JP2022117204A - ケラチン繊維用化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】メラニン前駆体を含むケラチン繊維用化粧料において、当該ケラチン繊維用化粧料を使用した後にコンディショナー等の酸性のケラチン繊維用化粧料の使用を繰り返しても、染毛性の低下が抑制され、黄みの少ない、メラニン前駆体が酸化されることにより発現する本来の色に染められるケラチン繊維用化粧料を提供する。【解決手段】下記の成分(A)~(D):(A)下記一般式(1)で表される化合物又はその塩JPEG2022117204000008.jpg2768〔式(1)中、破線はπ結合の存在又は不存在を示し、R1は水酸基又はアセトキシ基を示し、R2は水素原子又は-COOR(Rは水素原子、メチル基又はエチル基)を示し、R3は水素原子、アセチル基、メチル基又はエチル基を示す。〕(B)アルカリ剤、(C)アニオン性界面活性剤、(D)亜硫酸塩類を含有し、成分(D)の含有量が0.01質量%以上1.5質量%以下であるケラチン繊維用化粧料。【選択図】なし

Description

本発明は、ケラチン繊維用化粧料に関する。
日常的な洗髪において誰もが使用するシャンプー等のケラチン繊維用化粧料にメラニン前駆体を配合し、手軽にかつ短期間に白髪に対して高い染毛性を発揮できる提案がなされている(例えば、特許文献1を参照)。
また、アスコルビン酸塩と亜硫酸塩類とを用いることによって、染め上がりの色を変化させ得る空気酸化型染毛剤組成物が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
特開2019-094326号公報 特開2007-326810号公報
メラニン前駆体を含む染毛剤は通常の酸化型染毛剤と比較して染毛性がやや緩慢であり、使用を繰り返すことでケラチン繊維が徐々に染毛されていくという特徴がある。しかしながら、特許文献1の実施例に示されているシャンプー組成物のように、メラニン前駆体を含有するケラチン繊維用化粧料を使用した際には、染まっていくケラチン繊維の色味が染めようとする本来の色味と比べて、黄みを帯びてしまう場合があることが分かった。本願発明者は当該ケラチン繊維化粧料の使用前後に用いられる種々の化粧料を検討した結果、当該ケラチン繊維用化粧料の使用後にコンディショナー、リンスやトリートメント等の他の酸性のケラチン繊維用化粧料、特に25℃におけるpHが4.9未満の他のケラチン繊維用化粧料を使用すると、染まっていくケラチン繊維の色味が徐々に黄みを帯びてしまい、メラニン前駆体が酸化されることにより発現する本来の色にケラチン繊維が染まりにくいという課題を見出した。
また、特許文献2には、空気酸化型染毛剤組成物によるケラチン繊維の染め上がりの色として、亜硫酸塩類によって青みを帯びた黒っぽい色が得られることが記載されている。しかし、特許文献2においては、コンディショナー等の他の酸性のケラチン繊維用化粧料を併用することによる染毛色の黄変発生、及び、このような黄変の抑制が考慮されていない。特許文献2には、上記の課題、すなわちケラチン繊維用化粧料の使用後にコンディショナー等の他の酸性のケラチン繊維用化粧料を用いると、染まっていくケラチン繊維の色味が徐々に黄みを帯びて、メラニン前駆体が酸化されることにより発現する本来の色に染まりにくくなるという課題及びその解決手段が示されていない。
本発明の課題は、メラニン前駆体を含むケラチン繊維用化粧料において、当該ケラチン繊維用化粧料を使用した後にコンディショナー等の酸性の他のケラチン繊維用化粧料の使用を繰り返しても、染毛性の低下が抑制され、黄みの少ないメラニン前駆体が酸化されることにより発現する本来の色に染められるケラチン繊維用化粧料を提供することにある。
本発明者らは、所定のメラニン前駆体、アルカリ剤、アニオン性界面活性剤、及び亜硫酸塩類を含有するケラチン繊維用化粧料により、前記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は下記[1]~[2]に関する。
[1]次の成分(A)~(D):
(A)下記一般式(1)で表される化合物又はその塩
Figure 2022117204000001

〔式(1)中、破線はπ結合の存在又は不存在を示し、Rは水酸基又はアセトキシ基を示し、Rは水素原子又は-COOR(Rは水素原子、メチル基又はエチル基)を示し、Rは水素原子、アセチル基、メチル基又はエチル基を示す。〕
(B)アルカリ剤
(C)アニオン性界面活性剤
(D)亜硫酸塩類
を含有し、成分(D)の含有量が0.01質量%以上1.5質量%以下であるケラチン繊維用化粧料。
[2]上記[1]に記載されたケラチン繊維用化粧料をケラチン繊維に適用する工程を有する、ケラチン繊維の染色方法。
本発明によれば、メラニン前駆体を含むケラチン繊維用化粧料において、当該ケラチン繊維用化粧料をケラチン繊維に使用した後にコンディショナー等の他の酸性のケラチン繊維用化粧料の使用を繰り返しても、染毛性の低下が抑制され、黄みの少ないメラニン前駆体本来の色(自然な灰色~黒色)に染められるケラチン繊維用化粧料を提供することができる。
[ケラチン繊維用化粧料]
本発明におけるケラチン繊維用化粧料とは、毛髪、髭等のケラチン繊維に使用される化粧料である。
本発明のケラチン繊維用化粧料は、次の成分(A)~(D):
(A)下記一般式(1)で表される化合物又はその塩
Figure 2022117204000002

〔式(1)中、破線はπ結合の存在又は不存在を示し、Rは水酸基又はアセトキシ基を示し、Rは水素原子又は-COOR(Rは水素原子、メチル基又はエチル基)を示し、Rは水素原子、アセチル基、メチル基又はエチル基を示す。〕
(B)アルカリ剤
(C)アニオン性界面活性剤
(D)亜硫酸塩類
を含有し、成分(D)の含有量が0.01質量%以上1.5質量%以下である。
本発明においてケラチン繊維用化粧料としては、使用を繰り返すことでケラチン繊維が徐々に染毛されていくという特徴があるため、複数回の使用が必要となる場合がある。そのため、日常のヘアケア行動により簡単に染毛できるシャンプー、リンス、コンディショナーやトリートメント等の剤形として提供することが好ましく挙げられる。これらの中でも、日常のヘアケア行動により簡単に染毛できるという観点及び良好な染毛性が得られるという観点から、洗浄剤の剤形がより好ましい。ケラチン繊維用化粧料の剤型には特に制限はなく、例えば液体状、泡状、ペースト状、クリーム状、固形状、粉末状等、任意の剤型とすることが可能である。ケラチン繊維とのなじみやすさ、塗り広げやすさの観点から、液体状、ペースト状又はクリーム状とすることが好ましく、液体状とすることがより好ましい。
<成分(A)>
本発明のケラチン繊維用化粧料は、下記一般式(1)で表される化合物又はその塩である成分(A)を含有する。成分(A)は空気酸化により重合してメラニン色素に変換されるメラニン前駆体であり、ケラチン繊維の染色剤として作用する。
Figure 2022117204000003

〔式(1)中、破線はπ結合の存在又は不存在を示し、Rは水酸基又はアセトキシ基を示し、Rは水素原子又は-COOR(Rは水素原子、メチル基又はエチル基)を示し、Rは水素原子、アセチル基、メチル基又はエチル基を示す。〕
成分(A)のメラニン前駆体は、一般式(1)で表される化合物であるインドール誘導体又はインドリン誘導体、又はこれらの塩であり、本発明においてはその1種又は2種以上の組み合わせを用いることができる。成分(A)は、染毛性の観点からインドール誘導体(すなわち、一般式(1)中の破線部分にπ結合が存在する)であることがより好ましい。
成分(A)の入手性及び染毛性の観点から、一般式(1)において、Rは好ましくは水酸基であり、Rは好ましくは水素原子又は-COOR(Rは水素原子、メチル基又はエチル基)、より好ましくは水素原子又は-COOHである。Rは好ましくは水素原子である。
前記一般式(1)で表される化合物としては、5,6-ジヒドロキシインドール、5,6-ジヒドロキシインドール-2-カルボン酸、5,6-ジヒドロキシインドール-2-カルボン酸メチル、5,6-ジヒドロキシインドール-2-カルボン酸エチル、N-メチル-5,6-ジヒドロキシインドール、N-メチル-5,6-ジヒドロキシインドール-2-カルボン酸、N-エチル-5,6-ジヒドロキシインドール、N-エチル-5,6-ジヒドロキシインドール-2-カルボン酸、N-アセチル-5,6-ジヒドロキシインドール、N-アセチル-5,6-ジヒドロキシインドール-2-カルボン酸、5-アセトキシ-6-ヒドロキシインドール、5-アセトキシ-6-ヒドロキシインドール-2-カルボン酸、5,6-ジヒドロキシインドリン、5,6-ジヒドロキシインドリン-2-カルボン酸、5,6-ジヒドロキシインドリン-2-カルボン酸メチル、5,6-ジヒドロキシインドリン-2-カルボン酸エチル、N-メチル-5,6-ジヒドロキシインドリン、N-メチル-5,6-ジヒドロキシインドリン-2-カルボン酸、N-エチル-5,6-ジヒドロキシインドリン、N-エチル-5,6-ジヒドロキシインドリン-2-カルボン酸、N-アセチル-5,6-ジヒドロキシインドリン、N-アセチル-5,6-ジヒドロキシインドリン-2-カルボン酸、5-アセトキシ-6-ヒドロキシインドリン、5-アセトキシ-6-ヒドロキシインドリン-2-カルボン酸、等が挙げられる。
前記一般式(1)で表される化合物の塩としては、該化合物の塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩等が挙げられ、なかでも、入手性の観点から、臭化水素酸塩が好ましい。
また一般式(1)においてRが-COOHである場合、一般式(1)で表される化合物の塩としては、そのカルボン酸塩(Rが-COO(Xは、Na、K等のアルカリ金属イオン、Ca、Mg等のアルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオンなどの陽イオン)である)が挙げられる。
ケラチン繊維を自然な色合いに染める観点から、成分(A)としては5,6-ジヒドロキシインドール、5,6-ジヒドロキシインドール-2-カルボン酸、5,6-ジヒドロキシインドリン、5,6-ジヒドロキシインドリン-2-カルボン酸、及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、5,6-ジヒドロキシインドール、5,6-ジヒドロキシインドール-2-カルボン酸、及び5,6-ジヒドロキシインドリン臭化水素酸塩からなる群から選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、5,6-ジヒドロキシインドール及び5,6-ジヒドロキシインドール-2-カルボン酸からなる群から選ばれる1種又は2種がさらに好ましく、5,6-ジヒドロキシインドール及び5,6-ジヒドロキシインドール-2-カルボン酸を併用することがよりさらに好ましい。
5,6-ジヒドロキシインドール及び5,6-ジヒドロキシインドール-2-カルボン酸を併用する場合は、そのモル比は50:50~99:1の範囲とすることが好ましく、80:20~99:1の範囲とすることがより好ましく、85:15~95:5の範囲とすることがさらに好ましい。5,6-ジヒドロキシインドール及び5,6-ジヒドロキシインドール-2-カルボン酸のモル比が上記範囲であると染毛後のケラチン繊維の仕上がりが自然な色味に近づく。
5,6-ジヒドロキシインドールと5,6-ジヒドロキシインドール-2-カルボン酸とのモル比は、逆相HPLCにより定量することができる。
ケラチン繊維用化粧料中の成分(A)の含有量は、染毛性向上の観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であり、経済性の観点から、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下、よりさらに好ましくは0.8質量%以下、よりさらに好ましくは0.5質量%以下、よりさらに好ましくは0.3質量%以下である。また、好ましくは0.05質量%~5質量%であり、より好ましくは0.05質量%~3質量%であり、さらに好ましくは0.05質量%~1質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.1質量%~0.8質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.1質量%~0.5質量%であり、よりさらに好ましくは0.1質量%~0.3質量%である。
<成分(B)>
本発明のケラチン繊維用化粧料は、アルカリ剤である成分(B)を含有する。アルカリ剤はケラチン繊維を膨潤させてキューティクルを開き、成分(A)等の染色剤成分をケラチン繊維の内部まで浸透させる作用と共に、成分(A)の重合反応を促進し、染毛性を向上させる作用を有する。アルカリ剤としては、通常の染毛剤に使用されるアルカリ剤であれば特に制限なく用いることができる。
当該アルカリ剤としては、例えば、アンモニア;モノ-、ジ-又はトリメタノールアミン、モノ-、ジ-又はトリエタノールアミン等のアルカノールアミン;メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、N-メチルエチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等のアルキルアミン;ベンジルアミン等のアラルキルアミン;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ化合物等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。アルカノールアミン、アルキルアミン、又はアラルキルアミンの炭素数は、水溶性の観点から、好ましくは10以下、より好ましくは8以下である。
なかでも、染毛性の観点からは、アルカリ剤はアンモニア、アルカノールアミン、アルキルアミン、アラルキルアミン、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウムからなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、アンモニア及びアルカノールアミンからなる1種又は2種以上を含むことがより好ましく、モノアルカノールアミンを含むことがさらに好ましく、モノエタノールアミンを含むことがよりさらに好ましい。
ケラチン繊維用化粧料中のアルカリ剤の含有量は、染毛性向上の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上であり、刺激性を抑制する観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7.5質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、よりさらに好ましくは2質量%以下である。また、好ましくは0.01質量%~10質量%、より好ましくは0.1質量%~7.5質量%、さらに好ましくは0.5質量%~5質量%、よりさらに好ましくは0.5質量%~2質量%である。
<成分(C)>
本発明のケラチン繊維用化粧料は、アニオン性界面活性剤である成分(C)を含有する。成分(C)はケラチン繊維用化粧料の使用時の泡立ちを向上させ、染色成分である成分(A)をケラチン繊維にムラなく均一に塗布しやすくする効果を付与する。また、洗浄剤として使用する場合にはケラチン繊維の洗浄効果を付与する。さらに、後述する任意成分である成分(G)のカチオン性ポリマーを併用した場合は、当該成分(G)と成分(C)との組み合わせによりケラチン繊維用化粧料が水で希釈された系においてコアセルベーションを生じさせ、成分(A)を高濃度でコアセルベート内に包含させると共にケラチン繊維表面へ吸着させて、洗浄効果と高い染毛性とを両立させることができる。
当該アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル又はアルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α-スルホ脂肪酸塩、N-アシルアミノ酸、リン酸モノ又はジエステル、スルホコハク酸エステル等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。
アニオン性界面活性剤のアニオン性基の対イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン;カルシウムイオン、マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン;アンモニウムイオン;炭素数2又は3のアルカノール基を1~3個有するアルカノールアミン(例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等)が挙げられる。
なかでも、ケラチン繊維化粧料が洗浄剤である場合の良好な泡立ち、洗い易さ、及び染毛性向上効果のうち少なくとも一つの観点から、成分(C)としてはアルキルエーテル硫酸塩及びアルキルエーテルカルボン酸塩からなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。上記アルキルエーテル硫酸塩としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等が挙げられ、アルキルエーテルカルボン酸塩としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩等が挙げられる。
ケラチン繊維用化粧料中の成分(C)の含有量は、良好な泡立ち、染毛性の観点から好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上であり、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、よりさらに好ましくは15質量%以下である。また、好ましくは0.1質量%~40質量%、より好ましくは0.5質量%~30質量%、さらに好ましくは1質量%~20質量%、よりさらに好ましくは1質量%~15質量%である。
特にケラチン繊維用化粧料が洗浄剤である場合、良好な泡立ち、洗い易さ、及び染毛性のうち少なくとも一つの観点から、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは8質量%以上である。また、染毛性向上、及びケラチン繊維ダメージ抑制の観点からは、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、よりさらに好ましくは15質量%以下である。また、好ましくは3質量%~40質量%、より好ましくは5質量%~30質量%、さらに好ましくは8質量%~20質量%、よりさらに好ましくは8質量%~15質量%である。
<成分(D)>
本発明のケラチン繊維用化粧料は、亜硫酸塩類である成分(D)を含有する。亜硫酸塩類はコンディショナー等併用時の黄味抑制効果を付与する作用を有する。亜硫酸塩類としては、亜硫酸塩、ピロ亜硫酸塩、亜硫酸水素塩及び二酸化硫黄から選択される1種又は2種以上から選択される。塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属を好ましく利用することができる。具体的には、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、次亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸カリウム、二酸化硫黄、ピロ亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。
これらのうち、市場での入手性の観点から、亜硫酸塩、ピロ亜硫酸塩が好ましく、より具体的には亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム及びピロ亜硫酸カリウムから選択される1種又は2種以上が好ましい。
成分(D)の含有量は、コンディショナー等併用時の黄味抑制の観点から、0.01質量%以上であり、好ましくは0.03質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、よりさらに好ましくは0.1質量%以上、よりさらに好ましくは0.15質量%以上、よりさらに好ましくは0.2質量%以上である。一方、成分(D)の含有量は、コンディショナー等併用時の黄味抑制及び仕上がりの色味の観点から、1.5質量%以下であり、好ましくは1.2質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下、よりさらに好ましくは0.9質量%以下、よりさらに好ましくは0.7質量%以下、よりさらに好ましくは0.5質量%以下である。また、好ましくは0.03質量%~1.5質量%、より好ましくは0.05質量%~1.2質量%、さらに好ましくは0.1質量%~1.0質量%、よりさらに好ましくは0.15質量%~0.9質量%、よりさらに好ましくは0.2質量%~0.7質量%、よりさらに好ましくは0.2質量%~0.5質量%である。
コンディショナー等併用時の黄味抑制の観点から、ケラチン繊維用化粧料中の成分(A)に対する成分(D)の質量比(D)/(A)は、好ましくは0.05以上であり、より好ましくは0.1以上、さらに好ましくは0.3以上、よりさらに好ましくは0.5以上、よりさらに好ましくは1.2以上、よりさらに好ましくは1.5以上、よりさらに好ましくは1.8以上である。一方、仕上がりの色味の観点からは、上記質量比(D)/(A)は、好ましくは20以下であり、より好ましくは15以下、さらに好ましくは10以下、よりさらに好ましくは6以下、よりさらに好ましくは4以下である。また、好ましくは0.05~20、より好ましくは0.1~15、さらに好ましくは0.3~10、よりさらに好ましくは0.5~6、よりさらに好ましくは1.2~4、よりさらに好ましくは1.5~4、よりさらに好ましくは1.8~4である。
<pH>
本発明のケラチン繊維用化粧料のpHは、成分(A)の重合反応を促進し、染毛性を向上させる観点から、好ましくは8.0以上、より好ましくは8.5以上、さらに好ましくは9.0以上である。メラニン前駆体である成分(A)は塩基性条件で空気中の酸素と反応し、メラニン色素に変換されやすいためである。当該pHは、染毛性向上、及びケラチン繊維へのダメージ抑制の観点から、好ましくは12.0以下、より好ましくは11.0以下、さらに好ましくは10.5以下、よりさらに好ましくは10.0以下である。また、好ましくは8.0~12.0、より好ましくは8.5~11.0、さらに好ましくは9.0~10.5、よりさらに好ましくは9.0~10.0である。
上記pHは25℃における測定値であり、具体的には実施例に記載の方法により測定できる。
<成分(E)>
本発明のケラチン繊維用化粧料は、緩衝剤である成分(E)を含有することが好ましい。成分(E)を含有することで、ケラチン繊維用化粧料が使用時に水で希釈された場合にも、成分(A)が高い染毛性を発現するために最適なpH範囲を維持しやすくなり、例えば、pHが8.0以上12.0以下の範囲にしやすくなる。
当該緩衝剤としては、pH緩衝作用を有するものであれば特に制限されないが、メラニン前駆体である成分(A)は塩基性条件で空気中の酸素と反応し、メラニン色素に変換されやすいため、ケラチン繊維用化粧料のpHを塩基性条件に調整できる緩衝剤が好ましい。
上記観点から、成分(E)は、塩基性成分として、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム等の炭酸塩や、グリシン、四ホウ酸ナトリウム、又は塩化アンモニウムをいずれか1種含有する緩衝剤;又は、炭酸ナトリウム-重炭酸ナトリウム等の、2種以上の塩基性成分の組み合わせからなる緩衝剤が好ましく、炭酸塩を含有する緩衝剤がより好ましく、重炭酸ナトリウムを含有する緩衝剤がより好ましい。
成分(E)は、緩衝剤成分として、pH緩衝能を向上させる観点から、さらにプロトン化剤を含有してもよい。プロトン化剤は一塩基酸及び多塩基酸のいずれでもよく、有機酸(炭素数1以上8以下、但しアスコルビン酸を除く)及び無機酸のいずれでもよい。当該プロトン化剤としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、ギ酸、酢酸、クエン酸からなる群から選ばれる1種又は2種以上が挙げられ、リン酸及びクエン酸からなる群から選ばれる1種又は2種がより好ましい。
染毛性向上の観点から、成分(E)を構成する緩衝剤成分は、重炭酸ナトリウムと、リン酸及びクエン酸からなる群から選ばれる1種又は2種との組み合わせからなることがさらに好ましい。
ケラチン繊維用化粧料中の成分(E)の含有量は、ケラチン繊維用化粧料のpHを所望の範囲に調整できる量であれば特に制限はないが、ケラチン繊維用化粧料が水で希釈された場合のpH緩衝能を向上させる観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上、よりさらに好ましくは0.4質量%以上である。また、処方安定性の観点からは、ケラチン繊維用化粧料中の成分(E)の含有量は、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは4.0質量%以下、さらに好ましくは3.0質量%以下、より更に好ましくは2.0質量%以下である。また、好ましくは0.1質量%~5.0質量%、より好ましくは0.2質量%~4.0質量%、さらに好ましくは0.3質量%~3.0質量%、よりさらに好ましくは0.4質量%~2.0質量%である。
なお、成分(E)の含有量とは、成分(E)を構成する緩衝剤成分の有効成分量の合計を意味する。
<成分(F)>
本発明のケラチン繊維用化粧料は、両性界面活性剤である成分(F)を含有することが好ましい。
両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン等のベタイン系界面活性剤;ラウリルヒドロキシスルタイン等のスルタイン系界面活性剤;が挙げられる。なかでも、ケラチン繊維へのなじみ易さ、良好な泡立ちの観点からは、ベタイン系界面活性剤が好ましく、脂肪酸アミドプロピルベタインがより好ましい。脂肪酸アミドプロピルベタインは、炭素数8以上18以下、さらには炭素数10以上16以下のアシル基を有するものが好ましく、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン、及びヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインからなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
両性界面活性剤を用いる場合、ケラチン繊維へのなじみ易さ、良好な泡立ち及びすすぎ時の感触向上の観点から、ケラチン繊維用化粧料中の含有量として、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.10質量%以上、さらに好ましくは0.15質量%以上、よりさらに好ましくは0.50質量%以上、よりさらに好ましくは1.0質量%以上であり、好ましくは15質量%以下、より好ましくは12質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。また、好ましくは0.05質量%~15質量%、より好ましくは0.10質量%~12質量%、さらに好ましくは0.15質量%~10質量%、よりさらに好ましくは0.50質量%~10質量%、よりさらに好ましくは1.0質量%~10質量%である。
<成分(G)>
本発明のケラチン繊維用化粧料は、成分(G)として、カチオン電荷密度が0.01meq/g以上4.8meq/g以下のカチオン性ポリマーを含有することが好ましい。成分(G)は、前記成分(C)との組み合わせによりコアセルベーションを生じさせ、成分(A)を高濃度でコアセルベート内に包含させると共にケラチン繊維表面へ吸着させて、高い染毛性を発現させる作用を有する。
本発明においてカチオン性ポリマーとは、カチオン性基を有するものであり、かつ、全体としてカチオン性を示す水溶性のポリマーをいう。すなわち当該カチオン性ポリマーには、カチオン性基のみを有しアニオン性基を有さないカチオン性ポリマーの他、カチオン性基及びアニオン性基を有し、かつ全体としてカチオン性を示す両性ポリマーも本発明のカチオン性ポリマーに含まれる。
なお上記アニオン性基とは、アニオン基、又は、イオン化されてアニオン基になり得る基をいう。
本発明において、カチオン性ポリマーのカチオン電荷密度とは、(1)カチオン性基を有しかつアニオン性基を有さないカチオン性ポリマーの場合は、カチオン性ポリマー1gあたりに含有されるカチオン性基のモル数×1000(meq/g)をいう。また、(2)カチオン性基及びアニオン性基を有するポリマーの場合は、全体としてカチオン性を示すことが必要であり、この場合のカチオン電荷密度は、カチオン性基のモル数×1000(カチオン電荷密度;meq/g)からアニオン性基のモル数×1000(アニオン電荷密度;meq/g)を差し引いた値をいい、当該値が陽性で、0.01meq/g以上4.8meq/g以下の範囲であるものが好ましい。
本発明のケラチン繊維用化粧料は、成分(G)として、カチオン性ポリマーを2種以上用いてもよい。この場合のカチオン電荷密度は、それぞれのポリマーのカチオン電荷密度と配合量から加重平均して算出することにより求められる。
成分(G)のカチオン電荷密度は0.01meq/g以上4.8meq/g以下が好ましく、染毛性向上の観点から、より好ましくは0.05meq/g以上、さらに好ましくは0.1meq/g以上、よりさらに好ましくは0.2meq/g以上、よりさらに好ましくは0.3meq/g以上、よりさらに好ましくは0.4meq/g以上であり、また、より好ましくは4.7meq/g以下、さらに好ましくは4.0meq/g以下、よりさらに好ましくは3.5meq/g以下、よりさらに好ましくは3.0meq/g以下、よりさらに好ましくは2.5meq/g以下、よりさらに好ましくは2.0meq/g以下、よりさらに好ましくは1.5meq/g以下である。また、好ましくは0.05meq/g~4.8meq/g、より好ましくは0.1meq/g~4.7meq/g、さらに好ましくは0.1meq/g~4.0meq/g、さらに好ましくは0.2meq/g~3.5meq/g、さらに好ましくは0.3meq/g~3.0meq/g、さらに好ましくは0.4meq/g~2.5meq/g、よりさらに好ましくは0.4meq/g~2.0meq/gである。
成分(G)に用いられるカチオン性ポリマーは、カチオン電荷密度が上記範囲となるカチオン性ポリマー、又はカチオン電荷密度が上記範囲となるような2種以上のカチオン性ポリマーの組み合わせであれば特に制限なく用いることができる。染毛性を向上させる観点から、成分(G)は、カチオン電荷密度が上記範囲となるカチオン性ポリマーのみを1種又は2種以上組み合わせて用いることが好ましい。
当該カチオン性ポリマーとしては、例えば、カチオン化グアガム;カチオン化タラガム;カチオン化ローカストビーンガム;カチオン化ポリビニルアルコール;カチオン化セルロース;カチオン化ヒドロキシエチルセルロース、カチオン化ヒドロキシプロピルセルロース等の、カチオン化ヒドロキシアルキルセルロース;カチオン性澱粉;ビニルピロリドン/N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩共重合体、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩/N,N-ジメチルアクリルアミド/ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体等の、第4級化ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリル酸塩重合体;ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/アクリル酸共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/アクリルアミド共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/アクリル酸/アクリルアミド共重合体等の、ジアリル第4級化アンモニウム塩重合体;ビニルイミダゾリウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体;ビニルピロリドン/アルキルアミノ(メタ)アクリレート共重合体;ビニルピロリドン/アルキルアミノ(メタ)アクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体;ビニルピロリドン/(メタ)アクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム共重合体;アルキルアクリルアミド/(メタ)アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート共重合体;アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルエチレントリアミン共重合体、並びに特開昭53-139734号公報及び特開昭60-36407号公報に記載されているカチオン性ポリマー等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
コアセルベーションを生じやすく、高い染毛性を発現できる観点から、成分(G)としてはカチオン化グアガム、カチオン化タラガム、カチオン化ローカストビーンガム、カチオン化ポリビニルアルコール、カチオン化ヒドロキシエチルセルロース、カチオン化ヒドロキシプロピルセルロース、ビニルピロリドン/N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩共重合体、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩/N,N-ジメチルアクリルアミド/ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/アクリル酸共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/アクリルアミド共重合体及びジアリルジメチルアンモニウムクロリド/アクリル酸/アクリルアミド重合体からなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、カチオン化グアガム、カチオン化タラガム、カチオン化ポリビニルアルコール、カチオン化ヒドロキシエチルセルロース、カチオン化ヒドロキシプロピルセルロース、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩/N,N-ジメチルアクリルアミド/ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/アクリル酸共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/アクリルアミド共重合体及びジアリルジメチルアンモニウムクロリド/アクリル酸/アクリルアミド重合体からなる群から選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、カチオン化グアガム、カチオン化タラガム、カチオン化ポリビニルアルコール、カチオン化ヒドロキシエチルセルロース、カチオン化ヒドロキシプロピルセルロース、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩/N,N-ジメチルアクリルアミド/ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/アクリル酸共重合体、及びジアリルジメチルアンモニウムクロリド/アクリルアミド共重合体からなる群から選ばれる1種又は2種以上が更に好ましい。
成分(G)として1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる市販のカチオン性ポリマーとしては、例えば下記が挙げられる。
(カチオン化グアガム)
Jaguar Excel:カチオン電荷密度1.1meq/g(Solvay(Novecare)社)等
(カチオン化タラガム)
カチナール CTR-100:カチオン電荷密度1.3meq/g(東邦化学工業株式会社)等
(カチオン化ローカストビーンガム)
カチナール CLB-100(東邦化学工業株式会社)等
(カチオン化ポリビニルアルコール)
ゴーセネックスK-434(日本合成化学工業株式会社)、CM318:カチオン電荷密度0.35meq/g(株式会社クラレ)等
(カチオン化ヒドロキシエチルセルロース)
ポリクオタニウム-10(塩化o-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース):例えばユーケアポリマーJR-400:カチオン電荷密度1.3meq/g(ダウケミカル社)、ポイズC-60H:カチオン電荷密度1.1~1.8meq/g(花王株式会社)、ポイズC-150L:カチオン電荷密度0.7~1.1meq/g(花王株式会社)、カチセロM-80:カチオン電荷密度1.0meq/g(花王株式会社)
(カチオン化ヒドロキシプロピルセルロース)
ソフケア C-HP2:カチオン電荷密度0.5meq/g(花王株式会社)等
(ビニルピロリドン/N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩共重合体)
ポリクオタニウム-11:例えばガフカット734(アイエスピー・ジャパン社)、ガフカット755N(アイエスピー・ジャパン社)等
(N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩/N,N-ジメチルアクリルアミド/ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体)
ポリクオタニウム-52:例えばソフケア KG-101W-E:カチオン電荷密度(文献値)0.8meq/g(花王株式会社)等
(ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド)
ポリクオタニウム-6:例えばMERQUAT100:カチオン電荷密度(文献値)6.2meq/g(Lubrizol Advanced Materials社)等
(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/アクリル酸共重合体)
ポリクオタニウム-22:例えばMERQUAT280:カチオン電荷密度2.2meq/g、MERQUAT295:カチオン電荷密度:5.7meq/g(以上、Lubrizol Advanced Materials社)等
(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/アクリルアミド共重合体)
ポリクオタニウム-7:例えばMERQUAT550:カチオン電荷密度(文献値)3.1meq/g(Lubrizol Advanced Materials社)等
(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/アクリル酸/アクリルアミド重合体)
ポリクオタニウム-39:例えばMERQUAT3331PR:カチオン電荷密度0.42meq/g(Lubrizol Advanced Materials社)等
ケラチン繊維用化粧料中の成分(G)の含有量は、染毛性向上の観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.2質量%以上、よりさらに好ましくは0.3質量%以上、よりさらに好ましくは0.4質量%以上である。また、安定性向上及び染毛性向上の観点からは、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下、よりさらに好ましくは1.5質量%以下、よりさらに好ましくは1.2質量%以下、よりさらに好ましくは1.0質量%以下である。また、好ましくは0.05質量%~5質量%、より好ましくは0.1質量%~3質量%、さらに好ましくは0.2質量%~2質量%、よりさらに好ましくは0.3質量%~1.5質量%、よりさらに好ましくは0.4質量%~1.2質量%、よりさらに好ましくは0.4質量%~1.0質量%である。
<成分(H)>
本発明のケラチン繊維用化粧料は、酸化防止剤である成分(H)を含有することが好ましい。
酸化防止剤としては、L-アスコルビン酸、チオグリコール酸、L-システイン、N-アセチル-L-システイン、トコフェロール及びそれらの塩、並びにこれらの誘導体が挙げられる。成分(A)の安定化、及び染色性向上の観点からはアスコルビン酸及びその塩、アスコルビン酸グルコシドが好ましい。塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属を好ましく利用することができる。
酸化防止剤を用いる場合、その含有量は、ケラチン繊維用化粧料中、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.15質量%以上であり、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下、よりさらに好ましくは1質量%以下、よりさらに好ましくは0.8質量%以下である。また、好ましくは0.05質量%~10質量%、より好ましくは0.1質量%~5質量%、さらに好ましくは0.15質量%~2質量%、よりさらに好ましくは0.15質量%~1質量%、よりさらに好まし0.15質量%~0.8質量%である。
コンディショナー等併用時の黄味抑制の観点から、ケラチン繊維用化粧料中の成分(H)に対する成分(D)の質量比(D)/(H)は、好ましくは0.005以上であり、より好ましくは0.1以上、さらに好ましくは0.15以上、よりさらに好ましくは0.30以上、よりさらに好ましくは0.5以上であり、好ましくは30以下であり、より好ましくは20以下、さらに好ましくは10以下、よりさらに好ましくは5以下、よりさらに好ましくは3以下である。また、好ましくは0.05~30、より好ましくは0.1~20、さらに好ましくは0.15~10、よりさらに好ましくは0.30~5、よりさらに好ましくは0.5~3である。
<成分(I)>
本発明のケラチン繊維用化粧料は、成分(G)の溶解性の観点から、さらに芳香族アルコールである成分(I)を含有してもよい。
芳香族アルコールとしては、ベンジルオキシエタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、γ-フェニルプロピルアルコール、桂皮アルコール、アニスアルコール、p-メチルベンジルアルコール、α,α-ジメチルフェネチルアルコール、α-フェニルエタノール、フェノキシエタノール等が挙げられる。これらのうち、ベンジルオキシエタノール及びベンジルアルコールからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、ベンジルアルコールがより好ましい。
芳香族アルコールを用いる場合、その含有量は、成分(G)の溶解性の観点から、ケラチン繊維用化粧料中、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であり、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下である。
<その他の成分>
本発明のケラチン繊維用化粧料は、前記成分の他、ケラチン繊維用化粧料又は染毛剤に通常使用される成分を、本発明の目的を損なわない範囲で適宜含有してもよい。当該成分としては、例えば、成分(A)以外の染色剤、成分(G)以外のポリマー、非イオン性界面活性剤、油剤、抗フケ剤、ビタミン剤、殺菌剤、抗炎症剤、防腐剤、キレート剤、保湿剤、パール剤、セラミド類、香料、紫外線吸収剤等が挙げられる。
(成分(A)以外の染色剤)
本発明のケラチン繊維用化粧料は、さらに、成分(A)以外の染色剤を含有してもよい。当該染色剤としては、通常染毛剤に用いられる酸化染料(プレカーサー及びカップラーから構成される)、直接染料が挙げられる。
成分(A)以外の上記染色剤は、1種又は2種以上を用いることができる。当該染色剤としては酸化染料が好ましく、プレカーサーとしてはパラフェニレンジアミン、トルエン-2,5-ジアミン、パラアミノフェノール、4-アミノメタクレゾール、1-ヒドロキシエチル-4,5-ジアミノピラゾール並びにこれらの塩、カップラーとしては2,4-ジアミノフェノキシエタノール、メタアミノフェノール、2-メチル-5-アミノフェノール、レゾルシン、2-メチルレゾルシン、4-クロロレゾルシノール、1-ナフトール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、2-アミノ-4-(β-ヒドロキシエチル)アミノアニソール、並びにこれらの塩が好ましい。
成分(A)以外の染色剤を用いる場合、その含有量は、染毛性向上の観点から、ケラチン繊維用化粧料中、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上であり、成分(A)による染毛で自然な色合いを得る観点からは、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。また、好ましくは0.01質量%~1質量%、より好ましくは0.05質量%~0.5質量%である。
<シリコーン>
本発明のケラチン繊維用化粧料は、シリコーンを含有してもよい。
シリコーンは、泡の質感、泡の滑り感、洗浄時のきしみ低減、乾燥時の滑らかさを向上させる効果を有する。当該シリコーンとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン;メチルフェニルポリシロキサン;アモジメチコーン、アミノエチルアミノプロピルジメチコーン、アミノプロピルジメチコーン等のアミノ変性シリコーン;環状シリコーン;ポリエーテル変性シリコーン;脂肪酸変性シリコーン;アルコール変性シリコーン;アルコキシ変性シリコーン;エポキシ変性シリコーン;フッ素変性シリコーン;アルキル変性シリコーン等が挙げられる。これらのシリコーンは、1種又は2種以上を含有することができる。
なかでも、泡の質感、泡の滑り感、洗浄時のきしみ低減、乾燥時の滑らかさを向上させる観点から、シリコーンとしてはジメチルポリシロキサンが好ましい。
シリコーンを用いる場合、その含有量は、泡の質感、泡の滑り感、洗浄時のきしみ低減、乾燥時の滑らかさを向上させる観点から、ケラチン繊維用化粧料中、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上、よりさらに好ましくは2質量%以上であり、泡の質感、泡の滑り感、洗浄時のきしみ低減、乾燥時の滑らかさを向上させる観点及び経済性の観点から、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは8質量%以下である。また、好ましくは0.1質量%~15質量%、より好ましくは0.2質量%~10質量%、さらに好ましくは0.5質量%~8質量%である。
ケラチン繊維用化粧料は、非イオン性界面活性剤を含有しても良い。非イオン性界面活性剤としては、処方安定性の観点から、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、高級脂肪酸ショ糖エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、アルキルサッカライド、アルキルアミンオキサイド、アルキルアミドアミンオキサイド等が挙げられる。これらのうち、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、及びアルキルサッカライドからなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテルがより好ましい。
ケラチン繊維用化粧料が非イオン界面活性剤を含有する場合、その含有量は、処方安定性の観点から、ケラチン繊維用化粧料中、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上であり、また、毛髪の感触低下抑制の観点から、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。また、好ましくは0.01質量%~5質量%、より好ましくは0.02質量%~3質量%である。
(水性媒体)
ケラチン繊維用化粧料は、通常、水性媒体を含有する。水性媒体としては、水;エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール;1,3-ブチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール等の炭素数6以下の低分子ジオール及びトリオールが挙げられ、水が好ましい。ケラチン繊維用化粧料中の水性媒体の含有量は、ケラチン繊維用化粧料の剤型により適宜選択することができるが、通常、1~95質量%の範囲である。水性媒体として水を用いる場合には、ケラチン繊維用化粧料が使用時に水で希釈された際にコアセルベーションを生じさせ、成分(A)をケラチン繊維表面へ吸着させて、高い染毛性を発現させる観点から、ケラチン繊維用化粧料中の水の含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%であり、また、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。また、好ましくは50質量%~95質量%、より好ましくは60質量%~90質量%、さらに好ましくは70質量%~90質量%である。
本発明のケラチン繊維用化粧料の製造方法は特に限定されない。例えば、成分(A)~(D)、及び必要に応じて用いられるその他の成分を実施例に記載の方法で配合し、公知の攪拌装置等を用いて混合することにより製造できる。
[ケラチン繊維の染色方法]
本発明はさらに、前記ケラチン繊維用化粧料をケラチン繊維に適用する工程を有する、ケラチン繊維の染色方法を提供する。例えば、ケラチン繊維用化粧料がシャンプー等の洗浄剤である場合は、該洗浄剤をケラチン繊維に塗布し、泡立ててケラチン繊維を洗浄した後、水で洗い流す。ケラチン繊維用化粧料がコンディショニング剤、トリートメント剤又は染毛剤の場合は、該ケラチン繊維用化粧料をケラチン繊維に塗布し、必要に応じて短時間(1~5分程度)放置した後に水で洗い流す。以上のような工程を日常的に繰り返すことにより、容易に、かつ短期間で白髪染めを行うことができる。
本発明は、本発明の一実施形態として、上記ケラチン繊維用化粧料を洗浄剤としてケラチン繊維に適用する工程と、リンス、コンディショニング剤、トリートメント剤などの酸性、好ましくは25℃におけるpHが4.9未満の他のケラチン繊維用化粧料をケラチン繊維に適用する工程とを有する、ケラチン繊維の染色方法も提供する。例えば、上記ケラチン繊維用化粧料が洗浄剤である場合、当該洗浄剤であるケラチン繊維用化粧料をケラチン繊維に塗布し、泡立ててケラチン繊維を洗浄した後、水で洗い流す。そして、酸性の他のケラチン繊維用化粧料をケラチン繊維に塗布し、必要に応じて短時間(30秒~5分程度)放置した後に水で洗い流す。以上のような工程を日常的に繰り返すことにより、他のケラチン繊維用化粧料の効果(コンディショニング効果等)が得られ、容易に、かつ短期間でケラチン繊維の染色を行うことができ、かつ、染め上がりの色味が黄みを帯びることを抑制することができる。
[ケラチン繊維用組成物キット]
本発明は、以下の構成を備えるケラチン繊維用組成物キットも提供する。
具体的には上記成分(A)~(D)を含有し、成分(D)の含有量が0.01質量%以上1.5質量%以下であるケラチン繊維用化粧料(1)、及び、酸性、好ましくは25℃におけるpHが4.9未満の他のケラチン繊維用化粧料(2)を含むケラチン繊維用組成物キットである。
上記ケラチン繊維用組成物キットは、例えば、ケラチン繊維用化粧料(1)とケラチン繊維用化粧料(2)とをそれぞれ別の容器に収容しそれらの容器を一組にした態様とすることができる。
別の態様としては、上記毛髪化粧料キットは、1つの容器が少なくとも2つに分かれた区画を有しており、上記区画のうち第1の区画に組成物(1)が収容され、上記区画のうち第1の区画とは異なる第2の区画に組成物(2)が収容されたものとすることができる。
上述の実施形態に関し、本発明はケラチン繊維用組成物、ケラチン繊維用組成物キット、及びケラチン繊維の染色方法を開示する。
<1>
次の成分(A)~(D):
(A)下記一般式(1)で表される化合物又はその塩
Figure 2022117204000004

〔式(1)中、破線はπ結合の存在又は不存在を示し、Rは水酸基又はアセトキシ基を示し、Rは水素原子又は-COOR(Rは水素原子、メチル基又はエチル基)を示し、Rは水素原子、アセチル基、メチル基又はエチル基を示す。〕
(B)アルカリ剤
(C)アニオン性界面活性剤
(D)亜硫酸塩類
を含有し、成分(D)の含有量が0.01質量%以上1.5質量%以下であるケラチン繊維用化粧料。
<2>
成分(B)が、アンモニア及びアルカノールアミンからなる群から選ばれる1種又は2種以上を含む<1>に記載のケラチン繊維用化粧料。
<3>
25℃におけるpHが8.0~12.0である<1>又は<2>に記載のケラチン繊維用化粧料。
<4>
成分(A)の含有量が0.05質量%以上5質量%以下である<1>~<3>のいずれかに記載のケラチン繊維用化粧料。
<5>
成分(A)に対する成分(D)の質量比(D)/(A)が0.05以上20以下である、<1>~<4>のいずれかに記載のケラチン繊維用化粧料。
<6>
成分(A)に対する成分(D)の質量比(D)/(A)が1.2以上4以下である、<1>~<5>のいずれかに記載のケラチン繊維用化粧料。
<7>
成分(A)に対する成分(D)の質量比(D)/(A)が1.8以上4以下である、<1>~<6>のいずれかに記載のケラチン繊維用化粧料。
<8>
成分(D)の含有量が、0.1質量%以上1質量%以下であり、成分(A)に対する成分(D)の質量比(D)/(A)が1.2以上4以下である、<1>~<7>のいずれかに記載のケラチン繊維用化粧料。
<9>
成分(C)が、アルキルエーテル硫酸塩及びアルキルエーテルカルボン酸塩からなる群から選ばれる1種又は2種以上から選択される<1>~<8>のいずれかに記載のケラチン繊維用化粧料。
<10>
成分(C)の含有量が、0.1質量%~40質量%である、<1>~<9>のいずれかに記載のケラチン繊維用化粧料。
<11>
成分(D)が、亜硫酸塩、ピロ亜硫酸塩、亜硫酸水素塩及び二酸化硫黄から選択される1種又は2種以上から選択される<1>~<10>のいずれかに記載のケラチン繊維用化粧料。
<12>
洗浄剤である<1>~<11>のいずれかに記載のケラチン繊維用化粧料。
<13>
<1>~<12>のいずれかに記載されたケラチン繊維用化粧料をケラチン繊維に適用する工程を有する、ケラチン繊維の染色方法。
<14>
<1>~<13>のいずれかに記載されたケラチン繊維用化粧料を洗浄剤としてケラチン繊維に適用する工程と、酸性の他のケラチン繊維用化粧料をケラチン繊維に適用する工程とを有する、ケラチン繊維の染色方法。
<15>
<1>~<13>のいずれかに記載されたケラチン繊維用化粧料と、酸性の他のケラチン繊維用化粧料を備えるケラチン繊維用組成物キット。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されない。なお本実施例において、pH測定、染毛性評価、及び色味評価は以下の方法により行った。
[pH測定]
pHメーター(F-51、(株)堀場製作所製)を用いて、ケラチン繊維用化粧料の25℃におけるpHを測定した。
[染毛性評価]
染毛性の評価には、中国人女性の長さ10cm、質量1g、白髪トレス(BM-W-A、株式会社ビューラックス)を用いた。評価用トレスを、事前に以下に示す組成のプレーンシャンプーで2回洗浄し、風乾した後、染毛性評価に供した。
(プレーンシャンプー) (質量%)
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム
(エマールE-27C(有効成分量:27質量%)、花王(株)製)
57.4
・ラウラミドDEA(アミノーン L-02、花王(株)製) 1.5
・EDTA-2Na(フロスト DS、第一化学薬品(株)製) 0.3
・リン酸(pH7.0に調整)
・安息香酸ナトリウム 0.5
精製水 残 余
計 100
予め温水で20秒間濯いだトレスに対し、浴比1:1:0.2(トレス:水:ケラチン繊維用化粧料)となるように、後述する各例で得られたケラチン繊維用化粧料0.1gを均一に塗布し、1分間泡立てた。次いで、塗布したケラチン繊維用化粧料を30秒間流温水で洗い流し、次いで、トレスを軽く絞って調整し、乾燥することなく、以下に示す組成の評価用コンディショナー0.1gを均一に塗布し30秒間なじませたのちに、トレスを流温水(約40℃)で15秒間洗い流し、タオルドライ、ドライヤー乾燥を行った。この操作を20回繰り返し、染毛処理を実施した。
(評価用コンディショナー) (質量%)
・塩化ジステアリルジメチルアンモニウム(75%) 3.6
(コータミンD86P 花王株式会社)
・塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(28%) 2.7
(コータミン86W 花王株式会社)
・セテアリルアルコール 2.0
・高重合度アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体エマルション 0.05
(シリコーン KT-0032 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)
・プロピレングリコール 5.0
・P-ヒドロキシ安息香酸メチル 0.1
・モノエタノールアミン 0.2
・乳酸 1.23
精製水 残 余
計 100
上記染毛処理前の白髪トレスと、上記染毛処理後のトレスの色相(L, a, b)を、色彩色差計(CR-400、コニカミノルタ株式会社)を用いて、トレス1本につき6点測定して平均値を求めた。
この平均値を用いて下記式(2)に従い色差ΔEを算出した。ΔEの値が大きいほど染毛性が良好であると評価される。
また、下記式(3)に従い彩度(C)を算出した。
ΔE=〔(ΔL+(Δa+(Δb1/2・・・式(2)
(Δ:染毛前後の各色相の変化量)
=〔(a+(b1/2・・・式(3)
[色味評価]
色味評価は、専門パネラー5人が、染毛処理後のトレスに対して黄味を感じるか否かについて、以下の5段階でランク付けし、A~Eのうち最も多くのパネラーが集まった評価レベルを評価対象トレスの評価とした。
・A:黄味を全く感じない自然な灰色である
・B:黄味をほとんど感じない灰色である
・C:わずかに黄味を感じるが許容可能なレベルである
・D:やや黄味を感じる
・E:黄味を感じる
〔ケラチン繊維用化粧料(シャンプー)の調製〕
実施例1~3
表1に示す組成に従って、アニオン性界面活性剤と水の一部を混合して水溶液を調製した後、両性界面活性剤及びカチオン性ポリマーを溶解させた。さらに、アルカリ剤を加えた後に、窒素雰囲気下で、無水亜硫酸ナトリウム、L-アスコルビン酸、成分(E)、成分(A)の溶液を添加し、ケラチン繊維用化粧料を調製した。ケラチン繊維用化粧料のpHはいずれも9.6であった。表1に記載の配合量(質量%)は、下記比較例1~3も含めて、いずれも有姿である。
調製したケラチン繊維用化粧料は、窒素雰囲気下で保管し、pH測定、染毛性評価、及び色味評価の際にその都度、分取した。ケラチン繊維用化粧料のpH及び処理トレスの染毛性評価及び色味評価の結果を表1に示す。
比較例1~3
比較例1は、無水亜硫酸ナトリウムを使用しなかったこと以外は実施例1と同じ組成で、上記と同様にしてケラチン繊維用化粧料を調製した。
比較例2は、無水亜硫酸ナトリウムを使用せず、L-アスコルビン酸を0.2質量%から0.5質量%に変更し、さらに48%水酸化ナトリウム液0.03質量%を使用したこと以外は実施例1と同じ組成で、上記と同様にして比較例2のケラチン繊維用化粧料を調製した。
比較例3は、無水亜硫酸ナトリウムに代えて、トコフェロールを用いたこと以外は実施例1と同じ組成で、上記と同様にしてケラチン繊維用化粧料を調製した。
ケラチン繊維用化粧料のpHはいずれも9.6であった。
調製したケラチン繊維用化粧料は、窒素雰囲気下で保管し、pH測定、染毛性評価、及び色味評価の際にその都度、分取した。ケラチン繊維用化粧料のpH及び処理トレスの染毛性評価及び色味評価の結果を表1に示す。
Figure 2022117204000005
表中の成分を以下に示す。なお、表中の各成分の配合量(質量部)は、いずれも有姿である。
*1:5,6-ジヒドロキシインドール溶液:特許第5570161号公報に記載された方法により製造された溶液(5,6-ジヒドロキシインドール:1質量%、5,6-ジヒドロキシインドール-2-カルボン酸:0.14質量%、エタノール:20質量%、水:残部)
*2:ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム;エマールE-27C(花王株式会社、有効成分量:27.0質量%)
*3:両性界面活性剤(ラウリン酸アミドプロピルベタイン);アンヒトール 20AB(花王株式会社、有効成分量:28.8質量%)
*4:塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]グアガム;Jaguar Excel(Solvay(Novecare)社、カチオン電荷密度:1.1meq/g)
*5:ポリクオタニウム-22(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/アクリル酸共重合体);MERQUAT280(Lubrizol Advanced Materials社、カチオン電荷密度:2.2meq/g)
本実施例においては、本発明のケラチン繊維用化粧料を使用した後に酸性の他のケラチン繊維用化粧料を併用した場合に、自然な灰色に染色されるかを測色値及び目視評価により評価した。測色値の評価については、測色値のbが大きい程、黄みを有することを示す。しかし、bの値が小さくても、彩度が上がると、本来無彩色の灰色とは異なる不自然な色味が感じられる。そのため、本発明においては測色値においてはbは0に近く、彩度Cは小さい方が好ましい。
表1より、以下のことが判る。
実施例1~3に示すように、本発明のケラチン繊維用化粧料は黄味の少ない自然な灰色に染められる高い染毛性を発現する。そして、洗浄及びコンディショナーの使用を20回繰り返した後の染め上がりが自然な灰色になる。
成分(D)以外の配合を同じにした表1の実施例1~3と比較例1との対比から、ケラチン繊維用化粧料に用いる成分(D)である亜硫酸塩類が存在しない場合、洗浄及びコンディショナーの使用を20回繰り返した後の染め上がりの色味が黄みを帯びることが判る。
表1の比較例2及び3の結果から、成分(D)に代えて、水酸化ナトリウム液やトコフェロールを用いても、洗浄及びコンディショナーの使用を20回繰り返した後の染め上がりの色味の黄みを抑制することができず、メラニン前駆体が酸化されることにより発現する本来の色に染められないことが判る。
また、表1の実施例1と比較例1~3との対比から、亜硫酸塩類が存在することによって、洗浄及びコンディショナーの使用を20回繰り返した後も、ΔEの値に大きな差異が生じないにも関わらず、b及びCの値が大きく減少することが判る。つまり、亜硫酸塩類が存在することによって、洗浄及びコンディショナーの使用を20回繰り返した後も、染毛性自体に特に影響がない一方、黄味を帯びた色への色味の変化が抑制されていることが判る。
また、実施例1と実施例2及び3の比較から、亜硫酸塩類の含有量が0.01質量%以上1.5質量%以下の範囲の下限及び上限から離れるに従って色味の変化をさらに抑制できることが判る。
本明細書において、本発明に係る一実施形態として、下記の表2に処方例1~5を開示する。
Figure 2022117204000006
表中の成分を以下に示す。なお、表中の各成分の配合量(質量部)は、いずれも有姿である。
*11:5,6-ジヒドロキシインドール溶液:特許第5570161号公報に記載された方法により製造された溶液(5,6-ジヒドロキシインドール:1質量%、5,6-ジヒドロキシインドール-2-カルボン酸:0.14質量%、エタノール:20質量%、水:残部)
*12:5,6-ジヒドロキシインドリン臭化水素酸塩溶液(AK-scientific社製、5,6-ジヒドロキシインドリン臭化水素酸塩:1質量%、エタノール:20質量%、水:残部)
*13:ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム;エマールE-27C(花王株式会社、有効成分量:27.0質量%)
*14:両性界面活性剤(ラウリン酸アミドプロピルベタイン);アンヒトール 20AB(花王株式会社、有効成分量:28.8質量%)
*15:両性界面活性剤(ラウリルヒドロキシスルホベタイン);アンヒトール 20HD(花王株式会社、有効成分量:30質量%)
*16:カチオン化グアガム(塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]グアガム);Jaguar Excel(Solvay(Novecare)社、カチオン電荷密度:1.1meq/g)
*17:カチオン化タラガム(カエサルピニアスピノサヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド);カチナール CTR-100(東邦化学工業株式会社、カチオン電荷密度1.3meq/g)
*18:ポリクオタニウム-22(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/アクリル酸共重合体);MERQUAT280(Lubrizol Advanced Materials社、カチオン電荷密度:2.2meq/g)
*19:シリコーン;シリコーン SH 200C FLUID 10 CS(東レ・ダウコーニング株式会社)
20:ラウリルグルコシド液:ノニオン活性剤(アルキル(C10-16)ポリグルコシド);AG-124(花王株式会社、有効成分量40質量%)
本発明のケラチン繊維用化粧料によれば、例えばシャンプー等の頭髪の洗浄の機能を兼ね備えた、白髪を徐々に目立たなくするケラチン繊維用化粧料において、使用後にコンディショナーやトリートメント等のケラチン繊維用化粧料を使用することを繰り返しても、染毛性の低下が抑制され、黄みの少ないメラニン前駆体が酸化されることにより発現する本来の色に染められるケラチン繊維用化粧料とすることができる。

Claims (8)

  1. 次の成分(A)~(D):
    (A)下記一般式(1)で表される化合物又はその塩
    Figure 2022117204000007

    〔式(1)中、破線はπ結合の存在又は不存在を示し、Rは水酸基又はアセトキシ基を示し、Rは水素原子又は-COOR(Rは水素原子、メチル基又はエチル基)を示し、Rは水素原子、アセチル基、メチル基又はエチル基を示す。〕
    (B)アルカリ剤
    (C)アニオン性界面活性剤
    (D)亜硫酸塩類
    を含有し、成分(D)の含有量が0.01質量%以上1.5質量%以下であるケラチン繊維用化粧料。
  2. 成分(B)が、アンモニア及びアルカノールアミンからなる群から選ばれる1種又は2種以上を含む請求項1に記載のケラチン繊維用化粧料。
  3. 25℃におけるpHが8.0~12.0である請求項1又は2に記載のケラチン繊維用化粧料。
  4. 成分(A)の含有量が0.05質量%以上5質量%以下である請求項1~3のいずれか1項に記載のケラチン繊維用化粧料。
  5. 成分(A)に対する成分(D)の質量比(D)/(A)が0.05以上20以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載のケラチン繊維用化粧料。
  6. 洗浄剤である請求項1~5のいずれか1項に記載のケラチン繊維用化粧料。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載されたケラチン繊維用化粧料をケラチン繊維に適用する工程を有する、ケラチン繊維の染色方法。
  8. 請求項1~6のいずれか1項に記載されたケラチン繊維用化粧料を洗浄剤としてケラチン繊維に適用する工程と、酸性の他のケラチン繊維用化粧料をケラチン繊維に適用する工程とを有する、ケラチン繊維の染色方法。
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