JP2022124893A - 熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱回収促進時の熱回収性能に優れる熱交換器を提供する。【解決手段】中空型のハニカム構造体10と、ハニカム構造体10の外周壁12に嵌合される第1外筒部材20と、ハニカム構造体10の内周壁11に嵌合される内筒部材30と、内筒部材30の径方向内側に第1流体の流路を構成するように間隔をもって配置される部分を有する上流側筒状部材40と、第1流体の流路を構成するように、第1外筒部材20の上流側端部21aと上流側筒状部材40の上流側との間を接続する筒状接続部材50と、第1外筒部材20の下流側端部21bに接続され、内筒部材30の径方向外側に第1流体の流路を構成するように間隔をもって配置される部分を有する下流側筒状部材60とを備える熱交換器である。内筒部材30は、ハニカム構造体10の軸方向において、少なくともハニカム構造体10の第2端面13bに対応する位置から下流側端部31bまでの領域に、熱伝達抑制構造32及び/又は熱伝達抑制部材33を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、熱交換器に関する。
近年、自動車の燃費改善が求められている。特に、エンジン始動時などのエンジンが冷えている時の燃費悪化を防ぐため、冷却水、エンジンオイル、オートマチックトランスミッションフルード(ATF:Automatic Transmission Fluid)などを早期に暖めて、フリクション(摩擦)損失を低減するシステムが期待されている。また、排ガス浄化用触媒を早期に活性化するために触媒を加熱するシステムが期待されている。
このようなシステムとして、例えば、熱交換器がある。熱交換器は、内部に第1流体を流通させるとともに外部に第2流体を流通させることにより、第1流体と第2流体との間で熱交換を行う装置である。このような熱交換器では、高温の流体(例えば、排ガスなど)から低温の流体(例えば、冷却水など)へ熱交換(熱回収)することにより、回収した熱を有効利用することができる。
自動車の排ガスのような高温の気体から熱を回収する熱交換器としては、ハニカム構造体を備える熱交換器が提案されている。また、排ガスのバイパス経路として機能する中空領域を有する中空型のハニカム構造体を備える熱交換器も提案されている。
特許文献1には、流入端面(第1端面)から流出端面(第2端面)まで延びる第1流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁、内周壁及び外周壁を有する中空型のハニカム構造体と、ハニカム構造体の外周壁と接するように配置された第1外筒と、第1流体の流入口及び流出口を有し、外周面の一部がハニカム構造体の内周壁と接するように配置された第1内筒と、第1流体の流入口及び流出口を有し、流出口がハニカム構造体の内周壁の径方向内側に間隔をおいて配置された第2内筒と、第1内筒の流出口側に配置された開閉バルブとを備える熱交換器が提案されている。この熱交換器は、開閉バルブの開閉によって熱回収(熱交換)の促進と抑制との切替えを行うことができる。
特開2020-159270号公報
特許文献1の熱交換器は、熱回収促進時(開閉バルブを閉じた状態のとき)に、ハニカム構造体の第2端面を流出した第1流体が、ハニカム構造体の第1端面に流入する前の第1流体と第1内筒を介して熱交換してしまい、熱回収量が低下するという課題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、熱回収促進時の熱回収性能に優れる熱交換器を提供することを目的とする。
本発明者らは、熱交換器の構造について鋭意研究を行った結果、特定の構造を有する熱交換器とすることにより、上記の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、内周壁と、外周壁と、前記内周壁と前記外周壁との間に配設され、第1端面から第2端面まで延びる第1流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁と、を有する中空型のハニカム構造体と、
前記ハニカム構造体の前記外周壁に嵌合される第1外筒部材と、
前記ハニカム構造体の前記内周壁に嵌合される内筒部材と、
前記内筒部材の径方向内側に前記第1流体の流路を構成するように間隔をもって配置される部分を有する上流側筒状部材と、
前記第1流体の流路を構成するように、前記第1外筒部材の上流側端部と前記上流側筒状部材の上流側との間を接続する筒状接続部材と、
前記第1外筒部材の下流側端部に接続され、前記内筒部材の径方向外側に前記第1流体の流路を構成するように間隔をもって配置される部分を有する下流側筒状部材と
を備え、
前記内筒部材は、前記ハニカム構造体の軸方向において、少なくとも前記ハニカム構造体の前記第2端面に対応する位置から下流側端部までの領域に、熱伝達抑制構造及び/又は熱伝達抑制部材を有する熱交換器である。
本発明によれば、熱回収促進時の熱回収性能に優れる熱交換器を提供することができる。
本発明の実施形態1に係る熱交換器の第1流体の流通方向に平行な断面図である。 図1の熱交換器におけるa-a’線の断面図である。 本発明の実施形態1に係る別の熱交換器における内筒部材とハニカム構造体との嵌合部周辺の部分拡大断面図である。 本発明の実施形態1に係る別の熱交換器における内筒部材とハニカム構造体との嵌合部周辺の部分拡大断面図である。 本発明の実施形態1に係る別の熱交換器における内筒部材とハニカム構造体との嵌合部周辺の部分拡大断面図である。 本発明の実施形態1に係る別の熱交換器の第1流体の流通方向に平行な断面図である。 本発明の実施形態1に係る別の熱交換器の第1流体の流通方向に平行な断面図である。 本発明の実施形態1に係る別の熱交換器の第1流体の流通方向に平行な断面図である。 本発明の実施形態1に係る別の熱交換器の第1流体の流通方向に平行な断面図である。 本発明の実施形態1に係る別の熱交換器の第1流体の流通方向に平行な断面図である。 本発明の実施形態1に係る別の熱交換器の第1流体の流通方向に平行な断面図である。 本発明の実施形態1に係る別の熱交換器における筒状接続部材周辺の部分拡大断面図である。 本発明の実施形態1に係る別の熱交換器における下流側筒状部材周辺の部分拡大断面図である。 本発明の実施形態1に係る熱交換器に使用可能な第2外筒部材の第1流体の流通方向に平行な断面図である。 本発明の実施形態2に係る熱交換器の第1流体の流通方向に平行な断面図である。 本発明の実施形態2に係る別の熱交換器の第1流体の流通方向に平行な断面図である。
本発明の実施形態に係る熱交換器は、内周壁と、外周壁と、内周壁と外周壁との間に配設され、第1端面から第2端面まで延びる第1流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁と、を有する中空型のハニカム構造体と、ハニカム構造体の外周壁に嵌合される第1外筒部材と、ハニカム構造体の内周壁に嵌合される内筒部材と、内筒部材の径方向内側に第1流体の流路を構成するように間隔をもって配置される部分を有する上流側筒状部材と、第1流体の流路を構成するように、第1外筒部材の上流側端部と上流側筒状部材の上流側との間を接続する筒状接続部材と、第1外筒部材の下流側端部に接続され、内筒部材の径方向外側に第1流体の流路を構成するように間隔をもって配置される部分を有する下流側筒状部材とを備える。また、内筒部材は、ハニカム構造体の軸方向において、少なくともハニカム構造体の第2端面に対応する位置から下流側端部までの領域に、熱伝達抑制構造及び/又は熱伝達抑制部材を有する。このような位置に熱伝達抑制構造及び/又は熱伝達抑制部材を設けることにより、熱回収促進時に、ハニカム構造体の第2端面を流出した第1流体が、ハニカム構造体の第1端面に流入する前の第1流体と内筒部材を介して熱交換することを抑制することができるため、熱交換器の熱回収性能を向上させることが可能となる。
以下、本発明の具体的な実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施形態に対し変更、改良などが適宜加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る熱交換器の第1流体の流通方向に平行な断面図である。また、図2は、図1の熱交換器におけるa-a’線の断面図である。
図1及び2に示されるように、本発明の実施形態1に係る熱交換器100は、中空型のハニカム構造体10(以下、「ハニカム構造体10」と略すことがある)と、第1外筒部材20と、内筒部材30と、上流側筒状部材40と、筒状接続部材50と、下流側筒状部材60とを備えている。また、本発明の実施形態1に係る熱交換器100は、第2外筒部材70及び開閉バルブ80を更に備えることができる。
<中空型のハニカム構造体10>
中空型のハニカム構造体10は、内周壁11と、外周壁12と、内周壁11と外周壁12との間に配設され、第1端面13aから第2端面13bまで延びる第1流体の流路となる複数のセル14を区画形成する隔壁15とを有する。
ここで、本明細書において「中空型のハニカム構造体10」とは、第1流体の流路方向に直交する中空型のハニカム構造体10の断面において、中心部に中空領域を有するハニカム構造体10を意味する。
中空型のハニカム構造体10の外形としては、特に限定されず、例えば、円柱、楕円柱、四角柱又はその他の多角柱などの柱状とすることができる。
また、中空型のハニカム構造体10における中空領域の形状についても、特に限定されず、例えば、円柱、楕円柱、四角柱又はその他の多角柱などとすることができる。
なお、中空型のハニカム構造体10の形状と、中空領域の形状とは同一であっても異なっていてもよいが、外部からの衝撃、熱応力などに対する耐性の観点から、同一であることが好ましい。
セル14の形状としては、特に限定されず、第1流体の流路方向に垂直な方向の断面において、円形、楕円形、三角形、四角形、六角形、又はその他の多角形などとすることができる。また、セル14は、第1流体の流路方向に直交する断面において、放射状に設けられていることが好ましい。このような構成とすることにより、セル14を流通する第1流体の熱をハニカム構造体10の外部に効率良く伝達することができる。
隔壁15の厚みは、特に限定されないが、好ましくは0.1~1.0mm、より好ましくは0.2~0.6mmである。隔壁15の厚みを0.1mm以上とすることにより、ハニカム構造体10の機械的強度を十分なものとすることができる。また、隔壁15の厚さを1.0mm以下とすることにより、開口面積の低下によって圧力損失が大きくなったり、第1流体との接触面積の低下によって熱回収効率が低下したりするなどの問題を抑制することができる。
内周壁11及び外周壁12の厚みは、特に限定されないが、隔壁15の厚みよりも大きいことが好ましい。このような構成とすることにより、外部からの衝撃、第1流体と第2流体との間の温度差による熱応力などによって破壊(例えば、ひび、割れなど)が起こり易い内周壁11及び外周壁12の強度を高めることができる。
なお、内周壁11及び外周壁12の厚みは、特に限定されず、用途などに応じて適宜調整すればよい。例えば、内周壁11及び外周壁12の厚みは、熱交換器100を一般的な熱交換用途に用いる場合は、好ましくは0.3mm~10mm、より好ましくは0.5mm~5mm、更に好ましくは1mm~3mmである。また、熱交換器100を蓄熱用途に用いる場合は、外周壁12の厚みを10mm以上として外周壁12の熱容量を増大させてもよい。
隔壁15、内周壁11及び外周壁12は、セラミックスを主成分とする。「セラミックスを主成分とする」とは、全成分の質量に占めるセラミックスの質量比率が50質量%以上であることをいう。
隔壁15、内周壁11及び外周壁12の気孔率は、特に限定されないが、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下、更に好ましくは3%以下である。また、隔壁15、内周壁11及び外周壁12の気孔率は0%であってもよい。隔壁15、内周壁11及び外周壁12の気孔率を10%以下とすることにより、熱伝導率を向上させることができる。
隔壁15、内周壁11及び外周壁12は、熱伝導性が高いSiC(炭化珪素)を主成分として含むことが好ましい。このような材料としては、Si含浸SiC、(Si+Al)含浸SiC、金属複合SiC、再結晶SiC、Si34、及びSiCなどが挙げられる。これらの中でも、安価に製造でき、高熱伝導であることからSi含浸SiC、(Si+Al)含浸SiCを用いることが好ましい。
第1流体の流路方向に直交するハニカム構造体10の断面におけるセル密度(すなわち、単位面積当たりのセル14の数)は、特に限定されないが、好ましくは4~320セル/cm2である。セル密度を4セル/cm2以上とすることにより、隔壁15の強度、ひいてはハニカム構造体10自体の強度及び有効GSA(幾何学的表面積)を十分に確保することができる。また、セル密度を320セル/cm2以下とすることにより、第1流体が流れる際の圧力損失の増大を抑制することができる。
ハニカム構造体10のアイソスタティック強度は、特に限定されないが、好ましくは100MPa以上、より好ましくは150MPa以上、更に好ましくは200MPa以上である。ハニカム構造体10のアイソスタティック強度を100MPa以上とすることにより、ハニカム構造体10の耐久性を向上させることができる。ハニカム構造体10のアイソスタティック強度は、社団法人自動車技術会発行の自動車規格であるJASO規格M505-87に規定されているアイソスタティック強度の測定方法に準じて測定することができる。
第1流体の流路方向に直交するハニカム構造体10の断面における外周壁12の直径(外径)は、特に限定されないが、好ましくは20~200mm、より好ましくは30~100mmである。このような直径とすることにより、熱回収効率を向上させることができる。外周壁12が円形でない場合には、外周壁12の断面形状に内接する最大内接円の直径を、外周壁12の直径とする。
また、第1流体の流路方向に直交するハニカム構造体10の断面における内周壁11の直径は、特に限定されないが、好ましくは1~60mm、より好ましくは1~50mm、更に好ましくは2~30mmである。内周壁11の断面形状が円形でない場合には、内周壁11の断面形状に内接する最大内接円の直径を、内周壁11の直径とする。
ハニカム構造体10の熱伝導率は、特に限定されないが、25℃において、好ましくは50W/(m・K)以上、より好ましくは100~300W/(m・K)、更に好ましくは120~300W/(m・K)である。ハニカム構造体10の熱伝導率を、このような範囲とすることにより、熱伝導性が良好となり、ハニカム構造体10内の熱を外部に効率良く伝達させることができる。なお、熱伝導率の値は、レーザーフラッシュ法(JIS R1611:1997)により測定した値を意味する。
ハニカム構造体10のセル14に、第1流体として排ガスを流す場合、ハニカム構造体10の隔壁15に触媒を担持させてもよい。隔壁15に触媒を担持させると、排ガス中のCO、NOx、HCなどを触媒反応によって無害な物質にすることが可能になるとともに、触媒反応の際に生じる反応熱を熱交換に用いることも可能になる。触媒としては、貴金属(白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、インジウム、銀、及び金)、アルミニウム、ニッケル、ジルコニウム、チタン、セリウム、コバルト、マンガン、亜鉛、銅、スズ、鉄、ニオブ、マグネシウム、ランタン、サマリウム、ビスマス、及びバリウムからなる群から選択された元素を少なくとも一種含有するものであることが好ましい。上記元素は、金属単体、金属酸化物、又はそれ以外の金属化合物として含有されていてもよい。
<第1外筒部材20>
第1外筒部材20は、ハニカム構造体10の外周壁12に嵌合される。嵌合は、直接的又は間接的のいずれであってもよいが、熱回収効率の観点から直接的であることが好ましい。
第1外筒部材20は、上流側端部21a及び下流側端部21bを有する筒状部材である。
第1外筒部材20の軸方向は、ハニカム構造体10の軸方向と一致し、第1外筒部材20の中心軸はハニカム構造体10の中心軸と一致することが好ましい。また、第1外筒部材20の軸方向の中央位置は、ハニカム構造体10の軸方向の中央位置と一致してもよい。さらに、第1外筒部材20の径(外径及び内径)は、軸方向にわたって一様であってよいが、少なくとも一部(例えば、軸方向両端部など)が縮径又は拡径していてもよい。
第1外筒部材20としては、特に限定されず、例えば、ハニカム構造体10の外周壁12に嵌合してハニカム構造体10の外周壁12を周回被覆する筒状部材を用いることができる。
ここで、本明細書において、「嵌合」とは、ハニカム構造体10の外周壁12と第1外筒部材20とが、相互に嵌まり合った状態で固定されていることをいう。したがって、ハニカム構造体10の外周壁12と第1外筒部材20との嵌合においては、すきま嵌め、締まり嵌め、焼き嵌めなどの嵌め合いによる固定方法の他、ろう付け、溶接、拡散接合などにより、ハニカム構造体10の外周壁12と第1外筒部材20とが相互に固定されている場合なども含まれる。
第1外筒部材20は、ハニカム構造体10の外周壁12に対応した内周面形状を有することが好ましい。第1外筒部材20の内周面がハニカム構造体10の外周壁12に直接接触することで、熱伝導性が良好となり、ハニカム構造体10内の熱を第1外筒部材20に効率良く伝達することができる。
熱回収効率を高めるという観点からは、ハニカム構造体10の外周壁12の全周面積に対する、第1外筒部材20によって周回被覆されるハニカム構造体10の外周壁12の部分の周面積の割合は高い方が好ましい。具体的には、当該周面積の割合は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは100%(すなわち、ハニカム構造体10の外周壁12の全部が第1外筒部材20によって周回被覆される。)である。
なお、ここでいう「外周壁12」とは、ハニカム構造体10の第1流体の流路方向に平行な面を指し、ハニカム構造体10の第1流体の流路方向に直交する面(第1端面13a及び第2端面13b)を示すものではない。
第1外筒部材20の材料は、特に限定されないが、製造性の観点から金属であることが好ましい。また、第1外筒部材20が金属製であると、後述する第2外筒部材70などとの溶接が容易に行える点でも優れている。第1外筒部材20の材料としては、例えば、ステンレス、チタン合金、銅合金、アルミ合金、真鍮などを用いることができる。その中でも、耐久信頼性が高く、安価という理由により、ステンレスが好ましい。
第1外筒部材20の厚みは、特に限定されないが、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.3mm以上、更に好ましくは0.5mm以上である。第1外筒部材20の厚みを0.1mm以上とすることにより、耐久信頼性を確保することができる。また、第1外筒部材20の厚みは、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下、更に好ましくは3mm以下である。第1外筒部材20の厚みを10mm以下とすることにより、熱抵抗を低減して熱伝導性を高めることができる。
<内筒部材30>
内筒部材30は、ハニカム構造体10の内周壁11に嵌合される。嵌合方法としては、特に限定されず、上記と同様の嵌合方法を用いることができる。
内筒部材30は、上流側端部31a及び下流側端部31bを有し、外周面の一部がハニカム構造体10の内周壁11に嵌合する筒状部材である。内筒部材30の外周面の一部とハニカム構造体10の内周壁11とは直接的に接していてもよく、他の部材(例えば、マット材又はメッシュ材36、ハニカム構造体10の位置ずれを抑制するリング部材35など)を介して間接的に接していてもよい。
内筒部材30は、ハニカム構造体10の軸方向において、少なくともハニカム構造体10の第2端面13bに対応する位置から下流側端部31bまでの領域に、熱伝達抑制構造32を有する。内筒部材30に熱伝達抑制構造32を設けることにより、熱回収促進時に、ハニカム構造体10の第2端面13bを流出した第1流体が、ハニカム構造体10の第1端面13aに流入する前の第1流体と内筒部材30を介して熱交換することを抑制することができるため、熱交換器100の熱回収性能を向上させることが可能となる。具体的には、内筒部材30の、第2端面13bに対応する位置から下流側端部31bまでの領域を介して、第1端面13aに流入する前の第1流体と、第2端面13bから流出した後の内筒部材30と第1外筒部材20とに囲まれた領域を流れる第1流体との間で熱交換されることを抑制できる。
内筒部材30に設けられる熱伝達抑制構造32としては、上記機能を有する構造であれば特に限定されない。
熱伝達抑制構造32としては、例えば、図1に示されるような、内筒部材30を多重筒とした構造(以下、「多重筒構造32a」という)とすることができる。このような多重筒構造32aとすることにより、多重筒構造32aの全体の厚みが大きくなり、厚み方向の熱伝達を抑制することができる。そのため、ハニカム構造体10の第2端面13bを流出した第1流体とハニカム構造体10の第1端面13aに流入する前の第1流体との間の熱交換を抑制することができる。
多重筒構造32aの位置は、ハニカム構造体10の第2端面13bに対応する位置から下流側端部31bまでの領域であればよいが、内筒部材30全体を多重筒としてもよい。
多重筒構造32aを構成する内筒部材30それぞれの厚みとしては、特に限定されないが、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.3mm以上、更に好ましくは0.5mm以上である。内筒部材30の厚みを0.1mm以上とすることにより、耐久信頼性を確保することができる。また、内筒部材30の厚みは、特に限定されないが、一般的に10mm以下、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下である。
内筒部材30の材料としては、特に限定されず、製造性の観点から金属であることが好ましい。内筒部材30の材料としては、例えば、ステンレス、チタン合金、銅合金、アルミ合金、真鍮などを用いることができる。その中でも、耐久信頼性が高く、安価という理由により、ステンレスが好ましい。
内筒部材30は、ハニカム構造体10の第2端面13bに対応する位置から下流側端部31b側に向かって縮径するテーパ部を有していてもよい。このようなテーパ部を設けることにより、内筒部材30の下流側端部31bの内径と、上流側筒状部材40の下流側端部41bの内径との差を小さくすることができる。この場合、熱回収抑制時(開閉バルブ80を開とした場合)に、上流側筒状部材40の下流側端部41b付近における第1流体の流れの速度と、内筒部材30の下流側端部31b付近における第1流体の流れの速度とを同程度にすることができるため、上流側筒状部材40の下流側端部41b付近と内筒部材30の下流側端部31b付近との間の圧力差が小さくなる。その結果、熱回収抑制時に、内筒部材30と上流側筒状部材40との間を通ってハニカム構造体10に第1流体が流れる第1流体の逆流現象を抑制することができるため、熱遮断性能が向上する。
内筒部材30は、上流側端部31aがハニカム構造体10の第1端面13aに対応する位置と略同一の位置に配置してもよい。このような構造とすることにより、熱回収促進時(開閉バルブ80を閉とした場合)に、内筒部材30と上流側筒状部材40との間を通ってハニカム構造体10に流れる第1流体の流路が短くなるため、熱回収性能を向上させることができる。
ここで、本明細書において「ハニカム構造体10の第1端面13aに対応する位置と略同一の位置」とは、ハニカム構造体10の第1端面13aに対応する位置と同一の位置だけでなく、ハニカム構造体10の第1端面13aに対応する位置からハニカム構造体10の軸方向に±10mm程度ずれた位置を含む概念である。
ここで、内筒部材30とハニカム構造体10との嵌合方法の例を図3~5に示す。図3~5は、内筒部材30とハニカム構造体10との嵌合部周辺の部分拡大断面図(第1流体の流通方向に平行な部分拡大断面図)である。
図3に示されるように、内筒部材30は、上流側端部31a側がハニカム構造体10の第1端面13aと接するように突起部34を設けてもよい。このような構造とすることにより、ハニカム構造体10の位置決めを容易にするとともに、使用中の位置ずれも抑制することができる。
また、図4に示されるように、内筒部材30を2つの内筒部材30a,30bから構成してもよい。内筒部材30aには、ハニカム構造体10の第1端面13aと接するように突起部34を設け、内筒部材30bには、ハニカム構造体10の第2端面13bと接するように突起部34を設けてもよい。このような構成とすることにより、ハニカム構造体10の位置決めを容易にするとともに、使用中の位置ずれも抑制することができる。また、熱交換器100の製造の自由度も向上する。
内筒部材30の軸方向は、ハニカム構造体10の軸方向と一致し、内筒部材30の中心軸はハニカム構造体10の中心軸と一致することが好ましい。また、内筒部材30の軸方向の中央位置は、ハニカム構造体10の軸方向の中央位置と一致することが好ましい。
また、ハニカム構造体10の位置決め及び使用中の位置ずれを抑制可能であれば、内筒部材30、突起部34及びリング部材35の形状、材質、厚さや、内筒部材30とハニカム構造体10との嵌合方法は特に限定されず、例えば、図5の(a)~(h)の形態であってもよい。なお、(c)は、内筒部材30とハニカム構造体10との間にマット材又はメッシュ材36を設けた例である。例えば、突起部がハニカム構造体10の第1端面13a又は第2端面13bの少なくとも一方に突起部34又はリング部材35が接している場合、マット材又はメッシュ材36を挿入することで、ハニカム構造体10と内筒部材30との間の隙間を流れる第1流体を抑制することができる。
熱伝達抑制構造32は、図1に示す構造以外に、図6~11に示す構造とすることもできる。なお、図6~11は、図1と同様に、本発明の実施形態1に係る熱交換器の第1流体の流通方向に平行な断面図である。
図6は、熱伝達抑制構造32が180°曲げ部を2つ以上有する構造(以下、「曲げ構造32b」という)である場合を示す。このような曲げ構造32bとした場合にも、2つ以上の180°曲げ部に挟まれた領域の厚みが大きくなるため、曲げ構造32bにおける熱伝達を抑制することができる。また、曲げ部に挟まれた領域の内筒部材30の間に空間が形成される(すなわち、内筒部材30同士が接触しない)ように構成すれば、内筒部材30の間に空気層を形成することができるため、空気層の断熱効果によっても熱伝達を抑制することができる。そのため、ハニカム構造体10の第2端面13bを流出した第1流体とハニカム構造体10の第1端面13aに流入する前の第1流体との間の熱交換を抑制することができる。
このような曲げ構造32bは、当該技術分野において公知の曲げ加工方法によって形成することができる。
図7は、熱伝達抑制構造32が、内筒部材30を厚肉化した構造(以下、「厚肉化構造32c」という)である場合を示す。このような厚肉化構造32cとした場合にも、内筒部材30の厚みが大きくなるため、厚肉化構造32cにおける熱伝達を抑制することができる。そのため、ハニカム構造体10の第2端面13bを流出した第1流体とハニカム構造体10の第1端面13aに流入する前の第1流体との間の熱交換を抑制することができる。この場合、内筒部材30の厚みは、熱伝達抑制効果を確保する観点から、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上、更に好ましくは1.5mm以上である。一方、内筒部材30の厚みは、熱交換器100の軽量化の観点から、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下、更に好ましくは3mm以下である。
内筒部材30を厚肉化する位置は、ハニカム構造体10の第2端面13bに対応する位置から下流側端部31bまでの領域であればよいが、内筒部材30全体を厚肉化してもよい。
図8は、熱伝達抑制構造32が、ハニカム構造体10の軸方向において、ハニカム構造体10の第2端面13bに対応する位置から下流側端部31bまでの領域の内筒部材30の外表面積が1.5×104mm2以下となる構造(以下、「低表面積化構造32d」という)である場合を示す。低表面積化構造32dとすることにより、ハニカム構造体10の第2端面13bを流出した第1流体とハニカム構造体10の第1端面13aに流入する前の第1流体とが熱交換する領域自体を低減できるため、当該領域での熱交換を抑制することができる。
図9は、熱伝達抑制構造32が、ハニカム構造体10の軸方向において、上流側筒状部材40の下流側端部41bに対応する位置の内筒部材30の内径D1が、上流側筒状部材40の下流側端部41bの外径D2の1.1~2.5倍となる構造(以下、「内径制御構造32e」という)である場合を示す。内径制御構造32eを形成することにより、上流側筒状部材40の下流側端部41bを流出し、ハニカム構造体10の第1端面13aに流入する第1流体の流路断面積が拡大し、第1流体の流速が低下する。そのため、ハニカム構造体10の第2端面13bを流出した第1流体とハニカム構造体10の第1端面13aに流入する前の第1流体との間の熱交換を抑制することができる。
図10は、熱伝達抑制構造32が、ハニカム構造体10の軸方向において、内筒部材30の下流側端部31bの外径D3が、内筒部材30の下流側端部31bに対応する位置の下流側筒状部材60の内径D4の0.4~0.9倍となる構造(以下、「外径制御構造32f」という)である場合を示す。外径制御構造32fを形成することにより、ハニカム構造体10の第2端面13bを流出した第1流体の流路断面積が拡大し、第1流体の流速が低下する。そのため、ハニカム構造体10の第2端面13bを流出した第1流体とハニカム構造体10の第1端面13aに流入する前の第1流体との間の熱交換を抑制することができる。
図11は、熱伝達抑制構造32が、低熱伝導材料から構成された構造(以下、「低熱伝導構造32g」という)である場合を示す。低熱伝導構造32gとすることにより、材料自体の熱伝達抑制効果により、ハニカム構造体10の第2端面13bを流出した第1流体とハニカム構造体10の第1端面13aに流入する前の第1流体との間の熱交換を抑制することができる。
ここで、「低熱伝導材料」とは、25℃において、熱伝導率が55W/(m・K)以下の材料のことを意味する。
低熱伝導材料としては、特に限定されないが、例えば、ステンレス、チタン合金などが挙げられる。また、内筒部材30を構成する材料の表面に酸化膜などの皮膜を形成してもよい。
内筒部材30を低熱伝導材料で構成する位置は、ハニカム構造体10の第2端面13bに対応する位置から下流側端部31bまでの領域であればよいが、内筒部材30全体を低熱伝導材料で構成してもよい。
<上流側筒状部材40>
上流側筒状部材40は、内筒部材30の径方向内側に第1流体の流路を構成するように間隔をもって配置される部分を有する。
上流側筒状部材40は、上流側端部41a及び下流側端部41bを有する筒状部材である。
上流側筒状部材40の軸方向は、ハニカム構造体10の軸方向と一致し、上流側筒状部材40の中心軸はハニカム構造体10の中心軸と一致することが好ましい。
上流側筒状部材40の上流側端部41a側の構造は、特に限定されず、上流側筒状部材40の上流側端部41aが接続される他の部品(例えば、配管など)の形状に応じて適宜調整することができる。例えば、他の部品の径が上流側端部41aの径に比べて大きい場合、上流側端部41a側を拡径することができる。
上流側筒状部材40の固定方法としては、特に限定されないが、例えば、後述する筒状接続部材50を介して第1外筒部材20などに固定すればよい。固定方法としては、特に限定されず、上記の第1外筒部材20の固定方法について述べた内容と同様の方法が挙げられる。
上流側筒状部材40の材料としては、特に限定されず、上記の第1外筒部材20の材料について述べた内容と同様の材料とすることができる。
上流側筒状部材40の厚みとしては、特に限定されず、上記の第1外筒部材20の厚みについて述べた内容と同様の厚みとすることができる。
<筒状接続部材50>
筒状接続部材50は、第1流体の流路を構成するように、第1外筒部材20の上流側端部21aと上流側筒状部材40の上流側との間を接続する筒状部材である。接続は、直接的又は間接的のいずれであってもよい。間接的な接続の場合、例えば、第1外筒部材20の上流側端部21aと上流側筒状部材40の上流側との間に、後述する第2外筒部材70の上流側端部71aなどが配置されていてもよい。
筒状接続部材50の軸方向は、ハニカム構造体10の軸方向と一致し、筒状接続部材50の中心軸はハニカム構造体10の中心軸と一致することが好ましい。
また、筒状接続部材50の形状及び設置方法は、コスト、外観、車両搭載時の搭載スペース、部品の加工性、耐熱性、耐腐食性、第1流体の整流性、及び上流側筒状部材40と第1外筒部材20及び/又は第2外筒部材70との間を接続する際の機械的強度などの観点を考慮し、これらの1つ又は複数の観点によって導かれる性能を満足するものであれば、特に限定されない。筒状接続部材50の形状及び設置方法として、例えば、図12の(a)~(h)の形態であってもよい。
筒状接続部材50の材料としては、特に限定されず、上記の第1外筒部材20の材料について述べた内容と同様の材料とすることができる。
筒状接続部材50の厚みとしては、特に限定されず、上記の第1外筒部材20の厚みについて述べた内容と同様の厚みとすることができる。
<下流側筒状部材60>
下流側筒状部材60は、第1外筒部材20の下流側端部21bに接続され、内筒部材30の径方向外側に第1流体の流路を構成するように間隔をもって配置される部分を有する。接続は、直接的又は間接的のいずれであってもよい。間接的な接続の場合、例えば、下流側筒状部材60と第1外筒部材20の下流側端部21bとの間に、後述する第2外筒部材70の下流側端部71bなどが配置されていてもよい。
下流側筒状部材60は、上流側端部61a及び下流側端部61bを有する筒状部材である。
下流側筒状部材60の軸方向は、ハニカム構造体10の軸方向と一致し、下流側筒状部材60の中心軸はハニカム構造体10の中心軸と一致することが好ましい。
下流側筒状部材60の径(外径及び内径)は、軸方向にわたって一様であってよいが、少なくとも一部が縮径又は拡径していてもよい。
また、下流側筒状部材60の形状及び設置方法は、コスト、外観、車両搭載時の搭載スペース、部品の加工性、耐熱性、耐腐食性、第1流体の整流性、及び第1外筒部材20及び/又は第2外筒部材70と接続する際の機械的強度などの観点を考慮し、これら1つ又は複数の観点によって導かれる性能を満足するものであれば、特に限定されない。下流側筒状部材60の形状及び設置方法として、例えば、図13の(a)~(h)の形態であってもよい。
下流側筒状部材60の材料としては、特に限定されず、上記第1外筒部材20の材料について述べた内容と同様の材料とすることができる。
下流側筒状部材60の厚みとしては、特に限定されず、上記第1外筒部材20の厚みについて述べた内容と同様の厚みとすることができる。
<第2外筒部材70>
第2外筒部材70は、第1外筒部材20の径方向外側に、第2流体の流路を構成するように間隔をもって配置される。
第2外筒部材70は、上流側端部71a及び下流側端部71bを有する筒状部材である。
第2外筒部材70の軸方向は、ハニカム構造体10の軸方向と一致し、第2外筒部材70の中心軸はハニカム構造体10の中心軸と一致することが好ましい。
第2外筒部材70の上流側端部71aは、ハニカム構造体10の第1端面13aを超えて上流側に延在していることが好ましい。このような構成とすることにより、熱回収効率を高めることができる。
第2外筒部材70は、第2流体を第2外筒部材70と第1外筒部材20との間の領域に供給するための供給管72、及び第2流体を第2外筒部材70と第1外筒部材20との間の領域から排出するための排出管73に接続されていることが好ましい。供給管72及び排出管73は、ハニカム構造体10の軸方向両端部に対応する位置に設けられていることが好ましい。
また、供給管72及び排出管73は、同じ方向に向けて延出されていても、異なる方向に向けて延出されていてもよい。
ここで、本発明の実施形態1に係る熱交換器に使用可能なその他の第2外筒部材70の構造例を図14に示す。図14は、第2外筒部材70の、第1流体の流通方向に平行な断面図である。
図14に示されるように、第2外筒部材70は、例えば、(a)~(f)の形態であってもよい。
第2外筒部材70は、上流側端部71a及び下流側端部71bの内周面が第1外筒部材20の外周面と直接的又は間接的に接するように配置されていることが好ましい。
第2外筒部材70の上流側端部71a及び下流側端部71bの内周面を第1外筒部材20の外周面に固定する方法としては、特に限定されないが、すきま嵌め、締まり嵌め、焼き嵌めなどの嵌め合いによる固定方法の他、ろう付け、溶接、拡散接合などを用いることができる。
第2外筒部材70の径(外径及び内径)は、軸方向にわたって一様であってよいが、少なくとも一部(例えば、軸方向中央部、軸方向両端部など)が縮径又は拡径していてもよい。例えば、第2外筒部材70の軸方向中央部を縮径させることにより、供給管72及び排出管73側の第2外筒部材70内で第2流体を第1外筒部材20の外周方向全体に行き渡らせることができる。そのため、軸方向中央部で熱交換に寄与しない第2流体が低減するため、熱交換効率を向上させることができる。
第2外筒部材70の材料としては、特に限定されず、上記の第1外筒部材20の材料について述べた内容と同様の材料とすることができる。
第2外筒部材70の厚みとしては、特に限定されず、上記の第1外筒部材20の厚みについて述べた内容と同様の厚みとすることができる。
<開閉バルブ80>
開閉バルブ80は、内筒部材30の下流側端部31b側に配置される。開閉バルブ80の設置方法は、特に限定されないが、例えば、下流側筒状部材60の径方向外側に配置された軸受に回転自在に支持され且つ下流側筒状部材60及び内筒部材30を貫通するように配置されるシャフト(図示していない)に開閉バルブ80を固定することができる。
開閉バルブ80の形状は、特に限定されず、開閉バルブ80が配置される内筒部材30の形状に応じて適切なものを選択すればよい。
開閉バルブ80は、例えば、アクチュエータ(図示していない)によってシャフトを駆動(回転)させることによって開閉することができる。すなわち、シャフトとともに開閉バルブ80が回転することで、開閉バルブ80の開閉を行うことができる。
開閉バルブ80は、内筒部材30の内側における第1流体の流れを調整可能に構成される。具体的には、開閉バルブ80は、熱回収促進時に閉とすることにより、第1流体が内筒部材30と上流側筒状部材40との間を通ってハニカム構造体10に流通するようにすることができる。また、開閉バルブ80は、熱回収抑制時に開とすることにより、内筒部材30の下流側端部31b側から下流側筒状部材60に第1流体を流通させて熱交換器100の外部に排出することができる。
<第1流体及び第2流体>
熱交換器100に用いられる第1流体及び第2流体としては、特に限定されず、種々の液体及び気体を利用することができる。例えば、熱交換器100が自動車に搭載される場合、第1流体として排ガスを用いることができ、第2流体として水又は不凍液(JIS K2234:2006で規定されるLLC)を用いることができる。また、第1流体は、第2流体よりも高温の流体とすることができる。
<熱交換器100の製造方法>
熱交換器100は、当該技術分野において公知の方法に準じて製造することができる。例えば、熱交換器100は、以下に説明する方法に従って製造することができる。
まず、セラミックス粉末を含む坏土を所望の形状に押し出し、ハニカム成形体を作製する。このとき、適切な形態の口金及び治具を選択することにより、セル14の形状及び密度、隔壁15、内周壁11及び外周壁12の形状及び厚さなどを制御することができる。また、ハニカム成形体の材料としては、前述のセラミックスを用いることができる。例えば、Si含浸SiC複合材料を主成分とするハニカム成形体を製造する場合、所定量のSiC粉末に、バインダーと、水及び/又は有機溶媒とを加え、得られた混合物を混練して坏土とし、成形して所望形状のハニカム成形体を得ることができる。そして、得られたハニカム成形体を乾燥し、減圧の不活性ガス又は真空中で、ハニカム成形体中に金属Siを含浸焼成することによって、隔壁15により区画形成されたセル14を有する中空型のハニカム構造体10を得ることができる。
次に、中空型のハニカム構造体10を第1外筒部材20内に挿入し、中空型のハニカム構造体10の外周壁12に第1外筒部材20を嵌合させる。次に、中空型のハニカム構造体10の中空領域に内筒部材30を挿入し、中空型のハニカム構造体10の内周壁11に内筒部材30を嵌合させる。次に、第1外筒部材20の径方向外側に第2外筒部材70を配置して固定する。なお、供給管72及び排出管73は、第2外筒部材70に予め固定しておいてもよいが、適切な段階で第2外筒部材70に固定してもよい。次に、内筒部材30の径方向内側に上流側筒状部材40を配置し、筒状接続部材50によって第1外筒部材20の上流側端部21aと上流側筒状部材40の上流側との間を接続する。次に、第1外筒部材20の下流側端部21bに下流側筒状部材60を配置して接続する。次に、内筒部材30の下流側端部31b側に開閉バルブ80を取り付ける。
なお、各部材の配置及び固定(嵌合)の順番は上記に限定されず、製造可能な範囲で適宜変更してもよい。また、固定(嵌合)方法は、上述した方法を用いればよい。
本発明の実施形態1に係る熱交換器100は、少なくともハニカム構造体10の第2端面13bに対応する位置から下流側端部31bまでの領域に熱伝達抑制構造32を有しているため、熱回収促進時に、ハニカム構造体10の第2端面13bを流出した第1流体が、ハニカム構造体10の第1端面13aに流入する前の第1流体と内筒部材30を介して熱交換することを抑制し、熱回収性能を向上させることができる。
(実施形態2)
図15は、本発明の実施形態2に係る熱交換器の第1流体の流通方向に平行な断面図である。なお、図15の熱交換器において、図1に示される位置(a-a’線)の断面図は、図2と同じであるため省略する。
図15に示されるように、本発明の実施形態2に係る熱交換器200は、中空型のハニカム構造体10と、第1外筒部材20と、内筒部材30と、上流側筒状部材40と、筒状接続部材50と、下流側筒状部材60とを備えている。また、本発明の実施形態2に係る熱交換器100は、第2外筒部材70及び開閉バルブ80を更に備えることができる。
なお、本発明の実施形態1に係る熱交換器100の説明の中で登場した符号と同一の符号を有する構成要素は、本発明の実施形態2に係る熱交換器200の構成要素と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
本発明の実施形態2に係る熱交換器200は、内筒部材30が、ハニカム構造体10の軸方向において、少なくともハニカム構造体10の第2端面13bに対応する位置から下流側端部31bまでの領域に熱伝達抑制部材33を有している点で、当該領域に熱伝達抑制構造32を有している本発明の実施形態1に係る熱交換器100と異なる。
熱伝達抑制部材33としては、熱伝達抑制効果を有する部材であれば特に限定されないが、例えば、図15に示されるような、内筒部材30の内表面に設けられる低熱伝導部材33aとすることができる。なお、低熱伝導部材33aは、内筒部材30の内表面の代わりに内筒部材30の外表面に設けてもよいし、内筒部材30の内表面及び外表面の両方に設けてもよい。このような低熱伝導部材33aを用いることにより、当該部材の熱伝達抑制効果により、ハニカム構造体10の第2端面13bを流出した第1流体とハニカム構造体10の第1端面13aに流入する前の第1流体との間の熱交換を抑制することができる。
ここで、「低熱伝導部材33a」とは、低熱伝導材料から形成される部材を意味する。低熱伝導材料としては、上記したものを用いることができる。
内筒部材30の外表面及び/又は内表面に設けられる低熱伝導部材33aの位置は、ハニカム構造体10の第2端面13bに対応する位置から下流側端部31bまでの領域であればよいが、内筒部材30全体の領域であってもよい。
熱伝達抑制部材33は、図15に示す低熱伝導部材33a以外に、図16に示す部材とすることもできる。なお、図16は、図15と同様に、本発明の実施形態2に係る熱交換器の第1流体の流通方向に平行な断面図である。
図16に示されるように、熱伝達抑制部材33は、内筒部材30の外表面及び内表面に設けられ、内筒部材30のハニカム構造体10の第2端面13bに対応する位置から下流側端部31bまでの領域における第1流体との接触を抑制することが可能な整流部材33bとすることができる。なお、整流部材33bは、内筒部材30の外表面又は内表面の一方に設けてもよい。このような整流部材33bを設けることにより、当該領域において内筒部材30に触れる第1流体が少なくなるため、ハニカム構造体10の第2端面13bを流出した第1流体とハニカム構造体10の第1端面13aに流入する前の第1流体との間の熱交換を抑制することができる。
内筒部材30の外表面及び/又は内表面に設けられる整流部材33bの位置は、上記の機能を有する位置であれば特に限定されない。例えば、内筒部材30の外表面に整流部材33bを設ける場合、内筒部材30のハニカム構造体10の第2端面13bに対応する位置から下流側端部31bまでの領域の上流側に整流部材33bを設ければよい。また、内筒部材30の内表面に整流部材33bを設ける場合、内筒部材30のハニカム構造体10の第2端面13bに対応する位置から下流側端部31bまでの領域の下流側に整流部材33bを設ければよい。
整流部材33bの形状としては、上記の機能を有する形状であれば特に限定されないが、例えば、内筒部材30の外表面及び/又は内表面に整流部材33bを設ける場合、内筒部材30のハニカム構造体10の第2端面13bに対応する位置から下流側端部31bまでの領域の面に対して傾斜を有する形状を有することが好ましい。
整流部材33bの材料としては、特に限定されず、上記の第1外筒部材20の材料について述べた内容と同様の材料とすることができる。
整流部材33bの厚みとしては、特に限定されず、上記の第1外筒部材20の厚みについて述べた内容と同様の厚みとすることができる。
本発明の実施形態に係る熱交換器200は、本発明の実施形態に係る熱交換器100と同様に、当該技術分野において公知の方法に準じて製造することができる。また、熱伝達抑制部材33は、中空型のハニカム構造体10の内周壁11に内筒部材30を嵌合する前に内筒部材30に溶接などによって予め接合しておいてもよいし、中空型のハニカム構造体10の内周壁11に内筒部材30を嵌合させた後に、内筒部材30に溶接などによって接合してもよい。
本発明の実施形態2に係る熱交換器200は、少なくともハニカム構造体10の第2端面13bに対応する位置から下流側端部31bまでの領域に熱伝達抑制部材33を有しているため、熱回収促進時に、ハニカム構造体10の第2端面13bを流出した第1流体が、ハニカム構造体10の第1端面13aに流入する前の第1流体と内筒部材30を介して熱交換することを抑制し、熱回収性能を向上させることができる。
なお、本発明の実施形態2に係る熱交換器200の特徴的な構成(熱伝達抑制部材33)は、本発明の実施形態1に係る熱交換器100に設けてもよい。このような構成とすることにより、熱伝達抑制部材33だけでなく熱伝達抑制構造32によっても、上記の効果が得られるため、熱回収性能をより一層向上させることができる。
10 ハニカム構造体
11 内周壁
12 外周壁
13a 第1端面
13b 第2端面
14 セル
15 隔壁
20 第1外筒部材
21a 上流側端部
21b 下流側端部
30,30a,30b 内筒部材
31a 上流側端部
31b 下流側端部
32 熱伝達抑制構造
32a 多重筒構造
32b 曲げ構造
32c 厚肉化構造
32d 低表面積化構造
32e 内径制御構造
32f 外径制御構造
32g 低熱伝導構造
33 熱伝達抑制部材
33a 低熱伝導部材
33b 整流部材
34 突起部
35 リング部材
36 マット材又はメッシュ材
40 上流側筒状部材
41a 上流側端部
41b 下流側端部
50 筒状接続部材
60 下流側筒状部材
61a 上流側端部
61b 下流側端部
70 第2外筒部材
71a 上流側端部
71b 下流側端部
72 供給管
73 排出管
80 開閉バルブ
100,200 熱交換器

Claims (12)

  1. 内周壁と、外周壁と、前記内周壁と前記外周壁との間に配設され、第1端面から第2端面まで延びる第1流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁と、を有する中空型のハニカム構造体と、
    前記ハニカム構造体の前記外周壁に嵌合される第1外筒部材と、
    前記ハニカム構造体の前記内周壁に嵌合される内筒部材と、
    前記内筒部材の径方向内側に前記第1流体の流路を構成するように間隔をもって配置される部分を有する上流側筒状部材と、
    前記第1流体の流路を構成するように、前記第1外筒部材の上流側端部と前記上流側筒状部材の上流側との間を接続する筒状接続部材と、
    前記第1外筒部材の下流側端部に接続され、前記内筒部材の径方向外側に前記第1流体の流路を構成するように間隔をもって配置される部分を有する下流側筒状部材と
    を備え、
    前記内筒部材は、前記ハニカム構造体の軸方向において、少なくとも前記ハニカム構造体の前記第2端面に対応する位置から下流側端部までの領域に、熱伝達抑制構造及び/又は熱伝達抑制部材を有する熱交換器。
  2. 前記熱伝達抑制構造は、前記内筒部材を多重筒とした構造、又は前記内筒部材が180°曲げ部を2つ以上有する構造である、請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記熱伝達抑制構造は、前記内筒部材を厚肉化した構造である、請求項1に記載の熱交換器。
  4. 前記熱伝達抑制構造は、前記ハニカム構造体の軸方向において、前記ハニカム構造体の前記第2端面に対応する位置から下流側端部までの領域の前記内筒部材の外表面積が1.5×104mm2以下となる構造である、請求項1に記載の熱交換器。
  5. 前記熱伝達抑制構造は、前記ハニカム構造体の軸方向において、前記上流側筒状部材の下流側端部に対応する位置の前記内筒部材の内径が、前記上流側筒状部材の下流側端部の外径の1.1~2.5倍となる構造である、請求項1に記載の熱交換器。
  6. 前記熱伝達抑制構造は、前記ハニカム構造体の軸方向において、前記内筒部材の下流側端部の外径が、前記内筒部材の下流側端部に対応する位置の前記下流側筒状部材の内径の0.4~0.9倍となる構造である、請求項1に記載の熱交換器。
  7. 前記熱伝達抑制構造は、低熱伝導材料から構成された構造である、請求項1に記載の熱交換器。
  8. 前記熱伝達抑制部材は、前記内筒部材の外表面及び/又は内表面に設けられる低熱伝導部材である、請求項1~7のいずれか一項に記載の熱交換器。
  9. 前記熱伝達抑制部材は、前記内筒部材の外表面及び/又は内表面に設けられ、前記内筒部材の前記ハニカム構造体の前記第2端面に対応する位置から下流側端部までの領域における前記第1流体との接触を抑制することが可能な整流部材である、請求項1~7のいずれか一項に記載の熱交換器。
  10. 前記第1外筒部材の径方向外側に、第2流体の流路を構成するように間隔をもって配置される第2外筒部材を更に備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の熱交換器。
  11. 前記内筒部材の下流側端部側に配置される開閉バルブを更に備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の熱交換器。
  12. 前記開閉バルブは、前記内筒部材の内側における前記第1流体の流れを調整可能に構成されている、請求項11に記載の熱交換器。
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