JP2022135947A - 複合ポリエステルモノフィラメント - Google Patents

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Abstract

【課題】 細繊度、高強度、高タフネス、高モジュラスな複合ポリエステルモノフィラメントにおいて、糸‐梨地間動摩擦係数が小さく、スカム欠点のない優れた品位のスクリーン紗が得られる複合ポリエステルモノフィラメントを提供する。【解決手段】 芯成分および鞘成分がポリエステルからなる芯鞘複合モノフィラメントであり、要件(a)~(e)を満足する複合ポリエステルモノフィラメント。(a)繊度3.0~13.0dtex、(b)強度7.0~9.0cN/dtex、(c)タフネス(強度×伸度0.5)30以上、(d)5%伸長時の強度4.0~6.0cN/dtex、(e)繊維横断面の中心の結晶化度χc35%以上、(f)糸‐梨地間動摩擦係数F0.100~0.250μd【選択図】 なし

Description

印刷用スクリーン紗に用いるのに良好な品質が得られる複合ポリエステルモノフィラメントに関するものである。
スクリーン紗と呼ばれるモノフィラメントを製織した紗織物は、近年、急成長を続けるエレクトロニクス分野において、プリント回路基板のスクリーン印刷用メッシュクロス、なかでも家電や携帯電話、パソコン向けなどの電子回路の印刷分野などにおいて、印刷精度向上に対する要求が厳しくなってきている。そのため、紗張りにおいて伸びの少ない寸法安定性に優れたスクリーン紗が要求されてきている。すなわち、より細繊度、高強度、高タフネス、高モジュラスなポリエステルモノフィラメントが要求されている。ポリエステルモノフィラメントを高強度、高タフネス、高モジュラス化するためには、繊維の製造工程において高倍率で延伸を行い、高温で熱処理をすることで、高配向、高結晶化する必要がある。
また、極めて高密度で製織するため、筬をはじめとする織機の各部位で強い擦過をうけることになり、高倍率で延伸した高配向の繊維であるほど、繊維表面が削り節状に削り取られ易く、これが紗に織り込まれ残った場合、欠点に直結する問題となる。また、削り取られたスカムによって織機が汚染されてしまうため、定期的に清掃する必要があり、スカム発生が多いほど生産性が低下する。これらを改善するポリエステルモノフィラメントの技術確立が望まれている。
特許文献1では、最終延伸ローラーにて高温熱処理行うことで、結晶化度を向上させ、ポリエステルモノフィラメントのタフネスを最大限引き出す技術が開示されている。
特許文献2では、変性シリコーンを一定量含有させた油剤を使用することで、ポリエステルモノフィラメントに平滑性を付与し、製織時のスカム発生を抑制する技術が開示されている。特許文献3では、脂肪酸アルキルエステルを一定量含有させた油剤を使用することで、ポリエステルモノフィラメントの摩擦抵抗を低減させ、糸削れやスカム発生を抑制する技術が開示されている。また、脂肪酸アルキルエステルの重量平均分子量範囲を既定値以上の範囲とすることで、熱処理工程における該成分の熱揮発・分解を抑制し、ポリエステルモノフィラメントの平滑性を維持させる技術が開示されている。
特開2010-77563号公報 特開2008-81882号公報 特開2008-121125号公報
しかしながら、特許文献1には、使用する油剤に含まれる脂肪酸アルキルエステルの重量平均分子量範囲を既定する思想がなく、高温熱処理を行ったときに、脂肪酸アルキルエステルが揮発・分解してしまう。その結果、複合ポリエステルモノフィラメントの表面に付着する該成分の量が減少し、十分な平滑性を維持することができないため、繊維表面が削り取られ易くなる。
また、特許文献2に記載の油剤には変性シリコーンが使用されており、平滑性を向上させる技術が開示されているが、該成分は一般的に油剤中に偏在することなく分散している。該成分を積極的に油膜外側に配置させることができないため、要求される平滑性を達成することができず、繊維表面が削り取られ易くなる。
一方、特許文献3は、脂肪酸アルキルエステルの重量平均分子量範囲を既定値以上とすることで、高温熱処理を行った後でもポリエステルモノフィラメントの表面に該成分を付着させる技術が開示されている。しかしながら、分子量の増大により、該成分そのものの粘性抵抗による摩擦が生じてしまう問題があった。また、分子量を調整した脂肪酸アルキルエステルに対して、変性シリコーンを一定量含有させる思想がないため、変性シリコーン成分を積極的に油膜外側に配置させることができず、さらなる平滑性向上が実現できなかった。
そのため、確かに、特許文献2,3に記載の油剤を付与したポリエステルモノフィラメントは平滑性に富み、製織時に発生する筬などとの擦過を抑制する効果があり、当時の品質要求、織機の洗浄周期の要求は満たしていたが、近年の品質要求、織機の洗浄周期延長の要求は益々高いものとなり、上記の通り特許文献1に特許文献2、3に記載の方法を単に適用したような、特定の有効成分のみの効果だけでは満足できるものはなくなってきている。
本発明は、上記の課題を解決するため、以下の構成を採用する。
(1)芯成分および鞘成分がポリエステルからなる芯鞘複合モノフィラメントであり、下記要件(a)~(f)を満足する複合ポリエステルモノフィラメント。
(a)繊度 3.0~13.0dtex
(b)強度 7.0~9.0cN/dtex
(c)タフネス(強度×伸度0.5) 30以上
(d)5%伸長時の強度 4.0~6.0cN/dtex
(e)繊維横断面の中心の結晶化度χc 35%以上
(f)糸‐梨地間動摩擦係数F 0.100~0.250μd
本発明の複合ポリエステルモノフィラメントは、細繊度、高強度、高タフネス、高モジュラスな複合ポリエステルモノフィラメントにおいて、糸‐梨地間動摩擦係数が小さいので、製織時のスカム欠点の少ない優れた品位のスクリーン紗が得られ、高精密印刷向けに適した、印刷精度に優れるハイメッシュスクリーン紗を提供できる。
本発明の複合ポリエステルモノフィラメントについて説明する。
本発明でいうポリエステルは、ポリエチレンレンテレフタレート(以下、PETと称する)を主成分とするポリエステルが用いられる。本発明で用いるPETとしては、テレフタル酸を主たる酸成分としエチレングリコールを主たるグリコール成分とする、90モル%以上がエチレンテレフタレートの繰り返し単位からなるポリエステルを用いることができる。
ただし、10モル%未満の割合で他のエステル結合を形成可能な共重合成分を含むものであっても良い。このような共重合成分としては、例えば、酸性分として、イソフタル酸、フタル酸、ジブロモテレフタル酸、ナフタリンジカルボン酸、オクトエトキシ安息香酸のような二官能性芳香族カルボン酸、セバシン酸、シュウ酸、アジピン酸、ダイマ酸のような二官能性脂肪族カルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などのジカルボンサン類が挙げられ、また、グリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAや、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコールなどを挙げることができるが、これらに限られるものではない。
また、艶消剤として二酸化チタン、滑剤としてシリカやアルミナの微粒子、抗酸化剤としてヒンダードフェノール誘導体、さらには難燃剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤および着色顔料等を必要に応じてPETに添加することができる。
本発明の芯鞘複合モノフィラメントは、その横断面において芯成分が鞘成分により覆われ、芯成分が表面に露出していないように配置された芯鞘複合モノフィラメントである。かかる構成とすることにより、高精度印刷用モノフィラメントとして要求される、高強度・高モジュラス、スカム抑制を実現できる。ここで芯鞘複合とは芯成分が鞘成分により完全に覆われていれば良く、必ずしも同心円状に配置されている必要はない。なお、断面形状については丸、扁平、三角、四角、五角など幾つもの形状があるが、スクリーン紗の目開きの均一性の観点から丸断面が好ましい。
また、芯成分のPETは、モノフィラメントの強度を主に担うため酸化チタンに代表される無機粒子の含有量は0.5重量%以下であることが好ましい。一方、鞘成分のPETは、ポリエステルモノフィラメントのスカム抑制を担うため酸化チタンに代表される無機粒子の含有量は0.1~0.5重量%程度が好ましい。
本発明の複合ポリエステルモノフィラメントは、芯成分、鞘成分ともにポリエステルであるため、ポリエステル/ナイロン複合糸に度々発生するような複合界面での剥離という現象は起きにくい。鞘成分によるスカム抑制効果と芯成分による高強度化を両立するという点で、芯成分:鞘成分の複合比は60:40~95:5の範囲とすることが好ましく、より好ましい複合比は、70:30~90:10の範囲である。ここでいう、複合比とは、フィラメントの横断面写真において複合ポリエステルモノフィラメントを構成する2種のポリエステルの横断面積比率である。
次に、本発明の複合ポリエステルモノフィラメントの物性について述べる。
スクリーン印刷では、一般的に印刷パターンの精度を向上させるために、紗張りテンションを高くし、スクリーン紗と被印刷物の距離を小さくする方法が採られている。紗張りの際、テンションを高くするためにはポリエステルモノフィラメント1本あたりの強力を向上させる。特に、高精密印刷用スクリーン紗としての要求は厳しく、細繊度でハイメッシュ、すなわち、織密度の高いメッシュ織物を要求している。製織過程で糸にかかる張力は必ずしもその繊度に比例するわけではなく、ポリエステルモノフィラメント1本当たりの強力が高いことが必要であり、細くなればなるほど、強力は低下するため、より強度の高いものとする必要がある。
ここで、本発明の複合ポリエステルモノフィラメントは、高精度印刷に適した高強度、高タフネス、高モジュラスなモノフィラメントであり、強度を7.0cN/dtex以上、タフネスを30以上、5%伸長時の強度(モジュラス)を4.0cN/dtex以上とすることにより、ハイテンションよる紗張り後、紗伸びなどの発生を抑え印刷後の経時変化が小さく、高い寸法安定性を得ることができ、印刷精度に優れるスクリーン紗を得ることができる。
本発明の複合ポリエステルモノフィラメントの繊度は、3.0~13.0dtexである。かかる範囲とすることにより、高精密印刷に適した#300(1インチ=2.54cm当たり300本)以上のハイメッシュスクリーン紗が得られる。従来、中程度のメッシュ数のスクリーン紗は#120~300であり、これらに対して繊度15.0~25.0dtexのモノフィラメントが一般的に使用されている。しかしながら、#300以上のハイメッシュスクリーン紗の場合、1本あたりのメッシュ格子間隔は非常に小さいものとなるため、繊度13.0dtexを超えると、1格子当たりの目開きが非常に小さくなるため、#300以上のハイメッシュスクリーン紗が得られないこととなる。したがって、繊度の上限としては13.0dtexである。また、繊度の下限としては、製織性、特にスルーザ型織機における緯糸の飛送性の点で3.0dtex以上である。
本発明の複合ポリエステルモノフィラメントの強度は、7.0~9.0cN/dtexである。強度が7.0cN/dtex未満の場合、ハイテンションによる紗張り後、紗伸びなど発生し、寸法安定性が低下し、目ずれが発生しやすくなるため、紗の目開き均一性が損なわれ、印刷精度が低下する。また、スクリーン紗の強度も不足する。高精密印刷用スクリーン紗の場合、強度を8.0cN/dtex以上とすることが好ましい。また、強度の上限値は、耐スカム性の点で配向や結晶化度を抑える必要があるため、9.0cN/dtex以下である。
本発明の複合ポリエステルモノフィラメントの5%伸長時の強度は、4.0~6.0cN/dtexである。5%伸長時の強度が4.0cN/dtex未満の場合、ハイテンションによる紗張り後、紗伸びなど発生してスクリーン紗の寸法安定性が低下し、目ずれが発生しやすくなるため紗の目開き均一性が損なわれ、印刷精度が低下する。好ましくは5%伸長時の強度5.0cN/dtex以上とするのがよい。5%伸長時の強度の上限値は、耐スカム性の点で配向や結晶化度を抑える必要があるため、6.0cN/dtex以下である。
糸の破断とは、破断強度と破断伸度によって決定される。定応力的な変形に関しては強度、定長的な変形に関しては伸度が係わるため、例え前述の強度7.0cN/dtexを達成していたとしても、破断伸度が小さければ糸は脆く破断し易いものと言える。従って、破断に対する耐性としては強度・伸度のいずれかではなく、いずれも加味したパラメーターで表現されるべきである。例えば引張試験の応力‐歪曲線における、破断に至るまでの曲線の積分値がそれに相当するが、簡便的な指標としてタフネス(強度×伸度0.5)を用いればそれと良い相関を示す。3.0~13.0dtexという細繊度のポリエステルモノフィラメントをハイメッシュスクリーン紗とし、更にはスクリーン紗として印刷に耐えうるものとするには、前記の通り強度を7.0cN/dtex以上とするとともにタフネスを30以上とする。好ましくは32以上である。
本発明の複合ポリエステルモノフィラメントは、結晶化度が35%以上である。本発明の複合ポリエステルモノフィラメントにおいて、タフネス30以上、5%伸長時の強度4.0~6.0cN/dtexを達成するためには、後述の通り、高倍率で延伸したうえで、180℃以上の高温で熱処理することが好ましい。この具現手段により、繊維横断面の中心の結晶化度χcが向上する。より高温で熱処理することで高タフネスが得られることから、結晶化度χcが40%以上であることが好ましい。
スクリーン紗製造の工程においてはハイメッシュの要求に応えるため、高密度に経糸を形成し、製織する際に糸と筬との間により過酷な繰り返し摩擦を受けても、繊維表面が削り取られることを抑制することが求められる。本発明の複合ポリエステルモノフィラメントは、糸‐梨地間動摩擦係数Fが0.250μd以下である。Fが0.250μdを超える場合、製織時に筬などとの擦過により繊維表面が削れ、スカムが生じやすくなる。かかる範囲とすることで、摩擦抵抗が小さく、糸の走行性が良好となるため、製織時に発生する筬などとの擦過が低減され、スカムの発生を抑制することができる。好ましくは、Fが0.230μd以下である。また、糸‐梨地動摩擦係数Fが大きいと、製造工程中の延伸ローラーにスカムが堆積してしまうため、繊維表面へ伝わる熱量が不均一になることで、後述する表面結晶化度χsの標準偏差が増加してしまう。
本発明の複合ポリエステルモノフィラメントは、繊維表面における結晶化度χsの標準偏差が2以下であることが好ましい。繊維表面における結晶化度が小さい場合、製織時に筬などとの擦過による繊維表面の削れが抑制され、スカムが生じにくくなる。さらに、繊維表面の結晶化度が長手方向で均一とすることで、擦過抵抗を受けた際に繊維表面への応力が分散されるため、表面削れが生じにくくなる。そのため、繊維表面の結晶化度χsの標準偏差を2以下とすることによって、製織時に筬などとの擦過により発生するスカムを低減することができる。
更に、本発明の複合モノフィラメントは、繊維軸に対して垂直方向から20%の圧縮ひずみを加えた時の圧縮応力が6.5g/μm以上と規定することにより、圧縮変形しにくくスキージング時の糸の潰れが少なくなり、スクリーン紗の開口面積の減少が抑制されるため、印刷欠けや印刷カスレの少ない鮮明な印刷を実現できる。20%の圧縮ひずみを加えた時の圧縮応力を6.5g/μm以上とするためには、高温で糸を熱処理することが好ましい。より鮮明な印刷の実現には、前記圧縮応力が7.0g/μm以上であることが好ましく、更に好ましくは7.2g/μm以上である。
次いで、本発明の複合ポリエステルモノフィラメントの好ましい製造方法について説明する。
本発明の複合ポリエステルモノフィラメントは、芯成分に高粘度ポリエステル、鞘成分に芯成分よりも低い粘度のポリエステルを用いることが好ましい。かかる構成とすることにより、高精密印刷用モノフィラメントとして要求される、高強度・高モジュラス、耐スカム性を実現できる。
鞘成分に用いるポリエステルの固有粘度は、芯成分ポリエステルの固有粘度より低くし、固有粘度の差を0.20~1.00にすることが好ましい。固有粘度の差を0.20以上とすることで鞘成分のポリエステル、すなわち複合ポリエステルモノフィラメントの繊維表面の配向度および結晶化度を抑えることができ、良好な耐スカム性を得ることができる。また、溶融紡糸の口金吐出孔内壁面におけるせん断応力を鞘成分が担うため、芯成分が受けるせん断力は小さくなる。これにより芯成分は分子鎖配向度が低く、かつ均一な状態で紡出されるため、最終的に得られる複合ポリエステルモノフィラメントの強度が向上する。固有粘度の差を1.00以下とすることで、鞘成分の配向が適度に進行し、高い強度が得られる。かかる範囲とすることにより7.0cN/dtex以上の強度が得られる。さらに好ましい固有粘度の差は、0.30~0.70である。
芯成分の高粘度ポリエステルの固有粘度は、0.80~2.00であることが好ましい。固有粘度を0.95以上とすることにより、高い強度を兼ね備えた複合ポリエステルモノフィラメントが得られる。また、固有粘度の上限は溶融押出し等の成形の容易さの点から2.00以下が好ましく、さらに製造コストや工程途中の熱や剪断力によって起きる分子鎖切断による分子量低下の影響を考慮すると、より好ましくは1.50以下である。かかる範囲とすることにより7.0cN/dtex以上の強度が得られる。
鞘成分の低粘度ポリエステルの固有粘度は、0.40~0.70であることが好ましい。固有粘度を0.40以上とすることにより安定した製糸性が得られるため好ましい。より好ましい固有粘度は0.50以上である。また、良好な耐スカム性を得るためには、固有粘度の上限は0.70以下であることが好ましい。
本発明のポリエステルモノフィラメントを得る紡糸工程としては、芯成分・鞘成分のPETをそれぞれ別々の溶融押出機に供給、溶融せしめ、一定量に計量した後に紡糸口金から吐出させ、冷却・固化させながら一定速度のゴデットローラーにて引き取る。この際、給油ガイドやオイリングロールによって糸条に油剤を付与させる。
本発明の製造工程で使用する油剤は、重量平均分子量が450~650の脂肪酸アルキルエステルの割合が油剤全成分あたり50~60重量%であることが好ましい。また本発明で使用する変性シリコーンの含有率としては、油剤全成分あたり6~8重量%とすることが好ましい。
主として、第1の油剤成分として脂肪酸アルキルエステルと、第2の油剤成分として変性シリコーンからなる。第1の油剤成分である脂肪酸アルキルエステルおよび第2の油剤成分である変性シリコーンは、いずれも糸表面の平滑性を向上させ、製織工程での糸解舒時、糸道ガイド通過時、経糸間通過時などの張力変動や糸切れを抑制し、工程通過性を安定化させるために用いられる。
本発明に用いられる脂肪酸アルキルエステルとしては、脂肪酸モノアルキルエステル、脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステル、脂肪族多価アルコールの多脂肪酸エステル等の化合物をいい、好ましい脂肪族アルキルエステルとしては、例えば、イソトリデシルステアレート、イソトリデシルラウレート、イソトリデシルオレート等が挙げられる。
また本発明に用いられる変性シリコーンとしては、アルキル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、フルオロ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アルコール変性シリコーンなどが挙げられる。
脂肪酸アルキルエステルは、分子中に極性基が少なく、同じく疎水性の複合ポリエステルモノフィラメント表面との親和性が高い。脂肪酸アルキルエステルの重量平均分子量を増加させることにより、複合ポリエステルモノフィラメントとの親和性を向上させることが可能である。変性シリコーンは、平滑性に優れ、摩擦低減の観点から油膜外側に配置されることが好ましいが、該成分は一般的に、油剤中に偏在することなく分散している。
かかる範囲とすることで、最終延伸ローラーによる熱処理工程通過後であっても、複合ポリエステルモノフィラメントに残存する油剤成分として、重量平均分子量450~650重量%の脂肪酸アルキルエステルを油剤全成分あたり30~60重量%残存させることができる。また変性シリコーンとしても、油剤全成分あたり6~8重量%となる。その結果、該成分同士の相乗効果によって変性シリコーンを油膜外側に配置させることができ、摩擦係数が低減する。また、油膜が均等に残存することで、最終延伸ローラーによる熱処理工程で繊維表面に伝わる熱が均一化され、繊維表面の結晶化度χsの標準偏差を低減することができる。
一般的に、熱処理工程を通過した際、平滑成分の重量平均分子量が低いほど、糸表面へ平滑成分が残存しにくくなる傾向がある。脂肪酸アルキルエステルの重量平均分子量を450以上とすることで、最終延伸ローラーにおける熱処理によって揮発もしくは分解が生じても、複合ポリエステルモノフィラメントに付着する脂肪酸アルキルエステルの割合を30重量%以上とすることができる。その結果、相乗効果によって変性シリコーン成分が表面へ移動し、平滑性を向上させるため、摩擦係数が低下し、製織時の粉末状のスカム発生量を低減することができる。
一方で、平滑成分の重量平均分子量が高いほど膜形成能が向上して糸表面に平滑成分が残存しやすくなるが、平滑成分そのものの粘性抵抗による摩擦が生じるため、平滑成分の重量平均分子量が高いほど粘性抵抗による平滑性の低下が生じる傾向がある。そのため、脂肪酸アルキルエステルの重量平均分子量を650以下とすることで、摩擦係数の増加を抑制し、製織時の粉末状のスカム発生量を低減することができる。
なお変性シリコーンの含有率としては、油剤全成分あたり6~8重量%とするものである。含有率を6重量%以上とすることで、十分に平滑性を付与することができ、摩擦係数が低減されるため、特に製織時の粉末状のスカム発生量を低減することができる。また、製織時に筬等と擦過した際に変性シリコーンが脱落することで生じるスカムを抑制するために、変性シリコーン含有率を8重量%以下とすることが好ましい。また、処理剤のコストアップの観点からも変性シリコーン含有率は8重量%以下とすることが好ましい。
また、得られるポリエステルモノフィラメントのタフネスを最大限に引き出すためには、主に以下の点に留意すれば良い。
(1)溶融から紡出直前までの溶融ポリマー通過時間、加熱温度を極力小さくし、ポリマーの分子量低下を抑制する。
(2)ゴデットローラーによる引取速度を好ましくは800m/分以下、より好ましくは300~600m/分という低速とし、紡出糸条の分子配向度上昇を抑制する。
(3)紡糸口金直下に加熱体を設け、好ましくは雰囲気温度を260℃以上に積極保持し、伸張変形による紡出糸条の分子配向度上昇を抑制する。
(4)紡糸ドラフト(=引取速度/口金吐出口内の平均線速度)を好ましくは100以下、より好ましくは70以下とし、紡出糸条の紡糸線上変形を緩やかにし、紡出糸条の分子配向度を抑制する。
紡糸工程でのタフネス向上に関する技術としては、(1)はPETの加水分解による分子量低下を極力抑制することに加え、紡糸工程での分子配向度が小さい紡糸糸条を延伸工程で高い延伸倍率で配向せしめる観点から、(2)~(4)は紡糸糸条の分子配向度を極力抑制することに有効である。吐出された糸条の分子配向度は、簡単に言えば紡糸で引き伸ばす力が強ければ強いほど大きくなる。紡糸線上に働く力としては、引取速度による引っ張り力、伸張粘性や空気抵抗力による変形抵抗力が挙げられるが、モノフィラメントの場合空気抵抗力は極めて小さいため殆ど無視しても良い。
繊度3.0~13.0dtexのポリエステルモノフィラメントを得るべく常法で紡糸すると、紡出糸条が細いために冷却され易く、変形抵抗力が大きくなるため紡出糸条の分子配向度が大きくなり、結果としてタフネス30以上を得ることは困難となるため、(2)~(4)は特に重要な条件となる。
引取速度による引っ張り力を小さくするには(2)ゴデットローラーによる引取速度を好ましくは800m/分以下、より好ましくは300~600m/分の低速域とすればよい。
伸張粘性による変形抵抗力を小さくするには、伸張変形する際の糸条温度を高くし、伸張粘性を低くするという観点から(3)紡糸口金直下を260℃以上に加熱保温すること、(4)紡糸ドラフトを小さく、具体的には100以下、さらに好ましくは70以下、とすれば、得られるポリエステルモノフィラメントのタフネスは向上する。
但し、本発明のポリエステルモノフィラメントのように3.0~13.0dtexの細繊度は、高タフネスを得るべく口金直下雰囲気温度を高くし過ぎたり、冷却までの加熱区間を長くし過ぎたりすると、糸長手の繊度変動(%)が大きくなり易いので注意が必要である。これらはタフネスを維持できる範囲内で適宜調整すればよいが、口金下の雰囲気温度は口金面温度+20℃以下とすることが好ましい。
本発明のポリエステルモノフィラメントを得る延伸・巻取り工程としては、紡出され引き取られた糸条をガラス転移点以上に加熱された加熱ローラー、結晶化温度以上に加熱された延伸ローラーの間で延伸し、パーン状あるいはチーズ状に巻き取る。得られるポリエステルモノフィラメントのタフネスを最大限に引き出すためには、主に以下の点に留意すれば良い。
(5)得られるモノフィラメントの繊度ムラ・物性バラツキ低減の観点から未延伸糸を一旦巻き取らず直接延伸を行う。
(6)延伸は3対以上のローラーによる多段延伸とし、一段目の延伸倍率比率を好ましくは全延伸倍率の50~90%とする。
(7)最終延伸ローラー以前の延伸ローラー温度は好ましくは130℃以下、より好ましくは110℃以下として延伸途中での結晶化を抑制する。
(8)最終延伸ローラーの温度は好ましくは180℃以上、より好ましくは200℃以上とし、得られるポリエステルモノフィラメントの結晶化度を向上させる。
前述の紡糸方法によって得られた紡糸糸条は極度に配向度が低いため、未延伸糸として一旦巻き取ると、延伸するまで経時的に分子配向・結晶状態が変化し、長手にばらつきを生じ易い。特に本発明のポリエステルモノフィラメントのように細繊度、高強度を得るためには、細繊度未延伸糸に5.0~7.0倍の高倍率延伸を施すため、未延伸糸の分子配向・結晶状態の差が糸長手の繊度変動として顕在化し易い。未延伸糸の分子配向・結晶状態が均一なまま延伸を行えば糸長手の繊度変動や物性のばらつきを低減することができるため、(5)紡糸後に一旦巻き取らず直ちに延伸を施す方法が好ましい。
更に、低配向度・細繊度モノフィラメント未延伸糸を均一に延伸するには(6)、(7)のように一段目倍率比率が全延伸倍率の50~90%の多段延伸を行うのが好ましく、最終延伸ローラー以前の延伸ローラーの加熱温度は好ましくは130℃以下、より好ましくは110℃以下である。ローラーの個数の上限は特に限定するものでなく、3対以上のホットローラーがあれば同じように多段延伸の効果が得られるが、極端に個数を増やすと装置が複雑化することとなるため、通常3、4対程度で十分である。
更には、(8)最終的に得られるポリエステルモノフィラメントの結晶化度を向上させ、高タフネスを得る最終延伸ローラー温度は、好ましくは180℃以上、より好ましくは200℃以上である。
また最終延伸ローラーから巻取機の間に更に数個のゴデットローラーを配してもよい。最終延伸ローラーとゴデットローラーの間で負の速度差を付与する場合、延伸によって生じた分子非晶部位の歪みを緩和することができるため、伸度が上昇しタフネスが向上する効果と、スカムが発生しにくくなる耐磨耗性向上効果が得られる。一方、最終延伸ローラーとゴデットローラーの間で正の速度差を付与する場合、得られるポリエステルモノフィラメントの初期弾性率が向上することでハイメッシュスクリーン紗として印刷に使用した際にズレが小さく、印刷精度が向上する。これらは印刷用途毎の要求特性を鑑みた上で適宜決定すればよい。
以下本発明をさらに具体的に説明する。実施例の測定値は、次の方法で測定した。
(1)繊度
モノフィラメントを500mかせ取り、かせの質量(g)に20を乗じた値を繊度とした。
(2)強度(cN/dtex)、5%伸長時の強度(モジュラス)(cN/dtex)、タフネス
JIS L1013(2010)に従い、オリエンテック製テンシロンUCT-100を用いて強度、伸度を測定した。またこれらの強度、伸度からタフネス(強度×伸度0.5)を算出した。
(3)結晶化度
レーザーラマン分光により、結晶化度および複屈折の分布を測定した。測定には堀場ジョバンイボン社製RmanorT-64000を用い、光源にはAr+レーザー(514.5nm、50mW)を使用、100倍の対物レンズによって1μmに集光した。ラマン散乱光はシングルモード、スリット100μm、回折格子600および1800gr/mmの条件で、CCD検出器により検出した。試料は樹脂包埋後、ミクロトームにより切片化した。切片試料の厚みは1μmであり、繊維の中心を通るように切り出し、レーザーラマン分光測定を行った。
それぞれの測定結果をもとに、下記式を用い換算結晶化度および換算複屈折を算出した。
換算結晶化度:χ(%)=100×(ρ-1.335)/(1.455-1.335)
換算密度:ρ(g/cm)=(305-Δν1730)/209
Δν1730は1730cm-1付近のラマンバンド半値全幅
繊維断面方向の中心における結晶化度χcは、切片化した試料の繊維中心軸に対し垂直な方向(繊維中心軸に対し垂直な断面の方向)に、繊維中心軸上の位置にて測定を行った。
繊維軸に対し垂直な繊維断面において、繊維表面から中心に向かって1μmの位置おける結晶化度χsについては、切片化した試料の繊維中心軸に対し垂直な方向(繊維中心軸に対し垂直な断面の方向)に、繊維表面から1μm内側の位置にて測定を行った。同様の測定を繊維軸方向に長手で任意に10点測定した際の標準偏差を算出した。
(4)摩擦特性
摩擦試験機(英光産業製)にて、糸‐梨地間動摩擦係数Fを測定した。回転ロール上(表面速度55m/分)の、モノフィラメントの接触角を180度として、回転ロール入側張力T1と回転ロール入側張力T2を30秒間測定し、下式より算出した。
糸‐梨地間動摩擦係数:F=(1/π)×Ln(T2/T1)。
(5)糸表面の油剤成分の特定
ポリエステルモノフィラメントをソックスレー抽出装置に入れ、次にシクロヘキサンを加えて、約4時間加熱還流した後、シクロヘキサンを回収して糸表面の油剤成分を抽出した。得られた抽出液を公知の1H-NMR法にて測定を行い、スペクトルデータより油剤成分の構造を特定した。また、抽出液中の油剤成分の重量平均分子量は東ソー(株)製高速ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC-8220GPCを用い、試料濃度3mg/ccで、昭和電工(株)製分離カラムKF-402HQ、KF-403HQに注入し、示差屈折率検出器で測定されたピークより算出した。
(6)固有粘度
定義式のηrは、25℃の温度の純度98%以上のo-クロロフェノール(以下、OCPと略記する。)10mL中に試料を0.8g溶かし、25℃の温度にてオストワルド粘度計を用いて相対粘度ηrを下式により求め、固有粘度を算出した。
ηr=η/η0=(t×d)/(t0×d0)
固有粘度=0.0242ηr+0.2634
ここで、η:ポリマー溶液の粘度、η0:OCPの粘度、t:溶液の落下時間(秒)、d:溶液の密度(g/cm)、t0:OCPの落下時間(秒)、d0:OCPの密度(g/cm)。
(7)20%の圧縮ひずみを加えた時の圧縮応力
微小圧縮試験により5回測定を行った平均値を使用した。測定には、島津製作所社製の微小圧縮試験機MCTW-500を用い、糸と接触する圧子先端を直径500μmの平円板状となっているダイヤモンド製平面圧子として、繊維軸に対して垂直方向から押し当て、41.482mN/秒の一定速度で負荷を加えた。モノフィラメントの直径の1/5、即ち20%の圧縮ひずみを与えた際の印加加重を読み取り、下記定義式から、20%の圧縮ひずみを加えた時の圧縮応力を算出した。
圧縮ひずみ(%)=L’/L×100
20%の圧縮ひずみを加えた時の圧縮応力(g/μm)=P/(L/4×π)
ここで、L:圧縮前の繊維軸に対して垂直方向の繊維直径(μm)、
L‘:圧縮方向の変位量(μm)、
P:20%の圧縮ひずみを与えた際の印加加重(g)。
(8)製織評価
スルーザ型織機により織機の回転数120回転/分にて幅2.54m、全長30mのメッシュ織物を製作した。その際の筬汚れ状態に注目し、以下の指標で判定した。
◎:良好(スカムによる筬汚れなし)
〇:良(スカムによる筬汚れが○と×の間の範囲)
×:量産不可(筬汚れが著しく継続して製織不可能)
繊度13.0dtex :密度300本/2.54cm
繊度10.0dtex :密度350本/2.54cm
繊度4.0dtex :密度420本/2.54cm
◎および〇を合格とした。
(9)印刷精度
(8)で得られたスクリーン紗を30cm×30cmの版枠に紗張りした。得られたメッシュ織物に感光性乳剤にて50μm間隔で50μmのラインパターンを形成、印刷後の状態を観察し、以下の指標で判定した。
◎:ライン再現良好
〇:ラインの境界に凹凸が見られるが問題なし
×:不良
◎および〇を合格とした。
(10)印刷の鮮明性
(9)と同様、スクリーン紗を30cm×30cmの版枠に紗張りした。得られたメッシュ織物での単色印刷(べた塗り印刷)を実施し、印刷後の状態を以下の指標で判定した。
◎:印刷のカケ・カスレが全く無い。
〇:軽度の印刷のカケ・カスレが見られるが、製品として問題のないレベル
×:不良
◎および○を合格とした。
(実施例1)
芯成分として固有粘度1.00のPET(ガラス転移点温度80℃)と、鞘成分として固有粘度0.50のPETとを、エクストルーダーを用いてそれぞれ295℃の温度で溶融後、ポリマー温度280℃で、複合比が芯成分:鞘成分=80:20となるようにポンプ計量を行い、芯鞘型となるよう公知の複合口金に流入させた。
紡糸口金から吐出された芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントを紡糸口金直下の雰囲気温度が290℃となるよう、加熱体により積極的に加熱保温し、その後、糸条冷却送風装置により冷却し、油剤付与装置により油剤を付与した後、550m/分の速度で引き取り、その後、一旦巻き取ることなく所望の強度となるように適宜延伸(延伸倍率5.36倍)、最終延伸ローラーにて190℃で熱処理を行い、糸条巻取装置にて2950m/分の速度で巻き取った。
使用した油剤は、重量平均分子量が470の脂肪酸アルキルエステルの割合を油剤全成分あたり55重量%、変性シリコーンの含有率を油剤全成分あたり7重量%とした。
得られた複合ポリエステルモノフィラメントは、繊度は10.0dtex、強度は7.5cN/dtex、5%伸長時の強度は4.7cN/dtex、タフネスは32.5、繊維断面中心の結晶化度χcは40%、糸‐梨地間動摩擦係数Fは0.198μdであった。また、得られた複合ポリエステルモノフィラメントに付着する油剤成分としては、重量平均分子量470の脂肪酸アルキルエステルが油剤全成分あたり35重量%、変性シリコーンとしては、油剤全成分あたり7重量%であった。評価結果は表1のとおりである。
(実施例2、3)
吐出量を変えて繊度を変更したこと以外は、実施例1と同様にして製糸し、巻き取った。評価結果は表1のとおりである。
(実施例4)
延伸条件を調整して、延伸倍率を5.20倍に変更したこと以外、実施例1と同様にして製糸し、巻き取った。評価結果は表1のとおりである。
(実施例5、6)
最終熱処理延伸ローラーの温度を表1の通り変更したこと以外、実施例1と同様にして製糸し、巻き取った。評価結果は表1のとおりである。
(実施例7)
延伸条件を調整して、延伸倍率を6.00倍変更し、最終熱処理延伸ローラーを表1の通り変更したこと以外、実施例1と同様にして製糸し、巻き取った。評価結果は表1のとおりである。
(実施例8~10)
紡糸油剤を表1のとおり変更したこと以外、実施例1と同様にして製糸し、巻き取った。評価結果は表1のとおりである。
Figure 2022135947000001
(比較例1)
延伸条件を調整して、延伸倍率を4.70倍にして強度と5%Moを変更したこと以外、実施例1と同様にして製糸し、巻き取った。評価結果は表2のとおりである。
(比較例2)
延伸条件を調整して、延伸倍率を4.70倍に変更し、最終熱処理延伸ローラーの温度を表2の通りとしてタフネスと繊維断面中心の結晶化度χcを変更したこと以外、実施例1と同様にして製糸し、巻き取った。評価結果は表2のとおりである。
(比較例4~8)
紡糸油剤を表2のとおりとして糸‐梨地摩擦係数Fを変更したこと以外、実施例1と同様にして製糸し、巻き取った。評価結果は表2のとおりである。
Figure 2022135947000002
(実施例11)
最終熱処理延伸ローラーの温度を170℃に変更したこと以外、実施例1と同様にして製糸し、巻き取った。評価結果は表3のとおりである。
(比較例9)
最終熱処理延伸ローラーの温度を140℃に変更し、延伸条件を調整して延伸倍率を5.00倍に変更したこと以外は、実施例1と同様にして製糸し、巻き取った。評価結果は表3のとおりである。
(比較例10)
延伸条件を調整して、延伸倍率を5.70倍に変更したこと以外は、比較例9と同様にして製糸し、巻き取った。評価結果は表3のとおりである。
Figure 2022135947000003

Claims (3)

  1. 芯成分および鞘成分がポリエステルからなる芯鞘複合モノフィラメントであり、下記要件(a)~(f)を満足する複合ポリエステルモノフィラメント。
    (a)繊度 3.0~13.0dtex
    (b)強度 7.0~9.0cN/dtex
    (c)タフネス(強度×伸度0.5) 30以上
    (d)5%伸長時の強度 4.0~6.0cN/dtex
    (e)繊維横断面の中心の結晶化度χc 35%以上
    (f)糸‐梨地間動摩擦係数F 0.100~0.250μd
  2. 繊維横断面において繊維表面から中心に向かって1μmの位置における結晶化度χsを、繊維軸方向に10点測定した際の結晶化度χsの標準偏差が2以下である請求項1記載の複合ポリエステルモノフィラメント。
  3. 繊維軸に対して垂直方向から20%の圧縮ひずみを加えた時の圧縮応力が6.5g/μm以上である請求項1または2に記載の複合ポリエステルモノフィラメント。
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