JP2019220260A - 電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】二次電池の劣化を抑制するとともに二次電池の性能を有効に活用可能な電池システムを提供する。【解決手段】電池システムは、複数の二次電池を含む組電池10と、センサユニット20と、ECU100とを備える。ECU100は、二次電池の面圧を推定又は測定し、推定又は測定された面圧に基づいて二次電池のSOCの上限を設定する。そして、ECU100は、設定されたSOC上限をSOCが超えないように、組電池10の充電制御を実行する。【選択図】図1
Description
本開示は、電池システムに関し、特に、再充電可能な二次電池を備える電池システムに関する。
リチウムイオン二次電池に代表される二次電池では、電荷担体であるイオンが充放電に伴なって正極及び負極の活物質に出入りし、イオンが活物質に吸収される場合には活物質が膨張し、イオンが活物質から離脱する場合には活物質が収縮する。たとえば、負極においては、充電時にイオンが負極活物質に吸収されることにより膨張し、放電時に負極活物質からイオンが離脱することにより収縮する。このような活物質の膨張収縮により電極の微細構造が破壊されると、電極としては劣化状態となり、二次電池の性能が低下する。
特開2015−191879号公報は、このような問題に対処可能な二次電池を開示する。この二次電池は、捲回型の二次電池であって、二次電池の軸芯の軸方向中央部における負極活物質を構成する材料の体積変化(充放電に伴なう膨張/収縮量)が、軸芯の軸方向端部における負極活物質を構成する材料の体積変化よりも小さくなるように構成される。これにより、電池容量を大きく低下させることなく、軸芯の軸方向端部に比べて拘束力が強い軸方向中央部において電極の劣化を抑制することができるとされる(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の二次電池であっても、電極の体積変化量が大きい場合には、電極の劣化を抑制することはできない。たとえば、リチウムイオン二次電池において負極活物質に14族元素の合金系化合物(たとえばSiやSiO等のシリコン系化合物)が採用される場合には、充電に伴なう負極の体積変化量(膨張率)は、負極活物質にリチウムが挿入されていない状態に対して最大で3〜4倍程度にもなる。
負極に巨大な空隙率を設けることによって、体積変化(膨張/収縮)による負極の劣化を抑制することも可能であるが、この場合は、巨大な空隙率が設けられるために負極の容量が極めて小さくなってしまう。
負極の膨張を抑制するためには、二次電池への充電量を抑制すればよく、二次電池のSOC(State Of Charge)の上限を低く設定すればよい。しかしながら、最も厳しい電池利用条件(たとえば電池の使用温度上限)に基づいてSOCの上限を一律に低く設定すると、そうでない条件下では、負極の性能を使い切れていないこととなり、二次電池の性能を有効に活用できない。
本開示は、かかる問題を解決するためになされたものであり、本開示の目的は、二次電池の劣化を抑制するとともに二次電池の性能を有効に活用可能な電池システムを提供することである。
本開示における電池システムは、二次電池と、二次電池のSOCを制御する制御装置とを備える。そして、制御装置は、二次電池の面圧に基づいてSOCの上限を設定する。
二次電池の充電に伴なってSOCが上昇するとともに負極の膨張量が増大すると、負極の電極構造(導電パス)が損傷し、負極が劣化し得る。本発明者らは、負極の膨張量が大きくなると、負極端部(エッジ部)において負極活物質が電極の外部へ押し出されてしまい、放電に伴なって負極が収縮しても元の状態に戻らなくなることに着目し、このような現象は、二次電池の面圧が高いほど顕著であり、面圧によって負極端部の劣化の程度が大きく影響を受けることを見い出した。
そこで、この電池システムにおいては、二次電池の面圧に基づいてSOCの上限が設定される。これにより、二次電池(負極)の劣化を抑制するとともに、二次電池の性能を有効に活用することができる。すなわち、最も厳しい電池利用条件(たとえば、面圧が最も高くなり得る上限温度での使用)に基づいてSOCの上限が一律に設定される場合には、そうでない条件下では不必要に充電が抑制されてしまうところ、この電池システムによれば、面圧に基づいてSOCの上限が適切に設定されるので、不必要に充電が抑制されるのを回避することが可能となる。
二次電池の面圧は、推定されたものでもよいし、面圧センサを設けて測定されたものでもよい。面圧の推定については、たとえば、二次電池の温度及びSOCと面圧との関係を予め取得してマップ化しておき、当該マップと測定された温度及びSOCとから面圧を推定することができる。面圧の測定については、たとえば、積層された二次電池間に面圧センサを設置して面圧を測定することができる。
二次電池の負極には、14族元素の合金系化合物(たとえばSiやSiO等のシリコン系化合物)を負極活物質に用いてもよい。このような負極は、高エネルギー化が可能である一方、充電に伴なう体積変化(膨張率)が大きく、面圧が上昇することにより負極端部の劣化が進行しやすい。この電池システムによれば、二次電池の面圧に基づいてSOCの上限が設定されるので、上記のような負極が用いられる場合に、効果的に、二次電池の劣化を抑制するとともに二次電池の性能を有効活用することができる。
本開示における電池システムによれば、二次電池の劣化を抑制するとともに、二次電池の性能を有効に活用することができる。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
図1は、本開示の実施の形態に従う電池システムが搭載された電動車両の構成を概略的に示す図である。なお、以下では、電動車両がエンジンを搭載しない電気自動車である場合について代表的に説明されるが、本開示に従う電池システムは、電力を用いて走行する電動車両全般(ハイブリッド車両や燃料電池車等も含まれ得る。)に適用可能である。
図1を参照して、電動車両1は、組電池10と、センサユニット20と、パワーコントロールユニット(以下「PCU(Power Control Unit)」と称する。)30と、モータジェネレータ(以下「MG(Motor Generator)」と称する。)40と、駆動軸50と、駆動輪60とを備える。また、電動車両1は、充電器70と、インレット80と、電子制御装置(以下「ECU(Electronic Control Unit)」と称する。)100とをさらに備える。
組電池10は、直列及び/又は並列に適宜接続された複数の二次電池(各二次電池は「セル」や「単電池」等とも称され、以下では、各二次電池を「セル」と称する場合がある。)を含んで構成される。各セルは、代表的にはリチウムイオン二次電池である。リチウムイオン二次電池は、リチウム(Li+)を電荷担体とする電池であり、電解質が液体の一般的なリチウムイオン二次電池のほか、固体の電解質を用いた所謂全固体電池も含み得る。以下では、各セルは、リチウムイオン二次電池であるものとするが、各セルは、リチウムイオン二次電池に限定されるものではなく、その他の二次電池によって構成されてもよい。
組電池10は、MG40を駆動するための電力を蓄えており、PCU30を通じてMG40へ電力を供給することができる。車両制動時等のMG40の回生発電中には、組電池10は、PCU30を通じてMG40の発電電力を受けて充電される。さらに、組電池10は、インレット80及び充電器70を通じて車両外部の電源90から供給される電力を受けて充電される。
センサユニット20は、電圧センサ21と、電流センサ22と、温度センサ23とを含んで構成される。電圧センサ21、電流センサ22、及び温度センサ23は、それぞれ各セルの電圧VB、電流IB、及び温度TBを検出するように構成される。電圧センサ21及び温度センサ23は、隣接する複数(たとえば数個)のセルを監視単位としてそれぞれ電圧及び温度を検出してもよい。そして、各センサの検出値は、ECU100へ送信される。
PCU30は、ECU100からの制御信号に従って、組電池10とMG40との間で双方向の電力変換を実行する。PCU30は、たとえば、MG40を駆動するインバータと、インバータに供給される直流電圧を組電池10の出力電圧以上に昇圧するコンバータとを含んで構成される。
MG40は、代表的には交流回転電機であり、たとえば、ロータに永久磁石が埋設された三相交流同期電動機である。MG40は、PCU30により駆動されて回転駆動力を発生する。MG40が発生した駆動力は、駆動軸50を通じて駆動輪60に伝達される。車両の制動時や下り斜面での加速度低減時には、MG40は、発電機として作動し、回生発電を行なう。MG40が発電した電力は、PCU30を通じて組電池10に供給される。
充電器70は、インレット80に電気的に接続される車両外部の電源90からの電力を組電池10の電圧レベルに変換して組電池10へ出力する(以下、電源90による組電池10の充電を「外部充電」とも称する。)。充電器70は、たとえば整流器やインバータ等の電力変換器を含んで構成される。なお、電源90からの受電方法は、インレット80を用いた接触受電に限定されず、インレット80に代えて受電用コイル等を用いて電源90から非接触で受電してもよい。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)101と、メモリ(ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory))102と、各種信号を入出力するための入出力ポート(図示せず)とを含んで構成される。CPU101は、ROMに格納されているプログラムをRAMに展開するとともにROMに格納されているマップ等を用いて、各種処理を実行する。ROMに格納されているプログラムには、ECU100の処理が記されている。
図2は、図1に示した組電池10に含まれる各セルの外観斜視図である。上述のように、この実施の形態では、各セルはリチウムイオン二次電池である。なお、図2では、セルの内部に設けられる電極体115(後述)が透視して示されている。
図2を参照して、セル11は、角型(略直方体形状)の電池ケース111を有する。電池ケース111の上面は、蓋体112によって封じられている。正極端子113及び負極端子114の各々の一方端は、蓋体112から外部に突出している。各端子の他方端は、電池ケース111の内部において、内部正極端子及び内部負極端子(いずれも図示せず)にそれぞれ接続されている。電池ケース111の内部には、電極体115が収容されている。電極体115は、正極116と負極117とがセパレータ118を介して積層され、その積層体が捲回されることにより形成されている。そして、正極116、負極117及びセパレータ118等に電解液が保持されている。
なお、セルの構成は、上記のようなものに限定されない。たとえば、電極体は、積層構造のものであってもよく、電池ケースは、円筒型やラミネート型のものであってもよい。また、電解液に代えて、ポリマー系電解質を用いてもよいし、酸化物系や硫化物系等の無機系固体電解質を用いてもよい。
正極116は、正極集電体(たとえばアルミニウム箔)と正極活物質層とを含んで構成される。たとえば、正極活物質、バインダ、及び導電助剤を含有する正極合材を正極集電体の表面に塗工することにより、正極集電体の表面に正極活物質層が形成される。
負極117は、負極集電体(たとえば銅箔)と負極活物質層とを含んで構成される。たとえば、負極活物質、バインダ、及び導電助剤を含有する負極合材を負極集電体の表面に塗工することにより、負極集電体の表面に負極活物質層が形成される。
正極116、セパレータ118、及び電解液には、それぞれリチウムイオン二次電池の正極、セパレータ、及び電解液として公知の構成及び材料を用いることができる。一例として、正極活物質には、リチウム含有ニッケルコバルトマンガン複合酸化物(コバルト酸リチウムの一部がニッケル及びマンガンにより置換された三元系の材料)を用いることができる。セパレータには、ポリオレフィンを用いることができ、電解液には、有機溶媒とリチウム塩と添加剤とを含む溶液を用いることができる。
この実施の形態では、負極活物質として、14族元素の合金系化合物であるシリコン系化合物(SiやSiO等)が採用される。負極活物質にシリコン系化合物を採用することで、負極活物質に炭素材料(グラファイト等)を採用した場合よりも、組電池10のエネルギー密度を向上させることができる。なお、炭素材料とシリコン系化合物とを混合した複合負極材を採用してもよい。
リチウムイオン二次電池では、リチウムが電荷担体となる。セル11の負極117においては、充電時におけるリチウムの挿入に伴なって負極活物質が膨張し、放電時におけるリチウムの脱離に伴なって負極活物質が収縮する。こうしたリチウムの挿入又は脱離に伴なう負極の体積変化量(膨張収縮率)は、負極に炭素材料を採用した場合よりもシリコン系化合物を採用した場合の方が大きい。たとえば、リチウムが挿入されていない状態での負極の体積を基準とした場合に、グラファイトを採用した負極では、最大で1.1倍程度であるのに対し、シリコン系化合物を採用した負極では、最大で3〜4倍程度にもなる。充放電に伴なうこのような大きな体積変化は、負極の機械的な劣化を招く。
図3は、電極体の端部の一部における断面構造を模式的に示す断面図である。図3では、充電に伴ない負極が劣化した状態が示されている。
図3を参照して、正極120は、正極集電体121と、正極活物質層122とを含む。正極集電体121は、たとえばアルミニウム箔によって形成されている。正極活物質層122は、正極集電体121の表面に形成され、たとえば、正極活物質、バインダ、及び導電助剤を含有する正極合材から成る。
負極130は、負極集電体131と、負極活物質層132とを含む。負極集電体131は、たとえば銅箔によって形成されている。負極活物質層132は、負極集電体131の表面に形成され、たとえば、負極活物質、バインダ、及び導電助剤を含有する負極合材から成る。
正極活物質層122と負極活物質層132とが互いに対向するように配置され、正極活物質層122と負極活物質層132との間には、セパレータ140が配置されている。そして、正極120、負極130、及びセパレータ140の積層体(電極体)が、図示しない締結板や拘束バンド等から積層方向の拘束荷重を受けて積層方向に拘束されている。これにより、セルには、電極体の積層方向に面圧(締結面圧)が生じている。
充電に伴なって負極活物質層132が膨張し、その膨張量が大きくなると、図示されるように、負極130の端部(積層方向に垂直な方向のエッジ部)において負極活物質層132が外部へ押し出される。放電に伴なって負極活物質層132は収縮するところ、外部へ押し出された負極活物質層132の量が多くなると、放電に伴ない負極活物質層132が収縮しても、負極活物質層132が元の状態に戻らなくなる(負極130が劣化した状態)。
本発明者らは、負極130のエッジ部におけるこのような劣化に着目し、このような負極130の劣化は、セルに生じる面圧が高いほど顕著であり、面圧によって負極130の劣化の程度が大きく影響を受けることを見い出した。
ここで、上記のような負極130のエッジ部における劣化は、充電に伴ない負極活物質層132が膨張することによって生じるものであるから、このような劣化を抑制するには、負極130の膨張を抑制すればよい。そして、負極130の膨張を抑制するには、充電量を抑制すればよく、充電量を抑制するには、SOCの上限を低く設定すればよい。
しかしながら、最も厳しい電池利用条件(たとえば電池の使用温度上限)に基づいてSOCの上限を一律に低く設定すると、そうでない条件下では、負極130の性能を使い切れていないこととなり、電池の性能を有効に活用できない。
そこで、本実施の形態に従う電池システムでは、セル11の面圧に基づいてSOCの上限が設定される。これにより、面圧に基づいてSOCの上限を適切に設定することができるので、最も厳しい電池利用条件に基づいてSOCの上限を一律に低く設定する場合のように不必要に充電が抑制されるのを回避することができる。特に、負極活物質にシリコン系化合物を採用したセル11では、充放電に伴なう負極117の体積変化が大きくなるところ、この実施の形態によれば、セル11の劣化を抑制するとともにセル11の性能を有効に活用することが可能となる。
図4は、図1に示したECU100により実行される処理の手順の一例を示したフローチャートである。フローチャートに示される一連の処理は、所定時間毎に繰り返し実行される。このフローチャートに示される処理は、組電池10を構成するセル11に対して行なわれるものであってもよいし、組電池10全体に対して行なわれるものであってもよい。以下では、セル11に対して当該処理が行なわれるものとして説明する。
図4を参照して、ECU100は、セル11の充電中であるか否かを判定する(ステップS10)。充電は、電源90(図1)による外部充電と、MG40による回生発電に伴なう充電とを含む。充電中であるか否かは、たとえば、電流センサ22により検出される電流IBに基づいて判定することができる。充電中でない場合は(ステップS10においてNO)、以降の一連の処理は実行されずにリターンへと処理が移行される。
ステップS10において充電中であると判定されると(ステップS10においてYES)、ECU100は、ステップS20からS40に示される処理によって、セル11の面圧を推定する。
詳しくは、ECU100は、センサユニット20からセル11の温度TB及びSOCを取得する(ステップS20)。SOCは、センサユニット20において電池ECU(図示せず)により算出されたものを取得するものとするが、ECU100においてSOCを算出してもよい。SOCの算出方法については、OCV(Open Circuit Voltage)とSOCとの関係を示すOCV−SOCカーブ(マップ等)を用いた手法や、充放電電流の積算値を用いた手法等、公知の各種手法を用いることができる。
次いで、ECU100は、セル11の温度及びSOCと面圧との関係を示すマップを読込む(ステップS30)。このマップは、セル11の温度及びSOC毎に面圧が示された二次元マップであり、セル11の事前評価やシミュレーション等により予め準備されてメモリ102のROMに記憶されている。
そして、ECU100は、ステップS30において読込まれたマップを用いて、ステップS20において取得された温度TB及びSOCから現在の面圧を推定する(ステップS40)。
次いで、ECU100は、面圧と、負極117のエッジ部が劣化するSOC(以下「負極端部劣化SOC」と称する。)との関係を示すマップ(以下「SOC上限マップ」と称する。)を読込む(ステップS50)。このSOC上限マップも、事前評価やシミュレーション等により予め準備されてメモリ102のROMに記憶されている。
図5は、SOC上限マップの一例を示す図である。図5を参照して、SOC上限マップでは、面圧(MPa)と、その面圧に対応する負極端部劣化SOC(%)との関係が示されている。この例では、面圧がP1(MPa)のときは、負極端部劣化SOCは85%であることが示されている。すなわち、面圧がP1(MPa)のときにSOCが85%に達すると、図3で説明したように負極117が劣化し得るとされる。したがって、このような面圧の下では、SOCが85%を超えないようにSOCの上限を設定(たとえば、マージンを取って83%に設定)することができる。
そして、この例では、面圧がP2(MPa)(P2>P1)のときは、負極端部劣化SOCは83%であることが示されており、面圧がP3(MPa)(P3>P2)のときは、負極端部劣化SOCは81%であることが示されている。このように、面圧が高くなるほど負極端部劣化SOCが低くなるように、面圧と負極端部劣化SOCとの関係が規定されている。
このようなSOC上限マップが参照されることにより、面圧に応じてSOCの上限を適切に設定することができる。これにより、セル11の劣化(負極117のエッジ部の劣化)を抑制するとともに、セル11(負極117)の性能を有効に活用することができる。
再び図4を参照して、ステップS50においてSOC上限マップが読込まれると、ECU100は、SOC上限マップを用いて、ステップS40において推定された面圧に基づいてSOCの上限を設定する(ステップS60)。たとえば、上記で例示したように、SOC上限マップを用いて、推定された面圧に対応する負極端部劣化SOCが取得され、その負極端部劣化SOCを超えないように、負極端部劣化SOCに対して所定のマージンを有するSOC上限が設定される。
そして、ECU100は、設定されたSOC上限をSOCが超えないように充電制御を実行する(ステップS70)。具体的には、ECU100は、ステップS60において設定されたSOC上限にSOCが達すると、組電池10の充電を抑制する。
以上のように、この実施の形態においては、セル11の面圧に基づいてSOCの上限が設定される。これにより、セル11の機械的な劣化を抑制するとともに、セル11の性能を有効に活用することができる。すなわち、最も厳しい電池利用条件に基づいてSOCの上限が一律に設定される場合には、そうでない条件下では不必要に充電が抑制されてしまうところ、この実施の形態によれば、面圧に基づいてSOCの上限が適切に設定されるので、不必要に充電が抑制されるのを回避することが可能となる。
また、上記の実施の形態においては、セル11の温度とSOCとに基づいてセル11の面圧を推定するので、面圧を測定するための面圧センサを設置する必要はない。
[変形例]
セル11の面圧については、面圧を測定可能な面圧センサを設置して面圧を直接測定してもよい。たとえば、フィルム状の薄い圧力センサを隣接するセル11間に設置して面圧を測定することができる。
セル11の面圧については、面圧を測定可能な面圧センサを設置して面圧を直接測定してもよい。たとえば、フィルム状の薄い圧力センサを隣接するセル11間に設置して面圧を測定することができる。
図6は、変形例におけるECU100により実行される処理の手順の一例を示したフローチャートである。このフローチャートは、図4に示したフローチャートに対応するものである。
図6を参照して、ステップS110,S130〜S150の処理は、それぞれ図4に示したフローチャートに示されるステップS10,S50〜S70の処理と同じである。このフローチャートは、図4に示したフローチャートにおいて、ステップS20〜S40に代えてステップS120を含む。
すなわち、ステップS110において充電中であると判定されると、ECU100は、面圧センサ(図示せず)からセル11の面圧の測定値を取得する(ステップS120)。上述のように、面圧センサは、たとえば、隣接するセル11間に設置される。
そして、面圧が取得されると、ステップS130へ処理が移行され、SOC上限マップ(図5)が読込まれる。以降の処理は、図4で説明したので、説明を繰り返さない。
この変形例によれば、面圧センサを設置する分だけ電池システムのコストが上昇するけれども、上記の実施の形態と同様の効果が得られる。
なお、上記の実施の形態及びその変形例においては、セル11の面圧に基づいてSOCの上限を設定するものとしたが、面圧に基づいてSOCの下限を設定してもよい。また、上記では、充電に伴なう負極117の膨張に着目してSOC上限を設定しているが、充放電に伴なう正極116の膨張及び収縮を考慮してもよい。
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 電動車両、10 組電池、11 セル、20 センサユニット、21 電圧センサ、22 電流センサ、23 温度センサ、30 PCU、40 MG、50 駆動軸、60 駆動輪、70 充電器、80 インレット、90 電源、100 ECU、101 CPU、102 メモリ、111 電池ケース、112 蓋体、113 正極端子、114 負極端子、115 電極体、116,120 正極、117,130 負極、118 セパレータ、121 正極集電体、122 正極活物質層、131 負極集電体、132 負極活物質層。
Claims (1)
- 二次電池と、
前記二次電池のSOCを制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記二次電池の面圧に基づいて前記SOCの上限を設定する、電池システム。
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