JP2022129646A - メマンチンを製造する方法 - Google Patents

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真 岩田
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Abstract

【課題】本発明は、爆発や火災のおそれのない、緩和な条件で安全に、しかも後処理が困難な廃棄物が発生することのない、環境にやさしい1,3-ジメチルアダマンタンの製造法方法を提供すること。また、緩和な条件で安全で、有害な臭素等を使用しないメマンチン塩酸塩の製造法を提供することにある。【解決手段】本発明は、ロジウム及び白金を、ポリシラン及びアルミナの複合担体に担持したロジウム-白金合金ナノ粒子触媒の存在下、アセナフテンの水素化反応により、デカヒドロアセナフテンを製造(工程A)し、デカヒドロアセナフテンをイオン液体中、異性化反応により1,3-ジメチルアダマンタンを製造(工程B)し、1,3-ジメチルアダマンタンをニトロ化反応により、1,3-ジメチル-5-ニトロアダマンタンを製造(工程C)し、得られた1,3-ジメチル-5-ニトロアダマンタンを、ポリシラン、白金、活性炭及びリン酸カルシウムからなる固定化白金触媒の存在下、水素化反応により、メマンチンを製造する(工程D)。また、前記工程(工程A)、(工程B)、(工程C)及び(工程D)の少なくとも1つをフロー合成で行う。【選択図】なし

Description

本発明は、メマンチン及びその合成中間体である1,3-ジメチルアダマンタンを製造する方法、並びにこれらをフロー反応にて製造する方法に関する。
メマンチン塩酸塩は、NMDA(N-メチル-D-アスパラギン酸)型グルタミン酸受容体の非競合的拮抗薬で、中等度及び高度アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制の適用を有し、本邦で広く使用されている。
Figure 2022129646000001
メマンチン塩酸塩及び1,3-ジメチルアダマンタンの合成については、従来、種々の検討が行われている。
成瀬らは、ルテニウム又はロジウム触媒を用い、80~200℃でアセナフテンの核還元反応によりパーヒドロアセナフテン(デカヒドロアセナフテン)を製造し(特許文献1)、次いでこれをジクロロエタン中で、塩化アルミニウムの存在下、異性化反応に付すことで、1,3-ジメチルアダマンタンを製造する方法を報告している(特許文献2)。特許文献1では、高温、高圧下で水素化反応を行うことから、爆発や火災のおそれがあり、特許文献2では、塩化アルミニウム由来の廃棄物が発生する等の問題を有していた。1,3-ジメチルアダマンタンからメマンチンに至る工程としては、特許文献3では、1
-ブロモ-3,5-ジメチルアダマンタンを経由して、メマンチンを得ている。この製法では有害な臭素を使用する必要がある。
臭素を使用しない方法として、特許文献4は、1,3-ジメチルアダマンタンに硫酸、硝酸を作用させた後、ホルムアミドを作用させ、N-ホルミル-1-アミノ-3,5-ジメチルアダマンタンを得、塩酸を用いてメマンチン塩酸塩を製造することを報告している。
また、特許文献5は、1,3-ジメチルアダマンタンをニトロ化し、得られた1,3-ジメチル-5-ニトロアダマンタンを弱酸存在下で、鉄粉を還元剤とし、還元することでメマンチンを得る方法を報告している。
ところで、最近、原材料の投入から生産物の取り出しまでを連続的に行う連続生産が医薬品の分野においても注目されており、すでに製剤化工程は実用化が進んでいる。また原薬合成の工程も盛んに研究報告がなされており、原料を反応容器に投入し反応後に生成物として取り出すバッチ反応ではなく、反応容器の中を一方向に流通させ原料の投入と生成物の取り出しを同時に行うフロー反応は連続生産と相性が良く、効率的に必要な量を必要な分だけ合成できるため省エネルギー、省廃棄物が期待されている。
例えば、特許文献6では、連続フロー反応を利用した胆汁酸誘導体の製造方法を報告している。
メマンチン塩酸塩の合成方法に関し、本発明者らの知りうる限りにおいて、フロー反応で製造したとの報告はなされていない。
特開昭62-265238号 特開昭63-159330号 国際公開第2008/62472号 特許第5499016号公報 中国特許公開第106187781号 特開2020-516700号
本発明の課題は、爆発や火災のおそれのない、緩和な条件で安全に、しかも後処理が困難な廃棄物が発生することのない、環境にやさしい1,3-ジメチルアダマンタンの製造法を提供することにある。また、緩和な条件で安全で、有害な臭素等を使用しないメマンチン塩酸塩の製造法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、ロジウム及び白金を、ポリシラン及びアルミナの複合担体に担持したロジウム-白金合金ナノ粒子触媒の存在下、アセナフテンの水素化反応により、デカヒドロアセナフテンを製造すること(工程A)を特徴とする。
また、本発明は、デカヒドロアセナフテンをイオン液体中、異性化反応により1,3-ジメチルアダマンタンを製造すること(工程B)を特徴とする。
また、本発明は、1,3-ジメチルアダマンタンをニトロ化反応により、1,3-ジメチル-5-ニトロアダマンタンを製造(工程C)し、得られた1,3-ジメチル-5-ニトロアダマンタンを、ポリシラン、白金、活性炭及びリン酸カルシウムからなる固定化白金触媒の存在下、水素化反応により、メマンチンを製造すること(工程D)を特徴とする。
さらにまた本発明は、前記(工程A)、(工程B)、(工程C)及び(工程D)の少なくとも1つがフロー反応反応で行うことを特徴とする。
本発明は、緩和な条件で安全に、しかも後処理が困難な廃棄物が発生することのない、環境にやさしい方法で、1,3-ジメチルアダマンタンを製造できる。また、緩和な条件で安全で、有害な臭素等を使用しないでメマンチン塩酸塩を製造できる。
本発明を更に詳細に説明する。
(1)本発明は、以下の(工程A)及び(工程B)を含む1,3-ジメチルアダマンタンの製造方法に関する。
(工程A)ロジウム及び白金を、ポリシラン及びアルミナの複合担体に担持したロジウム-白金合金ナノ粒子触媒の存在下、アセナフテンの水素化反応により、デカヒドロアセナフテンを製造する工程、
(工程B)デカヒドロアセナフテンを異性化反応により1,3-ジメチルアダマンタンを製造する工程。
(2)また本発明は、(工程A)のポリシランが、ポリジメチルシランである上記(1)記載の製造方法に関する。
(3)また本発明は、(工程B)の異性化反応が、ルイス酸の存在下に行われる上記(1)又は(2)記載の製造方法に関する。
(4)また本発明は、ルイス酸が塩化アルミニウムである上記(3)記載の製造方法に関する。
(5)また本発明は、(工程B)の異性化反応が、イオン液体中で行われる上記(1)~(4)の何れか1項記載の製造方法に関する。
(6)また本発明は、イオン液体が、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムクロリドである上記(5)記載の製造方法に関する。
(7)また本発明は、(工程A)及び(工程B)の少なくとも1つがフロー反応で行われる上記(1)~(6)の何れか1項記載の製造方法に関する。
(8)また本発明は、以下の(工程A)、(工程B)、(工程C)及び(工程D)を含むメマンチンの製造方法に関する。
(工程A)ロジウム及び白金を、ポリシラン及びアルミナの複合担体に担持したロジウム-白金合金ナノ粒子触媒の存在下、アセナフテンの水素化反応により、デカヒドロアセナフテンを製造する工程、
(工程B)デカヒドロアセナフテンを、異性化反応により1,3-ジメチルアダマンタンを製造する工程、
(工程C)1,3-ジメチルアダマンタンをニトロ化反応により、1,3-ジメチル-5-ニトロアダマンタンを製造する工程、
(工程D)1,3-ジメチル-5-ニトロアダマンタンを、ポリシラン、白金、活性炭及びリン酸カルシウムからなる固定化白金触媒の存在下、水素化反応により、メマンチンを製造する工程。
(9)また本発明は、(工程A)のポリシランが、ポリジメチルシランである上記(8)記載の製造方法に関する。
(10)また本発明は、(工程B)の異性化反応が、ルイス酸の存在下に行われる上記(8)又は(9)記載の製造方法に関する。
(11)また本発明は、ルイス酸が塩化アルミニウムである上記(10)記載の製造方法に関する。
(12)また本発明は、(工程B)の異性化反応が、イオン液体中で行われる上記(8)~(11)の何れか1項記載の製造方法に関する。
(13)また本発明は、イオン液体が、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムクロリドである上記(12)記載の製造方法に関する。
(14)また本発明は、(工程C)のニトロ化反応を、N-ヒドロキシテトラクロロフタルイミド、硝酸、酢酸を用いて行う上記(8)~(13)の何れか1項に記載の製造方法に関する。
(15)また本発明は、(工程D)のポリシランが、ポリジメチルシランである上記(8)~(14)の何れか1項記載の製造方法に関する。
(16)さらにまた本発明は、工程(工程A)、(工程B)、(工程C)及び(工程D)の少なくとも1つがフロー反応で行われる上記(8)~(15)の何れか1項記載の製造方法に関する。
次に、(工程A)、(工程B)、(工程C)及び(工程D)について、更に詳細に説明する。
(工程A)
<バッチ反応>
アセナフテンを有機溶媒中、ロジウム及び白金を、ポリシラン及びアルミナの複合担体に担持したロジウム-白金合金ナノ粒子触媒の存在下、水素化反応に付すことにより行われる。
有機溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン等の鎖状炭化水素溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、デカヒドロアセナフテン、1,3-ジメチルアダマンタン等の環状炭化水素溶媒が挙げられ、好ましくはオクタンが挙げられる。
ポリシランとしては、ポリジメチルシラン、ポリジフェニルシラン等が挙げられ、好ましくはポリジメチルシランが挙げられる。
ロジウム及び白金を、ポリシラン及びアルミナの複合担体に担持したロジウム-白金合金ナノ粒子触媒としては、Rh-Pt/(DMPSi-Al)が挙げられる。
Rh-Pt/(DMPSi-Al)は、J.Am.Chem.Soc.2018,140,11325-11334に記載の方法で製造することができる。
本製法では、従来法に比べ、常圧で反応を行うことができ、爆発や火災のおそれのない、緩和な条件で安全にデカヒドロアセナフテンを製造できる。
<フロー反応>
ポリシラン及びアルミナの複合担体に担持したロジウム-白金合金ナノ粒子触媒およびセライト(登録商標)を混合したものを、カラムに充填し、カラム温度を40~120℃に保った状態で、アセナフテンの有機溶媒溶液および水素ガスを任意の流速で混合し、カラム内に流通させることで行うことができる。
有機溶媒、ポリシラン、アルミナ、ロジウム-白金合金ナノ粒子触媒は、上記バッチ反応で記載したものと同じものを使用できる。
本製法では、従来法に比べ、常圧で反応を行うことができ、爆発や火災のおそれのない、緩和な条件で安全にデカヒドロアセナフテンを製造できる。
また、フロー反応は、バッチ反応に比べ混合効率や熱伝導効率が高く、効率的に製造が可能である。

(工程B)
<バッチ反応>
イオン液体を用いた製造においては、デカヒドロアセナフテン1モルに0.5~4.0モルのイオン液体/ルイス酸を50~200℃で作用させて異性化反応を行うことができる。
イオン液体としては、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムクロリドや1-エチル-3-メチルイミダゾリウムクロリド等が挙げられ、好ましくは1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムクロリド([bmim]Cl)が挙げられる。
ルイス酸としては、塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム等が挙げられ、好ましくは塩化アルミニウム(AlCl)が挙げられる。
[bmim]ClとAlClの比率は、2:3~1:3好ましくは1:2である。[bmim]Cl/2AlClは、後記実施例4で記載のように回収再利用が可能である(触媒使用が可能)。これにより特許文献2に記載の有害なジクロロエタンの使用を回避できる。
<フロー反応>
フローリアクターにデカヒドロアセナフテンと[bmim]Cl/2AlClを1:1~1:5の体積比、任意の流速で混合し、50~200℃で流通させることで行われる。
イオン液体、ルイス酸の種類、[bmim]ClとAlClの比率及び、[bmim]Cl/2AlClの触媒使用が可能であることは、バッチ反応と同様である。
フローリアクターとしては、SUS製、ハステロイ製、樹脂製、ガラス製等の反応器を使用でき、また、反応器内で乱流を発生する装置が好ましい。
バッチ反応と同様にイオン溶媒を使用することで、特許文献2に記載の方法よりも塩化アルミニウム由来の廃棄物量を大幅に減らすことが可能となり、さらに有害なジクロロエタンの使用を回避できる。更にバッチ反応に比べ、混合効率や熱伝導効率が高くイオン液体を使用する量を削減でき、効率的に製造することができる。

(工程C)
<バッチ反応>
1,3-ジメチルアダマンタン1モルに対し、N-ヒドロキシフタルイミド又はN-ヒドロキシテトラクロロフタルイミドの存在下(0.1~1.0モル)、有機溶媒中、硝酸1.0~3.0モルを加え、40~120℃で反応させる。
本製法は、Chem.Commun.,2001,1352-1353記載の方法を参考に製造することができる。N-ヒドロキシテトラクロロフタルイミドは、N-ヒドロキシフタルイミドと比較して、反応効率が高く、有機溶媒に溶けやすくフロー反応に適する。
なお、原料としては、上記工程(工程B)で製造されたものの他、例えば特許文献2等の公知の製法で製造された1,3-ジメチルアダマンタンを使用しても良い。
有機溶媒としては、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ベンゾトリフルオリド、スルホラン、酢酸等を使用できる。
本製法では、従来法による臭素等の有害物質を使用せずにメマンチン合成に有用な1,3-ジメチル-5-ニトロアダマンタンを製造することができる。

<フロー反応>
1,3-ジメチルアダマンタン1モルに対し、N-ヒドロキシテトラクロロフタルイミド0.1~1.0モル、70%硝酸(1.0~3.0モル)の酢酸溶液を任意の流速で、40~120℃の条件にてフローリアクター内を流通させることで行うことができる。
フローリアクターとしては、SUS製、ハステロイ製、樹脂製、ガラス製等の反応器が挙げられる。
本製法では、従来法による臭素等の有害物質を使用しないで、メマンチン合成に有用な1,3-ジメチル-5-ニトロアダマンタンを製造することができる。さらにバッチ反応に比べ収率が高く、混合効率や熱伝導効率が高い。

(工程D)
<バッチ反応>
有機溶媒中、1,3-ジメチル-5-ニトロアダマンタンを、ポリシラン、白金、活性炭及びリン酸カルシウムからなる固定化白金触媒の存在下、40~120℃で水素化反応を行う。
有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系有機溶媒が挙げられ、好ましくはメタノールが挙げられる。
ポリシランとしては、ポリジメチルシラン、ポリジフェニルシランが挙げられ、好ましくはポリジメチルシランが挙げられる。
ポリシラン、白金、活性炭及びリン酸カルシウムからなる固定化白金触媒としては、好ましくはPt-DMPSi/AC-CPが挙げられる。
Pt-DMPSi/AC-CPはChem Asian J.2020,15, 1688-1691に記載の方法で製造することができる。
本製法は、従来法と比較して、爆発や火災のおそれのない、緩和な条件で安全にメマンチンを製造できる。
<フロー反応>
ポリシラン、白金、活性炭及びリン酸カルシウムからなる固定化白金触媒およびセライト(登録商標)をカラムに充填し、カラム温度を40~120℃に保った状態で、1,3-ジメチル-5-ニトロアダマンタンの有機溶媒溶液を任意の流速で混合し、カラム内に流通させることで行うことができる。
ポリシラン、固定化白金触媒、有機溶媒は、バッチ反応と同じである。

本製法は、従来法に比べ爆発や火災のおそれのない、緩和な条件で安全にメマンチンを製造できる。バッチ反応に比べ収率が高く、混合効率や熱伝導効率が高い。

メマンチンからメマンチン塩酸塩への工程
特開2016-169166、国際公開第2006/76562、特許第5499016号公報等に記載の方法を参考に製造することができる。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(GC分析条件)
装置:Shimadzu Nexis GC-2030、カラム:島津社製SH-Rtx-5 Amine(0.25mm×30m,0.25μm)、圧力:93.0kPa、全流量:62.4mL/min、カラム流量:1.26mL/min、線速度:31.0cm/s、パージ流量:3.0mL/min、スプリット比:46.0、インジェクション温度:280℃、FID検出器温度:320℃、オーブン温度:50.0℃(3分)、8.0℃/分昇温(21分)、20.0℃/分昇温(4分)、300.0℃(5分)、保持時間:デカヒドロアセナフテン(12.75,12.92,13.23,13.95分)、1,3-ジメチルアダマンタン(9.73分)、1,3-ジメチル-5-ニトロアダマンタン(17.65分)、メマンチンフリー体(12.47分)
実施例1
デカヒドロアセナフテンの合成(バッチ反応)
Figure 2022129646000002
アセナフテン(20.00g,129.69mmol)のオクタン(130mL)溶液に、Rh-Pt/(DMPSi-Al)(8.12g,Rh:0.16mmol/g)を加え、水素を封入した風船でナスフラスコ内を水素置換し、80℃で24時間撹拌した。反応終了後、Rh-Pt/(DMPSi-Al)を濾別し、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣を減圧蒸留し、目的物を4種のジアステレオ混合物(20.26g,123.32mmol,収率95%)、透明の油状物として得た。
GC保持時間:12.75,12.92,13.23,13.95分

実施例2
デカヒドロアセナフテン(フロー反応)
Rh-Pt/(DMPSi-Al)(0.51g,Rh:0.16mmol/g)およびセライト(登録商標)(0.12g)を混合したものを、5.0φ×50mm径のSUS製カラムに充填し、カラム温度をアルミニウムブロックで80℃に保った状態で、アセナフテン(0.77g,5.00mmol)のオクタン(50mL)溶液を0.10mL/min、水素ガスを2.24mL/minの流速で混合し、カラム内に流通させた。反応器の出口から溶液をサンプリングしGCにて分析を行ったところ、反応は定量的に進行し、目的物を4種のジアステレオ混合物、透明の油状物として得た。

実施例3
1,3-ジメチルアダマンタンの合成(バッチ反応)
Figure 2022129646000003
デカヒドロアセナフテン(0.16g,1.00mmol)に[bmim]Cl/2AlCl(1.32g,3.40mmol)を加え二相系とした後、140℃に加熱し30分間激しく撹拌した。分液操作によってイオン液体相を除去し、目的物(GC収率50%)を透明の油状物として得た。
H NMR(CDCl,400MHz) δ=0.77(s,6H),1.14(s,2H),1.30-1.40(m,8H),1.53-1.54(m,2H),1.95-1.96(m,2H).

実施例4
1,3-ジメチルアダマンタンの合成([bmim]Cl/2AlClの触媒的再利用)
デカヒドロアセナフテン(0.33g,2.00mmol)に[bmim]Cl/2AlCl(2.64g,6.80mmol)を加え二相系とした後、140℃に加熱し30分間激しく撹拌した。分液操作によって分離したイオン液体相を再度デカヒドロアセナフテン(0.33g,2.00mmol)と混合し、140℃にて30分間激しく撹拌した。この加熱撹拌、回収再利用操作を複数回繰り返した。それぞれの溶液をサンプリングしGCにて分析を行ったところ、収率は1回目45%、2回目48%、3回目52%、4回目46%、5回目53%だった。

実施例5
1,3-ジメチルアダマンタン(フロー反応)
PTFEチューブにガラスビーズを充填し(内径2.5mm、容量6.0mL)、デカヒドロアセナフテン(16.40g,100.00mmol)を0.37mL/min、[bmim]Cl/2AlCl(44.10g,100.00mmol)を1.12mL/minの流速で混合し、140℃、滞留時間30分の条件にてチューブ内を流通させ、反応混合物をセトラーに捕集して二相を分離した。溶液をサンプリングしGCにて分析を行ったところ、収率は48%だった。
実施例6
1,3-ジメチル-5-ニトロアダマンタンの合成(バッチ反応)
Figure 2022129646000004

1,3-ジメチルアダマンタン(4.50g,27.39mmol)の酢酸(41mL)溶液にN-ヒドロキシテトラクロロフタルイミド(0.83g,2.74mmol)、70%硝酸(4.94g,54.78mmol)を加えアルゴン雰囲気下、100℃で2時間撹拌した。反応終了後、氷冷下水を滴下し、酢酸エチルを加え有機層を分離した。得られた有機層を水、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製し、目的物(3.75g,17.92mmol,収率65%)を透明の油状物として得た。
H NMR(CDCl,400MHz) δ=0.93(s,6H),1.21(s,2H),1.34-1.44(m,4H),1.82-1.90(m,4H),2.06-2.07(m,2H),2.29-2.33(m,1H).

実施例7
1,3-ジメチル-5-ニトロアダマンタン(フロー反応)
セライト(登録商標)を10φ×100mm径のSUS製カラムに充填し、カラム温度をアルミニウムブロックで80℃に保った状態で、1,3-ジメチルアダマンタン(6.57g,40.00mmol)、N-ヒドロキシテトラクロロフタルイミド(1.20g,4.00mmol)、70%硝酸(5.04g,56.00mmol)の酢酸(60mL)溶液を0.11mL/minの流速で、滞留時間60分の条件にてカラム内を流通させた。反応器の出口から溶液をサンプリングしGCにて分析を行ったところ、収率は74%だった。

実施例8
メマンチンフリー体の合成(バッチ反応)
Figure 2022129646000005
1,3-ジメチル-5-ニトロアダマンタン(0.10g,0.50mmol)のエタノール(5mL)溶液にPt-DMPSi/AC-CP(0.10g,Pt:0.10mmol/g)を加え、水素を封入した風船でナスフラスコ内を水素置換し、60℃で5時間撹拌した。反応終了後、Pt-DMPSi/AC-CPを濾別し、減圧下で溶媒を留去した。反応は定量的に進行し、目的物を透明の油状物として得た。
H NMR(CDCl,400MHz) δ=0.83(s,6H),1.08-1.10(m,2H),1.16-1.27(m,8H),1.41-1.42(m,2H),2.10-2.23(m,1H).

実施例9
メマンチンフリー体(フロー反応)
Pt-DMPSi/AC-CP(0.24g,Pt:0.10mmol/g)およびセライト(登録商標)(0.25g)を5.0φ×50mm径のSUS製カラムに充填し、カラム温度をアルミニウムブロックで60℃に保った状態で、1,3-ジメチル-5-ニトロアダマンタン(0.84g,4.00mmol)のメタノール(40mL)溶液を0.10mL/min、水素ガスを4.48mL/minの流速で混合し、カラム内に流通させた。反応器の出口から溶液をサンプリングしGCにて分析を行ったところ、収率は99%だった。
本発明は、メマンチン及びその合成中間体である1,3-ジメチルアダマンタンを製造する方法として有用である。

Claims (16)

  1. 以下の(工程A)及び(工程B)を含む1,3-ジメチルアダマンタンの製造方法:
    (工程A)ロジウム及び白金をポリシラン及びアルミナの複合担体に担持したロジウム-白金合金ナノ粒子触媒の存在下、アセナフテンの水素化反応により、デカヒドロアセナフテンを製造する工程、
    (工程B)デカヒドロアセナフテンの異性化反応により1,3-ジメチルアダマンタンを製造する工程。
  2. (工程A)のポリシランが、ポリジメチルシランである請求項1記載の製造方法。
  3. (工程B)の異性化反応が、ルイス酸の存在下に行われる請求項1又は2記載の製造方法。
  4. ルイス酸が塩化アルミニウムである請求項3記載の製造方法。
  5. (工程B)の異性化反応が、イオン液体中で行われる請求項1~4の何れか1項記載の製造方法。
  6. イオン液体が、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムクロリドである請求項5記載の製造方法。
  7. (工程A)及び(工程B)の少なくとも1つがフロー合成で行われる請求項1~6の何れか1項記載の製造方法。
  8. 以下の(工程A)、(工程B)、(工程C)及び(工程D)を含むメマンチンの製造方法:
    (工程A)ロジウム及び白金をポリシラン及びアルミナの複合担体に担持したロジウム-白金合金ナノ粒子触媒の存在下、アセナフテンの水素化反応により、デカヒドロアセナフテンを製造する工程、
    (工程B)デカヒドロアセナフテンを、異性化反応により1,3-ジメチルアダマンタンを製造する工程、
    (工程C)1,3-ジメチルアダマンタンをニトロ化反応により、1,3-ジメチル-5-ニトロアダマンタンを製造する工程、
    (工程D)1,3-ジメチル-5-ニトロアダマンタンを、ポリシラン、白金、活性炭及びリン酸カルシウムからなる固定化白金触媒の存在下、水素化反応により、メマンチンを製造する工程。
  9. (工程A)のポリシランが、ポリジメチルシランである請求項8記載の製造方法。
  10. (工程B)の異性化反応が、ルイス酸の存在下に行われる請求項8又は9記載の製造方法。
  11. ルイス酸が塩化アルミニウムである請求項10記載の製造方法。
  12. (工程B)の異性化反応が、イオン液体中で行われる請求項8~11の何れか1項記載の製造方法。
  13. イオン液体が、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムクロリドである請求項12記載の製造方法。
  14. (工程C)のニトロ化反応を、N-ヒドロキシテトラクロロフタルイミド、硝酸、酢酸を用いて行う請求項8~13の何れか1項に記載の製造方法。
  15. (工程D)のポリシランが、ポリジメチルシランである請求項8~14の何れか1項記載の製造方法。
  16. (工程A)、(工程B)、(工程C)及び(工程D)の少なくとも1つがフロー合成で行われる請求項8~15の何れか1項記載の製造方法。
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