JP2022127292A - 靴 - Google Patents

Download PDF

Info

Publication number
JP2022127292A
JP2022127292A JP2021025352A JP2021025352A JP2022127292A JP 2022127292 A JP2022127292 A JP 2022127292A JP 2021025352 A JP2021025352 A JP 2021025352A JP 2021025352 A JP2021025352 A JP 2021025352A JP 2022127292 A JP2022127292 A JP 2022127292A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shell
shoe
foot
wall portion
wearer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021025352A
Other languages
English (en)
Inventor
元貴 波多野
Motoki Hatano
憲彦 谷口
Norihiko Taniguchi
晋作 若杉
Shinsaku WAKASUGI
陽介 新
Yosuke Atarashi
慎吾 高島
Shingo Takashima
祐也 小塚
Yuya Kozuka
悟 阿部
Satoru Abe
正律 阪口
Masanori Sakaguchi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asics Corp
Original Assignee
Asics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asics Corp filed Critical Asics Corp
Priority to JP2021025352A priority Critical patent/JP2022127292A/ja
Priority to EP23160541.1A priority patent/EP4233624A1/en
Priority to EP22156844.7A priority patent/EP4046521B1/en
Priority to CN202210145353.5A priority patent/CN114947285A/zh
Priority to US17/675,636 priority patent/US20220264997A1/en
Publication of JP2022127292A publication Critical patent/JP2022127292A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A43FOOTWEAR
    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
    • A43B23/00Uppers; Boot legs; Stiffeners; Other single parts of footwear
    • A43B23/02Uppers; Boot legs
    • A43B23/0245Uppers; Boot legs characterised by the constructive form
    • A43B23/028Resilient uppers, e.g. shock absorbing
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A43FOOTWEAR
    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
    • A43B7/00Footwear with health or hygienic arrangements
    • A43B7/32Footwear with health or hygienic arrangements with shock-absorbing means
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A43FOOTWEAR
    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
    • A43B23/00Uppers; Boot legs; Stiffeners; Other single parts of footwear
    • A43B23/02Uppers; Boot legs
    • A43B23/04Uppers made of one piece; Uppers with inserted gussets
    • A43B23/042Uppers made of one piece
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A43FOOTWEAR
    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
    • A43B1/00Footwear characterised by the material
    • A43B1/02Footwear characterised by the material made of fibres or fabrics made therefrom
    • A43B1/04Footwear characterised by the material made of fibres or fabrics made therefrom braided, knotted, knitted or crocheted
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A43FOOTWEAR
    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
    • A43B13/00Soles; Sole-and-heel integral units
    • A43B13/02Soles; Sole-and-heel integral units characterised by the material
    • A43B13/12Soles with several layers of different materials
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A43FOOTWEAR
    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
    • A43B13/00Soles; Sole-and-heel integral units
    • A43B13/14Soles; Sole-and-heel integral units characterised by the constructive form
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A43FOOTWEAR
    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
    • A43B13/00Soles; Sole-and-heel integral units
    • A43B13/14Soles; Sole-and-heel integral units characterised by the constructive form
    • A43B13/18Resilient soles
    • A43B13/187Resiliency achieved by the features of the material, e.g. foam, non liquid materials
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A43FOOTWEAR
    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
    • A43B23/00Uppers; Boot legs; Stiffeners; Other single parts of footwear
    • A43B23/02Uppers; Boot legs
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A43FOOTWEAR
    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
    • A43B23/00Uppers; Boot legs; Stiffeners; Other single parts of footwear
    • A43B23/02Uppers; Boot legs
    • A43B23/0205Uppers; Boot legs characterised by the material
    • A43B23/0225Composite materials, e.g. material with a matrix
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A43FOOTWEAR
    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
    • A43B23/00Uppers; Boot legs; Stiffeners; Other single parts of footwear
    • A43B23/02Uppers; Boot legs
    • A43B23/0205Uppers; Boot legs characterised by the material
    • A43B23/0235Different layers of different material
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A43FOOTWEAR
    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
    • A43B23/00Uppers; Boot legs; Stiffeners; Other single parts of footwear
    • A43B23/02Uppers; Boot legs
    • A43B23/0245Uppers; Boot legs characterised by the constructive form
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A43FOOTWEAR
    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
    • A43B23/00Uppers; Boot legs; Stiffeners; Other single parts of footwear
    • A43B23/02Uppers; Boot legs
    • A43B23/0245Uppers; Boot legs characterised by the constructive form
    • A43B23/026Laminated layers
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A43FOOTWEAR
    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
    • A43B23/00Uppers; Boot legs; Stiffeners; Other single parts of footwear
    • A43B23/02Uppers; Boot legs
    • A43B23/04Uppers made of one piece; Uppers with inserted gussets
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A43FOOTWEAR
    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
    • A43B23/00Uppers; Boot legs; Stiffeners; Other single parts of footwear
    • A43B23/22Supports for the shank or arch of the uppers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Composite Materials (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Abstract

【課題】ソール本体の材料選択の自由度を高めつつ部品点数の増加を抑制することができ、しかも製造が容易に行なえる靴を提供する。【解決手段】靴1Aは、内部空間SPが形成された可撓性のシェル10Aと、シェル10Aに収容されたソール本体20とを備える。シェル10Aは、底壁部11と周壁部12とを含み、底壁部11とこれに隣接する部分の周壁部12とにより、内部空間SPのうちのソール本体20が配置される空間である下部側空間SP1が形成され、底壁部11に隣接する部分よりも上方に位置する部分の周壁部12により、内部空間SPのうちの着用者の足が挿入される空間である上部側空間SP2が形成される。底壁部11によってソール本体20の下面22が覆われることにより、底壁部11の外面11bによって靴1Aの接地面が構成される。【選択図】図3

Description

本発明は、靴に関し、特に、ソール本体と当該ソール本体を収容するシェルとを備えた靴に関する。
米国特許第10241498号明細書(特許文献1)の図6Eおよび図6Fには、ソール本体と、アッパー本体と、これらソール本体およびアッパー本体が収容されてなるシェルとを備えた靴が開示されている。
当該特許文献1に開示された靴においては、シェルの底壁部に複数の孔部が設けられるとともにソール本体の下面に複数の突起部が設けられており、これら複数の突起部が上述した孔部に挿入されている。これにより、シェルの底壁部の外面上においてソール本体に設けられた複数の突起部が外部に向けて突出するように露出して位置することになり、これら複数の突起部の先端面によって接地面が構成されている。
米国特許第10241498号明細書
上記特許文献1に開示された靴においては、ソール本体に設けられた複数の突起部によって接地面が構成されているため、当該ソール本体を構成する材料として耐摩耗性に優れた材料を選択する必要が生じ、ソール本体の他の機能である履き心地の改善やクッション性の確保等を考慮した場合に、ソール本体の材料選択の余地が狭められてしまう問題が発生する。
これを回避するためには、複数の突起部をソール本体の他の部分とは異なる材料にて形成することも考えられるが、そのように構成した場合には、部品点数が増加することに伴って製造コストが圧迫されてしまう問題が別途発生してしまう。
また、上記特許文献1に開示された靴においては、その製造時において、ソール本体に設けられた複数の突起部とシェルの底壁部に設けられた複数の孔部との位置決めを行ないつつ、これら複数の突起部を複数の孔部に挿入する必要がある。そのため、この点においても、製造作業が煩雑化し、結果として製造コストが圧迫されてしまう問題が生じてしまう。
したがって、本発明は、上述した問題を解決すべくなされたものであり、ソール本体の材料選択の自由度を高めつつ部品点数の増加を抑制することができ、しかも従来に比して製造が容易に行なえる靴を提供することを目的とする。
本発明に係る靴は、シェルと、ソール本体とを備えている。上記シェルは、着用者の足が挿入される内部空間が形成された可撓性の部材からなる。上記ソール本体は、上記シェルに収容されており、着用者の足の足裏を支持するものである。上記シェルは、底壁部と、当該底壁部の周縁から立設された周壁部とを含んでいる。上記本発明に係る靴にあっては、上記底壁部と、当該底壁部に隣接する部分の上記周壁部とにより、上記内部空間のうちの上記ソール本体が配置される空間である下部側空間が形成されており、上記底壁部に隣接する部分よりも上方に位置する部分の上記周壁部により、上記内部空間のうちの着用者の足が挿入される空間である上部側空間の少なくとも一部が形成されている。上記本発明に係る靴にあっては、上記底壁部によって上記ソール本体の下面が覆われることにより、上記底壁部の外面によって接地面が構成されている。
本発明によれば、ソール本体の材料選択の自由度を高めつつ部品点数の増加を抑制することができ、しかも従来に比して製造が容易に行なえる靴とすることができる。
実施の形態1に係る靴の斜視図である。 図1に示す靴を他の方向から見た斜視図である。 図1に示す靴の断面図である。 図1に示す靴の組付構造を説明するための分解斜視図である。 図1に示すシェルの模式平面図である。 図5に示すシェルの部分断面図である。 第1変形例に係る靴が具備するシェルの斜視図である。 第2変形例に係る靴が具備するシェルの斜視図である。 第3変形例に係る靴が具備するシェルの斜視図である。 実施の形態2に係る靴が具備するシェルの斜視図である。 図10に示すシェルの模式平面図である。 図10に示すシェルの部分断面図および図10に示すシェルの他の構成例を説明するための部分断面図である。 実施の形態3に係る靴が具備するシェルの斜視図である。 図13に示すシェルの模式底面図である。 図13に示すシェルの部分断面図および図13に示すシェルの他の構成例を説明するための部分断面図である。 実施の形態4に係る靴が具備するシェルの斜視図である。 図16に示すシェルの部分断面図である。 実施の形態5に係る靴が具備するシェルの部分断面図である。 図18に示すシェルの一部を破断した状態における模式底面図である。 実施の形態6に係る靴が具備するシェルの部分断面図である。 実施の形態7に係る靴が具備するシェルの部分断面図である。 実施の形態8に係る靴が具備するシェルの斜視図である。 図22に示すシェルの部分断面図である。 図22に示すシェルの他の構成例を説明するための部分断面図である。 第4変形例に係る靴が具備するシェルの斜視図である。 第5変形例に係る靴が具備するシェルの斜視図である。 実施の形態9に係る靴が具備するシェルの斜視図である。 実施の形態10に係る靴が具備するシェルの一部破断斜視図である。 実施の形態11に係る靴が具備するシェルの分解斜視図である。 第6変形例に係る靴が具備するシェルの分解斜視図である。 実施の形態12に係る靴が具備するシェルの斜視図である。 図31に示すシェルを他の方向から見た斜視図である。 実施の形態13に係る靴が具備するシェルの斜視図である。 実施の形態14に係る靴が具備するシェルの部分斜視図である。 実施の形態15に係る靴が具備するシェルの部分平面図である。 実施の形態16に係る靴の斜視図である。 実施の形態17に係る靴の斜視図である。 実施の形態18に係る靴の斜視図である。 図38に示す靴を他の方向から見た斜視図である。 図38に示す靴の断面図である。 図38に示す靴の組付構造を説明するための分解斜視図である。 実施の形態19に係る靴の斜視図である。 実施の形態20に係る靴の斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る靴の斜視図であり、図2は、図1に示す靴を他の方向から見た斜視図である。また、図3は、図1に示すIII-III線に沿った断面図である。まず、これら図1ないし図3を参照して、本実施の形態に係る靴1Aの構成について説明する。
図1ないし図3に示すように、本実施の形態に係る靴1Aは、着用者の足のほぼ全体(すなわち、足首よりも末端側の部位)を覆うソック状のものであり、シェル10Aと、ソール本体20(図3参照)と、アッパー本体30とを備えている。靴1Aの上部には、足を挿入するための部分である履き口33が設けられており、靴1Aの内部には、着用時において着用者の足が挿入される空間である内部空間SP(図3参照)が形成されている。
ここで、靴1Aの具体的な構成を説明するに先立って、後述する図5を参照して、靴1Aの部位の名称について説明する。なお、図5に示す平面図は、作図の都合によりシェル10Aのみを図示したものではあるが、靴1A全体として見た場合にも、同様の名称が用いられる。
図5に示すように、靴1Aは、平面視した状態において着用者の足の足幅方向に合致する方向である左右方向(図5中の略左右方向)に沿って、足のうちの解剖学的正位における正中側(すなわち正中に近い側)である内足側の部分(図5中に示すS1側の部分)と、足のうちの解剖学的正位における正中側とは反対側(すなわち正中に遠い側)である外足側の部分(図5中に示すS2側の部分)とに区画される。
また、靴1Aは、平面視した状態において着用者の足の足長方向に合致する方向である前後方向(図5中の略上下方向)に沿って、着用者の足の足趾部および踏付け部に対応して位置する前足部R1と、着用者の足の踏まず部に対応して位置する中足部R2と、着用者の足の踵部に対応して位置する後足部R3とに区画される。
ここで、靴1Aの前方側末端を基準とし、当該前方側末端から靴1Aの前後方向の寸法の40%の寸法に相当する位置を第1境界位置とし、当該前方側末端から靴1Aの前後方向の寸法の80%の寸法に相当する位置を第2境界位置とした場合に、前足部R1は、前後方向に沿って前方側末端と第1境界位置との間に含まれる部分に該当し、中足部R2は、前後方向に沿って第1境界位置と第2境界位置との間に含まれる部分に該当し、後足部R3は、前後方向に沿って第2境界位置と靴1Aの後方側末端との間に含まれる部分に該当する。
図1ないし図3に示すように、本実施の形態に係る靴1Aにあっては、ソール本体20が、アッパー本体30に収容されており、ソール本体20が収容されたアッパー本体30が、さらにシェル10Aに収容されている。これらシェル10A、ソール本体20およびアッパー本体30は、いずれも前足部R1、中足部R2および後足部R3に跨がって位置している。
より詳細には、シェル10Aは、靴1Aの最外殻を構成しており、袋状に形成された単一の可撓性部材からなる。シェル10Aは、底壁部11と、当該底壁部11の周縁から上方に向けて連続して延びるように立設された周壁部12とを含んでおり、このうちの底壁部11が、靴1Aの上下方向の下方側に位置する最外面を規定しており、周壁部12が、靴1Aの前後方向ならびに左右方向に位置する最外面を規定している。
底壁部11は、一対の主面である内面11aおよび外面11bを有しており、周壁部12は、一対の主面である内面12aおよび外面12bを有している。シェル10Aの底壁部11および周壁部12は、基礎構造部16としての網目状部材16aにて構成されており、これに伴い、これら部分のシェル10Aには、内面11a,12aおよび外面11b,12bに達する無数の孔部14が形成されている。なお、当該基礎構造部16の詳細については、後において説明する。
また、周壁部12の上端には、開口形状の挿入部13が設けられている。この挿入部13は、中足部R2と後足部R3とに跨がって設けられている。
図3に示すように、シェル10Aには、内部空間SPが形成されている。この内部空間SPは、底壁部11の内面11aと周壁部12の内面12aとによって規定されており、上述した挿入部13に通じている。内部空間SPは、前足部R1、中足部R2および後足部R3に跨がって位置している。当該内部空間SPには、ソール本体20およびアッパー本体30が収容されることでこれらが配置される空間と、着用者の足が挿入される空間である挿入空間SP3とが含まれる。
図1ないし図3に示すように、アッパー本体30は、靴1Aのうちの着用者の足に接触する部分の一部を構成することで着用者の足を保持するものであり、柔軟に変形が可能な袋状の部材からなる。アッパー本体30は、シェル10Aの内部空間SPに収容されている。アッパー本体30は、底部31と、当該底部31の周縁から上方に向けて連続して延びるように立設された壁部32とを含んでいる。
底部31は、一対の主面である内面31aおよび外面31bを有しており、壁部32は、一対の主面である内面32aおよび外面32bを有している。このうちのアッパー本体30の底部31の外面31bは、シェル10Aの底壁部11の内面11aに対向しており、アッパー本体30の壁部32の外面32bは、シェル10Aの周壁部12の内面12aに対向している。これにより、底部31は、シェル10Aの底壁部11の内面11aを覆っており、壁部32は、シェル10Aの周壁部12の内面12aを覆っている。
また、壁部32の上端には、上述した履き口33が設けられている。この履き口33は、中足部R2と後足部R3とに跨がって設けられている。
ソール本体20は、靴1Aのうちの着用者の足に接触する部分の一部を構成することで着用者の足の足裏を支持するものであり、弾性変形が可能な偏平な部材からなる(図4参照)。ソール本体20は、シェル10Aの内部空間SPに収容されており、さらにアッパー本体30の内部に収容されている。
ソール本体20は、一対の主面である上面21および下面22と、これらを接続する側面23とを有している。このうちのソール本体20の下面22は、アッパー本体30の底部31の内面31aに対向しており、ソール本体20の側面23は、アッパー本体30の壁部32の内面32aのうちの下端側の部分に対向している。これにより、ソール本体20は、アッパー本体30の底部31の内面31aと、アッパー本体30の壁部32の内面32aのうちの下端側の部分とを覆っている。
図3に示すように、シェル10Aの上述した内部空間SPは、下部側空間SP1と上部側空間SP2とに区画される。下部側空間SP1は、靴1Aの上下方向の下側部分に位置しており、上部側空間SP2は、靴1Aの上下方向の上側部分に位置している。
下部側空間SP1は、底壁部11と、当該底壁部11に隣接する部分の周壁部12(以下、周壁部12の当該部分を「第1部分」と称する)とによって規定された空間であり、この下部側空間SP1には、ソール本体20の全体と、アッパー本体30の下側部分(すなわち、底部31と、当該底部31に隣接する部分の壁部32)とが配置されている。
上部側空間SP2は、上記第1部分よりも上方に位置する部分の周壁部12(以下、周壁部12の当該部分を「第2部分」と称する)によって規定された空間であり、この上部側空間SP2には、アッパー本体30の上側部分(すなわち、底部31に隣接する部分の壁部32よりも上方に位置する部分の壁部32)が配置されている。
上述したように、アッパー本体30は、シェル10Aの内面11a,12aを覆うように内部空間SPに収容されており、さらにソール本体20は、アッパー本体30の底部31の内面31aおよびアッパー本体30の壁部32の内面32aのうちの下端側の部分を覆うように内部空間SPに収容されているため、シェル10Aの内部空間SPには、ソール本体20とアッパー本体30とによって規定される挿入空間SP3が形成されることになる。
この挿入空間SP3は、上述したように着用時において着用者の足が挿入される空間であり、より具体的には、挿入空間SP3は、ソール本体20の上面21と、アッパー本体30のうちのソール本体20によって覆われていない部分の壁部32の内面32a(すなわち、上述したシェル10Aの周壁部12の第2部分に対応する位置の壁部32の内面32a)とによって規定されている。なお、挿入空間SP3は、上述した内部空間SPのうちの上部側空間SP2に含まれる。
ここで、本実施の形態に係る靴1Aにあっては、アッパー本体30が、着用者の足の足首よりも末端側の部位をすべて覆う形状を有しているとともに、上部側空間SP2を形成する部分のシェル10Aが、着用者の足が挿入される履き口33に対応する部分以外の部分において、着用者の足の足裏を除く部位を全面的に覆っている。
したがって、着用者が靴1Aを着用した状態においては、着用者の足の足裏を除く部位(すなわち、足甲および踵の周面等)が、柔軟に変形が可能なアッパー本体30の壁部32の内面32aに接触することになるとともに、着用者の足の足裏が、弾性変形が可能なソール本体20の上面21に接触することになる。そのため、シェル10Aが着用者の足に直接的に接触することはなく、快適な履き心地が確保できることになる。
ただし、アッパー本体30およびソール本体20は、必ずしも全面的に着用者の足に接触する必要はなく、履き心地が損なわれない範囲において、これらアッパー本体30およびソール本体20に切り欠き形状または開口形状の欠除部が設けられてもよい。
本実施の形態に係る靴1Aにおいては、上述したように、シェル10Aによって当該靴1Aの最外殻が構成されており、特に、シェル10Aの底壁部11によってソール本体20の下面22が覆われることにより、靴1Aの上下方向の下方側に位置する最外面が、シェル10Aの底壁部11によって規定されている。これにより、当該靴1Aにおいては、その接地面がシェル10Aの底壁部11の外面11bによって構成されることになる。
そのため、このように構成することにより、従来の靴とは異なり、ソール本体20によって接地面が構成されることがないため、ソール本体20の材料選択の余地が格段に広がることになり、一般的なソールに要求される機能のうち、履き心地の改善やクッション性の確保といった点に照らして、ソール本体20の最適な材料選択を行なうことが可能になる。一方で、接地面に要求される耐摩耗性やグリップ性といった性能については、これをシェル10Aの材料選択またはこれに加えて形状選択等によって確保することができる。そのため、従来に比して部品点数が増加することもない。
したがって、本実施の形態に係る靴1Aとすることにより、ソール本体の材料選択の自由度を高めつつ部品点数の増加を抑制することができる靴とすることができる。
また、本実施の形態に係る靴1Aにおいては、上述したように、シェル10Aによって当該靴1Aの最外殻が構成されており、当該シェル10Aには、接地面を規定する底壁部11と、当該底壁部11の周縁から立設されるとともに着用者の足の足甲を覆う部分を含む周壁部12とが含まれている。このように構成することにより、靴の最外殻がソールおよびアッパーによって構成された従来の靴(すなわち、本実施の形態に係る靴1Aのシェル10Aのような部材を備えていない靴)に比べて、高性能化する利点もある。
すなわち、上述した従来の靴にあっては、通常、着用者の足の足甲を覆う部分を含むアッパーが織地や編地、不織布等のみによって構成されており、また、当該アッパーがソールに接着等によって接合された構成であるため、蹴り出し時に当該足甲を覆う部分のアッパーに印加された荷重が当該アッパーの側壁を介してソールに伝わるまでの伝達時間に遅れが生じ易く、特に走行時等において足に対する靴の追従性が劣ることになってしまう。
しかしながら、本実施の形態に係る靴1Aにあっては、着用者の足の足甲を覆う部分を含むシェル10Aの周壁部12が、後述するように樹脂製やゴム製の部材にて構成されており、しかもこれが織地や編地、不織布等に比較して硬質の材料にて構成されているため、また、足甲を覆う部分を含む周壁部12と接地面を規定する部分を含む底壁部11とが単一の部材からなるシェル10Aによって一体的に構成されているため、蹴り出し時における荷重伝達が速くなり、特に走行時等において足に対する靴の追従性が優れたものとなる。なお、このシェル10Aによる荷重伝達の方向を図3中において模式的に黒色矢印にて表わしており、これによってシェル10Aの底壁部11に加えられる荷重の方向を図3中において模式的に白抜き矢印にて表わしている。
したがって、本実施の形態に係る靴1Aとすることにより、ソール本体の材料選択の自由度を高めつつ部品点数の増加を抑制することができるばかりでなく、足に対する追従性に優れた靴とすることができる。
図4は、本実施の形態に係る靴の組付構造を説明するための分解斜視図である。次に、図4を参照して、本実施の形態に係る靴1Aの組付構造および組付方法について説明する。
図4に示すように、本実施の形態に係る靴1Aは、予め個別に製作されたシェル10Aとソール本体20とアッパー本体30とを相互に組付けることによって製造される。これらシェル10A、ソール本体20およびアッパー本体30は、どのような方法によって製作されてもよい。
具体的には、まず、アッパー本体30が、シェル10Aの内部空間SPに挿入される。ここで、アッパー本体30は、柔軟に変形が可能であるため、これをシェル10Aの上端に設けられた開口形状の挿入部13を介してシェル10Aの内部空間SPに挿入することができる。挿入されたアッパー本体30は、これがシェル10Aの内面11a,12aに沿うように配置される。また、アッパー本体30の履き口33の近傍は、これがシェル10Aの挿入部13から外部に露出した状態とされる。
次に、アッパー本体30が、シェル10Aに対して固定される。当該固定には、たとえば縫製や接着、溶着、クリップ留め、あるいは、アッパー本体30およびシェル10Aに設けられた係合部同士による係合等が利用できる。ただし、アッパー本体30が、シェル10Aの内部において容易には移動しない場合には、当該固定を行なわないこととしてもよい。
次に、ソール本体20が、シェル10Aの内部空間SP(より厳密には、シェル10Aの内部空間SPに配置された状態のアッパー本体30の内部)に挿入される。ここで、ソール本体20は、弾性変形が可能であるため、これをシェル10Aの上端に設けられた開口形状の挿入部13(より厳密には、アッパー本体30に設けられた履き口33)を介してシェル10Aの内部空間SPに挿入することができる。挿入されたソール本体20は、これがアッパー本体30の底部31の内面31aに沿うように配置される。
次に、ソール本体20が、アッパー本体30に対して固定される。当該固定には、たとえば縫製や接着、溶着、クリップ留め、あるいは、ソール本体20およびアッパー本体30に設けられた係合部同士による係合等が利用できる。ただし、ソール本体20が、アッパー本体30の内部において容易には移動しない場合には、当該固定を行なわないこととしてもよい。
以上の手順を経ることにより、シェル10A、ソール本体20およびアッパー本体30の相互の組付けが完了し、これにより上述した本実施の形態に係る靴1Aの製造が完了する。なお、上述した組付方法は、あくまでも例示に過ぎず、他の組付方法を採用してもよい。
このように、本実施の形態に係る靴1Aは、予め個別に製作されたシェル10Aとソール本体20とアッパー本体30とを相互に組付けるという非常に簡便な作業にてその製造が行なえるものであるため、従来に比してその製造が容易化する。また、シェル10Aとソール本体20とアッパー本体30とを相互に組付ける際に、煩雑な位置決め作業等も必要ない。
したがって、本実施の形態に係る靴1Aとすることにより、ソール本体の材料選択の自由度を高めつつ部品点数の増加を抑制することができるばかりでなく、従来に比して製造が容易に行なえる靴とすることができる。
ここで、シェル10Aは、可撓性を有していれば基本的にどのような材料によって構成されていてもよいが、適度な強度を有していることが好ましい。当該観点から、シェル10Aは、樹脂材料またはゴム材料にて構成されていることが好ましい。より具体的には、シェル10Aを樹脂製とする場合には、たとえばポリオレフィン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPA、TPAE)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)とすることができる。一方、シェル10Aをゴム製とする場合には、たとえばブタジエンゴムとすることができる。
シェル10Aは、ポリマー組成物にて構成することもできる。その場合にポリマー組成物に含有させるポリマーとしては、たとえばオレフィン系エラストマーやオレフィン系樹脂等のオレフィン系ポリマーが挙げられる。オレフィン系ポリマーとしては、たとえばポリエチレン(たとえば直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等)、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-1-ヘキセン共重合体、プロピレン-4-メチル-1-ペンテン共重合体、プロピレン-1-ブテン共重合体、エチレン-1-ヘキセン共重合体、エチレン-4-メチル-ペンテン共重合体、エチレン-1-ブテン共重合体、1-ブテン-1-ヘキセン共重合体、1-ブテン-4-メチル-ペンテン、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-メタクリル酸エチル共重合体、エチレン-メタクリル酸ブチル共重合体、エチレン-メチルアクリレート共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-ブチルアクリレート共重合体、プロピレン-メタクリル酸共重合体、プロピレン-メタクリル酸メチル共重合体、プロピレン-メタクリル酸エチル共重合体、プロピレン-メタクリル酸ブチル共重合体、プロピレン-メチルアクリレート共重合体、プロピレン-エチルアクリレート共重合体、プロピレン-ブチルアクリレート共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、プロピレン-酢酸ビニル共重合体のポリオレフィン等が挙げられる。
また、上記ポリマーは、たとえばアミド系エラストマーやアミド系樹脂等のアミド系ポリマーであってもよい。アミド系ポリマーとしては、たとえばポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド66、ポリアミド610等が挙げられる。
また、上記ポリマーは、たとえばエステル系エラストマーやエステル系樹脂等のエステル系ポリマーであってもよい。エステル系ポリマーとしては、たとえばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
また、上記ポリマーは、たとえばウレタン系エラストマーやウレタン系樹脂等のウレタン系ポリマーであってもよい。ウレタン系ポリマーとしては、たとえばポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン等が挙げられ、特にウレタンアクリレートが好適に使用できる。
また、上記ポリマーは、たとえばスチレン系エラストマーやスチレン系樹脂等のスチレン系ポリマーであってもよい。スチレン系エラストマーとしては、スチレン-エチレン-ブチレン共重合体(SEB)、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体(SBS)、SBSの水素添加物(スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン共重合体(SEBS))、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体(SIS)、SISの水素添加物(スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン共重合体(SEPS))、スチレン-イソブチレン-スチレン共重合体(SIBS)、スチレン-ブタジエン-スチレン-ブタジエン(SBSB)、スチレン-ブタジエン-スチレン-ブタジエン-スチレン(SBSBS)等が挙げられる。スチレン系樹脂としては、たとえばポリスチレン、アクリロニトリルスチレン樹脂(AS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS)等が挙げられる。
また、上記ポリマーは、たとえばポリメタクリル酸メチルなどのアクリル系ポリマー、ウレタン系アクリルポリマー、ポリエステル系アクリルポリマー、ポリエーテル系アクリルポリマー、ポリカーボネート系アクリルポリマー、エポキシ系アクリルポリマー、共役ジエン重合体系アクリルポリマーならびにその水素添加物、ウレタン系メタクリルポリマー、ポリエステル系メタクリルポリマー、ポリエーテル系メタクリルポリマー、ポリカーボネート系メタクリルポリマー、エポキシ系メタクリルポリマー、共役ジエン重合体系メタクリルポリマーならびにその水素添加物、ポリ塩化ビニル系樹脂、シリコーン系エラストマー、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレン(CR)、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等であってもよい。
一方、ソール本体20は、弾性変形が可能であれば基本的にどのような材料によって構成されていてもよいが、適度な強度を有しつつもクッション性に優れた部材にて構成されることが好ましい。当該観点から、ソール本体20としては、たとえば、主成分としての樹脂材料と、副成分としての発泡剤や架橋剤とを含む樹脂製の発泡材が用いられる。また、これに代えて、主成分としてのゴム材料と、副成分としての可塑剤や発泡剤、補強剤、架橋剤とを含むゴム製の発泡材を用いてもよい。
特に好適には、ソール本体20は、ポリオレフィン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPA、TPAE)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)等の発泡材にて構成することができる。なお、ソール本体20は、必ずしも発泡材で構成されている必要はなく、これを非発泡材にて構成することとしてもよい。
他方、アッパー本体30は、柔軟に変形が可能であれば基本的にどのような材料によって構成されていてもよいが、好ましくは、織地や編地、不織布、合成皮革、樹脂等が用いられる。特に、後述するように、熱収縮性を有する合成繊維の織地や編地、不織布等を用いることとすれば、着用者の足によりフィットするアッパー本体30とすることができる。なお、熱収縮性を有する合成繊維としては、たとえばポリエステル、ポリウレタン等を主成分とするものが挙げられる。
すなわち、アッパー本体30を熱収縮性を有する合成繊維の織地や編地、不織布等にて構成することとした場合には、これを予め袋状に形成し、その内部にラストを挿入した状態で加熱処理を行なうことにより、加熱によって熱収縮することでアッパー本体30がラストに密着した状態に形状変化を起こし、その変化後の形状が保持されることになる。したがって、着用者の足の形状に対応したラストを準備し、これを用いて上述したアッパー本体30の成形を行なえば、着用者の足にフィットしたアッパー本体30を製作することができる。さらには、上述したラストを用いての加熱処理をシェル10Aにアッパー本体を組み込んだ状態で行なえば、アッパー本体30がシェル10Aにもフィットすることになり、さらなるフィット性の向上を図ることもできる。
なお、上述したラストとしては、着用者の足のサイズに応じた標準的な形状のものを使用してもよいが、実際の着用者の足を計測することで得られる足の形状データに基づいて製作されたものが使用されれば、製造される靴1Aの着用者の足へのフィット性がより高められることになる。
ここで、シェル10Aの製作方法は、特にこれが制限されるものではないが、シェル10Aは、たとえば射出成形や注型成形、あるいは三次元積層造形装置を用いた造形によって製作することができる。特に、三次元積層造形装置を用いた造形によってシェル10Aを製作することとすれば、射出成形や注型成形では製作することが困難な多種多様な構造のシェル10Aを製作することができる。
図5は、本実施の形態に係る靴が具備するシェルの模式平面図であり、図6は、図5に示すシェルの部分断面図である。次に、これら図5および図6ならびに前述の図1ないし図4を参照して、本実施の形態に係る靴1Aが具備するシェル10Aの構造について詳説する。
図5および図6に示すように、シェル10Aは、曲成された網目状部材16aにて構成された基礎構造部16を有している。図1ないし図5に示すように、この基礎構造部16は、シェル10Aの底壁部11および周壁部12の全体(すなわち、シェル10Aの挿入部13を除く部分の全体)にわたって位置している。
これにより、底壁部11の内面11aおよび外面11bは、この網目状部材16aにて構成された基礎構造部16の一対の主面によって構成されており、周壁部12の内面12aおよび外面11bもまた、この網目状部材16aにて構成された基礎構造部16の一対の主面によって構成されている。なお、網目状部材16aは、その全体が曲成されている必要は必ずしもなく、その一部に曲成されていない部分が含まれていてもよい。
網目状部材16aは、互いに交差するように接続された複数のワイヤ要素16a1を含んでおり、これによりワイヤ要素16a1が交差することで形成された交点と、隣り合うワイヤ要素16a1の間に位置する孔部14とを有している。ここで、図6に示す断面は、このワイヤ要素16a1の交点を含む断面である。なお、シェル10Aにおいては、これら複数のワイヤ要素16a1が互いに直交するように格子状に配置されるとともに、これら複数のワイヤ要素16a1の各々が、靴1Aの前後方向ならびに左右方向に対して斜めに延在するように配置されている。
このように、シェル10Aに無数の孔部14が設けられることにより、当該シェル10Aの軽量化が図られるとともに、シェル10Aの内部空間SPに収容されたアッパー本体30が当該無数の孔部14を介して外部から視認可能に構成されることにより、その意匠性の向上が図られることになる。
このような構造を有するシェル10Aは、射出成形や注型成形によってもその製作が可能なものではあるが、特に、上述した三次元積層造形装置を用いた造形によって比較的容易にその製作が可能なものである。
(第1ないし第3変形例)
図7ないし図9は、それぞれ第1ないし第3変形例に係る靴が具備するシェルの斜視図である。次に、これら図7ないし図9を参照して、上述した実施の形態1に基づいた第1ないし第3変形例に係る靴について説明する。なお、第1ないし第3変形例に係る靴は、これら図7ないし図9において示すシェル10A1~10A3を、それぞれ上述した実施の形態1に係る靴1Aが具備するシェル10Aに代えて具備するものであり、その他の構成については、上述した実施の形態1と同様である。
図7に示すように、第1変形例に係る靴が具備するシェル10A1は、上述した実施の形態1に係る靴1Aが具備するシェル10Aと比較した場合に、基礎構造部16としての網目状部材16aの密度が異なっているものである。すなわち、シェル10A1にあっては、隣り合うワイヤ要素16a1間の距離がシェル10Aに比して大きく構成されており、これによりシェル10Aよりもその密度が小さく構成されている。
図8に示すように、第2変形例に係る靴が具備するシェル10A2は、上述した実施の形態1に係る靴1Aが具備するシェル10Aと比較した場合に、基礎構造部16としての網目状部材16aに含まれる複数のワイヤ要素16a1の延在方向が異なっているものである。すなわち、シェル10A2にあっては、これら複数のワイヤ要素16a1が互いに直交するように格子状に配置されるとともに、これら複数のワイヤ要素16a1の各々が、靴1Aの前後方向および左右方向のいずれかに平行に延在するように配置されている。
図9に示すように、第3変形例に係る靴が具備するシェル10A3は、上述した第2変形例に係る靴が具備するシェル10A2と比較した場合に、基礎構造部16としての網目状部材16aの密度が異なっているものである。すなわち、シェル10A3にあっては、隣り合うワイヤ要素16a1間の距離がシェル10A2に比して大きく構成されており、これによりシェル10A2よりもその密度が小さく構成されている。
また、図7ないし図9に示すように、第1ないし第3変形例に係る靴が具備するシェル10A1~10A3にあっては、複数のワイヤ要素16a1の太さが、部位毎に異なるように構成されている。具体的には、これらシェル10A1~10A3にあっては、前足部R1の前端寄りの部分や、前足部R1の内足側の縁部、前足部R1の外足側の縁部、中足部R2の内足側の縁部、中足部R2の外足側の縁部、後足部R3(特に、着用者の足の踵の周面を覆う部分)等において、複数のワイヤ要素16a1の太さが、他の部分に比較して太くなるように構成されている。
このように、基礎構造部16としての網目状部材16aのワイヤ要素16a1の太さをシェル10A1~10A3の部位毎に変化させた場合には、これらシェル10A1~10A3の剛性を部位毎に変化させることが可能になり、フィット性の向上や荷重伝達の程度の調整、保形強度の調整、耐久性の向上等が可能になり、靴の用途に応じてこれらを調整することにより、高性能の靴とすることができる。
(実施の形態2)
図10は、実施の形態2に係る靴が具備するシェルの斜視図であり、図11は、図10に示すシェルの模式平面図である。まず、これら図10および図11を参照して、本実施の形態に係る靴について説明する。なお、本実施の形態に係る靴は、図10および図11において示すシェル10Bを、上述した実施の形態1に係る靴1Aが具備するシェル10Aに代えて具備するものであり、その他の構成については、上述した実施の形態1と同様である。
図10および図11に示すように、本実施の形態に係る靴が具備するシェル10Bは、上述した実施の形態1におけるシェル10Aと同様に、底壁部11と周壁部12とを備えており、周壁部12の上端には、開口形状の挿入部13を有している。シェル10Bの底壁部11および周壁部12は、基礎構造部16としての網目状部材16aにて構成されており、これに伴い、これら部分のシェル10Bには、無数の孔部14が形成されている。
シェル10Bにあっては、上部側空間SP2を形成する部分の周壁部12のうち、着用者の足の足甲を覆う部分と、着用者の足の踵の周面を覆う部分と、着用者の足が挿入される履き口33に隣接する部分とが、いずれも多層構造部A2として構成されており、上部側空間SP2を形成する部分の周壁部12のその余の部分と、下部側空間SP1を形成する部分の底壁部11および周壁部12とが、いずれも単層構造部A1として構成されている。
ここで、図11においては、理解を容易とするために、これら単層構造部A1と多層構造部A2との境界部を破線にて示している。なお、シェル10Bにおいては、これら多層構造部A2のうち、着用者の足の踵の周面を覆う部分と、着用者の足が挿入される履き口33に隣接する部分とは、相互に連続するように設けられている。
図12(A)は、図10に示すシェルの部分断面図であり、図12(B)は、図10に示すシェルの他の構成例を説明するための部分断面図である。次に、これら図12(A)および図12(B)を参照して、シェル10Bの多層構造部A2の構成について詳説する。
図12(A)に示すように、シェル10Bにあっては、多層構造部A2に含まれる各層が、上述したようにいずれも基礎構造部16としての網目状部材16aによって構成されている。具体的には、多層構造部A2においては、単層構造部A1と多層構造部A2との境界部を基点に基礎構造部16が分岐するように構成されており、これにより、周壁部12の厚み方向に沿って2層の基礎構造部16が積層配置されている。
さらに、これら2層の基礎構造部16からなる多層構造部A2においては、2層の基礎構造部16に含まれるワイヤ要素16a1の交点の各々が、互いに対向するように配置されており、これら対向配置された交点同士が、連結部16a2によって連結されている。この連結部16a2は、基礎構造部16に比較して変形が生じ易い易変形部として機能することになる。
そのため、このように構成することにより、多層構造部A2が設けられた部分においては、連結部16a2が変形することにより、多層構造部A2が周壁部12の厚み方向に沿って圧縮変形し易くなる。そのため、この多層構造部A2を、相対的に着圧が上昇し易い部分である、上述した着用者の足の足甲を覆う部分と、着用者の足の踵の周面を覆う部分と、着用者の足が挿入される履き口33に隣接する部分とに設けることにより、履き心地を向上させることができる。
また、このように構成することにより、多層構造部A2が設けられた部分における周壁部12の厚みが全体として増すことになり、これによって当該多層構造部A2が設けられた部分において、周壁部12が補強されることにもなる。
したがって、本実施の形態に係る靴とすることにより、上述した実施の形態1において説明した効果に加え、履き心地が向上する効果ならびに補強効果をさらに得ることが可能になる。このような構造を有するシェル10Bは、特に、上述した三次元積層造形装置を用いた造形によって比較的容易にその製作が可能なものである。
なお、多層構造部A2は、必ずしも上述した3箇所のすべてに設けられている必要はなく、これらのうちのいずれかに設けることで履き心地の改善を図ることができる。また、多層構造部A2は、必ずしも2層の基礎構造部16にて構成されている必要はなく、3層以上の基礎構造部16によって構成されていてもよい。さらには、多層構造部A2は、靴の用途に応じて履き心地の向上や補強の観点から上述した3箇所以外の部分に設けられていてもよく、また、場合によっては、底壁部11および周壁部12の全体が多層構造部A2によって構成されていてもよい。
一方、図12(B)に示す他の構成例に係るシェル10B’にあっては、上述した連結部16a2が設けられておらず、多層構造部A2が、積層配置された2層の基礎構造部16のみによって構成されている。このように構成した場合には、上述した実施の形態1において説明した効果に加え、補強効果をさらに得ることが可能になる。
(実施の形態3)
図13は、実施の形態3に係る靴が具備するシェルの斜視図であり、図14は、図13に示すシェルの模式底面図である。まず、これら図13および図14を参照して、本実施の形態に係る靴について説明する。なお、本実施の形態に係る靴は、図13および図14において示すシェル10Cを、上述した実施の形態1に係る靴1Aが具備するシェル10Aに代えて具備するものであり、その他の構成については、上述した実施の形態1と同様である。
図13および図14に示すように、本実施の形態に係る靴が具備するシェル10Cは、上述した実施の形態1におけるシェル10Aと同様に、底壁部11と周壁部12とを備えており、周壁部12の上端には、開口形状の挿入部13を有している。シェル10Cの底壁部11および周壁部12は、基礎構造部16としての網目状部材16aにて構成されており、これに伴い、これら部分のシェル10Cには、無数の孔部14が形成されている。
シェル10Cにあっては、底壁部11が、多層構造部A2として構成されており、周壁部12が、単層構造部A1として構成されている。ここで、図14においては、理解を容易とするために、これら単層構造部A1と多層構造部A2との境界部を破線にて示している。
図15(A)は、図13に示すシェルの部分断面図であり、図15(B)は、図13に示すシェルの他の構成例を説明するための部分断面図である。次に、これら図15(A)および図15(B)を参照して、シェル10Cの多層構造部A2の構成について詳説する。
図15(A)に示すように、シェル10Cにあっては、多層構造部A2に含まれる各層が、上述したようにいずれも基礎構造部16としての網目状部材16aによって構成されている。具体的には、多層構造部A2においては、単層構造部A1と多層構造部A2との境界部を基点に基礎構造部16が分岐するように構成されており、これにより、底壁部11の厚み方向に沿って2層の基礎構造部16が積層配置されている。
さらに、これら2層の基礎構造部16からなる多層構造部A2においては、2層の基礎構造部16に含まれるワイヤ要素16a1の交点の各々が、互いに対向するように配置されており、これら対向配置された交点同士が、連結部16a2によって連結されている。この連結部16a2は、基礎構造部16に比較して変形が生じ易い易変形部として機能することになる。
そのため、このように構成することにより、多層構造部A2が設けられた部分においては、連結部16a2が変形することにより、多層構造部A2が底壁部11の厚み方向に沿って圧縮変形し易くなる。そのため、この多層構造部A2を底壁部11に設けることにより、クッション性を向上させることができる。
また、このように構成することにより、多層構造部A2が設けられた部分における底壁部11の厚みが全体として増すことになり、これによって当該多層構造部A2が設けられた部分において、底壁部11が補強されることにもなる。
したがって、本実施の形態に係る靴とすることにより、上述した実施の形態1において説明した効果に加え、クッション性が向上する効果ならびに補強効果をさらに得ることが可能になる。このような構造を有するシェル10Cは、特に、上述した三次元積層造形装置を用いた造形によって比較的容易にその製作が可能なものである。
なお、多層構造部A2は、必ずしも2層の基礎構造部16にて構成されている必要はなく、3層以上の基礎構造部16によって構成されていてもよい。
一方、図15(B)に示す他の構成例に係るシェル10C’にあっては、多層構造部A2を構成する2層の基礎構造部16のうち、接地面である底壁部11の外面11bを規定する基礎構造部16の厚みが、内部空間SPを規定する基礎構造部16の厚みよりも厚く構成されている。このように構成した場合には、底壁部11の全体としての厚みが増すことになり、補強効果ならびに耐久性が向上する効果をさらに得ることが可能になる。
(実施の形態4)
図16は、実施の形態4に係る靴が具備するシェルの斜視図であり、図17は、図16に示すシェルの部分断面図である。以下、これら図16および図17を参照して、本実施の形態に係る靴について説明する。なお、本実施の形態に係る靴は、図16および図17において示すシェル10Dを、上述した実施の形態1に係る靴1Aが具備するシェル10Aに代えて具備するものであり、その他の構成については、上述した実施の形態1と同様である。
図16および図17に示すように、本実施の形態に係る靴が具備するシェル10Dは、上述した実施の形態1におけるシェル10Aと同様に、底壁部11と周壁部12とを備えており、周壁部12の上端には、開口形状の挿入部13を有している。シェル10Dの底壁部11および周壁部12は、基礎構造部16としての網目状部材16aにて構成されており、これに伴い、これら部分のシェル10Dには、無数の孔部14が形成されている。
シェル10Dにあっては、底壁部11が、多層構造部A2として構成されており、周壁部12が、単層構造部A1として構成されている。ここで、単層構造部A1と多層構造部A2との境界部である底壁部11と周壁部12との境目には、基礎構造部16を構成するワイヤ要素16a1よりも太いワイヤ状の枠状部15が設けられている。
図17に示すように、シェル10Dにあっては、多層構造部A2に含まれる各層が、上述したようにいずれも基礎構造部16としての網目状部材16aによって構成されている。具体的には、多層構造部A2においては、単層構造部A1と多層構造部A2との境界部である枠状部15を基点に基礎構造部16が分岐するように構成されており、これにより、底壁部11の厚み方向に沿って2層の基礎構造部16が積層配置されている。
さらに、これら2層の基礎構造部16からなる多層構造部A2においては、積層配置された基礎構造部16に含まれるワイヤ要素16a1の交点同士が、連結部16a2によって連結されている。ここで、連結部16a2は、必ずしも底壁部11の厚み方向に沿って延在しておらず、当該厚み方向と交差するようにランダムに延在している。この連結部16a2は、基礎構造部16に比較して変形が生じ易い易変形部として機能することになる。
なお、図17においては、作図の都合上、複数の連結部16a2のいずれもが、当該図17にて示す断面と平行な方向に沿ってのみ延在しているように図示されているが、複数の連結部16a2は、底壁部11の厚み方向に沿ってこれらを見た場合にも、様々な方向へと延在するように形成されている。
このように構成した場合にも、多層構造部A2が設けられた部分においては、連結部16a2が変形することにより、多層構造部A2が底壁部11の厚み方向に沿って圧縮変形し易くなる。そのため、この多層構造部A2を底壁部11に設けることにより、クッション性を向上させることができる。
また、このように構成することにより、多層構造部A2が設けられた部分における底壁部11の厚みが全体として増すことになり、これによって当該多層構造部A2が設けられた部分において、底壁部11が補強されることにもなる。
したがって、本実施の形態に係る靴とすることにより、上述した実施の形態1において説明した効果に加え、クッション性が向上する効果ならびに補強効果をさらに得ることが可能になる。このような構造を有するシェル10Dは、特に、上述した三次元積層造形装置を用いた造形によって比較的容易にその製作が可能なものである。
なお、多層構造部A2は、必ずしも2層の基礎構造部16にて構成されている必要はなく、3層以上の基礎構造部16によって構成されていてもよい。
(実施の形態5)
図18は、実施の形態5に係る靴が具備するシェルの部分断面図であり、図19は、図18に示すシェルの一部を破断した状態における模式底面図である。以下、これら図18および図19を参照して、本実施の形態に係る靴について説明する。なお、本実施の形態に係る靴は、図18および図19において示すシェル10Eを、上述した実施の形態1に係る靴1Aが具備するシェル10Aに代えて具備するものであり、その他の構成については、上述した実施の形態1と同様である。
図18に示すように、本実施の形態に係る靴が具備するシェル10Eは、上述した実施の形態1におけるシェル10Aと同様に、底壁部11と周壁部12とを備えており、図18においては現われていないが、周壁部12の上端には、開口形状の挿入部13を有している。シェル10Eの底壁部11および周壁部12は、基礎構造部16としての網目状部材16aにて構成されており、これに伴い、これら部分のシェル10Eには、無数の孔部14が形成されている。
シェル10Eにあっては、底壁部11が、多層構造部A2として構成されており、周壁部12が、単層構造部A1として構成されている。ここで、単層構造部A1と多層構造部A2との境界部である底壁部11と周壁部12との境目には、基礎構造部16を構成するワイヤ要素16a1よりも太いワイヤ状の枠状部15が設けられている。
図18に示すように、シェル10Eにあっては、多層構造部A2に含まれる各層が、上述したようにいずれも基礎構造部16としての網目状部材16aによって構成されている。具体的には、多層構造部A2においては、単層構造部A1と多層構造部A2との境界部である枠状部15を基点に基礎構造部16が分岐するように構成されており、これにより、底壁部11の厚み方向に沿って3層の基礎構造部16が積層配置されている。
ここで、3層の基礎構造部16のうち、接地面である底壁部11の外面11bを規定する基礎構造部16と、内部空間SPを規定する基礎構造部16とは、これらに含まれる複数のワイヤ要素16a1が互いに直交するように格子状に配置されたものである。
その一方、図19に示すように、これら2つの基礎構造部16の間に配置された中間層としての基礎構造部16は、ワイヤ要素16a3がボロノイ状に張り巡らされた形状を有している。なお、図19においては、理解を容易とするために、底壁部11のうち、接地面である底壁部11の外面11bを規定する基礎構造部16と、内部空間SPを規定する基礎構造部16との図示を省略するとともに、単層構造部A1と多層構造部A2との境界部を破線にて示している。
このボロノイ状に張り巡らされたワイヤ要素16a3からなる中間層としての基礎構造部16は、他の基礎構造部16に比べて網目の大きさが大きくなるように構成されている。このように構成することにより、当該中間層としての基礎構造部16は、他の基礎構造部16に比較して変形が生じ易い易変形部として機能することになる。
さらに、図18に示すように、これら3層の基礎構造部16からなる多層構造部A2においては、隣り合う2層の基礎構造部16に含まれるワイヤ要素16a1,16a3の交点の一部が、互いに対向するように配置されており、これら対向配置された交点同士が、連結部16a2によって連結されている。この連結部16a2は、基礎構造部16に比較して変形が生じ易い易変形部として機能することになる。
そのため、このように構成することにより、多層構造部A2が設けられた部分においては、中間層としての基礎構造部16および連結部16a2が変形することにより、多層構造部A2が底壁部11の厚み方向に沿って圧縮変形し易くなる。そのため、この多層構造部A2を底壁部11に設けることにより、クッション性を向上させることができる。
また、このように構成することにより、多層構造部A2が設けられた部分における底壁部11の厚みが全体として増すことになり、これによって当該多層構造部A2が設けられた部分において、底壁部11が補強されることにもなる。
したがって、本実施の形態に係る靴とすることにより、上述した実施の形態1において説明した効果に加え、クッション性が向上する効果ならびに補強効果をさらに得ることが可能になる。このような構造を有するシェル10Eは、特に、上述した三次元積層造形装置を用いた造形によって比較的容易にその製作が可能なものである。
なお、中間層としての基礎構造部16は、必ずしもこれが1層である必要はなく、2層以上設けられてもよい。また、中間層においては、必ずしも上述したようにワイヤ要素16a3をボロノイ状に張り巡らせる必要はなく、これをトラス状、格子状、ハニカム状等に張り巡らせてもよい。
(実施の形態6)
図20は、実施の形態6に係る靴が具備するシェルの部分断面図である。以下、この図20を参照して、本実施の形態に係る靴について説明する。なお、本実施の形態に係る靴は、図20において示すシェル10Fを、上述した実施の形態1に係る靴1Aが具備するシェル10Aに代えて具備するものであり、その他の構成については、上述した実施の形態1と同様である。
図20に示すように、本実施の形態に係る靴が具備するシェル10Fは、上述した実施の形態1におけるシェル10Aと同様に、底壁部11と周壁部12とを備えており、図20においては現われていないが、周壁部12の上端には、開口形状の挿入部13を有している。シェル10Fの底壁部11および周壁部12は、基礎構造部16としての網目状部材16aにて構成されており、これに伴い、これら部分のシェル10Fには、無数の孔部14が形成されている。
シェル10Fにあっては、底壁部11が、多層構造部A2として構成されており、周壁部12が、単層構造部A1として構成されている。ここで、単層構造部A1と多層構造部A2との境界部である底壁部11と周壁部12との境目には、基礎構造部16を構成するワイヤ要素16a1よりも太いワイヤ状の枠状部15が設けられている。
多層構造部A2においては、単層構造部A1と多層構造部A2との境界部である枠状部15を基点に基礎構造部16が分岐するように構成されており、これにより、底壁部11の厚み方向に沿って2層の基礎構造部16が積層配置されるとともに、さらに、これら2層の基礎構造部16の間を埋め込むように、プレート状の埋め込み層16a4が設けられている。この埋め込み層16a4は、2層の基礎構造部16に含まれるワイヤ要素16a1の各々と一体化している。
このように構成した場合には、多層構造部A2が設けられた部分における底壁部11の厚みが全体として増すことになり、これによって当該多層構造部A2が設けられた部分において、底壁部11が補強されることになる。さらには、上記のように構成することにより、2層の基礎構造部16に設けられた孔部14がいずれもプレート状の埋め込み層16a4によって閉塞されることにもなり、底壁部11の全体としての剛性が大幅に増すことにもなる。
したがって、本実施の形態に係る靴とすることにより、上述した実施の形態1において説明した効果に加え、補強効果をさらに得ることが可能になる。このような構造を有するシェル10Fは、射出成形や注型成形によってもその製作が可能なものではあるが、特に、上述した三次元積層造形装置を用いた造形によって比較的容易にその製作が可能なものである。
(実施の形態7)
図21は、実施の形態7に係る靴が具備するシェルの部分断面図である。以下、この図21を参照して、本実施の形態に係る靴について説明する。なお、本実施の形態に係る靴は、図21において示すシェル10Gを、上述した実施の形態1に係る靴1Aが具備するシェル10Aに代えて具備するものであり、その他の構成については、上述した実施の形態1と同様である。
図21に示すように、本実施の形態に係る靴が具備するシェル10Gは、上述した実施の形態1におけるシェル10Aと同様に、底壁部11と周壁部12とを備えており、図21においては現われていないが、周壁部12の上端には、開口形状の挿入部13を有している。シェル10Gの周壁部12は、基礎構造部16としての網目状部材16aにて構成されており、これに伴い、当該部分のシェル10Gには、無数の孔部14が形成されている。その一方、シェル10Gの底壁部11は、基礎構造部16としてのプレート状部材16bにて構成されており、これに伴い、当該部分のシェル10Gには、孔部14は形成されていない。
このように構成した場合には、底壁部11が、孔部が形成されていないプレート状部材16bにて構成されているため、底壁部11の剛性が大幅に増すことになる。
したがって、本実施の形態に係る靴とすることにより、上述した実施の形態1において説明した効果に加え、底壁部11の強度を高めることが可能になる。このような構造を有するシェル10Gは、射出成形や注型成形によってもその製作が可能なものではあるが、特に、上述した三次元積層造形装置を用いた造形によって比較的容易にその製作が可能なものである。
(実施の形態8)
図22は、実施の形態8に係る靴が具備するシェルの斜視図である。また、図23(A)は、図22に示すシェルの単層構造部の部分断面図であり、図23(B)は、図22に示すシェルの多層構造部の部分断面図である。以下、これら図22および図23を参照して、本実施の形態に係る靴について説明する。なお、本実施の形態に係る靴は、図22および図23において示すシェル10Hを、上述した実施の形態1に係る靴1Aが具備するシェル10Aに代えて具備するものであり、その他の構成については、上述した実施の形態1と同様である。
図22および図23に示すように、本実施の形態に係る靴が具備するシェル10Hは、上述した実施の形態1におけるシェル10Aと同様に、底壁部11と周壁部12とを備えており、周壁部12の上端には、開口形状の挿入部13を有している。シェル10Hの底壁部11および周壁部12は、基礎構造部16としての網目状部材16aにて構成されており、これに伴い、これら部分のシェル10Hには、無数の孔部14が形成されている。
シェル10Hにあっては、上部側空間SP2を形成する部分の周壁部12のうち、着用者の足の足甲を覆う部分と、着用者の足の踵の周面を覆う部分と、着用者の足が挿入される履き口33に隣接する部分とが、いずれも多層構造部A2として構成されており、上部側空間SP2を形成する部分の周壁部12のその余の部分と、下部側空間SP1を形成する部分の底壁部11および周壁部12とが、いずれも単層構造部A1として構成されている。なお、これら単層構造部A1および多層構造部A2の構成は、基本的に上述した実施の形態2に係る靴が具備するシェル10Bと同様である。
シェル10Hにあっては、周壁部12が、基礎構造部16に加え、意匠部17が含まれるように構成されている。意匠部17は、当該シェル10Hを具備する靴の意匠性を向上させるために設けられたものであり、外部から視認可能となるようにシェル10Hに形成されている。なお、当該シェル10Hにおいては、蛇行状に延びるように張り巡らされた曲線のモチーフが、意匠部17として設けられている。
図23(A)に示すように、単層構造部A1においては、意匠部17が設けられたデザイン領域B2において、基礎構造部16の表面のうちの一部(すなわち、周壁部12の外面12b)を覆うように意匠部17が設けられている。当該意匠部17は、基礎構造部16に含まれるワイヤ要素16a1の各々と一体化している。一方、意匠部17が設けられていない非デザイン領域B1においては、基礎構造部16のみが位置している。
図23(B)に示すように、多層構造部A2においては、意匠部17が設けられたデザイン領域B2において、2層の基礎構造部16のうち、周壁部12の外面12bを規定する方の基礎構造部16の表面の一部を覆うように意匠部17が設けられている。当該意匠部17は、周壁部12の外面12bを規定する方の基礎構造部16に含まれるワイヤ要素16a1の各々と一体化している。一方、意匠部17が設けられていない非デザイン領域B1においては、2層の基礎構造部16のみが位置している。
このように構成した場合には、当該シェル10Hを具備する靴の意匠性が向上することになる。また、意匠部17が設けられた部分においては、当該意匠部17によって補強効果が発揮されることにもなる。
したがって、本実施の形態に係る靴とすることにより、上述した実施の形態1において説明した効果に加え、美観に優れた靴とすることができる効果ならびに補強効果をさらに得ることが可能になる。このような構造を有するシェル10Hは、特に、上述した三次元積層造形装置を用いた造形によって比較的容易にその製作が可能なものである。
図24(A)は、図22に示すシェルの他の構成例における単層構造部の部分断面図であり、図24(B)は、図22に示すシェルの他の構成例における多層構造部の部分断面図である。以下、この図24を参照して、図22に示すシェルの他の構成例について説明する。
図24に示すように、他の構成例に係るシェル10H’にあっては、意匠部17が、基礎構造部16の表面の一部のみではなく、これを完全に覆うように設けられている。すなわち、図24(A)に示すように、単層構造部A1においては、意匠部17が設けられたデザイン領域B2において、意匠部17により、基礎構造部16に含まれるワイヤ要素16a1が完全に埋め込まれており、図24(B)に示すように、多層構造部A2においては、意匠部17が設けられたデザイン領域B2において、意匠部17により、2層の基礎構造部16のうち、周壁部12の外面12bを規定する方の基礎構造部16に含まれるワイヤ要素16a1が完全に埋め込まれている。
このように構成した場合にも、上述した実施の形態1において説明した効果に加え、美観に優れた靴とすることができる効果ならびに補強効果をさらに得ることが可能になる。
(第4および第5変形例)
図25および図26は、それぞれ第4および第5変形例に係る靴が具備するシェルの斜視図である。次に、これら図25および図26を参照して、上述した実施の形態8に基づいた第4および第5変形例に係る靴について説明する。なお、第4および第5変形例に係る靴は、これら図25および図26において示すシェル10H1,10H2を、それぞれ上述した実施の形態1に係る靴1Aが具備するシェル10Aに代えて具備するものであり、その他の構成については、上述した実施の形態1と同様である。
図25に示すように、第4変形例に係る靴が具備するシェル10H1は、上述した実施の形態8に係る靴が具備するシェル10Hと比較した場合に、意匠部17のモチーフが異なっている。すなわち、シェル10H1においては、樹木の枝のように分岐して延びる曲線または直線のモチーフが、意匠部17として設けられている。
図26に示すように、第5変形例に係る靴が具備するシェル10H2は、上述した実施の形態8に係る靴が具備するシェル10Hと比較した場合に、意匠部17のモチーフが異なっている。すなわち、シェル10H2においては、迷路状に分岐して延びる曲線または直線のモチーフが、意匠部17として設けられている。
このように、意匠部17としてのモチーフは、種々変更が可能であり、またこの他にも、ロゴや各種の図形等、様々なデザインの意匠部17とすることもできる。
(実施の形態9)
図27は、実施の形態9に係る靴が具備するシェルの斜視図である。以下、この図27を参照して、本実施の形態に係る靴について説明する。なお、本実施の形態に係る靴は、図27において示すシェル10Iを、上述した実施の形態1に係る靴1Aが具備するシェル10Aに代えて具備するものであり、その他の構成については、上述した実施の形態1と同様である。
図27に示すように、本実施の形態に係る靴が具備するシェル10Iは、上述した実施の形態1におけるシェル10Aと同様に、底壁部11と周壁部12とを備えており、周壁部12の上端には、開口形状の挿入部13を有している。シェル10Iの底壁部11および周壁部12は、基礎構造部16としての網目状部材16aにて構成されており、これに伴い、これら部分のシェル10Iには、無数の孔部14が形成されている。
シェル10Iにあっては、底壁部11の略中央部(すなわち、着用者の足の踏まず部に対応する部分)に、開口部11cが設けられている。このようにシェル10Iに開口部11cを設けた場合には、孔部14が設けられた部分に比べ、当該開口部11cが設けられた部分においてソール本体20の下面22を相対的に広い面積で露出させることが可能になる。
そのため、当該露出する部分のソール本体20の下面22に、各種のロゴや靴のサイズといった各種の表示を設けることにより、これを外部から視認できるようにすることができる。
したがって、本実施の形態に係る靴とすることにより、上述した実施の形態1において説明した効果に加え、各種の表示を靴の底面に容易に設けることが可能になる。このような構造を有するシェル10Iは、射出成形や注型成形によってもその製作が可能なものではあるが、特に、上述した三次元積層造形装置を用いた造形によって比較的容易にその製作が可能なものである。
なお、開口部を設ける位置や数、大きさ、その形状等は、特にこれが制限されるものではなく、適宜変更が可能である。特に、開口部をシェルの底壁部に設ける必要は必ずしもなく、これをシェルの周壁部に設けることとしてもよい。
(実施の形態10)
図28は、実施の形態10に係る靴が具備するシェルの一部破断斜視図である。以下、この図28を参照して、本実施の形態に係る靴について説明する。なお、本実施の形態に係る靴は、図28において示すシェル10Jを、上述した実施の形態1に係る靴1Aが具備するシェル10Aに代えて具備するものであり、その他の構成については、上述した実施の形態1と同様である。
図28に示すように、本実施の形態に係る靴が具備するシェル10Jは、上述した実施の形態1におけるシェル10Aと同様に、底壁部11と周壁部12とを備えており、周壁部12の上端には、開口形状の挿入部13を有している。シェル10Jの底壁部11および周壁部12は、基礎構造部16としての網目状部材16aにて構成されており、これに伴い、これら部分のシェル10Jには、無数の孔部14が形成されている。
シェル10Jにあっては、前足部R1に対応する部分の底壁部11の略中央部と、後足部R3に対応する部分の底壁部11の前方寄りの略中央部に、突起部11dが設けられている。この突起部11dは、内部空間SP側に向けて底壁部11の内面11aから突出するように設けられている。
突起部11dは、シェル10Jにソール本体20を組付ける際のガイドとなるとともに、組付け後において、シェル10Jに対してソール本体20が位置ずれを起こさないようにするためのものであり、ソール本体20には、当該突起部11dに対応した凹部(不図示)が設けられる。
このように、本実施の形態に係る靴とすることにより、上述した実施の形態1において説明した効果に加え、製造時における組付作業が容易化する効果ならびに組付け後のソール本体20の位置ずれを防止することができる効果とをさらに得ることが可能になる。このような構造を有するシェル10Jは、射出成形や注型成形によってもその製作が可能なものではあるが、特に、上述した三次元積層造形装置を用いた造形によって比較的容易にその製作が可能なものである。
なお、突起部を設ける位置や数、大きさ、その形状等は、特にこれが制限されるものではなく、適宜変更が可能である。また、突起部は、必ずしもシェルの底壁部に設ける必要はなく、ソール本体に対向する部分の周壁部である、上述した第1部分にこれを設けることとしてもよい。
(実施の形態11)
図29は、実施の形態11に係る靴が具備するシェルの分解斜視図である。以下、この図29を参照して、本実施の形態に係る靴について説明する。なお、本実施の形態に係る靴は、図29において示すシェル10Kを、上述した実施の形態1に係る靴1Aが具備するシェル10Aに代えて具備するものであり、その他の構成については、上述した実施の形態1と同様である。
図29に示すように、本実施の形態に係る靴が具備するシェル10Kは、複数の部材としての第1シェル部18および第2シェル部19が組み合わされることで構成される。第1シェル部18は、前足部R1に対応する部分と中足部R2の前側略半分に対応する部分とを含んでおり、第2シェル部19は、中足部R2の後側略半分に対応する部分と後足部R3に対応する部分とを含んでいる。これにより、シェル10Kは、前後方向の略中央部において2分割されている。
第1シェル部18および第2シェル部19は、それぞれ底壁部11と周壁部12とを備えており、第2シェル部19は、その周壁部12の上端に開口形状の挿入部13を有している。これら第1シェル部18および第2シェル部19の底壁部11および周壁部12は、基礎構造部16としての網目状部材16aにて構成されており、これに伴い、当該部分の第1シェル部18および第2シェル部19には、無数の孔部14が形成されている。
第1シェル部18の後端部には、接合部18aが設けられており、当該接合部18aは、枠状部18bと、当該枠状部18bの後端面に設けられた凸部18cとを含んでいる。一方、第2シェル部19の前端部には、接合部19aが設けられており、当該接合部19aは、枠状部19bと、当該枠状部19bの前端面に設けられた凹部19cとを含んでいる。
第1シェル部18および第2シェル部19は、これらに設けられた接合部18a,19a同士が互いに接合されることで組み付けられる。具体的には、第1シェル部18に設けられた接合部18aの後端面と第2シェル部19に設けられ接合部19aの前端面とが突き合わされるとともに、第1シェル部18に設けられた凸部18cが、第2シェル部19に設けられた凹部19cに嵌合されることにより、第1シェル部18と第2シェル部19とが組付けられる。
なお、凸部18cおよび凹部19cによる嵌合のみでは十分な接合力が得られない場合には、これに加えて接着、溶着、クリップ留め、あるいは、第1シェル部18および第2シェル部19に設けられた係合部(スナップフィット構造等)同士による係合等を利用してもよい。
このように構成した場合にも、上述した実施の形態1において説明した効果と同様の効果を得ることができる。このような構造を有するシェル10Kは、射出成形や注型成形によってもその製作が可能なものではあるが、特に、上述した三次元積層造形装置を用いた造形によって比較的容易にその製作が可能なものである。
ここで、シェルを上述した三次元積層造形装置を用いた造形によって製作する場合には、本実施の形態のようにシェルを複数の部材にて構成することが、有利に働く場合がある。すなわち、三次元積層造形装置を用いた造形は、造形物のサイズに制約がある場合が多く、また造形物のサイズが大きくなるにつれて、その製作に要する時間も長くなる。そのため、シェルを複数の部材を組み合わせることで構成することにより、上述したサイズの制約を受け難くなり、さらにはこれら複数の部材を同時並行的に製作することにより、短時間のうちにシェルを製作することが可能になる。
したがって、本実施の形態に係る靴とすることにより、上述した実施の形態1において説明した効果に加え、製造が容易化する効果をさらに得ることもできる。なお、本実施の形態においては、第1シェル部18に設けられた接合部18aおよび第2シェル部19に設けられた接合部19aが、これらの周壁部12から外側に向けてフランジ状に突出した部分を含んでいるが、これを周壁部12の外面12bに連続するように構成することにより、接合部18a,19aを目立たなくさせることも可能である。
(第6変形例)
図30は、第6変形例に係る靴が具備するシェルの分解斜視図である。次に、この図30を参照して、上述した実施の形態11に基づいた第6変形例に係る靴について説明する。なお、第6変形例に係る靴は、図30において示すシェル10K’を、上述した実施の形態1に係る靴1Aが具備するシェル10Aに代えて具備するものであり、その他の構成については、上述した実施の形態1と同様である。
図30に示すように、第6変形例に係る靴が具備するシェル10K’は、上述した実施の形態11に係る靴が具備するシェル10Kと比較した場合に、接合部18a,19aの構成が相違している。すなわち、シェル10K’においては、接合部18aが、枠状部18bと、当該枠状部18bの後端面に設けられた段差部18dとを含んでおり、接合部19aが、枠状部19bと、当該枠状部19bの前端面に設けられた段差部19dとを含んでいる。
第1シェル部18および第2シェル部19は、これらに設けられた接合部18a,19a同士が互いに接合されることで組み付けられる。具体的には、第1シェル部18に設けられた接合部18aの後端面と第2シェル部19に設けられ接合部19aの前端面とが突き合わされるとともに、第1シェル部18に設けられた段差部18dが、第2シェル部19に設けられた段差部19dに嵌合されることにより、第1シェル部18と第2シェル部19とが組付けられる。
なお、段差部18d,19dによる嵌合のみでは十分な接合力が得られない場合には、これに加えて接着、溶着、クリップ留め、あるいは、第1シェル部18および第2シェル部19に設けられた係合部(スナップフィット構造等)同士による係合等を利用してもよい。
このように構成した場合にも、上述した実施の形態1において説明した効果が得られ、さらには、上述した三次元積層造形装置を用いた造形によってシェルを製作する場合に、その製作が容易化する効果が得られる。
(実施の形態12)
図31は、実施の形態12に係る靴の斜視図であり、図32は、図31に示す靴を他の方向から見た斜視図である。以下、これら図31および図32を参照して、本実施の形態に係る靴について説明する。なお、本実施の形態に係る靴は、図31および図32において示すシェル10Lを、上述した実施の形態1に係る靴1Aが具備するシェル10Aに代えて具備するものであり、その他の構成については、上述した実施の形態1と同様である。
図31および図32に示すように、本実施の形態に係る靴が具備するシェル10Lは、上述した実施の形態1におけるシェル10Aと同様に、底壁部11と周壁部12とを備えており、周壁部12の上端には、開口形状の挿入部13を有している。その一方で、シェル10Lの底壁部11および周壁部12は、上述した実施の形態1におけるシェル10Aとは異なり、基礎構造部16としてのプレート状部材16bにて構成されており、これに伴い、これら部分のシェル10Lには、孔部は形成されていない。
このように構成した場合には、底壁部11および周壁部12が、孔部が形成されていないプレート状部材16bにて構成されているため、底壁部11および周壁部12の剛性が大幅に増すことになる。
したがって、本実施の形態に係る靴とすることにより、上述した実施の形態1において説明した効果に加え、底壁部11および周壁部12の強度が高まる効果が得られることになる。このような構造を有するシェル10Lは、射出成形や注型成形によってもその製作が可能なものではあるが、特に、上述した三次元積層造形装置を用いた造形によって比較的容易にその製作が可能なものである。
(実施の形態13)
図33は、実施の形態13に係る靴の斜視図である。以下、この図33を参照して、本実施の形態に係る靴について説明する。なお、本実施の形態に係る靴は、図33において示すシェル10Mを、上述した実施の形態1に係る靴1Aが具備するシェル10Aに代えて具備するものであり、その他の構成については、上述した実施の形態1と同様である。
図33に示すように、本実施の形態に係る靴が具備するシェル10Mは、上述した実施の形態1におけるシェル10Aと同様に、底壁部11と周壁部12とを備えており、周壁部12の上端には、開口形状の挿入部13を有している。その一方で、シェル10Mの底壁部11および周壁部12は、上述した実施の形態1におけるシェル10Aとは異なり、基礎構造部16としてのプレート状部材16bにて構成されている。このプレート状部材16bには、その内面11a,12aおよび外面11b,12bに達するように開口部が設けられており、これに伴い、これら部分のシェル10Mには、多数の孔部14が形成されている。
このように構成した場合には、底壁部11および周壁部12が、プレート状部材16bにて構成されているため、底壁部11および周壁部12の剛性が増すことになるとともに、当該プレート状部材16bに多数の孔部14が形成されることに伴い、その軽量化が図られることになる。
したがって、本実施の形態に係る靴とすることにより、上述した実施の形態1において説明した効果に加え、底壁部11および周壁部12の強度が高まる効果ならびに軽量化が図られる効果が得られることになる。このような構造を有するシェル10Mは、射出成形や注型成形によってもその製作が可能なものではあるが、特に、上述した三次元積層造形装置を用いた造形によって比較的容易にその製作が可能なものである。
(実施の形態14)
図34は、実施の形態14に係る靴が具備するシェルの部分斜視図である。以下、この図34を参照して、本実施の形態に係る靴について説明する。なお、本実施の形態に係る靴は、図34においてその一部が示されたシェル10Nを、上述した実施の形態1に係る靴1Aが具備するシェル10Aに代えて具備するものであり、その他の構成については、上述した実施の形態1と同様である。
本実施の形態に係る靴が具備するシェル10Nは、上述した実施の形態1に係る靴1Aが具備するシェル10Aと比較した場合に、底壁部11および周壁部12が有する基礎構造部16の構成が相違しているものであり、具体的には、図34に示す如くの編物構造様の部材16cにて基礎構造部16が構成されたものである。
図34に示すように、基礎構造部16としての編物構造様の部材16cは、経線要素16c1と、緯線要素16c2と、接続部16c3とを含んでおり、経線要素16c1と緯線要素16c2とが、基礎構造部16の厚み方向に沿った異なる位置において互いに交差するように延在するとともに、これら経線要素16c1および緯線要素16c2が、マトリックス状に配置された接続部16c3において互いに接続されてなるものである。
このような編物構造様の立体的形状を有する基礎構造部にてシェルの底壁部および周壁部を構成することにより、網目状やプレート状の基礎構造部にてシェルの底壁部および周壁部を構成した場合に比べ、その強度や変形能、履き心地等をより高い自由度にて設計することが可能になる。
したがって、本実施の形態に係る靴とすることにより、上述した実施の形態1において説明した効果に加え、強度や変形能、履き心地等をより優れたものにすることができる効果が得られる。このような構造を有するシェル10Nは、特に、上述した三次元積層造形装置を用いた造形によって比較的容易にその製作が可能なものである。
(実施の形態15)
図35は、実施の形態15に係る靴が具備するシェルの部分平面図である。以下、この図35を参照して、本実施の形態に係る靴について説明する。なお、本実施の形態に係る靴は、図35においてその一部が示されたシェル10Oを、上述した実施の形態1に係る靴1Aが具備するシェル10Aに代えて具備するものであり、その他の構成については、上述した実施の形態1と同様である。
本実施の形態に係る靴が具備するシェル10Oは、上述した実施の形態1に係る靴1Aが具備するシェル10Aと比較した場合に、底壁部11および周壁部12が有する基礎構造部16の構成が相違しているものであり、具体的には、図35に示す如くの編物構造様の部材16dにて基礎構造部16が構成されたものである。
図35に示すように、基礎構造部16としての編物構造様の部材16dは、一対の第1多孔板要素16d1および第2多孔板要素16d2を有しており、これらの各々が、これらの各々に設けられた孔を互いに挿通するように構成されたものである。
このような編物構造様の立体的形状を有する基礎構造部にてシェルの底壁部および周壁部を構成することにより、網目状やプレート状の基礎構造部にてシェルの底壁部および周壁部を構成した場合に比べ、その強度や変形能、履き心地等をより高い自由度にて設計することが可能になる。
したがって、本実施の形態に係る靴とすることにより、上述した実施の形態1において説明した効果に加え、強度や変形能、履き心地等をより優れたものにすることができる効果が得られる。このような構造を有するシェル10Oは、特に、上述した三次元積層造形装置を用いた造形によって比較的容易にその製作が可能なものである。
(実施の形態16)
図36は、実施の形態16に係る靴の斜視図である。以下、この図36を参照して、本実施の形態に係る靴1Bについて説明する。
図36に示すように、本実施の形態に係る靴1Bは、上述した実施の形態1に係る靴1Aが具備するシェル10Aとは異なる構成のシェル10Pを具備するものであり、その他の構成については、上述した実施の形態1に係る靴1Aと同様の構成を有している。
具体的には、シェル10Pにおいては、周壁部12の上端に設けられた開口形状の挿入部13が、前足部R1、中足部R2および後足部R3に跨がるように大きく形成されている。より詳細には、周壁部12は、着用者の足の足趾に対応する部分と、着用者の足の足甲の内足側および外足側に対応する部分と、着用者の足の踵の周面のうちの足裏側に対応する部分とを主として覆うように構成されており、着用者の足の足甲の足幅方向の中央部に対応する部分と、着用者の足の踵の周面のうちの足首側に対応する部分とは、概ね周壁部12によって覆われていない。
これにより、アッパー本体30の壁部32は、着用者の足の足甲の足幅方向の中央部に対応する部分と、着用者の足の踵の周面のうちの足首側に対応する部分とにおいて、外部に向けて露出している。
ここで、本実施の形態に係る靴1Bにおいても、シェル10Pの内部空間SPは、下部側空間SP1と上部側空間SP2とに区画されており、このうちの下部側空間SP1は、底壁部11と、周壁部12の上述した第1部分とによって規定されており、上部側空間SP2は、周壁部12の上述した第2部分によって規定されている。そして、ソール本体20がアッパー本体30の内部に配置されることで、ソール本体20が当該下部側空間SP1に収容されることにより、当該靴1Bの接地面は、シェル10Pの底壁部11の外面11bによって構成されている。
したがって、本実施の形態に係る靴1Bとした場合にも、上述した実施の形態1に係る靴1Aの場合と同様に、ソール本体の材料選択の自由度を高めつつ部品点数の増加を抑制することが可能になり、さらには従来に比して製造が容易に行なえる靴とすることができる。
(実施の形態17)
図37は、実施の形態17に係る靴の斜視図である。以下、この図37を参照して、本実施の形態に係る靴1Cについて説明する。
図37に示すように、本実施の形態に係る靴1Cは、上述した実施の形態1に係る靴1Aが具備するシェル10Aとは異なる構成のシェル10Qを具備するものであり、その他の構成については、上述した実施の形態1に係る靴1Aと同様の構成を有している。
具体的には、シェル10Qにおいては、周壁部12の上端に設けられた開口形状の挿入部13が、前足部R1、中足部R2および後足部R3に跨がるように大きく形成されている。より詳細には、周壁部12は、着用者の足の足趾の先端に対応する部分と、着用者の足の足甲の内足側および外足側に対応する部分と、着用者の足の踵の周面のうちの足裏側に対応する部分と、着用者の足の踵の周面のうちの足裏側と足首側との間の中間の部位に対応する部分とを主として覆うように構成されており、着用者の足の足趾の根元に対応する部分と、着用者の足の足甲の足幅方向の中央部に対応する部分と、着用者の足の踵の周面のうちの足首側に対応する部分と、着用者の足の踵の後端下側の部分は、概ね周壁部12によって覆われていない。
これにより、アッパー本体30の壁部32は、着用者の足の足趾の根元に対応する部分と、着用者の足の足甲の足幅方向の中央部に対応する部分と、着用者の足の踵の周面のうちの足首側に対応する部分と、着用者の足の踵の後端下側の部分とにおいて、外部に向けて露出している。
ここで、本実施の形態に係る靴1Cにおいても、シェル10Qの内部空間SPは、下部側空間SP1と上部側空間SP2とに区画されており、このうちの下部側空間SP1は、底壁部11と、周壁部12の上述した第1部分とによって規定されており、上部側空間SP2は、周壁部12の上述した第2部分によって規定されている。そして、ソール本体20がアッパー本体30の内部に配置されることで、ソール本体20が当該下部側空間SP1に収容されることにより、当該靴1Cの接地面は、シェル10Qの底壁部11の外面11bによって構成されている。
したがって、本実施の形態に係る靴1Cとした場合にも、上述した実施の形態1に係る靴1Aの場合と同様に、ソール本体の材料選択の自由度を高めつつ部品点数の増加を抑制することが可能になり、さらには従来に比して製造が容易に行なえる靴とすることができる。
(実施の形態18)
図38は、実施の形態18に係る靴の斜視図であり、図39は、図38に示す靴を他の方向から見た斜視図である。また、図40は、図38に示すXL-XL線に沿った断面図である。まず、これら図38ないし図40を参照して、本実施の形態に係る靴1Dの構成について説明する。
図38ないし図40に示すように、本実施の形態に係る靴1Dは、着用者の足のほぼ全体(すなわち、足首よりも末端側の部位)を覆うソック状のものであり、シェル10Aと、ソール本体20と、アッパー本体30とを備えている。靴1Dの上部には、足を挿入するための部分である履き口33が設けられており、靴1Dの内部には、着用時において着用者の足が挿入される空間である内部空間SP(図40参照)が形成されている。
本実施の形態に係る靴1Dにあっては、ソール本体20が、シェル10Aに収容されており、アッパー本体30が、ソール本体20上に位置するようにシェル10Aに収容されている。これにより、ソール本体20は、シェル10Aとアッパー本体30とによって挟み込まれている。これらシェル10A、ソール本体20およびアッパー本体30は、いずれも前足部R1、中足部R2および後足部R3に跨がって位置している。
より詳細には、シェル10Aは、靴1Dの最外殻を構成しており、袋状に形成された単一の可撓性部材からなる。シェル10Aは、底壁部11と、当該底壁部11の周縁から上方に向けて連続して延びるように立設された周壁部12とを含んでおり、このうちの底壁部11が、靴1Dの上下方向の下方側に位置する最外面を規定しており、周壁部12が、靴1Dの前後方向ならびに左右方向に位置する最外面を規定している。
底壁部11は、一対の主面である内面11aおよび外面11bを有しており、周壁部12は、一対の主面である内面12aおよび外面12bを有している。シェル10Aの底壁部11および周壁部12は、基礎構造部16としての網目状部材16aにて構成されており、これに伴い、これら部分のシェル10Aには、内面11a,12aおよび外面11b,12bに達する無数の孔部14が形成されている。
また、周壁部12の上端には、開口形状の挿入部13が設けられている。この挿入部13は、中足部R2と後足部R3とに跨がって設けられている。
なお、当該シェル10Aは、上述した実施の形態1に係る靴1Aが具備するシェル10Aと同様の構成のものであり、その材質や基礎構造部16の構成等についても、上述した実施の形態1に係る靴1Aが具備するシェル10Aと同様である。また、当該シェル10Aは、上述した実施の形態1に係る靴1Aが具備するシェル10Aと同様に、たとえば射出成形や注型成形、あるいは三次元積層造形装置を用いた造形によって製作することができ、特に、三次元積層造形装置を用いた造形によって好適に製作できる。
図40に示すように、シェル10Aには、内部空間SPが形成されている。この内部空間SPは、底壁部11の内面11aと周壁部12の内面12aとによって規定されており、上述した挿入部13に通じている。内部空間SPは、前足部R1、中足部R2および後足部R3に跨がって位置している。当該内部空間SPには、ソール本体20およびアッパー本体30が収容されることでこれらが配置される空間と、着用者の足が挿入される空間である挿入空間SP3とが含まれる。
図38ないし図40に示すように、ソール本体20は、着用者の足の足裏を支持するものであり、弾性変形が可能な偏平な部材からなる(図41参照)。ソール本体20は、シェル10Aの内部空間SPに収容されている。
ソール本体20は、一対の主面である上面21および下面22と、これらを接続する側面23とを有している。このうちのソール本体20の下面22は、シェル10Aの底壁部11の内面11aに対向しており、ソール本体20の側面23は、シェル10Aの周壁部12の内面12aのうちの下端側の部分に対向している。これにより、ソール本体20は、シェル10Aの底壁部11の内面11aと、シェル10Aの周壁部12の内面12aのうちの下端側の部分とを覆っている。
なお、当該ソール本体20は、上述した実施の形態1に係る靴1Aが具備するソール本体20と同様の構成のものであり、その材質等についても、上述した実施の形態1に係る靴1Aが具備するソール本体20と同様である。
アッパー本体30は、靴1Dのうちの着用者の足に接触する部分を構成することで着用者の足を保持するものであり、柔軟に変形が可能な袋状の部材からなる。アッパー本体30は、シェル10Aの内部空間SPに収容されている。アッパー本体30は、底部31と、当該底部31の周縁から上方に向けて連続して延びるように立設された壁部32とを含んでいる。
底部31は、一対の主面である内面31aおよび外面31bを有しており、壁部32は、一対の主面である内面32aおよび外面32bを有している。このうちのアッパー本体30の底部31の外面31bは、ソール本体20の上面21に対向しており、アッパー本体30の壁部32の外面32bは、シェル10Aの周壁部12の内面12aのうちの下端側を除く部分に対向している。これにより、底部31は、ソール本体20の上面21を覆っており、壁部32は、シェル10Aの周壁部12の内面12aのうちの下端側を除く部分を覆っている。
なお、当該アッパー本体30は、上述した実施の形態1に係る靴1Aが具備するアッパー本体30と同様の構成のものであり、その材質等についても、上述した実施の形態1に係る靴1Aが具備するアッパー本体30と同様である。
図40に示すように、シェル10Aの上述した内部空間SPは、下部側空間SP1と上部側空間SP2とに区画される。下部側空間SP1は、靴1Dの上下方向の下側部分に位置しており、上部側空間SP2は、靴1Dの上下方向の上側部分に位置している。
下部側空間SP1は、底壁部11と、当該底壁部11に隣接する部分の周壁部12(すなわち、上述した第1部分)とによって規定された空間であり、この下部側空間SP1には、ソール本体20の全体が配置されている。
上部側空間SP2は、上記第1部分よりも上方に位置する部分の周壁部12(すなわち、上述した第2部分)によって規定された空間であり、この上部側空間SP2には、アッパー本体30の全体が配置されている。
上述したように、ソール本体20は、シェル10Aの底壁部11の内面11aおよびシェル10Aの周壁部12の内面12aの下端側の部分を覆うように内部空間SPに収容されており、さらにアッパー本体30は、ソール本体20の上面21およびシェル10Aの周壁部12の内面12aのうちの下端側の部分を除く部分を覆うように内部空間SPに収容されているため、シェル10Aの内部空間SPには、アッパー本体30によって規定される挿入空間SP3が形成されることになる。
この挿入空間SP3は、上述したように着用時において着用者の足が挿入される空間であり、より具体的には、挿入空間SP3は、アッパー本体30の底部31の内面31aと壁部32の内面32aとによって規定されている。なお、挿入空間SP3は、上述した内部空間SPのうちの上部側空間SP2に含まれる。
ここで、本実施の形態に係る靴1Dにあっては、アッパー本体30が、着用者の足の足首よりも末端側の部位をすべて覆う形状を有しているとともに、上部側空間SP2を形成する部分のシェル10Aが、着用者の足が挿入される履き口33に対応する部分以外の部分において、着用者の足の足裏を除く部位を全面的に覆っている。
したがって、着用者が靴1Dを着用した状態においては、着用者の足が、柔軟に変形が可能なアッパー本体30の底部31の内面31aおよび壁部32の内面32aに接触することになる。そのため、シェル10Aが着用者の足に直接的に接触することはなく、快適な履き心地が確保できることになる。
ただし、アッパー本体30は、必ずしも全面的に着用者の足に接触する必要はなく、履き心地が損なわれない範囲において、このアッパー本体30に切り欠き形状または開口形状の欠除部が設けられてもよい。
本実施の形態に係る靴1Dにおいては、上述したように、シェル10Aによって当該靴1Dの最外殻が構成されており、特に、シェル10Aの底壁部11によってソール本体20の下面22が覆われることにより、靴1Dの上下方向の下方側に位置する最外面が、シェル10Aの底壁部11によって規定されている。これにより、当該靴1Dにおいては、その接地面がシェル10Aの底壁部11の外面11bによって構成されることになる。
そのため、このように構成することにより、従来の靴とは異なり、ソール本体20によって接地面が構成されることがないため、ソール本体20の材料選択の余地が格段に広がることになり、一般的なソールに要求される機能のうち、履き心地の改善やクッション性の確保といった点に照らして、ソール本体20の最適な材料選択を行なうことが可能になる。一方で、接地面に要求される耐摩耗性やグリップ性といった性能については、これをシェル10Aの材料選択またはこれに加えて形状選択等によって確保することができる。そのため、従来に比して部品点数が増加することもない。
したがって、本実施の形態に係る靴1Dとすることにより、ソール本体の材料選択の自由度を高めつつ部品点数の増加を抑制することができる靴とすることができる。
また、本実施の形態に係る靴1Dにおいては、上述したように、シェル10Aによって当該靴1Dの最外殻が構成されており、当該シェル10Aには、接地面を規定する底壁部11と、当該底壁部11の周縁から立設されるとともに着用者の足の足甲を覆う部分を含む周壁部12とが含まれている。このように構成することにより、靴の最外殻がソールおよびアッパーによって構成された従来の靴(すなわち、本実施の形態に係る靴1Dのシェル10Aのような部材を備えていない靴)に比べて、高性能化する利点もある。
すなわち、上述した従来の靴にあっては、通常、着用者の足の足甲を覆う部分を含むアッパーが織地や編地、不織布等のみによって構成されており、また、当該アッパーがソールに接着等によって接合された構成であるため、蹴り出し時に当該足甲を覆う部分のアッパーに印加された荷重が当該アッパーの側壁を介してソールに伝わるまでの伝達時間に遅れが生じ易く、特に走行時等において足に対する靴の追従性が劣ることになってしまう。
しかしながら、本実施の形態に係る靴1Dにあっては、着用者の足の足甲を覆う部分を含むシェル10Aの周壁部12が、上述した実施の形態1の場合と同様に樹脂製やゴム製の部材にて構成されており、しかもこれが織地や編地、不織布等に比較して硬質の材料にて構成されているため、また、足甲を覆う部分を含む周壁部12と接地面を規定する部分を含む底壁部11とが単一の部材からなるシェル10Aによって一体的に構成されているため、蹴り出し時における荷重伝達が速くなり、特に走行時等において足に対する靴の追従性が優れたものとなる。なお、このシェル10Aによる荷重伝達の方向を図40中において模式的に黒色矢印にて表わしており、これによってシェル10Aの底壁部11に加えられる荷重の方向を図40中において模式的に白抜き矢印にて表わしている。
したがって、本実施の形態に係る靴1Dとすることにより、ソール本体の材料選択の自由度を高めつつ部品点数の増加を抑制することができるばかりでなく、足に対する追従性に優れた靴とすることができる。
図41は、本実施の形態に係る靴の組付構造を説明するための分解斜視図である。次に、図41を参照して、本実施の形態に係る靴1Dの組付構造および組付方法について説明する。
図41に示すように、本実施の形態に係る靴1Dは、予め個別に製作されたシェル10Aとソール本体20とアッパー本体30とを相互に組付けることによって製造される。これらシェル10A、ソール本体20およびアッパー本体30は、どのような方法によって製作されてもよい。
具体的には、まず、ソール本体20が、シェル10Aの内部空間SPに挿入される。ここで、ソール本体20は、弾性変形が可能であるため、これをシェル10Aの上端に設けられた開口形状の挿入部13を介してシェル10Aの内部空間SPに挿入することができる。挿入されたソール本体20は、これがシェル10Aの底壁部11の内面11aに沿うように配置される。
次に、ソール本体20が、シェル10Aに対して固定される。当該固定には、たとえば縫製や接着、溶着、クリップ留め、あるいは、ソール本体20およびシェル10Aに設けられた係合部同士による係合等が利用できる。ただし、ソール本体20が、シェル10Aの内部において容易には移動しない場合には、当該固定を行なわないこととしてもよい。
次に、アッパー本体30が、シェル10Aの内部空間SPに挿入される。ここで、アッパー本体30は、柔軟に変形が可能であるため、これをシェル10Aの上端に設けられた開口形状の挿入部13を介してシェル10Aの内部空間SPに挿入することができる。挿入されたアッパー本体30は、これがソール本体20の上面21およびシェル10Aの周壁部12の内面12aに沿うように配置される。また、アッパー本体30の履き口33の近傍は、これがシェル10Aの挿入部13から外部に露出した状態とされる。
次に、アッパー本体30が、シェル10Aおよびソール本体20に対して固定される。当該固定には、たとえば縫製や接着、溶着、クリップ留め、あるいは、アッパー本体30およびシェル10Aに設けられた係合部同士による係合、アッパー本体30およびソール本体20に設けられた係合部同士による係合等が利用できる。ただし、アッパー本体30が、シェル10Aの内部において容易には移動しない場合には、当該固定を行なわないこととしてもよい。
以上の手順を経ることにより、シェル10A、ソール本体20およびアッパー本体30の相互の組付けが完了し、これにより上述した本実施の形態に係る靴1Dの製造が完了する。なお、上述した組付方法は、あくまでも例示に過ぎず、他の組付方法を採用してもよい。
このように、本実施の形態に係る靴1Dは、予め個別に製作されたシェル10Aとソール本体20とアッパー本体30とを相互に組付けるという非常に簡便な作業にてその製造が行なえるものであるため、従来に比してその製造が容易化する。また、シェル10Aとソール本体20とアッパー本体30とを相互に組付ける際に、煩雑な位置決め作業等も必要ない。
したがって、本実施の形態に係る靴1Dとすることにより、ソール本体の材料選択の自由度を高めつつ部品点数の増加を抑制することができるばかりでなく、従来に比して製造が容易に行なえる靴とすることができる。
(実施の形態19)
図42は、実施の形態19に係る靴の斜視図である。以下、この図42を参照して、本実施の形態に係る靴1Eについて説明する。
図42に示すように、本実施の形態に係る靴1Eは、上述した実施の形態18に係る靴1Dが具備するシェル10Aとは異なる構成のシェル10Pを具備するものであり、その他の構成については、上述した実施の形態18に係る靴1Dと同様の構成を有している。
具体的には、シェル10Pにおいては、周壁部12の上端に設けられた開口形状の挿入部13が、前足部R1、中足部R2および後足部R3に跨がるように大きく形成されている。より詳細には、周壁部12は、着用者の足の足趾に対応する部分と、着用者の足の足甲の内足側および外足側に対応する部分と、着用者の足の踵の周面のうちの足裏側に対応する部分とを主として覆うように構成されており、着用者の足の足甲の足幅方向の中央部に対応する部分と、着用者の足の踵の周面のうちの足首側に対応する部分とは、概ね周壁部12によって覆われていない。
これにより、アッパー本体30の壁部32は、着用者の足の足甲の足幅方向の中央部に対応する部分と、着用者の足の踵の周面のうちの足首側に対応する部分とにおいて、外部に向けて露出している。
ここで、本実施の形態に係る靴1Eにおいても、シェル10Pの内部空間SPは、下部側空間SP1と上部側空間SP2とに区画されており、このうちの下部側空間SP1は、底壁部11と、周壁部12の上述した第1部分とによって規定されており、上部側空間SP2は、周壁部12の上述した第2部分によって規定されている。そして、当該下部側空間SP1にソール本体20が収容されることにより、当該靴1Eの接地面は、シェル10Pの底壁部11の外面11bによって構成されている。
したがって、本実施の形態に係る靴1Eとした場合にも、上述した実施の形態18に係る靴1Dの場合と同様に、ソール本体の材料選択の自由度を高めつつ部品点数の増加を抑制することが可能になり、さらには従来に比して製造が容易に行なえる靴とすることができる。
(実施の形態20)
図43は、実施の形態20に係る靴の斜視図である。以下、この図43を参照して、本実施の形態に係る靴1Fについて説明する。
図43に示すように、本実施の形態に係る靴1Fは、上述した実施の形態18に係る靴1Dが具備するシェル10Aとは異なる構成のシェル10Rを具備するとともに、上述した実施の形態18に係る靴1Dが具備するアッパー本体30を具備しないものであり、その他の構成については、上述した実施の形態18に係る靴1Dと同様の構成を有している。ここで、本実施の形態に係る靴1Fは、いわゆるサンダルである。
具体的には、シェル10Rにおいては、周壁部12の上端に設けられた開口形状の挿入部13が、中足部R2および後足部R3に跨がるように大きく形成されている。より詳細には、周壁部12は、着用者の足の足趾に対応する部分と、着用者の足の足甲に対応する部分と、着用者の足の踵の周面のうちの足裏側に対応する部分とを主として覆うように構成されており、着用者の足の踵の周面のうちの足首側に対応する部分は、概ね周壁部12によって覆われていない。
ここで、本実施の形態に係る靴1Fにおいても、シェル10Rの内部空間SPは、下部側空間SP1と上部側空間SP2とに区画されており、このうちの下部側空間SP1は、底壁部11と、周壁部12の上述した第1部分とによって規定されており、上部側空間SP2は、周壁部12の上述した第2部分によって規定されている。そして、当該下部側空間SP1にソール本体20が収容されることにより、当該靴1Fの接地面は、シェル10Rの底壁部11の外面11bによって構成されている。
したがって、本実施の形態に係る靴1Fとした場合にも、上述した実施の形態18に係る靴1Dの場合と同様に、ソール本体の材料選択の自由度を高めつつ部品点数の増加を抑制することが可能になり、さらには従来に比して製造が容易に行なえる靴とすることができる。
(実施の形態等における開示内容の要約)
上述した実施の形態1ないし20およびそれらの変形例において開示した特徴的な構成を要約すると、以下のとおりとなる。
本開示のある形態に従った靴は、シェルと、ソール本体とを備えている。上記シェルは、着用者の足が挿入される内部空間が形成された可撓性の部材からなる。上記ソール本体は、上記シェルに収容されており、着用者の足の足裏を支持するものである。上記シェルは、底壁部と、当該底壁部の周縁から立設された周壁部とを含んでいる。上記本開示のある形態に従った靴にあっては、上記底壁部と、当該底壁部に隣接する部分の上記周壁部とにより、上記内部空間のうちの上記ソール本体が配置される下部側空間が形成されるとともに、上記底壁部に隣接する部分よりも上方に位置する部分の上記周壁部により、上記内部空間のうちの着用者の足が挿入される上部側空間の少なくとも一部が形成されている。上記本開示のある形態に従った靴にあっては、上記底壁部によって上記ソール本体の下面が覆われることにより、上記底壁部の外面によって接地面が構成されている。
上記本開示のある形態に従った靴は、上記シェルに収容されるとともに、着用者の足の足甲を少なくとも覆うアッパー本体をさらに備えていてもよい。
上記本開示のある形態に従った靴にあっては、上記アッパー本体が、着用者の足が挿入される履き口に対応する部分に開口が設けられた袋状の形状を有していてもよい。その場合には、上記アッパー本体が、上記シェルの内面に沿って上記上部側空間および上記下部側空間に配置されることにより、上記ソール本体が、上記アッパー本体に収容されていてもよい。
上記本開示のある形態に従った靴にあっては、上記アッパー本体が、着用者の足が挿入される履き口に対応する部分に開口が設けられた袋状の形状を有していてもよい。その場合には、上記アッパー本体が、上記上部側空間を形成する部分の上記シェルの内面、および、上記ソール本体の上面に沿って配置されることにより、上記ソール本体が、上記底壁部と上記アッパー本体とによって挟み込まれていてもよい。
上記本開示のある形態に従った靴にあっては、上記上部側空間を形成する部分の上記シェルが、着用者の足の足甲の内足側の部位および着用者の足の足甲の外足側の部位を少なくとも覆っていることが好ましい。
上記本開示のある形態に従った靴にあっては、上記上部側空間を形成する部分の上記シェルが、着用者の足の踵の周面を少なくとも覆っていることが好ましい。
上記本開示のある形態に従った靴にあっては、上記上部側空間を形成する部分の上記シェルが、着用者の足が挿入される履き口に対応する部分以外の部分において、着用者の足の足裏を除く部位を全面的に覆っていてもよい。
上記本開示のある形態に従った靴にあっては、上記シェルが、互いに交差するように接続された複数のワイヤ要素を含む曲成された網目状部材にて構成された基礎構造部を少なくとも有していてもよい。
上記本開示のある形態に従った靴にあっては、上記シェルが、曲成されたプレート状部材にて構成された基礎構造部を少なくとも有していてもよい。その場合には、上記基礎構造部に複数の孔部が設けられていてもよい。
上記本開示のある形態に従った靴にあっては、上記シェルが、曲成された編物構造様の部材にて構成された基礎構造部を少なくとも有していてもよい。
上記本開示のある形態に従った靴にあっては、上記シェルが、上記基礎構造部を覆うように形成された意匠部をさらに含んでいてもよい。
上記本開示のある形態に従った靴にあっては、上記上部側空間を形成する部分の上記シェルが、着用者の足の足甲を少なくとも覆っていてもよく、その場合には、着用者の足の足甲を覆う部分の上記シェルが、多層構造を有していてもよい。
上記本開示のある形態に従った靴にあっては、上記上部側空間を形成する部分の上記シェルが、着用者の足の踵の周面を少なくとも覆っていてもよく、その場合には、着用者の足の踵の周面を覆う部分の上記シェルが、多層構造を有していてもよい。
上記本開示のある形態に従った靴にあっては、上記上部側空間を形成する部分の上記シェルが、着用者の足が挿入される履き口に隣接する部分を少なくとも覆っていてもよく、その場合には、着用者の足が挿入される履き口に隣接する部分の上記シェルが、多層構造を有していてもよい。
上記本開示のある形態に従った靴にあっては、上記底壁部が、多層構造を有していてもよい。
上記本開示のある形態に従った靴にあっては、上記底壁部の厚みが、上記周壁部の厚みよりも厚くてもよい。
上記本開示のある形態に従った靴にあっては、上記シェルが、単一の部材にて構成されていてもよい。
上記本開示のある形態に従った靴にあっては、上記シェルが、複数の部材が組み合わされることで構成されていてもよい。
(その他の形態等)
上述した実施の形態1ないし20およびそれらの変形例において示した各部の具体的な形状や構成、大きさ、数、位置等は、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、適宜変更が可能である。
また、上述した実施の形態1ないし20およびそれらの変形例において示した特徴的な構成は、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、相互に組み合わせることが可能である。
このように、今回開示した上記実施の形態およびその変形例はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1A~1F 靴、10A~10R,10A1~10A2,10B’,10C’,10H’,10H1,10H2,10K’ シェル、11 底壁部、11a 内面、11b 外面、11c 開口部、11d 突起部、12 周壁部、12a 内面、12b 外面、13 挿入部、14 孔部、15 枠状部、16 基礎構造部、16a 網目状部材、16a1 ワイヤ要素、16a2 連結部、16a3 ワイヤ要素、16a4 埋め込み層、16b プレート状部材、16c 編物構造様の部材、16c1 経線要素、16c2 緯線要素、16c3 接続部、16d 編物構造様の部材、16d1 第1多孔板要素、16d2 第2多孔板要素、17 意匠部、18 第1シェル部、18a 接合部、18b 枠状部、18c 凸部、18d 段差部、19 第2シェル部、19a 接合部、19b 枠状部、19c 凹部、19d 段差部、20 ソール本体、21 上面、22 下面、23 側面、30 アッパー本体、31 底部、31a 内面、31b 外面、32 壁部、32a 内面、32b 外面、33 履き口、A1 単層構造部、A2 多層構造部、B1 非デザイン領域、B2 デザイン領域、R1 前足部、R2 中足部、R3 後足部、SP 内部空間、SP1 下部側空間、SP2 上部側空間、SP3 挿入空間。

Claims (19)

  1. 着用者の足が挿入される内部空間が形成された可撓性のシェルと、
    前記シェルに収容されるとともに、着用者の足の足裏を支持するソール本体とを備え、
    前記シェルは、底壁部と、当該底壁部の周縁から立設された周壁部とを含み、
    前記底壁部と、当該底壁部に隣接する部分の前記周壁部とにより、前記内部空間のうちの前記ソール本体が配置される下部側空間が形成されるとともに、前記底壁部に隣接する部分よりも上方に位置する部分の前記周壁部により、前記内部空間のうちの着用者の足が挿入される上部側空間の少なくとも一部が形成され、
    前記底壁部によって前記ソール本体の下面が覆われることにより、前記底壁部の外面によって接地面が構成されている、靴。
  2. 前記シェルに収容されるとともに、着用者の足の足甲を少なくとも覆うアッパー本体をさらに備えた、請求項1に記載の靴。
  3. 前記アッパー本体が、着用者の足が挿入される履き口に対応する部分に開口が設けられた袋状の形状を有し、
    前記アッパー本体が、前記シェルの内面に沿って前記上部側空間および前記下部側空間に配置されることにより、前記ソール本体が、前記アッパー本体に収容されている、請求項2に記載の靴。
  4. 前記アッパー本体が、着用者の足が挿入される履き口に対応する部分に開口が設けられた袋状の形状を有し、
    前記アッパー本体が、前記上部側空間を形成する部分の前記シェルの内面、および、前記ソール本体の上面に沿って配置されることにより、前記ソール本体が、前記底壁部と前記アッパー本体とによって挟み込まれている、請求項2に記載の靴。
  5. 前記上部側空間を形成する部分の前記シェルが、着用者の足の足甲の内足側の部位および着用者の足の足甲の外足側の部位を少なくとも覆っている、請求項1から4のいずれかに記載の靴。
  6. 前記上部側空間を形成する部分の前記シェルが、着用者の足の踵の周面を少なくとも覆っている、請求項1から5のいずれかに記載の靴。
  7. 前記上部側空間を形成する部分の前記シェルが、着用者の足が挿入される履き口に対応する部分以外の部分において、着用者の足の足裏を除く部位を全面的に覆っている、請求項1から6のいずれかに記載の靴。
  8. 前記シェルが、互いに交差するように接続された複数のワイヤ要素を含む曲成された網目状部材にて構成された基礎構造部を少なくとも有している、請求項1から7のいずれかに記載の靴。
  9. 前記シェルが、曲成されたプレート状部材にて構成された基礎構造部を少なくとも有している、請求項1から7のいずれかに記載の靴。
  10. 前記基礎構造部に複数の孔部が設けられている、請求項9に記載の靴。
  11. 前記シェルが、曲成された編物構造様の部材にて構成された基礎構造部を少なくとも有している、請求項1から7のいずれかに記載の靴。
  12. 前記シェルが、前記基礎構造部を覆うように形成された意匠部をさらに含んでいる、請求項8から11のいずれかに記載の靴。
  13. 前記上部側空間を形成する部分の前記シェルが、着用者の足の足甲を少なくとも覆い、
    着用者の足の足甲を覆う部分の前記シェルが、多層構造を有している、請求項1から12のいずれかに記載の靴。
  14. 前記上部側空間を形成する部分の前記シェルが、着用者の足の踵の周面を少なくとも覆い、
    着用者の足の踵の周面を覆う部分の前記シェルが、多層構造を有している、請求項1から13のいずれかに記載の靴。
  15. 前記上部側空間を形成する部分の前記シェルが、着用者の足が挿入される履き口に隣接する部分を少なくとも覆い、
    着用者の足が挿入される履き口に隣接する部分の前記シェルが、多層構造を有している、請求項1から14のいずれかに記載の靴。
  16. 前記底壁部が、多層構造を有している、請求項1から15のいずれかに記載の靴。
  17. 前記底壁部の厚みが、前記周壁部の厚みよりも厚い、請求項1から16のいずれかに記載の靴。
  18. 前記シェルが、単一の部材にて構成されている、請求項1から17のいずれかに記載の靴。
  19. 前記シェルが、複数の部材が組み合わされることで構成されている、請求項1から17のいずれかに記載の靴。
JP2021025352A 2021-02-19 2021-02-19 Pending JP2022127292A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021025352A JP2022127292A (ja) 2021-02-19 2021-02-19
EP23160541.1A EP4233624A1 (en) 2021-02-19 2022-02-15 Shoe
EP22156844.7A EP4046521B1 (en) 2021-02-19 2022-02-15 Shoe
CN202210145353.5A CN114947285A (zh) 2021-02-19 2022-02-17
US17/675,636 US20220264997A1 (en) 2021-02-19 2022-02-18 Shoe

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021025352A JP2022127292A (ja) 2021-02-19 2021-02-19

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022127292A true JP2022127292A (ja) 2022-08-31

Family

ID=80682536

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021025352A Pending JP2022127292A (ja) 2021-02-19 2021-02-19

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20220264997A1 (ja)
EP (2) EP4233624A1 (ja)
JP (1) JP2022127292A (ja)
CN (1) CN114947285A (ja)

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7793434B2 (en) * 2004-09-03 2010-09-14 Nike, Inc. Article of footwear having an upper with a structured intermediate layer
US10241498B1 (en) 2014-05-15 2019-03-26 Feetz, Inc. Customized, additive-manufactured outerwear and methods for manufacturing thereof
US10674791B2 (en) * 2014-12-10 2020-06-09 Nike, Inc. Braided article with internal midsole structure
US9848673B2 (en) * 2015-01-16 2017-12-26 Nike, Inc. Vacuum formed knit sole system for an article of footwear incorporating a knitted component
US9775401B2 (en) * 2015-01-16 2017-10-03 Nike, Inc. Sole system for an article of footwear incorporating a knitted component with a one-piece knit outsole
US9820530B2 (en) * 2015-01-16 2017-11-21 Nike, Inc. Knit article of footwear with customized midsole and customized cleat arrangement
WO2017067566A1 (de) * 2015-10-23 2017-04-27 Puma SE Schuh, insbesondere sportschuh
US11324282B2 (en) * 2016-05-16 2022-05-10 Adidas Ag Three-dimensionally thermo-molded footwear
WO2018222721A1 (en) * 2017-05-30 2018-12-06 Nike Innovate C.V. Mechanical lock sole structure for braided footwear
US10716354B2 (en) * 2017-07-13 2020-07-21 Under Armour, Inc. Braided article and method of making
FR3082103B1 (fr) * 2018-06-08 2020-08-28 Decathlon Sa Procede de fabrication d'une chaussure, et chaussure susceptible d'etre obtenue par ledit procede
JP2021025352A (ja) 2019-08-07 2021-02-22 株式会社竹中工務店 野縁取付構造
US11602196B2 (en) * 2020-07-13 2023-03-14 Adidas Ag Articles of footwear comprising a wound component and methods of making the same
US11910885B2 (en) * 2020-10-05 2024-02-27 Puma SE Article of footwear incorporating winding elements
JP2022127293A (ja) * 2021-02-19 2022-08-31 株式会社アシックス 靴の製造方法および靴

Also Published As

Publication number Publication date
CN114947285A (zh) 2022-08-30
US20220264997A1 (en) 2022-08-25
EP4233624A1 (en) 2023-08-30
EP4046521A1 (en) 2022-08-24
EP4046521B1 (en) 2024-04-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20230248114A1 (en) Sole system for an article of footwear incorporating a knitted component
US8555525B2 (en) Footwear
CN104717897B (zh) 具有交替弹簧层和阻尼层的鞋底结构
US6857202B2 (en) Footwear construction
US8914994B2 (en) Guitar-shaped bladder for footwear
JP5411988B2 (ja) 靴のインソール
EP2040573B1 (en) Customization system for an article of footwear
US20210291473A1 (en) Footwear and method of formation
US8438756B2 (en) Articles of footwear
CA2885042A1 (en) Sole structures and articles of footwear having plate moderated fluid-filled bladders and/or foam type impact force attenuation members
US20220266561A1 (en) Method of manufacturing shoe and shoe
EP3841905B1 (en) Shoe sole and shoe
US20130255106A1 (en) Assembled footwear
KR20110123237A (ko) 단일체 구조 신발 및 이의 제작 방법
US20230337783A1 (en) Footwear and method of manufacturing the same
USD576398S1 (en) Footwear
JP2022127292A (ja)
CN102905572B (zh) 用于插入鞋类物品前部的保护元件、制造方法和鞋类物品
US20240122296A1 (en) Footwear
EP4108116A1 (en) Shoe sole and shoe
JP7480346B2 (ja)
WO2021117190A1 (ja) 靴底およびこれを備えた靴
CN115517429A (zh) 缓冲材、鞋底以及鞋
JP2007105072A (ja)
JP3206016U (ja) 靴の中敷き

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240109