JP2022123246A - 亜鉛回収方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 亜鉛と鉄とを含むダストを、ロータリーキルンにおける回転する円筒状のキルン基体内に装入させて加熱処理し、亜鉛等を低コストで簡単に回収できるようにする。【解決手段】 間接加熱式のロータリーキルン10における回転する円筒状のキルン基体11内に、亜鉛と鉄とを含むダストDaを装入させてキルン基体内において加熱処理し、ダストに含まれる亜鉛を揮発させ、揮発された亜鉛をロータリーキルンの排出部16に設けられた排気管31を通して処理装置30に導いて回収すると共に、キルン基体内において処理した後の残渣Dbを、ロータリーキルンの排出部16に設けられた残渣取出し口16bからバーナー装置40に導き、バーナー装置により残渣を燃焼加熱するようにした。【選択図】 図1
Description
本発明は、電炉製鋼ダスト等の亜鉛と鉄とを含むダストから亜鉛を回収する亜鉛回収方法に関するものである。特に、電炉製鋼ダスト等の亜鉛と鉄とを含むダストから亜鉛等を低コストで簡単に回収できるようにした点に特徴を有するものである。
従来から、電炉製鋼ダスト等の亜鉛と鉄とを含むダストから亜鉛等を回収することが行なわれている。
そして、このように亜鉛と鉄とを含むダストから亜鉛等を回収するにあたり、特許文献1に示されるものにおいては、製鉄所で発生する亜鉛含有ダストを溶解炉で溶融し溶銑を得るとともに、発生する溶解炉出側ダストを水洗した後、ロータリーキルンに装入し、907~1023℃の温度域で還元焙焼することにより亜鉛を揮発させて粗酸化亜鉛として回収すると共に、ロータリーキルンから排出される残渣を、溶解炉に返送して再溶融するようにしたものが提案されている。
しかし、特許文献1に示されるように、907~1023℃の温度域で還元焙焼することにより亜鉛を揮発させて粗酸化亜鉛として回収するようにした場合においても、依然として、不純物が筒状になったキルン基体の内周面に付着するという問題があり、また残渣には酸化鉄が含まれるため、残渣を溶解炉に返送して再溶融する場合に、残渣に含まれる酸化鉄を還元させるのに熱量が奪われて、熱効率が低下するという問題があった。
本発明は、電炉製鋼ダスト等の亜鉛と鉄とを含むダストから亜鉛等を回収する場合における前記のような問題を解決することを課題とするものである。
すなわち、本発明においては、亜鉛と鉄とを含むダストから亜鉛等を低コストで簡単に回収できるように、亜鉛と鉄とを含むダストを、ロータリーキルンにおける回転する円筒状のキルン基体内に装入させて加熱処理し、ダストに含まれる亜鉛を揮発させる場合において、筒状になったキルン基体の内周面に不純物等が付着するのを防止すると共に、酸化鉄が含まれる残渣を溶解炉に返送して再溶融する場合に、酸化鉄を還元させるのに熱量が奪われて、熱効率が低下するのを防止することを課題とするものである。
本発明における亜鉛回収方法においては、前記のような課題を解決するため、間接加熱式のロータリーキルンにおける回転する円筒状のキルン基体内に、亜鉛と鉄とを含むダストを装入させてキルン基体内において加熱処理し、前記のダストに含まれる亜鉛を揮発させ、揮発された亜鉛をロータリーキルンの排出部に設けられた排気管を通して処理装置に導いて回収すると共に、キルン基体内において処理した後の残渣を、ロータリーキルンの排出部に設けられた残渣取出し口からバーナー装置に導き、このバーナー装置により残渣を燃焼加熱させることを特徴としている。
そして、前記のように間接加熱式のロータリーキルンにおいて、亜鉛と鉄とを含むダストを回転するキルン基体内に装入させて加熱処理し、前記のダストに含まれる亜鉛を揮発させる場合には、加熱処理する温度をダイオキシンが発生しない950~1000℃程度の温度に調整して処理することができ、亜鉛等を低コストで簡単に回収できるようになる。
ここで、本発明の亜鉛回収方法に用いるロータリーキルンとしては、前記の円筒状のキルン基体が、径の大きな1つのキルン基体を用いた単筒式のものであっても、径の小さい複数のキルン基体を周方向に間隔を介して配置させた多筒式のものであってもよい。なお、複数のキルン基体を周方向に間隔を介して配置させた多筒式のロータリーキルンを用いた場合、各キルン基体内においてダストを効率よく加熱処理することができ、ロータリーキルンの長さを短くして小型化することができると共に、前期のダストを処理するのに要する処理コストをさらに低減できるようになる。
また、前記のようにしてキルン基体内においてダストから亜鉛を揮発させるように加熱処理した後の残渣を、ロータリーキルンの排出部に設けられた残渣取出し口からバーナー装置に導き、このバーナー装置により残渣を燃焼加熱させるようにすると、亜鉛が除去されて鉄分が多く含まれる残渣を、電気炉に投入させて簡単に溶融させることができ、残渣に含まれる鉄を低コストで有効に利用できるようになると共に、別に行われていた残渣の処理に要するコストも低減できるようになる。
また、本発明における亜鉛回収方法においては、前記のように間接加熱式のロータリーキルンにおいて、亜鉛と鉄とを含むダストを回転するキルン基体内に装入させて加熱処理し、ダストに含まれる亜鉛を揮発させるにあたり、キルン基体内に不純物が付着するのを抑制する付着抑制手段を設けるようにすることが好ましい。そして、このような付着抑制手段としては、キルン基体の軸方向に沿った円形状部材をキルン基体内に揺動可能に設けるようにしたり、キルン基体の軸方向に沿ってキルン基体の内周面に接触する掻き取り部材を設けるようにしたり、キルン基体に振動を付与する振動装置を設けるようにすることができる。
また、本発明における亜鉛回収方法においては、前記のようにバーナー装置に導かれた残渣を燃焼加熱させるにあたり、前記のバーナー装置にカーボンを供給することが好ましい。このように残渣を燃焼加熱させるバーナー装置にカーボンを供給すると、残渣に鉄分として含まれる酸化鉄の一部又は全部が、バーナー装置に供給されたカーボンと一緒に燃焼加熱されて還元されるようになり、残渣に含まれる酸化鉄を鉄の状態にしてリサイクルする場合に、酸化鉄を還元させるのに熱量が奪われるのが抑制され、残渣に含まれる酸化鉄を鉄の状態にしてリサイクルするのに要するコストを低減できるようになる。
本発明の亜鉛回収方法においては、前記のように間接加熱式のロータリーキルンにおいて回転するキルン基体内に、亜鉛と鉄とを含むダストを装入させて加熱処理するようにしたため、ダストに含まれる亜鉛を揮発させるように加熱処理する温度をダイオキシンが発生しない950~1000℃程度の温度に調整して処理することができ、亜鉛を低コストで簡単に回収できるようになる。
また、前記のようにしてキルン基体内においてダストを処理した後の残渣を、ロータリーキルンの排出部に設けられた残渣取出し口からバーナー装置に導き、このバーナー装置により残渣を燃焼加熱させるようにしたため、亜鉛が除去されて鉄分が多く含まれる残渣を、電気炉に投入させて溶融させることが簡単に行えるようになり、残渣に含まれる鉄を低コストで有効に利用できるようになると共に、別に行われていた残渣の処理に要するコストも低減することができるようになる。
以下、本発明の実施形態に係る亜鉛回収方法を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係る亜鉛回収方法は、下記の実施形態に示したものに限定されず、発明の要旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施できるものである。
この実施形態においては、亜鉛と鉄とを含むダストDaから亜鉛等を回収するにあたり、間接加熱式のロータリーキルン10として、図1に示すように、回転する1つの円筒状のキルン基体11を設けた単筒式のロータリーキルン10を用い、前記の亜鉛と鉄とを含むダストDaを、ロータリーキルン10の導入側からキルン基体11内に装入し、このキルン基体11を回転させながら間接加熱させて、前記のダストDaをロータリーキルン10の排出側に向けて搬送させるようにしている。
ここで、前記のロータリーキルン10においては、前記のキルン基体11を回転させるにあたり、キルン基体11の軸方向両側の外周面に沿って帯状になったリング部材12を設けると共に、各リング部材12に対応させて回転するローラー部材13を設け、各ローラー部材13を回転させ、各リング部材12を介してキルン基体11を回転させるようにしている。
また、前記のロータリーキルン10においては、前記のキルン基体11を間接加熱させるにあたり、このキルン基体11の外周面と所要間隔を介するようにして、キルン基体11の外周側に断熱材で構成された外周筒体14を設け、加熱用ガス(高温に加熱した空気)HGを排出側に近い外周筒体14の部分に設けた導入管14aから外周筒体14とキルン基体11との間に導入させ、この加熱用ガスHGによってキルン基体11を加熱させ、このようにキルン基体11を加熱させた加熱用ガスHGを導入側に近い外周筒体14の部分に設けた導出管14bから導出させる操作を循環させてキルン基体11を加熱させるようにしている。
そして、この実施形態においては、前記の亜鉛と鉄とを含むダストDaを、ダブルダンパー21とシュート22とを用いた供給部材20によりロータリーキルン10の導入部15を通して導入側のキルン基体11内に投入すると共に、前記の導入部15に設けられたキャリアガス導入管15aを通して窒素などのキャリアガスCGをキルン基体11内に供給し、前記のようにキルン基体11内に投入されたダストDaを、前記のようにしてキルン基体11を回転させながらキルン基体11を介して間接加熱させて前記のキャリアガスCG中で加熱処理し、ダストDaに含まれる亜鉛を揮発させるようにしている。
ここで、前記のように亜鉛と鉄とを含むダストDaをキルン基体11内で加熱処理する場合、ダストDaが効率よく加熱処理されるようにするため、前記のダストDaにカーボンCを加えてキルン基体11内に装入し、還元状態で加熱処理することが好ましい。
そして、前記のように亜鉛と鉄とを含むダストDaをキルン基体11内で加熱処理することによって揮発された亜鉛を含む処理ガスGxを、ロータリーキルン10の排出部16の上部に設けられた排気管31を通してバグフィルター等の処理装置30に導いて処理し、前記の亜鉛を酸化亜鉛の状態にした回収容器32に回収するようにしている。
また、前記のように亜鉛を揮発させた後の残渣Dbを、前記のキルン基体11からロータリーキルン10の排出部16の底部に設けられた残渣取出し口16bを通して残渣受け部41に回収し、この残渣受け部41に回収された残渣Dbを、残渣搬送管42を通してインジェクションバーナーからなるバーナー装置40に供給するようにしている。
そして、このように残渣Dbが供給されたバーナー装置40に、燃料ガスGaを供給すると共に空気AirとカーボンCとを供給し、前記の残渣DbとカーボンCとを混合させた状態で、電気炉50に吹き込むようにして燃焼させるようにしている。
ここで、このように残渣DbとカーボンCとを混合させた状態で、電気炉50に吹き込むようにして燃焼させると、残渣Dbに含まれる酸化鉄の一部又は全部が還元されて鉄の状態で電気炉50に吹き込まれ、溶解時における電力を低減できるようになり、酸化鉄を鉄にリサイクルする操作が容易になる。
また、この実施形態において、前記のようにキルン基体11内に亜鉛と鉄とを含むダストDaを投入させ、このキルン基体11を回転させながらキルン基体11を加熱させて、亜鉛と鉄とを含むダストDaをキルン基体11内で加熱させながら搬送させて加熱処理するようにした場合、キルン基体11の内周面に不純物等が付着してダストDaの処理が妨げられることがある。
このため、この実施形態においては、キルン基体11の内周面に不純物等が付着するのを抑制する付着抑制手段を設けるようにすることが好ましい。
そして、このような付着抑制手段としては、例えば、図2(A),(B)に示すように、両端が閉塞された円筒部材61aの内部に複数のボール61bを収容させた円形状部材61を、キルン基体11の軸方向に沿うようにしてキルン基体11内に揺動可能に設けるようにすることができる。このようにすると、キルン基体11を回転させた場合に、前記の円筒部材61aに収容された複数のボール61bが円筒部材61a内で移動しながら、円形状部材61がキルン基体11の内周面に接触した状態でキルン基体11の回転に伴って回転され、ボール61bが円筒部材61a内で揺れたり、図2(A)のように山積み状態になったボール61bが空間で崩れたりするときに円筒部材61aの重心が変動して揺動され、この円形状部材61によってキルン基体11の内周面に不純物等が付着するのが防止されるようになる。なお、キルン基体11内に揺動可能に設ける円形状部材61はこのようなものに限定されず、図示していないが、丸棒等を用いるようにすることもできる。
また、前記の付着抑制手段としては、例えば、図3に示すように、キルン基体11の内部に掻き取り部材62として、キルン基体11の軸方向に沿った支軸62aから羽根部材62bをキルン基体11の内周面に接触するように設けたものを用い、回転するキルン基体11の内周面にこの掻き取り部材62における羽根部材62bを接触させて、キルン基体11の内周面に不純物等が付着するのを防止させるようにしたり、またキルン基体11の外周側に振動装置63を設け、この振動装置63における振動子63aによりキルン基体11の外周側から振動を付与して、キルン基体11の内周面に不純物等が付着するのを防止させるようにすることができる。
なお、この実施形態においては、前記のように間接加熱式のロータリーキルン10として、1つの円筒状のキルン基体11を設けた単筒式のロータリーキルン10を用いたが、使用する間接加熱式のロータリーキルン10はこのようなものに限定されず、図示していないが、径の小さい複数のキルン基体11を周方向に間隔を介して配置させた多筒式のロータリーキルン10を用いることもできる。なお、複数のキルン基体11を周方向に間隔を介して配置させた多筒式のロータリーキルン10を用いた場合、前記のように各キルン基体11内においてダストDaを効率よく加熱処理することができ、ロータリーキルン10の長さを短くして小型化できると共に、処理コストもさらに低減されるようになる。
10 :ロータリーキルン
11 :キルン基体
12 :リング部材
13 :ローラー部材
14 :外周筒体
14a :導入管
14b :導出管
15 :導入部
15a :キャリアガス導入管
16 :排出部
16b :残渣取出し口
20 :供給部材
21 :ダブルダンパー
22 :シュート
30 :処理装置
31 :排気管
32 :回収容器
40 :バーナー装置
41 :残渣受け部
42 :残渣搬送管
50 :電気炉
61 :円形状部材
61a :円筒部材
61b :ボール
62 :掻き取り部材
62a :支軸
62b :羽根部材
63 :振動装置
63a :振動子
Air :空気
C :カーボン
CG :キャリアガス
Da :ダスト
Db :残渣
Ga :燃料ガス
Gx :処理ガス
HG :加熱用ガス
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Claims (5)
- 間接加熱式のロータリーキルンにおける回転する円筒状のキルン基体内に、亜鉛と鉄とを含むダストを装入させてキルン基体内において加熱処理し、前記のダストに含まれる亜鉛を揮発させ、揮発された亜鉛をロータリーキルンの排出部に設けられた排気管を通して処理装置に導いて回収すると共に、キルン基体内において処理した後の残渣を、ロータリーキルンの排出部に設けられた残渣取出し口からバーナー装置に導き、このバーナー装置により残渣を燃焼加熱させることを特徴とする亜鉛回収方法。
- 請求項1に記載の亜鉛回収方法において、前記のキルン基体内に不純物が付着するのを抑制する付着抑制手段として、キルン筒体の軸方向に沿った円形状部材をキルン筒体内に揺動可能に設けたことを特徴とする亜鉛回収方法。
- 請求項1に記載の亜鉛回収方法において、前記のキルン基体内に不純物が付着するのを抑制する付着抑制手段として、キルン筒体の軸方向に沿ってキルン筒体の内周面に接触する掻き取り部材を設けたことを特徴とする亜鉛回収方法。
- 請求項1~請求項3の何れか1項に記載の亜鉛回収方法において、前記のキルン基体内に不純物が付着するのを抑制する付着抑制手段として、前記のキルン基体に振動を付与する振動装置を設けたことを特徴とする亜鉛回収方法。
- 請求項1~請求項4の何れか1項に記載の亜鉛回収方法において、前記のバーナー装置に導かれた残渣を燃焼加熱させるにあたり、前記のバーナー装置にカーボンを供給することを特徴とする亜鉛回収方法。
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