JP2022126918A - 弾道飛翔体追跡方法、飛翔体追跡システム、飛翔体対処システムおよび地上システム - Google Patents

弾道飛翔体追跡方法、飛翔体追跡システム、飛翔体対処システムおよび地上システム Download PDF

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Abstract

【課題】計測誤差の少ない弾道飛翔体の追跡方法を提供する。【解決手段】監視衛星100-0が、飛翔経路モデルの起点となるべき、飛翔体発射時の発射探知情報を探知する。監視衛星100-1が、噴射終了後の温度上昇した弾道飛翔体521を宇宙背景で検知する。地上システム340は、弾道飛翔体521の発射探知情報を起点として、モデルデータベース350の複数の飛翔経路モデルを参照することにより、監視可能な後続監視衛星を選択し、監視衛星100-0から後続監視衛星100-1へ情報伝送する。南北方向に視線ベクトルを有する後続監視衛星100-1が、噴射終了後の前記弾道飛翔体を計測し、東西方向に視線ベクトルを有する後続監視衛星00-1が、噴射終了後の弾道飛翔体521を計測する。地上システム340が、計測情報を取得し、飛翔経路モデルと実軌道の乖離を評価して飛翔経路モデルを補正する。【選択図】図1

Description

本開示は、弾道飛翔体追跡方法、飛翔体追跡システム、飛翔体対処システムおよび地上システムに関する。
衛星コンステレーションを用いて地球の全球面内における特定緯度の地域を網羅的に監視する技術がある(例えば特許文献1)。
また、飛翔体が弾道飛行することを前提とする飛翔体対処システムが存在する。噴射終了後に温度上昇した弾道飛翔体の本体を検知するためには、地球周縁を指向するリム観測をする必要がある。監視に適する監視衛星は弾道飛翔体の近傍を飛翔する監視衛星ではなく、リム観測に適した相対位置を飛翔する監視衛星となる。このリム観測では監視衛星からみた高度方向と水平方向の計測精度は高いが、距離方向には計測誤差が大きいという課題がある。
特開2008-137439号公報
本開示は、計測誤差の少ない弾道飛翔体の追跡方法の提供を目的とする。
本開示の弾道飛翔体追跡方法は、
赤外監視装置を具備し、低軌道を飛翔する監視衛星で構成する衛星コンステレーションにより取得した飛翔体監視情報を地上システムで解析し、弾道飛行する弾道飛翔体を追跡する弾道飛翔体追跡方法である。
本開示の弾道飛翔体追跡方法では、
前記監視衛星が、
地心方向を指向する第一の赤外監視装置と
地球周縁を指向する第二の赤外監視装置と
を具備し、
前記監視衛星が、
前記第一の赤外監視装置により、飛翔経路モデルの起点となるべき、飛翔体発射時に伴う高温噴霧を探知し、
前記第二の赤外監視装置により、噴射終了後に温度上昇した前記弾道飛翔体を宇宙背景で検知し、
前記地上システが、
前記弾道飛翔体の発射位置座標、飛翔方向、及び発射から着弾までの時系列飛翔距離と飛翔高度プロファイルを含む複数の飛翔経路モデルを格納したモデルデータベースを具備し、
前記第一の赤外監視装置が検出した前記弾道飛翔体の発射探知情報を起点として、
前記複数の飛翔経路モデルを参照することにより、飛翔経路を予測時刻に監視可能な後続監視衛星を選択して、前記第一の赤外監視装置で発射探知した前記監視衛星から前記後続監視衛星へ情報伝送し、
南北方向に視線ベクトルを有する前記後続監視衛星である監視衛星が、
噴射終了後の前記弾道飛翔体の検知時刻、経度、高度情報を計測し、
東西方向に視線ベクトルを有する前記後続監視衛星である監視衛星が、
噴射終了後の前記弾道飛翔体の検知時刻、緯度、高度情報を計測し、
前記地上システムが、
前記飛翔経路モデルと実軌道の乖離を評価して飛翔経路モデルを補正し、前記第一の赤外監視装置で発射探知した監視衛星から情報伝送された前記後続監視衛星とは異なる監視衛星である次の後続監視衛星で、前記弾道飛翔体の監視を継続する。
本開示によれば、計測誤差の少ない弾道飛翔体の追跡方法を提供できる。
実施の形態1の図で、弾道飛翔体追跡方法380を示す図。 実施の形態1の図で、衛星コンステレーション形成システム600の構成例を示す図。 実施の形態1の図で、衛星コンステレーション形成システム600の衛星620の構成例を示す図。 実施の形態1の図で、ある高度から見下ろした状態の弾道飛翔体521の飛翔経路モデルの例を示す図。 実施の形態1の図で、距離方向と高さ方向とにおける弾道飛翔体521の飛翔経路モデルの例を示す図。 実施の形態1の図で、弾道飛翔体521に対するリム観測を示す図。 実施の形態1の図で、緯度帯から発射された弾道飛翔体521を示す図。 実施の形態1の図で、高緯度帯から発射された弾道飛翔体521を示す図。 実施の形態1の図で、衛星コンステレーション610が傾斜軌道衛星100A、極軌道衛星100B、赤道上空軌道衛星100Cを含む状態を示す図。 実施の形態1の図で、飛翔体追跡システム360を示す図。 実施の形態1の図で、飛翔体対処システム370を示す図。
実施の形態の説明および図面において、同じ要素および対応する要素には同じ符号を付している。同じ符号が付された要素の説明は、適宜に省略または簡略化する。以下の実施の形態では、「部」を、「回路」、「工程」、「手順」、「処理」または「サーキットリ」に適宜読み替えてもよい。
実施の形態1.
***構成の説明***
図1は、弾道飛翔体追跡方法380を示す。弾道飛翔体追跡方法380では、衛星コンステレーション610が、赤外監視装置を具備して低軌道を飛翔する監視衛星100で構成される。実施の形態1の弾道飛翔体追跡方法380は、衛星コンステレーション610により取得した弾道飛翔体521の飛翔体監視情報を地上システム340で解析し、弾道飛行する弾道飛翔体521を追跡する追跡方法である。詳細は後述する。
図2、図3を用いて衛星コンステレーション610を形成する衛星コンステレーション形成システム600における衛星620と地上設備700の例について説明する。衛星コンステレーション610は統合衛星コンステレーションである。衛星コンステレーション形成システム600は、単に衛星コンステレーションと呼ばれることがある。
図2は、衛星コンステレーション形成システム600の構成例である。衛星コンステレーション形成システム600は、コンピュータを備える。図2では、1つのコンピュータの構成を示しているが、実際には、衛星コンステレーション610を構成する複数の衛星の各衛星620、および、衛星620と通信する地上設備700の各々にコンピュータが備えられる。そして、複数の衛星の各衛星620、および、衛星620と通信する地上設備700の各々に備えられたコンピュータが連携して、衛星コンステレーション形成システム600の機能を実現する。以下において、衛星コンステレーション形成システム600の機能を実現するコンピュータの構成の一例について説明する。
衛星コンステレーション形成システム600は、衛星620と地上設備700を備える。衛星620は、地上設備700の通信装置950と通信する通信装置622を備える。図2では、衛星620が備える構成のうち通信装置622を図示している。
衛星コンステレーション形成システム600は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
衛星コンステレーション形成システム600は、機能要素として、衛星コンステレーション形成部911を備える。衛星コンステレーション形成部911の機能は、ハードウェアあるいはソフトウェアにより実現される。衛星コンステレーション形成部911は、衛星620と通信しながら衛星コンステレーション610の形成を制御する。
図3は、衛星コンステレーション形成システム600の衛星620の構成の一例である。衛星620は、衛星制御装置621と通信装置622と推進装置623と姿勢制御装置624と電源装置625と監視装置626を備える。その他、各種の機能を実現する構成要素を備えていてもよいが、図3では、衛星制御装置621と通信装置622と推進装置623と姿勢制御装置624と電源装置625と監視装置626について説明する。図3の衛星620は、監視衛星100の例である。
衛星制御装置621は、推進装置623と姿勢制御装置624とを制御するコンピュータであり、処理回路を備える。具体的には、衛星制御装置621は、地上設備700から送信される各種コマンドにしたがって、推進装置623と姿勢制御装置624とを制御する。
通信装置622は、地上設備700と通信する装置である。あるいは、通信装置622は、同一軌道面の前後の衛星620、あるいは、隣接する軌道面の衛星620と通信する装置である。具体的には、通信装置622は、自衛星に関する各種データを地上設備700あるいは他の衛星620へ送信する。また、通信装置622は、地上設備700から送信される各種コマンドを受信する。
推進装置623は、衛星620に推進力を与える装置であり、衛星620の速度を変化させる。
姿勢制御装置624は、衛星620の姿勢と衛星620の角速度と視線方向(Line Of Sight)といった姿勢要素を制御するための装置である。姿勢制御装置624は、各姿勢要素を所望の方向に変化させる。もしくは、姿勢制御装置624は、各姿勢要素を所望の方向に維持する。姿勢制御装置624は、姿勢センサとアクチュエータとコントローラとを備える。姿勢センサは、ジャイロスコープ、地球センサ、太陽センサ、スター・トラッカ、スラスタおよび磁気センサといった装置である。アクチュエータは、姿勢制御スラスタ、モーメンタムホイール、リアクションホイールおよびコントロール・モーメント・ジャイロといった装置である。コントローラは、姿勢センサの計測データまたは地上設備700からの各種コマンドにしたがって、アクチュエータを制御する。
電源装置625は、太陽電池、バッテリおよび電力制御装置といった機器を備え、衛星620に搭載される各機器に電力を供給する。
監視装置626は、物体を監視する装置である。具体体には、監視装置626は、宇宙物体、飛翔体、あるいは陸海空の移動体といった物体を監視あるいは観測するための装置である。監視装置626は、観測装置ともいう。例えば、監視装置626は、飛翔体が大気圏に侵入する時の大気摩擦による温度上昇を赤外線で検知する赤外線監視装置である。監視装置626は、飛翔体の発射時のプルームないし飛翔体本体の温度を検知する。あるいは、監視装置626は、光波ないし電波の情報収集装置でもよい。監視装置626は、物体を光学系で検知する装置でもよい。監視装置626は、観測衛星の軌道高度と異なる高度を飛翔する物体を光学系で撮影する。具体的には、監視装置626は可視光学センサであってもよい。
衛星制御装置621に備わる処理回路について説明する。処理回路は、専用のハードウェアであってもよいし、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサであってもよい。処理回路において、一部の機能が専用のハードウェアで実現されて、残りの機能がソフトウェアまたはファームウェアで実現されてもよい。つまり、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはこれらの組み合わせで実現することができる。専用のハードウェアは、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGAまたはこれらの組み合わせである。ASICは、Application Specific Integrated
Circuitの略称である。FPGAは、Field Programmable Gate Arrayの略称である。
<衛星コンステレーションの形成方法>
衛星コンステレーションシステム600が形成する衛星コンステレーション610を説明する。衛星コンステレーション610は地上設備700が衛星620を制御することによって形成される。
図1に示すように、衛星コンステレーション610は、赤外監視装置を具備し、低軌道を飛翔する監視衛星100で構成される。実施の形態1の弾道飛翔体追跡方法380は、衛星コンステレーション610により取得した弾道飛翔体521の飛翔体監視情報を地上システム340で解析し、弾道飛行する弾道飛翔体521を追跡する追跡方法である。
監視衛星100が、地心方向を指向する第一の赤外監視装置101と、地球周縁を指向する第二の赤外監視装置102とを具備している。
監視衛星100は、第一の赤外監視装置101により、飛翔経路モデルの起点となるべき、弾道飛翔体521の飛翔体発射時に伴う高温噴霧を探知し、第二の赤外監視装置102により、噴射終了後に温度上昇した弾道飛翔体521の本体を宇宙背景で検知する。
噴射終了後に温度上昇した弾道飛翔体521の本体は、以後、弾道飛翔体521の本体と表記する。
地上システム340は、弾道飛翔体521の発射位置座標、飛翔方向、及び発射から着弾までの時系列飛翔距離と飛翔高度プロファイルを含む複数の飛翔経路モデルを格納したモデルデータベース350を具備している。
地上システム340は、第一の赤外監視装置101が検出した弾道飛翔体521の発射探知情を起点として、モデルデータベース350の有する複数の飛翔経路モデルを参照することにより、飛翔経路を予測時刻に監視可能な後続監視衛星を選択して、第一の赤外監視装置101で発射探知した監視衛星100-0から、後続監視衛星100-1へ情報伝送する。
そして、南北方向に視線ベクトルを有する後続監視衛星である監視衛星100-1が、噴射終了後の弾道飛翔体521の通過時刻、経度、高度を計測する。
また、東西方向に視線ベクトルを有する後続監視衛星である別の監視衛星100-1が、噴射終了後の弾道飛翔体521の通過時刻、緯度、及び高度情報を計測する。
地上システム340は、監視衛星100-1および別の監視衛星100-1の計測した計測情報を取得し、取得した計測情報を用いて、飛翔経路モデルと弾道飛翔体521の実軌道の乖離を評価して飛翔経路モデルを補正し、第一の赤外監視装置101で発射探知した監視衛星100から情報伝送された後続監視衛星100-1とは異なる監視衛星である次の後続監視衛星100-2で、弾道飛翔体521の監視を継続する。
図4は、ある高度から見下ろした状態の弾道飛翔体521の飛翔経路モデルの例を示す。図4では弾道飛翔体521の発射領域と着弾領域とが示されている。
図5は、距離方向と高さ方向とにおける弾道飛翔体521の飛翔経路モデルの例を示す。図5では横軸は弾道飛翔体521の飛翔距離、縦軸は弾道飛翔体521の高度を示す。
図6は、弾道飛翔体521に対するリム観測を示す。図6の(a)は、赤道上空付近からのリム観測を示す。図6の(b)は、北極側からみた赤道上空付近からのリム観測を示す。図6の(c)は、傾斜軌道北極付近からのリム観測を示す。
安全保障上の脅威となる弾道飛翔体521は、図4に示すように、発射が予想される発射領域と、着弾が予想される着弾領域を予め仮定できる。このため、発射領域から着弾領域までの距離、飛翔方向、到達時間、弾道飛行の場合の軌道と到達高度など典型的な飛翔経路モデルとして設定することが可能である。
弾道飛行する弾道飛翔体521においては、発射時の推進装置噴射終了段階の飛翔方向と、速度とにより飛翔プロファイルが決まり、発射後に最高到達高度に至る時間と距離を計測すれば着弾領域が予測可能となる。
更に弾道飛翔体521の飛行プロファイルは、図5に示すような、重力方向を含む同一面内に限定される。
よって、発射探知した位置座標を含む垂直な平面内という制約条件の下で、後続監視衛星により検知した弾道飛翔体521の方位角を解析して、後続監視衛星の位置座標を起点とする方位角の視線ベクトルと、垂直平面の交点として飛翔位置座標を解析することができる。
なお、噴射終了後に温度上昇した弾道飛翔体521、すなわち、弾道飛翔体521の本体を検知するためには、地球周縁を指向するリム観測をする必要がある。
監視に適する監視衛星は弾道飛翔体521近傍を飛翔する監視衛星ではなく、リム観測に適した相対位置を飛翔する監視衛星となる。
また、リム観測では監視衛星からみた高度方向と水平方向の計測精度は高いが、距離方向には計測誤差が大きいという課題がある。
そこで、弾道飛翔体521の弾道軌道を横から監視する赤道上空付近からのリム観測を行う監視衛星と、発射領域から着弾領域への飛翔方向から監視する傾斜軌道北極付近からの監視衛星の飛翔体情報を併用することにより、弾道飛翔体521の弾道軌道を高精度に追跡することができる。弾道軌道が発射位置座標を含む垂直平面であることから、弾道軌道を横から監視する監視衛星による計測情報の位置精度が向上するという効果がある。
図6に示すように、衛星コンステレーション610は、監視衛星100として、傾斜軌道を飛翔する傾斜軌道衛星100Aと、極軌道を飛翔する極軌道衛星100Bと、赤道上空軌道を飛翔する赤道上空軌道衛星100Cとを含む。
傾斜軌道衛星100Aと赤道上空軌道衛星100Cとは、中緯度地帯から発射されて東方向または西方向の速度成分を持って飛翔する噴射終了後の弾道飛翔体521を、傾斜軌道の赤道上空近傍と赤道上空軌道とを飛翔する際に計測することにより、弾道飛翔体521の検知時刻、経度、高度を含む計測情報を取得する。
傾斜軌道衛星100Aと極軌道衛星100Bとは、中緯度地帯から発射されて東方向また西方向の速度成分を持って飛翔する噴射終了後の弾道飛翔体521を、傾斜軌道と、極軌道とにおける中緯度地帯を飛翔する際に計測することにより、弾道飛翔体521の検知時刻、緯度、高度を含む計測情報を取得する。
図7は、中緯度帯から発射された弾道飛翔体521を示す。図7には、中緯度帯から発射された弾道飛翔体521と、弾道飛翔体521を赤道上空付近からリム観測する複数の傾斜軌道衛星100Aと、軌道北端付近で飛翔方向に対して後方へ弾道飛翔体521をリム観測する複数の傾斜軌道衛星100Aを示している。
図8は、高緯度帯から発射された弾道飛翔体521を示す。図8には高緯度帯から発射された弾道飛翔体521と、弾道飛翔体521を中緯度帯からリム観測する複数の傾斜軌道衛星100Aと、軌道北端付近で飛翔方向に対して後方へ弾道飛翔体521をリム観測する複数の傾斜軌道衛星100Aを示している。
図7に示すような、中緯度帯を東西方向に飛翔する弾道飛翔体521は、赤道上空からのリム監視により、宇宙背景で高精度監視ができるという特徴がある。しかし、赤道上空軌道衛星だけでは緯度方向の計測誤差が大きいという課題がある。実施の形態1の弾道飛翔体追跡方法380では、赤道上空軌道及び傾斜軌道または極軌道の衛星コンステレーションにより、経度方向と緯度方向の位置を計測する手段を提供する。
図4に示すような、発射領域に対して東に位置する着弾領域にむけて発射される弾道飛翔体521においては、赤道上空近傍を飛翔する監視衛星が、弾道軌道を横から監視するのに適しており、傾斜軌道の最北端付近を西から東に飛翔する監視衛星が、後方視するのが適している。そこで、赤道上空近傍を飛翔する監視衛星により、飛翔体の通過時刻、経度、及び高度情報を計測し、傾斜軌道の最北端周辺を飛翔する監視衛星により、飛翔体の通過時刻、緯度、及び高度情報を計測することにより弾道飛翔体521の弾道飛行の正確な飛翔経路の計測が可能となり、次の後続監視衛星に精度の高い飛翔体情報を伝送することで、弾道飛翔体の追跡が可能となる。
図9は、衛星コンステレーション610が傾斜軌道衛星100A、極軌道衛星100B、赤道上空軌道衛星100Cを含む場合を示す。図9に示すように、衛星コンステレーション610は、監視衛星100として、傾斜軌道を飛翔する傾斜軌道衛星100Aと、極軌道を飛翔する極軌道衛星100Bとを含む。
傾斜軌道衛星100Aと極軌道衛星100Bとは、高緯度地帯から発射されて極域を通過して飛翔を継続する噴射終了後の弾道飛翔体521を、傾斜軌道と、極軌道とにおける中緯度帯を飛翔する際に計測することにより、弾道飛翔体521の検知時刻、緯度、高度を含む計測情報を取得する。
図8に示すように、高緯度帯から発射されて極域を通過する弾道飛翔体521は赤道上空軌道からは監視できないという課題がある。そこで、上記のように傾斜軌道または極軌道の衛星コンステレーションにより経度方向と緯度方向の位置を計測する手段を提供する。
図10は、飛翔体追跡システム360を示す。飛翔体追跡システム360は、衛星コンステレーション610と、地上システム340とを備える。飛翔体追跡システム360は、弾道飛翔体521の発射探知と追跡とを実施する。地上システム340は、弾道飛翔体追跡方法380を用いて弾道飛翔体521を追跡する。
図11は、飛翔体対処システム370を示す。飛翔体対処システム370は、衛星コンステレーション610と、地上システム340と、対処アセット332とを備える。地上システム340は、弾道飛翔体追跡方法380を用いて弾道飛翔体521を追跡し、予想着弾領域近傍に位置する対処アセット332に飛翔体情報を伝送する。
***実施の形態1の効果***
実施の形態1の弾道飛翔体追跡方法380によれば、計測誤差の少ない弾道飛翔体の追跡方法を提供できる。
100 監視衛星、101 第一の赤外監視装置、102 第二の赤外監視装置、100A 傾斜軌道衛星、100B 極軌道衛星、100C 赤道上空軌道衛星、332 対処アセット、340 地上システム、350 モデルデータベース、360 飛翔体追跡システム、370 飛翔体対処システム、380 弾道飛翔体追跡方法、521 弾道飛翔体、610 衛星コンステレーション、620 衛星、621 衛星制御装置、622 通信装置、623 推進装置、624 姿勢制御装置、625 電源装置、626 監視装置、700 地上設備、910 プロセッサ、911 衛星コンステレーション形成部、921 メモリ、922 補助記憶装置、930 入力インタフェース、940 出力インタフェース、950 通信装置。

Claims (6)

  1. 赤外監視装置を具備し、低軌道を飛翔する監視衛星で構成する衛星コンステレーションにより取得した飛翔体監視情報を地上システムで解析し、弾道飛行する弾道飛翔体を追跡する弾道飛翔体追跡方法であって、
    前記監視衛星が、
    地心方向を指向する第一の赤外監視装置と
    地球周縁を指向する第二の赤外監視装置と
    を具備し、
    前記監視衛星が、
    前記第一の赤外監視装置により、飛翔経路モデルの起点となるべき、飛翔体発射時に伴う高温噴霧を探知し、
    前記第二の赤外監視装置により、噴射終了後に温度上昇した前記弾道飛翔体を宇宙背景で検知し、
    前記地上システが、
    前記弾道飛翔体の発射位置座標、飛翔方向、及び発射から着弾までの時系列飛翔距離と飛翔高度プロファイルを含む複数の飛翔経路モデルを格納したモデルデータベースを具備し、
    前記第一の赤外監視装置が検出した前記弾道飛翔体の発射探知情報を起点として、
    前記複数の飛翔経路モデルを参照することにより、飛翔経路を予測時刻に監視可能な後続監視衛星を選択して、前記第一の赤外監視装置で発射探知した前記監視衛星から前記後続監視衛星へ情報伝送し、
    南北方向に視線ベクトルを有する前記後続監視衛星である監視衛星が、
    噴射終了後の前記弾道飛翔体の検知時刻、経度、高度情報を計測し、
    東西方向に視線ベクトルを有する前記後続監視衛星である監視衛星が、
    噴射終了後の前記弾道飛翔体の検知時刻、緯度、高度情報を計測し、
    前記地上システムが、
    前記飛翔経路モデルと実軌道の乖離を評価して飛翔経路モデルを補正し、前記第一の赤外監視装置で発射探知した監視衛星から情報伝送された前記後続監視衛星とは異なる監視衛星である次の後続監視衛星で、前記弾道飛翔体の監視を継続する弾道飛翔体追跡方法。
  2. 前記衛星コンステレーションは、
    前記監視衛星として、傾斜軌道を飛翔する傾斜軌道衛星と、極軌道を飛翔する極軌道衛星と、赤道上空軌道を飛翔する赤道上空軌道衛星とを含み、
    前記傾斜軌道衛星と前記赤道上空軌道衛星とは、
    中緯度地帯から発射されて東方向または西方向の速度成分を持って飛翔する噴射終了後の前記弾道飛翔体を、傾斜軌道の赤道上空近傍と赤道上空軌道とを飛翔する際に計測することにより、前記弾道飛翔体の検知時刻、経度、高度を含む計測情報を取得し、
    前記傾斜軌道衛星と前記極軌道衛星とは、
    前記中緯度地帯から発射されて東方向また西方向の速度成分を持って飛翔する噴射終了後の前記弾道飛翔体を、前記傾斜軌道と、前記極軌道とにおける前記中緯度地帯を飛翔する際に計測することにより、前記弾道飛翔体の検知時刻、緯度、高度を含む計測情報を取得する請求項1に記載の弾道飛翔体追跡方法。
  3. 前記衛星コンステレーションは、
    前記監視衛星として、傾斜軌道を飛翔する傾斜軌道衛星と、極軌道を飛翔する極軌道衛星とを含み、
    前記傾斜軌道衛星と前記極軌道衛星とは、
    高緯度地帯から発射されて極域を通過して飛翔を継続する噴射終了後の前記弾道飛翔体を、前記傾斜軌道と、前記極軌道とにおける中緯度帯を飛翔する際に計測することにより、前記弾道飛翔体の検知時刻、緯度、高度を含む計測情報を取得する請求項1に記載の弾道飛翔体追跡方法。
  4. 衛星コンステレーションと、地上システムとを備える飛翔体追跡システムであって、
    前記飛翔体追跡システムは、
    前記弾道飛翔体の発射探知と追跡とを実施するとともに
    前記地上システムは、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の弾道飛翔体追跡方法を用いて前記弾道飛翔体を追跡する飛翔体追跡システム。
  5. 衛星コンステレーションと、地上システムと、対処アセットとを備える飛翔体対処システムであって、
    前記地上システムは、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の弾道飛翔体追跡方法により前記弾道飛翔体を追跡して、予想着弾領域近傍に位置する対処アセットに飛翔体情報を伝送する飛翔体対処システム。
  6. 請求項4に記載の飛翔体追跡システムまたは請求項5に記載の飛翔体対処システムの備える地上システム。
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