JP2022123725A - つらら防止装置 - Google Patents
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Abstract
Description
つららが成長すると、屋根や軒先の雨樋などに重量物としての負荷を与えるばかりか、根元から取れて落下すると人や物に当たり事故につながるおそれもある。
つららの発生を防止したり、発生したつららを除去したりする技術はこれまでに様々なものが検討されている。
特許文献1によれば、つららの発生部位に電熱ヒータ線で加熱される筒状長尺体を近接させて設置するため、融雪水は凍結することなく流れていくので、つららの発生を防止することができる。しかし、このために筒状長尺体を加熱する電力を供給する必要があり、つらら防止のための費用がかさんでしまうという課題がある。
そこで、簡単な構造で維持費用を抑えつつ効果的につららの発生を防止するつらら防止装置の提供が期待される。
前記水滴ガイドは、前記水滴ガイドの上端部側から最大1/2の長さまでは前記水滴ガイドの下端側よりは揺動を抑制するように材質又は形状を変えて形成するか、又は前記水滴ガイドの上端部側から最大1/2の長さまでの揺動を抑制するように固定することが好ましい。
前記水滴ガイドは、前記構造物の下端縁に沿って外周を連続的に囲んでスカート状の形状となるように固定されることが好ましい。
前記水滴ガイドの下端側に風を集中して当たるように風の向きをガイドするガイド板を更に備えることが好ましい。
前記固定手段又は前記固定手段の下方に前記水滴ガイドを直接または間接に振動させる振動手段をさらに備え、前記振動手段は、前記水滴ガイドを直接または間接に所定の時間振動させる振動装置又は風により吹き上げられる前記水滴ガイドを元の位置に戻すように付勢して振動させる弾性体のいずれかを含むことが好ましい。
図1は、本発明の実施形態によるつらら防止装置の構成を概略的に示す図である。
図1を参照すると、本発明の実施形態によるつらら防止装置1は、水滴を滴下方向にガイドする水滴ガイド20及び水滴ガイド20をつらら防止の対象とする構造物30に機械的に固定する固定手段10とを備える。
図2(a)は水平方向に連続するシート状の防水シートからなる水滴ガイド20である。水滴ガイド20は、上端側の1辺のみが固定手段10により構造物30に固定され、下端側は幕状に垂れ下がった形で取り付けられる。構造物30から伝わり落ちてきた水滴はそのまま水滴ガイド20の表面を伝って下方に垂れ落ちていき、水滴ガイド20の下端部まで到達する。水滴ガイド20が静止した状態では、下端部まで到達した水は雫として落下する量になるまで、下端部に滞留する。もしそこで長時間滞留すると滞留した水が凍ってしまい、つららの発生及び成長の起点となるおそれがある。本発明の実施形態によるつらら防止装置1の水滴ガイド20は、上端部のみが固定されるため、風を受けると下端部が容易に揺動する。このため水滴ガイド20の下端部に滞留する水分は揺動により水滴として振り落とされ、つららの発生が防止される。
そこで厚さの限られた突出部の下端などに取り付ける場合の水滴ガイド(20、21、22、23)のさらなる変形例を示したのが図3である。
図3(a)は、防水シートの上端部側を折り返し、揺動する部分の上端部側の約1/2を2重構造として形成した水滴ガイド20である。2重部分は貼り合わせても縫い合わせてもよいが、2重構造とすることにより風などの外力に対する揺動量が抑制される。このため水滴ガイド20の下端部側は大きく揺動しても、水滴ガイド20全体がめくれて乗り上げることが防止される。2重構造とする部分は長くするほど下端部の揺動が抑制されてしまうため、最大でも上端部側から下端部までの長さの1/2とするのが好ましい。
図3(c)は、水滴ガイド20の上端部側を、固定具14の幅広にした面に固定することにより上端部側の揺動を抑え、下端部側が大きく揺動してもめくれによる乗り上げを防止する構造を示す。固定具14の幅広とした面と水滴ガイド20の上端部側の固定は図3(c)に示すようにねじ止めでもよいし、接着剤を使用して貼り合わせてもよい。
図2、3では構造物30の下辺一辺につらら防止装置1が取り付けられる形態を示すが、橋梁工事の際の片持ちに張り出した桁部などでは、構造物30の下辺の全周に沿ってつららが発生しやすい。このような場合のつらら防止装置1の概要を示すのが図4である。
図5を参照すると、対象構造物31は勾配を有する屋根部であり、固定手段10は水滴ガイド25を屋根部の張り出した先端に沿うように固定するL字アングル状の固定具16と固定具16を軒下に固定する固定ネジ11とを備える。
水滴ガイド25は、上端部側の一辺を固定具16と構造物31との間に挟まれて固定され、固定具16の、折り曲げられて上方に立ち上がるL字形状の一方の面によって屋根部の先端に沿って接触する位置まで斜めに持ち上げられるようにガイドされてから、残りの下端部側が垂れ下がるように固定される。
図6は図2(b)で示す水滴ガイド21の取り付け構造にさらにストッパ固定具50とストッパ51が設けられた構造を示す。ストッパ固定具50は固定具12の端部にL字形状の取り付け具などを介して固定する。別の実施形態では図示しない取り付け具を介して構造物31の軒下や壁面に取り付けるようにしてもよい。ストッパ51は水滴ガイド21の揺動範囲内に位置し、揺動によって水滴ガイド21がめくれ上がるのを防止するとともに、揺動時に水滴ガイド21が衝突することにより水滴ガイド21からの水滴の離脱を促進する。
風などの外力により揺動が大きくなると、水滴ガイド21が、揺動範囲内に設けたストッパ51と衝突するようになる。揺動が大きくなり、勢いのついた水滴ガイド21がストッパ51と衝突することにより水滴ガイド21の下端部に滞留する水分が水滴として振り落とされやすくなる。しかし勢いが強いと水滴ガイド21が衝突後にストッパ51を乗り越え、ストッパ51に引っかかるおそれがある。これに対しストッパ51を複数設けることにより、水滴ガイド21がストッパ51を乗り越えることを防止する。
図6に示すストッパ51は、1つの事例であり、配置の位置や本数は図6の例に限らない。またストッパ51は水平に張ったワイヤ状の形状としたが形状もこれに限らず、例えばワイヤの代わりに、ワイヤよりも水滴ガイド21から離隔した位置に取り付けられた支持棒から水滴ガイド21のそれぞれのリボン片に向けて櫛歯のように延伸するように配置した複数の突起状のものでもよい。但し水滴ガイド21に向かう風を阻害しないような大きさ及び形状とすることが望ましい。更にストッパ51は下端側だけがリボン状に形成された水滴ガイド21に限らず、上記で説明した各種の水滴ガイドにも有効である。
図7(a)を参照すると、振動手段60は振動伝達板61と弾性体62とで構成される。図7(a)の実施形態では、固定手段10は、左右の折返し部の長さが異なるコの字状のアングルにより構成される固定具17と、固定具17を構造物30に取り付ける固定ネジ11とを備える。振動伝達板61は、固定具17の短い方の折返し部の先端に回動可能に取り付けられ、振動伝達板61と、振動伝達板61と対向する固定具17の長い方の折返し部との間に、ばね又はゴムなどの弾性体62が設置される。一方、振動伝達板61はねじなどによって水滴ガイド20に固定される。
図8(a)、(b)は構造物30のつらら防止装置を取り付ける部分に貫通孔が設けられている場合、または貫通孔をあけることができる場合の水滴ガイド20の固定方法を示す。この場合、貫通孔を利用してボルトとナットの様な一般的な固定ねじ11が使用できるので、簡便で容易に水滴ガイド20を固定することができる。このとき水滴ガイド20に丸穴をあけてボルトを挿通するようにすることにより、図1、2などで説明したような固定具12を使用しなくても水滴ガイド20を固定することができる。但し図8(a)のように構造物30の下面側で水滴ガイド20を固定する場合、隣接する固定手段10の間は水滴ガイド20が自重で撓んで構造物30の下縁と密着しなくなる可能性があるため、固定具12を使用して下から保持しながら固定するようにすることが好ましい。
10 固定手段
11 固定ねじ
12、13、14、15,16、17、18 固定具
20、21、22、23、24、25 水滴ガイド
30、31 構造物
40 ガイド板
50 ストッパ固定具
51 ストッパ
60 振動手段
61 振動伝達板
62 弾性体
63 振動装置
Claims (8)
- 水滴を滴下方向にガイドする非吸水性の水滴ガイドと、前記水滴ガイドを構造物に機械的に固定する固定手段とを備え、
前記固定手段は、軒先や空中に突出した構造物の下端縁を含むつららが発生しやすい位置に、少なくとも前記水滴ガイドの下端部が揺動可能となるように前記水滴ガイドの上端部を固定することを特徴とするつらら防止装置。 - 前記水滴ガイドは、水平方向に連続する防水シート、水平方向に連続するとともに下端側から切り込みを入れた防水シート、長手方向が上端から下端に延在するリボン状の防水シート、及びチェーンのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のつらら防止装置。
- 前記水滴ガイドは、前記水滴ガイドの上端部側から最大1/2の長さまでは前記水滴ガイドの下端側よりは揺動を抑制するように材質又は形状を変えて形成するか、又は前記水滴ガイドの上端部側から最大1/2の長さまでの揺動を抑制するように固定することを特徴とする請求項1又は2に記載のつらら防止装置。
- 前記水滴ガイドは、下端部を前記構造物側に折返し、折りかえした下端部の先端を、上端部とは別に上端部から下方に離隔した位置でさらに固定することを特徴とする請求項1又は2に記載のつらら防止装置。
- 前記水滴ガイドは、前記構造物の下端縁に沿って外周を連続的に囲んでスカート状の形状となるように固定されることを特徴とする請求項1又は2に記載のつらら防止装置。
- 前記水滴ガイドの下端側に風を集中して当たるように風の向きをガイドするガイド板を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のつらら防止装置。
- 前記水滴ガイドの揺動範囲内に位置し、揺動によって前記水滴ガイドがめくれ上がるのを防止するとともに、揺動時に前記水滴ガイドが衝突することにより前記水滴ガイドからの水滴の離脱を促進するストッパをさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のつらら防止装置。
- 前記固定手段又は前記固定手段の下方に前記水滴ガイドを直接または間接に振動させる振動手段をさらに備え、
前記振動手段は、前記水滴ガイドを直接または間接に所定の時間振動させる振動装置又は風により吹き上げられる前記水滴ガイドを元の位置に戻すように付勢して振動させる弾性体のいずれかを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のつらら防止装置。
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