JP2022121990A - コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 本開示は、たとえばカーボン層が形成された陰極箔を含むコンデンサに適するセパレータ、またはこのセパレータを含むコンデンサを提供することを目的とする。【解決手段】 コンデンサ(2)は、陽極箔(12)、陰極箔(14)、および前記陽極箔と前記陰極箔の間に配置されたセパレータ(16)を含み、前記陰極箔はカーボン層(20)を含み、前記セパレータは前記カーボン層に接触するクラフト系のセパレータである。【選択図】 図1

Description

本開示は、カーボン層が形成された陰極箔を含むコンデンサに関する。
電解コンデンサは、陽極箔と、陰極箔と、陽極箔および陰極箔の間に配置されたセパレータとを含み、電気を蓄えることが可能である。このような電解コンデンサにおいて、カーボン層が陰極箔に形成されることが知られている(たとえば、特許文献1)。カーボン層は、たとえば陰極箔の静電容量を高めるという作用を有する。
特開2006-80111号公報
ところで、電解コンデンサなどのコンデンサでは、陽極箔と陰極箔との間のショートを防止する必要がある。多量のカーボンが陰極箔から離脱すると、セパレータの絶縁機能への悪影響が懸念される。特許文献1には斯かる課題の開示や示唆はなく、特許文献1に開示された構成では斯かる課題を解決することができない。
そこで、本開示は、たとえばカーボン層が形成された陰極箔を含むコンデンサに適するセパレータ、またはこのセパレータを含むコンデンサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示の一側面によれば、コンデンサは、陽極箔、陰極箔、および前記陽極箔と前記陰極箔の間に配置されたセパレータを含む。前記陰極箔はカーボン層を含み、前記セパレータは前記カーボン層に接触するクラフト系のセパレータである。
上記コンデンサにおいて、前記セパレータは、前記陰極箔に接触する陰極側表面にカーボンを含んでよい。
上記コンデンサにおいて、前記カーボンは、前記陰極側表面にのみ付着してもよい。
上記コンデンサにおいて、前記カーボンは、前記陰極側表面の全体に配置されてもよく、または前記陰極側表面に部分的に配置されてもよい。
本開示の上記側面によれば、次の効果が得られる。
コンデンサがクラフト系のセパレータを有するので、クラフト系のセパレータと同じ密度および同じ厚さを有する他の紙種のセパレータよりも大きなショート抑制効果を提供可能である。クラフト系のセパレータは、付着したカーボンによる絶縁性の低下抑制という異質効果を有し、カーボン層が形成された陰極箔を含むコンデンサに適している。
実施の形態に係るコンデンサの一例を示す図である。 実験試料および導通抵抗の測定を示す図である。 実験試料の導通抵抗値の表である。 実験試料の導通抵抗値のグラフである。 カーボンが付着した実験セパレータのシート抵抗およびシート抵抗差の表である。 カーボンが付着した実験セパレータのシート抵抗差のグラフである。
図1は、実施の形態に係るコンデンサの一例を示している。図1において、コンデンサの外装ケース、封口部材および電解質は省略されている。図1のBは、図1のAに示す範囲IB部分の拡大図である。図1に示す構成は一例であって、斯かる構成に本開示の技術が限定されるものではない。
コンデンサ2は電子部品の一例であり、たとえば電解コンデンサである。コンデンサ2はコンデンサ素子4と、端子リード6と、外装ケースと、封口部材とを含んでいる。端子リード6は、コンデンサ素子4に接続され、コンデンサ素子4の一端面から突出している。コンデンサ素子4および端子リード6の一部は外装ケースの内部に挿入される。外装ケースの開口部に封口部材が設置されて、外装ケースの内部が密封される。つまり、コンデンサ素子4および端子リード6の一部は外装ケースの内部に密封される。端子リード6は、封口部材の貫通孔を貫通し、封口部材から突出する。
コンデンサ素子4は、陽極箔12と、陰極箔14と、セパレータ16と、電解質とを含む。陽極箔12および陰極箔14は、それぞれ異なる端子リード6に接続されている。セパレータ16が陽極箔12と陰極箔14の間に配置されるように、陽極箔12、陰極箔14およびセパレータ16は重ねられるとともに巻回されて、巻回素子が形成される。この巻回素子がコンデンサ素子4を形成する。コンデンサ素子4内の空隙やセパレータ16には、電解質が充填されている。電解質は、電解液またはゲル電解質でもよく、電解液およびゲル電解質を含んでもよく、電解液またはゲル電解質と固体電解質とを含んでもよい。固体電解質は、たとえば導電性高分子を含む。
陽極箔12は、コンデンサ2の陽極側の電極を構成する。陽極箔12は、たとえば、タンタル箔、アルミニウム箔などの弁作用金属箔であって、たとえば帯状の箔である。陽極箔12の表面は、たとえばエッチングにより形成された凹凸を有するとともに、たとえば化成処理により形成された誘電体酸化皮膜を含んでいる。エッチングにより形成された凹凸は、たとえば多孔質構造を有している。
陰極箔14は、コンデンサ2の陰極側の電極を構成する。陰極箔14は、たとえば帯状の箔であって、本体箔18とカーボン層20とを含んでいる。本体箔18は、たとえば、アルミニウム箔、タンタル箔、ニオブ箔、チタン箔、ハフニウム箔、ジルコニウム箔、亜鉛箔、タングステン箔、ビスマス箔、アンチモン箔などの弁作用金属箔である。本体箔18の表面は、たとえばエッチングにより形成された凹凸を有し、本体箔18の表面積が拡大されている。本体箔18の表面は、たとえばトンネル状または海綿状のエッチングピットを含んでもよく、このトンネル状または海綿状のエッチングピットが凹凸を形成してもよい。
カーボン層20は、たとえば本体箔18の両面に配置されている。カーボン層20は、本体箔18の一面にのみ配置されてもよい。カーボン層20は、本体箔18の凹凸と密着している。つまり、カーボン層20が本体箔18の外側に配置され、陰極箔14は本体箔18およびカーボン層20による二層構造または本体箔18の両面にカーボン層20を配置した三層構造を有している。カーボン層20は、主材として炭素材を含み、さらに、添加剤としてバインダーおよび分散剤を含む。
炭素材は、たとえば球状炭素である。球状炭素は、それぞれ活物質として機能する。そのため、カーボン層20は、球状炭素による電気二重層活物質層を含み、陰極箔14の静電容量を増加させる。
球状炭素は、たとえば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラックを含む。
炭素材は、記述の球状炭素と黒鉛とを含む混合物でもよい。黒鉛は、たとえば天然黒鉛、人造黒鉛、または黒鉛化ケッチェンブラックなどであり、鱗片状、鱗状、塊状、土状、球状または薄片状などの形状を有する。黒鉛は、鱗片状または薄片状であることが好ましく、黒鉛の短径と長径とのアスペクト比が1:5~1:100の範囲であることが好ましい。既述のアスペクト比を有する鱗片状または薄片状の黒鉛は、たとえばエッチングピットに球状カーボンを押し込み、カーボン層20の一部がエッチングピットの内部にまで形成できる。そのため、アンカー効果により、カーボン層20が強固に本体箔18に密着できる。
黒鉛の平均粒径が6μm以上10μm以下であると、高温環境負荷による静電容量の低下を抑制できるなどの効果が得られる。また、黒鉛の平均粒径が6μm以下であると、高温環境負荷による静電容量の低下を抑制しつつ、コンデンサ2の静電容量を増加させることができる。また、黒鉛の平均粒径が6μm以下であると、黒鉛をカーボン層20内に留め置き易くなり、バインダーの添加量を抑制できる。バインダーの添加量の抑制により、炭素材の比率が増加する。そのため、陰極箔14の電気抵抗を低減でき、コンデンサ2の等価直列抵抗(ESR)を低減できる。なお、記述の平均粒径の数値はメジアン径、所謂D50に基づく数値である。
炭素材が黒鉛と球状炭素の混合物である場合において、黒鉛と球状炭素の併用による作用を得るため、黒鉛と球状炭素の混合物に対する黒鉛の質量比〔黒鉛の質量/(黒鉛の質量+球状炭素の質量)〕は、たとえば25%以上90%以下の範囲である。
バインダーは、たとえばスチレンブタジエンゴム、ポリフッ化ビニリデンまたはポリテトラフルオロエチレンであって、黒鉛と球状炭素を結合させる。分散剤は、たとえばカルボキシメチルセルロースナトリウムである。カーボン層20は、たとえば球状炭素が分散された水溶液から作製される。分散剤は、球状炭素を水溶液に分散させることができる。
セパレータ16は、陽極箔12と陰極箔14の間に配置され、陽極箔12と陰極箔14の間の短絡を防止する。セパレータ16は、陽極箔12と、陰極箔14のカーボン層20に接触する。セパレータ16は、絶縁材料であって、クラフトを含み、マニラ麻、エスパルト、ヘンプ、レーヨン、セルロース、これらの混合材などの他のセパレータ部材を含んでもよい。
つまり、セパレータ16は、クラフト系のセパレータ16である。クラフト系のセパレータ16は、クラフトのみからなるセパレータ16、クラフトの含有量がたとえば50質量パーセントよりも多いセパレータ16、またはクラフトのみまたはクラフトの含有量がたとえば50質量パーセントよりも多いクラフト層と、クラフト以外の素材からなる非クラフト層とを含む複層セパレータ16である。以下に示す第1の実験の結果から、カーボンが付着したクラフト系のセパレータ16は、カーボンが付着した他のセパレータ16に比べて、導通抵抗の低下量が小さく、高い絶縁性を有する。したがって、カーボン層20が形成された陰極箔14を含むコンデンサ2において、クラフト系のセパレータ16は、他のセパレータ16よりもショートを抑制する効果が大きいと考えられる。
セパレータ16は、以下の式(1)を充足する密度〔記号:ρ、単位:g/cm3〕を有することが好ましい。
ρ≧4.0×10-3×WPA ・・・(1)
ここで、WPAは、セパレータ1平方センチメートルあたりのカーボン量〔単位:μg/cm2〕である。WPAは、たとえばコンデンサ2の設計段階において設定されるカーボンの設定付着量である。たとえば100μg/cm2のカーボンがセパレータ16に付着しても電極間の十分な絶縁性を有するコンデンサ2を設計する場合、WPAはたとえば100μg/cm2に設定され、セパレータ16の密度は、以下の式(2)から、0.4g/cm3以上に設定されることが好ましい。
ρ≧4.0×10-3×100=0.4 ・・・(2)
セパレータ16の密度が式(1)を充足すると、以下に示す第2の実験の結果から、セパレータ16の様々な種類および幅広い厚さの範囲において、電極間の大きなショート抑制効果が期待できる。言い換えると、WPAが以下の式(3)を充足すると、セパレータ16の様々な種類および幅広い厚さの範囲において、電極間の大きなショート抑制効果が期待できる。
WPA≦250ρ ・・・(3)
なお、質量の単位の統一のため、WPAが単位「g/cm2」により表される場合、式(1)、式(3)はそれぞれ式(4)、式(5)となる。
ρ≧4.0×103×WPA ・・・(4)
WPA≦2.5×10-4×ρ ・・・(5)
WPAは、コンデンサ2の設計段階における既述の設定付着量でもよく、コンデンサ2における実際のカーボン付着量または実際のカーボン付着量よりも多い量でもよい。
端子リード6は、たとえば導電性のよい金属で形成されている。一方の端子リード6は陽極側端子であって、陽極箔12にたとえば冷間圧接やステッチ接続により接続されている。他方の端子リード6は陰極側端子であって、陰極箔14にたとえば冷間圧接やステッチ接続により接続されている。
封口部材は、たとえば絶縁性ゴムで形成されている。封口部材は端子リード6に対応する位置に挿通孔を有している。コンデンサ素子4の端子リード6が封口部材の挿通孔を貫通し、コンデンサ2の外側に露出している。
外装ケースは、たとえば有底筒状のアルミニウムケースである。

〔コンデンサの製造工程〕
コンデンサ2の製造工程は、本開示のコンデンサの製造方法の一例であって、たとえば陽極箔12の作製工程、陰極箔14の作製工程、セパレータ16の作製工程、コンデンサ素子4の作製工程、コンデンサ素子4の封入工程を含む。
陽極箔12の作製工程では、タンタル箔、アルミニウム箔などの弁作用金属箔の表面をエッチングして、弁作用金属箔の表面に凹凸を形成する。エッチング処理後の弁作用金属箔を化成処理して、弁作用金属箔の表面に誘電体酸化皮膜を形成する。弁作用金属箔は、たとえば、塩酸、食塩などの塩化物水溶液に浸された弁作用金属箔に電流を印加することにより、エッチングされる。印加される電流は、直流でもよく、交流でもよい。弁作用金属箔は、たとえば、ホウ酸アンモニウム、硼酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、アジピン酸アンモニウムなどの溶液を含む電解液に浸された弁作用金属箔に電圧を印加することにより、化成される。化成された弁作用金属箔を裁断して、陽極箔12が作製される。
陰極箔14の作製工程では、アルミニウム箔、タンタル箔、ニオブ箔、チタン箔、ハフニウム箔、ジルコニウム箔、亜鉛箔、タングステン箔、ビスマス箔、アンチモン箔などの弁作用金属箔の表面をエッチングして、弁作用金属箔の表面に凹凸を形成する。陰極箔14側のエッチングは、陽極箔12側のエッチングと同じでもよく、異なっていてもよい。エッチング処理後の弁作用金属箔にカーボン層20を形成し、カーボン層20が形成された弁作用金属箔を裁断して、陰極箔14が作製される。
カーボン層20は次のように作製される。既述の炭素材、バインダーおよび分散剤を希釈液に加え、ミキサー、ジェットミキシング(噴流衝合)、超遠心処理、超音波処理などの分散処理によりこれらを混合して、スラリーを形成する。バインダーは、たとえば炭素材の結合のために必要な量だけ添加され、分散剤は、たとえば炭素材の分散のために必要な量だけ添加される。そのため、バインダーおよび分散剤の添加量は、炭素材の添加量よりも微量である。炭素材として黒鉛を用いる場合、黒鉛は、ビーズミル、ボールミルなどの粉砕機により粉砕して、黒鉛の平均粒径が、希釈液への添加前に調整されていてもよい。
希釈液は、たとえばアルコール、炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒、アミド系溶媒、水およびこれらの混合物などである。アルコールは、たとえばメタノール、エタノールまたは2-プロパノールである。アミド系溶媒は、たとえばN-メチル-2-ピロリドン(NMP)またはN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)である。
スラリーをエッチング処理後の弁作用金属箔に塗布する。スラリーを乾燥させた後、スラリーをプレスする。プレスにより、炭素材が整列される。炭素材が黒鉛を含む場合、プレスにより、黒鉛が整列されるとともに、黒鉛が弁作用金属箔の凹凸に沿うように変形する。また、黒鉛が凹凸に圧接されるときに球状炭素が弁作用金属箔の細孔の内部に押し込まれる。これにより、スラリーが弁作用金属箔に密着し、本体箔18に密着するカーボン層20が得られる。
セパレータ16の作製工程では、記述のセパレータ部材を裁断して、セパレータ16が作製される。
また、コンデンサ2の設計段階において、カーボン層20から離脱する離脱カーボンの最大量または許容量を設定してもよく、この最大量または許容量から既述の設定付着量を設定してもよく、設定付着量および記述の式(1)からセパレータ16の密度を設定してもよい。そして、セパレータ16の作製工程では、設定された密度を有するセパレータ16を作製してもよい。
コンデンサ素子4の作製工程では、端子リード6を陽極箔12および陰極箔14にそれぞれ接続する。第1のセパレータ16を陽極箔12および陰極箔14の間に配置するとともに第2のセパレータ16を陽極箔12または陰極箔14の外側に配置する。陽極箔12、陰極箔14、第1および第2のセパレータ16を巻回して、コンデンサ素子4が作製される。
コンデンサ素子4の封入工程では、電解液などの電解質が含浸されたコンデンサ素子4が外装ケースの内部に挿入され、その後外装ケースの開口部に封口部材が取り付けられて、コンデンサ2が作製される。

〔第1の実験例〕
第1の実験では、カーボン26が付着した実験セパレータ32(図2)の導通抵抗を確認した。カーボン26は、カーボン層20から脱落する脱落カーボンの代替物である。
カーボン26が付着した実験セパレータ32を作製するため、表1に示す固形分濃度を有するスラリー1~10を準備する。スラリー1~10の成分は、以下の通りである。
カーボン : カーボンブラックの粉末
バインダー: スチレンブタジエンゴム
分散剤 : カルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液
希釈液 : 純水
バインダーおよび分散剤の添加量は、カーボンの添加量に対して十分に少ない。そのため、スラリー1~10の固形分の量は、カーボンの量と等しいとみなすことができる。
Figure 2022121990000002
実験セパレータ32の1センチメートル角の表面に、スラリー1~10の何れかを10μL(マイクロリットル)均等に滴下し、実験セパレータ32およびスラリーを80℃に加熱して、カーボン26が付着した実験セパレータ32を得る。実験セパレータ32は、表2に示すセパレータS1~S18(ニッポン高度紙工業株式会社製)の何れかである。スラリー1~10の固形分濃度が低いので、スラリー1~10の比重は水の比重と等しいとみなすことができる。そのため、セパレータに10μLの各スラリー1~10を滴下したときのカーボン付着量CAは、表1に示す量とみなすことができる。
Figure 2022121990000003
なお、セパレータの材質は以下の通りである。
セパレータS1~S6 : クラフト
セパレータS7 : (高密度側)クラフトの抄紙
(低密度側)コットンリンターとヘンプの混抄紙
セパレータS8 : マニラ麻とエスパルトの混抄紙
セパレータS9 : マニラ麻
セパレータS10~S13: マニラ麻とエスパルトの混抄紙
セパレータS14 : ナイロン繊維とフィブリル化アクリル繊維の混抄紙
セパレータS15~S18: 特殊レーヨン
なお、セパレータS7のクラフトの抄紙と、セパレータS14の混抄紙の陽極箔対向面には、ポリビニルアルコール(PVA)が塗工されている。
図2は、導通抵抗の測定例を示している。図2において、クリップによる固定が省略されている。
カーボン26が付着している実験セパレータ32を上下から二枚の銅箔34の間に挟み、実験セパレータ32および銅箔34を二枚のスライドガラス36で挟み、スライドガラス36をクリップで固定して、実験試料38を得る。二枚の銅箔34が互いに直接接触しないように、実験セパレータ32は少なくとも一枚の銅箔34の外側に突出している。
絶縁抵抗計を二枚の銅箔34に接続して、 実験試料38の抵抗値(導通抵抗値)を測定する。実験セパレータ32のみが銅箔34の間に配置されている部分では、抵抗値は計測の範囲外、たとえば500MΩ(メガオーム)以上になる。そこで、 実験試料38の抵抗値を測定することで、カーボン26がセパレータの絶縁性に与える影響を把握できる。
図3は、実験試料の導通抵抗値の表を示している。図4のAおよび図4のBは、実験試料の導通抵抗値のグラフを示している。図4のAでは、各セパレータS1、S8を含む実験試料38の導通抵抗値が示され、図4のBでは、各セパレータS2、S9を含む実験試料38の導通抵抗値が示されている。図3において「O.R.」は、導通抵抗値が500MΩを超え、計測の範囲外を示す「out of range」の省略標記である。また図3において、たとえば1MΩ、100MΩは、それぞれ「1.00. E+06」、「1.00. E+08」と表されている。
第1の実験では、図3に示されている表から、セパレータS2~S7(クラフト紙)の導通抵抗値が高いことが解かった。低密度(0.5g/cm3)かつ薄い(30μm)セパレータS1および最も厚いセパレータS18の結果を除くと、クラフト系のセパレータS2~S7のみが、0から125μg/cm2の範囲のカーボン付着量CAにおいて、導通抵抗値がすべて「O.R.」(計測の範囲外)、すなわち500MΩ超となることが解かった。クラフト系のセパレータS2~S7では、カーボン粉がセパレータの表面から裏面に透過しないことが考えられ、絶縁性が低下しないものと考えられる。
図4のAでは、セパレータの材質が異なり30μmの厚さを有するセパレータS1、S8(密度:0.5g/cm3)が比較され、図4のBでは、セパレータの材質が異なり60μmの厚さを有するセパレータS2、S9(密度:0.5g/cm3)が比較されている。図4のAに示されているグラフから、30μmの厚さにおいて、セパレータS1(クラフト紙)とセパレータS8(マニラ紙)の導通抵抗値は、若干乖離しているものの、全体的に近いことが解かった。セパレータS1とセパレータS8の間に大きな差は認められなかった。しかしながら、図4のBに示されているグラフから、60μmの厚さかつ37.5μg/cm2以上のカーボン付着量CAにおいて、セパレータS2(クラフト紙)は、セパレータS9(マニラ紙)よりも大きい導通抵抗値を有することが解かる。特に、セパレータS2(クラフト紙)は、125μg/cm2以下のカーボン付着量CAにおいて「O.R.」(計測の範囲外)であり、顕著な効果をすることが解かる。第1の実験では、クラフト系のセパレータはマニラ系のセパレータよりも絶縁性が優れることが解かる。
マニラ紙かつ0.5g/cm3の密度において、セパレータS9(厚さ:60μm)は、セパレータS2(厚さ:30μm)よりも全体的に大きい導通抵抗値を有することが解かった。セパレータの厚さが導通抵抗値に影響するものと考えられる。
クラフト紙かつ0.5g/cm3の密度において、セパレータS1(厚さ:30μm)の導通抵抗値は、カーボン付着量CAの増加により大きく低下するのに対し、セパレータS2(厚さ:60μm)の導通抵抗値は、ほとんど低下しないことが解かった。薄いセパレータS1では、セパレータのピンホールが導通抵抗値に影響するものと考えられる。
第1の実験から以下の実験結果が得られた。
クラフト系のセパレータ: 厚さや密度が大きいセパレータでは、導通抵抗値が下がりづらい。つまり、ピンホールの影響が少なくカーボン26が透過しない。厚さや密度が小さいセパレータでは、一気に導通抵抗値が下がる。つまり、ピンホールの影響により、カーボン26が透過しやすい。
マニラ系のセパレータ: 厚さや密度に比例またはほぼ比例して、カーボン26が透過しづらくなる。厚さや密度がある値よりも低くなると、導通抵抗値が一気に低くなるという現象は見られない。
セパレータが同じ密度(0.5g/cm3)と同じ厚さ(30μm)を有する場合、クラフト系のセパレータもマニラ系のセパレータも同程度まで導通抵抗値が低下している。しかしながら、セパレータが同じ密度(0.5g/cm3)と同じ厚さ(60μm)を有する場合、クラフト系のセパレータはマニラ系のセパレータよりも導通抵抗値が高い。したがって、第1の実験によれば、カーボン層20を含むコンデンサ2において、クラフト系のセパレータ16を用いることで、電極間の大きなショート抑制効果が期待できる。

〔第2の実験の例〕
第2の実験では、セパレータ16の密度の好ましい範囲を確認するため、第1の実験で記述したカーボン26が付着した実験セパレータ32のシート抵抗差を確認した。カーボン26が付着した実験セパレータ32は、第1の実験と同様でありその説明を省略する。
カーボン26が付着した実験セパレータ32の第1および第2の面のシート抵抗(表面抵抗率)を測定し、シート抵抗の差(以下、「シート抵抗差」という)を求める。ここで、第1の面は、スラリーが塗布されカーボン26が付着している面であり、第2の面は第1の面の反対面である。
第1の面のシート抵抗は、カーボン26の中心部に以下の抵抗率計の4端針プローブを押し当てることにより測定される。第2の面のシート抵抗は、既述の中心部に対応する部位に以下の抵抗率計の4端針プローブを押し当てることにより測定される。
抵抗率計
測定器: ロレスタGP
型式: MCP-T600
測定可能レンジ: 100MΩ/sq.以下
図5は、カーボンが付着した実験セパレータのシート抵抗およびシート抵抗差の表を示している。図6は、カーボンが付着した実験セパレータのシート抵抗差のグラフを表している。図5および図6では、各セパレータS2、S3、S4、S6、S7、S10、S11、S12、S14の実験結果が示されている。
第2の実験では、カーボン付着量CAが100μg/cm2である場合、0.4g/cm3以上の密度を有するセパレータS2、S3、S4、S6、S7、S11、S12において、シート抵抗差が同じ程度に高いことが解かった。また、第2の実験では、カーボン付着量CAが125μg/cm2である場合、0.5g/cm3以上の密度を有するセパレータS2、S3、S4、S6、S7において、シート抵抗差が同じ程度に高いことが解かった。第2の実験によれば、既述の式(1)、式(4)に示されている密度において、実験セパレータ32のシート抵抗差が最大またはほぼ最大となり、セパレータの分類や厚さに関係なく、ショート抑制に優れたコンデンサを得ることができる。
上記実施の形態によれば、たとえば以下の効果が得られる。
(1) クラフト系のセパレータ16は、このクラフト系のセパレータ16と同じ密度および同じ厚さを有する他の紙種のセパレータ16よりも大きなショート抑制効果を提供可能である。そのためクラフト系のセパレータ16は、セパレータに付着したカーボンによる絶縁性の低下抑制という異質な効果を有し、他のセパレータ16よりもカーボン層20が形成された陰極箔14を含むコンデンサ2に適している。
(2) セパレータ16が4.0×10-3×WPA以上の密度を有すると、セパレータ16が様々な種類および幅広い厚さの範囲において、コンデンサ2の電極間の大きなショート抑制効果を提供可能である。そのような密度を有するセパレータ16は、セパレータに付着したカーボンによる絶縁性の低下抑制という異質な効果を有し、カーボン層20が形成された陰極箔14を含むコンデンサ2に適している。
以上説明した実施の形態について、その特徴事項や変形例を以下に列挙する。
(1) 上記実施の形態では、コンデンサ素子4は巻回素子である。しかしながら、コンデンサ素子4は、たとえば平坦な複数の陽極箔、陰極箔およびセパレータが積層された積層素子でもよい。
(2) 陽極箔12、陰極箔14、セパレータ16、外装ケース、封口部材および電解質の素材は上記実施の形態で記述したものに限定されない。これらの素材は、アルミ電解コンデンサまたは類似のコンデンサで採用されている他の素材でもよい。たとえば、アルミニウム製のタブ形状の引出端子を超音波接続した陽極箔と陰極体との間にセパレータを挟んでこれらを巻回してコンデンサ素子を形成してもよい。外部端子を取り付けたフェノール積層板を封口部材として用いてもよく、前述のコンデンサ素子に電解液を含浸させた後、コンデンサ素子から導出した引出端子を封口部材の外部端子に接続してもよく、コンデンサ素子および封口部材を外装ケースに挿入して、封口部材で封止した構造としてもよい。また、カーボン層20の素材は上記実施の形態で記述したものに限定されない。カーボン層20を形成する素材は、任意の導電性部材でもよい。
(3) セパレータ16は、記述のセパレータ部材以外の部材を含んでもよい。セパレータ16は、陰極箔14に接触する陰極側表面に、たとえば陰極箔14から離脱する離脱カーボンを含んでもよい。上記実施の形態で既述したセパレータ16は、離脱カーボンなどのカーボン26が付着していても、セパレータ16の絶縁機能を維持できる。また、既述の第1の実験から、カーボン付着量CAが37.5μg/cm2未満であると、すべての実験試料38の導通抵抗値が100MΩ以上になることが解る。つまりカーボン付着量CAが37.5μg/cm2未満であれば、セパレータ16がコンデンサ2の機能に与える影響を小さくすることができる。離脱カーボンは、陰極側表面の全体に配置されてもよく、前記陰極側表面に部分的に配置されてもよい。
セパレータ16に付着しているカーボン量は、たとえば次に示す方法により特定することができる。すなわち、コンデンサ2から取り出されたセパレータ16をたとえばエタノールで洗浄して、セパレータ16から電解液を除去する。電解液が除去されたセパレータ16を乾燥させる。乾燥したセパレータ16をたとえば熱重量分析(TGA)または熱重量-示差熱分析(TG-DTA)などの既存の分析法で熱分析して、カーボン26の付着量(重量または質量)を特定する。得られた重量または質量をセパレータ16の分析された面積で除することで、セパレータ1平方センチメートルあたりのカーボン量を特定できる。
以上説明したように、本開示の最も好ましい実施の形態等について説明したが、本開示は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、または明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本開示の範囲に含まれることは言うまでもない。
本開示の技術は、カーボンなどの導電性部材を含む電極の絶縁に用いることができ、有用である。
2 コンデンサ
4 コンデンサ素子
6 端子リード
12 陽極箔
14 陰極箔
16 セパレータ
18 本体箔
20 カーボン層

Claims (4)

  1. 陽極箔、陰極箔、および前記陽極箔と前記陰極箔の間に配置されたセパレータを含むコンデンサであって、
    前記陰極箔はカーボン層を含み、
    前記セパレータは前記カーボン層に接触するクラフト系のセパレータであることを特徴とするコンデンサ。
  2. 前記セパレータは、前記陰極箔に接触する陰極側表面にカーボンを含むことを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ。
  3. 前記カーボンは、前記陰極側表面にのみ付着していることを特徴とする請求項2に記載のコンデンサ。
  4. 前記カーボンは、前記陰極側表面の全体に配置され、または前記陰極側表面に部分的に配置されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のコンデンサ。
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