JP2022120840A - 乳糖果糖オリゴ糖の魚類への活用 - Google Patents

乳糖果糖オリゴ糖の魚類への活用 Download PDF

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稔 木原
Minoru Kihara
佳樹 松村
Yoshiki Matsumura
桃花 大内
Momoka Ouchi
彩太 赤沼
Ayata Akanuma
孝輝 藤田
Takateru Fujita
久晴 正木
Hisaharu Masaki
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Abstract

【課題】魚類を健康に飼育するための簡便な方法を開発する。【解決手段】乳糖果糖オリゴ糖(ラクトスクロース)を有効成分として含有する飼料を魚類に給与又は投与することにより、免疫グロブリン量の向上、リゾチーム活性の向上、短鎖脂肪酸産生量の増加等の免疫活性賦活作用が奏される。その結果、魚類を健康に飼育することができ、濃密飼育が可能となり、多大な経済的効果が得られる。また、粘液細胞が増加するため、魚類の糞が粘液でコーティングされ、水槽、養魚場の水の汚染を大きく減じることができる。フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖でも同様である。【選択図】なし

Description

新規性喪失の例外適用申請有り
本発明は、乳糖果糖オリゴ糖(ラクトスクロース)を有効成分として含有する魚類用の免疫賦活用飼料組成物等に関するものであり、更に詳しくは、本発明は、乳糖果糖オリゴ糖(ラクトスクロース;β-D-ガラクトシル-(1,4)-α-D-グルコシル-(1,2)-β-D-フラクトシド)を有効成分として含有する飼料組成物・餌料組成物を魚類に給与することにより、その免疫賦活化効果を発揮する組成物等に関するものである。あわせて、魚類の飼育環境を改善し水質を保持して魚類を健康に飼育する技術にも関するものである。また、本発明は、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖を有効成分とする発明にも関するものである。
近年、先進国はもとより、発展途上国等においても、健康志向が高まってきている。そのこともあり、全地球的な規模において、人々の平均寿命は全体的に長くなる傾向にある。その背景の下、いわゆる生活習慣病や健康寿命等が意識されることが国際的にも多くなってきている。
従来、特に欧米諸国においては、肉や油脂等のいわゆる欧米型の食事を摂ることが多かったため、上述のような健康志向や平均寿命を長くすること等は実現しにくいものであった。
しかしながら、近時の生活意識の変化等により、欧米諸国等においても、肉や油脂ではなく、もっとヘルシーで健康的な食材が求められるようになっている。
そして、この傾向は、先進国だけでなく、一部の発展途上国等にも広がりをみせ、現在では全地球的な規模となってきているといえる。
このような要求にこたえることができる食材として、魚類がある。魚類は一般的に肉等に比してコレステロール等の脂質が少なくヘルシーな食材である。また特に海産魚は、エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)等の有効な栄養素も多く含有しており、非常に有用な食材である。
よって、現在魚類への食需要が国際的に、全地球的に大きく拡大している。そのため、近年では世界的に水産養殖が増加している(FAO、2007)。そして、このような旺盛な需要にこたえるため、生産量の大幅な増加が求められている。
また、近時、国際的に人口が大幅に増加しており、食糧の供給量が追い付けていない現状も存する。これでは、飢餓が発生することも避けられないため、食糧増産の必要性も存する。
このような要請に応えようとする技術として、例えば、カロテノイドとn-3系列の高度不飽和脂肪酸の生産能を有する微生物を含有してなる飼料を給与することにより、養殖仔稚魚の生残率を上げようとする技術が報告されている(特許文献1)。
また、他の先行技術として、シナモン、ナットメグ等の粉末状香辛料を添加した飼料を給与して食用赤身魚を養殖し、鮮度低下を抑制しようとする技術も報告されている(特許文献2)。
一方、魚類の生産量向上のための他のアプローチとして、魚類の飼育環境の改善も考えられる。魚類の生産において、養殖や一定期間の飼育、維持保存等の手段が用いられる割合や頻度は、世界的に年々向上している。養殖等の手段を用いると、漁による取得よりも魚類の生産量・供給の安定化をもたらすことができる。また、近年の消費者は魚類を喫食する際に、鮮度の良いものを求める志向も存するので、一時的に料理店等で魚類を飼育する必要性も高まっている。
したがって、近年の傾向として、魚類の飼育環境を改善したい、少しでも永く、清潔な環境下で魚類を養殖・飼育したい、という生産者・事業者等のニーズは高まっているといえる。
そして、上記のような飼育環境・水質の悪化をもたらす主たる原因は、魚類自身が生存活動のために排出する排泄物・魚糞である。よって、上記のニーズに応えるためには、主として、飼育環境下での魚糞が当該環境に悪影響を及ぼさないようにする技術が求められることになる。
このような背景から、特に魚糞の害から、飼育環境を守ろうとする技術が少数存在するが、それらは、水槽濾過装置等、設備からの技術がほとんどとなっている(特許文献3)。
特開2004-57206号公報 特開平10-229830号公報 実開平5-37310号公報
このような状況下、水産物の生産量の増加に伴う生産面積の拡大または生産強化が求められるが、集約的な方法は、水質悪化、ストレス増加、病原性細菌、ウイルス、または寄生虫による感染のリスクが高まる。その結果、養殖魚類の成長悪化や病気による斃死、すなわち生産量の低下につながるおそれもある。
養殖における細菌感染への対処として最も一般的な方法は、抗生物質の投与であるが、抗生物質耐性菌の発生や環境微生物叢の破壊など薬剤の悪影響の問題もある。一方で、抗生物質またはワクチンのような薬剤は高価であり、注射による接種には多くの労力を要する。薬であることから使用方法も限定的である。
したがって、薬剤ではない、労力の少ない疾病対策が必要である。すなわち、水産養殖の技術分野においては、抗生物質等薬剤への代替品の検索が急務となっている。
他方、上記養殖魚類の成長悪化、病気等による生産量低下防止のためには、飼育環境に着目した観点からの対策も求められている。これらの大きな原因のひとつは飼育環境の水質悪化にある。すなわち、飼育環境における水質の維持・水質劣化の防止があわせて求められている。当該課題が、巨大且つ複雑な装置等ではなく、薬剤の代替品により解決できれば、大きな技術的貢献となる。
上記課題を解決するためには、省労力化できる経口摂取可能な、安全な物質による抗病性の向上が考えられる。このような作用を持つ物質として、プロバイオティクスやプレバイオティクスが最近注目されている。プレバイオティクスは、プロバイオティクス(細菌)とは異なり自然環境への影響が少ない。水温や水質などの影響を受けにくく、飼料に混ぜて投与できることから使いやすい。物質によっては加熱耐性もあるため、配合飼料製造時に配合可能である。
本願発明者らは、このような条件を満たすことができるものを鋭意検索した。その結果、遂に、乳糖果糖オリゴ糖が上記のような条件を満たす物質として適切であることを見出し、本発明を完成するに至った。
あわせて、上記課題を解決するために、さらに本願発明者らは種々検討した。その結果、乳糖果糖オリゴ糖を魚類に給与することにより、その排泄物・糞が粘液によってコーティングされることを見出し、これをもって飼育環境を保持・保全できることに想到した。そして、本願発明を完成させた。
更に検討した結果、本発明者らは、フラクトオリゴ糖(FOS)とガラクトオリゴ糖(GOS)が、ラクトスクロースと同様の効果を奏することを新たに見い出した。
すなわち、本発明の実施形態は次のとおりである。
(1)乳糖果糖オリゴ糖(ラクトスクロース)を有効成分として含有する、魚類の免疫活性賦活用飼料組成物。また、乳糖果糖オリゴ糖(ラクトスクロース)を有効成分として含有する、魚類の生体防御にかかわる因子を高める作用があることを特徴とする、飼料組成物。
(2)魚類の免疫活性賦活が、免疫グロブリン量の向上、リゾチーム活性の向上、及び短鎖脂肪酸産生量の増加の少なくともひとつであることを特徴とする、(1)に記載の組成物。
(3)魚類に、乳糖果糖オリゴ糖を給与することによる、免疫活性賦活方法。
(4)魚類の免疫活性賦活が、免疫グロブリン量の向上、リゾチーム活性の向上、及び短鎖脂肪酸産生量の増加の少なくともひとつであることを特徴とする、(3)に記載の方法。
(5)魚類に、乳糖果糖オリゴ糖を給与することにより、魚類腸管の粘液細胞数及び/又はその密度を増加させて粘液量を増加させ、増大したバリア機能によって腸管での異物侵入を防止する方法。
(6)魚類に、乳糖果糖オリゴ糖(ラクトスクロース、LS)を給与することにより、魚類腸管の粘液細胞密度を増加させて粘液量を増加させることにより、魚類の糞を粘液でコーティングして、糞の崩壊を遅らせて飼育水中に糞の成分が溶出することを防止ないし低減せしめ、もって、水質の悪化や汚濁を防止すること、を特徴とする漁場又は飼育環境を良好に保持又は保全する方法。
(7)魚類に、乳糖果糖オリゴ糖を給与することにより、魚類腸管の粘液細胞数及び/又はその密度を増加させて粘液量を増加させることにより、魚類の糞を粘液でコーティングして、糞の崩壊を遅らせて沈澱せしめることにより固液分離(固体部分たる糞部分と、液体部分たる飼育水部分とに分け)し、(飼育水中に糞が懸濁したり浮遊したりすることを低減ないし防止し)、もって、水質の悪化や汚濁を防止すること、を特徴とする漁場又は飼育環境を良好に保持又は保全する方法。
(8)漁場又は飼育環境が、養魚場、養魚池、生けす、水族館の水槽、家庭内の水槽、活魚移送タンク、釣堀から選ばれる少なくともひとつであること、を特徴とする(6)又は(7)に記載の方法。
(9)魚類に、乳糖果糖オリゴ糖(LS)に加えて、フラクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)の少なくともひとつを給与すること、を特徴とする(6)~(8)のいずれか1つに記載の方法。
(10)魚類に、乳糖果糖オリゴ糖(LS)に換えて、フラクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)の少なくともひとつを給与すること、を特徴とする(6)~(8)のいずれか1つに記載の方法。

(11)LS、FOS、GOSから選ばれる少なくともひとつを有効成分として含有することを特徴とする、(6)~(10)のいずれか1つに記載の方法を実施するための、飼育環境保全魚類用飼料。
(12)乳糖果糖オリゴ糖(ラクトスクロース、LS)を有効成分として含有すること、を特徴とする魚類の飼育環境保全剤。
(13)フラクトオリゴ糖(FOS)及び/又はガラクトオリゴ糖(GOS)を有効成分として含有すること、を特徴とする魚類の飼育環境保全剤。
本発明によれば、簡便且つ効果的に魚類の免疫機能を活性化することができる。例えば、腸管の免疫グロブリン量の増加、血中リゾチーム活性の向上、腸内短鎖脂肪酸産生量の増加が可能となり、生体防御にかかわる因子を高めることができる。その結果、魚類を健康に飼養することができ、斃死が防止され、高密度飼育も可能になる等、水産業界への多大な貢献が可能となる。
哺乳動物において知られている技術を簡単に魚類に転用することはできない。哺乳動物と魚類との相違点としては次の点が例示される。先ず、温度と浸透圧の問題がある。哺乳類の体温である約37℃を魚類に求めることは無理であり、保温された哺乳動物体内での乳糖果糖オリゴ糖により奏される効果を魚類でも生じさせることは、反応の至適温度等の問題もあり、困難であると考えるのが一般的技術水準である。また、海水、淡水といった特殊な環境下に生存する魚類と、主に陸上で生育する哺乳類では簡単に技術転用ができないと考えられるところ、本発明によれば、海水でも淡水でも効果が確認されており、技術常識に反したものとなっている。
更にまた、哺乳類と魚類との大きな相違点のひとつとしては、飼育管理の特殊性が例示される。哺乳類の場合は、個々の個体がある程度大きいし、陸上に生育しているため、各個体を処置したり観察したりすることは比較的容易であるが、水中で生育している魚類は、魚体を傷つけることなく捕獲することすら困難であり、飼育管理が哺乳類に比して非常に難しい。
このように、哺乳類から魚類への技術の転用には技術的阻害要因が存する。
また更に、本発明によれば、魚類腸管の粘液細胞の数及び/又はその密度を高めることができ、粘液量を高めることができる。その結果、粘液量の増加により、腸管での異物侵入を防ぐバリア機能を高めることができるという、従来未知の新規な効果であり且つ魚類の健康維持というすぐれた、魚類に特有の効果も奏される。なお、粘液細胞は、細胞中の粘液を染色することによって確認でき、容易に見分けがつく。
粘液量の増加により腸管におけるバリア機能が上昇する効果のほか、粘液量を増加させることにより、魚類の糞(排泄物)を粘液でコーティングして糞の崩壊を防止したり、遅らせたりすることができる。その結果、糞は水中に溶解したり懸濁したりすることなく、底部に自然に沈降して、上清部と沈降部に分離し、自家汚染も大幅に抑制ないし防止することができる。上清部において、魚類は健康に飼育することができる。
沈降部は、養魚槽等の底部から抜き取ったり、あるいは養魚槽等の上部から吸引パイプを挿入して吸引したりして槽外に除去すればよい。除去した魚糞は肥料等として有効利用される。
すなわち本発明によると、魚類に乳糖果糖オリゴ糖(等)を給与することにより、その糞塊への粘液コーティングは非常に厚くなる。そうすると糞塊の崩壊は抑制されることとなる。この糞塊性状の変化により水質の悪化が抑制されるものと考えられる。
糞塊周辺の粘液層が薄いと、糞塊は脆く崩れやすいものとなってしまう。その結果、糞塊が水中に流失し、水質の汚濁をもたらしやすくなると考えられる。同粘液層が厚く明瞭であれば、糞塊の崩壊が少なくなり、除去しやすくなるとともに、濁度も低くなるということができると考えられる。
このようにして、衛生的環境が創出、維持され、魚類を健康に飼育することができる。その結果、過密飼育した場合であっても、魚体が健康であるため、魚類に与えるストレスが軽減され、養魚槽の壁部に衝突して魚体を傷つけたり、極端な場合には斃死したりすることがなく、例えば、養魚池、養魚槽、家庭用水槽、水族館、釣堀、生けす等での飼養中や、活魚運搬車での移送中の事故の発生も大幅に軽減される。
上記から明らかなように、本発明によれば、魚類において、免疫活性が上昇し、そのため感染症にかかりにくくなり、その結果、魚類を健康に飼育することができる。また、魚類の糞の粘液によるコーティングにより、そのため糞の崩壊、溶け出しが抑制されて水が濁ったり、極端な場合には腐敗したりして水質が悪化することが防止、抑制され、飼育環境が清潔に保たれ、その結果、魚類を健康に飼育することができる。
このように本発明は、魚類の内部及び外部の両方の面から、魚類を健康に飼育するのに成功したものであって、まさに画期的である。また、本発明は、淡水魚にも海水魚にも適用できるので、その経済的効果は非常に大きく、水産業界に資するところ極めて大である。
実施例1における淡水飼育サケの血中リゾチーム活性の測定結果を示す。 実施例1における淡水飼育サケの腸管組織中の全IgG量の測定結果を示す。 実施例1における海水飼育サケの血中リゾチーム活性の測定結果を示す。 実施例1における海水飼育サケの腸管組織中の全IgGの測定結果を示す。 実施例1における海水飼育サケの腸内容物中酢酸濃度の測定結果を示す。 実施例1における海水飼育サケの腸管組織における輪走筋の厚さの測定結果を示す。 実施例1における海水飼育サケの腸管組織における絨毛の高さの測定結果を示す。 実施例1における海水飼育サケの腸管組織における粘液細胞密度の測定結果を示す。 実施例2におけるクロソイ in vitro腸内発酵の結果を示す。 実施例4における28日間飼育したコイの体重変化を示す。 実施例4における飼料転換効率(FCE)を示す。 実施例4における糞塊の組織切片を示す図面代用写真である。 実施例4における糞塊周辺の粘液層の厚さと糞塊中の水分量を示す。 実施例4における糞塊の崩壊による水の濁度の測定値を示す。 実施例4における糞塊の崩壊度(濁度)および崩壊により溶出される総窒素の量の関係を示す。 実施例4における糞塊を水中に静置した際、水中に溶出されるアンモニア(A)および総窒素(B)の量を示す。 実施例4における腸管組織中の粘液産生細胞を示す図面代用写真である。図中、左上と右上が対照区を示し、左下がLS1.5%区、右下がLS2.5%区である。黒い点が粘液産生細胞である。 実施例4における腸管組織中の粘液産生細胞1個あたりの面積を示す。 実施例4における血漿中のリゾチーム活性を示す。 実施例4における腸管組織中のIgM(免疫染色したIgM)の図面代用写真である。 実施例4におけるIgM陽性領域の画像解析図である。 実施例4における体表面積あたりの粘液量および体表面積あたり全Ig(免疫グロブリン)量を示す。 実施例4における腸管内容物の有機酸分析の結果を示す。 実施例5における飼料組成を示す。 実施例5におけるコイの平均体重、飼料効率を示す。 実施例5における強制崩壊試験による水の濁度、崩壊後の上清中のアンモニア量を示す。 実施例5における実際の糞の状態を区ごとに示す図面代用写真である。 実施例5における糞中のアンモニウム量を測定した図である。 実施例5における糞塊の組織切片を示す図面代用写真である。左上がグルコース、右上がLS、左下がFOS、右下がGOSを示す。 実施例5における糞塊周辺の粘液層の厚さを測定した図である。 実施例5における各試験区のコイの腸内容物中の細菌数を平板培養法で比較した図である。 実施例5における実際の平板培養の細菌の状態を区ごとに示した図面代用写真である。 実施例5における粘液細胞平均面積、腸管組織断面当たりの粘液細胞密度を示した図面代用写真である。左上がグルコース、右上がLS、左下がFOS、右下がGOSを示す。 実施例5における粘液細胞平均面積、腸管組織断面当たりの粘液細胞密度を示した図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては、魚類の免疫活性賦活を為す有効成分として、乳糖果糖オリゴ糖を使用することを特徴とするものである。
乳糖果糖オリゴ糖(ラクトスクロース:β-D-ガラクトシル-(1,4)-α-D-グルコシル-(1,2)-β-D-フラクトシド)は、砂糖に近い味質を有し、エネルギーはショ糖の1/2である三糖のオリゴ糖である。乳糖果糖オリゴ糖は、例えば、ショ糖と乳糖を原料とし、ミクロバクテリウム・サッカロフィルム(Microbacterium saccharophilum)K-1株等が産生する酵素(β-フルクトフラノシダーゼ)を用いて生成される。また、塩水港精糖株式会社等から販売されている市販品も使用可能であって、有効成分の入手には格別の問題はない。
また、FOSやGOSも市販されており、入手に格別の困難はない。
本発明の有効成分(乳糖果糖オリゴ糖:ラクトスクロース)の魚類への投与量としては、乾燥品として、一日あたり魚介体重の0.1~10%、好ましくは0.5~5%、更に好ましくは1~3%、例えば2%を、1日に1~5回、好ましくは2~3回、例えば朝と夕の2回に分けて与えればよい。もちろん、上記は一応の目安であって、魚種、大きさ、成長度合い、使用目的等に応じて投与量は適宜変更され得る。当然その場合は当業者の通常の知識に基づいて定めることができる。投与量がこれより少なくても所定の効果が得られず、これより多いと経済性などの点で生産性向上が達成できないし、食べ残しが発生して水質汚濁や腐敗等の原因となり、この点からも好ましくない。
本発明においては、乳糖果糖オリゴ糖、つまりラクトスクロース(Lactosucrose,以下、「LS」ということもある)は単独で良く、またこのLSを主として含有する物質であれば他の糖類を含んでいても差し支えない。
FOS、GOSについても同様であり、これら単独であっても、混合しても、他の糖類を含んでいても構わない。
本発明に用いられるこれらLSはシラップ状、粉状、顆粒状等いずれの状態でも用いることが可能である。FOS、GOSも同様である。
本発明では、このLSを魚類用飼料に直接混合し成型するか、既に成型された魚類用飼料に後添加するか、あるいは単独で魚に投与する方法のいずれでも良い。魚類用飼料としては、魚粉、エビミール、イカミール、小麦粉、コーングルテン、ビール酵母、コレステロール、ビタミン、ミネラル等の飼料原料を用い、魚類用飼料製造の常法にしたがって製造したものであれば、成型にこだわることなく、すべてのタイプのものが適宜使用される。市販の魚類用飼料も適宜使用可能である。LSは、耐熱性を有するので、飼料製造時に加熱工程があっても、また熱が発生しても格別の影響はなく、自由に飼料の製造ができる。
単独で投与する場合はこのLSを水可溶性物質で被膜して投与しても良いが、この際の被膜剤としては通常の医薬用、食品用として使用されている害のないものであれば良い。例えば、ゼラチンによるコーティング、または水溶性樹脂カプセルへの充填等である。
有効成分であるLSを飼料に混合する場合には、例えば、飼料中0.01~15重量%、好ましくは0.1~10重量%、更に好ましくは、0.5~5重量%となるようにすればよい。なお、実施例においては、0.5~2.6%含有した飼料を製造、使用した。対象とする魚類が、LSについて上記した投与量を摂取できるように、魚種、飼育密度、魚体の大きさ等を勘案しながら、必要量の飼料を給与すればよい。
FOS、GOSについても同様であり、LSの投与量等を参考にしながら、適宜、適量を定めて投与すればよい。
本発明の魚類用飼料は、コイ、キンギョ、ウナギ、ニジマス、アユ、イワナ、ヤマメなどの淡水魚や、ハマチ、タイ、シマアジ、フグ、ヒラメ、サケ類などの海水魚など、海水、淡水を問わずあらゆる養殖魚、観賞魚等に適用できる。魚体の大きさも問わないし、孵化から成魚に至るまでのすべての生育期間における魚類に対して、本発明の魚類用飼料は適用することができる。
本発明の魚類用飼料は、魚類に給与された場合、新しい知見、効果として、腸管の免疫グロブリン量や血中リゾチーム活性など、生体防御にかかわる因子を高め、腸内における粘液細胞数およびその密度が上昇し、その結果として粘液量が増加して、腸管での異物侵入を防ぐバリア機能を高めているものと考えられる。また、腸内短鎖脂肪酸の産生も高められた。
魚類養殖における魚病対策は、防疫つまり生体防御能の活性化が主体であるところ、魚類の免疫賦活効果が証明された乳糖果糖オリゴ糖の経口摂取は有用な技術である。このようにして、魚類を病気から守り、健康に生育させることができる。
さらには、本発明によれば、魚類腸管の粘液量が増加し、粘液によって糞がコーティングされる。コーティングされていない場合、糞が溶けたり、ひび割れたり、崩壊したりし、その結果、水質の汚濁、腐敗等の漁場や飼育環境の悪化が生じるが、本発明では糞がコーティングされているため、これらが抑制ないし防止される。また。コーティンングされた糞は、比重が増加するため、迅速に底部に沈降し、上清部と沈降部に分離する。上清部は環境が良好に保たれているので、魚類を健康に飼育することができる。沈降部は、上方から吸引パイプを挿入して吸引除去してもよいし、底部に排水口等の排出手段がある場合には、排出手段を通して排出除去してもよい。このように、良好な水質が保全されるので、高密度飼育が可能となり、飼育の効率化が達成され、大きな経済的効果が産み出される。
このようにして、本発明によれば、漁場や飼育環境を良好なものとすることができ、自家汚染の発生を防ぎ、魚類を健康に飼育したり、保ったりすることができる。漁場や飼育環境としては、次のものが例示される:養魚場、養魚池、生けす、水族館や家庭内の水槽、活魚移送タンク、釣り堀等。このように、本発明に係る飼料は、漁場ないし飼育環境保全飼料としての効果も、新規に奏するものである。
本発明によれば、乳糖果糖オリゴ糖(Lactosucrose)を魚類に投与することによって、魚類の体内において免疫が賦活化される。一方、魚類の飼育環境においては、良好な飼育環境が保持され、いわば魚類の体内及び体外の双方から、魚類を健康に飼育することができ、斃死率も抑えられる。そのうえ、更に高密度飼育が可能となり、また、環境を汚染することもなく、公害の発生を抑制することもできる。
FOS、GOS、イソマルトオリゴ糖でも同様の効果が期待できる。
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内においてこれらの様々な変形が可能である。
淡水期、海水期のサケにLS添加飼料を給餌して、LSが魚の免疫力を向上させることを確認した。
(1)淡水飼育試験
LS含有飼料は次のようにして作成した。ベースとなる配合飼料として市販されているタイハイカロリーRG(日清丸紅飼料株式会社)を用い、これにLSとして市販されているオリゴスティック(株式会社パールエース)を蒸留水に溶解して添加し(外添加)、70℃で1時間乾燥させた。LSの含有量(計算値)は、それぞれ、0%(対照区)、0.5%、1.5%、2.5%となるように作成した。
淡水実験に供したシロサケは人工授精により得た孵化仔魚を東海大学内で育成し使用した。ガラス水槽(15L)を1区につき3水槽使用し、平均体重約6gのサケを1水槽あたり22尾収容した。給餌は1日あたり体重の約2%量を午前9時と午後5時の2回に分け、40日間給餌飼育した。水温は13.8℃~15.8℃の範囲であった。40日間の飼育終了後、体重、全長を測定し、尾へい部から採血した。また、開腹して腸内容物および腸管を採取した。血液は遠心分離して血漿リゾチーム活性を、角田、高瀬(2009)の方法を改変して測定した。この際、標準物質としてリゾチーム(富士フイルム和光純薬)を使用して、細菌増殖抑制の程度およびリゾチーム量から検量線を作成し、血漿中リゾチーム活性(mg/mL)は細菌増殖抑制の程度を相応するリゾチーム量として表わした。腸管はホモジナイズして全Ig量を、Dautremepuits et al.(2004)の手法を参考にして測定した。
結果は、次のとおりであった。
なお、統計処理は、Mann-Whitney U testを使用し、対照区との違いを確認した。
i)飼育結果
体重、全長、飼料効率のいずれにおいても、各区に違いは認められなかった。
ii)血中リゾチーム活性
血中リゾチーム活性を測定し、その結果を図1に示した。
この結果から、LS0.5%区、1.5%区が対照区よりも高い値を示すことが明示された。つまり、本発明によれば、リゾチーム含量(mg/mL)が、対照区においては約2.5であるのに対し、LS区では約3~3.5、更には3~4となることが示された。
iii)全Ig量
腸管組織中の全IgG量を測定し、その結果を図2に示した。
この結果から、LS 0.5%区、1.5%区が対照よりも高い値を示すことが明示された。つまり、本発明によれば、IgG量(mg/mg蛋白)が、対照区においては約0.5であるのに対し、LS区では約0.6~0.65、更には0.6~0、7となることが示された。
(2)海水飼育試験
飼料は淡水試験と同様の方法で作成した。海水実験に供したシロサケは東海大学内の淡水水槽で育成し、東海大学豊浦臨海実験所で海水馴致したものを使用した。ガラス水槽(15L)を1区につき3水槽使用し、平均体重約14gのサケを1水槽あたり8尾収容した。給餌は1日あたり体重の約2%量を午前9時と午後5時の2回に分け、40日間給餌飼育した。海水掛け流し条件下での水温は13.9℃~18.8℃の範囲であった。
40日間の飼育終了後、体重、全長を測定し、尾へい部から採血した。また、開腹して腸内容物および腸管を採取した。血液は遠心分離して血漿リゾチーム活性を測り、腸管はホモジナイズして全Ig量を測定した。ホルマリン固定した腸管は腸前部と腸後部に分けて組織標本を作成し、HEおよびPAS-AB染色して絨毛の粘液細胞数、筋肉層の厚さ、絨毛高を形態定量した。腸内容物中の短鎖脂肪酸はHPLCで定量した。
結果(平均値)は、次のとおりであった。なお、統計処理は、Mann-Whitney U testを使用し、対照区との違いを確認した。
i)飼育結果
体重、全長、飼料効率のいずれにおいても、各区に違いは認められなかった。
ii)血中リゾチーム活性
血中リゾチーム活性を測定し、その結果を図3に示した。
この結果から、LS1.5%区、2.5%区が対照区よりも高い値を示すことが明示された。つまり、本発明によれば、リゾチーム含量(mg/mL)が、対照区においては約2.5であるのに対して、LS区では約3.5~3.7、更には3.6~4.2となることが示された。
iii)全Ig量
腸管組織中の全Ig量を測定し、その結果を図4に示した。
この結果から、LS 1.5%区が対照区よりも高い値を示すことが明示された。つまり、本発明によれば、全Ig量(mg/mg蛋白)が、対照区においては約0.58であるのに対し、LS区では約0.6~0.65、更には0.6~0、7となることが示された。
iv)短鎖脂肪酸
腸内容物中の短鎖脂肪酸としては酢酸が検出された。結果を図5に示した。
この結果から、LS給餌区はいずれも高い値を示し、特にLS1.5%区は対照区よりも高い値を示すことが明示された。つまり、本発明によれば、短鎖脂肪酸(酢酸)(mmol/L 腸内容物)が、対照区においては約0.1であるのに対し、LS区では約0.3~1.2であり、LS1.5%区では、有意に高い値を示し、約1.5~1.8も期待される。
v)腸組織
輪走筋の厚さ(μm)を測定した。結果を図6に示した。対照区に比してLS区がやや高い値を示したが、区間に有意差は認められなかった。
絨毛の高さ(μm)を測定した。結果を図7に示した。前腸では有意差は認められなかったが、後腸では、対照区が約450であるのに対し、LS区では約500~600であり、LS0.5%、1.5%区が対照区よりも高い値を示し(約520、620)、本発明では約650以上の値も期待される。
粘液細胞密度(個/400μm)を測定した。結果を図8に示した。前腸では有意差は認められなかったが、添加量に応じて高くなる傾向があり、LS2.5%区では約45~55であった。後腸では、対照区が約15であるのに対し、LS区では約21~25であり、LS0.5%、1.5%区が対照区よりも高い値を示し(約21、25)、本発明では約30以上の値も期待される。
低水温性の肉食性海産魚であるクロソイを使い、腸内容物を培養することでin vitroにおいてLSから短鎖脂肪酸がどの程度産生されるのか確認した。
(クロソイ in vitro 腸内発酵試験)
クロソイとしては、体重85.8~153.2g、全長20cm前後のクロソイを3尾使用した。クロソイの腸(第2屈曲部~肛門まで)から内容物を採取し、基質溶液(グルコース、αデンプン、LS)をそれぞれ添加して、16℃、24時間培養した。短鎖脂肪酸測定用に、0、10、24時間目でサンプリングした。
測定結果(正味生産量:μg/500μg基質)を図9に示した。
図9(クロソイの腸内容物によるLSからの正味酢酸産生量)から明らかなように、短鎖脂肪酸はギ酸、酢酸が検出された(ギ酸は測定できないサンプルも多かったためデータは示していない)。LSを基質とした場合、グルコースよりは利用性が遅いようであるが、24時間にかけて高い酢酸産生を示した。デンプンよりも酢酸産生は多かった。
魚類において、LSによってin vivo及びin vitroで短鎖脂肪酸が産生されることが明らかとなった。短鎖脂肪酸は魚類の免疫活性化に働くものであるから、LSが魚類の免疫力を向上させることが本実施例により明らかにされた。
LS添加飼料は実施例1と同様に作成した。サケとしては、東海大学臨海実験所豊浦支所において、海水に馴致後約1か月間飼育したサケ(Oncorhynchus keta)を用いた。試験は実施例1と同様にして行った。
ガラス水槽1基につき8尾(平均体重14g)を収容し、3水槽ずつ4区に分けた。ベースとなる配合飼料にタイハイカロリーRG(日清丸紅飼料株式会社)を用い、LS添加量を0(Control)、0.5、1.6、2.6%として、1日あたり体重の約2%量を午前9時と午後5時の2回に分けて給餌した。40日間の飼育終了後、体重、全長を測定し、尾へい部から採血した。また、開腹して腸内容物および腸管を採取した。血液は遠心分離して血漿リゾチーム活性を測り、腸管はホモジナイズして全Ig量を測定した。ホルマリン固定した腸管は腸前部と腸後部に分けて組織標本を作成し、HEおよびPAS-AB染色して絨毛の粘液細胞密度、筋肉層の厚さ、絨毛高を形態定量した。腸内容物中の短鎖脂肪酸はHPLCで定量した。統計にはMann-Whitney U testを用いた。粘液細胞密度は、組織の面積を画像解析で測定し、その組織中の粘液細胞数をカウントし、それを面積で除したもの(細胞数/面積)である。
次のような結果が得られた。
Control区との比較において、LSを添加したいずれの区も体重、体長、肥満度、飼料効率に差はなかった。腸前部の腸管絨毛中粘液細胞密度はLS1.6および2.6%区、輪走筋はLS0.5および2.6%区、粘液細胞密度は全てのLS区でControl区より高く、絨毛高はLS0.5%区を除き他の区ではControl区より高かった。腸後部の腸管絨毛中粘液細胞密度はLS2.6%区、輪走筋は全てのLS区、絨毛高はLS1.6ならびに2.6%区がControl区より高く、粘液細胞密度に差はなかった。短鎖脂肪酸は酢酸のみ検出され、LS1.6%区がControl区より高かった。血中リゾチーム活性はLS0.5ならびに2.6%区でControl区より高かった。腸管全IgはLS1.6%区でControl区より高い値を示した。
上記の結果から次のことが明らかになった。
LSの経口投与による腸管の形態変化や短鎖脂肪酸産生から、サケ腸内においてもLSが資化されることが確認できた。LSはサケ腸管の免疫グロブリン量や血中リゾチーム活性など、生体防御にかかわる因子を高める作用があることが確認できた。また、腸前部ならびに後部における粘液細胞密度はLS含有量に比例して高くなる傾向が見られたことにより、経口摂取したLSが、粘液量の増加により腸管での異物侵入を防ぐバリア機能を高めていることが充分考えられる。
コイについて試験を行い、それぞれ以下のような結果を得た。
底面から3cmの高さに網を設置した採糞用水槽を作成し、試験魚としてコイ(体重約5g)を用いて、飼育温度23℃で飼育した。
この飼育槽は糞塊が沈降する(溜まる)飼育槽の下部を網で仕切ってあるので、溜まった糞塊と魚が直接接触して、魚が糞塊を攪拌したり壊すことはなかった。24時間で排泄された糞塊を各実験に供した。
実験は、給餌区(LSを1.5%添加した飼料を給餌した区及び2.5%添加した飼料を給餌した区)でそれぞれコイ10匹を飼育して、対照区(LS0%飼料)と比較した。
(1)飼育成績
28日間飼育を行い、次の結果を得た(体重変化:図10及びFCE:図11)。FCEは飼料転換率、つまり摂取した飼料の何%が体重増加になったかを示すものであるが、28日間の飼育の結果、LSは体重変化やFCEに差異は認められなかった。
(2)飼育成績
図12は、水槽内で採取した糞塊の組織切片を示す図面代用写真である。図面から明らかなように、矢じり(Arrowhead)が示す糞塊周囲の粘液層(Mucus layer)が、対照区では薄いないしはほとんど認められないのに対し、LS給餌区ではいずれも明瞭であった。そして、対照区の糞塊は脆く崩れやすいため回収が困難であった。
顕微鏡写真を画像解析し、糞塊周辺の粘液層の厚さを測定した。結果を図13に示した。この図から明らかなように、粘液層はLS給餌区で有意に厚かった(図A)。
糞塊中の水分量を測定し、図13の結果を得た。この結果から明らかなように、自由水量はLS給餌区で有意に多く、結合水は区間に差がなかった(図B)。なお、自由水は遠心分離により滲み出てくる水を示し、結合水は滲み出てこない水を指す。
(3)水質変化
1)強制崩壊試験
強制崩壊試験は、糞塊を、湿重量の9倍量の水とともに5分間振とうして行った(23℃、100rpm)。
糞塊の崩壊による濁度を測定した。結果を図14に示す。この結果から明らかなように、対照区に比べてLS給餌区で有意に濁度が低く、水分量が多いにも関わらず糞塊の崩壊が少なかった。
糞塊の崩壊度(濁度)および崩壊により溶出される総窒素の量の関係を図15に示した。この関係は有意であり、相関係数0.62と強い相関が認められた。この図は、糞塊の崩壊が進むと糞塊中の成分が溶出することを示すものである。
2)自然崩壊試験
糞塊約1.5gを、500mLの滅菌水中に入れ、23℃で長時間静置した。その間、水中に溶出されるアンモニウム及び総窒素を経時的に測定した。その結果を図16に示した。その結果から明らかなように、LS2.5%区の糞塊からアンモニウムの溶出が遅れ、静置8日以降頭打ちとなった。対照区およびLS1.5%区では大きな違いは認められなかった(図A)。一方、糞塊からの総窒素溶出は、静置12日以降違いが生じ、対照区に比べLS給餌区で低くなった(図B)。
(4)腸管形態
図17は、腸管組織中の粘液細胞を染色したものの図面代用写真である(図中における黒点)。この図から、LS給餌区では黒点が明瞭に見える。
顕微鏡写真を画像解析し、腸管組織中の粘液細胞1個あたりの面積を算出した。その結果を図18に示した。この図から明らかなように、粘液細胞1個あたりの面積は、LS2.5%区が対照区よりも有意に大きかった。特に、LS2.5%区で粘液量が多くなっていることが示された。
(5)免疫機能
血漿中のリゾチーム活性を測定した。得られた結果を図19に示した。この図から明らかなように、血漿中のリゾチーム活性はLS給餌区で有意に高い値であった。
魚類の主要な免疫グロブリンはIgMであることに鑑み、腸管組織中のIgMを免疫染色した。その結果を図20(図面代用写真)に示した。図中、矢印はIgM陽性領域を示す。この図面から明らかなように、コイ腸管粘膜固有層にIgMが分布しているのが初めて確認された。
IgM陽性領域を画像解析した。その結果を図21に示した。この図面から明らかなように、LS2.5%区でIgM面積が多かった。
オリゴ糖類による魚類の免疫増強の研究報告は多いが、オリゴ糖の作用を腸管組織内IgMの特異的染色により評価した例はこれが初めてである。
このような作用により、LS摂取魚の抗病性が高まっているものと推測された。
次に、コイ体表面の粘液について試験を行い下記の結果を得た。
先ず体表面から粘液を掻き取り、タンパク質量として測定した。掻き取った粘液中の全Ig量を測定した。掻き取った魚を撮影し、画像解析して掻き取った部分の体表面積を測定した。得られた結果を図22に示した。
上記結果から明らかなように、体表面積あたり粘液量がLS給餌区で高かった(左図)。体表面あたり全Ig量はLS1.5%区でやや高かった(右図)。感覚的ではあるが、飼育期間途中の体重測定時、麻酔した魚を手で触った感触が異なっており、LS区の魚は粘液のヌルヌルが増していた。
以上より、抗病機能の亢進として体表面粘液量が高まるという知見、効果が得られた。これにより、LSの給餌により、体表面の粘液量が増えることで体表面における生体防御機能が増していると考えられた。
(6)有機酸
腸管内容物を採取し、有機酸分析を行った。得られた結果を図23に示した。この結果から明らかなように、有意ではないものの短鎖脂肪酸、特に酢酸量がLS給餌区で多くなっていた(左図)。逆に乳酸はLS給餌区が有意に少なかった(右図)。
コハク酸や乳酸は、管腔内に蓄積しやすく腸内のpHを低下させる場合がある。LSの給餌は、コハク酸や乳酸といった代謝中間体が腸内に蓄積することなく短鎖脂肪酸を産生したことがうかがえる。
LSは、コイの腸内細菌に発酵を受けやすく、短鎖脂肪酸を産生する。短鎖脂肪酸には粘液分泌促進作用もあり、こうしたLSによる腸内発酵への影響が糞塊の崩壊抑制や腸管組織のIgM産生に関与している可能性が強く示唆される。
魚類の飼育には水中という飼育環境の特殊性が存在するにもかかわらず、粘液がコーティングされた糞の崩壊は遅くなるので、漁場環境は悪化しにくくなる。したがって本発明によれば、魚類の飼育環境を良好に保つことができる漁場環境保全飼料を製造することができる。
上記給餌試験から、以下の効果、知見が得られた。
(1)糞塊への粘液コーティングが厚くなり、糞塊の崩壊が抑制される。
(2)この糞塊性状の変化により水質悪化が抑制される。
(3)糞塊のコーティングには腸管の粘液細胞の増加が関与している。
(4)抗病機能の亢進として血液中のリゾチーム活性が高まる。
(5)抗病機能の亢進として腸管組織中のIgMが増加する。
(6)抗病機能の亢進として体表面粘液量が高まる。
(7)以上の変化にLSの腸内発酵が影響しているものと考えられる。
このようにして、飼育環境が良好に維持され、魚類を健康に飼育することが可能となった。糞は自然に水槽下部に低下して、水と糞とが分離し、固液分離が人手を要することなく自然になされる。底部に溜まった糞は、これを除去すれば水槽はクリーンな状態に維持できる。
LS(ラクトスクロース)に加え、FOS(フラクトオリゴ糖)、GOS(ガラクトオリゴ糖)の3試験グループで、オリゴ糖による糞固化および水質悪化抑制を確認した。
飼料は、市販コイ育成用飼料(日清丸紅飼料(P-3))に各糖が飼料全量の2.5%になるように外添加した。使用した糖は、Glucose:富士フイルム和光純薬特級98%D(+)グルコース,LS:塩水港精糖株式会社ラクトスクロースLS98,FOS:富士フイルム和光純薬一級93%Fructooligosaccharides,GOS:富士フイルム和光純薬100%Galactooligosaccharidesであった。その組成を図24に示す。
予備飼育後の体重約12gのコイを12水槽(ガラス製15L水槽)に分け、各水槽に3尾収容し、各区4水槽とした。飼料は体重の1.5%重量を1日朝1回、週に6日給与した。体重は毎週測定した。
その結果、平均体重はFOSの体重が5週目から低くなっているが、これは同区の試験魚1尾が飛び出しで死んだため、平均体重を引き下げたことによる。体重、飼料効率に区間差はなかった。これを図25に示す。
強制崩壊試験
飼育開始から5~8週目の糞塊を採取し、湿重量の9倍量の水とともに5分間振とうした(23℃、100rpm)。
糞塊の崩壊による水の濁度を測定したところ、対照区に比べLS、FOS、GOS給餌区で有意に濁度が低く、崩壊が少なかった。LS、FOS、GOS区間に有意差はなかった。
崩壊後の上清中のアンモニウム量を測定したところ、対照区に比べLS、FOS、GOS給餌区で有意にアンモニア量が低く、LS、FOS、GOS区間に有意差はなかった。これを図26に示す(左図が濁度、右図がアンモニウムの溶出量を示す)。オリゴ糖の添加により糞崩壊が抑制され、アンモニウムの溶出が抑えられることがわかった。糞崩壊が抑制されている実際の糞を区ごとに図27(図面代用写真)に示す(左から順に、グルコース、LS、FOS、GOSを示す)。
糞塊からのアンモニウムの溶出の抑制は、糞中のアンモニウムが少ないことを示唆する。そこで糞中のアンモニウム量を測定した。糞塊湿重量の4倍量の蒸留水を加えて、ホモジナイズし、その上清中のアンモニウム量を測定して糞中量を求めた。
その結果、試験回数が少なく有意差は認められないが、対照区に比べLS、FOS、GOS給餌区で糞中アンモニウム量が低かった。これを図28に示す。
飼育7週目に採取した糞塊から実施例4と同様の方法で組織切片を作成し、糞塊周囲の粘液層の顕微鏡写真(図29)を画像解析して糞塊周辺の粘液層の厚さを測定した。
対照区に比べLS、FOS、GOS給餌区のいずれも糞塊粘液層厚に有意な違いがあり、添加したオリゴ糖類により糞塊周囲の粘液層が厚くなった。これを図30に示す。
今回摂取した飼料中のタンパク質量(窒素量)は同じであり、体重増加もほぼ同じである。にもかかわらず糞中のアンモニウム量、すなわち窒素量が異なることは、各区で窒素収支が違っていることを意味する。減少したアンモニウム(窒素成分)は細菌タンパク質の合成に利用されたものとの仮説をたて、各試験区のコイの腸内容物中の細菌数を平板培養法で比較した。
その結果、対照区に比べLS、FOS、GOS給餌区で腸内細菌数が多くなる傾向を認めた。これを図31に示す。また、実際の細菌培養の状態を図32(図面代用写真)に示す(図中、上段左がグルコース、右がLSであり、下段左がFOS、右がGOSを示す)。
したがって、飼料に添加した各オリゴ糖により腸内細菌が増えて糞中アンモニウムが減少したものと考えられた。
飼育終了後後腸組織切片を作成し粘液産生細胞を観察した。
図33は、腸管組織中の粘液細胞を染色したものの図面代用写真である(図中における黒点)。この図および図34から、統計解析の結果、腸管組織断面当たりの粘液細胞密度に区間差は認められなかったが、対照区に比べLS、FOS、GOS給餌区で粘液細胞数が多くなる傾向を認めた。
粘液細胞平均面積は対照区に比べFOS給餌区が有意に大きかった。これを図34に示す。
以上をまとめると、飼料中2.5%量のラクトスクロース、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖は糞塊周囲の粘液層を厚くすることで糞塊の崩壊を抑制し、また、腸内細菌数の増加により糞中アンモニア量を減少させ、崩壊抑制と相まって環境水中へのアンモニアの溶出を抑える、すなわち、これらオリゴ糖は水質悪化抑制に貢献するものと考えられた。イソマルトオリゴ糖でも、同様の効果が期待できる。
本発明は、乳糖果糖オリゴ糖(ラクトスクロース)を有効成分として含有する魚類用飼料組成物、特に免疫賦活用飼料組成物に関するものである。本発明によれば、魚類養殖や飼育における魚病対策としての生体防御能の活性化が可能となり、免疫賦活物質としての乳糖果糖オリゴ糖(ラクトスクロース)を含有する飼料を魚類に摂取させることが可能となる。その結果、魚類を健康に飼育することが可能となり、魚類の大量飼育、大量生産が可能となり、また、斃死率の低下も可能となり、大きな経済的効果がもたらされる。
また、本発明によれば魚類の糞が粘液細胞に由来する粘液によってコーティングされるので、糞の崩壊、溶出が長期間にわたって抑制される。その結果、水が濁ったり、悪臭が発生したりすることなく、水を長期間にわたって清澄にして衛生的に維持することができる。その間、魚もほとんど斃死することがない。水は上清部と沈降部とに明瞭に分離しており、必要時に沈降部を吸引パイプ等で吸引等したり、底部から抜き取ったりすればよく、常に水を衛生的に保つことができる。したがって、本発明は、また、漁場又は水槽環境保全(用)飼料、ないしは飼育又は移送環境保全魚類用飼料、ないしは魚類の飼育環境保全剤等も提供するものである。
本発明を概説すると、淡水期、海水期と水中に生育するサケにLS添加飼料を給餌することによって、LSは腸内細菌に資化され短鎖脂肪酸(酢酸など)を生成し、生体防御に関わるリゾチーム活性、免疫グロブリン量が高まり、腸管粘液細胞密度および粘液量が増加することを見い出したものである。
また、コイを対象としLS摂取によってリゾチーム活性、腸管内の免疫グロブリンM、粘液が増加し、その粘液が糞塊をコーティングすることによって崩壊を抑制し、水質悪化が抑制されることを見い出し、LSを魚類飼料に配合することによって、魚の健康と飼育環境保全に寄与することを可能とする発明である。
さらに、世界的な水産物需要の高まりから、養殖生産、特に海面漁業から環境に配慮した内水面漁業(内陸の閉鎖系)が増加している。このような内陸の国々においても、本発明は顕著な効果を発揮することができる。
種々存在する糖の中から、フラクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)がLSと同様の効果を奏することも見出した。
本発明を要約すると、次のとおりである。
すなわち、本発明は魚類を健康に飼育するための簡便な方法等を開発する。
その解決手段は、乳糖果糖オリゴ糖(ラクトスクロース)を有効成分として含有する飼料を魚類に給与又は投与することにより、免疫グロブリン量の向上、リゾチーム活性の向上、短鎖脂肪酸産生量の増加等の免疫活性賦活作用が奏される。その結果、魚類を健康に飼育することができ、濃密飼育が可能となり、多大な経済的効果が得られる。また、粘液細胞が増加するため、魚類の糞が粘液でコーティングされ、水槽、養魚場の水の汚染を大きく減じることができる。フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖でも同様である。






Claims (8)

  1. 魚類に、乳糖果糖オリゴ糖(ラクトスクロース、LS)を給与することにより、魚類腸管の粘液細胞密度を増加させて粘液量を増加させることにより、魚類の糞を粘液でコーティングして、糞の崩壊を遅らせて飼育水中に糞の成分が溶出することを防止ないし低減せしめ、もって、水質の悪化や汚濁を防止すること、を特徴とする漁場又は飼育環境を良好に保持又は保全する方法。
  2. 魚類に、乳糖果糖オリゴ糖(ラクトスクロース、LS)を給与することにより、魚類腸管の粘液細胞密度を増加させて粘液量を増加させることにより、魚類の糞を粘液でコーティングして、糞の崩壊を遅らせて沈澱せしめることにより固液分離し、もって、水質の悪化や汚濁を防止すること、を特徴とする漁場又は飼育環境を良好に保持又は保全する方法。
  3. 漁場又は飼育環境が、養魚場、養魚池、生けす、水族館の水槽、家庭内の水槽、活魚移送タンク、釣堀から選ばれる少なくともひとつであること、を特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 魚類に、乳糖果糖オリゴ糖(LS)に加えて、フラクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)の少なくともひとつを給与すること、を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 魚類に、乳糖果糖オリゴ糖(LS)に換えて、フラクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)の少なくともひとつを給与すること、を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  6. 乳糖果糖オリゴ糖(LS)、フラクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)から選ばれる少なくともひとつを有効成分として含有することを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法を実施するための、飼育環境保全魚類用飼料。
  7. 乳糖果糖オリゴ糖(ラクトスクロース、LS)を有効成分として含有すること、を特徴とする魚類の飼育環境保全剤。
  8. フラクトオリゴ糖(FOS)及び/又はガラクトオリゴ糖(GOS)を有効成分として含有すること、を特徴とする魚類の飼育環境保全剤。



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