JP2022138553A - 樹脂金属複合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 金属部材と樹脂部材の接着強度が良好な樹脂金属複合体を得る。【解決手段】 実施形態に係る樹脂金属複合体は、複数の凹部を持つ表面を有する金属部材と、複数の凹部を持つ表面上に設けられた樹脂部材とを含む樹脂金属複合体であって、複数の凹部は、内部の径と入口部の径の比が1よりも大きい形状を有する凹部を含む。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、樹脂金属複合体に関する。
金属材料と樹脂材料を一体化する技術は、航空機、自動車、産業機器等のあらゆる部品部材製造業から求められており、多くの接着技術が開発されている。
金属材料と樹脂材料の接着メカニズムとして、機械的結合(アンカー効果)、物理的結合、化学的結合等が代表的なものとして挙げられる。接着強度を向上させるためには、金属材料と樹脂材料の間に上記結合を効果的に発現させる必要がある。
機械的結合により接着強度を向上させる方法として、被着材である金属に表面処理を施す方法が検討されている。
化学的結合を効果的に発現させる方法として、金属や無機物からなる固体部材の表面に対するプラズマ処理があげられる。プラズマ処理によって固体表面が活性化し、アクリル系高分子化合物を含む接着部材が固体表面と化学的結合を形成し、接着強度が向上する。
その他、チタンの表面粗さと接着剤との接着強度に関して、算術平均表面粗さ(Ra)によって接着強度が向上することが確認されている。
また、金属合金の表面をショットブラストの条件を振ることによって粗面化し、表面粗さの違いにより接着強さを評価すると、スキューネス、クルトシス及び負荷面積率が一定の場合、表面粗さによらず接着強度が一定となることが報告されている。
さらにまた、金属部材の表面をレーザー加工によってパターン化した凹部を形成させることで接着強度を向上することができる。凹部に溶融した熱可塑性樹脂が入り込むことで、アンカー効果により接着力を向上することができる。
しかしながら、プラズマ処理では均一にすることが困難で、接着強度の低い未処理部が起点となり界面剥離が発生する。また、化学的親和性が低い材料の場合、十分な接着強度が得られない課題がある。また、単純な算術平均表面粗さで接着強度を整理することができず、固体表面をアンカー効果を発現させる表面性状に制御することが困難である。また、穴の深さ方向に引張荷重がかかった場合、十分なアンカー効果を発揮できず、接着強さを向上させることが困難である。
特開2018-111788号公報 特開2005-145040号公報 特開2016-141092号公報 特開2013-253132号公報 特開2014-18995号公報 特開2014-65288号公報 特開2017-228721号公報
藤島ら著、「アルミナ・サンドブラスト処理がチタンと硬質レジンの接着性に及ぼす影響」JSDMD、1997年、第16巻、第2号 村田ら著、「ブラスト処理したチタンへの接着材のせん断強さ」日口腔インプラント誌、2003年、vol.16、no.3 吉田ら著、「三次元表面性状パラメータを用いた接着継手の強度評価」日本接着学会誌、2013年、vol.49、no.6
本発明の実施形態は、金属部材と樹脂部材の接着強度が良好な樹脂金属複合体を得ることを目的とする。
実施形態によれば、複数の凹部を持つ表面を有する金属部材と、前記複数の凹部を持つ表面上に設けられた樹脂部材とを含む樹脂金属複合体であって、前記複数の凹部は、内部の径と入口部の径の比が1よりも大きい形状を有する凹部を含むことを特徴とする樹脂金属複合体が提供される。
第1実施形態に係る樹脂金属複合体の構造の一例を模式的に表す断面である。 図1の樹脂金属複合体の破断の様子の一例を模式的に表す断面図である。 第2実施形態に係る樹脂金属複合体の構造の一例を模式的に表す断面図である。 フィラーの有無による樹脂金属複合体の接着強度の相対比の例を表すグラフ図である。 第2実施形態に係る樹脂金属複合体の構造の他の一例を模式的に表す断面図である。 図5の樹脂金属複合体の破断の様子の一例を模式的に表す断面図である。 第3実施形態に係る樹脂金属複合体の構造の一例を模式的に表す断面図である。 第4実施形態に係る樹脂金属複合体の構造の一例を模式的に表す断面図である。 引張り接着強さ試験の様子を表す図である。
実施形態に係る樹脂金属複合体は、金属部材と金属部材上に接合された樹脂材料とを含む。金属部材は、少なくとも樹脂部材が接合される表面に複数の凹部を含む。複数の凹部は、内部の径と入口部の径の比が1よりも大きい形状を有する凹部を含む。
実施形態によれば、金属部材表面に設けられた凹部が、内部の径の入口部の径に対する比が1よりも大きい形状を有することにより、アンカー効果が高くなり、接着強度が良好となる。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更であって容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
図1は、第1実施形態に係る樹脂金属複合体の構造の一例を模式的に表す断面図である。
図示するように、第1実施形態に係る樹脂金属複合体1は、異なる2つの素材を接合させた複合体であり、金属部材2と金属部材2上に接合された樹脂部材3とを有する。ここでは、金属部材2と樹脂部材3が接触している。樹脂部材3が接合される金属部材2の表面12には、粗面化されることにより複数の凹部5が設けられている。凹部5の断面形状は、図示するように、凹部5の内部5bの径r2と入口部5aの径r1の比r2/r1が1よりも大きく形成されている。また、凹部5に入り込んだ樹脂部材は凸部13を形成し、凸部13の断面形状は、凹部5の入口部5a付近の径よりも凹部5の内部5b付近の径の方が大きくなる。このように、凹部5と凸部13は、凹部5の深さ方向に引張荷重がかかっても抜け出しにくい形状になっている。これにより、樹脂金属複合体1の樹脂部材3においては、金属部材2とのアンカー効果が高くなる。金属部材と樹脂部材の十分な接着強度が得られる。
図2に、図1の樹脂金属複合体の破断の様子の一例を模式的に表す断面図を示す。
図2は、樹脂部材3に引張荷重をかけて樹脂金属複合体1を破断させ、破断された樹脂部材3の部分を除去した様子を表している。樹脂金属複合体1を破断させた場合には、樹脂部材3の金属部材2とのアンカー効果が高いために、樹脂部材3と金属部材2の界面が剥離するのではなく、樹脂部材3の母材が破壊し得る。図示するように、破断面14は、凹部5の近傍では入口部5a付近に生じ、破断面14を介して樹脂部材の凸部13は樹脂部材3と分離し得る。また、凹部5以外の領域では、金属部材2の表面12付近に破断面14が生じ得る。このように、第1実施形態に係る樹脂金属複合体によれば、良好な接着強度が得られる。
金属部材2に用いられる金属は、銅または鉄のうち少なくとも一つを含むことができる。
樹脂部材3として、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネートエステル樹脂、あるいはポリウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂があげられる。このような熱硬化性樹脂は、単独、またはそれらの2以上を組み合わせて使用することができる。用途を考慮すると、エポキシ樹脂を使用することができる。
エポキシ樹脂としては、1分子当たり2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を使用することが可能である。このようなエポキシ樹脂として例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、あるいは脂環式エポキシ樹脂等があげられる。これらのエポキシ樹脂は、単独、または2種類以上の混合物として使用することができる。
樹脂部材3は、エポキシ樹脂等の樹脂材料の溶液を、例えば金型を用いたモールド、あるいはデップコートやスピンコート等の塗布方法を用いて金属部材2上に適用した後、硬化させて形成することができる。
エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂用硬化剤により硬化することができる。エポキシ樹脂硬化剤としては、エポキシ樹脂と化学反応してエポキシ樹脂を硬化させ得るものであれば、その種類は特に限定されず、例えばアミン系硬化剤、酸無水系硬化剤、及びイミダゾール系硬化剤などが挙げられる。
金属部材2の凹部5を形成するための粗面化処理として、化学エッチング処理を使用することができる。化学エッチング処理により、粗面の凹部5の内部径と入口部径の比が1よりも大きく形成されやすい。
樹脂部材3には、フィラーを分散することができる。
図3に、第2実施形態に係る樹脂金属複合体の構造の一例を模式的に表す断面図を示す。
図示するように、この樹脂金属複合体15は、樹脂部材3の代わりに、凸部13を除く領域に分散されたフィラー4を有する樹脂部材23を設けること以外は、図1の樹脂金属複合体1と同様の構成を有する。
第2実施形態に係る樹脂金属複合体によれば、樹脂部材23内にフィラー4が分散されていることにより、機械的強度が高くなり、金属部材2と樹脂部材23の接着強度が良好となる。
図4に、フィラーの有無による樹脂金属複合体の接着強度の相対比の例を表すグラフ図を示す。
図示するように、フィラーが有る樹脂部材を用いた樹脂金属複合体の接着強度の相対比102は、フィラーの無い樹脂部材を用いた樹脂金属複合体の接着強度101に対し、約1.2となり、フィラーが有ると、接着強度が良好となることがわかる。
フィラー4として例えば1μm~30μmの平均粒径を有する球状体を使用することができる。ここでいう平均粒径とは中央値である。このようなフィラー4は、樹脂部材23の内部で分散されやすくなり、より機械的強度を高めることが可能となる。
フィラー4として、例えばシリカやアルミナなどの無機系フィラーを用いることができ、無機系フィラーを分散させることにより、樹脂部材23の線膨張係数を小さくすることが可能となる。これにより、図1における樹脂部材3の線膨張係数と金属部材2の線膨張係数との差(ミスマッチ)よりも、図3における樹脂部材23の線膨張係数と金属部材2の線膨張係数との差を低減することができる。また、フィラー4は、1種類または複数種類使用することが可能であり、複数の粒度分布を持つものを組合せることができる。複数の粒度分布をもつフィラーを充填することにより、最密充填が可能となり、金属部材2と樹脂部材23の接着強度をより良好にすることができる。
図5に、第2実施形態に係る樹脂金属複合体の構造の他の一例を模式的に表す断面図を示す。
図示するように、この樹脂金属複合体16は、樹脂部材3の代わりに、凹部5内の凸部13を含む全体にわたりフィラー4が分散された樹脂部材24を設けること以外は、図1の樹脂金属複合体1と同様の構成を有する。
樹脂金属複合体16では、凸部13にフィラー4を含む樹脂部材が適用され、凹部5内部にフィラー4が充填されることで、金属部材2表面に亀裂が発生した場合、亀裂進展を抑制することができる。
図6に、図5の樹脂金属複合体の破断の様子の一例を模式的に表す断面図を示す。
図6は、図5の樹脂部材24に引張荷重をかけて樹脂金属複合体16を破断させ、破断された樹脂部材24の部分を除去した様子を表している。図示するように、樹脂金属複合体16を破断させると、複数のフィラー4が亀裂進展を抑制するため、樹脂部材24の母材は、分散された複数のフィラー4間に生じた破断面11を介して破断し得る。破断面11は、複数のフィラー4の表面形状に応じた凹凸を有し、凹部5近傍では入口部5a付近に生じて、凹部5内に設けられた樹脂部材の凸部25は樹脂部材24と分離し得る。また、凹部5以外の領域では、金属部材2の表面12付近に破断面11を生じ得る。
このように、第2実施形態に係る樹脂金属複合体の他の一例によれば、金属部材2の凹部5内に設けられた凸部13を含む樹脂部材24全体に複数のフィラーを分散することにより、金属部材2表面における亀裂の進展を抑制して接着強度の向上が期待できる。
図7に、第3実施形態に係る樹脂金属複合体の構造の一例を模式的に表す断面図を示す。
図示するように、樹脂金属複合体17は、樹脂部材3と金属部材2との間に、樹脂部材3及び金属部材2との親和性を有する有機化合物層18をさらに含むこと以外は、図1の樹脂金属複合体1と同様の構成を有する。この樹脂金属複合体17は、金属部材2上を有機化合物層18で被覆した後、有機化合物層18上に樹脂部材3を適用することにより形成することができる。金属部材2の表面を有機化合物層18で被覆すると、有機化合物層18と樹脂部材3との親和性が良好であることから、金属部材2の表面12、特に凹部5のより微細な部分まで樹脂材料が含浸し、空隙などの欠陥を抑制することができるだけでなく金属部材2の表面12の酸化を抑制することが可能となる。
このように、第3実施形態に係る樹脂金属複合体によれば、有機化合物層18を介して樹脂部材3と金属部材2との間の良好な接着強度が得られる。
有機化合物としては、アルコキシシラン化合物、シリル化材などを使用することができる。特に、有機化合物にエポキシ基やアミン基、カルボニル基が含まれていると、樹脂体3と化学的結合、物理的結合を形成することができ接着強度が向上する。
また、有機化合物として、樹脂部材3と相溶な材料を使用することができる。その場合、樹脂部材3の分子構造と類似した分子構造の材料例えばダイマー酸を用いることが好ましい。このような材料を用いると、樹脂部材3の分子鎖と有機化合物6の分子鎖が絡み合うことにより、化学的結合が向上する効果が期待でき、樹脂部材3と金属部材2との接着強度がより良好となる。
有機化合物は、例えば金属部材2上に塗布することにより形成することができる。塗付方法としては、浸漬や噴射があげられる。
また、金属部材2の表面を有機化合物層18で被覆する前に、凹部5を含む金属部材2の表面を活性化処理することができる。これにより、金属部材2と有機化合物6との化学的 結合をより向上する効果が期待でき、樹脂部材3と金属部材2との接着強度をさらに良好にすることができる。
活性化処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、UV処理等が挙げられる。
図8に、第4実施形態に係る樹脂金属複合体の構造の一例を模式的に表す断面図を示す。
樹脂金属複合体19は、複数の凹部5を有する金属部材2の代わりに、複数の第1凹部27と、各第1凹部27の一部に各々設けられた複数の第2凹部8とを有する金属部材26が設けられていること以外は、図1の樹脂金属複合体1と同様の構成を有する。第1凹部27及び第2凹部8のうち少なくとも一方の凹部の内部の径と入口部の径の比を1よりも大きくすることができる。ここでは、図示するように、第2凹部8は、内部の径と入口部の径の比が1よりも大きい形状を有し、第1凹部27は、内部の径と入口部の径の比が1よりも小さい。また、金属部材26には、第1凹部27内の一部に第2凹部8が設けられた2段階の凹部7が設けられているが、第2凹部の内部に第3凹部をさらに設けるなど、多段階の凹部を形成することも可能である。
第1凹部27は、金属部材26表面を第1粗面化処理することにより形成することができる。第1粗面化処理としては、化学エッチング処理、ブラスト処理、及びレーザー加工などを使用することができる。樹脂金属複合体19では、例えばブラスト処理を行なうことができる。
また、第2凹部8は、金属部材26の第1粗面化処理された表面を、さらに第2粗面化処理することにより形成することができる。第2粗面化処理としては、化学エッチング処理を用いることができる。
第1粗面化処理では、第2粗面化処理で作成する第2凹部8より大きいサイズの第1凹部27を形成することができる。また、第1凹部27の上に施す第2凹部8の形成方法は特に限定されないが、第1凹部27が平面にならない方法を選択することができる。
このように、第4実施形態に係る樹脂金属複合体によれば、第1凹部27の上に第2凹部8を施すことで、金属部材26と樹脂部材3または有機化合物18が接着する面積が大きくなり、接着強さの向上を図ることができる。また、複数の凹部を第1凹部及び第2凹部に分けて作成することにより、アンカー効果を発揮できる金属部材表面の凹凸構造を制御することが可能となる。
以下、実施例を示し、実施形態をより詳細に説明する。
(銅体サンプルの作成)
(実施例1、比較例1、2)
金属基材として、縦12.7 mm、横12.7 mm、高さ38 mmの銅体を10体用意した。各銅体を化学エッチングにより粗面化処理し、内部の径と入口部の径の比が1よりも大きい形状を有する複数の凹部が設けられた実施例1の銅体サンプルを5組作成した。各凹部の内部の径と入口部の径は、約数百nm~数μmであった。
また、同様の銅体を10体使用し、比較例1として、内部径と入口部径の比が1よりも小さい形状を有する複数の凹部が設けられた銅体サンプルを5組作成した。
さらに、比較例2として、凹部が内部径と入口部径が同等の形状を有する複数の凹部が設けられた銅体サンプルを5組作成した。
(実施例2)
金属基材として、実施例1と同様の銅体を10体用意し、各々銅体を化学エッチングにより粗面化処理し、表面に、内部の径と入口部の径の比が1よりも大きい形状を有する複数の凹部を設けた。各凹部の内部の径と入口部の径は、約数百nm~数μmであった。その後、粗面化された銅体表面に防錆剤を塗布することにより有機化合物層を被覆して、実施例2の銅体サンプルを5組作成した。
(実施例3)
金属基材として、実施例1と同様の銅体を10体用意した。各々銅体を第1粗面化処理としてブラスト処理することにより、第1凹部を得た。その後、化学エッチングにより第2粗面化処理し、各第1凹部内に、内部の径と入口部の径の比が1よりも大きい形状を有する複数の第2凹部を設けて、2段階の凹部を有する実施例3の銅体サンプルを5組作成した。各凹部の内部の径と入口部の径は、約数百nm~数μmであった。
(試験サンプル作成)
実施例1~3で作製した粗面化した各銅体に、樹脂材料を以下のように調製して適用し、硬化することにより接着して樹脂部材を形成することにより、試験サンプルを各々作製した。
まず、主剤であるビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部と、硬化剤である酸無水物系硬化剤90重量部を混合して、樹脂材料を調製した。
続いて、実施例1~3、比較例1及び2にて作製した銅体サンプルのうち一方の第1銅体を金型に固定して、第1銅体の上面に樹脂材料を適量塗布し、銅体サンプルのうちもう一方の第2銅体を樹脂材料を介して第1銅体の上から乗せ、第1銅体の自重で樹脂材料を凹部に染み込ませた。次に、金型を100℃まで昇温し、100℃で3時間保持した。その後、150℃まで1時間で昇温し、150℃で15時間保持し、エポキシ樹脂を硬化させることにより、第1銅体と第2銅体との間に樹脂部材を接着させ、試験サンプルとしての樹脂金属複合体を各々得た。
(接着強さ評価)
図9に、引張り接着強さ試験の様子を表す図を示す。
引張り接着強さ試験には、オートグラフ(株式会社島津製作所製)30を使用した。
図示するように、試験サンプル35は、第1銅体34と第2銅体32との間に樹脂部材33が接着された構成を有する。第1銅体34をオートグラフ30の固定部36に固定し、第2銅体33を試験サンプル取付用ピン31に固定し、各々矢印103、及び矢印104に示すように、互いに対向する方向に引っ張ることにより、引張り接着強さ試験を実施した。その際、銅体から樹脂部材が完全に剥離したときの荷重を接着強さとした。
実施例1~3および比較例1~2について、各5組の試験サンプルの接着強さ試験を行った。得られた測定値の平均値を求めた。
その結果を下記表1に示す。
Figure 2022138553000002
表1に示すように、比較例1と比較して、粗面の凹部が内部径と入口部径の比が1よりも大きい実施例1の形状では接着強さが約3倍向上することがわかる。また、粗面化された表面の凹部における内部径と入口部径の比によって接着強さへの影響が確認され、内部径と入口部径の比が1よりも大きい形状に近づくほど接着強さが向上することがわかる。
また、有機化合物を被覆した実施例2のサンプルは、接着強さが約1.3倍向上することがわかる。
また、粗化面の上にさらに凹部を設けた実施例3のサンプルは、接着強さが約1.5倍向上することがわかる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1,15,16,17…樹脂金属複合体、2…金属部材、3,23,24…樹脂部材、4…フィラー、5…凹部、5a…入口部、5b…内部、27…粗面、7…凹部、8…第2凹部、r1…入口部5aの径、r2…内部5bの径、11,14…破断面、12…表面、13…凸部、18…有機化合物層、27…第1凹部

Claims (6)

  1. 複数の凹部を持つ表面を有する金属部材と、前記複数の凹部を持つ表面上に設けられた樹脂部材とを含む樹脂金属複合体であって、前記複数の凹部は、内部の径と入口部の径の比が1よりも大きい形状を有する凹部を含むことを特徴とする樹脂金属複合体。
  2. 前記複数の凹部を持つ表面と樹脂部材との間に、有機化合物層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の樹脂金属複合体。
  3. 前記複数の凹部は、第1凹部と、第1凹部の一部に設けられた第2凹部とを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂金属複合体。
  4. 前記複数の凹部は、化学エッチング、ブラスト、レーザー加工、または積層造形のうち少なくとも1つの方法により形成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の樹脂金属複合体。
  5. 前記金属部材は、銅または鉄を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の樹脂金属複合体。
  6. 前記樹脂部材は熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の樹脂金属複合体。
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