JP2022136596A - 感光性樹脂フィルム、感光性エレメント、及び、積層体の製造方法 - Google Patents

感光性樹脂フィルム、感光性エレメント、及び、積層体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得ることが可能な感光性樹脂フィルム、及び、当該感光性樹脂フィルムを備える感光性エレメントを提供する。【解決手段】バインダーポリマー、光重合性化合物、光重合開始剤、及び、重合禁止剤を含有し、前記バインダーポリマーが、炭素数3以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルを単量体単位として有するポリマーを含み、厚さが35~300μmである、感光性樹脂フィルム1a。感光性樹脂フィルム1aと、感光性樹脂フィルム1aを支持する支持フィルム1bと、を備える、感光性エレメント1。【選択図】図1

Description

本開示は、感光性樹脂フィルム、感光性エレメント、積層体の製造方法等に関する。
半導体集積回路(LSI)、配線板等の製造分野において導体パターンを作製するためのレジスト材料として感光性材料が用いられている。例えば、配線板の製造において、感光性樹脂組成物を用いてレジストパターンを形成した後、めっき処理によって導体パターン、メタルポスト等を形成している。具体的には、(1)感光性樹脂組成物を用いて感光層を基材上に形成し、(2)所定のマスクパターンを介して感光層を露光し、(3)導体パターン、メタルポスト等を形成する部分を現像処理により選択的に除去(剥離)することでレジストパターンを形成し、(4)この除去された部分に銅等の導体層をめっき処理によって形成した後にレジストパターンを除去することにより、導体パターン、メタルポスト等を備える配線板を製造できる(例えば、下記特許文献1参照)。
特開2000-356852号公報
近年、インダクタ等の電子部品では、層厚が厚い状態で高いアスペクト比を有する導体層を備える導体パターンを形成することが検討されている。このような導体パターンは、例えば、感光層に光を照射した後に未露光部を除去してスペース部を形成し、当該スペース部に導体層を形成することにより得ることができる。そのため、フィルム厚の厚いフィルムとして、感光層を得るための感光性樹脂フィルムに対しては、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得ることが求められる。
本開示の一側面は、フィルム厚の厚いフィルムとして、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得ることが可能な感光性樹脂フィルムを提供することを目的とする。本発明の他の一側面は、当該感光性樹脂フィルムを備える感光性エレメントを提供することを目的とする。本発明の他の一側面は、上述の感光性樹脂フィルムを用いた積層体の製造方法を提供することを目的とする。
本開示の一側面は、バインダーポリマー、光重合性化合物、光重合開始剤、及び、重合禁止剤を含有し、前記バインダーポリマーが、炭素数3以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルを単量体単位として有するポリマーを含み、厚さが35~300μmである、感光性樹脂フィルムに関する。
このような感光性樹脂フィルムによれば、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得ることができる。
本発明の他の一側面は、上述の感光性樹脂フィルムと、当該感光性樹脂フィルムを支持する支持体と、を備える、感光性エレメントに関する。
本発明の他の一側面は、上述の感光性樹脂フィルムを用いて感光層を基材上に形成する工程と、前記感光層の一部を光硬化させる工程と、前記感光層の未硬化部の少なくとも一部を除去して硬化物パターンを形成する工程と、を備える、積層体の製造方法に関する。
本開示の一側面によれば、フィルム厚の厚いフィルムとして、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得ることが可能な感光性樹脂フィルムを提供することができる。本発明の他の一側面によれば、当該感光性樹脂フィルムを備える感光性エレメントを提供することができる。本発明の他の一側面によれば、上述の感光性樹脂フィルムを用いた積層体の製造方法を提供することができる。
感光性エレメントの一例を示す模式断面図である。 積層体の製造方法の一例を示す模式断面図である。
以下、本開示の実施形態について詳細に説明する。
数値範囲の「A以上」とは、A、及び、Aを超える範囲を意味する。数値範囲の「A以下」とは、A、及び、A未満の範囲を意味する。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値と任意に組み合わせることができる。本明細書に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてよい。「A又はB」とは、A及びBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。本明細書に例示する材料は、特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の総量を意味する。「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート、及び、それに対応するメタクリレートの少なくとも一方を意味する。「(メタ)アクリル酸」等の他の類似の表現においても同様である。「アルキル基」は、特に断らない限り、直鎖状、分岐又は環状のいずれであってもよい。(メタ)アクリル酸化合物((メタ)アクリル酸アルキル等)の単量体単位の含有量は、アクリル酸化合物の単量体単位の含有量、及び、メタクリル酸化合物の単量体単位の含有量の総量を意味する。
<感光性樹脂フィルム、硬化物及び感光性樹脂組成物>
本実施形態に係る感光性樹脂フィルムは、(A)バインダーポリマー、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び、(D)重合禁止剤を含有し、バインダーポリマーが、炭素数3以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルを単量体単位として有するポリマーを含み、厚さが35~300μmである。
本実施形態に係る感光性樹脂フィルムは、35μm以上の厚いフィルムである。従来、フィルム厚が厚い場合、感光層の底部まで光が通り難い等の理由により、高いアスペクト比を有するスペース部が形成されにくいことがある。一方、本実施形態に係る感光性樹脂フィルムによれば、(A)~(D)成分を併用するに際して、(A)成分が、炭素数3以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルを単量体単位として有するポリマーを含むことにより、感光層の未露光部の現像性が向上することにより優れた現像コントラスト(未露光部と露光部との差)が得られると共に、露光部の柔軟性が向上する。これらの作用により、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得ることができる。但し、高いアスペクト比が得られる要因は、当該要因に限定されない。
本実施形態に係る感光性樹脂フィルムによれば、優れた解像度が得られ、優れたパターン形成性が得られる。本実施形態に係る感光性樹脂フィルムによれば、優れたパターン形成性を得つつ、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得ることができる。本実施形態に係る感光性樹脂フィルムは、インダクタ等の電子部品(例えば電子回路基板)の製造に用いることができる。
本実施形態に係る硬化物は、本実施形態に係る感光性樹脂フィルムの硬化物である。本実施形態に係る硬化物は、硬化物パターンであってよい。このような硬化物パターンは、レジストパターンとして用いることが可能であり、導体パターン、メタルポスト等を得るために用いることができる。硬化物パターンは、ライン状(直線状)であってよい。
本実施形態に係る感光性樹脂フィルムの厚さは、35~300μmである。感光性樹脂フィルムの厚さは、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得やすい観点から、40μm以上、45μm以上、50μm以上、55μm以上、又は、60μm以上であってよい。感光性樹脂フィルムの厚さは、感光性樹脂フィルムの剥離性に優れる観点から、250μm以下、200μm以下、150μm以下、120μm以下、100μm以下、80μm以下、70μm以下、又は、60μm以下であってよい。感光性樹脂フィルムの厚さは、10箇所の厚さの平均厚さであってよい。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、(A)バインダーポリマー、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び、(D)重合禁止剤を含有し、バインダーポリマーが、炭素数3以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルを単量体単位として有するポリマーを含む。本実施形態に係る感光性樹脂組成物をフィルム化することにより、本実施形態に係る感光性樹脂フィルムを得ることができる。
((A)成分:バインダーポリマー)
本実施形態に係る感光性樹脂フィルムは、(A)成分としてバインダーポリマーを含有する。(A)成分は、重合性単量体を単量体単位として有することが可能であり、例えば、重合性単量体をラジカル重合させることにより得ることができる。重合性単量体としては、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α-ブロモ(メタ)アクリル酸、α-クロロ(メタ)アクリル酸、β-フリル(メタ)アクリル酸、β-スチリル(メタ)アクリル酸、アクリルアミド(ジアセトン(メタ)アクリルアミド等)、(メタ)アクリロニトリル、スチレン化合物(スチレン又はスチレン誘導体)、ビニルアルコールのエーテル類(ビニル-n-ブチルエーテル等)、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノエステル(マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等)、フマール酸、ケイ皮酸、α-シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸などが挙げられる。本実施形態に係る感光性樹脂フィルムは、(A)成分として、芳香環を有するバインダーポリマーを含有しなくてよい。
(A)成分は、(a1)成分として、炭素数3以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルを単量体単位(単量体単位a11)として有するポリマーを含む。(a1)成分は、炭素数3以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルに由来する単量体単位を有することができる。(メタ)アクリル酸アルキルのアルキル基は、置換基を有してよい。置換基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、カルボン酸塩基、アルコキシ基、アミノ基、ハロゲノ基、グリシジル基等が挙げられる。(a1)成分は、芳香環を有さなくてよい。
(a1)成分におけるアルキル基の炭素数は、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得る観点から、3以上であり、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得やすい観点から、4以上であってよい。(a1)成分におけるアルキル基の炭素数は、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得やすい観点から、12以下、11以下、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下、又は、4以下であってよい。これらの観点から、(a1)成分におけるアルキル基の炭素数は、3~10であってよい。アルキル基が置換基を有する場合、上述のアルキル基の炭素数は、置換基の炭素数を含まない。(A)成分は、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得る観点から、(メタ)アクリル酸ブチルを単量体単位として有するポリマーを含んでよい。
(a1)成分における単量体単位a11の含有量は、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得やすい観点から、(a1)成分の全量を基準として下記の範囲であってよい。単量体単位a11の含有量は、5質量%以上、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、25質量%以上、30質量%以上、又は、35質量%以上であってよい。単量体単位a11の含有量は、100質量%以下であり、100質量%未満、90質量%以下、80質量%以下、60質量%以下、50質量%以下、45質量%以下、40質量%以下、又は、35質量%以下であってよい。これらの観点から、単量体単位a11の含有量は、5~100質量%であってよい。
(a1)成分は、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得やすい観点から、(メタ)アクリル酸を単量体単位(単量体単位a12)として有してよい。(a1)成分における単量体単位a12の含有量は、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得やすい観点から、(a1)成分の全量を基準として下記の範囲であってよい。単量体単位a12の含有量は、5質量%以上、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、25質量%以上、又は、30質量%以上であってよい。単量体単位a12の含有量は、60質量%以下、50質量%以下、45質量%以下、40質量%以下、35質量%以下、又は、30質量%以下であってよい。これらの観点から、単量体単位a12の含有量は、5~60質量%であってよい。
(a1)成分は、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得やすい観点から、(メタ)アクリル酸メチルを単量体単位(単量体単位a13)として有してよい。(a1)成分における単量体単位a13の含有量は、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得やすい観点から、(a1)成分の全量を基準として下記の範囲であってよい。単量体単位a13の含有量は、5質量%以上、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、25質量%以上、30質量%以上、又は、35質量%以上であってよい。単量体単位a13の含有量は、60質量%以下、50質量%以下、45質量%以下、40質量%以下、又は、35質量%以下であってよい。これらの観点から、単量体単位a13の含有量は、5~60質量%であってよい。
(A)成分における(a1)成分の含有量は、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得やすい観点から、(A)成分の全質量を基準として下記の範囲であってよい。(a1)成分の含有量は、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、50質量%超、70質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、98質量%以上、99質量%以上、又は、実質的に100質量%((A)成分が実質的に(a1)成分からなる態様)であってよい。(a1)成分の含有量は、100質量%以下であり、100質量%未満、99質量%以下、98質量%以下、95質量%以下、90質量%以下、70質量%以下、50質量%以下、50質量%未満、又は、40質量%以下であってよい。これらの観点から、(a1)成分の含有量は、10~100質量%であってよい。
(A)成分は、(a2)成分として、炭素数3以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルを単量体単位として有さないポリマーを含んでよい。(a2)成分は、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、及び、スチレン化合物(例えばスチレン)からなる群より選ばれる少なくとも一種を単量体単位として有してよい。
(a2)成分が(メタ)アクリル酸を単量体単位(単量体単位a21)として有する場合、(a2)成分における単量体単位a21の含有量は、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得やすい観点から、(a2)成分の全量を基準として下記の範囲であってよい。単量体単位a21の含有量は、5質量%以上、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、又は、25質量%以上であってよい。単量体単位a21の含有量は、60質量%以下、50質量%以下、40質量%以下、又は、30質量%以下であってよい。これらの観点から、単量体単位a21の含有量は、5~60質量%であってよい。
(a2)成分が(メタ)アクリル酸メチルを単量体単位(単量体単位a22)として有する場合、(a2)成分における単量体単位a22の含有量は、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得やすい観点から、(a2)成分の全量を基準として下記の範囲であってよい。単量体単位a22の含有量は、1質量%以上、3質量%以上、又は、5質量%以上であってよい。単量体単位a22の含有量は、20質量%以下、15質量%以下、10質量%以下、又は、5質量%以下であってよい。これらの観点から、単量体単位a22の含有量は、1~20質量%であってよい。
(a2)成分が(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルを単量体単位(単量体単位a23)として有する場合、(a2)成分における単量体単位a23の含有量は、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得やすい観点から、(a2)成分の全量を基準として下記の範囲であってよい。単量体単位a23の含有量は、1質量%以上、2質量%以上、又は、3質量%以上であってよい。単量体単位a23の含有量は、20質量%以下、15質量%以下、10質量%以下、5質量%以下、又は、3質量%以下であってよい。これらの観点から、単量体単位a23の含有量は、1~20質量%であってよい。
(a2)成分が(メタ)アクリル酸ベンジルを単量体単位(単量体単位a24)として有する場合、(a2)成分における単量体単位a24の含有量は、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得やすい観点から、(a2)成分の全量を基準として下記の範囲であってよい。単量体単位a24の含有量は、5質量%以上、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、又は、23質量%以上であってよい。単量体単位a24の含有量は、60質量%以下、50質量%以下、40質量%以下、30質量%以下、25質量%以下、23質量%以下、又は、20質量%以下であってよい。これらの観点から、単量体単位a24の含有量は、5~60質量%であってよい。
(a2)成分がスチレン化合物を単量体単位(単量体単位a25)として有する場合、(a2)成分における単量体単位a25の含有量は、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得やすい観点から、(a2)成分の全量を基準として下記の範囲であってよい。(a2)成分がスチレンを単量体単位(単量体単位a26)として有する場合、(a2)成分における単量体単位a26の含有量は、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得やすい観点から、(a2)成分の全量を基準として下記の範囲であってよい。単量体単位a25又は単量体単位a26の含有量は、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、45質量%以上、又は、50質量%以上であってよい。単量体単位a25又は単量体単位a26の含有量は、80質量%以下、70質量%以下、60質量%以下、55質量%以下、50質量%以下、又は、45質量%以下であってよい。これらの観点から、単量体単位a25又は単量体単位a26の含有量は、10~80質量%であってよい。単量体単位a25の含有量は、スチレンの単量体単位の含有量、及び、スチレン誘導体の単量体単位の含有量の総量を意味する。
(A)成分が(a2)成分を含む場合、(A)成分における(a2)成分の含有量は、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得やすい観点から、(A)成分の全質量を基準として下記の範囲であってよい。(a2)成分の含有量は、1質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、50質量%超、又は、60質量%以上であってよい。(a2)成分の含有量は、90質量%以下、80質量%以下、75質量%以下、70質量%以下、又は、65質量%以下であってよい。これらの観点から、(a2)成分の含有量は、1~90質量%であってよい。
(a1)成分又は(a2)成分の重量平均分子量(Mw)は、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得やすい観点から、下記の範囲であってよい。重量平均分子量は、優れた耐現像液性が得られやすい観点から、10000以上、15000以上、20000以上、25000以上、30000以上、35000以上、40000以上、45000以上、又は、50000以上であってよい。重量平均分子量は、現像時間が長くなることを抑制しやすい観点から、300000以下、150000以下、100000以下、80000以下、60000以下、55000以下、又は、50000以下であってよい。これらの観点から、重量平均分子量は、10000~300000であってよい。
(a1)成分又は(a2)成分の数平均分子量(Mn)は、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得やすい観点から、下記の範囲であってよい。数平均分子量は、優れた耐現像液性が得られやすい観点から、5000以上、8000以上、10000以上、12000以上、15000以上、16000以上、18000以上、20000以上、又は、21000以上であってよい。数平均分子量は、現像時間が長くなることを抑制しやすい観点から、150000以下、80000以下、50000以下、40000以下、30000以下、25000以下、又は、21000以下であってよい。これらの観点から、数平均分子量は、5000~150000であってよい。
(a1)成分又は(a2)成分の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得やすい観点から、下記の範囲であってよい。分散度は、1.0以上、1.5以上、1.8以上、2.0以上、2.1以上、2.2以上、又は、2.3以上であってよい。分散度は、3.0以下、2.8以下、2.5以下、又は、2.4以下であってよい。これらの観点から、分散度は、1.0~3.0であってよい。
本明細書における重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定され、標準ポリスチレンを標準試料として換算した値である。GPC条件としては、下記条件を用いることができる。
{GPC条件}
ポンプ:日立L-6000型(株式会社日立製作所製)
カラム:Gelpack GL-R440、Gelpack GL-R450及びGelpack GL-R400M(昭和電工マテリアルズ・テクノサービス株式会社製、カラム仕様:10.7mmφ×300mm)
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
注入量:200μL
流量:2.05mL/分
検出器:L-2490型RI(株式会社日立ハイテク製)
(a1)成分又は(a2)成分の酸価は、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得やすい観点から、下記の範囲であってよい。酸価は、50mgKOH/g以上、80mgKOH/g以上、100mgKOH/g以上、120mgKOH/g以上、150mgKOH/g以上、180mgKOH/g以上、又は、190mgKOH/g以上であってよい。酸価は、250mgKOH/g以下、230mgKOH/g以下、220mgKOH/g以下、210mgKOH/g以下、又は、200mgKOH/g以下であってよい。これらの観点から、酸価は、50~250mgKOH/g、50~200mgKOH/g、又は、100~200mgKOH/gであってよい。
酸価は次の手順で測定できる。まず、三角フラスコにバインダーポリマーを秤量する。次いで、混合溶剤(質量比:トルエン/メタノール=70/30)を加えてバインダーポリマーを溶解した後、指示薬としてフェノールフタレイン溶液を添加する。そして、0.1mol/L(N/10)水酸化カリウム溶液(アルコール溶液)を用いて滴定することにより酸価を得る。
(A)成分の含有量((a1)成分及び(a2)成分の総量)は、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得やすい観点から、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して下記の範囲であってよい。(A)成分の含有量は、10質量部以上、20質量部以上、30質量部以上、35質量部以上、40質量部以上、45質量部以上、50質量部以上、又は、55質量部以上であってよい。(A)成分の含有量は、90質量部以下、80質量部以下、75質量部以下、70質量部以下、65質量部以下、又は、60質量部以下であってよい。これらの観点から、(A)成分の含有量は、10~90質量部であってよい。
(a1)成分の含有量は、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得やすい観点から、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して下記の範囲であってよい。(a1)成分の含有量は、10質量部以上、15質量部以上、20質量部以上、25質量部以上、30質量部以上、40質量部以上、50質量部以上、又は、55質量部以上であってよい。(a1)成分の含有量は、90質量部以下、80質量部以下、70質量部以下、60質量部以下、55質量部以下、50質量部以下、40質量部以下、30質量部以下、又は、20質量部以下であってよい。これらの観点から、(a1)成分の含有量は、10~90質量部であってよい。
((B)成分:光重合性化合物)
本実施形態に係る感光性樹脂フィルムは、(B)成分として光重合性化合物を含有する。(B)成分としては、分子内に少なくとも1つのエチレン性不飽和結合を有する化合物を用いることができる。
エチレン性不飽和結合としては、α,β-不飽和カルボニル基((メタ)アクリロイル基等)などが挙げられる。α,β-不飽和カルボニル基を有する光重合性化合物としては、多価アルコールのα,β-不飽和カルボン酸エステル、ビスフェノール型(メタ)アクリレート、グリシジル基含有化合物のα,β-不飽和カルボン酸付加物、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレンオキシ(メタ)アクリレート(別名:ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート)、フタル酸骨格を有する(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
多価アルコールのα,β-不飽和カルボン酸エステルとしては、エチレン基の数が2~14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2~14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2~14でありプロピレン基の数が2~14であるポリエチレン・ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO・PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、及びジペンタエリスリトール又はペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。「EO変性」とは、エチレンオキサイド(EO)基のブロック構造を有することを意味し、「PO変性」とは、プロピレンオキサイド(PO)基のブロック構造を有することを意味する。
(B)成分は、硬化物パターンの柔軟性が向上しやすい観点、及び、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得やすい観点から、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートを含んでよい。ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートは、EO基及びPO基の少なくとも一方を有してよく、EO基及びPO基の双方を有してよい。EO基及びPO基の双方を有するポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートにおいて、EO基及びPO基は、それぞれ連続してブロック的に存在してよく、ランダムに存在してもよい。PO基は、オキシ-n-プロピレン基又はオキシイソプロピレン基のいずれであってもよい。(ポリ)オキシイソプロピレン基において、プロピレン基の2級炭素が酸素原子に結合していてよく、1級炭素が酸素原子に結合していてもよい。
ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの市販品としては、FA-023M(昭和電工マテリアルズ株式会社製)、FA-024M(昭和電工マテリアルズ株式会社製)、NKエステルHEMA-9P(新中村化学工業株式会社製)等が挙げられる。
(B)成分は、硬化物パターンの柔軟性が向上しやすい観点、及び、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得やすい観点から、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレートを含んでよい。ウレタン結合を有する(メタ)アクリレートとしては、β位にヒドロキシ基を有する(メタ)アクリルモノマーとジイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、2,4-トルエンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート等)との付加反応物、トリス((メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、EO・PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートの市販品としては、UA-11(新中村化学工業株式会社製)、UA-21EB(新中村化学工業株式会社製)等が挙げられる。EO・PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートの市販品としては、UA-13(新中村化学工業株式会社製)等が挙げられる。
(B)成分は、厚い硬化物パターンを形成しやすい観点、並びに、解像度及び密着性をバランスよく向上させやすい観点から、ジペンタエリスリトール又はペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を含んでよい。ジペンタエリスリトール又はペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物は、(メタ)アクリロイル基を4つ以上有してよく、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、又は、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートであってよい。
(B)成分は、多価アルコールにα,β-不飽和カルボン酸を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレート化合物を含んでよい。多官能(メタ)アクリレート化合物は、EO基及びPO基の少なくとも一方を有してよく、EO基及びPO基の双方を有してもよい。このような化合物としては、EO基を有するジペンタエリスリトール(メタ)アクリレート等が挙げられる。EO基を有するジペンタエリスリトール(メタ)アクリレートの市販品としては、DPEA-12(日本化薬株式会社製)等が挙げられる。
(B)成分は、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得やすい観点、並びに、解像度及び硬化後の剥離特性を向上させやすい観点から、ビスフェノール型(メタ)アクリレートを含んでよく、ビスフェノールA型(メタ)アクリレートを含んでよい。ビスフェノールA型(メタ)アクリレートとしては、2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン(例えば2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン)、2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。(B)成分は、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを更に得やすい観点、並びに、解像度及びパターン形成性を更に向上させやすい観点から、2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンを含んでよい。
2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシジプロポキシ)フェニル)プロパンの市販品としては、BPE-200(新中村化学工業株式会社製)等が挙げられる。2,2-ビス(4-(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンの市販品としては、BPE-500(新中村化学工業株式会社製)、FA-321M(昭和電工マテリアルズ株式会社製)等が挙げられる。
(B)成分は、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得やすい観点から、ノニルフェノキシポリエチレンオキシ(メタ)アクリレートを含んでよい。ノニルフェノキシポリエチレンオキシ(メタ)アクリレートとしては、ノニルフェノキシテトラエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシペンタエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシヘキサエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシヘプタエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシオクタエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシノナエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシデカエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシウンデカエチレンオキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。ノニルフェノキシポリエチレンオキシ(メタ)アクリレートの市販品としては、FA-318A(昭和電工マテリアルズ株式会社製)等が挙げられる。
フタル酸骨格を有する(メタ)アクリレートとしては、γ-クロロ-β-ヒドロキシプロピル-β’-(メタ)アクリロイルオキシエチル-o-フタレート、β-ヒドロキシエチル-β’-(メタ)アクリロイルオキシエチル-o-フタレート、β-ヒドロキシプロピル-β’-(メタ)アクリロイルオキシエチル-o-フタレート等が挙げられる。γ-クロロ-β-ヒドロキシプロピル-β’-メタクリロイルオキシエチル-o-フタレートの市販品としては、FA-MECH(昭和電工マテリアルズ株式会社製)等が挙げられる。
(B)成分の含有量は、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得やすい観点から、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して下記の範囲であってよい。(B)成分の含有量は、10質量部以上、20質量部以上、25質量部以上、30質量部以上、35質量部以上、又は、40質量部以上であってよい。(B)成分の含有量は、90質量部以下、80質量部以下、70質量部以下、65質量部以下、60質量部以下、55質量部以下、50質量部以下、又は、45質量部以下であってよい。これらの観点から、(B)成分の含有量は、10~90質量部であってよい。
((C)成分:光重合開始剤)
本実施形態に係る感光性樹脂フィルムは、(C)成分として光重合開始剤を含有する。(C)成分としては、(B)成分を重合させることが可能な化合物を用いることができる。(C)成分は、感度及び解像度をバランスよく向上させやすい観点から、ヘキサアリールビイミダゾール誘導体、及び、アクリジン化合物(アクリジニル基を有する化合物)からなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでよい。
ヘキサアリールビイミダゾール誘導体としては、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルビイミダゾール、2,2’,5-トリス-(o-クロロフェニル)-4-(3,4-ジメトキシフェニル)-4’,5’-ジフェニルビイミダゾール、2,4-ビス-(o-クロロフェニル)-5-(3,4-ジメトキシフェニル)-ジフェニルビイミダゾール、2,4,5-トリス-(o-クロロフェニル)-ジフェニルビイミダゾール、2-(o-クロロフェニル)-ビス-4,5-(3,4-ジメトキシフェニル)-ビイミダゾール、2,2’-ビス-(2-フルオロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラキス-(3-メトキシフェニル)-ビイミダゾール、2,2’-ビス-(2,3-ジフルオロメチルフェニル)-4,4’,5,5’-テトラキス-(3-メトキシフェニル)-ビイミダゾール、2,2’-ビス-(2,4-ジフルオロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラキス-(3-メトキシフェニル)-ビイミダゾール、2,2’-ビス-(2,5-ジフルオロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラキス-(3-メトキシフェニル)-ビイミダゾール等が挙げられる。
アクリジン化合物としては、9-フェニルアクリジン、9-(p-メチルフェニル)アクリジン、9-(m-メチルフェニル)アクリジン、9-(p-クロロフェニル)アクリジン、9-(m-クロロフェニル)アクリジン、9-アミノアクリジン、9-ジメチルアミノアクリジン、9-ジエチルアミノアクリジン、9-ペンチルアミノアクリジン、ビス(9-アクリジニル)アルカン(1,2-ビス(9-アクリジニル)エタン、1,4-ビス(9-アクリジニル)ブタン、1,6-ビス(9-アクリジニル)ヘキサン、1,8-ビス(9-アクリジニル)オクタン、1,10-ビス(9-アクリジニル)デカン、1,12-ビス(9-アクリジニル)ドデカン、1,14-ビス(9-アクリジニル)テトラデカン、1,16-ビス(9-アクリジニル)ヘキサデカン、1,18-ビス(9-アクリジニル)オクタデカン、1,20-ビス(9-アクリジニル)エイコサン等)、1,3-ビス(9-アクリジニル)-2-オキサプロパン、1,3-ビス(9-アクリジニル)-2-チアプロパン、1,5-ビス(9-アクリジニル)-3-チアペンタンなどが挙げられる。
(C)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して下記の範囲であってよい。(C)成分の含有量は、光感度、解像度及び密着性が向上しやすい観点から、0.1質量部以上、1質量部以上、2質量部以上、又は、3質量部以上であってよい。(C)成分の含有量は、優れたパターン形成性が得られやすい観点から、10質量部以下、5質量部以下、4質量部以下、又は、3質量部以下であってよい。これらの観点から、(C)成分の含有量は、0.1~10質量部であってよい。
((D)成分:重合禁止剤)
本実施形態に係る感光性樹脂フィルムは、(D)成分として重合禁止剤を含有する。(D)成分を用いることにより、パターン形成性を向上させることができる。
(D)成分は、パターン形成性を向上させやすい観点から、下記一般式(I)で表される化合物を含んでよい。
Figure 2022136596000002
式(I)中、Rは、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数3~10のシクロアルキル基、アミノ基、アリール基、メルカプト基、炭素数1~10のアルキルメルカプト基、アルキル基の炭素数が1~10のカルボキシルアルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基、又は、複素環基を示し、mは、2以上の整数であり、nは、0以上の整数であり、m+n=6であり、nが2以上の整数の場合、Rは、各々、同一であってよく、異なってもよい。アリール基は、炭素数1~20のアルキル基で置換されていてよい。
は、(A)成分との相溶性が向上しやすい観点から、水素原子、又は、炭素数1~20のアルキル基であってよい。Rで表される炭素数1~20のアルキル基は、炭素数1~4のアルキル基であってよい。mは、解像度が向上しやすい観点から、2又は3であってよく、2であってよい。
上記一般式(I)で表される化合物としては、カテコール、2-メチルカテコール、3-メチルカテコール、4-メチルカテコール、2-エチルカテコール、3-エチルカテコール、4-エチルカテコール、2-プロピルカテコール、3-プロピルカテコール、4-プロピルカテコール、2-n-ブチルカテコール、3-n-ブチルカテコール、4-n-ブチルカテコール、2-tert-ブチルカテコール、3-tert-ブチルカテコール、4-tert-ブチルカテコール、3,5-ジ-tert-ブチルカテコール等のカテコール化合物(ベンゼン環上のオルト位に2つのヒドロキシ基を有する化合物);レゾルシノール(レゾルシン)、2-メチルレゾルシノール、4-メチルレゾルシノール、5-メチルレゾルシノール(オルシン)、2-エチルレゾルシノール、4-エチルレゾルシノール、2-プロピルレゾルシノール、4-プロピルレゾルシノール、2-n-ブチルレゾルシノール、4-n-ブチルレゾルシノール、2-tert-ブチルレゾルシノール、4-tert-ブチルレゾルシノール等のレゾルシノール化合物;1,4-ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、エチルヒドロキノン、プロピルヒドロキノン、tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン等のヒドロキノン化合物;ピロガロール、フロログルシノールン等の3価フェノール化合物などが挙げられる。
(D)成分は、解像度を向上させやすい観点、及び、高いアスペクト比を有するスペース部の硬化物パターンを得やすい観点から、カテコール化合物を含んでよく、アルキルカテコールを含んでよく、2-メチルカテコール、3-メチルカテコール、4-メチルカテコール、2-エチルカテコール、3-エチルカテコール、4-エチルカテコール、2-プロピルカテコール、3-プロピルカテコール、4-プロピルカテコール、2-n-ブチルカテコール、3-n-ブチルカテコール、4-n-ブチルカテコール、2-tert-ブチルカテコール、3-tert-ブチルカテコール、4-tert-ブチルカテコール、及び、3,5-ジ-tert-ブチルカテコールからなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでよく、3-tert-ブチルカテコール、4-tert-ブチルカテコール、及び、3,5-ジ-tert-ブチルカテコールからなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでよい。
(D)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して下記の範囲であってよい。(D)成分の含有量は、0質量部を超えており、光硬化部の光反応を充分に進行させやすいことからパターン形成性を高めやすい観点から、0.001質量部以上、0.005質量部以上、0.01質量部以上、又は、0.015質量部以上であってよい。(D)成分の含有量は、露光時間を短くしやすい観点から、1質量部以下、1質量部未満、0.8質量部以下、0.5質量部以下、0.3質量部以下、0.2質量部以下、0.15質量部以下、0.1質量部以下、0.08質量部以下、0.05質量部以下、0.03質量部以下、又は、0.02質量部以下であってよい。これらの観点から、(D)成分の含有量は、0質量部を超え1質量部以下、0質量部を超え1質量部未満、又は、0.01~0.3質量部であってよい。(D)成分がカテコール化合物を含む場合において、(D)成分の含有量は、0質量部を超え1質量部未満であってよい。
((E)成分:光増感剤)
本実施形態に係る感光性樹脂フィルムは、(E)成分として光増感剤((C)成分に該当する化合物を除く)を含有してよい。(E)成分を用いることにより、露光に用いる活性光線の吸収波長を有効に利用しやすい。
(E)成分としては、ベンゾフェノン化合物、ピラゾリン化合物、アントラセン化合物、クマリン化合物、キサントン化合物、チオキサントン化合物、オキサゾール化合物、ベンゾオキサゾール化合物、チアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、トリアゾール化合物、スチルベン化合物、トリアジン化合物、チオフェン化合物、ナフタルイミド化合物、トリアリールアミン化合物、アミノアクリジン化合物等が挙げられる。(E)成分は、解像度が向上しやすい観点から、ベンゾフェノン化合物を含んでよく、ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物を含んでよい。
ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物としては、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の4,4’-ジアルキルベンゾフェノン類;4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルスルフィドなどが挙げられる。
(E)成分の含有量は、光感度及び解像度を向上させやすい観点から、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して下記の範囲であってよい。(E)成分の含有量は、0.001質量部以上、0.005質量部以上、0.01質量部以上、又は、0.02質量部以上であってよい。(E)成分の含有量は、5質量部以下、1質量部以下、0.5質量部以下、0.2質量部以下、0.1質量部以下、又は、0.05質量部以下であってよい。これらの観点から、(E)成分の含有量は、0.01~5質量部であってよい。
(その他の成分)
本実施形態に係る感光性樹脂フィルムは、ロイコクリスタルバイオレットを含有してよい。これにより、感光性樹脂フィルムの光感度と解像度とをバランスよく向上させやすい。ロイコクリスタルバイオレットは、光を吸収して特定色に発色する発色剤(光発色剤)としての性質を有しており、その性質に起因して上記効果を奏すると考えられる。ロイコクリスタルバイオレットの含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して0.01~10質量部、0.05~5質量部、又は、0.1~3質量部であってよい。
本実施形態に係る感光性樹脂フィルムは、その他の成分を含有してよい。その他の成分としては、染料(マラカイトグリーン等)、トリブロモフェニルスルホン、発色剤(ロイコクリスタルバイオレットを除く)、熱発色防止剤、可塑剤(p-トルエンスルホンアミド等)、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤などが挙げられる。
<感光性エレメント>
本実施形態に係る感光性エレメントは、本実施形態に係る感光性樹脂フィルムと、当該感光性樹脂フィルムを支持する支持体と、を備える。図1は、感光性エレメントの一例を示す模式断面図である。図1に示す感光性エレメント1は、感光性樹脂フィルム1aと、感光性樹脂フィルム1aを支持する支持フィルム(支持体)1bと、を備えている。感光性樹脂フィルム1aは、支持フィルム1b上に配置されている。
支持フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルム、ポリエチレン-2,6-ナフタレート(PEN)フィルム等のポリエステルフィルム;ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等のポリオレフィンフィルムなどが挙げられる。
支持フィルムのヘーズ(Haze)は、0.01~5.0%、0.01~1.5%、0.01~1.0%、又は、0.01~0.5%であってよい。ヘーズは、JIS K7105に規定される方法に準拠して、市販の曇り度計(濁度計)を用いて測定できる。ヘーズは、例えば、NDH-5000(日本電色工業株式会社製、商品名)等の市販の濁度計で測定できる。
支持フィルムの厚さは、1~200μm、1~100μm、1~60μm、5~60μm、10~60μm、10~50μm、10~40μm、10~30μm、又は、10~25μmであってよい。支持フィルムの厚さが1μm以上であることで、支持フィルムを剥離する際に支持フィルムが破れることを抑制しやすい。支持フィルムの厚さが200μm以下であることで、経済的恩恵を得やすい。
本実施形態に係る感光性エレメントは、感光性樹脂フィルムの支持フィルムと反対側の面に保護フィルムを備えてよい。保護フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等の重合体フィルムを用いてよい。保護フィルムとしては、支持フィルムと同様の重合体フィルムを用いてよく、支持フィルムとは異なる重合体フィルムを用いてもよい。保護フィルムと感光性樹脂フィルムとの接着力は、支持フィルムと感光性樹脂フィルムとの接着力よりも小さくてよい。
感光性樹脂フィルムは、例えば、支持フィルム上に感光性樹脂組成物を塗布した後、乾燥して形成することができる。塗布は、例えば、ロールコート、コンマコート、グラビアコート、エアーナイフコート、ダイコート、バーコート等の公知の方法を用いて行うことができる。乾燥は、例えば、70~150℃、5~30分間程度で行うことができる。
支持フィルム上に感光性樹脂組成物を塗布する際、必要に応じて、溶剤を添加して固形分30~60質量%程度の感光性樹脂組成物を用いてよい。溶剤としては、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
感光性エレメントの形態は、特に制限されず、シート状であってよく、巻芯にロール状に巻き取った形状であってもよい。ロール状に巻き取る場合、支持フィルムが外側になるように巻き取ってよい。
<積層体の製造方法>
本実施形態に係る積層体の製造方法は、本実施形態に係る感光性樹脂フィルム又は感光性樹脂組成物を用いて感光層を基材(基板等)上に形成する感光層形成工程と、感光層の一部を光硬化させる露光工程と、感光層の未硬化部の少なくとも一部を除去して硬化物パターンを形成する現像工程と、を備える。
本実施形態に係る積層体の製造方法は、レジストパターンとして硬化物パターンを得る、レジストパターンの製造方法(形成方法)であってよく、レジストパターンの製造方法は、上述の感光層形成工程、露光工程、及び、現像工程を備える。「レジストパターン」とは、感光性樹脂フィルムの光硬化物パターンであり、レリーフパターンであるともいえる。レジストパターンの製造方法は、レジストパターン付き基材の製造方法であるともいえる。
感光層形成工程においては、本実施形態に係る感光性樹脂フィルム又は感光性樹脂組成物を用いて感光層を基材上に形成する。感光層形成工程においては、本実施形態に係る感光性エレメントの感光性樹脂フィルムを用いて感光層を基材上に形成してよく、本実施形態に係る感光性エレメントの感光性樹脂フィルムを基材に積層することにより感光層を基材上に形成してよい。感光性エレメントが保護フィルムを備える場合、保護フィルムを除去した後に感光性樹脂フィルムを基材に積層できる。感光層形成工程においては、例えば、感光性エレメントの感光性樹脂フィルムを70~130℃程度に加熱しながら、減圧下又は常圧下で、0.1~1MPa程度(1~10kgf/cm程度)の圧力で感光性樹脂フィルムを基材に圧着して積層することにより、基材上に感光層を形成することができる。感光層の厚さは、本実施形態に係る感光性樹脂フィルムの厚さと同等であってよい。基材としては、絶縁層と、絶縁層上に配置された金属層と、を備える積層体を用いてよく、例えば、ガラス繊維強化エポキシ樹脂等の絶縁性材料からなる層の片面又は両面に銅箔を設けた銅張積層板を用いることができる。
露光工程においては、感光層の少なくとも一部に活性光線を照射して光硬化部を形成できる。露光工程においては、支持フィルムを除去した後に感光層の少なくとも一部に活性光線を照射してよく、支持フィルムを介して感光層の少なくとも一部に活性光線を照射してよい。露光方法としては、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンを介して活性光線を画像状に照射する方法(マスク露光法)、投影露光法により活性光線を画像状に照射する方法、LDI(Laser Direct Imaging)露光法、DLP(Digital Light Processing)露光法等の直接描画露光法により活性光線を画像状に照射する方法などが挙げられる。
活性光線の光源としては、紫外線又は可視光を有効に放射する光源を用いてよく、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、ガスレーザ(アルゴンレーザ等)、固体レーザ(YAGレーザ等)、半導体レーザなどが挙げられる。
本実施形態に係る積層体の製造方法では、密着性向上の観点から、露光工程後、現像工程前に、露光後加熱(PEB:Post exposure bake)を行ってよい。PEBを行う場合の温度は、50~100℃であってよい。加熱機としては、ホットプレート、箱型乾燥機、加熱ロール等を用いてよい。
現像工程においては、感光層の未露光部として、感光層の光硬化部以外の少なくとも一部が基材上から除去されることで硬化物パターンが基材上に形成される。現像工程においては、感光層の未露光部の一部又は全部が除去される。絶縁層上に配置された金属層を備える積層体を基材として用いる場合、感光層の未露光部を除去することにより金属層を露出させることができる。
感光層上に支持フィルムが存在している場合には、支持フィルムを除去した後、感光層の光硬化部以外の部分(未露光部)の除去(現像)を行うことができる。現像方法として、ウェット現像又はドライ現像を用いることができる。
ウェット現像の場合、感光層の組成に応じた現像液を用いて公知の現像方法により現像することができる。現像方法としては、ディップ方式、パドル方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング、スクラッビング、揺動浸漬等を用いた方法などが挙げられ、解像度が向上しやすい観点から、高圧スプレー方式を用いてよい。2種以上の現像方法を組み合わせて現像を行ってよい。
現像液の構成は、感光層の組成に応じて適宜選択される。現像液としては、アルカリ性水溶液、有機溶剤現像液等が挙げられる。
現像液として、安全且つ安定であり、操作性が良好である観点から、アルカリ性水溶液を用いてよい。アルカリ性水溶液の塩基としては、水酸化アルカリ(リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物等)、炭酸アルカリ(リチウム、ナトリウム、カリウム又はアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩等)、アルカリ金属リン酸塩(リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等)、アルカリ金属ピロリン酸塩(ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等)、ホウ砂、メタケイ酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、1,3-ジアミノ-2-プロパノール、モルホリンなどが挙げられる。
アルカリ性水溶液としては、0.1~5質量%炭酸ナトリウム水溶液、0.1~5質量%炭酸カリウム水溶液、0.1~5質量%水酸化ナトリウム水溶液等が挙げられる。アルカリ性水溶液のpHは、9~11であってよい。アルカリ性水溶液の温度は、感光層の現像性に合わせて調節できる。
アルカリ性水溶液は、例えば、界面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を含有してよい。アルカリ性水溶液に用いられる有機溶剤としては、アセトン、酢酸エチル、炭素数1~4のアルコキシ基を有するアルコキシエタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。有機溶剤現像液に用いられる有機溶剤としては、1,1,1-トリクロロエタン、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、γ-ブチロラクトン等が挙げられる。有機溶剤と水とを混合することにより、有機溶剤現像液における有機溶剤の含有量を1~20質量%の範囲に調整してよい。
本実施形態に係る積層体の製造方法は、必要に応じて、現像工程の後、60~250℃程度での加熱、又は、0.2~10J/cm程度の露光を行うことにより硬化物パターンを更に硬化する工程を備えてよい。
本実施形態に係る積層体の製造方法は、現像工程の後に、基材における硬化物パターンが形成されていない部分の少なくとも一部に導体層(例えば金属層)を形成する導体層形成工程を備えてよい。導体層形成工程において、導体層として導体パターン(例えば配線パターン)を得てよく、本実施形態に係る積層体の製造方法は、導体パターン(例えば配線パターン)の製造方法(形成方法)であってよい。導体層の構成材料としては、銅、半田、ニッケル、金等が挙げられる。本実施形態に係る積層体の製造方法は、導体パターンを備える配線板(例えばプリント配線板)の製造方法であってよい。
導体層形成工程においては、基材における硬化物パターンが形成されていない部分の少なくとも一部をめっき処理して導体層を形成してよい。導体層形成工程においては、硬化物パターンをマスクとして用いて、基材における硬化物パターンが形成されていない部分の少なくとも一部にめっき処理してよい。絶縁層上に配置された金属層を備える積層体を基材として用いる場合、基材における硬化物パターンが形成されていない部分に露出した金属層にめっき処理してよい。
めっき処理は、電解めっき処理であってよく、無電解めっき処理であってもよい。無電解めっき処理としては、硫酸銅めっき、ピロリン酸銅めっき等の銅めっき;ハイスローはんだめっき等のはんだめっき;ワット浴(硫酸ニッケル-塩化ニッケル)めっき、スルファミン酸ニッケルめっき等のニッケルめっき;ハード金めっき、ソフト金めっき等の金めっきなどが挙げられる。
本実施形態に係る積層体の製造方法は、導体層形成工程の後に、硬化物パターンの少なくとも一部を除去する硬化物除去工程を備えてよい。硬化物除去工程においては、硬化物パターンの一部又は全部が除去されてよい。
硬化物パターンは、例えば、現像工程に用いたアルカリ性水溶液よりも更に強アルカリ性の水溶液により剥離して除去することができる。この強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1~10質量%水酸化ナトリウム水溶液、1~10質量%水酸化カリウム水溶液等を用いることができる。硬化物パターンの除去方式としては、浸漬方式、スプレー方式等が挙げられる。硬化物パターンの除去方式は、単独で使用してよく、併用してもよい。
絶縁層上に配置された金属層を備える積層体を基材として用いる場合、硬化物除去工程において、金属層における硬化物パターンに被覆されていた部分が露出する。本実施形態に係る積層体の製造方法は、硬化物除去工程の後に、金属層における当該露出部を除去する工程を備えてよい。金属層は、例えば、エッチング処理により除去できる。
図2は、積層体の製造方法の一例を示す模式断面図である。
まず、図2の(a)に示すように、感光層形成工程において、図1の感光性エレメント1等を用いて感光層10を基材20上に形成する。感光層形成工程では、例えば、感光層10として感光性エレメント1の感光性樹脂フィルム1aを基材20上に積層した後に支持フィルム1bを剥離する。基材20としては、絶縁層上に配置された金属層を備える積層体を用いることができる。
次に、図2の(b)に示すように、露光工程において、感光層10に活性光線Lを照射して光硬化部を形成する。
次に、図2の(c)に示すように、現像工程において、感光層10の未硬化部を除去して硬化物パターン(レジストパターン)10aを形成する。
次に、図2の(d)に示すように、導体層形成工程において、硬化物パターン10aをマスクとして用いてめっき処理することにより、基材20における硬化物パターン10aが形成されていない部分に導体層(めっき層)30を形成する。
次に、図2の(e)に示すように、硬化物除去工程において、硬化物パターン10aを除去する。これにより、導体パターンとして導体層30を備える積層体を得ることができる。
以下、実施例により本開示を更に具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。
<感光性樹脂エレメントの作製>
表1に示すバインダーポリマーを合計56質量部と、光重合性化合物B-1を24質量部と、光重合性化合物B-2を5質量部と、光重合性化合物B-3を5質量部と、光重合性化合物B-4を5質量部と、光重合性化合物B-5を5質量部と、光重合開始剤(B-CIM、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、常州強力電子新材料株式会社製)を3質量部と、重合禁止剤(TBC、4-tert-ブチルカテコール、DIC株式会社製)を0.016質量部と、光増感剤(4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、保土ヶ谷化学工業株式会社製、商品名「EAB」)を0.02質量部と、発色剤(LCV、ロイコクリスタルバイオレット、山田化学工業株式会社製)を0.35質量部と、染料(MKG、マラカイトグリーン、大阪有機化学工業株式会社製)を0.008質量部と、レベリング剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製、商品名「SH-193」)を0.008質量部と、を混合することにより感光性樹脂組成物の溶液を調製した。表1中のバインダーポリマーの使用量の単位は「質量部」である。配合成分が溶液である場合、使用量は固形分換算量である。
バインダーポリマー及び光重合性化合物の詳細は、以下のとおりである。
(バインダーポリマー)
A-1:メタクリル酸/メタクリル酸メチル/メタクリル酸ブチルの共重合体(質量比:30/35/35、Mw:50000、Mn:21000、酸価:196mgKOH/g)のエチレングリコールモノメチルエーテル/アセトン溶液(固形分:48質量%)
A-2:メタクリル酸/メタクリル酸メチル/スチレン/メタクリル酸ベンジルの共重合体(質量比:27/5/45/23、Mw:51000、Mn:22000、酸価:176mgKOH/g)のエチレングリコールモノメチルエーテル/トルエン溶液(固形分:47質量%)
A-3:メタクリル酸/メタクリル酸2-ヒドロキシエチル/スチレン/メタクリル酸ベンジルの共重合体(質量比:27/3/50/20、Mw:35000、Mn:16000、酸価:176mgKOH/g)のエチレングリコールモノメチルエーテル/トルエン溶液(固形分:49質量%)
(光重合性化合物)
光重合性化合物B-1:2,2-ビス(4-(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン(昭和電工マテリアルズ株式会社製、商品名「FA-321M」、EO基の数:10(平均値))
光重合性化合物B-2:ポリアルキレングリコールジメタクリレート(昭和電工マテリアルズ株式会社製、商品名「FA-023M」、EO基の数:6(平均値)、PO基の数:12(平均値))
光重合性化合物B-3:ポリオキシエチレンウレタンジメタクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名「UA-11」)
光重合性化合物B-4:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンウレタンジメタクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名「UA-13」)
光重合性化合物B-5:ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート(昭和電工マテリアルズ株式会社製、商品名「FA-318A」)
感光性樹脂組成物の溶液をPETフィルム(支持フィルム、厚さ:16μm、東レ株式会社製、商品名:FB-40)上に均一に塗布した後、熱風対流式乾燥器を用いて70℃で10分間及び100℃で10分間乾燥することにより、感光性樹脂組成物からなる感光層(感光性樹脂フィルム)をPETフィルムの片面に備える感光性エレメントを作製した。株式会社ニコン製の測定装置(本体:商品名「MH-15」、測定ステージ:商品名「MS-5C」)を用いて感光層の10箇所の厚さを測定し、厚さの平均値を得た。感光層の厚さの平均値を表1に示す。
<評価>
(解像度)
銅箔(厚さ:12μm)をガラス繊維強化エポキシ樹脂層の両面に積層した銅張積層板(昭和電工マテリアルズ株式会社製、商品名「MCL-E-67」)を水洗した。続いて、酸洗及び水洗を行った後、空気流で乾燥した。次いで、銅張積層板を80℃に加温した後、感光性エレメントを銅張積層板の銅箔に積層した。積層は、110℃のヒートロールを用いて0.4MPaの圧着圧力、1.0m/分のロール速度で行った。これにより、銅張積層板、感光層及びPETフィルムがこの順に積層された積層体を得た。
積層体のPETフィルム上に、ネガマスクとして、濃度領域0.00~2.00、濃度ステップ0.05、タブレットの大きさ20mm×187mm、各ステップの大きさが3mm×12mmである41段ステップタブレットを有するフォトツールを配置した。次いで、高圧水銀灯を光源とする平行光露光装置(株式会社オーク製作所製、商品名「EXM-1201」)を用いて、41段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が17.0段となるエネルギー量で感光層を露光した。
積層体のPETフィルム上に、解像度評価用ネガとしてテストパターン(ライン幅/スペース幅:x/x(x:8~100、単位:μm))を載置した。次いで、41段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が17.0段となるエネルギー量で感光層を露光した。次いで、PETフィルムを剥離した後、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を最短現像時間(未露光部が除去される最短時間)の2倍の時間でスプレーすることにより未露光部を除去(現像)してレジストパターン(硬化物パターン)を得た。
現像後、スペース部分(未露光部)がきれいに除去され、且つ、ライン部分(露光部)が蛇行及び欠けを生じることなく形成されたレジストパターンのうち、最も小さいライン幅/スペース幅の値により解像度を評価した。解像度はスペース幅の最小値により評価した。この数値が小さいほど、解像度が良好であることを意味する。また、この解像度の最小値に対するレジストパターンの厚さの比率(アスペクト比:レジストパターンの厚さ/解像度の最小値)を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2022136596000003
1…感光性エレメント、1a…感光性樹脂フィルム、1b…支持フィルム(支持体)、10…感光層、10a…硬化物パターン、20…基材、30…導体層、L…活性光線。

Claims (12)

  1. バインダーポリマー、光重合性化合物、光重合開始剤、及び、重合禁止剤を含有し、
    前記バインダーポリマーが、炭素数3以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルを単量体単位として有するポリマーを含み、
    厚さが35~300μmである、感光性樹脂フィルム。
  2. 前記バインダーポリマーが、(メタ)アクリル酸ブチルを単量体単位として有するポリマーを含む、請求項1に記載の感光性樹脂フィルム。
  3. 前記光重合性化合物がビスフェノール型(メタ)アクリレートを含む、請求項1又は2に記載の感光性樹脂フィルム。
  4. 前記光重合性化合物がポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の感光性樹脂フィルム。
  5. 前記光重合性化合物が、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレートを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の感光性樹脂フィルム。
  6. 前記重合禁止剤がカテコール化合物を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の感光性樹脂フィルム。
  7. 前記重合禁止剤の含有量が、前記バインダーポリマー及び前記光重合性化合物の総量100質量部に対して0質量部を超え1質量部未満である、請求項6に記載の感光性樹脂フィルム。
  8. 前記重合禁止剤の含有量が、前記バインダーポリマー及び前記光重合性化合物の総量100質量部に対して0.01~0.3質量部である、請求項1~7のいずれか一項に記載の感光性樹脂フィルム。
  9. 請求項1~8のいずれか一項に記載の感光性樹脂フィルムと、当該感光性樹脂フィルムを支持する支持体と、を備える、感光性エレメント。
  10. 請求項1~8のいずれか一項に記載の感光性樹脂フィルムを用いて感光層を基材上に形成する工程と、
    前記感光層の一部を光硬化させる工程と、
    前記感光層の未硬化部の少なくとも一部を除去して硬化物パターンを形成する工程と、を備える、積層体の製造方法。
  11. 前記基材における前記硬化物パターンが形成されていない部分の少なくとも一部に導体層を形成する工程を更に備える、請求項10に記載の積層体の製造方法。
  12. 前記硬化物パターンの少なくとも一部を除去する工程を更に備える、請求項11に記載の積層体の製造方法。
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