JP2022136046A - 電気化学反応器のためのセパレータを製造するための方法、及び電気化学反応器のためのセパレータ - Google Patents

Abstract

【課題】本発明は、電気化学反応器のためのセパレータを製造するための方法、及び電気化学反応器のためのセパレータに関する。
【解決手段】製造方法が、セパレータ板１４に対向する膜／電極アセンブリの面に沿って流体を導くように構成されている流通面１６を備えているセパレータ板１４を準備するステップと、セパレータ板１４、膜／電極アセンブリ、及び／又はセパレータ４と共に膜／電極アセンブリを挟んでいる別のセパレータ４の間における封止を確保するために、セパレータ板１４の流通面１６に封止フィルム２４を貼付するステップと、を備えており、封止フィルム２４が、セパレータ板１４に接着するために、セパレータ板１４に面している第１の面２４Ａに接着性を有しており、セパレータ板１４の反対側に位置する第２の面２４Ｂに非接着性を有している。
【選択図】図２

Description

本発明は、電気化学セルを形成しているセパレータ及び膜／電極アセンブリのスタックを具備する電気化学反応器の分野に関する。

このような電気化学反応器は、例えば酸化剤と燃料との電気化学反応によって電気を生成するための燃料セル、又は電気を利用することによって液体から化学元素を分離するための、例えば水から二水素及び二酸素を生成するための電解槽とされる。

このような電気化学反応器では、膜／電極アセンブリそれぞれが、２つの電極の間に挿置されているイオン交換膜を具備する積層板の形態とされる。

セパレータそれぞれは板状の形態を有しており、セパレータの２つの面のうち少なくとも一方の面が、膜／電極アセンブリの一方の面に対向するように構成されており、これにより、流体は、流体が膜／電極アセンブリの一方の面に沿って流れるように案内される。

電気化学セルそれぞれは、２つのセパレータの間に挿置されている膜／電極アセンブリによって形成されており、セパレータそれぞれは、膜／電極アセンブリの面がセパレータに対応している状態で、流体室を形成しているので、電気化学反応が、流体室同士の間における膜／電極アセンブリを介したイオン交換によって実現される。

例えば、開口部は、流体を電気化学セルの流体室に供給するための少なくとも１つの入口マニホールドと、流体を流体室から戻すための少なくとも１つの出口マニホールドとをスタックに形成するように設けられている。

電気化学反応器を確実に動作させるために、膜／電極アセンブリの面それぞれと膜／電極アセンブリの当該面に対向するセパレータとの間において、及び／又は同一の電気化学セルの２つのセパレータの間において封止を確実にすることが必要とされる。

このような封止を実現するために、漏止ビード（sealing bead）の形態をしたシールが、セパレータそれぞれの封止領域に配設されている場合がある。

しかしながら、このようなシールを配設することは、ロボット制御で実施されたとしてもコストを要するものであり、特にシールが封止領域に正確に配置されていない場合やシールの形状が管理されていない場合には、廃棄率が無視できないものとなる。

本発明の目的のうち一の目的は、満足のいくシール性を得ながら、製造が容易で経済的な電気化学反応器のためのセパレータを製造するための方法を提供することである。

当該目的を達成させるために、本発明は、多層構造の電気化学セルを形成しているセパレータ及び膜／電極アセンブリのスタックから形成されている電気化学反応器のためのセパレータを製造するための製造方法であって、製造方法が、セパレータ板に対向する膜／電極アセンブリの面に沿って流体を導くように構成されている流通面を備えているセパレータ板を準備するステップと、セパレータ板、膜／電極アセンブリ、及び／又はセパレータと共に膜／電極アセンブリを挟んでいる別のセパレータの間における封止を確保するために、セパレータ板の流通面に封止フィルムを貼付するステップと、を備えており、封止フィルムが、セパレータ板に接着するために、セパレータ板に面している第１の面において接着性を有しており、セパレータ板の反対側に位置する第２の面において非接着性を有している、製造方法を提供する。

セパレータを形成するために封止フィルムをセパレータ板に貼付することによって、膜／電極アセンブリ又は別のセパレータと封止状態で接触するよう意図されたセパレータ板の封止領域に封止フィルムを迅速且つ経済的に貼付することができる。特に、封止フィルムの厚みの制御が容易とされるので、封止の制御が可能になる。非粘着性を有している封止フィルムの面が、例えばスタック製造の際に又はスタック上で実施される点検作業のために、セパレータの分解を可能にする。

特定の実施例では、以下の任意の特徴のうち１つ又は幾つかの特徴を、個別に又は技術的に可能な組み合わせで備えている：
－ 封止フィルムが、セパレータ板に貼付される前に、封止フィルムに通路を設けるために事前に切断されていること；
－ 封止フィルムが、封止フィルムをセパレータ板の流通面に対して押圧するように構成されている封止プレス機によって、セパレータ板に貼付されること；
－ 封止プレス機が、２つの封止プレス機部分品を備えており、２つの封止プレス機部分品が、２つの封止プレス機部分品の間に封止フィルム及びセパレータ板を位置決めするための開位置と、封止フィルムをセパレータ板に対して押圧するための閉位置との間において、互いに対して相対的に移動可能とされること；
－ 封止フィルムが、単一のシートとして、又は一連の封止フィルムから成る封止ウェブとして提供されること；
－ 製造方法が、セパレータ板と別のセパレータ板との間に挟まれている接着フィルムであって、両面に接着性を有している接着フィルムを介して、セパレータ板と別のセパレータ板とを積層すると共に組み付けることによって、セパレータ板を別のセパレータ板と組み付けるステップを備えていること；
－ セパレータ板と別のセパレータ板との間に接着フィルムを挟む前に、接着フィルムに窓を形成するように、接着フィルムが事前に切断されること；
－ 接着フィルムが、シートの形態で、又は一連の接着フィルムから成る接着テープの形態で提供されること；
－ 接着フィルムが、セパレータ板に貼付される封止フィルムの厚みより小さい厚みを有していること；
－ 別のセパレータ板が、セパレータ板の反対側に面している流通面に封止フィルムを備えており、封止フィルムが、別のセパレータ板に接着するために、別のセパレータ板に面している第１の面において接着性を有しており、別のセパレータ板の反対側の第２の面において非接着性を有していること。

また、本発明は、積層構造の電気化学セルを形成しているセパレータ及び膜／電極アセンブリのスタックから形成されている電気化学反応器を製造するための製造方法であって、スタックが、上述の製造方法によって得られた１つ以上のセパレータを利用して作られている、製造方法に関する。

さらに、本発明は、電気化学反応器のセパレータであって、流通面に対向する膜／電極アセンブリの面に沿って流体を導くように構成されている流通面を有しているセパレータ板と、膜／電極アセンブリ、及び／又はセパレータと共に膜／電極アセンブリを挟んでいる別のセパレータをセパレータ板で封止するために、セパレータ板の流通面に配設されている封止フィルムと、を備えているセパレータにおいて、封止フィルムが、セパレータ板に接着するために、セパレータ板に面している第１の面において接着性を有しており、セパレータ板の反対側に位置する第２の面において非接着性を有している、セパレータに関する。

特定の実施例では、以下の任意の特徴のうち１つ又は幾つかの特徴を、個別に又は技術的に可能な組み合わせで備えている：
－ セパレータが、セパレータ板と別のセパレータ板との間に挟まれている接着フィルムによって、セパレータと組み付けられている別のセパレータ板を備えていること；
－ 別のセパレータ板が、セパレータ板の反対側に流通面を有しており、セパレータが、流通面に配設されている封止フィルムを備えており、封止フィルムが、セパレータ板に接着するために、別のセパレータ板に面している第１の面に接着性を有しており、別のセパレータ板の反対側に位置する第２の面に非接着性を有していること。

また、本発明は、多層構造の電気化学セルを形成しているセパレータ及び膜／電極アセンブリのスタックから形成されている電気化学反応器であって、前記スタックが、上述のセパレータを含んでいる、電気化学反応器に関する。

本発明及びその利点については、添付図面を参照しつつ、非限定的な例を示すにすぎない発明の詳細な説明を精査することによって一層理解される。

形成された電気化学反応器のセパレータ及び膜／電極アセンブリのスタックの分解斜視図である。 図１に表わす断面ＩＩ－ＩＩにおけるセパレータの断面図である。 図２に表わすセパレータを製造するための方法のステップの概略図である。 図２に表わすセパレータを製造するための方法のステップの概略図である。 図２に表わすセパレータを製造するための別の方法のステップの概略図である。 図２に表わすセパレータを製造するための別の方法のステップの概略図である。 他の実施例におけるセパレータの断面図である。

図１に表わす電気化学反応器２は、積層構造の電気化学セル８を形成しているセパレータ４と膜／電極アセンブリ６とのスタックを備えている。電気化学セル８それぞれが、２つのセパレータ４の間に挿置されている膜／電極アセンブリ６によって形成されている。

図面を明瞭にするために、１つの電気化学セル８のみを図１に表わす。実際には、電気化学反応器２は、互いに重なり合った数十個又は数百個の電気化学セル８を含んでいる。

膜／電極アセンブリ６それぞれは、２つの電極１２の間に挿置されているイオン交換膜１０によって形成された積層板の形態とされる。イオン交換膜１０として、例えばプロトン交換膜（すなわちＰＥＭ）が挙げられる。

セパレータ４それぞれは、電気化学反応を目的として、膜／電極アセンブリ６の面に沿って流体を案内するように構成されている。電気化学反応では、膜／電極アセンブリ６の両側でセパレータ４を通じて案内された流体同士の間においてイオンが交換され、当該イオンが膜／電極アセンブリ６を通過する。

セパレータ４は類似しているので、一のセパレータ４についてのみ、図２を参照して詳細に説明する。

図１に表わすセパレータ４は、バイポーラ型セパレータであり、２つの膜／電極アセンブリ６の間に挿置されるように構成されており、２つの膜／電極アセンブリ６それぞれの一の面に沿って流体を案内する。

電気化学反応器がバイポーラ型セパレータ４を有している場合には、電気化学反応器は、セパレータ４と膜／電極アセンブリ６との交互のスタックによって形成されている。

図２は、重層されているセパレータ４を表わす。セパレータ４は、共に組み付けられた２つの積層型のセパレータ板１４によって形成されている。

セパレータ板１４はそれぞれ、セパレータ４の別のセパレータ板１４の反対側に面しており、セパレータ板１４が（図１において矢印で示すように）対向する膜／電極アセンブリ６の面に沿って流体を案内するように構成されている。

流通面１６はそれぞれ、流体が当該流通面１６に対向する膜／電極アセンブリ６の面に沿って流れるように、流体室１８を形成している。

流通面１６はそれぞれ、例えば膜／電極アセンブリ６に沿って流体を流すためのチャネルを有している。チャネルは、流動場を形成している。チャネルは、流体室１８を形成している。

セパレータ板１４はそれぞれ、スタックを貫通するマニホールドを形成するように意図された開口部２０を有している。

スタックにおいて、マニホールドはそれぞれ、マニホールドが接続されている流体室１８に流体を供給するために、若しくはマニホールドが接続されている流体室１８から流体を回収するために、電気化学セル８それぞれの２つの流体室１８のうち一の流体室と流通しており、又はセパレータ４の冷却チャネル２２（図２参照）と流通している。

セパレータ板１４はそれぞれ、セパレータ板１４の前記流通面１６に配設されている封止フィルム２をセパレータ板１４の流通面１６に備えている。

封止フィルム２４は、該当する場合には、マニホールドを封止するために、マニホールドの反対側に配置されている膜／電極アセンブリ６と共に、流通面１６によって形成されている流体室１８を封止するように構成されている。

封止フィルム２４は、流体が膜／電極アセンブリ６に沿って流体室１８に及び該当する場合にはマニホールドに流入させることができる通路（light）を有している。

例えば、主通路２６が流体室１８に沿って設けられており、及び／又はマニホールド通路２８がマニホールドを形成する開口部２０に沿って設けられている。

封止フィルム２４は、例えば封止フィルム２４の２つの側面のうち一の側面のみに粘着層を具備する、基材を備えている。

封止フィルム２４の基材は、例えば、シリコーン、エチレン・プロピレンゴム（すなわちＥＰＤＭ）、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、又はポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）、から作られている。好ましくは、封止フィルム２４の基材は、エチレン・プロピレンゴム（すなわちＥＰＤＭ）である。

封止フィルム２４は、例えば０．５０ｍｍ～０．７５ｍｍの厚さ、特に０．６０ｍｍに実質的に等しい厚さを有している。

接着層は、例えばアクリル系接着層とされる。

封止フィルム２４は、セパレータ板１４と接触する第１の面２４ａと、第１の面２４ａの反対側に位置する第２の面２４ｂであって、膜／電極アセンブリ６及び／又は別のセパレータ４と接触するように意図された第２の面２４ｂとを有している。

封止フィルム２４は、封止フィルム２４が貼付されるセパレータ板１４に面している第１の面２４Ａにおいて接着性を有しており（又は接着されており）、封止フィルム２４が貼付されるセパレータ板１４の反対側に面している第２の面２４Ｂにおいて非接着性を有している（又は接着されていない）。

封止フィルム２４は、セパレータ板１４に接着されている。封止フィルム２４を具備するセパレータ４は、封止フィルム２４がセパレータ４から分離することなく、スタックを作るために操作可能とされる。

スタックが完成した場合には、封止フィルム２４は、セパレータ板１４に対向する膜／電極アセンブリ６や膜／電極アセンブリ６を挟んでいる別のセパレータ４に接着されていない。

これにより、例えば、正常に機能しないセパレータ４や正常に機能しない膜／電極アセンブリ６を取り除くために、スタックを容易に分解することができる。スタックの他の構成要素を損傷させることなく、正常に機能しない構成要素のみを交換することができる。

動作中には、好ましくは、スタックは圧縮状態に維持されるので、セパレータ４に装着された封止フィルム２４は、加圧下において、膜／電極アセンブリ６に、又は／及び封止を確実にするのに十分な圧力でセパレータ４と共に膜／電極アセンブリ６を挟んでいる別のセパレータ４に貼付されている。

セパレータ４のセパレータ板１４はそれぞれ、セパレータ４の別のセパレータ板１４に面している組付面３４を有している。

セパレータ４は、セパレータ板１４同士を結合するために、２つのセパレータ板１４の間に挿置されている接着フィルム３６を備えている。接着フィルム３６は、両面において接着性を有している。

任意には、セパレータ板１４は、例えば２つのマニホールドを介して供給及び回収される冷却流体をセパレータ板１４同士の間で循環させるために設けられている冷却チャネル２２を形成している。

この場合には、接着フィルム３６は、好ましくは、セパレータ板１４同士の間を封止するように、特にマニホールドと冷却チャネル２２とを封止するように構成されている。

接着フィルム３６は、マニホールドの内部において及び該当する場合は冷却チャネル２２の内部において反応性流体を循環させるための窓を形成するように切断されている。接着フィルム３６は、マニホールド窓３８を備えており、例えば一のマニホールド窓が、マニホールドそれぞれに設けられている。

接着フィルム３６は、例えば接着フィルム３６の２つの側面それぞれに、接着層を備えている。

接着フィルム３６の基材は、例えば、シリコーン、エチレン・プロピレンゴム（すなわちＥＰＤＭ）、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）又はポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）等から作られている。好ましくは、接着フィルム３６の基材は、エチレン・プロピレンゴム（すなわちＥＰＤＭ）とされる。

接着フィルム３６は、例えば０．２０ｍｍ～０．３５ｍｍの厚さ、特に０．２５ｍｍに実質的に等しい厚さを有している。

一の例示的な実施例では、封止フィルム２４と接着フィルム３６とは、同一の材料から作られている。変形例では、封止フィルム２４と接着フィルム３６とは、異なる材料から作られている。

一の例示的な実施例では、封止フィルム２４は、接着フィルム３６の厚さとは異なる厚さを有している。

好ましくは、封止フィルム２４は、接着フィルム３６の厚さより完全に大きい厚さを有している。

図３及び図４は、図２に表わすセパレータ４を製造するための方法におけるステップを概略的に示す。

図３に表わすように、セパレータ４を製造するための方法は、接着フィルム３６を利用して２つのセパレータ板１４を組み付けるステップを備えている。組立ステップは、組立ステーション４０において実施される。

接着フィルム３６は、接着ウェブ４２の形態で包装されており、接着ウェブ４２は、例えば接着ロール４４の形態で巻回されている。

既知の方法であるが、前記接着ウェブ４２が巻回された場合に接着ウェブ４２が接着ウェブ４２自体に接着されることを防止するために、接着ウェブ４２は、例えば保護フィルム（図示しない）を接着ウェブ４２の少なくとも１つの面に備えている。

例えば、接着ウェブ４２は、接着ウェブ４２に接着フィルム３６を形成するように、且つ、接着ウェブ４２の接着フィルム３６それぞれに必要な窓を形成するように予め切断されている。

接着フィルム３６の事前の切断は、例えば、接着ロール４４を形成するために接着ウェブ４２を巻回する前に実施される。変形例では、接着フィルム３６の事前の切断は、接着ロール４４を巻き戻した後に、接着ウェブ４２の経路に沿って組立ステーション４０の上流に配置されている切断ステーション（図示しない）において実施される。

図示の実施例では、接着ウェブ４２が、接着ロール４４から巻回解除され、第１のセパレータ板１４が、接着ウェブ４２から予め切断された接着フィルム３６に対向して位置決めされ、その後に、第２のセパレータ板１４が、２つのセパレータ板１４の間に挿置された接着フィルム３６を具備するアセンブリを形成するために、２つのセパレータ板１４の間に接着フィルム３６を挟むように第１のセパレータ板１４に貼付される。

接着ウェブ４２上のすべての保護フィルムが、接着フィルム３６をセパレータ板１４に貼付する前に取り除かれるので、接着フィルム３６は、セパレータ板１４に接着され、セパレート板１４同士の間に結合力（cohesion）を提供することができる。

組立ステーション４０は、例えば、組立プレス機部分４８，５０を具備する組立プレス機４６を備えている。組立プレス機部分４８，５０はそれぞれ、セパレータ板１４を支持し、接着フィルム３６を挟んだ状態でセパレータ板１４を共に押圧するように構成されている。

予め切断された接着フィルム３６がセパレータ板１４同士の間に挟まれている場合には、事前に切断された接着フィルム３６は、セパレータ板１４が互いに対して押圧されることによって、又は切断によって、接着ウェブ４２の残り部分から分離される。

組立ステーション４０は、組立ステーション４０を介して、特に組立プレス機４６を介して接着ウェブ４２を走行させるように構成されている。

任意には、組立ステーション４０は、組立プレス機４６の下流において接着ウェブ４２を回収するための巻取機５４を含んでいる。

セパレータ板１４は、例えば真空装置によって組立プレス機部分４８，５０に保持される。

組立プレス機部分４８，５０とセパレータ板１４との間に真空を発生させることによって、セパレータ板１４は組立プレス機部分４８，５０に保持され、真空を除去することによって、セパレータ板１４が解放される。

２つの組立プレス機部分４８，５０は、２つの組立プレス機部分４８，５０の間に封止フィルム２４及びセパレータ板１４を位置決めするための開位置と、封止フィルム３６をセパレータ板１４に対して押圧するための閉位置との間において、互いに対して相対的に移動可能とされる。

一の例示的な実施例では、組立ステーション４０は、例えばベルトコンベアのような運搬機５５を備えており、組立プレス機部分４８のうち一の組立プレス機部分は、当該組立プレス機部分４８が組立ステーション４０に沿って移動可能とされるように、運搬機５５によって支持されている。

一の例示的な実施例では、組立プレス機部分５０のうち一の組立プレス機部分は、例えば多関節アーム、特に６関節アームを具備する組立ロボット５６のような組立ロボット５６に装着されている。組立ロボット５６は、セパレータ板１４を把持するように、２つのセパレータ板１４の間に接着フィルム３６を挟みつつセパレータ板１４を別のセパレータ板１４に押圧するように、任意にはその後に、例えば保管のために形成された組立品を把持するように構成されている。

図４に表わすように、セパレータ４を製造するための方法は、セパレータ４のセパレータ板１４それぞれの流通面１６又は流通面１６それぞれに封止フィルム２４を貼付することを含む封止ステップを備えている。

セパレータ板１４の流通面１６に対する封止フィルム２４の貼付は、結合ステーション６０において実施される。

封止フィルム２４は、例えばロール６４として巻回されている封止ウェブ６２として包装される。

上述のように、封止フィルム２４は、第１の接着面（又は接着された面）２４Ａと、第２の非接着面（又は接着されていない面面）２４Ｂとを有している。

既知の方法ではあるが、封止ウェブ６２は、封止ウェブ６２が封止ウェブ６２自体に接着されずに巻回可能とされるように、例えば保護フィルム（図示しない）を接着面に備えている。

例えば、封止ウェブ６２は、封止ウェブ６２に封止フィルム２４を形成するように予め切断されており、封止フィルム２４それぞれが、必要な通路（例えば主通路２６やマニホールド通路２８）を有している。

封止フィルム２４の事前の切断は、例えば、ロール６４を形成するために封止ウェブ６２を巻回する前に実施される。

変形例では、封止フィルム２４の事前の切断は、封止ウェブ６２を巻回解除した後に、封止ウェブ６２の経路に沿って結合ステーション６０の上流に配置されている切断ステーションにおいて実施される。

図示の実施例では、予め切断された封止ウェブ６２が、ロール６４から巻回解除され、封止フィルム２４を受容するための一の流通面１６を有するセパレータ板１４が、封止ウェブ６２から事前に切断された封止フィルム２４に対向して位置決めされ、封止フィルム２４が、セパレータ板１４の流通面１６に貼付される。

結合ステーション６０は、結合プレス機部分６８，７０を含む結合プレス機６６を備えており、結合プレス機部分６８，７０は、例えば、セパレータ板１４及び封止フィルム２４それぞれを支持し、封止フィルム２４をセパレータ板１４に接着するためにセパレータ板１４及び封止フィルム２４を共に押圧するように構成されている。

２つの結合プレス機部分６８，７０は、２つの結合プレス機部分６８，７０の間に封止フィルム２４及びセパレータ板１４を位置決めするための開位置と、封止フィルム２４をセパレータ板１４に対して押し付けるための閉位置との間において互いに対して相対的に移動可能とされる。

結合ステーション６０は、封止ウェブ６２を結合ステーション６０、特に結合プレス機６６を通じて走行させるように構成されている。

任意には、結合ステーションは、結合プレス機６６の下流において封止ウェブ６２を回収するためのリール７２を含んでいる。

セパレータ板１４は、例えば真空装置によって、対応する結合プレス機部分６８に保持される。

一の例示的な実施例では、結合ステーション６０は、例えばベルトコンベアのような運搬機７４を備えており、（単独又は別のセパレータ板１４と予め組み立てられた状態の）セパレータ板１４を受容するための結合プレス機部分６８は、セパレータ板１４を装着した結合プレス機部分６８が結合ステーション６０に沿って移動可能とされるように、運搬機７４によって支持されている。

一の実施例では、封止フィルム２４をセパレータ板１４に貼り付けるための結合プレス機部分７０は、例えば多関節アーム、特に６関節の多関節アームのような結合ロボット７６に装着されている。結合ロボット７６は、例えば、結合プレス機部分６８，７０を互いに密着させることができるように構成されている。

セパレータ４が２つの組み付けられたセパレータ板１４を備えている場合には、製造方法は、好ましくは、封止フィルム２４を２つのセパレータ板１４それぞれの流通面１６に貼付するステップを備えている。

一の例示的な実施例では、図４に表わすように、セパレータ板１４は、封止フィルム２４をセパレータ板１４それぞれの流通面１６に貼付する前に組み立てられる。

変形例では、セパレータ４を形成するために接着フィルム３６が挿置された２つのセパレータ板１４を組み立てる前に、セパレータ板１４それぞれに封止フィルム２４が設けられる。

電気化学反応器２を製造するための一の方法は、セパレータ板１４を準備することと、膜／電極アセンブリ６を準備することと、複数のセパレータ４を製造することと、結合ステップを実施することと、任意には、セパレータ４が２つのセパレータ板１４を組み付けることによって形成されている場合に上述の組立ステップを実施することと、その後に、セパレータ４及び膜／電極アセンブリ６のスタックを製造することを備えている。

本発明は、他の実施例も想定可能であるので、上述の実施例に限定される訳ではない。

接着フィルム３６は、接着ウェブ４２の形態で提供される代わりに、個々のシートの形態で提供される場合がある。

図５は、組立プレス機４６を具備する組立ステーション４０によって、個々のシートとして供給される接着フィルム３６を介して２つのセパレータ板１４を組み付けるステップを表わす。

セパレータ板１４は、接着フィルム３６を挟むことによって積層され、組立プレス機４６によって押圧される。

接着フィルム３６の貼付は、手作業で実施可能とされる。また、組立プレス機４６を停止させるための制御は、手作業で実施可能とされる。

変形例では、封止フィルム２４は、封止ウェブ６２として提供される代わりに、個々のシートとして提供される。

図６は、結合プレス機６６を具備する結合ステーション６０によって、個々のシートとして供給される封止フィルム２４を介して別のセパレータ板１４に予め組み付けられているセパレータ板１４を結合するステップを表わす。

封止フィルム２４は、結合プレス機６６によってセパレータ板に押圧される。

封止フィルム２４の貼付は、手作業で実施可能とされる。また、結合プレス機６６を停止させるための制御は、手作業で実施可能とされる。

また、この際に、セパレータ４が積層された２つのセパレータ板１４から形成される場合には、封止フィルム２４をセパレータ板１４それぞれの流通面１６に貼付する前に、セパレータ板が共に結合されるか、又は、セパレータ４を形成するために２つのセパレータ板１４の間に挿置された接着フィルム３６を介して２つのセパレータ板１４を結合する前に、セパレータ板１４それぞれに封止フィルム２４が配設される。

一の例示的な実施例では、図３及び図５に表わすように、セパレータ４の２つのセパレータ板１４が、接着フィルム３６の面それぞれに同時に貼付される。

別体の接着ウェブ４２又は接着シートとして包装された接着フィルム３６は、図３又は図５に表わすように、２つのセパレータ板１４の間において押圧される。

別の例示的な実施例では、セパレータ板１４は、接着フィルム３６の両面に順次に貼付される。

接着ウェブ４２又は別体のシートとして包装された接着フィルム３６は、最初に、例えば貼付ステーションにおいて、一のセパレータ板１４の組付面３４に貼付され、その後に別のセパレータ板１４が接着フィルム３６に貼付され、これにより２つのセパレータ板１４の間に挟まれた接着フィルム３６を具備するアセンブリが形成される。

接着フィルム３６が接着ウェブ４２として包装される場合には、（２つのセパレータ板１４のうち一のセパレータ板に接着フィルム３６を塗布するための）貼付ステーションと（接着フィルム３６を挟んでいるセパレータ板１４を押圧するための）組立ステーション４０とは、例えば接着ウェブ４２の経路に沿って前後に配置されている。

図７に表わす実施例のような変形例では、セパレータ４は、単一の材料片から作られている単一のセパレータ板１４を備えており、当該材料片は、２つの流通面１６を具備して構成されており、この場合には好ましくは、製造方法は、セパレータ板１４の２つの流通面１６それぞれに封止フィルム２４を貼付するステップを備えている。

このような場合には、製造方法は、一のセパレータ４を形成するために２つのセパレータ板１４を結合するステップを備えておらず、セパレータは、２つのセパレータ板１４を結合するための接着フィルム３６を含んでいない。

さらに、図２及び図７に表わすセパレータ４は、バイポーラ型セパレータ４とされる。バイポーラ型セパレータ４では、セパレータ４それぞれが、セパレータ４と膜／電極アセンブリ６とが交互に積み重ねられた状態で２つの膜／電極アセンブリ６の間に挿置されており、これによりセパレータ４の側面それぞれに配置されている２つの膜／電極アセンブリ６それぞれに沿って流体が案内されるように意図されている。

別の例示的な実施例では、セパレータ４は、単極性を有しており、単一の膜／電極アセンブリ６を介して封止するように意図されている。セパレータ４は、単一の流通面１６を有している。

２ 電気化学反応器
４ セパレータ
６ 膜／電極アセンブリ
８ 電気化学セル
１０ イオン交換膜
１２ 電極
１４ セパレータ板
１６ 流通面
１８ 流体室
２０ 開口部
２２ 冷却チャネル
２４ 封止フィルム
２４ａ 第１の面
２４ｂ 第２の面
２６ 主通路
２８ マニホールド通路
３４ （セパレータ板１４の）組付面
３６ 接着フィルム
３８ マニホールド窓
４０ 組立ステーション
４２ 接着ウェブ
４４ 接着ロール
４６ 巻取機
４８ 組立プレス機部分
５０ 組立プレス機部分
５４ 巻取機
５５ 運搬機
５６ 組立ロボット
６０ 結合ステーション
６２ 封止ウェブ
６４ ロール
６６ 封止プレス機（結合プレス機）
６８ 封止プレス機部分
７０ 封止プレス機部分
７２ リール
７４ 運搬機
７６ 結合ロボット

Claims (15)

1. 多層構造の電気化学セル（８）を形成しているセパレータ（４）及び膜／電極アセンブリ（６）のスタックから形成されている電気化学反応器のためのセパレータ（４）を製造するための製造方法であって、
   前記製造方法が、
   セパレータ板（１４）に対向する膜／電極アセンブリの面に沿って流体を導くように構成されている流通面（１６）を備えているセパレータ板（１４）を準備するステップと、
   前記セパレータ板（１４）、前記膜／電極アセンブリ（６）、及び／又は前記セパレータ（４）と共に前記膜／電極アセンブリ（６）を挟んでいる別のセパレータ（４）の間における封止を確保するために、セパレータ板（１４）の前記流通面（１６）に封止フィルムを貼付するステップと、
   を備えており、
   前記封止フィルム（２４）が、前記セパレータ板（１４）に接着するために、前記セパレータ板（１４）に面している第１の面（２４Ａ）において接着性を有しており、前記セパレータ板（１４）の反対側に位置する第２の面（２４Ｂ）において非接着性を有していることを特徴とする製造方法。
2. 前記封止フィルム（２４）が、セパレータ板（１４）に貼付される前に、前記封止フィルムに通路（２６，２８）を設けるために予め切断されていることを特徴とする請求項１に記載の製造方法。
3. 前記封止フィルム（２４）が、前記封止フィルム（２４）を前記セパレータ板（１４）の前記流通面（１６）に対して押圧するように構成されている封止プレス機（６６）によって、セパレータ板（１４）に貼付されることを特徴とする請求項１又は２に記載の製造方法。
4. 前記封止プレス機（６６）が、２つの封止プレス機部分品（６８，７０）を備えており、
   ２つの前記封止プレス機部分品（６８，７０）が、２つの前記封止プレス機部分品（６８，７０）の間に前記封止フィルム（２４）及び前記セパレータ板（１４）を位置決めするための開位置と、前記封止フィルム（２４）を前記セパレータ板（１４）に対して押圧するための閉位置との間において、互いに対して相対的に移動可能とされることを特徴とする請求項３による製造方法。
5. 前記封止フィルム（２４）が、単一のシートとして、又は一連の前記封止フィルム（２４）から成る封止ウェブ（６２）として提供されることを特徴とする請求項１～４のいずれか一項に記載の製造方法。
6. 前記製造方法が、前記セパレータ板（１４）と別のセパレータ板（１４）との間に挟まれている接着フィルム（３６）であって、両面に接着性を有している前記接着フィルム（３６）を介して、前記セパレータ板（１４）と別のセパレータ板（１４）とを積層すると共に組み付けることによって、前記セパレータ板（１４）を別のセパレータ板（１４）と組み付けるステップを備えていることを特徴とする請求項１～５のいずれか一項に記載の製造方法。
7. 前記セパレータ板（１４）と前記別のセパレータ板（１４）との間に前記接着フィルム（３６）を挟む前に、前記接着フィルム（３６）に窓（３８）を形成するように、前記接着フィルム（３６）が事前に切断されることを特徴とする請求項６に記載の製造方法。
8. 前記接着フィルム（３６）が、シートとして、又は一連の接着フィルム（３６）から成る接着テープ（４２）として提供されることを特徴とする請求項６又は７に記載の製造方法。
9. 前記接着フィルム（３６）が、前記セパレータ板（１４）に貼付される封止フィルム（２４）の厚みより小さい厚みを有していることを特徴とする請求項６～８のいずれか一項に記載の製造方法。
10. 前記別のセパレータ板（１４）が、前記セパレータ板（１４）の反対側に面している流通面（１６）に封止フィルム（２４）を備えており、
    前記封止フィルム（２４）が、前記別のセパレータ板（１４）に接着するために、前記別のセパレータ板（１４）に面している第１の面（２４Ａ）において接着性を有しており、前記別のセパレータ板（１４）の反対側の第２の面（２４Ｂ）において非接着性を有していることを特徴とする請求項６～９のいずれか１項に記載の製造方法。
11. 積層構造の電気化学セル（８）を形成しているセパレータ（４）及び膜／電極アセンブリ（６）のスタックによって形成されている電気化学反応器を製造するための製造方法において、
    前記スタックが、請求項１～１０のいずれか一項に記載の製造方法によって得られた１つ以上のセパレータ（４）を利用して作られていることを特徴とする製造方法。
12. 電気化学反応器のセパレータであって、
    流通面（１６）に対向する膜／電極アセンブリの面に沿って流体を導くように構成されている前記流通面（１６）を有しているセパレータ板（１４）と、
    前記膜／電極アセンブリ（６）、及び／又は前記セパレータ（４）と共に前記膜／電極アセンブリ（６）を挟んでいる別のセパレータ（４）を前記セパレータ板（１４）で封止するために、前記セパレータ板（１４）の前記流通面（１６）に配設されている封止フィルム（２４）と、
    を備えている前記セパレータにおいて、
    前記封止フィルム（２４）が、前記セパレータ板（１４）に接着するために、前記セパレータ板（１４）に面している第１の面（２４Ａ）において接着性を有しており、前記セパレータ板（１４）の反対側に位置する第２の面（２４Ｂ）において非接着性を有していることを特徴とするセパレータ。
13. 前記セパレータが、前記セパレータ板（１４）と前記別のセパレータ板との間に挟まれている接着フィルム（３６）によって、前記セパレータ（１４）と組み付けられている前記別のセパレータ板（１４）を備えていることを特徴とする請求項１２に記載のセパレータ。
14. 前記別のセパレータ板（１４）が、前記セパレータ板（１４）の反対側に流通面（１６）を有しており、
    前記セパレータが、前記流通面（１６）に配設されている封止フィルム（２４）を備えており、
    前記封止フィルム（２４）が、前記セパレータ板（１４）に接着するために、前記別のセパレータ板（１４）に面している第１の面（２４Ａ）に接着性を有しており、前記別のセパレータ板（１４）の反対側に位置する第２の面（２４Ｂ）に非接着性を有していることを特徴とする請求項１３に記載のセパレータ。
15. 多層構造の電気化学セル（８）を形成しているセパレータ（４）及び膜／電極アセンブリ（６）のスタックから形成されている電気化学反応器において、
    前記スタックが、１つ以上の請求項１２～１４のいずれか一項に記載のセパレータ（４）を含んでいることを特徴とする電気化学反応器。

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