JP2022129239A - 画像処理装置、画像形成装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】透過性の低い紙であっても紙の重送を精度良く検知することを可能にする。【解決手段】本発明の画像処理装置は、光を照射する光源部と、光源部からの光による被写体からの反射光に基づき被写体の画像を撮像する画像撮像部と、画像撮像部が画像を撮像する際の被写体の背面側に位置し、任意の波長域において光吸収性を有する背景部と、画像の濃度情報を検知する画像濃度検知部と、画像の濃度情報に基づき被写体の状態を解析する画像解析部とを有することを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、画像処理装置、画像形成装置および方法に関する。
従来、紙の重送を検知する技術として紙の画像読取結果を使用して検知する技術がある。
例えば特許文献1には、紙を読み取って画像を取得し、他の1枚の紙から読み取った画像と画像濃度を比較することにより重送を検知する重送検知技術が開示されている。
しかしながら従来のような構成では、透過性の低い紙が使用されると紙の重送を検知する精度が低下するという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、透過性の低い紙であっても紙の重送を精度良く検知することが可能な画像処理装置、画像形成装置および方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の画像処理装置は、光を照射する光源部と、前記光源部からの光による被写体からの反射光に基づき前記被写体の画像を撮像する画像撮像部と、前記画像撮像部が画像を撮像する際の前記被写体の背面側に位置し、任意の波長域において光吸収性を有する背景部と、前記画像の濃度情報を検知する画像濃度検知部と、前記画像の濃度情報に基づき前記被写体の状態を解析する画像解析部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、透過性の低い紙であっても紙の重送を精度良く検知することができるという効果を奏する。
図1は、第1の実施の形態にかかる画像処理装置の装置構成の一例を示す図である。 図2は、読取部の構成の一例を説明する図である。 図3は、読取装置において重送検知を行う構成の一例を示す機能ブロック図である。 図4は、吸収背景部の構成の一例を示す図である。 図5は、原稿が1枚の単送のときと2枚の重送のときの光の反射を示す光学モデルの従来比較図である。 図6は、背景部の光吸収性保持背景部における光の反射を示す光学モデルの図である。 図7は、読取装置において重送検知を行う実施例1の構成を示す図である。 図8は、光吸収性保持背景部を背景に原稿を読み取った場合の、同一厚紙の単送と重送との分光反射率の関係を示した図である。 図9は、読取装置において重送検知を行う実施例2の構成を示す図である。 図10は、光吸収性保持背景部を背景に原稿を読み取った場合の、同一厚紙の単送と重送との分光反射率の関係を示した図である。 図11は、光吸収性保持背景部を用いることで透過性の低い紙に限らず検知精度が向上することについて説明する図である。 図12は、吸収背景を用いることで透過性の低い紙である再生紙の検知精度が向上することについて説明する図である。 図13は、読取装置において重送検知を行う実施例3の構成を示す図である。 図14は、センサボード上の撮像センサの一例を示す図である。 図15は、不可視光のみに吸収性を有する背景部の分光反射特性の一例を示す図である。 図16は、読取装置において重送検知を行う実施例4の構成を示す図である。 図17は、読取装置において重送検知を行う実施例5の構成の一例を示す図である。 図18は、実際にOHPシートの単送と重送とに対して、通常背景と吸収背景で分光反射率を計測した結果の一例を示す図である。 図19は、実際にOHPシートの単送と重送とに対して、通常背景と吸収背景で分光反射率を計測した結果の一例を示す図である。 図20は、実際にOHPシートの単送と重送とに対して、通常背景と吸収背景で分光反射率を計測した結果の一例を示す図である。 図21は、実際にOHPシートの単送と重送とに対して、通常背景と吸収背景で分光反射率を計測した結果の一例を示す図である。 図22は、画像解析部の実施例を示す図である。 図23は、画像解析部のその他の実施例を示す図である。 図24は、状態検知処理の具体例について説明する図である。 図25は、状態検知処理のその他の一例について説明する図である。 図26は、状態検知処理のその他の一例について説明する図である。 図27は、状態検知処理のその他の一例について説明する図である。 図28は、第2の実施の形態にかかる画像形成装置の一例の構成を示す図である。
以下に添付図面を参照して、画像処理装置、画像形成装置および方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下において可視光線の波長域(可視波長域)を対象とする場合に可視、可視光線以外の赤外線や紫外線などの波長域を対象とする場合に不可視などと呼ぶ。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる画像処理装置の装置構成の一例を示す図である。図1には一例として読取部を設けた画像処理装置(以下、「読取装置」と言う)の構成を示している。ここでは読取部を備える読取装置の構成を示すが、読取部と別体にして読取デバイスと画像処理装置とを別々に提供してもよい。
読取装置本体10は、上面にコンタクトガラス11を有し、読取装置本体10の内部に光源13、第1キャリッジ14、第2キャリッジ15、レンズユニット16、センサボード17などを有する。図1において、第1キャリッジ14は光源13と反射ミラー14-1とを有し、第2キャリッジ15は反射ミラー15-1、15-2を有する。
光源13の光は読取対象に照射され、読取対象からの反射光が第1キャリッジ14のミラー14-1や第2キャリッジ15のミラー15-1、15-2で折り返されてレンズユニット16に入射し、読取対象の像がレンズユニット16からセンサボード17上の受光面上に結像する。センサボード17は、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary MOS)などのラインセンサを有し、ラインセンサにおいて受光面に結像した読取対象の像を順次電気信号に変換する。基準白板12は光源13の光量変化やラインセンサの画素(画素回路)のばらつきなどの補正のために読み取られる白色の濃度基準部材である。
読取装置1は読取装置本体10に制御ボードを備え、読取装置本体10の各部やADF20の各部を制御して所定の読取方式で読取対象の読取を行う。読取対象は、例えば文字や絵柄等が形成されている記録媒体または画像形成前の記録媒体である。以下では、この記録媒体のことを原稿と呼ぶ。原稿は、「被写体」に相当し、一例として紙や透明シート(OHPシートなど)として説明するが、これらに限定されるものではない。
読取装置本体10の上部にADF(Automatic Document Feeder)20が搭載されている。読取装置1は、ADF20を使用してシートスルー方式で原稿100の読み取りを行う。ADF20は「搬送部」の一例である。図1に示す構成では、読取装置1は、ADF20のトレイ21の原稿束からピックアップローラ22により1枚ずつに分離して原稿100を搬送路23に搬送し、原稿100の読取対象の面を読取部の読取位置で読み取って原稿100を排紙トレイ25に排出する。原稿100の搬送は各種搬送ローラ24の回転により行う。
読取装置1は、例えば第1キャリッジ14および第2キャリッジ15を所定のホームポジションに移動して固定し、それを固定した状態で、読取部の、読取窓19と背景部26との間を原稿100を通過させる。読取窓19はコンタクトガラス11の一部に設けたスリット状の読取窓である。背景部26は、読取窓19に対向する位置にある部材である。読取部は、原稿100が読取窓19を通過する間に読取窓19側に向けられている原稿100の第一面(表面または裏面)に光源13の光を照射し、反射光をセンサボード17上のラインセンサで受光して画像を読み取る。
ここで、光源13、背景部26、原稿100からの反射光をセンサボード17のラインセンサへ導く光学系(ミラー14-1、ミラー15-1、15-2、レンズユニット16など)、およびラインセンサなどを読取部(第1の読取部)として説明する。読取部の構成については図3で改めて説明することとする。
なお、原稿100の両面読取を行う場合には、例えば表裏を反転させる反転機構を設けるなどして実施する。読取装置1は、反転機構を設けることにより原稿100を反転させて原稿100の第二面を読取部の読取位置(読取窓19)で読み取らせる。また、反転機構に限らず、その他の構成、一例として第2の読取部を設けるなどして第二面を読み取らせるようにしてもよい。例えば読取窓19の通過後において、原稿100の背面側に読取センサを設けた読取部(第2の読取部)で原稿100の第二面を読み取らせる。この場合は、読取センサの対向位置にある部材が背景部に相当する。
本例の読取装置1の構成では、フラットベット方式の読取も可能である。具体的には、ADF20を持ち上げてコンタクトガラス11を露出し、コンタクトガラス11上に原稿100を直接配置する。そして、ADF20を元の位置に下ろしてADF20の下部で原稿100の背面を押さえる。フラットベット方式では原稿100が固定されるため、原稿100に対しキャリッジ(第1キャリッジ14、第2キャリッジ15)側を移動して走査を行う。第1キャリッジ14および第2キャリッジ15はスキャナモータ18によって駆動され、原稿100の副走査方向を走査する。例えば、第1キャリッジ14が速度Vで移動し、同時にそれと連動して第2キャリッジ15が、第1キャリッジ14の半分の速度1/2Vで移動して、原稿100のコンタクトガラス11側の第一面を読み取る。この場合、ADF20の下部(原稿100を背面から抑える部材)が背景部に相当する。
なお、この例では、第1キャリッジ14、第2キャリッジ15、レンズユニット16、センサボード17等を別々に示しているが、これらは、個別に設けてもよいし、一体となった一体型センサモジュールとして設けてもよい。
図2は、読取部の構成の一例を説明する図である。一例として原稿100の第一面を読み取る読取部30(第1の読取部)の構成と搬送機構とを示している。図2に示すように、原稿100は、各種搬送ローラ24により送られ、コンタクトガラス11の読取位置(読取窓19)と背景部26との間を通過する。
読取部30は、背景部26をセットで有し、光源13の点灯により、原稿100が読取窓19を通過する間、読取窓19に向けられている原稿100の第一面からの光源13の光の反射光を図2に点線で示す経路を経てセンサボード17上のラインセンサで受光して画像を読み取る。
なお、読取部の構成は、この第1の読取部の構成に限るものではない。第2の読取部のように密着型イメージセンサで読み取る方式や、その他読取装置の構成に応じて適宜変形してよい。
(重送検知)
続いて、読取装置1において原稿100の重送等の状態を検知するための典型的な構成について説明する。読取装置1のように、原稿束から1枚ずつ原稿100を分離して搬送する装置では、分離に失敗した場合に、複数枚(例えば2枚)が重なった状態で搬送され、いわゆる重送の状態になる。
図3は、本実施の形態にかかる読取装置1において重送検知を行う構成の一例を示す機能ブロック図である。図3には、重送検知に関係する主な機能部として、光源部31、画像撮像部32、吸収背景部26、画像濃度検知部33、および画像解析部34を示している。光源部31、画像撮像部32、および吸収背景部26は、読取部30に含まれる機能部である。画像濃度検知部33および画像解析部34は、センサボード17あるいは制御ボードなどにASIC(Application Specific Integrated Circuit)等により設けている機能部である。なお、制御ボードなどのCPU(中央演算処理装置)がメモリのプログラムを実行するなどして画像濃度検知部33および画像解析部34を機能部として実現するようにしてもよい。
光源部31は、光源13(図2参照)と光源13を制御する光源制御部を有し、光源13の点灯および消灯を制御する。
画像撮像部32は、センサボード17(図1参照)であり、CCDまたはCMOSなどの撮像センサ(一例としてラインセンサ)を有する。画像撮像部32は、ラインセンサを駆動し、読取対象からの反射光を撮像面で受光して画像を撮像する。
画像濃度検知部33は、画像撮像部32から出力される読取対象(原稿100)の画像(画像データ)から濃度検知処理を行う。濃度検知処理は、画像中の指定された領域から濃度情報を検知する処理である。例えば、画像濃度検知部33は原稿100の中央の画像領域の読取値の濃度レベルを検知する。
画像解析部34は、濃度検知処理により得られた濃度レベルに基づいて原稿100が重送の状態かを解析する。
吸収背景部26は、背景部26(図2参照)に相当し、光吸収性が高い機能を有する。
図4は、吸収背景部26の構成の一例を示す図である、図4に示す吸収背景部26は、光吸収性保持背景部260を有する。光吸収性保持背景部260は、光を吸収する例えばカーボンブラック(以下「黒」と総称する)等の色材で設けられている。光吸収性保持背景部260の光を吸収する波長領域は任意であり、適宜色材を選定するなどして波長領域を設定してよい。光吸収性保持背景部260は、画像撮像部32が撮像する撮像範囲の少なくとも一部(例えば中央部)を満たす範囲に設けられていればよい。光吸収性保持背景部260を一部の領域に設けた場合、原稿100を透過した光が光吸収性保持背景部260において吸収され、それ以外の背景部(一例として白背景)で反射される。ここで光吸収性保持背景部260を設ける条件を画像撮像部32の撮像範囲の少なくとも中央部を満たすような条件としたのは、中央部の方が画像濃度の変動が少ないからである。画像濃度の変動が小さい場所であれば中央部に限らず光吸収性保持背景部260の配置を適宜変更してもよい。また、画像撮像部32の撮像範囲の領域全体を満たすように背景部全面に光吸収性保持背景部260を設けてもよい。
図5は、原稿100が1枚の単送のときと2枚の重送のときの光の反射を示す光学モデルの従来比較図である。背景部が白色の白背景である場合の光学モデルを示している。図5(a)に単送の場合の光学モデルを示し、図5(b)に重送の場合の光学モデルを示している。
図5(a)に示すように、原稿100が1枚の原稿100-1のとき、光源13の光は原稿100-1の第一面で反射する反射成分p1と、原稿100-1を透過して背景部26で反射する反射成分p2となって、ラインセンサに入射する。
一方、原稿100が2枚の原稿100-1と原稿100-2のときには、図5(b)に示すように、光源13の光は、1枚目の原稿100-1で反射する反射成分p1と、1枚目の原稿100-1を透過して2枚目の原稿100-2で反射する反射成分p3と、2枚目の原稿100-2も透過して背景部26で反射する反射成分p4となって、ラインセンサに入射する。
このように単送のときと重送のときとで同じ光でも反射成分が異なり、ラインセンサで読み取られる濃度値は次のようになる。
単送のときの濃度値・・・p1+p2
重送のときの濃度値・・・p1+p3+p4
ここで反射成分p4は原稿100を4回透過した反射成分であるため無視し、また原稿100の光の吸収性についても無視すると、反射成分p2と反射成分p3とに十分な差がでれば単送のときと重送のときとでレベルに差が出るため、濃度値を調べることで単送か重送かが分かる。
ところで反射成分p2と反射成分p3は原稿100を2回透過した反射光成分である。そのため原稿100が厚紙などの場合には、光の透過性が低いつまり透過率が低くなり反射成分p2と反射成分p3との差が小さくなる。原稿100が厚紙のように透過性が悪いものは、図5に示す光学モデルの場合に厚紙の重送を検知することが難しい。そこで、本実施の形態では光吸収性保持背景部260を適用する。
図6は、背景部26の光吸収性保持背景部260における光の反射を示す光学モデルの図である。図6(a)に単送の場合の光学モデルを示し、図6(b)に重送の場合の光学モデルを示している。
図6(a)に示すように、原稿100が1枚の原稿100-1のとき、光源13の光は原稿100-1の第一面で反射する反射成分p1となる。原稿100-1を透過した光(光成分p1-1)は光吸収性保持背景部260によって吸収されるため、背景部26で反射する反射成分p2の値は“0”と仮定し、反射成分p1がラインセンサに入射する。
原稿100が2枚の原稿100-1と原稿100-2のときにも、図6(b)に示すように、光源13の光は、2枚目の原稿100-2を透過した光(光成分p2-1)は光吸収性保持背景部260によって吸収される。このため、2枚目の原稿100-2を透過して背景部26で反射する反射成分p4の値も“0”と仮定する。1枚目の原稿100-1で反射する反射成分p1と、1枚目の原稿100-1を透過して2枚目の原稿100-2で反射する反射成分p3とが、ラインセンサに入射する。
単送のときの濃度値・・・p1
重送のときの濃度値・・・p1+p3
よって、原稿100が1枚のときと2枚のときの反射光の差は、光吸収性保持背景部260を設けている場合は反射成分p3となり、光吸収性保持背景部260以外の場合は背景部26の背景領域(この例では白背景領域)になるため反射成分p2と反射成分p3との差分となる。ここで、反射成分p2と反射成分p3は反射光であるため、p2>0且つp3>0の関係にある。従って光吸収性保持背景部260の方がp3>0で、白背景の背景部26のp2-p3に比べて単送と重送とのレベルの差が大きくなる。
以上より背景部26に光吸収性保持背景部260を使用することにより、原稿100の単送と重送の検知精度が上昇し、従って厚紙等の光透過性の低い原稿100に対しても単送と重送の検知精度が上がり、検知可能となる。
このように、本実施の形態の読取装置1では、背景部に光吸収性の高い吸収背景部26を使用し、原稿100の光の透過性によらず単送と重送を検知することができるようにする。背景部に光吸収性をもたせることで、単送時と重送時に受光される反射光の差を大きくすることが可能となり、従来検出できなかった透過性の低い厚紙などの重送状態を検出することが可能になる。なお、読取装置1は、光吸収性保持背景部260の光を吸収する波長領域に応じた構成が必要となる。そこで以下では、波長領域に応じた実施例を示す。
(実施例1)
実施例1として、可視光領域に光の吸収性を有する光吸収性保持背景部260を使用する場合の構成について説明する。
図7は、読取装置1において重送検知を行う実施例1の構成を示す図である。図7には、実施の形態にかかる読取装置1(図3参照)において、光源部31を可視光光源部31aとし、画像撮像部32を可視画像撮像部32aとし、吸収背景部26を可視吸収背景部26aとしたものである。可視吸収背景部26aは可視光領域に光の吸収性を有する光吸収性保持背景部260を有する。
可視光源部31aは、光源13として可視波長域の可視光光源を使用する。可視光光源は、例えばR(Red)色、G(Green)色、B(Blue)色などのLEDである。可視画像撮像部32aには、可視波長域の撮像センサを使用する。可視波長域の撮像センサは、例えばR(Red)、G(Green)、およびB(Blue)の撮像センサである。この構成において、可視光光源の光は、可視吸収背景部26aを背景にして原稿100から反射し、反射光がR(Red)、G(Green)、およびB(Blue)の撮像センサに入射する。
可視画像濃度検知部33aは、可視画像撮像部32aから出力される可視画像から濃度検知処理を行う。
画像解析部34は、濃度検知処理により得られた濃度レベルに基づいて原稿100が重送の状態かを解析する。
図8は、実施例1の光吸収性保持背景部260を背景に原稿100を読み取った場合の、同一厚紙の単送と重送との分光反射率の関係を示した図である。図8には、横軸を光の波長、縦軸を反射率(100%)とし、原稿100に照射した光の反射率の測定結果を示している。光吸収性保持背景部260には一例として黒の背景(黒背景)を適用している。グラフf1が重送のときの測定結果を示し、グラフf2が単送のときの測定結果を示している。図8に示す測定結果からは、可視波長領域の範囲において単送と重送のそれぞれの反射率に差が生じることが分かる。特に、この例では、600nm付近を超えると反射率の差が拡大することが分かる。よって、画像解析部34は、濃度検知処理により得られた600nm付近を超える可視波長領域の画像の濃度レベルを解析して重送を検知する。
(実施例2)
実施例2として、不可視光領域に光の吸収性を有する光吸収性保持背景部260を使用する場合の構成について説明する。
図9は、読取装置1において重送検知を行う実施例2の構成を示す図である。図9には、実施の形態にかかる読取装置1(図3参照)において、光源部31を不可視光光源部31bとし、画像撮像部32を不可視画像撮像部32bとし、吸収背景部26を不可視吸収背景部26bとしたものである。不可視吸収背景部26bは不可視光領域に光の吸収性を有する光吸収性保持背景部260を有する。
不可視光光源部31bは、光源13として不可視波長域の不可視光光源を使用する。不可視光光源は、例えば近赤外LEDなどである。不可視画像撮像部32bには、不可視波長域の撮像センサを使用する。不可視波長域の撮像センサは、例えばIR(近赤外)の撮像センサである。
画像濃度検知部33は、不可視画像撮像部32bから出力される不可視画像から濃度検知処理を行う。
画像解析部34は、濃度検知処理により得られた濃度レベルに基づいて原稿100が重送の状態かを解析する。
図10は、実施例2の光吸収性保持背景部260を背景に原稿100を読み取った場合の、同一厚紙の単送と重送との分光反射率の関係を示した図である。光吸収性保持背景部260には一例として黒の背景(黒背景)を適用している。グラフf1が重送のときの測定結果を示し、グラフf2が単送のときの測定結果を示している。図10に示す測定結果からは、不可視波長領域の範囲において単送と重送のそれぞれの反射率に差が生じることが分かる。よって、画像解析部34は、濃度検知処理により得られた不可視波長領域の画像の濃度レベルを解析して重送を検知する。
図11は、実施例2の光吸収性保持背景部260を用いることで透過性の低い紙に限らず検知精度が向上することについて説明する図である。図11(a)は、通常の白背景(通常背景)における普通紙(薄紙)の単送と重送との分光反射率の関係を示した図である。図11(b)は、黒背景における薄紙の単送と重送との分光反射率の関係を示した図である。図11(a)および図11(b)において矢印部に注目すると、黒背景を用いることで、不可視領域において単送から重送の分光反射率が大きく変化することが分かる。これは、黒背景を用いると背景からの反射光が減るため、単送の場合と重送の場合とで反射光の差が顕著になるためである。
なお、単送と重送との反射光の差が大きくなることは、読み取りのムラや紙の白色度の個体差の影響などのバラツキ要因に対して値が大きくなるということなので、単送と重送の変化を検知する際の誤検知を減らすことに繋がる。このように、黒背景のような吸収背景を用いることで透過性の低い紙以外でも検知精度が向上するようになる。
図12は、吸収背景を用いることで透過性の低い紙である再生紙の検知精度が向上することについて説明する図である。図12(a)は、通常の白背景(通常背景)における再生紙の単送と重送との分光反射率の関係を示した図である。図12(b)は、吸収背景における再生紙の単送と重送との分光反射率の関係を示した図である。
透過性の低い紙の例として、厚紙以外にも再生紙がある。再生紙は通常背景の場合、可視域から不可視域に関して、単送と重送の変化が最も変化するところでも分光反射率で2~3%程度しか変化しない。これは2枚目の紙からの反射光と背景部からの反射光が近いためである。吸収背景にした場合は、2枚目からの反射光の差が顕著に表れる。
このため、図12(b)に示すように吸収背景では可視域から不可視域にかけて大きな差が出ている。このように、黒背景のような吸収背景を用いることで透過性の低い再生紙などでも検知精度が向上する。
(実施例3)
スキャナなどの読取装置において、原稿100の可視の画像の撮像結果を見つつ原稿100の状態(単送か重送かの状態)の検知も行うという要求がある。そこで、少なくとも不可視域で光を吸収する背景部に対し可視光と不可視光とを照射して、それぞれ可視光と不可視光を撮像した画像を得るための構成を実施例3として示す。
図13は、読取装置1において重送検知を行う実施例3の構成を示す図である。図13には、実施例2の構成(図9)にさらに可視光光源部31aと、可視画像撮像部32aとを設けている。
実施例3では、可視光光源部31aを照射し、吸収背景部26を背景とする原稿100からの反射光を可視画像撮像部32aに入射して、可視画像の出力結果(可視画像出力)200を得る。
また、不可視光光源部31bを照射し、吸収背景部26を背景とする原稿100からの反射光を不可視画像撮像部32bに入射し、その不可視画像に基づき画像濃度検知部33および画像解析部34により原稿100が単送か重送かを検知する。
なお、可視光光源部31aと不可視光光源部31bには、可視光と不可視光に固有の光源を個別に使用してもよいし、可視光と不可視光を含む1つの光源を使用してもよい。例えば可視光には可視波長域のLED(例えばR(Red)色、G(Green)色、B(Blue)色など)を使用し、不可光には赤外LEDなどを使用する。また、可視光と不可視光の両方の波長域をカバーするハロゲンランプなどを使用してもよい。
図14は、センサボード上の撮像センサの一例を示す図である。図14には一例として、可視画像を撮像するR(Red)、G(Green)、およびB(Blue)の3チャンネルのラインセンサと、不可視画像を撮像するIV(Invisible)の1チャンネルのラインセンサとを有するもので実施した場合の例を示している。
なお、この例ではカラー画像のため可視画像の撮像に3チャンネルを使用した例を示しているが、可視画像の撮像は少なくとも1チャンネルがあれば足りる。例えばモノクロ画像であれば可視画像用に1チャンネル、不可視画像用に1チャンネルで実施する。
図15は、不可視光のみに吸収性を有する背景部の分光反射特性の一例を示す図である。図15のような光吸収性をもつ黒背景を用いると、可視画像の読み取りを行う場合に、背景部の光吸収性により背景部からの光反射率が低下し、画像品質を大きく低下させてしまう可能性がある。そこで、図15の不可視吸収背景のグラフが示すように、不可視波長領域のみに光吸収性をもつ背景部を利用する。つまり、不可視波長領域で光吸収性をもち可視波長領域で光反射性をもつ背部を利用することにより、可視画像への影響を与えることなく重送の状態検知が可能になる。
実施例3のように可視画像と不可視画像とを共に撮像する構成とすることにより、可視画像の結果を見つつ不可視画像から精度の高い重送状態の検知を行うことが可能になる。
(実施例4)
続いて、不可視域のみに吸収性をもつ背景部を利用する場合の他の実施例を示す。
図16は、読取装置1において重送検知を行う実施例4の構成を示す図である。図16は、実施例3の構成(図13)に示す吸収背景部26を、不可視域にのみ光の吸収性を示す吸収背景部(不可視のみ吸収背景部)26cに変更したものである。
不可視域のみに吸収性をもつ背景部を利用することにより、可視領域では背景部からの反射成分が大きくなる。このため、原稿100を透過して背景部で反射した光が大きくなり、透過性の低い薄紙でも紙の地肌が明るく読み取られるようになる。一方、不可視領域では背景部からの反射光が少ないので、この領域を利用することで、重送検知の紙種対応力を高めることが可能になる。このように不可視域のみで吸収性をもつ背景部を利用することで、通常の可視画像の品質を保ちながら、紙種対応力の高い重送検知を実施することが可能となる。なお、不可視画像で撮像した画像を出力してもよい。
(実施例5)
続いて、可視画像の結果と不可視画像の結果を用いて重送の状態検知を行う実施例を示す。不可視域のみ吸収する背景部を用いた場合の、不可視画像の結果のみを用いた画像状態検知では、OHPシート等の透過性が高い原稿の状態検知が行えない可能性がある。これは、原稿自体の反射率がほぼなく、不可視吸収背景部でほとんどの光が吸収され、単送でも重送でも反射成分が小さく差がでないためである。一方、可視波長域では背景反射率が高いため、OHPシートの枚数によって、反射光の減衰量が大きく変わる。
図17は、読取装置1において重送検知を行う実施例5の構成の一例を示す図である。図17は、図16に示す可視画像撮像部32aが出力する可視画像を画像濃度検知部33にも出力するように変形したものである。画像濃度検知部33において可視画像と不可視画像とをそれぞれ使用し、それぞれ濃度レベルを検知する。これにより、画像解析部34で重送かを検知することが可能になる。
図18は、実際にOHPシートの単送と重送とに対して、通常背景と吸収背景で分光反射率を計測した結果の一例を示す図である。
単送(可視)では、OHPシート1枚を透過し反射された光が返ってくるため、重送時より反射光が上がる。重送(可視)では、OHPシート2枚を透過し反射された光が返ってくるため、単送時より反射光が下がる。単送(不可視)では、OHPシートを透過した光が全て吸収されるため、重送とほぼ変わらない値になる。重送(不可視)では、OHPシートを透過した光が全て吸収されるため、単送とほぼ変わらない値になる。
図19~図21に示す例において、白背景の場合は可視波長と不可視波長のそれぞれにおいて単送と重送で差が生じる。吸収背景の場合は、可視波長と不可視波長のそれぞれにおいて単送と重送で差が生じない。
よって不可視光のみ吸収する背景部を用いた場合、可視波長で差が出て、不可視波長で差が出ない場合、OHPシートのような透過性が高い原稿の重送だと検知することができる。
以上より、不可視のみ吸収する背景部に対して、不可視波長領域と可視波長領域を組み合わせて使用し、可視域の差を見ることで状態検知を行うことで、原稿の対応範囲が大きくなる。
(画像解析部)
図22は、画像解析部34の実施例を示す図である。図22に示すように、画像解析部34は、画像濃度結果比較部34-1および基準濃度保持部34-2を有する。
基準濃度保持部34-2は、前段から出力された画像濃度結果の1フレーム以上前の、少なくとも1フレーム分の画像濃度結果を保持する。基準濃度保持部34-2は、順次出力されてくる1フレーム分の画像濃度結果により、保持している濃度基準結果を更新することもできる。
画像濃度結果比較部34-1は、基準濃度保持部34-2が保持している濃度基準結果と、前段から出力される画像濃度結果とを比較することで原稿の状態を判定し、判定結果(状態判定結果)を出力する。
状態判定結果は全体制御部などに出力され、例えば状態判定結果が重送を示す場合は、全体制御部が続く読取処理を中断し、読取中の原稿を排紙する。また、重送が発生したことをユーザに知らせるために、全体制御部から表示部などに重送を示すエラーを通知するようにしてもよい。
本実施例では、少なくとも一つ前の読み取り結果と現在の読み取り結果(「現フレーム」の画像濃度結果に相当)とを比較する構成を示した。このように構成することで、センサの温度特性の変化や背景部の汚れの影響などを抑え、原稿の状態検知を行うことが可能になる。
図23は、画像解析部34のその他の実施例を示す図である。図23に示す構成では、1フレーム目の処理では基準濃度保持部34-2に画像濃度結果が保持されていないため、1フレーム目で原稿の状態を検知することはできない。そこで、「設定部」として基準濃度設定部34-3を設け、予め基準濃度設定部34-3に登録しておいた結果(画像濃度結果に相当)を、1フレーム目の処理の開始前に基準濃度保持部34-2に設定するようにする。このように構成することで、1フレーム目の読み取り結果に対しても予め登録していた結果と比較することで、原稿の状態を検知することが可能となる。
図24は、状態検知処理の具体例について説明する図である。図24には、状態検知処理の具体例として、画像全体を対象とする画像濃度結果の比較を示している。読み取った画像全面101から地肌を抽出して画像全面101の地肌レベルを求め、保持しておいた画像全面102の地肌レベルと比較する。原稿100の状態は、読み取った画像の地肌レベルと保持しておいた画像の地肌レベルとの比較結果である地肌レベルの差分により検知する。
この手法は保持すべきデータ量が画像全面の地肌レベルを示す1つの値で済み、比較も同様に地肌レベルを示す1つの値同士で行うことができる。このため、回路規模を大きくすることなく少ない計算量で実施することができるメリットがある。
なお、ここで説明した画像は、可視画像または不可視画像のことを指す。可視画像濃度検知を使用する場合は可視画像のことであり、不可視画像濃度検知を使用する場合は不可視画像のことである。
図25は、状態検知処理のその他の一例について説明する図である。ここでは、その他の一例として、画像全面を主走査方向に領域分割して分割画像から地肌レベルを取得する方法について説明する。
図25には、画像濃度検知部33が画像を主走査方向に分割した場合の分割パターンを示した図を示している。図25において画像の主走査方向に分割パターンが並んでいる。具体的に、画像濃度検知部33は、画像全面を短手方向(主走査方向)に複数の領域に分割する。さらに画像濃度検知部33は、分割した領域毎に地肌レベルを抽出する。
画像解析部34は、画像濃度検知部33が抽出した領域毎の地肌レベルと、予め保持している地肌レベル(予め他のフレームで分割領域から抽出した地肌レベル)と比較して、領域毎に原稿の状態を判定する。画像解析部34は、画像全面の中の異常と判定された領域の比率(異常状態判定率)から原稿の状態を検知する。
異常状態判定率は、例えば、分割した領域の数をNとし、重送と検知された領域数をαとすると、次の数式(1)によって算出することができる。
Figure 2022129239000002
数式(1)により状態異常判定率が一定の閾値を超えた場合、重送の状態として判定する。
このように主走査方向に領域を分割すれば、次のような要因を減らし、誤判定を防ぐことが可能になる。一つは、主走査方向の光のバラツキの影響である。主走査方向は光の当たり方にバラツキがある。主走査方向に分割して光の当たり方が同じ領域同士を比較することで、主走査方向における光のバラツキに基づく濃度バラツキの影響を軽減し、誤判定を防ぐ。別の一つは、付箋や切り貼り原稿による影響の軽減である。付箋や切り貼り原稿がある場合、画像領域中の反射率に特異な変化が生じ、その影響で誤判定が生じる。しかし、そのような特異な領域は全体中の一部の領域だけなので、領域を分割して全体の比率をとることで、その影響が吸収され、誤判定を防ぐことが可能になる。
なお、ここで説明した画像も、可視画像または不可視画像のことを指す。可視画像濃度検知を使用する場合は可視画像のことであり、不可視画像濃度検知を使用する場合は不可視画像のことである。
図26は、状態検知処理のその他の一例について説明する図である。ここでは、図25で示した主走査方向への領域分割ではなく、画像全面を副走査方向に領域分割して分割画像から地肌レベルを取得する方法を述べる。なお、副走査方向に領域分割して状態を検知する方法は、図25で説明した主走査方向へ領域分割して状態を検知する方法と、分割の方向が主走査方向ではなく副走査方向となることが主な違いである。副走査方向への分割のため、分割の単位は、例えば1ライン単位や複数ライン単位などとなり、副走査方向の同じ分割領域同士での比較が可能となる。それ以外は、図25で説明した内容とほぼ同様である。つまり、画像濃度検知部33は、画像全面を長手方向(副走査方向)に複数の領域に分割する。さらに画像濃度検知部33は、分割した領域毎に地肌レベルを抽出する。画像解析部は、画像濃度検知部33が抽出した領域毎の地肌レベルと、予め保持している地肌レベル(予め他のフレームで副走査方向の分割領域から抽出した地肌レベル)と比較して、領域毎に原稿の状態を判定する。画像解析部34は、画像全面の中の異常と判定された領域の比率(異常状態判定率)から原稿の状態を検知する。異常状態判定率は、例えば、数式(1)によって算出することができる。これ以上は、図25の説明の繰り返しになるため、説明を省略する。
なお、副走査方向に領域を分割する場合は、次のような要因を減らし、誤判定を防ぐことが可能になる。一つは、原稿の浮きの影響である。ADFに原稿が入るとき、原稿の先端が浮くことがあり、その浮きの影響で濃度が変化する。副走査方向に分割してそれぞれの領域を使って判定すれば、浮きの影響があるのは画像全面の一部の領域だけなので、領域を分割して全体の比率をとることで、その影響が吸収され、誤判定を防ぐことが可能になる。別の一つは、付箋や切り貼り原稿による影響の軽減である。この影響が軽減されることについては、図25の説明と同じ理由であり、説明の繰り返しになるため、説明を省略する。
図27は、状態検知処理のその他の一例について説明する図である。ここでは、図25で示した主走査方向への領域分割と図26に示した副走査方向への領域分割を行う方法を述べる。つまり、図27に示す格子状の分割された画像のように、画像濃度検知部33は、主走査領域と副走査方向とに分割した各分割画像から地肌レベルを取得する。なお、主走査方向および副走査方向に領域分割して状態を検知する方法は、図25で説明した主走査方向へ領域分割して状態を検知する方法において、領域分割を図26で説明した副走査方向に対しても行う点で異なる。なお、副走査方向への領域分割については図26で説明しているため、領域分割された各画像から状態を検知する方法は、図25で説明した方法により略同様に実施することができる。従って。これ以上は、図25の説明の繰り返しになるため、説明を省略する。
なお、このように実施すると、図25において説明済みの、主走査方向に領域を分割する場合に生じる要因と、図26において説明済みの、副走査方向に領域を分割する場合に生じる要因とを、共に軽減し、誤判定をより防ぐことが可能になる。
地肌レベルの抽出方法には例えば次の3つの方法がある。一つは、対象領域の平均値を地肌レベルとする。また、他の一つは、対象領域の最頻値を地肌レベルとする。また、他の一つは、対象領域の最大値を地肌レベルとする。対象領域は、地肌レベルの値を個々に算出する対象となる領域、例えば上述した画像全面や、分割する場合は個々の分割領域である。
(第2の実施の形態)
図28は、第2の実施の形態にかかる画像形成装置の一例の構成を示す図である。図28において、画像形成装置2は、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する一般に複合機(MFP)と称される画像形成装置である。
画像形成装置2は、読取装置である読取装置本体10およびADF20を有し、その下部に画像形成部103を有する。
ADF20は、原稿を給紙して読取位置(読取窓)で読取対象の面を読み取らせて排紙トレイに排紙する。読取装置本体10は、原稿の読取対象の面を読取位置で読み取る。ADF20は第1の実施の形態にかかるADF20(図1参照)であり、読取装置本体10は第1の実施の形態にかかる読取装置本体10(図1参照)である。ADF20および読取装置本体10の説明は第1の実施の形態で既に行っている。そのため、ADF20および読取装置本体10のこれ以上の説明は省略する。
図28において、画像形成部103は、内部の構成を説明するために、外部カバーを外し内部の構成が分かるようにしている。画像形成部103は、読取装置本体10で読み取った原稿画像を印刷する。画像形成部103は、記録紙を手差しする手差ローラ104や、記録紙を供給する記録紙供給ユニット107を有する。ここで記録紙は「媒体」の一例である。記録紙供給ユニット107は、多段の記録紙給紙カセット107aから記録紙を繰り出す機構を有する。供給された記録紙は、レジストローラ108を介して二次転写ベルト112に送られる。
二次転写ベルト112上を搬送する記録紙は、転写部114において中間転写ベルト113上のトナー画像が転写される。
また、画像形成部103は、光書込装置109や、タンデム方式の作像ユニット(Y、M、C、K)105や、中間転写ベルト113や、上記二次転写ベルト112などを有する。作像ユニット105による作像プロセスにより、光書込装置109が書き込んだ画像(可視画像)を中間転写ベルト113上にトナー画像として形成する。
具体的に、作像ユニット(Y、M、C、K)105は、4つの感光体ドラム(Y、M、C、K)を回転可能に有し、各感光体ドラムの周囲に、帯電ローラ、現像器、一次転写ローラ、クリーナーユニット、及び除電器を含む作像要素106をそれぞれ備える。各感光体ドラムにおいて作像要素106が機能し、感光体ドラム上の画像が各一次転写ローラにより中間転写ベルト113上に転写される。
中間転写ベルト113は、各感光体ドラムと各一次転写ローラとの間のニップに、駆動ローラと従動ローラとにより張架して配置されている。中間転写ベルト113に一次転写されたトナー画像は、中間転写ベルト113の走行により、二次転写装置で二次転写ベルト112上の記録紙に二次転写される。その記録紙は、二次転写ベルト112の走行により、定着装置110に搬送され、記録紙上にトナー画像がカラー画像として定着する。その後、記録紙は、機外の排紙トレイへと排出される。なお、両面印刷の場合は、反転機構111により記録紙の表裏が反転されて、反転された記録紙が二次転写ベルト112上へと送られる。
なお、画像形成部103は、上述したような電子写真方式によって画像を形成するものに限るものではなく、インクジェット方式によって画像を形成するものであってもよい。
また、かかる読取装置の構成を、記録紙を手差しする手差ローラ104の後段や、記録紙供給ユニット107が多段の記録紙給紙カセット107aから記録紙を繰り出した後の搬送路に設けてもよい。この場合、記録紙の重送があった場合に記録紙への画像形成前にユーザに異常を通知し、緊急停止することが可能になる。
以上、本発明の実施の形態及び変形例を説明したが、実施の形態及び実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施の形態及び実施例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施の形態及び実施例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 読取装置
26 背景部
30 読取部
31 光源部
32 画像撮像部
33 画像濃度検知部
34 画像解析部
260 光吸収性保持背景部
特開2019-080169号公報

Claims (17)

  1. 光を照射する光源部と、
    前記光源部からの光による被写体からの反射光に基づき前記被写体の画像を撮像する画像撮像部と、
    前記画像撮像部が画像を撮像する際の前記被写体の背面側に位置し、任意の波長域において光吸収性を有する背景部と、
    前記画像の濃度情報を検知する画像濃度検知部と、
    前記画像の濃度情報に基づき前記被写体の状態を解析する画像解析部と、
    を有する画像処理装置。
  2. 前記背景部は、前記画像撮像部の撮像範囲の少なくとも中央部に対応する領域において前記光吸収性を有する、
    請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記背景部は、少なくとも可視波長域において光吸収性を有し、
    前記光源部は、前記被写体に可視光を照射し、
    前記画像撮像部は、前記被写体から反射された可視光に基づき前記被写体の画像を撮像する、
    請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記背景部は、少なくとも不可視波長域において光吸収性を有し、
    前記光源部は、前記被写体に不可視光を照射し、
    前記画像撮像部は、前記被写体から反射された不可視光に基づき前記被写体の画像を撮像する、
    請求項1または2に記載の画像処理装置。
  5. 前記背景部は、少なくとも不可視波長域において光吸収性を有し、
    前記光源部は、前記被写体に可視光および不可視光を照射し、
    前記画像撮像部は、前記被写体から反射された可視光に基づき前記被写体の可視画像を撮像し、前記被写体から反射された不可視光に基づき前記被写体の不可視画像を撮像する、
    請求項1または2に記載の画像処理装置。
  6. 前記背景部は、可視波長域において光反射性を有し、不可視波長域において光吸収性を有する、
    請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 前記画像濃度検知部は、前記可視画像と前記不可視画像の濃度を検知し、
    前記画像解析部は、前記可視画像と前記不可視画像から検知した濃度情報に基づき前記被写体の状態を解析する、
    請求項5または6に記載の画像処理装置。
  8. 前記画像解析部は、
    少なくとも1フレーム前の画像濃度情報を保持する基準濃度保持部と、
    現フレームの画像濃度情報と前記基準濃度保持部に保持された画像濃度情報とを比較する画像濃度結果比較部とを有し、
    前記画像濃度結果比較部の比較結果に基づき前記被写体の状態を解析する、
    請求項1乃至7のうちの何れか一項に記載の画像処理装置。
  9. 前記画像解析部は、
    設定部で設定された設定情報を保持する基準濃度保持部と、
    現フレームの画像濃度情報と前記基準濃度保持部に保持された前記設定情報とを比較する画像濃度結果比較部とを有し、
    前記画像濃度結果比較部の比較結果に基づき前記被写体の状態を解析する、
    請求項1乃至7のうちの何れか一項に記載の画像処理装置。
  10. 前記画像濃度検知部は、撮像画像全面から得られる地肌レベルを出力する、
    請求項1乃至7のうちの何れか一項に記載の画像処理装置。
  11. 前記画像濃度検知部は、撮像画像全面を主走査方向に分割したそれぞれの領域に対して地肌レベルを出力する、
    請求項1乃至7のうちの何れか一項に記載の画像処理装置。
  12. 前記画像濃度検知部は、撮像画像全面を副走査方向に分割したそれぞれの領域に対して地肌レベルを出力する、
    請求項1乃至7のうちの何れか一項に記載の画像処理装置。
  13. 前記画像濃度検知部は、撮像画像全面を主走査方向と副走査方向とに分割したそれぞれの領域に対して地肌レベルを出力する、
    請求項1乃至7のうちの何れか一項に記載の画像処理装置。
  14. 前記地肌レベルは、所定領域の平均値、所定領域の最頻値、または所定領域の最大値である、
    請求項11乃至13のうちの何れか一項に記載の画像処理装置。
  15. 前記画像解析部は、解析により重送を検知する、
    請求項1乃至14のうちの何れか一項に記載の画像処理装置。
  16. 請求項1乃至15のうちの何れか一項に記載の画像処理装置と、
    前記画像を記録媒体に形成する画像形成部と、
    を有する画像形成装置。
  17. 被写体の状態を検知する方法であって、
    前記被写体に対し、任意の波長域において光吸収性を有する背景部を前記被写体の背面にして光を照射するステップと、
    前記被写体からの反射光に基づき前記被写体の画像を撮像するステップと、
    前記画像の濃度情報を検知するステップと、
    前記画像の濃度情報に基づき前記被写体の状態を解析するステップと、
    を含む方法。
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