JP2022120380A - miRNA133-b誘導体及びその利用 - Google Patents

miRNA133-b誘導体及びその利用 Download PDF

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Abstract

【課題】実用的なmiR133-b誘導体を提供する。【解決手段】実用的なmiR133-b誘導体として、ある特定の配列で表される塩基配列を有するオリゴリボヌクレオチドを含む第1の一本鎖と、それぞれ異なる11種の特定の塩基配列のいずれかで表される塩基配列を有するオリゴリボヌクレオチドを含む第2の一本鎖と、を備えている、miR133-b誘導体とする。さらに、前記第1の一本鎖のオリゴリボヌクレトチドと第2の一本鎖のオリゴリボヌクレオチドとは、ヌクレオシド誘導体を含んでよい。【選択図】なし

Description

本明細書は、miRNA133-b誘導体及びその利用等に関する。
種々の目的から、特定の遺伝子の発現を抑制する種々の核酸製剤が開発されている。なかでも、RNAを有効成分とするsiRNA、miRNAは、特定の疾患に関連する遺伝子の発現を抑制することができるというメリットがある。なかでもmiRNA医薬は、疾患に関連する複数のmessenger RNA (mRNA)を標的とし、増殖に関わるカスケード全体を破綻させる、さらに薬剤への抵抗性(耐性)が生じにくいというメリットがある。
がん細胞は、解糖系に偏ったエネルギー代謝により増殖していることがわかっており、こうした現象は、ワーバーグ効果と称されている。がん細胞では、PKM2(protein Kinase Muscle 2)の発現が亢進しており、それにより、解糖系を活性化している、このPKM2タンパク質の発現を上昇させているのがPTBP1(Polypyrimidine Tract-binding Protein 1)であることが報告されている(非特許文献1、2、3、4)。
本発明者らは、PTBP1を標的とするmicroRNAs(PTBP1関連microRNAs)に着目し、臨床サンプルや細胞株を確認した結果、PTBP1は腫瘍で高発現するがん遺伝子であることを明らかにしてきた(非特許文献2、4)。そして、PTBP1を標的とするmicroRNA133-bがPTBP1遺伝子の発現を抑制することで、PKMの発現をPKM2からPKM1にシフトさせ、その結果、がん細胞のエネルギー代謝機構(ワーバーグ効果)が崩壊し、細胞死が誘導されることも報告してきた(非特許文献2、4)。
Scientific Reports, 5:8647, DOI: 10.1038/step08647、 2015 Oncotarget, Vol.7, No.14, 18940-18952, 2016 Int, J. Mol. Sci. 2018, 19, 1276 Cancer science, DOI: 10.1111/cas.14694, 2020
本発明者らは、PTBP1遺伝子の発現をより一層効果的に抑制するmiRNA医薬の開発を試みているが、RISCへの取り込みの効率を向上させるようにmiRNAをデザインすることについては、明確な手法があるわけではなかった。
本明細書は、PTBP1遺伝子をターゲットとするmiRNAを有効成分とする発現抑制剤を提供する
本発明者らは、PTBP1遺伝子のmRNAを標的とするmiRNA133-bの塩基配列について種々の検討を行ったところ、特定の配列を備えるmiRNAがスプライサーであるPTBP1遺伝子の発現を効果的に抑制できることがわかった。また、PKM2からPKM1へ発現をシフトさせることができることも見出した。本明細書はこの知見に基づき以下の手段を提供する。
[1]配列番号1で表される塩基配列を有するオリゴリボヌクレオチドを含む第1の一本鎖と、
配列番号3~13のいずれかで表される塩基配列を有するオリゴリボヌクレオチドを含む第2の一本鎖と、
を備えている、miR133-b誘導体。
[2]さらに、前記第1の一本鎖のオリゴリボヌクレトチドと第2の一本鎖のオリゴリボヌクレオチドとは、それぞれ以下の修飾(1)~(3);
(1)ヌクレオシド誘導体を含む、
(2)修飾されたヌクレオシド間結合を備える
(3)その3’末端に、以下の式で表される、修飾されていてもよいベンゼン-ピリジン骨格の少なくとも1個を備える
Figure 2022120380000001
から選択される1種又は2種以上を備える、[1]に記載のmiRNA133-b誘導体。
[3]前記第1の一本鎖の前記オリゴリボヌクレオチドは、少なくともその3’末端に1個の前記ベンゼンーピリジン骨格をさらに備える、[2]に記載のmiRNA133-b誘導体。
[4]前記第2の一本鎖の前記オリゴリボヌクレオチドは、少なくともその3’末端に1個の前記ベンゼンーピリジン骨格をさらに備える、[2]又は[3]に記載のmiRNA133-b誘導体。
[5]前記第1の一本鎖の前記オリゴリボヌクレオチドは、ホスホロチオエート結合である前記修飾されたヌクレオシド間結合を有する、[2]~[4]のいずれかに記載のmiRNA133-b誘導体。
[6]前記第1の一本鎖と第2の一本鎖の前記オリゴリボヌクレオチドは、それぞれその3’末端に、1個の前記ベンゼンーピリジン骨格をさらに備える、[2]~[5]のいずれかに記載のmiR133-b誘導体。
[7]前記第1の一本鎖と第2の一本鎖の前記オリゴリボヌクレオチドは、それぞれその3’末端に、1個の前記ベンゼンーピリジン骨格をさらに備え、
前記第1の一本鎖の前記オリゴリボヌクレオチドは、その3’末端から11個のヌクレオシドのヌクレオシド間のみに、ホスホロチオエート結合である前記修飾されたヌクレオシド間結合を少なくとも1個備える、[2]~[6]のいずれかに記載のmiRNA133-b誘導体。
[8]前記第1の一本鎖の前記オリゴリボヌクレオチドは、その3’末端から11個のヌクレオシドのヌクレオシド間のみに前記ホスホロチオエート結合を、5個以上10個以下備える、[7]に記載のmiR133-b誘導体。
[9]前記第1の一本鎖の前記オリゴリボヌクレオチドは、その3’末端に、1個の前記ベンゼンーピリジン骨格をさらに備え、
前記第2の一本鎖の前記オリゴリボヌクレオチドは、その3’末端に、GGをさらに備え、
前記第1の一本鎖の前記オリゴリボヌクレオチドは、その3’末端から少なくとも11個のヌクレオシドのヌクレオシド間に、ホスホロチオエート結合である前記修飾されたヌクレオシド間結合を少なくとも1個備える、[2]~[6]のいずれかに記載のmiRNA133-b誘導体。
[10]前記第1の一本鎖の前記オリゴリボヌクレオチドは、その3末端から連続して12個以上の前記ホスホロチオエート結合を備える、[9]に記載のmiR133-b誘導体。
[11]前記第1の一本鎖の前記オリゴリボヌクレオチドは、その3’末端から11個のヌクレオシドのヌクレオシド間のみに前記ホスホロチオエート結合を、5個以上10個以下備える、[9]に記載のmiR133-b誘導体。
[12]前記第2の一本鎖の前記オリゴリボヌクレオチドは、配列番号3で表される塩基配列を有する、[6]~[11]のいずれかに記載のmiR133-b誘導体。
[13]さらに、前記第1の一本鎖と前記第2の一本鎖は、それぞれ、前記オリゴリボヌクレオチド中の少なくとも1個のヌクレオシドの2’位の炭素原子にハロゲン原子又はアルコキシ基が連結されている、[1]~[12]のいずれかに記載のmiRNA133-b誘導体。
[14][1]~[13]のいずれかに記載のmiRNA133-b誘導体を有効成分とする医薬組成物。
miRNA133-b誘導体のガイド鎖とパッセンジャー鎖との概要を示す図である。 Rh30細胞及びDLD-1細胞によるmiRNA133-b誘導体の評価結果(生細胞率%)を示す図である。 Rh30細胞及びDLD-1細胞によるmiRNA133-b誘導体の評価結果(生細胞率%)を示す他の図である。 Rh30細胞及びDLD-1細胞によるmiRNA133-b誘導体の評価結果(生細胞率%)を示す他の図である。 Rh30細胞によるmiRNA133-b誘導体の評価結果(生細胞率%)を示す他の図である。 Rh30細胞によるmiRNA133-b誘導体のウェスタンブロッティングによる評価結果(PTBP1タンパク質量、PKM1、PKM2タンパク質量)を示す図である。
本明細書の開示は、miRNA1330b(miR133-b)誘導体及びその利用等に関する。本明細書に開示される、miR133-b誘導体(以下、単に、本誘導体という。)は、特定の塩基配列等を有するパッセンジャー鎖(第2の一本鎖)を備えるため、効果的にPTBP1遺伝子の発現を抑制し、がん細胞の主たるエネルギー代謝を遮断してアポトーシスに導くことができる。
本誘導体は、miR133-bのパッセンジャー鎖の配列を少なくとも改変し、さらに、ガイド鎖(第1の一本鎖)及びパッセンジャー鎖(第2の一本鎖)に対して必要に応じて化学修飾を加えることで、生体(体液)におけるRNA分解システムを回避し、また、RISCへの取り込み性を改善などすることにより、PTBP1遺伝子の発現を効果的に抑制することができる。
本誘導体は、後述する医療用途のほか、非医療用途として、PTBP1遺伝子の発現やPKM2の発現抑制などの研究用試薬としても有用である。
本誘導体は、PTBP1遺伝子の発現を抑制することができる。本誘導体によれば、がん細胞が主として利用する解糖系によるエネルギー代謝を遮断することができるため、がん細胞の増殖をより選択的にあるいは効果的に抑制することができ、腫瘍を予防又は治療するための医薬組成物として有用である。また、本誘導体は、PTBP1遺伝子の発現によるPKM2の発現亢進に関連した疾患を治療又は予防するための医薬組成物として有用である。
以下、本誘導体及びその利用に関し、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
(本誘導体)
図1に、本誘導体の二次構造の概略を示す。なお、miRNAにおける、塩基ミスマッチによるループ構造は、便宜的にパッセンジャー鎖においてのみ表示するが、本誘導体の二次構造はこうした表示に拘束されるものではない。
本誘導体は、ガイド鎖がmRNAと結合してRNA干渉により蛋白発現を抑制するためガイド鎖の塩基配列は変えず、miR133-bのパッセンジャー鎖の塩基配列の一部を少なくとも改変しているmiR133-b誘導体である。これらは2本鎖構造が変わることで抗がん活性、RNase耐性が変わる可能性がある。ここで、miRNA133-bは、公知のmiRNAであり、天然型のヒトmiR133-bとしては、例えば、配列番号1で表される塩基配列(5’-UUUGGUCCCCUUCAACCAGCTA-3’)を有する一本鎖RNAであるか、又は当該一本鎖RNAと配列番号2(5’-UGGC UGGU CAAA CGGA ACCAAG-3’)で表される塩基配列を有する一本鎖RNAとが互いに相補塩基でハイブリダイズした二本鎖RNAなどが少なくとも挙げられる。なお、ヒトmiR133-bのガイド鎖は、3’末端に、5’末端側から3’末端に、CAの塩基配列からなる突出末端を有し、パッセンジャー鎖は、その3’末端に、5’末端側から3’末端に、UCの塩基配列からなる突出末端を有している。
本誘導体は、第1の態様として、miRNAを構成するRNA二本鎖のうち、ガイド鎖である第1の一本鎖と、パッセンジャー鎖である第2の一本鎖と、を備えることができる。以下、第1の一本鎖を、ガイド鎖とも称し、第2の一本鎖を、パッセンジャー鎖とも称する。
(ガイド鎖)
ガイド鎖のオリゴリボヌクレオチドは、配列番号1で表される塩基配列を有している。ガイド鎖が有する配列番号1で表される塩基配列は、ヒトmiR133-bのガイド鎖の塩基配列に対応している。ガイド鎖のオリゴリボヌクレオチドが有する塩基配列は、配列番号1で表される塩基配列のほか、当該塩基配列において1又は数個の塩基の置換、欠失、挿入及び/又は追加を有する塩基配列であってもよい。このような塩基の置換等は、例えば、1~4個であり、また例えば、1~3個であり、また例えば、1又は2個であり、また例えば、1個である。
ガイド鎖のオリゴリボヌクレオチドが有する塩基配列は、少なくともヒトPTBP1遺伝子の発現抑制のために必要であると考えられ、かかる塩基配列は、配列番号1で表される塩基配列ほか、当該塩基配列を改変した配列であっても、miR133-b誘導体としての活性を有し、がん細胞の増殖抑制に貢献できる。miR133-b誘導体の活性の有無や程度については、後述する実施例に開示する方法にて評価することができ、当該評価に基づいて、ガイド鎖が有するべき塩基配列を決定することができる。
ガイド鎖のオリゴリボヌクレオチドは、配列番号1で表される塩基配列を有するが、前記塩基配列の3’末端側には、さらに、適宜、適数個のデオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチドなどの天然塩基を備えるヌクレチド、ヌクレオシド誘導体、及び後段にて説明するベンゼン-ピリジン骨格を備えることができる。こうした突出末端は、二本鎖形態の本誘導体において、一本鎖領域を形成することができ、典型的には、例えば、1~4個、また例えば、1~3個、また例えば、2個である。こうした3’末端については、後段で説明する。
本誘導体のガイド鎖のオリゴリボヌクレオチドとしての長さは、パッセンジャー鎖と同じであっても異なっていてもよい。例えば、ガイド鎖の長さは、30塩基以下である。例えば、15~30塩基、20~25塩基、21塩基、22塩基、23塩基、24塩基又は25塩基である。
(パッセンジャー鎖)
パッセンジャー鎖のオリゴリボヌクレオチドは、配列番号3~13のいずれかの配列番号で表される塩基配列を有する。配列番号3~13で表される塩基配列は、いずれも、本発明者らが新たに見出した、PTBP1遺伝子の発現抑制効果等により、がん細胞の増殖抑制に有効であったパッセンジャー鎖が有する塩基配列である。パッセンジャー鎖が有する塩基配列は、配列番号3~13で表される塩基配列のほか、当該各塩基配列において1又は数個の塩基の置換、欠失、挿入及び/又は追加を有する塩基配列であってもよい。このような塩基の置換等は、例えば、1~4個であり、また例えば、1~3個であり、また例えば、1又は2個であり、また例えば、1個である。
パッセンジャー鎖のオリゴリボヌクレオチドは、例えば、配列番号1で表される塩基配列(3’末端のダングリングエンドに対応する塩基配列を含まず。)からなるガイド鎖とハイブリダイズしたときに、1個又は数個のミスマッチを備えることができる。天然のmiR133-bのパッセンジャー鎖(配列番号2)(3’末端のダングリングエンドに対応する塩基配列を含まず。)は、配列番号1で表されるガイド鎖のオリゴリボヌクレオチドに対して5つのミスマッチ(配列番号1で表される塩基配列の5’末端から1位,7位、10位,13位及び14位に対応する位置)を備えている。パッセンジャー鎖のミスマッチ数は、例えば、1~3個であり、また例えば、1~2個である。配列番号3~13で表される塩基配列におけるミスマッチ数は、2個(配列番号3,配列番号4,配列番号11)、3個(配列番号5~7、12~13)、4個(配列番号9~10)である。なお、これらのミスマッチ数は、配列番号1で表される塩基配列の5’末端から第1位の塩基に対するミスマッチを含んでいる。
パッセンジャー鎖が備えるミスマッチは、ガイド鎖が有する配列番号1で表される塩基配列の5’末端から例えば10位以内に備えることができ、また例えば、8位以内、また例えば、7位以内、また例えば、5位以内、また例えば、3位以内において備えることができる。この場合のミスマッチ数は、1~2個または1個とすることができる。
パッセンジャー鎖が有する塩基配列は、ガイド鎖が少なくともヒトPTBP1遺伝子の発現抑制のために必要であると考えられる。パッセンジャー鎖のオリゴリボヌクレオチドのかかる塩基配列は、配列番号3で表される塩基配列ほか、当該塩基配列を改変した配列であっても、miR133-b誘導体としての活性を有し、がん細胞の増殖抑制に貢献できる。miR133-b誘導体の活性の有無や程度については、後述する実施例に開示する方法にて評価することができ、当該評価に基づいて、パッセンジャー鎖が有するべき塩基配列を決定することができる。
Figure 2022120380000002
なお、上記表においては、上段がガイド鎖(第1の鎖)、下段がパッセンジャー鎖(第2の鎖)の配列を示すとともに、末端構造(ダングリングエンド)も示す。また、N(大文字)はRNAを、N(小文字)はDNAを、Nmは2’-OMeRNAを示す。
また、*は、以下のホスホロチオエート結合を表し、
Figure 2022120380000003
を表し、
また、BuP(ベンゼン-ウレア-ピリジン)及びPuBは、いずれも、以下の構造:
Figure 2022120380000004
を表す(いずれも、ピリジン(P)が、3’末端(上記式中右側)に配置され、5’側(上記式中左側)にベンゼン(B)が配置され、ベンゼン側にガイド鎖及びパッセンジャー鎖の3’末端側に連結される)。なお、ベンゼン環及びピリジン環の炭素原子に結合した水素原子は、炭素数1~4のアルキル基などによって置換されて修飾されていてもよい。
パッセンジャー鎖も、ガイド鎖と同様、特定された塩基配列の3’末端側には、さらに、、適宜、適数個のデオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチドなどの天然塩基を備えるヌクレチド、ヌクレオシド誘導体、後段にて説明する、ベンゼン-ピリジン骨格を備えることができる。こうした突出末端は、二本鎖形態の本誘導体において、一本鎖領域を形成することができ、典型的には、例えば、1~4個、また例えば、1~3個、また例えば、2個である。
本誘導体のパッセンジャー鎖のオリゴリボヌクレオチドとしての長さは、ガイド鎖と同じであっても異なっていてもよい。例えば、パッセンジャー鎖の長さは、30塩基以下である。例えば、15~30塩基、20~25塩基、21塩基、22塩基、23塩基、24塩基又は25塩基である。
(本誘導体が備えることができる修飾)
本誘導体のガイド鎖及びパッセンジャー鎖は、それぞれ上記した塩基配列を有する一本鎖オリゴリボヌクレオチドを備えているが、それぞれのオリゴリボヌクレオチドは、RISCへの取り込みやすさ、生体内におけるRNAase抵抗性などに影響されることとなる標的遺伝子の発現抑制能の向上のために以下の修飾(1)~(3)から選択されるいずれか又は2種以上を備えることができる。
オリゴヌクレオチドは、
(1)ヌクレオシド誘導体を含むことができる
(2)修飾されたヌクレオシド間結合を備えることができる
(3)その3’末端側に、少なくとも1個のベンゼン-ピリジン誘導体をさらに備えている
(ヌクレオシド誘導体)
「ヌクレオシド誘導体」は、ヌクレオシドの核酸塩基部分及び/又は糖部分(リボース)において、人工的な修飾がなされたヌクレオシドを意味している。本誘導体に適用できるヌクレオシド誘導体は、当該分野において当業者に知られている修飾であれば、適宜適用可能である。
なお、当該分野で公知のヌクレオチドの修飾及び修飾方法については、例えば、以下の特許文献にも開示されている。国際公開第98/39352号、国際公開第99/014226号、国際公開第2000/056748号、国際公開第2005/021570号、国際公開第2003/068795号、国際公開第2011/052436号、国際公開第2004/016749号、国際公開第2005/083124号、国際公開第2007/143315号、国際公開第2009/071680号、国際公開第2014/112463号、国際公開第2014/126229号等。
核酸塩基の修飾としては、例えば、5-メチルシトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、5-プロピニルシトシン等が挙げられる。
また、「ヌクレオシド誘導体」には、式:
Figure 2022120380000005
(式中、Xは水素又はOHである)
で示される核酸塩基が欠失した誘導体(Abasic)も含まれる。
さらに、糖部位に修飾を有する「ヌクレオシド誘導体」としては、式:
Figure 2022120380000006
(式中、BX3は、修飾されていてもよい核酸塩基である。)
で示される糖が開環した基も含まれる。その他、2’,5’-RNA(Biochemistry 1998, 37, 7478-7486)も含まれる。
糖部分の修飾としては、例えば、糖の2’位の置換が挙げられる。具体的には、2’-F、2’-OCH3(2’-OMe)、2’-OCH2CH2OCH3(2’-MOE)等である。
(修飾されたヌクレオシド間結合)
「修飾されたヌクレオシド間結合」とは、天然のオリゴヌクレオチド中のヌクレオシド間の結合(糖と糖の間の結合)であるホスホジエステル(D-オリゴ)結合が、人工的に修飾された結合又はリン原子を有していない結合を意味する。ヌクレオシド間結合として当該分野で公知の結合であれば、いずれも利用可能である。人工的に修飾がなされた結合としては、ホスホロチオエート(S-オリゴ)結合、メチルホスホネート(M-オリゴ)結合、ボラノホスホネート結合等が挙げられる。
修飾されたヌクレオシド間結合としては、また、国際公開第2013/022966号、国際公開第2011/005761号、国際公開第2014/012081号、国際公開第2015/125845号等に記載の結合も利用可能である。リン原子を有していない結合としては、アルキル、非芳香族炭素環式基、ハロアルキル、ハロゲンで置換された非芳香族炭素環式基等から誘導される二価の置換基が挙げられる。例えば、シロキサン、スルフィド、スルホキシド、スルホン、アセチル、ギ酸アセチル、チオギ酸アセチル、メチレンギ酸アセチル、チオギ酸アセチル、アルケニル、スルファマート、メチレンイミノ、メチレンヒドラジノ、スルホナート、スルホンアミド、アミド等から誘導される二価の置換基である。オリゴヌクレオチド中、全て同じ結合でもよいし、異なる結合を含んでいてもよい。
こうした「修飾されたヌクレオシド間結合」は、ガイド鎖及びパッセンジャー鎖のいずれの部位において備えられていてもよい。例えば、ガイド鎖のオリゴリボヌクレオチドの全ヌクレオシド間が修飾されていてもよい。また、ガイド鎖のオリゴリボヌクレオチドの3’末端から12個のヌクレオシド(3’末端修飾としてGGやBuPを備える場合には、当該GやBもここに含めるものとする。)に関し、これらヌクレオシド又はその誘導体間の結合である11個のヌクレオシド間結合のうち、例えば、5個以上、また例えば、6個以上、また例えば、7個以上、また例えば、8個以上、また例えば、9個以上、また例えば、10個以上、また例えば、11個のヌクレオシド結合を備えるようにしてもよい。これらのヌクレオシド間結合は、ガイド鎖の3’末端側から連続していてもよいし不連続であってもよいが、例えば5個以上、また例えば、6個以上、また例えば、7個以上、また例えば、10個以上、また例えば11個を連続して備えることもできる。こうすることで、エキソヌクレアーゼ抵抗性を向上させることができる場合がある。
さらに、ガイド鎖のオリゴリボヌクレオチドの3’末端から12個(3’末端修飾としてGGやBuPを備える場合には、当該GやBも含めるものとする。)のヌクレオシド又はその誘導体以降の5’末端側においても、修飾されたヌクレオシド間結合を備えていてもよい。かかる領域において、例えば、1個以上、また例えば、2個以上、また例えば、3個以上、また例えば、5個以上、また例えば、6個以上、また例えば、7個以上、また例えば、8個以上、また例えば、9個以上、また例えば、10個以上、また例えば、11個のヌクレオシド結合を備えるようにしてもよい。これらのヌクレオシド間結合は、連続していてもよいし不連続であってもよいが、例えば5個以上、また例えば、6個以上、また例えば、7個以上、また例えば、10個以上、また例えば11個を連続して備えることもできる。こうすることで、ヌクレアーゼ抵抗性を向上させることができる場合がある。
また、修飾されたヌクレオシド間結合は、ガイド鎖及びパッセンジャー鎖の、例えば突出末端などとしての3’末端修飾にも適用される。修飾されたヌクレオシド間結合を備える3’末端は、1個又は2個以上の修飾されたヌクレオシド間結合で連結された、例えば1個~5個、また例えば、1個~4個、また例えば、1個~3個のデオキシリボヌクレオシドを備えることができる。こうした3’末端におけるヌクレオチドは、天然のデオキシリボヌクレオチド、天然のリボヌクレオチドのほか、既述のヌクレオシド誘導体であってもよいし、後述するベンゼン-ピリジン誘導体であってもよい。例えば、2個のデオキシリボヌクレオチドを備える突出末端は、以下の式(3)で表される。以下の式中の5’末端側のヌクレオシド間結合(Y1を含む結合)は、例えば、配列番号1で表される塩基配列の3’末端のヌクレオシド又はその誘導体に連結される酸素原子に連結されることになる。
Figure 2022120380000007
(式中、X1及びX2は、それぞれ独立してアデニン、グアニン、シトシン又はチミンである。Y1及びY2は、それぞれ独立してO又はSである。)
(ベンゼン-ピリジン骨格)
「ベンゼン‐ピリジン骨格」とは以下の式(4)で表される単位を意味する。ベンゼン-ピリジン骨格は、適宜修飾されていてもよい。ベンゼン-ピリジン骨格は、ガイド鎖及び/又はパッセンジャー鎖の3’末端の少なくとも一部を構成することができる。以下の式(4)中の5’末端側(図中左側)の結合は、例えば、ガイド鎖やパッセンジャー鎖の特定塩基配列の3’末端のヌクレオシド又はその誘導体の5’位炭素原子に結合する酸素原子に連結されることになる。
Figure 2022120380000008
(式中、X3及びX4は、それぞれ独立してN又はCHを表し、Zは、
Figure 2022120380000009
を表し、Y3及びY’は、それぞれ独立してO又はSを表す。)
こうしたベンゼンーピリジン骨格の具体例及びその調製方法は、国際公開第2011/071078号等に記載されている。
ベンゼン-ピリジン骨格は、ガイド鎖のオリゴリボヌクレオチドの3’末端、パッセンジャー鎖のオリゴリボヌクレオチドの3’末端のいずれに備えられていてもよい。例えば、ガイド鎖のオリゴリボヌクレオチドの3’末端にのみ備えられていてもよいし、ガイド鎖及びパッセンジャー鎖のオリゴリボヌクレオチドの3’末端に備えられていてもよい。また、ベンゼン-ピリジン骨格は、ガイド鎖及び/又はパッセンジャー鎖のオリゴリボヌクレオチドの3’末端において、少なくとも1個(単位)を備えるが、さらに、ホスホロチオエート結合やホスホジエステル結合などで2個以上が連結されていてもよい。
以下に、本誘導体における好適なガイド鎖及びパッセンジャー鎖について、さらに説明する。
(ガイド鎖のオリゴリボヌクレオチドの3’末端にのみベンゼン-ピリジン骨格を備える本誘導体)
本誘導体は、例えば、ガイド鎖のオリゴリボヌクレオチドは、その3’末端に、1個のベンゼンーピリジン骨格をさらに備え、パッセンジャー鎖のオリゴリボヌクレオチドは、その3’末端に、GGをさらに備え、ガイド鎖のオリゴリボヌクレオチドは、その3’末端から少なくとも11個のヌクレオシドにおけるヌクレオシド間において、ホスホロチオエート結合である前記修飾されたヌクレオシド間結合を少なくとも1個備えることが好適である。こうした本誘導体は、上皮細胞から発生するがん細胞や骨や筋肉などの非上皮細胞から発生するがん細胞に有効である場合がある。
この態様においては、ガイド鎖のオリゴリボヌクレオチドは、その3’末端から連続するヌクレオシド間に、例えば、連続又は不連続で、12個以上のホスホロチオエート結合、また例えば、3’末端から連続するヌクレオシド間の全てにホスホロチオエート結合を備えることができる。かかる本誘導体は、上皮細胞から発生するがん細胞に有効である場合がある。
また、この態様においては、ガイド鎖のオリゴリボヌクレオチドは、その3’末端から11個以内のヌクレオシド間にのみにホスホロチオエート結合を、例えば、連続して又は不連続で5個以上10個以下、また例えば、6個以上9個以下、また例えば、6個以上8個以下、また例えば、7個備えることができる。かかる誘導体は、上皮細胞及び非上皮細胞から発生するがん細胞に有効である場合がある。なかでも、非上皮細胞から発生するがん細胞に有効である場合がある。
また、この態様においては、ガイド鎖のオリゴリボヌクレオチドは、その3’末端から連続また例えば不連続でホスホロチオエート結合を、例えば、連続して又は不連続で11個以上21個以下、また例えば、14個以上18個以下備えることができる。かかる誘導体は、上皮細胞及び非上皮細胞から発生するがん細胞に有効である場合がある。
(ガイド鎖及びパッセンジャー鎖のオリゴリボヌクレオチドの3’末端にベンゼン-ピリジン骨格を備える本誘導体)
本誘導体は、例えば、ガイド鎖及びパッセンジャー鎖の各オリゴリボヌクレオチドは、その3’末端に、1個のベンゼンーピリジン骨格をさらに備え、他の修飾を備えない構成とすることができる。こうした本誘導体は、上皮細胞から発生するがん細胞や骨や筋肉などの非上皮細胞から発生するがん細胞に有効である場合がある。なかでも、非上皮細胞から発生するがんに特に有効な場合がある。
また、本誘導体は、例えば、ガイド鎖及びパッセンジャー鎖の各オリゴリボヌクレオチドの3’末端に、1個のベンゼンーピリジン骨格をさらに備え、ガイド鎖のオリゴリボヌクレオチドは、その3’末端から少なくとも11個のヌクレオシドにおけるヌクレオシド間において、ホスホロチオエート結合である前記修飾されたヌクレオシド間結合を少なくとも1個備えることが好適である。こうした本誘導体は、上皮細胞から発生するがん細胞や骨や筋肉などの非上皮細胞から発生するがん細胞に有効である場合がある。
この態様においては、ガイド鎖のオリゴリボヌクレオチドは、その3’末端から連続するヌクレオシド間に、例えば、連続又は不連続で12個以上のホスホロチオエート結合、また例えば、3’末端から連続するヌクレオシド間の全てにホスホロチオエート結合を備えることができる。かかる本誘導体は、上皮細胞及び非上皮細胞から発生するがん細胞に有効である場合がある。
また、この態様においては、ガイド鎖のオリゴリボヌクレオチドは、その3’末端から11個以内のヌクレオシド間にのみにホスホロチオエート結合を、例えば、連続して又は不連続で5個以上10個以下、また例えば、6個以上9個以下、また例えば、6個以上8個以下、また例えば、7個備えることができる。かかる誘導体は、上皮細胞及び非上皮細胞から発生するがん細胞にとても有効である場合がある。
また、この態様においては、ガイド鎖のオリゴリボヌクレオチドは、その3’末端から連続又は不連続で、11個以上21個以下、また例えば、14個以上18個以下備えることができる。かかる誘導体は、上皮細胞及び非上皮細胞から発生するがん細胞に有効である場合がある。また、かかる誘導体は、非上皮細胞から発生するがん細胞により有効である場合がある。
本誘導体のパッセンジャー鎖は、例えば、配列番号3で表される塩基配列を有するオリゴリボヌクレオチドを備えていることが好適である。本発明者らによれば、かかるオリゴリボヌクレオチドは、上皮細胞及び非上皮細胞に由来するがんに有効であろうと考えられる。また、他のオリゴリボヌクレオチドも、天然のmiR133-bに比較して、上皮細胞及び/又は非上皮細胞に由来するがんに有効である。
なお、ガイド鎖及び/又はパッセンジャー鎖は、特段、上記(a)の修飾を有していなくてもよく、また、それぞれの5’末端側(鎖全体のヌクレオシド又はその誘導体の全数のうち、5’末端から、前記全数の半数に相当するヌクレオシド又はその誘導体までの領域、以下、同じ。)には、上記(a)~(c)の修飾備えていなくてもよい。
本発明のmiR-143誘導体中のガイド鎖及びパッセンジャー鎖のオリゴヌクレオチドは、当該分野の常法によって合成することができ、例えば、市販の核酸自動合成装置(例えば、AppliedBiosystems社製、(株)大日本精機製等)によって容易に合成することができる。合成法はホスホロアミダイトを用いた固相合成法、ハイドロジェンホスホネートを用いた固相合成法等がある。例えば、下記実施例1、特許文献1、Tetrahedron Letters 22, 1859-1862 (1981)等に開示されている。
合成されたガイド鎖及びパッセンジャー鎖は、例えば、後述する実施例1に開示されているような公知の方法でハイブリダイズさせることにより二本鎖オリゴヌクレオチドを形成する。
本明細書の開示は、本誘導体を含有する医薬組成物(以下、単に本医薬組成物ともいう。)も包含する。本医薬組成物の投与方法及び製剤は、当該分野で公知のmiRNAの投与方法及び製剤であれば、いずれも利用可能である。miRNAの投与方法及び製剤は、例えば、以下の文献にも開示されている。
Nature Review Drug Discovery, 13, 622-638(2014)特許文献1、国際公開第2010/050328号、国際公開第2011/064130号、国際公開第2011/153542号、国際公開第2013/163258号、国際公開第2013/192486号等。
本医薬組成物は、局所的あるいは全身的な治療のいずれが望まれるのか、又は治療すべき領域に応じて、様々な方法により投与することができる。投与方法としては、例えば、局所的(点眼、膣内、直腸内、鼻腔内、経皮を含む)、経口的、又は、非経口的であってもよい。非経口的投与としては、静脈内注射若しくは点滴、皮下、腹腔内若しくは筋肉内注入、吸引若しくは吸入による肺投与、硬膜下腔内投与、脳室内投与等が挙げられる。好ましくは、静脈内注射又は皮下投与である。
本医薬組成物を局所投与する場合、経皮パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、滴下剤、坐剤、噴霧剤、液剤、散剤等の製剤を用いることができる。
経口投与用組成物としては、散剤、顆粒剤、水若しくは非水性媒体に溶解させた懸濁液又は溶液、カプセル、粉末剤、錠剤等が挙げられる。非経口、硬膜下腔、又は、脳室内投与用組成物としては、バッファー、希釈剤及びその他の適当な添加剤を含む無菌水溶液等が挙げられる。
本医薬組成物は、本発明のmiR-133-b誘導体の有効量にその剤型に適した賦形剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、滑沢剤、希釈剤等の各種医薬用添加剤を必要に応じて混合して得ることができる。注射剤の場合には適当な担体と共に滅菌処理を行なって製剤とすればよい。
賦形剤としては乳糖、白糖、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム又は結晶セルロース等が挙げられる。結合剤としてはメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン又はポリビニルピロリドン等が挙げられる。崩壊剤としてはカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末又はラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。滑沢剤としてはタルク、ステアリン酸マグネシウム又はマクロゴール等が挙げられる。坐剤の基剤としてはカカオ脂、マクロゴール又はメチルセルロース等を用いることができる。また、液剤又は乳濁性、懸濁性の注射剤として調製する場合には通常使用されている溶解補助剤、懸濁化剤、乳化剤、安定化剤、保存剤、等張剤等を適宜添加しても良い。経口投与の場合には嬌味剤、芳香剤等を加えても良い。
本誘導体の標的細胞内への導入を促進するために、本医薬組成物は更に核酸導入用試薬を含むことができる。該核酸導入用試薬としては、アテロコラーゲン;リポソーム;ナノパーティクル;リポフェクチン、リポフェクタミン、DOGS(トランスフェクタム)、DOPE、DOTAP、DDAB、DHDEAB、HDEAB、ポリブレン、あるいはポリ(エチレンイミン)(PEI)等の陽イオン性脂質等を用いることができる。
本医薬組成物の投与は、治療される病態の重度と反応度に依存し、治療コースは、数日から数ヶ月、あるいは、治癒が実現されるまで、又は、病状の減退が達成されるまで持続する。最適投与スケジュールは、生体における薬剤蓄積の測定から計算が可能である。当該分野の当業者であれば、最適用量、投与法、及び、繰り返し頻度を定めることができる。最適用量は、個々の本誘導体の相対的効力に応じて変動するが、一般に、インビトロ及びインビボの動物実験におけるIC50又はEC50に基づいて計算することが可能である。例えば、本誘導体の分子量と、例えば、IC50のような効果的用量(実験的に導かれる)が与えられたならば、mg/kgで表される用量が通例にしたがって計算される。
本医薬組成物は、細胞増殖抑制効果を有するため、細胞増殖が関連する疾患の予防又は治療のために用いることができる。本発明の医薬組成物は、特に、癌の治療又は悪性化の抑制のために用いることができる。「癌」としては、ヒ卜、愛玩動物、家畜等が罹患する癌であれば特に限定されない。固形癌であっても浸潤癌であってもよく、上皮細胞から発生するがんや非上皮細胞から発生する肉腫であってもよい。例えば、乳癌、非小細胞肺癌、胃癌、頭頸部癌、食道癌、大腸癌、肝臓癌、腎臓癌、膀胱癌、子宮体癌、前立腺癌、子宮頸癌、脳腫瘍、胚細胞腫瘍(精巣腫瘍、卵巣腫瘍、性腺外腫瘍)、骨肉腫、軟骨肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、線維肉腫、脂肪肉腫、血管肉腫等が挙げられる。
以下、本明細書の開示を具現化した実施例について説明するが、以下の説明は、本明細書の開示を限定するものではない。
[オリゴヌクレオチドの合成及びmiRNAの準備]
以下の実施例においては、天然のヒトmiR133-bのガイド鎖に対して種々の塩基配列のパッセンジャー鎖を合成してこのパッセンジャー鎖をハイブリダイズさせることで種々のmiRNAを準備した。以下には、まず、オリゴヌクレオチドの合成について説明する。
<オリゴヌクレオチドの合成>
オリゴヌクレオチドは、天然のリボヌクレオチド、デオキシリゴヌクレオチドのほか、人工修飾を有するリボヌクレオチド、修飾されたヌクレオシド間結合及びベンゼン-ピリジン骨格を備える場合がある。実施例で用いるオリゴリボヌクレオチドのうち、天然のリボヌクレオチド、天然のデオキシリボヌクレオチドや、ヌクレオシド誘導体、修飾されたヌクレオシド間結合を備える場合には、常法に従い、こうした修飾を備えるアミダイト体を合成して、通常のアミダイト体と同様にして、こうしたオリゴヌクレオチド担体を用いる固相合成法により合成した。
また、修飾されたヌクレオシド間結合であるホスホロチオエート結合を有する場合には、0.02mol/Lヨウ素(テトラヒドロフラン/水/ピリジン/ヨウ素=90.54/9.05/0.41/0.43(v/v/v/w)に替えて、0.05mol/L[(ジメチルアミノ―メチリデン)アミノ]―3H-1,2,4―ジチアゾリン―3-チオン(DDTT)のアセトニトリル/ピリジン1/4(v/v)溶液を用いた。
また、3’末端側にベンゼン(B)及びピリジン(P)をウレア結合させた骨格(BuP)は、BやPをカルボニルジイミダゾールを用いてカップリングすることにより極めて容易かつ定量的にBuP担体を形成させることによって合成した。
以下の表においては、上段がガイド鎖(第1の鎖)、下段がパッセンジャー鎖(第2の鎖)の配列を示すとともに、末端構造(ダングリングエンド)も示す。また、下線部は、ガイド鎖に対するミスマッチを示す。さらに、N(大文字)はRNAを、N(小文字)はDNAを、Nmは2’-OMeRNAを示す。
*は、
Figure 2022120380000010
を表し、
また、BuP及びPuBは、それぞれ、以下の構造:
Figure 2022120380000011
及び
を表す。
全てのオリゴヌクレオチドは、核酸自動合成機を用いた固相ホスホロアミダイト法により3´末端にダングリングエンドを有するRNA配列(この配列はマイクロRNA-133bのガイド鎖とパッセンジャー鎖に由来するものである)を合成した。オリゴヌクレオチドの合成法及び精製法の基本的な操作の詳細を以下の通りであった。
合成は、全て1μmolスケールで行った。3400DNA自動合成機(アプライドバイオシステムズ製)を用いてAGCUなどの各ホスホロアミダイトは0.1MになるようMeCN溶液に溶解した。3’末端の連結基を介して支持固体であるCPG樹脂に固定したヌクレオシドの5’位保護基であるジメトキシトリチル(DMTr)基を酸で除去した後、新たに遊離した5’位に、配列に従い、次のヌクレオシドに対応する3’-ホスホロアミダイト誘導体を連結した。アミダイト体活性化剤はテトラゾールを用いた。カップリングで生じた亜リン酸トリエステルを酸化し、リン酸トリエステルとした。さらに、5’位の脱保護と露出を行うとともに、配列に従い、次のヌクレオシドに対応するホスホロアミダイトを適用して鎖を延長し、延長されたオリゴヌクレオチド鎖の5’末端はDMTr基を除去した状態で合成を終了した。Arガスを通してCPG樹脂を乾燥させた。合成したダングリングエンド樹脂は0.12MになるようMeCN溶液に溶解させ調整した。
自動合成終了後、CPG樹脂に結合したオリゴヌクレオチドをエッペンドルフチューブに移し、EtOH:NH4OH=3:1水溶液1.2mLを加えて室温で12時間振とうし、樹脂からの切り出し及びベンゾイル基などの脱保護処理を行った。その後、溶液を減圧下乾固した。残渣に1M TBAF in THF溶液1mLを加え溶解させ、12時間振とうし、シリル基の脱保護を行った。この反応液を0.1M TEAA bufferで希釈して30 mLとし、平衡化したC-18逆相カラム(Sep-Pak)に通し、カラムに吸着させた。カラムは、最初にコンディショニングとしてCH3CN10mL、0.1M TEAA buffer 15mLを流し、その後に濾液を流しておいた。ここでカラムを滅菌水で洗浄して塩を取り除き50%CH3CN in H2O 3mLで溶出し、減圧下乾固した。残渣にloading solution(1×TBE in90% formamide)200μLを加え20%PAGE電気泳動(500V,20mA)を行った。目的のオリゴヌクレオチドのある部分のゲルを切り出し、溶出液(2N TEAA buffer1mL、0.1mM EDTA水溶液0.2mLとH2Oを加え20mLとした。)に浸し、一晩振とうした。この濾液をもう一度、当該濾液で平衡化したC-18逆相カラム(Sep-Pak)に通し、精製した。こうして得られた各サンプルをH2O 1mLに溶解し、このものの希釈液の260nmにおける吸光度を測定し、その収量を求めた。
また、各サンプルの分子量をMALDI-TOF/MASSにより確認した。そして、さらにHPLCにて単離精製した。溶出液は以下の通り、A液とB液とを用いて、A液100%からB液100%にグラディエントをかけた。カラムはC-18逆相カラムを用いた。
A液:5%MeCN in 0.1M TEAA(トリエチルアミンアセテート)(pH7.0)
B液:50%MeCN in 0.1M TEAA(pH 7.0)
得られた各オリゴヌクレオチド鎖の実測分子量が理論分子量と一致することで、目的の配列が合成できていることを確認した。
<miRNAの準備>
実施例に示す表において規定するガイド鎖とパッセンジャー鎖との組み合わせに従い、二本鎖核酸を調製した。各オリゴヌクレオチドを等モル量混合した後、蒸留水を加えて濃度0.1mmol/L溶液とした。その後98℃下で1分間静置後、室温まで自然冷却させることで二二本鎖核酸であるmiRNAを得た。
本実施例では、以下の表に示す、d1と称する野生型ヒトmiR133-b及びd5と称するヒトmiRNA133-b誘導体を準備するほか、d2~d4及びd6~d8と称するmiR133-b誘導体を準備した。d5は、以下の表に示すように、ガイド鎖及びパッセンジャー鎖の3’末端がいずれもGGであるとともに、そのミスマッチ部位がガイド鎖の5’側と相補する3’末端から7個目の塩基のみとなっている。
d2は、ガイド鎖及びパッセンジャー鎖の3’末端を野生型のmiR133-bからGG変更しただけの誘導体、d3~d4は、ガイド鎖及びパッセンジャー鎖の3’末端がGGとなっているほか、野生型のmiR133-bのミスマッチ部位(7,10,13,14)のうち、2個しか有しない誘導体、d6~d8は、野生型のミスマッチ部位のうち、1個、互いに異なる3個の組み合わせを有する誘導体であった。
Figure 2022120380000012
本実施例では、実施例1で調製した各種二本鎖核酸につき、ヒト横紋筋肉腫細胞であるRh30細胞株及びヒト結腸腺がん細胞株であるDLD-1細胞株を用いて、これらの増殖抑制能につき評価した。なお、これらの細胞は、いずれも、PTBP1遺伝子の発現の促進が細胞増殖を促進することが報告されている分離されたがん細胞である。評価は、以下の操作に従い行った。
(細胞培養)
Rh30,DLD-1を10%FBS含有RPMI-1640中、37℃、5%CO2の条件下で培養した。
(細胞生存評価)
生細胞数は、トリパンブルー色素排除試験法により評価した。細胞溶液をトリパンブルー(Life technologies)と等量混合し、血球計算盤にて生細胞数を計数した。コントロール細胞に対する割合(%)を細胞生存率とした。培養した細胞をトリプシンにて遊離させ、計数した。
(miRNAの細胞へのトランスフェクション)
6-wellプレートに0.5×105ずつ前記細胞を、トランスフェクションの前日にまいた。トランスフェクションには、陽イオン性のリポソームである、Lipofectamine RNAiMAX(Invitrogen, Carlsbad, CA)をプロトコールにしたがって行った。
(細胞生存評価結果)
二本鎖RNAであるd1(野生型のmiR133-b)~d8についての細胞生存評価結果を、図2に示す。
図2に示すように、天然のヒトmiR133-bであるd1に対して、d5の誘導体は、よりすなわち、優れた細胞増殖抑制能を示した。すなわち、d5は、野生型miR133-bであるd1よりも、Rh30及びDLD-1の生細胞数をより大きく減少させた。以上のことから、miR133-b誘導体としては、天然のヒトmiR133-bと対比したとき、7位にのみミスマッチを有し、かつ、ガイド鎖及びパッセンジャー鎖の3’末端が、いずれもGGであることが好適であることがわかった。
本実施例では、以下の表に示す、実施例1で特定したd5と称するヒトmiR133-b誘導体を準備するほか、d9~d28と称するmiR133-b誘導体を準備した。d9~d11、d14、d17、d19、d23、d26~d28の誘導体の仕様を表3に示す。これらの仕様は、好適なミスマッチ部位及びその組み合わせをさらに探索しようというものである。以下の表においては、ミスマッチ部位は、下線が施されている。
他の誘導体は、ガイド鎖及びパッセンジャー鎖の3’末端はいずれもGGであるほか、ミスマッチ部位として、1位、2位、3位、4位、5位、6位、7位から選択される1種(4種類)、2種(2種類)、3種(3種類)及び4種(1種類)のミスマッチ部位を表3に規定されるのとは異なる仕様を備える誘導体であった。
Figure 2022120380000013
(細胞生存評価結果)
これらのmiR133-b誘導体につき、実施例1と同様にして、細胞生存評価試験を行った。結果を、図3に示す。
図3に示すように、d9,d10,d11,d14,d17、d19,d23、d26~d28は、野生型miR133-bであるd1や他の天然のミスマッチ部位の組み合わせの誘導体よりも生細胞減少効果に優れていたd5と同程度かそれ以上に、Rh30及びDLD-1の生細胞数を減少させた。なかでも、優れた生細胞減少効果を発揮しているd23は、パッセンジャー鎖における唯一のミスマッチを、ガイド鎖の5’末端側から3位に対する相補塩基に有していた。したがって、意外にも、miR133-b誘導体として有利なミスマッチ部位は「3位」であることがわかった。
本実施例では、以下の表に示す、実施例2で特定したd23と称するヒトmiR133-b誘導体を準備するほか、d29~d36と称するmiR133-b誘導体を準備した。d29~d36の誘導体の仕様を表4に示す。これらの仕様は、優れた生細胞数抑制効果を示したd23のミスマッチ部位(3位)及びd23の3’末端以外の配列を維持しつつd23に種々の修飾を加えたものである。
Figure 2022120380000014
(細胞生存評価結果)
これらのmiR133-b誘導体につき、実施例1と同様にして、細胞生存評価試験を行った。結果を、図4に示す。
図4に示すように、ガイド鎖及びパッセンジャー鎖の各3’末端にそれぞれBuPを備えるd33及びd36が優れた効果を示すことがわかった。
本実施例では、実施例3で特定した、d33、d36の誘導体のガイド鎖の3’末端側にホスホロチオエート結合や2’-OMeの導入、同5’末端側及び3’末端側に2’-OMeの導入を行い、d37~d38の誘導体を準備した。d37~d38の仕様を表5に示す。
Figure 2022120380000015
(細胞生存評価結果)
これらのmiR133-b誘導体につき、実施例1と同様にして、Rh30細胞に対する細胞生存評価試験を行った。結果を、図5に示す。
図5に示すように、ガイド鎖に2-OMe修飾を導入したd37及びd38よりも、かかる修飾を有しないd33及びd36がより生細胞数を減少させたこと、なかでも、ガイド鎖の3’末端側にホスホロチオエート結合を有するd36が最も生細胞数の減少に有効であることがわかった。すなわち、ガイド鎖の3’末端側へのホスホロチオエート結合の導入修飾が有効であることがわかった。一方、ガイド鎖に対する2-OMeの導入修飾は、有効とはいえない場合があることが判明し、かかる修飾を有しないことが好ましい場合があることがわかった。
本実施例では、実施例4で特定したd36のほか、d33、d37~d38の誘導体についてのタンパク質の発現抑制効果の評価をウェスタンブロッティングにより行った。方法を以下に示す。なお、評価は、実施例4と同様に、Rh30細胞にこれらのmiR133-b誘導体をトランスフェクションした細胞について行った。
(タンパク質抽出及びウェスタンブロッティング)
トランスフェクションを行ったRh30細胞を、スクレーパーではがし回収した後、PBSで洗浄した。タンパク質抽出液として、「Protein lysis buffer<10mM Tris-HCl(pH7.4),0.1%SDS,1%NP-40,0.1%デオキシコール酸ナトリウム,150mM NaCl,1mM EDTA>: Protease Inhibitor Cocktail (nacalai tesque): Phosphatase Inhibitor Cocktail solution II: solution III (Sigma-Aldrich Co.)=50:1:1:1」を調製し、回収した細胞ペレットに加え、ボルテックスで完全に溶解させ、氷上で20分静置した。その後、13000rpm,20分,4℃で遠心し、上清を回収し、タンパク質サンプルとした。タンパク質の濃度測定は、DC Protein Assay Kit (BIO-RAD)を用いて行った。濃度測定したタンパク質を5×SDS sample buffer<62.5mM Tris-HCl(pH6.8),2%SDS,10%グリセロール,50mM DTT,0.01%ブロモフェノールブルー>と混和して10μg/10μLに調製し、98℃で5分加熱処理した後、氷上で5分静置した。
タンパク質は、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動により10、12.5%のポリアクリルアミドゲルであるSuper Sep Ace (Wako)を用いて分離し、Transfer membrane (MILLIPURE)にエレクトロブロットした。その後、PVDF blocking buffer(TOYOBO)でブロッキングを行い、各特異的な一次抗体に浸し一晩反応させた。この研究で使用した抗体は、抗ヒトLC3B抗体、抗ヒトPTBP1抗体(CST)、抗ヒトPKM1抗体、抗ヒトPKM2抗体 (Novus)である。翌日、二次抗体(Anti-rabbit IgG HRP-linked antibody (CST))で反応させた。タンパク質発現量は、Luminata Forte Western HRP Substrate (MILLIPORE)を使用し蛍光発光させ、Luminescent image analyzer LAS-4000 UV mini (Fujifilm)にて検出した。タンパク質発現量のcontrolには、抗ヒトGAPDH 抗体 (CST)を同じ膜で反応させ検出した。
(ウェスタンブロッティングによる評価結果)
図6に、d33、d36~d38についてのウェスタンブロッティングによる、タンパク質の発現抑制効果の評価結果を示す。図6に示すように、d36によれば、PTBP1の発現を抑制し、PKM2量を低減し、PKM1量を増大させていることがわかった。
すなわち、d36は、ガン細胞において、PTBP1の発現を抑制する結果、PKM1とPKM2のスプライシングを変化させて、結果として、PKM2のタンパク質の発現を抑制し、PKM1の発現を促進することがわかった。PKM2は、がん細胞特有のエネルギー代謝を担うタンパク質である。d36は、このタンパク質量を抑制することで、がん細胞の増殖を抑制することができたと考えられた。
また、d36と同様の修飾を備える、他の有効なmiR133-b誘導体も、同様の作用を奏するものと考えられた。
配列番号3~13:miR133-b誘導体

Claims (14)

  1. 配列番号1で表される塩基配列を有するオリゴリボヌクレオチドを含む第1の一本鎖と、
    配列番号3~13のいずれかで表される塩基配列を有するオリゴリボヌクレオチドを含む第2の一本鎖と、
    を備えている、miR133-b誘導体。
  2. さらに、前記第1の一本鎖のオリゴリボヌクレトチドと第2の一本鎖のオリゴリボヌクレオチドとは、それぞれ以下の修飾(1)~(3);
    (1)ヌクレオシド誘導体を含む、
    (2)修飾されたヌクレオシド間結合を備える
    (3)その3’末端に、以下の式で表される、修飾されていてもよいベンゼン-ピリジン骨格の少なくとも1個をさらに備える、
    Figure 2022120380000016
    からなる群から選択される1種又は2種以上の修飾を備える、請求項1に記載のmiRNA133-b誘導体。
  3. 前記第1の一本鎖の前記オリゴリボヌクレオチドは、少なくともその3’末端に1個の前記ベンゼンーピリジン骨格をさらに備える、請求項2に記載のmiRNA133-b誘導体。
  4. 前記第2の一本鎖の前記オリゴリボヌクレオチドは、少なくともその3’末端に1個の前記ベンゼンーピリジン骨格をさらに備える、請求項2又は3に記載のmiRNA133-b誘導体。
  5. 前記第1の一本鎖の前記オリゴリボヌクレオチドは、ホスホロチオエート結合である前記修飾されたヌクレオシド間結合を有する、請求項2~4のいずれかに記載のmiRNA133-b誘導体。
  6. 前記第1の一本鎖と第2の一本鎖の前記オリゴリボヌクレオチドは、それぞれその3’末端に、1個のベンゼンーピリジン骨格をさらに備える、請求項2~5のいずれかに記載のmiR133-b誘導体。
  7. 前記第1の一本鎖と第2の一本鎖の前記オリゴリボヌクレオチドは、それぞれその3’末端に、1個のベンゼンーピリジン骨格をさらに備え、
    前記第1の一本鎖の前記オリゴリボヌクレオチドは、その3’末端から11個のヌクレオシドのヌクレオシド間のみに、ホスホロチオエート結合である前記修飾されたヌクレオシド間結合を少なくとも1個備える、請求項2~6のいずれかに記載のmiRNA133-b誘導体。
  8. 前記第1の一本鎖の前記オリゴリボヌクレオチドは、その3’末端から11個のヌクレオシドのヌクレオシド間のみに前記ホスホロチオエート結合を、5個以上10個以下備える、請求項7に記載のmiR133-b誘導体。
  9. 前記第1の一本鎖の前記オリゴリボヌクレオチドは、その3’末端に、1個のベンゼンーピリジン骨格をさらに備え、
    前記第2の一本鎖の前記オリゴリボヌクレオチドは、その3’末端に、GGをさらに備え、
    前記第1の一本鎖の前記オリゴリボヌクレオチドは、その3’末端から少なくとも11個のヌクレオシドのヌクレオシド間に、ホスホロチオエート結合である前記修飾されたヌクレオシド間結合を少なくとも1個備える、請求項2~6のいずれかに記載のmiRNA133-b誘導体。
  10. 前記第1の一本鎖の前記オリゴリボヌクレオチドは、その3末端から連続してヌクレオシド間に12個以上の前記ホスホロチオエート結合を備える、請求項9に記載のmiR133-b誘導体。
  11. 前記第1の一本鎖の前記オリゴリボヌクレオチドは、その3’末端から11個のヌクレオシドのヌクレオシド間のみに前記ホスホロチオエート結合を、5個以上10個以下備える、請求項9に記載のmiR133-b誘導体。
  12. 前記第2の一本鎖の前記オリゴリボヌクレオチドは、配列番号3で表される塩基配列を有する、請求項6~11のいずれかに記載のmiR133-b誘導体。
  13. さらに、前記第1の一本鎖と前記第2の一本鎖は、それぞれ、前記オリゴリボヌクレオチド中の少なくとも1個のヌクレオシドの2’位の炭素原子にハロゲン原子又はアルコキシ基が連結されている、請求項1~12のいずれかに記載のmiRNA113-b誘導体。
  14. 請求項1~13のいずれかに記載のmiRNA133-b誘導体を有効成分とする医薬組成物。
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