JP2022116511A - 部品電着装置及び電着用部品保持具 - Google Patents

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Abstract

【課題】導体部品の両端部以外の部分を電着塗装する際に、両端部の電着されない両端部の長さを正確に制御できる。【解決手段】線状の導体部品の両端部を平行に並べた状態で両端部を除く中間部分に電着により塗料を付着させる部品電着装置であって、導体部品の両端部を所定長さに位置決めした状態で保持して、中間部分を吊り下げ状態に配置可能な部品保持具と、塗料を貯留する電着槽と、中間部分が電着槽の塗料に浸漬されるように部品保持具を載置させる固定台と、部品保持具に保持された導体部品と電着槽内の塗料との間に通電する電源装置と、を備えるとともに、電着槽又は固定台の少なくとも一方に、他方に対する上下方向位置を調整可能な昇降機が設けられている。【選択図】 図2

Description

本発明は、コイルの一部等の形状に加工した状態の導体部品に電着塗装技術により塗料を付着する部品電着装置及びその部品電着装置に用いられる電着用部品保持具に関する。
いわゆるエナメル線等の絶縁被覆電線は、電線に絶縁樹脂をベースとする絶縁塗料(ワニス)を塗布して焼き付けることにより製造され、その絶縁塗料を塗布する技術として、電着塗装技術が注目されている。また、その絶縁被覆電線がモータやトランスのコイル等を構築する部品である場合、絶縁被覆していない裸導体を所望の形態に加工した後に、絶縁被覆することが試みられている。
例えば、特許文献1には平角導線をモータ用の電磁コイル形状に加工(エッジワイズ巻)したワークを電着塗装する装置が開示されている。この特許文献1では、ワークの両端部をチャックにより把持して吊り下げ状態に保持し、その吊り下げ状態で搬送しながら把持部分より下方部分を電着液に浸漬して塗装している。そして、塗装後、乾燥又は硬化により絶縁被覆を形成すると記載されている。
また、特許文献2においても、ハンガーにより、コイルの両端部を把持して吊り下げ状態に保持し、その把持部分より下方を電着液に浸漬して塗装しており、その後、焼付け乾燥炉の中に配置され、赤外線や熱風を用いて加熱された後に冷却されることにより、被膜を硬化させることが記載されている。
なお、電着装置ではないが、特許文献3に鉛蓄電池の製造装置が開示されている。この鉛蓄電池の製造装置では、正極板、負極板及びセパレータの積層体の耳部にフラックス液を塗布する装置であり、積層体を収容保持する保持型枠と、フラックス槽と、これらの少なくとも一方を昇降する昇降装置と、保持型枠に設けたフラックス液面検出部とを備えている。そして、積層体をフラックス液に浸漬する際に、フラックス液面検出部がフラックス液面に接触したときに、耳部をフラックス液に浸漬するための昇降動作を停止するように制御される。
特開2012-117133号公報 特開2012-224924号公報 特開2010-277696号公報
ところで、モータのステータに取り付けられるコイル等を構築するための導体部品である場合、その両端部は電気接続のために塗装されず、両端部を除く部分に絶縁被覆が施される。両端部は電気接続のためめっき処理される場合もある。このため、電着槽に浸漬しない両端部の長さを正確に制御する必要がある。また、複数の導体部品を同時に処理する場合、全ての導体部品について電着槽に浸漬しない両端部の長さが揃っている必要がある。さらに、電着塗装した導体部品を効率良く乾燥させるためには、導体部品を保持する器具ごと乾燥炉に入れることが望ましく、保持具は高温に耐えうる構造でなければならない。
この場合、特許文献3に記載の鉛蓄電池の製造装置のように浸漬の際の停止位置を制御する機構とすると、保持具に液面を検知するための電子部品を設けなければならず、乾燥工程の高温に耐えられない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、複数の導体部品の両端部以外の部分を電着塗装する際に、導体部品の高さを揃えて固定できる構造の部品保持具、及び電着されない両端部の長さを正確に制御できる部品電着装置を提供することを目的とする。
本発明の部品電着装置は、線状の導体部品の両端部を平行に並べた状態で前記両端部を除く中間部分に電着により塗料を付着させる部品電着装置であって、前記導体部品の両端部を所定長さに位置決めした状態で保持して、前記中間部分を吊り下げ状態に配置可能な部品保持具と、塗料を貯留する電着槽と、前記中間部分が前記電着槽の前記塗料に浸漬されるように前記部品保持具を載置させる固定台と、前記部品保持具に保持された前記導体部品と前記電着槽内の前記塗料との間に通電する電源装置と、を備えるとともに、前記電着槽又は前記固定台の少なくとも一方に、他方に対する上下方向位置を調整可能な昇降機が設けられている。
昇降機で電着槽又は固定台の少なくとも一方の上下方向位置を調整できるので、固定台に対する電着槽の液面位置を正確に制御することができる。この場合、さらに導体部品の両端部を所定長さに位置決めした状態で電着槽に浸漬するので、電着されない両端部の長さを正確に制御することができる。
この電着装置を形状や大きさが異なる複数種の導体部品に適用する場合、部品替えの際には、部品保持具に保持された導体部品と電着槽の液面との上下位置を昇降機により調整することにより、種々の導体部品において、電着される部分と電着されない両端部との位置制御を正確に行うことができる。
この部品電着装置において、前記部品保持具は、前記導体部品の両端部の先端を位置決めするガイドストッパと、該ガイドストッパにより位置決めされた状態の前記導体部品の両端部を保持するクランプと、を有するとよい。
導体部品の両端部の先端がガイドストッパにより位置決めされるので、電着されない両端部の位置決め作業を容易にすることができる。
また、クランプは直動機構、回転機構、ネジによる保持機構等の可動部を有しない構造がよい。
乾燥炉で加熱しても固着、焼付き等を起こさないため、高温環境にも耐えることができ、繰り返し使用することができる。
また、前記部品保持具は前記導体部品と接触する部分が導電材料により構成されており、前記電源装置は、前記電着槽内に一方電極が設けられるとともに、前記固定台に、前記部品保持具を載置したときに該部品保持具の導電材料部分に電気的接続可能な他方電極が設けられているとよい。
導体部品を保持した部品保持具を固定台に載置することにより、導体部品が他方電極に電気接続状態となり、そのまま電着塗装を開始することができ、効率的である。
さらに、前記電着槽に、前記塗料を供給する塗料供給系と、前記電着槽のオーバーフロー堰を超えて流出した前記塗料を排出する塗料排出系とが接続され、前記電着槽の前記オーバーフロー堰は、その上縁が複数の山形が並んだ凹凸形状に形成されているとよい。
導体部品に常に新鮮な塗料を供給するため、塗料供給系から塗料を供給しつつ、電着槽からオーバーフローさせる。このため、電着槽内で塗料に流れが生じるが、オーバーフロー堰の上縁を凹凸形状に形成したことにより、塗料の波打ちが抑制され、その液面を安定させて水平に維持するとともに、液面の高さ位置の変動を抑制することができる。したがって、電着されない両端部と電着部との境界を正確に設定することができる。
この部品電着装置において、前記昇降機は前記電着槽に設けられているとよい。固定台は部品保持具が載置されるので、部品保持具の搬送から固定台への載置までの作業の自動化を図るには、固定台の位置を固定しておいた方がよく、電着槽を上下移動させる方が自動化に有利である。
前記部品保持具は前記導体部品を複数並べて保持することが可能であり、前記電着槽は、前記部品保持具により保持された各導体部品を一括して浸漬可能な大きさを有するとよい。
複数の導体部品を一括して電着することができ、量産化の効率を高めることができる。
本発明の電着用部品保持具は、線状の導体部品の両端部を平行に並べた状態で前記両端部を除く中間部分に電着により塗料を付着させて電着部品を製造する際に用いられる電着用部品保持具であって、前記導体部品の両端部の先端を位置決めするガイドストッパと、該ガイドストッパにより位置決めされた状態の前記導体部品の両端部を保持して前記導体部品を吊り下げ状態に支持するクランプと、を有する。
本発明によれば、導体部品の両端部以外の部分を電着塗装する際に、両端部の電着されない長さを正確に制御できる。
本発明の一実施形態の電着装置により電着塗装される電着部品の例を示す正面図である。 本発明の一実施形態の電着装置の要部を示す断面図である。 電着装置の電着槽、固定台及び昇降機の一部を示す斜視図である。 図3に示す装置の正面図である。 図3に示す装置の側面図である。 図3に示す装置の上面図である。 電着槽の断面図である。 本発明の一実施形態の部品保持具を示す斜視図である。 図8の部品保持具の下面図である。 図8の部品保持具の正面図である。 図8の部品保持具の側面図である。 図10の要部の拡大図である。 図11の要部の拡大図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
この実施形態における電着塗装された部品(以下、電着部品という)1は、電動機や発電機のステータに用いられるコイルセグメントである。図1に示すように、その電着部品1は、例えば平角導体を略U字状(あるいはアーチ状)に屈曲成形されてなる導体部品2に対して、屈曲部とは反対方向に向けられて平行に並べられている両端部3を除く中間部分4が絶縁被覆されている。図1には絶縁被覆された部分をハッチングによって示しており、両端部の長さLの領域が電着されずに導体が露出している。この電着部品(コイルセグメント)1は、交互に向きを変えて複数並べられ、露出している両端部3が隣接する電着部品1に溶接等によって接続されることにより、コイル状に構築される予定である。
この電着部品1は、略U字形状に加工した導体部品2を洗浄した後に、導体部品2の両端部3を除き、中間部分4に電着塗装により塗料を付着し、これを加熱して、付着した塗料を乾燥し焼き付けることにより、製造される。
この電着部品1を製造する際に用いられる電着装置10は、図2以降に示すように、導体部品2を保持する電着用部品保持具(以下、単に部品保持具という)20と、この部品保持具20を搬送する搬送機(図示略)と、塗料を貯留する電着槽40と、電着槽40の付近で部品保持具20が載置される固定台50と、電着槽40の上下移動する昇降機60と、部品保持具20に保持された導体部品2と電着槽40内の塗料との間に通電する電源装置70と、を備えている。
部品保持具20は、図8から図11に示すように、フレーム部材21と、導体部品2の両端部3の先端を位置決めするガイドストッパ22と、ガイドストッパ22により位置決めされた状態の導体部品2の両端部3の一部を保持するクランプ23と、を有している。
フレーム部材21は、外形が矩形状をなしており、その上面の両端部には、搬送機の後述するハンガー31と係合するフック部27が、それぞれ上方に突出するように設けられている。これらフック部27は、図8及び図11に示すように、フレーム部材21に垂直に固定された柱部材28と、柱部材28の上端に設けられた鉤部材29とを有している。鉤部材29は下方が開放状態に形成されている。
ガイドストッパ22は、細幅の短冊状の板材からなり、その板の面をフレーム部材21の面方向に平行に配置して、フレーム部材21の短辺と平行に設けられている。図8等に示す例では、一つのフレーム部材21に5本のガイドストッパ22が相互に間隔をおいて固定されている。これらガイドストッパ22の下面が位置決め面となっており、すべて同じ高さ位置に揃えられている。
クランプ23は、図12及び図13等に示す例では山形状のアングル部材24と、アングル部材24に固定されたばね板25とを備えている。
アングル部材24は、その一方の辺部24aが、各ガイドストッパ22の下面に、ガイドストッパ22の長さ方向に沿って固定されることにより、他方の辺部24bがガイドストッパ22から垂直下方に延びるように設けられている。このアングル部材24の取り付け状態において、ガイドストッパ22の下面(位置決め面)は幅の半分程度が露出している。ばね板25は、アングル部材24の垂直な辺部24bよりも細幅に形成されており、その垂直な辺部24bの外面に、その下縁に添わせるように長さ方向に沿って配置され、中央部がねじ26によって固定されている。そして、このばね板25とアングル部材24の垂直な辺部24bとの間に導体部品2を挟持状態に固定できるようになっている。すなわち、クランプ23はアングル部材24の垂直な辺部24bとばね板25とねじ26とからなる。
ばね板25の両端部25aは、先端に向かうにしたがってアングル部材24の垂直な辺部24bの表面から徐々に離間するように屈曲している。また、アングル部材24の垂直な辺部24bの幅は、導体部品2の電着されない両端部3の長さLよりわずかに小さく形成され、一方、ばね板25の幅はアングル部材24の垂直な辺部24bの幅よりも十分に小さく形成され、ばね板25の上縁は、露出状態となっているガイドストッパ22の下面(位置決め面)から離間して配置される。したがって、導体部品2の両端部3において、電着被覆される部分との境界付近で、ガイドストッパ22に当接している両端部3の先端から所定寸法離れた位置をクランプするようになっている。
なお、図8に示す例では、一つのフレーム部材21に5本のガイドストッパ22が相互に平行に設けられており、各ガイドストッパ22の下方位置にそれぞれアングル部材24が1本ずつ固定され、各アングル部材24に3個ずつばね板25が並べられた状態に設けられている。つまり、1本のアングル部材24が3個のばね板25を備えて、3個のクランプ23を構成している。そして、3個のクランプ23が5個のガイドストッパ22にそれぞれ配置され、合計15個のクランプ23が、一つのフレーム部材21に設けられている。
フレーム部材21、ガイドストッパ22、クランプ23は、いずれも導電材料により構成されている。
この電着用保持具20を搬送する搬送機は、長尺なハンガー31(図2,10,11等参照)と、このハンガー31を上昇、水平前進、下降、水平後退の順序で間欠的に作動させるウォーキングビーム形式等の駆動機構(図示略)とを備えている。
部品保持具20のフレーム部材21に設けられているフック部27は、その鉤部材29の下方が開放状態に形成されており、ハンガー31は、フック部27の柱部材28に添わせられた状態で上昇することにより、その上面が鉤部材29に当接して、フレーム部材21を持ち上げることができるようになっている。
電着槽40は、直方体状に形成され、後述する昇降機60の架台61に上下移動可能に支持されている。電着槽40の一つの側壁41aの下端部に、図示略の塗料供給系に接続される塗料供給口42が設けられ、これと対向する他方の側壁41bの外面にオーバーフロー流路43が固定され、このオーバーフロー流路43に、図示略の塗料排出系に接続される塗料排出口44が設けられており、電着槽40内には常に新鮮な電着液が流通されるようになっている。塗料排出口44から排出された電着液は濾過等の処理がされた後に、一般には循環され、再度塗料供給口42に送られる。
オーバーフロー流路43が固定されている側壁(本発明のオーバーフロー堰)41bの上端は、図2に示すように複数の山形が並んだ凹凸形状に形成されており、電着塗料は、このオーバーフロー堰41bの上端で複数の凹部45により少量ずつ分かれて流出させられることにより整流され、これにより、液面が波打つことが抑制される。このオーバーフロー堰41bの山形は、垂直方向に対して片側45°の傾斜で形成されている。したがって、頂角は90°となる。
なお、電着槽40内に貯留される塗料は、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂等を有機溶媒中に分散した絶縁塗料(ワニス)である。また、電着槽40の底部には、電源装置70の直流電源71に接続された一方電極72が設けられる。
昇降機60は、図3から図6に示すように、架台61と、この架台61上に支持されるベース台62とを備えており、例えば、回転運動の方向を垂直回転から水平回転に転換する傘歯車機構と、その水平回転を上下方向の直線運動に変換する送りねじ機構との組み合わせ等を利用した運動伝達機構によりベース台62を上下移動させる構成である。運動伝達機構における回転操作のためのハンドル63が架台61に支持されており、ハンドル63を回転操作することにより、ベース台62を上下移動させることができる。電着槽40は、そのベース台62上に固定されており、ベース台62と一体に上下移動させられる。
架台61には、電着槽40が固定されるベース台62とは別に、部品保持具20が載置される固定台50も設けられている。固定台50は、電着槽40の対向する二つの側壁(前述の塗料供給口42及びオーバーフロー流路43を有しない側壁)41c、41dのそれぞれと平行な一対の門型支持枠52により形成されている。各支持枠52はベース台62をまたぐように設けられており、架台61上に立設された一対の支柱53と、両支柱53の上端を電着槽40の側壁41c、41dと平行に連結する水平な支持バー54とにより構築されている。両支持枠52の支持バー54の途中に、部品保持具20のフレーム部材21を載置する爪部材55が二つずつ内側に向けて設けられている。これら爪部材55は、フレーム部材21を載置する部分が同じ高さ位置に配置されている。フレーム部材21は、複数設けられているガイドストッパ22の間の部分が爪部材55に載置されることにより水平に配置され、フレーム部材21に保持された導体部品2が電着槽40の内側で同じ高さ位置で吊り下げ状態に保持される。
この場合、固定台50の支持バー54及び爪部材55は導電材料により構成され、電源装置70の直流電源71に接続されており、4個の爪部材55に部品保持具20のフレーム部材21を載置することにより、フレーム部材21に保持された各導体部品2が直流電源71に電気的に接続される。したがって、爪部材55は電着槽40内の一方電極72に対して他方電極を構成している。
このように構成した電着装置10を用いて導体部品2を電着塗装する方法について説明する。
導体部品2は、図12及び図13に示すように、部品保持具20のクランプ23に1個ずつ吊り下げ状態に保持される。このとき、各導体部品2の両端部3の先端をガイドストッパ22に当接させた状態でクランプ23が導体部品2の両端部3を保持することにより、各導体部品2の両端部3が一定の長さLに揃えられた状態に吊り下げられる。言い換えると、各導体部品2において、クランプ23から下方の吊り下げ長さが一定に保持される。
また、その部品保持具20では、クランプ23がばね板25を有しており、ばね板25の両端部25aがアングル部材24の垂直な辺部24bから徐々に離間するように傾斜しているので、その傾斜している両端部25aをさらに起こすように変形させて、アングル部材24の辺部24bとの間を広げた状態とすることにより、導体部品2を簡単に脱着することができる。
そして、部品保持具20のフック部27に搬送機のハンガー31を係合させ、搬送機により搬送しながら洗浄等の前処理がなされる。ハンガー31は、部品保持具20を電着槽40の真上まで搬送した後、下降して固定台50の爪部材55の上に部品保持具20のフレーム部材21を載置する。この固定台50の爪部材55に部品保持具20が載置されると、部品保持具20により吊り下げ状態に保持されている導体部品2のクランプ23から下方部分が電着槽40の電着液W内に浸漬される。搬送機のハンガー31は、固定台50の爪部材55に部品保持具20を載置した後も若干下降することによりフック部27との係合が解除され、その解除状態で停止する。
部品保持具20は、ハンガー31との係合が解除されることにより、4個の爪部材55のそれぞれに確実に接触した状態に載置される。したがって、ハンガー31に傾きが生じている場合等でも、部品保持具20は固定台50の爪部材55により水平に保持され、導体部品2は両端部3の高さ位置が揃えられた状態に保持される。
各導体部品2は、部品保持具20のガイドストッパ22により位置決めされているので、全ての導体部品2が同じ液面高さ位置で電着液40内に浸漬される。したがって、各導体部品2は、電着液Wに浸漬されない両端部3がすべて同じ長さLに設定される。
この場合、電着槽40は昇降機60により支持されて上下移動が可能であるので、必要に応じてハンドル63を操作して電着液Wの液面の高さ位置(上下方向位置)を調整することで、導体部品2の電着液Wに浸漬されない長さLを調整することができる。
導体部品2が電着液Wに浸漬されると、電源装置70からの通電により、導体部品2と電着液W内の電極72との間に直流電流が流れて、電着液W内の導体部品2に塗料が付着する。所定時間電着処理がなされた後、搬送機のハンガー31が上昇することにより、
部品保持具20のフック部27を係合し、さらに上昇することで部品保持具20を固定台50から浮かせ、導体部品2を電着槽40から引き上げる。
次いで、導体部品2は、部品保持具20に保持された状態で搬送機により次の洗浄工程、焼き付け工程へと順次搬送され、導体部品2に付着した塗料の焼き付け処理がなされ、両端部3を除く中間部分4に絶縁被覆が施された電着部品1となる。
なお、搬送機のハンガー31は、導体部品2を保持した複数の部品保持具20を順次電着槽40に搬送して、電着塗装を連続的に行わせることができる。
このようにして製造された電着部品1は、部品保持具20により導体部品2が保持され、電着されない両端部3の長さLが一定に揃えられた状態で電着槽40の電着液に浸漬される。また、電着塗装中も、常に新鮮な電着液が供給されるが、電着槽40のオーバーフロー堰41bの凹凸形状により、電着槽40内で電着液Wの液面が波打つことなく安定しており、部品保持具20に保持された導体部品2に対する電着液Wの液面位置を常に一定に維持することができる。
したがって、部品保持具20に取り付けられた各導体部品2は、両端部3の長さLが常に一定に制御される。
このようにして複数個ずつ導体部品2を取り付けた複数の部品保持具20を搬送機のハンガー31によって順次電着槽40に搬送して電着塗装することにより、両端部3の長さLが一定に制御された電着部品1を大量生産することができる。
なお、電着塗装がなされた電着部品1は本実施形態の場合、両端部3にめっき処理がなされたり、溶接が施されたりするが、クランプ23のばね板25は、導体部品2の電着されない両端部3の長さLに比べてその幅が小さく、導体部品2の両端部3において、その先端から離れた位置を保持するので、導体部品2の両端部3を傷つけることが少なく、その後に施されるめっき処理や溶接等を阻害することも少ない。
形状等の異なる電着部品1の生産に替える場合、その導体部品2の形状等に応じて電着槽40を上下移動することにより、電着槽40内の液面Wの高さを導体部品2に合わせて調整することができる。したがって、両端部3の長さLを所望の寸法に設定して、一定の電着部品1を製造することができ、部品替えにも容易に対応できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
実施形態では電着槽を上下移動させたが、電着槽は固定状態とし、部品保持具を載置する固定台を上下移動させてもよい。ただし、先の実施形態のようにハンガー31により部品保持具20を搬送する構造の場合、部品保持具20を載置する高さ位置が固定されていた方が搬送機等の設計を容易にできるため、電着槽40を上下移動させる方が好ましい。
また、実施形態ではコイル構成部品としての導体部品に絶縁塗料を付着したが、絶縁塗料に限らず、錆止め塗装など、各種電着塗装が施されるものに適用することができる。
フレーム部材21は必ずしもその全ての構成要素を導電材料によって形成する必要はなく、固定台50の爪部材55に接触する部分から導体部品2がクランプされる部分までの間が電気的に接続状態となればよい。
1 電着部品
2 導体部品
3 両端部
4 中間部分
10 電着装置
20 電着用部品保持具
21 フレーム部材
22 ガイドストッパ
23 クランプ
24 アングル部材
24a 水平な辺部
24b 垂直な辺部
25 ばね板
25a 端部
27 フック部
28 柱部材
29 鉤部材
31 ハンガー
40 電着槽
41b オーバーフロー堰
42 塗料供給口
43 オーバーフロー流路
44 塗料排出口
50 固定台
54 支持バー
55 爪部材(他方電極)
60 昇降機
70 電源装置
71 直流電源
72 電極
W 電着液
W1 液面

Claims (7)

  1. 線状の導体部品の両端部を平行に並べた状態で前記両端部を除く中間部分に電着により塗料を付着させる部品電着装置であって、
    前記導体部品の両端部を所定長さに位置決めした状態で保持して、前記中間部分を吊り下げ状態に配置可能な部品保持具と、塗料を貯留する電着槽と、前記中間部分が前記電着槽の前記塗料に浸漬されるように前記部品保持具を載置させる固定台と、前記部品保持具に保持された前記導体部品と前記電着槽内の前記塗料との間に通電する電源装置と、を備えるとともに、
    前記電着槽又は前記固定台の少なくとも一方に、他方に対する上下方向位置を調整可能な昇降機が設けられていることを特徴とする部品電着装置。
  2. 前記部品保持具は、前記導体部品の両端部の先端を位置決めするガイドストッパと、該ガイドストッパにより位置決めされた状態の前記導体部品の両端部を保持するクランプと、を有することを特徴とする請求項1に記載の部品電着装置。
  3. 前記部品保持具は前記導体部品と接触する部分が導電材料により構成されており、前記電源装置は、前記電着槽内に一方電極が設けられるとともに、前記固定台に、前記部品保持具を載置したときに該部品保持具の導電材料部分に電気的接続可能な他方電極が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の部品電着装置。
  4. 前記電着槽に、前記塗料を供給する塗料供給系と、前記電着槽のオーバーフロー堰を超えて流出した前記塗料を排出する塗料排出系とが接続され、前記電着槽の前記オーバーフロー堰は、その上縁が複数の山形が並んだ凹凸形状に形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の部品電着装置。
  5. 前記昇降機は前記電着槽に設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の部品電着装置。
  6. 前記部品保持具は前記導体部品を複数並べて保持することが可能であり、前記電着槽は、前記部品保持具により保持された各導体部品を一括して浸漬可能な大きさを有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の部品電着装置。
  7. 線状の導体部品の両端部を平行に並べた状態で前記両端部を除く中間部分に電着により塗料を付着させて電着部品を製造する際に用いられる電着用部品保持具であって、
    前記導体部品の両端部の先端を位置決めするガイドストッパと、該ガイドストッパにより位置決めされた状態の前記導体部品の両端部を保持して前記導体部品を吊り下げ状態に支持するクランプと、を有することを特徴とする電着用部品保持具。
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