JP2022131808A - 接着テープおよび接着加工製品 - Google Patents

接着テープおよび接着加工製品 Download PDF

Info

Publication number
JP2022131808A
JP2022131808A JP2021030944A JP2021030944A JP2022131808A JP 2022131808 A JP2022131808 A JP 2022131808A JP 2021030944 A JP2021030944 A JP 2021030944A JP 2021030944 A JP2021030944 A JP 2021030944A JP 2022131808 A JP2022131808 A JP 2022131808A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive
adhesive tape
component
mpa
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021030944A
Other languages
English (en)
Inventor
達也 木戸
Tatsuya Kido
大輔 冨塚
Daisuke Tomizuka
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Toray Coatex Co Ltd
Original Assignee
Toray Industries Inc
Toray Coatex Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc, Toray Coatex Co Ltd filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2021030944A priority Critical patent/JP2022131808A/ja
Publication of JP2022131808A publication Critical patent/JP2022131808A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

【課題】従来以上にカーブや曲面形状への追従性を有し、接着作業効率化と資材廃棄ロス削減および外観品位を向上させた接着テープおよび接着加工製品を提供する。【解決手段】本発明の接着テープは、成分Aからなる接着層と、成分Bからなり、前記接着層の一方の面を被覆する離型層と、を少なくとも有し、前記離型層の伸度50%時応力が1~25MPaの範囲かつ、前記接着層の伸度50%時応力が1~6MPaの範囲であり、前記接着層と前記離型層との剥離強度が0.05N/cm~0.5N/cmの範囲であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、カーブや曲面形状への追従性を有し、接着作業効率化と資材廃棄ロス削減および外観品位を向上させた接着テープに関する。
従来、接着テープとして、ポリウレタン樹脂フィルムの表面にホットメルト型ポリウレタン接着剤層を有するテープ(例えば、特許文献1参照)、軟化点の異なる複数の熱可塑性樹脂を積層し、形状追従性を付与した離型フィルム(例えば、特許文献2参照)、伸縮弾性および耐熱性を有する支持体シートの少なくとも片面に伸縮弾性を有するホットメルト性の接着剤被膜を設けた接着シート(例えば、特許文献3参照)、支持体の主表面にセルロース系繊維およびエラストマー系含浸剤を含み、かつ8%より大きな切断伸度を有する接着性シート(例えば、特許文献4参照)、フォーム基材と熱可塑性ゴムより軟化温度の低い粘着付与性樹脂を使用した接着テープ(例えば、特許文献5参照)、ポリアリーレンスルフィドを含む層とポリオレフィン系樹脂層を用いてなる積層フィルム(例えば、特許文献6参照)などが開示されている。
特開平11-172209 特開2005-205745 特開平08-120231 特表平09-508933 特開2000-073025 特開2007-190689
しかしながら、特許文献1の技術は、ウレタンフィルムとウレタン接着剤との親和性により剥離強度が高く離型性に乏しいこと、特許文献2の技術は、複数の熱可塑性樹脂を離型フィルムに使用することで、積層工程および材料コストがかかること、特許文献3の技術は、成分AとBの剥離強度が高く離型性に乏しいこと、特許文献4の技術は、セルロース系繊維によって伸度が抑制され追従性に乏しいこと、特許文献5の技術は、接着後に被着体を屈曲および変形させることは容易であるが、テープ自体のモジュラスが低いため接着時に基材が必要以上に伸びやすく、作業性および離型性に劣ること、特許文献6の技術は、ガラス転移温度が低いため、熱可塑性ホットメルトの接着作業におけるアイロンやプレス温度に耐えられず耐熱性に劣ることなどの課題があった。
一方、接着テープをカーブや曲面形状に接着する際、内外周差によるシワの発生や接着作業に時間を要する問題があった。これらの問題を解決するため、昨今、接着シートを所望のカーブ形状に打ち抜いた、あるいは成型裁断をした接着テープなどが多く出てきた。しかしながら、所望のカーブ形状に打ち抜いた、あるいは成型裁断をした接着テープは、成型裁断あるいは打ち抜き部分以外は不要部分となるため廃棄ロスが生じ、プラスチック廃棄による環境負荷の問題があった。これに加えて、成型裁断あるいは打ち抜きのための加工設備および工程時間を要し、生産・材料コストが高くなるという欠点があった。そこで、本発明の目的は、熱可塑性ホットメルトの接着に耐えうる耐熱性を有するとともに、直線状のテープでありながらカーブや曲面形状への追従性を有し、成型裁断や打ち抜き工程の省略による接着作業効率化と資材廃棄ロス削減および外観品位を向上させうる接着テープおよび接着加工製品を提供することにある。
前記課題を達成できる本発明の接着テープおよび接着加工製品は、以下の構成からなる。
(1)本発明の接着テープは、成分Aからなる接着層と、成分Bからなり、前記接着層の一方の面を被覆する離型層と、を少なくとも有し、前記離型層の伸度50%時応力が1~25MPa以下の範囲かつ、前記接着層の伸度50%時応力が1MPa~6MPaの範囲であり、前記接着層と前記離型層との剥離強度が0.05N/cm~0.5N/cmの範囲である。
(2)より好適には、前記成分Aは熱可塑性ホットメルトである。
(3)より好適には、前記接着テープにおいて、前記成分Bの軟化点TB1が100℃以上であり、前記成分Aの軟化点TA1が100℃以下であり、軟化点の比(TB1/TA1)が2~5の範囲である。
(4)より好適には、前記接着テープにおいて、前記成分Aの溶融点温度TA2より成分Bの溶融点温度TB2が高く、溶融点温度の比(TA2/TB2B)が1.5~2.5の範囲である。
(5)より好適には、前記接着テープにおいて、前記成分Bの可視光透過率VTが75%以下であり、前記成分Aの可視光透過率VTが60%以上であり、可視光透過率の比率(VT/VT)が80%以下である。
(6)より好適には、前記接着テープにおいて、前記成分Bの破断強度BSが成分Aの破断強度BSより高く、破断強度の比(BS/BS)が1以上である。
(7)より好適には、前記接着テープの降伏点伸度が25%~27%であり、降伏点応力が7MPa~16MPaであり、下降伏点応力が7MPa~16MPaの範囲である。
(8)本発明の接着加工製品の他の好ましい態様としては、少なくとも前記接着テープを用いた接着加工製品であって、前記接着加工製品は少なくとも被着体と前記接着テープの接着層とからなる接着部を有し、前記接着部は、曲率半径が5cm~30cmの範囲のカーブ形状を少なくとも一部に有し、前記接着テープの幅が5mm~30mmの範囲であり、前記接着部のカーブ形状の長手方向の外縁部における厚みと内縁部における厚みのうち、最大厚と最小厚の比率(最大厚/最小厚)が101~150%の範囲とした接着加工製品である。
本発明により、カーブや曲面形状への追従性を有し、接着作業効率化と資材廃棄ロス削減および外観品位を向上させた接着テープを得ることができる。
図1は、本発明の接着テープの片面接着加工前の断面図である。 図2は、図1に示した接着テープの片面接着加工後の断面図である。 図3は、図1に示した接着テープの両面接着加工後の断面図である。 図4は、本発明の接着テープをカーブ形状の接着部(片面接着加工前)に用いる際の分解斜視図である。 図5は、本発明の接着テープをカーブ形状の接着部(両面接着加工)に用いる際の分解斜視図である。 図6は、図5の接着加工製品の一部拡大断面図である。 図7は、本発明の接着加工製品(片面接着加工後)の歪み評価画像である。 図8は、従来の接着加工製品(片面接着加工後)の歪み評価画像である。 図9は、図7に示した本発明の接着加工製品(片面接着加工後)の外観写真である。 図10は、図9に示した従来の接着加工製品の片面接着加工後の外観写真である。
以下、図面を用いて本発明の接着テープおよび接着加工製品を詳細に説明する。
(発明の構成と図面の説明)
図1は、本発明の接着テープの片面接着加工前の断面図である。図1に示すとおり、本発明の接着テープ1は、成分Aからなる接着層1aと成分Bからなる離型層1bとから構成され、接着層1aの少なくとも一方の面は離型層1bにより被覆されている。前記成分Bは離型材として、成分Aは接着剤としての機能を有し、接着テープとしてそれぞれの役割を果たすものである。
接着テープ1は、接着加工前は図1に示すとおり接着層1aと離型層1bとが一体となっている。本発明の接着テープ1を用いた接着加工製品は、接着層1aと被着体2とからなる接着部を有し、該接着部は被着体2に接着テープ1を接着加工することにより形成される。
接着加工は、主に片面接着加工と両面接着加工とに種別される。
片面接着加工とは、図1に示すとおり、接着テープ1の接着層1aの一方の面を被着体2に接着させた後、図2に示すように、離型層1bを取り除き、接着層1aのもう一方の面を露出させる工程である。
片面接着加工後の接着部の状態として、接着テープ1の接着層1aは片面が被着体2と接し、反対面が露出し、離型層1bは取り除かれている。
両面接着加工とは、図3に示すとおり、片面接着加工において露出した接着テープ1の接着層1aの面を他の被着体2’と接着させ、接着層1aの両面が被着体2および被着体2’と接着した状態に形成する工程である。
両面接着加工後の接着部の状態として、接着テープ1の接着層1aは両面が被着体2および被着体2’と接し、離型層1bは取り除かれている。接着部は、接着テープ1の長手方向に沿ってカーブ・円弧状、直線状、ジグザグ状、点線状などいずれの形状に形成されていても差し支え無い。
<伸度応力>
図4は、本発明の接着テープをカーブ形状の接着部(片面接着加工前)に用いる際の分解斜視図である。直線状に加工した本発明の接着テープ1をカーブ・円弧状に貼り付けて接着部を形成する場合、接着テープ1の外縁部7と内縁部6とで弧長に差異が生じる。本発明の接着テープ1は、カーブ・円弧状の接着部を形成する際、引き延ばしに適当な応力を有しているため、内外周差の歪みによるシワを軽減させることができる。離型層1bを構成する成分Bの伸度50%時応力を、1MPa以上25MPa以下とすることにより、接着加工製品の外観品位を向上することができる。かかる伸度50%時応力とは、一定伸長条件における伸長応力を表すものである。伸度50%時応力が1MPa未満であると変形が大きく形状安定性に乏しいという問題があり、反対に25MPa以上あると、カーブや円弧形状への追従性に乏しい。より好適には5MPa以上20MPa以下の範囲である。接着層1aを構成する成分Aの伸度50%時応力を、0.5MPa以上10MPa以下とすることにより、接着加工製品の外観品位を向上することができる。伸度50%時応力が0.5MPa未満であると変形が大きく形状安定性に乏しいという問題があり、反対に10MPa以上あると、カーブや円弧形状への追従性に乏しい。より好適には1MPa以上6MPaの範囲である。なお、かかる伸度50%時応力はJIS K 7127に基づき、引張速度100mm/minの条件で測定されたものである。
<接着部の曲率半径>
接着部をカーブ・円弧状に形成する場合、曲率半径によって接着部の外縁部7と内縁部6との弧長差が変化し、当該弧長差によって内外周差の歪みシワも変化するため、接着部の曲率半径は前記シワが起きにくい範囲とすることが好ましい。接着加工製品の接着部の曲率半径は、5cm以上30cm以下であることが、外観品位の観点からも好ましい。かかる接着部の曲率半径とは、接着部を形成する接着層1aの内縁部6の曲率半径を表すものである。接着部の曲率半径が5cm未満であると外縁部と内縁部との弧長差が大きく内外周差の歪みシワが起きやすいという問題があり、反対に30cmより大きい、テープ本体の構成による外観品位の差が小さくなる。
<接着テープの幅>
接着部をカーブ・円弧状に形成した際の接着層1aの外縁部7と内縁部6との弧長差によるシワは、接着部の曲率半径に加えて接着テープ1の幅によっても変化する。接着テープ1の幅は、前記シワが起きにくい範囲とすることが好ましい。接着テープ1の幅は、5mm以上50mm以下であることが、外観品位の観点からも好ましい。かかる接着テープ1の幅とは、接着テープ1の長手方向と直交する方向の長さを表すものである。接着テープ1の幅が5mm未満であると細さによるねじれや蛇行など加工不良が起きやすいという問題があり、反対に50mm以上あると、カーブや円弧状に接着する際の屈曲が困難であり、接着部の外縁部と内縁部との弧長差が大きくなり内外周差の歪みシワが起きやすい。接着加工製品の接着部の曲率半径が5cm以上30cm以下である場合、接着テープ1の幅は、5mm以上30mm以下であることが好ましく、より好適には5mm以上15mm以下の範囲である。
<内外縁部の厚み比率>
本発明の接着テープ1を用いた接着加工製品9において、接着部をカーブ・円弧状に形成した際の接着層1aの長手方向の外縁部における厚みと、内縁部における厚みの差が小さい、すなわち両者の数値のうち、最大厚と最小厚との比率(最大厚/最小厚)が小さいことが、厚み差による段差や陰影感、シワが視認されにくく、外観品位面で好適である。接着部の長手方向の外縁部における厚みと、内縁部における厚みの数値のうち、最大厚と最小厚との比率(最大厚/最小厚)は、101%以上150%以下であることが好ましい。カーブ・円弧状の接着部の長手方向の外縁部における厚みと、内縁部における厚みの数値のうち、最大厚と最小厚との比率(最大厚/最小厚)が101%未満、または150%より大きいと外縁部または内縁部の厚みによる段差や陰影感、シワが視認されやすくなる。より好適には101%以上120%以下の範囲である。なお、かかる接着部の厚みはJIS K 7130 : 1999 プラスチック-フィルム及びシート-厚さ測定方法に基づいて測定されたものである。接着部の厚みの調整手段としては、製造方法にもよるが、Tダイ、射出、インフレーションなどの各種成形法、ナイフオーバーコーティング、グラビアなどのコーティング法など、どのような方法であってもよいが、適応する厚さ、形状などの点からTダイ成形が好ましい。
<内外縁部の長さの比率>
本発明の接着テープ1を用いた接着加工製品9において、接着部をカーブ・円弧状に形成した際の接着層1aの長手方向の外縁部における長さと、内縁部における長さの差が小さい、すなわち両者の比率(外縁部長さ/内縁部長さ)が小さいことが、内外周差による歪みや、シワが視認されにくく、接着作業性および外観品位面で好適である。接着部の長手方向の外縁部における長さと、内縁部における長さの比率(外縁部長さ/内縁部長さ)は、140%未満であることが、接着作業性および外観品位面の観点からも好ましい。接着部の長手方向の外縁部における長さと、内縁部における長さの比率(外縁部長さ/内縁部長さ)が140%以上であると内外周差の歪みによるシワや陰影感が視認されやすいことに加え、接着加工しづらいという問題がある。より好適には100%以上130%以下の範囲である。なお、接着部の内縁部長さと外縁部長さの比率は、接着部の円弧形状部分のうち最も曲率半径の大きい円弧の中心点を取り、当該中心点から接着部外縁部にかけて半径線を2本取り、当該2本の半径線間における内縁部の円弧長と外縁部の円弧長をそれぞれ測定し、両者の比率すなわち外縁部の円弧長を内縁部の円弧長で除したもの、すなわち次式(外縁部の円弧長÷内縁部の円弧長)で求めたものである。
<剥離強度>
本発明の接着テープ1は、前述の片面接着加工および図2に示すとおり、接着テープ1の接着層1aの一方の面を被着体2に接着させた後に離型層1bを取り除く、すなわち接着層1aと離型層1bとを剥離する工程を有する。当該剥離工程においては接着層1aと離型層1bとが容易に剥離でき、かつ当該工程以外で自然剥離することのない、好適な接着層1aと離型層1bとの剥離強度を付与することが好ましい。接着層1aと離型層1bの剥離強度は、0.05N/cm以上0.5N/cm以下であることが、前述の片面接着加工において、接着層1aの一方の面を被着体2に接着させた後、離型層1bを取り除く際の剥がしやすさという観点からも好ましい。接着層1aと離型層1bの剥離強度が0.05N/cm未満であると接着工程以外で接着層1aと離型層1bとが自然剥離しやすいという問題があり、反対に0.5N/cm以上あると、片面接着加工後に接着層1aと離型層1bとが剥離しにくい。より好適には0.05~0.2N/cmの範囲である。なお、かかる接着層1aと離型層1bの剥離強度はJIS L 1093(2011)7.1.1A-1法に基づき、引張速度300mm/minで測定されたものである。接着層1aと離型層1bの剥離強度の調整手段としては、製造方法にもよるが、離型層1b上に接着層1aをTダイ法や各種コーティング法による塗布したり、反対に離型層1b上に接着層1aを前述同様の各種塗布法により塗布、または接着層1aと離型層1bを別々に製造したのち後から、熱などを加えてラミネーション加工など、どのような方法であってもよいが、コストや生産の簡便さの点から離型層1b上に接着層1aを塗布または接着層1a上に離型層1bを塗布のように連続的に加工する手段が好ましく、その手段としてはTダイ法による作成が好ましい。
<接着層>
接着層1aを構成する成分Aの種類としては、主として有機系接着剤が用いられ、有機系接着剤の種類は天然ゴムガゼインなどの天然樹脂系、酢酸セルロースなどの半合成系、ポリウレタンやアクリル等を用いた合成樹脂系に大別されるが、好ましくは合成樹脂系が加工性、コストの面で好ましい。
合成樹脂系の種類は、ポリウレタン、ポリエステル、PVA、塩ビ、アクリル樹脂、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル重合体、ポリアミド系、などを用いた樹脂系と、シリコンゴム、ニトリルゴムなどを用いたエラストマー系や、ナイロン・エポキシ、ビニル・フェノリックなどの複合系とに細分化されるが、より好ましくは熱可塑系が、柔軟性を有しつつ成分Aそのものの強度に優れ好ましい。
合成樹脂系の形態においては、水溶性、ラテックス型、ディスパージョン型などの乾燥固化型と、主剤と硬化剤の混合によって架橋反応が起こり硬化する化学反応型と、常温では固体であるが加熱により溶融し、冷めると固着する熱溶融型と、高粘度の流動性液体を加圧し粘着させる感圧型とがあるが、より好ましくは熱溶融型(熱可塑性ホットメルト)が、被着体と成分Bの境界面の接着強度に優れ好ましい。
熱溶融型(熱可塑性ホットメルト)の樹脂成分としては、エチレン-酢酸ビニル重合体、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系などが好適に用いられるが、より好ましくはポリウレタン系が、加工性が高く、空気中に含まれる水分(湿気)と架橋反応することにより、耐熱性、接着強度、耐久性にも優れ好ましい。
<離型層>
離型層を構成する成分Bの種類としては、伸度50%時応力が1~6MPaの範囲の樹脂であれば、特に限定されるものではないが、一例を挙げると、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイト、フッ素系樹脂、およびこれらの混合物などである。これらの中でも、生産性や伸度、柔軟性が優れたものとなる観点から、ポリオレフィン系樹脂を好適に使用することができる。また、ポリオレフィン系樹脂に合成ゴムを40質量%程度まで混合した混合物も成分Bとして好適である。
<接着加工の方法>
接着テープ1と被着体2、2’との接着加工方法としては、主に熱プレス法、高周波加熱法、超音波加工法が好適に用いられるが、いずれであってもよく、より好ましくは熱プレス法がコストと生産性に優れる。
<軟化性>
本発明の接着テープ1は、前述のとおり加熱による接着加工を行うことから、加熱加工温度条件下において、接着層1aを構成する成分Aは軟化しやすく、離型層1bを構成する成分Bは軟化しにくいことが、被着体への接着性および接着加工安定性の面から好ましい。成分Bの軟化点TB1は、100℃以上であることが、被着体への接着性および接着加工安定性の観点からも好ましい。成分Bの軟化点TB1が100℃未満であると離型材としての形状保持性に劣るという問題がある。より好適には130℃以上240℃以下の範囲である。成分Aの軟化点TA1は、40℃以上130℃以下であることが、被着体への接着性および接着加工安定性の観点からも好ましい。成分Aの軟化点TA1が40℃未満であると室温に近くなり形状を保てないという問題があり、反対に130℃以上あると、接着樹脂としての加工、成型性に劣る。より好適には50℃以上110℃以下の範囲である。本発明において、成分Bは離型剤の役割を担うことから、成分Bの軟化点は接着剤の役割を担う成分Aを上回る、すなわち成分Bの軟化点TB1が100℃以上であり、成分Aの軟化点TA1が100℃未満であることが、離型材としての形状保持性の観点から好ましい。より好適には、両者の比(TB1/TA1)が2~5の範囲である。なお、かかる軟化点はTAインスツルメント製DMAQ800を用いて、昇温/制御力モード、昇温速度10℃/minにより測定し、荷重値の最初の変化点における温度を求めたものである。
<溶融性>
より好ましい形態として、加熱加工温度条件下において、接着層1aを構成する成分Aは溶融しやすく、離型層1bを構成する成分Bは溶融しにくいことが、被着体への接着性および接着加工安定性に優れ好ましい。溶融点温度は、成分Bの溶融点温度TB2が成分Aの溶融点温度TA2より高いことが、接着加工時の形状安定性の観点からも好ましい。成分Aの溶融点温度TA2が成分Bの溶融点温度TB2未満であると、接着加工時に接着樹脂である成分Aの溶融前に離型材である成分Bが先に溶融してしまい、接着作業に支障が出るという問題がある。より好適には成分Bの溶融点温度TB2と成分Aの溶融点温度TA2との比(TB2/TA2)が1.5~2.5の範囲である。なお、かかる溶融点温度はTAインスツルメント製DMAQ800を用いて、昇温/制御力モード、昇温速度10℃/minにより測定し、歪み変位量が著しく変化する点を溶融点とした。
<破断強度>
本発明の接着テープは、接着加工時に離型層1bが破断しないことが必要であり、離型層1bを構成するである成分Bは所定の破断強度を有することが作業性の観点から好ましい。成分Bの破断強度BSが成分Aの破断強度BSより高いことが、形状保持の観点からも好ましい。成分Bの破断強度BSが成分Aの破断強度BS未満であると、離型層1bを構成する成分Bが片面接着加工時に成分Aの形状を保持することができないという問題がある。なお、かかる破断強度はJIS K 7127に基づき引張速度100mm/minの条件で測定されたものである。
<視認性>
本発明の接着テープ1は、接着加工時に接着テープ1の位置および輪郭を視認しやすいよう可視光透過を抑制する、すなわち透けにくくすることが、作業性の観点から好適である。離型層1bを構成する成分Bの可視光透過率VTが0.75以下であることが、接着加工時の接着テープの視認性の観点から好ましい。また、接着層1aを構成する成分Aの可視光透過率VTが0.6以上であることが、接着加工製品9の外観品位の観点で好ましい。成分Aの可視光透過率VTが0.6未満であると、両面接着加工後に成分Aが接着加工製品9の接着部の濃淡を引き起こし外観品位が低下するという問題があり、反対に成分Bの可視光透過率VTが0.75超過であると、片面接着加工時に成分Bが視認しずらく作業性に劣る。より好適には成分Bと成分Aの可視光透過率の比率(VT/VT)が80%以下の範囲である。なお、かかる可視光透過率はJIS A5759に基づいて測定されたものである。可視光透過率の調整手段としては、成分Aおよび成分Bに顔料や染料を混合する方法の他、グラビア方式、インクジェット方式、スクリーン方式など各種印刷や、蒸着など、どのような方法であってもよいが、コストや簡便さ、着色の安定性の点から顔料を適量混合する方法が好ましい。
<降伏点伸度応力>
本発明の接着テープ1は、片面接着加工時においてカーブなど屈曲形状に対する追従性を付与するために、加工時に加わる伸長あるいは荷重に対して塑性変形しやすいことが、作業性および外観品位の観点から好ましい。
片面接着加工時に塑性変形しやすい、接着テープ1の好ましい形態としては、接着テープ1が塑性変形を起こす伸度と荷重、すなわち降伏点伸度、降伏点応力、下降伏点応力が、加工時に加わるそれぞれの値の範囲と同等であることである。接着テープ1の降伏点伸度は、25%以上27%以下であることが、片面接着加工時におけるカーブなど屈曲形状に対する追従性の観点からも好ましい。かかる接着テープの降伏点伸度とは、接着テープ1に引張を加えていったとき、弾性限界を超えて接着テープ1の変形が急激に増加し、もとに戻らなくなるときの伸度の大きさを表すものである。接着テープ1の降伏点伸度が25%未満であると加工時に加わる伸長あるいは荷重に対して塑性変形しにくく作業性および外観品位に劣るという問題があり、反対に27%より大きいと、接着テープが必要以上に変形し形状保持性に劣るに劣る。より好適には、成分Bの降伏点伸度が6%以上18%以下かつ成分Aの降伏点伸度が15%以上45%以下の範囲である。なお、かかる接着テープの降伏点伸度はJIS K 7127に基づいて測定されたものである。接着テープの降伏点伸度の調整手段としては、接着層1aおよび/または離型層1bの厚みの増減、延伸、成分Aおよび成分Bの選定など、どのような方法であってもよいが、片面接着加工時におけるカーブなど屈曲形状に対する追従性の点から接着層1aおよび/または離型層1bの延伸条件による調整が好ましい。
本発明の接着テープ1の降伏点応力および下降伏点応力は、7MPa以上16MPa以下であることが、片面接着加工時におけるカーブなど屈曲形状に対する追従性の観点からも好ましい。かかる接着テープ1の降伏点応力および下降伏点応力とは、接着テープ1に荷重を加えていったとき、弾性限界を超えて接着テープの変形が急激に増加し、もとに戻らなくなるときの応力の大きさを表す。このうち下降伏点応力は、降伏している際に最低となる応力を表すものである。接着テープ1の降伏点応力および下降伏点応力が7MPa未満であると接着テープ1の弾性変形が大きく必要以上に変形し形状保持性に劣るという問題があり、反対に16MPa以上あると、接着テープ1が加工時に加わる伸長あるいは荷重に対して塑性変形しにくく作業性および外観品位に劣る。より好適には降伏点応力において成分Bが17MPa~53MPaかつ成分Aが1MPa~5MPaの範囲かつ下降伏点応力において成分Bが12MPa~39MPaかつ成分Aが1~5MPaの範囲である。
なお、かかる接着テープ1の降伏点応力および下降伏点応力はJIS K 7127に基づいて測定され、伸長-応力曲線から降伏点および下降伏点の測定値をそれぞれ求めたものである。接着テープ1の降伏点応力および下降伏点応力の調整手段としては、接着層1aおよび/または離型層1bの厚み増減、延伸、成分Aおよび成分Bの選定など、どのような方法であってもよいが、片面接着加工時におけるカーブなど屈曲形状に対する追従性の点から接着層1aおよび/または離型層1bの延伸条件による調整が好ましい。
<被着体>
被着体2,2’の素材としては、主として繊維織編物または不織布が用いられる。より好ましくは織物または編物を用いてなることが、強度に優れ好ましい。織物を用いる場合、一般的に平織や、綾織、朱子織およびこれらの変化織、多軸織などが好適に使用される。編物を用いる場合、平編、ゴム編、パール編、トリコット、ラッシェル、ミラニーズなどが好適に使用される。不織布を用いる場合、抄紙方、化学的接着法、熱融着法、ウォータージェットパンチ法、メルトブロー法、フラッシュ紡糸法などが好適に使用される。
<用途>
本発明の接着テープ1を用いた接着加工製品9の用途としては、例えば衣服に用いることや、帽子、手袋、布団、シーツ、カーテン、テント、寝袋、傘、バッグなどいずれであってもよい。
また、本発明の接着加工製品9は、本発明の接着テープ1を用いた接着部の他にミシンによる縫製部を組み合わせて構成することは何ら差し支えない。また、ミシン縫製部は接着部へと置き換えることも可能である。すなわち、接着部は、少なくとも被着体同士を接合する縫目として用いることができる。
以下、本発明を実施例および比較例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例および比較例において用いた接着テープおよび接着加工製品の評価は次の方法で実施した。
(測定項目)
[廃棄ロス率(%)]
本発明の接着テープ等の裁断工程あるいは成型工程における廃棄ロス率(%)について、テープ裁断面積および発生した接着部以外の面積、すなわち廃棄面積をそれぞれ測定し、テープ裁断面積に対する廃棄面積の割合、すなわち廃棄面積をテープ裁断面積で除した次式(廃棄面積÷テープ裁断面積)で求めた。
[接着部の内縁部長さと外縁部長さの比率(%)]
本発明の接着テープ等を用いて円弧形状の接合部を有する接着加工製品を作製し、この接着部の内縁部長さと外縁部長さの比率について、接着部の円弧形状部分のうち最も曲率半径の大きい円弧の中心点を取り、当該中心点から接着部外縁部にかけて半径線を2本取り、当該2本の半径線間における内縁部の円弧長と外縁部の円弧長をそれぞれ測定し、両者の比率すなわち外縁部の円弧長を内縁部の円弧長で除すること、すなわち次式(外縁部の円弧長÷内縁部の円弧長)で求めた。
[厚みの比率(%)]
本発明の接着テープ等を用いて円弧形状の接合部を有する接着加工製品を作製し、この接着部の長手方向の外縁部における厚みと、内縁部における厚みの比率について、JIS K 7130 : 1999 プラスチック-フィルム及びシート厚さ測定方法に基づいてそれぞれ測定し、最大部の厚みを最小部の厚みで除すること、すなわち次式(最大部の厚み÷最小部の厚み)で求めた。
[加工速度(cm/min)]
本発明の接着テープ等を用いた接着加工製品の加工速度について、接着部の片面接着加工に要した加工時間を接着テープの長手方向の長さで除すること、すなわち次式(片面接着加工に要した加工時間÷接着テープの長手方向の長さ)で求めた。
(評価)
[外観品位]
本発明の接着テープ等を用いて接着加工を行った接着加工製品の外観品位、すなわちシワや歪みの程度を7段階(-3~3、1点刻み)で評価した。評価点数が高いほど外観品位に優れている。評価者5名の評価点数平均を評価結果とし、評価結果が1点以上の場合を良好とした。評価基準を表1に示す。
[接着作業性]
作業者5名にて本発明の接着テープ等を用いて接着加工を行った時の接着加工作業の容易さ、すなわち片面接着加工時における接着部のカーブなど屈曲形状に対する追従の程度を7段階(-3~3、1点刻み)で評価した。評価点数が高いほど接着作業性に優れている。作業者5名の評価点数平均を評価結果とし、評価結果が1点以上の場合を良好とした。評価基準を表1に示す。
[環境配慮性]
本発明の接着テープ等を用いて接着加工を行った時のテープ裁断面積に対する廃棄面積の割合を測定し、表1の評価基準にて7段階(-3~3、1点刻み)で評価した。評価点数が高いほど環境配慮および資材廃棄ロス削減に優れている。評価結果が1点以上の場合を良好とした。評価基準を表1に示す。
[視認性]
作業者5名にて本発明の接着テープ等を用いて接着加工を行った時の接着テープの視認のしやすさ、すなわち片面接着加工時における接着テープ本体の位置および輪郭の視認の程度を7段階(-3~3、1点刻み)で評価した。評価点数が高いほど視認性に優れている。作業者5名の評価点数平均を評価結果とし、評価結果が1点以上の場合を良好とした。評価基準を表1に示す。
[接着部内外の色均一性]
作業者5名にて本発明の接着テープ等を用いて接着加工を行った時の接着部内外の色均一性、すなわち両面接着加工後に接着部および接着部と隣接する箇所との間で視認される濃淡の程度を7段階(-3~3、1点刻み)で評価した。評価点数が高いほど接着部の濃淡の目立ちにくさ、すなわち接着部内外の色の均一性に優れている。作業者5名の評価点数平均を評価結果とし、評価結果が1点以上の場合を良好とした。評価基準を表1に示す。
[離型性]
作業者5名にて本発明の接着テープ等を用いて接着加工を行った時の離型層の剥離性、すなわち片面接着加工において接着テープの接着層の一方の面を被着体に接着させた後、離型層を接着層から剥がして取り除く際の剥がしやすさを7段階(-3~3、1点刻み)で評価した。評価点数が高いほど離型性に優れている。作業者5名の評価点数平均を評価結果とし、評価結果が1点以上の場合を良好とした。評価基準を表1に示す。
[総合評価]
評価項目の外観品位、接着作業性、環境配慮性、視認性、接着部内外の色均一性、離型性の評価点数の合計を求め、これを総合評価とした。評価点数が高いほど総合的に優れており、評価結果が9点以上の場合を良好な接着テープおよび接着加工製品とした。評価基準を表2に示す。
Figure 2022131808000002
Figure 2022131808000003
(実施例1)
図5に示す形状の接着加工製品を作製した。ポリプロピレン70質量%および合成ゴム30質量%の混合物からなる軟化点150℃、溶融点温度199℃の樹脂を成分Bとして使用し、押出し法にて50μmの膜厚および伸度50%時応力8.2MPa、破断強度30.5MPaになるようにシート状に吐出延伸し、離型層1bを得た。離型層1bの可視光透過率は45%となるよう顔料の配合量を調整した。
次に、ホットメルト接着性を持つ軟化点60℃、溶融点温度115℃のポリエステル系ポリウレタン樹脂を主体とする樹脂を成分Aとして使用し、押出し法にて100μmの膜厚および伸度50%時応力3.4MPa、破断強度26.7MPaになるようにシート状に吐出延伸し、接着層1aを得た。可視光透過率は89%となるよう顔料の配合量を調整した。
得られた接着層1aを離型層1b上にシート状に塗布し積層させ、接着層1aおよび離型層1bとからなる接着シートを形成した後、接着シートをスリット加工し、幅10cm、剥離強度0.18N/cmの接着テープを得た。
次に、被着体としてタテ糸17dtex-7fナイロンフィラメント仮撚加工糸、ヨコ糸26dtex-20fのナイロンフィラメント仮撚加工糸よりなるタテ密度250本/inch、ヨコ密度164本/inchのタフタ織物を使用し、接着テープの接着層1aの露出面を被着体に当て、アイロンで100℃に加熱し、曲率半径30cmのカーブを描くように片面接着加工を行った。
次に、離型層1bを剥離して取り除き、図5のとおり2枚の被着体の間に接着層1aをはさむようにして、平板熱プレス機を用いて温度150℃、圧力200g/cm、時間10秒の条件で両面接着加工を行い接着加工製品を得た。
得られた接着テープの廃棄ロス率、接着部の内縁部長さと外縁部長さの比率、厚みの比率、加工速度を測定した。
次に、外観品位、接着作業性、環境配慮性、視認性、接着部内外の色均一性、離型性を表1に、総合評価を表2の評価基準により評価した。表3に各数値と評価結果を示す。
また、実施例1で得た接着シートを、テープ幅が10mm、30mm、50mmの接着テープにスリット加工し、曲率半径が10cm、30cm、40cmの被着体をテープ幅が異なる接着テープによりそれぞれ片面接着加工して、歪みについて評価した。図7に歪み評価画像、図9に外観写真を示す。
(実施例2)
実施例1の接着テープにおいて、ポリプロピレン90質量%および合成ゴム10質量%の混合物からなる軟化点151℃、溶融点温度206℃の樹脂を成分Bとして使用し、伸度50%時応力14.5MPa、破断強度56.3MPaになるよう吐出延伸して離型層を得た以外は同様にしてシート状の接着テープを作製し、スリット加工して、幅30mm、剥離強度0.12N/cmの接着テープを得た。接着部の曲率半径は10cmとした以外は実施例1と同一の条件で接着加工製品を作製した。表3に各数値と評価結果を示す。
(実施例3)
実施例1の接着テープにおいて、ポリプロピレン80質量%および合成ゴム20質量%の混合物からなる軟化点155℃、溶融点温度197℃の樹脂を成分Bとして使用し、伸度50%時応力11.4MPa、破断強度51MPa、可視光透過率65%の離型層を得た以外は同様にしてシート状の接着テープを作製し、スリット加工して、幅5mm、剥離強度0.16N/cmの接着テープを得た。接着部の曲率半径は5cmとした以外は実施例1と同一の条件で接着加工製品を作製した。表3に各数値と評価結果を示す。
(実施例4)
実施例1の接着テープにおいて、軟化点80℃、溶融点温度150℃のポリエチレンを主体とする樹脂を成分Bとして使用し、伸度50%時応力12.7MPa、破断強度22.1MPa、可視光透過率97%の離型層を得た以外は同様にしてシート状の接着テープを作製し、スリット加工して、幅30mm、剥離強度0.09N/cmの接着テープを得た。接着部の曲率半径は30cmとした以外は実施例1と同一の条件で接着加工製品を作製した。表3に各数値と評価結果を示す。
(比較例1)
実施例1の接着テープにおいて、軟化点142℃、溶融点温度202℃のポリプロピレンを主体とする樹脂を成分Bとして使用し、膜厚400μmおよび伸度50%時応力27MPa、破断強度72MPa、可視光透過率65%の離型層を形成し、実施例1で使用するポリエステル系ポリウレタン樹脂を主体とする樹脂を成分Aとして使用して、膜厚30μmおよび伸度50%時応力0.5MPaの接着層を形成し、幅50mm、剥離強度1N/cmの接着テープを得た。接着部の曲率半径は40cmとし、これら以外は実施例1と同一となるよう接着加工製品を作製した。表3に各数値と評価結果を示す。
(比較例2)
実施例1の接着テープおいて、軟化点60℃、溶融点温度115℃のポリエステル系ポリウレタン樹脂を主体とする樹脂を成分Bとして使用し、膜厚50μmおよび伸度50%時応力0.5MPa、破断強度26MPa、可視光透過率89%の離型層を形成し、実施例1で使用するポリエステル系ポリウレタン樹脂を主体とする樹脂を成分Aとして使用して、膜厚30μmおよび伸度50%時応力0.5MPa、破断強度27MPaの接着層を形成し、幅30mmの接着テープを得た。接着部の曲率半径は4cmとし、これら以外は実施例1と同一となるよう接着加工製品を作製した。剥離強度は成分Aと成分Bの剥離より先に破断が起きたため測定不可であった。表3に各数値と評価結果を示す。
(比較例3)
実施例1の接着テープにおいて、離型層を構成する成分Bとしてセルロース系紙繊維の両面にポリプロピレンラミネート加工した離型紙を使用し、膜厚300μmおよび伸度50%時応力破断MPa、破断強度45.9MPa、可視光透過率19%の離型層を形成し、接着層を構成する成分Aとして軟化点67℃、溶融点温度136℃のナイロン樹脂を主体とする樹脂を使用し、膜厚100μmおよび伸度50%時応力18.7MPa、破断強度47.5MPa、可視光透過率18%の接着層を形成し、幅50mm、剥離強度0.01N/cmの接着テープとした。接着部の曲率半径は10cmとし、これら以外は実施例1と同一となるよう接着加工製品を作製した。
なお、離型層を構成する成分Bの軟化点および溶融点温度は、軟化点が現れないことと溶融前に分解が起きたため測定不可とした。表3に各数値と評価結果を示す。
また、比較例3で得た接着シートを、テープ幅が10mm、30mm、50mmの接着テープにスリット加工し、曲率半径が10cm、30cm、40cmの被着体をテープ幅が異なる接着テープによりそれぞれ片面接着加工して、歪みについて評価した。図8に歪み評価画像、図10に外観写真を示す。
(比較例4)
比較例3の接着テープおよび接着加工製品において、接着層および離型層とからなる接着シートを形成した後、接着シートをレーザー裁断機を用いて接着部のカーブ形状に沿って成型裁断し、曲率半径4cm、テープ幅4mm、剥離強度0.01N/cmの接着テープを得た。接着部の曲率半径は4cmとし、これら以外は比較例3と同一となるよう接着加工製品を作製した。表3に各数値と評価結果を示す。
Figure 2022131808000004
実施例1~4の接着テープおよび接着加工製品は、接着層および離型層の伸度50%時応力および接着層と離型層の剥離強度を好ましい範囲とすることで、外観品位、接着作業性、環境配慮性、接着部内外の色均一性、離型性に優れた接着テープおよび接着加工製品となった。 実施例1~2の接着テープおよび接着加工製品は、接着層および離型層の可視光透過率を好ましい範囲とすることで、更に視認性に優れた接着テープおよび接着加工製品となった。
また、実施例3、図7および図9によれば、曲率半径が5cm~30cmの範囲のカーブ形状の接着部を有し、テープ幅が5mm~30mmの範囲の本発明の接着テープを使用すれば、シワやゆがみがない接着加工製品が得られることが確認された。
比較例1の接着テープおよび接着加工製品は、離型層の伸度50%時応力と、接着層および離型層の剥離強度および接着テープの降伏点応力を高くしたことにより、接着作業性、離型性に劣る接着テープおよび接着加工製品となった。
比較例2の接着テープおよび接着加工製品は、接着層および離型層の伸度50%時応力を低く、かつ離型層の可視光透過率を高くし、接着部の曲率半径を小さくしたことにより視認性、接着作業性、離型性に劣る接着テープおよび接着加工製品となった。
比較例3の接着テープおよび接着加工製品は、離型層の伸度50%時応力と接着テープの降伏点応力を高く、かつ接着層および離型層の剥離強度を低く、接着層の可視光透過率を低く、接着テープの幅を広くしたことにより外観品位、接着作業性、接着部内外の色均一性、離型性に劣る接着テープおよび接着加工製品となった。
また、図7~図10より、実施例1の接着シートと比較して、比較例3の接着シートを使用した接着加工製品は、シワが多く発生し、接着加工製品に歪みが生じやすいことがわかる。
比較例4の接着テープおよび接着加工製品は、比較例3の外観品位、接着作業性の対処として成型裁断することにより、外観品位、接着作業性については改善した反面、廃棄ロス率が大きくなり、環境配慮性に劣る接着テープおよび接着加工製品となった。
すなわち、本発明の接着テープおよび接着加工製品は、発明の要件を多く満たすほど、より総合的に優れた接着テープおよび接着加工製品となった。
本発明は、衣服あるいは雑貨、寝具、産業資材用途の接着テープおよび接着加工製品として利用することができる。
1:接着テープ
1a:接着層
1b:離型層
2、2’:被着体
3:テープ幅
4:接着部
5:曲率半径
6:外縁部
7:内縁部
8:厚み
8a:外縁部における厚み
8b:内縁部における厚み
9:接着加工製品

Claims (8)

  1. 成分Aからなる接着層と、
    成分Bからなり、前記接着層の一方の面を被覆する離型層と、
    を少なくとも有し、前記離型層の伸度50%時応力が1MPa~25MPaの範囲かつ、前記接着層の伸度50%時応力が1MPa~6MPaの範囲であり、前記接着層と前記離型層との剥離強度が0.05N/cm~0.5N/cmの範囲であることを特徴とする、接着テープ。
  2. 前記成分Aは熱可塑性ホットメルトである請求項1に記載の接着テープ。
  3. 前記成分Bの軟化点TB1が100℃以上であり、
    前記成分Aの軟化点TA1が100℃未満であり、
    軟化点の比(TB1/TA1)が2~5の範囲であることを特徴とする、請求項1または2に記載の接着テープ。
  4. 前記成分Aの溶融点温度TA2より前記成分Bの溶融点温度TB2が高く、
    溶融点温度の比(TB2/TA2)が1.5~2.5の範囲であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一つに記載の接着テープ。
  5. 前記成分Bの可視光透過率VTが75%以下であり、
    前記成分Aの可視光透過VT率が60%以上であり、
    可視光透過率の比率(VT/VT)が80%以下であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一つに記載の接着テープ。
  6. 前記成分Bの破断強度BSが前記成分Aの破断強度BSより高く、破断強度の比(BS/BS)が1以上であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一つに記載の接着テープ。
  7. 前記接着テープの降伏点伸度が25%~27%であり、
    降伏点応力が7MPa~16MPaであり、
    下降伏点応力が7MPa~16MPaであることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一つに記載の接着テープ。
  8. 請求項1~7のいずれか一つに記載の接着テープを用いた接着加工製品であって、
    前記接着加工製品は少なくとも被着体と前記接着テープの接着層からなる接着部を有し、
    前記接着部は、曲率半径が5cm~30cmの範囲のカーブ形状を少なくとも一部に有し、
    前記接着テープの幅が5mm~30mmの範囲であり、
    前記接着部のカーブ形状における長手方向の外縁部における厚みと、内縁部における厚みうち、最大厚と最小厚との比率(最大厚/最小厚)が101~150%の範囲であることを特徴とする、接着加工製品。
JP2021030944A 2021-02-26 2021-02-26 接着テープおよび接着加工製品 Pending JP2022131808A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021030944A JP2022131808A (ja) 2021-02-26 2021-02-26 接着テープおよび接着加工製品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021030944A JP2022131808A (ja) 2021-02-26 2021-02-26 接着テープおよび接着加工製品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022131808A true JP2022131808A (ja) 2022-09-07

Family

ID=83153334

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021030944A Pending JP2022131808A (ja) 2021-02-26 2021-02-26 接着テープおよび接着加工製品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022131808A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20140308482A1 (en) Adhesive tape and masker
US20110052859A1 (en) Processes for precutting laminated flocked articles
CN110612207B (zh) 可拉伸材料、可拉伸构件、其制造方法以及衣服制品
JP2010503781A (ja) 活性化可能なゼロ歪の複合積層体
JP2009067977A (ja) 接着テープ
US20200164610A1 (en) Gripping materials
KR100946200B1 (ko) 투습방수성 원단의 제조방법, 그로부터 제조된 원단 및상기 원단을 이용한 시임리스형 투습방수성 장갑의제조방법
KR100681388B1 (ko) 실리콘 코팅 이형원단의 제조 방법
JP2022131808A (ja) 接着テープおよび接着加工製品
EP3341513B1 (en) Loop member for surface fastener and adult diaper
JP2017179195A (ja) 接着シート、接着テープ、繊維基材シート、衣料製品及び接着シートの製造方法
JP7011820B2 (ja) 粘着テープ及び,粘着テープの製造方法
JPH10127311A (ja) 粘着剤付き面ファスナ雌材およびそれを利用した使い捨ておむつ
GB2215660A (en) Joining coated fabric
JP6637247B2 (ja) 積層シート
KR100721971B1 (ko) 재귀반사 시트 및 그로부터 제조된 재귀반사 실
JP6212425B2 (ja) ウエザストリップ
WO2023163036A1 (ja) 接着加工品
JPH11209711A (ja) 両面接着シート
JP4119743B2 (ja) 手袋
CN113122941A (zh) 弹性丝及其切割方法与切割结构及具此种弹性丝的纺织品
JP3040238B2 (ja) 粘着テープ及びその製造方法
JP2009280796A (ja) 粘着シート及びその製造方法
JP4479936B2 (ja) 植毛転写シート
JPH10287849A (ja) アプリケーションフィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240110