JP2022131222A - 機械発泡用硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物及びシリコーンゴム発泡体の製造方法 - Google Patents

機械発泡用硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物及びシリコーンゴム発泡体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】機械発泡装置により材料に外部から物理的(機械的)にガス(気泡)を加圧混入した際に、発泡倍率のコントロールが可能で、高発泡倍率のシリコーンゴム発泡体を得ることができる機械発泡用硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物、及び該組成物を機械発泡装置により発泡硬化するシリコーンゴム発泡体の製造方法を提供する。【解決手段】(A)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ1個以上のフェニル基を有するジオルガノポリシロキサン:100質量部、(B)1分子中に少なくとも3個のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:0.1~20質量部、及び(C)白金族金属系触媒:(A)、(B)成分の合計質量に対し、白金原子の質量換算で0.1~1,000ppmを含有し、かつ無機質充填剤を除いた成分の混和物が40℃で透明である機械発泡用硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、例えば機械発泡装置等でガスを機械的に(物理的に)加圧混入することによって機械的(物理的)に発泡すると同時に、加熱により硬化してシリコーンゴム発泡体(シリコーンゴムスポンジ)を与えることができる機械発泡用(或いは物理発泡用)硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物及びシリコーンゴム発泡体の製造方法に関する。
従来、振動吸収材、遮音材、断熱材、クッション材等に発泡体が使用されており、シリコーン(オルガノポリシロキサン)樹脂を母剤としたシリコーンゴム発泡体(シリコーンゴムスポンジ)も主に耐熱性を必要とする用途に使用されている。このシリコーンゴム発泡体には、硬化前の材料(シリコーンゴム発泡体組成物)がパテ状を呈するタイプと、液状を呈するタイプが存在する。その発泡機構は、(1)ニトリル化合物や、アゾ化合物の分解による窒素ガス発生を利用する方法、(2)シラノール含有シロキサンとハイドロジェンシロキサンの脱水素縮合反応による脱水素反応を利用する方法、(3)機械発泡装置により材料(シリコーンゴム発泡体組成物)に外部から物理的(機械的)にガス(気泡)を加圧混入する方法などが挙げられる。
(1)の場合、特に発泡剤としてニトリル化合物を利用した方法は、発泡剤の分解温度が高いため、発泡体の硬化温度に高温(150℃以上)が必要となる。発泡剤としてアゾ化合物を利用した場合、白金触媒への硬化阻害性は低減されるが、発泡剤の分解温度が高いことから120℃以下での硬化発泡には不利である。
(2)の場合、硬化物の安定性(耐熱硬度変化・圧縮永久ひずみ等)が(1)に劣る。また脱水素縮合反応に必要となる、ハイドロジェンシロキサン、水又はアルコール又はシラノール化合物、触媒を使用した場合、反応が抑制できないため2液もしくは3液混合型での輸送が必要となる。また、使用時に混合機を使用しなければならないため、使用工程が多いなどの問題がある。例として具体的には、特開昭51-46352号公報、特開昭54-135865号公報、特開昭57-180641号公報、特開平7-196832号公報(特許文献1~4)などの改良が重ねられているが、前述の不満足な点は改良されていない。最近開発された技術として、簡単に混合吐出硬化できる特開2002-187969号公報(特許文献5)が考案されているが、脱水素縮合反応による発泡の機構を脱していないため、同じく前述の不満足な点は改善できていない。特に、使用直前に混合機で混合してから発泡硬化しなければならないことには変りなく、使用上の設備コスト負担の原因となっている。
(3)の場合、硬化発泡後の発泡倍率をガス封入量によって精度よくコントロールできる傾向があるとされている。また材料(シリコーンゴム発泡体組成物)そのものには自己発ガス機構が不要となるため、材料(組成)設計の自由度が高く、かつ発ガス反応による発泡体硬化物特性への悪影響が少ないなどの有利な点がある。
特に、硬化前の材料(シリコーンゴム発泡体組成物)が従来の液状を呈するタイプの中で、機械発泡装置により材料(シリコーンゴム発泡体組成物)にガスを加圧混入する方法の場合、機械発泡装置による封入ガスを効率よく発泡/維持しないと高発泡倍率の硬化物(シリコーンゴム発泡体)が得られないが、従来の材料では材料が封入ガスを包含しきれずに破泡し、高発泡倍率の発泡体を得ることが難しかった。このため、ガス量による高発泡倍率化、また発泡倍率コントロールが可能な機械発泡装置用の材料(シリコーンゴム発泡体組成物)が求められていた。
特開昭51-46352号公報 特開昭54-135865号公報 特開昭57-180641号公報 特開平7-196832号公報 特開2002-187969号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、機械発泡装置により材料(シリコーンゴム発泡体組成物)に外部から物理的(機械的)にガス(気泡)を加圧混入した際に、発泡倍率のコントロールが可能で、高発泡倍率のシリコーンゴム発泡体を得ることができる機械発泡用硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物、及び該組成物を機械発泡装置により発泡硬化するシリコーンゴム発泡体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、シリコーン樹脂(オルガノポリシロキサン)を母剤としたシリコーンゴム発泡体(シリコーンゴムスポンジ)に関する上記従来技術の課題を解決するために鋭意検討した結果、機械発泡装置によりシリコーンゴム発泡体組成物に外部から機械的(物理的)にガス(気泡)を加圧混入する方法によって発泡体を製造する方法において、(A)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ1個以上のフェニル基を有するジオルガノポリシロキサン、(B)1分子中に少なくとも3個のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び(C)白金族金属系触媒を特定割合で含有し、かつ無機質充填剤を除いた成分中の液状成分が相溶してこの無機質充填剤を除いた成分の混和物が40℃で透明である機械発泡用硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物を用いることにより、良好な発泡倍率、泡保持性を示すシリコーンゴム発泡体が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記の機械発泡用硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物及び該組成物を発泡硬化するシリコーンゴム発泡体の製造方法を提供するものである。
[1]
(A)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ1個以上のフェニル基を有するジオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)1分子中に少なくとも3個のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:0.1~20質量部、及び
(C)白金族金属系触媒:(A)、(B)成分の合計質量に対し、白金原子の質量換算で0.1~1,000ppm
を含有し、かつ無機質充填剤を除いた成分の混和物が40℃で透明である機械発泡用硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物。
[2]
更に、無機質充填剤を(A)成分100質量部に対して0.1~200質量部含有するものである[1]に記載の機械発泡用硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物。
[3]
更に、エポキシ基、(メタ)アクリルオキシ基及びアルコキシシリル基から選ばれる官能性基を含有する1価炭化水素基を有する加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解性縮合物を接着性付与剤として(A)成分100質量部に対して0.1~20質量部含有するものである[1]又は[2]に記載の機械発泡用硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物。
[4]
23℃における粘度が1~10,000Pa・sであり、1液型又は2液型である[1]~[3]のいずれかに記載の機械発泡用硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物。
[5]
[1]~[4]のいずれかに記載の機械発泡用硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物を機械発泡装置により発泡硬化する工程を含むシリコーンゴム発泡体の製造方法。
本発明によれば、機械発泡装置を用いた封入ガスによる発泡硬化において、良好な発泡倍率、泡保持性を示す機械発泡用硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物を提供することができる。
本発明の機械発泡用硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物により、ガス量による高発泡倍率化、また発泡倍率コントロールが可能な機械発泡装置用の材料の提供が可能となり、安定した目的の高発泡倍率の成型品、封入品が得られるようになり、使用者に利益をもたらすことができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の機械発泡用硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物は、後述する(A)~(C)成分、及び必要により無機質充填剤の特定量を含有し、かつ無機質充填剤を除いた成分中の液状成分が相溶してこの無機質充填剤を除いた成分の混和物が40℃で透明を呈するものである。ここで、「無機質充填剤を除いた成分」とは、後述する(A)~(C)成分、及び必要により添加される任意の液状成分添加物のことをいう。
[(A)アルケニル基含有ジオルガノポリシロキサン]
(A)成分のアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンは、本発明の機械発泡用硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物(以下、本発明の組成物ともいう)の主剤(ベースポリマー)として作用するものであり、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含有し、かつ1個以上のフェニル基を有するジオルガノポリシロキサンで、通常は主鎖部分が基本的にジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状のジオルガノポリシロキサンであるのが一般的であり、これは分子構造の一部に分枝状の構造を含んだものであってもよいが、硬化物の機械的強度等の物性の点から直鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
(A)成分のアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンは、アルケニル基を1分子中に少なくとも2個(通常、2~50個)、好ましくは2~20個、より好ましくは2~10個含有するものであり、アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等の通常炭素原子数2~8程度のものが挙げられる。該アルケニル基は、分子鎖末端のケイ素原子に結合するものであっても、分子鎖非末端(分子鎖途中)のケイ素原子に結合するものであってもよく、少なくとも分子鎖(両)末端のケイ素原子に結合するアルケニル基を含有するものであることが好ましいが、この場合、該アルケニル基は分子鎖の両末端にのみ存在していても、或いは分子鎖の両末端及び分子鎖非末端(分子鎖途中)に存在していてもよい。
(A)成分のアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンは、フェニル基を1個以上含むものであり、フェニル基を有することにより、本発明の組成物の泡保持性を向上させることができる。
(A)成分のアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンの分子中に1個以上含有するフェニル基は、例えばジフェニルシロキサン単位やフェニル(メチル)シロキサン単位等として、好ましくは主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位中のケイ素原子(即ち、分子鎖非末端のケイ素原子)に結合した置換基として分子中に存在することが好ましく、該フェニル基は、分子中に好ましくは1~100個、より好ましくは10~80個、更に好ましくは20~60個程度含有することが望ましく、また、(A)成分のアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサン中のケイ素原子に結合した非置換又は置換の1価炭化水素基全体に対して好ましくは1~20モル%、より好ましくは2~10モル%、更に好ましくは2~8モル%程度の比率で含有するものであることが望ましい。フェニル基の含有量が上記範囲よりも少ないと、組成物を硬化・発泡させる際に泡の保持能力が不十分となる場合があり、多すぎると、(A)成分のアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンと(B)成分や可塑剤などの他のジメチルポリシロキサン系の液状成分とが十分に相溶し難くなる結果、液剤(無機質充填剤を除いた液状成分の混和物)が透明性を得られなくなり、泡保持能力が著しく低下する場合がある。
このようなアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンとしては、例えば、下記一般式(1)で表される直鎖状ジオルガノポリシロキサンが挙げられる。
Figure 2022131222000001
(式中、R1は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R1の少なくとも1個はフェニル基である。Xはアルケニル基であり、nは0以上の整数であり、mは0以上の整数であり、aはケイ素原子毎に独立に0~3の整数であり、分子中に2個以上のアルケニル基を有する。)
式中、R1の脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基としては、例えば炭素原子数1~12、好ましくは炭素原子数1~10、より好ましくは炭素原子数1~6のものが挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等のアラルキル基;並びにこれらの基の炭素原子に結合している水素原子の一部又は全部がフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、シアノ基などで置換された基、例えば、クロロメチル基、2-ブロモエチル基、3-クロロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、シアノエチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロヘキシル基などが挙げられ、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等の炭素原子数1~3の非置換又は置換のアルキル基及びフェニル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基等の非置換又は置換のフェニル基である。R1としては、メチル基、フェニル基が好ましい。
また、R1の少なくとも1個、好ましくは1~100個、より好ましくは10~80個、更に好ましくは20~60個はフェニル基である。
式中、Xのアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等の通常炭素原子数2~8程度のものが挙げられ、中でもビニル基、アリル基等の低級アルケニル基が好ましい。
また、Xのアルケニル基は、1分子中に少なくとも2個(通常、2~50個)、好ましくは2~20個、より好ましくは2~10個含有するものである。
式中、nは0以上の整数、好ましくは10~2,000の整数、より好ましくは50~1,200の整数であり、mは0以上の整数、好ましくは0~40の整数、より好ましくは0~20の整数である。また、n及びmは、10≦n+m≦2,000を満たす整数であるのが好ましく、より好ましくは50≦n+m≦1,200であり、かつ0≦m/(n+m)≦0.2を満足する整数である。
式中、aはケイ素原子毎に独立に0~3の整数、好ましくは1~3の整数であり、組成物を硬化・発泡させる際の泡の保持能力を重視する場合には1である方がより好ましく、泡の保持能力よりも硬化速度を重視する場合には3である方がより目的に合致する。
また、このようなアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンは、23℃における粘度が10~1,000,000mPa・s、特に100~500,000mPa・s程度のものが好ましい。
本発明において、分子中のジオルガノシロキサン単位の繰り返し数(又は重合度)は、通常、トルエン等を展開溶媒としてゲルパーミエーションクロマトグラフィ分析におけるポリスチレン換算の数平均分子量(又は数平均重合度)等として求めることができる。また、粘度は、通常、23℃における回転粘度計(例えば、BL型、BH型、BS型、コーンプレート型、レオメータ等)により測定することができる。
(A)成分のアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンは、1種単独でも2種以上を併用してもよい。
[(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン]
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、本発明組成物の架橋剤(硬化剤)として作用するものであり、1分子中に少なくとも3個(通常、3~200個)、好ましくは3~100個程度のケイ素原子に結合する水素原子(即ち、SiH基)を含有するものであり、直鎖状、分岐鎖状、環状、或いは三次元網状構造(レジン構造)のいずれでもよいが、上述した(A)成分のアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンに完全に相溶して40℃にて透明を呈する構造及び配合量である必要がある。
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンの代表例としては、例えば、下記平均組成式(2)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。
b2 cSiO(4-b-c)/2 (2)
(式中、R2は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、b及びcは、0.001≦b≦1.2、0.8≦c≦2かつ0.8<b+c≦3となる数であり、好ましくは0.05≦b≦1、1.5≦c≦2かつ1.8≦b+c≦2.7となる数である。)
式中、R2の脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基としては、前記一般式(1)のR1として例示したものと同様のものが挙げられ、例えば炭素原子数1~12、好ましくは炭素原子数1~10、より好ましくは炭素原子数1~7のものが挙げられ、好ましくはメチル基等の炭素原子数1~3の低級アルキル基、フェニル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基である。
1分子中のケイ素原子の数は2~300個、特に3~150個、とりわけ4~100個程度の室温(23℃±15℃、以下同じ)で液状のものが好適に用いられる。なお、ケイ素原子に結合する水素原子は分子鎖末端、分子鎖の途中(非末端)のいずれに位置していてもよく、両方に位置するものであってもよい。
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンの例としては、例えば、1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3,5,5-ヘキサメチルトリシロキサン、1,3,5,7-テトラメチルテトラシクロシロキサン、1,3,5,7,9-ペンタメチルペンタシクロシロキサン等のメチルハイドロジェンシクロシロキサンオリゴマー、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)メチルシラン、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)フェニルシラン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジフェニルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルフェニルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジフェニルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルフェニルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、ジメチルハイドロジェンシロキシ単位とSiO4/2単位からなり、任意にトリメチルシロキシ単位、ジメチルシロキサン単位、メチルハイドロジェンシロキサン単位、ハイドロジェンシルセスキオキサン単位及び/又はメチルシルセスキオキサン単位を含んでもよい三次元網状構造のシリコーンレジンや、上記した各例示化合物において、メチル基の一部又は全部を他のアルキル基又はフェニル基で置換した化合物などが挙げられる。
本発明の組成物に用いるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、公知の方法で得ることができ、例えば、下記一般式:R2SiHCl2及びR2 2SiHCl(式中、R2は前記と同じである。)から選ばれる少なくとも1種のクロロシランを共加水分解し、或いは該クロロシランと下記一般式:R2 3SiCl及びR2 2SiCl2(式中、R2は前記と同じである。)から選ばれる少なくとも1種のクロロシランを組み合わせて共加水分解して得ることができる。また、オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、このように共加水分解して得られたポリシロキサンを平衡化したものでもよい。
(B)成分の配合量は、上述した(A)成分のアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンと完全に相溶して40℃にて透明性を与えるという観点から、(A)成分100質量部に対して0.1~20質量部、好ましくは0.5~10質量部、より好ましくは0.8~5質量部である。(B)成分の配合量が0.1質量部より少ないと混合時に成分を均一にすることが困難であり、20質量部より多いと混合物全体の粘度が低下してしまうため、材料粘度が安定しなくなることがある。また、硬化して良好なシリコーンゴム発泡体(シリコーンスポンジ)を与えるという観点から、(A)成分のアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサン中のアルケニル基1モル当たり、(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)が、好ましくは0.5~4モル、より好ましくは0.8~2.5モルとなるような量で配合することが望ましい。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1種単独でも2種以上を併用してもよい。
[(C)白金族金属系触媒]
本発明に用いる白金族金属系触媒は、(A)成分中のアルケニル基と(B)成分中のケイ素原子に結合する水素原子(SiH基)とのヒドロシリル化付加反応を促進するための触媒であり、ヒドロシリル化付加反応に用いられる触媒として周知の触媒が挙げられる。
(C)成分の白金族金属系触媒は、前述した(A)成分及び(B)成分と完全に相溶して40℃にて透明を呈する構造及び配合量である必要がある。その具体例としては、例えば、白金(白金黒を含む)、ロジウム、パラジウム等の白金族金属単体;H2PtCl4・xH2O、H2PtCl6・xH2O、NaHPtCl6・xH2O、KHPtCl6・xH2O、Na2PtCl6・xH2O、K2PtCl4・xH2O、PtCl4・xH2O、PtCl2、Na2HPtCl4・xH2O(但し、式中、xは0~6の整数であり、好ましくは0又は6である。)等の塩化白金、塩化白金酸及び塩化白金酸塩;アルコール変性塩化白金酸(米国特許第3,220,972号明細書参照);塩化白金酸とオレフィンとのコンプレックス(錯体)(米国特許第3,159,601号明細書、同第3,159,662号明細書、同第3,775,452号明細書参照);ロジウム-オレフィンコンプレックス;クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒);塩化白金、塩化白金酸又は塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサン、特にビニル基含有環状シロキサンとのコンプレックス;白金とアルコール又はビニル基含有シロキサンとのコンプレックスなどが挙げられるが、(C)成分としては、上記の白金族金属の単体等をはじめとする固体状の触媒を、アルミナ、シリカ、カーボン等の担体の表面に担持した形態としての固体状白金族金属系触媒は除く。即ち、上記の白金族金属単体、塩化白金、塩化白金酸、塩化白金酸塩、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィンとのコンプレックス(錯体)、ロジウム-オレフィンコンプレックス、クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒)、ビニル基含有シロキサンと塩化白金、塩化白金酸又は塩化白金酸塩とのコンプレックス(錯体)、白金とアルコール又はビニル基含有シロキサンとのコンプレックスなどは、全て透明液体状の白金族金属系触媒の形態、又は溶媒に溶解した透明溶液状の白金族金属系触媒の形態で使用する。なお、この白金族金属系触媒は、トルエン、低級アルコール、高級アルコール、シリコーン(ジオルガノポリシロキサン)等の有機溶剤に溶解して使用することが好ましい。
(C)成分の配合量は、所謂触媒量でよいが、前述した(A)成分及び(B)成分と完全に相溶して40℃にて透明を呈するという観点から、(A)、(B)成分の合計質量に対し、白金原子の質量換算で0.1~1,000ppm、好ましくは0.5~200ppmである。(C)成分の配合量が上記範囲より少ないと、組成物の硬化が不十分となる場合があり、上記範囲より多いと硬化反応が速過ぎて材料を使用する際の可使時間が不十分となる場合がある。
[その他の成分]
本発明の組成物には、前記(A)成分、(B)成分及び(C)成分以外に、必要に応じて、各種の任意成分を添加することが可能であるが、下記に例示する任意成分は、後述する無機質充填剤を除いて、いずれも液状成分であり、上記した(A)~(C)成分と完全に相溶して40℃にて透明を呈する構造及び配合量である必要がある。
〔接着性付与剤〕
本発明の組成物には、例えば、高い自己接着性を必要とする用途の場合には、エポキシ基、(メタ)アクリルオキシ基及びアルコキシシリル基から選ばれる官能性基を含有する1価炭化水素基を有する加水分解性オルガノシラン化合物(いわゆるカーボンファンクショナルシラン或いはシランカップリング剤)及び/又はその部分加水分解性縮合物を接着性付与剤として配合することができる。
この接着性付与剤を配合する場合には、その配合量は、(A)成分100質量部に対して0.1~20質量部が好ましく、より好ましくは0.1~10質量部程度である。接着性付与剤の配合量が0.1質量部より少ないと目的である接着性の発現が不十分となり、20質量部より多いと組成物粘度の極端な低下や、(A)成分の溶解性の限度を超えて液状成分中の溶解状態が不十分となり、泡の安定性が低下する場合がある。
〔反応制御剤〕
本発明の組成物には、白金族金属触媒による反応をコントロールするために、アセチレンアルコール類に代表される反応制御剤を添加してもよい。
この反応制御剤を配合する場合には、その配合量は、(A)成分100質量部に対して0.01~5質量部が好ましく、より好ましくは0.05~2質量部程度である。
なお、この反応制御剤は、(A)成分への溶解性が不十分な場合にはトルエン、アルコール、シリコーン(ジオルガノポリシロキサン)等の有機溶剤に溶解して使用することが好ましい。
〔可塑剤〕
本発明の組成物には、組成物の粘度や硬化物(シリコーンゴム発泡体)の硬度を調整するための可塑剤として、分子中にアルケニル基やヒドロシリル基(SiH基)等のヒドロシリル化付加反応に関与する官能性基を含有しない、分子鎖両末端トリメチルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン(ジメチルシリコーンオイル)、分子鎖両末端トリメチルシリル基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体や分子鎖両末端トリメチルシリル基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体(メチルフェニルシリコーンオイル)等の、いわゆる無官能シリコーンオイルなどを配合することができる。これらの中でも、本発明においては、上記した(A)~(C)成分と完全に相溶して40℃にて透明を呈するという観点から、フェニル基を含有するものがより好ましい。
この無官能シリコーンオイル(可塑剤)を配合する場合には、その配合量は、(A)成分100質量部に対して0.1~20質量部が好ましく、より好ましくは0.5~10質量部程度である。無官能シリコーンオイル(可塑剤)の配合量が0.1質量部より少ないと添加の目的である可塑化が得られない場合があり、20質量部より多いと硬化後の材料から可塑剤が分離、ブリードしてしまう場合がある。
〔顔料〕
本発明の組成物には、上記した可塑剤としての無官能シリコーンオイルと同様の成分をバインダーとして使用した顔料ペーストなどを添加してもよい。なお、顔料ペースト中の樹脂成分(液状成分)は本発明の透明性((A)成分等との十分な相溶性)の要件の対象であるが、顔料粉末(無機顔料粉末及び有機無機顔料粉末)自体は、無機質充填剤と同様に、本発明の透明性((A)成分等との十分な相溶性)の要件の対象外である。
〔無機質充填剤〕
本発明の組成物には、未硬化時の粘度調整、硬化後の強度向上、外観色調整のために、ヒュームドシリカ、ヒュームド二酸化チタン等の補強性無機質充填剤;補強性のシリコーンレジン;ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、酸化第二鉄、カーボンブラック等の非補強性無機質充填剤を添加することができる。
また、有機過酸化物から有機酸が発生する場合には、カルシウム・亜鉛・マグネシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、酸化物、水酸化物に代表される塩基性無機質充填剤を添加して電気特性を向上させることも可能である。
これらの無機質充填剤の使用量は、通常、(A)成分100質量部に対して、0~200質量部であり、配合する場合は、(A)成分100質量部に対して0.1~200質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5~50質量部である。無機質充填剤の使用量が0.1質量部未満では添加効果が得られない場合があり、200質量部を超えると混合物として均一に混合することが困難となる場合がある。
上述した成分の中で、無機質充填剤(及び顔料粉末)を除いた成分である(A)成分、(B)成分、(C)成分及びその他の各任意成分である液状成分添加物は、これら成分中の液状成分がお互いに相溶し、この無機質充填剤を除いた成分を混合して得られる混和物が40℃にて透明でなければならない。これらの成分中に非相溶の液状物質が液滴として存在すると、組成物を機械発泡装置によりガスを加圧混入し機械的に発泡・硬化させた際に、上記混和物全体としての泡保持性が極端に低下し、所望の高発泡化が困難となる。このため、無機質充填剤を除いた成分を混合した場合に、これら成分中の液状成分が相溶化し、得られる混和物が40℃にて透明性を有していることが重要となる。
なお、混和物が透明性を有しているとは、40℃における混和物中に、目視で白濁などの濁りが認められないことをいう。
[機械発泡用硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物]
本発明の機械発泡用硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物は、通常の硬化性シリコーンゴム発泡体組成物と同様に、2液に分け、使用時にこの2液を混合して硬化させる所謂2液型の組成物でもよいが、作業性を考慮すると1液型が好ましい。
本発明の組成物が1液型の場合、上記(A)~(C)成分、及び必要に応じて上記各種の任意成分を常法に準じて混合することにより、調製することができる。
本発明の機械発泡用硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物の23℃における粘度は、1~10,000Pa・s(1,000~10,000,000mPa・s)であることが好ましく、5~500Pa・s(5,000~500,000mPa・s)であることがより好ましい。23℃における粘度が、上記下限値未満であると加熱硬化中に泡が壊れてしまう場合があり、上記上限値を超えると機械発泡装置中の混合熱で材料の硬化反応が始まってしまい、硬化後に所望の泡状態(スポンジ)が得られない場合がある。
[シリコーンゴム発泡体]
本発明の機械発泡用硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物の硬化物からなるシリコーンゴム発泡体は、前記機械発泡用硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物を機械発泡装置により発泡・硬化して得られるものである。
機械発泡装置による発泡条件としては、
第一に、未硬化液状材料(機械発泡用硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物)に気体を圧入しながら混合することで、該材料中に気体が溶けた状態、もしくは微小泡の状態で未硬化液状材料中に気体成分が包含される状態とする工程、
第二に、該状態の未硬化液状材料が常圧下に吐出されることで、該未硬化液状材料中に包含していた気体成分が機械的に(物理的に)泡状となる工程、
第三に、該状態の未硬化液状材料を硬化させる工程
からなり、所望の部位、形状に、スポンジ状シリコーンゴムを硬化させる方法である。
気体は、空気、窒素、二酸化炭素、酸素等でよく、また該気体は脱水されていてもされていなくてもよい。
また、材料自体から化学反応により自発的に水素、窒素等のガスを発生させること(即ち、機械的(物理的)発泡システムと化学的発泡システムを併用すること)も可能ではあるが、自発的ガス発生(化学的発泡システムの併用)は任意である。
良質なスポンジ状態(発泡状態)の硬化物を得るためには、第二の工程から第三の工程の間に生成された気泡が破泡することなくより完全に維持(保持)された状態のまま硬化に至ることが重要であり、本発明はこの泡を保持する性能に優れた材料を提供するための技術である。
第一の工程では、一般的に混合により発熱する傾向があるが、材料がその工程で硬化するのを防ぐため、40~50℃を保つように設計されている。
また、機械発泡装置による硬化条件としては、公知の加熱硬化型シリコーンゴム発泡体組成物と同様でよく、必要に応じた室温より高い温度(例えば20~180℃、好ましくは20~150℃)で加熱硬化することができる。
一般的には発泡硬化は常圧下(1気圧下)で行われることが多いが、必要とする発泡状態、形状の硬化物(スポンジ)を得るためには、常圧以外の環境で機械発泡(物理発泡)を行ってもよい。機械発泡(物理発泡)は、注型後の自由発泡硬化や、型の中での成型硬化にも適用できる。
このようにして得られた本発明の機械発泡用硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物の硬化物からなるシリコーンゴム発泡体は、耐熱性、電気絶縁性に優れる。
本発明の機械発泡用硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物及びその硬化物(シリコーンゴム発泡体)は、車載部品、航空機や、家電製品等に応用可能である。
以下に、実施例及び比較例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において、粘度は回転粘度計により測定した23℃における値を示す。
[実施例1~5、比較例1~3]
目的の硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物において、無機質充填剤を除いた成分中の液状成分が相溶してこの無機質充填剤を除いた成分の混和物が40℃にて透明であるかが重要であるため、目的の硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物及び無機質充填剤を除いた成分の混和物(該組成物において無機質充填剤を配合しない組成物)を作製し、これら組成物及び混和物の透明性等を評価した。また、無機質充填剤を除いた成分中の液状成分が非相溶であることによってこの混和物が非透明になる例として、アルケニル基非含有のジオルガノポリシロキサン及び各種可塑剤を用い、同様に評価した。具体的には、下記原料を使用し、下記に示す方法により組成物及び混和物を作製し、これら組成物及び混和物について下記に示す方法により評価し、検討を行った。
(A)アルケニル基含有ジオルガノポリシロキサン(液状成分)
(A-1)下記式で示される23℃下での粘度が20,100mPa・sであるビニル基、フェニル基含有の直鎖状ジオルガノポリシロキサン
Figure 2022131222000002
(式中、Meはメチル基であり、Viはビニル基であり、Phはフェニル基である。)
(A-2)下記式で示される23℃下での粘度が5,200mPa・sであるビニル基、フェニル基含有の直鎖状ジオルガノポリシロキサン
Figure 2022131222000003
(式中、Meはメチル基であり、Viはビニル基であり、Phはフェニル基である。)
(a-1)下記式で示される23℃下での粘度が9,800mPa・sであるビニル基含有、フェニル基非含有の直鎖状ジオルガノポリシロキサン
Figure 2022131222000004
(式中、Meはメチル基であり、Viはビニル基である。)
(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン(液状成分)
下記式で示される直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン
Figure 2022131222000005
(式中、Meはメチル基である。)
(C)白金族金属系触媒(溶液成分)
白金-ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体/トルエン溶液(白金原子含有量0.5質量%)
(D)反応制御剤(液状成分)
エチニルシクロヘキサノール/50質量%トルエン溶液
(E)無機質充填剤(固体成分)
疎水性フュームドシリカ(アエロジル R8200、日本アエロジル(株)製)
(F)可塑剤(液状成分)
(F-1)下記式で示される23℃下での粘度が4,500mPa・sであるフェニル基含有の直鎖状オルガノポリシロキサン
Figure 2022131222000006
(式中、Meはメチル基であり、Phはフェニル基である。)
(F-2)下記式で示される23℃下での粘度が3,400mPa・sであるフェニル基非含有の直鎖状オルガノポリシロキサン
Figure 2022131222000007
(式中、Meはメチル基である。)
(F-3)下記式で示される23℃下での粘度が600mPa・sであるフェニル基非含有の直鎖状オルガノポリシロキサン
Figure 2022131222000008
(式中、Meはメチル基である。)
(G)接着性付与剤(液状成分)
下記式で示されるシランカップリング剤 KBM-403(信越化学工業(株)製)
Figure 2022131222000009
上記の原料を表1に示す量で用い、減圧混合が可能な品川万能混合機(3L)によって混練を行い、無機質充填剤を有する硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物及び該組成物から無機質充填剤を除いた成分の混和物を得た。
(E)成分である無機質充填剤を添加する硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物の場合には、まず(A)成分《(A-1)、(A-2)又は(a-1)》と(E)成分とを30℃、300Paの条件にて30分間減圧混合処理し、そこに(C)成分、(D)成分、(B)成分、(F)成分《(F-1)、(F-2)又は(F-3)》、(G)成分の順で添加し、室温(23℃)、常圧にて30分間混合を行った。
(E)成分である無機質充填剤を添加しない混和物の場合には、(A)成分《(A-1)、(A-2)又は(a-1)》、(C)成分、(D)成分、(B)成分、(F)成分《(F-1)、(F-2)又は(F-3)》、(G)成分の順で添加し、室温(23℃)、常圧にて30分間混合を行った。
上記で得られた硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物及び混和物を用いて、透明性、粘度、硬化物の硬さ、発泡性、泡保持性を下記に示す方法により評価した。結果を表1に併記する。
〔透明性〕
透明性(外観)は、上記で得られた硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物及び混和物を透明なガラス瓶(直径4cm)に入れ、該組成物及び混和物の23℃における透明性を目視にて確認し、下記の基準で評価した。
サンプルが入ったガラス瓶の背後に、MS明朝6ポイントの『A』(黒・半角)を印刷した白紙を置き、
透明:『A』が読み取れる状態。
濁 :『A』が読み取れない状態。
〔粘度〕
粘度は、上記で得られた硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物及び混和物の23℃における粘度を回転粘度計で測定した。
〔硬化物の硬さ〕
硬度は、上記で得られた硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物及び混和物を無発泡の状態で2mmシートを成形(120℃×30分)し、このシートを3枚重ねにしてJIS K-6249に規定されるデュロメーターA硬度計を用いて測定した。
〔発泡性〕
発泡性は、上記で得られた硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物及び混和物を攪拌へらを用いて5分間手混合により混合して、空気混合物を作製した。得られた空気混合物(10g)を減圧容器内で常圧~10kPaの減圧条件にて減圧し、破泡するまでの最大体積を測定し、その倍率(最大体積/初期体積)を示した。
〔泡保持性〕
泡保持性は、発泡性と同様にして得られた空気混合物(10g)を減圧容器内で約30mlとなるまで減圧し、その減圧度を維持した状態で、破泡に至る時間(体積減少の確認)を測定した。
Figure 2022131222000010
表1に示すとおり、主成分であるアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンにフェニル基が存在し、かつ無機質充填剤を除いた液状成分の混和物が40℃にて透明である場合にのみ、無機質充填剤を配合した後の組成物全体に関しても、良好な発泡倍率、泡保持性を示すことが確認できる。
また、実施例1~5及び比較例1~3と同様の組成物を用いて、機械発泡装置を使用して常圧下で機械発泡(物理発泡)させた場合にも、同様の結果(無機質充填剤以外の液状成分の混和物が透明であるものだけが、無機質充填剤を配合した後の組成物全体に関しても、組成物全体としての泡保持性に優れ、硬化後も良好な発泡倍率、スポンジ状態となること)が確認された。

Claims (5)

  1. (A)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ1個以上のフェニル基を有するジオルガノポリシロキサン:100質量部、
    (B)1分子中に少なくとも3個のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:0.1~20質量部、及び
    (C)白金族金属系触媒:(A)、(B)成分の合計質量に対し、白金原子の質量換算で0.1~1,000ppm
    を含有し、かつ無機質充填剤を除いた成分の混和物が40℃で透明である機械発泡用硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物。
  2. 更に、無機質充填剤を(A)成分100質量部に対して0.1~200質量部含有するものである請求項1に記載の機械発泡用硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物。
  3. 更に、エポキシ基、(メタ)アクリルオキシ基及びアルコキシシリル基から選ばれる官能性基を含有する1価炭化水素基を有する加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解性縮合物を接着性付与剤として(A)成分100質量部に対して0.1~20質量部含有するものである請求項1又は2に記載の機械発泡用硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物。
  4. 23℃における粘度が1~10,000Pa・sであり、1液型又は2液型である請求項1~3のいずれか1項に記載の機械発泡用硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の機械発泡用硬化性液状シリコーンゴム発泡体組成物を機械発泡装置により発泡硬化する工程を含むシリコーンゴム発泡体の製造方法。
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