JP2022121965A - ウィルキンソン分配器、ウィルキンソン合成器、及び増幅器 - Google Patents

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Abstract

【課題】広帯域化を図ったウィルキンソン分配器、ウィルキンソン合成器、及び増幅器を提供する。【解決手段】ウィルキンソン分配器は、入力線路と、入力線路から分岐する第1分配線路及び第2分配線路と、第1分配線路の出力側の第1端部に接続される第1出力線路と、第2分配線路の出力側の第2端部に接続される第2出力線路と、第1端部に接続される第1スタブと、第2端部に接続される第2スタブと、第1スタブ及び第2スタブの間に接続されるアイソレーション抵抗器と、第1スタブの両端間の第1点と第2スタブの両端間の第2点とから分岐して第1点と第2点との間を接続する第1回路とを含み、第1スタブの少なくとも一部と、第2スタブの少なくとも一部と、第1回路とは、第1共振回路を構築する。【選択図】図2

Description

本発明は、ウィルキンソン分配器、ウィルキンソン合成器、及び増幅器に関する。
従来より、入力線路から二分された2本の分配線路と、2本の分配線路の出力端子にそれぞれ接続される2本の出力線路とを含むウィルキンソン型電力分配器がある。2つの出力端子間には、アイソレーション抵抗器の接続用線路を介してアイソレーション抵抗器が接続されている。接続用線路はウィルキンソン型電力分配器の反射特性及びアイソレーション特性の劣化を招くため、アイソレーション抵抗器と接続用線路との間にコンデンサを挿入するとともに、2つの出力端子に2本のショートスタブをそれぞれ接続して、接続用線路のリアクタンスを打ち消している(例えば、特許文献1参照)。
特開2002-217615号公報 特開平11-330813号公報
ところで、従来のウィルキンソン型電力分配器は、接続用線路とは別に出力端子に接続されたショートスタブを用いてインピーダンスの調整を行っている。このようなショートスタブはリアクタンスが大きいため、インピーダンスの調整を効率的に行うことが困難になる。インピーダンスの調整を効率的に行えないと、ウィルキンソン型電力分配器のアイソレーション(分離)が劣化して通過帯域特性に影響が生じるため、伝送信号が透過可能な帯域が狭くなるおそれがある。また、このような問題は、ウィルキンソン合成器においても同様に生じるおそれがある。
そこで、広帯域化を図ったウィルキンソン分配器、ウィルキンソン合成器、及び増幅器を提供することを目的とする。
本開示のウィルキンソン分配器は、入力線路と、前記入力線路から分岐する第1分配線路及び第2分配線路と、前記第1分配線路の出力側の第1端部に接続される第1出力線路と、前記第2分配線路の出力側の第2端部に接続される第2出力線路と、前記第1端部に接続される第1スタブと、前記第2端部に接続される第2スタブと、前記第1スタブ及び前記第2スタブの間に接続されるアイソレーション抵抗器と、前記第1スタブの両端間の第1点と前記第2スタブの両端間の第2点とから分岐して前記第1点と前記第2点との間を接続する第1回路とを含み、前記第1スタブの少なくとも一部と、前記第2スタブの少なくとも一部と、前記第1回路とは、第1共振回路を構築する。
広帯域化を図ったウィルキンソン分配器、ウィルキンソン合成器、及び増幅器を提供することができる。
図1は、実施形態1のウィルキンソン分配器及びウィルキンソン合成器を含むパワーアンプの構成の一例を示す図である。 図2は、実施形態1のウィルキンソン分配器の構成の一例を示す図である。 図3は、実施形態1のウィルキンソン合成器の構成の一例を示す図である。 図4は、実施形態1のウィルキンソン分配器のインピーダンス特性を示すスミスチャートである。 図5は、比較用のウィルキンソン分配器のインピーダンス特性を示すスミスチャートである。 図6は、実施形態1のウィルキンソン分配器のS21パラメータの周波数特性を示す図である。 図7は、実施形態1のウィルキンソン分配器のS21パラメータの周波数特性を示す図である。 図8は、実施形態1のウィルキンソン分配器のS32パラメータの周波数特性を示す図である。 図9は、実施形態1の変形例のウィルキンソン分配器の構成の一例を示す図である。 図10は、実施形態2のウィルキンソン分配器の構成の一例を示す図である。 図11は、実施形態2のウィルキンソン合成器の構成の一例を示す図である。 図12は、実施形態2のウィルキンソン分配器のインピーダンス特性を示すスミスチャートである。 図13は、実施形態2のウィルキンソン分配器のS21パラメータの周波数特性を示す図である。 図14は、実施形態2のウィルキンソン分配器のS21パラメータの周波数特性を示す図である。 図15は、実施形態2のウィルキンソン分配器のS32パラメータの周波数特性を示す図である。
実施するための形態について、以下に説明する。
[本開示の実施形態の説明]
〔1〕 本開示の一態様に係るウィルキンソン分配器は、入力線路と、前記入力線路から分岐する第1分配線路及び第2分配線路と、前記第1分配線路の出力側の第1端部に接続される第1出力線路と、前記第2分配線路の出力側の第2端部に接続される第2出力線路と、前記第1端部に接続される第1スタブと、前記第2端部に接続される第2スタブと、前記第1スタブ及び前記第2スタブの間に接続されるアイソレーション抵抗器と、前記第1スタブの両端間の第1点と前記第2スタブの両端間の第2点とから分岐して前記第1点と前記第2点との間を接続する第1回路とを含み、前記第1スタブの少なくとも一部と、前記第2スタブの少なくとも一部と、前記第1回路とは、第1共振回路を構築する。
第1スタブの少なくとも一部と、第2スタブの少なくとも一部とが第1共振回路の一部分を構築するので、第1スタブの少なくとも一部と、第2スタブの少なくとも一部とを有効利用して効率的にインピーダンスを調整できる。この結果、アイソレーション(分離)特性が改善され、広帯域化を図ることができる。したがって、広帯域化を図ったウィルキンソン分配器を提供することができる。
〔2〕 〔1〕において、
前記第1共振回路の第1共振周波数は、前記入力線路に入力される伝送信号の中心周波数とは異なってもよい。第1共振周波数が中心周波数と異なることにより、アイソレーション(分離)特性がより改善され、より広帯域化を図ることができる。したがって、広帯域化を図ったウィルキンソン分配器を提供することができる。
〔3〕 〔2〕において、
前記第1共振周波数を含み前記第1共振回路が共振する第1周波数帯域は、前記入力線路に入力される伝送信号の中心周波数を含む周波数帯域とは異なってもよい。第1周波数帯域が中心周波数を含む周波数帯域と異なることにより、アイソレーション(分離)特性がさらに改善され、さらに広帯域化を図ることができる。したがって、中心周波数と異なる第1周波数帯域を利用して広帯域化を図ったウィルキンソン分配器を提供することができる。
〔4〕 〔3〕において、前記中心周波数を含む周波数帯域と、前記第1周波数帯域と、前記中心周波数を含む周波数帯域と前記第1周波数帯域との間の周波数帯域とにおける前記伝送信号の透過係数は所定値以下であってもよい。このため、中心周波数を含む周波数帯域と、第1周波数帯域と、これらの間の周波数帯域とにおける伝送信号の透過係数が所定値以下の連続した周波数帯域が得られ、広帯域化を図ることができる。
〔5〕 〔3〕又は〔4〕において、前記第1回路は、前記第1点と前記第2点との間を接続する第1線路と、前記第1線路に直列に挿入される第1コンデンサとを有し、前記第1周波数帯域は、前記第1スタブの少なくとも一部と前記第2スタブの少なくとも一部と前記第1線路とのリアクタンスと、前記第1コンデンサの静電容量とによって決定される周波数帯域であってもよい。第1スタブの少なくとも一部と第2スタブの少なくとも一部とのリアクタンスを利用して第1周波数帯域を決定するため、第1周波数帯域を決定するために追加する第1線路のリアンタンスを最小限に抑えることができる。
〔6〕 〔5〕において、前記第1共振回路は、前記第1スタブの少なくとも一部と、前記第2スタブの少なくとも一部と、前記第1線路と、前記第1コンデンサとによって実現されるLCLフィルタであってもよい。第1共振回路がLCLフィルタであるため、高調波の発生が抑制され、第1端部と第2端部との間におけるアイソレーションを効果的に改善することができる。
〔7〕 〔1〕~〔6〕のいずれか1つにおいて、前記第1点は、前記第1スタブの両端間の中点であり、前記第2点は、前記第2スタブの両端間の中点であってもよい。第1点が第1スタブの両端間の中点であるとともに、第2点が第2スタブの両端間の中点であることは、ウィルキンソン分配器に含まれる共振回路が第1共振回路のみであることを意味する。第1スタブの第1点の両側と、第2スタブの第2点の両側とが第1共振回路に含まれることになるからである。このため、簡易な構成でウィルキンソン分配器の広帯域化を効率的に図ることができる。
〔8〕 〔1〕~〔7〕のいずれか1つにおいて、前記第1回路は、前記第1スタブ、前記アイソレーション抵抗器、及び前記第2スタブに対して前記第1分配線路及び前記第2分配線路と同一側に配置されてもよい。第1スタブ、アイソレーション抵抗器、第2スタブ、第1分配線路、及び第2分配線路によって囲まれた領域に第1回路が配置されるため、ウィルキンソン分配器の小型化を図ることができる。
〔9〕 〔1〕~〔6〕のいずれか1つにおいて、前記第1スタブの両端間の第3点と前記第2スタブの両端間の第4点とから分岐して前記第3点と前記第4点との間を接続する第2回路をさらに含み、前記第1スタブのうちの前記少なくとも一部とは異なる他の少なくとも一部と、前記第2スタブのうちの前記少なくとも一部とは異なる他の少なくとも一部と、前記第2回路とは、前記中心周波数を含む周波数帯域とは異なる第2周波数帯域で共振する第2共振回路を構築してもよい。
第1スタブの他の少なくとも一部と、第2スタブの他の少なくとも一部とが第2共振回路の一部分を構築するので、第1共振回路によるインピーダンスの調整に加えて、第1スタブの他の少なくとも一部と、第2スタブの他の少なくとも一部とを有効利用して効率的にインピーダンスを調整できる。また、第2共振回路は、入力線路に入力される伝送信号の中心周波数を含む周波数帯域とは異なる第2周波数帯域で共振する。したがって、ウィルキンソン分配器のさらなる広帯域化を効率的に図ることができる。
〔10〕 〔9〕において、
前記第2共振回路の第2共振周波数は、前記入力線路に入力される伝送信号の中心周波数とは異なってもよい。第2共振周波数が中心周波数と異なることにより、アイソレーション(分離)特性がより改善され、より広帯域化を図ることができる。したがって、広帯域化を図ったウィルキンソン分配器を提供することができる。
〔11〕 〔10〕において、
前記第2共振周波数を含み前記第2共振回路が共振する第2周波数帯域は、前記中心周波数を含む周波数帯域とは異なってもよい。第2周波数帯域が中心周波数を含む周波数帯域と異なることにより、アイソレーション(分離)特性がさらに改善され、さらに広帯域化を図ることができる。したがって、中心周波数と異なる第1周波数帯域を利用して広帯域化を図ったウィルキンソン分配器を提供することができる。
〔12〕 〔3〕~〔5〕のいずれか1項において、前記第1スタブの両端間の第3点と前記第2スタブの両端間の第4点とから分岐して前記第3点と前記第4点との間を接続する第2回路をさらに含み、前記第1スタブの前記少なくとも一部とは異なる他の少なくとも一部と、前記第2スタブの前記少なくとも一部とは異なる他の少なくとも一部と、前記第2回路とは、前記中心周波数を含む周波数帯域とは異なる第2周波数帯域で共振する第2共振回路を構築し、前記中心周波数を含む周波数帯域は、前記第1周波数帯域と前記第2周波数帯域との間にあり、前記中心周波数を含む周波数帯域と、前記第1周波数帯域と、前記第2周波数帯域と、前記中心周波数を含む周波数帯域と前記第1周波数帯域との間の周波数帯域と、前記中心周波数を含む周波数帯域と前記第2周波数帯域との間の周波数帯域とにおける前記伝送信号の透過係数は所定値以下であってもよい。このため、中心周波数を含む周波数帯域と、第1周波数帯域と、第2周波数帯域と、中心周波数を含む周波数帯域と第1周波数帯域との間の周波数帯域と、中心周波数を含む周波数帯域と第2周波数帯域との間の周波数帯域とにおける伝送信号の透過係数が所定値以下の連続した周波数帯域が得られ、広帯域化を図ることができる。
〔13〕 〔11〕又は〔12〕において、前記第2回路は、前記第3点と前記第4点との間を接続する第2線路と、前記第2線路に直列に挿入される第2コンデンサとを有し、前記第2周波数帯域は、前記第1スタブの前記他の少なくとも一部と前記第2スタブの前記他の少なくとも一部と前記第2線路とのリアクタンスと、前記第2コンデンサの静電容量とによって決定される周波数帯域であってもよい。第1スタブの他の少なくとも一部と第2スタブの他の少なくとも一部とのリアクタンスを利用して第2周波数帯域を決定するため、第2周波数帯域を決定するために追加する第2線路のリアンタンスを最小限に抑えることができる。
〔14〕 〔13〕において、前記第2共振回路は、前記第1スタブの前記他の少なくとも一部と、前記第2スタブの前記他の少なくとも一部と、前記第2線路と、前記第2コンデンサとによって実現されるLCLフィルタであってもよい。第2共振回路がLCLフィルタであるため、高調波の発生を抑制し、第1端部と第2端部との間におけるアイソレーションを効果的に改善することができる。
〔15〕 〔9〕~〔14〕のいずれか1項において、前記第1回路は、前記第1スタブ、前記アイソレーション抵抗器、及び前記第2スタブに対して前記第1分配線路及び前記第2分配線路とは反対側に配置され、前記第2回路は、前記第1スタブ、前記アイソレーション抵抗器、及び前記第2スタブに対して前記第1分配線路及び前記第2分配線路と同一側に配置されてもよい。第1分配線路、第2分配線路、第1スタブ、第2スタブ、及びアイソレーション抵抗器によって囲まれる領域に第2回路を配置できるため、ウィルキンソン分配器が形成される基板等の面積を有効活用できるとともに、ウィルキンソン分配器の小型化を図ることができる。
〔16〕 〔15〕において、前記第1スタブの前記両端は、前記第1端部に接続される第1接続端と、前記アイソレーション抵抗器に接続される第3接続端とであり、前記第2スタブの前記両端は、前記第2端部に接続される第2接続端と、前記アイソレーション抵抗器に接続される第4接続端とであり、前記第1点及び前記第3点は、前記第1接続端から前記第3接続端にかけて前記第1点及び前記第3点の順に設けられており、前記第2点及び前記第4点は、前記第2接続端から前記第4接続端にかけて前記第2点及び前記第4点の順に設けられてもよい。第1スタブ及び第2スタブに対して、第1回路よりも第2回路がアイソレーション抵抗器に近い側で接続されるので、第2回路と第1分配線路及び第2分配線路との間隔を広く取ることができ、第2回路と第1分配線路及び第2分配線路とのカップリングを低減できる。また、この結果、より良好なインピーダンス特性を有するウィルキンソン分配器が得られる。
〔17〕 〔16〕において、
前記第1接続端と前記第1点との間の長さは、前記第1共振回路の第1共振周波数に対応した第1長さであり、前記第1点と前記第3点との間の長さは、前記第1長さと前記第2共振回路の第2共振周波数に対応した第2長さとの合計の長さであり、前記第3点と前記第3接続端との間の長さは、前記第2長さであり、前記第2接続端と前記第2点との間の長さは、前記第1長さであり、前記第2点と前記第4点との間の長さは、前記第1長さと前記第2長さとの合計の長さであり、前記第4点と前記第4接続端との間の長さは、前記第2長さであってもよい。このような長さに設定されることは、ウィルキンソン分配器に含まれる共振回路が第1共振回路及び第2共振回路のみであることを意味する。第1スタブ及び第2スタブの全体が第1共振回路及び第2共振回路に含まれることになるからである。このため、2つの共振回路を用いてインピーダンスの調整をよりきめ細かく行うことができ、さらなる広帯域化を図ることができる。
〔18〕 〔17〕において、前記第1長さは、前記第2長さよりも長くてもよい。第2回路を第1分配線路及び第2分配線路からさらに離すことができ、第2回路と第1分配線路及び第2分配線路とのカップリングをさらに低減できる。また、この結果、より良好なインピーダンス特性を有するウィルキンソン分配器が得られる。
〔19〕 本開示の一態様に係るウィルキンソン合成器は、出力線路と、前記出力線路に合流する第1合流線路及び第2合流線路と、前記第1合流線路の入力側の第1端部に接続される第1入力線路と、前記第2合流線路の入力側の第2端部に接続される第2入力線路と、前記第1端部に接続される第3スタブと、前記第2端部に接続される第4スタブと、前記第3スタブ及び前記第4スタブの間に接続されるアイソレーション抵抗器と、前記第3スタブの両端間の第5点と前記第4スタブの両端間の第6点とから分岐して前記第5点と前記第6点との間を接続する第3回路とを含み、前記第3スタブの少なくとも一部と、前記第4スタブの少なくとも一部と、前記第3回路とは、第3共振回路を構築する。
第3スタブの少なくとも一部と、第4スタブの少なくとも一部とが、第3共振回路の一部分を構築するので、第3スタブの少なくとも一部と、第4スタブの少なくとも一部とを有効利用して効率的にインピーダンスを調整できる。この結果、アイソレーション特性が改善され、広帯域化を図ることができる。したがって、広帯域化を図ったウィルキンソン合成器を提供することができる。
〔20〕 本開示の一態様に係る増幅器は、〔1〕に記載のウィルキンソン分配器と、〔19〕に記載のウィルキンソン合成器と、前記第1分配線路と前記第1合流線路との間に接続される第1増幅部と、前記第2分配線路と前記第2合流線路との間に接続される第2増幅部とを含む。
第1増幅部及び第2増幅部の入力側に接続されるウィルキンソン分配器において、第1スタブの少なくとも一部と、第2スタブの少なくとも一部とが、入力線路に入力される伝送信号の中心周波数を含む周波数帯域とは異なる第1周波数帯域で共振する第1共振回路の一部分を構築する。また、第1増幅部及び第2増幅部の出力側に接続されるウィルキンソン合成器において、第3スタブの少なくとも一部と、第4スタブの少なくとも一部とが、第1周波数帯域で共振する第3共振回路の一部分を構築する。このため、第1スタブの少なくとも一部と、第2スタブの少なくとも一部と、第3スタブの少なくとも一部と、第4スタブの少なくとも一部とを有効利用して効率的にインピーダンスを調整できる。この結果、アイソレーション特性が改善され、広帯域化を図ることができる。したがって、広帯域化を図った増幅器を提供することができる。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の実施形態について詳細に説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。
<実施形態1>
〔パワーアンプ10の構成〕
図1は、実施形態1のウィルキンソン分配器100X及びウィルキンソン合成器100Yを含むパワーアンプ10の構成の一例を示す図である。パワーアンプ10は増幅器の一例である。図1では、ウィルキンソン分配器100X及びウィルキンソン合成器100Yの詳細な回路構成を省略する。
パワーアンプ10は、一例として携帯電話基地局に設けられ、スマートフォン等の端末機に送信するための電波(伝送信号)を増幅する。複数の周波数帯域(複数バンド)の伝送信号を送信する携帯電話基地局において、一例として1台のパワーアンプ10で複数バンドの伝送信号を増幅可能にするために、パワーアンプ10には周波数帯域が広いこと(広帯域であること)が求められる。
パワーアンプ10は、ウィルキンソン分配器100X、アンプユニット50A、50B、及びウィルキンソン合成器100Yを含む。アンプユニット50Aは第1増幅部の一例であり、アンプユニット50Bは第2増幅部の一例である。
アンプユニット50A、50Bは、入力端子50A1、50B1と、出力端子50A2、50B2と、アンプ51A、51Bとをそれぞれ有する。アンプ51A、51Bの数は、一例として11個である。11個のアンプ51A、51Bは、入力側(図1における左側)から出力側(図1における右側)にかけて4段に分けてそれぞれ接続されている。
アンプユニット50Aについては、一例として入力側から見た1段目から4段目に、1個、2個、4個、4個のアンプ51Aがそれぞれ設けられている。図1において、各アンプ51Aが左側に入力端子を有し、右側に出力端子を有するものとすると、入力端子50A1には1段目の1個のアンプ51Aの入力端子が接続され、出力端子50A2には4段目の4個のアンプ51Aの出力端子が接続される。アンプユニット50Aの内部では、1段目の1個のアンプ51Aの出力端子に2個のアンプ51Aの入力端子が接続され、2段目の2個のアンプ51Aの出力端子に3段目の4個のアンプ51Aの入力端子が接続され、3段目の4個のアンプ51Aの出力端子に4段目の4個のアンプ51Aの入力端子が接続されている。
このような構成は、アンプユニット50Bのアンプ51Bについても同様である。入力端子50B1には1段目の1個のアンプ51Bの入力端子が接続される。出力端子50B2には4段目の4個のアンプ51Bの出力端子が接続される。
アンプ51A、51Bは、一例として、窒化ガリウム高電子移動度トランジスタ(GaN HEMT(Gallium Nitride High Electron Mobility Transistor)によって実現される。パワーアンプ10は、一例としてE帯(71GHz~76GHzの5GHzと81GHz~86GHzの5GHzの周波数帯域)を含む周波数帯域の伝送信号を増幅するために用いられる。E帯の伝送信号はミリ波帯(一例として、約30GHz~約300GHzの周波数帯)の伝送信号である。パワーアンプ10は、一例として携帯電話基地局に設けられるので、送信用の伝送信号の増幅率を増大させるために、GaN HEMTの周波数特性を考慮して複数段を直列に接続する構成を有する。なお、ここでは一例として、アンプユニット50A、50Bが4段接続の構成である形態について説明する。増幅率を増大させる観点からは、2段以上の複数段を接続する構成が好ましいが、アンプユニット50A、50Bの段数は何段であってもよい。また、伝送信号は、ミリ波帯に限らず、マイクロ波帯(一例として、約3GHz~約30GHzの周波数帯)の伝送信号であってもよい。
ウィルキンソン分配器100Xは、入力線路110Xと出力線路130A、130Bとを有する。入力線路110Xは、入力端子111Xを有する。ウィルキンソン合成器100Yは、出力線路110Yと入力線路130C、130Dとを有する。出力線路110Yは、出力端子111Yを有する。ウィルキンソン分配器100Xの出力線路130A、130Bは、アンプユニット50A及び50Bの入力端子50A1及び50B1にそれぞれ接続されている。ウィルキンソン合成器100Yの入力線路130C、130Dは、アンプユニット50A及び50Bの出力端子50A2及び50B2にそれぞれ接続されている。
アンプユニット50A、50Bは、互いの電波干渉を抑制する等の観点から、平面視において伝送信号の中心周波数の1波長程度の間隔(図1中におけるアンプユニット50A、50Bの上下方向の間隔)を隔てて配置されている。このため、出力線路130A、130B及び入力線路130C、130Dは、ある程度の長さを有する。パワーアンプ10の良好な伝送特性を得る観点からは出力線路130A、130B及び入力線路130C、130Dの長さは短いことが好ましいため、ウィルキンソン分配器100X及びウィルキンソン合成器100Yは、出力線路130A、130B及び入力線路130C、130Dの長さを短くするための工夫をしている。この工夫については後述する。
このようなパワーアンプ10において、入力端子111Xに入力される伝送信号は、ウィルキンソン分配器100Xで分配され、アンプユニット50で増幅され、ウィルキンソン合成器100Yで合成されて、出力端子111Yから出力される。
〔ウィルキンソン分配器100Xの構成〕
図2は、ウィルキンソン分配器100Xの構成の一例を示す図である。ウィルキンソン分配器100Xは、入力線路110X、分配線路120A、120B、出力線路130A、130B、スタブ140A、140B、アイソレーション抵抗器150X、及び回路160Xを含む。また、ウィルキンソン分配器100Xは、共振回路170A、170Bを含む。分配線路120Aは第1分配線路の一例であり、分配線路120Bは第2分配線路の一例である。出力線路130Aは第1出力線路の一例であり、出力線路130Bは第2出力線路の一例である。スタブ140Aは第1スタブの一例であり、スタブ140Bは第2スタブの一例である。回路160Xは第1回路の一例である。共振回路170A、170Bを合わせた1つの回路は、第1共振回路の一例である。
ウィルキンソン分配器100Xの構成要素のうち、入力線路110X、分配線路120A、120B、出力線路130A、130B、スタブ140A、140B、及び回路160Xの線路161A、161Bは、マイクロストリップラインによって構成される。このため、ウィルキンソン分配器100Xが形成される基板の反対側の面には、グランド電位の導電層(グランド層)が設けられる。以下では、ウィルキンソン分配器100Xが分配する伝送信号の中心周波数が、一例としてE帯に含まれる83GHzであることとし、以下では単に中心周波数と称す。
入力線路110Xは、入力端子111Xと分配線路120A、120Bとを接続する線路である。入力線路110Xの特性インピーダンスZ0は、一例として50Ωである。入力線路110Xの出力側の端部は、分配線路120A、120Bの入力側の端部121A、121Bにそれぞれ接続される。端部121A、121Bは、同一の位置に存在する。
分配線路120A及び120Bは、入力線路110Xの出力側の端部から二手に分岐している。分配線路120Aは、入力側の端部121Aと出力側の端部122Aとを有する。端部122Aは、第1端部の一例である。分配線路120Aの長さ(電気長)は、一例として中心周波数における波長の電気長λeの1/4(λe/4)である。分配線路120Aの特性インピーダンスは、√2×Z0である。Z0は50Ωであるため、√2×Z0は約70Ωである。分配線路120Bは、入力側の端部121Bと出力側の端部122Bとを有する。端部122Bは、第2端部の一例である。分配線路120Bの長さ及び特性インピーダンスは、分配線路120Aの長さ及び特性インピーダンスに等しい。
ここで、出力線路130A、130Bの長さをなるべく短くするための工夫として、分配線路120A、120Bの端部122A、122Bをアンプユニット50A、50Bの入力端子50A1、50B1(図1参照)に近づけている。このような工夫を行うと、端部122A、122Bとアイソレーション抵抗器150Xとの間が離れるため、端部122A、122Bとアイソレーション抵抗器150Xとの間にスタブ140A、140Bを設けている。なお、もしこのような工夫を行わずにスタブ140A、140Bを含まない場合には、出力線路130A、130Bの長さは、中心周波数における半波長程度の長さになり、ウィルキンソン分配器100Xのアイソレーション(分離)が劣化し通過帯域特性に影響が生じ、伝送信号が透過可能な帯域が狭くなるおそれがある。
しかしながら、スタブ140A、140Bを設けたままでは、端部122Aと端部122Bとの間におけるアイソレーション(分離)特性を劣化させてしまうため、本実施形態のウィルキンソン分配器100Xは、アイソレーション特性を改善するために、共振回路170A、170Bを用いている。共振回路170A、170Bの詳細については後述する。
出力線路130Aは、分配線路120Aの端部122Aに接続される入力側の端部と、出力端子131Aとを有する。出力端子131Aは、アンプユニット50Aの入力端子50A1(図1参照)に接続される。同様に、出力線路130Bは、分配線路120Bの端部122Bに接続される入力側の端部と、出力端子131Bとを有する。出力端子131Bは、アンプユニット50Bの入力端子50B1(図1参照)に接続される。
スタブ140Aは、端部122Aとアイソレーション抵抗器150Xとの間を接続する。スタブ140Aは、両端間で幅及び厚さが一定である。ここでは、スタブ140Aを線路141A、142Aに分けて説明する場合がある。例えば、線路141A、142Aは、互いに等しい長さを有し、リアクタンスも互いに等しい。線路141A、142Aの間の点140A1は、スタブ140Aの両端間の中点であり、第1点の一例である。スタブ140Aの長さは、一例として中心周波数λeの約1/8から約1/4である。なお、第1スタブの両端間の第1点という文言の第1点は、スタブ140Aの両端を含まず、スタブ140Aの長手方向における両端以外のいずれかの位置にある点である。実施形態1では、第1点の一例である点140A1は、一例としてスタブ140Aの両端間の中点である。
スタブ140Bは、端部122Bとアイソレーション抵抗器150Xとの間を接続する。スタブ140Bは、両端間で幅及び厚さが一定である。ここでは、スタブ140Bを線路141B、142Bに分けて説明する場合がある。例えば、スタブ140Bの長さはスタブ140Aの長さと等しい。また、例えば、線路141B、142Bの長さは、互いに等しく、線路141A、142Aの長さと同一である。このため、線路141B、142Bのリアクタンスは、互いに等しく、線路141A、142Aのリアクタンスと同一である。線路141B、142Bの間の点140B1は、スタブ140Bの両端間の中点であり、第2点の一例である。なお、第2スタブの両端間の第2点という文言の第2点は、スタブ140Bの両端を含まず、スタブ140Bの長手方向における両端以外のいずれかの位置にある点である。実施形態1では、第2点の一例である点140B1は、一例としてスタブ140Bの両端間の中点である。
アイソレーション抵抗器150Xは、スタブ140A、140Bの間に設けられている。アイソレーション抵抗器150Xは、端部122A、122Bの間のアイソレーションを確保するために設けられている。アイソレーション抵抗器150Xの抵抗値は、一例として100Ωである。このようなアイソレーション抵抗器150Xとしては、様々なものを用いることができるが、ここでは一例としてGaAs製の抵抗器を用いる。
回路160Xは、線路161A、161B、コンデンサ162A、162B、及びグランド端子163Xを有する。図2では、線路161A、161Bをブロックで示すが、線路161Aは、点140A1とグランド端子163Xとの間を接続しており、線路161Bは、点140B1とグランド端子163Xとの間を接続している。このため、コンデンサ162A、162Bは、実際には、線路161A、161Bにそれぞれ直列に挿入されている。例えば、線路161A、161Bの長さは互いに等しく、リアクタンスも互いに等しい。線路161A、161Bを合わせた1本の線路は、第1線路の一例である。また、コンデンサ162A、162Bの静電容量は互いに等しい。回路160Xは、点140A1、140B1の間で、グランド端子163Xに対して対称な構成を有する。
共振回路170Aは、スタブ140Aの線路141A、142Aと、回路160Xの線路161A及びコンデンサ162Aとグランド端子163Xとによって構築される共振回路であり、LCLフィルタである。つまり、所望の共振周波数近辺の信号成分を減衰させる働きがある。共振回路170Aに含まれるリアクタンス(L)は、線路141A、142Aと線路161Aとのリアクタンスであり、共振回路170Aの静電容量(C)は、コンデンサ162Aの静電容量である。
共振回路170Bは、スタブ140Bの線路141B、142Bと、回路160Xの線路161B及びコンデンサ162Bとグランド端子163Xとによって構築される共振回路であり、LCLフィルタである。つまり、所望の共振周波数近辺の信号成分を減衰させる働きがある。共振回路170Bに含まれるリアクタンス(L)は、線路141B、142Bと線路161Bとのリアクタンスであり、共振回路170Bの静電容量(C)は、コンデンサ162Bの静電容量である。
本実施形態の例では、線路141A、142A、141B、142Bのリアクタンスはすべて等しく、線路161A、161Bのリアクタンスは互いに等しく、コンデンサ162A、162Bの静電容量は互いに等しいため、共振回路170A及び170Bの共振周波数は互いに等しい。ここで、共振回路170A及び170Bの共振周波数をf1とすると、共振回路170A及び170Bは、共振周波数f1近辺の信号成分を減衰させる働きがある。共振周波数f1は第1共振周波数の一例である。共振周波数f1を含む周波数帯域は、第1周波数帯域の一例であり、中心周波数を含む周波数帯域であるE帯よりも低い帯域(71GHzよりも低い帯域)又は高い帯域(86GHzよりも高い帯域)である。ここでは一例として、共振周波数f1は58GHzであり、共振周波数f1を含む周波数帯域は、56GHz~61GHzの周波数帯域であることとする。このように、共振周波数f1を含む周波数帯域は、中心周波数を含む周波数帯域であるE帯とは異なる帯域である。また、共振周波数f1は、中心周波数とは異なる。
ここで、第1スタブの一例であるスタブ140Aと、第2スタブの一例であるスタブ140Bとについて、第1スタブの少なくとも一部と第2スタブの少なくとも一部という文言については次のように解釈すればよい。第1スタブの少なくとも一部と第2スタブの少なくとも一部と第1回路とは第1共振回路を構築するという文言には、スタブ140Aの全体とスタブ140Bの全体と第1回路(回路160X)とが第1共振回路(共振回路170A及び170B)を構築する場合が含まれる。第1実施形態では、スタブ140Aの全体と、スタブ140Bの全体とを用いて共振回路170A及び170Bを構築している。
〔ウィルキンソン合成器100Yの構成〕
図3は、ウィルキンソン合成器100Yの構成の一例を示す図である。ウィルキンソン合成器100Yは、図2に示すウィルキンソン分配器100Xの構成を左右で反転させた構成を有する。
ウィルキンソン合成器100Yは、出力線路110Y、合流線路120C、120D、入力線路130C、130D、スタブ140C、140D、アイソレーション抵抗器150Y、及び回路160Yを含む。また、ウィルキンソン合成器100Yは、共振回路170C、170Dを含む。合流線路120Cは第1合流線路の一例であり、合流線路120Dは第2合流線路の一例である。入力線路130Cは第1入力線路の一例であり、入力線路130Dは第2入力線路の一例である。スタブ140Cは第3スタブの一例であり、スタブ140Dは第4スタブの一例である。回路160Yは第3回路の一例である。共振回路170C、170Dを合わせた1つの回路は、第3共振回路の一例である。
ウィルキンソン合成器100Yの構成要素のうち、出力線路110Y、合流線路120C、120D、入力線路130C、130D、スタブ140C、140D、及び回路160Yの線路161C、161Dは、マイクロストリップラインによって構成される。このため、ウィルキンソン合成器100Yが形成される基板の反対側の面には、グランド電位の導電層(グランド層)が設けられる。ウィルキンソン合成器100Yが合成する伝送信号の中心周波数は、ウィルキンソン分配器100Xが分配する伝送信号の中心周波数と等しい。
出力線路110Yは、出力端子111Yと合流線路120C、120Dとを接続する線路である。出力線路110Yの入力側の端部は、合流線路120C、120Dの出力側の端部121C、121Dにそれぞれ接続される。端部121C、121Dは、同一の位置に存在する。
合流線路120C及び120Dは、出力線路110Yの入力側の端部に合流している。合流線路120Cは、出力側の端部121Cと入力側の端部122Cとを有する。端部122Cは、合流線路120Cの第1端部の一例である。合流線路120Cの長さ(電気長)は、分配線路120A、120Bの長さと等しく、一例として中心周波数における波長の電気長λeの1/4(λe/4)である。合流線路120Cの特性インピーダンスは、√2×Z0(約70Ω)である。合流線路120Dは、出力側の端部121Dと入力側の端部122Dとを有する。端部122Dは、合流線路120Dの第2端部の一例である。合流線路120Dの長さは、合流線路120Cの長さに等しい。
ここで、入力線路130C、130Dの長さをなるべく短くするための工夫として、合流線路120C、120Dの端部122C、122Dをアンプユニット50A、50Bの出力端子50A2、50B2(図1参照)に近づけている。このような工夫を行うと、端部122C、122Dとアイソレーション抵抗器150Yとの間が離れるため、端部122C、122Dとアイソレーション抵抗器150Yとの間にスタブ140C、140Dを設けている。なお、もし、このような工夫を行わずにスタブ140C、140Dを含まない場合には、出力線路130C、130Dの長さは、中心周波数における半波長程度の長さになり、ウィルキンソン分配器100Yのアイソレーション(分離)が劣化し通過帯域特性に影響が生じ、伝送信号が透過可能な帯域が狭くなるおそれがある。
しかしながら、スタブ140C、140Dを設けたままでは、端部122Cと端部122Dとの間におけるアイソレーション特性を劣化させてしまうため、本実施形態のウィルキンソン合成器100Yは、アイソレーション特性を改善するために、共振回路170C、170Dを用いている。共振回路170C、170Dの詳細については後述する。
入力線路130Cは、合流線路120Cの端部122Cに接続される出力側の端部と、入力端子131Cとを有する。入力端子131Cは、アンプユニット50Aの出力端子50A2(図1参照)に接続される。同様に、入力線路130Dは、合流線路120Dの端部122Dに接続される出力側の端部と、入力端子131Dとを有する。入力端子131Dは、アンプユニット50Bの出力端子50B2(図1参照)に接続される。
スタブ140Cは、端部122Cとアイソレーション抵抗器150Yとの間を接続する。スタブ140Cは、両端間で幅及び厚さが一定である。ここでは、スタブ140Cを線路141C、142Cに分けて説明する場合がある。線路141C、142Cは、第3スタブの少なくとも一部の一例である。スタブ140Cの長さは、スタブ140A、140B、140Dの長さと等しい。例えば、線路141C、142Cは、互いに等しい長さを有し、リアクタンスも互いに等しい。線路141C、142Cの間の点140C1は、スタブ140Cの両端間の中点であり、第3点の一例である。このため、線路141C、142Cの長さは、線路141A、141Aの長さと等しい。なお、第3スタブの両端間の第3点という文言の第3点は、スタブ140Cの両端を含まず、スタブ140Cの長手方向における両端以外のいずれかの位置にある点である。実施形態1では、第3点の一例である点140C1は、一例としてスタブ140Cの両端間の中点である。
スタブ140Dは、端部122Dとアイソレーション抵抗器150Yとの間を接続する。ここでは、スタブ140Dを線路141D、142Dに分けて説明する場合がある。線路141D、142Dは、第4スタブの少なくとも一部の一例である。例えば、線路141D、142Dの長さは、互いに等しく、線路141C、142Cの長さと同一である。このため、線路141D、142Dのリアクタンスは、互いに等しく、線路141C、142Cのリアクタンスと同一である。線路141D、142Dの間の点140D1は、スタブ140Dの両端間の中点であり、第4点の一例である。なお、第4スタブの両端間の第4点という文言の第4点は、スタブ140Dの両端を含まず、スタブ140Dの長手方向における両端以外のいずれかの位置にある点である。実施形態1では、第4点の一例である点140D1は、一例としてスタブ140Dの両端間の中点である。
アイソレーション抵抗器150Yは、スタブ140C、140Dの間に設けられている。アイソレーション抵抗器150Yは、端部122C、122Dの間のアイソレーションを確保するために設けられている。アイソレーション抵抗器150Yの構成及び抵抗値は、アイソレーション抵抗器150Xの構成及び抵抗値と等しい。
回路160Yは、線路161C、161D、コンデンサ162C、162D、及びグランド端子163Yを有する。図3では、線路161C、161Dをブロックで示すが、線路161Cは、点140C1とグランド端子163Yとの間を接続しており、線路161Dは、点140D1とグランド端子163Yとの間を接続している。このため、コンデンサ162C、162Dは、実際には、線路161C、161Dにそれぞれ直列に挿入されている。例えば、線路161C、161Dの長さは互いに等しく、線路161A、161Bの長さと同一である。このため、線路161A、161B、161C、161Dのリアクタンスは互いに等しい。また、コンデンサ162C、162Dの静電容量は互いに等しく、コンデンサ162A、162Bの静電容量と同一である。回路160Yは、回路160Xと同様に、点140C1、140D1の間で、グランド端子163Yに対して対称な構成を有する。
共振回路170Cは、スタブ140Cの線路141C、142Cと、回路160Yの線路161C及びコンデンサ162Cと、グランド端子163Yとによって構築される共振回路であり、LCLフィルタである。つまり、所望の共振周波数近辺の信号成分を減衰させる働きがある。共振回路170Cに含まれるリアクタンス(L)は、線路141C、142Cと線路161Cとのリアクタンスであり、共振回路170Cの静電容量(C)は、コンデンサ162Cの静電容量である。
共振回路170Dは、スタブ140Dの線路141D、142Dと、回路160Yの線路161D及びコンデンサ162Dとグランド端子163Yとによって構築される共振回路であり、LCLフィルタである。つまり、所望の共振周波数近辺の信号成分を減衰させる働きがある。共振回路170Dに含まれるリアクタンス(L)は、線路141D、142Dと線路161Dとのリアクタンスであり、共振回路170Dの静電容量(C)は、コンデンサ162Dの静電容量である。
本実施形態の例では、共振回路170A、170B、170C、及び170Dの共振周波数はすべて等しく、f1であり、共振回路170A、170B、170C、及び170Dは、共振周波数f1近辺の信号成分を減衰させる働きがある。共振周波数f1を含む周波数帯域は、第1周波数帯域の一例である。なお、第3スタブの一例であるスタブ140Cと、第4スタブの一例であるスタブ140Dとについて、第3スタブの少なくとも一部と第4スタブの少なくとも一部という文言については、ウィルキンソン分配器100Xにおける第1スタブの一例であるスタブ140Aと第2スタブの一例であるスタブ140Bとついての解釈と同様である。ウィルキンソン合成器100Yでは、スタブ140Cの全体とスタブ140Dの全体とを用いて共振回路170C及び170Dを構築している。
〔ウィルキンソン分配器100Xの動作特性〕
図4は、ウィルキンソン分配器100Xのインピーダンス特性を示すスミスチャートである。図5は、比較用のウィルキンソン分配器のインピーダンス特性を示すスミスチャートである。図6は、ウィルキンソン分配器100XのS21パラメータ(透過係数)の周波数特性を示す図である。図4及び図5に示すスミスチャートと図6に示すS21パラメータは、電磁界シミュレーションによって得たものである。比較用のウィルキンソン分配器は、特許文献1に記載のウィルキンソン型電力分配器に相当する構成を有する。具体的には、比較用のウィルキンソン分配器は、ウィルキンソン分配器100Xから回路160Xを取り除き、端部122A、122Bにショートスタブを1本ずつ追加するとともに、スタブ140Aとアイソレーション抵抗器150Xの間と、スタブ140Bとアイソレーション抵抗器150Xの間とにコンデンサを1つずつ直列に挿入した構成を有する。ショートスタブは、マイクロストリップラインによって実現される線路であり、端部122A、122Bに接続される端部とは反対側の端部は接地される。ショートスタブとコンデンサは、スタブ140A、140Bのリアクタンスを打ち消すために設けられる。
図4に示すように、ウィルキンソン分配器100Xでは、実軸上の約0.2の点A1から、スタブ140A、140B(線路141A、142A、141B、142B)のリアクタンスによって等抵抗円に沿って点B1に移動する。そして、線路161A、161Bとのリアクタンスとコンデンサ162A、162の静電容量との容量性のインピーダンスによって、点B1から等コンダクタンス円に沿って実軸上の約1.0の点C1に移動させることができる。ウィルキンソン分配器100Xでは、このように、共振回路170A、170Bを利用してインピーダンスを調整することができる。
また、図5に示すように、比較用のウィルキンソン分配器では、実軸上の約0.2の点A1からショートスタブのリアクタンス(スタブ140A、140Bに並列なショートスタブのリアクタンス)によって点B2に移動し、点B2からスタブ140A、140B(線路141A、142A、141B、142B)のリアクタンスによって点B3に移動する。そして、点B3からコンデンサによって点C1に移動する。このように、比較用のウィルキンソン分配器では、図4に示すウィルキンソン分配器100Xのスミスチャート上での動きに比べて、インピーダンスが実軸から大きく離れておりインピーダンスの調整を効率的に行えていない。ショートスタブがある分、インピーダンスの調整に無駄な動きが生じるからである。
また、図6において、横軸は周波数(GHz)を表し、縦軸はS21パラメータ(透過係数)の値(dB)を示す。図6に示すS21パラメータは、アイソレーション抵抗器150Xとスタブ140Aとの接続点(ポート2)から端部122A(ポート1)への通過特性を示す。また、ウィルキンソン分配器100XのS21パラメータを実線で示し、比較用のウィルキンソン分配器のS21パラメータを破線で示す。図6に示すように、ウィルキンソン分配器100Xは、比較用のウィルキンソン分配器に対して広帯域化が図られていることが分かる。
図7は、ウィルキンソン分配器100XのS21パラメータの周波数特性を示す図である。図7に示すS21パラメータは、電磁界シミュレーションによって得たものである。図7において、横軸は周波数(GHz)を表し、縦軸はS21パラメータ(透過係数)の値(dB)を示す。図7に示すS21パラメータは、入力端子111Xをポート1、出力端子131Aをポート2として得られるS21パラメータである。すなわち、図7に示すS21パラメータは、入力端子111Xから出力端子131Aへの伝送信号の分配特性を表す。図7において、横軸は周波数(GHz)を表し、縦軸はS21パラメータ(透過係数)の値(dB)を示す。
図7では、ウィルキンソン分配器100XのS21パラメータを実線で示し、比較用のウィルキンソン分配器のS21パラメータを破線で示す。また、一点鎖線で示すS21パラメータは、比較用のウィルキンソン分配器からショートスタブ2つと、スタブ140Aとアイソレーション抵抗器150Xの間と、140Bとアイソレーション抵抗器150Xの間とにそれぞれ1つずつ直列に挿入されたコンデンサを取り除いたウィルキンソン分配器(以下、第2の比較用のウィルキンソン分配器と称す)において、入力端子111Xをポート1、出力端子131Aをポート2として得られるS21パラメータである。
第2の比較用のウィルキンソン分配器(一点鎖線)に比べると、ウィルキンソン分配器100X(実線)と比較用のウィルキンソン分配器(破線)は、ともに分配特性が改善されているが、一例として-3.5dBで比べると、ウィルキンソン分配器100Xは、比較用のウィルキンソン分配器に比べて帯域が約5GHz広がっていることが分かる。ウィルキンソン分配器100XのS21パラメータは、E帯と、共振周波数f1を含む周波数帯域と、E帯と共振周波数f1を含む周波数帯域との間の周波数帯域(61GHzより高く、71GHzより低い周波数帯域)とにわたって-3.5dB以下である。-3.5dBは、透過係数の所定値の一例である。このように、E帯と、共振周波数f1を含む周波数帯域と、E帯と共振周波数f1を含む周波数帯域との間の周波数帯域とにわたって-3.5dB以下であるため、共振周波数f1を含む周波数帯域の最も低い周波数からE帯の最も高い周波数までの帯域で透過係数が十分に高い連続した帯域が得られ、広帯域化を図ることができる。
広帯域化はE帯よりも低い周波数帯域側で特に顕著であり、共振回路170A、170Bの共振周波数f1を含む周波数帯域(56GHz~61GHz)によって得られたものと考えられる。また、E帯よりも低い周波数帯域だけに限らず、61GHzよりも高い周波数帯域においても分配特性が改善されており、E帯よりも高い周波数帯域(86GHzよりも高い周波数帯域)でも分配特性が改善されている。このように、ウィルキンソン分配器100Xは、一例として56GHz~61GHzの周波数帯域で共振する共振回路170A、170Bを含むことによって広帯域化を実現できることが分かった。
図8は、ウィルキンソン分配器100XのS32パラメータの周波数特性を示す図である。図8に示すS32パラメータは、電磁界シミュレーションによって得たものである。図8において、横軸は周波数(GHz)を表し、縦軸はS32パラメータ(透過係数)の値(dB)を示す。図8に示すS32パラメータは、出力端子131Aをポート2、出力端子131Bをポート3として、ポート2とポート3との間での透過係数を表す。換言すれば、図8に示すS32パラメータは、ポート2とポート3との間のアイソレーション特性を表す。図7と同様に、ウィルキンソン分配器100XのS32パラメータを実線で示し、比較用のウィルキンソン分配器のS32パラメータを破線で示し、第2の比較用のウィルキンソン分配器のS32パラメータを一点鎖線で示す。
図8に示すように、ウィルキンソン分配器100X(実線)は、約95GHz以下では比較用のウィルキンソン分配器(破線)よりも2dB~3dB高いが、約95GHz以上では2dB~3dB低い値が得られている。50GHzから110GHzの全体にわたって、ウィルキンソン分配器100X(実線)は、第2の比較用のウィルキンソン分配器(一点鎖線)の最小値(約-11.5dB)よりも低く、良好なアイソレーション特性が得られていることが分かった。
ウィルキンソン分配器100Xでは、共振回路170A及び170Bの2つのLCLフィルタによって端部122Aと端部122Bとの間におけるアイソレーション特性が改善され、端部122Aと端部122Bとの間における通過帯域特性が改善される。また、共振回路170A及び170Bは、共振周波数f1を含む周波数帯域で共振する。このため、端部122Aと端部122Bとの間は高周波的には50Ωで終端されていることと等価になる。また、端部122Aと端部122Bとの間は、共振回路170A及び170Bが共振することによって高周波的には50Ωで終端されていることと等価になる。このような原理により、入力端子111Xに入力されるE帯と共振周波数f1を含む周波数帯域との伝送信号は分配線路120A、120Bで分配され、端部122A、122Bから同一位相の伝送信号が出力線路130A、130Bに出力される。したがって、E帯と共振周波数f1を含む周波数帯域とで伝送信号を伝送可能な広帯域なウィルキンソン分配器100Xが得られる。
また、ウィルキンソン合成器100Yは、ウィルキンソン分配器100Xの入力側と出力側とを反転させた動作を行うため、ウィルキンソン分配器100Xと同様に広帯域化が実現される。より具体的には、入力端子131C、131Dに入力線路130C、130Dにそれぞれ入力された同一位相の2つの伝送信号は、合流線路120C、120Dをそれぞれ伝送され、端部122C、122Dに同一位相で到達して合成され、出力線路110Yを経て出力端子111Yから出力される。このような動作は、E帯の伝送信号,及び、共振周波数f1を含む周波数帯域の伝送信号について同様に実現される。
したがって、広帯域化を図ったウィルキンソン分配器100X、ウィルキンソン合成器100Y、及びパワーアンプ10を提供することができる。
また、ウィルキンソン分配器100Xでは、スタブ140Aの線路141A、142A、及び、スタブ140Bの線路141B、142Bを共振回路170A及び170Bのリアクタンスの一部として利用することにより、回路160Xの線路161A、161Bを短くすることができ、線路161A、161Bのリアクタンスを最小限にすることができる。また、回路160Xの回路規模の小型化を図ることができる。
また、ウィルキンソン分配器100Xでは、共振回路170A及び170BがLCLフィルタであることによって、高調波の発生が抑制され、端部122Aと端部122Bとの間におけるアイソレーションを効果的に改善することができる。
また、ウィルキンソン分配器100Xでは、スタブ140A、140Bの点140A1、140B1が中点であるため、スタブ140A、140Bの全体を共振周波数f1の周波数帯域で共振する共振回路170A、170Bで利用することができ、簡易な構成のウィルキンソン分配器100Xを実現できる。
また、ウィルキンソン合成器100Yでは、スタブ140Cの線路141C、142C、及び、スタブ140Dの線路141D、142Dを共振回路170C及び170Dのリアクタンスの一部として利用することにより、回路160Yの線路161C、161Dを短くすることができ、線路161C、161Dのリアクタンスを最小限にすることができる。また、回路160Yの回路規模の小型化を図ることができる。また、共振回路170C及び170DがLCLフィルタであることによって、高調波の発生が抑制され、端部122Cと端部122Dとの間におけるアイソレーションを効果的に改善することができる。
また、ウィルキンソン合成器100Yでは、スタブ140C、140Dの点140C1、140D1が中点であるため、スタブ140C、140Dの全体を共振周波数f1の周波数帯域で共振する共振回路170C、170Dで利用することができ、簡易な構成のウィルキンソン合成器100Yを実現できる。
〔ウィルキンソン分配器100XMの構成〕
図9は、実施形態1の変形例のウィルキンソン分配器100XMの構成の一例を示す図である。ウィルキンソン分配器100XMは、回路160Xを分配線路120A、120B、スタブ140A、140B、及びアイソレーション抵抗器150Xで囲まれた領域に配置した点が図2に示すウィルキンソン分配器100Xと異なる。すなわち、回路160Xは、スタブ140A、140B、及びアイソレーション抵抗器150Xに対して、分配線路120A、120Bと同一側に配置されている。その他の構成は、図2に示すウィルキンソン分配器100Xと同様である。
このようなウィルキンソン分配器100XMは、図2に示すウィルキンソン分配器100Xと同様に広帯域化を実現できるとともに、小型化を図ることができる。また、ウィルキンソン合成器100Yについても、回路160Yをスタブ140C、140D、及びアイソレーション抵抗器150Yに対して、合流線路120C、120Dと同一側に配置することで、ウィルキンソン分配器100XMと同様に広帯域化と小型化を実現できる。図1に示すパワーアンプ10は、アンプユニット50A、50Bが多くのアンプ51A、51Bをそれぞれ含むため、ウィルキンソン分配器100X及びウィルキンソン合成器100Yの周囲は、スペースが限られている場合がある。このような場合に、ウィルキンソン分配器100XMと、ウィルキンソン分配器100XMと同様に小型化したウィルキンソン合成器とは、限られたスペースに配置し易いという利点がある。特に、ウィルキンソン合成器100Yが配置されるアンプユニット50A、50Bの出力側は、並列接続されるアンプ51A、51Bの数が入力側よりも多いため、スペースが限られる可能性が高い。このような場合に、小型化したウィルキンソン合成器は、非常に有用である。
<実施形態2>
実施形態2は、図1に示すパワーアンプ10のウィルキンソン分配器100X及びウィルキンソン合成器100Yにそれぞれ代替可能なウィルキンソン分配器200X(図10参照)及びウィルキンソン合成器200Y(図11参照)に関する。
〔ウィルキンソン分配器200Xの構成〕
図10は、ウィルキンソン分配器200Xの構成の一例を示す図である。ウィルキンソン分配器200Xは、実施形態1のウィルキンソン分配器100Xに回路260X2を追加するとともに、スタブ140A、140Bと回路160X(図2参照)の代わりに、スタブ240A、240Bと回路260X1を含む構成を有する。以下、実施形態1のウィルキンソン分配器100Xとの相違点を中心に説明する。
ウィルキンソン分配器200Xは、入力線路110X、分配線路120A、120B、出力線路130A、130B、スタブ240A、240B、アイソレーション抵抗器150X、及び回路260X1、260X2を含む。また、ウィルキンソン分配器200Xは、共振回路270A1、270B1、270A2、270B2を含む。スタブ240Aは第1スタブの一例であり、スタブ240Bは第2スタブの一例である。回路260X1は第1回路の一例であり、回路260X2は第2回路の一例である。共振回路270A1、270B1を合わせた1つの回路は、第1共振回路の一例であり、共振回路270A2、270B2を合わせた1つの回路は、第2共振回路の一例である。
スタブ240Aは、端部122Aとアイソレーション抵抗器150Xとの間を接続する。スタブ240Aは、両端間で幅及び厚さが一定である。ここでは、スタブ240Aを線路241A、242A、243A、244Aに分けて説明する場合がある。例えば、線路241A、242Aは、互いに等しい長さを有し、リアクタンスも互いに等しい。また、例えば、線路243A、244Aは、互いに等しい長さを有し、リアクタンスも互いに等しい。線路241A、242Aは、線路243A、244Aよりも長く、リアクタンスも大きい。
線路241A、242Aの間の点240A1は、第1点の一例であり、線路243A、244Aの間の点240A2は、第3点の一例である。点240A1と点240A2は、端部122Aからスタブ240Aがアイソレーション抵抗器150Xに接続される接続端にかけて、点240A1及び点240A2の順に設けられている。スタブ240Aが端部122Aに接続される接続端は第1接続端の一例であり、スタブ240Aがアイソレーション抵抗器150Xに接続される接続端は第3接続端の一例である。スタブ240Aの長さは、一例として中心周波数λeの約1/8から約1/4である。
線路241A、242Aは共振回路270A1に含まれ、線路243A、244Aは共振回路270A2に含まれる。線路241A、242Aはスタブ240Aの少なくとも一部の一例である。線路243A、244Aはスタブ240Aの少なくとも一部とは異なる他の少なくとも一部の一例である。線路241Aの長さは、共振回路270A1の共振周波数に対応した第1長さの一例である。線路244Aの長さは、共振回路270A2の共振周波数に対応した第2長さの一例である。線路242A及び243Aの合計の長さは、第1長さと第2長さの合計の長さの一例である。
スタブ240Bは、端部122Bとアイソレーション抵抗器150Xとの間を接続する。スタブ240Bは、両端間で幅及び厚さが一定である。ここでは、スタブ240Bを線路241B、242B、243B、244Bに分けて説明する場合がある。例えば、スタブ240Bの長さはスタブ240Aの長さと等しい。また、例えば、線路241B、242Bの長さは、互いに等しく、線路241A、242Aの長さと同一である。このため、線路241B、242Bのリアクタンスは、互いに等しく、線路241A、242Aのリアクタンスと同一である。また、例えば、線路243B、244Bの長さは、互いに等しく、線路243A、244Aの長さと同一である。このため、線路243B、244Bのリアクタンスは、互いに等しく、線路243A、244Aのリアクタンスと同一である。線路241B、242Bは、線路243B、244Bよりも長く、リアクタンスも大きい。
線路241B、242Bの間の点240B1は、第2点の一例であり、線路243B、244Bの間の点240B2は、第4点の一例である。点240B1と点240B2は、端部122Bからスタブ240Bがアイソレーション抵抗器150Xに接続される接続端にかけて、点240B1及び点240B2の順に設けられている。スタブ240Bが端部122Bに接続される接続端は第2接続端の一例であり、スタブ240Bがアイソレーション抵抗器150Xに接続される接続端は第4接続端の一例である。スタブ240Bの長さは、スタブ240Aと同一である。
線路241B、242Bは共振回路270B1に含まれ、線路243B、244Bは共振回路270B2に含まれる。線路241B、242Bはスタブ240Bの少なくとも一部の一例である。線路243B、244Bはスタブ240Bの少なくとも一部とは異なる他の少なくとも一部の一例である。共振回路270B1の共振周波数は共振回路270A1の共振周波数と等しく、共振回路270B2の共振周波数は共振回路270A2の共振周波数と等しい。線路241Bの長さは、共振回路270A1、270B1の共振周波数に対応した第1長さの一例である。線路244Bの長さは、共振回路270A2、270B2の共振周波数に対応した第2長さの一例である。線路242B及び243Bの合計の長さは、第1長さと第2長さの合計の長さの一例である。なお、アイソレーション抵抗器150Xは、スタブ240A、240Bの間に設けられている。
回路260X1は、線路261A、261B、コンデンサ262A、262B、及びグランド端子163Xを有する。回路260X1は、スタブ240A、240Bとアイソレーション抵抗器150Xに対して分配線路120A、120Bとは反対側に設けられている。図10では、線路261A、261Bをブロックで示すが、線路261Aは、点240A1とグランド端子163Xとの間を接続しており、線路261Bは、点240B1とグランド端子163Xとの間を接続している。このため、コンデンサ262A、262Bは、実際には、線路261A、261Bにそれぞれ直列に挿入されている。例えば、線路261A、261Bの長さは互いに等しく、リアクタンスも互いに等しい。線路261A、261Bは、第1線路の一例である。また、第1コンデンサの一例としてのコンデンサ262A、262Bの静電容量は互いに等しい。回路260X1は、点240A1、240B1の間で、グランド端子163Xに対して対称な構成を有する。線路261A、261Bのリアクタンスとコンデンサ262A、262Bの静電容量とは、図2に示す線路161A、161Bのリアクタンスとコンデンサ162A、162Bの静電容量とは異なる。
回路260X2は、線路263A、263B、コンデンサ264A、264B、及びグランド端子265Xを有する。回路260X2は、スタブ240A、240Bとアイソレーション抵抗器150Xに対して分配線路120A、120Bと同一側に設けられている。このように、スタブ240A、240B、アイソレーション抵抗器150X、及び分配線路120A、120Bに囲まれた領域に回路260X2を配置することにより、ウィルキンソン分配器200Xが形成される基板等の面積を有効活用できるとともに、ウィルキンソン分配器200Xの小型化を図ることができる。
図10では、線路263A、263Bをブロックで示すが、線路263Aは、点240A2とグランド端子265Xとの間を接続しており、線路263Bは、点240B2とグランド端子265Xとの間を接続している。このため、コンデンサ264A、264Bは、実際には、線路263A、263Bにそれぞれ直列に挿入されている。例えば、線路263A、263Bの長さは互いに等しく、リアクタンスも互いに等しい。線路263A、263Bは、第2線路の一例である。また、第2コンデンサの一例としてのコンデンサ264A、264Bの静電容量は互いに等しい。回路260X2は、点240A2、240B2の間で、グランド端子265Xに対して対称な構成を有する。線路263A、263Bの長さは、線路261A、261Bよりも短く、コンデンサ264A、264Bの静電容量は、コンデンサ261A、262Bの静電容量とは異なる。
なお、スタブ240A、240Bの点240A1、240B1よりもアイソレーション抵抗器150Xに近い点240A2、240B2に回路260X2を接続するのは次のような理由によるものである。回路260X2は、スタブ240A、240Bとアイソレーション抵抗器150Xに対して分配線路120A、120Bと同一側に設けられているため、分配線路120A、120Bから少しでも離すことによって、分配線路120A、120Bと、回路260X2とのカップリングを抑制又は低減するためである。また、スタブ240A、240Bの線路241A、242A、241B、242Bの長さを線路243A、244A、243B、244Bの長さよりも長くしたのは、回路260X2を分配線路120A、120Bから少しでも離すためである。分配線路120A、120Bと、回路260X2とのカップリングを抑制又は低減するためである。このような構成によって、回路260X2は、分配線路120A、120Bから離されている。
共振回路270A1は、スタブ240Aの線路241A、242Aと、回路260X1の線路261A及びコンデンサ262Aと、グランド端子163Xとによって構築される共振回路であり、LCLフィルタである。つまり、所望の共振周波数近辺の信号成分を減衰させる働きがある。共振回路270A1に含まれるリアクタンス(L)は、線路241A、242Aと線路261Aとのリアクタンスであり、共振回路270A1の静電容量(C)は、コンデンサ262Aの静電容量である。
共振回路270B1は、スタブ240Bの線路241B、242Bと、回路260X1の線路261B及びコンデンサ262Bと、グランド端子163Xとによって構築される共振回路であり、LCLフィルタである。つまり、所望の共振周波数近辺の信号成分を減衰させる働きがある。共振回路270B1に含まれるリアクタンス(L)は、線路241B、242Bと線路261Bとのリアクタンスであり、共振回路270B1の静電容量(C)は、コンデンサ262Bの静電容量である。
本実施形態の例では、線路241A、242A、241B、242Bのリアクタンスはすべて等しく、線路261A、261Bのリアクタンスは互いに等しく、コンデンサ262A、262Bの静電容量は互いに等しいため、共振回路270A1及び270B1の共振周波数は互いに等しい。ここで、共振回路270A1及び270B1の共振周波数をf1とすると、共振回路270A1及び270B1は、共振周波数f1近辺の信号成分を減衰させる働きがある。共振周波数f1は第1共振周波数の一例である。共振周波数f1を含む周波数帯域は、第1周波数帯域の一例であり、中心周波数を含む周波数帯域であるE帯よりも低い帯域(71GHzよりも低い帯域)又は高い帯域(86GHzよりも高い帯域)である。共振周波数f1と中心周波数とは異なる。ここでは一例として、共振周波数f1を含む周波数帯域は、56GHz~61GHzの周波数帯域であることとする。このように、共振周波数f1を含む周波数帯域は、中心周波数を含む周波数帯域であるE帯とは異なる帯域である。
共振回路270A2は、スタブ240Aの線路243A、244Aと、回路260X2の線路263A及びコンデンサ264Aと、グランド端子265Xとによって構築される共振回路であり、LCLフィルタである。つまり、所望の共振周波数近辺の信号成分を減衰させる働きがある。共振回路270A2に含まれるリアクタンス(L)は、線路243A、244Aと線路263Aとのリアクタンスであり、共振回路270A2の静電容量(C)は、コンデンサ264Aの静電容量である。
共振回路270B2は、スタブ240Bの線路243B、244Bと、回路260X2の線路263B及びコンデンサ264Bと、グランド端子265Xとによって構築される共振回路であり、LCLフィルタである。つまり、所望の共振周波数近辺の信号成分を減衰させる働きがある。共振回路270B2に含まれるリアクタンス(L)は、線路243B、244Bと線路263Bとのリアクタンスであり、共振回路270B2の静電容量(C)は、コンデンサ264Bの静電容量である。
本実施形態の例では、線路243A、244A、243B、244Bのリアクタンスはすべて等しく、線路263A、263Bのリアクタンスは互いに等しく、コンデンサ264A、264Bの静電容量は互いに等しいため、共振回路270A2及び270B2の共振周波数は互いに等しい。ここで、共振回路270A2及び270B2の共振周波数をf2とすると、共振回路270A2及び270B2は、共振周波数f2近辺の信号成分を減衰させる働きがある。共振周波数f2は第2共振周波数の一例である。共振周波数f2を含む周波数帯域は、第2周波数帯域の一例であり、中心周波数を含む周波数帯域であるE帯よりも低い帯域(71GHzよりも低い帯域)又は高い帯域(86GHzよりも高い帯域)である。ここでは一例として、共振周波数f2は98GHzであり、共振周波数f2を含む周波数帯域は、96GHz~101GHzの周波数帯域であることとする。このように、共振周波数f2を含む周波数帯域は、中心周波数を含む周波数帯域であるE帯とは異なる帯域である。また、ここでは、一例として、共振周波数f2を含む周波数帯域は、共振周波数f1を含む周波数帯域よりも高い。
共振周波数f2を含む周波数帯域を共振周波数f1を含む周波数帯域よりも高く設定したのは次のような理由によるものである。回路260X2を分配線路120A、120Bからなるべく離すために線路241A、242A、241B、242Bの長さを線路243A、244A、243B、244Bの長さよりも短くした。線路241A、242A、241B、242Bと線路243A、244A、243B、244Bとの幅及び厚さは一定であるため、線路243A、244A、243B、244Bのリアクタンスの方が線路241A、242A、241B、242Bのリアクタンスよりも小さい。このため、共振周波数f2を含む周波数帯域を共振周波数f1を含む周波数帯域よりも高くする方が設計しやすいからである。
〔ウィルキンソン合成器200Yの構成〕
図11は、ウィルキンソン合成器200Yの構成の一例を示す図である。ウィルキンソン合成器200Yは、実施形態1のウィルキンソン合成器100Yに回路260Y2を追加するとともに、スタブ140C、140Dと回路160Y(図3参照)の代わりに、スタブ240C、240Dと回路260Y1を含む構成を有する。以下、実施形態1のウィルキンソン合成器100Yとの相違点を中心に説明する。
ウィルキンソン合成器200Yは、出力線路110Y、合流線路120C、120D、入力線路130C、130D、スタブ240C、240D、アイソレーション抵抗器150Y、及び回路260Y1、260Y2を含む。また、ウィルキンソン合成器200Yは、共振回路270C1、270D1、270C2、270D2を含む。スタブ240Cは第3スタブの一例であり、スタブ240Dは第4スタブの一例である。回路260Y1は第3回路の一例であり、回路260Y2は第4回路の一例である。共振回路270C1、270D1を合わせた1つの回路は、第3共振回路の一例であり、共振回路270C2、270D2を合わせた1つの回路は、第4共振回路の一例である。
スタブ240Cは、端部122Cとアイソレーション抵抗器150Yとの間を接続する。スタブ240Cは、両端間で幅及び厚さが一定である。ここでは、スタブ240Cを線路241C、242C、243C、244Cに分けて説明する場合がある。例えば、線路241C、242Cは、互いに等しい長さを有し、リアクタンスも互いに等しい。また、例えば、線路243C、244Cは、互いに等しい長さを有し、リアクタンスも互いに等しい。また、例えば、線路241C、242Cは、線路243C、244Cよりも長く、リアクタンスも大きい。
線路241C、242Cの間の点240C1は、第5点の一例であり、線路243C、244Cの間の点240C2は、第7点の一例である。点240C1と点240C2は、端部122Cからスタブ240Cがアイソレーション抵抗器150Yに接続される接続端にかけて、点240C1及び点240C2の順に設けられている。スタブ240Cが端部122Cに接続される接続端は第5接続端の一例であり、スタブ240Cがアイソレーション抵抗器150Yに接続される接続端は第7接続端の一例である。スタブ240Cの長さは、一例として中心周波数λeの約1/8から約1/4である。なお、第3スタブの両端間の第5点という文言は、スタブ240Cの両端を含まず、スタブ240Cの長手方向における両端以外のいずれかの位置にある点である。これは第7点についても同様である。
線路241C、242Cは共振回路270C1に含まれ、線路243C、244Cは共振回路270C2に含まれる。線路241C、242Cはスタブ240Cの少なくとも一部の一例である。線路243C、244Cはスタブ240Cの少なくとも一部とは異なる他の少なくとも一部の一例である。線路241Cの長さは、共振回路270C1の共振周波数に対応した第1長さの一例である。線路244Cの長さは、共振回路270C2の共振周波数に対応した第2長さの一例である。線路242C及び243Cの合計の長さは、第1長さと第2長さの合計の長さの一例である。
スタブ240Dは、端部122Dとアイソレーション抵抗器150Yとの間を接続する。スタブ240Dは、両端間で幅及び厚さが一定である。ここでは、スタブ240Dを線路241D、242D、243D、244Dに分けて説明する場合がある。例えば、スタブ240Dの長さはスタブ240Cの長さと等しい。また、例えば、線路241D、242Dの長さは、互いに等しく、線路241C、242Cの長さと同一である。このため、線路241D、242Dのリアクタンスは、互いに等しく、線路241C、242Cのリアクタンスと同一である。また、例えば、線路243D、244Dの長さは、互いに等しく、線路243C、244Cの長さと同一である。このため、線路243D、244Dのリアクタンスは、互いに等しく、線路243C、244Cのリアクタンスと同一である。線路241D、242Dは、線路243D、244Dよりも長く、リアクタンスも大きい。
線路241D、242Dの間の点240D1は、第6点の一例であり、線路243D、244Dの間の点240D2は、第8点の一例である。点240D1と点240D2は、端部122Dからスタブ240Dがアイソレーション抵抗器150Yに接続される接続端にかけて、点240D1及び点240D2の順に設けられている。スタブ240Dが端部122Dに接続される接続端は第6接続端の一例であり、スタブ240Dがアイソレーション抵抗器150Yに接続される接続端は第8接続端の一例である。スタブ240Dの長さは、スタブ240Cと同一である。なお、第4スタブの両端間の第6点という文言は、スタブ240Dの両端を含まず、スタブ240Dの長手方向における両端以外のいずれかの位置にある点である。これは第8点についても同様である。
線路241D、242Dは共振回路270D1に含まれ、線路243D、244Dは共振回路270D2に含まれる。線路241D、242Dはスタブ240Dの少なくとも一部の一例である。線路243D、244Dはスタブ240Dの少なくとも一部とは異なる他の少なくとも一部の一例である。共振回路270D1の共振周波数は共振回路270C1の共振周波数と等しく、共振回路270D2の共振周波数は共振回路270C2の共振周波数と等しい。線路241Dの長さは、共振回路270C1、270D1の共振周波数に対応した第1長さの一例である。線路244Dの長さは、共振回路270C2、270D2の共振周波数に対応した第2長さの一例である。線路242D及び243Dの合計の長さは、第1長さと第2長さの合計の長さの一例である。なお、アイソレーション抵抗器150Yは、スタブ240C、240Dの間に設けられている。
回路260Y1は、線路261C、261D、コンデンサ262C、262D、及びグランド端子163Yを有する。回路260Y1は、スタブ240C、240Dとアイソレーション抵抗器150Yに対して合流線路120C、120Dとは反対側に設けられている。図11では、線路261C、261Dをブロックで示すが、線路261Cは、点240C1とグランド端子163Yとの間を接続しており、線路261Dは、点240D1とグランド端子163Yとの間を接続している。このため、コンデンサ262C、262Dは、実際には、線路261C、261Dにそれぞれ直列に挿入されている。線路261C、261Dの長さは互いに等しく、リアクタンスも互いに等しい。線路261C、261Dは、第3線路の一例である。また、第3コンデンサの一例としてのコンデンサ262C、262Dの静電容量は互いに等しい。回路260Y1は、点240C1、240D1の間で、グランド端子163Yに対して対称な構成を有する。線路261C、261Dのリアクタンスとコンデンサ262C、262Dの静電容量とは、図3に示す線路161C、161Dのリアクタンスとコンデンサ162C、162Dの静電容量とは異なる。
回路260Y2は、線路263C、263D、コンデンサ264C、264D、及びグランド端子265Yを有する。回路260Y2は、スタブ240C、240Dとアイソレーション抵抗器150Yに対して合流線路120C、120Dと同一側に設けられている。このように、スタブ240C、240D、アイソレーション抵抗器150Y、及び合流線路120C、120Dに囲まれた領域に回路260X2を配置することにより、ウィルキンソン合成器200Yが形成される基板等の面積を有効活用できるとともに、ウィルキンソン合成器200Yの小型化を図ることができる。
図11では、線路263C、263Dをブロックで示すが、線路263Cは、点240C2とグランド端子265Yとの間を接続しており、線路263Dは、点240D2とグランド端子265Yとの間を接続している。このため、コンデンサ264C、264Dは、実際には、線路263C、263Dにそれぞれ直列に挿入されている。線路263C、263Dの長さは互いに等しく、リアクタンスも互いに等しい。線路263C、263Dは、第4線路の一例である。また、第4コンデンサの一例としてのコンデンサ264C、264Dの静電容量は互いに等しい。回路260Y2は、点240C2、240D2の間で、グランド端子265Yに対して対称な構成を有する。線路263C、263Dの長さは、線路261C、261Dよりも短く、コンデンサ264C、264Dの静電容量は、コンデンサ261C、262Dの静電容量とは異なる。
なお、スタブ240C、240Dの点240C1、240D1よりもアイソレーション抵抗器150Yに近い点240C2、240D2に回路260Y2を接続するのは次のような理由によるものである。回路260Y2は、スタブ240C、240Dとアイソレーション抵抗器150Yに対して合流線路120C、120Dと同一側に設けられているため、合流線路120C、120Dから少しでも離すことによって、合流線路120C、120Dと、回路260Y2とのカップリングを抑制又は低減するためである。また、スタブ240C、240Dの線路241C、242C、241D、242Dの長さを線路243C、244C、243D、244Dの長さよりも長くしたのは、回路260Y2を合流線路120C、120Dから少しでも離すためである。合流線路120C、120Dと、回路260Y2とのカップリングを抑制又は低減するためである。このような構成によって、回路260Y2は、合流線路120C、120Dから離されている。
共振回路270C1は、スタブ240Cの線路241C、242Cと、回路260Y1の線路261C及びコンデンサ262Cと、グランド端子163Yとによって構築される共振回路であり、LCLフィルタである。つまり、所望の共振周波数近辺の信号成分を減衰させる働きがある。共振回路270C1に含まれるリアクタンス(L)は、線路241C、242Cと線路261Cとのリアクタンスであり、共振回路270C1の静電容量(C)は、コンデンサ262Cの静電容量である。
共振回路270D1は、スタブ240Dの線路241D、242Dと、回路260Y1の線路261D及びコンデンサ262Dと、グランド端子163Yとによって構築される共振回路であり、LCLフィルタである。つまり、所望の共振周波数近辺の信号成分を減衰させる働きがある。共振回路270D1に含まれるリアクタンス(L)は、線路241D、242Dと線路261Dとのリアクタンスであり、共振回路270D1の静電容量(C)は、コンデンサ262Dの静電容量である。
本実施形態の例では、線路241C、242C、241D、242Dのリアクタンスはすべて等しく、線路261C、261Dのリアクタンスは互いに等しく、コンデンサ262C、262Dの静電容量は互いに等しいため、共振回路270C1及び270D1の共振周波数は互いに等しい。ここで、共振回路270C1及び270D1の共振周波数をf1とすると、共振回路270C1及び270D1は、共振周波数f1近辺の信号成分を減衰させる働きがある。共振周波数f1は第1共振周波数の一例である。共振回路270C1及び270D1の共振周波数f1は、共振回路270A1及び270B1の共振周波数f1と同一であり、共振回路270C1及び270D1についての共振周波数f1を含む周波数帯域は、共振回路270A1及び270B1の共振周波数f1を含む周波数帯域と同一である。
共振回路270C2は、スタブ240Cの線路243C、244Cと、回路260Y2の線路263C及びコンデンサ264Cと、グランド端子265Xとによって構築される共振回路であり、LCLフィルタである。つまり、所望の共振周波数近辺の信号成分を減衰させる働きがある。共振回路270C2に含まれるリアクタンス(L)は、線路243C、244Cと線路263Cとのリアクタンスであり、共振回路270C2の静電容量(C)は、コンデンサ264Cの静電容量である。
共振回路270D2は、スタブ240Dの線路243D、244Dと、回路260Y2の線路263D及びコンデンサ264Dと、グランド端子265Xとによって構築される共振回路であり、LCLフィルタである。つまり、所望の共振周波数近辺の信号成分を減衰させる働きがある。共振回路270D2に含まれるリアクタンス(L)は、線路243D、244Dと線路263Dとのリアクタンスであり、共振回路270D2の静電容量(C)は、コンデンサ264Dの静電容量である。
本実施形態の例では、線路243C、244C、243D、244Dのリアクタンスはすべて等しく、線路263C、263Dのリアクタンスは互いに等しく、コンデンサ264C、264Dの静電容量は互いに等しいため、共振回路270C2及び270D2の共振周波数は互いに等しい。ここで、共振回路270C2及び270D2の共振周波数をf2とすると、共振回路270C2及び270D2は、共振周波数f2近辺の信号成分を減衰させる働きがある。共振周波数f2は第2共振周波数の一例である。共振回路270C2及び270D2の共振周波数f2は、共振回路270A2及び270B2の共振周波数f2と同一であり、共振回路270C2及び270D2についての共振周波数f2を含む周波数帯域は、共振回路270A2及び270B2の共振周波数f2を含む周波数帯域と同一である。
〔ウィルキンソン分配器200Xの動作特性〕
図12は、ウィルキンソン分配器200Xのインピーダンス特性を示すスミスチャートである。図12に示すスミスチャートは、電磁界シミュレーションによって得たものである。図12に示すように、実軸上の約0.2の点A1から、共振回路270A1、270B1のスタブ240Aの線路241A、242Aとスタブ240Bの線路241B、242Bとのリアクタンスによって等抵抗円に沿って点B2に移動する。そして、共振回路270A1、270B1の線路261A、261Bとのリアクタンスとコンデンサ262A、262の静電容量との容量性のインピーダンスによって、点B2から等コンダクタンス円に沿って実軸上の約0.5の点B3に移動する。さらに、点B3から共振回路270A2、270B2のスタブ240Aの線路243A、244Aとスタブ240Bの線路243B、244Bとのリアクタンスによって等抵抗円に沿って点B4に移動する。そして、共振回路270A2、270B2の線路263A、263Bとのリアクタンスとコンデンサ264A、264の静電容量との容量性のインピーダンスによって、点B4から等コンダクタンス円に沿って実軸上の約0.5の点C1に移動させることができる。ウィルキンソン分配器200Xでは、このように、共振回路270A1、270B1と共振回路270A2、270B2とを利用して、実施形態1のウィルキンソン分配器100Xよりもさらに実軸に近い位置で効率的にインピーダンスを調整することができる。
図13は、ウィルキンソン分配器200XのS21パラメータの周波数特性を示す図である。図13に示すS21パラメータは、電磁界シミュレーションによって得たものである。図13において、横軸は周波数(GHz)を表し、縦軸はS21パラメータ(透過係数)の値(dB)を示す。図13に示すS21パラメータは、アイソレーション抵抗器150Xとスタブ240Aとの接続点(ポート2)から端部122A(ポート1)への通過特性を示す。また、ウィルキンソン分配器200XのS21パラメータを実線で示し、実施形態1のウィルキンソン分配器100X(図2参照)のS21パラメータを破線で示す。図13に示すように、ウィルキンソン分配器200Xは、実施形態1のウィルキンソン分配器100Xよりもさらに広帯域化が図られていることが分かる。
図14は、ウィルキンソン分配器200XのS21パラメータの周波数特性を示す図である。図14に示すS21パラメータは、電磁界シミュレーションによって得たものである。図14に示すS21パラメータは、入力端子111Xをポート1、出力端子131Aをポート2として得られるS21パラメータである。すなわち、図14に示すS21パラメータは、入力端子111Xから出力端子131Aへの伝送信号の分配特性を表す。図14において、横軸は周波数(GHz)を表し、縦軸はS21パラメータ(透過係数)の値(dB)を示す。
図14では、ウィルキンソン分配器200XのS21パラメータを実線で示し、実施形態1のウィルキンソン分配器100XのS21パラメータを破線で示し、比較用のウィルキンソン分配器のS21パラメータを一点鎖線で示す。比較用のウィルキンソン分配器は、実施形態1で図5を用いてスミスチャートを説明したものと同一である。
一例として-3.5dBで比べると、ウィルキンソン分配器200Xは、比較用のウィルキンソン分配器に比べて帯域が約10GHz広がっており、実施形態1のウィルキンソン分配器100Xよりも約5GHz広げることが分かる。ウィルキンソン分配器200XのS21パラメータは、E帯と、共振周波数f1を含む周波数帯域と、E帯と共振周波数f1を含む周波数帯域との間の周波数帯域(61GHzより高く、71GHzより低い周波数帯域)と、共振周波数f2を含む周波数帯域と、E帯と共振周波数f2を含む周波数帯域との間の周波数帯域(86GHzよりも高い周波数帯域)とにわたって-3.5dB以下である。-3.5dBは、透過係数の所定値の一例である。このように、共振周波数f1を含む周波数帯域の最も低い周波数から共振周波数f2を含む周波数帯域の最も高い周波数までの帯域で透過係数が十分に低い連続した帯域が得られ、広帯域化を図ることができる。
図15は、ウィルキンソン分配器200XのS32パラメータの周波数特性を示す図である。図15に示すS32パラメータは、電磁界シミュレーションによって得たものである。図15において、横軸は周波数(GHz)を表し、縦軸はS32パラメータ(透過係数)の値(dB)を示す。図15に示すS32パラメータは、出力端子131Aをポート2、出力端子131Bをポート3として、ポート2とポート3との間での透過係数を表す。換言すれば、図15に示すS32パラメータは、ポート2とポート3との間のアイソレーション特性を表す。図15では、ウィルキンソン分配器200XのS32パラメータを実線で示し、実施形態1のウィルキンソン分配器100XのS32パラメータを破線で示し、比較用のウィルキンソン分配器のS32パラメータを一点鎖線で示す。
ウィルキンソン分配器200XのS32パラメータ(実線)は、実施形態1のウィルキンソン分配器100X(破線)よりもすべての周波数帯域で低い値を示し、約70GHz~約85GHzの帯域において比較用のウィルキンソン分配器のS32パラメータ(一点鎖線)と同等であるが、約70GHz以下と約85GHz以上の周波数帯域では比較用のウィルキンソン分配器のS32パラメータ(一点鎖線)よりも低い値を示している。このように、ウィルキンソン分配器200Xの良好なアイソレーション特性は、2種類の周波数帯域で共振する共振回路270A1、270B1と共振回路270A2、270B2によって得られたものと考えられる。
ウィルキンソン分配器200Xは、一例として56GHz~61GHzの周波数帯域で共振する共振回路270A1、270B1と、96GHz~101GHzの周波数帯域で共振する共振回路270A2、270B2とを含むことによって、実施形態1のウィルキンソン分配器100Xよりもさらに広帯域化を実現できることが分かった。
ウィルキンソン分配器200Xでは、共振回路270A1、270B1の2つのLCLフィルタと、共振回路270A2、270B2の2つのLCLフィルタとによって端部122Aと端部122Bとの間におけるアイソレーション特性が改善され、端部122Aと端部122Bとの間における通過帯域特性が改善される。また、共振回路270A1、270B1は共振周波数f1を含む周波数帯域で共振し、共振回路270A2、270B2は共振周波数f2を含む周波数帯域で共振する。このため、E帯と共振周波数f1を含む周波数帯域と共振周波数f2を含む周波数帯域との伝送信号は、端部122Aと端部122Bとの間では分配線路120A、120Bを経由して逆位相になって打ち消し合い、端部122Aと端部122Bとの間は高周波的には50Ωで終端されていることと等価になる。このような原理により、入力端子111Xに入力されるE帯と共振周波数f1を含む周波数帯域と共振周波数f2を含む周波数帯域との伝送信号は分配線路120A、120Bで分配され、端部122A、122Bから同一位相の伝送信号が出力線路130A、130Bに出力される。したがって、E帯と共振周波数f1を含む周波数帯域と共振周波数f2を含む周波数帯域とで伝送信号を伝送可能な広帯域なウィルキンソン分配器200Xが得られる。
また、ウィルキンソン合成器200Y(図11参照)は、ウィルキンソン分配器200Xの入力側と出力側とを反転させた動作を行うため、ウィルキンソン分配器200Xと同様に広帯域化が実現される。より具体的には、入力端子131C、131Dに入力線路130C、130Dにそれぞれ入力された同一位相の2つの伝送信号は、合流線路120C、120Dをそれぞれ伝送され、端部122C、122Dに同一位相で到達して合成され、出力線路110Yを経て出力端子111Yから出力される。このような動作は、E帯の伝送信号、共振周波数f1を含む周波数帯域の伝送信号、及び共振周波数f2を含む周波数帯域の伝送信号について同様に実現される。
したがって、広帯域化を図ったウィルキンソン分配器200X、ウィルキンソン合成器200Y、及びこれらを含むパワーアンプを提供することができる。ウィルキンソン分配器200Xでは、2種類の周波数帯域に対応した共振回路270A1、270B1、270A2、270B2を含むことにより、インピーダンスの調整をよりきめ細かく行うことができ、さらなる広帯域化を実現できる。また、ウィルキンソン合成器200Yでは、2種類の周波数帯域に対応した共振回路270C1、270D1、270C2、270D2を含むことにより、インピーダンスの調整をよりきめ細かく行うことができ、さらなる広帯域化を実現できる。
また、ウィルキンソン分配器200Xでは、スタブ240Aの線路241A、242A、及び、スタブ240Bの線路241B、242Bを共振回路270A1及び270B1のリアクタンスの一部として利用することにより、回路260X1の線路261A、261Bを短くすることができ、線路261A、261Bのリアクタンスを最小限にすることができる。また、回路260X1の回路規模の小型化を図ることができる。同様に、スタブ240Aの線路243A、244A、及び、スタブ240Bの線路243B、244Bを共振回路270A2及び270B2のリアクタンスの一部として利用することにより、回路260X2の線路263A、263Bを短くすることができ、線路263A、263Bのリアクタンスを最小限にすることができる。また、回路260X2の回路規模の小型化を図ることができる。
また、ウィルキンソン分配器200Xでは、共振回路270A1、270B1、270A2、270B2がLCLフィルタであることによって、高調波の発生が抑制され、端部122Aと端部122Bとの間におけるアイソレーションを効果的に改善することができる。
また、ウィルキンソン合成器200Yでは、スタブ240Cの線路241C、242C、及び、スタブ240Dの線路241D、242Dを共振回路270C1及び270D1のリアクタンスの一部として利用することにより、回路260Y1の線路261C、261Dを短くすることができ、線路261C、261Dのリアクタンスを最小限にすることができる。また、回路260Y1の回路規模の小型化を図ることができる。同様に、スタブ240Cの線路243C、244C、及び、スタブ240Dの線路243D、244Dを共振回路270C2及び270D2のリアクタンスの一部として利用することにより、回路260Y2の線路263C、263Dを短くすることができ、線路263C、263Dのリアクタンスを最小限にすることができる。また、回路260Y2の回路規模の小型化を図ることができる。
また、ウィルキンソン合成器200Yでは、共振回路270C1、270D1、270C2、270D2がLCLフィルタであることによって、高調波の発生が抑制され、端部122Cと端部122Dとの間におけるアイソレーションを効果的に改善することができる。
なお、実施形態2では、回路260X2がスタブ240A、240B及びアイソレーション抵抗器150Xに対して分配線路120A、120Bと同一側にあるとともに、回路260Y2がスタブ240C、240D及びアイソレーション抵抗器150Yに対して合流線路120C、120Dと同一側にある形態について説明した。しかしながら、カップリング等の問題が生じなければ、回路260X1がスタブ240A、240B及びアイソレーション抵抗器150Xに対して分配線路120A、120Bと同一側にあるとともに、回路260Y1がスタブ240C、240D及びアイソレーション抵抗器150Yに対して合流線路120C、120Dと同一側にあってもよい。この場合に、回路260X2はスタブ240A、240B及びアイソレーション抵抗器150Xに対して分配線路120A、120Bと反対側にあるとともに、回路260Y2はスタブ240C、240D及びアイソレーション抵抗器150Yに対して合流線路120C、120Dと反対側にあればよい。
また、2種類の周波数帯域で共振する共振回路270A1、270B1と共振回路270A2、270B2とを含むウィルキンソン分配器200Xと、2種類の周波数帯域で共振する共振回路270C1、270C1と共振回路270C2、270C2とを含むウィルキンソン合成器200Yとについて説明した。しかしながら、ウィルキンソン分配器200Xとウィルキンソン合成器200Yは、3種類以上の周波数帯域で共振する共振回路を含んでもよい。
以上、本発明の例示的な実施形態のウィルキンソン分配器、ウィルキンソン合成器、及び増幅器について説明したが、本発明は、具体的に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
10 パワーアンプ
50A、50B アンプユニット
100X、100XM、200X ウィルキンソン分配器
110X 入力線路
120A、120B 分配線路
121A、121B 端部
130A、130B 出力線路
140A、140B、240A、240B スタブ
141A、142A、141B、142B、241A、242A、243A、244A、241B、242B、243B、244B 線路
140A1、140B1、240A1、240A2、240B1、240B2 点
150X アイソレーション抵抗器
160X、260X1、260X2 回路
161A、161B、261A、261B、263A、263B 線路
162A、162B、262A、262B、264A、264B コンデンサ
170A、170B、270A1、270B1、270A2、270B2 共振回路
100Y、200Y ウィルキンソン合成器
110Y 出力線路
120C、120D 合流線路
121C、121D 端部
130C、130D 入力線路
140C、140D、240C、240D スタブ
141C、142C、241C、242C、243C、244C、241D、242D、243D、244D 線路
140C1、140D1、240C1、240C2、240D1、240D2 点
141D、142D 線路
150Y アイソレーション抵抗器
160Y、260Y1、260Y2 回路
161C、161D、261C、261D、263C、263D 線路
162C、162D、262C、262D、264C、264D コンデンサ
170C、170D、270C1、270D1、270C2、270D2 共振回路

Claims (20)

  1. 入力線路と、
    前記入力線路から分岐する第1分配線路及び第2分配線路と、
    前記第1分配線路の出力側の第1端部に接続される第1出力線路と、
    前記第2分配線路の出力側の第2端部に接続される第2出力線路と、
    前記第1端部に接続される第1スタブと、
    前記第2端部に接続される第2スタブと、
    前記第1スタブ及び前記第2スタブの間に接続されるアイソレーション抵抗器と、
    前記第1スタブの両端間の第1点と前記第2スタブの両端間の第2点とから分岐して前記第1点と前記第2点との間を接続する第1回路と
    を含み、
    前記第1スタブの少なくとも一部と、前記第2スタブの少なくとも一部と、前記第1回路とは、第1共振回路を構築する、ウィルキンソン分配器。
  2. 前記第1共振回路の第1共振周波数は、前記入力線路に入力される伝送信号の中心周波数とは異なる、請求項1に記載のウィルキンソン分配器。
  3. 前記第1共振周波数を含み前記第1共振回路が共振する第1周波数帯域は、前記入力線路に入力される伝送信号の中心周波数を含む周波数帯域とは異なる、請求項2に記載のウィルキンソン分配器。
  4. 前記中心周波数を含む周波数帯域と、前記第1周波数帯域と、前記中心周波数を含む周波数帯域と前記第1周波数帯域との間の周波数帯域とにおける前記伝送信号の透過係数は所定値以下である、請求項3に記載のウィルキンソン分配器。
  5. 前記第1回路は、前記第1点と前記第2点との間を接続する第1線路と、前記第1線路に直列に挿入される第1コンデンサとを有し、
    前記第1周波数帯域は、前記第1スタブの少なくとも一部と前記第2スタブの少なくとも一部と前記第1線路とのリアクタンスと、前記第1コンデンサの静電容量とによって決定される周波数帯域である、請求項3又は請求項4に記載のウィルキンソン分配器。
  6. 前記第1共振回路は、前記第1スタブの少なくとも一部と、前記第2スタブの少なくとも一部と、前記第1線路と、前記第1コンデンサとによって実現されるLCLフィルタである、請求項5に記載のウィルキンソン分配器。
  7. 前記第1点は、前記第1スタブの両端間の中点であり、前記第2点は、前記第2スタブの両端間の中点である、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のウィルキンソン分配器。
  8. 前記第1回路は、前記第1スタブ、前記アイソレーション抵抗器、及び前記第2スタブに対して前記第1分配線路及び前記第2分配線路と同一側に配置される、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のウィルキンソン分配器。
  9. 前記第1スタブの両端間の第3点と前記第2スタブの両端間の第4点とから分岐して前記第3点と前記第4点との間を接続する第2回路をさらに含み、
    前記第1スタブの前記少なくとも一部とは異なる他の少なくとも一部と、前記第2スタブの前記少なくとも一部とは異なる他の少なくとも一部と、前記第2回路とは、第2共振回路を構築する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のウィルキンソン分配器。
  10. 前記第2共振回路の第2共振周波数は、前記入力線路に入力される伝送信号の中心周波数とは異なる、請求項9に記載のウィルキンソン分配器。
  11. 前記第2共振周波数を含み前記第2共振回路が共振する第2周波数帯域は、前記中心周波数を含む周波数帯域とは異なる、請求項10に記載のウィルキンソン分配器。
  12. 前記第1スタブの両端間の第3点と前記第2スタブの両端間の第4点とから分岐して前記第3点と前記第4点との間を接続する第2回路をさらに含み、
    前記第1スタブの前記少なくとも一部とは異なる他の少なくとも一部と、前記第2スタブの前記少なくとも一部とは異なる他の少なくとも一部と、前記第2回路とは、前記中心周波数を含む周波数帯域とは異なる第2周波数帯域で共振する第2共振回路を構築し、
    前記中心周波数を含む周波数帯域は、前記第1周波数帯域と前記第2周波数帯域との間にあり、
    前記中心周波数を含む周波数帯域と、前記第1周波数帯域と、前記第2周波数帯域と、前記中心周波数を含む周波数帯域と前記第1周波数帯域との間の周波数帯域と、前記中心周波数を含む周波数帯域と前記第2周波数帯域との間の周波数帯域とにおける前記伝送信号の透過係数は所定値以下である、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載のウィルキンソン分配器。
  13. 前記第2回路は、前記第3点と前記第4点との間を接続する第2線路と、前記第2線路に直列に挿入される第2コンデンサとを有し、
    前記第2周波数帯域は、前記第1スタブの前記他の少なくとも一部と前記第2スタブの前記他の少なくとも一部と前記第2線路とのリアクタンスと、前記第2コンデンサの静電容量とによって決定される周波数帯域である、請求項11又は請求項12に記載のウィルキンソン分配器。
  14. 前記第2共振回路は、前記第1スタブの前記他の少なくとも一部と、前記第2スタブの前記他の少なくとも一部と、前記第2線路と、前記第2コンデンサとによって実現されるLCLフィルタである、請求項13に記載のウィルキンソン分配器。
  15. 前記第1回路は、前記第1スタブ、前記アイソレーション抵抗器、及び前記第2スタブに対して前記第1分配線路及び前記第2分配線路とは反対側に配置され、前記第2回路は、前記第1スタブ、前記アイソレーション抵抗器、及び前記第2スタブに対して前記第1分配線路及び前記第2分配線路と同一側に配置される、請求項9から請求項14のいずれか1項に記載のウィルキンソン分配器。
  16. 前記第1スタブの前記両端は、前記第1端部に接続される第1接続端と、前記アイソレーション抵抗器に接続される第3接続端とであり、
    前記第2スタブの前記両端は、前記第2端部に接続される第2接続端と、前記アイソレーション抵抗器に接続される第4接続端とであり、
    前記第1点及び前記第3点は、前記第1接続端から前記第3接続端にかけて前記第1点及び前記第3点の順に設けられており、
    前記第2点及び前記第4点は、前記第2接続端から前記第4接続端にかけて前記第2点及び前記第4点の順に設けられている、請求項15に記載のウィルキンソン分配器。
  17. 前記第1接続端と前記第1点との間の長さは、前記第1共振回路の第1共振周波数に対応した第1長さであり、
    前記第1点と前記第3点との間の長さは、前記第1長さと前記第2共振回路の第2共振周波数に対応した第2長さとの合計の長さであり、
    前記第3点と前記第3接続端との間の長さは、前記第2長さであり、
    前記第2接続端と前記第2点との間の長さは、前記第1長さであり、
    前記第2点と前記第4点との間の長さは、前記第1長さと前記第2長さとの合計の長さであり、
    前記第4点と前記第4接続端との間の長さは、前記第2長さである、請求項16に記載のウィルキンソン分配器。
  18. 前記第1長さは、前記第2長さよりも長い、請求項17に記載のウィルキンソン分配器。
  19. 出力線路と、
    前記出力線路に合流する第1合流線路及び第2合流線路と、
    前記第1合流線路の入力側の第1端部に接続される第1入力線路と、
    前記第2合流線路の入力側の第2端部に接続される第2入力線路と、
    前記第1端部に接続される第3スタブと、
    前記第2端部に接続される第4スタブと、
    前記第3スタブ及び前記第4スタブの間に接続されるアイソレーション抵抗器と、
    前記第3スタブの両端間の第5点と前記第4スタブの両端間の第6点とから分岐して前記第5点と前記第6点との間を接続する第3回路と
    を含み、
    前記第3スタブの少なくとも一部と、前記第4スタブの少なくとも一部と、前記第3回路とは、第3共振回路を構築する、ウィルキンソン合成器。
  20. 請求項1に記載のウィルキンソン分配器と、
    請求項19に記載のウィルキンソン合成器と、
    前記第1分配線路と前記第1合流線路との間に接続される第1増幅部と、
    前記第2分配線路と前記第2合流線路との間に接続される第2増幅部と
    を含む、増幅器。
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