JP2022117384A - 電池システム - Google Patents

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Yuki Sugo
大輔 岡西
Daisuke Okanishi
直也 濱口
Naoya Hamaguchi
光洋 葛葉
Mitsuhiro Kuzuha
亮 金田
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Abstract

【課題】リチウムイオン電池の充放電電流が時間的変化する場合であっても、リチウムイオン電池のハイレート劣化の進行度合いを高精度に評価する。【解決手段】電池システム1は、リチウムイオン電池であるバッテリ10と、バッテリ10のハイレート劣化の進行度合いを評価するECU30とを備える。バッテリ10は、正極と負極とが積層された電極体115と、電極体115が含浸された電解液とを含む。ECU30は、電流センサ22により検出された電流に基づいて、負極117の体積膨張量を算出する。ECU30は、負極117の体積膨張量と、電解液が負極117内を流れる際の液抵抗とに基づいて、負極117からの電解液の押し出し量を算出する。ECU30は、電解液の押し出し量に基づいて、電極体115におけるリチウムイオン濃度分布の偏りを評価するための評価値を算出する。【選択図】図12

Description

本開示は、電池システムに関し、より特定的には、リチウムイオン電池のハイレート劣化の進行度合いを評価する技術に関する。
リチウムイオン電池において大電流(ハイレート)での充放電が継続されると、電極体の内部におけるリチウムイオンの濃度分布が偏ることに起因してリチウムイオン電池の内部抵抗が一時的または可逆的に上昇し得る。このような状態が継続すると、リチウムイオン電池の劣化を招く。この劣化は「ハイレート劣化」とも呼ばれる。
特開2017-103080号公報(特許文献1)は、評価値Dを算出するように構成された電池システムを開示する。評価値Dは、リチウムイオン電池の電解液中のイオン濃度の偏りを定量的に評価するために算出される。
特開2017-103080号公報
リチウムイオン電池に充放電される電流は時間的に変化し得る。詳細なメカニズムについては後述するが、本発明者らは、充放電電流が急変した場合には、充放電電流の変化が緩やかである場合と比べて、リチウムイオン電池のハイレート劣化の進行度合いの評価精度が低下し得る点に着目した。
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、本開示の目的は、リチウムイオン電池の充放電電流が時間的に変化する場合であっても、リチウムイオン電池のハイレート劣化の進行度合いを高精度に評価することである。
本開示のある局面に係る電池システムは、リチウムイオン電池と、リチウムイオン電池に充放電される電流を検出する電流センサと、リチウムイオン電池のハイレート劣化の進行度合いを評価する制御装置とを備える。リチウムイオン電池は、各々面状の正極と負極とが積層された電極体と、電極体が含浸された電解液とを含む。制御装置は、電流センサにより検出された電流に基づいて、負極の体積膨張量を算出する。制御装置は、負極の体積膨張量と、電解液が負極内を流れる際の液抵抗とに基づいて、負極からの電解液の押し出し量を算出する。制御装置は、電解液の押し出し量に基づいて、電極体におけるリチウムイオン濃度分布の偏りを評価するための評価値を算出する。
上記構成においては、電解液が負極内を流れる際の液抵抗を考慮して、負極からの電解液の押し出し量が算出される。液抵抗を考慮することで、充放電電流が急変した場合等に負極からの電解液の押し出し量を過大に算出することを抑制できる。その結果、電極体におけるリチウムイオン濃度分布の偏りを過剰に評価することを抑制できる。よって、上記構成によれば、リチウムイオン電池の充放電電流が時間的に変化する場合であっても、リチウムイオン電池のハイレート劣化の進行度合いを高精度に評価できる。
本開示によれば、リチウムイオン電池の充放電電流が時間的に変化する場合であっても、リチウムイオン電池のハイレート劣化の進行度合いを高精度に評価できる。
本実施の形態に係る電池システムが搭載された車両の全体構成を概略的に示す図である。 各セルの構成をより詳細に示す図である。 電極体の構成をより詳細に説明するための図である。 本実施の形態におけるハイレート劣化抑制制御の処理手順を示すフローチャートである。 2種類の塩濃度ムラを説明するための概念図である。 電極体における面内方向の塩濃度ムラの生じやすさのSOC(State Of Charge)依存性を説明するための概念図である。 比較例における劣化評価値算出処理の処理手順を示すフローチャートである。 SOC係数の算出手法の一例を示す図である。 履歴変数の算出手法の一例を示す図である。 バッテリへの充電電流Iが変化した場合の塩濃度ムラの演算結果を説明するための概念図である。 実際の面内方向の塩濃度ムラの変化が緩やかである理由を説明するためのモデル図である。 本実施の形態に係る劣化評価値算出処理の処理手順を示すフローチャートである。 実施の形態の変形例に係る劣化評価値算出処理の処理手順を示すフローチャートである。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
以下の実施の形態では、本開示に係る電池システムが車両に搭載された構成を例に説明する。しかし、本開示に係る電池システムの用途は車両用に限定されず、定置用であってもよい。
[実施の形態]
<システム構成>
図1は、本実施の形態に係る電池システムが搭載された車両の全体構成を概略的に示す図である。車両1は、代表的にはハイブリッド車両(HV:Hybrid Vehicle)である。車両1は電池システム2を備える。電池システム2は、バッテリ10と、監視ユニット20と、ECU(Electronic Control Unit)30とを備える。車両1は、電池システム2に加えて、PCU(Power Control Unit)40と、モータジェネレータ51,52と、エンジン60と、動力分割装置70と、駆動軸80と、駆動輪90とをさらに備える。
バッテリ10は、複数のセル11を含む組電池である。各セル11は、非水電解液を含む二次電池であり、具体的にはリチウムイオン電池である。セル11の構成については図2および図3にて、より詳細に説明する。バッテリ10は、モータジェネレータ51,52を駆動するための電力を蓄え、PCU40を通じてモータジェネレータ51,52へ電力を供給する。また、バッテリ10は、モータジェネレータ51,52の発電時にPCU40を通じて発電電力を受けて充電される。
監視ユニット20は、電圧センサ21と、電流センサ22と、温度センサ23とを含む。電圧センサ21は、複数のセル11の各々の電圧Vを検出する。電流センサ22は、バッテリ10に充放電される電流Iを検出する。温度センサ23は、バッテリ10の温度を検出する。各センサは、その検出結果をECU30に出力する。
なお、各センサの監視単位は特に限定されず、セル単位であってもよいし、隣接する複数のセル単位であってもよいし、ブロック単位であってもよいし、バッテリ10全体であってもよい。以下では簡単のためセル11を監視単位に説明し、各セル11のことをバッテリ10と記載する。
バッテリ10に充放電される電流Iの符号に関して、バッテリ10への放電方向を正とし、バッテリ10への充電方向を負とする。バッテリ10に充放電にされる電力の符号についても同様である。
温度センサ23により検出される温度は、バッテリ10(セル11)の内部温度ではなく、バッテリ10の周囲温度(環境温度)である。後に説明するバッテリ10の内部温度(電解液の温度)と区別するため、温度センサ23により検出される周囲温度をTsと記載する。
ECU30は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ31と、(ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのメモリ32と、各種信号が入出力される入出力ポート(図示せず)とを含む。ECU30は、各センサから受ける信号ならびにメモリ32に記憶されたプログラムおよびマップに基づいて、車両1を所望の状態に制御するための各種処理を実行する。より具体的には、ECU30は、エンジン60およびPCU40を制御することにより、バッテリ10の充放電を制御する。また、ECU30は、バッテリ10の異常の有無を診断したりバッテリ10の劣化状態を評価したりする。劣化状態の評価については後に詳細に説明する。
なお、ECU30は、機能毎に複数のECUに分割されていてもよい。たとえば、ECU30を、バッテリ10の監視・診断・評価に特化したECU(電池ECU)と、エンジン60を制御するECU(エンジンECU)と、PCU40を制御するECU(MGECU)とに分割できる。
PCU40は、ECU30からの制御信号に従って、バッテリ10とモータジェネレータ51,52との間で双方向の電力変換を実行する。PCU40は、モータジェネレータ51,52の状態を別々に制御可能に構成されていてもよい。この場合、PCU40は、たとえば、モータジェネレータ51,52にそれぞれ対応して設けられる2つのインバータと、各インバータに供給される直流電圧をバッテリ10の出力電圧以上に昇圧するコンバータ(いずれも図示せず)とを含む。
モータジェネレータ51,52の各々は、交流回転電機であり、たとえばロータに永久磁石(図示せず)が埋設された三相交流同期電動機である。モータジェネレータ51は、主として、動力分割装置70を経由してエンジン60により駆動される発電機として用いられる。モータジェネレータ51が発電した電力は、PCU40を介してモータジェネレータ52またはバッテリ10に供給される。モータジェネレータ52は、主として電動機として動作する。モータジェネレータ52は、バッテリ10からの電力およびモータジェネレータ51の発電電力の少なくとも一方を受けて駆動され、モータジェネレータ52の駆動力は駆動軸80に伝達される。一方、車両の制動時または下り斜面での加速度低減時には、モータジェネレータ52は、発電機として動作して回生発電を行う。モータジェネレータ52が発電した電力は、PCU40を介してバッテリ10に供給される。
エンジン60は、ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジン等の内燃機関である。エンジン60は、空気と燃料との混合気を燃焼させたときに生じる燃焼エネルギーを運動子(ピストン、ロータなど)の運動エネルギーに変換することによって動力を出力する。
動力分割装置70は、たとえば、サンギヤ、キャリア、リングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車機構(図示せず)を含む。動力分割装置70は、エンジン60から出力される動力を、モータジェネレータ51を駆動する動力と、駆動輪90を駆動する動力とに分割する。
なお、本開示に係る電池システムは、HVに限らず、バッテリが搭載される車両全般に適用可能である。よって、車両1は、プラグインハイブリッド車(PHV:Plug-in Hybrid Vehicle)、電気自動車(EV:Electric Vehicle)、燃料電池車(FCV:Fuel Cell Vehicle)などであってもよい。
<セル構成>
図2は、各セル11の構成をより詳細に示す図である。図2におけるセル11は、その内部を透視して図示されている。セル11は、たとえば角型の電池ケース111を有する。電池ケース111の上面は蓋体112によって封止されている。正極端子113および負極端子114の各々の一方端は、蓋体112から外部に突出している。正極端子113および負極端子114の他方端は、電池ケース111の内部において内部正極端子および内部負極端子(いずれも図示せず)にそれぞれ接続されている。電池ケース111の内部には電極体115が収容されている。電極体115は、正極116と負極117とがセパレータ118を介して積層され、その積層体が捲回されることにより形成されている。
図中x方向は、正極116、負極117およびセパレータ118の各層の面に沿った方向である。以下、この方向を「面内方向」と呼ぶ。y方向は、上記各層が積層された方向である。以下、この方向を「積層方向」と呼ぶ。
図3は、電極体115の構成をより詳細に説明するための図である。図3では簡単のため、正極116、負極117およびセパレータ118が1層ずつ示されている。
正極116は、正極集電箔116Aと、正極集電箔116Aの表面に形成された正極活物質層116B(正極活物質、導電材およびバインダを含む層)とを含む。同様に、負極117は、負極集電箔117Aと、負極集電箔117Aの表面に形成された負極活物質層117B(負極活物質、導電材およびバインダを含む層)とを含む。セパレータ118は、正極活物質層116Bおよび負極活物質層117Bの両方に接するように設けられている。正極活物質層116B、負極活物質層117Bおよびセパレータ118の各層は電解液(図示せず)に含浸されている。
正極活物質層116B、負極活物質層117B、セパレータ118および電解液には、リチウムイオン電池の正極活物質、負極活物質、セパレータおよび電解液として従来公知の材料をそれぞれ用いることができる。一例として、正極活物質層116Bには、コバルト酸リチウムの一部がニッケルおよび/またはマンガンにより置換された三元系の材料を用いることができる。負極活物質層117Bには黒鉛(炭素材料)を用いることができる。よく知られているように、黒鉛は多孔質物質である。セパレータ118には、ポリオレフィン(たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン)を用いることができる。電解液は、有機溶媒(たとえばDMC(dimethyl carbonate)とEMC(ethyl methyl carbonate)とEC(ethylene carbonate)との混合溶媒)と、リチウム塩(たとえばLiPF)と、添加剤(たとえばLiBOB(lithium bis(oxalate)borate)またはLi[PF(C])等を含む。
なお、セル11の上記構成は例示に過ぎない。たとえば、セル11は、電極体が捲回構造ではなく積層構造を有するものであってもよい。また、角型の電池ケースに限らず、円筒型またはラミネート型の電池ケースも採用可能である。
<ハイレート劣化>
以上のように構成されたバッテリ10においては、大きな電流(ハイレート電流)での充放電が継続的に行われた場合に「ハイレート劣化」が生じ得る。ハイレート劣化とは、電極体115の内部におけるリチウムイオンの濃度分布が偏ることを1つの要因としてバッテリ10の内部抵抗が上昇する劣化現象である。以下では、リチウムイオンの濃度分布を「塩濃度分布」とも呼び、リチウムイオンの濃度分布の偏りを「塩濃度ムラ」とも呼ぶ。ECU30は、バッテリ10のハイレート劣化の進行度合いを塩濃度ムラに基づいて評価する「劣化評価値ΣD」を算出する。そして、ECU30は、劣化評価値ΣDに応じて、バッテリ10のハイレート劣化を抑制するための制御(ハイレート劣化抑制制御)を実行する。
図4は、本実施の形態におけるハイレート劣化抑制制御の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、予め定められた演算サイクルΔt毎に繰り返し実行される。各ステップは、ECU30によるソフトウェア処理により実現されるが、ECU30内に配置されたハードウェアにより実現されてもよい。後述するフローチャートに関しても同様である。後述する各フローチャートのついても同様である。以下、ステップをSと略す。
S1において、ECU30は、監視ユニット20に含まれる各センサの検出値を読み込む。これにより、バッテリ10の電圧V、電流Iおよび温度(周囲温度Ts)が取得される。
S2において、ECU30は、たとえばS1で取得された電圧Vおよび/または電流Iに基づいて、バッテリ10のSOCを算出する。なお、SOCの算出方法としては、電流積算(クーロンカウント)による手法、OCV(Open Circuit Voltage)-SOCカーブを用いた手法などの公知の手法を採用できる。
S3において、ECU30は、バッテリ10の充放電に伴う塩濃度ムラの増大および減少の両方を考慮して、劣化評価値ΣDを算出するための評価値Dを算出する。j回目(今回)の演算で算出される評価値をD(j)と表し、(j-1)回目(前回)の演算で算出された評価値をD(j-1)と表す。jは自然数である。評価値D(j)は、漸化式である下記式(1)に従って算出される。評価値の初期値D(0)は、たとえば0に設定される。
D(j)=D(j-1)-D(-)+D(+) ・・・(1)
式(1)において、評価値の減少量D(-)は、前回演算時から今回演算時までの間(演算サイクルΔtの間)にリチウムイオンが拡散することによる塩濃度ムラの減少量を表す。減少量D(-)は、下記式(2)のように忘却係数αを用いて算出できる。なお、0<α×Δt<1である。
D(-)=α×Δt×D(j-1) ・・・(2)
忘却係数αは、電解液中のリチウムイオンの拡散速度に対応する係数であり、バッテリ10の温度(周囲温度Ts)およびSOCに依存する。そのため、忘却係数αと、バッテリ10の温度およびSOCとの相関関係が実験またはシミュレーションにより予め取得され、マップまたは変換式としてECU30のメモリ32に格納されている。このマップまたは変換式を参照することにより、バッテリ10の温度およびSOCから忘却係数αを算出できる。後述する電流係数β、限界閾値Cについても同様である。忘却係数α、電流係数βおよび限界閾値Cは、いずれも正値である。
式(1)に戻り、評価値の増加量D(+)は、前回演算時から今回演算時までの間にバッテリ10が充放電されることによる塩濃度ムラの増大量を表す。増加量D(+)は、下記式(3)に示すように、電流係数β、限界閾値Cおよび電流Iを用いて算出できる。
D(+)=(β/C)×I×Δt ・・・(3)
式(3)において、バッテリ10の放電時には、放電電流I>0であるため、増加量D(+)は正である。放電電流の大きさ|I|が大きいほど、演算サイクルΔtが長いほど、評価値D(j)の正方向への変化量が大きくなる。一方、バッテリ10の充電時には、充電電流I<0であるため、増加量D(+)は負である。充電電流の大きさ|I|が大きいほど、また演算サイクルΔtが長いほど、評価値D(j)の負方向への変化量が大きくなる。このことからも、増加量D(+)がバッテリ10の充放電による塩濃度ムラの増大を示していることが理解される。
式(1)における「-D(-)」は、評価値D(j)を0へ向けて変化させる項である。式(2)から分かるように、忘却係数αが大きいほど、また演算サイクルΔtが長いほど、評価値D(j)は0に速く近づくように変化する。このことから、減少量D(-)がリチウムイオンの拡散に伴う塩濃度ムラの減少(回復)を示していることが理解される。
S4において、ECU30は、S3にて算出した評価値D(j)に基づいて劣化評価値ΣD(j)を算出する(劣化評価値算出処理)。劣化評価値算出処理の詳細については後述する。なお、バッテリ10の放電過多の状態を評価するための劣化評価値と、バッテリ10の充電過多の状態を評価するための劣化評価値とを別々に算出してもよい(たとえば特許文献1参照)。以下では、充電過多の状態の評価に劣化評価値を用いる例について説明するが、放電過多の状態の評価にも劣化評価値を用いることができる。
ECU30は、劣化評価値ΣD(j)が所定の閾値THを超えた場合にバッテリ10への充電電力の制御上限値(充電電力上限値Win)の絶対値を小さくすることによってバッテリ10の充電を抑制する。充電電力上限値Winは、Win≦0の範囲内に設定され、たとえば車両1の走行中には、モータジェネレータ52の回生制動による発電電力が充電電力上限値Winにより制限(抑制)される。Win=0のときはバッテリ10への充電が禁止される。このような充電制限により、ハイレート充電によるバッテリ10のさらなる劣化を抑制できる。
具体的には、S5において、ECU30は、劣化評価値ΣD(j)を閾値TH(TH<0)と比較する。ECU30は、ΣD(j)≧THの場合、すなわち、劣化評価値ΣD(j)が閾値THに達していない場合(S5においてNO)には、充電電力上限値WinをW0(Win=W0<0)に設定する(S7)。W0はデフォルト値であり、たとえばバッテリ10の定格出力電力に基づいて定められる。W0は、バッテリ10の温度またはSOCに応じて可変に設定されてもよい。
これに対し、ΣD(j)<THの場合、すなわち、劣化評価値ΣD(j)が閾値THを超えた場合(S5においてYES)は、ECU30は、充電電力上限値Winをデフォルト値W0よりも小さな値に設定する(Win<W0<0)に設定する(S6)。このように充電電力上限値Winの絶対値を小さくすることで充電の制限を強めることをWin介入とも呼ぶ。Win介入によって評価値D(j)および劣化評価値ΣD(j)が0へ近付くように変化することで、充電側への塩濃度ムラのさらなる増大を回避できる。
<塩濃度ムラ>
バッテリ10にハイレート電流での充放電が行われると、電極体115の内部に塩濃度ムラが生じ得るところ、塩濃度ムラは2種類に区別できる。
図5は、2種類の塩濃度ムラを説明するための概念図である。塩濃度ムラは、正極116、負極117およびセパレータ118の各層の積層方向(y方向)に加えて、各層の面内方向(x方向)にも生じ得る。図5には、図3にて説明した電極体115の構成を理解を助けるため再度図示した上で、積層方向の塩濃度ムラの一例と、面内方向の塩濃度ムラの一例とを示している。
2種類の塩濃度ムラは順に発生する。ハイレート充電を例に説明すると、まず、積層方向の塩濃度ムラが生じる。その後もハイレート充電が継続された場合、負極117が膨張することで、負極117に保持された電解液が負極117から押し出される。電解液の流出に伴い、面内方向にも塩濃度ムラが生じる。ハイレート放電時も同様に、積層方向に塩濃度ムラが発生した後に面内方向に塩濃度ムラが発生する。
このように、面内方向の塩濃度ムラは、積層方向の塩濃度ムラの発生後に直ちに発生するものではない。積層方向の塩濃度ムラが発生してからバッテリ10の充放電がさらに継続されない限り、面内方向の塩濃度ムラは発生しない。また、面内方向の塩濃度ムラの生じやすさ(面内方向の塩濃度ムラが進む速さ)はSOCに依存する。
図6は、電極体115における面内方向の塩濃度ムラの生じやすさのSOC依存性を説明するための概念図である。横軸はバッテリ10のSOCを表す。縦軸は、負極117からの電解液の押し出し量を表す。前述のメカニズムによれば、縦軸を面内方向の塩濃度ムラの生じやすさと読み替えてもよい。
図6に示す例では、SOCが0%からScまでの低SOC領域では、SOCがSc以上である中SOC領域または高SOC領域と比べて、負極117からの電解液の押し出しが起こりにくい。よって、低SOC領域では面内方向の塩濃度ムラが相対的に生じにくい。
バッテリ10のSOCが低SOC領域内に留まる状況では面内方向の塩濃度ムラが生じにくいことを考慮せずに評価値D(j)を積算し続けた場合、劣化評価値ΣD(j)が過大な値となってしまう可能性がある。言い換えると、バッテリ10のハイレート劣化の進行度合いを過大に評価してしまう可能性がある。その結果、必要以上にWin介入が実行され、回生電力をバッテリ10に回収し切れずに車両1の燃費が悪化してしまう可能性がある。
あるいは、バッテリ10の充放電が広いSOC領域で行われている場合、図6に示される関係を考慮せず、電解液の押し出し量がSOCに拘わらず一定とみなすと、バッテリ10のハイレート劣化の進行度合いを正確に評価できない。その結果、実態に即した適切なタイミングでWin介入を実行できない可能性がある。
したがって、本実施の形態においては、面内方向の塩濃度ムラを評価するための評価値が用いられる。この評価値を「面内評価値η」と記載する。本実施の形態における劣化評価値算出処理(図4のS4の処理)の特徴の理解を容易にするため、まず、比較例における劣化評価値算出処理について説明する。
<比較例>
図7は、比較例における劣化評価値算出処理の処理手順を示すフローチャートである。S91において、ECU30は、バッテリ10のSOCに基づいてSOC係数Kを算出する。SOC係数Kとは、SOCに依存する面内方向の塩濃度ムラの生じやすさを表現するためのパラメータである。
図8は、SOC係数Kの算出手法の一例を示す図である。横軸はバッテリ10のSOCを表し、縦軸はSOC係数Kを表す。電極体115の面内方向の塩濃度ムラが生じやすいほど、SOC係数Kは大きくなる。図6に例示したように低SOC領域では塩濃度ムラが生じにくく、SOCが高くなるに従って塩濃度ムラが生じやすくなる場合には、SOCが高いほどSOC係数Kも大きい。
図8に示すような、バッテリ10のSOCとSOC係数Kとの間の関係を事前に求め、マップ(テーブル、変換式などであってもよい)としてECU30のメモリ32に格納しておく。これにより、ECU30は、バッテリ10のSOCからSOC係数Kを算出できる。
なお、SOC係数KにはSOC依存性に加えて温度依存性を持たせてもよい。この場合には、バッテリ10のSOCと温度とSOC係数Kとの間の関係を、たとえば3次元マップとして予め求めておくことができる。SOC係数Kは、バッテリ10のSOCが高くなるに従って大きくなるとともに、バッテリ10の温度が高くなるに従って大きくなる。
図7に戻り、S92において、ECU30は、バッテリ10の充放電履歴に応じた履歴変数Hを算出する。より詳細には、履歴変数Hは、負極活物質の膨張・収縮に伴って負極117から押し出される電解液の量を表すパラメータである。一般に、バッテリの充放電履歴は、バッテリに充放電される電流の向きと大きさとによって表される。よって、履歴変数Hは、電流Iに依存するパラメータであり、少なくとも電流Iに基づいて算出される。
図9は、履歴変数Hの算出手法の一例を示す図である。横軸はバッテリ10に充放電される電流Iを表し、縦軸は履歴変数Hを表す。履歴変数Hは正負の値を取り得る。図9に示す例では、履歴変数Hと電流Iとは等符号である。また、電流Iの絶対値が大きいほど履歴変数Hの絶対値も大きくなる。
履歴変数HについてもSOC係数Kと同様に、バッテリ10の電流Iと履歴変数Hとの間の関係をマップ等として事前に規定しておくことで、バッテリ10の電流Iから履歴変数Hを算出できる。SOC係数Kおよび履歴変数Hもj回目の演算にて算出された値であり、K(j)、H(j)とそれぞれ記載できる。
再び図7に戻り、S93において、ECU30は、SOC係数Kと履歴変数Hとの積により、今回(j回目)の演算における面内評価値η(j)を算出する(下記式(4)参照)。
η(j)=K×H ・・・(4)
S94において、ECU30は、S93にて算出された面内評価値η(j)を用いて、今回演算時までの積算評価値ΣD(j)を算出する(下記式(5)参照)。
ΣD(j)=γΣD(j-1)+η(j)×D(j) ・・・(5)
前述のように、電極体115の内部では、まず積層方向の塩濃度ムラが発生してからでないと面内方向の塩濃度ムラも発生しない。そのため、式(5)では、積層方向を前提として発生する面内方向の塩濃度ムラを評価するために、面内評価値η(j)に評価値D(j)が乗算されている。積層方向の塩濃度ムラが発生していない場合にはD(j)=0であるため、η(j)×D(j)も0となる。
また、γは減衰係数である。時間経過に伴い、リチウムイオンの拡散によって塩濃度ムラが緩和されるので、今回演算時の積算評価値ΣD(j)は、前回演算時の積算評価値ΣD(j-1)よりも小さい。この点を反映させるべく、減衰係数γは1よりも小さい値(たとえばγ=0.9997)に設定される。
<電流変化に伴う塩濃度ムラ変化>
本発明者らは、バッテリ10への充放電電流が急変した場合に、比較例における劣化評価値算出処理では面内評価値ηの精度が低下し得る点に着目した。以下でもバッテリ10への充電を例に説明するが、バッテリ10からの放電についても同様の考えを適用可能である。
図10は、バッテリ10への充電電流Iが変化した場合の塩濃度ムラの演算結果を説明するための概念図である。横軸は経過時間を表す。縦軸は、上方にバッテリ10への充電電流Iを表し、下方に面内方向の塩濃度ムラの大きさ(たとえば塩濃度の最大値と最小値との差)を表す。
上図に示すように、バッテリ10への充電電流Iが短時間に変化した状況を想定する。この時間(図中ΔTで示す)は、バッテリ10のSOCが変化する時間と比べて十分に短い時間であり、たとえば数秒~数十秒である。
比較例では、電流Iの変化が履歴変数Hを介して直ちに面内評価値ηに反映されるため、充電電流Iの変化に追従して面内方向の塩濃度ムラが変化しているように算出される。しかしながら、実際の面内方向の塩濃度ムラの変化は、より緩やかである。したがって、比較例では塩濃度ムラの変化が実際よりも過剰に見積もられ、実態との間に乖離が生じ得る(斜線部参照)。その結果、バッテリ10のハイレート劣化の進行度合いの評価精度が低下し得る点において、比較例における劣化評価値算出処理には改善の余地がある。
図11は、実際の面内方向の塩濃度ムラの変化が緩やかである理由を説明するためのモデル図である。図11には、負極117内の電解液が外部(電極体115の周囲に貯まる余剰電解液)へと押し出される様子が模式的に示されている。
バッテリ10を充放電すると、正極活物質および負極活物質が膨張・収縮したりジュール熱が発生したりすることで、電極体115の体積が変化する。電極体115の体積変化に伴って負極117内の圧力が上昇し、負極117内の電解液に外部方向に向かう流れが生じる。負極117は、多孔質である黒鉛を負極活物質として含む。負極117の面内方向(x方向)の中央付近に位置する電解液は、負極活物質の隙間を通って外部へと流出する。このとき、負極117内を移動する電解液には負極活物質が抵抗として作用する。この抵抗とは、多孔質である負極117内における電解液の流れにくさを表す指標であり、以下、「液抵抗」と呼ぶ。また、電解液の温度を「液温度」と呼び、Tと記載する。
本発明者らは、比較例では液抵抗について特に考慮されていないことが前述の乖離が生じる理由であると考えた。そこで本実施の形態においては、液抵抗を考慮して負極117からの電解液の押し出し量を算出し、電解液の押し出し量を面内評価値ηに反映させる。これにより、面内評価値ηの算出精度を向上させ、実際の面内方向の塩濃度ムラとの乖離を低減させることができる。
<劣化評価フロー>
図12は、本実施の形態に係る劣化評価値算出処理の処理手順を示すフローチャートである。S41において、ECU30は、バッテリ10のSOCに基づいてSOC係数Kを算出する。S42において、ECU30は、バッテリ10の充放電履歴を表す履歴変数Hを算出する。これらの処理は、比較例におけるS91,S92の処理(図7参照)と同等である。
S43において、ECU30は、電流センサ22により検出された電流Iと、バッテリ10の内部抵抗Rとに基づいて、前回演算時から今回演算時までの間(演算サイクルΔtの間)における電解液の発熱量Qgを算出する。具体的には下記式(6)を用いることができる。内部抵抗Rには、バッテリ10の仕様に応じた既知の値を用いることができる。ECU30は、内部抵抗Rの温度依存性を考慮して内部抵抗Rを算出してもよい。
Qg=RIΔt ・・・(6)
S44において、ECU30は、前回演算時における液温度T(j-1)と、温度センサ23により検出された周囲温度Tsとの差{T(j-1)-Ts}に基づいて、前回演算時から今回演算時までの間(演算サイクルΔtの間)における電解液の放熱量Qdを算出する。具体的には下記式(7)を用いることができる。式(7)では、負極117および電解液の熱容量(単位:J/K)をChで表している。熱容量Chは事前に測定可能な既知の値である。
Qd=Ch×{T(j-1)-Ts} ・・・(7)
S45において、ECU30は、前回演算時における液温度T(j-1)と、S43にて算出された電解液の発熱量Qgと、S44にて算出された電解液の放熱量Qdとに基づいて、今回演算時における液温度T(j)を算出する(下記式(8)参照)。
T(j)=T(j-1)+(Qg-Qr)/Ch ・・・(8)
S46において、ECU30は、S45にて算出された液温度T(j)に基づいて、負極117の体積膨張量dVを算出する。具体的には下記式(9)を用いることができる。式(9)では、負極117の体積膨張係数(単位:1/K)をκで表している。体積膨張係数κも事前に測定しておくことができる。また、負極117の基準温度をTで表し、その基準温度Tにおける負極117の体積(基準体積)をVで表している。基準温度Tおよび基準体積Vは予め定められた値である。
dV=κV×{T(j)-T} ・・・(9)
S47において、ECU30は、S46にて算出された負極117の体積膨張量dVを用いて、電解液の発熱または放熱に伴って負極117から押し出された電解液の量(電解液の押し出し量)E(j)を算出する。具体的には下記式(10)を用いることができる。式(10)では、液抵抗から求められる無次元の係数ρ(0≦ρ≦1)が用いられている。したがって、電解液の押し出し量E(j)は、負極117の体積膨張量dVと、液抵抗とに基づいて算出されていると言える。
E(j)=dV+(1-ρ)×E(j-1) ・・・(10)
S48において、ECU30は、S47にて算出された負極117からの電解液の押し出し量E(j)を用いて、今回演算時における面内評価値η(j)を算出する。面内評価値η(j)は下記式(11)のように、電解液の押し出し量E(j)と、SOC係数Kと、履歴変数Hとを用いて算出できる。係数εは、実験的に求められる値であり、電解液の押し出し量E(j)の次元と逆数の関係にある次元(すなわち単位:1/m)を有する。
η(j)=εE(j)+K×H ・・・(11)
式(11)は上記式(4)と対比される。式(11)の第2項(K×H)は、式(4)にも共通しており、SOCに依存するSOC係数と、電流Iに依存する履歴変数Hとを用いて、負極活物質の膨張・収縮に伴って負極117から押し出される電解液の量を評価するためのパラメータである。一方、式(11)の第1項(εE)は、式(4)には含まれておらず、電解液の発熱または放熱に伴って負極117から押し出される電解液の量を評価するためのパラメータである。
S49において、ECU30は、S93にて算出された面内評価値η(j)を用いて、今回演算時までの積算評価値ΣD(j)を算出する(下記式(12)参照)。この処理は、比較例におけるS94の処理(図7参照)と同等である。
ΣD(j)=γΣD(j-1)+η(j)×D(j) ・・・(12)
以上のように、本実施の形態においては、面内評価値ηの算出に際して、負極117から押し出される電解液の量が用いられる。この量は、負極活物質の膨張・収縮に伴って負極117から押し出される電解液の量(SOC係数Kおよび履歴変数Hに関連)に加えて、電解液の発熱(Qg)および吸熱(Qs)に起因する負極117の体積膨張に伴って負極117から押し出される電解液の量(E)を含む。負極117の体積膨張に伴う電解液の押し出し量(E)は、多孔質である負極活物質内における電解液の抵抗(液抵抗)を考慮して算出される。液抵抗は電解液の種類(仕様)から既知である。これにより、負極活物質の膨張・収縮しか考慮しない場合と比べて、負極117から押し出される電解液の量の算出精度が向上する。よって、本実施の形態によれば、バッテリ10の充放電電流Iが時間的に変化する場合であっても、バッテリ10のハイレート劣化の進行度合いを高精度に評価できる。
[変形例]
変形例では、温度センサ23により検出される周囲温度Tsを用いずに負極117の体積膨張量dVを算出する構成について説明する。
図13は、実施の形態の変形例に係る劣化評価値算出処理の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、S44~S46の処理に代えてS44A~S46Aの処理を含む点において、実施の形態におけるフローチャート(図12参照)と異なる。S41~S43の処理は共通であるため、説明は繰り返さない。
S44Aにおいて、ECU30は、S43にて算出された電解液の発熱量Qgに基づいて、前回演算時から今回演算時までの間における負極117の体積増加量dVinc(j)を算出する。具体的には下記式(13)に示すように、負極117の体積膨張係数κ(単位:1/K)と、負極117の基準体積Vと、電解液の発熱量Qg(単位:J)と、負極117および電解液の熱容量C(単位:J/K)とを用いて負極117の体積増加量dVinc(j)を算出できる。
dVinc(j)=κV×Qg/C ・・・(13)
S45Aにおいて、ECU30は、前回演算時から今回演算時までの間における負極117の体積減少量dVdec(j)を算出する。具体的には、前回演算時における負極117の体積膨張量dV(j-1)に所定の無次元の放熱係数δを乗算することで、負極117の体積減少量dVdec(j)を算出できる(下記式(14)参照)。放熱係数δは、たとえば実験的に求められる値である。
dVdec(j)=δdV(j-1) ・・・(14)
S46Aにおいて、ECU30は、S44Aにて算出された負極117の体積増加量dVinc(j)と、S45Aにて算出された負極117の体積減少量dVdec(j)とから、負極の体積膨張量dV(=dVinc(j)-dVdec(j))を算出する(下記式(15)参照)。
dV(j)=κV×Qg/C-δdV(j-1) ・・・(15)
S47以降の処理は、実施の形態におけるフローチャート(図12参照)の対応する処理と共通であるため、説明は繰り返さない。このように、本変形例によれば、温度センサ23を用いて周囲温度Tsを検出しなくてもバッテリ10のハイレート劣化の進行度合いを高精度に評価可能である。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車両、2 電池システム、10 バッテリ、11 セル、20 監視ユニット、21 電圧センサ、22 電流センサ、23 温度センサ、30 ECU、31 プロセッサ、32 メモリ、40 PCU、51,52 モータジェネレータ、60,ECU エンジン、70 動力分割装置、80 駆動軸、90 駆動輪、111 電池ケース、112 蓋体、113 正極端子、114 負極端子、115 電極体、116 正極、116A 正極集電箔、116B 正極活物質層、117 負極、117A 負極集電箔、117B 負極活物質層、118 セパレータ。

Claims (1)

  1. 正極と負極とが積層された電極体、および、前記電極体が含浸された電解液を含むリチウムイオン電池と、
    前記リチウムイオン電池に充放電される電流を検出する電流センサと、
    前記リチウムイオン電池のハイレート劣化の進行度合いを評価する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記電流センサにより検出された電流に基づいて、前記負極の体積膨張量を算出し、
    前記負極の体積膨張量と、前記電解液が前記負極内を流れる際の液抵抗とに基づいて、前記負極からの前記電解液の押し出し量を算出し、
    前記電解液の押し出し量に基づいて、前記電極体におけるリチウムイオン濃度分布の偏りを評価するための評価値を算出する、電池システム。
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