WO2024142487A1 - 感光性樹脂組成物、感光性エレメント、及び配線基板の製造方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、感光性エレメント、及び配線基板の製造方法

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本開示に係る感光性樹脂組成物は、バインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、増感剤と、を含有し、バインダーポリマーが、スチレン化合物及び(メタ)アクリル酸アリールを単量体単位として有するポリマーを含み、光重合性化合物が、ラジカルにより反応する反応基を2以上有し、且つ、オキシエチレン基を8~16有する多官能モノマーを含み、当該多官能モノマーの含有量が、光重合性化合物の総量を基準として96質量%以上である。

Description

感光性樹脂組成物、感光性エレメント、及び配線基板の製造方法
 本開示は、感光性樹脂組成物、感光性エレメント、及び配線基板の製造方法に関する。
 配線基板として用いることが可能な積層体の製造においては、所望の配線を得るためにレジストパターンが形成される。レジストパターンは、感光性樹脂組成物を用いて得られる感光性樹脂層を露光及び現像することにより形成することができる。感光性樹脂組成物としては、各種組成物が検討されている。例えば、特許文献1では、アントラセン誘導体を含有する感光性樹脂組成物が記載されている。
国際公開第2007/004619号
 レジストパターンとして用いられる硬化物パターンは、例えば、基材上に配置された感光層を光硬化(露光)した後、感光層の未硬化部(未露光部)を現像して除去することにより形成される。そして、基材における硬化物パターンが形成されていない部分にめっき処理を施した後、硬化物パターンは剥離(除去)され、配線パターンが形成される。微細な配線層を形成するためには、レジストパターンの解像性をより高くすることが求められる。また、光硬化後の感光層が脆いと、現像時にレジストパターンに折れ欠け等が生じて、微細な配線層を形成する際の歩留まりが低下することがある。そのため、微細な配線層を形成するために用いられる感光性樹脂組成物には、解像性に優れ、良好な形状を有するレジストパターンを形成することが求められる。
 本開示の一側面は、解像性に優れ、良好な形状を有するレジストパターンを形成することが可能な感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。本開示の他の一側面は、当該感光性樹脂組成物を用いた感光性エレメント及び配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
 本開示は、以下の感光性樹脂組成物、感光性エレメント、及び配線基板の製造方法を提供する。
[1]バインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、増感剤と、を含有し、バインダーポリマーが、スチレン化合物及び(メタ)アクリル酸アリールを単量体単位として有するポリマーを含み、光重合性化合物が、ラジカルにより反応する反応基を2以上有し、且つ、オキシエチレン基を8~16有する多官能モノマーを含み、当該多官能モノマーの含有量が、上記光重合性化合物の総量を基準として96質量%以上である、感光性樹脂組成物。
[2]上記多官能モノマーの分子量が、600~1200である、上記[1]に記載の感光性樹脂組成物。
[3]上記多官能モノマーが、ビスフェノールA骨格又はジトリメチロールプロパン骨格を更に有する、上記[1]又は[2]に記載の感光性樹脂組成物。
[4]上記バインダーポリマーが、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルを単量体単位として更に有する、上記[1]~[3]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[5]上記増感剤が、ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物又はアントラセン化合物を含む、上記[1]~[4]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[6]支持体と、該支持体上に[1]~[5]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を用いて形成された感光層と、を備える、感光性エレメント。
[7]上記[1]~[5]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を用いて感光層を基板上に設ける工程と、感光層の一部を光硬化させる工程と、感光層の未硬化部分を除去してレジストパターンを形成する工程と、上記基板のレジストパターンが形成されていない部分に配線層を形成する工程と、を備える、配線基板の製造方法。
[8]上記[6]に記載の感光性エレメントを用いて感光層を基板上に設ける工程と、感光層の一部を光硬化させる工程と、感光層の未硬化部分を除去してレジストパターンを形成する工程と、上記基板のレジストパターンが形成されていない部分に配線層を形成する工程と、を備える、配線基板の製造方法。
 本開示の一側面によれば、解像性に優れ、良好な形状を有するレジストパターンを形成することが可能な感光性樹脂組成物を提供することができる。本開示の他の一側面は、当該感光性樹脂組成物を用いた感光性エレメント及び配線基板の製造方法を提供することができる。
一実施形態に係る感光性エレメントを示す模式断面図である。 一実施形態に係る配線基板の製造方法を示す模式図である。
 以下、本開示の実施形態について詳細に説明する。
 以下、必要に応じて図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は特に明示した場合及び原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。このことは、数値及び範囲についても同様であり、本開示を不当に制限するものではないと解釈すべきである。
 本明細書において、「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。
 数値範囲の「A以上」とは、A及びAを超える範囲を意味する。数値範囲の「A以下」とは、A及びA未満の範囲を意味する。「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値と任意に組み合わせることができる。本明細書に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。「A又はB」とは、A及びBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。本明細書に例示する材料は、特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
 本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及びそれに対応する「メタクリル酸」の少なくとも一方を意味する。(メタ)アクリレート等の他の類似表現についても同様である。「アルキル基」は、特に断らない限り、直鎖状、分岐又は環状のいずれであってもよい。「(ポリ)オキシエチレン基」とは、オキシエチレン基、又は、2以上のエチレン基がエーテル結合で連結したポリオキシエチレン基を意味する。「(ポリ)オキシプロピレン基」とは、オキシプロピレン基、又は、2以上のプロピレン基がエーテル結合で連結したポリオキシプロピレン基を意味する。「EO変性」とは、(ポリ)オキシエチレン基を有する化合物であることを意味する。「PO変性」とは、(ポリ)オキシプロピレン基を有する化合物であることを意味する。「EO・PO変性」とは、(ポリ)オキシエチレン基及び/又は(ポリ)オキシプロピレン基を有する化合物であることを意味する。
 本明細書において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。本明細書において、「固形分」とは、感光性樹脂組成物において、揮発する物質(水、溶媒等)を除いた不揮発分を指す。すなわち、「固形分」とは、後述する感光性樹脂組成物の乾燥において揮発せずに残る溶媒以外の成分を指し、室温(25℃)で液状、水飴状又はワックス状のものも含む。
[感光性樹脂組成物]
 本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、(A)成分:バインダーポリマーと、(B)成分:光重合性化合物と、(C)成分:光重合開始剤と、(D)成分:増感剤と、を含有する。ここで、(A)成分は、スチレン化合物及び(メタ)アクリル酸アリールを単量体単位として有するポリマー(a)を含み、(B)成分が、ラジカルにより反応する反応基を2以上有し、且つ、オキシエチレン基を8~16有する多官能モノマーを含み、当該多官能モノマーの含有量が、光重合性化合物の総量を基準として96質量%以上である。本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、例えば、ネガ型の感光性樹脂組成物として用いることができる。感光性樹脂組成物は、必要に応じて、(E)成分:重合禁止剤又はその他の成分を更に含有していてもよい。以下、各成分について説明する。
((A)成分:バインダーポリマー)
 感光性樹脂組成物は、(A)成分としてバインダーポリマーを含有する。(A)成分は、重合性単量体を単量体単位(構造単位)として有することが可能であり、例えば、重合性単量体をラジカル重合させることにより得ることができる。
 (A)成分は、解像性に優れるレジストパターンを形成する観点から、スチレン化合物を単量体単位として有する。スチレン化合物としては、スチレン、スチレン誘導体等が挙げられる。スチレン誘導体としては、例えば、ビニルトルエン及びα-メチルスチレンが挙げられる。
 (A)成分におけるスチレン化合物の含有量は、(A)成分を構成する単量体単位の全量を基準として、解像性の観点から、35質量%以上、40質量%以上、42質量%以上、又は44質量%以上であってよく、現像性の観点から、70質量%以下、60質量%以下、58質量%以下、又は55質量%以下であってよい。これらの観点から、スチレン化合物の単量体単位の含有量は、35~70質量%、40~60質量%、42~58質量%、又は44~55質量%であってよい。
 (A)成分は、解像性に優れるレジストパターンを形成する観点から、(メタ)アクリル酸アリールを単量体単位として有する。(メタ)アクリル酸アリールとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、及び(メタ)アクリル酸ナフチルが挙げられる。
 (メタ)アクリル酸アリールの単量体単位の含有量は、(A)成分を構成する単量体単位の全量を基準として、解像性の観点から、5質量%以上、10質量%以上、15質量%以上、又は18質量%以上であってよく、解像性の観点から、40質量%以下、30質量%以下、28質量%以下、又は25質量%以下であってよい。これらの観点から、(メタ)アクリル酸アリールの単量体単位の含有量は、5~40質量%、10~30質量%、15~28質量%、又は18~25質量%であってよい。
 (A)成分は、アルカリ現像性を高める観点から、(メタ)アクリル酸を単量体単位として有してもよい。(A)成分における(メタ)アクリル酸の含有量は、(A)成分を構成する単量体単位の全量を基準として、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、又は25質量%以上であってよく、50質量%以下、45質量%以下、40質量%以下、35質量%以下、又は30質量%以下であってよい。
 (A)成分は、アルカリ現像性を高める観点から、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルを単量体単位として有してもよい。(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシペンチル、及び(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシルが挙げられる。
 (A)成分における(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルの含有量は、(A)成分を構成する単量体単位の全量を基準として、0.5質量%以上、1.0質量%以上、又は1.5質量%以上であってよく、20質量%以下、10質量%以下、又は5質量%以下であってよい。
 (A)成分は、上述した単量体以外にその他の単量体に由来する構造単位を更に有していてもよい。その他の単量体は、例えば、(メタ)アクリル酸アルキル、ビニルアルコールのエーテル類(ビニル-n-ブチルエーテル等)、(メタ)アクリロニトリル、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノエステル(マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等)、フマール酸、ケイ皮酸、α-シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、及びプロピオール酸が挙げられる。
 その他の単量体は、アルカリ現像性及び剥離特性を向上させる観点から、好ましくは、(メタ)アクリル酸アルキルであってよい。(メタ)アクリル酸アルキルのアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基又はこれらの構造異性体であってよく、剥離特性を更に向上させる観点から、炭素数1~4のアルキル基であってもよい。
 (A)成分の酸価は、好適に現像できる観点から、100mgKOH/g以上、120mgKOH/g以上、140mgKOH/g以上、150mgKOH/g以上、又は160mgKOH/g以上であってよく、感光性樹脂組成物の硬化物の密着性(耐現像液性)が向上する観点から、250mgKOH/g以下、240mgKOH/g以下、230mgKOH/g以下、200mgKOH/g以下、又は190mgKOH/g以下であってよい。(A)成分の酸価は、(A)成分を構成する構造単位の含有量(例えば、(メタ)アクリル酸に由来する構造単位)により調整できる。酸価は、実施例に記載の方法で測定することができる。
 (A)成分の重量平均分子量(Mw)は、感光性樹脂組成物の硬化物の密着性(耐現像液性)が優れる観点から、10000以上、20000以上、25000以上、又は30000以上であってよく、好適に現像できる観点から、100000以下、80000以下、60000以下、50000以下、又は40000以下であってよい。(A)成分の数平均分子量(Mn)は、硬化部の剥離時間を短縮化し易い観点、5000以上、10000以上、12000以上、又は15000以上であってよく、35000以下、30000以下、25000以下、又は22000以下であってよい。(A)成分の分散度(Mw/Mn)は、例えば1.0以上、1.5以上、又は2.0以上であってよく、密着性及び解像性が更に向上する観点から、3.0以下、2.8以下、又は2.5以下であってよい。
 重量平均分子量及び分散度は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレンの検量線を用いて測定することができる。より具体的には実施例に記載の条件で測定することができる。なお、分子量の低い化合物について、上述の重量平均分子量の測定方法で測定困難な場合には、他の方法で分子量を測定し、その平均を算出することもできる。
 (A)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、フィルムの成形性に優れる観点から、20質量%以上、30質量%以上、又は40質量%以上であってよく、感度及び解像性に更に優れる観点から、90質量%以下、80質量%以下、又は65質量%以下であってよい。
 (A)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、フィルムの成形性に優れる観点から、30質量部以上、35質量部以上、又は40質量部以上であってよく、感度及び解像性が更に向上する観点から、70質量部以下、65質量部以下、又は60質量部以下であってよい。
((B)成分:光重合性化合物)
 感光性樹脂組成物は、(B)成分として光重合性化合物を含有する。本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、(B)成分の総量を基準として、ラジカルにより反応する反応基を2以上有し、且つ、オキシエチレン基を8~16有する多官能モノマーを96質量%以上含むことにより、解像性に優れ、折れ欠け等のない良好な形状を有するレジストパターンを形成することが可能になる。
 多官能モノマーが有する反応基の数は、解像性により優れる観点から、2~6、2~5、又は2~4であってもよい。反応基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基等のエチレン性不飽和結合を有する基が挙げられる。多官能モノマーが有するオキシエチレン基の数は、レジストパターンの折れ欠けをより抑制する観点から、8~14、8~12、又は10~12であってもよい。多官能モノマーは、オキシプロピレン基を有していなくてよい。
 多官能モノマーの分子量は、レジストパターンの靱性を高める観点から、600~1200、700~1150、750~1100、又は780~1000であってもよい。
 多官能モノマーは、解像性を更に向上する観点から、ビスフェノールA骨格又はジトリメチロールプロパン骨格を更に有してもよい。ビスフェノールA骨格を有する多官能モノマーは、ビスフェノールA骨格を有する(メタ)アクリル酸化合物であってよい。ジトリメチロールプロパン骨格を有する多官能モノマーは、ジトリメチロールプロパン骨格を有する(メタ)アクリル酸化合物であってよい。多官能モノマーは、ビスフェノールA骨格を有する(メタ)アクリル酸化合物及びジトリメチロールプロパン骨格を有する(メタ)アクリル酸化合物の少なくとも一方を含んでよく、両方を含んでもよい。
 ビスフェノールA骨格を有する(メタ)アクリル酸化合物としては、例えば、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート(EO基:8~16)が挙げられる。ジトリメチロールプロパン骨格を有する(メタ)アクリル酸化合物としては、例えば、EO変性ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート(EO基:8~16)が挙げられる。
 多官能モノマーの含有量は、レジストパターンの折れ欠けをより抑制する観点から、(B)成分の総量を基準として97質量%以上が好ましく、98質量%以上がより好ましく、99質量%以上が更に好ましく、100質量%であってもよい。すなわち、(B)成分は、単官能モノマーを含まなくてよい。
 多官能モノマーの含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、感度及び解像性を更に向上する観点から、30~60質量部、35~55質量部、又は40~50質量部であってよい。
((C)成分:光重合開始剤)
 感光性樹脂組成物は、(C)成分として光重合開始剤を含有する。(C)成分は、(B)成分を重合させることができるものであれば、特に制限は無く、通常用いられる光重合開始剤から適宜選択することができる。
 (C)成分としては、例えば、ヘキサアリールビイミダゾール化合物;ベンゾフェノン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-1-ブタノン、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-2-(ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノ-プロパノン-1等の芳香族ケトン;アルキルアントラキノン等のキノン;ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;及びビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメチルベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルホスフィンオキサイド、(2,4,6-トリメチルベンゾイル)エトキシフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド化合物が挙げられる。
 (C)成分は、優れた感度、解像性及び密着性を得易い観点から、ヘキサアリールビイミダゾール化合物を含んでよい。ヘキサアリールビイミダゾール化合物におけるアリール基は、フェニル基等であってよい。ヘキサアリールビイミダゾール化合物におけるアリール基に結合する水素原子は、ハロゲン原子(塩素原子等)により置換されていてもよい。
 ヘキサアリールビイミダゾール化合物は、2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体であってよい。2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体としては、例えば、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ビス-(m-メトキシフェニル)イミダゾール二量体、及び2-(p-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体が挙げられる。ヘキサアリールビイミダゾール化合物は、優れた感度、解像性及び密着性を得易い観点から、好ましくは2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体であり、より好ましくは2,2-ビス(o-クロロフェニル)-4,5-4’,5’-テトラフェニル-1,2’ビイミダゾールである。
 ヘキサアリールビイミダゾール化合物の含有量は、優れた感度、解像性及び密着性を得易い観点から、(C)成分の全量を基準として、90質量%以上、95質量%以上、又は99質量%以上であってよい。(C)成分は、ヘキサアリールビイミダゾール化合物のみからなっていてよい。
 (C)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、1.0~20質量部、2.0~15質量部、3.0~10質量部、又は4.0~8.0質量部であってもよい。(C)成分の含有量がこの範囲であると、光感度及び解像性の両方をバランスよく向上させることが容易となる。
((D)成分:増感剤)
 感光性樹脂組成物は、(D)成分を含有することにより、露光に用いる活性光線の吸収波長を有効に利用することができる。
 (D)成分としては、例えば、ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物、ピラゾリン化合物、アントラセン化合物、クマリン化合物、キサントン化合物、チオキサントン化合物、オキサゾール化合物、ベンゾオキサゾール化合物、チアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、トリアゾール化合物、スチルベン化合物、トリアジン化合物、チオフェン化合物、ナフタルイミド化合物、トリアリールアミン化合物、及びアミノアクリジン化合物が挙げられる。
 ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物としては、例えば、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン及び4-メトキシ-4’-ジメチルアミノベンゾフェノンが挙げられる。
 ピラゾリン化合物としては、例えば、1-フェニル-3-(4-メトキシスチリル)-5-(4-メトキシフェニル)ピラゾリン、1-フェニル-3-(4-tert-ブチルスチリル)-5-(4-tert-ブチルフェニル)ピラゾリン、及び1-フェニル-3-ビフェニル-5-(4-tert-ブチルフェニル)ピラゾリンが挙げられる。
 クマリン化合物としては、例えば、3-ベンゾイル-7-ジエチルアミノクマリン、7-ジエチルアミノ-4-メチルクマリン、3,3’-カルボニルビス(7-ジエチルアミノクマリン)、及び2,3,6,7-テトラヒドロ-9-メチル-1H、5H,11H-[1]ベンゾピラノ[6,7,8-ij]キロリジン-11-オンが挙げられる。
 アントラセン化合物としては、例えば、9,10-ジメトキシアントラセン、9,10-ジエトキシアントラセン、9,10-ジプロポキシアントラセン、9,10-ジブトキシアントラセン、及び9,10-ジペントキシアントラセンが挙げられる。
 (D)成分は、解像度をより向上する観点から、ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物又はアントラセン化合物を含んでもよい。解像性及び密着性をより向上する観点から、(D)成分は、9,10-ジエトキシアントラセン、9,10-プロポキシアントラセン、又は9,10-ジブトキシアントラセンを含むことがより好ましい。
 (D)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、感度、密着性及び解像性をより向上する観点から、0.01~1.5質量部、0.02~1.2質量部、又は0.03~1.0質量部であってもよい。
((E)成分:重合禁止剤)
 感光性樹脂組成物は、レジストパターン形成時の未露光部における重合を抑制し、解像性を更に向上させる観点から、(E)成分:重合禁止剤を更に含有してもよい。重合禁止剤としては、例えば、4-tert-ブチルカテコール及び4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシルが挙げられる。
 (E)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、感度、解像性の観点から、0.001質量部以上、0.005質量部以上、又は、0.01質量部以上であってよく、感度、密着性の観点から、0.10質量部以下、0.08質量部以下、又は、0.05質量部以下であってよい。
(その他の成分)
 感光性樹脂組成物は、上述した成分以外のその他の成分の1種又は2種以上を更に含有してもよい。その他の成分としては、例えば、水素供与体(ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メタン、ビス[4-(ジエチルアミノ)フェニル]メタン、N-フェニルグリシン等)、染料(マラカイトグリーン等)、トリブロモフェニルスルホン、光発色剤(ロイコクリスタルバイオレット等)、熱発色防止剤、可塑剤(p-トルエンスルホンアミド等)、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、及び熱架橋剤が挙げられる。その他の成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.005質量部以上又は0.01質量部以上であってよく、20質量部以下又は10質量部以下であってもよい。
 感光性樹脂組成物は、粘度を調整する観点から、有機溶剤の1種又は2種以上を更に含有してもよい。有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルが挙げられる。感光性樹脂組成物は、例えば、(A)~(D)成分を有機溶剤に溶解して、固形分(不揮発分)が30~60質量%程度の溶液(以下、「塗布液」という)として用いることができる。なお、固形分とは、感光性樹脂組成物の溶液から揮発性成分を除いた残りの成分を意味する。
 感光性樹脂組成物は、レジストパターンの形成に好適に用いることができ、後述する配線基板の製造方法に特に好適に用いることができる。
[感光性エレメント]
 本実施形態に係る感光性エレメントは、支持体と、該支持体上に上述の感光性樹脂組成物を用いて形成された感光層と、を備える。感光性エレメントは、感光層上に保護層を更に備えてもよい。
 図1は、一実施形態に係る感光性エレメントを示す模式断面図である。感光性エレメント1は、図1に示すように、支持体2と、支持体2上に設けられた感光層3と、感光層3の支持体2と反対側に設けられた保護層4とを備えている。
 支持体は、耐熱性及び耐溶剤性を有するポリマーフィルムを用いることができる。支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン-2,6-ナフタレート(PEN)等のポリエステルフィルム、及びポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルムが挙げられる。
 支持体のヘーズ(Haze)は、0.01~5.0%、0.01~1.5%、0.01~1.0%、又は0.01~0.5%であってよい。ヘーズは、JIS K7105に規定される方法に準拠して、市販の曇り度計(濁度計)を用いて測定できる。ヘーズは、例えば、NDH-5000(日本電色工業株式会社製、商品名)等の市販の濁度計で測定できる。
 支持体の厚さは、支持体を感光層から剥離する際の支持体の破損を抑制し易い観点から、1μm以上、5μm以上、又は10μm以上であってよい。支持体の厚さは、支持体を介して露光する場合に好適に露光し易い観点から、100μm以下、50μm以下、30μm以下、又は20μm以下であってよい。
 保護層は、耐熱性及び耐溶剤性を有するポリマーフィルムであってよく、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルムを用いることができる。特に、保護層としてポリエチレンフィルムを用いることで、感光性エレメントの巻ズレを抑制でき、感光層から保護層を剥がす際に静電気が発生し難いため、感光層の破損を抑制することができる。
 保護層の厚さは、保護層を剥がしながら感光層及び支持体を基板上にラミネートする際、保護層の破損を抑制し易い観点から、1μm以上、5μm以上、10μm以上、又は15μm以上であってよい。生産性を向上し易い観点から、100μm以下、50μm以下、40μm以下、又は30μm以下であってよい。
 感光層は、上述した感光性樹脂組成物からなっている。感光層の乾燥後(感光性樹脂組成物が有機溶剤を含有する場合は有機溶剤を揮発させた後)の厚さは、塗工が容易になり、生産性が向上する観点から、1μm以上、5μm以上、又は10μm以上であってよく、密着性及び解像性が更に向上する観点から、100μm以下、50μm以下、40μm以下、又は30μm以下であってよい。
 感光性エレメント1は、例えば、以下のようにして得ることができる。まず、支持体2上に感光層3を形成する。感光層3は、例えば、有機溶剤を含有する感光性樹脂組成物を塗布して塗布層を形成し、この塗布層を乾燥することにより形成できる。次いで、感光層3の支持体2と反対側の面上に保護層4を形成する。
 塗布層は、例えば、ロールコート、コンマコート、グラビアコート、エアーナイフコート、ダイコート、バーコート等の公知の方法により形成される。塗布層の乾燥は、感光層3中に残存する有機溶剤の量が例えば2質量%以下となるように行われ、具体的には、例えば、70~150℃にて、5~30分間程度行われる。
 感光層の乾燥後(感光性樹脂組成物が有機溶剤を含有する場合は有機溶剤を揮発させた後)の厚さは、塗工が容易になり、生産性が向上する観点から、1μm以上、5μm以上、又は10μm以上であってよく、密着性及び解像性が更に向上する観点から、100μm以下、50μm以下、又は40μm以下であってよい。
 感光性エレメントは、他の一実施形態において、クッション層、接着層、光吸収層、ガスバリア層等のその他の層を更に備えていてもよい。
 感光性エレメント1は、例えば、シート状であってよく、巻芯にロール状に巻き取られた感光性エレメントロールの形態であってもよい。感光性エレメントロールにおいては、感光性エレメント1は、好ましくは、支持体2が外側になるように巻き取られている。巻芯は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体等で形成されている。感光性エレメントロールの端面には、端面保護の観点から、端面セパレータが設けられていてよく、耐エッジフュージョンの観点から、防湿端面セパレータが設けられていてよい。感光性エレメントは、例えば、透湿性の小さいブラックシートで包装されていてよい。
 本実施形態に係る感光性エレメントは、レジストパターンの形成に好適に用いることができ、後述する配線基板の製造方法に特に好適に用いることができる。
[レジストパターンの形成方法]
 本実施形態に係るレジストパターンの形成方法は、上記感光性エレメントを用いて、基板上に、該基板側から感光層と支持体とをこの順で配置する工程(感光層形成工程)と、上記支持体を介して上記感光層を活性光線によって露光する工程(露光工程)と、上記支持体を剥離した後、上記感光層の未硬化部を上記基板上から除去する工程(現像工程)と、を備え、必要に応じてその他の工程を含んでもよい。なお、レジストパターンとは、感光性樹脂組成物の光硬化物パターンともいえ、レリーフパターンともいえる。
(感光層形成工程)
 感光層形成工程においては、基板上に感光性エレメントを用いて感光層を形成する。上記基板としては、特に制限されないが、通常、絶縁層と絶縁層上に形成された導体層とを備えた回路形成用基板、又は、合金基材等のダイパッド(リードフレーム用基材)などが用いられる。
 基板上に感光層を形成する方法としては、例えば、感光性エレメントから保護層を除去した後、感光性エレメントの感光層を加熱しながら基板に圧着することにより、基板上に感光層を形成することができる。これにより、基板と感光層と支持体とをこの順に備える積層体が得られる。
 感光層形成工程は、密着性及び追従性の見地から、減圧下で行ってもよい。圧着の際の加熱は70~130℃の温度で行ってもよく、圧着は0.1~1.0MPa(1~10kgf/cm)の圧力で行ってもよいが、これらの条件は必要に応じて適宜選択できる。なお、感光性エレメントの感光層を70~130℃に加熱すれば、予め基板を予熱処理することは必要ではないが、密着性及び追従性を更に向上させるために、基板の予熱処理を行うこともできる。
(露光工程)
 露光工程においては、支持体を介して感光層を活性光線によって露光する。これにより、活性光線が照射された露光部が光硬化して、光硬化部(潜像)が形成される。
 露光方法としては、公知の露光方式を適用でき、例えば、アートワークと呼ばれるネガ若しくはポジマスクパターンを介して活性光線を画像状に照射する方法(マスク露光方式)、LDI(Laser Direct Imaging)露光方式、又は、フォトマスクの像を投影させた活性光線を用いレンズを介して画像状に照射する方法(投影露光方式)等が挙げられる。中でも、解像性に優れる観点から、LDI露光方式又は投影露光方式を用いてもよい。投影露光方式とは、減衰したエネルギー量の活性光線を用いる露光方式ともいえる。
 活性光線の光源としては、通常用いられる公知の光源であれば特に制限がなく、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、アルゴンレーザ等のガスレーザー、YAGレーザー等の固体レーザー、窒化ガリウム系青紫色レーザー等の半導体レーザーなどの紫外線を有効に放射するものが用いられる。これらの中では、解像性及びアライメント性をバランスよく向上させる観点で、露光波長365nmのi線単色光を放射できる光源、露光波長405nmのh線単色光を放射できる光源、又はihg混線の露光波長の活性光線を放射できる光源を用いてもよく、露光波長365nmのi線単色光又は露光波長405nmのh線単色光を放射できる光源を用いることが好ましい。露光波長365nmのi線単色光を放射できる光源としては、例えば、超高圧水銀灯等が挙げられる。露光波長405nmのh線単色光を放射できる光源として、例えば、波長405nmの青紫色レーザダイオードが挙げられる。
(露光後熱処理工程)
 本実施形態に係るレジストパターンの形成方法では、密着性向上の観点から、露光工程後、現像工程前に、露光後加熱(PEB:Post exposure bake)を行ってよい。PEBを行う場合の温度は、50~100℃であってよい。加熱機としては、ホットプレート、箱型乾燥機、加熱ロール等を用いてよい。
(現像工程)
 現像工程においては、上記支持体を剥離した後、上記感光層の未硬化部を基板上から除去する。現像工程により、上記感光層が光硬化した光硬化部からなるレジストパターンが基板上に形成される。現像方法は、ウェット現像又はドライ現像であってよく、好ましくはウェット現像である。
 ウェット現像の場合は、感光性樹脂組成物に対応した現像液を用いて、公知のウェット現像方法により現像することができる。ウェット現像方法としては、例えば、ディップ方式、パドル方式、高圧スプレー方式、ブラッシング、スクラッビング、揺動浸漬等を用いた方法が挙げられる。これらのウェット現像方法は1種を単独で又は2種以上の方法を組み合わせて現像してもよい。
 現像液は、感光性樹脂組成物の構成に応じて適宜選択される。現像液としては、例えば、アルカリ性水溶液及び有機溶剤現像液が挙げられる。
 安全且つ安定であり、操作性が良好である見地から、現像液として、アルカリ性水溶液を用いてもよい。アルカリ性水溶液の塩基としては、例えば、リチウム、ナトリウム若しくはカリウムの水酸化物等の水酸化アルカリ、リチウム、ナトリウム、カリウム若しくはアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩等の炭酸アルカリ、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩、ホウ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、1,3-ジアミノ-2-プロパノール及びモルホリンが用いられる。
 アルカリ性水溶液としては、例えば、0.1~5質量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1~5質量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1~5質量%水酸化ナトリウムの希薄溶液、0.1~5質量%四ホウ酸ナトリウムの希薄溶液等を用いることができる。また、現像に用いるアルカリ性水溶液のpHは、9~11の範囲としてもよく、アルカリ性水溶液の温度は、感光層の現像性に合わせて調節できる。また、アルカリ性水溶液中には、例えば、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
 アルカリ性水溶液に用いられる有機溶剤としては、例えば、3-アセトンアルコール、アセトン、酢酸エチル、炭素数1~4のアルコキシ基をもつアルコキシエタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、及びジエチレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。
 有機溶剤現像液に用いられる有機溶剤としては、例えば、1,1,1-トリクロロエタン、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、及びγ-ブチロラクトンが挙げられる。これらの有機溶剤は、引火防止の観点から、1~20質量%の範囲となるように水を添加して有機溶剤現像液としてもよい。
(その他の工程)
 本実施形態に係るレジストパターンの形成方法では、現像工程において未硬化部を除去した後、必要に応じて60~250℃での加熱又は0.2~10J/cmの露光量での露光を行うことによりレジストパターンを更に硬化する工程を含んでもよい。
[配線基板の製造方法]
 本実施形態に係る配線基板の製造方法は、上述した感光性樹脂組成物又は感光性エレメントを用いて感光層を基板上に設ける工程と、感光層の一部を光硬化させる工程と、感光層の未硬化部分を除去してレジストパターンを形成する工程と、上記基板のレジストパターンが形成されていない部分に配線層を形成する工程と、を備える。
 本実施形態に係るプリント配線板の製造方法は、上記レジストパターンの形成方法によりレジストパターンが形成された基板をエッチング処理又はめっき処理して導体パターンを形成する工程を含み、必要に応じてレジストパターン除去工程等のその他の工程を含んでもよい。本実施形態に係るプリント配線板の製造方法は、上記感光性エレメントによるレジストパターンの形成方法を使用することで、導体パターンの形成に好適に使用できるが、中でも、めっき処理により導体パターンを形成する方法への応用がより好適である。なお、導体パターンは、回路ともいえる。
 エッチング処理では、導体層を備えた基板上に形成されたレジストパターンをマスクとして、レジストによって被覆されていない基板の導体層をエッチング除去し、導体パターンを形成する。
 エッチング処理の方法は、除去すべき導体層に応じて適宜選択される。エッチング液としては、例えば、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素系エッチング液等が挙げられる。エッチファクターが良好な点から、エッチング液として塩化第二鉄溶液を用いてもよい。
 めっき処理では、導体層を備えた基板上に形成されたレジストパターンをマスクとして、レジストによって被覆されていない基板の導体層上に銅又は半田等をめっきする。めっき処理の後、後述するレジストパターンの除去によりレジストを除去し、更にこのレジストによって被覆されていた導体層をエッチングして、導体パターンを形成する。
 めっき処理の方法としては、電解めっき処理であっても、無電解めっき処理であってもよく、例えば、硫酸銅めっき、ピロリン酸銅めっき等の銅めっき、ハイスローはんだめっき等のはんだめっき、ワット浴(硫酸ニッケル-塩化ニッケル)めっき、スルファミン酸ニッケルめっき等のニッケルめっき、ハード金めっき、ソフト金めっき等の金めっきが挙げられる。
 上記エッチング処理又はめっき処理の後、基板上のレジストパターンは除去される。レジストパターンの除去は、例えば、上記現像工程に用いたアルカリ性水溶液よりも更に強アルカリ性の水溶液により剥離することができる。この強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1~10質量%水酸化ナトリウム水溶液、1~10質量%水酸化カリウム水溶液等が用いられる。これらの中では、1~5質量%水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液を用いてもよい。
 レジストパターンの除去方式としては、例えば、浸漬方式及びスプレー方式が挙げられ、これらは単独で使用してもよいし、併用してもよい。
 めっき処理を施してからレジストパターンを除去した場合、更にエッチング処理によってレジストで被覆されていた導体層をエッチングし、導体パターンを形成することで所望のプリント配線板を製造することができる。この際のエッチング処理の方法は、除去すべき導体層に応じて適宜選択される。例えば、上述のエッチング液を適用することができる。
 本実施形態に係るプリント配線板の製造方法は、単層プリント配線板のみならず、多層プリント配線板の製造にも適用可能であり、また小径スルーホールを有するプリント配線板等の製造にも適用可能である。
 本実施形態に係るプリント配線板の製造方法は、高密度パッケージ基板の製造、特にセミアディティブ工法による配線板の製造に好適に使用することができる。なお、セミアディティブ工法による配線基板の製造工程の一例を図2に示す。
 図2の(a)では、絶縁層50上に導体層40が形成された基板(回路形成用基板)を準備する。導体層40は、例えば、銅層である。図2の(b)では、上記感光層形成工程により、基板の導体層40上に感光層30及び支持体20を形成する。図2の(c)では、上記露光工程により、支持体20を介して感光層30上にフォトマスクの像を投影させた活性光線80を照射して、感光層30に光硬化部を形成する。図2の(d)では、現像工程により、上記露光工程により形成された光硬化部以外の領域を基板上から除去することにより、基板上に光硬化部であるレジストパターン32を形成する。
 図2の(e)では、光硬化部であるレジストパターン32をマスクとするめっき処理により、レジストによって被覆されていない基板の導体層40上にめっき層60を形成する。導体層40とめっき層60とでは、材質が同じであってもよく、異なっていてもよい。導体層40とめっき層60とが同じ材質である場合、導体層40とめっき層60とが一体化していてもよい。
 図2の(f)では、光硬化部であるレジストパターン32を強アルカリの水溶液により剥離除去する。強アルカリ性水溶液は、例えば、1~10質量%水酸化ナトリウム水溶液、1~10質量%水酸化カリウム水溶液等であってよい。次いで、フラッシュエッチング処理により、レジストパターン32でマスクされていた導体層40を除去し、エッチング処理後のめっき層62及びエッチング処理後の導体層42を含む導体パターン70を形成する。エッチング液は、導体層40の種類に応じて適宜選択され、例えば、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素エッチング液等であってよい。なお、図2では投影露光方式について説明したが、マスク露光方式、LDI露光方式を併用してレジストパターン32を形成してもよい。本実施形態に係る感光性エレメントを用いることで、微細な導体層(配線層)を有する配線基板を作製することができる。
 以上、本開示の好適な実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に何ら限定されるものではない。
 以下、実施例により本開示を更に具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。
((A)成分:バインダーポリマー)
 表1に示す単量体を、同表に示す配合量(単位:質量部)でアゾビスイソブチロニトリル0.9質量部と共に混合し、溶液(a)を調製した。1-メトキシ-2-プロパノール30質量部及びトルエン20質量部の混合液(x)50質量部に、アゾビスイソブチロニトリル0.5質量部を溶解して溶液(b)を調製した。撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、混合液(x)を500質量部(1-メトキシ-2-プロパノール300質量部及びトルエン200質量部)投入した後、フラスコ内に窒素ガスを吹き込みながら撹拌し、80℃まで昇温させた。フラスコ内の上記混合液に、滴下速度を一定にして上記溶液(a)を4時間かけて滴下した後、80℃にて2時間撹拌した。次いで、フラスコ内の溶液に、滴下速度を一定にして上記溶液(b)を10分間かけて滴下した後、フラスコ内の溶液を80℃にて3時間撹拌した。さらに、フラスコ内の溶液を30分間かけて95℃まで昇温させ、95℃にて2時間保温した後、撹拌を止め、室温(25℃)まで冷却して、バインダーポリマーA1~A3の溶液を得た。バインダーポリマーA1~A3の溶液の不揮発分(固形分)は49質量%であった。バインダーポリマーA1~A3の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及び酸価を表1に示す。
 Mw及びMnは、下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算することにより導出した。
(GPC条件)
 ポンプ:日立 L-6000型(株式会社日立製作所製、商品名)
 カラム:Gelpack GL-R420、Gelpack GL-R430、Gelpack GL-R440(以上、昭和電工マテリアルズ株式会社製、商品名)
 溶離液:テトラヒドロフラン
 測定温度:40℃
 流量:2.05mL/分
 検出器:日立 L-3300型RI(株式会社日立製作所製、商品名)
 酸価は次の手順で測定した。まず、酸価の測定対象であるバインダーポリマー1gを精秤した後にバインダーポリマーにアセトンを30g添加することにより均一に溶解して溶液を得た。次いで、指示薬であるフェノールフタレインをその溶液に適量添加した後、0.1NのKOH(水酸化カリウム)水溶液を用いて滴定を行った。バインダーポリマーのアセトン溶液を中和するために必要なKOHの質量(単位:mg)を算出することで酸価を求めた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 感光性樹脂組成物を調製するために、以下の成分を準備した。
((B)成分:光重合性化合物)
B1:EO変性ビスフェノールAジメタクリレート(EO基:10(合計値)、分子量:804、昭和電工マテリアルズ株式会社製、商品名「FA-321M」)
B2:EO変性ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート(EO基:12(合計値)、分子量:1050、東邦化学工業株式会社製)
B3:EO変性ビスフェノールAジメタクリレート(EO基:4(合計値)、新中村化学工業株式会社、商品名「BPE-200」)
B4:2,2-ビス(4-(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン(EO基:2.6(合計値)、共栄社化学株式会社製、商品名「BP-2EM」)
B5:(PO)(EO)(PO)変性ジメタクリレート(EO基:6及びPO基:12(合計値)、分子量:1114、昭和電工マテリアルズ株式会社製、商品名「FA-024M」)
((C)成分:光重合開始剤)
BCIM:2,2’-ビス(o-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール(Hampford社製)
((D)成分:増感剤)
D1:4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(保土谷化学工業株式会社製)
D2:9,10-ジブトキシアントラセン(エア・ウォーター・パフォーマンスケミカル株式会社製、商品名「UVS-1331」)
D3:9,10-ジエトキシアントラセン(エア・ウォーター・パフォーマンスケミカル株式会社製、商品名「UVS-1101」)
D4:9,10-ジプロポキシアントラセン(エア・ウォーター・パフォーマンスケミカル株式会社製、商品名「UVS-1221」)
((E)成分:重合禁止剤)
E1:4-tert-ブチルカテコール(DIC株式会社製、商品名「DIC-TBC」)
E2:4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシル(株式会社アデカ製、商品名「LA-7RD」)
(その他成分)
LCV:ロイコクリスタルバイオレット(山田化学工業株式会社製)
MKG:マラカイトグリーン(大阪有機化学工業株式会社製)
SF-808H:カルボキシベンゾトリアゾール、5-アミノ-1H-テトラゾール、メトキシプロパノールの混合物(サンワ化成株式会社製)
[実施例1~3、比較例1~2]
(感光性樹脂組成物)
 表2に示す各成分を同表に示す配合量(質量部)で混合することにより、感光性樹脂組成物をそれぞれ調製した。なお、表2に示す(A)成分の配合量(質量部)は、不揮発分の質量(固形分量)である。
(感光性エレメント)
 支持体として厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、商品名「FS-31」)を用意した。感光性樹脂組成物を支持体上に塗布した後、80℃及び120℃の熱風対流式乾燥器で順次乾燥して、感光層(乾燥後の厚さ:25μm)を形成した。保護層として厚さ28μmのポリエチレンフィルム(タマポリ株式会社製、商品名「NF-15」)を感光層に貼り合わせ、支持体、感光層及び保護層を順に備える感光性エレメントを得た。
(積層体)
 ガラスエポキシ材の両面に配置された銅箔(厚さ:35μm)を備える銅張積層板(基板、昭和電工マテリアルズ株式会社製、商品名「MCL-E67」)に対して、酸洗及び水洗後、空気流で乾燥した。次いで、銅張積層板を80℃に加温した後、保護層を剥離しながら、感光層が銅表面に接するように感光性エレメントをラミネートすることにより、銅張積層板、感光層、及び支持体を順に備える積層体を得た。ラミネートは、110℃のヒートロールを用いて、0.4MPaの圧着圧力、1.0m/分のロール速度で行った。
(感度)
 上述の積層体の支持体上に41段ステップタブレット(昭和電工マテリアルズ株式会社製)を載置した後、超高圧水銀ランプ(365nm)を光源とする投影露光装置(ウシオ電機(株)製、商品名「UX-2240SM」)を用いて、41段ステップタブレットの現像後の残存段数が11段となる露光量(照射エネルギー量)で、支持体を介して感光層を露光した。このときの露光量(単位:mJ/cm)により感度を評価した。露光量が少ないほど、感度が良好であることを意味する。
(解像性及び密着性)
 上述の積層体の支持体上にガラスクロムタイプのフォトツール(解像性ネガ:ライン幅(L)/スペース幅(S)(以下、「L/S」と記す。)が3x/x(x:3~20、単位:μm)の配線パターンを有するもの、密着性ネガ:ライン幅/スペース幅がx/3x(x:3~20、単位:μm)の配線パターンを有するもの)を使用し、超高圧水銀ランプ(365nm)を光源とする投影露光装置(ウシオ電機(株)製、商品名「UX-2240SM」)を用いて、41段ステップタブレットの現像後の残存段数が11段となる露光量(照射エネルギー量)で、支持体を介して感光層を露光した。露光後、積層体から支持体を剥離し、感光層を露出させ、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液を30℃にて最小現像時間の2倍の時間スプレーすることにより、未露光部を除去した。
 解像性ネガにおいて、現像処理後、スペース部分(未露光部)が残渣なく除去され、且つ、ライン部分(露光部)が蛇行及び欠けを生じることなく形成されたレジストパターンにおけるスペース幅のうちの最小値により解像性を評価した。この数値が小さいほど解像性が良好であることを意味する。
 密着性ネガにおいて、現像処理後、スペース部分(未露光部)が残渣なく除去され、且つ、ライン部分(露光部)が蛇行及び欠けを生じることなく形成されたレジストパターンにおけるライン幅のうちの最小値により密着性を評価した。この数値が小さいほど密着性が良好であることを意味する。
(折れ欠け率)
 上述の解像性及び密着性の評価と同様の手順で感光層を露光した後、積層体から支持体を剥離し、感光層を露出させ、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液を30℃にて最小現像時間の2倍の時間スプレーすることにより、未露光部を除去した。現像後、L/Sが10/10μmのレジストパターンにおいて、長さ9mmのラインを5本観察し、合計のライン長さ(45mm)に対して、折れ欠け(折れ、欠け、剥がれ等)があったラインの長さ(mm)の割合を折れ欠け率として算出した。ラインに折れ欠けがなかった場合を「A」、折れ欠け率が20%未満であった場合を「B」、折れ欠け率が20%以上であった場合を「C」と評価した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
[実施例4~8、比較例3~4]
(感光性樹脂組成物)
 表3に示す各成分を同表に示す配合量(質量部)で混合することにより、感光性樹脂組成物をそれぞれ調製した。なお、表3に示す(A)成分の配合量(質量部)は、不揮発分の質量(固形分量)である。
(感光性エレメント及び積層体)
 感光性樹脂組成物を、乾燥後の感光層の厚さが15μmになるように支持体上に塗布したことを除いて、実施例1~3と同様の方法で感光性エレメント及び積層体を作製した。
(感度)
 上述の積層体の支持体上に41段ステップタブレット(昭和電工マテリアルズ株式会社製)を載置した後、波長405nmの青紫色レーザダイオードを光源とする直描露光機(ビアメカニクス株式会社製、商品名「DE-1UH」)により、41段ステップタブレットの現像後の残存段数が15段となる露光量(照射エネルギー量)で、支持体を介して感光層を露光した。このときの露光量(単位:mJ/cm)により感度を評価した。露光量が少ないほど、感度が良好であることを意味する。
(解像性)
 上述の積層体の支持体上に41段ステップタブレット(昭和電工マテリアルズ株式会社製)を載置した後、波長405nmの青紫色レーザダイオードを光源とする直描露光機(ビアメカニクス株式会社製、商品名「DE-1UH」)により、L/Sが3x/x(x=3~20、単位:μm、1μm間隔)である描画パターンを用いて、41段ステップタブレットの現像後の残存段数が15段となる露光量(照射エネルギー量)で、支持体を介して感光層に対して露光(描画)を行った。
 露光後、積層体から支持体を剥離し、感光層を露出させ、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液を30℃にて最小現像時間の2倍の時間スプレーすることにより、未露光部を除去した。現像後、スペース部分(未露光部)が残渣なく除去され、且つ、ライン部分(露光部)が蛇行及び欠けを生じることなく形成されたレジストパターンにおけるスペース幅のうちの最小値により解像性を評価した。この数値が小さいほど解像性が良好であることを意味する。
(密着性)
 L/Sがx/3x(x=1~20、単位:μm、1μm間隔)である描画パターンを用いた以外は解像性の評価と同様の手順で、感光層の露光及び現像を行い、未露光部を除去した。現像後、スペース部分(未露光部)が残渣なく除去され、且つ、ライン部分(露光部)が蛇行及び欠けを生じることなく形成されたレジストパターンにおけるライン幅のうちの最小値により密着性を評価した。この数値が小さいほど密着性が良好であることを意味する。
(折れ欠け率)
 上述の解像性及び密着性の評価と同様の手順で感光層を露光した後、積層体から支持体を剥離し、感光層を露出させ、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液を30℃にて最小現像時間の2倍の時間スプレーすることにより、未露光部を除去した。現像後、L/Sが5/5μmのレジストパターンにおいて、長さ8mmのラインを5本観察し、合計のライン長さ(40mm)に対して、折れ欠け(折れ、欠け、剥がれ等)があったラインの長さ(mm)の割合を折れ欠け率として算出した。ラインに折れ欠けがなかった場合を「A」、折れ欠け率が20%未満であった場合を「B」、折れ欠け率が20%以上であった場合を「C」と評価した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 1…感光性エレメント、2,20…支持体、3,30…感光層、4…保護層、32…レジストパターン、40…導体層、42…エッチング処理後の導体層、50…絶縁層、60…めっき層、62…エッチング処理後のめっき層、70…導体パターン、80…活性光線。

Claims (8)

  1.  バインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、増感剤と、を含有し、
     前記バインダーポリマーが、スチレン化合物及び(メタ)アクリル酸アリールを単量体単位として有するポリマーを含み、
     前記光重合性化合物が、ラジカルにより反応する反応基を2以上有し、且つ、オキシエチレン基を8~16有する多官能モノマーを含み、当該多官能モノマーの含有量が、前記光重合性化合物の総量を基準として96質量%以上である、感光性樹脂組成物。
  2.  前記多官能モノマーの分子量が、600~1200である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3.  前記多官能モノマーが、ビスフェノールA骨格又はジトリメチロールプロパン骨格を更に有する、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  4.  前記バインダーポリマーが、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルを単量体単位として更に有する、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  5.  前記増感剤が、ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物又はアントラセン化合物を含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  6.  支持体と、該支持体上に請求項1~5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を用いて形成された感光層と、を備える、感光性エレメント。
  7.  請求項1~5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を用いて感光層を基板上に設ける工程と、
     前記感光層の一部を光硬化させる工程と、
     前記感光層の未硬化部分を除去してレジストパターンを形成する工程と、
     前記基板の前記レジストパターンが形成されていない部分に配線層を形成する工程と、
    を備える、配線基板の製造方法。
  8.  請求項6に記載の感光性エレメントを用いて感光層を基板上に設ける工程と、
     前記感光層の一部を光硬化させる工程と、
     前記感光層の未硬化部分を除去してレジストパターンを形成する工程と、
     前記基板の前記レジストパターンが形成されていない部分に配線層を形成する工程と、
    を備える、配線基板の製造方法。
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