JP2022135671A - 水中通信システムおよび水中通信方法 - Google Patents

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Yu Nakadoi
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Yuya Haneoka
篤 高田
Atsushi Takada
康弘 岡村
Yasuhiro Okamura
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Abstract

【課題】大容量データをより長い距離で通信可能な水中通信システムおよび水中通信方法を提供する【解決手段】水中通信システム1は、送信装置と、受信装置と、を備える。送信装置は、レーザ光源101と、レーザ光を平行光化するコリメータレンズ104と、平行光化されたレーザ光B10を偏向させる光偏向器106と、音響通信部と、音響通信部を介して受信した制御情報に基づいて光偏向器106を制御する制御部11と、を備える。受信装置は、レーザ光の受信方向を変化させる光偏向器201と、レーザ光の光路を分岐させる分岐素子202と、分岐された一方のレーザ光B11を受光する光検出器204と、分岐された他方のレーザ光B12を受光するイメージセンサ205と、音響通信部と、イメージセンサ205の出力信号に基づいて、レーザ光B10の送信方向を制御する制御情報を、音響通信部から送信させる制御部21と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、水中で通信を行う水中通信システムおよび水中通信方法に関する。
従来、水中で通信を行う水中通信システムが海洋システム等で用いられている。たとえば、水中無人ビーグルや水中ドローン、潜水艇等の水中装置と、洋上船舶や洋上基地等の洋上装置との間で通信が行われる。この場合、音波を用いた音響通信によりデータの送受信が行われ得る。しかし、音波を用いた通信では、搬送波周波数が低い(たとえば、10kHz以下)ため、映像データ等の大容量のデータを送受信することが困難である。
そこで、水中通信システムでは、大容量データの送受信のために、レーザ光を用いた通信方法が検討されている。
たとえば、この種の通信方法では、送信側の装置において、レーザ光の送信方向が可変となっており、受信側の装置において、レーザ光の受信方向が可変となっている。送信側の装置は、受信側の装置向けて広角範囲でレーザ光を照射する。受信側の装置は、受信するレーザ光の最も受信感度のよい方向を探知して、その方向に受信方向を設定する。さらに、受信側の装置は、受信状態に応じた送信方向制御データを、送信側の装置に送信する。送信側の装置は、送信方向制御データに基づいて、レーザ光の送信方向を制御する。以下の特許文献1には、この種の水中通信システムが記載されている。
特開2009-055408号公報
上記構成では、広角範囲にレーザ光が照射されるため、送信距離に応じてレーザ光の光量密度が低下する。このため、送信距離が長くなると、受信側の装置によって受信される光の強度が低下し、受信信号がノイズの影響を受けやすくなる。よって、上記構成では、水中通信システムの通信距離を広げることが困難である。
かかる課題に鑑み、本発明は、大容量データをより長い距離で通信可能な水中通信システムおよび水中通信方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は水中通信システムに関する。この態様に係る水中通信システムは、送信装置と、受信装置と、を備える。前記送信装置は、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光を平行光化するコリメータレンズと、平行光化された前記レーザ光を偏向させる第1光偏向器と、前記受信装置と通信を行う第1通信部と、前記第1通信部を介して受信した制御情報に基づいて前記第1光偏向器を制御する第1制御部と、を備える。前記受信装置は、前記レーザ光の受信方向を変化させる第2光偏向器と、前記第2光偏向器を経由した前記レーザ光の光路を分岐させる分岐素子と、分岐された一方の前記レーザ光を受光する光検出器と、分岐された他方の前記レーザ光を受光するイメージセンサと、前記送信装置と通信を行う第2通信部と、前記イメージセンサの出力信号に基づいて、前記レーザ光の送信方向を制御する前記制御情報を、前記第2通信部から送信させる第2制御部と、を備える。
本態様に係る水中通信システムによれば、データの送受信にレーザ光が用いられるため、送信装置から受信装置に大容量のデータを送信できる。また、通信に用いるレーザ光が平行光化されているため、送信装置から受信装置までの距離が長くても、レーザ光の密度が低下しにくい。このため、送信装置と受信装置との間で通信可能な距離を拡大できる。また、イメージセンサが、受信装置におけるレーザ光の受光状態の監視に用いられるため、上記のようにレーザ光が平行光化された場合に、受信装置におけるレーザ光の受光状態を高い分解能で精緻に監視できる。よって、イメージセンサからの出力信号から、レーザ光の送信方向を受信装置に向かう方向に制御するための制御情報を円滑かつ精度良く生成でき、この制御情報によって、レーザ光の送信方向を適正に制御できる。よって、本態様に係る水中通信システムによれば、大容量のデータをより長い距離で送受信することができる。
本態様に係る水中通信システムにおいて、前記第1制御部は、前記第1光偏向器を制御して、前記レーザ光を所定範囲でスキャンさせ、前記第2制御部は、前記イメージセンサが前記レーザ光を受光したスキャン位置に関する前記制御情報を、前記第2通信部を介して前記送信装置に送信し、前記第1制御部は、前記第1光偏向器を制御して、前記第1通信部を介して受信した前記制御情報に基づく方向に、前記レーザ光の送信方向を設定するよう構成され得る。
この構成によれば、平行光化されたレーザ光をスキャンさせることにより、受信装置でレーザ光を受光可能な送信方向を探知できる。よって、大容量のデータを送信する前に、円滑に、レーザ光の送信方向を設定できる。
この場合、前記スキャン位置に関する前記制御情報は、前記イメージセンサが前記レーザ光を受光したタイミングを特定する情報とされ得る。
この構成によれば、予め、送信装置と受信装置との間で時間軸を調整しておくことにより、送信装置側において、どのスキャン位置が、受信装置側においてレーザ光を受光可能な位置であるかを、制御情報をもとに特定できる。よって、送信装置側において、レーザ光の送信方向を簡易な処理により設定できる。
本態様に係る水中通信システムにおいて、前記第2制御部は、前記イメージセンサの出力信号に基づいて、前記第2光偏向器の中心と前記レーザ光の中心との間のずれを補正するための前記制御情報を、前記第2通信部を介して前記送信装置に送信し、前記第1制御部は、前記第1通信部を介して受信した前記制御情報に基づいて、前記第1光偏向器を制御して、前記ずれを解消する方向に前記レーザ光の送信方向を補正するよう構成され得る。
この構成によれば、送信装置から送信されるレーザ光の送信方向を、第2光偏向器の中心とレーザ光の中心とが接近するように補正できる。これにより、より多い光量のレーザ光を第2光偏向器により取り込んで、光検出器に導くことができる。よって、レーザ光によるデータの送受信をより精度良く行うことができる。
この場合、前記第2制御部は、前記イメージセンサの出力信号に基づいて、前記イメージセンサにおける前記レーザ光の受光範囲中の最大受光位置と受光重心位置とを抽出し、前記最大受光位置と前記受光重心位置との差分に基づいて、前記ずれを補正するための前記制御情報を生成するよう構成され得る。
この構成によれば、イメージセンサの出力信号に基づいて、第2光偏向器の中心とレーザ光の中心との間のずれを補正するための制御情報を円滑に生成できる。
本態様に係る水中通信システムにおいて、前記第1通信部および前記第2通信部は、音響信号により通信を行うよう構成され得る。
この構成によれば、制御情報を、円滑かつ確実に、受信装置から送信装置に提供できる。よって、レーザ光の送信方向の制御を、迅速かつ適正に行うことができる。
本態様に係る水中通信システムにおいて、前記レーザ光源から出射される前記レーザ光の波長は、400nm以上550nm以下の範囲に含まれるよう設定され得る。
この波長帯の光は、水に吸収または散乱されにくい。よって、上記のようにレーザ光の波長を設定することにより、レーザ光を用いた送信装置と受信装置との間の通信距離を、より効果的に広げることができる。
本態様に係る水中通信システムにおいて、前記第1光偏向器および前記第2光偏向器は、それぞれ、ミラーを有する反射型の光偏向器とされ得る。
これにより、簡易な制御により広角に、レーザ光の送受信方向を変化させることができる。
本発明の第2の態様は、レーザ光を用いた水中通信方法に関する。この態様に係る水中通信方法は、送信装置から送信される平行光化されたレーザ光を受信装置に向かう方向の所定範囲でスキャンさせ、前記レーザ光を受光したスキャン位置に関する制御情報を前記受信装置から前記送信装置に送信し、前記制御情報に基づく方向に、前記送信装置から送信される前記レーザ光の方向を設定する。
本態様に係る水中通信方法によれば、平行光化されたレーザ光をスキャンさせることにより、受信装置でレーザ光を受光可能な送信方向を探知できる。よって、大容量のデータを送信する前に、円滑に、レーザ光の送信方向を設定できる。
本発明の第3の態様は、レーザ光を用いた水中通信方法に関する。この態様に係る水中通信方法は、レーザ光を光検出器に導く光偏向器の中心と前記レーザ光の中心との間のずれを補正するための制御情報を受信装置から送信装置に送信し、前記制御情報に基づいて、前記送信装置から送信される前記レーザ光の方向を、前記ずれを解消する方向に補正する。
本態様に係る水中通信方法によれば、送信装置から送信されるレーザ光の送信方向を、光偏向器の中心とレーザ光の中心とが接近するように補正できる。これにより、より多くの光量のレーザ光を光偏向器により取り込んで、光検出器に導くことができる。よって、レーザ光によるデータの送受信をより精度良く行うことができる。
以上のとおり、本発明によれば、大容量データをより長い距離で通信可能な水中通信システムおよび水中通信方法を提供することができる。
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
図1は、実施形態に係る、水中通信システムの使用形態を示す図である。 図2は、実施形態に係る、水中通信システムの構成を示すブロック図である。 図3は、実施形態に係る、光送信部および光受信部の構成を示す図である。 図4は、実施形態に係る、映像データの送受信時の制御を示すフローチャートである。 図5(a)および図5(b)は、それぞれ、実施形態に係る、第1サーチ制御において、送信装置の制御部および受信装置の制御部が行う制御を示すフローチャートである。 図6は、実施形態に係る、スキャン動作によりレーザがイメージセンサの受光面に入射する場合のイメージセンサの受光状態を模式的に示す図である。 図7(a)は、実施形態に係る、送信装置におけるスキャン動作時のレーザ光の回転角の変化を示すタイムチャートである。図7(b)は、実施形態に係る、受信装置におけるスキャン動作時のイメージセンサによるレーザ光の受光状態を示すタイムチャートである。 図8(a)および図8(b)は、それぞれ、実施形態に係る、第2サーチ制御において、送信装置の制御部および受信装置の制御部が行う制御を示すフローチャートである。 図9は、実施形態に係る、第2サーチ制御における制御情報の生成方法を示す図である。 図10は、実施形態に係る、受信装置の制御部における通信サーボ制御を示す図である。 図11は、変更例に係る、スキャン動作によりレーザがイメージセンサの受光面に入射する場合のイメージセンサの受光状態を模式的に示す図である。 図12は、他の変更例に係る、第2サーチ制御における制御情報の生成方法を示す図である。 図13(a)は、他の変更例に係る、レーザ光の中心位置がイメージセンサの受光範囲から外れた場合の各画素の受光強度の分布のシミュレーション結果を示すグラフである。図13(b)は、他の変更例に係る、図13(a)の強度分布の算出式に対数を適用した場合のシミュレーション結果を示すグラフである。図13(c)は、他の変更例に係る、図13(b)の算出式をxで偏微分した場合のシミュレーション結果を示すグラフである。図13(d)は、他の変更例に係る、図13(b)の算出式をyで偏微分した場合のシミュレーション結果を示すグラフである。 図14(a)は、他の変更例に係る、レーザ光の中心位置がイメージセンサの受光範囲の中心位置に一致する場合の各画素の受光強度の分布のシミュレーション結果を示すグラフである。図14(b)は、他の変更例に係る、図14(a)の強度分布の算出式に対数を適用した場合のシミュレーション結果を示すグラフである。図14(c)は、他の変更例に係る、図14(b)の算出式をxで偏微分した場合のシミュレーション結果を示すグラフである。図14(d)は、他の変更例に係る、図14(b)の算出式をyで偏微分した場合のシミュレーション結果を示すグラフである。 図15(a)は、他の変更例に係る、図14(c)のデータ群から最小二乗法により求めた近似直線を示すグラフである。図15(b)は、他の変更例に係る、図14(d)のデータ群から最小二乗法により求めた近似直線を示すグラフである。 図16(a)は、他の変更例に係る、図13(c)のデータ群から最小二乗法により求めた近似直線を示すグラフである。図16(b)は、他の変更例に係る、図13(d)のデータ群から最小二乗法により求めた近似直線を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、水中通信システム1の使用形態を示す図である。
図1に示すように、この使用形態では、水面S1に浮かぶ水上装置2と、水中の状況を探知する水中装置3との間で通信が行われる。水中装置3は、たとえば、水中ドローン等の水中を自力で進行可能な装置である。水中装置3は、窓3aを介して水中または水底を撮像し、映像データを適宜、水上装置2に送信する。水上装置2は、受信した映像データを、適宜、無線通信で陸上の情報収集装置に送信する。
水中装置3は、レーザ光を用いてデータを送信するための送信装置10を備える。水上装置2は、水中装置3から送信されたレーザ光を受信する受信装置20を備える。送信装置10と受信装置20とによって水中通信システム1が構成される。
送信装置10の送信方向および受信装置20の受信方向は、所定の角度範囲で全周方向に変更可能である。送信装置10は、レーザ光の送信方向を受信装置20の方向に制御する。また、受信装置20は、レーザ光の受信方向を送信装置10の方向に制御する。
水中装置3に配置される送信装置10は、必ずしも、1つでなくてもよい。たとえば、図1に破線で示すように、水中装置3の両側面に、さらに送信装置10が配置されてもよい。この場合、水中装置3は、送信方向を水上装置2に向けやすい送信装置10を用いて、映像データの送信を行えばよい。同様に、受信側の水上装置2にも、複数の受信装置が互いに異なる向きで配置されてもよい。
図2は、水中通信システム1の構成を示すブロック図である。図2において、B10、S10以外の破線矢印は、制御系統の信号の流れを示しており、実線矢印は、データ系統の信号の流れを示している。
水中通信システム1は、送信装置10と、受信装置20とを備える。
送信装置10は、制御部11と、記憶部12と、光送信部13と、送信信号生成部14と、撮像部15と、位置姿勢検出部16と、音響通信部17と、信号処理部18と、を備える。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理回路を備え、記憶部12に記憶されたプログラムに従って各部を制御する。制御部11が、FPGA(Field-ProgrammableGate Array)を含んでいてもよい。記憶部12は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体を備え、制御部11が実行するプログラムを記憶する。また、記憶部12は、制御部11の制御においてワーク領域として利用される。さらに、記憶部12は、制御部11からの制御のもと、撮像部15から入力される映像データを随時記憶する。
光送信部13は、制御部11からの制御に応じて、レーザ光B10を送信する。光送信部13は、送信信号生成部14によって生成された送信信号に応じて、レーザ光B10を変調する。たとえば、光送信部13は、パルス変調(たとえばPWM:Pulse Width Modulation)により、レーザ光B10を変調する。また、光送信部13は、制御部11からの制御に応じて、レーザ光B10の送信方向を変化させる。
送信信号生成部14は、制御部11からの制御に応じて送信信号を生成する。具体的には、送信信号生成部14は、記憶部12から映像データを読み出して、送信信号を生成する。送信信号生成部14は、所定フォーマットのデータパケットに映像データを格納し、さらに、当該データパケットをパルス信号に変換して、送信信号を生成する。
撮像部15は、カメラを備え、図1の窓3aを介して水中または水底を撮像する。撮像部15は、撮像により得た映像データを、随時、記憶部12に出力して、記憶部12に記憶させる。
位置姿勢検出部16は、図1に示した水中装置3の位置および姿勢を検出する。位置姿勢検出部16は、GPS(Global Positioning System)および加速度センサを備える。位置姿勢検出部16は、入水時にGPSで検出した位置に、加速度センサにより検出した方向および距離を積算して、水中装置3の現在の位置および姿勢を随時算出し、算出した位置および姿勢に関する情報を随時、制御部11に出力する。また、位置姿勢検出部16は、制御部11からの制御に応じて、現在の位置および姿勢に関する情報を信号処理部18に出力する。位置姿勢検出部16は、送信装置10以外の水中装置3の内部に配置されてもよい。
音響通信部17は、制御部11からの制御により、音響信号S10により通信を行う。音響通信部17は、複数の超音波振動子を備え、これら超音波振動子を駆動して水中に超音波(音響信号S10)を送信する。音響通信部17は、送信する超音波を、信号処理部18から入力される送信信号に応じて変調する。また、音響通信部17は、受信装置20から送信される超音波(音響信号S10)を超音波振動子で受波して受信信号を生成し、生成した受信信号を信号処理部18に出力する。
信号処理部18は、制御部11からの制御のもと、音響通信部17に対する信号の処理を行う。信号処理部18は、位置姿勢検出部16から入力された検出結果に基づく情報を音響通信に応じた信号に変換して、音響通信部17に出力する。また、信号処理部18は、音響通信部17から入力される受信信号に対して、増幅、ノイズ除去および復号化等の処理を施して、制御部11に出力する。
受信装置20は、制御部21と、記憶部22と、光受信部23と、信号処理部24と、無線通信部25と、位置姿勢検出部26と、音響通信部27と、信号処理部28とを備える。
制御部21は、CPU等の演算処理回路を備え、記憶部12に記憶されたプログラムに従って各部を制御する。制御部11が、FPGAを含んでいてもよい。記憶部22は、ROMやRAM等の記憶媒体を備え、制御部21が実行するプログラムを記憶する。また、記憶部22は、制御部21の制御においてワーク領域として利用される。記憶部22は、制御部21からの制御のもと、信号処理部24から入力される映像データを随時記憶する。
光受信部23は、制御部21からの制御に応じて、レーザ光B10を受信する。光受信部23は、光送信部13により映像データに応じて変調されたレーザ光B10を受信し、レーザ光B10の受光強度に応じた検出信号を信号処理部24に出力する。また、光受信部23は、制御部21からの制御に応じて、レーザ光B10の受信方向を変化させる。
信号処理部24は、制御部21からの制御のもと、光受信部23から入力される検出信号に対し、増幅、ノイズ除去および復号化等の処理を施して映像データを復調し、復調した映像データを記憶部22に出力する。記憶部22は、入力された映像データを記憶する。
無線通信部25は、制御部21からの制御に応じて、陸上の情報収集装置と無線通信を行う。無線通信部25は、記憶部22に記憶されている映像データを読み出して送信データを生成し、生成した送信データを、無線通信によって、陸上の情報収集装置に送信する。
位置姿勢検出部26は、GPSおよび加速度センサを備え、図1に示した水上装置2の位置および姿勢を検出する。位置姿勢検出部26は、制御部21からの制御に応じて、現在の位置および姿勢に関する情報を信号処理部28に出力する。位置姿勢検出部26は、受信装置20以外の水上装置2の内部に配置されてもよい。
音響通信部27は、制御部21からの制御により、音響信号S10により通信を行う。音響通信部27は、複数の超音波振動子を備え、これら超音波振動子を駆動して水中に超音波(音響信号S10)を送信する。音響通信部27は、送信する超音波を、信号処理部28から入力される送信信号に応じて変調する。また、音響通信部27は、送信装置10から送信される超音波(音響信号S10)を超音波振動子で受波して受信信号を生成し、生成した受信信号を信号処理部28に出力する。
信号処理部28は、制御部21からの制御のもと、音響通信部27に対する信号の処理を行う。信号処理部28は、位置姿勢検出部26から入力された検出結果に基づく情報を音響通信に応じた信号に変換して、音響通信部27に出力する。また、信号処理部28は、音響通信部27から入力される受信信号に対して、増幅、ノイズ除去および復号化等の処理を施して、制御部21に出力する。
図3は、光送信部13および光受信部23の構成を示す図である。
光送信部13は、光学系の構成として、レーザ光源101と、集光レンズ102と、光ファイバ103と、コリメータレンズ104と、ミラー105と、光偏向器106とを備える。また、光送信部13は、回路系の構成として、光源駆動回路111と、ミラー駆動回路112とを備えている。
レーザ光源101は、所定波長のレーザ光を出射する。レーザ光源101の出射波長は、たとえば、400nm以上550nm以下の範囲に含まれる。レーザ光源101は、たとえば、端面発光型のレーザダイオードである。レーザ光源101が、他の種類のレーザ光源であってもよい。また、レーザ光源101の配置数は、必ずしも1つでなくてもよく、複数のレーザ光源101から出射されるレーザ光が、バンドルされた複数の光ファイバに入射されてもよい。
集光レンズ102は、レーザ光源101から出射されたレーザ光を光ファイバ103の入射口に集光する。光ファイバ103は、入射されたレーザ光を伝搬して、出射口から出射する。
コリメータレンズ104は、光ファイバ103から出射されたレーザ光を平行光化する。レーザ光は、必ずしも、コリメータレンズ104によって完全に平行光に変換されなくてもよく、平行光から僅かに広がるか僅かに収束してもよい。ミラー105は、コリメータレンズ104によって平行光化されたレーザ光を反射して、レーザ光の光路を折り曲げる。
光偏向器106は、ミラー105によって反射されたレーザ光B10を偏向させる。光偏向器106は、ミラー106aを備え、ミラー106aを互いに垂直な2軸について回動させることにより、レーザ光B10の送信方向を2次元状に変化させる。光偏向器106は、たとえば、MEMS(Micro Electro MechanicalSystems)ミラーによって構成される。図3の構成では、ミラー106aが中立位置にあるときに、ミラー106aに対するレーザ光の入射角が45°になるように、光学系がレイアウトされている。
光源駆動回路111は、送信信号生成部14から入力される送信信号(パルス信号)に応じて、レーザ光源101を駆動する。これにより、映像データによって変調されたレーザ光B10が送信される。また、光源駆動回路111は、後述の通信サーチ制御において、制御部11からの制御により、一定出力でレーザ光源101を駆動する。これにより一定出力のレーザ光B10が送信される。
ミラー駆動回路112は、制御部11からの制御に応じて、光偏向器106を駆動する。これにより、レーザ光B10の送信方向が変化する。
光受信部23は、光学系の構成として、光偏向器201と、分岐素子202と、集光レンズ203と、光検出器204と、イメージセンサ205とを備える。また、光受信部23は、回路系の構成として、検出信号処理回路211と、画素信号処理回路212と、ミラー駆動回路213とを備える。
光偏向器201は、レーザ光B10の受信方向を変化させる。光偏向器201は、ミラー201aを備え、ミラー201aを互いに垂直な2軸について回動させることにより、レーザ光B10の受信方向を2次元状に変化させる。光偏向器201は、たとえば、MEMSミラーによって構成される。図3の構成では、ミラー201aが中立位置にあるときに、集光レンズ203の光軸が、ミラー201aの中心に一致し、且つ、ミラー201aの法線に対して45°となるように、光学系がレイアウトされている。
分岐素子202は、ミラー201aによって反射されたレーザ光B10の一部を反射し、残りを透過させる。分岐素子202は、たとえば、反射率が10%程度に設定された反射膜を有する。この場合、光偏向器201を経由したレーザ光B10のうち、90%程度が分岐素子202を透過してレーザ光B11となり、10%程度が分岐素子202で反射されてレーザ光B12となる。
分岐素子202として、回折格子等の他の光学素子が用いられてもよい。分岐素子202が回折格子である場合、たとえば、レーザ光B10の波長に対して、0次光の回折効率が90%程度、1次回折光の回折効率が10%程度となるブレーズ型の回折格子が用いられ得る。
集光レンズ203は、分岐素子202を透過したレーザ光B11を光検出器204の受光領域に集光する。上記のように、集光レンズ203の光軸は、ミラー201aが中立位置にあるときに、ミラー201aの中心に一致し、且つ、ミラー201aの法線に対して45°となるように配置される。したがって、図3において、レーザ光B10が真上方向にミラー201aで反射された場合に、レーザ光B11が光検出器204の受光領域に適正に集光される。
光検出器204は、集光レンズ203で集光されたレーザ光B11が受光領域に入射されることに応じて検出信号を出力する。光検出器204は、たとえば、アバランシェフォトダイオード(APD)である。これにより、微弱なレーザ光B11を光検出器204により検出できる。光検出器204は、アバランシェ増倍現象を用いない通常のフォトダイオードであってもよい。
イメージセンサ205は、マトリクス状に画素が配置された撮像素子である。イメージセンサ205は、たとえば、CCD(charge-coupled device)やCMOSイメージセンサである。イメージセンサ205は、レーザ光B10がミラー201aによって真上に反射されるときに、レーザ光B12の中心軸が、イメージセンサ205の受光面の中心に一致し、且つ、受光面に垂直となるように配置されている。イメージセンサ205の受光面には、縦横にそれぞれ多数の画素が並んでいる。イメージセンサ205は、各画素がレーザ光B12の波長を検知可能なものであればよい。
検出信号処理回路211は、光検出器204から出力される検出信号を、パルス波形に整形して、信号処理部24に出力する。画素信号処理回路212は、イメージセンサ205の駆動を制御するとともに、イメージセンサ205の各画素からの画素信号にノイズ除去等の処理を施して、処理後の画素信号を信号処理部24に出力する。
ミラー駆動回路213は、制御部21からの制御に応じて、光偏向器201を駆動する。これにより、レーザ光B10の受信方向が変化する。
次に、映像データの送受信に関する制御について説明する。
図4は、映像データの送受信時の制御を示すフローチャートである。
映像データの送受信時には、まず、送信装置10と受信装置20との間でレーザ光B10の通信パスを形成するための通信サーチ制御が行われる(S11)。通信サーチ制御において、送信装置10の制御部11と受信装置20の制御部21は、互いに協同して、第1サーチ制御と第2サーチ制御を行う。第1サーチ制御および第2サーチ制御については、追って、図5(a)~図9を参照して説明する。
通信サーチ制御により通信パスが形成されると、次に、通信パスを維持するための通信サーボ制御が行われる(S12)。通信サーボ制御は、主として受信装置20の制御部21によって行われる。通信サーボ制御については、追って、図10を参照して説明する。
こうして、レーザ光の通信パスが維持された状態で、映像データの送信が行われる(S14)。すなわち、映像データにより変調されたレーザ光B10が送信装置10から受信装置20に送信される。映像データの送信中に、通信サーボが外れて通信パスを維持できなくなると(S13:NO)、再度、通信サーチが行われる(S11)。これにより、再度、レーザ光の通信パスが形成されて維持されると(S11、S12、S13:YES)、残りの映像データの送信が行われる(S14)。こうして、今回送信分の映像データの送信が終了すると(S15:YES)、映像データの送受信制御が終了する。
図5(a)、(b)は、それぞれ、第1サーチ制御において、送信装置10の制御部11および受信装置20の制御部21が行う制御を示すフローチャートである。
送信装置10の制御部11は、音響通信部17を介して、サーチ要求を受信装置20に送信する(S101)。このとき、制御部11は、位置姿勢検出部16によって検出された現在の位置および姿勢に関する情報を、サーチ要求に含めて送信する。さらに、制御部11は、サーチ要求の送信に応じて、自身の時間軸をゼロにリセットして計時を開始する。
受信装置20の制御部21は、音響通信部27を介してサーチ要求を受信すると(S201:YES)、位置姿勢検出部26によって検出された現在の位置および姿勢に関する情報を、音響通信部27を介して送信装置10に送信する(S202)。このとき、制御部21は、サーチ要求を受信と同時に、自身の時間軸をゼロにリセットして計時を開始する。これにより、送信装置10の時間軸と受信装置20の時間軸とが整合される。
さらに、制御部21は、受信した位置姿勢に関する情報と、位置姿勢検出部26によって検出された現在の位置および姿勢に関する情報とに基づいて、受信方向を送信装置10に向かう方向に設定する(S203)。具体的には、制御部21は、光偏向器201を制御して、レーザ光B10の受信方向が送信装置10に向くように、ミラー201aを傾ける。そして、制御部21は、レーザ光の受光処理(スキャンビーム受光処理)を実行する(S204)。
送信装置10の制御部11は、ステップS202において受信装置20から送信された位置および姿勢に関する情報を受信すると(S102:YES)、受信した位置姿勢に関する情報と、位置姿勢検出部16によって検出された現在の位置および姿勢に関する情報とに基づいて、送信方向を受信装置20に向かう方向に設定する(S103)。具体的には、制御部11は、光偏向器106を制御して、レーザ光B10の送信方向が受信装置20に向くように、ミラー106aを傾ける。
そして、制御部11は、設定した送信方向を中心にレーザ光B10が所定の角度範囲でスキャンされるように、レーザ光源101および光偏向器106を制御する(S104)。このとき、制御部11は、一定出力でレーザ光源101を駆動させる。これにより、一定出力のレーザ光B10が、所定のスキャン軌跡に沿ってスキャンされる。スキャンは、同一のスキャン軌跡に沿って所定回数(たとえば3回)繰り返し行われる。本実施形態では、ステップS103で設定された送信方向を中心とする円形の軌跡に沿ってレーザ光B10が回転するように、スキャン動作が行われる。
このスキャンにおいて、レーザ光B10が受信装置20のミラー201aに入射すると、イメージセンサ205の受光面にレーザ光B12が入射する。この場合、イメージセンサ205の対応する画素から受光強度に応じた画素信号が出力される。他方、このスキャンにおいて、レーザ光B10が受信装置20のミラー201aに入射しなければ、イメージセンサ205の受光面にはレーザ光B12が入射しない。この場合、イメージセンサ205の何れの画素からも、レーザ光の受光による画素信号は出力されない。
受信装置20の制御部21は、上記のように送信装置10と整合された共通の時間軸において、レーザ光B10が所定回数スキャンされる期間を含む監視期間を設定し、この監視期間において、ステップS204の処理を実行する。そして、この監視期間が終了すると、制御部21は、当該監視期間にイメージセンサ205がレーザ光B12を受光したか否かを示すサーチ結果を、音響通信部27を介して、送信装置10に送信する(S205)。イメージセンサ205がレーザ光B12を受光した場合は、受光のタイミングを示す時刻情報が、さらに、サーチ結果に含まれる。時刻情報は、上記共通の時間軸上の経過時間により規定される。
図6は、スキャン動作によりレーザ光B12がイメージセンサ205の受光面205aに入射する場合のイメージセンサ205の受光状態を模式的に示す図である。
上記のように、本実施形態では、円形の軌跡に沿ってレーザ光B10が回転するようにスキャン動作が行われる。このため、分岐素子202で分岐されたレーザ光B12も、円形のスキャン軌跡L12に沿って移動する。なお、図6には、便宜上、光偏向器201のミラー201aにレーザ光が入射しない期間においても、スキャン軌跡L12とレーザ光B12が破線で示されている。
図7(a)は、送信装置10におけるスキャン動作時のレーザ光B10の回転角の変化を示すタイムチャートである。図7(b)は、受信装置20におけるスキャン動作時のイメージセンサ205によるレーザ光B12の受光状態を示すタイムチャートである。図7(b)の縦軸は、イメージセンサ205の全画素の信号値を積算した積算値である。
図7(a)に示すように、送信装置10の制御部11は、1つのスキャン期間T1においてレーザ光B10が1回転するように、光偏向器106を制御する。上記のように、1回転のスキャンは、所定回数(たとえば3回)繰り返される。レーザ光B10が1回転する間の所定のスキャン位置において、レーザ光B10が受信装置20の光偏向器201(ミラー201a)に入射すると、図7(b)に示すように、イメージセンサ205の信号値(全画素の積算値)がパルス状に立ち上がる。
受信装置20の制御部11は、イメージセンサ205の信号値(全画素の積算値)と所定の閾値Sthとを比較し、信号値が閾値Sth以上となった場合に、光偏向器201がレーザ光B10を受光したと判定する。そして、信号値が閾値Sth以上にある期間の中間点の時刻を、光偏向器201がレーザ光B10を受光したタイミングを示す時刻情報として取得する。図7(b)の例では、1回目および2回目のスキャン期間T1において、レーザ光B10が光偏向器201により受光され、時刻t1、t2の時刻情報が得られている。
図5(a)、(b)に戻り、受信装置20の制御部21は、ステップS205において、サーチ結果を音響通信により送信装置1に送信する。上記のように、サーチ結果は、イメージセンサ205がレーザ光B12を受光したか否かを示す情報を含み、イメージセンサ205がレーザ光B12を受光した場合は、さらに、受光したタイミングを示す時刻情報を含んでいる。
こうして、サーチ結果を送信した後、制御部21は、今回のスキャン動作においてイメージセンサ205がレーザ光B12を受光したか否かを判定する(S206)。イメージセンサ205がレーザ光B12を受光した場合(S206:YES)、第1サーチ制御を終了する。他方、イメージセンサ205がレーザ光B12を受光しなかった場合(S206:NO)、制御部21は、処理をステップS204に戻す。
送信装置10の制御部11は、ステップS205で送信されたサーチ結果を音響通信により受信すると(S105)、サーチ結果を参照し、イメージセンサ205がレーザ光B12を受光したか否かを判定する(S106)。そして、制御部11は、イメージセンサ205がレーザ光B12を受光した場合は(S106:YES)、第1サーチ制御を終了し、イメージセンサ205がレーザ光B12を受光しなかった場合は(S106:NO)、処理をステップS103に戻す。
処理をステップS103に戻した場合、制御部11は、レーザ光B10の送信方向を設定し直す。ここで、制御部11は、前回、ステップS103で設定した送信方向から所定方向に所定角度だけずらした方向に、新たな送信方向を設定する。そして、制御部11は、新たに設定した送信方向を中心に、再度、レーザ光B10を所定回数スキャンさせる(S104)。
また、受信装置20の制御部21は、処理をステップS204に戻した場合、送信装置10と共通の時間軸上に再度、監視期間を設定して、イメージセンサ205を用いた受光処理を実行する。監視期間は、再度、ステップS104で行われる所定回数のスキャン動作の実行期間を含む期間に設定される。監視期間が終了すると、制御部21は、当該監視期間のサーチ結果を生成して、音響通信により、送信装置10に送信する(S205)。送信されたサーチ結果は、ステップS105において、送信装置10の制御部11に受信される。
こうして、送信装置10の制御部11と受信装置20の制御部21は、イメージセンサ205がレーザ光B12を受光するまで、レーザ光B10のスキャン方向を修正しながら、ステップS103~S106の処理およびステップS204~S206の処理をそれぞれ繰り返し実行する。そして、ステップS106、S206の判定がYESとなると、制御部11および制御部21は、第1サーチ制御をそれぞれ終了し、第2サーチ制御へと移行する。
なお、図5(a)、(b)の制御では、ステップS106、S206の判定がNOの場合、送信方向が修正されて、再度、スキャン動作が行われたが、送信方向は修正せずに、スキャンの走査軌跡を修正してもよい。たとえば、制御部11は、再度、スキャン動作を行う場合に、送信方向を中心とするスキャン軌跡の径を変化させてもよい。また、ステップS106、S206の判定がNOの場合、制御部11および制御部21は、処理をそれぞれステップS101、S201に戻して、第1サーチ制御をやり直してもよい。
図8(a)、(b)は、それぞれ、第2サーチ制御において、送信装置10の制御部11および受信装置20の制御部21が行う制御を示すフローチャートである。
送信装置10の制御部11は、図5(a)のステップS105で受信したサーチ結果に基づいて、レーザ光B10の送信方向を設定する(S111)。具体的には、制御部11は、サーチ結果に含まれている時刻情報に基づいて、レーザ光B10の送信方向を設定する。
たとえば、図7(a)、(b)の例では、サーチ結果に時刻t1、t2が含まれている。この例では、3回目以降のスキャン期間T1においても、イメージセンサ205の信号値(全画素の信号値の積算値)が立ち上がる期間が存在し得る。したがって、3回目以降のスキャン期間T1においても、同様に、受光タイミングを示す時刻が取得され、取得された時刻がさらにサーチ結果に含まれ得る。
送信装置10の制御部11は、サーチ結果に含まれる時刻に対応するレーザ光B10の回転角を取得する。図7(a)、(b)の例では、時刻t1に対応する回転角θ1が取得され、時刻t2に対応する回転角θ2が取得される。残りのスキャン期間T1についても、同様に、サーチ結果に含まれる時刻に対応する回転角が取得される。制御部11は、取得した回転角を平均した回転角に対応する送信方向を、図8(a)のステップS111における送信方向に設定する。このとき、制御部11は、他の回転角から大きく乖離する回転角を平均化の対象から除いてもよい。
なお、ここでは、各時刻に対応するレーザ光B10のスキャン位置として、レーザ光B10の回転角が取得されたが、各時刻に対応するレーザ光B10のスキャン位置として、光偏向器106におけるミラー106aの回動位置または回動量等の他のパラメータ値が取得されてもよい。
図8(a)、(b)に戻り、制御部11は、レーザ光源101および光偏向器106を制御して、ステップS111で設定した送信方向に、一定出力のレーザ光B10を照射させる(S112)。この送信方向は、上述の第1サーチ処理においてレーザ光B10が受信装置20により受光された送信方向であるため、通常、今回照射されたレーザ光B10も、受信装置20により受光される。その後、制御部11は、受信装置20から制御情報が送信されるのを待つ(S113)。
受信装置20の制御部21は、第2サーチ制御において、レーザ光B12をイメージセンサ205で受光する処理を実行する(S211)。そして、制御部21は、イメージセンサ205の出力信号に基づいて、光偏向器201(ミラー201a)の中心とレーザ光B10の中心との間のずれを補正するための制御情報を生成し(S212)、生成した制御情報を、音響通信部27を介して、送信装置10に送信する(S213)。これにより、制御部21は、第2サーチ制御を終了し、後段の通信サーボ制御(図4のステップS12)へと移行する。
図9は、第2サーチ制御における制御情報の生成方法を示す図である。
図9の例では、分岐素子202で分岐されたレーザ光B12が、イメージセンサ205の受光面205aの角付近に入射している。制御部21は、イメージセンサ205の各画素205bから出力される画素信号に基づいて、イメージセンサ205の受光面205aにおけるレーザ光B12の受光範囲を特定する。たとえば、制御部21は、画素信号が所定の閾値以上である画素群の範囲を受光範囲として特定する。図9の例では、ハッチングが付された画素205b群の範囲が、受光範囲として特定される。制御部21は、特定した受光範囲に含まれる画素205bのうち、最も高い信号値が生じた画素205bの位置(最大受光位置P1)を抽出し、さらに、各画素205bの信号値から、受光範囲における信号値の重心位置(受光重心位置P2)を抽出する。
通常、レーザ光B12の強度は、中心付近が最も高く、中心から離れるにしたがって次第に低くなる。図9の例では、レーザ光B12の中心が受光面205aに含まれるため、レーザ光B12の中心付近にある画素205bの信号値が最も高くなる。このため、図9の例では、レーザ光B12の中心付近にある画素205bの位置が最大受光位置P1となる。また、図9の例では、受光範囲が、レーザ光B12の中心から図9の左下方向に大きく広がっている。このため、受光重心位置P2は、最大受光位置P1に対して左下方向にずれることになる。
このように、受光重心位置P2に対する最大受光位置P1のずれ方向は、受光面205aの中心に対するレーザ光B12の中心のずれ方向に概ね整合する。また、受光重心位置P2と最大受光位置P1との間のずれ量および受光範囲(位置および面積)と、受光面205aの中心に対するレーザ光B12の中心のずれ量との間には、一定の関係(規則)を規定できる。よって、最大受光位置P1、受光重心位置P2および受光範囲を特定することにより、受光面205aの中心に対するレーザ光B12の中心のずれ方向およびずれ量を推定できる。
その一方で、受光面205aの中心に対するレーザ光B12の中心のずれ方向およびずれ量は、光偏向器201(ミラー201a)の中心に対するレーザ光B10の中心のずれ方向およびずれ量に対応する。したがって、受光重心位置P2に対する最大受光位置P1のずれ方向およびずれ量と受光範囲とによって、光偏向器201(ミラー201a)の中心に対するレーザ光B10の中心のずれ方向およびずれ量を推定できる。
制御部21は、最大受光位置P1および受光重心位置P2を抽出した後、最大受光位置P1と受光重心位置P2との間の横方向および縦方向の差分Δd1、Δd2(受光重心位置P2に対する最大受光位置P1のずれ方向およびずれ量)を算出する。そして、制御部21は、算出した差分Δd1、Δd2と受光範囲の位置および画素数(面積)とに基づいて、光偏向器201(ミラー201a)の中心に対するレーザ光B10の中心のずれ方向およびずれ量を算出し、このずれ方向およびずれ量を解消するために必要なレーザ光B10の送信方向の補正方向および補正量を算出する。制御部21は、こうして算出した補正方向および補正量を、図8(b)のステップS212における制御情報として取得する。
図8(a)、(b)に戻り、送信装置10の制御部11は、音響通信部17を介して制御情報を受信すると(S113:YES)、制御情報に基づいて、レーザ光B10の送信方向を補正する(S114)。すなわち、制御部11は、光偏向器106を制御して、光偏向器201(ミラー201a)の中心に対するレーザ光B10の中心のずれを解消する方向に、レーザ光B10の送信方向を補正する。これにより、レーザ光B10の中心と光偏向器201(ミラー201a)の中心とが接近し、同時に、レーザ光B12の中心とイメージセンサ205の受光面205aの中心とが接近する。その後、制御部11は、第2サーチ制御を終了し、後段の通信サーボ制御(図4のステップS12)へと移行する。
図10は、受信装置20の制御部21における通信サーボ制御を示す図である。
通信サーボ制御において、制御部21は、受光範囲の最大受光位置P1を抽出し、最大受光位置P1と、受光面205aの中心画素位置P0との間の差分Δd3、Δd4を算出する。そして、制御部21は、この差分Δd3、Δd4が解消されるように、光偏向器201を制御する。これにより、集光レンズ203によるレーザ光B10の集光位置が、光検出器204の受光領域に適正に位置づけられる。制御部21は、以上の制御を随時繰り返し実行する。
通信サーボ制御において、光偏向器201におけるミラー201aの回動角が回動可能範囲の上限付近に到達すると、制御部21は、レーザ光B10の送信方向を、ミラー201aが中立位置に近づく方向に補正するための制御情報を、音響通信部27を介して送信装置10に送信する。これを受けて、送信装置10の制御部11は、水中装置3の位置および光偏向器106を制御して、レーザ光B10の送信方向を補正する。これにより、受信装置20の光偏向器201のミラー201aが、通信サーボ制御により、中立位置付近に復帰する。こうして、通信サーボ制御が円滑に継続される。
<実施形態の効果>
上記実施形態によれば、以下の効果が奏され得る。
映像データの送信にレーザ光B10が用いられるため、送信装置10から受信装置20に大容量のデータを送信できる。また、通信に用いるレーザ光B10が平行光化されているため、送信装置10から受信装置20までの距離が長くても、レーザ光B10の密度が低下しにくい。このため、送信装置10と受信装置20との間で通信可能な距離を拡大できる。また、広い受光領域(受光面205a)を有するイメージセンサ205が、受信装置20におけるレーザ光B10の受光状態の監視に用いられるため、上記のようにレーザ光B10が平行光化された場合に、受信装置20におけるレーザ光の受光状態を高い分解能で精緻に監視できる。よって、イメージセンサ205からの出力信号から、レーザ光B10の送信方向を受信装置20に向かう方向に制御するための制御情報を円滑かつ精度良く生成でき、この制御情報によって、レーザ光B10の送信方向を適正に制御できる。よって、本実施形態に係る水中通信システム1によれば、大容量の映像データをより長い距離で送受信することができる。
図5(a)、(b)に示したように、送信装置10の制御部11(第1制御部)は、光偏向器106(第1光偏向器)を制御して、レーザ光B10を所定範囲でスキャンさせ(S104)、受信装置20の制御部21(第2制御部)は、イメージセンサ205がレーザ光B12を受光したスキャン位置に関するサーチ結果(制御情報)を、音響通信部27(第2通信部)を介して送信装置10に送信し(S205)、制御部11(第1制御部)は、光偏向器106(第1光偏向器)を制御して、音響通信部17(第1通信部)を介して受信したサーチ結果(制御情報)に基づく方向に、レーザ光B10の送信方向を設定する(図8(a)のステップS111)。この制御(第1サーチ制御)によれば、平行光化されたレーザ光B10をスキャンさせることにより、受信装置20がレーザ光を受光可能な送信方向を探知できる。よって、大容量の映像データを送信する前に、円滑に、レーザ光B10の送信方向を設定できる。
図7(b)に示したように、イメージセンサ205がレーザ光B12を受光したスキャン位置に関するサーチ結果(制御情報)は、イメージセンサ205がレーザ光B12を受光したタイミングを特定する時刻情報を含んでいる。この構成によれば、予め、送信装置10と受信装置20との間で時間軸を調整しておくことにより、送信装置10側において、どのスキャン位置が、受信装置20側においてレーザ光B10を受光可能な位置であるかを、サーチ結果に含まれる時刻情報をもとに特定できる。よって、送信装置10側において、レーザ光B10の送信方向を簡易な処理により設定できる。
図8(a)、(b)に示したように、受信装置20の制御部21(第2制御部)は、イメージセンサ205の出力信号に基づいて、光偏向器201(第2光偏向器)の中心とレーザ光B10の中心との間のずれを補正するための制御情報を、音響通信部27(第2通信部)を介して送信装置10に送信し(S213)、送信装置10の制御部11(第1制御部)は、音響通信部17(第1通信部)を介して受信した制御情報に基づいて、光偏向器106(第1光偏向器)を制御して、前記ずれを解消する方向にレーザ光B10の送信方向を補正する(S114)。この制御によれば、送信装置10から送信されるレーザ光B10の送信方向を、光偏向器201(第2光偏向器)の中心とレーザ光B10の中心とが接近するように補正できる。これにより、より多い光量のレーザ光B10を光偏向器201(第2光偏向器)により取り込んで、光検出器204に導くことができる。よって、レーザ光B10による映像データの送受信をより精度良く行うことができる。
図9に示したように、第2サーチ制御において、受信装置20の制御部21(第2制御部)は、イメージセンサ205の出力信号に基づいて、イメージセンサ205におけるレーザ光B12の受光範囲中の最大受光位置P1と受光重心位置P2とを抽出し、最大受光位置P1と受光重心位置P2との差分Δd1、Δd2に基づいて、上記ずれを補正するための制御情報を生成する。この構成によれば、上記のように、イメージセンサ205の出力信号に基づいて、光偏向器201(第2光偏向器)の中心とレーザ光B10の中心との間のずれを補正するための制御情報を円滑に生成できる。
図2に示したように、第1サーチ制御および第2サーチ制御における情報(サーチ結果、制御情報など)の送受信を、音響通信部17、27が、音響信号を用いて行う。この構成によれば、広角に送受信が可能であるため、サーチ結果および制御情報を、円滑かつ確実に、受信装置20から送信装置10に提供できる。よって、レーザ光B10の送信方向の制御を、迅速かつ適正に行うことができる。なお、サーチ結果および制御情報はデータ容量が小さい
上記のように、レーザ光源101から出射されるレーザ光の波長は、400nm以上550nm以下の範囲に含まれるよう設定されることが好ましい。この波長帯の光は、水に吸収または散乱されにくいため、このようにレーザ光B10の波長を設定することにより、レーザ光B10を用いた送信装置10と受信装置20との間の通信距離を、より効果的に広げることができる。
図3に示したように、送信装置10の光偏向器106(第1光偏向器)および受信装置20の光偏向器201(第2光偏向器)は、それぞれ、ミラー106a、201aを有する反射型の光偏向器とされている。これにより、簡易な制御により広角に、レーザ光B10の送受信方向を変化させることができる。
<変更例>
上記実施形態では、第1サーチ制御におけるレーザ光B10のスキャン軌跡が円形であったが、スキャン軌跡はこれに限られるものではない。たとえば、スキャン軌跡が矩形であってもよく、あるいは、所定範囲で蛇行するスキャン軌跡が用いられてもよい。所定範囲で蛇行するスキャン軌跡が用いられる場合、イメージセンサ205におけるレーザ光B12のスキャン軌跡L12は、たとえば、図11のようになる。この場合も、所定のスキャン位置において、レーザ光B12がイメージセンサ205に受光され得る。
また、上記実施形態では、第2サーチ制御において、図9に示した方法により、光偏向器201の中心とレーザ光B10の中心との間のずれが検出されたが、このずれを検出する方法は、これに限らず、他の方法が用いられてもよい。たとえば、受光重心位置P2または最大受光位置P1と受光面205aの中心画素位置P0との間のずれ(ずれ方向、ずれ量)に基づいて、光偏向器201の中心とレーザ光B10の中心との間のずれが検出されてもよい。あるいは、イメージセンサ205におけるレーザ光B12の受光範囲の強度分布に基づいて、レーザ光B12の中心位置を求めてもよい。
図12は、イメージセンサ205におけるレーザ光B12の受光範囲の強度分布に基づいて、レーザ光B12の中心位置を求める方法を説明する図である。
ここでは、イメージセンサ205にx軸およびy軸が設定されている。x軸およびy軸のゼロの座標位置がイメージセンサ205の中心に設定されている。x軸方向は受光面102aの横方向であり、y軸方向は受光面102aの縦方向である。イメージセンサ205の受光範囲は、x軸方向に±dの範囲であり、y軸方向に±dの範囲である。ここでは、受光面205aが正方向の範囲に設定されている。縦横の画素数は互いに同じである。
図12の例では、レーザ光B12の中心位置(x0,y0)が受光面205aから外れている。各画素205bには、受光強度を示すハッチングが付されている。たとえば、レーザ光B12のピーク強度の1/eのビーム範囲が、破線の円で示されている。レーザ光B12の強度分布の裾野の範囲が掛かる画素205bにおいても、受光強度に応じた出力が生じる。レーザ光B12の中心位置(x0,y0)から離れるほど、各画素205bの受光強度が、正規分布状に低下していく。
ここで、x-y座標面上の各位置におけるレーザ光B12の受光強度は、次式で示され得る。
Figure 2022135671000002
上記式(1)において、Iはレーザ光B12の中心位置の強度(ピーク強度)であり、ωおよびωは、それぞれ、レーザ光B12のx軸方向およびy軸方向のビーム径である。ビーム径は、上記のように、たとえば、レーザ光B12のピーク強度の1/eのビーム範囲に対して規定される。
上記式(1)の両辺に対して自然対数を取ると、次式が得られる。
Figure 2022135671000003
さらに、上記式(2)をxおよびyでそれぞれ偏微分すると、次式が得られる。
Figure 2022135671000004
上記式(3)、(4)により算出されるデータ群から最小二乗法等により近似直線をそれぞれ求め、求めた近似直線がz=0の平面およびz=0の平面にそれぞれ接するx軸方向およびy軸方向の切片位置を、レーザ光B12の中心位置の座標として取得できる。
図13(a)~図13(d)は、上記式(1)~式(4)により算出されるデータ群の一例を示すシミュレーション結果である。この例では、レーザ光B12の中心位置(x0,y0)が、(15.0mm,15.0mm)に設定されている。また、イメージセンサ205の受光範囲を規定するパラメータ値dが、5mmに設定されている。
図13(a)は、上記式(1)の強度分布のデータ群を示しており、図13(b)は、上記式(2)のデータ群を示している。また、図13(c)は、上記式(3)のデータ群を示しており、図13(d)は、上記式(4)のデータ群を示している。この例では、レーザ光B12の中心がイメージセンサ205の受光範囲の中心から大きく外れているため、受光範囲中に受光強度が顕著に小さい範囲(x位置およびy位置が-5mmに近い位置)が含まれる。この範囲は、ノイズの影響を受けやすい。このため、図13(c)および図13(d)のシミュレーション結果には、受光強度が低い範囲にノイズ成分を含めている。
図14(a)~図14(d)は、上記式(1)~式(4)により算出されるデータ群の他の例を示すシミュレーション結果である。この例では、レーザ光B12の中心位置(x0,y0)が、(0mm,0mm)に設定されている。また、イメージセンサ205の受光範囲を規定するパラメータ値dが、図13(a)~図13(d)と同様、5mmに設定されている。
図14(a)は、上記式(1)の強度分布のデータ群を示しており、図14(b)は、上記式(2)のデータ群を示している。また、図14(c)は、上記式(3)のデータ群を示しており、図14(d)は、上記式(4)のデータ群を示している。この例では、レーザ光B12の中心がイメージセンサ205の受光範囲の中心に一致するため、受光範囲中に受光強度が顕著に小さい範囲は含まれない。このため、図14(c)および図14(d)のシミュレーション結果では、受光強度が低い範囲におけるノイズ成分を抑制している。
図15(a)および図15(b)は、それぞれ、図14(c)、(d)のデータ群に対して最小二乗法により近似直線を求めた算出結果を示すグラフである。図15(a)および図15(b)において、丸印はデータ群を示し、太い直線が近似直線を示している。ここでは、図14(c)、(d)の全てのデータ群から近似直線を求めている。
この例において、Zx=0の平面に接する近似直線のx軸方向の位置(切片)は、-0.075mmであり、Zy=0の平面に接する近似直線のy軸方向の位置(切片)は、-0.077mmである。したがって、この例では、レーザ光B12の中心位置(x0,y0)が、(-0.075mm,0.077mm)と算出される。この算出結果は、この例に対して設定した本来のレーザ光B12の中心位置(0mm,0mm)に精度良く一致する。
図16(a)および図16(b)は、それぞれ、図13(c)、(d)のデータ群に対して最小二乗法により近似直線を求めた算出結果を示すグラフである。図16(a)および図16(b)において、丸印はデータ群を示し、太い直線が近似直線を示している。ここでは、図13(c)、(d)の全てのデータ群から近似直線を求めている。
この例において、Zx=0の平面に接する近似直線のx軸方向の位置(切片)は、14.3mmであり、Zy=0の平面に接する近似直線のy軸方向の位置(切片)は、13.9mmである。したがって、この例では、レーザ光B12の中心位置(x0,y0)が、(14.3mm,13.9mm)と算出される。この算出結果は、この例に対して設定した本来のレーザ光B12の中心位置(15.0mm,15.0mm)に精度良く一致する。
上記シミュレーションにおいて、ビーム径ω、ωは、上記式(3)、(4)の算出式のパラメータになっているが、これらの値が変化しても、上記式(3)、(4)のデータ値のばらつきと近似直線の傾きが変化するものの、近似直線がz=0の平面に接する切片のx位置、y位置はほぼ変化しない。よって、上記式(3)、(4)によるデータ群の算出は、ビーム径ω、ωに所定の固定値を設定して行えばよい。
なお、上記シミュレーションでは、図13(c)、(d)の全てのデータ群から近似直線を求めたが、たとえば、図13(c)および図13(d)において、近似直線を算出する範囲を、ノイズの影響が小さいy軸の範囲(たとえば、y軸の値が0~5mmの範囲)のデータ群に制限してもよい。これにより、レーザ光B12の中心位置の算出結果を、本来の中心位置により精度良く近づけることができる。
以上のように、この算出方法では、レーザ光B12の中心位置を精度よく算出できる。よって、この算出方法を第2サーチ制御に用いることにより、光偏向器201の中心とレーザ光B10の中心との間のずれを補正するための制御情報の精度を高めることができ、その後の通信サーボ制御へと円滑に移行することができる。
但し、この算出方法では、図9に示した方法に比べて、データの処理負荷が高くなる。よって、より低い処理負荷で迅速に第2サーチ制御を行う場合は、図9に示した方法を用いることが好ましいと言える。
また、上記実施形態では、第1サーチ制御において、制御情報として、時刻情報が受信装置20から送信装置10に送信されたが、受信装置20がレーザ光B10を受信したスキャン位置に関する制御情報は、他の情報であってもよい。たとえば、受信装置20がレーザ光B10を受信したタイミングで、特異なパルス列の信号や、特異な変調形態の信号が、制御情報として、受信装置20から送信装置10に送信されてもよい。この場合、送信装置10の制御部11は、これらの信号を受信したタイミングにおけるスキャン位置に対応する方向を、第2サーチ制御における送信方向に設定してもよく、あるいは、これらの信号を受信したタイミングから送受信のタイムラグだけ遡ったタイミングにおけるスキャン位置に対応する方向を、第2サーチ制御における送信方向に設定してもよい。
また、上記実施形態では、通信サーチ制御として第1サーチ制御と第2サーチ制御が行われたが、第1サーチ制御と第2サーチ制御の何れか一方のみが行われてもよい。
たとえば、第1サーチ制御によって、受信装置20がレーザ光B10を受信したスキャン位置が特定されると、当該スキャン位置に対応する方向を送信方向としてレーザ光B10が送信され、その後、サーボ制御が行われて、レーザ光B12の中心がイメージセンサ205の中心へと引き込まれてもよい。
あるいは、送信装置10および受信装置20の位置および姿勢に基づいて設定された送信方向にレーザ光B10をスキャンさせることなく送信し、送信したレーザ光B10が受信装置20によって受信されると、第2サーチ制御が実行され、その後、サーボ制御へと移行されてもよい。
また、上記実施形態では、第1サーチ制御および第2サーチ制御における情報の送受信が音響信号により行われたが、周波数が30~300Hz程度の超長波電磁波等、他の搬送波を用いて当該情報の送受信が行われてもよい。
また、上記実施形態では、レーザ光B10を用いて送信されるデータが映像データであったが、送信されるデータをこれに限られるものではなく、他の種類の大容量データがレーザ光B10を用いて送信されてもよい。
また、上記実施形態では、図2の位置姿勢検出部16によって送信装置10(水中装置3)の位置および姿勢が検出されたが、水上装置2がソナーを備える場合、ソナーによって送信装置10(水中装置3)の位置が検出されてもよい。この場合、受信装置20は、図5のステップ202において、さらに、検出した位置を示す情報を送信装置10に送信し、送信装置10は受信した当該情報により自身の位置を特定すればよい。
また、光送信部13および光受信部23の光学系の構成は、図3の構成に限らず、適宜変更可能である。たとえば、図3の構成では、レーザ光源101から出射されたレーザ光が光ファイバ103を介してコリメータレンズ104に導かれたが、レーザ光源101から出射されたレーザ光が直接、コリメータレンズ104に入射する構成であってもよい。また、図3の構成では、コリメータレンズ104で平行光化されたレーザ光の光路がミラー105で折り曲げられたが、コリメータレンズ104で平行光化されたレーザ光が直接、光偏向器106のミラー106aに入射する構成であってもよい。
また、図3の構成では、ミラー106aを2軸について回動可能な光偏向器106が用いられたが、1軸についてミラーを回動可能な2つの光偏向器を用いて、レーザ光B10を2次元駆動させる構成であってもよい。この場合、2つの光偏向器は、それぞれの回動軸が互いに垂直となるように対向配置される。受信装置20側の光偏向器201も同様の構成に置き換えられ得る。
また、光偏向器106、201は、必ずしも、ミラーを用いた反射型の光偏向器でなくてもよく、たとえば、レンズを移動または回動させる構成であってもよい。レーザ光源101も、レーザダイオードに限らず、ガスレーザ等の他の種類のレーザ光源であってもよい。
また、イメージセンサ205は、CCDやCMOSイメージセンサに限られるものではなく、複数のフォトディテクタまたは光センサがマトリクス状に配置された構成のイメージセンサであってもよい。この場合、上記第2サーチ制御を精度よく行うために、フォトディテクタまたは光センサの配置数を高めて、光検出の分解能を高めることが好ましい。
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に記載の範囲で適宜種々の変更可能である。
1 水中通信システム
10 送信装置
11 制御部(第1制御部)
17 音響通信部(第1通信部)
20 受信装置
21 制御部(第2制御部)
27 音響通信部(第2通信部)
101 レーザ光源
104 コリメータレンズ
106 光偏向器(第1光偏向器)
201 光偏向器(第2光偏向器)
202 分岐素子
204 光検出器
205 イメージセンサ

Claims (11)

  1. 送信装置と、受信装置と、を備え、
    前記送信装置は、
    レーザ光を出射するレーザ光源と、
    前記レーザ光を平行光化するコリメータレンズと、
    平行光化された前記レーザ光を偏向させる第1光偏向器と、
    前記受信装置と通信を行う第1通信部と、
    前記第1通信部を介して受信した制御情報に基づいて前記第1光偏向器を制御する第1制御部と、を備え、
    前記受信装置は、
    前記レーザ光の受信方向を変化させる第2光偏向器と、
    前記第2光偏向器を経由した前記レーザ光の光路を分岐させる分岐素子と、
    分岐された一方の前記レーザ光を受光する光検出器と、
    分岐された他方の前記レーザ光を受光するイメージセンサと、
    前記送信装置と通信を行う第2通信部と、
    前記イメージセンサの出力信号に基づいて、前記レーザ光の送信方向を制御する前記制御情報を、前記第2通信部から送信させる第2制御部と、を備える、
    ことを特徴とする水中通信システム。
  2. 請求項1に記載の水中通信システムにおいて、
    前記第1制御部は、前記第1光偏向器を制御して、前記レーザ光を所定範囲でスキャンさせ、
    前記第2制御部は、前記イメージセンサが前記レーザ光を受光したスキャン位置に関する前記制御情報を、前記第2通信部を介して前記送信装置に送信し、
    前記第1制御部は、前記第1光偏向器を制御して、前記第1通信部を介して受信した前記制御情報に基づく方向に、前記レーザ光の送信方向を設定する、
    ことを特徴とする水中通信システム。
  3. 請求項2に記載の水中通信システムにおいて、
    前記スキャン位置に関する前記制御情報は、前記イメージセンサが前記レーザ光を受光したタイミングを特定する情報である、
    ことを特徴とする水中通信システム。
  4. 請求項1ないし3の何れか一項に記載の水中通信システムにおいて、
    前記第2制御部は、前記イメージセンサの出力信号に基づいて、前記第2光偏向器の中心と前記レーザ光の中心との間のずれを補正するための前記制御情報を、前記第2通信部を介して前記送信装置に送信し、
    前記第1制御部は、前記第1通信部を介して受信した前記制御情報に基づいて、前記第1光偏向器を制御して、前記ずれを解消する方向に前記レーザ光の送信方向を補正する、
    ことを特徴とする水中通信システム。
  5. 請求項4に記載の水中通信システムにおいて、
    前記第2制御部は、
    前記イメージセンサの出力信号に基づいて、前記イメージセンサにおける前記レーザ光の受光範囲中の最大受光位置と受光重心位置とを抽出し、
    前記最大受光位置と前記受光重心位置との差分に基づいて、前記ずれを補正するための前記制御情報を生成する、
    ことを特徴とする水中通信システム。
  6. 請求項4に記載の水中通信システムにおいて、
    前記第2制御部は、
    前記イメージセンサにおける前記レーザ光の受光範囲の強度分布に基づいて、前記レーザ光の中心位置を算出し、
    算出した前記中心位置に基づいて、前記ずれを補正するための前記制御情報を生成する、
    ことを特徴とする水中通信システム。
  7. 請求項1ないし6の何れか一項に記載の水中通信システムにおいて、
    前記第1通信部および前記第2通信部は、音響信号により通信を行う、
    ことを特徴とする水中通信システム。
  8. 請求項1ないし7の何れか一項に記載の水中通信システムにおいて、
    前記レーザ光源から出射される前記レーザ光の波長は、400nm以上550nm以下の範囲に含まれる、
    ことを特徴とする水中通信システム。
  9. 請求項1ないし8の何れか一項に記載の水中通信システムにおいて、
    前記第1光偏向器および前記第2光偏向器は、それぞれ、ミラーを有する反射型の光偏向器である、
    ことを特徴とする水中通信システム。
  10. レーザ光を用いた水中通信方法であって、
    送信装置から送信される平行光化されたレーザ光を受信装置に向かう方向の所定範囲でスキャンさせ、
    前記レーザ光を受光したスキャン位置に関する制御情報を前記受信装置から前記送信装置に送信し、
    前記制御情報に基づく方向に、前記送信装置から送信される前記レーザ光の方向を設定する、
    ことを特徴とする水中通信方法。
  11. レーザ光を用いた水中通信方法であって、
    レーザ光を光検出器に導く光偏向器の中心と前記レーザ光の中心との間のずれを補正するための制御情報を受信装置から送信装置に送信し、
    前記制御情報に基づいて、前記送信装置から送信される前記レーザ光の方向を、前記ずれを解消する方向に補正する、
    ことを特徴とする水中通信方法。
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