JP2022136087A - 空気調和機 - Google Patents
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Abstract
Description
図1には、壁WAに取り付けられている、一実施形態に係る空気調和機10の外観が示されている。以下においては、図1に矢印で示されている前後左右上下の方向を用いて、空気調和機10の各部の位置関係を説明する。空気調和機10の形状は、左右に長い直方体に基づいて概ね設定されている。従って、ケーシング20も左右に長い形状を呈する。空気調和機10には、ケーシング20の底面20bから前面20cにかけて左右に長く延びる吹出口11が形成されている。
(2-1)スキュー角と羽根車の騒音の関係
図7、図8及び図9に、20個の羽根車41を有するクロスフローファン40について、スキュー角が異なる場合(スキュー角が2.4°、3.0°及び4.5°の場合)の周波数と相対デシベルとの関係が示されている。図7、図8及び図9に示されているグラフは、シミュレーションによるものである。このシミュレーションは、図10に示されているように、各羽根車41の中心に点音源を仮定して、これら点音源で発生した音を観測点MPで合成して騒音を求め、求められた騒音のフーリエ解析を行って各次数の周波数の相対デシベルを計算している。各羽根車41の点音源から発生する音にはスキュー角に相当する位相差が付けられている。また、観測点MPは、回転軸方向における全ての羽根車41の中心を通る垂線上にあって、羽根車41まで所定距離L2だけ離れた点である。これらのシミュレーションが周波数毎の音圧レベルの傾向を調べるためのものであって音圧レベルの比較ができればよいので、図7、図8及び図9のグラフの縦軸には、相対的な音圧レベル(相対デシベル)が示されている。相対デシベルは、切欠きが無い翼からなる等ピッチの羽根車をスキュー角が0°となるように10個連結した場合の音圧レベルを60dBとして、相対的に表したものである。例えば、相対デシベルが20dBということは、40dBだけ音圧レベルが小さくなっているということである。
図17、図18、図19、図20、図21、図22及び図23には、羽根車41の個数が8個、11個、14個、15個、17個、20個及び23個の場合のグラフがそれぞれ示されており、これらのグラフの相対デシベルの値は、図14乃至図16と同様に、図10を用いて説明した方法によって計算されたものである。羽根車41の個数を変えても複数の羽根車41の全長が同じになるように各羽根車41の長さを調整しており、このように調整する点は羽根車41の個数の影響を比較するための他のグラフでも同様である。図17乃至図23には、1NZ周辺の騒音及び2NZ~3NZの騒音が、不等ピッチの羽根車とスキュー角によって、25dB程度以上の低下が見込めるスキュー角の設定範囲を検討した結果が示されている。
既に、図27では、羽根車41の個数を変化させたときの相対デシベルの変化について説明している。ここではさらに、図29を用いて、回転数が1100rpmの場合について、羽根車41の個数と騒音の音圧レベルの絶対値との関係の一例及び羽根車41の個数と2.4NZ音の突出量との関係の一例を示している。図29に示されているグラフG81には騒音の音圧レベルの絶対値の変化が示されており、グラフG82には2.4NZ音の突出量の変化が示されている。グラフG81,G82のいずれにおいても、羽根車41の個数が増加するに従って、音圧レベル及び突出量のいずれも減少する傾向が見られる。しかしながら、羽根車41の個数が17個以上ではこれらの減少幅が小さくなる傾向が見られる。
図31には、スキュー角が3.0°であって回転数が1100rpmの場合について、隙間Inと騒音の音圧レベルの絶対値及び隙間Inと2.4NZ音の突出量との関係の一例が示されている。隙間Inは、羽根車41から伝熱フィン36までの距離であり、図31では、5mm~20mmの範囲で変化している。ここに示されているデータは、羽根車41の直径D1が105mmの場合のものである。従って、隙間Inが直径D1の約5%から約19%の範囲についてのデータが図31に示されている。
図32には、20個の羽根車41を持ち、隙間Inが5mm、スキュー角が3.0°であって回転数が1400rpmの場合について、騒音に含まれる周波数と音圧レベルの絶対値との関係の一例が示されている。図32において、グラフG101は、切欠き42aを有する羽根車41を用いて実測した結果を示しており、グラフG102は、切欠き42aの無い羽根車41を用いて実測した結果を示している。グラフG101とグラフ102で大きく異なるところは、2.4NZ音の突出量であり、図32において楕円で囲まれている部分である。2.4NZ音の突出量は、切欠き42aを有する羽根車41を用いることで、切欠き42aの無い羽根車41を用いた場合に比べて3dB程度低減させることができている。
図33には、スキュー角4.5°で連結した、切欠き42aの無い10個の不等ピッチの羽根車41についての騒音の実測値の分析結果が示されている。図34には、スキュー角を適宜調節して連結した、切欠き42aを有する10個の不等ピッチの羽根車41についての騒音の実測値の分析結果が示されている。図35には、スキュー角を適宜調節して連結した、切欠き42aの無い20個の不等ピッチの羽根車41についての騒音の実測値の分析結果が示されている。図33、図34及び図35において、グラフG111~G118、グラフG121~G128及びグラフG131~G138は、それぞれ、回転数が1400rpm、1300rpm、1200rpm、1100rpm、1000rpm、900rpm、800rpm及び700rpmの場合の分析結果を示している。図33、図34及び図35に楕円で囲まれた部分を比較すると、NZに関連する周波数を持つ音が切欠き42a及び羽根車41の個数を2倍にしたことによって低減されていることが分かる。
(3-1)変形例1A
上記実施形態では、スキュー角を設定することで、互いに隣接する羽根車41の35枚の翼42について、対応する全ての翼42をずらしている。互いに隣接する羽根車41の不等ピッチの配列を同じにしなくてもよく、例えばピッチが異なる不等ピッチの羽根車41を用いてもよく、隣接する羽根車41の翼42が同じ位置に配列される場合もある。このように、互いに隣接する羽根車41の対応する全ての翼42が全て位置ずれしていなくてもよく、少なくとも1つの翼42が隣接する羽根車41について位置ずれしていればよい。
上記実施形態では、例えば20個の羽根車41が全て連結されて1本の連結体として一体化されている。しかし、一体化するときに1本の連結体になっていなくてもよく、例えば10個ずつ連結されて一体化され、2本の連結体になっていてもよい。その場合には、それら2本の連結体が連動して回転するように構成される。
上記実施形態では、空気調和機10が壁WAに取り付けられる壁掛け型である場合について説明したが、空気調和機10は壁掛け型に限られるものではない。例えば、空気調和機10は、天井から吊り下げられるタイプの空気調和機であってもよい。
(4-1)
以上説明したように、複数の羽根車41は、互いに隣接する羽根車41の複数の翼42のうちの少なくとも1つが位置ずれして配列されている。上記実施形態では、羽根車41の個数が20個である場合を中心に説明したが、クロスフローファン40は、回転軸に沿って並べられている複数の羽根車41の個数が14個以上30個以下であれば、各羽根車41で発生する2NZ音から3NZ音までの騒音が互いに十分に打ち消すことができる。その結果、クロスフローファン40の2NZ音から3NZ音までの騒音を十分に抑制することができる。上述のように、2NZから3NZまでの間の特定の範囲(例えば上述の70次から110次までの周波数を持つ音(2NZ~3NZの騒音))の音圧レベルが低下したことで、2NZ音から3NZ音までの騒音を抑制できたと判断してもよいし、2NZ音から3NZ音までの中で低下させたい特定の周波数を持つ音(例えば上述の2.4NZ音、2.5NZ音)に着目して、2NZ音から3NZ音までの中の着目した周波数を持つ音の音圧レベルが低下したことで2NZ音から3NZ音までの騒音を抑制できたと判断してもよい。2NZから3NZまでの間の特定の範囲の音圧レベルの低下で2NZ音から3NZ音までの騒音の抑制を判断する場合、その範囲の設定は、状況に応じて適宜行えばよく、上述の例に限られるものではない。また、特定の周波数を持つ音に着目する場合も、どの周波数の音に着目するかは状況に応じて適宜決めればよく、上述の例に限られるものではない。
羽根車41の数が17個以上であると、図25を用いて説明したように、位相ずれ(スキュー角)の公差などに起因する変動による2NZ音から3NZ音までを含む騒音の変化幅が小さくなる。また、羽根車41の数が25個以下であることから、仕切板43による送風抵抗が大きくなり過ぎるのを抑制することができる。その結果、良好な送風性能と高い静粛性を有する空気調和機10を安定して供給できる。
複数の羽根車41の回転軸方向の各々の長さ寸法が直径D1の40%以下であると、クロスフローファン40の長さもみじかくできて、空気調和機10の回転軸方向の長さ(左右方向の長さ)を短くできる。このような構造によって、空気調和機10は、コンパクト化が図られている。
熱交換器30は、隙間Inが羽根車41の直径D1の10%以下になるように配置されている。このような構造によって、熱交換器30とクロスフローファン40の占有空間を小さくできるので、空気調和機10の前後方向の奥行きdpを短くできて空気調和機10のコンパクト化が図れる。
上記実施形態では、羽根車41の直径D1が105mmである場合について説明しているが、クロスフローファン40は、羽根車41の直径D1が90mm以上150mm以下であり、回転数が700rpm以上2000rpm以下であると、十分な送風性能を得ることができる。
20 ケーシング
30 熱交換器
36 伝熱フィン
37 伝熱管
40 クロスフローファン
41 羽根車
42 翼
43 仕切板
Claims (6)
- 複数の翼(42)を周方向に配列した羽根車(41)を複数設けた円筒状のクロスフローファン(40)と、
前記羽根車の直径の20%以下の寸法の隙間をあけて前記クロスフローファンの空気流れ上流側に配置されている熱交換器(30)と、
を備え、
前記複数の羽根車は、互いに隣接する羽根車の前記複数の翼のうちの少なくとも1つが位置ずれして配列され、
前記クロスフローファンは、回転軸に沿って並べられている前記複数の羽根車の個数が14個以上30個以下である、空気調和機。 - 前記クロスフローファンは、2000rpm以下の回転数で送風する、
請求項1に記載の空気調和機。 - 前記クロスフローファンは、17個以上25個以下の羽根車を有する、
請求項1または請求項2に記載の空気調和機。 - 前記クロスフローファンは、前記複数の羽根車の回転軸方向の各々の長さ寸法が前記直径の40%以下である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の空気調和機。 - 前記熱交換器は、前記隙間が前記直径の10%以下になるように配置されている、
請求項1から4のいずれか一項に記載の空気調和機。 - 前記クロスフローファンは、前記直径が90mm以上150mm以下であり、回転数が700rpm以上2000rpm以下である、
請求項1から5のいずれか一項に記載の空気調和機。
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