JP2022127083A - 液状特殊肥料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】自然物を原料とし、安全であるとともに、化学肥料に劣らない効能を発揮するような液状特殊肥料の製造方法を提供する。【解決手段】水と、カット後に乾燥したコットニーと、モリンガの葉又は/及び茎の乾燥粉末と、ステビアの葉又は/及び茎の乾燥粉末とを混合し、高温で攪拌する攪拌工程と、該攪拌工程の生成物を濾過する第1の濾過工程と、該第1の濾過工程の生成物に、発酵菌を混合する混合工程と、該混合工程の生成物について、所定の期間、堆肥化を行う堆肥化工程と、から成るという構成を採用した。【選択図】図1

Description

本発明は、液状特殊肥料の製造方法に関し、詳しくは、モリンガの成分を抽出した液体を発酵、堆肥化する製造方法の技術に関する。
従来、農業において、作物の生育に必要な栄養分は、地中に、肥料を適宜加えることによって行われることが一般的である。肥料として、効率や製造コストなどの点から化学肥料が用いされることが多い。
しかしながら、化学肥料を多用した場合、化学物質が作物の選択吸収の程度を超えて養分の吸収してしまうことがあり、健康への懸念が指摘されている。例えば、硝酸態窒素等がある。
また、化学肥料や農薬の問題点として、多用・連用すると栄養分の偏重や、土壌中の有用微生物までも駆除してしまうことにより、有用土壌微生物が行っている作物栽培の為の土壌構造を劣化させてしまい、栽培効率を著しく低下させてしまう。
無農薬での作物の生産も考えられるが、病虫害の多発により生産効率を低下させてしまうという懸念がある。
そこで、自然物を原料とし、安全であるとともに、化学肥料に劣らない効能を発揮するような肥料が求められていた。
関連する技術として、生ごみに対して、粘土鉱物、硫酸第一鉄水溶液、硫酸マグネシウム水溶液を加え、処理する肥料製造方法が開示されている(特許文献1参照)。また、ケラチン原料と過酢酸液とを混合した液を処理する肥料製造方法が開示されている(特許文献2参照)。
しかしながら、いずれの関連技術も化学物質が使用されており、上記問題点を根本的に解決したものではない。
特開2002-356390号公報 特開平9-59080号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、自然物を原料とし、安全であるとともに、化学肥料に劣らない効能を発揮し得るような液状特殊肥料を製造することを課題とするものである。
上記課題を解決するため、本発明に係る液状特殊肥料は、カット後に乾燥したコットニーと、モリンガの葉又は/及び茎の乾燥粉末と、ステビアの葉又は/及び茎の乾燥粉末とを混合し、高温で攪拌する攪拌工程と、該攪拌工程の生成物を濾過する第1の濾過工程と、該第1の濾過工程の生成物に発酵菌を混合する混合工程と、該混合工程の生成物について所定の期間堆肥化を行う堆肥化工程と、から成ることを手段とする。
また、本発明は、前記堆肥化工程の生成物を濾過する第2の濾過工程を持つことを手段とする。
さらに、本発明は、前記攪拌工程の攪拌温度が、40乃至65度であることを手段とする。
またさらに、本発明は、前記堆肥化工程における堆肥化のための所定の期間が、1.5乃至3か月であることを手段とする。
さらにまた、本発明は、前記攪拌工程における混合割合が、水20リットルに対してコットニーが400乃至500グラム、モリンガが250乃至300グラム、ステビアが150乃至200グラムであることを手段とする。
そしてまた、本発明は、前記混合工程における混合割合が、水20リットルに対して発酵菌が150乃至250ccであることを手段とする。
またさらに、本発明は、前記発酵菌が納豆菌であることを手段とする。
本発明に係る液状特殊肥料の製造方法によれば、化学物質を用いることなく、モリンガやコットニー、ステビアの成分を効果的に抽出した液体肥料を製造することが可能であって、モリンガとコットニーとステビアの豊富な栄養素をそのまま土壌に浸透させることが出来ると共に、それを吸収した栽培植物の生長及び栄養価の増大に資することとなる。
本発明に係る液状特殊肥料の製造方法の工程を示す説明図である。 本発明に係る方法により製造された液状特殊肥料を使用した際の植物の発育状態を示す比較説明図である。 本発明に係る方法により製造された液状特殊肥料を使用した際の植物の成分を示す比較図である。
本発明は、モリンガを主原料とし全ての原料に自然物を採用することで、安全な液体肥料を提供し得ると共に、化学肥料にも劣らない効能を発揮し得る液状特殊肥料を製造することを最大の特徴とする。
以下、本発明に係る液状特殊肥料の製造方法の実施形態を、図面に基づいて説明する。
なお、以下に示される液状特殊肥料の全体構成及び各部の構成は、下記実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる構成態様の範囲内で適宜変更することができるものである。
図1から図3に従って、本発明を説明する。図1は、本発明に係る液状特殊肥料の製造工程を示す説明図である。図2は、本発明により製造された液状特殊肥料を使用した際の植物の発育状態を示す比較説明図である。図3は、本発明により製造された液状特殊肥料を使用した際の植物の成分を示す比較する図であり、(a)は粗タンパク質の含有率を比較するグラフ、(b)はビタミンEの含有量を比較するグラフ、(c)はβカロテンの含有量を比較するグラフである。
本発明に係る液状特殊肥料の製造方法は、液状特殊肥料10を製造する工程であって、原料を混合攪拌し、添加物を混合し、発酵、堆肥化することで液状特殊肥料10を製造するものである。
本発明に係る液状特殊肥料の製造方法を構成する液状特殊肥料製造工程1は、攪拌工程30、第1の濾過工程40、混合工程60、堆肥化工程70、第2濾過工程80、計量工程90及び充填工程91から構成されている(図1)。また、原料は、主原料20と添加物50から構成されている。
主原料20は、水21と、モリンガ22と、コットニー23と、ステビア24で構成されており、特にモリンガ22とコットニー23とステビア24は、本発明の効果を発生させる主原料である。モリンガ22には、免疫性を高めるビタミンA、E、カルシウム、ミネラル成分やアミノ酸(ギャバ)、ポリフェノール等が豊富に含まれている。
また、モリンガには抗菌成分(イソチオシアネート類)と抗酸化物質が含まれるので、農作物を病気・害虫に対して強くし、免疫力も向上させることができる。
モリンガ22は、その葉又は/及び茎を乾燥、粉末化して使用する。乾燥、粉末化することで、溶媒である水21への栄養分の抽出効率を高めることができる。
コットニー23は、オオキリンサイ属の海藻であり、ミネラル、糖質、ビタミン、アミノ酸等が豊富に含まれており、植物の生長を促進させることができる。特に、発根促進に有効である。コットニー23は、カット後に乾燥させたものを使用する。
また、カット後に乾燥させたコットニー23をあらかじめ水で戻してゲル状化させ、それを混合してもよい。ゲル化した状態で混合することで、より効率的に混合することができる。
ステビア24は、キク科ステビア属の多年草であって、甘味成分を有するとともに、抗酸化作用等の効能も具え、その葉や茎を熱水抽出した濃縮液その他加工品は、甘味料や医薬品、農業用資材や美容分野において、既に多く用いられている。農業用資材としての利用については、ステビア濃縮液を農作物に与えることにより、残留化学物質を分解し、有効微生物を活性化し、土壌改良(抗酸化作用)、農作物の栄養補強、病害虫の予防に有効に作用するといわれている。また、収穫された農作物の日持ちが良くなり、農産物はみずみずしくビタミン・ミネラルが豊富になり、味も向上するという報告もある。
ステビア24は、その葉又は/及び茎を乾燥、粉末化して使用する。乾燥、粉末化することで、溶媒である水21への栄養分の抽出効率を高めることができる。
水21は、モリンガ22とコットニー23とステビア24の成分を液状化するための抽出溶媒である。成分の抽出という意味合いからは有機溶媒も考えられるが、有機溶媒は一般的に環境に有害であるため、環境に無害で且つ低コストな水を溶媒としている。
攪拌工程30は、主原料20を攪拌しつつ、混合する工程である。この工程で、モリンガ22とコットニー23とステビア24の成分を抽出する。攪拌・混合の方法については、温度以外は、特に限定するものではなく、撹拌機を使用するなど常法に従って行えばよい。
本工程は、水21の温度を上げて行う。高温で行うことで抽出を促進させることができる。温度幅は、例えば、40℃から65℃程度が適当である。それ以上の高温であると、加熱に弱い栄養素であるビタミンやカルシウムの劣化が起こってしまう。また、後段の工程で発酵菌50aを添加する際、初期温度を40℃程度とする必要がある。40℃から大きく離れた温度で処理してしまうと、後段の工程へ移行する際の温度調整に時間がかかり、製造時間の長時間化となってしまう。
抽出の促進と栄養素の劣化低減との意味で、60℃程度が好適である。
第1の濾過工程40は、攪拌工程30で生成された攪拌物からモリンガ22、コットニー23、ステビア24の残渣(カス)を除去する工程である。主に、食物繊維分の除去であるので、通常の布袋等での濾過を行う。この処理により生成物は、ほぼ液状となる。
添加物50は、第1の濾過工程40での生成物を発酵させるために添加するものである。添加物50は、発酵菌50aである。
発酵菌50aは、次の堆肥化工程70で発酵を促進させるための添加物である。モリンガ22、コットニー23、ステビア24から抽出した有機物を発酵菌50aの作用により微生物発酵させ分解し、有機肥料化するために発酵菌50aが用いられる。なお、本発明における発酵菌50aの概念は、混合物を堆肥化するにあたって有効な菌のみを意味する概念である。
かかる発酵菌50aの種類については、乳酸菌や酵母菌、放線菌、枯草菌、糸状菌など特に限定はないが、発酵作用の安定性を考慮して、一般的にも土壌に良いとされる納豆菌を採用することが考えられる。
混合工程60は、添加物50を主原料20に混合する工程であり、肥料としての堆肥化を促進させる材料である発酵菌50aを混合する。第1の濾過工程40の後に添加物50の混合を行うのは、主原料であるモリンガ22、コットニー23、ステビア24の残渣や濾過用の布袋等に、添加物50が付着して取り除かれることを防ぐためである。
堆肥化工程70は、混合工程60で生成された生成物について堆肥化を行う工程である。堆肥化とは、適切な温度、環境とすることによって、微生物が有機物を分解し、発酵させることで、堆肥を作ることである。堆肥化、言い換えれば、発酵の期間は、常温で2か月程度である。常温とは、例えば、直射日光の当たらない場所に置いた場合の温度である。季節により温度が変化し、発酵期間に多少の差が出る。暖かい時期であれば、1.5か月程度であり、寒い時期であれば、3か月程度かかる場合もある。堆肥化工程70においては、定期的(例えば1週間ごと)に生成物を攪拌する(振り混ぜる)ことも発酵にとって好適である。攪拌することで、均等に発酵を進めることができる。
第2濾過工程80は、堆肥化工程70の生成物に含まれるカス類を取り除く工程である。堆肥化工程70では発酵によるカス(沈殿物、酒粕のようなもの)が発生するので、液状肥料としての品質を向上させるために、沈殿物等を除去する。この工程によって、液状特殊肥料10が生成される。
計量工程90、充填工程91は、液状特殊肥料10の製品包装のための工程である。計量工程90で、例えば、5リットルの計量が行われ、充填工程91で計量分を個別の容器に充填し、液状特殊肥料10が製品形状として完成する。
本工程における各材料の混合割合については、材料単価や効能、発酵にかける日数、その他種々の条件を考慮して決定されることになる。実験により多くの混合割合のパターンを試した結果、混合成合について、例えば20リットルの水21に対してモリンガ22を250グラムから300グラム、コットニー23を400グラムから500グラム、ステビア24を150グラムから200グラム、発酵菌50aを150ccから250ccとすることが望ましい。
なお、上記の混合割合のうち最良の混合割合は、20リットルの水21に対して、モリンガ22が300グラム、コットニー23が500グラム、ステビア24が200グラム、発酵菌50aが200ccである。
上記の混合割合について、20リットルの水21に対して、モリンガ22を250グラムから300グラムとするのは、モリンガ22が多すぎると成分の抽出が十分出来ず、せっかくの栄養素が残渣中に残存してしまうこととなり、また、少なすぎると抽出栄養素量も少なくなって効率が下がるからである。モリンガ22を300グラム程度とすると効率よく抽出することが出来、好適である。
なお、コットニー23を500グラム、ステビア24を200グラムとするのも上記と同様の理由である。
また、発酵菌50aの混合割合を150ccから250ccとするのは、150cc未満であると発酵開始までの時間を要し、時間的なロスが生じることになるためである。また、150ccから250cc程度の発酵菌50aを混合すれば、微生物自体の繁殖活動によって、発酵が充分に促されるからである。発酵菌50aを200cc程度とすると効率的であり、好適である。
図2は、本発明に係る製造方法により製造された液状特殊肥料10を使用した際の植物の発育状態を示す画像である。
植物(本発明使用)G1は本発明に係る液状特殊肥料10によって育成された植物であり、植物(本発明未使用)G2は従来の肥料によって育成された植物である。
画像から確認できるように、植物(本発明使用)G1は植物(本発明未使用)G2よりも根はりがよい。また、植物(本発明使用)G1の茎S、葉Rは、植物(本発明未使用)G2の茎S、葉Rよりも大きく生長していることがわかる。
図3は、本発明に係る製造方法により製造された液状特殊肥料10を使用した際の植物の成分を示すグラフであり、牧草の育成における液状特殊肥料10の効果を示すものである。
通常の肥料と液状特殊肥料10との比較のため、採草地において、1アールずつの試験区及び対照区を設定し、試験区において10日間で液状特殊肥料10を1,000倍希釈して生草に散布した。
分析項目として、生草の粗タンパク質の含有率とビタミンE、βカロテンの含有量を分析した。
乾物中の粗タンパク質の含有率は、液状特殊肥料10を使用した試験区の成分値である試験区成分値S2が、通常の肥料を用いた対照区の対照区成分値S1よりも、約2倍高かった(図3(a))。
また、乾物中のビタミンEとβカロテンの含有量についても、液状特殊肥料10を使用した試験区の試験区成分値S2が、通常の肥料を用いた対照区の対照区成分値S1よりも、約2倍高かった(図3(b),(c))。
この結果から、牧草をはじめ栽培植物に対する液状特殊肥料10の散布効果が高いと判断でき、故に液状特殊肥料10の散布により少なからず栽培植物に好影響を付与することになるものと思料される。
このように、本発明によれば、モリンガ、コットニー、ステビアを含む特殊肥料製造方法において、原料全てにおいて化学物質を用いることなく、モリンガ、コットニー、ステビアの成分を効果的に抽出した液体肥料を製造することが出来、モリンガ等の豊富な栄養素をそのまま土壌に浸透させることが出来、それを吸収した栽培植物の発根、活着促進、樹勢回復、光合成増進、品質向上、収穫アップ、糖度アップ等、生長及び栄養価の増大に資するものである。
また、モリンガ、ステビアは抗菌成分と抗酸化物質を含むので、農作物が病気・害虫に対して強くなり、免疫力も向上させることができる。
本発明に係る液状特殊肥料は、液状特殊肥料の効果を向上させる技術として産業上の利用可能性は大きいと解する。
1 液状特殊肥料製造工程
10 液状特殊肥料
20 主原料
21 水
22 モリンガ
23 海藻(コットニー)
24 ステビア
30 攪拌工程
40 第1の濾過工程
50 添加物
50a 発酵菌
60 混合工程
70 堆肥化工程
80 第2濾過工程
90 計量工程
91 充填工程
G1 植物(本発明使用)
G2 植物(本発明未使用)
S 茎
R 葉
C 根
S1 対照区成分値
S2 試験区成分値

Claims (7)

  1. 液状特殊肥料の製造方法であって、
    水と、カット後に乾燥したコットニーと、モリンガの葉又は/及び茎の乾燥粉末と、ステビアの葉又は/及び茎の乾燥粉末とを混合し、高温で攪拌する攪拌工程と、
    該攪拌工程の生成物を濾過する第1の濾過工程と、
    該第1の濾過工程の生成物に、発酵菌を混合する混合工程と、
    該混合工程の生成物について、所定の期間、堆肥化を行う堆肥化工程と、
    から成ることを特徴とする液状特殊肥料の製造方法。
  2. 前記堆肥化工程の生成物を濾過する第2の濾過工程を持つことを特徴とする請求項1に記載の液状特殊肥料の製造方法。
  3. 前記攪拌工程の攪拌温度が40乃至65度であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液状特殊肥料の製造方法。
  4. 前記堆肥化工程における堆肥化のための所定の期間が1.5乃至3か月であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の液状特殊肥料の製造方法。
  5. 前記攪拌工程における混合割合が、水20リットルに対してコットニーが400乃至500グラム、モリンガが250乃至300グラム、ステビアが150乃至200グラムであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の液状特殊肥料の製造方法。
  6. 前記混合工程における混合割合が、水20リットルに対して発酵菌が150乃至250ccであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の液状特殊肥料の製造方法。
  7. 前記発酵菌が納豆菌であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の液状特殊肥料の製造方法。

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