、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレンビス(3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ-2-エチルヘキシルなどが挙げられる。
また、株式会社ダイセルから販売されている、ε-カプロラクトン変性3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシー4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物も挙げることができる。
さらに、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシル)メタン、2,2-ビス(3,4-エポキシシクロヘキシル)プロパン、1,1-ビス(3,4-エポキシシクロヘキシル)エタン、アルファピネンオキサイド、カンファレンアルデヒド、リモネンモノオキサイド、リモネンジオキサイド、4-ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、4-ビニルシクロヘキセンジオキサイドなども挙げることができる。
脂肪族エポキシドとしては、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエステル、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートのビニル重合により合成したホモポリマー、グリシジルアクリレートおよび/またはグリシジルメタクリレートとその他のビニルモノマーとのビニル重合により合成したコポリマーなどを挙げることができる。
代表的な化合物としては、例えば、ブチルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、高級アルコールのグリシジルエーテル、アルキレンジオールのジグリシジルエーテル(例えば、1,4-ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテルなど)、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ソルビトールのテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールのヘキサグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールのジグリシジルエーテルなどの多価アルコールのグリシジルエーテルを挙げることができる。
さらに、プロピレン、トリメチロールプロパン、グリセリンなどの脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステルなどが挙げられる。
さらに、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル、フェノール、クレゾール、ブチルフェノールまたはこれらにアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル、高級脂肪酸のグリシジルエステル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシ化ポリブタジエン、グリシジル化ポリブタジエンなどを挙げることができる。
また、エポキシアルカンとしては、1,2-エポキシデカン、1,2-エポキシドデカン、1,2-エポキシテトラデカン、1,2-エポキシセタン、1,2-エポキシオクタデカン、1,2-エポキシイコサンを挙げることができる。
さらにエポキシドとしては、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂が含まれる。ここでエポキシ樹脂とは、繰り返し単位を有するオリゴマー、ポリマー中に2個以上のエポキシ基を有する樹脂全般をいい、その分子量や分子構造は特に限定されない。
具体的には、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールSジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノール類とイソプロペニルアセトフェノンとの縮合物からなるエポキシ樹脂、フェノール類とジシクロペンタジエンの反応物からなるエポキシ樹脂等を挙げることができる。中でも、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノール類とジシクロペンタジエンの反応物からなるエポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、およびテトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂からなる群より選択される1種以上のエポキシ樹脂を含むことが好ましい。これにより、樹脂膜の耐熱性を高めつつ、適切な熱膨張係数を実現できる。
さらにエポキシ樹脂としては、分子中に2個以上のエポキシ基を有しする、25℃(室温)において固形であるエポキシ樹脂を含むことができる。これにより、ネガ型レジスト樹脂組成物の樹脂膜における機械的特性を高めることができる。
また、エポキシ樹脂は、分子中に2個以上のエポキシ基を有する、25℃(室温)において液状エポキシ樹脂を含むことができる。この液状エポキシ樹脂の25℃における粘度は例えば、1mPa・s~8000mPa・sであり、好ましくは5mPa・s~1500mPa・sであり、より好ましくは10mPa・s~1400mPa・sとすることができる。これにより、ネガ型レジスト樹脂組成物の樹脂膜の脆性を改善することができる。
本発明のネガ型レジスト樹脂組成物の樹脂膜の脆性を改善する観点で、上記エポキシ樹脂のエポキシ当量の範囲としては、例えば、100g/eq~300g/eqであり、好ましくは110g/eq~290g/eqである。
上記液状エポキシ樹脂を含有する場合、ネガ型レジスト樹脂組成物の不揮発成分全体に対して、例えば、5重量%以上であり、好ましくは10重量%以上であり、より好ましくは15重量%以上である。これにより、最終的に得られる硬化膜の脆性を改善することができる。一方、液状エポキシ樹脂の含有する場合、ネガ型レジスト樹脂組成物の不揮発成分全体に対して、例えば、40重量%以下であり、好ましくは35重量%以下であり、より好ましくは30重量%以下である。これにより、硬化膜の膜特性のバランスを図ることができる。
上記エポキシ樹脂の含有量としては、最終的に得られる硬化膜の耐熱性や機械的強度の向上の観点から、ネガ型レジスト樹脂組成物の不揮発成分全体に対して、例えば、40重量%以上であり、好ましくは45重量%以上であり、より好ましくは50重量%以上である。一方、パターニング性を向上させる観点では、エポキシ樹脂の含有量は、ネガ型レジスト樹脂組成物の不揮発成分全体に対して、例えば、90重量%以下であり、好ましくは85重量%以下であり、より好ましくは80重量%以下である。
本発明のネガ型レジスト樹脂組成物において、不揮発成分とは、水や溶媒等の揮発成分を除いた残部を指す。不揮発成分全体に対する含有量とは、溶媒を含む場合には、ネガ型レジスト樹脂組成物のうちの溶媒を除く不揮発成分全体に対する含有量を指す。
オキセタンとしては、3-エチル-3 -ヒドロキシメチルオキセタン、3-(メタ)アリルオキシメチル-3-エチルオキセタン、(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4-フルオロ-[1-(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、4-メトキシ-[1-(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、[1-(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)エチル]フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3-エチル-3- オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、2-エチルヘキシル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニル(3-エチル-3-オキセタニルメチル エーテル、テトラヒドロフルフリル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、2-テトラブロモフェノキシエチル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、2-トリブロモフェノキシエチル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、2-ヒドロキシエチル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、2-ヒドロキシプロピル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル及びボルニル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル等の一官能オキセタン化合物、3,7-ビス(3-オキセタニル)-5-オキサ-ノナン、3,3’-(1,3-(2-メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス-(3-エチルオキセタン)、1,4-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,2-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル] エタン、1,3-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル] プロパン、エチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、1,4-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3-エチル-3-オキセタニルメチル) エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、PO変性ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル) エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル及びEO変性ビスフェノールF(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル等の多官能オキセタン化合物が挙げられる。
これらオキセタンの中でも硬化速度の観点からオキセタン環を1又は2個有する化合物が好ましく、その具体例としては、3,7-ビス(3-オキセタニル)-5-オキサ-ノナン、3,3’-(1,3-(2-メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス-(3-エチルオキセタン)、1,4-ビス[(3-エチル- 3-オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,2-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、1,4-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ヘキサン等が挙げられる。
エチレン性不飽和化合物としては、公知のカチオン重合性単量体等が使用でき、脂肪族モノビニルエーテル、芳香族モノビニルエーテル、多官能ビニルエーテル、スチレン類及びカチオン重合性窒素含有モノマーが含まれる。
脂肪族モノビニルエーテルとしては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル及びシクロヘキシルビニルエーテル等が挙げられる。
芳香族モノビニルエーテルとしては、2-フェノキシエチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル及びp-メトキシフェニルビニルエーテル等が挙げられる。
多官能ビニルエーテルとしては、ブタンジオール-1,4-ジビニルエーテル及びトリエチレングリコールジビニルエーテル等が挙げられる。
スチレン類としては、スチレン、α-メチルスチレン、p-メトキシスチレン及びp-tert-ブトキシスチレン等が挙げられる。
カチオン重合性窒素含有モノマーとしては、N-ビニルカルバゾール及びN-ビニルピロリドン等が挙げられる。
ビシクロオルトエステルとしては、1-フェニル-4-エチル-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン及び1-エチル-4-ヒドロキシメチル-2,6,7-トリオキサビシクロ-[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
スピロオルトカーボネートとしては、1,5,7,11-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン及び3,9-ジベンジル-1,5,7,11-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等が挙げられる。
スピロオルトエステルとしては、1,4,6-トリオキサスピロ[4.4]ノナン、2-メチル-1,4,6-トリオキサスピロ[4.4]ノナン及び1,4,6-トリオキサスピロ[4.5]デカン等が挙げられる。
さらに、1分子中に少なくとも1個のカチオン重合性基を有するポリオルガノシロキサンを使用することができる(特開2001-348482号公報、Journal of Polym. Sci.、Part A、Polym.Chem.、Vol.28、497(1990)等に記載)。
これらのポリオルガノシロキサンは、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよく、これらの混合物であってもよい。
これらのカチオン重合性化合物のうち、エポキシド、オキセタン及びビニルエーテルが好ましく、さらに好ましくはエポキシド及びオキセタンである。また、これらのカチオン重合性化合物は単独で使用してもよく、又は2種以上を併用してもよい。
硬化性組成物中、一般式(1)で表されるオニウム塩(酸発生剤)の含有量は、カチオン重合性化合物100部に対し、0.05~20重量部が好ましく、さらに好ましくは0.1~10重量部である。この範囲であると、カチオン重合性化合物の重合がさらに十分となり、硬化体の物性がさらに良好となる。なお、この含有量は、カチオン重合性化合物の性質や、光を使用する場合光の種類(光源や波長など)と光の照射量、加熱温度、硬化時間、湿度、塗膜の厚み等のさまざまな要因を考慮することによって決定され、上記範囲に限定されない。
なお、硬化性組成物としては、上記カチオン重合性化合物以外に他の熱硬化性樹脂を含有してよい。他の熱硬化性樹脂としては、例えば、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂;不飽和ポリエステル樹脂;ビスマレイミド化合物等のマレイミド樹脂;ポリウレタン樹脂;ジアリルフタレート樹脂;シリコーン系樹脂;ベンゾオキサジン樹脂;ポリイミド樹脂;ポリアミドイミド樹脂;ベンゾシクロブテン樹脂、ノボラック型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のシアネート樹脂等のシアネートエステル樹脂等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(熱可塑性樹脂)
本発明のネガ型レジスト樹脂組成物は、硬化性組成物の他に、ネガ型レジスト樹脂組成物の樹脂膜の可撓性を高めることを目的として、熱可塑性樹脂を含んでいても良い。例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂(例えばナイロン等)、熱可塑性ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリカーボネート、ポリエステル系樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、フッ素樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等)、変性ポリフェニレンエーテル、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、熱可塑性ポリイミド等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、フェノキシ樹脂が好ましい。
上記フェノキシ樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、10000~100000であるのが好ましく、20000~80000であるのがより好ましい。このような比較的高分子量のフェノキシ樹脂が用いられることにより、樹脂膜に対して良好な可撓性を付与するとともに、溶媒への十分な溶解性を付与することができる。なお、重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法のポリスチレン換算値として測定される。
また、フェノキシ樹脂としては、25℃で固形であるものが好ましく用いられる。具体的には、不揮発分が90重量%以上であるフェノキシ樹脂が好ましく用いられる。このようなフェノキシ樹脂を用いることにより、硬化物の機械的特性を良好にすることができる。
上記フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂、ビスフェノールA型とビスフェノールF型との共重合フェノキシ樹脂、ビフェニル型フェノキシ樹脂、ビスフェノールS型フェノキシ樹脂、ビフェニル型フェノキシ樹脂とビスフェノールS型フェノキシ樹脂との共重合フェノキシ樹脂等が挙げられ、これらのうちの1 種または2種以上の混合物が用いられる。この中でも、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂またはビスフェノールA型とビスフェノールF型との共重合フェノキシ樹脂が好ましく用いられる。
上記フェノキシ樹脂の含有量の下限値は、エポキシ樹脂の含有量に対して、例えば、20重量部以上、好ましくは25重量部以上、より好ましくは30重量部以上である。これにより、可撓性を高めることができる。一方で、上記フェノキシ樹脂の含有量の上限値は、例えば、60重量部以下、好ましくは55重量部以下、より好ましくは50重量部以下である。これにより、フェノキシ樹脂の溶解性を高め、塗布性に優れたネガ型レジスト樹脂組成物を実現できる。
(添加剤)
本発明のネガ型レジスト樹脂組成物は、必要に応じて、公知の添加剤(界面活性剤、密着助剤、増感剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、難燃剤、消泡剤、流動調整剤、光安定剤、酸化防止剤、イオン補足剤、着色防止剤、溶剤、非反応性の樹脂及びラジカル重合性化合物等)を含有させることができる。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、アルキル系界面活性剤、およびアクリル系界面活性剤等が挙げられる。これにより、塗工時における濡れ性を向上させ、均一な樹脂膜そして硬化膜を得ることができる。
上記界面活性剤は、フッ素原子およびケイ素原子の少なくともいずれかを含む界面活性剤を含むことが好ましい。これにより、均一な樹脂膜を得られること(塗布性の向上)や、現像性の向上に加え、接着強度の向上にも寄与する。このような界面活性剤としては、例えば、フッ素原子およびケイ素原子の少なくともいずれかを含むノニオン系界面活性剤であることが好ましい。界面活性剤として使用可能な市販品としては、例えば、DIC株式会社製の「メガファック」シリーズの、F-251、F-253、F-281、F-430、F-477、F-551、F-552、F-553、F-554、F-555、F-556、F-557、F-558、F-559、F-560、F-561、F-562、F-563、F-565、F-568、F-569、F-570、F-572、F-574、F-575、F-576、R-40、R-40-LM、R-41、R-94等の、フッ素を含有するオリゴマー構造の界面活性剤、株式会社ネオス製のフタージェント250、フタージェント251等のフッ素含有ノニオン系界面活性剤、ワッカー・ケミー社製のSILFOAM(登録商標)シリーズ(例えばSD100TS、SD670、SD850、SD860、SD882)等のシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
上記界面活性剤の含有量は、酸発生剤100部に対して、例えば、0.01~1000重量部、好ましくは0.05~500重量部とすることができる。
(密着助剤)
密着助剤としては、例えばシランカップリング剤(アミノシラン、エポキシシラン、アクリルシラン、メルカプトシラン、ビニルシラン、ウレイドシラン、またはスルフィドシラン等)が挙げられる。これにより、無機材料との密着性を一層向上させることができる。シランカップリング剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、エポキシシラン(すなわち、1分子中にエポキシ部位と、加水分解によりシラノール基を発生する基の両方を含む化合物)を用いることがより好ましい。
アミノ基含有カップリング剤としては、例えばビス(2-ヒドロキシエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノ-プロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
エポキシ基含有カップリング剤としては、例えばγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシジルプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
アクリル基含有カップリング剤またはメタクリル基含有カップリング剤としては、例えばγ-(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ-(メタクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、γ-(メタクリロキシプロピル)メチルジエトキシシラン等が挙げられる。
メルカプト基含有カップリング剤としては、例えば3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ビニル基含有カップリング剤としては、例えばビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ウレイド基含有カップリング剤としては、例えば3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
スルフィド基含有カップリング剤としては、例えばビス(3-(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、ビス(3-(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド等が挙げられる。
酸無水物含有カップリング剤としては、例えば3-トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3-トリエトキシシシリルプロピルコハク酸無水物、3-ジメチルメトキシシリルプロピルコハク酸無水物等が挙げられる。
なお、ここではシランカップリング剤を列挙したが、チタンカップリング剤やジルコニウムカップリング剤等であってもよい。
上記密着助剤の含有量は、酸発生剤100部に対して、例えば、3~5000重量部であり、好ましくは4~400重量部であり、より好ましくは5~3000重量部である。
増感剤としては、公知(特開平11-279212号公報及び特開平09-183960号公報等)の増感剤等が使用でき、アントラセン{アントラセン、9,10-ジブトキシアントラセン、9,10-ジメトキシアントラセン、9,10-ジエトキシアントラセン、2-エチル-9,10-ジメトキシアントラセン、9,10-ジプロポキシアントラセン等};ピレン;1,2-ベンズアントラセン;ペリレン;テトラセン;コロネン;チオキサントン{チオキサントン、2-メチルチオキサントン、2-エチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン及び2,4-ジエチルチオキサントン等};フェノチアジン{フェノチアジン、N-メチルフェノチアジン、N-エチルフェノチアジン、N-フェニルフェノチアジン等};キサントン;ナフタレン{1-ナフトール、2-ナフトール、1-メトキシナフタレン、2-メトキシナフタレン、1,4-ジヒドロキシナフタレン、及び4-メトキシ-1-ナフトール等};ケトン{ジメトキシアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、4’-イソプロピル-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン及び4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルスルフィド等};カルバゾール{N-フェニルカルバゾール、N-エチルカルバゾール、ポリ-N-ビニルカルバゾール及びN-グリシジルカルバゾール等};クリセン{1,4-ジメトキシクリセン及び1,4-ジ-α-メチルベンジルオキシクリセン等};フェナントレン{9-ヒドロキシフェナントレン、9-メトキシフェナントレン、9-ヒドロキシ-10-メトキシフェナントレン及び9-ヒドロキシ-10-エトキシフェナントレン等}等が挙げられる。
増感剤を含有する場合、増感剤の含有量は、酸発生剤100部に対して、1~300重量部が好ましく、さらに好ましくは5~200重量部である。
顔料としては、公知の顔料等が使用でき、無機顔料(酸化チタン、酸化鉄及びカーボンブラック等)及び有機顔料(アゾ顔料、シアニン顔料、フタロシアニン顔料及びキナクリドン顔料等)等が挙げられる。
顔料を含有する場合、顔料の含有量は、酸発生剤100部に対して、0.5~400000重量部が好ましく、さらに好ましくは10~150000重量部である。
充填剤としては、公知の充填剤等が使用でき、溶融シリカ、結晶シリカ、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、マイカ、タルク、ケイ酸カルシウム及びケイ酸リチウムアルミニウム等が挙げられる。
充填剤を含有する場合、充填剤の含有量は、酸発生剤100部に対して、50~600000重量部が好ましく、さらに好ましくは300~200000重量部である。
帯電防止剤としては、公知の帯電防止剤等が使用でき、非イオン型帯電防止剤、アニオン型帯電防止剤、カチオン型帯電防止剤、両性型帯電防止剤及び高分子型帯電防止剤が挙げられる。
帯電防止剤を含有する場合、帯電防止剤の含有量は、酸発生剤100部に対して、0.1~20000重量部が好ましく、さらに好ましくは0.6~5000重量部である。
難燃剤としては、公知の難燃剤等が使用でき、無機難燃剤{三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化錫、水酸化錫、酸化モリブデン、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、赤燐、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム及びアルミン酸カルシウム等};臭素難燃剤{テトラブロモ無水フタル酸、ヘキサブロモベンゼン及びデカブロモビフェニルエーテル等};及びリン酸エステル難燃剤{トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート等}等が挙げられる。
難燃剤を含有する場合、難燃剤の含有量は、酸発生剤100部に対して、0.5~40000重量部が好ましく、さらに好ましくは5~10000重量部である。
消泡剤としては、公知の消泡剤等が使用でき、アルコール消泡剤、金属石鹸消泡剤、リン酸エステル消泡剤、脂肪酸エステル消泡剤、ポリエーテル消泡剤、シリコーン消泡剤及び鉱物油消泡剤等が挙げられる。
流動調整剤としては、公知の流動性調整剤等が使用でき、水素添加ヒマシ油、酸化ポリエチレン、有機ベントナイト、コロイド状シリカ、アマイドワックス、金属石鹸及びアクリル酸エステルポリマー等が挙げられる。
光安定剤としては、公知の光安定剤等が使用でき、紫外線吸収型安定剤{ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、サリチレート、シアノアクリレート及びこれらの誘導体等};ラジカル補足型安定剤{ヒンダードアミン等};及び消光型安定剤{ニッケル錯体等}等が挙げられる。
酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤等が使用でき、フェノール系酸化防止剤(モノフェノール系、ビスフェノール系及び高分子フェノール系等)、硫黄系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤等が挙げられる。
イオン補足剤としては、公知のイオン補足剤等が使用でき、有機アルミニウム(アルコキシアルミニウム及びフェノキシアルミニウム等)等が挙げられる。
着色防止剤としては、公知の着色防止剤が使用でき、一般的には酸化防止剤が有効であり、フェノール系酸化防止剤(モノフェノール系、ビスフェノール系及び高分子フェノール系等)、硫黄系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤等が挙げられるが、高温時の耐熱試験時の着色防止にはほとんど効力がない。
消泡剤、流動調整剤、光安定剤、酸化防止剤、密着性付与剤、イオン補足剤又は、着色防止剤を含有する場合、各々の含有量は、酸発生剤100部に対して、0.1~20000重量部が好ましく、さらに好ましくは0.5~5000重量部である。
(溶剤)
本発明のネガ型レジスト樹脂組成物は、溶剤を含むことができる。溶剤として、有機溶剤を含むことができる。有機溶剤としては、上記酸発生剤の溶剤として挙げたものが使用でき、ネガ型レジスト樹脂組成物の各成分を溶解可能なもので、且つ、各構成成分と化学反応しないものであれば特に制限なく用いることができる。これら有機溶剤は単独で用いても複数組み合わせて用いてもよい。
上記有機溶剤は、ネガ型レジスト樹脂組成物中の不揮発成分全量の濃度が、例えば、30~75重量%となるように用いられることが好ましい。この範囲とすることで、各成分を十分に溶解させることができ、また、良好な塗布性を担保することができる。また、不揮発成分の含有量を調整することにより、ネガ型レジスト樹脂組成物の粘度を適切に制御できる。
ワニス状のネガ型レジスト樹脂組成物の25℃における粘度は、例えば、10mPa・s~6000mPa・s、好ましくは20mPa・s~5000mPa・s、より好ましくは30mPa・s~4000mPa・sである。粘度を上記数値範囲内とすることにより、塗布膜の厚みを適切に制御できる。例えば、例えば、1μm~100μm、好ましくは3μm~80μm、より好ましくは5μm~50μmの厚みを実現できる。
非反応性の樹脂としては、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリカーボナート、ポリスチレン、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリブテン、スチレンブタジエンブロックコポリマー水添物、(メタ)アクリル酸エステルの共重合体及びポリウレタン等が挙げられる。これらの樹脂の数平均分子量は、1000~500000が好ましく、さらに好ましくは5000~100000である(数平均分子量はGPC等の一般的な方法によって測定された値である。)。
非反応性の樹脂を含有する場合、非反応性の樹脂の含有量は、酸発生剤100部に対して、5~400000重量部が好ましく、さらに好ましくは50~150000重量部である。
非反応性の樹脂を含有させる場合、非反応性の樹脂をカチオン重合性化合物等と溶解しやすくするため、あらかじめ溶剤に溶かしておくことが望ましい。
ラジカル重合性化合物としては、公知{フォトポリマー懇話会編「フォトポリマーハンドブック」(1989年、工業調査会)、総合技術センター編「UV・EB硬化技術」(1982年、総合技術センター)、ラドテック研究会編「UV・EB硬化材料」(1992年、シーエムシー)等}のラジカル重合性化合物等が使用でき、単官能モノマー、2官能モノマー、多官能モノマー、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート及びウレタン(メタ)アクリレートが含まれる。
ラジカル重合性化合物を含有する場合、ラジカル重合性化合物の含有量は、酸発生剤100部に対して、5~400000重量部が好ましく、さらに好ましくは50~150000重量部である。
ラジカル重合性化合物を含有する場合、これらをラジカル重合によって高分子量化するために、光および熱によって重合を開始するラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤等が使用でき、熱ラジカル重合開始剤(有機過酸化物、アゾ化合物等)および光ラジカル重合開始剤(アセトフェノン系開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、ミヒラーケトン系開始剤、ベンゾイン系開始剤、チオキサントン系開始剤、アシルホスフィン系開始剤等)が含まれる。
ラジカル重合開始剤を含有する場合、ラジカル重合開始剤の含有量は、ラジカル重合性化合物100部に対して、0.01~20重量部が好ましく、さらに好ましくは0.1~10重量部である。
本発明のネガ型レジスト樹脂組成物は、硬化性組成物(カチオン重合性化合物、酸発生剤等)及び必要により添加剤を、室温(20~30℃程度)又は必要により加熱(40~90℃程度)下で、均一に混合溶解するか、又はさらに、3本ロール等で混練して調製することができる。
本発明のネガ型レジスト樹脂組成物は、光照射することにより硬化させて、硬化体を得ることができる。
照射する光の種類としては、酸発生剤の分解を誘発するエネルギーを有する限りいかなるものでもよいが、低圧、中圧、高圧若しくは超高圧の水銀灯、メタルハライドランプ、LEDランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ、蛍光灯、半導体固体レーザー、アルゴンレーザー、He-Cdレーザー、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー又はFレーザー等から得られる紫外~可視光領域(波長:約100~約800nm)のエネルギー線が好ましい。なお、エネルギー線には、電子線又はX線等の高エネルギーを有する放射線を用いることもできる。
光の照射時間は、照射する光の強度や硬化性組成物に対する光の透過性に影響を受けるが、常温(20~30℃程度)で、0.1秒~10秒程度で十分である。しかし光の透過性が低い場合や硬化性組成物の膜厚が厚い場合等にはそれ以上の時間をかけるのが好ましいことがある。光照射後0.1秒~数分後には、ほとんどの硬化性組成物はカチオン重合により硬化するが、必要であればエネルギー線の照射後、室温(20~30℃程度)~200℃で数秒~数時間加熱しアフターキュアーすることも可能である。
本発明のネガ型レジスト樹脂組成物は、加熱することにより硬化させて、硬化体を得ることができる。
硬化させるための加熱方法としては、例えば、熱循環式加熱、赤外線加熱、高周波加熱等従来公知の方法を用いることができる。
硬化に必要な加熱温度は、硬化が十分に進行し、基材を劣化させない範囲であれば特に限定されるものではないが、好ましくは50~250℃、より好ましくは80~200℃の範囲であり、加熱時間は加熱温度に依存するものの、生産性の面から数分から数時間が好ましい。
本発明のネガ型レジスト樹脂組成物は、たとえば、半導体素子等の表面保護膜(パッシベーション膜、オーバーコート膜)、トランジスタを覆う平坦化膜、半導体装置の再配線層を被覆する層間絶縁膜としても使用できる。
さらに良好な透明性、耐熱変色性、絶縁性を活かして、顔料や色素と配合したカラーフィルターレジストやディスプレイ用層間絶縁膜などへも応用が可能である。
<ネガ型フォトレジスト樹脂組成物>
また、本発明のネガ型フォトレジスト樹脂組成物は、一般式(1)で表されるオニウム塩を含有する酸発生剤と、プロトン性極性基を有するアルカリ可溶性樹脂と、架橋剤成分とを含んでなることを特徴とし、パターン形成工程において、アルカリ現像液による現像工程を含むことを前提としたネガ型フォトレジスト樹脂組成物として利用することが出来る。なお、本発明のネガ型フォトレジスト樹脂組成物においては、酸発生剤は光酸発生剤として機能する。
本発明のネガ型フォトレジスト樹脂組成物中、一般式(1)で表されるオニウム塩を含有する酸発生剤の含有量は、該組成物の固形分中、0.01~10重量%とすることが好ましい。
<プロトン性極性基を有するアルカリ可溶性樹脂>
プロトン性極性基を有するアルカリ可溶性樹脂(以下、アルカリ可溶性樹脂とする)としてはプロトン性極性基を有する樹脂であれば特に制限はなく、例えば、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ヒドロキシスチレンの共重合体、ヒドロキシスチレンとスチレンの共重合体、ヒドロキシスチレン、スチレン及び(メタ)アクリル酸誘導体の共重合体、フェノール-キシリレングリコール縮合樹脂、クレゾール-キシリレングリコール縮合樹脂、フェノール性水酸基を含有するポリイミド、フェノール性水酸基を含有するポリアミック酸、フェノール-ジシクロペンタジエン縮合樹脂、シクロオレフィン樹脂などのコポリマー(共重合体)やホモポリマー等が用いられる。これらのなかでも、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ポリヒドロキシスチレンの共重合体、ヒドロキシスチレンとスチレンの共重合体、ヒドロキシスチレン、スチレン及び(メタ)アクリル酸誘導体の共重合体、フェノール-キシリレングリコール縮合樹脂、シクロオレフィン樹脂などのコポリマー(共重合体)やホモポリマーが好ましい。尚、これらのアルカリ可溶性樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
ここで、プロトン性極性基とは、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子に水素原子が直接結合している原子を含む基をいう。より好ましくは酸素原子である。
このようなプロトン性極性基の具体例としては、水酸基、カルボキシ基(ヒドロキシカルボニル基)、スルホン酸基、リン酸基等の酸素原子を有する極性基;第一級アミノ基、第二級アミノ基、第一級アミド基、第二級アミド基(イミド基)等の窒素原子を有する極性基;チオール基等の硫黄原子を有する極性基;等が挙げられる。これらの中でも、酸素原子を有するものが好ましく、より好ましくは水酸基又はカルボキシ基である。
本発明において、アルカリ可溶性樹脂に結合しているプロトン性極性基の数に特に限定はなく、また、相異なる種類のプロトン性極性基が含まれていてもよい。
上記ノボラック樹脂は、例えば、フェノール類とアルデヒド類とを触媒の存在下で縮合させることにより得ることができる。
上記フェノール類としては、例えば、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、o-エチルフェノール、m-エチルフェノール、p-エチルフェノール、o-ブチルフェノール、m-ブチルフェノール、p-ブチルフェノール、2,3-キシレノール、2,4-キシレノール、2,5-キシレノール、2,6-キシレノール、3,4-キシレノール、3,5-キシレノール、2,3,5-トリメチルフェノール、3,4,5-トリメチルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、α-ナフトール、β-ナフトール等が挙げられる。
また、上記アルデヒド類としてはホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。
上記ノボラック樹脂の具体例としては、例えば、フェノール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、クレゾール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、フェノール-ナフトール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂等が挙げられる。
上記アルカリ可溶性樹脂には、成分の一部としてフェノール性低分子化合物が含有されていてもよい。
上記フェノール性低分子化合物としては、例えば、4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、トリス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、トリス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,3-ビス[1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル]ベンゼン、1,4-ビス[1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル]ベンゼン、4,6-ビス[1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル]-1,3-ジヒドロキシベンゼン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-[4-〔1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル]エタン、1,1,2,2-テトラ(4-ヒドロキシフェニル)エタン、4,4’-{1-[4-〔1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル]エチリデン}ビスフェノール等が挙げられる。これらのフェノール性低分子化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
このフェノール性低分子化合物のアルカリ可溶性樹脂中における含有割合は、該樹脂を100重量%とした場合、40重量%以下であることが好ましく、より好ましくは1~30重量%である。
上記シクロオレフィン樹脂としては、例えば、主鎖に、シクロオレフィン単量体単位の環状構造(脂環または芳香環)を有する、シクロオレフィン単量体の単独重合体又は共重合体であって、プロトン性極性基を有するものである。
このようなシクロオレフィン樹脂としては、1または2以上のシクロオレフィン単量体の重合体、又は、1または2以上のシクロオレフィン単量体と、これと共重合可能な単量体との共重合体が挙げられるが、本発明においては、シクロオレフィン樹脂を形成するための単量体として、シクロオレフィン単量体(b)または共重合可能な単量体中に少なくともプロトン性極性基を有することが必要である。
シクロオレフィン単量体(以下、適宜、「単量体」という。)の具体例としてはビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、2-ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-メチル-2-ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-カルボキシメチル-2-ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-2-メトキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-2-エトキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-2-プロポキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-2-ブトキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-2-ペンチルオキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-2-ヘキシルオキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-2-シクロヘキシルオキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-2-フェノキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-2-ナフチルオキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-2-ビフェニルオキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-2-ベンジルオキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-2-ヒドロキシエトキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2,3-ジヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-3-メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-3-エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-3-プロポキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-3-ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-3-ペンチルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-3-ヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-3-シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-3-フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-3-ナフチルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-3-ビフェニルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-3-ベンジルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-3-ヒドロキシエトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニル-3-ヒドロキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、3-メチル-2-ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、3-ヒドロキシメチル-2-ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシカルボニルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3,8-ジエン、4-ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-9-エン、4-メチル-4-ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-9-エン、4,5-ジヒドロキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-9-エン、(4-エキソ-5-エンド-4,5-ジヒドロキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-9-エン)、4-カルボキシメチル-4-ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-9-エン、N-(ヒドロキシカルボニルメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(ヒドロキシカルボニルエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(ヒドロキシカルボニルペンチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(ジヒドロキシカルボニルエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(ジヒドロキシカルボニルプロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(ヒドロキシカルボニルフェネチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(2-(4-ヒドロキシフェニル)-1-(ヒドロキシカルボニル)エチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(ヒドロキシカルボニルフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド等のカルボキシ基含有シクロオレフィン;2-(4-ヒドロキシフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-メチル-2-(4-ヒドロキシフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、4-(4-ヒドロキシフェニル)テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-9-エン、4-メチル-4-(4-ヒドロキシフェニル)テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-9-エン、2-ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-ヒドロキシエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-メチル-2-ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2,3-ジヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-(ヒドロキシエトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-メチル-2-(ヒドロキシエトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-(1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチル-2,2,2-トリフルオロエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、2-(2-ヒドロキシ-2-トリフルオロメチル-3,3,3-トリフルオロプロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、3-ヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-4,8-ジエン、3-ヒドロキシメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-4,8-ジエン、4-ヒドロキシテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-9-エン、4-ヒドロキシメチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-9-エン、4,5-ジヒドロキシメチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-9-エン、4-(ヒドロキシエトキシカルボニル)テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-9-エン、4-メチル-4-(ヒドロキシエトキシカルボニル)テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-9-エン、N-(ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(ヒドロキシフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、等の水酸基含有シクロオレフィン等が挙げられる。また、プロトン性極性基を有するシクロオレフィン単量体(b)として、4-ジエチルアミノテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-9-エン、4-ジメチルアミノテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-9-エン等のアミノ基含有シクロオレフィンなどを用いることできる。これら単量体(b)は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シクロオレフィン樹脂中における、単量体の単位の含有割合は、全単量体単位に対して、好ましくは10~90モル%、より好ましくは15~80モル%、さらに好ましくは20~70モル%である。単量体の単位の含有割合が少なすぎると、耐熱性が不十分となるおそれがあり、一方、多すぎると、シクロオレフィン重合体の極性溶剤への溶解性が不十分となるおそれがある。
また、本発明で用いるシクロオレフィン樹脂は、プロトン性極性基を有するシクロオレフィン単量体と、これと共重合可能な単量体とを共重合して得られる共重合体であってもよい。
シクロオレフィン樹脂の、より具体的な例としては、例えば、下記式(2)で示される共重合体で構成される。
Figure 2022139056000004
式(2)中、l及びmはのポリマー中におけるモル含有率(mol%)を示し、l+m≦1、0.1≦l≦0.9、0.1≦m≦0.9である。nは0、1又は2である。
11、R12、R13及びR14はそれぞれ独立して水素又は炭素数1~30の有機基である。R11、R12、R13及びR14は、互いに同一であってもよく、また互いに異なっていてもよい。
Qは下記式(3a)、(3b)、(3c)又は(3d)により示される構造単位である。上記式(2)により示される共重合体には、下記式(3a)、(3b)、(3c)及び(3d)から選択される1種又は2種以上の構造単位Qが含まれる。本実施形態においては、少なくとも下記式(3a)、(3b)及び(3c)から選択される1種又は2種以上の構造単位Qが含まれることが好ましい。なお、ポリマーは、上記式(Q)に示される構造単位以外の他の構造単位を含んでいてもよい。
Figure 2022139056000005
式(3a)及び式(3b)中、R15、R16及びR17は、それぞれ独立して炭素数1~18の有機基である。
式(2)中、R11、R12、R13及びR14を構成する炭素数1~30の有機基は、その構造中にO、N、S、P及びSiから選択される1以上を含んでいてもよい。
11、R12、R13及びR14を構成する有機基としては、たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、及びヘテロ環基が挙げられる。
アルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、及びデシル基が挙げられる。アルケニル基としては、たとえばアリル基、ペンテニル基、及びビニル基が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、及びエチリデン基が挙げられる。アリール基としては、たとえばフェニル基、ナフチル基、及びアントラセニル基が挙げられる。アラルキル基としては、たとえばベンジル基、及びフェネチル基が挙げられる。アルカリル基としては、たとえばトリル基、キシリル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びシクロオクチル基が挙げられる。ヘテロ環基としては、たとえばエポキシ基、及びオキセタニル基が挙げられる。
なお、R11、R12、R13及びR14としてアルキル基を含むことにより、ポリマーを含むネガ型フォトレジスト樹脂組成物からなる膜の製膜性を向上させることができる。また、R11、R12、R13及びR14としてアリール基を含むことにより、ポリマーを含むネガ型フォトレジスト樹脂組成物からなる膜について、リソグラフィ工程におけるアルカリ現像液を用いた現像の際の膜減りを抑えることができる。
さらに、前述したアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、及びヘテロ環基は、1以上の水素原子が、ハロゲン原子により置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素が挙げられる。なかでもアルキル基の1以上の水素原子が、ハロゲン原子に置換されたハロアルキル基が好ましい。R11、R12、R13及びR14の少なくともいずれか1つをハロアルキル基とすることで、ポリマーを使用してネガ型フォトレジスト樹脂組成物を構成した際、このネガ型フォトレジスト樹脂組成物の現像性を向上させることができる。
なお、ポリマーを含んで構成される膜の光透過性を高める観点から、R11、R12、R13及びR14のいずれかが水素であることが好ましく、特に、R11、R12、R13及びR14すべてが水素であることが好ましい。
15、R16及びR17を構成する炭素数1~18の有機基は、その構造中にO、N、S、P、Siのいずれか1つ以上を含んでいてもよい。
15、R16及びR17を構成する有機基としては、たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、及びヘテロ環基が挙げられる。ここでアルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、及びデシル基が挙げられる。アルケニル基としては、たとえばアリル基、ペンテニル基、及びビニル基が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、及びエチリデン基が挙げられる。アリール基としては、たとえばフェニル基、ナフチル基、及びアントラセニル基が挙げられる。アラルキル基としては、たとえばベンジル基、及びフェネチル基が挙げられる。アルカリル基としては、たとえばトリル基、キシリル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びシクロオクチル基が挙げられる。ヘテロ環基としては、たとえばエポキシ基、及びオキセタニル基が挙げられる。
さらに、前述したアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、及びヘテロ環基は、1以上の水素原子が、ハロゲン原子により置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素が挙げられる。なかでもアルキル基の1以上の水素原子が、ハロゲン原子に置換されたハロアルキル基が好ましい。
上記式(2)に示される共重合体は、たとえば下記式(4)で表されるノルボルネン型モノマーに由来した繰り返し単位と、下記式(5)に示す無水マレイン酸に由来した繰り返し単位と、が交互に配列されてなる交互共重合体であることが好ましい。
なお、上記式(2)に示される共重合体は、ランダム共重合体やブロック共重合体であってもよい。
下記式(5)に示す無水マレイン酸に由来した繰り返し単位とは、上記式(2)中のQにより表される構造単位である。なお、ポリマーは、低分子量成分として下記式(4)及び(5)により示されるモノマーを含んでいてもよい。
Figure 2022139056000006
(式(4)において、n、R11~R14は、上記式(2)と同じである。すなわち、nは0、1,2のいずれかである。R11~R14は、それぞれ独立した水素又は炭素数1~30の有機基である。式(4)において、R11~R14は、同一のものであっても異なっていてもよい)
アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、得られる絶縁膜の解像性、熱衝撃性、耐熱性、残膜率等の観点から、2000以上であることが好ましく、より好ましくは2000~20000程度である。
また、ネガ型フォトレジスト樹脂組成物中におけるアルカリ可溶性樹脂の含有割合は、溶剤を除いた組成物の全体を100重量%とした場合に、30~90重量%であることが好ましく、より好ましくは40~80重量%である。このアルカリ可溶性樹脂の含有割合が30~90重量%である場合には、感光性絶縁樹脂組成物を用いて形成された膜がアルカリ水溶液による十分な現像性を有しているため好ましい。
<架橋剤>
架橋剤としては、前記アルカリ可溶性樹脂と反応する架橋成分(硬化成分)として作用するものであれば、特に限定されない。上記架橋剤としては、例えば、分子中に少なくとも2つ以上のアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物、分子中に少なくとも2つ以上のアルキルエーテル化されたベンゼンを骨格とする化合物、オキシラン環含有化合物、チイラン環含有化合物、オキセタニル基含有化合物、イソシアネート基含有化合物(ブロック化されたものを含む)、メチロール基含有メラミン化合物、メチロール基含有ベンゾグアナミン化合物、メチロール基含有尿素化合物、メチロール基含有フェノール化合物、アルコキシアルキル基含有メラミン化合物、アルコキシアルキル基含有ベンゾグアナミン化合物、アルコキシアルキル基含有尿素化合物、アルコキシアルキル基含有フェノール化合物、カルボキシメチル基含有メラミン樹脂、カルボキシメチル基含有ベンゾグアナミン樹脂、カルボキシメチル基含有尿素樹脂、カルボキシメチル基含有フェノール樹脂、カルボキシメチル基含有メラミン化合物、カルボキシメチル基含有ベンゾグアナミン化合物、カルボキシメチル基含有尿素化合物及びカルボキシメチル基含有フェノール化合物等を挙げることができる。
上記分子中に少なくとも2つ以上のアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物としては、例えば、(ポリ)メチロールメラミン、(ポリ)メチロールグリコールウリル、(ポリ)メチロールベンゾグアナミン、(ポリ)メチロールウレア等の窒素化合物中の活性メチロール基(CHOH基)の全部又は一部(少なくとも2つ)がアルキルエーテル化された化合物を挙げることができる。ここで、アルキルエーテルを構成するアルキル基としては、メチル基、エチル基又はブチル基が挙げられ、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
また、アルキルエーテル化されていないメチロール基は、一分子内で自己縮合していてもよく、二分子間で縮合して、その結果オリゴマー成分が形成されていてもよい。具体的には、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラブトキシメチルグリコールウリル等を用いることができる。これらのなかでも、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン等のアルキルエーテル化されたメラミンが好ましい。
上記分子中に少なくとも2つ以上のアルキルエーテル化されたベンゼンを骨格とする化合物としては、1、2、3-トリス(メトキシメチル)ベンゼン、1、2、4-トリス(メトキシメチル)ベンゼン、1、3、5-トリス(メトキシメチル)ベンゼン、1、3-ビス(メトキシメチル)ベンゼン等のアルコキシメチルベンゼン誘導体が挙げられる。
上記オキシラン環含有化合物としては、オキシラン環を分子内に含有しているものであれば特に制限されないが、例えば、例えば、ビスフェノールA系エポキシ化合物、ビスフェノールF系エポキシ化合物、ビスフェノールS系エポキシ化合物、ノボラック樹脂系エポキシ化合物、ポリ(ヒドロキシスチレン)系エポキシ化合物等)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、テトラフェノール型エポキシ樹脂、フェノール-キシリレン型エポキシ樹脂、ナフトール-キシリレン型エポキシ樹脂、フェノール-ナフトール型エポキシ樹脂、フェノール-ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのなかでも、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂が好ましい。
尚、これらの架橋剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの架橋剤のなかでも、分子中に少なくとも2つ以上のアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物、オキシラン環含有化合物が好ましい。更には、分子中に少なくとも2つ以上のアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物及びオキシラン環含有化合物を併用することがより好ましい。
架橋剤の配合量は、前記アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、1~100重量部であることが好ましく、より好ましくは5~50重量部である。
この架橋剤の配合量が1~100重量部である場合には、硬化反応が十分に進行し、得られる硬化物は高解像度で良好なパターン形状を有し、耐熱性、電気絶縁性に優れるため好ましい。
また、アルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物及びオキシラン環含有化合物を併用する際、オキシラン環含有化合物の含有割合は、アルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物及びオキシラン環含有化合物の合計を100重量%とした場合に、50重量%以下であることが好ましく、より好ましくは5~40重量%、特に好ましくは5~30重量%である。
この場合、得られる硬化膜は、高解像性を損なうことなく耐薬品性にも優れるため好ましい。
<架橋微粒子>
本発明のネガ型フォトレジスト樹脂組成物には、得られる硬化物の耐久性や熱衝撃性を向上させるために架橋微粒子成分(以下、「架橋微粒子」ともいう。)を更に含有させることができる。
架橋微粒子としては、この架橋微粒子を構成する重合体のガラス転移温度(Tg)が0℃以下であれば特に限定されないが、不飽和重合性基を2個以上有する架橋性モノマー(以下、単に「架橋性モノマー」という。)と、架橋微粒子のTgが0℃以下となるように選択される1種又は2種以上の「他のモノマー」と、を共重合したものが好ましい。
特に、上記他のモノマーを2種以上併用し、且つ他のモノマーのうちの少なくとも1種が、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、ヒドロキシル基等の重合性基以外の官能基を有するものであることが好ましい。
上記架橋性モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の重合性不飽和基を複数有する化合物を挙げることができる。これらのなかでも、ジビニルベンゼンが好ましい。
上記架橋微粒子を製造する際に用いられる上記架橋性モノマーは、共重合に用いられる全モノマー100重量%に対して、1~20重量%であることが好ましく、より好ましくは1~10重量%、特に好ましくは1~5重量%である。
また、上記他のモノマーとしては、例えば、ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン、クロロプレン、1、3-ペンタジエン等のジエン化合物、(メタ)アクリロニトリル、α-クロロアクリロニトリル、α-クロロメチルアクリロニトリル、α-メトキシアクリロニトリル、α-エトキシアクリロニトリル、クロトン酸ニトリル、ケイ皮酸ニトリル、イタコン酸ジニトリル、マレイン酸ジニトリル、フマル酸ジニトリル等の不飽和ニトリル化合物類、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N、N’-メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N、N’-エチレンビス(メタ)アクリルアミド、N、N’-ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N、N-ビス(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、クロトン酸アミド、ケイ皮酸アミド等の不飽和アミド類、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン、α-メチルスチレン、o-メトキシスチレン、p-ヒドロキシスチレン、p-イソプロペニルフェノール等の芳香族ビニル化合物、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、グリコールのジグリシジルエーテル等と(メタ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等との反応によって得られるエポキシ(メタ)アクリレート及び、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとポリイソシアナートとの反応によって得られるウレタン(メタ)アクリレート類、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有不飽和化合物、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、コハク酸-β-(メタ)アクリロキシエチル、マレイン酸-β-(メタ)アクリロキシエチル、フタル酸-β-(メタ)アクリロキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸-β-(メタ)アクリロキシエチル等の不飽和酸化合物、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ(メタ)アクリレート等のアミノ基含有不飽和化合物、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有不飽和化合物等を挙げることができる。
これらの他のモノマーの中でも、ブタジエン、イソプレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、スチレン、p-ヒドロキシスチレン、p-イソプロペニルフェノール、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類等が好ましい。
また、上記架橋微粒子の製造には、他のモノマーとして、少なくも1種のジエン化合物、具体的にはブタジエンが用いられていることが好ましい。このようなジエン化合物は、共重合に用いる全モノマー100重量%に対して20~80重量%であることが好ましく、より好ましくは30~70重量%、特に好ましくは40~70重量%である。
他のモノマーとして、上記ブタジエン等のジエン化合物が全モノマー100重量%に対して20~80重量%で共重合される場合には、架橋微粒子がゴム状の軟らかい微粒子となり、得られる硬化膜にクラック(割れ)が発生するのを防止でき、耐久性に優れた硬化膜を得ることができる。
尚、上記架橋微粒子は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
また、上記架橋微粒子の平均粒径は、通常30~500nmであり、好ましくは40~200nm、更に好ましくは50~120nmである。
この架橋微粒子の粒径のコントロール方法は特に限定されないが、例えば、乳化重合により架橋微粒子を合成する場合、使用する乳化剤の量により乳化重合中のミセルの数を制御し、粒径をコントロールすることができる。
尚、架橋微粒子の平均粒径とは、光散乱流動分布測定装置等を用い、架橋微粒子の分散液を常法に従って希釈して測定した値である。
架橋微粒子の配合量は、前記アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、0.5~50重量部であることが好ましく、より好ましくは1~30重量部である。この架橋微粒子の配合量が0.5~50重量部である場合には、他の成分との相溶性又は分散性に優れ、得られる硬化膜の熱衝撃性及び耐熱性を向上させることができる。
<密着助剤>
また、本発明のネガ型フォトレジスト樹脂組成物には、基材との密着性を向上させるために、密着助剤を含有させることができる。
上記密着助剤としては、例えば、カルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基等の反応性置換基を有する官能性シランカップリング剤等が挙げられる。
具体的には、トリメトキシシリル安息香酸、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ-イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β-(3、4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、1、3、5-N-トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。これらの密着助剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
上記密着助剤の配合量は、前記アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、0.2~10重量部であることが好ましく、より好ましくは0.5~8重量部である。この密着助剤の配合量が0.2~10重量部である場合には、貯蔵安定性に優れ、且つ良好な密着性を得ることができるため好ましい。
<溶剤>
また、本発明のネガ型フォトレジスト樹脂組成物には、樹脂組成物の取り扱い性を向上させたり、粘度や保存安定性を調節するために溶剤を含有させることができる。上記溶剤は、特に制限されないが、具体例は前記のものが挙げられる。
また、本発明のネガ型フォトレジスト樹脂組成物には、必要により、増感剤を含有できる。このような増感剤としては、従来公知のものが使用でき、具体的には、前記のものが挙げられる。これら増感剤の使用量は、一般式(1)で表されるオニウム塩を含む、光酸発生剤100重量部に対し、5~500重量部、好ましくは10~300重量部である。
また、本発明のネガ型フォトレジスト樹脂組成物には、必要に応じて他の添加剤を本発明の特性を損なわない程度に含有させることができる。このような他の添加剤としては、無機フィラー、クエンチャー、レベリング剤・界面活性剤等が挙げられる。
本発明のネガ型フォトレジスト樹脂組成物の調製方法は特に限定されず、公知の方法により調製することができる。また、各成分を中に入れ完全に栓をしたサンプル瓶を、ウェーブローターの上で攪拌することによっても調製することができる。
本発明における硬化物はまた、前記ネガ型フォトレジスト樹脂組成物が硬化されてなることを特徴とする。前述の本発明にかかるネガ型フォトレジスト樹脂組成物は、残膜率が高く、解像性に優れていると共に、その硬化物は電気絶縁性、熱衝撃性等に優れているため、その硬化物は、半導体素子、半導体パッケージ等の電子部品の表面保護膜(パッシベーション膜、オーバーコート膜)、平坦化膜、層間絶縁膜材料等として好適に使用することができる。
本発明の硬化物を形成するには、まず前述の本発明にかかるネガ型フォトレジスト樹脂組成物を支持体(樹脂付き銅箔、銅張り積層板や金属スパッタ膜を付けたシリコンウェハやアルミナ基板等)に塗工し、乾燥して溶剤等を揮発させて塗膜を形成する。その後、所望のマスクパターンを介して露光し、加熱処理(以下、この加熱処理を「PEB」という。)を行い、アルカリ可溶性樹脂と架橋剤との反応を促進させる。次いで、アルカリ性現像液により現像して、未露光部を溶解、除去することにより所望のパターンを得ることができる。更に、絶縁膜特性を発現させるために加熱処理を行うことにより、硬化膜を得ることができる。
ネガ型フォトレジスト樹脂組成物を支持体に塗工する方法としては、例えば、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、又はスピンコート法等の塗布方法を用いることができる。また、塗布膜の厚さは、塗布手段、組成物溶液の固形分濃度や粘度を調節することにより、適宜制御することができる。
露光に用いられる光の種類としては、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、g線ステッパー、h線ステッパー、i線ステッパー、gh線ステッパー、ghi線ステッパー等の紫外線や電子線、レーザー光線等が挙げられる。また、露光量としては使用する光源や樹脂膜厚等によって適宜選定されるが、例えば、高圧水銀灯からの紫外線照射の場合、樹脂膜厚1~50μmでは、10~10,000mJ/cm程度である。
露光後は、発生した酸による前記アルカリ可溶性樹脂と架橋剤の硬化反応を促進させるためにPEB処理を行う。PEB条件は樹脂組成物の配合量や使用膜厚等によって異なるが、通常、70~150℃、好ましくは80~120℃で、1~60分程度である。
上記PEB工程後、アルカリ性現像液により現像して、未露光部を溶解、除去することによって所望のパターンを形成する。この場合の現像方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、浸漬現像法、パドル現像法等を挙げることができる。現像条件としては通常、20~40℃で1~10分程度である。
上記アルカリ性現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等のアルカリ性化合物を濃度が1~10重量%程度になるように水に溶解したアルカリ性水溶液を挙げることができる。また、前記アルカリ性水溶液には、例えば、メタノール、エタノール等の水溶性の有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。尚、アルカリ性現像液で現像した後に水で洗浄し、乾燥させる。
更に本発明の硬化物は、現像後に絶縁膜としての特性を十分に発現させるために、さらに加熱処理を行うことによって十分に硬化させることが好ましい。このような硬化条件は特に制限されるものではないが、硬化物の用途に応じて、50~250℃の温度で、30分~10時間程度加熱し、組成物を硬化させることができる。また、硬化を十分に進行させたり、得られたパターン形状の変形を防止するために二段階で加熱することもでき、例えば、第一段階では、50~120℃の温度で、5分~2時間程度加熱し、更に80~250℃の温度で、10分~10時間程度加熱して硬化させることもできる。このような硬化条件であれば、加熱設備として一般的なオーブンや、赤外線炉等を使用することができる。
以下に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明は実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下特記しない限り、部は重量部、%は重量%を意味する。
<アニオン部の合成>
(合成例1) リチウムテトラキス(2-トリフルオロメチル-2-プロポキシ)アルミナート(A-1)の合成
窒素雰囲気下で十分に乾燥させた還流管つき200mL4つ口フラスコに水素化リチウムアルミニウム0.95g、ジメトキシエタン5.0gを仕込み、そこへさらにトルエン150mLを加え撹拌した。これを氷浴にて10℃に冷却した。2-トリフルオロメチル-2-プロパノール16.0gを滴下し、その後室温で1時間撹拌した。さらにこれを5時間加熱還流した。反応液を室温に戻し、析出した固体をろ過し、反応液をエバポレーターに移し、溶媒を留去することにより白色固体を得た(11.6g)。1H、19F-NMRにてこの白色固体が(A-1)であることを確認した(収率86%、フッ素置換率33%)。
(合成例2) リチウムテトラキス(2-ペンタフルオロエチル-2-プロポキシ)アルミナート(A-2)の合成
合成例1において、2-トリフルオロメチル-2-プロパノール16.0gを2-ペンタフルオロエチル-2-プロパノール22.3gに変更した以外、合成例1と同様にして白色固体を得た(15.6g)。1H、19F-NMRにてこの白色固体が(A-2)であることを確認した(収率84%、フッ素置換率45%)。
(合成例3) リチウムテトラキス(ヘキサフルオロ-tert-ブトキシ)アルミナート(A-4)の合成
合成例1において、2-トリフルオロメチル-2-プロパノール16.0gをヘキサフルオロ-tert-ブタノール22.8gに変更した以外、合成例1と同様にして白色固体を得た(16.0g)。1H、19F-NMRにてこの白色固体が(A-4)であることを確認した(収率84%、フッ素置換率67%)。
(合成例4) リチウムテトラキス(2-フェニル-ヘキサフルオロ-2-プロポキシ)アルミナート(A-7)の合成
合成例1において、2-トリフルオロメチル-2-プロパノール16.0gを2-フェニル-ヘキサフルオロ-2-プロパノール30.5gに変更した以外、合成例1と同様にして白色固体を得た(17.5g)。1H、19F-NMRにてこの白色固体が(A-7)であることを確認した(収率70%、フッ素置換率55%)。
(合成例5) リチウムテトラキス(2-p-クロロフェニル-ヘキサフルオロ-2-プロポキシ)アルミナート(A-10)の合成
合成例1において、2-トリフルオロメチル-2-プロパノール16.0gを2-p-クロロフェニル-ヘキサフルオロ-2-プロパノール34.8gに変更した以外、合成例1と同様にして淡黄色固体を得た(12.8g)。1H、19F-NMRにてこの淡黄色固体が(A-10)であることを確認した(収率45%、フッ素置換率60%)。
(合成例6) リチウムトリス(2-トリフルオロメチル-2-プロポキシ)(ノナフルオロ-tert-ブトキシ)アルミナート(A-13)の合成
窒素雰囲気下で十分に乾燥させた還流管つき200mL4つ口フラスコに水素化リチウムアルミニウム0.95g、ジメトキシエタン5.0gを仕込み、そこへさらにトルエン150mLを加え撹拌した。これを氷浴にて10℃に冷却した。2-トリフルオロメチル-2-プロパノール9.6gを滴下し、その後室温で1時間撹拌した。そこへノナフルオロ-tert-ブタノール11.8gを加え、さらにこれを6時間加熱還流した。反応液を室温に戻し、析出した固体をろ過し、反応液をエバポレーターに移し、溶媒を留去することにより白色固体を得た(7.1g)。1H、19F-NMRにてこの白色固体が(A-13)であることを確認した(収率44%、フッ素置換率50%)。
(比較合成例1) リチウムテトラキス(ペルフルオロ-tert-ペントキシ)アルミナート(A-21)の合成
合成例1において、2-トリフルオロメチル-2-プロパノール16.0gをペルフルオロ-tert-アミルアルコール35.8gに変更した以外、合成例1と同様にして白色固体を得た(21.2g)。1H、19F-NMRにてこの白色固体が(A-21)であることを確認した(収率74%、フッ素置換率100%)。
(比較合成例2) リチウムテトラキス(オクタフルオロ-tert-ペントキシ)アルミナート(A-24)の合成
合成例1において、2-トリフルオロメチル-2-プロパノール16.0gをオクタフルオロ-tert-アミルアルコール29.0gに変更した以外、合成例1と同様にして白色固体を得た(11.2g)。1H、19F-NMRにてこの白色固体が(A-21)であることを確認した(収率47%、フッ素置換率73%)。
<光酸発生剤の合成>
(合成例7)[4-(4-ビフェニルチオ)フェニル]-4-ビフェニルフェニルスルホニウムテトラキス(2-トリフルオロメチル-2-プロポキシ)アルミナート(AG-1)の合成
4-[(フェニル)スルフィニル]ビフェニル11g、4-(フェニルチオ)ビフェニル12g、無水酢酸22g及びメタンスルホン酸16gを均一混合し、65℃で3時間反応させた。反応溶液を室温まで冷却し、イオン交換水100mL中に投入し、ジクロロメタン100gで抽出し、水層のpHが中性になるまで水で洗浄した。ジクロロメタン層をロータリーエバポレーターにて溶媒を留去することにより、褐色固体を得た。これを酢酸エチル/ヘキサンで洗浄を行い、有機溶媒を濃縮することで[4-(4-ビフェニルチオ)フェニル]-4-ビフェニルフェニルスルホニウムメタンスルホン酸塩(中間体-1)20gを得た。
(中間体-1)6.2gをジクロロメタン60mLに溶かし、等モルのリチウム塩(A-1)水溶液70gを室温下で混合し、そのまま3時間撹拌し、ジクロロメタン層を分液操作にて水で5回洗浄した後、ロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、酸発生剤(AG-1)を収率75%で得た。生成物は1H、19F-NMRにて同定した。
(合成例8)[4-(4-ビフェニルチオ)フェニル]-4-ビフェニルフェニルスルホニウムテトラキス(ヘキサフルオロ-tert-ブトキシ)アルミナート(AG-2)の合成
合成例7において、リチウム塩(A-1)水溶液をリチウム塩(A-4)水溶液に変更した以外、合成例7と同様にして酸発生剤(AG-2)を収率78%で得た。生成物は1H、19F-NMRにて同定した。
(合成例9)[4-(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムテトラキス(2-p-クロロフェニル-ヘキサフルオロ-2-プロポキシ)アルミナート(AG-3)の合成
ジフェニルスルホキシド15g、ジフェニルスルフィド16g、無水酢酸25g、トリフルオロメタンスルホン酸15g及びアセトニトリル130gを均一混合し、40℃で6時間反応させた。反応溶液を室温まで冷却し、イオン交換水500g中に投入し、ジクロロメタン500gで抽出し、水層のpHが中性になるまでイオン交換水で洗浄した。ジクロロメタン層をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、褐色液状の生成物を得た。これに酢酸エチル200gを加え、60℃の水浴中で溶解させた後、ヘキサン600gを加え撹拌した後、5℃まで冷却し30分間静置してから上澄みを除く操作を2回行い、生成物を洗浄した。これをロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、[4-(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩(中間体-2)30gを得た。
(中間体-2)5.2gをジクロロメタン50mLに溶かし、等モルのリチウム塩(A-10)水溶液70gを室温下で混合し、そのまま3時間撹拌し、ジクロロメタン層を分液操作にて水で5回洗浄した後、ロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、酸発生剤(AG-3)収率83%で得た。生成物は1H、19F-NMRにて同定した。
(合成例10)[4-(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムテトラキス(2-フェニル-ヘキサフルオロ-2-プロポキシ)アルミナート(AG-4)の合成
合成例9において、リチウム塩(A-10)水溶液をリチウム塩(A-7)水溶液に変更した以外、合成例9と同様にして酸発生剤(AG-4)を収率80%で得た。生成物は1H、19F-NMRにて同定した。
(合成例11)[4-(9,9-ジメチルフルオレニル-2-チオ)フェニル]-2-(9,9-ジメチル)フルオレニルフェニルスルホニウムテトラキス(2-ペンタフルオロエチル-2-プロポキシ)アルミナート(AG-5)の合成
2-(フェニルスルフィニル)-9,9-ジメチルフルオレン13g、2-(フェニルチオ)-9,9-ジメチルフルオレン14g、無水酢酸22g及びメタンスルホン酸16gを均一混合し、65℃で3時間反応させた。反応溶液を室温まで冷却し、イオン交換水100mL中に投入し、ジクロロメタン100gで抽出し、水層のpHが中性になるまで水で洗浄した。ジクロロメタン層をロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、褐色固体を得た。これを酢酸エチル/ヘキサンで洗浄を行い、有機溶媒を濃縮することで[4-(9,9-ジメチルフルオレニル-2-チオ)フェニル]-2-(9,9-ジメチル)フルオレニルフェニルスルホニウムメタンスルホン酸塩(中間体-3)25gを得た。
(中間体-3)7.0gをジクロロメタン60mLに溶かし、等モルのリチウム塩(A-2)水溶液70gを室温下で混合し、そのまま3時間撹拌し、ジクロロメタン層を分液操作にて水で5回洗浄した後、ロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、酸発生剤(AG-5)を収率69%で得た。生成物は1H、19F-NMRにて同定した。
(合成例12)[4-(9,9-ジメチルフルオレニル-2-チオ)フェニル]-2-(9,9-ジメチル)フルオレニルフェニルスルホニウムトリス(2-トリフルオロメチル-2-プロポキシ)(ノナフルオロ-tert-ブトキシ)アルミナート(AG-6)の合成
合成例11において、リチウム塩(A-2)水溶液をリチウム塩(A-13)水溶液に変更した以外、合成例11と同様にして酸発生剤(AG-6)を収率72%で得た。生成物は1H、19F-NMRにて同定した。
(合成例13)ジ(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムテトラキス(2-フェニル-ヘキサフルオロ-2-プロポキシ)アルミナート(AG-7)の合成
反応容器にジ(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート5.4gとジクロロメタン50gを加えた。攪拌しながら等モルのリチウム塩(A-7)を含む水溶液50部を加えて室温下8時間攪拌した。静置後水層を分液により除去し、さらに有機層を水50部で5回洗浄した。有機溶媒を減圧下で留去することにより酸発生剤(AG-7)を収率88%で得た。生成物は1H、19F-NMRにて同定した。
(合成例14)ジ(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムテトラキス(2-p-クロロフェニル-ヘキサフルオロ-2-プロポキシ)アルミナート(AG-8)の合成
合成例13において、リチウム塩(A-7)水溶液をリチウム塩(A-10)水溶液に変更した以外、合成例13と同様にして酸発生剤(AG-8)を収率81%で得た。生成物は1H、19F-NMRにて同定した。
(合成例15)(4-イソプロピルフェニル)トリルヨードニウムテトラキス(2-トリフルオロメチル-2-プロポキシ)アルミナート(AG-9)の合成
反応容器に4-メチルヨードベンゼン20gを加え、さらに酢酸50g、硫酸10gを加えて溶解させ、氷水浴にて冷却しながら15℃以下で過硫酸カリウム10gを少しずつ加えた。20℃で4時間反応させ、そこへクメン(イソプロピルベンゼン)24.4gを20℃を超えないように滴下した。その後室温で20時間反応させた。反応液を、等モルのリチウム塩(A-1)を含む水溶液500部へ投入し、さらに3時間攪拌した。そこへジクロロメタン500部を加えた。静置後水層を分液により除去し、有機層を水100部にて5回洗浄を行った。ジクロロメタンを濃縮し、シクロヘキサンで再結晶を行い、酸発生剤(AG-9)を収率84%で得た。生成物は1H、19F-NMRにて同定した。
(合成例16)(4-イソプロピルフェニル)トリルヨードニウムトリス(2-トリフルオロメチル-2-プロポキシ)(ノナフルオロ-tert-ブトキシ)アルミナート(AG-10)の合成
合成例15において、リチウム塩(A-1)水溶液をリチウム塩(A-13)水溶液に変更した以外、合成例15と同様にして酸発生剤(AG-10)を収率76%で得た。生成物は1H、19F-NMRにて同定した。
(合成例17)フェニル(2,4,6-トリメトキシフェニル)ヨードニウムテトラキス(ヘキサフルオロ-tert-ブトキシ)アルミナート(AG-11)の合成
反応容器にフェニル(2,4,6-トリメトキシフェニル)ヨードニウムp-トルエンスルホナート5.4gとジクロロメタン50gを加えた。攪拌しながら等モルのリチウム塩(A-4)を含む水溶液50部を加えて室温下8時間攪拌した。静置後水層を分液により除去し、さらに有機層を水50部で5回洗浄した。有機溶媒を減圧下で留去することにより酸発生剤(AG-11)を収率83%で得た。生成物は1H、19F-NMRにて同定した。
(合成例18)フェニル(2,4,6-トリメトキシフェニル)ヨードニウムテトラキス(2-ペンタフルオロエチル-2-プロポキシ)アルミナート(AG-12)の合成
合成例17において、リチウム塩(A-4)水溶液をリチウム塩(A-2)水溶液に変更した以外、合成例17と同様にして酸発生剤(AG-12)を収率87%で得た。生成物は1H、19F-NMRにて同定した。
(比較合成例3)[4-(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムテトラキス(ペルフルオロ-tert-ペントキシ)アルミナート(AG-H1)の合成
合成例9において、リチウム塩(A-10)水溶液をリチウム塩(A-21)水溶液に変更した以外、合成例9と同様にして酸発生剤(AG-H1)を収率85%で得た。生成物は1H、19F-NMRにて同定した。
(比較合成例4)[4-(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムテトラキス(オクタフルオロ-tert-ペントキシ)アルミナート(AG-H2)の合成
合成例9において、リチウム塩(A-10)水溶液をリチウム塩(A-24)水溶液に変更した以外、合成例9と同様にして酸発生剤(AG-H2)を収率82%で得た。生成物は1H、19F-NMRにて同定した。
(比較合成例5)ジ(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムテトラキス(ペルフルオロ-tert-ペントキシ)アルミナート(AG-H3)の合成
合成例13において、リチウム塩(A-7)水溶液をリチウム塩(A-21)水溶液に変更した以外、合成例13と同様にして酸発生剤(AG-H3)を収率78%で得た。生成物は1H、19F-NMRにて同定した。
(比較合成例6)ジ(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムテトラキス(オクタフルオロ-tert-ペントキシ)アルミナート(AG-H4)の合成
合成例13において、リチウム塩(A-7)水溶液をリチウム塩(A-24)水溶液に変更した以外、合成例13と同様にして酸発生剤(AG-H4)を収率82%で得た。生成物は1H、19F-NMRにて同定した。
<熱酸発生剤の合成>
(合成例19)4-ヒドロキシフェニル-メチル-ベンジルスルホニウムテトラキス(2-トリフルオロメチル-2-プロポキシ)アルミナート(AG-13)の合成
4-ヒドロキシフェニル-メチル-ベンジルスルホニウムクロライド3.0gをジクロロメタン50gに分散させ、等モルのリチウム塩(A-1)を含む水溶液30gを室温下で混合し、そのまま3時間撹拌した。ジクロロメタン層を分液操作にて水で5回洗浄した後、ロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、酸発生剤(AG-13)を収率89%で得た。生成物は1H、19F-NMRにて同定した。
(合成例20)4-ヒドロキシフェニル-メチル-ベンジルスルホニウムテトラキス(ヘキサフルオロ-tert-ブトキシ)アルミナート(AG-14)の合成
合成例19において、リチウム塩(A-1)水溶液をリチウム塩(A-4)水溶液に変更した以外、合成例19と同様にして酸発生剤(AG-14)を収率81%で得た。生成物は1H、19F-NMRにて同定した。
(合成例21)4-ヒドロキシフェニル-メチル-ベンジルスルホニウムトリス(2-トリフルオロメチル-2-プロポキシ)(ノナフルオロ-tert-ブトキシ)アルミナート(AG-15)の合成
合成例19において、リチウム塩(A-1)水溶液をリチウム塩(A-13)水溶液に変更した以外、合成例19と同様にして酸発生剤(AG-15)を収率71%で得た。生成物は1H、19F-NMRにて同定した。
(合成例22)4-ヒドロキシフェニル-メチル-1-ナフチルメチルスルホニウムテトラキス(2-ペンタフルオロエチル-2-プロポキシ)アルミナート(AG-16)の合成
4-ヒドロキシフェニル-メチル-1-ナフチルメチルスルホウムクロライド3.2gをジクロロメタン50gに分散させ、等モルのリチウム塩(A-2)を含む水溶液30gを室温下で混合し、そのまま3時間撹拌した。ジクロロメタン層を分液操作にて水で5回洗浄した後、ロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、酸発生剤(AG-16)を収率87%で得た。生成物は1H、19F-NMRにて同定した。
(合成例23)4-ヒドロキシフェニル-メチル-ベンジルスルホニウムテトラキス(2-フェニル-ヘキサフルオロ-2-プロポキシ)アルミナート(AG-17)の合成
合成例22において、リチウム塩(A-2)水溶液をリチウム塩(A-7)水溶液に変更した以外、合成例23と同様にして酸発生剤(AG-17)を収率77%で得た。生成物は1H、19F-NMRにて同定した。
(合成例24)4-ヒドロキシフェニル-メチル-ベンジルスルホニウムテトラキス(2-p-クロロフェニル-ヘキサフルオロ-2-プロポキシ)アルミナート(AG-18)の合成
合成例22において、リチウム塩(A-2)水溶液をリチウム塩(A-10)水溶液に変更した以外、合成例23と同様にして酸発生剤(AG-18)を収率75%で得た。生成物は1H、19F-NMRにて同定した。
(比較合成例7) 4-ヒドロキシフェニル-メチル-ベンジルスルホニウムテトラキス(ペルフルオロ-tert-ペントキシ)アルミナート(AG-H5)の合成
合成例19において、リチウム塩(A-1)水溶液をリチウム塩(A-21)水溶液に変更した以外、合成例19と同様にして酸発生剤(AG-H5)を収率83%で得た。生成物は1H、19F-NMRにて同定した。
(比較合成例8) 4-ヒドロキシフェニル-メチル-ベンジルスルホニウムテトラキス(オクタフルオロ-tert-ペントキシ)アルミナート(AG-H6)の合成
合成例19において、リチウム塩(A-1)水溶液をリチウム塩(A-24)水溶液に変更した以外、合成例19と同様にして酸発生剤(AG-H6)を収率80%で得た。生成物は1H、19F-NMRにて同定した。
<ネガ型レジスト樹脂組成物の評価-1>
下記表1に記載の各成分を配合組成(単位:重量部)に従って混合し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解させて混合溶液を得た。その後、混合溶液を0.2μmのポリプロピレンフィルターで濾過し、25℃で、粘度が約100mPa・sのワニス状のネガ型レジスト樹脂組成物(実施例1~24、比較例1~8)を得た。得られた樹脂組成物を以下の評価方法に従って評価を行った。
[パターン形成性の評価]
得られたネガ型レジスト樹脂組成物を8インチシリコンウエハ上にスピンコーターを用いて塗布した。塗布後、大気中でホットプレートにて120℃で3分間プリベークし、膜厚約9.0μmの塗膜を得た。この塗膜に凸版印刷社製マスク(幅1.0~100μmの残しパターンおよび抜きパターンが描かれている)を通して、TME-150RSC(トプコン社製)を用いてパターン露光(i線)を行った。露光後、ウエハをホットプレートに置き、大気中で80℃、5分間のベーク処理を行った。その後、現像液としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を用い、30秒間スプレー現像を行うことによって未露光部(未反応部)を溶解除去した。得られたパターンの外観を顕微鏡にて観察した。その結果を下記の基準に基づき評価した。
○ : 矩形状でパターンが作製されていた。
△ : 一部パターンが形成されていない部分が確認された。
× :パターンが形成されず、機能上問題が発生するものであった。
[絶縁信頼性の評価]
(評価用試験片の作製)
基材として耐熱塩化ビニル樹脂シートを準備した。その基材上に幅30μm、ピッチ20μm、厚さ10~15μmの櫛歯型のCuめっき膜(Cu電極)を形成し、Cu配線基板を得た。続いて、当該Cu配線基板上に、得られたネガ型レジスト樹脂組成物をスピンコートして、スピンコート膜(液状被膜)を形成した。液状被膜を100℃で3分間加熱して乾燥させ、厚さ30μmの感光性樹脂膜を得た。続いて、得られた感光性樹脂膜に対し、自動露光機を用いて、波長365nmのi線を600mJ/cmの露光量で全面露光した。続いて、Cu配線基板を大気中でホットプレートにて70℃、5分間加熱した。続いて、Cu配線基板をPGMEA中に20秒間浸漬した。その後、Cu配線基板を窒素雰囲気において170℃、180分間加熱して、感光性樹脂膜を硬化させ、評価用試験片を得た。
(Bias-HAST試験(試験時間:100時間))
上記の評価用試験片をB-HAST装置内に配置した。続いて、B-HAST装置の配線と評価用試験のCu電極とを半田接続した。なお、B-HAST装置はバイアス付き高度加速ストレス試験装置である。
次に、装置内温度を130℃、装置内相対湿度を85%に設定し、互いに離間しているCu電極間に3.5Vのバイアスを印加した。続いて、印加開始から6分間隔で、Cu電極間の絶縁抵抗値を自動的に計測した。そして、印加開始からリーク発生(絶縁破壊)までの経過時間(リーク発生時間)を計測した。なお、リーク発生とは、計測された絶縁抵抗値が1.0×10Ω 以下に低下した場合を指す。
次に、計測したリーク発生時間を、以下の評価基準に照らして評価した。評価結果を表1に示す。
リーク発生時間の評価基準:
◎:リーク発生時間が100時間以上である
〇:リーク発生時間が50時間以上100時間未満である
×:リーク発生時間が50時間未満である
[耐熱性(黄変)試験]
上記パターン形成性評価で得られたパターン付きシリコン基板を200℃に温調したホットプレートにて20分間加熱し、パターン部分の色相を目視で評価した。評価基準は下記の通り。
(評価基準)
◎:無色(塗膜の黄変なし)
○:淡黄色~黄色
×:褐色
上記評価結果を表1に示す。表1からわかるように本発明のネガ型レジスト樹脂組成物は硬化性及び熱安定性に優れている。
Figure 2022139056000007
表1中の各成分の化合物名は、次のとおりである。
<カチオン重合性化合物>
セロキサイド2021P:3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(3,4-エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、(株)ダイセル製
EPICLON 860:ビスフェノールA型固形樹脂、DIC(株)製
jER 157S70:ノボラック型固形エポキシ樹脂、三菱ケミカル(株)製
EPPN201:フェノールノボラック型エポキシ、日本化薬(株)製
NC-3000H:フェノールアラルキル型ノボラック樹脂、日本化薬(株)製
YP-70:ビスフェノールA / ビスフェノールF 型フェノキシ樹脂、新日鉄住金化学社製
EPICLON HP4032D:ナフタレン型エポキシ樹脂、DIC(株)製
TECHMORE VG3101L:2-[4-(2,3-エポキシプロポキシ)フェニル]-2-[4-[1,1-ビス[4-(2,3-エポキシプロポキシ)フェニル]エチル]フェニル]プロパン、(株)プリンテック製
MA-DGIC:モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、四国化成(株)製
X-22-163:側鎖エポキシ変性シリコーン、信越化学工業(株)製
エポライト70P:プロピレングリコールジグリシジルエーテル、共栄社化学(株)製
OXT-121:キシリレンビスオキセタン、東亜合成(株)製
<光酸発生剤>
AG-1~AG-12およびAG-H1~H4:合成例7~18および比較合成例3~6で得られた化合物
<界面活性剤>
R-41:含フッ素基・親油性基含有オリゴマー、DIC(株)製
<密着助剤>
KBM-403:γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学(株)製
<ネガ型レジスト樹脂組成物の評価-2>
下記表2に記載の各成分を配合組成(単位:重量部)に従って混合し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解させて混合溶液を得た。その後、混合溶液を0.2μmのポリプロピレンフィルターで濾過し、25℃で、粘度が約100mPa・sのワニス状のネガ型レジスト樹脂組成物(実施例25~48、比較例9~16)を得た。得られた樹脂組成物を以下の評価方法に従って評価を行った。
[硬化性の評価]
得られたネガ型レジスト樹脂組成物を8インチシリコンウエハ上にスピンコーターを用いて塗布した。塗布後、大気中でホットプレートにて100℃で3分間プリベークし、膜厚約9.0μmの塗膜を得た。ウエハをホットプレートに置き、大気中で130℃、10分間のベーク処理を行った。その後、現像液としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を用い、30秒間スプレー現像を行い得られた硬化膜の外観を顕微鏡にて観察した。その結果を下記の基準に基づき評価した。
評価基準
○:表面にタック性がなく、硬化物の表面形状に変化がなかった
△:表面のタック性はないが、硬化物の表面形状が変化した
×:表面にタック性を有した
[絶縁信頼性の評価]
(評価用試験片の作製)
基材として耐熱塩化ビニル樹脂シートを準備した。その基材上に幅30μm、ピッチ20μm、厚さ10~15μmの櫛歯型のCuめっき膜(Cu電極)を形成し、Cu配線基板を得た。続いて、当該Cu配線基板上に、得られたネガ型レジスト樹脂組成物をスピンコートして、スピンコート膜(液状被膜)を形成した。液状被膜を100℃で3分間加熱して乾燥させ、厚さ30μmの硬化性樹脂膜を得た。Cu配線基板を大気中でホットプレートにて130℃、10分間加熱した。さらにCu配線基板を窒素雰囲気において170℃、180分間加熱して、硬化性樹脂膜を硬化させ、評価用試験片を得た。
(Bias-HAST試験(試験時間:100時間))
上記の評価用試験片をB-HAST装置内に配置した。続いて、B-HAST装置の配線と評価用試験のCu電極とを半田接続した。なお、B-HAST装置はバイアス付き高度加速ストレス試験装置である。
次に、装置内温度を130℃、装置内相対湿度を85%に設定し、互いに離間しているCu電極間に3.5Vのバイアスを印加した。続いて、印加開始から6分間隔で、Cu電極間の絶縁抵抗値を自動的に計測した。そして、印加開始からリーク発生(絶縁破壊)までの経過時間(リーク発生時間)を計測した。なお、リーク発生とは、計測された絶縁抵抗値が1.0×10Ω 以下に低下した場合を指す。
次に、計測したリーク発生時間を、以下の評価基準に照らして評価した。評価結果を表2に示す。
リーク発生時間の評価基準:
◎:リーク発生時間が100時間以上である
〇:リーク発生時間が50時間以上100時間未満である
×:リーク発生時間が50時間未満である
[耐熱性(黄変)試験]
上記硬化性評価で得られた硬化膜着きシリコン基板を200℃に温調したホットプレートにて20分間加熱し、パターン部分の色相を目視で評価した。評価基準は下記の通り。
(評価基準)
◎:無色(塗膜の黄変なし)
○:淡黄色~黄色
×:褐色
上記評価結果を表2に示す。表2からわかるように本発明のネガ型レジスト樹脂組成物は硬化性及び熱安定性に優れている。
Figure 2022139056000008
表2中の各成分の化合物名は、次のとおりである。
<カチオン重合性化合物>
セロキサイド2021P:3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(3,4-エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、(株)ダイセル製
EPICLON 860:ビスフェノールA型固形樹脂、DIC(株)製
jER 157S70:ノボラック型固形エポキシ樹脂、三菱ケミカル(株)製
EPPN201:フェノールノボラック型エポキシ、日本化薬(株)製
NC-3000H:フェノールアラルキル型ノボラック樹脂、日本化薬(株)製
YP-70:ビスフェノールA / ビスフェノールF 型フェノキシ樹脂、新日鉄住金化学社製
EPICLON HP4032D:ナフタレン型エポキシ樹脂、DIC(株)製
TECHMORE VG3101L:2-[4-(2,3-エポキシプロポキシ)フェニル]-2-[4-[1,1-ビス[4-(2,3-エポキシプロポキシ)フェニル]エチル]フェニル]プロパン、(株)プリンテック製
MA-DGIC:モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、四国化成(株)製
X-22-163:側鎖エポキシ変性シリコーン、信越化学工業(株)製
エポライト70P:プロピレングリコールジグリシジルエーテル、共栄社化学(株)製
OXT-121:キシリレンビスオキセタン、東亜合成(株)製
<熱酸発生剤>
AG-13~AG-18およびAG-H5~H6:合成例19~24および比較合成例7~8で得られた化合物
<界面活性剤>
R-41:含フッ素基・親油性基含有オリゴマー、DIC(株)製
<密着助剤>
KBM-403:γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学(株)製
<ネガ型フォトレジスト樹脂組成物の評価>
<ポリマーの合成>
(合成例25)ポリマー(B-2a)の合成
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、無水マレイン酸122g、2-ノルボルネン117g及びジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)11.5gを計量し、メチルエチルケトン151g及びトルエン78gに溶解させた。この溶解液に対して、10分間窒素を通気して酸素を除去し、その後、撹拌しつつ60℃、16時間、加熱した。その後、この溶解液に対して、メチルエチルケトン320gを加えた後、これを、水酸化ナトリウム12.5g、ブタノール463g、トルエン480gの懸濁液に加え、45℃で3時間混合した。そして、この混合液を40℃まで冷却し、ギ酸(88質量%水溶液)49gで処理してプロトン付加し、その後、MEK及び水を加え、水層を分離することで、無機残留物を除去した。次いで、メタノール、ヘキサンを加え有機層を分離することで未反応モノマーを除去した。さらにPGMEAを添加し、系内のメタノール及びブタノールを残留量1%未満となるまで減圧留去した。その後、反応溶液を125℃まで加熱し、アルカリ溶解時間が最適範囲となるまで反応させた。
これにより、20wt%のポリマー溶液1100gを得た(GPC Mw=13,700、Mn=7,400)。
(合成例26)ポリマー(B-2b)の合成
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、無水マレイン酸49g、5-(2-ヒドロキシ-2,2-ビストリフロオロメチル)エチル-2-ノルボルネン137g、及びジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)12gを計量し、メチルエチルケトン27g及びトルエン80gに溶解させた。この溶解液に対して、10分間窒素を通気して酸素を除去し、その後、撹拌しつつ60℃、16時間、加熱した。その後、この溶解液に対して、メチルエチルケトン350gを加えた後、大量のメタノール中に注ぎ、ポリマーを析出させた。ポリマーを濾取しメタノールにてさらに洗浄した後、30℃16時間真空乾燥させ、53部の白色固体を得た(GPC Mw=10,560、Mn=6,910)。
(合成例27)ポリマー(B-2c)の合成
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、無水マレイン酸49g、5-フェニルエチル-2-ノルボルネン75g及びジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)12gを計量し、メチルエチルケトン55g及びトルエン(18gに溶解させた。この溶解液に対して、10分間窒素を通気して酸素を除去し、その後、撹拌しつつ60℃、16時間、加熱した。その後、この溶解液に対して、メチルエチルケトン240gを加えた後、大量のメタノール中に注ぎ、ポリマーを析出させた。ポリマーを濾取しメタノールにてさらに洗浄した後、30℃16時間真空乾燥させ、57gの白色固体を得た(GPC Mw=9,920、Mn=6,100)。このポリマー50gをTHF200gに溶解させ、そこへナトリウムメトキシド12gを25gのメタノールに溶解させた溶液を添加した。60℃で3時間反応させた後、ギ酸35gで中和し、水洗を3回行い中和塩を除去した。その後この反応液を大量のヘキサン中へ注ぎ、ポリマーを析出させた。ポリマーを濾取しヘキサンでさらに洗浄した後、30℃16時間真空乾燥させ、55gを得た(GPC Mw=10,460、Mn=6,600)。
(合成例28)ポリマー(B-2d)の合成
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、無水マレイン酸49g、ス(2-メチルプロピオネート)12gを計量し、メチルエチルケトン64g及びトルエン21gに溶解させた。この溶解液に対して、10分間窒素を通気して酸素を除去し、その後、撹拌しつつ60℃、16時間、加熱した。その後、この溶解液に対して、メチルエチルケトン300gを加えた後、大量のメタノール中に注ぎ、ポリマーを析出させた。ポリマーを濾取しメタノールにてさらに洗浄した後、30℃16時間真空乾燥させ、80gの白色固体を得た(GPC Mw=10,300、Mn=6,000)。このポリマー50gをTHF20gに溶解させ、そこへナトリウムメトキシド10gを25gのメタノールに溶解させた溶液を添加した。60℃で3時間反応させた後、ギ酸28gで中和し、水洗を3回行い中和塩を除去した。その後この反応液を大量のヘキサン中へ注ぎ、ポリマーを析出させた。ポリマーを濾取しヘキサンでさらに洗浄した後、30℃16時間真空乾燥させ、51gを得た(GPC Mw=10,470、Mn=6,100)。
<ネガ型フォトレジスト樹脂組成物の調整>
下記表3に記載の各成分を配合組成(単位:重量部)に従って均一混合し、混合溶液を得た。その後、混合溶液を0.2μmのポリプロピレンフィルターで濾過しネガ型フォトレジスト樹脂組成物(実施例49~72及び比較例17~24)を得た。得られた樹脂組成物を以下の評価方法に従って評価を行った。
<パターン形成性(残膜率)評価>
シリコンウェハー基盤上に、上記で得た、ネガ型フォトレジスト樹脂組成物をスピンコートした後、ホットプレートを用いて110℃で3分間加熱乾燥して約10μmの膜厚を有する樹脂塗膜を得た。その後、TME-150RSC(トプコン社製)を用いてパターン露光(i線;500mJ/cm)を行い、ホットプレートにより110℃で3分間の露光後加熱(PEB)を行った。その後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いた浸漬法により、2分間の現像処理を行い、流水洗浄し、窒素でブローして50μmのラインアンドスペースパターンを得た。評価基準は下記の通り。
(評価基準)
◎:95%以上
○:90%以上95%未満
△:85%以上90%未満
×:85%未満
[絶縁信頼性の評価]
(評価用試験片の作製)
基材として耐熱塩化ビニル樹脂シートを準備した。その基材上に幅30μm、ピッチ20μm、厚さ10~15μmの櫛歯型のCuめっき膜(Cu電極)を形成し、Cu配線基板を得た。続いて、当該Cu配線基板上に、得られたネガ型レジスト樹脂組成物をスピンコートして、スピンコート膜(液状被膜)を形成した。液状被膜を110℃で3分間加熱して乾燥させ、厚さ10μmの感光性樹脂膜を得た。続いて、得られた感光性樹脂膜に対し、自動露光機を用いて、波長365nmのi線を600mJ/cmの露光量で全面露光した。続いて、Cu配線基板を大気中でホットプレートにて70℃、5分間加熱した。続いて、Cu配線基板を2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に2分間浸漬した。その後流水洗浄し、窒素でブローして乾燥後得られたCu配線基板を窒素雰囲気において170℃、180分間加熱して、感光性樹脂膜を硬化させ、評価用試験片を得た。
(Bias-HAST試験(試験時間:100時間))
上記の評価用試験片をB-HAST装置内に配置した。続いて、B-HAST装置の配線と評価用試験のCu電極とを半田接続した。なお、B-HAST装置はバイアス付き高度加速ストレス試験装置である。
次に、装置内温度を130℃、装置内相対湿度を85%に設定し、互いに離間しているCu電極間に3.5Vのバイアスを印加した。続いて、印加開始から6分間隔で、Cu電極間の絶縁抵抗値を自動的に計測した。そして、印加開始からリーク発生(絶縁破壊)までの経過時間(リーク発生時間)を計測した。なお、リーク発生とは、計測された絶縁抵抗値が1.0×10Ω 以下に低下した場合を指す。
次に、計測したリーク発生時間を、以下の評価基準に照らして評価した。評価結果を表3に示す。
リーク発生時間の評価基準:
◎:リーク発生時間が100時間以上である
〇:リーク発生時間が50時間以上100時間未満である
×:リーク発生時間が50時間未満である
<耐熱性(黄変)試験>
上記パターン形成性評価で得られたパターン付きシリコン基板を200℃に温調したホットプレートにて15分間加熱し、パターン部分の色相を目視で評価した。評価基準は下記の通り。
(評価基準)
◎:無色(塗膜の黄変なし)
○:淡黄色~黄色
×:褐色
Figure 2022139056000009
表3中の各成分の化合物名は、次のとおりである。
<アルカリ可溶性樹脂>
EP4020G:クレゾールノボラック樹脂、旭有機材工業(株)製
MXP5560BF:ノボラック樹脂、旭有機材工業(株)製
B-2a~B-2d:合成例25~28で得られたポリマー
<架橋剤>
ZX-1542:トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、新日鉄住金化学(株)製
MX-270:1,3,4,6-テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル、(株)三和ケミカル製
MX-390:ヘキサ(メトキシメチル)メラミン、(株)三和ケミカル製
セロキサイド2021P:3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート,ダイセル(株)製
エポライト100MF:共栄社化学製
OXT-121:キシリレンビスオキセタン、東亜合成(株)製
<光酸発生剤>
AG-1~AG-12およびAG-H1~H4:合成例7~18および比較合成例3~6で得られた化合物
<溶剤>
PGMEA:酢酸2-メトキシ-1-メチルエチル、和光純薬工業(株)製
<界面活性剤>
R-41:含フッ素基・親油性基含有オリゴマー、DIC(株)製
<密着助剤>
KBM-403:γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学(株)製
本発明のネガ型レジスト樹脂組成物ならびにネガ型フォトレジスト樹脂組成物は、レジストフィルム、液状レジスト、ネガ型レジスト(半導体素子、半導体パッケージ等の表面保護膜(パッシベーション膜、オーバーコート膜)、層間絶縁膜、平坦化膜等の永久膜材料等)、MEMS用レジスト、ネガ型感光性材料、FPD材料(TFTの表面保護膜、層間絶縁膜、平坦化膜、カラーフィルター、ブラックマトリックス、隔壁材料、ホトスペーサ、リブ、液晶用配向膜、FPD用シール剤等)、ナノインプリント材料等に好適に用いられる。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表されるオニウム塩を含有する酸発生剤とカチオン重合性化合物とを含む硬化性組成物を含んでなるネガ型レジスト樹脂組成物。
    Figure 2022139056000010
    [式中、R~Rは、互いに独立して、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基または置換基を有していてもよいフェニル基であり、R~Rのうち少なくとも一つの基に結合する水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されており、かつR~Rの基に結合する全水素原子のうち30%~70%がフッ素原子で置換されており;EはS、I、NまたはPから選ばれる原子価nの元素を表し、nは1~3の整数であり、RはEに結合している有機基であり、Rの個数はn+1であり、(n+1)個のRはそれぞれ互いに同一であっても異なっても良く、2個以上のRが互いに直接または-O-、-S-、-SO-、-SO-、-NH-、-CO-、-COO-、-CONH-、アルキレン基もしくはフェニレン基を介して元素Eを含む環構造を形成しても良い。]
  2. 一般式(1)で表されるオニウム塩のEがS又はIである請求項1に記載のネガ型レジスト樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のネガ型レジスト樹脂組成物を硬化させて得られる硬化膜。
  4. 一般式(1)で表されるオニウム塩を含有する酸発生剤とプロトン性極性基を有するアルカリ可溶性樹脂と、架橋剤成分とを含んでなるネガ型フォトレジスト樹脂組成物。
    Figure 2022139056000011
    [式中、R~Rは、互いに独立して、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基または置換基を有していてもよいフェニル基であり、R~Rのうち少なくとも一つの基に結合する水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されており、かつR~Rの基に結合する全水素原子のうち30%~70%がフッ素原子で置換されており;EはS、I、NまたはPから選ばれる原子価nの元素を表し、nは1~3の整数であり、RはEに結合している有機基であり、Rの個数はn+1であり、(n+1)個のRはそれぞれ互いに同一であっても異なっても良く、2個以上のRが互いに直接または-O-、-S-、-SO-、-SO-、-NH-、-CO-、-COO-、-CONH-、アルキレン基もしくはフェニレン基を介して元素Eを含む環構造を形成しても良い。]
  5. 一般式(1)で表されるオニウム塩のEがS又はIである請求項4に記載のネガ型フォトレジスト樹脂組成物。
  6. 請求項4又は5に記載のネガ型フォトレジスト樹脂組成物を硬化させて得られる硬化膜。
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