JP2022124475A - 組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱可塑性ポリエステルを配合しても微細構造パターンの転写性に優れる組成物を提供する。【解決手段】本発明の組成物は、オレフィン系重合体Aと、重合体Bと、を含む組成物であって、重合体Bは150℃以上の融点を有するポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系重合体であり、重合体A及び重合体Bの合計100質量部に対して、重合体Aの含有量は51~99.9質量部であり、重合体Bの含有量は0.1~49質量部である。【選択図】なし

Description

本発明は、組成物に関する。
オレフィン系重合体は、熱可塑性樹脂の中でも、安価で軽量であり、かつ、成形加工性、機械的特性、耐熱性、長期の耐熱劣化などの特性に優れる樹脂である。このため、オレフィン系重合体は、ボトルなどの各種容器、食品用包装材料、容器のキャップ、文具、日用雑貨、カーペットやソファ用の繊維、自動車用内外装材、電気・電子機器部品、ビルや住宅の内装材などの建築材料などに利用されている。近年これらの物品に対して気密性、塗装性、染色性などの改良が要求されることが多い。
そこで、これらの要求に答えるための一手段として、特許文献1に記載されるように、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートに代表され、オレフィン系重合体よりも気密性、塗装性、及び染色性に優れる熱可塑性ポリエステルを、オレフィン系重合体に配合する方法が考えられる。
特開平6-73264号公報
しかしながら、オレフィン系重合体と熱可塑性ポリエステルは相溶性が悪い。したがって、オレフィン系重合体と熱可塑性ポリエステルを含む溶融混練した組成物を、微細構造パターンを有する型のキャビティ内へ導入し、ついて、型を冷却して組成物を固化させても、オレフィン系重合体と熱可塑性ポリエステルの相分離により型のキャビティと組成物とが密着しにくく、成形物品への微細構造パターンの転写性が劣化するという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、熱可塑性ポリエステルを配合しても微細構造パターンの転写性に優れる組成物を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、オレフィン系重合体Aと、重合体Bと、を含む組成物であって、
前記重合体Bは150℃以上の融点を有するポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系重合体であり、
前記重合体A及び前記重合体Bの合計100質量部に対して、前記重合体Aの含有量は51~99.9質量部であり、前記重合体Bの含有量は0.1~49質量部である。
ここで、前記重合体A及び前記重合体Bの合計100質量部に対して、前記重合体Aの含有量は60.1~99.9質量部であり、前記重合体Bの含有量が0.1~39.9質量部であることができる。
また、前記重合体Aがプロピレン系共重合体であることができる。
本発明によれば、熱可塑性ポリエステルを主成分として配合しながら微細構造パターンの転写性に優れる組成物が提供される。
以下、本発明のいくつかの実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明にかかる組成物は、オレフィン系重合体Aと、重合体Bと、を含む。
<オレフィン系重合体A>
オレフィン系重合体Aとは、炭素原子数2以上10以下のオレフィンに由来する構造単位を50質量%以上含有する重合体である(ただし、オレフィン系重合体の全量を100質量%とする)。炭素原子数2以上10以下のオレフィンの例は、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセンである。
オレフィン系重合体Aは、炭素原子数2以上10以下のオレフィン以外の単量体に由来する構造単位を含有していてもよい。炭素原子数2以上10以下のオレフィン以外の単量体の例は、スチレンなどの芳香族ビニル単量体;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸エステル;酢酸ビニルなどのビニルエステル化合物;1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン(イソプレン)などの共役ジエン;及び、ジシクロペンタジエン、5-エチリデン-2-ノルボルネンなどの非共役ジエンである。
オレフィン系重合体Aは、エチレン系重合体、プロピレン系重合体、及びブテン系重合体からなる群から選択される少なくとも1つであることができ、これらの内の任意の2種以上の組み合わせであってもよい。
エチレン系共重合体とは、エチレンに由来する構造単位を50質量%以上含有する重合体であり、その例は、エチレン単独重合体、エチレン-1-ブテン共重合体、エチレン-1-ヘキセン共重合体、エチレン-1-オクテン共重合体、及び、エチレン-1-ブテン-1-ヘキセン共重合体である。エチレン系共重合体は、2以上のエチレン系共重合体の組み合わせであってもよい。
プロピレン系共重合体とは、プロピレンに由来する構造単位を50質量%以上含有する重合体であり、その例は、プロピレン単独重合体、プロピレン-エチレン共重合体、プロピレン-1-ブテン共重合体、プロピレン-1-ヘキセン共重合体、プロピレン-1-オクテン共重合体、プロピレン-エチレン-1-ブテン共重合体、プロピレン-エチレン-1-ヘキセン共重合体、及び、プロピレン-エチレン-1-オクテン共重合体である。プロピレン系共重合体は、2種以上のプロピレン系共重合体の組み合わせであってもよい。オレフィン系重合体Aがプロピレン系共重合体であることは好適である。
ブテン系共重合体とは、1-ブテンに由来する構造単位を50質量%以上含有する重合体であり、その例は、1-ブテン単独重合体、1-ブテン-エチレン共重合体、1-ブテン-プロピレン共重合体、1-ブテン-1-ヘキセン共重合体、1-ブテン-1-オクテン共重合体、1-ブテン-エチレン-プロピレン共重合体、1-ブテン-エチレン-1-ヘキセン共重合体、1-ブテン-エチレン-1-オクテン共重合体、1-ブテン-プロピレン-1-ヘキセン共重合体、及び、1-ブテン-プロピレン-1-オクテン共重合体である。ブテン系共重合体は、2種以上のブテン系共重合体の組み合わせであってもよい。
上記のオレフィン系重合体Aは、公知の重合用触媒を用いた公知の重合方法を用いて製造することができる。
JIS K7210-2014に従って温度230℃又は190℃、荷重2.16kgfの条件で測定されるオレフィン系重合体Aのメルトマスフローレート(MFR)は、好ましくは0.1g/10分以上200g/10分以下である。
<重合体B>
重合体Bは150℃以上の融点を有するポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系重合体である。
ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系重合体とは、ポリヒドロキシアルカノエートすなわちヒドロキシアルカン酸のポリエステルであって、かつ、(1)式で示される3-ヒドロキシアルカネートの繰り返し単位を必ず含む。(1)式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~15のアルキル基、シアノ基、炭素原子数1~11のアミノ基、炭素原子数1~11のアルコキシ基(アルキルオキシ基)、炭素原子数2~20のアミド基、炭素原子数6~12のアリール基、又は、炭素原子数1~9の1価の複素環基である。これらの基は、置換基を有していてもよい。特に、組成物に含まれる重合体B以外の成分(例えば、重合体A)との相溶性の観点から、Rは、炭素原子数1~8のアルキル基、炭素原子数2~20のアミド基、又は、炭素原子数6~8のアリール基が好ましい。
[-O-CHR-CH-CO-]…(1)
ハロゲン原子の例は、F、Cl、Br、及びIである。
炭素原子数1~15のアルキル基は直鎖状でも分岐状でもよい。アルキル基の炭素原子数は、1~8が好ましく、1~4がより好ましい。アルキル基の例は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル墓、ペンチル基、イソペンチル基、2-メチルブチル基、1-メチルブチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、3-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、1-メチルペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2-エチルヘキシル基、3,7-ジメチルオクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル墓である。
炭素原子数1~11のアミノ基の例は、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルアリールアミノ基、ベンジルアミノ基、ジベンジルアミノ基である。
アルキルアミノ基の例は、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、ドデシルアミノ基、イソプロピルアミノ基、イソブチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、sec-ブチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、sec-ペンチルアミノ基、tert-ペンチルアミノ基、tert-オクチルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、シクロブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、シクロヘプチルアミノ基、シクロオクチルアミノ基、1-アダマンタミノ基、2-アダマンタミノ基である。
ジアルキルアミノ基の例は、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジイソペンチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、メチルブチルアミノ基、メチルイソブチルアミノ基、ジシクロプロピルアミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基である。
アリールアミノ基の例としては、アニリノ基、1-ナフチルアミノ基、2-ナフチルアミノ基、o-トルイジノ基、m-トルイジノ基、p-トルイジノ基、1-フルオレンアミノ基、2-フルオレンアミノ基、2-チアゾールアミノ基、p-ターフェニルアミノ基である。
アルキルアリールアミノ基としては、N-メチルアニリノ基、N-エチルアニリノ基、N-プロピルアニリノ基、N-ブチルアニリノ基、N-イソプロピルアニリノ基、N-ペンチルアニリノ基である。
炭素原子数1~11のアルコキシ基の例は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペントキシ基である。
「アミド基」とは、カルボン酸アミドから窒素原子に結合した水素原子1個を除いた基を意味する。炭素原子数2~20のアミド基の例は、ホルムアミド基、アセトアミド基、プロピオンアミド基、ブチルアミド基、ベンズアミド基、トリフルオロアセトアミド基、ペンタフルオロベンズアミド基等の-NH-C(=O)-Rで表される基(ただし、Rは、水素原子、又は、1価の有機基)、及び、ジホルムアミド基、ジアセトアミド基、ジプロピオアミド基、ジブチロアミド基、ジベンズアミド基、ジトリフルオロアセトアミド基、ジペンタフルオロベンズアミド基のように-N(-C(=O)-R)(-C(=O)-R)で表される基(ただし、R はそれぞれ独立に、水素原子、又は、1価の有機基)である。有機基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい、アルキル基、アルコキシ基、アリール基であることができる。なかでも、アミド基は、ホルムアミド基、アセトアミド基、プロピオンアミド基、ブチロアミド基、ベンズアミド基が好ましい。
炭素原子数6~12のアリール基の例は、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基であり、なかでも、フェニル基、トリル基、キシリル基がより好ましい。
炭素原子数1~9の1価の複素環基のヘテロ原子の例は、N、O、及び、Sであり、飽和していても不飽和であってもよく、ヘテロ原子が単数であっても複数であっても異種のヘテロ原子を有していてもよい。このような複素環基の例は、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、ピペリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、チアゾリル基が挙げられる。
重合体Bの繰り返し単位は、1又は複数種の(1)式で示される3-ヒドロキシアルカノエートのみからなってもよく、1又は複数種の(1)式で示される3-ヒドロキシアルカノエート、及び、1又は複数種の他のヒドロキシアルカノエートを有してもよい。
重合体Bは、(1)式で示される3-ヒドロキシルカノエートの繰り返し単位を、ヒドロキシアルカノエートの全繰り返し単位(100モル%)に対して50モル%以上含むものが好ましく、より好ましくは70モル%以上である。
(1)式で示される3-ヒドロキシアルカノエートの例は、Rが水素原子またはC2n+1で表されるアルキル基であって、nは1~15の整数である場合、n=1である3-ヒドロキシブチレート(以降、3HBと記載することがある)、n=2である3-ヒドロキシバリレート(以降、3HVと記載することがある)、n=3である3-ヒドロキシヘキサノエート(以降、3HHと記載することがある)、n=5の3-ヒドロキシオクタネート、n=15である3-ヒドロキシオクタデカネート、Rが水素原子である3-ヒドロキシプロピオネートである。
(1)式で表される1種の繰り返し単位のみを有する重合体Bの例は、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)(以降、P3HBと記載することがある)である。
(1)式で表される複数種の繰り返し単位のみを有する重合体Bの例は、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシヘキサノエート)(以下、P3HB3HHと記載することがある。)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバリレート)(以下、P3HB3HVと記載することがある)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシプロピオネート(以下P3HB3HPと記載することがある)である。
(1)式で示される3-ヒドロキシアルカノエート以外の他のヒドロキシアルカノエートの例は、(2)式で示される繰り返し単位(式中、Rは水素原子またはC2n+1で表されるアルキル基で、nは1以上15以下の整数であり、mは、2~10の整数である。)である。
[-O-CHR-C2m+1-CO-]…(2)
(1)式および(2)式の繰り返し単位を含む重合体Bの例は、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-4-ヒドロキシブチレート)(例えば下式(P3HB4HB))である。
融点を高くする観点から、重合体Bの繰り返し単位が、(1)式で示される3-ヒドロキシアルカノエートの中でも3-ヒドロキシブチレートを少なくとも含むことが好ましい。
重合体Bは、3-ヒドロキシブチレートの繰り返し単位を、ヒドロキシアルカノエートの全繰り返し単位(100モル%)に対して50モル%以上含むものが好ましく、より好ましくは70モル%以上である。
重合体Bは2種以上のエステルの繰り返し単位を有してもよく、例えば、上記のように2種の繰り返し単位を有するジ-ポリマー、3種の繰り返し単位を有するトリ-コポリマー、及び、4種の繰り返し単位を有するテトラ-コポリマーであってもよい。
例えば、トリ-コポリマーの例は、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシバリレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)(以下、(P3HB3HV3HH)と記載することがある。)である。
上述のように、重合体Bは、(1)式で示される3-ヒドロキシアルカノエートの繰り返し単位の中でも3-ヒドロキシブチレートを含むことが好ましい。全ヒドロキシアルカノエートのエステル繰り返し単位100モルに対して、3-ヒドロキシブチレートの繰り返し単位の割合XXは、90モル%以上であることが好ましく、95モル%以上であることがより好ましく、98.0モル%以上であることが更に好ましい。
割合XXは、通常、100モル%以下であり、99.9モル%以下であることが好ましく、99.8モル%以下であることが好ましい。
コポリマーの配列の様式は、ランダム共重合体、交替共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれの様式でもよい。
重合体Bは、(1)式及び(2)式以外の他のエステル繰り返し単位を有してもよいが、当該他のエステル繰り返し単位の主鎖は芳香族炭化水素構造を含まない。すなわち、重合体Bは脂肪族ポリエステルである。ただし、当該他のエステル繰り返し単位の主鎖の炭素に芳香族炭化水素基を有する基が結合していることは可能である。
重合体Bにおける繰り返し単位の構成比は、L.Tripathi.,M.C.Factories,11,44(2012)に記載されているように、1H-NMRや13C-NMR等のNMR測定結果から算出して求めることができる。
また、重合体Bは、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系重合体の2種以上のブレンドでもよい。
重合体Bの重量平均分子量(Mw)は、1万~100万であることができ、2万~80万であることが好ましく、より好ましくは3万~60万である。重量平均分子量(Mw)を1万以上とすることにより、衝撃強度及び引張伸びに優れた成形体を得ることが可能となる。また、重量平均分子量を50万以下にすることにより、オレフィン系重合体A中での分散性が良好となる。重量平均分子量は、40万以下でもよく、30万以下でもよく、20万以下でもよく、10万以下でもよい。なお本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、GPCにより、標準ポリスチレンを分子量標準物質として用いて測定される。
重合体Bは、熱可塑性樹脂であり、結晶性であることが好適である。
JIS K7210-2014に従って、温度190℃又は170℃および荷重2.16kgfの条件で測定される重合体Bのメルトマスフローレート(MFR(B))は、好ましくは0.1g/10分以上、200g/10分以下である。MFR(B)は、1g/10分以上でもよく、3g/10分以上でもよく、5g/10分以上でもよく、7g/10分以上でもよく、8g/10分以上でもよく、10g/10分以上でもよく、20g/10分以上でもよい。MFR(B)は、150g/10分以上でもよく、100g/10分以上でもよい。
重合体Bの融点(Tm)は150℃以上であり、155℃以上、160℃以上、165℃以上、170℃以上、または、175℃以上であってもよい。重合体Bの融点(Tm)は、220℃以下であることができ、200℃以下であってもよく、190℃以下であってもよい。
重合体Bの融点(Tm)は、JIS K7121に準拠した示差走査熱量計(DSC)測定により求められる結晶の融解に基づく主ピークの位置により測定される。
ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系重合体は、微生物が生産したものであってもよいし、石油または植物原料から誘導された化合物(例えば環状ラクトンなど)由来のものであってもよい。
ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系重合体は、微生物から生産されたもののようにヒドロキシアルカネートの各繰り返し単位がD体(R体)のみからなってもよいが、D体(R体)及びL体(S体)の混合物から誘導されたもののようにヒドロキシアルカノエートの繰り返し単位がD体(R体)及びL体(S体)を両方含むものでもよい。
微生物から生産されたポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系重合体において、(1)式の繰り返し単位は下式のように表すことができる。(BI-1)式中、nは重合度を表す。
Figure 2022124475000001
そして、例えば、微生物から生産されたポリ-(3-ヒドロキシブチレート)は以下のような構造を有する。(BI-2)式中、nは重合度を表す。
Figure 2022124475000002
また、微生物から生産されたポリ-(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシヘキサノエート)は以下のような構造を有する。(BI-3)式中、m及びnは重合度を表す。
Figure 2022124475000003
また、微生物から生産されたポリ-(3-ヒドロキシブチレート-co-4-ヒドロキシブチレート)は以下のような構造を有する。(BI-4)式中、m及びnは重合度を表す。
Figure 2022124475000004
重合体Bは、生分解性を有することができる。
例えば、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系重合体は、AlcaligeneseutrophusにAeromonascaviae由来のPHA合成酵素遺伝子を導入したAlcaligenes eutrophus AC32株(ブダペスト条約に基づく国際寄託、国際寄託当局:独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)、原寄託日:平成8年8月12日、平成9年8月7日に移管、受託番号FERMBP-6038(原寄託FERMP-15786より移管))(J.Bacteriol.,179,4821(1997))等の微生物によって産生することができる。
<組成物の組成>
組成物において、オレフィン系重合体A及び重合体Bの合計100質量部に対して、オレフィン系重合体Aの含有量は51~99.9質量部であり、重合体Bの含有量は0.1~49質量部である。
オレフィン系重合体Aの含有量が60.1~99.9質量部かつ重合体Bの含有量が0.1~39.9質量部であることができ、オレフィン系重合体Aの含有量が70~99.9質量部かつ重合体Bの含有量が0.1~30質量部であることができ、オレフィン系重合体Aの含有量が75~99.9質量部かつ重合体Bの含有量が0.1~25質量部であることができる。重合体Bの含有量が多すぎると、型の凹凸の転写性及び型の凹凸からの離型性が低下する場合がある。
また、重合体A及び重合体Bの共結晶を形成させ、組成物における結晶化遅延効果を発現させる観点から、オレフィン系重合体Aの含有量が60~99.9質量部かつ重合体Bの含有量が0.1~40質量部、オレフィン系重合体Aの含有量が70~99.9質量部かつ重合体Bの含有量が0.1~30質量部、オレフィン系重合体Aの含有量が80~99.9質量部かつ重合体Bの含有量が0.1~20質量部であってよい。
オレフィン系重合体Aの含有量が80~99.9質量部かつ重合体Bの含有量が0.1~20質量部、オレフィン系重合体Aの含有量が85~99.9質量部かつ重合体Bの含有量が0.1~15質量部、オレフィン系重合体Aの含有量が90~99.9質量部かつ重合体Bの含有量が0.1~10質量部であってもよい。
組成物の全体に占める、オレフィン系重合体Aと重合体Bの合計の割合は50質量%以上であることができ、60質量%以上であることが好適であり、70質量%以上であることがさらに好適である。
組成物において、重合体Bが分散相を形成していても良く、形成していなくても良い。重合体Bが分散相を形成しているとは、組成物が、オレフィン系重合体Aを連続相(海部)とし、重合体Bを分散相(島部)とする海島構造を有しているということである。分散相(島部)の平均円相当径は、10nm~400μmであることができる。
(添加剤)
組成物は、必要に応じて、添加剤を含んでもよい。添加剤としては、安定剤、防菌剤、防黴剤、分散剤、可塑剤、難燃剤、粘着付与剤、着色剤、金属粉末、有機粉末、無機繊維、有機繊維、有機及び無機の複合繊維、無機ウィスカー、及び、充填剤からなる群から選択される少なくとも一種であることができる。
安定剤の例は、滑剤、老化防止剤、熱安定剤、耐光剤、耐候剤、金属不活性剤、紫外線吸収剤、光安定剤、及び、銅害防止剤からなる群から選択される少なくとも一種である。耐光剤の例はヒンダードアミン系耐光剤である。
着色剤の例は、酸化チタン、カーボンブラック及び有機顔料からなる群から選択される少なくとも一種である。金属粉末の例はフェライトである。
有機粉末の例はタンパク質である。無機繊維の例は、ガラス繊維及び金属繊維である。有機繊維の例は、炭素繊維及びアラミド繊維である。無機ウィスカーの例はチタン酸カリウムウィスカーである。
充填剤の例は、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ガラスフレーク、アスベスト、マイカ、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、ハイドロタルサイト、カオリン、けい藻土、グラファイト、軽石、エボ粉、コットンフロック、コルク粉、硫酸バリウム、フッ素樹脂、セルロースパウダー、及び、木粉からなる群から選択される少なくとも一種である。
組成物は、上記の添加剤を1種のみ含んでもよく、2種以上の組み合わせを含んでもよい。
組成物において、添加剤は、オレフィン系重合体Aと重合体Bのいずれに含まれていてよい。添加剤は、オレフィン系重合体Aの連続相中に、重合体Bとは別の分散相を形成していてもよい。
動的機械分析(DMA)法により求められる組成物の温度に対する損失弾性率E’’のカーブにおけるピークは複数(例えば2峰)であってもよいが、1つ(単峰)であることが好適である。
DMA法は、短冊状に切り出した0.3mm厚の測定試料を、測定周波数5Hz、引っ張りの測定モードで、測定温度-150℃から2℃/分の昇温速度で段階的に昇温し、試料が融解して測定不能になるまで測定して行うことができる。歪みは0.1%以下の範囲で行った。
当該カーブにおけるピークがひとつである場合、当該ピークの温度はガラス転移温度Tgに対応する。組成物のガラス転移温度Tgは、-70℃~150℃であることができる。
組成物は、オレフィン系重合体Aと重合体Bとの共結晶を有することができる。共結晶の有無は、X線回折結果において、構成成分の単結晶のピークとは異なるピークの有無により確認できる。例えば、ポリプロピレンと、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシヘキサノエート)(P3HB3HH)との混合物である場合、ポリプロピレンの単結晶のピークは2θ=約14°、約17°、及び、約18.5°の位置にピークが現れ、P3HB3HHのピークは2θ=約13.5°及び約17°の位置に現れ、共結晶のピークは約16°の位置に現れる。ポリプロピレンの単結晶のピークは、J. Polymer Sci. B Polymer Physics Vol. 24, 461-491 (1986)を参考にした。
組成物における共晶率(共結晶組織が全体の組織の中で占める体積率)は、0.1%以上とすることができる。共晶率は、オレフィン系重合体Aの単結晶に関するピーク及び共結晶に関するピークの総面積に対する、共結晶に関するピークの総面積として計算することができる。
例えば、ポリプロピレンとP3HB3HHとの混合物では以下のように計算できる。まず、組成物のX線回折の2次元パターンを評価し、得られたX線回折の2次元パターンを全方位角に対して円周平均して回折角-強度プロファイルに変換する。そして、ポリプロピレンの単結晶に由来するピークと2θ=16°のピークとの総面積に対する、2θ=16°のピークの面積の割合により、共晶率を計算できる。
組成物が共結晶を有すると、組成物の結晶化速度が遅延される。結晶化速度が遅い組成物は、微細構造パターンの転写性等において有用である。
(組成物の製造方法)
上記の組成物は、オレフィン系重合体A、重合体B、及び、必要に応じて添加される添加剤を、溶融混練して得ることができる。混練温度(混練機の設定温度)を150~300℃とすることが好ましく、170℃~280℃とすることがより好ましい。また、オレフィン系重合体A及び重合体Bの各一部を溶融混練して予備混練物を得て、続いて、オレフィン系重合体Aと重合体Bの残りを予備混練物に加えてさらに溶融混練して組成物を得ることもできる。
(組成物の成形体の製造方法)
射出成形法、押出成形法、真空成形法、圧空成形法、プレス成形法、発泡成形法、ブロー成形法、回転成形法などの公知の樹脂の成形方法を用いて、所要の形状を有する上記の組成物の成形体を得ることができる。
また、上記の組成物を、他の樹脂、金属、紙、皮革等の他の材料と張り合わせ、多層構造体をえることができる。
本発明の組成物の成形体の表面には、表面処理を施してもよい。表面処理の方法としては、エンボス処理、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等の方法が挙げられる。
上記の組成物は、樹脂材料として広く利用できる。
本発明の組成物の用途としては、外構部材、家具及び室内装飾部材、家部材、玩具部材、園芸部材、自動車部材、包装材が挙げられる。外構部材として、例えば、カーポート部材、フェンス部材、門扉部材、門柱部材、ポスト部材、サイクルポート部材、デッキ部材、サンルーム部材、屋根部材、テラス部材、手すり部材、シェード部材、オーニング部材などが挙げられ、家具及び室内装飾部材として、例えば、ソファ部材、テーブル部材、チェア部材、ベッド部材、タンス部材、キャブネット部材、ドレッサー部材などが挙げられ、家電部材として、例えば、時計用部材、携帯電話部材、白物家電部材、などが挙げられ、玩具部材として、例えば、プラモデル部材、ジオラマ部材、ビデオゲーム本体部材などが挙げられ、園芸部材として、例えば、プランター部材、花瓶部材、植木鉢用部材などが挙げられ、自動車部材として、例えば、バンパー材、インパネ材、エアバッグカバー材などが挙げられ、包装材としては、例えば、食品用包装材、繊維用包装材、雑貨用包装材などが挙げられる。さらに、その他の用途としては、例えば、モニター用部材、オフィスオートメーション(OA)用機器部材、医療用部材、排水パン、トイレタリー部材、ボトル、コンテナー、除雪用品部材、各種建築用部材などが挙げられる。
以下、本発明について実施例及び比較例を用いて説明する。実施例及び比較例で使用したオレフィン系重合体(A)と熱可塑性エステル系重合体(B)を下記に示す。
(1)オレフィン系重合体A
(A-1)プロピレン単独重合体
MFR(230℃、2.16kg荷重):7g/10分
融点(Tm):163℃
(A-2)エチレン単独重合体(高密度ポリエチレン)
(商品名)KEIYOポリエチ G2500:京葉ポリエチレン社製
MFR(190℃、2.16kg荷重):5.4g/10分
融点(Tm):131℃
(2)重合体B
(B-1)ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)
構造式:(BI-3)式
コモノマー(3HH)成分の含有量(モル%):1.1モル%
重量平均分子量(Mw):79000
MFR(190℃、2.16kg荷重):38g/10分
融点(Tm):175℃
(B-2)ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)
構造式:(BI-3)式
コモノマー(3HH)成分の含有量(モル%):0.2モル%
重量平均分子量(Mw):104000
MFR(190℃、2.16kg荷重):7.8g/10分
融点(Tm):175℃
(B-3)ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-4-ヒドロキシブチレート)
構造式:(BI-4)式
(商品名)M4300:CJ第一製糖社製
コモノマー(3HH)成分の含有量(モル%):45モル%
重量平均分子量(Mw):216000
MFR(190℃、2.16kg荷重):4.0g/10分
融点(Tm):48.7℃
(B-4)ポリエチレンテレフタレート
(商品名)ベルペット EFG70:ベルポリエステルプロダクツ社製
固有粘度:0.75dl/g
融点(Tm):255℃
(B-5)ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)
構造式:(BI-3)式
コモノマー(3HH)成分の含有量(モル%):20モル%
MFR(170℃、2.16kg荷重):38g/10分
融点(Tm):74℃
(B-6)ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)
構造式:(BI-3)式
コモノマー(3HH)成分の含有量(モル%):12モル%
重量平均分子量(Mw):850000
MFR(190℃、2.16kg荷重):3.5g/10分
融点(Tm):129℃
(B-7)ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)
構造式:(BI-3)式
コモノマー(3HH)成分の含有量(モル%):8.5モル%
重量平均分子量(Mw):850000
MFR(190℃、2.16kg荷重):3.7g/10分
融点(Tm):148℃
各重合体及び組成物の物性は下記に示した方法に従って測定した。
(1)メルトマスフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210-2014に規定された方法に従って測定した。測定温度は230℃又は190℃、荷重は2.16kgとした。
(2)重量平均分子量(Mw)
重量平均分子量(Mw)を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定結果に基づき算出した。GPCの測定において、測定装置としてウォーターズ社製GPC-150Cを用い、ポリマー濃度0.05重量%のオルトジクロロベンゼン溶液を用い、カラムとして混合ポリスチレンゲルカラム(東ソー(株)社製PSKgelGMH6-HT)を使用し、測定温度を135℃とした。
(3)重合体の融点(Tm)
JIS K7121に規定された方法に従って、測定した。測定温度は-50℃~200℃もしくは、-50℃~250℃で、昇温速度は10℃/分で測定した。
(4)重合体Bのコモノマー成分の含有量
コモノマー成分の含有量は、重合体Bのヒドロキシアルカノエートの全エステル繰り返し単位の数に対する、3-ヒドロキシブチレート以外の他の繰り返し単位(3-ヒドロキシヘキサノエート(3HH)又は4-ヒドロキシブチレート(4HB))のモル比のことである。
コモノマー成分の含有量は、L.Tripathi.,M.C.Factories,11,44(2012)に記載されている1H-NMRスペクトルを使用する方法で求めた。
〔測定条件〕
機種:BrukerAVANCE600
プローブ:10mmクライオプローブ
測定温度:135℃
パルス繰り返し時間:1秒
パルス幅:45°
積算回数:700回
磁場強度:600MHz
(5)組成物のTgの測定
粘弾性装置(SIIナノテクノロジー社;DMS200)により、組成物の温度-貯蔵弾性率カーブを得て、ピークの数を数えた。
(6)微細構造パターン転写性
新藤金属工業所圧縮成形機(P-37)を用い、表面粗さ(Ra)が60μmの微細構造パターンであるシボ板の上で温度200℃で5分間樹脂を予熱した後、前記シボ板に温度200℃・圧力1MPa・30秒の条件で樹脂を押し付け、賦形された成形体を得た。賦形された成形体の表面の表面粗さを評価した。表面粗さが60μmに近似するほど微細構造パターン転写性が高いことを示す。
(7)表面粗さ(Ra)
三次元表面粗さ測定器サーフコーダSE-30K(株式会社小坂研究所製)を用いて、X方向に0.5mm/秒の速さでX方向:2mm×Y方向:0.99mmの範囲を測定した(Y方向のピッチは2μm)。測定結果より算術平均表面粗さ(Ra)を求めた。
(8)離型性
新藤金属工業所圧縮成形機(P-37)を用い、表面粗さ(Ra)が60μmの微細構造パターンであるシボ板の上で温度200℃で5分間樹脂を予熱した後、前記シボ板に温度200℃・圧力1MPa・30秒の条件で樹脂を押し付け、賦形された成形体を得た。賦形された成形体を前記シボ板から45°の角度で剥がしとる際に、成形体が破れた場合には×、破れなければ〇とした。
(9)共結晶
組成物のX線回折の2次元パターンを評価し、得られたX線回折の2次元パターンを全方位角に対して円周平均して回折角-強度プロファイルに変換し、共結晶に基づく回折(2θ=16°)に対応するピークの有無により共結晶を有することを確認した。また、共結晶のピーク及びポリプロピレンの単結晶のピークの面積に基づき、共晶率を計算した。具体的な共晶率の計算方法は、X線回折の2次元パターンをピークフィッティングし、それぞれ面積値を算出し、下式に従った。
共晶率=16°ピーク面積値/(14°ピーク面積値+17°ピーク面積値+18.5°ピーク面積値+16°ピーク面積値)
(10)結晶化速度
組成物を190℃から125℃に急冷した後に、温度を維持しながら示差走査熱測定を行い、結晶化速度(半結晶化時間t1/2)を測定した。
重合体A及び重合体Bの特性について、表1及び表2にそれぞれ示す。
Figure 2022124475000005
Figure 2022124475000006
(実施例1)
95.8質量%の重合体(A-1)と、4.2質量%の重合体(B-1)とを粉体の状態で均一に混合したのち、小型混練機(Xplore;DSM社製)に供給して樹脂温度190℃、混練時間4分、スクリュー回転速度100rpmの条件で混練を行い、樹脂組成物を得た。前記樹脂組成物の微細構造パターン転写性を評価した。
(実施例2)
95質量%の重合体(A-1)と、5質量%の重合体(B-2)とを用いる以外は、実施例1と同様にした。
(実施例3)
90質量%の重合体(A-1)と、10質量%の重合体(B-2)とを用いる以外は、実施例1と同様にした。
(実施例4)
90質量%の重合体(A-2)と、10質量%の重合体(B-1)とを用いる以外は、実施例1と同様にした。
(実施例5)
65.2質量%の重合体(A-1)と、34.8質量%の重合体(B-1)とを用いる以外は、実施例1と同様にした。
(比較例1)
100質量%の重合体(A-1)のみを用いる以外は、実施例1と同様とした。
(比較例2)
47.8質量%の重合体(A-1)と、52.2質量%の重合体(B-1)とを用いる以外は、実施例1と同様とした。
(比較例3)
90質量%の重合体(A-1)と、10質量%の重合体(B-3)とを用いる以外は、実施例1と同様とした。
(比較例4)
95質量%の重合体(A-1)と、5質量%の重合体(B-5)とを用いる以外は、実施例1と同様とした。
(比較例5)
95質量%の重合体(A-1)と、5質量%の重合体(B-6)とを用いる以外は、実施例1と同様とした。
(比較例6)
95質量%の重合体(A-1)と、5質量%の重合体(B-4)とを用いる以外は、実施例1と同様とした。
結果を表3に示す。
Figure 2022124475000007
融点の高いポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系重合体を適量オレフィン系重合体に混入させることにより、熱可塑性ポリエステルを添加しても転写性が高くなることが確認された。また、実施例1~3では、結晶化速度の遅延も確認された。

Claims (3)

  1. オレフィン系重合体Aと、重合体Bと、を含む組成物であって、
    前記重合体Bは150℃以上の融点を有するポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系重合体であり、
    前記重合体A及び前記重合体Bの合計100質量部に対して、前記重合体Aの含有量は51~99.9質量部であり、前記重合体Bの含有量は0.1~49質量部である、組成物。
  2. 前記重合体A及び前記重合体Bの合計100質量部に対して、前記重合体Aの含有量は60.1~99.9質量部であり、前記重合体Bの含有量が0.1~39.9質量部である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記重合体Aがプロピレン系共重合体である請求項1または2に記載の組成物。

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