JP2022122819A - 可動型前照灯カウル - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車のヘッドライトを保護すると共に、デザイン性を高めた可動型前照灯カウルを提供する。【解決手段】前照灯とフロントバンパー又はフロントカウルを備えた自動車において、前記前照灯を覆う第1のカウルと、前記第1のカウルを支持するための第1の支持手段と、前記第1のカウルの支持手段を移動させることによって前記第1のカウルを移動させる手段と、を備え、前記第1のカウルを所定の位置に移動させることにより、前記前照灯が第1のカウルに覆われて隠れている状態から、前記前照灯を露出させた状態にする。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の前照灯(以下、「前照灯」又は「ヘッドライト」という)付近に設置して前照灯を覆うカウル(以下「風防」又は「カバー」と呼ぶことがある)および、前記カウルを可動させて、前照灯を露出させたり、遮蔽させたりする仕組みに関する。
自動車の前照灯は、多くの場合、自動車のフロント部分に外部から見える状態で露出するように設置されている。
このため、自動車のデザインは、フロント部分の左右に2つの前照灯がある構成にならざるを得ず、似たようなデザインになるため個性を出しにくいという不都合があった。
また、走行中の飛び石や昆虫の衝突により、前照灯のレンズ面が傷ついたり、汚れたりすることが多かった。
そこで、通常時はヘッドライトを格納し、夜間などの使用時に露出させるリトラクタブルヘッドライトが採用されることがあった。
リトラクタブルヘッドライトを利用すれば、格納時にはヘッドライトを外部から見えない状態に遮蔽することで自動車全体のフォルムを特別な雰囲気に見せることができ、デザイン上の自由度が広がるほか、アイデンティティ(個性)や特徴を訴求しやすくなるといった効果が期待できた。
しかし、通常時にヘッドライトをボンネットやバンパーあるいはフェンダーに格納し、ヘッドライトを使用する際にヘッドライトユニットを露出させるための仕組みが必要となっていた。
例えば、前照灯それ自体を可動式にして、前照灯をボンネットやバンパーあるいはフェンダーに格納したり露出させたりする等の仕組みが必要となる。
特開平06-122342公報 実開平03-050547号公報
特許文献1には、ヘッドライトユニットの上面板が、ボンネットの先端の左右両端の一部を構成するとともに、ヘッドライトを起立させたときに、ヘッドライトユニットの上面が、ボンネット面からやや突出した状態になることが示されている。
また、特許文献2には、ヘッドライトそれ自体は固定され、ヘッドライトから照射された光を反射して自動車の前方に照射するための可動反射板を設ける技術が開示されている。
しかし、特許文献1の技術では、ヘッドライトを起立させたときに、ヘッドライトユニットの上面が、ボンネット面からやや突出した状態になるため、歩行者と衝突した時の安全性の確保が難しかった。
また、走行時に、起立したヘッドライトについて、ヘッドライトユニット自体が走行時の風を受けて空気抵抗になるほか、車両全体の気流を乱したり、高速走行時の車体の安定性に必要なダウンフォースを低下させたりする原因になっていた。
また、特許文献2の技術では、ヘッドライトユニット自体は固定としたうえで、ヘッドライトユニットという質量のある物体を駆動することに代えて、質量の小さな反射板を可動式にして、駆動ユニットの小型化を図っている。
しかし、可動反射板がボンネットから突出するという点は、特許文献1と変わらないので、歩行者との衝突安全性、空気抵抗、ダウンフォースへの影響等、特許文献1と同様の問題点があった。
以上のように、従来技術では、ヘッドライトユニットをボンネットなどのボディから突出させた状態にしていたために、歩行者との衝突安全性を確保したり、ヘッドライトユニット起立時の空気抵抗の増大やダウンフォースへの影響等を回避したりすることができなかった。
そこで、本願発明では、前照灯を可動式のカウル又はカバーで覆い、前照灯の照射が必要な時に、可動式のカウル又はカバーを移動させて使用できるようにすることにより、走行中の飛び石や昆虫の衝突で前照灯のレンズ面が傷ついたり、汚れたりするのを防止することを目的とする。
また、前照灯を照射する際に、従来のリトラクタブルヘッドライトのように、ヘッドライトユニットを起立させた際に、ヘッドライトユニットの上面が、ボンネット面からやや突出した状態にすることなく、前照灯を可動式のカウル又はカバーを移動させて、フロントバンパーやフェンダーなどの構成要素としたり、フロントバンパーやフェンダーに格納したりすることで、歩行者との衝突安全性、空気抵抗、ダウンフォースへの影響といった問題を解決することを目的とする。
上記の目的を達成するために、第1の発明は、前照灯とフロントバンパー又はフロントカウルを備えた自動車において、前記前照灯を覆う第1のカウルと、前記第1のカウルを支持するための第1の支持手段と、前記第1のカウルの支持手段を移動させることによって前記第1のカウルを移動させる第1の移動手段と、を備え、前記第1のカウルを所定の位置に移動させることにより、前記前照灯が第1のカウルに覆われて隠れている状態から、前記前照灯を露出させた状態にすることが望ましい。
この場合において、第1のカウルを、前照灯を覆っている状態から移動させる際に、フロントバンパー又はフロントカウルの外側を移動させてもよいし、フロントバンパー又はフロントカウルの内側に入り込むように移動させても良い。
第2の発明は、第1の発明に記載の可動型前照灯カウルにおいて、さらに、自動車のフロントバンパー又はフロントカウルの一部を構成する第2のカウルと、前記第2のカウルを支持するための支持手段と、前記第2のカウルの支持手段を移動させることによって前記第2のカウルを移動させる第2の移動手段と、を備え、前記第1のカウルを移動させる際に、前記第2のカウルを、前記第1のカウル又は及び前記第1のカウルを支持するための支持手段と干渉しない位置に移動させることが望ましい。
この場合において、第1のカウルを移動させる仕組みとして、第1のカウルを構成する面に対して平行な方向(Y軸方向)に移動させる仕組みを備えていることが望ましいが、さらに同一平面上の別の方向、例えばX軸方向に移動させる仕組みを付加しても良い。
さらに、第1のカウルを構成する面に対して垂直な方向(Z軸方向)に移動させる仕組みを備えるようにしても良い。
後者の構成とすることで、第1のカウルを、前照灯を覆っている状態から移動させた後に、Z軸方向に移動させることで、第1のカウルの外面と、前照灯の外面や移動後の第1のカウル周辺のフロントバンパー又はフロントカウルの外面とを、面一にすることが可能となる。
第3の発明は、第1の発明または第2の発明のいずれか一つに記載の可動型前照灯カウルにおいて、所定の位置に移動させた前記第1のカウルが、前記フロントバンパー又はフロントカウルの一部を構成することが望ましい。
第4の発明は、第1~第3の発明のいずれか一つに記載の可動型前照灯カウルにおいて、前記第1のカウルを、前記所定の位置から移動させることにより、前記前照灯が露出した状態から、前記前照灯が第1のカウルに覆われて隠れている状態にすることが望ましい。
第5の発明は、第1~第4の発明のいずれか一つに記載の可動型前照灯カウルにおいて、前記第1のカウルを移動させる第1の移動手段が、前記第1のカウルを一定方向にスライドさせる手段であることが望ましい。
第6の発明は、第1~第5の発明のいずれか一つに記載の可動型前照灯カウルにおいて、前記第1のカウルを支持するための第1の支持手段(支点A)とは別に、前記第1のカウルを支持するための第2の支持手段(支点B)と、当該第2の支持手段をガイドするガイド手段と、を備え、前記第1のカウルを少なくとも2点以上で支持することにより、前記第1のカウルを安定して支持すると共に、前記第1のカウルの移動をスムーズに行うことが望ましい。
本発明によれば、前照灯を可動式のカウル又はカバーで覆い、前照灯の照射が必要な時に、可動式のカウル又はカバーを移動させて使用できるようにすることにより、走行中の飛び石や昆虫の衝突で前照灯のレンズ面が傷ついたり、汚れたりするのを防止することができる。
また、本発明によれば、通常時に前照灯を外部から見えない状態に遮蔽することで自動車全体のフォルムを特別な雰囲気に見せることができ、デザイン上の自由度を広げることが可能となる。
また、本発明によれば、可動式のカウル又はカバーを移動させて、前照灯を覆う状態から、前照灯を露出させた状態にしたときに、可動式のカウル又はカバーが、フロントバンパーなどの一部を構成するようにすることで、フロント周りのデザインに特徴を持たせることが可能となる。
また、本発明によれば、可動式のカウル又はカバーを移動させることで、フロント周りに動きのダイナミズムを表現することで、アイデンティティ(個性)や特徴を訴求するデザインを提供することが可能となる。
また、本発明の構成によれば、前照灯を照射する際に、従来のリトラクタブルヘッドライトのように、ヘッドライトを起立させた際に、ヘッドライトユニットの上面が、ボンネット面からやや突出した状態にすることなく、前照灯を可動式のカウル又はカバーを移動させて、フロントバンパーやフェンダーなどの構成要素としたり、フロントバンパーやフェンダーに格納したりすることで、歩行者との衝突安全性、空気抵抗、ダウンフォースへの影響といった問題を解決することができる。
は、本発明の可動型前照灯カウルの構成の一例を示す図である。 は、本発明の可動型前照灯カウルの移動の過程の一例を示す図である。 は、第1のカウルを移動させる仕組みの一例を示す図である。 は、図3の構成例の変形例を示す図である。 は、第1のカウルと第2のカウルの干渉を避ける構成の一例を示す図である。 は、第1のカウルを移動させる際における第2のカウルとの位置関係の一例を示す図である。 は、第1のカウルをY軸方向に移動可能な一軸アクチェータの一例を示す図である。 は、第1のカウルをY軸方向およびZ軸方向に移動可能な二軸アクチェータの一例を示す図である。 は、第2のカウルを移動させる仕組みの一例であって、電動シリンダの例を示す図である。 は、第1のカウルの移動を支持する支点Bとガイドの構造を示す図である。 は、図1、図2の変形例の一例を示す図である。 は、図3の変形例の一例を示す図である。 は、図1~図3の変形例の一例を示す図である。 は、図13の変形例であると共に、及び図1~図2、図4の変形例の一例を示す図である。
<用語の説明>
◇自動車とは、エンジンやモーターによって陸上又は水上又は空中又は水中を移動できる車両であって、乗用自動車 (バス,一般用自動車) 、乗貨兼用自動車、貨物自動車、特殊自動車、自動二輪車、原動機付自転車、自転車、その他の車両を含む。
本発明の用途としては、上記に限定されるものではなく、空気抵抗の低減とデザイン性を両立するものであれば利用可能であり、車輪がついているかどうかは問わず、陸上を移動するか、水上や水中あるいは空中を移動するかも問わない。このため、鉄道車両や航空機、ドローンなど、何らかの動力源を利用して高速で移動するものは本発明の自動車に含まれるものとする。
◇バンパーとは、衝突した際に衝撃を吸収するための部品をいう。フロントバンパーは自動車のフロント部分に設置するものであるが、近年では、スタイリングや空気抵抗の低減を意識したデザインのものが多く、衝撃吸収装置は別途、ボディやフレームに設置することが増えている。一般的には自動車のフロント部分の下部に設置されることも多いが、デザイン性を重視して、前照灯付近やフロントグリル付近ないしフロントフェンダー付近まで一体化したフロントバンパーが採用されることもある。
◇カウルとは、航空機や自動二輪車で良く用いられる用語で、走行風を整流するために、エンジンや車体を覆うカバー状の部品をいう。本発明における前照灯を覆う第1のカウルも、単に前照灯を覆うだけではなく、走行風を整流する役割を担う面がある。また、必要に応じて設けられる第2のカウルも、フロントバンパーの一部を構成し、走行風を整流する役割を担う面がある。
◇フロントカウルとは、フロント部分に設けられたカウルであり、フロントバンパーとの相違は衝撃を吸収する機能を有するかどうかという点にあるが、前述のように自動車のフロントバンパーはそれ自体で衝撃吸収を目的とせず、空気抵抗の低減を意識したデザインのものが多いため、実質的な相違はなく、本発明でも、フロントバンパーとフロントカウルとを区別することなく扱うこととする。
◇前照灯とは、自動車や車両の前側に設けられて、夜間などに前方を照らす照明装置であり、ヘッドライトともいう。ヘッドライトは主に光源となるバルブおよびレンズから構成される。ヘッドライトユニットは、ヘッドライトをボディなどの組付けるための構造を含むユニット全体を指すが、ヘッドライトや前照灯と区別することなく扱うこととする。
◇前照灯、第1のカウル、第2のカウル、フロントバンパーやフロントカウル、ボンネット、フロントフェンダーなどの「外面」とは、自動車を外部から見て、それぞれの部品が構成する面をいう。なお、それぞれの部品は、部品どうしが隣り合う際に、外面が滑らかにつながるように、面一になっていることが望ましい。
◇可動型前照灯カウルとは、前照灯、前照灯を覆う第1のカウル、必要に応じて設けられる第2のカウル、および第1のカウルが移動後に収まる領域を含む全体の構成をいい、デザインの訴求だけでなく、空気抵抗の低減など空力性能にも配慮する意味合いも込めてカウルという用語と組み合わせた造語である。
◇可動型前照灯カウル配置領域とは、第1のカウルと、必要に応じて設けられる第2のカウルが配置される領域と、第1のカウルが移動前後に配置される領域を含む、本発明の可動型前照灯カウルの可動領域の周辺領域をいう。
以下、本発明の可動型前照灯カウルにおける実施例について説明する。
なお、説明中の可動型前照灯カウルの形状、構成はあくまで例示であって、多様な変形例にも適用できる。
1.本発明の概要
まず、図1を用いて、本発明の自動車の構成の概要について説明する。
本発明の可動型前照灯カウルの周辺の構成要素としては、前照灯30(図示せず)を覆う第1のカウル10、必要に応じて設置される第2のカウル20、フロントフェンダー40、フロントバンパー又はフロントカウル50、フロントグリル又はエアダクト60がある。
第1のカウル10は、前照灯30の全部または一部を覆う形状でもよい。また、第1のカウル10は、前照灯30を覆っている状態で、前照灯30の全部を覆うと共に、フロントフェンダー40、フロントバンパー又はフロントカウル50の一部を構成するようにして、両者を一体化させるような形状として、統一的なデザインを構成するようにしても良い。
第2のカウル20は、フロントバンパー又はフロントカウル50の一部として構成されていてもよい。また、第2のカウル20はデザイン上の特徴を持たせるために、第1のカウル10やフロントバンパー又はフロントカウル50とは別の材質や配色を行っていても良い。例えば、ドライカーボンなどのカーボン素材を用いる等である。
第1のカウル10が移動する領域は、必要に応じて、フロントフェンダー40ないしフロントバンパー又はフロントカウル50の一部に設けられ、第1のカウル10が移動した後に、第1のカウル10と周辺のフロントバンパー又はフロントカウル50とを一体化させるような形状として、統一的なデザインを構成するようにしても良い。
例えば、第1のカウル10の上側から、ボンネット70にかけて曲線を描いてなだらかに傾斜するライン、および第2のカウル20の下部でやや水平方向から地面に向けてなだらかに傾斜するラインを含む、第1のカウル10と必要に応じて設けられる第2のカウル20の周囲を取り囲むラインを構成するようにしても良い。
このラインないし領域は、周辺のフロントフェンダー40ないしフロントバンパー又はフロントカウル50のデザインと相まって、デザイン上の特徴を訴求する部分でもあり、本発明の名称にちなんで、以下「可動型前照灯カウル配置領域80」と呼ぶことにする。
可動型前照灯カウル配置領域80には、第1のカウル10を移動させる際の移動スペース82が設けられており、必要に応じて第1のカウル移動後の格納領域を兼ねることができる。
2.本発明の可動型前照灯カウルの移動の概要について
次に、本発明の可動型前照灯カウルについて、図2を用いて説明する。
図2は、本発明の可動型前照灯カウルの移動の過程の一例を示す図である。
図1のように前照灯30が遮蔽された状態になっている場合を起点として、前照灯を覆う第1のカウル10が斜め下方に移動すると、図2(A)に示すように、前照灯30の一部が露出した状態となる。
第1のカウル10は、可動型前照灯カウル配置領域80付近で、移動スペース82を利用して移動を続け、可動型前照灯カウル配置領域80の下部に接するところまで移動する。
そして、第1のカウル10が移動を完了すると、図2(B)に示すように、前照灯30が露出した状態となると共に、第1のカウル10がフロントバンパー又はフロントカウル50の一部を構成する状態になる。
本発明によれば、第1のカウル10の移動前から移動中及び移動後の全過程において、周辺のフロントフェンダー40ないしフロントバンパー又はフロントカウル50から出っ張る部分はないので、歩行者との衝突安全性にも影響はない。
従って、本発明によれば、従来のリトラクタブルヘッドライトの課題であった歩行者との衝突安全性を確保しつつ、デザイン上の特徴を訴求することができる。
また、従来のリトラクタブルヘッドライトでは、前照灯を回転動作で出し入れする動きに留まるので、動きのダイナミズムを表現することができなかったが、本発明では、第1のカウル10の移動過程の動きのダイナミズムを訴求することができる。
また、移動前後の第1のカウル10と周辺のロントフェンダー40ないしフロントバンパー又はフロントカウル50を含めたデザインの特徴により、自動車全体のフォルムを特別な雰囲気に見せることができ、より一層、デザイン上の自由度が広がるほか、アイデンティティ(個性)や特徴を訴求しやすくすることができる。
また、付随的な効果として、従来のリトラクタブルヘッドライトでは、前照灯ユニット自体を動かすために、動作角度の位置合わせの精度の確保など、照射する光の光軸の調整が難しかったり、経年変化で光軸がずれやすかったりという課題があったが、本発明によれば、前照灯自体は固定されているので、そのような弊害は生じないというメリットもある。
ここで、第2のカウル20を設けない場合は、第2のカウル20を図示した箇所は、フロントバンパー又はフロントカウル50と一体化していることになる(以下「第2のカウルに相当する部分」という)。この場合、移動した第1のカウル10は、フロントバンパー又はフロントカウル50の外側を移動させても良いし、フロントバンパー又はフロントカウル50の一部に切り欠きを設けてその内側を移動させても良い。
第1のカウル10を、フロントバンパー又はフロントカウル50の外側を移動させる場合は、予め、フロントバンパー又はフロントカウル50の第1のカウル10が移動する部分をやや内側に窪ませておくことで、移動の際の干渉を防止したり、移動後の第1のカウル10の外面を周辺の外面と面一にしたりすることが可能となる。
逆に、ロントバンパー又はフロントカウル50の内側を移動させる場会は、予め、フロントバンパー又はフロントカウル50の第1のカウル10が移動する部分をやや外側に膨らませておくことで、移動の際の干渉を防止することが可能となる。
第2のカウル20を設ける場合において、切断面で横から見た場合において、第2のカウル20の外面が、第1のカウル10の外面よりも内側に引っ込んだ状態になっていると、第1のカウル10を移動させる際に、第1のカウル10が第2のカウル20と干渉することなく移動させることができる。
他方、第2のカウル20の外面が、第1のカウル10の外面と面一になっている場合には(図5(A)参照)、第1のカウル10を移動させる際に、第2のカウル20を内側又は外側に移動させたうえで、干渉を防止しながら、第1のカウル10を移動させることが望ましい。
3.本発明の可動型前照灯カウルを移動させる仕組み
本発明によれば、第1のカウル10を移動させることで前照灯30を遮蔽した状態から露出させた状態、あるいは逆に、前照灯30を露出させた状態から遮蔽した状態に変化させることができる。
この動作を実現するためには、基本的には、アクチェータなどの動力源を設けて、アクチェータと第1のカウル10とを接続するアームを設ければよい。
ここで、説明の便宜上、第1のカウル10をアームが支持する場所を、支点Aと呼ぶことにする。なお、支点という用語を用いたが、点ではなく、線や面であっても構わない。
もっとも、自動車が高速で移動する際など、風圧を受けているような場合にも、第1のカウルの移動をスムーズに行うために、アームの支点A以外に、必要に応じて、別途、第1のカウル10を支持および移動をガイドする仕組みを設けてもよい。
ここで、説明の便宜上、(支点Aとは別の場所で)第1のカウル10を支持する部位を支点Bと呼ぶことにする。なお、ここでも支点という用語を用いたが、点ではなく、線や面であっても構わない(図12参照)。
この支持および移動をガイドする仕組みは、大きく分けて2つの方法があり、支点Bが第1のカウルの裏面に設けられ、ガイドする手段がボディなどに固定して設置されている場合(図3)と、支点Bがボディなどに固定して設置され、第1のカウルの裏面にガイドする手段が設けられている場合(図4)がある。
以下、図3、図4を用いて、本発明の可動型前照灯カウルを移動させる仕組みの一例について説明する。
3-1.図3について
図3は、支点Bが第1のカウル10の裏面に設置され、ガイド手段がボディなどに設置されている場合の可動型前照灯カウルを移動させる仕組みの一例を示す図である。
図3によれば、本発明の本発明の可動型前照灯カウルの第1のカウル10、必要に応じて設けられる第2のカウル20、前照灯30が示されている。
また、第1のカウル10は、支点A300およびアーム110を介して、第1のカウルの移動手段100に接続されている。
ここで、第1のカウルの移動手段100の一例としては、図7に示すように一軸アクチェータ100を用いることができる。
一軸アクチェータ100は、外殻を構成するハウジング160、アーム110を前後にスライドさせるスライドブロック120、スライドブロック120のスライド動作をガイドするガイドレール130、スライドブロック120を駆動するためのモーター140とボールねじ軸150などによって構成されている。
一軸アクチェータは、Y軸方向にスライド動作をさせることができ、第1のカウル10を速やかに所定の位置から所望の位置まで移動させることができる。
図示しないが、さらに同一平面上の別の方向、例えばX軸方向に移動させる仕組みを付加しても良い。
また、第1のカウルの移動手段100の一例としては、図8に示すように二軸アクチェータ100を用いることができる。
二軸アクチェータ100は、Y軸方向の移動部170に加えて、Z軸方向の移動部180を備えて、Y軸方向及びZ軸方向の移動を可能とするので、第1のカウル10を移動させる際に、他の部品との干渉を回避したり、移動後に収まる箇所で、他の部品の外面と面一になるように調整したりすることに利用することができる。
二軸アクチェータの内部構造は、一軸アクチェータと同様であるので、図の説明を省略する。
図示しないが、同様に、さらに同一平面上の別の方向、例えばX軸方向に移動させる仕組みを付加しても良い。
なお、第1のカウルの移動手段100としては、図7に示す一軸アクチェータないし二軸アクチェータのような移動手段に限定されるものではなく、ベルトやギアとモーターを組み合わせても良いし、電動の油圧機構や、モーターとアームとリンク機構を組み合わせた移動手段であっても良い。要するに、第1のカウル10を移動できる手段であれば足りる。
なお、第1のカウルの移動手段であることは図7の一軸アクチェータと同様であるので、第1のカウルの移動手段、一軸アクチェータ、二軸アクチェータそれぞれについて、符号は同じ100を使用するものとする。
なお、図3、図7、図8では、Y軸方向に直線的なスライド動作を行うアクチェータを例示したが、Y軸方向に曲線的なラインを移動させるようにやや湾曲したアクチェータを用いても良い。ペアで使用するガイド手段も同様である。
一軸アクチェータ又は二軸アクチェータ100によれば、支点A300およびアーム110を介して、第1のカウル10を一定の範囲で移動させることができる。
すなわち、図3(A)では、前照灯30は、第1のカウル10に遮蔽された状態にあるが、一軸アクチェータ又は二軸アクチェータ100によってアーム110を移動させることで、前照灯30が次第に露出しはじめ(図3(B))、最終的には、前照灯30を完全に露出した状態にすることができる(図3(C))。
同様に、逆に、前照灯30が完全に露出した状態から、遮蔽した状態にすることもできる。
以上のように、支点A300にアーム110を介して一軸アクチェータ又は二軸アクチェータ100の動力を伝えることで、第1のカウル10を移動させることができるが、必要に応じて、第1のカウル10の内側に支点B310を設けて、支点B310の移動をガイドするガイド手段320を設けても良い。
ここで、支点B310は、第1のカウル10の裏側にねじやビス又は接着剤を用いて設置してもよいし、第1のカウル10の裏側に一体成型されるようにしてもよい。
また、ガイド手段320は、ボディのフレームなどに設置され、第1のカウル10の内側に設けられた支点B310のスライド動作を安定してガイドすることができる。
また、支点B310およびガイド手段320は、必要に応じて設けられる第2のカウル20及び第2のカウル20を移動させる電動シリンダ200などと干渉しない位置に設置される。
ガイド手段320は、図10に示すように、支点となる310又は410とガイド手段となる320又は420とで構成されている。
図10(A)のタイプでは、支点Bの内側にボールベアリングを設置するなどしてスムーズに移動させると共に、移動の際の支点の遊びを少なくすることができる。
図10(B)のタイプでは、自在に回転可能なボールをガイド手段である溝の中を自由に移動させるタイプで、移動の際の支点とガイド間の遊びを多少許容して、スムーズに移動させることができる。また、このタイプの場合、ガイド手段を第1のカウル10と一体成型することでコストを抑えることも可能である。
以上のように、支点A300と、支点B310の2点で第1のカウル10を支持することができるので、第1のカウル10を一層安定して滑らかに移動させることができる。
また、支点A300とは別に、支点B310とガイド手段320を設けることで、第1のカウル10が移動する際に、走行中の風圧による影響がある場合でも、前照灯30や第2のカウル20ないしフロントバンパー50などとの距離を安定して確保して接触や干渉を確実に回避しつつ、第1のカウル10を移動させることが可能となる。
なお、ガイド手段320は、第1のカウル10の裏側に隠れて、自動車の外部から見えない位置に設置されることが望ましい。そのために、第1のカウルの形状や大きさを調整することが望ましい。
このため、ガイド手段320の上端が前照灯30の下端よりも下側になるように配置することが望ましく、連動して、支点B310の配置も調整することが望ましい。
また、一軸アクチェータ又は二軸アクチェータ100およびアーム110もフロントバンパーやフロントカウル50などの裏側に隠れて、自動車の外部から見えない位置に設置されることが望ましい。そのために、一軸アクチェータ又は二軸アクチェータ100を設置する位置だけでなく、設置する角度や、移動量、ひいてはガイド手段320を設置する角度やガイドする移動量を調整することが望ましい。
基本的に、Y軸方向に設置する角度や移動量は、一軸アクチェータ又は二軸アクチェータ100とガイド手段320とで一致させることが望ましい。
なお、以上の説明において、第2のカウル20は必須の要素ではなく、フロントバンパーやフロントカウルの一部であっても構わないが、第2のカウル20を設ける場合は、第1のカウル10を移動させる際に、相互に干渉しないように、第2のカウル20を移動させることが望ましいが、その仕組みについては、後述する(図5、図6参照)。
3-2.図4について
図4は、必要に応じて設けられた支点Bがボディなどに設置され、第1のカウルの裏面にガイド手段が設けられている場合の可動型前照灯カウルを移動させる仕組みを示す図である。
図4によれば、本発明の本発明の可動型前照灯カウルの第1のカウル10、必要に応じて設けられる第2のカウル20、前照灯30が示されている。
また、第1のカウル10は、支点A300およびアーム110を介して、一軸アクチェータ又は二軸アクチェータ100に接続されている。
一軸アクチェータ又は二軸アクチェータ100を利用した移動の仕組みは図3と同様なので説明を省略する。
ここで、支点B410は、ボディのフレームなどに設置され、支点B410をガイドするガイド手段420は、第1のカウル10の裏側に設置されている。
また、支点B410及びガイド手段420は、必要に応じて設けられる第2のカウル20及び第2のカウル20を移動させる電動シリンダ200などと干渉しない位置に設置される。
図4と図3の相違は、図3では、第1のカウル10の内側に支点B310を設けて、ガイド手段320はボディなどに固定されているのに対し、図4では、支点B410をボディなどに固定して、ガイド手段420を第1のカウル10の裏側に設置するという点である。
ガイド手段420は第1のカウル10の裏側に設置され、第1のカウル10がガイド手段420と一体化して、ボディに固定された支点B410の上を一定の範囲(角度、移動量)で移動するように規制するので、第1のカウル10のスライド動作を安定してガイドすることができる。
なお、ガイド手段420は、図10(A)のタイプのほか、図10(B)のタイプを利用することができ、第1のカウル10の裏側に、ビスやねじ又は及び接着剤などで固定するほか、図10(B)のタイプの場合には、ガイド手段それ自体を型枠などで一体成型するようにしてもよい。
以上のように、支点A300と、支点B410の2点で第1のカウル10を支持することができるので、第1のカウル10を一層安定して滑らかに移動させることができる。
また、支点A300とは別に、支点B410とガイド手段420を設けることで、第1のカウル10が移動する際に、走行中の風圧による影響がある場合でも、前照灯30や第2のカウル20ないしフロントバンパー50などとの距離を安定して確保して接触や干渉を確実に回避しつつ、第1のカウル10を移動させることが可能となる。
なお、ガイド手段420を設置する位置、角度、移動量を調整する点、及び一軸アクチェータ又は二軸アクチェータ100およびアーム110を設置する位置、角度、移動量を調整する点は図3と同様である。また、第2のカウル20は必須の要素ではない点は図3の説明と同様である。
また、図示はしないが、第1のカウル10は、適宜補強を施すことができ、例えば、裏面の周囲にリブを設けたり、裏面に金属製のフレームを設けたりすることができる。この場合、第1のカウルをガイドする手段320又は420を設けなくとも、支点A300による支持だけでスムーズな移動を実現することもできる。
また、必要に応じて設けられる第2のカウル20を設けた場合にも、前照灯30が完全に露出した状態から、遮蔽した状態にすることもできる。この場合、まず、第2のカウル20を第1のカウル10の移動領域と干渉しない位置に移動させ、次いで、第1のカウル10を移動させるという手順で相互の干渉や接触を回避することができる。
4.第1のカウルと第2のカウルの干渉を避ける仕組み
次に、図5、図6を用いて、必要に応じても受けられる第2のカウル20を設けた場合に、第1のカウル10を移動させる際に、第2のカウル20との干渉を避ける仕組みについて説明する。
4-1.図5について
図5は、本発明の可動型前照灯カウルを移動させる仕組みの一例を示す図であって、第1のカウルと第2のカウルの干渉を避ける構成の一例を示す図である。
図5(A)は、第1のカウル10が、前照灯30を覆っている状態において、第2のカウル20と接する部分で、面一になっている状態を図示したものである。
これは、自動車のデザイン上、前照灯30を覆っている状態において、第1のカウル10の外面と第2のカウル20の外面が滑らかに連続していることが望ましいことによる。
このような状態において、第1のカウル10を第2のカウル20の方向に移動させようとすると、第2のカウル20と干渉して、スムーズに移動させることができない。
そこで、第2のカウル20を内側又は外側に移動させるための、電動シリンダ200を設けることが望ましい。
この場合、例えば、図5(B)のように、第2のカウル20を内側に移動させることで、両者の干渉を防いで、第1のカウル10を下方に移動させることができる。
ここで、第2のカウルの移動手段200としては、図9に示すように、一例として、電動シリンダ200を利用することができる(上位概念と下位概念の関係なので、符号は同じ200を使用する)。
図9によれば、電動シリンダ200は、ハウジング230、モーター220、ロッド210によって構成され、モーター220の駆動によって内部のボールねじを駆動させ、ロッド210を伸縮させることができる。
なお、第2のカウルの移動手段200としては、図9に示す電動シリンダ200のようなZ軸方向の移動手段に限定されるものではなく、図7ないし図8に記載した例のほか、X軸、Y軸ないしZ軸方向に移動させる手段であっても良い。あるいは、ベルトやギアとモーターを組み合わせても良いし、電動の油圧機構や、モーターとアームとリンク機構を組み合わせた移動手段であっても良い。
要するに、第1のカウル10との干渉を回避できるように移動させる手段であれば足りる。
第1のカウル10が移動を完了すると、図5(C)に示すように、前照灯30が露出するとともに、第1のカウル10は、移動後にその一部又は全部が、第2のカウル20の外側に位置する状態となる。
なお、この場合において、第1のカウル10は、Y軸方向の水平移動だけに移動させる仕組みを設けた場合には、移動後に前照灯30の外面に対し、やや外側に出っ張った状態になる(図5(C)参照)。
他方、図8のようにY軸の水平方向に加え、Z軸方向に垂直方向に移動させる仕組みを設けた場合において、第2のカウル20をさらに奥に移動させて、第1のカウル10を奥に移動させた場合には、移動後に前照灯30の外面と面一の状態にすることができる(図5(D)参照)。
いずれの場合でも、第1のカウル10の移動後は、周辺の部品であるフロントバンパーやフロントカウル50などの部品の形状を調整することで、周辺の部品であるフロントバンパーやフロントカウル50などの一部を構成するように配置することができるので、デザイン上の特徴を訴求しやすくする効果が期待できる(図2(B)、図11(C)、図13(B)参照)。
なお、図示しないが、第2のカウル20を外側に移動させて、第1のカウル10を移動させても良い。この場合は、第1のカウル10は、移動後にその一部又は全部が、第2のカウル20の内側に隠れる状態になっていても構わない。
4-2.図6について
図6は、本発明の可動型前照灯カウルを移動させる仕組みの一例を示す図であって、第1のカウルと第2のカウルの干渉を避ける様子の一例を示す斜視図である。
図6によれば、第1のカウル10が前照灯30を覆っている状態において、第2のカウル20と接する部分で面一になっている状態から、電動シリンダ200の伸縮動作によって第2のカウル20を内側に移動させて干渉を避けつつ、第2のカウル20の外側を移動する様子が示されている。
その後、第1のカウル10は、一軸アクチェータ又は二軸アクチェータ100により、移動スペース82を利用して移動し、フロントバンパー又はフロントカウル50に設けられた可動型前照灯カウル配置領域80の外縁に接したところで停止する。
第1のカウル10の下部のラインと、可動型前照灯カウル配置領域80の外縁とは完全に一致するラインで、隙間なく密着するようにしても良い。この場合、移動後の第1のカウル10は、フロントバンパー又はフロントカウル50の一部を構成して一体化することになり、両者を一体化した特徴的なデザインを実現することができる。
あるいは、第1のカウル10の全部又は一部が、可動型前照灯カウル配置領域80(すなわちフロントバンパー又はフロントカウル50)の内側に少し入り込んだ状態、あるいは外側に位置するような状態にしても良い。この場合は、必要に応じて設けられた第2のカウル20の露出する面積が拡大し、また別の意味で特徴的なデザインを実現することができる。
第1のカウル10を、可動型前照灯カウル配置領域80(すなわちフロントバンパー又はフロントカウル50)の外側に移動させる場合は、二軸アクチェータ100を用いた上で、アーム110の形状を平板状のものに代えて、L字型のものを用いることで対応可能である。
また、第2のカウル20を設けた場合でも、電動シリンダ200を設けずに固定させた状態すなわちフロントバンパー又はフロントカウル50の一部に過ぎず、第2のカウルの位置に、単に異なる配色や異なる材質を用いた場合や、第2のカウル20を設けない場合は、この「第2のカウルに相当する部分」を第1のカウルよりも内側に凹んだ状態にしておくことで(すなわち前照灯の外面とは面一の状態)、第1のカウル10をどの部品とも干渉せずに移動させることができる。
なお、図6では、支点B(310又は410)およびガイド手段(320又は420)の図示を省略しているが、第2のカウル20とは干渉しない位置に配置されている。
また、第1のカウルを移動させる手段の一例である一軸アクチェータ又は二軸アクチェータ100も、フロントバンパーやフロントカウル50の裏側に隠れて配置され、アーム110と共に、第2のカウル20とは干渉しない位置に配置されている。
例えば、第2のカウル20の横幅を、第1のカウル10の横幅よりも短くして、第2のカウルの少し右側に空間を設けて、そこに支点B(310又は410)およびガイド手段(320又は420)を配置すればよい(図3、図4参照)。
5.その他の変形例について
以上の説明では、主に図1と図2のデザインを中心に説明したが、これ以外のデザインにも適宜応用することができる。
すなわち、第1のカウル10、必要に応じて設けられる第2のカウル20、フロントフェンダー40又はフロントバンパー又はフロントカウル50の一部を構成する可動型前照灯カウル配置領域80などの部品(以下これらを総称して「可動型前照灯カウル周辺パーツ」という)それぞれの形状やデザインを適宜調整することで、多様なデザインを提供することができる。
その際、第1のカウル10を移動させる際の移動スペース82、第1のカウルの移動手段100、必要に応じて設けられるガイド手段(320又は420)など第1のカウル10などを移動させるための仕組みも、可動型前照灯カウル周辺パーツの形状に応じて、適宜、形状や移動量、配置する角度を設定すればよい。
より具体的には、図1、図2のデザインを変形して、例えば、図11、図12、あるいは可動型前照灯カウル配置領域80の外縁と図13、図14に示すように構成することができる。
5-1.図11、図12について
図11は、第1のカウル10、第2のカウル20、前照灯30の形状、および移動型前照灯カウル配置領域80の形状を変形した場合の一例である(図1、図2の変形例)。
図12は、本発明の可動型前照灯カウルを移動させる仕組みの一例を示す図であって、第1のカウルを移動させる仕組みの一例を示す図である(図3の変形例)。
図11、図12は、図2~図3のように、第1のカウル10が移動する軌跡を、第2のカウル上を斜めに横断するような軌跡にせず、第1のカウルの外縁が第2のカウルの外縁をほぼトレースするような軌跡で移動させる場合の一例を示している。
図11によれば、第1のカウル10と必要に応じて設けられる第2のカウル20又は第2のカウルに相当する部分は、いずれも略平行四辺形状のほぼ同じような形状をしている。
この場合でも、同様に、第1のカウル10が前照灯30を覆っている状態から(図11(A))、移動をはじめて、前照灯30の一部が露出し始めた状態を経て(図11(B))、前照灯30を露出させた状態にすることができる(図11(B))。
この構成の場合、図1、図2の構成と比較して、第1のカウル10の動きもシンプルで、第1のカウル10や第2のカウル20のデザインについても、ややオーソドックスなデザインを提供することができる。
図12は、図11のデザインを採用した場合の、第1のカウル10を移動させる仕組みについて示した図である。
図12によれば、一軸アクチェータなどの第1のカウルを移動させる手段100、当該アクチェータから第1のカウル10を支持する支点A300に伸びるアーム110が示されている。
第1のカウルを移動させる手段100は、アーム110及び支点A300を介して第1のカウル10を下方に移動させると(図12(A))、前照灯30が露出し始め(図12(B))、第1のカウル10が移動を終えると前照灯30が完全に露出した状態となる。逆も同様である。
また、必要に応じてガイド手段320が設けられ、第1のカウル10に設置された支点B310の移動をガイドすることができる。
図12の場合は、図2~図3と異なり、第1のカウル10が移動する軌跡を、第2のカウル上を斜めに横断するような軌跡にせず、第1のカウルの外縁が第2のカウルの外縁をほぼトレースするように移動させるので、前照灯30の左側にスリット330を設けて、第1のカウル10に設けられた支点B310に接続されたL字型の金具等が、スリットを介してガイド手段320に接続するような仕組みを設けることができる。
この場合、第1のカウル10の左右で支持できるので、第1のカウル10を一層安定して移動させることができる。
なお、この場合において、一軸アクチェータなど第1のカウルを移動させる手段100及び支点A300と、第1のカウル10を支持する手段である支点B310及びガイド手段320と、を左右で入れ替えた位置に配置しても構わない(左側で駆動し、右側でガイド)。
5-2.図13について
あるいは、図1、図2のような特徴的なデザインを採用しつつも、第1のカウル10が移動する軌跡を、第2のカウル上を斜めに横断するような軌跡にせず、第1のカウルの外縁が第2のカウルの外縁をほぼトレースするような軌跡で移動させる場合には、図12と同様の構成を採用することができる。
これを例示したものが図13である。
図13は、本発明の可動型前照灯カウルの構成の一例を示す図であって、図11、図12の変形例の一例を示す図である。
図13(A)では、(図の左側の)可動型前照灯カウル配置領域80の右側に、第1のカウルを移動させる手段100が設置されている様子が示されている。
第1のカウル10は、第1のカウルを移動させる手段100によって、第1のカウル10の右側から支持されて移動する。
この場合、第1のカウル10の右側が、(図の左側の)可動型前照灯カウル配置領域80の右側の縁に接しつつ、ほぼ垂直方向に上下する動きを実現することができる。
図2(B)では、第1のカウル10がやや斜め方向に移動するのに対し、図11(B)では、ほぼ垂直方向に移動するので、動きのダイナミズムとして、また別の表現をすることができる。
また、図13(B)では、第1のカウル10が移動した後、必要に応じて設けられる第2のカウル20又は第2のカウルに相当する部分は、第1のカウル10にほぼ隠れて見えない状態になっており、図2(B)とは別のアイデンティティを持たせることができる。
なお、必要に応じて、前照灯30の外側にスリット320(図示せず)を設けたうえで、支点B310及びガイド手段320を設けて、第1のカウル10の移動をガイドしても良い点は、図12の説明と同様であるので説明は省略する。
また、一軸アクチェータなど第1のカウルを移動させる手段100及び支点A300と、第1のカウル10を支持する手段である支点B310及びガイド手段320と、を左右で入れ替えた位置に配置しても構わない点も同様である。
また、図示しないが、可動型前照灯カウル配置領域80の部品の構成を調整して、図3のような位置にガイド手段320の支点B310を設けても良い。
5-2.図14について
図14は、図13の変形例であると共に、図1~図2、図4の変形例の一例を示す図である。
第1のカウル10及び必要に応じて設けられる第2のカウル20の移動は、従前の説明と同様であるので説明を省略する。
この場合も、可動型前照灯カウル配置領域80の部品の構成を調整することで、必要に応じて、支点B410をボディなどに設置し、第1のカウルの裏面にガイド手段420を設けるようにしてもよい。
例えば、第1のカウル10の上下方向の長さを前照灯30の上下方向の長さよりもやや長めに構成して、必要に応じて設けられるガイド手段420の支点B410が、前照灯30の下側にくるように設置してもよい。
この場合、第1のカウル10の断面を曲線で構成して、曲線の内側に、厚みの薄いガイド手段420を設けることで前照灯30との干渉を防ぐことができる。
なお、図示しないが、可動型前照灯カウル配置領域80の部品の構成を調整して、図4のような位置にガイド手段420の支点B410を設けても良い。
6.小括
以上のように、第1のカウル10、必要に応じて設けられる第2のカウル20、及びフロントフェンダー40又はフロントバンパー又はフロントカウル50などで構成される可動型前照灯カウル周辺パーツの形状やデザイン、及び第1のカウルの移動手段100やガイド手段320の配置や移動量および角度を適宜調整することで、前照灯周辺のデザインや動きにダイナミズムを与えると共に、多様なデザインを提供することができる。
本発明の可動型前照灯カウルは、自動車のほか、自動2輪、鉄道車両、船舶、航空機にも用いることができる。
10 第1のカウル
20 第2のカウル
30 前照灯
40 フェンダー
50 フロントバンパー又はフロントカウル
60 フロントグリル
70 ボンネット
80 可動型前照灯カウル周辺領域
82 第1のカウル10を移動させる際のスペース、又は第1のカウル移動後の格納領域
100 一軸アクチェータ又は二軸アクチェータなどの第1のカウルを移動させる手段
110 アームなどの第1のカウルの支持手段
120 スライドブロック
130 ガイドレール
140 モーター
150 ボールねじ軸
160 ハウジング
170 Y軸方向の移動部
180 Z軸方向の移動部
200 電動シリンダなどの第2のカウルの移動手段
210 ロッド
220 モーター
230 ハウジング
300 支点A
310 支点B
320 第1のカウルをガイドするガイド手段
410 支点B
420 第1のカウルをガイドするガイド手段

Claims (6)

  1. 前照灯とフロントバンパー又はフロントカウルを備えた自動車において、
    前記前照灯を覆う第1のカウルと、
    前記第1のカウルを支持するための第1の支持手段と、
    前記第1のカウルの支持手段を移動させることによって前記第1のカウルを移動させる第1の移動手段と、を備え、
    前記第1のカウルを所定の位置に移動させることにより、前記前照灯が第1のカウルに覆われて隠れている状態から、前記前照灯を露出させた状態にすること、
    を特徴とする可動型前照灯カウル。
  2. 請求項1に記載の可動型前照灯カウルにおいて、
    さらに、自動車のフロントバンパー又はフロントカウルの一部を構成する第2のカウルと、
    前記第2のカウルを支持するための支持手段と、
    前記第2のカウルの支持手段を移動させることによって前記第2のカウルを移動させる第2の移動手段と、を備え、
    前記第1のカウルを移動させる際に、前記第2のカウルを、前記第1のカウル又は及び前記第1のカウルを支持するための第1の支持手段と干渉しない位置に移動させること、
    を特徴とする可動型前照灯カウル。
  3. 請求項1または請求項2のいずれか一つに記載の可動型前照灯カウルにおいて、
    所定の位置に移動させた前記第1のカウルが、前記フロントバンパー又はフロントカウルの一部を構成すること、
    を特徴とする可動型前照灯カウル。
  4. 請求項1~3のいずれか一つに記載の可動型前照灯カウルにおいて、
    前記第1のカウルを、前記所定の位置から移動させることにより、前記前照灯が露出した状態から、前記前照灯が第1のカウルに覆われて隠れている状態にすること、
    を特徴とする可動型前照灯カウル。
  5. 請求項1~請求項4のいずれか一つに記載の可動型前照灯カウルにおいて、
    前記第1のカウルを移動させる第1の移動手段が、前記第1のカウルの第1の支持手段を一定方向にスライドさせる手段であること、
    を特徴とする可動型前照灯カウル。
  6. 請求項1~請求項5のいずれか一つに記載の可動型前照灯カウルにおいて、
    前記第1のカウルを支持するための第1の支持手段とは別に、
    前記第1のカウルを支持するための第2の支持手段と、
    当該第2の支持手段をガイドするガイド手段と、を備え、
    前記第1のカウルを少なくとも2点以上で支持することにより、前記第1のカウルを安定して支持すると共に、前記第1のカウルの移動をスムーズに行うこと、
    を特徴とする可動型前照灯カウル。


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