JP2022121905A - 樹脂組成物 - Google Patents

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Yuki Yokoyama
洸太 藤本
Kota Fujimoto
泰高 渡邊
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Abstract

【課題】溶液安定性に優れ、かつ従来の塩素化ポリオレフィンと比較し、より付着性が良好な塩素化ポリオレフィン樹脂組成物を提供する。【解決手段】成分(A):塩素化ポリオレフィン樹脂と、成分(B):成分(A)よりもガラス転移温度が低く、かつ重量平均分子量が150,000以下である塩素化ポリオレフィン樹脂を少なくとも含有する樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は塩素化ポリオレフィン樹脂組成物に関する。
ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンは、安価で成形性、耐薬品性、耐水性、電気特性等の多くの優れた性質を有する。そのため、ポリオレフィンは、シート、フィルム、成型物等として広く使用されている。しかしながら、ポリオレフィン基材は、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等の極性基材とは異なり、非極性でかつ結晶性である。そのため、ポリオレフィン基材は、塗装や接着が困難であるという欠点を有する。
これに対応するため、基材への付着性が優れている塩素化ポリオレフィンや酸変性ポリオレフィン等の変性ポリオレフィンが、一般的に使用されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1:WO2019/142749
特許文献2:特開平1-256549
しかしながら、高い付着性が求められる用途においては、従来の塩素化ポリオレフィンでは付着性を確保できないケースも存在し、改良が望まれていた。
本発明の課題は、特性の異なる少なくとも2種類の塩素化ポリオレフィンを組み合わせて用いることで、溶液安定性に優れ、かつ従来の塩素化ポリオレフィンと比較し、より付着性が良好な塩素化ポリオレフィン樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、塩素化ポリオレフィン樹脂組成物として、特性の異なる塩素化ポリオレフィン樹脂成分を併用することにより付着性が良好であり、かつ溶液安定性に優れる本発明を完成するに至った。
即ち、本発明者らは下記の[1]~[9]を提供する。
[1]
成分(A):塩素化ポリオレフィン樹脂と、
成分(B):成分(A)よりもガラス転移温度が低く、かつ重量平均分子量が150,000以下である塩素化ポリオレフィン樹脂
を少なくとも含有する樹脂組成物。
[2]
成分(B)のガラス転移温度は成分(A)のガラス転移温度より20℃以上低いことを特徴とする、[1]の樹脂組成物。
[3]
成分(A)のガラス転移温度が20℃以上80℃未満である塩素化ポリオレフィン樹脂であることを特徴とする、[1]又は[3]に記載の樹脂組成物。
[4]
成分(B)のガラス転移温度が-50℃以上0℃未満である塩素化ポリオレフィン樹脂であることを特徴とする、[1]乃至[3]に記載の樹脂組成物。
[5]
成分(A)がエチレン-1-ブテン共重合体の塩素化物であることを特徴とする[1]乃至[4]に記載の樹脂組成物。
[6]
成分(A)と成分(B)が10:90~70:30の重量比にて配合されてなる[1]乃至[5]の樹脂組成物。
[7]
[1]乃至[6]の樹脂組成物を含むインキ組成物。
[8]
[1]乃至[6]の樹脂組成物を含む塗料組成物。
[9]
[1]乃至[6]の樹脂組成物を含む接着剤組成物。
本発明の樹脂組成物は、特定の塩素化ポリオレフィンと、これとは特性の異なる塩素化ポリオレフィンを含有するため、従来の塩素化ポリオレフィンより良好な基材付着性を有し、かつ溶液安定性(相溶性)に優れる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本明細書中、「AA~BB」という表記は、AA以上BB以下を意味する。
本発明の樹脂組成物は、成分(A)および成分(B)を少なくとも含有する。
<成分(A)>
成分(A)は、オレフィンを重合した所定の重合体(ポリオレフィン樹脂)を塩素化した塩素化ポリオレフィン樹脂である。
成分(A)の塩素化ポリオレフィンは、自身で調製しても、市販品を用いてもよい。
塩素化ポリオレフィン樹脂を塗料、インキ、接着剤等の用途に利用する場合、塗布ムラをなくすために均一に塗布することが要求される。そのため、塩素化ポリオレフィン樹脂は、他の樹脂や原材料、溶媒に均一に溶解し、かつ、経時変化で樹脂が析出しない等の溶液安定性に優れることが好ましい。溶液安定性を保つためには塩素含有率を高める必要があるが、塩素含有率を高めると、基材への付着性が劣り、上記の用途の性質が不十分になる。
そこで、本発明においては、特性の異なる複数の塩素化ポリオレフィン樹脂を併用することにより、溶液安定性を維持しながら基材への付着性を従来の塩素化ポリオレフィン樹脂より向上させることで、上記の用途に利用し得ることを見出して完成したものである。
成分(A)の塩素化ポリオレフィン樹脂の塩素含有率の下限は、10%以上が好ましく、12%以上がより好ましく、14%以上がさらに好ましい。塩素含有率が10%以上であると、溶液安定性に優れる。また、その上限は、40%以下が好ましく、38%以下がより好ましく、35%以下がさらに好ましい。塩素含有率が40%以下であると、ポリオレフィン基材等との付着性が良好になる。
塩素化ポリオレフィン樹脂の塩素含有率の一実施形態としては、10~40%であることが好ましく、12~38%であることがより好ましく、14~35%であることがさらに好ましい。
なお、塩素含有率は、JIS-K7229(1995)に基づいて測定することができる。
成分(A)の塩素化ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量(Mw)の下限は、3,000以上が好ましく、5,000以上がより好ましく、10,000以上が特に好ましい。重量平均分子量が3,000未満であると、樹脂の凝集力が不足し、基材への付着性が十分に発現しない場合がある。また、その上限は、150,000以下が好ましく、100,000以下がより好ましく、50,000以下がさらに好ましく、20,000以下が特に好ましい。重量平均分子量が150,000を超えると、成分(B)や他樹脂との相溶性や溶剤への溶解性が不良となり、溶液安定性の低下から塗料及びインキ等への適用が困難になる場合がある。
塩素化ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量の一実施形態としては、3,000~150,000であることが好ましく、5,000~100,000であることがより好ましく、10,000~30,000であることがさらに好ましい。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、標準ポリスチレン検量線から求め得る。
成分(A)の塩素化ポリオレフィン樹脂の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)の下限は、1.0以上が好ましく、1.5以上がより好ましい。また、その上限は、6.0以下が好ましく、5.0以下がより好ましく、4.5以下がさらに好ましい。
塩素化ポリオレフィン樹脂の分散度の一実施形態としては、1.0~6.0であることが好ましく、1.5~5.0であることがより好ましく、1.5~4.5であることがさらに好ましい。
成分(A)は、ガラス転移温度(Tg)が0℃以上であり、好ましくは20℃以上であり、より好ましくは40℃以上である。Tgが0℃未満の場合、成分(B)と併用した際に付着強度試験で凝集剥離が発生しやすくなる。Tgは、通常100℃以下であり、好ましくは80℃以下であり、より好ましくは60℃以下である。Tgが100℃超の場合、成分(B)と併用した際に付着強度試験で界面剥離が発生しやすくなる。
ガラス転移温度(Tg)は、成分(A)を構成する各単量体単位をホモポリマーとした場合の各ガラス転移温度の値及び成分(A)における各単量体単位の重量割合を用いて下記FOX式により算出し得る。各ホモポリマーのTgは、ポリマーハンドブック(Wiley-Interscience Publication、4th Edition, 1999)及び製品データに掲載されているTgを用い得る。
成分(A)における各単量体単位の重量割合は、成分(A)の重合体を製造する際に使用する全単量体重量に対する、各単量体の重量割合(配合比率)と通常一致する。
<FOX式> 1/Tg=W/Tg+W/Tg+W/Tg+・・・W/Tg
上記式において、成分(A)がn種の単量体単位U~Uにより構成されるとし、単量体単位U~Uのホモポリマーにおけるガラス転移温度をそれぞれTg~Tgとし、単量体単位U~Uの重量割合をそれぞれW~Wとする。ただし、単量体単位U~Uの重量割合の合計を1とする。
ガラス転移温度は、例えば、示差走査熱量計(例、「DSC6200R 熱分析システム」、セイコーインスツル株式会社より供給)を用いて、測定し得る。
成分(A)は、オレフィン(不飽和炭化水素化合物)を重合した所定の重合体(ポリオレフィン樹脂)を塩素化した塩素化ポリオレフィン樹脂であるが、成分(A)に用いられるポリオレフィン樹脂(以下「ポリオレフィン樹脂(A)」とする)は、特に限定されるものではなく、1種のオレフィンの単独重合体であってもよく、2種以上のオレフィンの共重合体であってもよい。また、共重合体である場合、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。オレフィンとしては、α-オレフィンが好適に用いられる。α-オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、スチレン、ノルボルネン等が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂(A)は、ポリプロピレン基材等の非極性樹脂基材に対して十分な付着性を発現させるという観点から、ポリプロピレン系樹脂であることが好ましい。本明細書においてポリプロピレン系樹脂とは、プロピレン構造単位を少なくとも含むポリオレフィン樹脂を意味し、プロピレン単独重合体、又はプロピレンと他のα-オレフィンの共重合体を含む。ポリプロピレン系樹脂におけるプロピレン構造単位含有率は、全構成単位に対し60重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましく、80重量%以上が更に好ましい。
プロピレン構造単位含有率は、原料の使用割合であってもよく、NMR解析で算出した値であってもよい。両値は、通常、一致する。ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-1-ブテン共重合体、エチレン-プロピレン-1-ブテン共重合体が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂(A)は、調製品を使用してもよく、市販品を用いてもよいが、重合触媒としてメタロセン触媒を用いて得られるポリオレフィン樹脂が、下記の特徴を有するのでより好ましい。
メタロセン触媒を用いて得られるポリオレフィン樹脂は、分子量分布が狭く、また、そこから得られる塩素化ポリオレフィンもまた同様である。また、ポリオレフィン樹脂が共重合体の場合は、ランダム共重合性に優れ、組成分布が狭く、長鎖分岐を有する共重合体が生成する。従って、塩素化ポリオレフィン樹脂が溶液安定性に優れるものとなる。
さらには、共重合し得るコモノマーの範囲が広い。
メタロセン触媒としては、公知のものが使用できる。メタロセン触媒は、好ましくは、以下に述べる成分(1)及び(2)と、さらに必要に応じて(3)とを組み合わせて得られる。
・成分(1);共役五員環配位子を少なくとも一個有する周期律表4~6族の遷移金属化合物であるメタロセン錯体;
・成分(2);イオン交換性層状ケイ酸塩;
・成分(3);有機アルミニウム化合物。
ポリオレフィン樹脂(A)の融点は、80℃以上200℃未満が好ましく、100℃以上180℃未満がより好ましい。これにより融点が上記範囲である変性ポリオレフィン樹脂を容易に得ることができる。ポリオレフィン樹脂(A)の重量平均分子量は、70,000以上500,000未満であり、80,000以上400,000未満が好ましい。
ポリオレフィン樹脂(A)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて用いる場合、その割合は特に限定されない。
塩素を用いてポリオレフィン樹脂を変性(塩素化)する方法は、通常、原料組成物(ポリオレフィン樹脂を含む)に塩素原子を導入する方法であればよく、例えば、原料組成物を含む塩素系溶剤(例えば、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素)等の溶剤に塩素ガスを吹き込む方法が挙げられる。塩素ガスの吹き込みは、紫外線の照射下で行うことができ、ラジカル反応開始剤の存在下及び不存在下のいずれにおいても行い得る。塩素ガスの吹き込みを行う際の圧力は制限されず、常圧であってもよいし、加圧下であってもよい。塩素ガスの吹き込みを行う際の温度も特に制限されないが、通常、50~140℃である。
塩素化ポリオレフィン樹脂の製造の際に塩素系溶媒が使用される場合、塩素系溶媒は、通常、減圧等により留去され得、あるいは別の有機溶剤で置換され得る。
<成分(B)>
成分(B)は、オレフィンを重合した所定の重合体(ポリオレフィン樹脂)を塩素化した、成分(A)とは異なる特性を持つ塩素化ポリオレフィン樹脂である。
以下成分(B)の説明を行うが、ポリオレフィン樹脂の特性評価等成分(A)の説明と重複する部分は適宜省略する。
成分(B)の塩素化ポリオレフィン樹脂の塩素含有率の下限は、10%以上が好ましく、20%以上がより好ましく、30%以上がさらに好ましい。塩素含有率が10%以上であると、溶液安定性に優れる。また、その上限は、40%以下が好ましく、38%以下がより好ましく、35%以下がさらに好ましい。塩素含有率が40%以下であると、ポリオレフィン基材等との付着性が良好になる。
塩素化ポリオレフィン樹脂の塩素含有率の一実施形態としては、10~40%であることが好ましく、20~40%であることがより好ましく、30~40%であることがさらに好ましく、30~38%であることが特に好ましい。
なお、塩素含有率は、JIS-K7229(1995)に基づいて測定することができる。
成分(B)の塩素化ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量(Mw)の下限は、3,000以上が好ましく、10,000以上がより好ましく、30,000以上がさらに好ましい。
重量平均分子量が3,000未満であると、樹脂の凝集力が不足し、基材への付着性が十分に発現しない場合がある。
また、その上限は、250,000以下が好ましく、200,000以下がより好ましく、150,000以下がさらに好ましく、130,000以下が特に好ましい。重量平均分子量が250,000を超えると、成分(A)や他樹脂との相溶性や溶剤への溶解性が不良となり、溶液安定性の低下から塗料及びインキ等への適用が困難になる場合がある。
塩素化ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量の一実施形態としては、3,000~250,000であることが好ましく、10,000~150,000であることがより好ましく、30,000~130,000であることがさらに好ましい。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、標準ポリスチレン検量線から求め得る。
成分(B)の塩素化ポリオレフィン樹脂の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)の下限は、1.8以上が好ましく、1.9以上がより好ましく、2.0以上がさらに好ましい。また、その上限は、2.9以下が好ましく、2.7以下がより好ましく、2.5以下がさらに好ましい。
塩素化ポリオレフィン樹脂の分散度の一実施形態としては、1.8~2.9であることが好ましく、1.9~2.7であることがより好ましく、2.0~2.5であることがさらに好ましい。
成分(B)の塩素化ポリオレフィン樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下であり、好ましくは-5℃以下であり、より好ましくは-10℃以下である。Tgが0℃を超える場合、成分(A)と併用した際に付着強度試験で界面剥離が発生しやすくなる。Tgは、通常-70℃以上であり、好ましくは-50℃以上であり、より好ましくは-30℃以上である。Tgが低すぎる場合、成分(B)と併用した際に付着強度試験で凝集剥離が発生しやすくなる。
ガラス転移温度は、成分(A)と同様の方法にて算出することができる。
なお、付着強度を向上させる観点から、成分(B)のガラス転移温度は成分(A)のガラス転移温度より低いことが好ましい。また、成分(A)と成分(B)のガラス転移温度の差は20℃以上であることが好ましく、30℃以上であることがより好ましい。また、成分(A)と成分(B)のガラス転移温度の差は100℃以下であることが好ましく、80℃以下であることがより好ましい。
近年の環境意識の向上により、石油由来のポリオレフィン樹脂に代えて生物由来の原料を用いて製造されるいわゆるバイオマスプラスチックの使用が求められており、成分(B)は、生物由来であることが好ましい。本明細書において生物由来とは、いわゆる生物資源(例えば、植物、微生物、その代謝成分、それらのいずれかを含む組成物(例えば、農業廃棄物、廃棄食品)を原料として製造されることを意味し、生物由来ポリオレフィン樹脂とは、生物資源から製造されるポリオレフィン樹脂を意味する。生物としては、例えば、トウモロコシ、小麦、ジャガイモ、大豆、タピオカ、ココナッツ、サトウキビ、木等の植物、藻類、微生物が挙げられる。
成分(B)に用いられるポリオレフィン樹脂に生物由来ポリオレフィン樹脂を用いる場合の成分(B)のバイオマス度は、通常、25%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上である。上限は、100%以下であればよく、特に限定されない。ポリオレフィン樹脂のバイオマス度は、例えばASTM D6866に基づき、放射性炭素年代測定方法により原料のポリオレフィン樹脂又は変性ポリオレフィン樹脂の14C濃度を測定し、得られる測定値の、原料である生物の14C濃度に対する割合として算出できる。
成分(B)は、オレフィンを重合した所定の重合体(ポリオレフィン樹脂)を塩素化した塩素化ポリオレフィン樹脂であるが、成分(B)に用いられるポリオレフィン樹脂(以下「ポリオレフィン樹脂(B)」とする)は、特に限定されるものではなく、1種のオレフィンの単独重合体であってもよく、2種以上のオレフィンの共重合体であってもよい。また、共重合体である場合、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。オレフィンとしては、α-オレフィンが好適に用いられる。α-オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、スチレン、ノルボルネンが挙げられる。
ポリオレフィン樹脂(B)は、凝集剥離を引き起こしにくくするという観点から、ポリエチレン系樹脂であることが好ましい。本明細書においてポリエチレン系樹脂とは、エチレン構造単位を少なくとも含むポリオレフィン樹脂を意味し、エチレン単独重合体、又はエチレンと他のα-オレフィンの共重合体を含む。ポリエチレン系樹脂におけるエチレン構造単位含有率は、全構成単位に対し50重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましく、80重量%以上が更に好ましい。エチレン構造単位含有率は、原料の使用割合であってもよく、NMR解析で算出した値であってもよい。両値は、通常、一致する。ポリエチレン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-1-ブテン共重合体、エチレン-プロピレン-1-ブテン共重合体が挙げられる。その中でもエチレン-1-ブテン共重合体が特に好適に用いられる。
ポリオレフィン樹脂(B)としては、重合触媒としてメタロセン触媒を用いて得られるポリオレフィン樹脂が好ましい点成分(A)同様である。
ポリオレフィン樹脂(B)の融点は、80℃以上200℃未満が好ましく、100℃以上180℃未満がより好ましい。これにより融点が上記範囲である変性ポリオレフィン樹脂を容易に得ることができる。ポリオレフィン樹脂(B)の重量平均分子量は、70,000以上500,000未満であり、80,000以上400,000未満が好ましい。
ポリオレフィン樹脂(B)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて用いる場合、その割合は特に限定されない。
ポリオレフィン樹脂(B)を塩素化する方法としては、ポリオレフィン樹脂(A)の塩素化同様特に限定されず、同様の方法により塩素化を行うことができる。
<本発明の樹脂組成物>
本発明の樹脂組成物は、成分(A)の塩素化ポリオレフィン樹脂と成分(A)とは異なる成分(B)のポリオレフィン樹脂の混合物である。
本発明の成分(A)と成分(B)の配合比率(重量比)は特に限定されないが、付着性向上の観点から、
成分(A):成分(B)=10:90~70:30
の配合比が好ましく
成分(A):成分(B)=20:80~60:40
の配合比がより好ましい。
本発明の樹脂組成物は、有機溶剤を含有することができる。有機溶剤としては、成分(A)、成分(B)を溶解させるものであれば、特に限定されない。
具体的には、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族系炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロへキサン等の脂環族炭化水素、トリクロロエチレン、ジクロロエチレン、クロロベンゼン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、プロパンジオール、フェノール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、ペンタノン、ヘキサノン、シクロヘキサノン、イソホロン、アセトフェノン等のケトン系溶剤、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等のセルソルブ類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、ギ酸ブチル等のエステル系溶剤、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、エチレングリコールモノ-iso-ブチルエーテル、エチレングリコールモノ-tert-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-iso-ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテ等のグリコールエーテル系溶剤等を使用することができ、これら1種または2種以上を併用することができる。
有機溶剤を用いる場合、溶液安定性の観点から芳香族炭化水素系の有機溶剤を用いるのが好ましく、その中でもベンゼン、トルエン、キシレンを用いることがより好ましい。
有機溶剤の配合量についても特に限定されるものではないが、樹脂組成物及び本樹脂組成物を塗料、インキ化した際の塗布性、作業性を考慮すると、使用する溶剤量は一定以下であることが望ましい。具体的には、成分(A)又は成分(B)もしくは成分(A)と成分(B)の混合物100重量部に対して、10,000重量部以下が好ましく、5,000重量部以下がより好ましく、1,000重量部以下が特に好ましい。
<付着強度、溶液安定性について>
成分(A)又は成分(B)を単体で塗布した場合の基材との付着強度よりも、成分(A)と成分(B)併用した本発明の樹脂組成物として基材に塗布することでより良好な付着強度を得ることができる。
これは、例えばTgが高く、硬さを有する樹脂を塗布すると付着強度試験により界面剥離(塗膜と基材界面で塗膜が面状に剥離する現象)が起きやすく、一方、例えばTgが低く、柔らかい樹脂を塗布すると塗膜の強度低下により界面剥離よりも凝集剥離(付着強度試験により塗膜が引きちぎられ、塗膜と基材界面以外の部分からも剥離が生じている状態)が起きやすい特徴を有する。上記樹脂を混合して用いることにより、界面剥離、凝集剥離両者に対し付着性のバランスをとることが可能となり、結果として付着強度試験における平均はく離力が塩素化ポリオレフィン樹脂単独の場合より向上するものと考えられる。
また、用いる塩素化ポリオレフィン樹脂の特性を考慮することにより、上記付着性の向上と共に溶液安定性も良好な樹脂組成物を得ることができる。
なお、本発明にて測定される平均はく離力については、JIS K6854-1:1999に準拠した90度はく離試験に準拠した方法で測定するものとし、その平均はく離力[g/15mm]は400以上が好ましく、500以上であることがさらに好ましい。
<他の成分について>
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて他の成分を含んでもよい。本発明の樹脂組成物は、単独で又は他の樹脂や他の原材料を配合することにより塗料、インキ、接着剤等の被膜形成用組成物として好適に用いられる。
他の樹脂成分としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、硝化綿等の樹脂、これらの2種以上の組み合わせが挙げられる。これらの樹脂は、水性化物(例えば、水性アクリル樹脂、水性ポリウレタン樹脂)として本発明の樹脂組成物に配合してもよい。本発明の樹脂組成物と他の樹脂の配合量(他の樹脂が2以上の場合、合計量)の比率は、固形物換算で、通常は本発明の樹脂組成物:他の樹脂=1:99~99:1、好ましくは10:90~90:10、より好ましくは20:80~80:20、更に好ましくは30~70:70~30である。
また、本発明の樹脂組成物には、品質安定や機能性付与等の目的で、他の原材料、例えば、水性アクリル樹脂、水性ウレタン樹脂、低級アルコール類、低級ケトン類、低級エステル類、防腐剤、レベリング剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、金属塩、酸類等の添加剤成分を配合してもよい。
本発明の樹脂組成物と他の樹脂、他の原材料との分散媒は、非水系であってもよく、水系であってもよい。非水系分散媒としては、例えば、キシレン、トルエン、ベンゼン等の有機溶媒が挙げられる。
水系分散媒は、通常は水であるが、アルコール系溶剤、グリコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤を併用してもよい。
さらに本発明の樹脂組成物には架橋剤を含んでもよい。「架橋剤」とは、変性ポリオレフィン樹脂や他の樹脂、他の原材料成分に存在する水酸基、カルボキシ基、アミノ基等の基と反応し、架橋構造を形成する化合物をいう。架橋剤としては、例えば、イソシアネート化合物、脂肪族又は芳香族のエポキシ化合物、アミン系化合物、アミノ樹脂が挙げられる。架橋剤の添加方法は特に限定されない。
<実施例>
[Mw(重量平均分子量)]:
製造例で製造した樹脂について、GPCにより下記条件に従い測定した。
装置:HLC-8320GPC(東ソー社製)
カラム:TSK-gel G-6000 HXL,G-5000 HXL,G-4000 HXL,G-3000 HXL,G-2000 HXL(東ソー社製)
溶離液:THF
流速:1mL/分
温度:ポンプオーブン、カラムオーブン40℃
注入量:100μL
標準物質:ポリスチレンEasiCal PS-1(AgilentTechnology社製)
[塩素含有率(重量%)]:
JIS-K7229-1995に基づいて測定した。
[Tm(融点、℃)]:
JIS K7121-1987に準拠し、DSC測定装置(TA Instruments製)を用い、約5mgの試料を150℃で10分間加熱融解状態を保持した。次いで、10℃/分の速度で降温して、-50℃で安定保持した。その後、10℃/分で150℃まで昇温し、融解した時の融解ピーク温度をTmとした。
水分散体組成物のTmは、水分散体組成物を40℃、24時間乾燥して得られた乾燥物を、DSC(TA Instruments製)を用いて上記と同じ条件で測定した。
[ガラス転移温度(Tg)]:
判明している成分(A)又は成分(B)の重合体を製造するに際して使用した各単量体をホモポリマーとした場合の各ガラス転移温度、及び成分(A)又は成分(B)を製造するに際して使用した各単量体の配合比率を用いて、上述のFOX式により算出した。
[共重合体における各単量体の構造単位含有率(%)]:
各単量体の構造単位含有率は、重合に用いたモノマー組成比から求めた。
重合に用いたモノマー組成比が不明な場合は、下記に示す通り、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて測定した。
試料約60mgをテトラクロロエタン(d2)に溶解し、下記条件にて13C-NMRスペクトルを測定し、連鎖メチレン炭素シグナルの積分値より構造単位含有率を計算した。
観測範囲:250ppm
測定モード:シングルパルスプロトンデカップリング
パルスアングル:5.25μ秒(45°)
繰り返し時間:5.5秒
測定温度:120℃
[溶液安定性]:
ガラス瓶に成分(A)が固形分比率20重量%となるよう、成分(A)とトルエンを添加し、液漏れしないように蓋をして十分に手振りにて攪拌することにより成分(A)の固形分20重量%の混合液を得た。成分(B)についても同様の手法で固形分20重量%の混合液を作成した(成分(A)、成分(B)がすでに固形分20重量%である場合、この工程は不要となる。この場合はすでに固形分20重量%となっている成分(A)、成分(B)をそのまま固形分20重量%の混合液として次工程以降に用いる)。
ガラス瓶に成分(A)の固形分20%の混合液と成分(B)の固形分20%の混合液の比率(以下「A/B比」ともいう)を重量比67:33、50:50、33:67の3種類の比率で添加し、それぞれ液漏れしないように蓋をして十分に手振りにて攪拌した。
攪拌直後及び攪拌後室温(25℃)にて7日間静置したのち各混合溶液の外観を目視で確認し、次の通り評価した。(なお、後述の比較例2~4については、成分(A)、成分(B)の固形分20%の混合液をそれぞれ単独で、攪拌直後及び攪拌後室温にて7日間放置したのち評価した。)
(評価基準)
○:混合溶液が透明溶液となっており、白濁、分離、沈殿が発生していない
×:白濁、分離、沈殿が発生している
[付着強度]:
溶液安定性評価で作成した、成分(A)と成分(B)の固形分20%混合液について、成分(A)固形分20%混合液:成分(B)固形分20%混合液=33:67、50:50、67:33、10:90の割合で混合した4種類の混合液を作成し、撹拌機にて十分混合の上、#14マイヤーバーで塗布膜厚4μmにて、60μm厚の未処理OPPフィルム(フタムラ化学製)上に塗工し、室温(25℃)にて24時間自然乾燥を行った。
自然乾燥後の塗布済みOPPフィルムを2枚用意し、塗工面同士を張り合わせ、0.15MPaの圧力にて加圧しながら、140℃の温度で10秒間加熱を行うことでヒートシールを実施した。
ヒートシール後のOPPフィルムを1.5cm幅の短冊状にカッティングし、さらに24時間常温で静置後、下記装置にてJIS K6854-1:1999に準拠した90度はく離試験をおこないその平均はく離力[g/15mm]を測定した。
機器:RTG-1210(エー・アンド・デー社製)
引張速度:100mm/分
<製造例1>
メタロセン触媒を重合触媒として製造したプロピレンとエチレンとの共重合体(プロピレン:エチレン=99:1(重量比)、Mw=20,000、Tm=150℃)4kgをグラスライニングされた反応釜に投入し、37Lのクロロホルムを加え、2kg/cmの圧力の下、温度110℃で充分に溶解させた。開始剤としてt-ブチルパーオキシ-2-ヘキサノエート2gを加え、上記釜内圧力を2kg/cmに制御しつつ、反応釜の底部より塩素ガス及び酸素ガスを吹き込み塩素化した。その後、溶媒であるクロロホルムをエバポレーターで留去した。その後、トルエンで置換し、安定剤としてエピオールSB(日本油脂社製)を樹脂に対して4重量%添加して、樹脂濃度(固形分比率)20重量%の塩素化プロピレン-エチレン共重合体樹脂溶液(塩素化ポリオレフィン樹脂の樹脂溶液)を得た。樹脂の物性を表1に示す。
<製造例2>
メタロセン触媒を重合触媒として製造したプロピレンとエチレンとの共重合体(プロピレン:エチレン=98:2(重量比)、Mw=20,000、Tm=140℃)4kgをグラスライニングされた反応釜に投入し、37Lのクロロホルムを加え、2kg/cmの圧力の下、温度110℃で充分に溶解させた。開始剤としてt-ブチルパーオキシ-2-ヘキサノエート2gを加え、上記釜内圧力を2kg/cmに制御しつつ、反応釜の底部より塩素ガス及び酸素ガスを吹き込み塩素化した。その後、溶媒であるクロロホルムをエバポレーターで留去した。その後、トルエンで置換し、安定剤としてエピオールSB(日本油脂社製)を樹脂に対して4重量%添加して、樹脂濃度(固形分比率)20重量%の塩素化プロピレン-エチレン共重合体樹脂溶液(塩素化ポリオレフィン樹脂の樹脂溶液)を得た。樹脂の物性を表1に示す。
<製造例3>
メタロセン触媒を重合触媒として製造したポリプロピレン単独重合体(Mw=250,000、Tm=160℃)4kgをグラスライニングされた反応釜に投入し、37Lのクロロホルムを加え、2kg/cmの圧力の下、温度110℃で充分に溶解させた。開始剤としてt-ブチルパーオキシ-2-ヘキサノエート2gを加え、上記釜内圧力を2kg/cmに制御しつつ、反応釜の底部より塩素ガス及び酸素ガスを吹き込み塩素化した。その後、溶媒であるクロロホルムをエバポレーターで留去した。その後、トルエンで置換し、安定剤としてエピオールSB(日本油脂社製)を樹脂に対して4重量%添加して、樹脂濃度(固形分比率)20重量%の塩素化ポリプロピレン樹脂溶液(塩素化ポリオレフィン樹脂の樹脂溶液)を得た。樹脂の物性を表1に示す。
<製造例4>
メタロセン触媒を重合触媒として製造した生物由来のエチレンと生物由来の1-ブテン共重合体(エチレン:1-ブテン=87:13(重量比)、Mw=150,000、Tm=120℃)4kgをグラスライニングされた反応釜に投入し、37Lのクロロホルムを加え、2kg/cmの圧力の下、温度110℃で充分に溶解させた。開始剤としてt-ブチルパーオキシ-2-ヘキサノエート2gを加え、上記釜内圧力を2kg/cmに制御しつつ、反応釜の底部より塩素ガス及び酸素ガスを吹き込み塩素化した。その後、溶媒であるクロロホルムをエバポレーターで留去した。その後、トルエンで置換し、安定剤としてエピオールSB(日本油脂社製)を樹脂に対して4重量%添加して、樹脂濃度(固形分比率)20重量%の塩素化エチレン-1-ブテン共重合体樹脂溶液(塩素化ポリオレフィン樹脂の樹脂溶液)を得た。樹脂の物性を表1に示す。
Figure 2022121905000001
<実施例1>
成分(A)として、製造例1で得た塩素化ポリオレフィン樹脂溶液、
成分(B)として、製造例4で得た塩素化ポリオレフィン樹脂溶液
を表2、表3のA/B比にて混合し樹脂組成物を得た。樹脂組成物の物性を表2、表3に示す。
<実施例2>
成分(A)として、製造例2で得た塩素化ポリオレフィン樹脂溶液、
を用いたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。樹脂組成物の物性を表2、表3に示す。
<比較例1>
成分(A)として、製造例3で得た塩素化ポリオレフィン樹脂溶液、
を用いたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。樹脂組成物の物性を表2、表3に示す。
<比較例2>
成分(A)として、製造例1で得た塩素化ポリオレフィン樹脂溶液のみを用い、成分(B)を用いず(添加せず)に樹脂組成物とした。
樹脂組成物の物性を表2、表3に示す。
<比較例3>
成分(A)として、製造例2で得た塩素化ポリオレフィン樹脂溶液のみを用い、成分(B)を用いず(添加せず)に樹脂組成物とした。
樹脂組成物の物性を表2、表3に示す。
<比較例4>
成分(B)として、製造例4で得た塩素化ポリオレフィン樹脂溶液のみを用い、成分(A)を用いず(添加せず)に樹脂組成物とした。
樹脂組成物の物性を表2、表3に示す。
Figure 2022121905000002
Figure 2022121905000003
表2及び表3に結果を示した通り、本件発明によれば、特製の異なる塩素化ポリオレフィン樹脂を併用して用いることで、塩素化ポリオレフィンを単独で用いる場合に比べ付着性が向上しており、また溶液安定性も優れる樹脂組成物を得ることができることが分かる。

Claims (9)

  1. 成分(A):塩素化ポリオレフィン樹脂と、
    成分(B):成分(A)よりもガラス転移温度が低く、かつ重量平均分子量が150,000以下である塩素化ポリオレフィン樹脂
    を少なくとも含有する樹脂組成物。
  2. 成分(A)と成分(B)のガラス転移温度の差が20℃以上あることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 成分(A)のガラス転移温度が20℃以上80℃以下である塩素化ポリオレフィン樹脂であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 成分(B)のガラス転移温度が-50℃以上0℃以下である塩素化ポリオレフィン樹脂であることを特徴とする、請求項1乃至3に記載の樹脂組成物。
  5. 成分(B)がエチレン-1-ブテン共重合体の塩素化物であることを特徴とする請求項1乃至4に記載の樹脂組成物。
  6. 成分(A)と成分(B)が10:90~70:30の重量比にて配合されてなる請求項1乃至5の樹脂組成物。
  7. 請求項1乃至6の樹脂組成物を含むインキ組成物。
  8. 請求項1乃至6の樹脂組成物を含む塗料組成物。
  9. 請求項1乃至6の樹脂組成物を含む接着剤組成物。
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