JP2022137840A - 電気機器 - Google Patents

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Shota Suzuki
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Abstract

【課題】複数の電池パック間の電池残容量の偏りの調整を制御部により調整可能とする機能を持たせた電気機器を提供する。【解決手段】2つの電池パック150、250が装着可能であり、それらを並列接続して使用する電気機器1において、制御部10が電池パック150、250の電圧を監視し、電池パック150、250が装着された状態において、電圧の高い電池パックから低い電池パック側に充電を行う。この充電は充電用端子171a、221a間を配線35、37で接続することで行い、その際には切替スイッチ40によって端子172a、222a間の接続を遮断する。電気機器1の稼働時(放電時)には、切替スイッチ40によって配線35、37を遮断し、端子172a、222a間を接続する。【選択図】図3

Description

本発明は複数の電池パックを電源として稼働する電気機器に関する。
多種の電気機器が二次電池を用いた電池パックにて駆動されるようになり、電気機器のコードレス化が進んでいる。また、電気機器の高出力化に伴い、電池パックの大容量化、高電圧化が進んでいる。特許文献1では、出力電圧を切り替え可能として、異なる電圧の電気機器間で共用できるようにした電圧切り替え型電池パックと、そのような電圧切り替え電池パックを使用する電気機器が開示されている。また、特許文献2では、電池パックを複数個用いて、複数の電池パックを直列又は並列接続することによって、高い電圧、大容量を実現した電源装置が開示されている。また、特許文献3は、複数の電池パックを同時に装着可能とし、複数の電池パックを並列接続することが記載されている。
特開2019-4631号公報 特開2014-50234号公報 特開2020-54169号公報
特許文献2の技術は、電池パックによる作業時間を延ばすために電池パックを複数個使うものであるが、並列接続をする場合は、2つの電池パック間の電池残容量の違いによって放電能力に差が出てしまうため、それらの対策をする必要があった。また、並列接続をすることによる電池パック間の相互充電の発生や、電池パック1つ差しによる単独放電を可能とするかの問題、電池パックの1つ装着と2つ装着との切り替え動作をどうするか等の課題があった。また、特許文献3は、電池パック間で電流が流れることによる電池セルの劣化や故障を防止するために電池パック間でバランス調整を行わないようにしている。
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は、本体部に装着される複数の電池パック間の電池残容量の偏り(バランス)の調整を制御部により調整可能とする機能を持たせた電気機器を提供することにある。
本発明の他の目的は、複数の電池パックを装着して放電電流を維持した作業を可能とした電気機器を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、本体部に装着される複数の電池パックの並列接続と直列接続を制御部により電気的に切り替え可能とした電気機器を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、電池パック間の充電や電池パックからの放電等、電池パックの状況や作業状況に応じて接続形態を切り替えることの可能な電気機器を提供することにある。
本願において開示される発明のうち代表的な特徴を説明すれば次のとおりである。
本発明の一つの特徴によれば、複数の電池パックを同時に装着可能な複数の電池パック装着部と、電池パック装着部に接続された複数の電池パックからの電力により駆動する負荷部と、複数の電池パックの少なくとも1つと負荷部とを接続する放電回路と、複数の電池パックに含まれる1つの電池パックと複数の電池パックに含まれる他の電池パックとを接続することにより1つの電池パックから他の電池パックを充電できるよう構成されたバランス調整回路を備えた電気機器を実現した。電気機器には、さらに放電回路とバランス調整回路とを切り替える切替部を設けた。また、複数の電池パック装着部はそれぞれ、電池パックの正極端子と接続する第1正極端子及び第2正極端子と、電池パックの負極端子と接続する第1負極端子と、を有し、1つの電池パックから他の電池パックを充電する充電モードは、第1正極端子、第1負極端子及びバランス調整回路を介して実行される。さらに、複数の電池パックの少なくとも1つから負荷部へ電力を供給する放電モードは、第2正極端子、第1負極端子及び放電回路を介して実行される。
本発明の他の特徴によれば、複数の電池パックの各第1負極端子が共通に接地され、切替部は手動式のスイッチとされる。スイッチの操作部によって、複数の電池パックから負荷部へ電力を供給する放電モードでは複数の電池パック間の第2正極端子間が接続されて、負荷部への出力線にも接続される。また、1つの電池パックから他の電池パックを充電する充電モードでは、1つの電池パックと他の電池パックの第1正極端子間が接続されると共に、負荷部への出力線とは遮断される。ここで、複数の電池パックはそれぞれ、複数の電池セルを直接接続したセルユニットを有し、第1正極端子は、セルユニットの正極からヒューズを介して接続された充電用端子であり、第2正極端子は、セルユニットの正極から直接接続された放電用端子であり、第1負極端子は、セルユニットの負極から直接接続された端子である。
本発明のさらに他の特徴によれば、バランス調整回路は、複数の電池パック間の第1正極端子間が接続される回路中に、充電電流を抑制するための抵抗部と、抵抗部をバイパスするバイパス回路を有する。そして、1つの電池パックから他の電池パックを充電する充電モードにおいて、複数の電池パック間のアンバランス量が所定値未満の場合には、抵抗部を介さずにバイパス回路を介して1つ方の電池パックから他の電池パックを充電し、アンバランス量が所定値以上の場合には、抵抗部を介して1つの電池パックから他の電池パックを充電するように構成した。
本発明のさらに他の特徴によれば、電気機器は制御部を有し、1つの電池パックの第2正極端子からの出力と、他の電池パックの第2正極端子からの出力は、連結点にて接続され、1つの電池パックの第2正極端子と連結点の間に第1のリレースイッチを設け、他の電池パックの第2正極端子と連結点の間に第2のリレースイッチを設け、制御部の制御によって第1のリレースイッチと第2のリレースイッチの開閉が制御されるように構成した。1つの電池パックから他の電池パックを充電する充電モードの実行時には、第1のリレースイッチと第2のリレースイッチにより、それぞれの回路が遮断される。
本発明のさらに他の特徴によれば、複数の電池パックを同時に装着可能な複数の電池パック装着部と、電池パック装着部に接続された電池パックからの電力により駆動する負荷部と、を備え、複数の電池パック装着部はそれぞれ、電池パックの正極端子と接続する第1正極端子及び第2正極端子と、電池パックの負極端子と接続する第1負極端子と、を有し、複数の電池パック装着部に接続された複数の電池パックに含まれる1つの電池パックから他の電池パックへの充電は、第1正極端子及び第1負極端子を介して実行し、複数の電池パックの少なくとも1つからの電力を負荷部へ供給する放電は、第2正極端子及び第1負極端子を介して実行されるように構成した。電気機器は、充電と放電を切り替えるための切替部を備える。
本発明のさらに他の特徴によれば、電気機器は制御部を有し、1つの電池パックの第2正極端子からの出力と、他の電池パックの第2正極端子からの出力は、連結点にて接続され、1つの電池パックの第2正極端子と連結点の間に第1のリレースイッチを設ける。他の電池パックの第2正極端子と連結点の間に第2のリレースイッチを設け、1つの電池パックの第1負極端子と他の電池パックの第1負極端子を第3のリレースイッチを介して接続し、1つの電池パックの第1負極端子と他の電池パックの第1負極端子を第4のリレースイッチを介して接続し、制御部は第1~第4のリレースイッチを開閉することによって、1つ及び他の電池パックの直列接続を負荷部に出力するか、並列接続を負荷部に出力するかを切り替えるように構成した。また、制御部は、1つの電池パックと他の電池パックの電圧を監視し、それらの電圧のアンバランス量が大きくなった際に、電圧の高い一方の電池パックから電圧の低い他方の電池パックへの充電を行う、自動モード手段を備えた。
本発明のさらに他の特徴によれば、電池パックと、電気機器本体と、を備えた電気機器であって、電池パックは、電池セルと、電池セルに接続される端子であって、電池セルを充電する充電装置に接続可能な充電用端子と、電池セルからの電力を受ける電気機器本体に接続可能な放電用端子と、を有する端子と、を有する。一方、電気機器本体は、電池パックを装着可能な電池パック装着部と、電池パック装着部に接続された電池パックからの電力により駆動する負荷部と、電池パック装着部に設けられ、充電用端子と接続可能な第1正極端子と、放電用端子と接続可能な第2正極端子と、を有する本体側端子部と、を有する。
本発明によれば、電池パックを電気機器の本体部に装着したままで電池パック間の相互充電を行うことによる電池パック間の電池残容量の偏り(バランス)を調整することができる。また、複数の電池パックの装着により放電電流を維持しながらの作業を可能とした電気機器を提供できる。また、電池残容量の偏りを調整(充電モード)、電池パックによる負荷装置への電力供給(放電モード)を、手動式の切替スイッチにて切り替え可能としたので、切替スイッチの接点を切り替えるため誤操作が起きにくく、動作の安定化を図ることができる。さらに、相互充電は電池パックの充電用端子(C+端子)を用いて、放電は放電用端子(+端子)を用いて行い、2つの電池パックの電池電圧を確認して、電圧差が大きい場合は放電用端子同士の接続をスイッチにて遮断して、充電用端子(C+端子)側のヒューズを介した相互充電経路を利用し、さらに相互充電経路に過電流防止回路を設けたので、電池パック間の異容量による不安定動作、本来の性能が満たせない条件の防止を可能となった。さらに、片方のみの電池パック挿入時に、正極入力端子への接続回路のスイッチ手段にて回路を遮断することで、露出端子に対する電圧印加の危険性を防止できる。また、電池パックの状況や作業の状況に応じて接続形態を切替可能とすることができる。それにより作業性を向上することができる。
本発明の実施例に係る電気機器1に電池パック150、250が装着された状態を示す斜視図である。 (A)は本実施例に係る電池パックの正極端子及び負極端子の形状を示す部分斜視図と高電圧出力時の接続回路を示す図、(B)は定格電圧36Vの電気機器1のターミナル部と電池パックの接続端子との接続状況を示すための部分斜視図である。 本実施例に係る電池パック150、250を電気機器1に装着した際の接続状態を示す回路図である。 図3の切替スイッチ40の詳細図である。 図3のバイパス回路50の切り替え手順を示すフローチャートである。 本実施例の第1変形例に係る電池パック150、250を電気機器1Aに装着した際の接続状態を示す回路図である。 本実施例の第1変形例に係る電気機器1Aの、充電及び放電の自動切り替え手順を示すフローチャートである。 本実施例の第2変形例に係る電池パック150、250を電気機器1Bに装着した際の接続状態を示す回路図である。 本実施例の第2変形例において、電池パック150又は250だけを使用する場合の制御手順を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施例に係る電池パック150、250を電気機器1Cに装着した際の接続状態を示す回路図である。 図10の回路を用いて直列接続と並列接続を切り替える手順を説明するフローチャートである。 本発明の第3の実施例に係る電気機器401の斜視図である。 図12の電気機器401のアダプタ500における直列接続と並列接続を切り替える手順を説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下の図において、同一の部分には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。また、本明細書においては、前後、上下の方向は図1に示す方向であるとして説明する。
図1は、本実施例に係る電気機器1に電池パック150、250が装着された状態を示す斜視図である。ここでは電気機器1として公称動作電圧36Vで稼働する電動工具(ハンマドリル)の例を示している。電気機器1は、着脱式の電池パック150、250を電源とし、図示しないモータによる回転駆動力を用いて先端工具を駆動することにより穿孔作業を行う。電気機器1の本体部は、外枠たる合成樹脂製のハウジング2を備える。ハウジング2は、図示しないモータや動力伝達機構を収容する胴体部2aと、胴体部2aから下方に延びるハンドル部2bと、ハンドル部2bの下側に形成される電池パック装着部20により構成される。ハンドル部2bの一部であってユーザが把持した際に人差し指があたる付近には、トリガスイッチ(図では見えない)を操作するためのトリガレバー7aが設けられる。ハウジング2の胴体部2aの前方側には、動力伝達機構を収容する筒状のケース3が接続され、ケース3の前方には回転軸(図では見えない)が突出し、回転軸の先端には先端工具を固定するための先端工具保持部8が設けられる。
電池パック装着部20は左右方向に並べて2つの電池パック150(電池パックA)、250(電池パックB)を装着するために形成される。図1では見えないが、電池パック装着部20には2組の電池パック装着機構(第1装着部20A、第2装着部20B)が設けられる。本実施例における電池パック装着機構はそれぞれ、電池パック150、250のレール部と嵌合する本体側レール部と、電力端子と信号端子を含む本体側接続端子を有して構成される。また、電池パック150、250には、電池パック装着部20に装着された際に電気機器1(電池パック装着部20)から脱落しないように固定するためのラッチ機構(ラッチボタン158等)が設けられる。
電池パック150、250として、図2で後述する低電圧/高電圧切り替え型の電池パック2つが用いられ、横方向に並べて電池パック装着部20に配置される。電池パック装着部20は左側に第1装着部20Aが形成され、右側に第2装着部20Bが形成されるもので、電池パック装着部20の横幅は、電池パック150、250の2つ分よりもわずかに大きい程度となる。電池パック150、250は、低電圧/高電圧切り替え型の完全に同一機種(同一定格電圧、同一容量で同一型式番号)の電池パックを用いるのが好ましい。電池パック150、250の装着位置を相互に入れ替えることも可能であるので、使用者がどちらの電池パックをいずれに装着するか悩まなくて済む。尚、本実施例の電気機器1では、定格電圧が同一であるならば、異なる機種の電池パックを混在させても良い。ここでいう電池パックの「異なる機種」とは、接続端子形状、装着レール形状が共通であることを必須要件としながら、使用する電池セルの大きさの違い(例えば、18650サイズか21700サイズか)、電池セルの容量の違い(例えば3000mAhか4000mAhか)によって、性能が異なる電池パックを対象としている。
次に図2を用いて電気機器1及び電池パック150の電力端子の形状を説明する。図2(A)は本実施例に係る電池パック150の正極端子(172aと172b)、負極端子(177aと177b)の形状を示す部分斜視図及び電池パック150の高電圧出力時の接続回路を示す図である。電池パック150の正極端子(正極出力端子)として、上側正極端子172aと下側正極端子172bが、腕部が上下方向に、脚部が前後方向に並んで配置される。上側正極端子172aと下側正極端子172bは金属板のプレス加工によって形成され、脚部を回路基板160に半田付け等により強固に固定したものである。上側正極端子172aと下側正極端子172bは距離を隔てて配置され、電気的に非導通状態にある。同様に負極端子(負極出力端子)として、上側負極端子177aと下側負極端子177bが並んで配置される。上側正極端子172aと上側負極端子177aは同じ金属部品であり、下側正極端子172bと下側負極端子177bは同じ金属部品である。
電池パック150の内部には、5本のリチウムイオン電池セルが直列に接続された第1セルユニット161と第2セルユニット162(いずれも定格電圧18V)が収容され、第1セルユニット161の正極が上側正極端子172aに接続され、第1セルユニット161の負極が下側負極端子177bに接続される。同様にして、第2セルユニット162の正極が下側正極端子172bに接続され、第2セルユニット162の負極が上側負極端子177aに接続される。このような電池パック150の形態において、電気機器1側の正極用入力端子を上側正極端子172aに接続し、負極用入力端子を上側負極端子177aに接続するとともに、点線29、32、30で示すように下側正極端子172bと下側負極端子177bを電気的に接続すれば、第1セルユニット161と第2セルユニット162の直列接続の出力、即ち定格電圧36Vが電池パック150から電気機器1の負荷装置16に出力されることになる。
電池パック150の正極端子は、電気的に独立した上側正極端子172aと下側正極端子172bが、回路基板160の取り付け位置(脚部の位置)で見ると前後方向に並ぶように配置される。上側正極端子172aと下側正極端子172bは、それぞれが前方側に延在する腕部組(腕部182aと182b、腕部183aと183b)を有する。ここでは腕部182a、182bと腕部183a、183bが上下方向に離れた位置であって、その嵌合部の前後方向位置がほぼ同一となるような形状とされる。これら正極端子172a、172bからなる正極端子対は、電池パック150の一つのスロット(図示せず)からアクセスできる空間に配置される。負極端子対も正極端子対の形状と同じであって、上側負極端子177aと下側負極端子177bにより構成され、これら負極端子対(177a、177b)は、電池パック150の一つのスロット(図示せず)からアクセスできる空間に配置される。尚、図2では図示していないが、放電用の正極端子対(上側正極端子172aと下側正極端子172b)の右側には、充電用の正極端子対(上側正極端子171aと下側正極端子171b)が配置される。充電用の正極端子対(171a、171b)の形状は、上側正極端子172aと下側正極端子172bと同じである。本発明では、上側正極端子172aが第1正極端子に相当し、下側正極端子172bが第2正極端子に相当する。また、上側負極端子177aが、本発明の第1負極端子に相当する。
図2(B)は定格電圧36Vの電気機器1のターミナル部18と、電池パック150側の接続端子(172a、172b、177a、177b)との接続状態を示すための部分斜視図である。ターミナル部18は、合成樹脂製の基台18aに鋳込まれるようにして固定される。基台18aの上側に露出する接続子22aと下側の板状の端子22は同一の金属板により構成され電気的に導通されている。同様に、上側に露出する接続子24a~28aと下側の板状の端子24~28は、それぞれ同一の金属板により構成され電気的に導通されている。板状の端子としてさらに、端子29と30が設けられる。端子29は接続子29a(図では見えない)を有し、接続子29aは基台18aの後壁から後ろ側(紙面裏側)に露出する。同様にして、端子30は接続子30a(図では見えない)を有し、接続子30aは基台18aの後壁から後ろ側(紙面裏側)に露出する。上側正極端子172aと下側正極端子172bは、ターミナル部18の基台18a内では接続されておらず絶縁状態にある。同様に、上側負極端子177aと下側負極端子177bは、ターミナル部18の基台18a内では接続されておらず絶縁状態にある。なお、ターミナル部18には上側正極端子21(図3参照)がさらに設けられるが、図2(B)ではその図示を省略している。
端子24(T端子)は通信用の端子であり、電池パック150の識別情報となる信号を電気機器1又は充電装置に出力する。端子25(V端子)は外部の充電装置(図示せず)からの制御信号を入力するための通信用の端子である。端子26(LS端子)は電池セルの温度を検出するサーミスタ(感温素子)の出力を伝達するための通信用の端子である。端子28(LD端子)は、電池パック150内に含まれる電池保護回路(図示せず)による異常停止信号を出力する通信用の端子である。
電池パック150の装着時において、上側正極端子22は上側正極端子172aだけに嵌合し、上側負極端子27は上側負極端子177aだけに嵌合する。また、下側正極端子29は下側正極端子172bだけに嵌合し、下側負極端子30は下側負極端子177bだけに嵌合する。
図2(B)において、電池パック150を装着する際には、電池パック150を電気機器1に対して接続方向に沿って相対移動させると、電気機器1側の上側正極端子22と下側正極端子29が電池パック150側の同一のスロット内に挿入され、上側正極端子172aと下側正極端子172bにそれぞれ嵌合される。このとき、上側正極端子22が上側正極端子172aの腕部182a、182bの間を押し広げるようにして上側正極端子172aの腕部182aと182bの間に挿入され、下側正極端子29が下側正極端子172bの腕部183aと183bの間を押し広げるようにして挿入される。同様にして、上側負極端子27と下側負極端子30が電池パック150の同一のスロット内に挿入され、それぞれ上側負極端子177aと下側負極端子177bに嵌合される。この際、上側負極端子27が腕部187aと187bの間を押し広げるようにして上側負極端子177aの腕部187aと187bの間に挿入される。さらに、下側負極端子30が下側負極端子177bの腕部188aと188bの間を押し広げるようにして挿入される。
図3は本実施例に係る電池パック150、250を電気機器1に装着した際の接続状態を示す回路図である。電池パック150には、5本のリチウムイオン電池を直列接続した第1のセルユニット161と、第2のセルユニット162が収容される。第1のセルユニット161の両端電圧は上側正極端子172aと下側負極端子177bに接続され、第2のセルユニット162の両端電圧は上側負極端子177aと下側正極端子172bに接続される。電池パック150の上側正極端子172aと上側負極端子177aから直流36Vを取り出すには、図2で示したターミナル部18の下側正極端子29と下側負極端子30を配線32によって短絡する。第1のセルユニット161の正極には、ヒューズ165を介して上側正極端子171aが接続される。同様にして、第2のセルユニット162の正極には、ヒューズ165と同様のヒューズを介して下側正極端子171b(図示せず)が接続される。但し、下側正極端子171b(図示せず)は、電気機器1の本体側とは接続されない。
電池パック250は、電池パック150と同一構成であり、各部には、電池パック150の符号番号に50加えた数字を付与している。電池パック250側も上側正極端子222aと上側負極端子227aから直流36Vが取り出される。そのため、下側正極端子129と下側負極端子130が配線132によって短絡される。尚、電気機器1側の電池パック250に対応するターミナル部の形状は、電池パック150側に対応するターミナル部18の形状の同一であり、ターミナル部18の符号番号に100加えた数字の符号を記載している。
本実施例では、2つの電池パック150と250を並列に接続して、電力出力用のプラス側の電力線38と、グランド線61を用いて、電気機器1の本体側に36Vの直流電力が供給される。電気機器1の本体部には、負荷装置16(図2参照)を構成する負荷部としてモータ6が設けられる。プラス側電力線38の経路中には、逆流防止用のダイオード39とトリガスイッチ7が介在される。また、グランド線61の経路中には、スイッチング素子9とシャント抵抗14が介在される。制御部10は例えばMPU(Micro Processor Unit)等のマイコンを用いて構成でき、マイコンによってモータ6の回転制御や、電池パック150、250の電圧監視、モータ6に流れる電流監視や、図示しない通信端子群を用いて電池パック150、250との通信の制御を行う。
電池電圧検出回路11は、プラス側電力線38とグランド電位との差を検出して信号線11aにより制御部10に伝達する。トリガスイッチ7は、トリガレバー7aによって操作される可変抵抗スイッチであり、スイッチ状態検出回路12によって、トリガレバー7aが所定量以上引かれた状態(トリガON)か、引かれていない状態(トリガOFF)かが検出され、その検出結果が信号線12aにより制御部10に出力される。モータ6はブラシ付きの直流モータである。しかしながら、ブラシ付きの直流モータだけでなく、その他のモータ、例えば、インバータ回路を用いて駆動されるブラシレスDCモータを用いても良い。
スイッチング素子9は例えば電界効果トランジスタ(FET)で構成でき、制御部10から出力されるゲート信号9aによって、ドレイン-ソース間の導通、又は、遮断が切り替えられる。制御部10は、電池パック150、250から図示しない放電禁止信号(LD信号)を受信した際に、ゲート信号9aをローレベルに落とすことで、ドレイン-ソース間の接続を解除する。シャント抵抗14の両端電圧は、電流検出回路13によって検出される。電流検出回路13は、検出値を信号線13aを介して制御部10に出力する。
電気機器1の上側正極端子22は、電力線31を用いて切替スイッチ40のA端子に接続される。切替スイッチ40のA接点と上側正極端子22を接続する電力線31の経路中にはリレースイッチ71が設けられる。また、電池パック250の上側正極端子122は、電力線36を用いて切替スイッチ40のC端子に接続される。切替スイッチ40のC接点と上側正極端子122を接続する電力線36の経路中にはリレースイッチ75が設けられる。上側正極端子21は配線35(電池パックAの充電線)を介して切替スイッチ40のD端子に接続される。配線35の経路中には抵抗部(抵抗器51)と、抵抗部をバイパスさせるためのバイパス回路50が介在される。また、上側正極端子121は、配線37(電池パックBの充電線)を介して切替スイッチ40のE端子に接続される。バイパス回路50はリレースイッチ(バイパススイッチ)52により構成され、電気機器1の制御部10の制御によって電磁石コイル53への導通が制御され、a接点54が接続又は遮断(開放)される。切替スイッチ40は切替部に相当する。
切替スイッチ40は、A端子とC端子を、プラス側電力線38に接続されるB端子(連結点)への接続と遮断を切り替えるための手動式のスイッチである。切替スイッチ40は、手動式の4ポジション6極スイッチであり、(1)B端子がA端子とC端子の双方に接続し、D端子とE端子間を切断する状態(放電状態)、(2)B端子がA端子とC端子のいずれにも接続しない状態で、D端子とE端子を接続する状態(充電状態)、(3)B端子が、A端子とC端子のいずれにも接続しない状態で、かつ、D端子とE端子間を切断する状態(切り状態)の3つのポジションを含むように構成する。
リレースイッチ71、75は同じ形式のものであり、放電禁止指令回路70からの駆動信号P1、P2によってそれぞれの電磁コイル72、76が駆動され、b接点73、77が開く。つまり、リレースイッチ71、75は共に、電磁コイル72、76が導通されないとb接点73、77が接続状態を保ち、電磁コイル72、76が導通されると、電力線31と36を遮断する。放電禁止指令回路70は、制御部10中に含まれるマイコンからリード線82で伝達される制御信号によって、駆動信号P1、P2をリレースイッチ71、75にそれぞれ送出する。
電源回路64は、リード線62、63によって電池パック150側の正極端子172aからの出力と、電池パック250側の上側正極端子222aからの出力を入力することによって、制御部10の動作用の基準電圧VCCを生成し、リード線83によって制御部10へ供給する。リード線83は途中でリード線85、87に分岐されて制御部10にそれぞれ接続される。リード線85の経路中には自動切替モードをオンにするか否かの切替スイッチ(自動スイッチ)84が設けられる。切替スイッチ84をオンにしたときの動作と、オフにしたときの動作については後述する。リード線87の経路中には電池パック150と250の電池電圧の差が所定以上になったときに点灯するアンバランス報知ランプ86が設けられる。アンバランス報知ランプ86は、例えば発光ダイオードによって構成され、制御部10のマイコンの制御により点灯され、又は、消灯される。アンバランス報知ランプ86は、図1に示す電池パック装着部20の上側外面に設けられる操作パネル(図1では見えない)に設けられた発光ダイオードであり、装着した2つの電池パック150、250間の電圧差が大きいときに点灯し、電圧差が所定値未満になったら消灯する。
電池パック150の電圧V1と、電池パック250の電圧V2は制御部10によって監視される。そのため2つの電圧検出回路66、68が設けられる。電圧検出回路66、68はそれぞれグランド電位に接地され、電圧検出回路66の入力側はリード線33によって電力線31に接続され、電圧検出回路68の入力側はリード線34によって電力線36に接続される。電圧検出回路66、68で検出された電圧信号は、信号線67、69を介して制御部10に入力される。
図4は図3の切替スイッチ40の詳細図である。切替スイッチ40は手動切り替え式であって、切替レバー48により切替子が3つの位置に移動することにより、6つの接点(A~E端子、自動端子)間を導通させ、または、開放(非導通状態)させる。図4(A)は図3の回路図中に記載した記号であり、左側のA~C端子の3つが放電経路に介在される端子であり、A端子とC端子を入力側として、B端子を出力側とし、切替レバー48を操作することによってスイッチ片41aを紙面右に移動させてA端子とB端子とC端子を導通させる。スイッチ片41bは連結子41cにより連結されており、スイッチ片41aが右に移動すると、スイッチ片41bも右に移動してD端子とE端子から離れる。D端子とE端子は配線35、37による充電経路に接続され、スイッチ片41bがD端子とE端子に接触するとD端子とE端子間が接続される。作業者が切替レバー48を操作することによってスイッチ片41aを紙面左に移動させると、スイッチ片41aとA~C端子との接触状態が解除され、A-B端子間、及び、B-C端子間の短絡が解除され、一方、スイッチ片41bも左に移動してD端子とE端子を短絡させる。
以上が切替スイッチ40の基本動作であるが、そのスイッチを、電気機器1に実装するために具現化したのが図4(B)である。図4(B)は電気機器1の電池パック装着部20(図1参照)の上壁面を外側(外面側)から見た図である。ここでは、図4(A)に示したスイッチ片41a~41cを回動軸43aを中心とするシーソー式の連結板42と、連結板42の連結回動支点43b~43eによって固定される回動端子44a~44cにより具現化したものである。
連結回動支点43b、43cは、回動軸43aよりも一方側(紙面上側の矢印42a側)に位置し、連結回動支点43dは回動軸43aよりも他方側(紙面下側の矢印42b側)に位置する。連結回動支点43dに近い側の連結板42の端部付近には、切替レバー48が軸支される。切替レバー48は、電気機器1の電池パック装着部20(図1参照)の上壁面から上側に露出するように配置される。電池パック装着部20(図1参照)の上壁面には、矩形の細長い切り欠き部49が形成され、連結板42や回動軸43aは上壁面よりも内側に配置され、切替レバー48の平板状の操作部48aは上壁面よりも外側に配置される。切替レバー48と連結板42を軸支する円柱棒48bは、露出部から切り欠き部49を貫通して連結板42に接続される。円柱棒48bは連結板42の連結回動支点43eに貫通される。
切替レバー48の操作部48aは、作業者の指で紙面左右方向に移動可能である。図4(B)の位置が“切”位置で、そこから操作部48aを紙面左側に矢印47b分だけ移動させると“充”で示す充電モードに切り替わる。また、操作部48aを“切”位置から紙面右側に矢印47a分だけ移動させると“放”で示す放電モードに切り替わり、さらに、紙面右側に矢印47c分だけ移動させると“自”で示す自動切替モードに切り替わる。図4(B)で設定される4つの“充”、“切”、“放”、“自”に設定した際の、A端子~D端子及び自動端子の接続状態を示すのが、図4(C)~(F)である。図4(C)~(F)では連結板42と、それに軸支される4つの回動端子44a~44cと、回動端子44a~44cのそれぞれに対応して設けられる固定端子45a~45eを示している。また、自動スイッチ84を構成する回動短絡片84aと固定端子84bを示している。
回動端子44a~44cは、図4(C)に示す連結板42の連結回動支点43b~43dに軸支され、連結板42に対してわずかに回動しながら紙面左右方向に平行移動可能である。回動短絡片84aは、連結板42の連結回動支点43eに軸支され、連結板42に対してわずかに回動しながら紙面左右方向に移動可能である。回動端子44aは連結回動支点43bよりも片側(紙面左側)にだけ延在する金属製の端子である。回動端子44b、44cは、連結回動支点43c、43dを中心にして両側に延在する金属製の端子である。回動短絡片84aは、絶縁板の先端に金属端子を設けたものである。回動端子44a~44c、回動短絡片84aは、電池パック装着部20(図1参照)の内側にて形成された溝部(図示せず)に案内されることによって、それぞれの平行間隔を維持しつつ紙面左右方向に移動する。
固定端子45a~45eは、金属板のプレス加工によって形成されたもので、電池パック装着部20の内側に固定される。回動端子44aは、連結板42側に開口する2枚の接触片45f、45gを有し、接触片45f、45gの間に回動端子44aの端部が嵌合することによって、固定端子45aと回動端子44aが導通する。固定端子45b~45eの形状は、固定端子45aの形状と同じであって、それぞれが連結板42側に開口する2枚の接触片(符号は付していない)を有する。連結板42は金属製であり、回動端子44a~44cのすべてと導通状態にある。
固定端子84bは、金属板のプレス加工によって形成されたもので、2枚の平行するように隣接する金属製の接触片を有する。2つの接続片の一方の接触片は、リード線85(図3参照)の電源回路64(図3参照)側に接続され、他方側はリード線85(図3参照)の制御部10(図3参照)側に接続される。固定端子84bの2つの接続片は通常では導通していないが、これら接触片の間に、先端だけが金属製の回動短絡片84aが嵌合することによって、リード線85(図3参照)が導通して、切替スイッチ84がオンの状態となる。
連結板42が図4(D)の“切”位置(図4(B)の位置と同じ)にある場合は、回動端子44a~44eは、固定端子45a~45eのいずれにも導通していない。また、回動短絡片84aは固定端子84bと接していない。作業者が図4(B)に示す切替レバー48の操作部48aを左に移動させると、連結板42の位置が図4(C)の“充(電)”状態になる。この状態では、連結板42を介して固定端子45d(D端子)と固定端子45e(E端子)が導通する。残りの固定端子45a~45c、84bは導通せずに遮断状態にある。
作業者が切替レバー48の操作部48aを図4(D)の位置から右に移動させると、連結板42が図4(E)の“放(電)”位置になり、回動端子44a、44b、44cが固定端子45a、45c、45eとそれぞれ接触するので、連結板42を介して固定端子45a、45c、45eが導通する。一方、固定端子45d、45e、固定端子84bはいずれの回動端子とも接触していない。この状態が充電モードの設定位置である。
作業者が切替レバー48の操作部48aを図4(E)の位置からさらに右に移動させると、連結板42が図4(F)の“自(動)”位置になり、回動端子44a、44b、44cと固定端子45a、45b、45cの接触に加えて、回動短絡片84aが固定端子84bに接触する。この結果、切替スイッチ84がオンの状態となる。一方、固定端子45d、45eはいずれの回動端子とも接触していない状態を保つ。この状態が自動モードの設定位置である。
以上、シーソー式の連結板42を切替レバー48によって移動させることで、A~E端子の接続状態の切り替えと、自動モードのオフ(図4(C)~(E))とオン(図4(F))の切り替え操作を行うようにした。尚、使用する切替スイッチ40の構成は図4(B)~(F)に示した構造に限るものでなく、A~E端子の接続状態切り替えと自動スイッチ84のオンオフ切り替えの回路が達成できれば、他の形式のスイッチ手段にて実現しても良い。
次に図3のバイパス回路50の切り替え手順を図5のフローチャートを用いて説明する。図5に示す手順は、制御部10にあらかじめ格納されたプログラムによってソフトウェア的に実行可能である。図5の制御は、電気機器1の電池パック装着部20に2つの電池パック150、250が装着されたら開始される。上側正極端子21と上側正極端子121は、配線35、37と切替スイッチ40を用いて短絡される。この際、電池パック150と250との電圧差(アンバランス)が大きすぎると、切替スイッチ40にてD端子とE端子を接続した直後に大電流が流れることになる。そこで、作業者は、切替スイッチ40を“切”状態から“放(電)”状態にする前に、“充(電)”に切り替えて、残容量の少ない側の電池パックを、残容量の大きい電池パック側から充電する。すると制御部10は、電池パック150、250の電圧検出回路66、68の出力から、電池パック150の電圧(V1)と電池パック250の電圧(V2)を検出し、これらの差の大きさから電圧のアンバランスが大きいか否かを判定する(ステップ301)。
ステップ301でアンバランス量が大きい場合は、制御部10はリード線87(図3参照)をハイ状態(=基準電圧VCCと同じ)からグランド電位に落とすことで、アンバランス報知ランプ86(図3参照)を点灯させる(ステップ302)。次に、制御部10からバイパス指令信号56を送出しないことにより、リレースイッチ52のコイル52を導通させずに、a接点54をオープン状態に保つ(ステップ303)。このようにバイパススイッチ(リレースイッチ)52をオフ状態に設定することで、一方の電池パックから他方の電池パックに対して配線35、37を介して流れる電流は、抵抗器51を通って流れることになる。この結果、充電のための電流が抵抗器51を介して流れることで、一方の電池パックから他方の電池パックへ流れる充電電流の大きさを抑制することができる。その後、ステップ301に戻る。
ステップ301でアンバランス量が所定の閾値未満の場合は、制御部10はリード線87(図3参照)をハイ状態(=基準電圧VCCと同じ)にすることで、アンバランス報知ランプ86(図3参照)を消灯させる(ステップ304)。次に、制御部10が信号線57を介してバイパス指令信号56をバイパス回路50に送出することにより、リレースイッチ52のコイル52に導通して、a接点54を接続状態にする(ステップ305)。この結果、抵抗器51はリレースイッチ52によってバイパスされることになるので、電池パック150の上側正極端子171aと電池パック250の上側正極端子221aが抵抗器無しで直結されることになる。その後、ステップ301に戻る。
このように作業者は「放電」から「充電」に切り替えて、残容量の少ない電池パック側への充電を行う。この際、充電回路は電池パック150の放電用の正極端子(+端子)172aでなくて、ヒューズ165を介在させた充電用の正極端子(C+端子)171aを用いるので、仮に、許容される電流以上の過電流が流れたとしてもヒューズ165が遮断される。同様に電池パック250側でも、充電回路は放電用の正極端子(+端子)222aでなくて、ヒューズ215を介在させた充電用の正極端子(C+端子)221aを用いるので、許容される電流以上の過電流が流れるとヒューズ215が遮断される。「充電」モードが実行されて、電池パック150と250の電圧差が所定値未満になると、アンバランス報知ランプ86(図3参照)が消灯するので、作業者は切替スイッチ40の操作部48a(図4参照)を、“充(電)”位置から“放(電)”位置に切り替えることで、電気機器1の作業を開始することができる。
以上のように、本実施例では電池パックを複数(ここでは2個)装着する場合に、電池パック間の電圧のアンバランスを調整するアンバランス調整回路(配線35、37と切替スイッチ40)を設けたので、電池パックを電気機器の本体部に装着したままで電池パック間の相互充電を行うことによる電池パック間の電池残容量の偏りを調整することができる。また、電池残容量の偏りを調整する充電モードと、電池パックによる負荷装置への電力供給を行う放電モードと、遮断位置(切り位置)を、手動式の切替スイッチにて切り替え可能としたので、確実に切替操作を行うことができ、電池パック150と250の接点間の誤接続によるショートを防止でき、動作の安定化を図ることができる。さらに、電池パック間の相互充電は、電池パックの充電用端子(C+端子)を用いるので、充電経路に過電流が流れた場合にヒューズ165、215によって充電回路を遮断することができ、安全性を一層高めることができる。さらに、電池パック150と250の電圧差が大きい時は、リレースイッチ52によって抵抗器51を充電回路内に介在させるので、過大な充電電流が流れることを回避できる。なお、放電回路は電力線31及び36、プラス側電力線38、グランド線61を含む。バランス調整回路は配線35及び37、バイパス回路50を含む。
図6は本実施例の第1変形例に係る電池パック150、250と電気機器1Aの回路図である。図6の回路は、図3の回路にさらなるバイパス線94と、バイパス線94中にセルバランススイッチ90と、インターロック回路80を追加したものである。これらが自動モードを実行するための手段となる。セルバランススイッチ90としては、リレースイッチ91を用いることで、リレースイッチ91の電磁コイル92を制御部10によって駆動することで、a接点93を接続状態に切り替えることができる。リレースイッチ91の電磁コイル92には、“バランス制御信号(=ハイ電圧信号)”を信号線80aを介してインターロック回路80から送出する。インターロック回路80は、制御部10の制御によりセルバランススイッチ90を動作させて自動で“充電モード”に切り替える際に、手動切替スイッチ40側の回路で“放電”にならないように制御するための制御回路である。つまり、リレースイッチ91を接続させる(=充電モード)場合は、リレースイッチ71と75への駆動信号P1、P2をハイにして、リレースイッチ71と75を共に遮断状態(オフ状態)にして、切替スイッチ40を介した充電動作を不能とする。一方、駆動信号P1、P2をローのままに保ってリレースイッチ71と75を接続状態(オン状態)にする場合は、リレースイッチ91の電磁コイル92への通電を阻止することにより、a接点93を開放状態に保つ。放電禁止指令回路70Aは、図3に示した放電禁止指令回路70に比べて、インターロック回路80からの入力線80bが増えており、入力線80bから“放電モード”を示す信号が出力された場合は、制御部10からリード線82によって供給される指示信号にかかわらず駆動信号P1、P2をハイに切り替える。
図7は本実施例の第1変形例に係る電気機器1Aの、充電及び放電の自動切り替え手順を示すフローチャートである。図7に示す手順は、制御部10にあらかじめ格納されたプログラムによってソフトウェア的に実行可能である。最初に、制御部10は、リード線83と85の電圧を比較することで、自動スイッチ84がオンになっているか否かを判定する(ステップ310)。自動スイッチ84がオンになっている時は、制御部10による電池パック150と250の電圧のバランス調整を行うべくステップ311に進む。ステップ311では、モータ6(図6参照)が停止しているかを判定する(ステップ311)。ステップ311にてモータ6が回転中の場合は、電池パック150のセルユニット161、162と、電池パック250のセルユニット211、212との充放電(本明細書ではこの充放電によるバランス取りを「セルバランス」と称する)を取ることができないので、ステップ310に戻る。ステップ311において、モータ6が停止中の場合は、セルユニット161と162の合計電圧と、電池パック250のセルユニット211と212の合計電圧との差が第1閾値以上(例えば、4V以上)であるか否かを判定し(ステップ312)、第1閾値以上のセルアンバランスが生じている場合は、ステップ313に進む。
ステップ313にて、セルアンバランス量が大きい場合は、制御部10はアンバランス報知ランプ86(図6参照)を点灯して(ステップ314)、リード線82を介して放電禁止指令回路70Aに、駆動信号P1とP2を共にオンにすることにより、リレースイッチ71と75を非接続(遮断、放電禁止)状態にし(ステップ315)、その後に、セルバランススイッチ90のリレースイッチ91を接続状態にすべく、インターロック回路80が信号線80aを介して駆動信号P4を供給する(ステップ316)、この結果、電池パック150と250は、バイパス線94(図6参照)によって確立された充電回路によって残容量が少ない電池パック側が、残容量が多い電池パック側から充電されることになる。その後、ステップ310に戻る。
ステップ313にて、セルアンバランスが存在するものの、電圧差が第2閾値未満(例えば、6V未満)で大きいとは言えない場合は、制御部10はアンバランス報知ランプ86(図6参照)を消灯させた(ステップ319)後に、作業者によってトリガスイッチ7(図6参照)がオンになったか否かを判定する(ステップ320)。ステップ320にてトリガスイッチ7がオフの場合はステップ315に進み、オンの場合は、制御部10は、インターロック回路80から信号線80aを介した駆動信号の供給をオフにすることにより、リレースイッチ91をオフにすると共に、放電禁止指令回路70Aから、駆動信号P1、P2をオフにすることにより、リレースイッチ71と75を共に接続状態(放電許可)に戻す(ステップ322)。その後、ステップ310に戻る。
ステップ312において、セルアンバランス量が第1閾値未満の場合は、インターロック回路80からの駆動信号の供給をオフにすることにより、リレースイッチ91をオフにする(ステップ317)と共に、放電禁止指令回路70Aから、駆動信号P1、P2をオフにすることにより、リレースイッチ71と75を共に接続状態(放電許可)に戻す(ステップ318)。その後、ステップ310に戻る。
ステップ310において、自動スイッチ84(図6参照)がオフになっている場合は、制御部10による電池パック150と250の電圧のバランス調整を行なわずに、手動で行うことが設定されたことになるので、ステップ323へ進む。ステップ323では、セルユニット161と162の合計電圧と、電池パック250のセルユニット221と212の合計電圧との差が第2閾値以上(例えば、6V以上)であるか否かを判定し、電圧との差が第2閾値以上の場合は、制御部10はアンバランス報知ランプ86(図6参照)を点灯させ(ステップ324)、インターロック回路80を制御してセルバランススイッチ90をオフ状態に切り替え(ステップ325)、放電禁止指令回路70Aから、駆動信号P1、P2をオンにすることにより、リレースイッチ71と75を共に遮断状態にして放電を禁止する(ステップ326)。その後、ステップ310に戻る。
ステップ323でアンバランス量が閾値未満の場合に制御部10は、アンバランス報知ランプ86(図6参照)を消灯させ(ステップ327)、制御部10は、インターロック回路80からの駆動信号の供給をオフにすることにより、セルバランススイッチ90をオフ(遮断)にする(ステップ328)と共に、放電禁止指令回路70Aから、駆動信号P1、P2をオフにすることにより、リレースイッチ71と75を共に接続状態に戻すことにより、電池パック150と250からの放電を許可する(ステップ329)。その後、ステップ310に戻る。
以上、第1の変形例では、作業者は図4に示した切替スイッチ40を操作することにより、手動による充放電モードの切り替えと、制御部10の制御による自動での充放電モードの切り替えを選択できるので、作業者の操作性が大いに向上する。また、手動で充放電モードを切り替える場合であっても、電池パック150と250間の電圧差がある程度以上に大きくなると、アンバランス報知ランプ86が点灯するので、充電モードへの切り替えを促すことができ、使いやすい電気機器を実現できる。
図8は本実施例の第2変形例に係る電池パック150、250と電気機器1Bの回路図である。基本的な回路構成は、図6で示した回路構成と同様であり、図6の回路に比べて手動設定による充電モードの設定を省略した点で異なる。切替スイッチ40Aは、図6で示した切替スイッチ40からD端子とE端子部分を、セルバランススイッチ90にて実現した構成である。その他の構成は図6と同じであり、同じ構成の箇所には同じ番号による符号を付している。手動による切替スイッチ40Aにより、操作部48aを“切”位置と “放(電)”位置による放電モードに切り替えることができる。但し、充電モードへの切り替えは手動で行うのでは無く、制御部10の制御による自動切り替えのみとなる。放電モードの設定は、図6と同様に、制御部10のマイコンが、インターロック回路80から“バランス制御信号”を信号線80aをセルバランススイッチ90に送出し、同時に、放電禁止指令回路70Aに“放電”を指示する信号を送出する。“放電”指示を受けた放電禁止指令回路70Aは、第1と第2のリレースイッチ71と75へ駆動信号を送出し、b端子73、77を開放させる。
図8(又は図3、図6)の回路構成では、プラス側の出力回路中にリレースイッチ71と75が設けられる。これら2つのリレースイッチ71と75を設けたことによって、電池パック150、250からプラス側電力線38への電力経路を、別々に遮断または接続できる。よって、電池パック150、250のうち片方の電池パックのみを装着した場合に、制御部10の制御により、駆動信号P1又はP2だけをオンにすることにより、装着されていない電池パック側のリレースイッチをオフ(非導通状態)に切り替えることができる。
図9は本実施例の第2変形例において、電池パック150又は250だけ装着して電気機器1Bを使用する場合の制御手順を示すフローチャートである。図9に示す一連の手順は、電池パック150又は250が装着されて制御部10に含まれるマイコンが起動したら、格納されているプログラムによってソフトウェア的に実行される。最初に、制御部10は、電池パックの片差し(一方の電池パックのみが接続)検出があるかどうかを判定する(ステップ330)。この検出は、電圧検出回路66と68の電圧差を比較することで可能である。制御部10が電池パック150又は250の一方が装着され、他方の電池パックが装着されていないことを判定したら、制御部10は一方の電池パックだけで電気機器1を動作させることができるかどうかを判定する(ステップ331)。ステップ331は、プログラムによって事前に設定されている処理である。例えば電気機器1の種類、すなわち作業内容によって一方のみ電池パックで動作できるものと、動作できないものが存在する。そのため、一方のみの電池パックでは動作できない電気機器1の場合を想定した処理であるため、省略することも可能である。
ステップ331で動作可能と判断されたら、制御部10は電池パック150(電池パックA)が装着されているか否かを判定する(ステップ332)。電池パック150だけが装着され、電池パック250が装着されていないときは、バランス制御信号80a(図8参照)をオフにすることでセルバランススイッチ90をオフにしてバイパス線94を非導通とし(ステップ335)、装着されている電池パック150側のリレースイッチ71の駆動信号P1をオフにしてb接点73を導通状態に保ち、装着されていない電池パック250側のリレースイッチ75の駆動信号P2をオンにしてb接点77を開放状態にして(ステップ336)、ステップ330に戻る。
ステップ332において、電池パック250だけが装着され、電池パック150が装着されていないときは、バランス制御信号80a(図8参照)をオフにすることでセルバランススイッチ90をオフにしてバイパス線94を非導通とし(ステップ333)、装着されている電池パック250側のリレースイッチ75の駆動信号P2をオフにしてb接点77を導通状態に保ち、装着されていない電池パック150側のリレースイッチ71の駆動信号P1をオンにしてb接点73を開放状態にして(ステップ334)、ステップ330に戻る。
ステップ330において、電池パック150の片差し検出が無い場合は、バランス制御信号80a(図8参照)をオフにすることでセルバランススイッチ90をオフにして、バイパス線94を非導通とし(ステップ339)、リレースイッチ71の駆動信号P1をオフにしてb接点73を導通状態にして、リレースイッチ75の駆動信号P2をオンにしてb接点77を導通状態にして(ステップ340)、電池パック150、250からの放電を許可として、ステップ330に戻る。
ステップ331において、一方の電池パックだけで電気機器1を動作させることができない機種の場合は、バランス制御信号80a(図8参照)をオフにすることでセルバランススイッチ90をオフにして、バイパス線94を非導通とし(ステップ337)、リレースイッチ71の駆動信号P1をオンにしてb接点73を非導通状態にし、リレースイッチ75の駆動信号P2をオンにしてb接点77を非導通状態にすることにより放電を禁止し(ステップ338)、ステップ330に戻る。
以上の制御により、片方の電池パックのみの装着時(例えば電池パック150を装着時)に、非装着側の電池パック側(例えば電池パック250)の正極端子1121、122へ電池パック150の正極電圧に伝達されないので、露出する正極端子122に高電圧が伝達することを防止できる。また、電気機器1の種類によっては片方の電池パックのみでも動作することができるため、作業性を向上することができる。また、片方の電池パックのみでは動作できない電気機器1の場合には負荷部への放電が禁止されるため、例えば電池パックの片差し状態ではパワー不足によって作業性の低下が生ずる虞を事前に回避することができる。
図10は本発明の第2の実施例に係る電池パック150、250と電気機器1Cに装着した際の接続状態を示す回路図である。この回路図は、図6で示した電気機器1Aに、さらにリレースイッチ101と105を追加し、それらを制御する直列/並列選択指令回路89を追加したものである。リレースイッチ101は、上側負極端子27と上側負極端子127を接続する電力線65の途中に設けられるもので、並列接続の際に接続状態とされる。リレースイッチ101は電磁石コイル102とa接点103を含んで構成され、直列/並列選択指令回路89からの駆動信号P3がオフの場合、a接点103は切断状態にある。リレースイッチ105は、上側負極端子27と上側正極端子122を接続する電力線60に介在されるもので、電池パック150と250の直列接続の際に接続状態とされる。リレースイッチ105は電磁石コイル106とa接点107を含んで構成され、直列/並列選択指令回路89からの駆動信号P4がオフの場合、a接点107は切断状態にある。
直列/並列選択指令回路89は、電池パック150と250の並列接続を行うリレースイッチ101と直列接続を行うリレースイッチ105の接続状態を切り替えるための回路である。直列/並列選択指令回路89は制御部10から信号線88によって伝達される信号に応じて、駆動信号P3をリレースイッチ101に、駆動信号P4をリレースイッチ105に送出する。
図11は図10の回路を用いて直列接続と並列接続を切り替える手順を説明するフローチャートである。図11に示す一連の手順は、制御部10に含まれるマイコンが起動したら、格納されているプログラムによってソフトウェア的に実行される。最初に制御部10は、自らの電気機器1Cの動作電圧が、直列接続の出力(72V)を使用するものか、並列接続の出力(36V)を使用するものかを判定する(ステップ350)。直列接続の場合は、電池パック150と250間でセルアンバランスが発生しているか否かを判定する(ステップ351)、セルアンバランスが発生していない場合はステップ357へ進む。ステップ351でセルアンバランスが発生している場合は、トリガスイッチ7がオフであるかを判定し(ステップ352)、オンである場合はステップ357へ進み、オフの場合はステップ353へ進む。尚、ステップ351からステップ353の間に、図7のステップ310のセルバランスを取る処理を実行して、セルアンバランスが無くなってからステップ357に移行させるように構成しても良い。
ステップ353~356は、電池パック150と250の並列接続回路を確定させるための4つのリレースイッチ71、75、101、105の制御である。最初に、駆動信号P4をオフにすることによりリレースイッチ105のa接点107を開放状態とする(ステップ353)。次に、駆動信号P1をオフにすることによりリレースイッチ71のb接点73を接続状態とする(ステップ354)。次に、駆動信号P2をオフにすることによりリレースイッチ75のb接点77を接続状態とする(ステップ355)。最後に、駆動信号P3をオンにすることによりリレースイッチ101のb接点103を接続状態とする(ステップ356)。以上の動作によって、電池パック150と250の並列接続路が確立され、36V直流がプラス側電力線35とグランド線61を介して出力される。その後、ステップ350に戻る。
ステップ357~360は、電池パック150と250の直列接続回路を確定させるための4つのリレースイッチ71、75、101、105の制御である。最初に、駆動信号P3をオフにすることによりリレースイッチ101を初期状態、つまりa接点103を開放状態とする(ステップ357)。次に、駆動信号P1をオフにすることによりリレースイッチ71を初期状態、つまりb接点77を接続状態とする(ステップ358)。次に、駆動信号P2をオンにすることによりリレースイッチ75を開放状態、つまりb接点73を非接続状態とする(ステップ359)。最後に、駆動信号P4をオンにすることによりリレースイッチ105を動作状態、つまりa接点107を接続状態とする(ステップ360)。以上の動作によって、電池パック150と250の直列接続路が確立され、72Vの直流電力がプラス側電力線35とグランド線61を介して出力される。その後、ステップ350に戻る。
以上のように、実施例2の構成に対して2つのリレースイッチ101、105を追加するだけで、電池パック150と250の接続形態を、直列接続(72V)と並列接続(36V)を切り替えることができる。この切り替えは、電気機器1Cの本体側に含まれる制御部10からの電気的な制御によって行うことができるので使い勝手が良い。また、電池パック150と250の合計電圧を、高電圧側と低電圧側への切り替えを電動工具の場合はトリガスイッチ7がオフの状態であればいつでも行うことができるので、電動工具の使用中に、高出力が必要なときは72V動作とし、低出力でも長時間動作が必要な場合は36V動作とするような切り替え操作を行うことができる。
以上、第2の実施例では合計5つのリレースイッチ71、75、91、101、105を用いて、電池パック150、250間のアンバランス状態からの回復動作(定電圧側電池パックから高電圧側電池パックへの充電)と電池パック150と250の接続形態の切り替え動作(直列接続と並列接続)を制御部10からの指示信号に基づいて電気的に制御する構成を説明した。これらの切り替え回路の主要部分は,図10の点線に示すように電気機器1Cの電池パック装着部20(図1参照)の内部に収容される。この図10の電池パック装着部20に含まれる回路を、他の電気機器の2つの電池パック装着機構と組み合わせて達成することにより、任意の電気機器の本体部に本発明を実施することができるようになる。その例を、別体式のアダプタとして構成し、電気機器1Cの本体部と電池パック150、250との間にアダプタを装着するように構成したのが図12である。
図12は本発明の第3の実施例に係る電気機器401の斜視図である。電気機器401の内部構成は、図1で示した電気機器1とほぼ同様であるが、動作電圧が36Vと72Vのいずれでも可能なように構成され、電池パック装着部420には1つの電池パックしか装着できない。アダプタ500は、ハウジングの上側に、電池パック装着部420に装着可能な第1の装着機構510が形成され、ハウジングの下側に、電池パック150と250をそれぞれ装着可能とする第2の装着機構520が形成される。第1の装着機構510は、電池パック150のケースの上側部分と互換であって、側面にはラッチボタン518が設けられる。
第2の装着機構520は、左右に電池パック150と250を並べて装着できるように2組の電池パック装着部(520A、520B)を配置して構成される。アダプタ500の内部は、基本的には図10の電池パック装着部20の内部構成と同じであるが、電源回路64を2つに分離して、電池パック装着部420内容の電源回路と、電気機器401の本体内に設ける電源回路を設ける必要がある。また、図10の信号伝達用のリード線81~83、85、87等を電池パック150に設けられた既存の端子群で伝達するために、アダプタ500内に専用の制御部を追加する。
図13は図12の電気機器401のアダプタ500における直列接続と並列接続を切り替える手順を説明するフローチャートである。基本的な動作は図11で示したフローチャートと同じであり、冒頭のステップ370を追加したことだけが異なる。電気機器401の電池パック装着部420にアダプタ500が装着され、アダプタ500に2つの電池パック150、250が装着されると、電気機器401の本体部に含まれる制御部10のマイコンと、アダプタ500内に含まれる制御部のマイコンが起動するので、アダプタ500のマイコンは制御部10のマイコンと通信を行い、内部の不揮発性メモリ領域に予め格納されている電気機器401の機種情報を読み出す(ステップ370)。アダプタ500は、電気機器401のマイコンと通信を行い受信した機種情報を元に、以下のステップ371~381を実行するが、それらの動作は、図11で示したステップ350から360と全く同一手順であるので、繰り返しの説明は省略する。
第3の実施例に示したアダプタ500を用いると、電池パック150を一つしか装着できない電気機器の電池パック装着部に対して、複数の電池パック150、250を装着できるようになる。その際、アダプタ500の内部回路を、上記の第1~第3の実施例のような構成とすることで、並列接続で大容量電源として使用するか、直列接続で高電圧電源として使用するかを選択でき、しかも充電状態がアンバランスな電池パックであっても、電池パック間充電によってアンバランスを効果的に解消することができるので、使い勝手の良い電気機器システムを実現できる。
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上述の実施例では電気機器の本体部の例としてインパクトレンチを用いて説明したが、本体部の種類は任意であり、その他の電動工具、作業機器、照明機器、音響機器、冷温蔵庫、熱機器等に広く本発明を適用可能である。
1、1A、1B、1C 電気機器 2 ハウジング 2a 胴体部
2b ハンドル部 3 ケース 6 モータ 7 トリガスイッチ
7a トリガレバー 8 先端工具保持部 9 スイッチング素子
9a ゲート信号 10 制御部 11 電池電圧検出回路
11a 信号線 12 スイッチ状態検出回路 16 負荷装置
18 ターミナル部 18a 基台 20 電池パック装着部
20A 第1装着部 20B 第2装着部 21、22 上側正極端子
22a 接続子 24 T端子 24a 接続子 25 V端子
26 LS端子 27 負極入力端子 28 LD端子
29 下側正極端子 29a 接続子 30 下側負極端子
30a 接続子 31、36 電力線 32 (短絡用の)配線
33、34 リード線 35、37 配線
38 プラス側電力線 39 ダイオード 40、40A 切替スイッチ
41a、41b スイッチ片 41c 連結子 42 連結板
43a 回動軸 43b~43e 連結回動支点
44a~44c 回動端子 45a~45e 固定端子
45f、45g 接触片 48 切替レバー 48a 操作部
48b 円柱棒 49 切り欠き部 50 バイパス回路
51 抵抗器 52 リレースイッチ 53 電磁石コイル
54 a接点 56 バイパス指令信号 57 信号線
60 電力線 61 グランド線 62、63 リード線
64 電源回路 65 電力線 66、68 電圧検出回路
67、69 信号線 70 放電禁止指令回路
71 (第1の)リレースイッチ 75 (第2の)リレースイッチ
72、76 電磁コイル 73、77 b接点 80 インターロック回路
81、82、83、85、87 リード線 84 自動スイッチ
84a 回動短絡片 84b 固定端子 86 アンバランス報知ランプ
88 信号線 89 並列選択指令回路 90 セルバランススイッチ
91 リレースイッチ 92 電磁コイル 93 a接点
94 バイパス線 101 (第3の)リレースイッチ 102 電磁石コイル
103 a接点 105 (第4の)リレースイッチ 106 電磁石コイル
107 a接点 121、122 上側正極端子 127 上側負極端子
129 下側正極端子 130 下側負極端子 132 (短絡用の)配線
150 電池パック 158 ラッチボタン 160 回路基板
161 第1セルユニット 162 第2セルユニット
165 ヒューズ 171a、172a 上側正極端子
171b、172b 下側正極端子 177a 上側負極端子
177b 下側負極端子 182a、183a、187a、188a 腕部
222a 上側正極端子 227a 上側負極端子 250 電池パック
401 電気機器 420 電池パック装着部 500 アダプタ
510 第1の装着機構 518 ラッチボタン 520 第2の装着機構


Claims (13)

  1. 複数の電池パックを同時に装着可能な複数の電池パック装着部と、
    前記電池パック装着部に接続された前記複数の電池パックからの電力により駆動する負荷部と、
    前記複数の電池パックの少なくとも1つと前記負荷部とを接続する放電回路と、
    前記複数の電池パックに含まれる1つの電池パックと前記複数の電池パックに含まれる他の電池パックとを接続することにより、前記1つの電池パックから前記他の電池パックを充電できるよう構成されたバランス調整回路と、を備えたことを特徴とする電気機器。
  2. 請求項1に記載の電気機器であって、
    前記放電回路と前記バランス調整回路とを切り替えるよう構成された切替部を備えたことを特徴とする電気機器。
  3. 請求項2に記載の電気機器であって、
    前記複数の電池パック装着部はそれぞれ、前記電池パックの正極端子と接続する第1正極端子及び第2正極端子と、前記電池パックの負極端子と接続する第1負極端子と、を有し、
    前記1つの電池パックから前記他の電池パックを充電する充電モードは、前記第1正極端子、前記第1負極端子及び前記バランス調整回路を介して実行され、
    前記複数の電池パックの少なくとも1つから前記負荷部へ電力を供給する放電モードは、前記第2正極端子、前記第1負極端子及び前記放電回路を介して実行されることを特徴とする電気機器。
  4. 請求項3に記載の電気機器であって、
    複数の電池パックの各第1負極端子が共通に接地され、
    前記切替部は手動式のスイッチであり、前記スイッチの操作部によって、
    前記複数の電池パックから前記負荷部へ電力を供給する放電モードでは複数の前記電池パック間の第2正極端子間が接続されて、前記負荷部への出力線にも接続され、
    前記1つの電池パックから前記他の電池パックを充電する充電モードでは、前記1つの電池パックと前記他の電池パックの前記第1正極端子間が接続されると共に、前記負荷部への出力線とは遮断されることを特徴とする電気機器。
  5. 請求項3又は4に記載の電気機器であって、
    前記複数の電池パックはそれぞれ、複数の電池セルを直接接続したセルユニットを有し、
    前記第1正極端子は、前記セルユニットの正極からヒューズを介して接続された充電用端子であり、
    前記第2正極端子は、前記セルユニットの正極から直接接続された放電用端子であり、
    前記第1負極端子は、前記セルユニットの負極から直接接続された端子であることを特徴とする電気機器。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載の電気機器であって、
    前記バランス調整回路は、複数の前記電池パック間の第1正極端子間が接続される回路中に、充電電流を抑制するための抵抗部と、前記抵抗部をバイパスするバイパス回路を有し、
    前記1つの電池パックから前記他の電池パックを充電する充電モードにおいて、
    前記複数の電池パック間のアンバランス量が所定値未満の場合には、前記抵抗部を介さずに前記バイパス回路を介して前記1つ方の電池パックから前記他の電池パックを充電し、
    前記アンバランス量が前記所定値以上の場合には、前記抵抗部を介して前記1つの電池パックから前記他の電池パックを充電することを特徴とする電気機器。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の電気機器であって、
    前記電気機器は制御部を有し、
    前記1つの電池パックの第2正極端子からの出力と、前記他の電池パックの第2正極端子からの出力は、連結点にて接続され、
    前記1つの電池パックの前記第2正極端子と前記連結点の間に第1のリレースイッチを設け、
    前記他の電池パックの前記第2正極端子と前記連結点の間に第2のリレースイッチを設け、
    前記制御部の制御によって前記第1のリレースイッチと前記第2のリレースイッチの開閉が制御されることを特徴とする電気機器。
  8. 請求項7に記載の電気機器であって、
    前記1つの電池パックから前記他の電池パックを充電する充電モードの実行時には、前記第1のリレースイッチと前記第2のリレースイッチにより、それぞれの回路が遮断されることを特徴とする電気機器。
  9. 複数の電池パックを同時に装着可能な複数の電池パック装着部と、
    前記電池パック装着部に接続された電池パックからの電力により駆動する負荷部と、を備え、
    前記複数の電池パック装着部はそれぞれ、前記電池パックの正極端子と接続する第1正極端子及び第2正極端子と、前記電池パックの負極端子と接続する第1負極端子と、を有し、
    前記複数の電池パック装着部に接続された前記複数の電池パックに含まれる1つの電池パックから他の電池パックへの充電は、前記第1正極端子及び前記第1負極端子を介して実行し、
    前記複数の電池パックの少なくとも1つからの電力を前記負荷部へ供給する放電は、前記第2正極端子及び前記第1負極端子を介して実行されることを特徴とする電気機器。
  10. 請求項9に記載の電気機器であって、
    前記充電と前記放電を切り替えるための切替部を備えることを特徴とする電気機器。
  11. 請求項9又は10に記載の電気機器であって、
    前記電気機器は制御部を有し、
    前記1つの電池パックの第2正極端子からの出力と、前記他の電池パックの第2正極端子からの出力は、連結点にて接続され、
    前記1つの電池パックの前記第2正極端子と前記連結点の間に第1のリレースイッチを設け、
    前記他の電池パックの前記第2正極端子と前記連結点の間に第2のリレースイッチを設け、
    前記1つの電池パックの前記第1負極端子と前記他の電池パックの第1負極端子を第3のリレースイッチを介して接続し、
    前記1つの電池パックの第1負極端子と前記他の電池パックの第1負極端子を第4のリレースイッチを介して接続し、
    前記制御部は、前記第1~第4のリレースイッチを開閉することによって、前記1つ及び他の電池パックの直列接続を前記負荷部に出力するか、並列接続を前記負荷部に出力するかを切り替えることを特徴とする電気機器。
  12. 請求項11に記載の電気機器であって、
    前記制御部は、前記1つの電池パックと前記他の電池パックの電圧を監視し、それらの電圧のアンバランス量が大きくなった際に、電圧の高い一方の前記電池パックから電圧の低い他方の前記電池パックへの充電を行う、自動モード手段を備えたことを特徴とする電気機器。
  13. 電池パックと、電気機器本体と、を備えた電気機器であって、
    前記電池パックは、
    電池セルと、
    前記電池セルに接続される端子であって、前記電池セルを充電する充電装置に接続可能な充電用端子と、前記電池セルからの電力を受ける前記電気機器本体に接続可能な放電用端子と、を有する端子と、を有し、
    前記電気機器本体は、
    前記電池パックを装着可能な電池パック装着部と、
    前記電池パック装着部に接続された前記電池パックからの電力により駆動する負荷部と、
    前記電池パック装着部に設けられ、前記充電用端子と接続可能な第1正極端子と、前記放電用端子と接続可能な第2正極端子と、を有する本体側端子部と、を有することを特徴とする電気機器。

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