JP2022122241A - 熱交換部材、熱交換器及び熱伝導部材 - Google Patents

熱交換部材、熱交換器及び熱伝導部材 Download PDF

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Abstract

Figure 2022122241000001
【課題】熱回収効率の向上と圧力損失の増大抑制とを両立することが可能な熱交換部材を提供する。
【解決手段】外周壁11、内周壁12、及び外周壁11と内周壁12との間に配設され、第1端面14から第2端面15まで延びる第1流体の流路となる複数のセル16を区画形成する隔壁13を有するハニカム構造体10と、外周壁11の外周面を被覆する被覆部材20とを備える熱交換部材100である。第1流体の流路方向に直交するハニカム構造体10の断面において、隔壁13が放射方向に延びている。セル16のそれぞれは、外周壁11、内周壁12及び隔壁13から形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、熱交換部材、熱交換器及び熱伝導部材に関する。
近年、自動車の燃費改善が求められている。特に、エンジン始動時などのエンジンが冷えている時の燃費悪化を防ぐため、冷却水、エンジンオイル、オートマチックトランスミッションフルード(ATF:Automatic Transmission Fluid)などを早期に暖めて、フリクション(摩擦)損失を低減するシステムが期待されている。また、排ガス浄化用触媒を早期に活性化するために触媒を加熱するシステムが期待されている。
上記のようなシステムとして、例えば、熱交換器がある。熱交換器は、内部に第1流体を流通させるとともに外部に第2流体を流通させることにより、第1流体と第2流体との間で熱交換を行う装置である。このような熱交換器では、高温の流体(例えば、排ガスなど)から低温の流体(例えば、冷却水など)へ熱交換することにより、熱を有効利用することができる。
自動車の排ガスのような高温の気体から熱を回収する熱交換器としては、ハニカム構造体を有する熱交換部材を用いた熱交換器が提案されている。また、排ガスのバイパス経路として機能する中空領域を備えた中空型のハニカム構造体を有する熱交換部材も提案されている。
例えば、特許文献1には、第1端面から第2端面まで貫通して第1流体の流路となるセルを区画成形する隔壁、内周壁及び外周壁を有する中空型のハニカム構造体と、ハニカム構造体の外周壁を被覆する被覆部材とを備え、第1流体の流路方向に直交するハニカム構造体の断面において、セルが放射状に設けられており、内周壁及び外周壁の厚みが隔壁の厚みよりも大きい熱交換部材が提案されている。
国際公開第2019/135312号
本発明者の検討の結果、特許文献1に記載の熱交換部材は、熱回収効率の向上と圧力損失の増大抑制の両立について、改良の余地があることが分かった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、熱回収効率の向上と圧力損失の増大抑制とを両立することが可能な熱交換部材及び熱交換器を提供するものである。また、本発明は、上記の熱交換部材及び熱交換器に搭載することが可能な熱伝導部材を提供するものである。
上記の課題は、以下の本発明によって解決されるものであり、本発明は以下のように特定される。
本発明は、外周壁、内周壁、及び前記外周壁と前記内周壁との間に配設され、第1端面から第2端面まで延びる第1流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム構造体と、
前記外周壁の外周面を被覆する被覆部材と
を備え、
前記第1流体の流路方向に直交する前記ハニカム構造体の断面において、前記隔壁が放射方向に延びており、
前記セルのそれぞれは、前記外周壁、前記内周壁及び前記隔壁から形成されている熱交換部材である。
また、本発明は、外周壁、内周壁、及び前記外周壁と前記内周壁との間に配設され、第1端面から第2端面まで延びる第1流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム構造体と、
前記外周壁の外周面を被覆する被覆部材と
を備え、
前記第1流体の流路方向に直交する前記ハニカム構造体の断面において、前記隔壁が放射方向に延びる隔壁を含み、前記ハニカム構造体の外径(mm)に対する前記放射方向に延びる隔壁の数(個)の比が、3.2個/mm以上である、熱交換部材である。
また、本発明は、前記熱交換部材と、
前記被覆部材の外周を第2流体が流通可能となるように、前記被覆部材の径方向外側に間隔をおいて配置される外筒と
を備える熱交換器である。
また、本発明は、外周壁、内周壁、及び前記外周壁と前記内周壁との間に配設され、第1端面から第2端面まで延びる第1流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム構造体を備える熱伝導部材であって、
前記外周壁、前記内周壁及び前記隔壁が、骨材としてSiC粒子を主体とし、前記SiC粒子間に金属Siを含むSi-SiC質の材料で構成されており、
前記第1流体の流路方向に直交する前記ハニカム構造体の断面において、前記隔壁が放射方向に延びており、
前記セルのそれぞれは、前記外周壁、前記内周壁及び前記隔壁から形成されている熱伝導部材である。
さらに、本発明は、外周壁、内周壁、及び前記外周壁と前記内周壁との間に配設され、第1端面から第2端面まで延びる第1流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム構造体を備える熱伝導部材であって、
前記外周壁、前記内周壁及び前記隔壁が、骨材としてSiC粒子を主体とし、前記SiC粒子間に金属Siを含むSi-SiC質の材料で構成されており、
前記第1流体の流路方向に直交する前記ハニカム構造体の断面において、前記隔壁が放射方向に延びる隔壁を含み、前記ハニカム構造体の外径(mm)に対する前記放射方向に延びる隔壁の数(個)の比が、3.2個/mm以上である、熱伝導部材である。
本発明によれば、熱回収効率の向上と圧力損失の増大抑制とを両立することが可能な熱交換部材及び熱交換器を提供することができる。また、本発明によれば、上記の熱交換部材及び熱交換器に搭載することが可能な熱伝導部材を提供することができる。
本発明の実施形態1に係る熱交換部材の、ハニカム構造体の軸方向に平行な断面図である。 図1に示す熱交換部材のa-a’線の断面図である。 図2に示す熱交換部材を構成するハニカム構造体の部分拡大図である。 本発明の実施形態1に係る熱交換器の、ハニカム構造体の第1流体の流路方向に平行な断面図である。 図4に示す熱交換器のb-b’線の断面図である。 本発明の実施形態2に係る熱交換部材の、ハニカム構造体の軸方向に平行な断面図である。 図6に示す熱交換部材のc-c’線の断面図である。 図7に示す熱交換部材を構成するハニカム構造体の部分拡大図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施形態に対し変更、改良などが適宜加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
本発明者は、特許文献1の熱回収効率の更なる向上という課題について調査した結果、次のようなことがわかった。特許文献1に記載の中空型のハニカム構造体は、第1流体の流路方向に直交するハニカム構造体の断面において、隔壁が、周方向に延びる第2隔壁と、第2隔壁と交差する第1隔壁とを有している。第1隔壁は、セル内を流れる第1流体の熱をハニカム構造体の外周壁に伝達し、外周壁を被覆する被覆部材の外側を流通する第2流体との間の熱交換をスムーズに行う役割があるが、第2隔壁は当該役割にあまり寄与していない上、圧力損失が増大する要因となっていることがわかった。また、第2隔壁が多いと、セルの開口面積が低下するため、セル内を流れる第1流体の流速が速くなる。その結果、第1流体の熱を十分に回収する前に第1流体がハニカム構造体を通過してしまうため、熱回収効率が低下してしまうことがあり、改良の余地があることがわかった。
<実施形態1>
(1)熱交換部材及び熱伝導部材
図1は、本発明の実施形態1に係る熱交換部材の、ハニカム構造体の軸方向に平行な断面図である。また、図2は、図1に示す熱交換部材のa-a’線の断面図、すなわち、本発明の実施形態1に係る熱交換部材の、ハニカム構造体の第1流体の流路方向(軸方向)に直交する断面図である。また、図3は、図2に示す熱交換部材を構成するハニカム構造体の部分拡大図である。
本発明の実施形態1に係る熱交換部材100は、外周壁11、内周壁12、外周壁11と内周壁12との間に配設され、第1端面14から第2端面15まで延びる第1流体の流路となる複数のセル16を区画形成する隔壁13を有するハニカム構造体10と、外周壁11の外周面を被覆する被覆部材20とを備える。このような構造を有する熱交換部材100では、セル16内を流通可能な第1流体と被覆部材20の外周を流通可能な第2流体との間の熱交換が、ハニカム構造体10の外周壁11及び被覆部材20を介して行われる。なお、図1において、第1流体は、紙面の左右のいずれの方向にも流れることができる。第1流体としては、特に限定されず、種々の液体又は気体を用いることができる。例えば、自動車に搭載される熱交換器に熱交換部材100が用いられる場合には、第1流体は排ガスであることが好ましい。
また、本発明の実施形態1に係る熱交換部材100の構成のうち、被覆部材20を除いた部材を熱伝導部材という。すなわち、本発明の実施形態1に係る熱伝導部材は、外周壁11、内周壁12、外周壁11と内周壁12との間に配設され、第1端面14から第2端面15まで延びる第1流体の流路となる複数のセル16を区画形成する隔壁13を有するハニカム構造体10を備える。
ハニカム構造体10を構成する隔壁13(13a)は、第1流体の流路方向に直交するハニカム構造体10の断面(すなわち、図2に示す断面)において、放射方向(径方向)に延びている。このような構造とすることにより、隔壁13aを介して第1流体の熱を放射方向に伝達することができるため、ハニカム構造体10の外部に第1流体の熱を効率良く伝達することができる。
第1流体の流路となる複数のセル16のそれぞれは、外周壁11、内周壁12、及び放射方向に延びる隔壁13aから形成されている。すなわち、複数のセル16は、第1流体の流路方向に直交するハニカム構造体10の断面において、周方向に延びる隔壁13を有していない。周方向に延びる隔壁13は、上記したように、第1流体と第2流体との間の熱交換にあまり寄与していないとともに、圧力損失が増大する要因となる。また、周方向に延びる隔壁13が多いと、セル16の開口面積が低下するため、セル16内を流れる第1流体の流速が速くなる。その結果、第1流体の熱を十分に回収する前に第1流体がハニカム構造体10を通過してしまうため、熱回収効率が低下してしまう。そのため、複数のセル16のそれぞれを外周壁11、内周壁12、及び放射方向に延びる隔壁13aから形成することにより、熱回収効率の向上と圧力損失の増大抑制とを両立させることが可能となる。
放射方向に延びる隔壁13aの数は、ハニカム構造体10の大きさなどに応じて適宜設定することができる。
例えば、第1流体の流路方向に直交するハニカム構造体10の断面において、ハニカム構造体10の外径D1(mm)に対する隔壁13の数N(個)の比(N/D1)が、2.3個/mm以上であることが好ましく、3.2個/mm以上であることがより好ましく、4個/mm以上であることが更に好ましい。このような構成とすることにより、ハニカム構造体10の機械的強度を確保しつつ、熱回収効率の向上と圧力損失の増大抑制とを両立させることができる。
また、当該比(N/D1)の上限については、特に限定されないが、一般的に6個/mm以下である。
第1流体の流路方向に直交するハニカム構造体10の断面において、セル16のアスペクト比は、特に限定されないが、3以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましい。このような範囲にアスペクト比を制御することにより、熱回収効率の向上と圧力損失の増大抑制とを安定して両立させることが可能となる。
ここで、セル16のアスペクト比とは、1つのセル16を構成する、内周壁12の長さL1に対する隔壁13(13a)の長さL2の比(L2/L1)のことを意味する。
また、セル16のアスペクト比の上限については、特に限定されないが、一般的に30以下である。
典型的な態様において、放射方向に延びる隔壁13aの数は200~500個であり、好ましくは300~500個である。放射方向に延びる隔壁13aの長さL2は1.7~20mmである。また、1つのセル16を構成する内周壁12の長さL1は、0.1~2mmである。このような構成とすることにより、熱回収効率の向上と圧力損失の増大抑制とを両立させることができる。
ハニカム構造体10の形状(外形)としては、特に限定されず、例えば、円柱、楕円柱、四角柱又はその他の多角柱などとすることができる。したがって、図2の断面におけるハニカム構造体10の外形(すなわち、外周壁11の外形)は、円形、楕円形、四角形又はその他の多角形などとすることができる。
また、ハニカム構造体10における中空部の形状についても、特に限定されず、例えば、円柱、楕円柱、四角柱又はその他の多角柱などとすることができる。したがって、図2の断面における中空部の形状(すなわち、内周壁12の内形)は、円形、楕円形、四角形又はその他の多角形などとすることができる。
なお、ハニカム構造体10の形状と中空部の形状とは同一であっても異なっていてもよいが、外部からの衝撃、熱応力などに対する耐性の観点から、同一であることが好ましい。
外周壁11及び内周壁12の厚みは、隔壁13の厚みよりも大きいことが好ましい。このような構成とすることにより、外部からの衝撃、第1流体と第2流体との間の温度差による熱応力などによって破壊(例えば、ひび、割れなど)が起こり易い外周壁11及び内周壁12の強度を高めることができる。
外周壁11、内周壁12及び隔壁13の厚みは、用途などに応じて適宜調整することができる。例えば、外周壁11及び内周壁12の厚みは、熱交換部材100及び熱伝導部材を一般的な熱交換用途に用いる場合は、0.3mm超過10mm以下とすることが好ましく、0.5mm~5mmとすることがより好ましく、1mm~3mmとすることが更に好ましい。また、熱交換部材100及び熱伝導部材を蓄熱用途に用いる場合は、外周壁11の厚みを10mm以上として外周壁11の熱容量を増大させることも好ましい。
隔壁13の厚みは、0.1~1mmとすることが好ましく、0.2~0.6mmとすることがより好ましい。隔壁13の厚みを0.1mm以上とすることにより、ハニカム構造体10の機械的強度を十分なものとすることができる。また、隔壁13の厚さを1mm以下とすることにより、開口面積の低下によって圧力損失が大きくなったり、第1流体との接触面積の低下によって熱回収効率が低下したりする問題を抑制することができる。
外周壁11、内周壁12及び隔壁13は、セラミックスを主成分とする。「セラミックスを主成分とする」とは、外周壁11、内周壁12及び隔壁13の全質量に占めるセラミックスの質量比率が50質量%以上であることをいう。
外周壁11、内周壁12及び隔壁13の気孔率は、10%以下であることが好ましく、5%以下であることが更に好ましく、3%以下であることが特に好ましい。また、外周壁11、内周壁12及び隔壁13の気孔率は0%とすることもできる。外周壁11、内周壁12及び隔壁13の気孔率を10%以下とすることにより、熱伝導率を向上させることができる。
外周壁11、内周壁12及び隔壁13は、熱伝導性が高いSiC(炭化珪素)を主成分として含むことが好ましい。「SiC(炭化珪素)を主成分として含む」とは、外周壁11、内周壁12及び隔壁13の全質量に占めるSiC(炭化珪素)の質量比率が50質量%以上であることを意味する。
さらに具体的には、外周壁11、内周壁12及び隔壁13の材料としては、Si含浸SiC、(Si+Al)含浸SiC、金属複合SiC、再結晶SiC、Si34、及びSiCなどの材料を採用することができる。その中でも、安価に製造でき、高熱伝導であることから、骨材としてSiC粒子を主体とし、SiC粒子間に金属Siを含むSi-SiC質の材料(焼結体)が好ましい。具体的には、Si含浸SiC、(Si+Al)含浸SiCを材料として採用することが好ましい。なお、本明細書において「骨材としてSiCを主体とし」とは、骨材の全質量に占めるSiC粒子の割合が50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、特に好ましくは95質量%以上であることを意味する。
第1流体の流路方向に直交するハニカム構造体10の断面におけるセル密度(即ち、単位面積当たりのセル16の数)は、特に限定されず、用途などに応じて適宜調整すればよいが、4~320セル/cm2の範囲であることが好ましい。セル密度を4セル/cm2以上とすることにより、隔壁13の強度、ひいてはハニカム構造体10自体の強度及び有効GSA(幾何学的表面積)を十分に確保することができる。また、セル密度を320セル/cm2以下とすることにより、第1流体が流れる際の圧力損失の増大を防止することができる。
ハニカム構造体10のアイソスタティック強度は、100MPa超過が好ましく、150MPa以上がより好ましく、200MPa以上が更に好ましい。ハニカム構造体10のアイソスタティック強度が、100MPa超過であると、ハニカム構造体10が耐久性に優れたものとなる。ハニカム構造体10のアイソスタティック強度は、社団法人自動車技術会発行の自動車規格であるJASO規格M505-87に規定されているアイソスタティック強度の測定方法に準じて測定することができる。
第1流体の流路方向に直交する断面における外周壁11の直径(外径)は、20~200mmであることが好ましく、30~100mmであることがより好ましい。このような直径とすることにより、熱回収効率を向上させることができる。外周壁11が円形でない場合には、外周壁11の断面形状に内接する最大内接円の直径を、外周壁11の直径とする。
また、第1流体の流路方向に直交する断面における内周壁12の直径は、1~50mmであることが好ましく、2~30mmであることがより好ましい。内周壁12の断面形状が円形でない場合には、内周壁12の断面形状に内接する最大内接円の直径を、内周壁12の直径とする。
ハニカム構造体10の熱伝導率は、25℃において、50W/(m・K)以上であることが好ましく、100~300W/(m・K)であることがより好ましく、120~300W/(m・K)であることが更に好ましい。ハニカム構造体10の熱伝導率を、このような範囲とすることにより、熱伝導性が良好となり、ハニカム構造体10内の熱を外部に効率良く伝達させることができる。なお、熱伝導率の値は、レーザーフラッシュ法(JIS R1611-1997)により測定した値である。
ハニカム構造体10のセル16に、第1流体として排ガスを流す場合、ハニカム構造体10の隔壁13に触媒を担持させることが好ましい。隔壁13に触媒を担持させると、排ガス中のCO、NOx、HCなどを触媒反応によって無害な物質にすることが可能になるとともに、触媒反応の際に生じる反応熱を熱交換に用いることも可能になる。触媒としては、貴金属(白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、インジウム、銀、及び金)、アルミニウム、ニッケル、ジルコニウム、チタン、セリウム、コバルト、マンガン、亜鉛、銅、スズ、鉄、ニオブ、マグネシウム、ランタン、サマリウム、ビスマス、及びバリウムからなる群から選択された元素を少なくとも一種を含有するものであることが好ましい。上記元素は、金属単体、金属酸化物、又はそれ以外の金属化合物として含有されていてもよい。
触媒(触媒金属+担持体)の担持量としては、10~400g/Lであることが好ましい。また、貴金属を含む触媒であれば、担持量が0.1~5g/Lであることが好ましい。触媒(触媒金属+担持体)の担持量を10g/L以上とすると、触媒作用が発現し易い。一方、400g/L以下とすると、圧力損失とともに製造コストの上昇を抑えることができる。担持体とは、触媒金属が担持される担体のことである。担持体としては、アルミナ、セリア、及びジルコニアからなる群より選択される少なくとも一種を含有するものであることが好ましい。
被覆部材20は、ハニカム構造体10の外周壁11の外周面を被覆し得るものであれば特に限定されない。例えば、ハニカム構造体10の外周壁11の外周面に嵌合してハニカム構造体10の外周壁11を周回被覆する管状部材を用いることができる。また、緩衝作用の観点から、ハニカム構造体10と被覆部材20との間に無機マットなどを介在させてもよい。
ここで、本明細書において、「嵌合」とは、ハニカム構造体10と被覆部材20とが、相互に嵌まり合った状態で固定されていることをいう。したがって、ハニカム構造体10と被覆部材20との嵌合においては、すきま嵌め、締まり嵌め、焼き嵌めなどの嵌め合いによる固定方法の他、ろう付け、溶接、拡散接合などにより、ハニカム構造体10と被覆部材20とが相互に固定されている場合なども含まれる。
被覆部材20は、ハニカム構造体10の外周壁11に対応した内面形状を有することができる。被覆部材20の内面がハニカム構造体10の外周壁11に直接接触することで、熱伝導性が良好となり、ハニカム構造体10内の熱を被覆部材20に効率良く伝達することができる。
熱回収効率を高めるという観点からは、ハニカム構造体10の外周壁11の外周面の全面積に対する、被覆部材20によって周回被覆されるハニカム構造体10の外周壁11の外周面の面積の割合は高いほうが好ましい。具体的には、当該面積割合は80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、100%(すなわち、ハニカム構造体10の外周壁11の外周面の全部が被覆部材20によって周回被覆される。)であることが更により好ましい。
なお、ここでいう「外周壁11」とは、ハニカム構造体10の第1流体の流路方向に平行な面を指し、ハニカム構造体10の第1流体の流路方向と直交する面(第1端面14及び第2端面15)は含まれない。
被覆部材20は、製造性の観点から金属製であることが好ましい。また、被覆部材20が金属製であると、後述する外筒30(ケーシング)との溶接が容易に行える点でも優れている。被覆部材20の材料としては、例えば、ステンレス、チタン合金、銅合金、アルミ合金、真鍮などを用いることができる。その中でも、耐久信頼性が高く、安価という理由により、ステンレスが好ましい。
被覆部材20の厚みは、耐久信頼性の理由により、0.1mm以上が好ましく、0.3mm以上がより好ましく、0.5mm以上が更により好ましい。被覆部材20の厚みは、熱抵抗を低減して熱伝導性を高めるという理由により、10mm以下が好ましく、5mm以下がより好ましく、3mm以下が更により好ましい。
被覆部材20の長さ(第1流体の流路方向の長さ)は、特に限定されず、ハニカム構造体10のサイズなどに応じて適宜調整すればよい。例えば、被覆部材20の長さは、ハニカム構造体10の長さよりも大きいことが好ましい。具体的には、被覆部材20の長さは、5mm~250mmとすることが好ましく、10mm~150mmとすることがより好ましく、20mm~100mmとすることが更に好ましい。
なお、被覆部材20の長さがハニカム構造体10の長さよりも大きい場合、被覆部材20の中央部にハニカム構造体10が位置するように設けることが好ましい。
次に、熱交換部材100及び熱伝導部材の製造方法を説明する。但し、熱交換部材100及び熱伝導部材の製造方法は、以下に説明する製造方法に限定されることはない。
まず、セラミックス粉末を含む坏土を所望の形状に押出成形し、ハニカム成形体を作製する。このとき、適切な形態の口金及び治具を選択することにより、セル16の形状及び密度、隔壁13の数、長さ及び厚さ、外周壁11及び内周壁12の形状及び厚さなどを制御することができる。また、ハニカム成形体の材料としては、上記のセラミックスを用いることができる。例えば、Si含浸SiC複合材料を主成分とするハニカム成形体を製造する場合、所定量のSiC粉末に、バインダーと、水又は有機溶媒とを加え、得られた混合物を混練し坏土とし、成形して所望形状のハニカム成形体を得ることができる。そして、得られたハニカム成形体を乾燥し、減圧の不活性ガス又は真空中で、ハニカム成形体中に金属Siを含浸焼成することによって、ハニカム構造体10(熱伝導部材)を得ることができる。
次に、ハニカム構造体10を被覆部材20に焼き嵌めすることにより、ハニカム構造体10の外周壁11の外周面を被覆部材20で周回被覆する。具体的には、被覆部材20を加熱膨張させ、ハニカム構造体10を被覆部材20の中に挿入した後、被覆部材20を冷却収縮させることにより、被覆部材20内にハニカム構造体10を固定することができる。なお、ハニカム構造体10と被覆部材20との嵌合は、上記したように、焼き嵌め以外に、すきま嵌め、締まり嵌めといった嵌め合いによる固定方法、更にはろう付け、溶接、拡散接合などにより行うことができる。このようにして熱交換部材100を得ることができる。
本発明の実施形態1に係る熱交換部材100及び熱伝導部材は、第1流体の流路となる複数のセル16のそれぞれを、外周壁11、内周壁12、及び放射方向に延びる隔壁13から形成しているため、熱回収効率の向上と圧力損失の増大抑制とを両立させることができる。
(2)熱交換器
本発明の実施形態1に係る熱交換器は、上記の熱交換部材100を有する。熱交換部材100以外の部材については、特に限定されず、公知の部材を用いることができる。例えば、本発明の実施形態1に係る熱交換器は、熱交換部材100と、熱交換部材100の被覆部材20の外周を第2流体が流通可能となるように、被覆部材20の径方向外側に間隔をおいて配置される外筒(ケーシング)とを備えることができる。
図4は、本発明の実施形態1に係る熱交換器の、ハニカム構造体の第1流体の流路方向に平行な断面図である。また、図5は、図4に示す熱交換器のb-b’線の断面図であり、本発明の実施形態1に係る熱交換器の、ハニカム構造体の第1流体の流路方向に直交する断面図である。
本発明の実施形態1に係る熱交換器200は、熱交換部材100と、熱交換部材100の被覆部材20の外周を第2流体が流通可能となるように、被覆部材20の径方向外側に間隔をおいて配置される外筒30とを備える。外筒30は、第2流体の供給管31及び排出管32を有する。また、外筒30は、熱交換部材100の外周全体を周回被覆していることが好ましい。
上記のような構造を有する熱交換器200では、第2流体が供給管31から外筒30内に流入する。次いで、第2流体は、第2流体の流路を通る間に、熱交換部材100の被覆部材20を介してハニカム構造体10のセル16を流通する第1流体と熱交換した後、第2流体の排出管32から排出される。なお、熱交換部材100の被覆部材20の外周面は伝熱効率を調整するための部材によって被覆されていてもよい。
第2流体としては、特に制限はないが、熱交換器200が、自動車に搭載される場合には、第2流体は、水又は不凍液(JIS K2234:2006で規定されるLLC)であることが好ましい。第1流体及び第2流体の温度に関しては、第1流体の温度>第2流体の温度であることが好ましい。その理由としては、熱交換部材100の被覆部材20が低温で膨張せず、ハニカム構造体10がより高温で膨張することで、両者の嵌合が緩み難い条件となるためである。特に、ハニカム構造体10と被覆部材20との嵌合が焼き嵌めの場合、嵌合が緩み、ハニカム構造体10が抜け落ちるリスクを最小限にすることができる。
外筒30の内面は、熱交換部材100の被覆部材20の外周面と嵌合していることが好ましい。このようにすることで、第1流体の流路方向の両端部における被覆部材20の外周面が外筒30の内面と周回状に密接した構造となり、第2流体が外部に漏れないようにすることができる。被覆部材20の外周面と外筒30の内面とを密接させる方法としては、特に限定されないが、溶接、拡散接合、ろう付け、機械的な締結などが挙げられる。これらの中でも、耐久信頼性が高く、構造強度の改善も図ることができるという理由により、溶接が好ましい。
外筒30は、熱伝導性及び製造性の観点から、金属製であることが好ましい。金属としては、例えば、ステンレス、チタン合金、銅合金、アルミ合金、真鍮などを用いることができる。その中でも、安価で耐久信頼性が高いという理由により、ステンレスが好ましい。
外筒30の厚みは、耐久信頼性の理由により、0.1mm以上が好ましく、0.5mm以上がより好ましく、1mm以上が更により好ましい。外筒30の厚みは、コスト、体積、重量などの観点から、10mm以下が好ましく、5mm以下がより好ましく、3mm以下が更により好ましい。
外筒30は、一体成形品であってよいが、2つ以上の部材から形成される接合部材であってもよい。外筒30が、2つ以上の部材から形成される接合部材である場合、外筒30の設計自由度を高めることができる。
第2流体の供給管31及び排出管32の位置は、特に限定されず、熱交換器200の設置場所、配管位置、熱交換効率などを考慮して軸方向及び外周方向に適宜変更可能である。例えば、第2流体の供給管31及び排出管32は、ハニカム構造体10の軸方向両端部に対応する位置に設けることができる。また、第2流体の供給管31及び排出管32は、同じ方向に向けて延出されていても、異なる方向に向けて延出されていてもよい。
本発明の実施形態1に係る熱交換器200は、ハニカム構造体10の中空部(内周壁12の内周側)に内筒と、内筒に設けられた開閉弁とを更に備えることができる。
内筒には、第1流体をハニカム構造体10のセル16に導入するための貫通孔を形成することができ、貫通孔によって第1流体の流れを2つ(ハニカム構造体10のセル16及び中空部)に分岐させてもよい。
開閉弁は、その開閉機構により、ハニカム構造体10の中空部を流れる第1流体の量を制御することができる。特に、開閉弁は、第1流体と第2流体との間の熱交換時に、内筒の内側における第1流体の流れを遮断することにより、貫通孔を介してハニカム構造体10のセル16に第1流体を選択的に導入することができるため、第1流体と第2流体との間の熱交換を効率的に行うことができる。
内筒に設けられる貫通孔は、内筒の全周に形成されていてもよいし、内筒の部分的な位置(例えば、上部、中央部又は下部のみ)に形成されていてもよい。また、貫通孔の形状は、円形、楕円形、四角形などの各種形状とすることができる。
このような構造を有する熱交換器200では、第1流体を内筒の内部に流通させることができる。このとき、開閉弁が閉であると、内筒内の通気抵抗が上昇し、貫通孔を介してセル16に第1流体が選択的に流入する。一方、開閉弁が開であると、内筒内の通気抵抗が低下するため、第1流体が中空部内の内筒に選択的に流入する。したがって、開閉弁の開閉を制御することにより、セル16に流入する第1流体の量を調整することができる。なお、中空部内の内筒を流れる第1流体は、第2流体との熱交換にはほとんど寄与しないため、この第1流体の経路は、第1流体の熱回収を抑制したい場合などにおけるバイパス経路として機能する。つまり、第1流体の熱回収を抑制したい場合には、開閉弁を開とすればよい。
次に、熱交換器200の製造方法を説明する。但し、熱交換器200の製造方法は、以下に説明する製造方法に限定されることはない。
熱交換器200は、熱交換部材100の被覆部材20の外周を第2流体が流通可能となるように、被覆部材20の径方向外側に間隔をおいて外筒30を配置して接合することによって製造することができる。具体的には、熱交換部材100の被覆部材20の両端部を外筒30の内面と接合する。接合方法は上記した通り、嵌合を含む種々の方法がある。必要に応じて、接合箇所は溶接などにより接合可能である。これにより、被覆部材20の外周を周回被覆する外筒30が形成され、被覆部材20の外周面と外筒30の内面との間に第2流体の流路が形成される。このようにして熱交換器200を得ることができる。
また、内筒及び開閉弁を更に設ける場合には、ハニカム構造体の内周壁12の内部に、
開閉弁を設けた内筒を挿入し、焼き嵌めして嵌合すればよい。ハニカム構造体10の内周壁12と内筒との嵌合は、上記したように、焼き嵌め以外に、すきま嵌め、締まり嵌めといった嵌め合いによる固定方法、更にはろう付け、溶接、拡散接合などにより行うことができる。
本発明の実施形態1に係る熱交換器200は、上記の熱交換部材100を備えているため、熱回収効率の向上と圧力損失の増大抑制とを両立させることができる。
<実施形態2>
(1)熱交換部材及び熱伝導部材
図6は、本発明の実施形態2に係る熱交換部材の、ハニカム構造体の軸方向に平行な断面図である。また、図7は、図6に示す熱交換部材のc-c’線の断面図、すなわち、本発明の実施形態2に係る熱交換部材の、ハニカム構造体の第1流体の流路方向(軸方向)に直交する断面図である。また、図8は、図7に示す熱交換部材を構成するハニカム構造体の部分拡大図である。
また、図6及び7において、図1及び2と同一の符号で示される構成要素は、これらと同一の構成要素を示すため、詳細な説明を省略する。
本発明の実施形態2に係る熱交換部材300は、外周壁11、内周壁12、外周壁11と内周壁12との間に配設され、第1端面14から第2端面15まで延びる第1流体の流路となる複数のセル16を区画形成する隔壁13を有するハニカム構造体50と、外周壁11の外周面を被覆する被覆部材20とを備える。
また、隔壁13は、第1流体の流路方向に直交するハニカム構造体50の断面(すなわち、図7に示す断面)において、放射方向に延びる隔壁13aを含む。隔壁13は、周方向に延びる隔壁13bを更に含んでもよい。周方向に延びる隔壁13bは、上記で説明したように、第1流体と第2流体との間の熱交換にあまり寄与していないとともに、圧力損失が増大する要因となるが、熱回収効率の向上と圧力損失の増大抑制との両立を阻害しない範囲で設けることにより、ハニカム構造体10の機械的強度を確保することができる。
また、本発明の実施形態2に係る熱交換部材300の構成のうち、被覆部材20を除いた部材を熱伝導部材という。すなわち、本発明の実施形態2に係る熱伝導部材は、外周壁11、内周壁12、外周壁11と内周壁12との間に配設され、第1端面14から第2端面15まで延びる第1流体の流路となる複数のセル16を区画形成する隔壁13を有するハニカム構造体50を備える。
本発明の実施形態2に係る熱交換部材300及び熱伝導部材は、第1流体の流路方向に直交するハニカム構造体50の断面において、ハニカム構造体50の外径D1(mm)に対する放射方向に延びる隔壁13aの数N(個)の比(N/D1)が、3.2個/mm以上であり、好ましくは4個/mm以上である。このような構成とすることにより、周方向に延びる隔壁13bがある場合でも、熱回収効率の向上と圧力損失の増大抑制とを両立させ易くなる。
第1流体の流路方向に直交するハニカム構造体50の断面において、セル16のアスペクト比は、特に限定されないが、3以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましい。このような範囲にアスペクト比を制御することにより、熱回収効率の向上と圧力損失の増大抑制とを安定して両立させることが可能となる。
ここで、セル16のアスペクト比とは、1つのセル16を構成する、内周壁12の長さL1に対する放射方向に延びる隔壁13aの長さの比L3、及び周方向に延びる隔壁13bの長さL4に対する放射方向に延びる隔壁13aの長さの比L5を意味する。
また、セル16のアスペクト比の上限については、特に限定されないが、一般的に50以下である。
典型的な態様において、放射方向に延びる隔壁13aの数は200~500個であり、好ましくは300~500個である。1つのセル16を構成する放射方向に延びる隔壁13aの長さL3,L5は0.85~10mmである。また、1つのセル16を構成する、内周壁12の長さL1及び周方向に延びる隔壁13bの長さL4は、0.1~2mmである。このような構成とすることにより、熱回収効率の向上と圧力損失の増大抑制とを両立させることができる。
隔壁13が、放射方向に延びる隔壁13a及び周方向に延びる隔壁13bの両方を含む場合、放射方向に延びる隔壁13aの厚みは、周方向に延びる隔壁13bの厚みよりも大きいことが好ましい。隔壁13の厚みは熱伝導率と相関するため、このような構成とすることにより、放射方向に延びる隔壁13aの熱伝導率を周方向に延びる隔壁13bの熱伝導率よりも大きくすることができる。その結果、セル16を流通する第1流体の熱をハニカム構造体50の外部に効率良く伝達させることができる。
なお、隔壁13(放射方向に延びる隔壁13a及び周方向に延びる隔壁13b)の厚みは、特に限定されず、用途などに応じて適宜調整すればよい。隔壁13の厚みは、0.1~1mmとすることが好ましく、0.2~0.6mmとすることが更に好ましい。隔壁13の厚みを0.1mm以上とすることにより、ハニカム構造体50の機械的強度を十分なものとすることができる。また、隔壁13の厚さを1mm以下とすることにより、開口面積の低下によって圧力損失が大きくなったり、第1流体との接触面積の低下によって熱回収効率が低下したりする問題を防止することができる。
本発明の実施形態2に係る熱交換部材300及び熱伝導部材は、ハニカム構造体50の外径D1(mm)に対する放射方向に延びる隔壁13aの数N(個)の比(N/D1)を制御しているため、熱回収効率の向上と圧力損失の増大抑制とを両立させることができる。
(2)熱交換器
本発明の実施形態2に係る熱交換器は、上記の熱交換部材300を有する。熱交換部材300以外の部材については、特に限定されず、公知の部材を用いることができる。例えば、本発明の実施形態2に係る熱交換器は、熱交換部材300と、熱交換部材300の被覆部材20の外周を第2流体が流通可能となるように、被覆部材20の径方向外側に間隔をおいて配置される外筒(ケーシング)とを備えることができる。
なお、本発明の実施形態2に係る熱交換器は、上記の熱交換部材300を有すること以外は、図4及び5と同じであるため、詳細な説明を省略する。
本発明の実施形態2に係る熱交換器は、上記の熱交換部材300を備えているため、熱回収効率の向上と圧力損失の増大抑制とを両立させることができる。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
SiC粉末を含む坏土を所望の形状に押出成形した後、乾燥させ、所定の外形寸法に加工し、金属Siを含浸させて焼成することにより、SiC粒子間に金属Siを含むSi-SiC質の材料(Si含浸SiC)で構成され、軸方向に直交する断面が円形の中空部を有する中空型のハニカム構造体(円柱状)を作製した。作製したハニカム構造体はいずれも、外周壁11の直径(外径)D1を75mm、内周壁12の直径を57mm、軸方向(第1流体の流路方向)の長さを15mm、外周壁11及び内周壁12の厚みを1mm、隔壁13a,13bの厚みを0.3mm、熱伝導率(25℃)を150W/(m・K)に設定した。ハニカム構造体のその他の特徴などについては表1に示す。
次に、上記の実施例及び比較例で得られたハニカム構造体を被覆部材に焼き嵌めすることにより、熱交換部材を作製した。被覆部材としては、ステンレス製の管状部材(厚さ1mm)を用いた。次に、熱交換部材を外筒(ケーシング:厚さ1.5mm)に配置し、熱交換部材(被覆部材)の両端部を外筒と接合することにより、図4及び5に示される構造を有する熱交換器を作製した。
作製した熱交換器について以下の評価を行った。
<熱交換試験>
上記で作製した熱交換器について、以下の方法で、熱交換試験を行った。ハニカム構造体に、400℃の温度(Tg1)の空気(第1流体)を10g/秒の流量(Mg)で流した。一方、第2流体の供給管から40℃の冷却水(第2流体)を10L/分の流量(Mw)で供給し、第2流体の排出管から熱交換後の冷却水を回収した。
上記の条件にて、熱交換器に対して空気及び冷却水の供給を開始してから5分間通過させた直後に、第2流体の入口における冷却水の温度(Tw1)及び第2流体の出口における冷却水の温度(Tw2)を測定し、回収熱量Qを求めた。
Q(kW)=ΔTw[K]×Cpw[J/(kg・K)]×Pw[kg/m3]×Mw[L/分]÷(60×106
式中、ΔTw=Tw2-Tw1、Cpw(水の比熱)=4182J/(kg・K)、Pw(水の密度)=997kg/m3とした。
<圧力損失試験>
上述した熱交換試験において、熱交換部材の前後に位置する空気の流路内に、それぞれ圧力計を配置した。これらの圧力計の測定値から得られた差圧から、熱交換部材内(セル内)を流れる空気の圧力損失を測定した。
上記の結果を表1に示す。
Figure 2022122241000002
表1に示されるように、実施例1~3は、比較例1及び2に比べて回収熱量が多かった。回収熱量は、放射方向に延びる隔壁13aの数に依存し、隔壁13aの数が多くなるほど回収熱量が多くなる傾向にあるが、隔壁13aの数が同じである実施例1と比較例2とを対比した場合でも、実施例1の熱回収量の方が多かった。
また、圧力損失についても放射方向に延びる隔壁13aの数に依存し、隔壁13aの数が多くなるほど圧力損失が高くなるが、隔壁13aの数が同じである実施例1と比較例2とを対比した場合、実施例1の圧力損失の方が小さかった。
以上の結果からわかるように、本発明によれば、熱回収効率の向上と圧力損失の増大抑制とを両立することが可能な熱交換部材及び熱交換器を提供することができる。また、本発明によれば、上記の熱交換部材及び熱交換器に搭載することが可能な熱伝導部材を提供することができる。
10,50 ハニカム構造体
11 外周壁
12 内周壁
13 隔壁
13a 放射方向に延びる隔壁
13b 周方向に延びる隔壁
14 第1端面
15 第2端面
16 セル
20 被覆部材
30 外筒
31 供給管
32 排出管
100,300 熱交換部材
200 熱交換器

Claims (11)

  1. 外周壁、内周壁、及び前記外周壁と前記内周壁との間に配設され、第1端面から第2端面まで延びる第1流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム構造体と、
    前記外周壁の外周面を被覆する被覆部材と
    を備え、
    前記第1流体の流路方向に直交する前記ハニカム構造体の断面において、前記隔壁が放射方向に延びており、
    前記セルのそれぞれは、前記外周壁、前記内周壁及び前記隔壁から形成されている熱交換部材。
  2. 前記第1流体の流路方向に直交する前記ハニカム構造体の断面において、前記ハニカム構造体の外径(mm)に対する前記隔壁の数(個)の比が、2.3個/mm以上である、請求項1に記載の熱交換部材。
  3. 前記第1流体の流路方向に直交する前記ハニカム構造体の断面において、前記ハニカム構造体の外径(mm)に対する前記隔壁の数(個)の比が、3.2個/mm以上である、請求項2に記載の熱交換部材。
  4. 前記第1流体の流路方向に直交する前記ハニカム構造体の断面において、前記セルのアスペクト比が3以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の熱交換部材。
  5. 外周壁、内周壁、及び前記外周壁と前記内周壁との間に配設され、第1端面から第2端面まで延びる第1流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム構造体と、
    前記外周壁の外周面を被覆する被覆部材と
    を備え、
    前記第1流体の流路方向に直交する前記ハニカム構造体の断面において、前記隔壁が放射方向に延びる隔壁を含み、前記ハニカム構造体の外径(mm)に対する前記放射方向に延びる隔壁の数(個)の比が、3.2個/mm以上である、熱交換部材。
  6. 前記セルのアスペクト比が3以上である、請求項5に記載の熱交換部材。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の熱交換部材と、
    前記被覆部材の外周を第2流体が流通可能となるように、前記被覆部材の径方向外側に間隔をおいて配置される外筒と
    を備える熱交換器。
  8. 外周壁、内周壁、及び前記外周壁と前記内周壁との間に配設され、第1端面から第2端面まで延びる第1流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム構造体を備える熱伝導部材であって、
    前記外周壁、前記内周壁及び前記隔壁が、骨材としてSiC粒子を主体とし、前記SiC粒子間に金属Siを含むSi-SiC質の材料で構成されており、
    前記第1流体の流路方向に直交する前記ハニカム構造体の断面において、前記隔壁が放射方向に延びており、
    前記セルのそれぞれは、前記外周壁、前記内周壁及び前記隔壁から形成されている熱伝導部材。
  9. 前記第1流体の流路方向に直交する前記ハニカム構造体の断面において、前記ハニカム構造体の外径(mm)に対する前記隔壁の数(個)の比が、2.3個/mm以上である、請求項8に記載の熱伝導部材。
  10. 外周壁、内周壁、及び前記外周壁と前記内周壁との間に配設され、第1端面から第2端面まで延びる第1流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム構造体を備える熱伝導部材であって、
    前記外周壁、前記内周壁及び前記隔壁が、骨材としてSiC粒子を主体とし、前記SiC粒子間に金属Siを含むSi-SiC質の材料で構成されており、
    前記第1流体の流路方向に直交する前記ハニカム構造体の断面において、前記隔壁が放射方向に延びる隔壁を含み、前記ハニカム構造体の外径(mm)に対する前記放射方向に延びる隔壁の数(個)の比が、3.2個/mm以上である、熱伝導部材。
  11. 前記第1流体の流路方向に直交する前記ハニカム構造体の断面において、前記セルのアスペクト比が3以上である、請求項8~10のいずれか一項に記載の熱伝導部材。
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