JP2022133928A - 内部状態画像化装置および内部状態画像化方法 - Google Patents

内部状態画像化装置および内部状態画像化方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2022133928000001
【課題】放射線散乱計測において、一括して検査領域の内部状態を画像化する内部状態画像化装置および内部状態画像化方法を提供する。
【解決手段】被検体102に向けて単色放射線を範囲で放出する放射線源101と、放射線源101から放出された単色放射線により生じた散乱光子を異なる位置で検出する検出器106と、検出器106で検出された散乱光子の光子エネルギーと強度を計測するエネルギー計測装置107と、エネルギー計測装置107において計測された光子エネルギーと強度から散乱位置と対応する1つ以上の画素を算出して画素値を演算する画像再構成装置108と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、放射線によって構造物の内部の状態を可視化するための内部状態画像化装置および内部状態画像化方法に関する。
高い放射線エネルギを必要とせず、鋳物などの検査対象物の表面近傍の有無を、後方散乱放射線を利用して確実に判定することのできる装置の一例として、特許文献1には、放射線発生源からの放射線照射方向前方に、検査対象物を保持して回転を与える回転テーブルを設けるとともに、その回転テーブル上の検査対象物からの後方散乱放射線をコリメータを介して検出する放射線検出器、およびその放射線検出器の出力を用いてCT画像を構築する再構成演算装置を備え、検査対象物を、その検査領域の中心がコリメータの集光点に略一致し、かつ、その検査領域内を回転テーブルの回転軸が通るように当該回転テーブル上に配置した状態で、その回転テーブルを180°の角度範囲内で回転させて後方散乱放射線データを収集して断層像の構築に供することで、検査対象物を透過せずにその表面近傍の検査領域に到達する程度のエネルギの放射線を用いて表面近傍の欠陥の有無の検査を行う、ことが記載されている。
また、後方散乱放射線を用いた対象物撮像システムの一例として、特許文献2には以下の技術が記載されている。撮像システムは対象物を照射する放射線源を含み、放射線源は対象物の周りで回転可動である。撮像システムは、対象物からの後方散乱放射線を検出する検出器をも含む。検出器は、光源と検出器が対象物を中心に回転移動可能となるように対象物の実質的に同じ側に配置される。検出器は、各セグメントが対象物を通した射影の単一の視線を有しており、その視線に沿ってだけ放射線を検出するように複数の検出器セグメントに分離され得る。制限された視線は、各検出セグメントが後方散乱放射線の所望の成分を分離可能とする。放射線源と検出器は、異なる回転角度で対象物の複数の画像を収集し、対象物について互いに独立して移動ができる。複数の画像は、対象物の三次元復元を生成するために使用できる。
特開2008-232765号公報 特開2013-174587号公報
橋梁やトンネル、電力ケーブル、鉄道に代表される社会インフラ機器の老朽化が進んでいる。これらのインフラ機器を維持管理していくためには、検査技術の高度化による自動化、高効率化が求められている。
老朽化により生じる欠陥には、表面に現れるものと内部に生じるものとがあるが、特に、内部に生じる欠陥を早期に発見することが事故を防ぐために重要である。
内部を検査するには、レーダやX線、ガンマ線など、対象物を透過する電磁波を用いて対象物の密度情報を取得する方法を用いることが一般的である。例えば、放射線透過試験や、X線CT(Computed Tomography)がある。
しかし、これらの方法は、対象物を線源とセンサとで挟み込んで走査する必要があり、大型構造物や片面にしかアクセスできない対象物に適用することは困難である。
また、放射線透過試験のような複雑な走査を用いないものであっても、透過信号は放射線の照射方向(以下、深さ方向)に沿って積分された信号であるため、対象物に生じる欠陥位置を三次元的に決定することは困難である。
このような課題に対応する方法として、例えば、特許文献1には、放射線発生源と、回転テーブルと、放射線検出器と、放射線検出器と回転テーブル上の検査対象物との間に設けられたコリメータと、再構成演算装置を備えるとともに、検査領域の中心が上記コリメータの集光点に一致し、その回転テーブルを180°以内の角度範囲内で回転させ、断層像を構築する方法について記載がある。
また、特許文献2には放射線源とセンサを対象物の同じ側に配置し、放射線を対象物に照射した際に生じる対象物からの後方散乱放射線を検出し、推定値から復元した後方散乱放射と検出した後方散乱放射線の差を最小化するように反復計算することで、対象物の密度分布を復元する方法について記載がある。
特許文献1記載の方法では、放射線源とセンサを対象物の同じ側に配置し、片側からのアクセスを可能としているものの、コリメータによって放射線の経路を限定し、回転させることで画像化している。しかし、後方散乱光子の数の計数率は一般に少ないため、放射線の経路を限定し、一点一点計測すると全体の計測には多くの時間を要する。
また、特許文献2記載の検査方法では、放射線源とセンサを対象物の同じ側に配置し、対象物の三次元的な密度分布を推定することを可能としている。しかし、散乱放射線強度に関する非線形積分方程式を立式し、対象物の密度分布を推定して差を最小化する逆問題の計算は非常に複雑である。散乱放射線が微小信号で、ノイズが大きい環境では誤差の影響が大きく、逆問題を解くことは一般に困難である。
すなわち、コリメータによって放射線の経路を限定したり、逆問題を解いたりすることなく、広範囲に放射線を照射し、一括して検査領域の内部状態を画像化することができれば、より高速かつ効率的に内部検査が可能となることが期待できる。しかしながら、広範囲に放射線を照射すると、放射線が対象物内部で散乱した位置を特定できないため、対応する画素を順問題的に求めることができず、画像化することができない。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであって、放射線散乱計測において、従来に比べて速やかに検査領域の内部状態を画像化できる内部状態画像化装置および内部状態画像化方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、放射線散乱計測による対象物の内部状態を画像化する内部状態画像化装置であって、前記対象物に向けて単色放射線を範囲で放出する放射線源と、前記放射線源から放出された前記単色放射線により生じた散乱光子を異なる位置で検出する検出器と、前記検出器で検出された前記散乱光子の光子エネルギーと強度を計測するエネルギー計測装置と、前記エネルギー計測装置において計測された光子エネルギーと強度から散乱位置と対応する1つ以上の画素を算出して画素値を演算する画像再構成装置と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、従来に比べて速やかに検査領域の内部状態を画像化することができる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
本発明の第1実施例に係る内部状態画像化装置の全体構成を示すブロック図である。 第1実施例に係る内部画像化方法を説明するための単一検出器の場合の概念図である。 第1実施例に係る内部画像化方法を説明するための2個の検出器の場合の概念図である。 第1実施例に係る内部画像化方法における第i番目の検出器で得られるエネルギースペクトルの一例である。 第1実施例に係る内部画像化方法における画素および画素値の算出方法を示す概念図である。 第1実施例に係る第1の内部状態画像化方法を示すフローチャートである。 第1実施例に係る第2の内部状態画像化方法を示すフローチャートである。 本発明の第2実施例に係る内部状態画像化装置および方法の概念図である。 第2実施例に係る内部状態画像化方法を示すフローチャートである。 本発明の第3実施例に係る内部状態画像化装置および方法の概念図である。 第3実施例に係る内部状態画像化方法を示すフローチャートである。 本発明の第4実施例に係る内部状態画像化装置および方法の概念図である。 第4実施例に係る内部状態画像化装置および方法の概念図である。 第4実施例に係る内部状態画像化方法を示すフローチャートである。
以下に本発明の内部状態画像化装置および内部状態画像化方法の実施例を、図面を用いて説明する。なお、本明細書で用いる図面において、同一のまたは対応する構成要素には同一、または類似の符号を付け、これらの構成要素については繰り返しの説明を省略する場合がある。
<第1実施例>
本発明の内部状態画像化装置および内部状態画像化方法の第1実施例について図1乃至図7を用いて説明する。
最初に、内部状態画像化装置の全体構成について図1を用いて説明する。図1は内部状態画像化装置の全体構成を示している。
図1に示す本実施例の内部状態画像化装置1は、放射線散乱計測による被検体102の内部状態を画像化するための装置であり、単色放射線を放出する放射線源101と、散乱光子を検出する複数の検出器106と、光子エネルギーと強度を計測するエネルギー計測装置107と、画像再構成装置108と、表示装置109と、記録装置110と、を備える。
放射線源101は、被検体102に向けて単色放射線を範囲で放出する放射線源であり、例えば単色のガンマ線源である。なお、単色に限らず、準単色でもよい。更には、特定エネルギーの放射線を放出する元素も放射線源101として使用可能である。
なお、ここで、準単色の放射線とは、エネルギースペクトルにおいて単一のピークをもつがその広がり(半値幅)が無視できない放射線を意味し、単色の放射線とは、単一のピークをもち、その広がりが実質的に無視できる放射線を意味するものとする。あるいは、単色の放射線は、準単色の放射線のうち半値幅が特に小さな放射線を意味するものとする。
具体的な種類としては、例えば、放射性同位体であるCs-137、Zn-65、Be-7、Cr-51、Co-58、Mn-54、Hg-203、Sr-85、F-18、Ga-68、Al-28、およびK-42がある。また、レーザ逆コンプトン散乱によって生じるガンマ線も単色と見なすことができる。
放射線源101から照射されるガンマ線104は、被検体102に対して広い範囲を照射する。例えば、放射線源101が点線源であるとすると、360度に放射されるガンマ線104のうち、被検体102の照射したい範囲に開口したカバーに点線源となる放射線源101を入れることが考えられる。この時、コリメータなどの機構を開口部に備えることによって、いわゆるファンビームあるいはコーンビームを形成することで一定の指向性を持たせて、ビーム照射範囲に注目領域を限定することもできる。
放射線源101から照射されたガンマ線104は被検体102の内部でコンプトン散乱によって散乱放射線105を生じ、複数の検出器106のいずれかで検出される。被検体102はコンクリートや金属などのインフラ構造物であり、内部には異物混入,割れ,剥離などの欠陥103が生じていることがある。
検出器106は、エネルギー分解能を有する複数のガンマ線検出器であり、放射線源101から放出された単色放射線により生じた散乱光子を異なる位置で検出するために複数設けられる。それぞれの検出器106の放射線源101を原点とする相対座標(xi,yi,zi)は既知であるか、相対座標を計測する構成によって計測可能である。複数の検出器106の各々は、好適には、被検体102の表面に対して、放射線源101と同一方向に配置されている。
ガンマ線検出器としては、例えば、Ge半導体、CdTe半導体、CdZnTe半導体、Si半導体、Perovskite構造半導体、LaBrシンチレータ、CsBrシンチレータ、LYSOシンチレータ、LSOシンチレータ、GAGGシンチレータ、CsIシンチレータ、NaIシンチレータ、BGOシンチレータ、GSOシンチレータ、GPSシンチレータ、La-GPSシンチレータ、LuAGシンチレータ、およびSrIシンチレータなどのうちいずれか1つ以上を用いることができる。
エネルギー計測装置107は複数の検出器106で検出された散乱光子の光子エネルギーと強度とを計測するための装置であり、複数の検出器106のうち第i番目(iは任意の自然数)の検出器106iで検出したガンマ線光子(散乱光子)の波高値を処理し、光子エネルギーEiを算出する。図1に示すように、エネルギー計測装置107は、検出器106と同数の処理装置群から構成されるものとすることができるが、一つの処理装置とすることができる。
画像再構成装置108は、エネルギー計測装置107において計測された光子エネルギーと強度から散乱位置と対応する1つ以上の画素を複数の検出器106ごとに算出して画素値を演算する装置である。以下、図2乃至図5を用いて、画像再構成装置108の動作原理を説明する。
画像再構成装置108は、第i番目の検出器の信号をエネルギー計測装置107で処理して得られた光子エネルギーEiと放射線源101の放出エネルギーEinに基づいて、数式(1)に従って、被検体102の内部で生じたコンプトン散乱の散乱角θiを算出する。
Figure 2022133928000002
ここで、E0は約511keVである。放射線源を原点(0,0,0)とすると、第i番目の検出器106iの相対座標(xi,yi,zi)と算出した散乱角θiから求められる散乱点の候補(x,y,z)は無数に存在し、一点に絞ることができない。
しかし、そのような散乱点の候補(x,y,z)の集合は、図2に示すような図形になる。図2では、放射線源101から放射されるガンマ線104の照射範囲を扇形のファンビームで表しており、このファンビームを含む平面と紙面とが一致するような座標で上記の位置関係を示したものである。ただし、これは本発明を分かりやすく説明するためのものであり、本発明の構成はこれによって限定されるものではない。当然、コーンビーム照射などのより広範囲の照射方法でも同様の方法を適用することが可能である。
図2において、まず、放射線源101の座標(0,0,0)と検出器106iの座標(xi,yi,zi)、真の散乱点202の座標(xs,ys,zs)を通る円を考える。
次に、放射線源101の座標(0,0,0)と検出器106iの座標(xi,yi,zi)を結ぶ直線を軸に、この円を回転させたときの真の散乱点202の座標(xs,ys,zs)を含む側の回転面(このような点の集合は等エネルギー面203を形成する)とガンマ線104の照射範囲201の交わる点が散乱点の候補(x,y,z)の集合204である。真の散乱点202の座標(xs,ys,zs)が未知であっても、円周角の定理から、散乱角θiであるような散乱点の候補(x,y,z)の集合204を求めることができる。
画像再構成装置108は、実空間に対応する領域を適当なサイズで分割した画素(ボクセルまたはピクセル)を有する3次元(または2次元)画像を保有している。第i番目の検出器で光子を検出するごとに、以上のようにして散乱点の候補(x,y,z)を求め、それらの点を含むすべての画素の画素値をカウントアップする。
上記のように、画像再構成装置108は、複数ある散乱点の候補点(x,y,z)を含むすべての画素の画素値をカウントアップするため、1個の検出器106のカウント結果からでは、内部状態を反映した画像にはならない。
図3は、検出器2個(106、106’)を用いた場合を示している。
図3に示すように、複数の検出器106を用いることで検出器106の数だけ等エネルギー面203,203’、すなわち集合204,204’が得られるが、真の散乱点202の座標(xs,ys,zs)は検出器106の数、すなわち集合204,204’の数だけ画素値が積算される。これに対し、集合204,204’のうち、真の散乱点202以外の候補点では、1個分の検出器106、または検出器106’だけしか画素値が積算されない。
したがって、検出器106の数が増えれば増えるほど真の散乱点202の座標(xs,ys,zs)を含む画素強調されていくのに対し、候補点を含む画素値は1つの検出器106の加算しかないため、最終的に小さなノイズ(一般にアーチファクトと呼ばれる)として処理できるようになる。
図4は、第i番目の検出器106iで得られるエネルギースペクトル401の一例である。図4において、エネルギーEを指定すると、そのエネルギーを持って検出器106で検出された光子数Ci(E)が得られる。N個の検出器106を用いるとこのようなエネルギースペクトルがNセット得られる。
図5は、エネルギースペクトル401から画像化領域501における画素502および画素値I(x,y,z)の算出方法を示す概念図である。画素値は以下の数式(2)に従って計算できる。
Figure 2022133928000003
ここで、(x,y,z)は画素502の座標であり、画素502に対応する第i番目の検出器106iで検出した光子エネルギーEi(x,y,z)は以下の数式(3)に従って計算できる。
Figure 2022133928000004
E0は前述の通り、約511keVである。さらに、cosθiは以下の数式(4)に従って計算できる。
Figure 2022133928000005
ここで、エネルギースペクトルCi(E)は被検体102の内部状態を反映したコンプトン散乱のみではなく、周囲からの入射光子がバックグラウンド信号として含まれていることがある。このようなバックグラウンドを除去するために、被検体102を置かずに計測し、得られたエネルギースペクトルを用いて算出した画素値を、被検体102を置いて得られたエネルギースペクトルから差し引くこともできる。
以上のようにして、画素値を計算することができる。
図1に戻り、表示装置109は、画像再構成装置108において算出された画素値を表示するディスプレイなどの表示機器である。表示方法についてはディスプレイに三次元表示させるようにしてもよいし、メモリあるいはハードディスクといったコンピュータの記録装置110にデータとして記録する形態とすることができる。
次に、上述した本実施例における内部状態画像化装置1により好適に実行される、本実施例に係る放射線散乱計測による被検体102の内部状態を画像化する方法について図6および図7を参照して説明する。図6は第1の内部状態画像化方法を示すフローチャート、図7は第2の内部状態画像化方法を示すフローチャートである。
まず、放射線源101および複数の検出器106を被検体102の測定用のポイントに配置する(ステップS11)。このステップS11が、放射線源101および検出器106を測定ポイントに配置するステップに相当する。この際、好適には複数の検出器106の各々を、被検体102の表面に対して、放射線源101と同一方向に配置する。
次に、放射線源101および複数の検出器106の各々の位置を記録する(ステップS12)。このステップS12が、放射線源101および検出器106の配置位置を記録するステップに相当する。
その後、放射線源101からガンマ線104を被検体102の広範囲に対して照射する。そして、このガンマ線104の照射により被検体102の内部で生じた散乱光子を複数の検出器106の各々で検出するとともに、検出値からエネルギー計測装置107によりエネルギースペクトルを記録する(ステップS13)。このステップS13が、放射線源101から放射線を照射し、被検体102の内部で生じた散乱光子を検出器106で検出するステップ、および検出器106で検出された放射線のエネルギースペクトルを記録するステップに相当する。
次に、画像再構成装置108において、先に記録したエネルギースペクトルから、実空間の照射領域に対応する画素を1つ選定する(ステップS14)。このステップS14が、放射線照射領域に対応する画素を選定するステップに相当する。
その後は、数式(2)~数式(4)に従って、ステップS14で選定した画素の画素値を計算する(ステップS15)。このステップS15が、放射線源101、検出器106、および画素の位置関係から対応するエネルギーを算出するステップ、および算出されたエネルギーと記録されたエネルギースペクトルから画素に加算する画素値を算出するステップに相当する。
次いで、全画素の画素値の演算が終了しているかを判定する(ステップS16)。まだ画素が残っていると判定されたときはステップS14に処理を戻して、別の画素を選定して再度演算を実施する。
これに対し、すべての画素の画素値の演算が完了していると判定されたときは処理をステップS17に進め、演算結果を表示装置109にて表示する(ステップS17)とともに、記録装置110に記録して処理を完了する。このステップS17が、画素値を表示するステップに相当する。
以上、エネルギースペクトルを計測した後に、画像再構成を実施する場合の手順を述べた。
この図6に示す手順とは別に、光子を検出するたびに対応する画素を算出し、画素値を算出することで、リアルタイムに演算結果を表示することが可能である。以下その手順について図7を用いて説明する。
まず、放射線源101と検出器106を測定ポイントに配置するとともに、画素値を0に初期化する(ステップS21)。このステップS21の一部が、放射線源101および検出器106を測定ポイントに配置するステップに相当する。
次に、ステップS21で配置した放射線源101および複数の検出器106の各々の位置を記録する(ステップS22)。このステップS22が、放射線源101および検出器106の配置位置を記録するステップに相当する。
その後、放射線源101からガンマ線104を被検体102の広範囲に照射し、検出器106で光子1個を検出するが、その検出したタイミングで、エネルギー計測装置107でその光子のエネルギーを記録する(ステップS23)。このステップS23が、放射線源101から放射線を照射し、被検体102の内部で生じた散乱光子を検出器106で検出するステップ、および検出器106で検出された放射線のエネルギーを記録するステップに相当する。
次に、放射線源101および検出器106の位置、ならびにエネルギーから、数式(1)に従い、散乱角θiを算出するとともに、図1乃至図3を用いて説明した散乱点の候補点(x,y,z)の集合、すなわち等エネルギー面203とガンマ線104の照射範囲との交点を求める。そして、そのような候補点(x,y,z)を含む複数の画素を選定する(ステップS24)。このステップS24が、放射線源101および検出器106の位置、ならびにエネルギーから散乱角を算出するステップ、および散乱角が同一となる画素を選定するステップに相当する。
次いで、ステップS24で選定した複数の画素に対して画素値をカウントアップ(+1)する(ステップS25)。このステップS25が、画素に検出数を加算するステップ相当する。
次いで、現在の計数値が目的の内部状態画像化精度に対して十分な統計量となったか否かを判定する(ステップS26)。まだ統計量が十分でないと判定されたときは処理をステップS23に戻して、再び散乱光子を検出し、再度画素の選定及び画素値の演算を実施する。
これに対し、ステップS26にて十分な統計量が得られたと判定されたときは計測を終了して処理をステップS27に進め、演算結果を表示装置109にて表示する(ステップS27)とともに、記録装置110に記録して処理を完了する。このステップS27が、検出数が加算された画素を表示するステップに相当する。
次に、本実施例の効果について説明する。
上述した本発明の第1実施例の内部状態画像化装置1は、被検体102に向けて単色放射線を範囲で放出する放射線源101と、放射線源101から放出された単色放射線により生じた散乱光子を異なる位置で検出する検出器106と、検出器106で検出された散乱光子の光子エネルギーと強度を計測するエネルギー計測装置107と、エネルギー計測装置107において計測された光子エネルギーと強度から散乱位置と対応する1つ以上の画素を算出して画素値を演算する画像再構成装置108と、を備える。
これによって、被検体102内の内部領域に広範囲に放射線を照射し、一括して検査領域の内部状態を画像化することが可能となる。従って、複雑な処理を行うことなく、かつ全体の計測に要する時間が長くなることを避けることができる。
また、放射線散乱計測による被検体102の内部状態を画像化する方法では、放射線源101および検出器106を測定ポイントに配置するステップと、放射線源101および検出器106の配置位置を記録するステップと、放射線源101から放射線を照射し、被検体102の内部で生じた散乱光子を検出器106で検出するステップと、検出器106で検出された放射線のエネルギースペクトルを記録するステップと、放射線照射領域に対応する画素を選定するステップと、放射線源101、検出器106、および画素の位置関係から対応するエネルギーを算出するステップと、算出されたエネルギーと記録されたエネルギースペクトルから画素に加算する画素値を算出するステップと、を有することによって、上述の内部状態画像化装置1によって得られる効果と同じ効果が得られる。
更に、放射線散乱計測による被検体102の内部状態を画像化する方法であって、放射線源101および検出器106を測定ポイントに配置するステップと、放射線源101および検出器106の配置位置を記録するステップと、放射線源101から放射線を照射し、被検体102の内部で生じた散乱光子を検出器106で検出するステップと、検出器106で検出された放射線のエネルギーを記録するステップと、放射線源101および検出器106の位置、ならびにエネルギーから散乱角を算出するステップと、散乱角が同一となる画素を選定するステップと、画素に検出数を加算するステップと、検出数が加算された画素を表示するステップと、を有することによっても、上述の内部状態画像化装置1によって得られる効果と同じ効果が得られる。また、本方法では、リアルタイムで画素値が得られる、との効果が得られる。
また、複数の検出器106は、被検体102の表面に対して放射線源101と同一方向に配置されるため、簡易に検出器106を複数配置することができるとともに、検出結果の演算処理に要する時間をより短くすることができる。
更に、画像再構成装置108において算出された画素値を表示する表示装置109を更に備えることで、得られた結果を容易に把握することができる。
<第2実施例>
本発明の第2実施例の内部状態画像化装置および内部状態画像化方法について図8および図9を用いて説明する。図8は第2実施例に係る内部状態画像化装置および方法の概念図、図9は内部状態画像化方法を示すフローチャートである。
第2実施例の内部状態画像化装置では、検出器として一般的にコンプトンカメラ801と呼ばれている検出器を用いる。図8に示すように、コンプトンカメラ801では、散乱光子を検出すると光子エネルギーを測定するとともに、光子の入射方向の候補をコンプトンカメラ801を頂点とする円錐802の側面に限定することができる。
この円錐802の頂角はコンプトンカメラ801により算出可能であり、形成される円錐802は、一般にコンプトンコーンと呼ばれる。この原理を用いて、第1実施例で説明した演算処理と同様の処理により、散乱光子エネルギーとコンプトンカメラ801の位置から算出した散乱点の候補(x,y,z)となる集合である等エネルギー面203とガンマ線104の照射範囲201とコンプトンコーン802との交点803,804を算出することで、さらに候補点の画素を絞ることができる。
なお、1つのコンプトンカメラ801により求められる散乱点の候補(x,y,z)は複数存在し、一点に絞ることはできないことは第1実施例と同様であり、コンプトンカメラ801を複数設ける。
なお、用いる検出器はすべてコンプトンカメラ801である必要は無く、コンプトンカメラ801と混ぜて複数のうち一つ以上を第1実施例と同様にガンマ線検出器等を用いることができる。
次いで、本実施例の内部状態画像化方法について図9を用いて説明する。
図9に示す本実施例の処理では、図7で説明した内部状態画像化の各ステップのうち、ステップS24に換わってステップS31およびステップS32が実行される。
図9に示すように、ステップS23の後、コンプトンコーン802を算出する(ステップS31)。続いて、等エネルギー面203と照射範囲とコンプトンコーン802の交点に対応する候補画素を選定する(ステップS32)。
また、ステップS25では、第1実施例と同様に、ステップS24で選定した複数の画素に対して画素値をカウントアップ(+1)する。
その他の構成・動作は前述した第1実施例の内部状態画像化装置および内部状態画像化方法と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の第2実施例の内部状態画像化装置および内部状態画像化方法においても、前述した第1実施例の内部状態画像化装置および内部状態画像化方法とほぼ同様な効果が得られる。
また、検出器106として、コンプトンカメラ801を利用し、画素を選定するステップにおいて、コンプトンコーン802を算出し、コンプトンコーン802と同一の散乱角となる画素の交点を候補画素として選定することにより、光子の入射方向の候補を限定できるため、演算負荷を軽減することができる。従って、より速やかに画素値を得ることができるとともに、装置構成を簡略化することができる。
<第3実施例>
本発明の第3実施例の内部状態画像化装置および内部状態画像化方法について図10および図11を用いて説明する。図10は第3実施例に係る内部状態画像化装置および方法の概念図、図11は内部状態画像化方法を示すフローチャートである。
第3実施例の内部状態画像化装置では、第1実施例の内部状態画像化装置1とは異なり、検出器106を1つとするとともに、放射線源101と検出器106との相対位置を可変として、その相対位置関係1002が時々刻々変化するようにしたものである。そのため、検出器106が光子を検出したタイミングにおける放射線源101に対する検出器106の相対座標を計測する位置計測部1001を更に設けている。
本実施例では、検出器106の位置が変化しているため、異なる測定位置で散乱光子の検出データが複数得られることから、単一の検出器106のみで内部状態の画像を再構成することができる。当然、検出器106を複数で構成することも可能であり、その場合はより速やかに画素値が得られる。
次いで、本実施例の内部状態画像化方法について図11を用いて説明する。
図11に示す本実施例の処理では、図7で説明した内部状態画像化の各ステップのうち、ステップS22に換わってステップS41が実行される。
図11に示すように、ステップS21の後、位置が可変の検出器106で光子を検出したタイミングにおける放射線源101に対する検出器106の相対位置を計測して記録する(ステップS41)。
以後のステップS23~S27は第1実施例と同様であるが、ステップS24では、計測した放射線源101と検出器106との相対位置を用いて候補画素を選定する。また、ステップS26で十分な統計量が得られていないと判定されたときは、ステップS41まで戻って再び散乱光子を検出し、検出器106の放射線源101に対する相対位置を計測、画素の選定及び画素値の演算を実施する。ステップS26にて十分な統計量が得られていると判定されれば計測を終了し、ステップS28にて演算結果を表示装置109に表示し、記録装置110に記録する。
その他の構成・動作は前述した第1実施例の内部状態画像化装置および内部状態画像化方法と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の第3実施例の内部状態画像化装置および内部状態画像化方法においても、前述した第1実施例の内部状態画像化装置および内部状態画像化方法とほぼ同様な効果が得られる。
また、放射線源101と検出器106との相対位置を可変とし、放射線源101と検出器106の位置を記録するステップでは、放射線源101に対する検出器106の相対位置を計測し、画素を選定するステップでは、計測した放射線源101と検出器106との相対位置を用いて候補画素を選定することにより、検出器106を複数設ける必要がなくなる、との効果が得られる。
なお、本実施例における検出器106は、第2実施例のようにコンプトンカメラ801を用いることができる。
<第4実施例>
本発明の第4実施例の内部状態画像化装置および内部状態画像化方法について図12乃至図14を用いて説明する。図12および図13は第4実施例に係る内部状態画像化装置および方法の概念図、図14は内部状態画像化方法を示すフローチャートである。
第4実施例の内部状態画像化装置では、第1実施例の内部状態画像化装置1のうち、図11に示すように、エネルギー計測装置107Cは、放射線検出時間を計測し、既定の時間幅の中で検出した放射線が同時か否かを判定する同時検出判定部1201を有する。
また、画像再構成装置108Cは、図11に示すように、同時に検出器106に到達したと判定された放射線を検出した検出器106の位置(すなわち、検出器106に到達した放射線の位置といえる)と光子エネルギーから画素と画素値を演算する計算部1202を有する。
図12は、第i番目の検出器106iと第j番目の検出器106jとで非同時に散乱光子を検出した場合の画素値の算出方法を示している。図12に示すように、非同時に散乱光子を検出した場合は第1実施例で示した方法で候補画素を算出する。
図13は、図12と同じ検出器106の位置関係において、第i番目の検出器106iと第j番目の検出器106jとで同時に散乱光子を検出した場合の画素値の算出方法を示している。このように、同時に散乱光子を検出した場合は、片方の検出器106i、もしくは検出器106jの内部でコンプトン散乱が生じ、もう一方の検出器106j、もしくは検出器106iでその散乱光子を検出したものと考えることができる。
第i番目の検出器106iでコンプトン散乱が生じ、第j番目の検出器106jでその散乱光子を検出したとすると、第2実施例と同様に、コンプトンコーン802を以下のように描くことができる。コンプトンコーン802は第i番目の検出器106iと第j番目の検出器106jの座標を結んだ直線を中心軸とし、半頂角θcは次の数式(5)に従って計算される。
Figure 2022133928000006
ここで、Eiは被検体102の内部で散乱した光子が第i番目の検出器106iに付与したエネルギー、Ejは第i番目の検出器106iでコンプトン散乱した散乱光子が第j番目の検出器106jに付与したエネルギーであり、E0は511keVである。
等エネルギー面203は、放射線源101の位置に対する第i番目の検出器106iの相対座標と、数式(1)においてEiをEi+Ejに置き換えたものから算出した散乱角を用いて描画することができる。
図12で示した非同時事象と、図13で示した同時事象は互いに背反であるため、それぞれの事象を用いた内部状態の画像化が可能である。最終的な画像の表示においては、それらを独立に表示することも可能であるし、画素値を重み付き加算することによりアーチファクトを小さくしつつ、検出事象を有効に利用して短時間に画像化が可能となる。
次いで、本実施例の内部状態画像化方法について図14を用いて説明する。
図14に示すように、図7で説明した内部状態画像化の処理におけるステップS23で光子エネルギーを記録した後、同時検知かどうかを判定する(ステップS51)。このステップS51が、放射線の検出時間を計測し、既定の時間幅の中で検出した放射線が同時か否かを判定するステップに相当する。
ステップS51において同時でないと判定されたときは、ステップS24に進め、第1実施例と同様に等エネルギー面203と放射線の照射範囲との交点を候補画素として選定する(ステップS24)。その後、非同時事象に対する画素値の重みを設定(ステップS52)し、これらの重み付きで選定した画素の画素値をカウントアップ(+重み)する(ステップS54)。その後、現在の計数値が目的の内部状態画像化精度に対して十分な統計量となったか否かを判定する(ステップS26)。
これに対し、ステップS51にて同時と判定された場合は、コンプトンコーン802を算出する(ステップS31)。続いて、等エネルギー面203と照射範囲とコンプトンコーン802との交点を候補画素をとして選定する(ステップS32)。
その後、同時事象に対する画素値の重みを設定(ステップS53)したうえで、これらの重み付きで選定した画素の画素値をカウントアップ(+重み)する(ステップS54)。その後、現在の計数値が目的の内部状態画像化精度に対して十分な統計量となったか否かを判定する(ステップS26)。
上述のステップS52、あるいはステップS53において選定する重みは、何らかの入力部を用いてあらかじめ与えておくことができる。
なお、リアルタイムに画素値をカウントアップする方法に変えて、非同時事象と同時事象で独立に画像化した後に、重みを変化させてそれぞれの画像を重み付きで加算して表示することができる。この場合、重み付きで加算して表示することができる。
その他の構成・動作は前述した第1実施例の内部状態画像化装置および内部状態画像化方法と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の第4実施例の内部状態画像化装置および内部状態画像化方法においても、前述した第1実施例の内部状態画像化装置および内部状態画像化方法とほぼ同様な効果が得られる。
また、放射線の検出時間を計測し、既定の時間幅の中で検出した放射線が同時か否かを判定するステップを更に有し、画素を選定するステップでは、同時と判定されなかった場合は、放射線源101の位置、検出器106の位置、およびエネルギーから散乱角を算出し、同一散乱角となる画素を選定し、同時と判定された場合には、コンプトンコーン802を算出するとともにコンプトンコーン802と同一散乱角となる画素の交点を候補画素として選定することにより、それぞれの事象を用いた内部状態の可視化を図れ、被検体102の内部をより正確に写した精度の高い画素値を得ることができる。
更に、同時と判定されない場合と同時と判定される場合のそれぞれ重みを設定し、選定した画素の画素値を重み付きで加算することで、アーチファクトを小さくしつつ、検出事象を有効に利用して短時間に画像化が可能となる。
また、同時と判定されない場合と同時と判定される場合のそれぞれの内部状態画像を保有し、内部状態画像を演算して合成することにより、より精度の高い画素値が得られるようになる。
<その他>
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
1…内部状態画像化装置
101…放射線源
102…被検体(対象物)
103…欠陥
104…ガンマ線
105…散乱放射線
106,106’,106a,106b,106c,106d,106e,106f,106i,106j…検出器
107,107C…エネルギー計測装置
108,108C…画像再構成装置
109…表示装置
110…記録装置
201…照射範囲
202…真の散乱点
203,203’…等エネルギー面
204,204’…選定する画素の候補点の集合
401…エネルギースペクトル
501…画像化領域
502…画素
801…コンプトンカメラ
802…円錐,コンプトンコーン
803,804…コンプトンコーンと等エネルギー面の交点
1001…位置計測部(位置センサ)
1002…相対位置関係
1201…同時検出判定部(同時計数部)
1202…計算部

Claims (14)

  1. 放射線散乱計測による対象物の内部状態を画像化する内部状態画像化装置であって、
    前記対象物に向けて単色放射線を範囲で放出する放射線源と、
    前記放射線源から放出された前記単色放射線により生じた散乱光子を異なる位置で検出する検出器と、
    前記検出器で検出された前記散乱光子の光子エネルギーと強度を計測するエネルギー計測装置と、
    前記エネルギー計測装置において計測された光子エネルギーと強度から散乱位置と対応する1つ以上の画素を算出して画素値を演算する画像再構成装置と、を備える
    ことを特徴とする内部状態画像化装置。
  2. 請求項1に記載の内部状態画像化装置において、
    前記検出器は、前記対象物の表面に対して前記放射線源と同一方向に配置される
    ことを特徴とする内部状態画像化装置。
  3. 請求項1に記載の内部状態画像化装置において、
    前記検出器として、コンプトンカメラを利用する
    ことを特徴とする内部状態画像化装置。
  4. 請求項1に記載の内部状態画像化装置において、
    前記検出器は、前記放射線源に対する相対位置が可変であり、
    前記放射線源に対する前記検出器の相対位置を計測する位置センサを更に有する
    ことを特徴とする内部状態画像化装置。
  5. 請求項1に記載の内部状態画像化装置において、
    前記エネルギー計測装置は、放射線検出時間を計測し、既定の時間幅の中で検出した放射線が同時か否かを判定する同時計数部を有しており、
    前記画像再構成装置は、同時に検出器に到達した放射線の位置とエネルギーから画素と画素値を演算する計算部を有している
    ことを特徴とする内部状態画像化装置。
  6. 請求項1に記載の内部状態画像化装置において、
    前記画像再構成装置において算出された前記画素値を表示する表示装置を更に備える
    ことを特徴とする内部状態画像化装置。
  7. 放射線散乱計測による対象物の内部状態を画像化する方法であって、
    放射線源および検出器を測定ポイントに配置するステップと、
    前記放射線源および前記検出器の配置位置を記録するステップと、
    前記放射線源から放射線を照射し、前記対象物の内部で生じた散乱光子を前記検出器で検出するステップと、
    前記検出器で検出された放射線のエネルギースペクトルを記録するステップと、
    放射線照射領域に対応する画素を選定するステップと、
    前記放射線源、前記検出器、および画素の位置関係から対応するエネルギーを算出するステップと、
    算出された前記エネルギーと記録された前記エネルギースペクトルから前記画素に加算する画素値を算出するステップと、を有する
    ことを特徴とする内部状態画像化方法。
  8. 放射線散乱計測による対象物の内部状態を画像化する方法であって、
    放射線源および検出器を測定ポイントに配置するステップと、
    前記放射線源および前記検出器の配置位置を記録するステップと、
    前記放射線源から放射線を照射し、前記対象物の内部で生じた散乱光子を前記検出器で検出するステップと、
    前記検出器で検出された放射線のエネルギーを記録するステップと、
    前記放射線源および前記検出器の位置、ならびに前記エネルギーから散乱角を算出するステップと、
    前記散乱角が同一となる画素を選定するステップと、
    前記画素に検出数を加算するステップと、
    前記検出数が加算された前記画素を表示するステップと、を有する
    ことを特徴とする内部状態画像化方法。
  9. 請求項8に記載の内部状態画像化方法において、
    前記検出器として、コンプトンカメラを利用し、
    前記画素を選定するステップにおいて、コンプトンコーンを算出し、コンプトンコーンと同一の散乱角となる画素の交点を候補画素として選定する
    ことを特徴とする内部状態画像化方法。
  10. 請求項7または8に記載の内部状態画像化方法において、
    前記放射線源と前記検出器との相対位置を可変とし、
    前記放射線源と検出器の位置を記録するステップでは、前記放射線源に対する前記検出器の相対位置を計測し、
    前記画素を選定するステップでは、前記計測した前記放射線源と前記検出器との相対位置を用いて候補画素を選定する
    ことを特徴とする内部状態画像化方法。
  11. 請求項8に記載の内部状態画像化方法において、
    前記放射線の検出時間を計測し、既定の時間幅の中で検出した放射線が同時か否かを判定するステップを更に有し、
    前記画素を選定するステップでは、
    同時と判定されなかった場合は、前記放射線源の位置、前記検出器の位置、および前記エネルギーから散乱角を算出し、同一散乱角となる画素を選定し、
    同時と判定された場合には、コンプトンコーンを算出するとともに前記コンプトンコーンと前記同一散乱角となる画素の交点を候補画素として選定する
    ことを特徴とする内部状態画像化方法。
  12. 請求項11に記載の内部状態画像化方法において、
    同時と判定されない場合と同時と判定される場合のそれぞれ重みを設定し、選定した画素の画素値を重み付きで加算する
    ことを特徴とする内部状態画像化方法。
  13. 請求項11に記載の内部状態画像化方法において、
    同時と判定されない場合と同時と判定される場合のそれぞれの内部状態画像を保有し、内部状態画像を演算して合成する
    ことを特徴とする内部状態画像化方法。
  14. 請求項7に記載の内部状態画像化方法において、
    前記画素値を表示するステップを更に有する
    ことを特徴とする内部状態画像化方法。
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