JP2022116436A - 液体皮膚外用剤 - Google Patents

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亮介 藤井
Ryosuke Fujii
崇志 内田
Takashi Uchida
信 野原
Shin Nohara
江美 大久保
Emi Okubo
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Abstract

【課題】適用後の皮膚において、外観や触感等の使用感に優れるとともに高い持続性を有する被膜を形成して、薬剤の持続的な担持を可能としつつ、水処理を施すことによって痛みを伴うことなく容易に被膜を除去することができ、また除去後の皮膚において、被膜の残留感を抑制することのできる液体皮膚外用剤に関する。【解決手段】次の成分(A)、(B)、及び(C):(A)下記式(i)で表される特定の疎水性モノマー(i)と、下記式(ii)で表される特定のモノマー(ii)を含む親水性モノマーとが重合してなり、かつモノマー全量中における疎水性モノマー(i)の含有量が35質量%以上65質量%以下であるポリマーCH2=CR1CONR2R3・・・(i)CH2=CR1CONR4R5・・・(ii)(B)炭素数2以上9以下の多価アルコール、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、及びグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上の可塑剤(C)薬剤を含有する、液体皮膚外用剤。【選択図】なし

Description

本発明は、液体皮膚外用剤に関する。
皮膚外用剤は、含有する薬剤等を皮膚から所望の患部へと浸透させて、症状の緩和や治癒を行うために用いられるものであり、テープやシップ等の貼付剤と、クリームや軟膏、スプレー剤等の塗布剤とに大別される。貼付剤には、最外層として支持体が存在するため、使用中において衣服等へ薬剤等が不要に転写するのを有効に回避することができるものの、外観上目立ちやすく、激しい動きを伴う部位では剥離してしまうおそれがある。一方、塗布剤は、皮膚に塗布又は噴霧するのみの簡易な適用方法を採用することができ、適用後は次第に皮膚と同化して目立たなくなるものの、使用中に衣服等へ転写しやすいため、薬剤の持続性が低下することが懸念される。
こうしたなか、より適切な皮膚外用剤を得るべく、種々の開発がなされている。例えば、特許文献1には、アクリルアミド系モノマーとアルキルメタクリレートの共重合体及び脂肪族アルコールを配合した非ヒドロゲル外用組成物が開示されており、塗布性を高めつつ、均一で透明な液状を呈する剤の実現を試みている。
また、特許文献2には、親水性アミド、イミド、ラクタム又はアミンモノマーとビニルアルキルシランモノマーとが共重合したポリマーを含有する液状の被覆材料が開示されており、露出した皮膚の傷口等を即座に覆い、表面に接着したまま残存しつつ、所望の部位において痛みの緩和を図っている。
特開2007-119428号公報 特表2009-518145号公報
しかしながら、特許文献1に記載の組成物を用いて形成される被膜は、硬くなりすぎる傾向があるため、外観や触感に悪影響を及ぼすおそれがある上、洗浄によって除去しにくいものである。また、特許文献2に記載の材料であっても、水に不溶であるポリマーから構成されているため、使用後に洗浄による除去が容易ではなく、適用部位への柔軟な追随も困難である。
したがって、本発明は、適用後の皮膚において、外観や触感等の使用感に優れるとともに高い持続性を有する被膜を形成して、薬剤の持続的な担持を可能としつつ、水処理を施すことによって痛みを伴うことなく容易に被膜を除去することができ、また除去後の皮膚において、被膜の残留感を抑制することのできる液体皮膚外用剤に関する。
そこで本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定の疎水性モノマーと親水性モノマーとが特定量で重合してなるポリマーと、特定の可塑剤及び薬剤を含有することにより、使用感及び持続性を有効に高めつつ、薬剤の持続的な担持性にも優れる被膜を形成することができるだけでなく、充分な量で水分を介在させると、痛みを伴うことなく容易に被膜を除去することができ、かつ除去後の皮膚における被膜の残留感を減じることができる液体皮膚外用剤が得られることを見出した。
したがって、本発明は、次の成分(A)、(B)、及び(C):
(A)下記式(i)で表される疎水性モノマー(i)と、下記式(ii)で表されるモノマー(ii)を含む親水性モノマーとが重合してなり、かつ
モノマー全量中における疎水性モノマー(i)の含有量が35質量%以上65質量%以下であるポリマー
CH2=CR1CONR23 ・・・(i)
CH2=CR1CONR45 ・・・(ii)
(式(i)~(ii)中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2及びR3は水素原子又は炭素数4~12のアルキル基を示し、かつR2及びR3が同時に水素原子である場合を除く。R4及びR5は水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を示す。)
(B)炭素数2以上9以下の多価アルコール、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、及びグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上の可塑剤
(C)薬剤
を含有する、液体皮膚外用剤を提供するものである。
本発明の液体皮膚外用剤によれば、所望の皮膚に塗布又は噴霧等することにより、良好な使用感をもたらすとともに、皮膚における凹凸表面への優れた密着性や皮膚の動きに順応する優れた追随性を発現しながら、破膜や剥離等を有効に回避する高い持続性を有する被膜を皮膚上に形成させることができる。そのため、薬剤の持続的な担持を可能にする一方、水処理を施せば、痛みを伴うことなく容易に除去することができる。また、除去後の皮膚において、被膜の残留感を過度に伴うこともなく、快適な使用を実現することが可能な有用性の高い剤である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の液体皮膚外用剤は、次の成分(A)、(B)、及び(C):
(A)下記式(i)で表される疎水性モノマー(i)と、下記式(ii)で表されるモノマー(ii)を含む親水性モノマーとが重合してなり、かつ
モノマー全量中における疎水性モノマー(i)の含有量が35質量%以上65質量%以下であるポリマー
CH2=CR1CONR23 ・・・(i)
CH2=CR1CONR45 ・・・(ii)
(式(i)~(ii)中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2及びR3は水素原子又は炭素数4~12のアルキル基を示し、かつR2及びR3が同時に水素原子である場合を除く。R4及びR5は水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を示す。)
(B)炭素数2以上9以下の多価アルコール、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、及びグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上の可塑剤
(C)薬剤
を含有する。
かかる液体皮膚外用剤は、頭皮を除く、腕、肩、足、腰、首、手首、肘、膝等の皮膚に塗布又は噴霧することにより適用するための剤であり、皮膚に適用した際に皮膚上において適切な被膜を形成して成分(C)の薬剤を良好に包埋し、形成された被膜がその持続性に優れることも相まって、成分(C)が過度に乾燥するのを防止しつつ不要な析出や結晶化をも防止して、持続的な薬剤の担持をも可能とする剤である。そして、皮膚上に形成される被膜は、不要な破膜や剥離を有効に抑制する優れた持続性を示すことに加え、外観や触感等の使用感にも優れる一方、充分な量の水分存在下では成分(A)のポリマーが良好に膨潤するため、水処理を施すことにより痛みを伴うことなく容易に除去することができ、また除去後の皮膚において被膜の残留感も有効に抑制することができる。
ここで、本発明の液体皮膚外用剤の皮膚への適用態様としては、手指や塗布具を用いて直接皮膚に塗布する態様と、噴霧により皮膚に塗布する態様とに大別されるが、本発明では、皮膚への「適用」を総称して「塗布」ともいう。また「噴霧」には、スプレー等の容器から吐出して噴霧する態様、及びミストによる吹き付けやスチーム等の態様をも含む。したがって、液体皮膚外用剤の「塗布性」とは、噴霧後における皮膚上での液体皮膚外用剤の伸展性や拡散性をも含む意味である。
また、「良好な使用感」とは、本発明の液体皮膚外用剤により皮膚上に形成される被膜において、平滑な外観や良好な触感がもたらされることを意味し、衣服等への転写をも防止しつつ擦過耐性に優れることをも含む意味である。
さらに被膜の「持続性」とは、皮膚上に形成された被膜が、凹凸表面を呈する皮膚に対して優れた密着性を示すとともに、動きを伴う皮膚に対しても高い追随性を示し、被膜を除去するまでに不要な破膜や剥離等が発生するのを抑制しながら、膜状の形態を良好に保持する被膜の性能を意味する。
以下、本発明の液体皮膚外用剤により皮膚上に形成される、良好な使用感をもたらすとともに優れた持続性を発現する被膜について、総じて「適切な被膜」ともいう。
なお、本発明の液体皮膚外用剤により皮膚上に形成された被膜に対し、水処理を施すことにより、痛みを伴うことなく容易に除去することができ、除去後の皮膚において被膜の残留感も有効に低減する、という被膜が有するこうした性能について、総じて「除去性」ともいう。また、皮膚上に形成された被膜を除去するにあたり「水処理を施す」とは、充分な量の水を用いて被膜を洗い流す態様や、水分を含ませて被膜を充分に膨潤させた後に擦り取る態様等をも含む意味である。
本発明の液体皮膚外用剤は、成分(A)として、下記式(i)で表される疎水性モノマー(i)と、下記式(ii)で表されるモノマー(ii)を含む親水性モノマーとが重合してなり、かつ
モノマー全量中における疎水性モノマー(i)の含有量が35質量%以上65質量%以下であるポリマーを含有する。
CH2=CR1CONR23 ・・・(i)
CH2=CR1CONR45 ・・・(ii)
上記式(i)~(ii)中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2及びR3は水素原子又は炭素数4~12のアルキル基を示し、かつR2及びR3が同時に水素原子である場合を除く。R4及びR5は水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を示す。
すなわち、本発明の液体皮膚外用剤が含有する成分(A)のポリマーは、上記特定の疎水性モノマー(i)と、上記モノマー(ii)を含む親水性モノマーとが重合してなるポリマーであり、これら成分(A)のポリマーを重合してなるモノマー全量中において、かかる疎水性モノマー(i)が35質量%以上65質量%以下なる量を占め、その残部を親水性ポリマーが占めるという、疎水性と親水性とを適度にバランスよく有する両親媒性ポリマーである。このような成分(A)のポリマーを含有することにより、後述する成分(B)の可塑剤とも相まって、適用後の皮膚上において、過度に硬化することなく皮膚への良好な密着性や追随性を有するとともに平滑な外観を保持し、かつ持続性にも優れる適切な被膜を形成することができる一方、水分の介在による良好な膨潤性も有することから、水処理を施すことにより優れた除去性を発現することができる。
成分(A)のポリマーを重合してなる上記式(i)で表される疎水性モノマー(i)は、いわゆる疎水性を示す(メタ)アクリルアミド系モノマーであり、かかるモノマー(i)としては、具体的には、例えばN-n-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-tert-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-オクチル(メタ)アクリルアミド、N-ラウリル(メタ)アクリルアミド、N-1-メチルウンデシル(メタ)アクリルアミド、N-2-エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、及びN-tert-オクチル(メタ)アクリルアミド等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、成分(A)に適度な疎水性を付与して皮膚上における適切な被膜の形成を可能にし、優れた持続性を発現する観点から、N-tert-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-tert-オクチル(メタ)アクリルアミド、及びN-2-エチルヘキシル(メタ)アクリルアミドから選ばれる1種又は2種以上のN-分岐アルキル(メタ)アクリルアミドが好ましく、N-tert-ブチル(メタ)アクリルアミドがより好ましい。
疎水性モノマー(i)の含有量は、後述するモノマー(ii)を含む親水性モノマーとともに適切な被膜を形成するための成分(A)を重合により有効に生成させる観点から、成分(A)のポリマーを重合してなるモノマー全量中に、35質量%以上であって、好ましくは38質量%以上であり、より好ましくは40質量%以上であり、さらに好ましくは45質量%以上であり、65質量%以下であって、好ましくは63質量%以下であり、より好ましくは61質量%以下であり、さらに好ましくは60質量%以下である。そして、モノマー(i)の含有量は、モノマー全量中に、35質量%以上65質量%以下であって、好ましくは38質量%以上63質量%以下であり、より好ましくは40質量%以上61質量%以下であり、さらに好ましくは45質量%以上60質量%以下である。
上記疎水性モノマー(i)とともに成分(A)のポリマーを重合してなる親水性ポリマーは、モノマー全量中において上記疎水性モノマー(i)の含有量の残部を占めることとなり、上記式(ii)で表されるモノマー(ii)、いわゆる親水性を示す(メタ)アクリルアミド系モノマーを含む。かかるモノマー(ii)としては、具体的には、例えば(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、及びN,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、成分(A)による適切な被膜の形成を促進しつつ、適度な親水性の付与により除去性を有効に高める観点から、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、及びN,N-ジエチル(メタ)アクリルアミドから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミドがより好ましい。
モノマー(ii)の含有量は、親水性ポリマーとして、上記疎水性モノマー(i)とともに適切な被膜を形成するための成分(A)を生成させ、適度な親水性の付与により除去性を有効に高める観点から、成分(A)のポリマーを重合してなるモノマー全量中に、35質量%以上であって、好ましくは37質量%以上であり、より好ましくは39質量%以上であり、さらに好ましくは40質量%以上であり、65質量%以下であって、好ましくは62質量%以下であり、より好ましくは60質量%以下であり、さらに好ましくは55質量%以下である。そして、モノマー(ii)の含有量は、モノマー中に、35質量%以上65質量%以下であって、好ましくは37質量%以上62質量%以下であり、より好ましくは39質量%以上60質量%以下であり、さらに好ましくは40質量%以上55質量%以下である。
上記式(ii)で表されるモノマー(ii)を含む親水性モノマーは、適切な被膜を形成するための成分(A)の生成を促進し、形成される被膜において除去性を有効に高める観点から、さらに親水性モノマーである下記式(iii)で表されるモノマー(iii)を含むことができる。
CH2=CR1CO(OR6m(OR7nOR8・・・(iii)
上記式(iii)中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R6及びR7は炭素数2~4のアルキレン基を示し、R8は水素原子、炭素数1~10のアルキル基又はフェニル基を示す。m及びnはそれぞれ0~50の整数を示し、かつm+n>0を満たす。
上記式(iii)で表されるモノマー(iii)は、親水性を示すポリオキシアルキレン鎖を有する、いわゆる(メタ)アクリル酸エステルモノマーである。なお、式(iii)中のR8は、水素原子、炭素数1~10のアルキル基又はフェニル基であって、好ましくは水素原子又は炭素数1~4のアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
かかるモノマー(iii)としては、具体的には、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、及びフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。モノマー(iii)が有するポリオキシアルキレン鎖は、炭素数2~4のアルキレンオキシドのホモポリマー又はコポリマーであり、コポリマーの場合はエチレンオキシドやプロピレンオキシド等のブロック共重合体であってもランダム共重合体であってもよい。
式(iii)中のm及びnはそれぞれ0~50の整数を示し、かつm+n>0を満たすが、m及びnはそれぞれアルキレンオキシドの重合度に相当し、ガスクロマトグラフィーにて分析することができる。すなわち、m+nはモノマー(iii)のアルキレンオキシドの重合度に相当し、かかる値は1~50であるのが好ましい。
なかでも、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートが好ましく、エチレンオキシドの重合度が2~40であるのがより好ましく、4~30であるのがさらに好ましい。
モノマー(iii)を含有する場合、その含有量は、同じく親水性モノマーである上記モノマー(ii)とともに、上記疎水性モノマー(i)と相まって適切な被膜を形成するための成分(A)の生成を促進しつつ、優れた除去性を確保する観点から、成分(A)のポリマーを重合してなるモノマー全量中に、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上であり、さらに好ましくは5質量%以上であり、好ましくは40質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下であり、さらに好ましくは25質量%以下である。そして、モノマー(iii)の含有量は、モノマー全量中に、好ましくは1質量%以上40質量%以下であり、より好ましくは3質量%以上30質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以上25質量%以下である。
モノマー(iii)を含有する場合、親水性モノマー中におけるモノマー(iii)の含有量は、成分(A)により形成される被膜において良好な使用感の発現を確保しつつ、除去性を一層高める観点から、親水性モノマー全量中に、好ましくは75質量%以下であり、より好ましくは60質量%以下であり、さらに好ましくは45質量%以下であり、好ましく1.5質量%以上であり、より好ましくは4.5質量%以上であり、さらに好ましくは7.5質量%以上である。
上記式(ii)で表されるモノマー(ii)を含む親水性モノマーは、適切な被膜を形成するための成分(A)の生成を促進し、後述する成分(C)の過度な乾燥や不要な析出・結晶化を有効に防止しつつ、除去性を一層高める観点から、さらに親水性モノマーである下記式(iv)で表されるモノマー(iv)を含むことができる。
CH2=CR1CONHR9NR1011・・・(iv)
上記式(iv)中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R9は炭素数2~3のアルキレン基を示し、R10及びR11はメチル基又はエチル基を示す。
上記式(iv)で表されるモノマー(iv)は、親水性を示す、いわゆる(メタ)アクリル酸エステル系及び(メタ)アクリルアミド系モノマーである。かかるモノマー(iv)としては、具体的には、例えばN,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、及びN,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、被膜中に成分(C)を良好に包埋しつつ、良好な除去性の発現を確保する観点から、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドが好ましい。
モノマー(iv)を含有する場合、その含有量は、親水性モノマーとして上記疎水性モノマー(i)と相まって適切な被膜を形成するための成分(A)の生成を促進しつつ、優れた除去性を発現させる観点から、成分(A)のポリマーを重合してなるモノマー全量中に、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは2質量%以上であり、さらに好ましくは5質量%以上であり、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以下である。そして、モノマー(iv)の含有量は、モノマー全量中に、好ましくは1質量%以上30質量%以下であり、より好ましくは2質量%以上25質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以上20質量%以下である。
親水性モノマー中におけるモノマー(iv)の含有量は、適切な被膜を形成するための成分(A)の生成を促進し、後述する成分(C)の過度な乾燥や不要な析出・結晶化を有効に防止しつつ、除去性を一層高める観点から、親水性モノマー全量中に、好ましくは85質量%以下であり、より好ましくは70質量%以下であり、さらに好ましくは60質量%以下であり、好ましくは1.5質量%以上であり、より好ましくは3.0質量%以上であり、さらに好ましくは7.5質量%以上である。
成分(A)のポリマーは、上記疎水性モノマー(i)と親水性モノマーとを重合させることにより得ることができる。すなわち、親水性モノマーとして上記モノマー(ii)を用いつつ、さらに必要に応じてモノマー(iii)やモノマー(iv)を併用し、ラジカル重合開始剤の存在下、バルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法、又は乳化重合法等の公知の重合法により、かかる疎水性モノマー(i)と親水性モノマーとを重合させる。なかでも、有機溶剤としてメタノール、エタノール、アセトン又はこれらと水との混合物等を用いた溶液重合法が好ましい。
用いるラジカル重合開始剤としては、アゾ化合物、例えば2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル-2,2'-アゾビスイソブチレート、2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1'-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボニトリル)等が挙げられる。
なお、重合開始剤の使用量は、モノマー全量に対して0.001~2.0モル%が好ましく、0.01~1.0モル%がより好ましい。
重合は、モノマー全量及び重合開始剤を全て仕込んだ後、加熱して行ってもよいし、各モノマー及び/又は重合開始剤を適宜滴下又は分割仕込みすることにより行ってもよい。
重合の温度は、使用されるラジカル重合開始剤、モノマー、溶剤の種類等により適宜選択し得るが、通常30~100℃であり、好ましくは40~90℃である。また、かかる重合は、通常行われているように窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことができる。
重合工程の後、重合反応液から再沈殿、又は溶剤留去等の公知の方法により、成分(A)のポリマーを単離することができる。また、再沈殿を繰り返すか、又は膜分離、クロマトグラフ法、抽出法等の公知の方法を用いることにより、得られたポリマー中から未反応のモノマーを除去することができる。
こうして得られる成分(A)のポリマーの質量平均分子量は、重合条件を適宜選択することにより制御し得るが、良好な使用感及び持続性を発現することのできる適切な被膜の形成を可能としつつ、優れた除去性の発現を確保する観点から、好ましくは10,000以上であり、より好ましくは30,000以上であり、さらに好ましくは50,000以上であり、好ましくは1,000,000以下であり、より好ましくは500,000以下であり、さらに好ましくは300,000以下である。
なお、ポリマーの「質量平均分子量」とは、GPC(ゲルパーミェーションクロマトグラフィ)によりポリスチレン換算にて測定される値を意味する。
成分(A)のポリマーのガラス転移温度は、良好な使用感及び持続性を発現することのできる適切な被膜の形成を確保する観点から、好ましくは50℃以上であり、より好ましくは55℃以上であり、さらに好ましくは60℃であり、好ましくは150℃以下であり、より好ましくは140℃以下であり、さらに好ましくは130℃以下である。
なお、ガラス転移温度とは、モノマー仕込み組成比の値を元に、下記式(X)に示すFOXの式により算出される値を意味する。
1/Tg=(W1/Tg1)+(W2/Tg2)+・・・+(Wn/Tgn)
・・・(X)
(式(X)中、Tgは成分(A)のガラス転移温度であり、W1、W2、・・・Wnは仕込んだ各モノマーの質量比であり、Tg1、Tg2、・・・、Tgnは仕込んだ各モノマーのホモポリマーにおけるガラス転移温度である。)
成分(A)の含有量は、皮膚に対して高い密着性や追随性を示し、優れた持続性を発現する被膜の形成を可能にする観点から、本発明の液体皮膚外用剤中に、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは2質量%以上であり、さらに好ましくは3質量%以上であり、またさらに好ましくは5質量%以上である。また、成分(A)の含有量は、良好な使用感を発現する被膜の形成を可能にしながら、除去性をも高める観点から、本発明の液体皮膚外用剤中に、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以下であり、またさらに好ましくは15質量%以下である。そして、成分(A)の含有量は、本発明の液体皮膚外用剤中に、好ましくは1質量%以上30質量%以下であり、より好ましくは2質量%以上25質量%以下であり、さらに好ましくは3質量%以上20質量%以下であり、またさらに好ましくは5質量%以上15質量%以下である。
本発明の液体皮膚外用剤は、成分(B)として、炭素数2以上9以下の多価アルコール、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、及びグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上の可塑剤を含有する。かかる成分(B)を含有することにより、成分(A)と相まって、皮膚への密着性や追随性、及び使用感に優れる適切な被膜の形成を可能にしつつ、優れた除去性を発現させることができる。
炭素数2以上9以下の多価アルコールとしては、具体的には、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、モノエチレングリコール、ジエチレングリコール、及びトリエチレングリコール等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
ポリオキシアルキレングリコールとしては、具体的には、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、及び(オキシエチレン/オキシプロピレンランダム共重合体)ジオール等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
かかるポリオキシアルキレングリコールの数平均分子量は、好ましくは100以上20,000以下であり、より好ましくは200以上10,000以下である。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、具体的には、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンオレイルエーテル、ポリオキシブチレンラウリルエーテル、及びポリオキシブチレンオレイルエーテル等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
グリセリン脂肪酸エステルとしては、具体的には、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノパルミチン酸グリセリル等のグリセリンモノ脂肪酸エステル、ジステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル、及びジパルミチン酸グリセリル等が挙げられる。
これら成分(B)のなかでも、上記成分(A)とともに皮膚上における適切な被膜の形成を可能にし、優れた除去性を発現させる観点から、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコールから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、グリセリン、ポリエチレングリコールから選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。
成分(B)の含有量は、皮膚上において適切な被膜を形成し、かつ良好な除去性を確保する観点から、本発明の液体皮膚外用剤中に、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.3質量%以上であり、さらに好ましくは0.5質量%以上であり、またさらに好ましくは1.0質量%以上である。成分(B)の含有量は、皮膚上において適切な被膜を形成する観点から、本発明の液体皮膚外用剤中に、好ましくは25質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%以下であり、またさらに好ましくは10質量%以下である。そして、成分(B)の含有量は、本発明の液体皮膚外用剤中に、好ましくは0.1質量%以上25質量%以下であり、より好ましくは0.3質量%以上20質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以上15質量%以下であり、またさらに好ましくは1.0質量%以上10質量%以下である。
成分(A)の含有量と成分(B)の含有量との質量比((A)/(B))は、皮膚上において適切な被膜を形成させる観点から、好ましくは0.5以上であり、より好ましくは0.65以上であり、さらに好ましくは1.0以上であり、またさらに好ましくは1.2以上である。また、成分(A)の含有量と成分(B)の含有量との質量比((A)/(B))は、皮膚上において適切な被膜を形成し、かつ良好な除去性を確保する観点から、好ましくは25以下であり、より好ましくは20以下であり、さらに好ましくは10以下であり、またさらに好ましくは7.0以下である。そして、成分(A)の含有量と成分(B)の含有量との質量比((A)/(B))は、好ましくは0.5~25であり、より好ましくは0.65~20であり、さらに好ましくは1.0~10であり、またさらに好ましくは1.2~7.0である。
本発明の液体皮膚外用剤は、成分(C)として薬剤を含有する。本発明の液体皮膚外用剤であれば、良好な使用感及び皮膚への優れた密着性や追随性を発現しながら、持続性にも優れる被膜を皮膚上に形成させることができるため、成分(C)の皮膚への持続的な担持を可能にすることができる。
かかる成分(C)としては、医薬用薬剤又は化粧品用薬剤として一般に用いられているものであればよく、経皮吸収性を有する薬剤であるのが好ましい。
成分(C)としては、具体的には、例えば、フェルビナク、インドメタシン、ロキソプロフェンナトリウム、サリチル酸メチル、アセチルサリチル酸、サリチル酸グリコール、ジクロフェナクナトリウム、アセトアミノフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、ピロキシカム、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、イブプロフェンピコノール、アラントイン、ヘパリン類似物質等の抗炎症・消炎鎮痛剤;
ミコナゾール、エコナゾール、オキシコナゾール、スルコナゾール、ビホナゾール、チオコナゾール、ネチコナゾール、ラノコナゾール、トルナフタート、トルシクラート、シクロピロクスオラミン、エキサラミド、シッカニン、ウンデシレン酸、ピロールニトリン、クロトリマゾール、ブテナフィン塩酸塩、アモロルフィン塩酸塩、テルビナフィン塩酸塩等の抗真菌剤;
ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン酢酸エステル、ヒドロコルチゾン酪酸エステル、デキサメタゾン、デキサメタゾン酢酸エステル、プレドニゾロン、プレドニゾロン酢酸エステル、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、ウフェナマート、クロタミトン等の鎮痒剤;
ジフェンヒドラミン、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩等の抗ヒスタミン薬;
テストステロン、メチルテストステロン、エストステロンプロピオン酸エステル、エストロゲン、エストラジオール安息香酸エステル、インスリン、プロスタグランジン等のホルモン薬;
ニコチン等の禁煙補助剤;
フェンタニル、リドカイン、ジブカイン、アミノ安息香酸エチル等の局所麻酔薬;
トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール)等の消臭剤;
アルミニウムクロルハイドレート、硫酸アルミニウムカリウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、酸化亜鉛等の制汗剤;
トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール(IPMP)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、チモール、レゾルシン、アクリノール水和物、クロルヘキシジングルコン酸塩、クロルヘキシジン塩酸塩、ヨウ素、ポビヨンヨード、ヨードホルム、マーキュロクロム、オキシドール、クレゾール、フェノール、ヒノキチオール等の殺菌・消毒剤;
アルブチン、コウジ酸、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸誘導体等の美白剤;
レチノール、トラネキサム酸等の抗シワ剤;
カンフル、リモネン、ゲラニオール、セドロール、シトロネロール、トウガラシ、オウバク、ハッカ油、ペパーミント油、ラベンダー油、ユーカリ油、ジンジャー油等の香料又は精油類;
l-メントール、メンチルアセテート、乳酸メンチル、l-メンチルグリセリルエーテル、メンチルピロリドンカルボン酸等の冷感剤;
バニリルアルキルエーテル、ノナン酸バニリルエーテル、バニリルノナンアミド、カプサイシン、トウガラシチンキ等の温感剤から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
これらの成分のうち、本発明の効果をより有効に利用する観点から、抗炎症・消炎鎮痛剤が好ましく、なかでも、成分(A)や成分(B)との良好な相溶性等により、被膜の優れた持続性を充分に活用し得る観点から、芳香族カルボン酸化合物、又はフェノール性水酸基含有化合物であるのが好ましく、より具体的には、フェルビナク、インドメタシン、ロキソプロフェン、アセチルサリチル酸、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、ジクロフェナク、アセトアミノフェン、ケトプロフェン、及びフルルビプロフェン等の消炎鎮痛剤から選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、フェルビナクがさらに好ましい。
成分(C)の含有量は、その種類によっても変動し得るが、許容された範囲内で充分に薬効を発揮させる観点から、本発明の液体皮膚外用剤中に、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.3質量%以上であり、さらに好ましくは0.5質量%以上である。また、成分(C)の含有量は、被膜の形成性を高める観点から、本発明の液体皮膚外用剤中に、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは15質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下である。そして、成分(C)の含有量は、本発明の液体皮膚外用剤中に、好ましくは0.1質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは0.3質量%以上15質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以上10質量%以下である。
成分(A)の含有量と成分(C)の含有量との質量比((A)/(C))は、適切な被膜の形成により、薬剤による皮膚への作用促進を有効に高める観点から、好ましくは0.5以上であり、より好ましくは0.65以上であり、さらに好ましくは1以上であり、好ましくは100以下であり、より好ましくは35以下であり、さらに好ましくは20以下である。そして、成分(A)の含有量と成分(C)の含有量との質量比((A)/(C))は、好ましくは0.5~100であり、より好ましくは0.65~35であり、さらに好ましくは1~20である。
本発明の液体皮膚外用剤は、良好な塗布性や被膜の皮膚への密着性や追随性を高める等の観点から、さらに揮発性溶媒(D)を含有するのが好ましい。かかる成分(D)の揮発性溶媒としては、常温常圧で大気中に容易に揮発する液体であり、具体的には、水のほか、炭素数2以上10以下のアルカン、ケトン、エステル又は一価のアルコール、並びに揮発性シリコーン等から選ばれる1種又は2種以上であればよい。より具体的には、例えば、水、エタノール、アセトン、イソドデカン、1-プロパノール、2-プロパノール、酢酸エチル、ヘキサン、及び揮発性シリコーン等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、揮発性及び皮膚への低刺激性の観点から、水、エタノール、2-プロパノール、アセトン、及びイソドデカンから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、水、エタノール、2-プロパノールがより好ましい。
成分(D)の揮発性溶媒の含有量は、皮膚への適用態様等に応じて適宜選択すればよく、本発明の液体皮膚外用剤の皮膚への適用態様に応じて良好な塗布性を確保する観点から、本発明の液体皮膚外用剤中に、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは55質量%以上であり、さらに好ましくは60質量%以上であり、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは88質量%以下であり、さらに好ましくは85質量%以下である。そして、成分(D)の揮発性溶媒の含有量は、本発明の液体皮膚外用剤中に、好ましくは50質量%以上90質量%以下であり、より好ましくは55質量%以上88質量%以下であり、さらに好ましくは60質量%以上85質量%以下である。
本発明の液体皮膚外用剤の皮膚への適用態様が、噴霧により皮膚に塗布する態様である場合、液化石油ガス、ジメチルエーテル、炭酸ガス、及び窒素ガス等から選ばれる1種又は2種以上の噴射剤を用いるのが好ましい。
かかる噴射剤の含有量は、塗布性を向上する観点から、本発明の液体皮膚外用剤100質量部に対し、好ましくは25質量部以上であり、より好ましくは40質量部以上であり、さらに好ましくは50質量部以上であり、好ましくは1900質量部以下であり、より好ましくは900質量部以下であり、さらに好ましくは400質量部以下である。そして、噴射剤の含有量は、好ましくは25質量部以上1900質量部以下であり、より好ましくは40質量部以上900質量部以下であり、さらに好ましくは50質量部以上400質量部以下である。
本発明の液体皮膚外用剤には、上記成分のほか、本発明の効果を阻害しない範囲内で、各種界面活性剤、クエン酸、酒石酸、トリエタノールアミン、水酸化カリウム等のpH調整剤;カラギーナン、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース等の粘結剤;防腐剤;紫外線吸収剤;色素;メントール等の香料等を適宜含有することができる。
本発明の液体皮膚外用剤の形態は、所望の皮膚に塗布又は噴霧が容易な液体であれば特に限定されず、例えば、油中水型又は水中油型の乳化型(クリーム、ローション、乳液、美容液)の形態、ペースト状形態(軟膏等)、ジェル状形態であってもよい。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、表中に特に示さない限り、各成分の含有量は質量%を示す。
[合成例1:ポリマーの合成]
疎水性モノマー(i)としてN-tert-ブチルアクリルアミド、及びモノマー(ii)としてN,N-ジメチルアクリルアミドを用い、必要に応じてさらにモノマー(iii)としてメトキシポリエチレングリコールモノメチルエーテルメタクリレート(エチレンオキシドの重合度=9)、モノマー(iv)としてN,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミドを用い、表1に示すモノマー量にしたがってポリマーA~Iを重合した。
具体的には、還流冷却器、送液装置、温度計、窒素ガス導入管及び撹拌装置を取り付けた四ツ口フラスコを50℃のオイルバスで加熱し、表1に示す構成比率のモノマーをモノマー全量が100部になるようにエタノール100部に溶解させて、モノマー溶液を調製した。また、モノマー全量に対して0.2mol%の開始剤(V-65B、富士フィルム和光純薬社製)を濃度が5質量%になるようにエタノールに溶解させて、開始剤溶液を調製した。上記のモノマー溶液と開始剤溶液を130分間かけて窒素雰囲気下にて同時にフラスコに滴下し、その後130分間50℃の温度に保持し、さらに120分間80℃に保持して重合反応させた。重合後、ポリマーのエタノール溶液をn-ヘキサンの中に注いで再沈殿精製し、80℃にて真空乾燥させた。
次いで、得られた各ポリマーにつき、下記方法にしたがって各物性を評価した。
結果を表1に示す。
《重量平均分子量(Mw)》
GPCにより、以下の条件にしたがって測定した。
装置:東ソー社製HLC-8320
GPCカラム:「α-M」(東ソー社製)を2本直列につないで使用
溶離液:50mM臭化リチウム/N,N-ジメチルホルムアミド溶液
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出器:RI
検量線:ポリスチレン分子量842万、109万、9.64万(東ソー社製)
ポリスチレン分子量3万(西尾工業社製)、ポリスチレン分子量5400、500
東ソー社製)
《ガラス転移温度(Tg)》
モノマー仕込み組成比の値を元に、上記FOXの式(X)により算出した。
Figure 2022116436000001
[実施例1~9、比較例1~2]
得られた各ポリマーを用い、表2に示す処方にしたがって、各液体皮膚外用剤を調製した。
次いで、得られた各液体皮膚外用剤につき、下記方法にしたがって各評価を行った。
結果を表2に示す。
《使用感》
液体皮膚外用剤を前腕内側部の皮膚上2cm×2cmの範囲に24μL塗布(6μL/cm2)し、10秒かけて塗り伸ばした。塗布5分後に人差し指で被膜を上から触った時に、前腕内側部の皮膚及び人差し指の皮膚で感じる密着性の悪さや追随性の悪さを違和感として触知し、下記基準にしたがって数値評価した。次いで、得られた数値を使用感の評価の指標とした。
なお、数値評価が「3」以上であれば、良好な使用感を有する被膜として合格であると判断した。
5:皮膚上で違和感が全くない。
4:皮膚上で違和感がほとんどない。
3:皮膚上で違和感がわずかにある。
2:皮膚上で違和感がある。
1:皮膚上で違和感がかなりある。
《被膜の持続性》
液体皮膚外用剤を前腕内側部の皮膚上2cm×2cmの範囲に24μL塗布(6μL/cm2)し、10秒かけて塗り伸ばした。塗布30分後に人差し指の皮膚で被膜を上から複数回擦過し、その際に生じる被膜の剥がれを触知し、下記基準にしたがって数値評価した。次いで、得られた数値を被膜の持続性の評価の指標とした。
なお、数値評価が「3」以上であれば、持続性に優れる被膜として合格であると判断した。
5:皮膚上に剥がれが全く生じない。
4:皮膚上に剥がれがほとんど生じない。
3:皮膚上に剥がれがわずかに生じる。
2:皮膚上に剥がれが生じる。
1:皮膚上に剥がれがかなり生じる。
《除去性》
液体皮膚外用剤を前腕内側部の皮膚上2cm×2cmの範囲に24μL塗布(6μL/cm2)し、10秒かけて塗り伸ばした。塗布30分後に皮膚上に形成した被膜を水道水にさらしたまま、人差し指で擦り落とすように洗い流し、タオルドライした後に皮膚上に残留した被膜を触知して、下記基準にしたがって数値評価した。次いで、得られた数値を被膜の除去性の評価の指標とした。
なお、数値評価が「3」以上であれば、優れた除去性を発現する被膜として合格であると判断した。
5:皮膚上で被膜の残留感が全くない。
4:皮膚上で被膜の残留感がほとんどない。
3:皮膚上で被膜の残留感がわずかにある。
2:皮膚上で被膜の残留感がある。
1:皮膚上で被膜の残留感がかなりある。
Figure 2022116436000002

Claims (9)

  1. 次の成分(A)、(B)、及び(C):
    (A)下記式(i)で表される疎水性モノマー(i)と、下記式(ii)で表されるモノマー(ii)を含む親水性モノマーとが重合してなり、かつ
    モノマー全量中における疎水性モノマー(i)の含有量が35質量%以上65質量%以下であるポリマー
    CH2=CR1CONR23 ・・・(i)
    CH2=CR1CONR45 ・・・(ii)
    (式(i)~(ii)中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2及びR3は水素原子又は炭素数4~12のアルキル基を示し、かつR2及びR3が同時に水素原子である場合を除く。R4及びR5は水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を示す。)
    (B)炭素数2以上9以下の多価アルコール、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、及びグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上の可塑剤
    (C)薬剤
    を含有する、液体皮膚外用剤。
  2. 成分(A)の含有量と成分(B)の含有量との質量比((A)/(B))が、0.5以上25以下である請求項1に記載の液体皮膚外用剤。
  3. 親水性モノマーが、さらに下記式(iii)で表されるモノマー(iii)を含む請求項1又は2に記載の液体皮膚外用剤
    CH2=CR1CO(OR6m(OR7nOR8・・・(iii)
    (式(iii)中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R6及びR7は炭素数2~4のアルキレン基を示し、R8は水素原子、炭素数1~10のアルキル基又はフェニル基を示す。m及びnはそれぞれ0~50の整数を示し、かつm+n>0を満たす。)。
  4. 成分(C)が、抗炎症・消炎鎮痛剤である請求項1~3のいずれか1項に記載の液体皮膚外用剤。
  5. 成分(A)のガラス転移温度が、50℃以上150℃以下である請求項1~4のいずれか1項に記載の液体皮膚外用剤。
  6. 成分(B)の含有量が、0.1質量%以上25質量%以下である請求項1~5のいずれか1項に記載の液体皮膚外用剤。
  7. 親水性モノマーが、さらに下記式(iv)で表されるモノマー(iv)を含む請求項1~6のいずれか1項に記載の液体皮膚外用剤
    CH2=CR1CONHR9NR1011・・・(iv)
    (式(iv)中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R9は炭素数2~3のアルキレン基を示し、R10及びR11はメチル基又はエチル基を示す。)。
  8. 成分(A)の質量平均分子量が、10,000以上1,000,000以下である請求項1~7のいずれか1項に記載の液体皮膚外用剤。
  9. 成分(A)の含有量が、1質量%以上30質量%以下である請求項1~8のいずれか1項に記載の液体皮膚外用剤。
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