JP2022125668A - 結晶セルロース微粉体及びその製造方法 - Google Patents

結晶セルロース微粉体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】吸水性及び吸油性に優れ、肌触りの良い結晶セルロース微粉体を提供する。【解決手段】結晶セルロース微粉体は、平均粒径が10μm以下であり、且つ、粒子の短径に対する長径の比が2以下の棒状粒子である。前記平均粒径が4μm以上9μm以下であってもよい。前記粒子の短径に対する長径の比が1.3以上1.6以下であってもよい。前記結晶セルロース微粉体は、吸水性が2.0mL/g以上であってもよい。前記結晶セルロース微粉体は、吸油性が1.5mL/g以上であってもよい。【選択図】なし

Description

本発明は、結晶セルロース微粉体及びその製造方法に関する。
結晶セルロース微粉体は、吸水性及び吸油性が優れることから、化粧品分野において肌上の伸びやツヤ、滑らか性等の改質添加剤、成形性付与剤等として使用されている。さらに、医薬品分野における錠剤の賦形剤、食品分野における懸濁安定性、乳化安定性及び熱安定性の付与剤、工業製品分野における多孔質化用添加剤、押し出し改良剤、表面改質剤等、幅広い分野で使用されている。
このような結晶セルロース微粉体として、例えば、特許文献1には、化粧品原料として配合される微結晶性セルロースが開示されている。
特許文献2には、平均粒径が5μm以下であり、20μm以上の粒子の割合が5質量%未満であり、且つ、粒子の短径に対する長径の比(以下、「長径/短径比」と称する場合がある)が5以上の結晶セルロースの微粉末が開示されている。
特許文献3には、平均粒径が3μm以上30μm以下であり、30μm以上の粒子の割合が10質量%以下であり、且つ、粒子の短軸に対する長軸の比(「長軸/短軸比」と称する場合がある)が3以下である卵形の化粧品向け微結晶セルロースが開示されている。
特公昭40-6118号公報 特開2004-331925号公報 特開昭54-62328号公報
しかしながら、特許文献1に記載の微粉体は、平均粒径が約40μmと大きく、これを化粧品に添加しても、ざらざらとした質感となってしまい、肌上の伸びが良好ではない。
特許文献2に記載の微粉末は、長径/短径比が5以上と非常に大きいことから、化粧品に添加すると肌に引っ掛かるような質感となってしまい、十分な滑らかさを付与することができない。
特許文献3に記載の微結晶セルロースは、長軸/短軸比が小さく流動性は優れているものの、分級により製造することから歩留まりが非常に悪く、生産性に問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、吸水性及び吸油性に優れ、肌触りの良い結晶セルロース微粉体及びその製造方法を提供する。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
(1) 平均粒径が10μm以下であり、且つ、粒子の短径に対する長径の比が2以下の棒状粒子である、結晶セルロース微粉体。
(2) 前記平均粒径が4μm以上9μm以下である、(1)に記載の結晶セルロース微粉体。
(3) 前記粒子の短径に対する長径の比が1.3以上1.6以下である、(1)又は(2)に記載の結晶セルロース微粉体。
(4) 吸水性が2.0mL/g以上である、(1)~(3)のいずれか一つに記載の結晶セルロース微粉体。
(5) 吸油性が1.5mL/g以上である、(1)~(4)のいずれか一つに記載の結晶セルロース微粉体。
(6) (1)~(5)のいずれか一つに記載の結晶セルロース微粉体の製造方法であって、
セルロース原料を粉砕する粉砕工程を含み、
前記粉砕工程において、前記セルロース原料の粒子の平均粒径が100μm未満である場合には、セイシン製のジェットミル粉砕機STJ-400で、流量が2kg/時間以上12kg/時間以下の条件で1回粉砕し、
前記セルロース原料の粒子の平均粒径が100μm以上である場合には、セイシン製のジェットミル粉砕機STJ-400で、流量が2kg/時間以上12kg/時間以下の条件で2回以上粉砕する、製造方法。
上記態様の結晶セルロース微粉体及びその製造方法によれば、吸水性及び吸油性に優れ、肌触りの良い結晶セルロース微粉体が得られる。
<結晶セルロース微粉体>
本実施形態の結晶セルロース微粉体は、平均粒径が10μm以下であり、且つ、粒子の短径に対する長径の比(以下、「長径/短径比」と称する場合がある)が2以下の棒状粒子である。
本実施形態の結晶セルロース微粉体は、上記構成を有することで、吸水性及び吸油性に優れ、肌触りの良いものとすることができる。
[平均粒径]
本実施形態の結晶セルロース微粉体は、平均粒径が10μm以下であり、9.5μm以下であることが好ましく、9μm以下であることがより好ましい。一方、平均粒径の下限は特に限定されないが、例えば、1μmとすることができ、3μmであることが好ましく、4μmであることがより好ましい。
すなわち、本実施形態の結晶セルロース微粉体は、平均粒径が1μm以上10μm以下であり、3μm以上9.5μm以下であることが好ましく、4μm以上9μm以下であることがより好ましい。
平均粒径が上記上限値以下であることで、セルロース粒子のざらざらした肌触りを感じることが少なく、化粧品に配合した際に十分な滑らかさを得ることができる。
平均粒径は、例えば、画像式粒度分布測定装置(カムサイザーX2:ヴァーダー・サイエンティフィック製)を用いて測定することができる。
[長径/短径比]
本実施形態の結晶セルロース微粉体は、粒子の長径/短径比が2以下であり、1.8以下であることが好ましく、1.6以下であることがさらに好ましく、1.5以下であることが特に好ましい。一方、粒子の長径/短径比の下限は、棒状粒子の形状を保てる比率であることが好ましく、例えば、1.3以上とすることができ、1.4以上とすることができる。
すなわち、本実施形態の結晶セルロース微粉体は、粒子の長径/短径比が1.3以上2以下であり、1.3以上1.8以下であることが好ましく、1.3以上1.6以下であることがさらに好ましく、1.4以上1.5以下であることが特に好ましい。
粒子の長径/短径比が上記上限値以下であることで、長細い針状粒子となることがなく、本実施形態の結晶セルロース微粉体を化粧品に配合して肌の上で伸ばした際に引っ掛かるような質感となることを抑制し、十分な伸びを得ることができる。
粒子の長径/短径比は、例えば、画像式粒度分布測定装置(カムサイザーX2:ヴァーダー・サイエンティフィック製)を用いて、粒子の長径及び短径を測定した後、短径で長径を除することで算出することができる。具体的な算出方法は、後述する実施例に示すとおりである。
[結晶セルロース]
本実施形態の結晶セルロース微粉体は、結晶化度が10%超であるものである。
なお、ここでいう「結晶化度」とは、X線回折図上の結晶散乱ピーク面積の割合として定義されるものである。
セルロースの結晶形としてはI型、II型、III型、IV型等が知られているが、中でも、セルロースの結晶形としては、I型であることが好ましい。I型はラミー、コットンリンター、木材パルプ等の天然セルロースと同じ結晶構造であるため、天然資源を用いるだけで特別な処理が不要でありコスト及び環境への影響の点で優れている。
[吸水性]
本実施形態の結晶セルロース微粉体は、吸水性が2.0mL/g以上であることが好ましく、2.1mL/g以上であることがより好ましい。一方で、吸水性の上限は特に限定されないが、例えば、5.0mL/gとすることができる。
吸水性が上記下限値以上であることで、化粧品用途で求められる吸水性をより十分に発現することができる。
なお、ここでいう「吸水性」とは、単位重量あたりの結晶セルロース微粉体が吸収しうる純水の体積を意味する。具体的には、後述する実施例に示す方法を用いて測定することができる。
[吸油性]
本実施形態の結晶セルロース微粉体は、吸油性が1.5mL以上であることが好ましい。一方で、吸油性の上限は特に限定されないが、例えば、5.0mL/gとすることができる。
吸油性が上記下限値以上であることで、化粧品用途で求められる吸油性をより十分に発現することができる。
なお、ここでいう「吸油性」とは、単位重量あたりの結晶セルロース微粉体が吸収しうるサラダ油の体積を意味する。具体的には、後述する実施例に示す方法を用いて測定することができる。
<結晶セルロース微粉体の製造方法>
結晶セルロース微粉体は、例えば、セルロース原料を粉砕することで製造することができる。
結晶セルロース微粉体の原料は、木材(針葉樹、広葉樹)、コットンリンター、麦藁、葦、竹、バガスなどの天然セルロースや、レーヨン、セロファン等の再生セルロースを主成分とするパルプが用いられる。そして、これらのパルプをそのまま湿式粉砕、乾式粉砕させたものや、パルプを酸加水分解又はアルカリ酸化分解等の機械的又は化学的処理の後にセルロースのスラリーとし、凍結乾燥法、噴霧乾燥法、棚段式乾燥法、ドラム乾燥法、ベルト乾燥法、流動床乾燥法、マイクロウェーブ乾燥法、蒸発乾燥法等によって乾燥させて得られたものが、粒子調製前のセルロース原料として使用できる。
上記で得られたセルロース原料をハンマーミル、ターボミル、ファインミル、ジェットミル、ビーズミル、ピンミル、コロイドミル、バンタムミル、グラインダーミル、カッターミル等の機械を用いて、乾式及び湿式を問わず粉砕を行うこと(粉砕工程)で、結晶セルロース微粉体を得ることができる。生産性を考慮すると乾式粉砕が好ましく、上記のうち特に好ましい粉砕方法はジェットミルである。ジェットミルとしては、例えば、セイシン企業製のジェットミル粉砕機(STJ-400)等を使用することができる。ジェットミル粉砕機(STJ-400、セイシン企業製)は、高い空気圧で粒子同士を衝突させながら粉砕する気流式粉砕機であり、二次粒子が破砕され一次粒子化しやすい。
また、必要であれば繰り返し粉砕を行うことで、より粒径の小さい微粉体を得ることができる。
ジェットミルを用いた粉砕工程において、具体的には、セルロース原料の粒子の平均粒径が100μm未満である場合には、例えば、セイシン企業製のジェットミル粉砕機(STJ-400)を用いて、流量が2kg/時間以上12kg/時間以下、好ましくは3kg/時間以上10kg/時間の条件で1回粉砕することで、平均粒径及び長径/短径比が上記数値範囲内であり、棒状粒子である結晶セルロース微粉体を製造することができる。
一方、セルロース原料の粒子の平均粒径が100μm以上である場合には、例えば、セイシン企業製のジェットミル粉砕機(STJ-400)を用いて、流量が2kg/時間以上12kg/時間以下、好ましくは3kg/時間以上10kg/時間の条件で2回以上、好ましくは3回以上、より好ましくは5回以上粉砕することで、平均粒径及び長径/短径比が上記数値範囲内であり、棒状粒子である結晶セルロース微粉体を製造することができる。
<結晶セルロース微粉体の用途>
本実施形態の結晶セルロース微粉体は、例えば、化粧品分野において肌上の伸びやツヤ、滑らか性等の改質添加剤、成形性付与剤等として好適に使用される。
具体的には、化粧品分野においては、結晶セルロース微粉体を化粧品基材に添加することにより、吸水性、吸油性、及び肌触りのよさを付与できるため、例えば、肌のザラツキの低減や油脂のベトツキを低減するための、洗顔料、化粧水、乳液、クリーム、ジェル、エッセンス、パック・マスク、シャンプー剤、洗口剤等の液状化粧品;固形白粉、固形ファンデーション、口紅、頬紅、浴用剤等の固形化粧品に使用できる。また、その他にスクラブ剤や、圧縮成形が必要な化粧品類の成形剤としても使用することができる。
化粧品分野の一例を挙げたが、これらに限定されるものではなく、本実施形態の結晶セルロース微粉体の持つ吸水性、吸油性、及び肌触りのよさや、微粉体としての特徴を活かせる分野は広い。
具体的には、本実施形態の結晶セルロース微粉体は、特殊な使い方として、医薬品分野における錠剤成形の賦形剤としても使用できる。例えば、錠剤を製造する際には直接粉末打錠法や、湿打後末法の結合剤;押し出し造粒における押し出し改良剤;流動層造粒、高速撹拌造粒における造粒剤;診断検査薬の担体粒子等としても使用することができる。
食品分野においては、例えば、ココア、抹茶、カルシウム強化飲料、食物繊維強化飲料等の不溶性沈降成分を含む飲料や経管流動食類の懸濁安定助剤又は再分散剤;アイスクリーム、カスタードクリーム、ゼリー、プリン、シャーベット、和洋菓子類等の保形剤;練りからし等の調味料の押し出し改良剤;焼き菓子やスナック菓子の割れ欠け防止等にも使用することができる。
工業製品分野においては、セラミックスの多孔質化用添加剤として添加することができ、微粉体であることから基材へ均一に分散し、焼結による多孔質化を容易にすることができる。また、吸水性及び吸湿性の向上によるべたつき防止や押し出し性の改善による表面改質、孔の微小化による成形体の強度向上等の特徴も付与することができる。これらの本実施形態の結晶セルロース微粉体を配合し、成形されたものの用途は、例えば、ガラス製品、人工骨材、半導体製品、超伝導材料、電池、磁性体、コンデンサ、プリント配線板、点火プラグ、スピーカー、磁気テープ、磁気ヘッド、生体材料、歯科材料、鉛筆芯等、広く応用される。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例における結晶セルロース微粉体の平均粒径、粒子の長径/短径比、吸水性、及び吸油性は以下に示す方法を用いて測定した。
[物性1]
(平均粒径)
平均粒径は、画像式粒度分布測定装置(カムサイザーX2:ヴァーダー・サイエンティフィック製)を用いて、エアー圧力が30kPaの条件下で、乾式にて球相当径として測定した。
[物性2]
(粒子の長径/短径比)
粒子の長径/短径比は、画像式粒度分布測定装置(カムサイザーX2:ヴァーダー・サイエンティフィック製)を用いて、エアー圧力が30kPaの条件下で、乾式にて粒子の長径及び短径をそれぞれ測定した。画像式粒度分布測定装置では、粒子が光源を通過する際に1粒子ごとの画像を自動で撮影し、その長径及び短径を自動で測定する。この際のメジアン径を長径及び短径の値として用いて長径/短径比を算出した。
[評価1]
(吸水性)
試料(結晶セルロース微粉体)5gをシャーレの上に秤取り、純水を徐々に滴下した。スパチュラで練りながら、目視にて状態を観察し、離水がみとめられた状態を終点とし、試料1gあたり滴下した純水量(mL)を測定した。
試料1gあたり滴下した純水量が2.0mL以上であるものを吸水性が良好であると評価した。
[評価2]
(吸油性)
試料(結晶セルロース微粉体)5gをシャーレの上に秤取り、サラダ油を徐々に滴下した。試料をスパチュラで練りながら、目視にて状態を観察し、離油がみとめられた状態を終点とし、試料1gあたり滴下したサラダ油量(mL)を測定した。
試料1gあたり滴下したサラダ油量が1.5mL以上であるものを吸油性が良好であると評価した。
[評価3]
(肌触り)
上記、吸油性の評価において限界まで吸油させたペースト状の各サンプルを肌に塗布し、引っ掛かり等がないか触感を確認した。
引っ掛かりや、ざらつき等がなく滑らかものを肌触りが良好である(○)と評価し、引っ掛かりやざらつきがあるものを不良である(×)と評価した。
<結晶セルロース微粉体の製造>
[実施例1]
(結晶セルロース微粉体C-a1の製造)
市販DPパルプを裁断し、10質量%塩酸水溶液中、105℃で30分間加水分解して不溶解残渣を得た。次いで、得られた不溶解残渣に対して濾過、洗浄、及びpH調整を行い、固形分濃度14質量%、pH6.5のセルロース分散体を調製した。このセルロース分散体を噴霧乾燥し、セルロース乾燥粉末を得た。次いで、ジェットミル(STJ-400、セイシン企業製)の流量を10kg/時間として1回粉砕し、結晶セルロース微粉体C-a1を得た。結晶セルロース微粉体C-a1は平均粒径8.3μm、形状は棒状で、長径/短径比が1.5であった。吸水性は2.1mL/g、吸油性は1.5mL/gであった。肌触りは滑らかであり、良好であった。分級は必要なく、歩留は100質量%であった。
[実施例2]
(結晶セルロース微粉体C-a2の製造)
市販DPパルプを裁断し、10質量%塩酸水溶液中、105℃で30分間加水分解して不溶解残渣を得た。次いで、得られた不溶解残渣に対して濾過、洗浄、及びpH調整を行い、固形分濃度14質量%、pH6.5のセルロース分散体を調製した。このセルロース分散体を噴霧乾燥し、セルロース乾燥粉末を得た。次いで、ジェットミル(STJ-400、セイシン企業製)の流量を3kg/時間として1回粉砕し、結晶セルロース微粉体C-a2を得た。結晶セルロース微粉体C-a2は平均粒径4.6μm、形状は棒状で、長径/短径比が1.4であった。吸水性は2.3mL/g、吸油性は1.5mL/gであった。肌触りは滑らかであり、良好であった。分級は必要なく、歩留は100質量%であった。
[実施例3]
(結晶セルロース微粉体C-a3の製造)
市販DPパルプを裁断し、10質量%塩酸水溶液中、105℃で30分間加水分解して不溶解残渣を得た。次いで、得られた不溶解残渣に対して濾過、洗浄、及びpH調整を行い、固形分濃度14質量%、pH6.5のセルロース分散体を調製した。このセルロース分散体を噴霧乾燥し、セルロース乾燥粉末を得た。次いで、このセルロース乾燥粉末を分級機で100μm以上の粗大粒子のみを得た。次いで、ジェットミル(STJ-400、セイシン企業製)の流量を8kg/時間として6回連続粉砕し、結晶セルロース微粉体C-a3を得た。結晶セルロース微粉体C-a3は平均粒径6.4μm、形状は棒状で、長径/短径比が1.4であった。吸水性は2.1mL/g、吸油性は1.6mL/gであった。肌触りは滑らかであり、良好であった。分級は必要なく、歩留は100質量%であった。
[比較例1]
(結晶セルロース微粉体C-b1の製造)
市販DPパルプを裁断し、10質量%塩酸水溶液中、105℃で30分間加水分解して不溶解残渣を得た。次いで、得られた不溶解残渣に対して濾過、洗浄、及びpH調整を行い、固形分濃度14質量%、pH6.5のセルロース分散体を調製した。このセルロース分散体を噴霧乾燥し、セルロース乾燥粉末を得た。次いで、ジェットミル(STJ-400、セイシン企業製)の流量を15kg/時間として1回粉砕し、結晶セルロース微粉体C-b1を得た。結晶セルロース微粉体C-b1は平均粒径16.9μm、形状は棒状で、長径/短径比が1.5であった。吸水性は1.9mL/g、吸油性は1.4mL/gであった。肌触りはざらつきを感じ、不良であった。分級は必要なく、歩留は100質量%であった。
[比較例2]
(結晶セルロース微粉体C-b2の製造)
市販DPパルプを裁断し、10質量%塩酸水溶液中、105℃で30分間加水分解して不溶解残渣を得た。次いで、得られた不溶解残渣に対して濾過、洗浄、及びpH調整を行い、固形分濃度14質量%、pH6.5のセルロース分散体を調製した。このセルロース分散体を噴霧乾燥し、セルロース乾燥粉末を得た。次いで、このセルロース乾燥粉末をジェットミルの流量を3kg/時間として5回連続粉砕し、結晶セルロース微粉体C-b2を得た。結晶セルロース微粉体C-b2は平均粒径4.5μm、形状は棒状で、長径/短径比が5.5であった。吸水性は2.3mL/g、吸油性は2.5mL/gであった。肌触りは引っ掛かりを感じ、不良であった。分級は必要なく、歩留は100質量%であった。
[比較例3]
(結晶セルロース微粉体C-b3の製造)
市販DPパルプを裁断し、10質量%塩酸水溶液中、105℃で30分間加水分解して不溶解残渣を得た。次いで、得られた不溶解残渣に対して濾過、2軸押出機で混練した後に、洗浄、及びpH調整を行い、固形分濃度14質量%、pH6.5のセルロース分散体を調製した。このセルロース分散体を噴霧乾燥し、セルロース乾燥粉末を得た。次いで、このセルロース乾燥粉末を分級機で30μm以上の粗大粒子を除き、結晶セルロース微粉体C-b3を得た。結晶セルロース微粉体C-b3の平均粒径は20μm、形状は卵状で、長径/短径比が1.2であった。吸水性は1.0mL/g、吸油性は0.5mL/gであった。肌触りはざらつきを感じ、不良であった。分級による歩留は38質量%と低い値を示した。
実施例及び比較例で得られた結晶セルロース微粉体について、各種物性の測定結果及び評価結果を表1に示す。
Figure 2022125668000001
表1に示すように、平均粒径が10μm以下であり、且つ、粒子の短径に対する長径の比が2以下の棒状粒子である結晶セルロース微粉体C-a1~C-a3(実施例1~3)では、吸水性及び吸油性に優れ、肌触りの良いものであった。
一方で、粒子の短径に対する長径の比が2以下であるものの、平均粒径が10μm超であり、棒状又は卵状粒子である結晶セルロース微粉体C-b1及びC-b3(比較例1及び3)では、吸水性、吸油性、及び肌触りのいずれも不良であった。
また、平均粒径が10μm以下であるものの、粒子の短径に対する長径の比が2超の棒状粒子である結晶セルロース微粉体C-b2(比較例2)では、吸水性及び吸油性に優れるが、肌触りが不良であった。
本実施形態の結晶セルロース微粉体及びその製造方法によれば、吸水性及び吸油性に優れ、肌触りの良い結晶セルロース微粉体が得られる。本実施形態の結晶セルロース微粉体は、主に化粧品分野において肌上の伸びやツヤ、滑らか性等の改質添加剤、成形性付与剤等として好適に使用される。

Claims (6)

  1. 平均粒径が10μm以下であり、且つ、粒子の短径に対する長径の比が2以下の棒状粒子である、結晶セルロース微粉体。
  2. 前記平均粒径が4μm以上9μm以下である、請求項1に記載の結晶セルロース微粉体。
  3. 前記粒子の短径に対する長径の比が1.3以上1.6以下である、請求項1又は2に記載の結晶セルロース微粉体。
  4. 吸水性が2.0mL/g以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の結晶セルロース微粉体。
  5. 吸油性が1.5mL/g以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の結晶セルロース微粉体。
  6. 請求項1~5のいずれ一項に記載の結晶セルロース微粉体の製造方法であって、
    セルロース原料を粉砕する粉砕工程を含み、
    前記粉砕工程において、前記セルロース原料の粒子の平均粒径が100μm未満である場合には、セイシン製のジェットミル粉砕機STJ-400で、流量が2kg/時間以上12kg/時間以下の条件で1回粉砕し、
    前記セルロース原料の粒子の平均粒径が100μm以上である場合には、セイシン製のジェットミル粉砕機STJ-400で、流量が2kg/時間以上12kg/時間以下の条件で2回以上粉砕する、製造方法。
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