JP2022135317A - リナグリプチン製剤 - Google Patents

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雅光 横川
Masamitsu Yokokawa
智裕 ▲高▼橋
Tomohiro Takahashi
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Abstract

【課題】リナグリプチン固形製剤、より詳しくは、崩壊性や溶出性に優れたリナグリプチンの固形製剤を提供する。【解決手段】リナグリプチン又はその塩、及び、アスパルテーム、サッカリンナトリウム、ステビア、及びスクラロースからなる群から選択される甘味剤を含む固形製剤を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、リナグリプチン製剤及びその製造方法に関する。より詳しくは、服用性及び溶出性が向上したリナグリプチン製剤及びその製造方法に関する。
リナグリプチン(化学名:8-[(3R)-3-アミノピペリジン-1-イル]-7-(ブタ-2-イン-1-イル)-3-メチル-1-[(4-メチルキナゾリン-2-イル)メチル]-3,7-ジヒドロ-1H-プリン-2,6-ジオン)は、以下の式:
Figure 2022135317000001
で示される構造を有するジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)の競合的かつ可逆的な選択的阻害剤であり、2型糖尿病治療薬として世界中で広く使用されている。本邦においては、リナグリプチンを単独の有効成分として含有する製剤は「トラゼンタ(登録商標)錠」として販売されており、通常、成人にはリナグリプチンとして5mgを1日1回経口投与される。
経口投与により苦味やえぐみを生じる薬剤は、服用性の改善のための工夫が求められている。苦みやえぐみを生じる薬剤の服薬性の改善のため、一般には、苦みを物理的に遮断する物理的マスキングや、甘味を加えることにより薬剤の苦みを低減させる官能的マスキングを施すことが多い。物理的マスキングの例としては、錠剤を薄いフィルムで覆うことにより口内での苦味の流出を防ぐフィルムコーティング、有効成分及び賦形剤等をカプセルに入れることにより口内での苦味の流出を防ぐカプセル化が挙げられ、官能的マスキングの例としては、矯味剤及び甘味剤等を添加することが挙げられる。
リナグリプチンは、独特の苦みがあり、現在市販されているトラゼンタ(登録商標)錠は、錠剤にフィルムコーティングが施されている。このフィルムコーティングは、物理マスキング効果として苦味を抑えることに一定の効果を発揮していると考えられる。(非特許文献1)。
現在知られているリナグリプチン製剤としては、例えば、特許文献1には、リナグリプチン及び延長放出形態のメトホルミンを含む多剤混合薬(FDC)を含む医薬組成物が記載されている。
また、特許文献2には、錠剤コア及び錠剤コアを囲む活性なコーティング層を含む被覆錠剤が記載されている。この錠剤コアには、少なくとも一の抗糖尿病薬又はその医薬上許容される塩が含まれ、活性なコーティング層には、(i)コーティング材料、(ii)アミン化合物、及び(iii)リナグリプチンが含まれる。
特許文献3には、錠剤コア、錠剤コアを被覆する第一層、第一層を被覆する第二層、及び第二層を被覆する第三層を含む被覆錠剤が記載される。錠剤コアには、抗糖尿病剤または薬学的に許容されるその塩が含まれ、第一層には、(i)コーティング物質、及び(ii)場合により少なくとも1種の水溶性抗酸化剤が含まれ、第二層には、(i) コーティング物質、(ii)少なくとも1種の水溶性抗酸化剤、及び(iii) リナグリプチンが含まれ、第三層には、(i)コーティング物質、及び(ii)場合により少なくとも1種の水溶性抗酸化剤が含まれる。
特許文献4には、選択的に水分調節又は乾燥されているリナグリプチン及びL-アルギニンを含む、錠剤の機械的特性(例えば硬度)の制御された固形医薬製剤が記載されている。
特表2015-509519号公報 特表2014-504639号公報 特表2013-538814号公報 特表2015-533134号公報
「トラゼンタ(登録商標)錠5mg」医薬品添付文書 2020年7月改訂(第1版)
一般的に、フィルムコート錠は崩壊性や服用性が乏しく、嚥下困難な患者への負担となり得る。リナグリプチンをはじめとする経口血糖降下薬を服用する患者は、他効能薬剤を併用して服用する場合が多いことから、服薬アドヒアランス改善のための易服用性製剤の開発が求められている。特に薬剤の服用が困難となり易い、嚥下機能が低下した高齢者や重症患者、摂食嚥下障害のある患者等は、誤嚥や咽頭残留が起こす可能性があるため、飲み込みやすい製剤が望まれている。一方、口腔内崩壊錠剤は飲み込みやすい反面、口腔内で速やかに水分を吸収して崩壊するため、有効成分に苦味がある場合には苦味などを感じやすい。苦みのある薬剤は、患者が服薬拒否を引き起こすことがあるため、苦みをマスクした状態で服用できる製剤が望ましい。
また、有効成分となる薬剤の性質により、錠剤の崩壊時間は変動する。易服用性製剤の開発における、より改良された錠剤を検討するに際し、今回、本発明者らは、リナグリプチンは、水に接すると凝集し、錠剤の崩壊時間が遅れる傾向があることを発見した。
薬剤は、市場流通期間中において、損傷や品質低下を起こさないように、適度な強度や安定性を有する必要がある。そのために、服薬アドヒアランスを高めるとともに、適切な強度、安定性、長期保存性を保つことが必要である。
本発明者らは、予期しないことに、通常は、薬剤の苦みを低減させる官能的マスキングのために添加される甘味剤を使用することによって、崩壊性や溶出性に優れたリナグリプチンの口腔内崩壊錠を製造できることを見出した。加えて、甘味剤により、口腔内において錠剤が崩壊するときに、甘味自体による官能的なマスキングよりはむしろ、物理的マスキングを増強できることを見出した。ここで、物理的マスキングの増強とは、高分子ポリマーにより被覆されたリナグリプチンを含む口腔内崩壊錠において、甘味剤が高分子ポリマーの物理的マスキング効果を増強することをいう。さらに、甘味剤を添加したリナグリプチン製剤は、安定性及び長期保存性にも優れたものとなることを見出した。本発明は、当業者の予測を超えるこれらの知見に基づくものである。
本発明の第一の態様は、リナグリプチン又はその塩及び甘味剤を含む固形製剤であって、前記甘味剤が、アスパルテーム、サッカリンナトリウム、ステビア、及びスクラロースからなる群から選択される1以上の甘味剤である、固形製剤に関する。
前記固形製剤は、ソーマチンをさらに含むものとすることができる。
前記固形製剤において、リナグリプチン又はその塩が高分子ポリマーにより被覆されるものであってもよく、さらに、リナグリプチン又はその塩を被覆した高分子ポリマーの周囲に甘味剤が分散しているものであってもよい。又は、リナグリプチン又はその塩が前記甘味剤及び高分子ポリマーに被覆されているものであってもよい。
高分子ポリマーとして、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、アンモニオアルキルメタクリレートコポリマーRS、アンモニオアルキルメタクリレートコポリマーRL、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液、エチルセルロース、及び酢酸セルロース等を用いることができる。望ましい高分子ポリマーの一例としては、エチルセルロースを挙げることができる。
上記に説明した固形製剤は、口腔内崩壊錠、チュアブル錠、顆粒剤とすることができるが、特に、口腔内崩壊錠とすることが望ましい。
本発明の第二の態様は、高分子ポリマー、並びにアスパルテーム、サッカリンナトリウム、ステビア、及びスクラロースからなる群から選択される1以上の甘味剤を含む結合液を用いてリナグリプチン又はその塩に噴霧、造粒して、造粒物を生成する工程と、前記造粒物を練合して練合物を得る工程と、前記練合物から固形製剤を生成する工程とを含む、リナグリプチン又はその塩を含む固形製剤を製造する方法に関する。
本発明の第三の態様は、高分子ポリマーを含む結合液を用いてリナグリプチン又はその塩に噴霧、造粒して造粒物を生成する工程と、アスパルテーム、サッカリンナトリウム、ステビア、スクラロース、及びソーマチンからなる群から選択される1以上の甘味剤と前記造粒物を共に練合して、練合物を得る工程と、前記練合物から固形製剤を生成する工程とを含む、リナグリプチン又はその塩を含む固形製剤を製造する方法に関する。
上記に説明した製造方法により製造される固形製剤は、口腔内崩壊錠とすることができる。
本発明の第四の態様は、上記の方法により製造された固形製剤に関する。
本発明によれば、リナグリプチンの口腔内崩壊錠等の固形製剤として、安定性を維持しつつ崩壊性及び溶出性が優れた製剤を提供することができる。さらに、本発明によれば、また、リナグリプチン特有の苦みを物理的にマスクすることにより、服薬性を改善することができる。
本発明は、特定の甘味剤を配合することにより、安定性を維持しつつ崩壊性及び溶出性に優れ、服薬性が改善されたリナグリプチン又はその塩を含む固形製剤、及びその製造方法に関する。
リナグリプチンとは、以下の式:
Figure 2022135317000002
を有する、化学名、8-[(3R)-3-アミノピペリジン-1-イル]-7-(ブタ-2-イン-1-イル)-3-メチル-1-[(4-メチルキナゾリン-2-イル)メチル]-3,7-ジヒドロ-1H-プリン-2,6-ジオン)の物質をいう。
リナグリプチンとして、各種結晶構造のものを用いることができる。例えば、6.9±0.2、8.1±0.2、13.8±0.2、22.6±0.2及び23.8±0.2の回折角(2θ)におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する結晶を用いることができる。
リナグリプチンの塩とは、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩及びテトラアルキルアンモニウム塩、並びに有機もしくは無機酸との塩、例えば塩酸、臭化水素酸、酒石酸、メシル酸、酢酸、マレイン酸およびオキサル酸との塩を含む、本分野で周知の多様な有機および無機対イオンに由来する薬学的に許容される塩の形態のリナグリプチンを意味する。
甘味剤とは、一般に医薬品に甘味を付加するための添加剤である。しかし、本発明では、甘味剤の添加により、安定性を維持しつつ崩壊性及び溶出性が優れたリナグリプチン製剤を提供することができる。さらに、本発明によれば、また、リナグリプチン特有の苦みを、物理的にマスクすることにより、服薬性を改善することができる。本明細書でいう、天然の甘味剤としては、ソーマチン、ステビア(天然のステビアから抽出した抽出物及び抽出物を適当に酵素処理したものの両方を含む)又は甘草等の植物からの抽出物が挙げられ、合成の甘味剤としては、アスパルテーム、サッカリンナトリウム、スクラロース、アセスルファムカリウム、又はアセスルファムナトリウム等が挙げられる。
本発明で用いることのできる甘味剤としては、アスパルテーム、サッカリンナトリウム、スクラロース、ステビア、及びソーマチンのうち、単独又は2種以上の混合物を使用することが好ましい。例えば、アスパルテーム、サッカリンナトリウム、スクラロース、及びステビアをそれぞれ単独で用いたり、又は、アスパルテーム、サッカリンナトリウム、ステビア又はスクラロースと、ソーマチンとの組み合わせを用いることができる。例えば、サッカリンナトリウムとソーマチンの組み合わせを用いることができる。
本発明の製剤中のリナグリプチンの配合量は、1回服用回分の医薬製剤中の含有量で表すと、1mg、2.5mg、5mg、7.5mg又は10mgであり、好ましくは5mgである。リナグリプチン又はその塩と甘味剤との配合比は、例えば、リナグリプチン又はその塩:甘味剤の重量比として、約0.2:1~1.8:1、約0.5:1~1.5:1、約0.8:1~1.2:1、又は約1:1とすることができる。
固形製剤は、口腔内崩壊錠、チュアブル錠、顆粒剤などが挙げられるが、口腔内崩壊錠が望ましい。口腔内崩壊錠とは、錠剤が口腔内で唾液又は少量の水で崩壊することにより飲み込みやすくした製剤をいう。
固形製剤には、本発明の効果を損なわない限り、公知の賦形剤、崩壊剤、結合剤、崩壊剤、酸味剤、発泡剤、嬌味剤、香料、滑沢剤、着色剤、抗酸化剤、界面活性剤、可塑剤等を配合してもよい。また、上記の甘味剤に加えて、別途、ソーマチン、ステビア、甘草等の植物からの抽出物、アスパルテーム、サッカリンナトリウム、スクラロース、アセスルファムカリウム、又はアセスルファムナトリウム等のさらなる甘味剤を配合してもよい。
本発明の効果を損なわない限り、公知の賦形剤を単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。賦形剤として、例えば、糖、糖アルコール、デンプン及びその誘導体、セルロース及びその誘導体、並びに無機塩類等を用いることができる。
糖としては、例えば、乳糖(水和物及び無水)、白糖、ショ糖、果糖、フラクトオリゴ糖、ブドウ糖、マルトース、還元麦芽糖、粉糖、粉末飴、及び還元乳糖を例示できる。
糖アルコールとしては、エリスリトール、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、D-マンニトール等を例示できる。
デンプン及びその誘導体としては、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コメデンプン、コムギデンプン等の天然デンプン、αデンプン、カルボキシメチルデンプン、部分アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ等を例示できる。
セルロール及びその誘導体としては、結晶セルロース、エチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、内部架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム等を例示できる。
無機塩類としては、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、無水リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、リン酸水素カルシウム水和物、炭酸水素ナトリウム、ケイ酸アルミニウム等を例示できる。
その他、アラビアゴム、プルラン、精製ゼラチン、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリビニルピロリドン、グリセリン脂肪酸エステル等を賦形剤として用いることができる。
本発明の固形製剤全体における賦形剤の配合量は、好ましくは50~99.9質量%、より好ましくは60~99質量%、特に好ましくは75~98質量%、最も好ましくは75~97質量%とすることができる。
本発明の効果を損なわない限り、公知の崩壊剤を単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。崩壊剤として、例えば、デンプン、セルロース、炭酸塩、クロスポビドン、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース、部分α化デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。本発明の固形製剤全体における崩壊剤の配合量は、好ましくは0.3~15質量%、より好ましくは0.6~9質量%、さらに好ましくは1.5~6質量%、特に好ましくは2.0~5.5質量%、最も好ましくは3.0~5.0質量%とすることができる。
リナグリプチン又はその塩は、高分子ポリマーにより被覆されていてもよい。この場合には、リナグリプチン又はその塩を被覆した高分子ポリマーの周囲に甘味剤が分散しているものであってもよい。別の形態として、リナグリプチン又はその塩が、甘味剤及び高分子ポリマーにより被覆されていてもよい。
高分子ポリマーとして、アクリル系高分子ポリマーや、水不溶性セルロースエーテルを用いることができる。アクリル系高分子ポリマーの例としては、例えば、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、アンモニオアルキルメタクリレートコポリマーRS、アンモニオアルキルメタクリレートコポリマーRL、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液のようなメタクリル酸コポリマーを挙げることができ、水不溶性セルロースエーテルの例としては、エチルセルロースや酢酸セルロースを挙げることができる。
リナグリプチン又はその塩を含む固形製剤を製造する方法は、エチルセルロース等の高分子ポリマー、及び甘味剤を含む結合液を用いてリナグリプチン又はその塩に噴霧、造粒して、造粒物を生成する工程と、前記造粒物を練合して練合物を得る工程と、前記練合物から固形製剤を生成する工程とを含む。このとき、甘味剤を含ませたうえで、造粒物を練合して練合物を生成することも可能である。
噴霧、造粒工程では、マンニトール等の賦形剤と共にリナグリプチンに、エチルセルロース等の高分子ポリマー及び甘味剤を含む結合液を用いて噴霧、造粒する。この工程により、リナグリプチンが高分子ポリマーに被覆される。噴霧造粒する工程では、流動層造粒法、撹拌造粒法、真空転動造粒法、真空撹拌造粒法などが利用できるが、例えば、流動層造粒法を用いることができる。
噴霧、造粒工程で用いることのできる甘味剤としては、アスパルテーム、サッカリンナトリウム、スクラロース、ステビア、及びソーマチンのうち、単独又は2種以上の混合物を使用することができる。
続いて、練合工程では、得られた造粒物を、マンニトール等の賦形剤及び結合液を用いて練合する。さらに、得られた練合物を、打錠して、固形製剤とする。練合に際し、甘味剤を含ませて練合してもよい。
また、別法として、リナグリプチン又はその塩を含む固形製剤を製造する方法は、エチルセルロース等の高分子ポリマーを含む結合液を用いてリナグリプチン又はその塩に噴霧、造粒して造粒物を生成する工程と、前記造粒物を甘味剤と共に練合して、練合物を得る工程と、前記練合物から固形製剤を生成する工程とを含む。
噴霧、造粒工程では、マンニトール等の賦形剤と共にリナグリプチンに、エチルセルロース等の高分子ポリマーを含む結合液を用いて噴霧、造粒する。この工程により、リナグリプチンが高分子ポリマーに被覆される。噴霧造粒する工程では、流動層造粒法、撹拌造粒法、真空転動造粒法、真空撹拌造粒法などが利用できるが、例えば、流動層造粒法を用いることができる。
続いて、練合工程では、得られた造粒物を、マンニトール等の賦形剤及びアスパルテーム、サッカリンナトリウム、ステビア、スクラロース、及びソーマチンからなる群から選択される甘味剤を含む結合液を添加して練合する。また、甘味剤は、結合剤溶液に溶解して添加することもできる。例えば、甘味剤として、アスパルテーム、サッカリンナトリウム、ステビア、又はスクラロースと、ソーマチンとの組み合わせを用いることができる。さらに、得られた練合物を、打錠して、固形製剤とする。
以下に実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、下記は本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するためのものではない。
<<錠剤の製造例1>>
下記に説明するとおり、比較例1及び2、並びに実施例1~5を製造した。
<比較例1>
リナグリプチン12.5g、D-マンニトール(三菱商事ライフサイエンス製)435.25gを、メカノミル(登録商標)3L(岡田精工製)に投入し、精製水31.5g、エタノール13.5gに、ポリビニルアルコール(三菱ケミカル製)2.25gを溶解させた結合液を用いて練合し、リナグリプチンを含有する練合物を得た。
得られた練合物を湿式打錠機EMT-18(三共製作所製)で圧縮成型し、ベルトコンベア式乾燥機ETD-18(三共製作所製)を用いて85℃の温度で約5分間乾燥させ、1錠あたり180mgの湿製錠剤を得た。
<実施例1>
リナグリプチン10.0g、D-マンニトール(三菱商事ライフサイエンス製)298.4g、アスパルテーム(味の素製)10.0gを攪拌造粒機(パウレック製:VG-01)に投入し、精製水22.4g、エタノール9.6gにポリビニルアルコール(三菱ケミカル製)1.6gを溶解させた結合液を用いて練合し、リナグリプチンを含有する練合物を得た。
得られた練合物を湿式打錠機EMT-18(三共製作所製)で圧縮成型し、ベルトコンベア式乾燥機ETD-18(三共製作所製)を用いて85℃の温度で約5分間乾燥させ、1錠あたり160mgの湿製錠剤を得た。
<実施例2>
実施例1において、アスパルテーム(味の素製)をサッカリンナトリウム(大和化成製)に代えた以外は同様の製法により、1錠あたり160mgの湿製錠剤を得た。
<実施例3>
実施例1において、アスパルテームをステビア抽出精製物(丸善製薬製)に代えた以外は同様の製法により、1錠あたり160mgの湿製錠剤を得た。
<実施例4>
実施例1において、アスパルテームをステビア抽出精製物(丸善製薬製)に代え、結合液にソーマチン(三栄源エフ・エフ・アイ製)0.02gを添加した以外は同様の製法により、1錠あたり160.01 mgの湿製錠剤を得た。
<実施例5>
実施例1において、アスパルテームをスクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ製)に代えた以外は同様の製法により、1錠あたり160mgの湿製錠剤を得た。
<比較例2>
実施例1において、アスパルテームをアセスルファムカリウム(MCフードスペシャリティーズ製)に代えた以外は同様の製法により、1錠あたり160mgの湿製錠剤を得た。
比較例1及び2、並びに実施例1~5の処方を、表1にまとめて示す。
Figure 2022135317000003
<錠剤物性>
比較例1及び2、並びに実施例1~5の湿製錠剤について、硬度を測定し、崩壊試験を行った。硬度は、 ポータブル硬度計 PC-30(岡田精工製)を使用して、錠剤を上から圧縮し、破壊が起こった時の最大荷重値である。崩壊時間は、日本薬局方(JP)に基づいて 崩壊試験機NT-60H(富山産業製)を使用して測定した。硬度は、各例において製造された10個の錠剤を測定した平均値であり、JP崩壊時間は、6個の錠剤を測定した平均値である。
Figure 2022135317000004
表2から明らかなように、比較例1及び2の錠剤は、水と接触すると凝集するリナグリプチン特有の性質により、崩壊時間が長く、サンプルごとのばらつきも大きかった。一方、アスパルテーム、サッカリンナトリウム、ステビア、又はスクラロースを含む実施例1~5の錠剤は、硬度を上げるとともに、崩壊時間を大きく短縮させ、また、サンプルごとのばらつきも抑えられていた。硬度と崩壊性は、一般的に言えば、相反する性質であり、一方を高めると他方が低下する傾向にある。しかし、本発明の固形製剤では、硬度と崩壊性の両者とも優れた状態のものとすることができた。
なお、比較例1では、1錠の重量が180gであり、実施例1~5と比べて大きいが、主にD-マンニトールがリナグリプチンに対して相対的に多く含有されているためである。実施例1~5の製剤は、崩壊性を上げる作用があるD-マンニトール含量が比較例1と比べて相対的に少ないにも関わらず、崩壊時間を大きく短縮させた。
<安定性試験>
比較例1及び2、並びに実施例1~5の湿製錠剤について、安定性を測定した。保存条件は、(a)60℃にて2週間にわたり密栓状態としたもの、(b)60℃にて1か月にわたり密栓状態としたもの、(c)40℃で75%相対湿度(RH)にて1か月にわたり開栓状態としたもの、(d)40℃で75%相対湿度(RH)にて3か月にわたり開栓状態としたもの、(e)40℃で75%相対湿度(RH)にて1か月にわたり密栓状態としたもの、及び(f)40℃で75%相対湿度(RH)にて3か月にわたり密栓状態としたもの、とした。
保存期間終了後、リナグリプチン及び総類縁物質量を液体クロマトグラフィーにて以下の条件で測定した。
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:225nm)
カラム:ACQUITY UPLC BEH C18 粒径1.7μm、2.1mm×50mm(Waters製)
カラム温度:45℃付近の一定温度
移動相:A液とB液の混液(割合は測定時間により変動(表3参照))
A液;0.02 Mリン酸塩緩衝液(pH 3.5):メタノール=90:10
B液;アセトニトリル:メタノール:水=70:15:15
Figure 2022135317000005
総類縁物質量の占める割合(%)を表4に示す。
Figure 2022135317000006
実施例1~5の錠剤は、いずれの条件でも概ねリナグリプチンの安定性が保たれ、特に、サッカリンナトリウム、ステビア、又はステビア及びソーマチンを添加した実施例2~4の錠剤は特にいずれの条件でも安定性が保たれることが確認された。
<溶出試験>
比較例1及び2、並びに実施例1~5の湿製錠剤各3錠について、溶出試験は第17改正日本薬局方の溶出試験に規定されたパドル法(50rpm)に従い、試験液として水を用いて行った。測定は液体クロマトグラフィーにて以下の条件で行った。
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:225nm)
カラム:ACQUITY UPLC BEH C18 粒径1.7μm、2.1mm×50mm(Waters製)
カラム温度:45℃付近の一定温度
移動相:A液とB液の混液(A液:B液=50:50)
A液;0.02 Mリン酸塩緩衝液(pH 3.5):メタノール=90:10
B液;アセトニトリル:メタノール:水=70:15:15
流量:リナグリプチンの保持時間が約0.4分になるように調整
開始5分、10分、15分、30分、45分、及び60分後の平均溶出率(%)を求めた。結果を表5に記す。なお、括弧内は標準偏差を表す。
Figure 2022135317000007
実施例1~5の錠剤は概ね良好な溶出を示し、アスパルテーム、サッカリンナトリウム、及びスクラロースを添加した実施例1、2、及び5の製剤は、特に良好な溶出性を示した。
<<錠剤の製造例2>>
下記に説明するとおり、比較例3及び4、並びに実施例6~9を製造した。実施例6~9は、ソーマチンを混合・練合過程で添加し、甘味剤としてサッカリンナトリウムをコーティング又は混合・練合過程で添加したものである。
<比較例3>
リナグリプチン50.0g、及びD-マンニトール(三菱商事ライフサイエンス製)199.0gを流動層造粒機(パウレック製:MP-01型)に投入し、精製水67.5g、エタノール157.5gにタルク(タルカンハヤシ(登録商標)、林化成製)1g、エチルセルロース(エトセル(商標)7プレミアム、日本カラコン製)25gを溶解させた結合液を用いて噴霧、造粒してリナグリプチンを含有する造粒物を得た。
得られた造粒物110.0g、及びD-マンニトール(三菱商事ライフサイエンス製)526.8gを攪拌造粒機(パウレック製:VG-05)に投入し、精製水44.8g、及びエタノール19.2gに、ポリビニルアルコール(三菱ケミカル製)3.2gを溶解させた結合液を用いて練合し、リナグリプチンを含有する練合物を得た。
この練合物を 湿式打錠機EMT-18(三共製作所製)で圧縮成型し、ベルトコンベア式乾燥機ETD-18(三共製作所製)を用いて85℃の温度で約5分間乾燥し、湿式錠剤を得た。
<比較例4>
リナグリプチン50.0g、D-マンニトール(三菱商事ライフサイエンス製)199.0gを流動層造粒機(パウレック製:MP-01型)に投入し、精製水101.25g、エタノール236.25gにタルク(タルカンハヤシ(登録商標)、林化成製)1g、エチルセルロース(エトセル(商標) 7 プレミアム、日本カラコン製)37.5gを溶解させた結合液を用いて噴霧、造粒してリナグリプチンを含有する造粒物を得た。
得られた造粒物115.0g、D-マンニトール(三菱商事ライフサイエンス製)521.8gを攪拌造粒機(パウレック製:VG-05)に投入し、精製水44.8g、エタノール19.2gにポリビニルアルコール(三菱ケミカル製)3.2gを溶解させた結合液を用いて練合し、リナグリプチンを含有する練合物を得た。
この練合物を 湿式打錠機EMT-18(三共製作所製)で圧縮成型し、ベルトコンベア式乾燥機ETD-18(三共製作所製)を用いて85℃の温度で約5分間乾燥し、湿式錠剤を得た。
<実施例6>
リナグリプチン50.0g、D-マンニトール(三菱商事ライフサイエンス製)199.0gを流動層造粒機(パウレック製:MP-01型)に投入し、精製水67.5g、エタノール157.5gにタルク(タルカンハヤシ(登録商標)、林化成製)1g、エチルセルロース(エトセル(商標) 7 プレミアム、日本カラコン製)25g、サッカリンナトリウム(大和化成製)50.0gを溶解させた結合液を用いて噴霧、造粒してリナグリプチンを含有する造粒物を得た。
得られた造粒物130.0g、D-マンニトール(三菱商事ライフサイエンス製)506.8gを攪拌造粒機(パウレック製:VG-05)に投入し、精製水44.8g、エタノール19.2gにポリビニルアルコール(三菱ケミカル製)3.2g、ソーマチン(三栄源エフ・エフ・アイ製)0.04gを溶解させた結合液を用いて練合し、リナグリプチンを含有する練合物を得た。
この練合物を 湿式打錠機EMT-18(三共製作所製)で圧縮成型し、ベルトコンベア式乾燥機ETD-18(三共製作所製)を用いて85℃の温度で約5分間乾燥し、湿式錠剤を得た。
<実施例7>
リナグリプチン50.0g、D-マンニトール(三菱商事ライフサイエンス製)199.0gを流動層造粒機(パウレック製:MP-01型)に投入し、精製水101.25g、エタノール236.25gにタルク(タルカンハヤシ(登録商標)、林化成製)1g、エチルセルロース(エトセル(商標) 7 プレミアム、日本カラコン製)37.5g、サッカリンナトリウム(大和化成製)50.0gを溶解させた結合液を用いて噴霧、造粒してリナグリプチンを含有する造粒物を得た。
得られた造粒物135.0g、D-マンニトール(三菱商事ライフサイエンス製)501.8gを攪拌造粒機(パウレック製:VG-05)に投入し、精製水44.8g、エタノール19.2gにポリビニルアルコール(三菱ケミカル製)3.2g、ソーマチン(三栄源エフ・エフ・アイ製)0.04gを溶解させた結合液を用いて練合し、リナグリプチンを含有する練合物を得た。
この練合物を 湿式打錠機EMT-18(三共製作所製)で圧縮成型し、ベルトコンベア式乾燥機ETD-18(三共製作所製)を用いて85℃の温度で約5分間乾燥し、湿式錠剤を得た。
<実施例8>
リナグリプチン50.0g、D-マンニトール(三菱商事ライフサイエンス製)199.0gを流動層造粒機(パウレック製:MP-01型)に投入し、精製水67.5g、エタノール157.5gにタルク(タルカンハヤシ(登録商標)、林化成製)1g、エチルセルロース(エトセル(商標) 7 プレミアム、日本カラコン製)25gを溶解させた結合液を用いて噴霧、造粒してリナグリプチンを含有する造粒物を得た。
得られた造粒物110.0g、D-マンニトール(三菱商事ライフサイエンス製)506.8g、サッカリンナトリウム(大和化成製)20.0gを攪拌造粒機(パウレック製:VG-05)に投入し、精製水44.8g、エタノール19.2gにポリビニルアルコール(三菱ケミカル製)3.2g、ソーマチン(三栄源エフ・エフ・アイ製)0.04gを溶解させた結合液を用いて練合し、リナグリプチンを含有する練合物を得た。
この練合物を 湿式打錠機EMT-18(三共製作所製)で圧縮成型し、ベルトコンベア式乾燥機ETD-18(三共製作所製)を用いて85℃の温度で約5分間乾燥し、湿式錠剤を得た。
<実施例9>
リナグリプチン50.0g、D-マンニトール(三菱商事ライフサイエンス製)199.0gを流動層造粒機(パウレック製:MP-01型)に投入し、精製水101.25g、エタノール236.25gにタルク(タルカンハヤシ(登録商標)、林化成製)1g、エチルセルロース(エトセル(商標) 7 プレミアム、日本カラコン製)37.5gを溶解させた結合液を用いて噴霧、造粒してリナグリプチンを含有する造粒物を得た。
得られた造粒物115.0g、D-マンニトール(三菱商事ライフサイエンス製)501.8g、サッカリンナトリウム(大和化成製)20.0gを攪拌造粒機(パウレック製:VG-05)に投入し、精製水44.8g、エタノール19.2gにポリビニルアルコール(三菱ケミカル製)3.2g、ソーマチン(三栄源エフ・エフ・アイ製)0.04gを溶解させた結合液を用いて練合し、リナグリプチンを含有する練合物を得た。
この練合物を 湿式打錠機EMT-18(三共製作所製)で圧縮成型し、ベルトコンベア式乾燥機ETD-18(三共製作所製)を用いて85℃の温度で約5分間乾燥し、湿式錠剤を得た。
比較例3及び4、並びに実施例6~9の処方を、表6にまとめて示す。
Figure 2022135317000008
<錠剤物性>
比較例1、3及び4、並びに実施例6~9の湿製錠剤について、上記同様の方法で硬度を測定し、崩壊試験を行った。
Figure 2022135317000009
表7から明らかなように、エチルセルロースにより被覆され、かつ、甘味剤が配合されていないサンプル(比較例3及び4)は、崩壊時間が長いが、甘味剤を配合したサンプル(実施例6~9)では、錠剤硬度の上昇及び崩壊時間の大きな短縮が確認され、高い錠剤強度と良好な崩壊性を併せ持つ製剤が得られた。上述のとおり、一般的に硬度と崩壊性は、一方を高めると他方が低下する傾向にあるが、本発明の固形製剤では、硬度と崩壊性の両者とも優れた状態のものとすることができた。
<溶出試験>
比較例1、3及び4、並びに実施例6~9の湿製錠剤各3錠について、溶出試験は第17改正日本薬局方の溶出試験に規定されたパドル法(50rpm)に従い、試験液として水を用いて行った。開始5分、10分、15分、30分、45分、及び60分後の平均溶出率(%)を求めた。測定条件は、上記比較例1及び2、並びに実施例1~5の溶出試験と同様の条件で行った。結果を表8に記す。なお、括弧内は標準偏差を表す。
Figure 2022135317000010
表8に示すとおり、サッカリンナトリウムをコーティング又は混合・練合過程で使用した実施例6~9では、溶出性が大きく改善された。さらに、予期しないことに、甘味剤を使用したサンプルは、エチルセルロース量が多く含まれるほど、溶出性の改善が認められた。
<注射筒転倒溶解試験>
注射筒正倒立法(中村康彦,牧田浩和,今里 雄,薬物の不快な味のマスキングを目的とした粒剤の製剤設計,PHAR1TECH Japan,6,841-850(1990)参照)により、実施例6~9の錠剤について試験を行った。より詳細には、試験錠剤として、実施例6~9の錠剤を1錠入れた20mLシリンジ(ニプロ製)に37℃に保った水を10mL正確に吸引した。10回転倒混和(1往復/1秒)したのち、筒先にフィルター(Millex-LH(0.45μm、メルク製)を用いて初溜5mLを捨て、残りをろ液とした。
ろ液1mLに水を加えて正確に100mLとし、フィルター(Millex-LG (0.20μm、メルク製)に通過させ、試験溶液とした。
上記溶出試験と同一条件下で、測定は液体クロマトグラフィーにて行った。結果を表9に示す。
Figure 2022135317000011
注射筒正倒立法は口腔内におけるリナグリプチンの溶出を模倣したものであり、数値が低いほど、リナグリプチンの口腔における溶出が小さく、口腔内においてリナグリプチンの苦味を感じにくいと予測できるものである。
表9に示すように、サッカリンナトリウムがコーティング工程で含まれる検体(実施例6及び7)は、練合工程に含まれる検体(実施例8及び9)と比較して、リナグリプチンの溶液への移行量が少ない結果を示した。この結果により、コーティング工程で甘味剤を配合させることにより、予期しないことに薬物のマスキング効率が上がることが明らかになった。

Claims (11)

  1. リナグリプチン又はその塩、及び甘味剤を含む固形製剤であって、前記甘味剤が、アスパルテーム、サッカリンナトリウム、ステビア、及びスクラロースからなる群から選択される、固形製剤。
  2. リナグリプチン又はその塩が、高分子ポリマーにより被覆されている、請求項1に記載の固形製剤。
  3. 高分子ポリマーの周囲に甘味剤が分散している、請求項2に記載の固形製剤。
  4. リナグリプチン又はその塩が、甘味剤及び高分子ポリマーに被覆されている、請求項1に記載の固形製剤。
  5. 高分子ポリマーが、エチルセルロースである、請求項2~4のいずれか一項に記載の固形製剤。
  6. 口腔内崩壊錠である、請求項1~5のいずれか一項に記載の固形製剤。
  7. 高分子ポリマー、並びにアスパルテーム、サッカリンナトリウム、ステビア、及びスクラロースからなる群から選択される1種又は複数の甘味剤を含む結合液を用いてリナグリプチン又はその塩に噴霧、造粒して、造粒物を生成する工程と、前記造粒物を練合して練合物を得る工程と、前記練合物から固形製剤を生成する工程とを含む、リナグリプチン又はその塩を含む固形製剤を製造する方法。
  8. 高分子ポリマーを含む結合液を用いてリナグリプチン又はその塩に噴霧、造粒して造粒物を生成する工程と、アスパルテーム、サッカリンナトリウム、ステビア、スクラロース、及びソーマチンからなる群から選択される1種又は複数の甘味剤と前記造粒物を共に練合して、練合物を得る工程と、前記練合物から固形製剤を生成する工程とを含む、リナグリプチン又はその塩を含む固形製剤を製造する方法。
  9. 高分子ポリマーが、エチルセルロースである、請求項7又は8に記載の方法。
  10. 固形製剤が、口腔内崩壊錠である、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 請求項7~10のいずれか一項に記載の方法により製造された固形製剤。
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